(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071557
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ヘッダプレートレス型熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20230516BHJP
F28F 3/08 20060101ALI20230516BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20230516BHJP
F28F 1/40 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
F28F9/02 301J
F28F3/08 311
F28D1/053 A
F28F1/40 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184417
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】関谷 将仁
(72)【発明者】
【氏名】吉田 将之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 弘仁
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA08
3L103BB17
3L103CC02
3L103CC24
3L103DD15
3L103DD32
3L103DD55
(57)【要約】
【課題】 ヘッダプレートレス型熱交換器のタンクとコアの接触部に生じる熱応力の集中を低減させること。
【解決手段】 厚み方向の少なくとも一方側の平面の長手方向の両端部に、膨出部2を有する複数の偏平チューブ1と、前記膨出部2で各偏平チューブ1が積層されたコア5と、前記コア5の両端に開口が嵌着して、接合されたタンク9と、を具備する。その最上段の偏平チューブ1aおよび最下段の偏平チューブ1bは、前記タンク9と接合される平面の両端部に、前記膨出部2を有さない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み方向の少なくとも一方側の平面の長手方向の両端部に膨出部(2)を有する複数の偏平チューブ(1)と、
前記膨出部(2)で各偏平チューブ(1)が積層されたコア(5)と、
前記コア(5)の両端に開口が嵌着して、接合されたタンク(9)と、
を具備し、
偏平チューブ(1)の積層方向における最上段の偏平チューブ(1a)および最下段の偏平チューブ(1b)は、前記タンク(9)と接合される平面の両端部に、前記膨出部(2)を有さないことを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記偏平チューブ(1)は、対向する一対の溝型のプレートからなり、
積層方向における中間位置の偏平チューブ(1c)は、各プレートの長手方向の両端部に膨出部(2)が形成されており、
積層方向における最上段及び最下段の偏平チューブ(1a、1b)は、前記中間位置の偏平チューブ(1c)の各プレートの一方と、膨出部(2)を有しないプレートからなるヘッダプレートレス型熱交換器。
【請求項3】
請求項1に記載のヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記偏平チューブ(1)は、対向する一対の溝型のプレートからなり、
長手方向の両端部に膨出部(2)が形成された一方のプレートと、膨出部(2)を有しない他方のプレートとからなるヘッダプレートレス型熱交換器。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記偏平チューブ(1)内にインナフィン(10)が介装されており、前記タンク(9)の開口端は、少なくとも、最上段の偏平チューブ(1a)または最下段の偏平チューブ(1b)のインナフィン内蔵部に位置するヘッダプレートレス型熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏平チューブの両端部に膨出部を有する複数の偏平チューブが積層されて、コアを形成するヘッダプレートを必要としない熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘッダプレートを必要としない熱交換器として、特許文献1が知られている。
この熱交換器は、
図11、
図12に記載の如く、両端部に厚み方向に膨出された膨出部22を有する複数の偏平チューブ21を有し、その偏平チューブ21が、膨出部22で互いに接触して積層され、コア25を形成する。
各偏平チューブ21は、膨出部22と膨出部以外の部分との境に、段差23が生じる。
また、
図11に記載の如く、そのコア25の両端には一対のタンク29の開口が嵌着されて、両者が接続される。このタンク29は、横断面が方形で、その開口に上端板部26と下端板部27と、それらに直交する一対の側板部28とを有する。
このコア25とタンク29との外周には、
図12の鎖線で示すケーシング31が被嵌される。そして、各部品の接触部の間がろう付固定されることにより、ヘッダプレートレス型熱交換器が形成される。そして、各偏平チューブ21内に高温ガスが流通し、その外周に冷却水が流通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、
図12のヘッダプレートレス型熱交換器は、各偏平チューブ21内に高温ガスが流通すると、タンク29の開口の上端板部26及び下端板部27とコア25の最外側の偏平チューブ21との接合部に、応力集中が生じ易い欠点がある。
これは、偏平チューブ21の膨出部22の段差23の位置に、タンク29の開口の端部26a、27aが接続され、そこで急激に形状が変化するため、その近傍に熱応力が集中する。即ち、タンク29の開口に熱応力集中部位40が生じる。すると、その近傍から破損するおそれがある。
そこで、本発明は上記欠点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、厚み方向の少なくとも一方側の平面の長手方向の両端部に膨出部2を有する複数の偏平チューブ1と、
前記膨出部2で各偏平チューブ1が積層されたコア5と、
前記コア5の両端に開口が嵌着して、接合されたタンク9と、
を具備し、
偏平チューブ1の積層方向における最上段の偏平チューブ1aおよび最下段の偏平チューブ1bは、前記タンク9と接合される平面の両端部に、前記膨出部2を有さないことを特徴とするヘッダプレートレス型熱交換器である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記偏平チューブ1は、対向する一対の溝型のプレートからなり、
積層方向における中間位置の偏平チューブ1cは、各プレートの長手方向の両端部に膨出部2が形成されており、
積層方向における最上段及び最下段の偏平チューブ1a、1bは、前記中間位置の偏平チューブ1cの各プレートの一方と、膨出部2を有しないプレートからなるヘッダプレートレス型熱交換器である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記偏平チューブ1は、対向する一対の溝型のプレートからなり、
長手方向の両端部に膨出部2が形成された一方のプレートと、膨出部2を有しない他方のプレートとからなるヘッダプレートレス型熱交換器である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載のヘッダプレートレス型熱交換器において、
前記偏平チューブ1内にインナフィン10が介装されており、前記タンク9の開口端は、少なくとも、最上段の偏平チューブ1aまたは最下段の偏平チューブ1bのインナフィン内蔵部に位置するヘッダプレートレス型熱交換器である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明は、偏平チューブ1の積層方向における最上段及び最下段の偏平チューブ1a、1bが、タンク9と接合される平面の両端部に、膨出部2を有さないものである。
このように、タンク9と接続される最上段及び最下段の偏平チューブ1a、1bの端部に、膨出部2による段差3(急激な形状変更)が存在しない平坦に形成したので、従来生じていた、偏平チューブの膨出部2の段差3の応力集中を防止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記偏平チューブ1は、対向する一対の溝型のプレートからなり、積層方向における中間位置の偏平チューブ1cは、各プレートの長手方向の両端部に膨出部2が形成されており、積層方向における前記最上段及び最下段の偏平チューブ1a、1bは、前記中間位置の偏平チューブ1cの各プレートの一方と、膨出部2を有しないプレートから構成されている。
この構成により、偏平チューブを構成するプレートの種類を3枚にすることができ、製作コストを削減できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記偏平チューブ1は、対向する一対の溝型のプレートからなり、長手方向の両端部に膨出部2が形成された一方のプレートと、膨出部2を有しない他方のプレートとから構成されている。
この構成により、使用するプレートの種類を2枚にすることができ、製作コストを削減できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、偏平チューブ1内にインナフィン10が介装され、タンク9の開口端は、少なくとも、最上段の偏平チューブ1aまたは最下段の偏平チューブ1bのインナフィン内蔵部に位置するものである。
即ち、タンク9の開口端が、少なくとも、最上段の偏平チューブ1aまたは最下段の偏平チューブ1b内のインナフィン10の先端10aの位置よりコア5の中央側に延長されている。
これにより、剛性変化の大きい当該開口端と偏平チューブ1との接合部がインナフィン10によって補強されるので、当該接合部に生じる応力も緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5の分解斜視図。
【
図2】同熱交換器を構成するコア5に一対のタンク9を取付けた状態を示す斜視図。
【
図4】本発明の第2実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5に一対のタンク9を取付けた状態の斜視図。
【
図6】本発明の第3実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図、同図(B)は、同図(A)のB-B矢視断面図。
【
図7】本発明の第4実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図、同図(B)は、同図(A)のB-B矢視断面図。
【
図8】本発明の第5実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図、同図(B)は、同図(A)のB-B矢視断面図。
【
図9】本発明の第6実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図、同図(B)は、同図(A)のB-B矢視断面図。
【
図10】本発明の第7実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図、同図(B)は、同図(A)のB-B矢視断面図。
【
図11】従来技術のヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア25に一対のタンク29を取付けた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、図面に基づいて本発明の各実施の形態につき説明する。
図1~
図3は、本発明の第1実施例のヘッダプレートレス型熱交換器であって、
図1はその熱交換器を構成するコア5の分解斜視図であり、
図2は
図1のコア5に一対のタンク9を取付けた状態を示す斜視図であり、
図3(A)は
図2のIII-III矢視断面図、
図3(B)は
図3(A)のB-B矢視断面図である。
【0015】
この熱交換器は、
図1に示す如く、多数の偏平チューブ1をその両端の膨出部2で積層しコア5が形成されている。
コア5の両端には、
図2に示す如く、一対のタンク9の開口が嵌着する。
このタンク9は、一例として、
図2、
図3に示す如く、浅い漏斗状に形成され、その一端開口が円形に、他端開口が方形に形成されている。
この他端開口は、上下に対向する上端板部6と下端板部7と、その両側に配置された一対の側板部8とを有する。
コア5の外周は、
図3(A)(B)の鎖線に示すように、ケーシング11で被嵌される。
一例として、ケーシング11には、図示しない冷却水の出入口を形成し、冷却水を各偏平チューブ1の外側に供給する。そして、一方のタンク9側から排ガスを偏平チューブ1内に導き、冷却水との間に熱交換が行われる。
【0016】
この例の偏平チューブ1は、
図1に示す如く、夫々溝形に形成された一対のアウタプレート1dと、インナプレート1eとの嵌着体からなる。
インナプレート1eの側壁の上部は、インナプレート1eの板厚分内側に曲折した段付きに成形されて、そこに段付き部を構成する。そして、側壁に段付き部がないアウタプレート1dの内側に、インナプレート1eの上端部が嵌着する。
各偏平チューブ1内には、
図1に示す如く、インナフィン10を介装することが好適である。
【0017】
本願発明では、コア5を構成する積層された偏平チューブ1を、最上段の偏平チューブ1aと、最下段の偏平チューブ1bと、その他の偏平チューブ1の積層方向の中間位置の偏平チューブ1cとに区別する。
偏平チューブ1の積層方向の中間位置の偏平チューブ1cは、インナプレート1e(一方のプレート)およびアウタプレート1d(他方のプレート)の長手方向の両端部に、厚み方向に膨出された膨出部2を有する。
膨出部2と各プレート1d、1eの長手方向の中間部との境には、段差3が形成されている。
【0018】
偏平チューブ1の積層方向の最上段の偏平チューブ1aは、アウタプレート1d(他方のプレート)がタンク9の開口の上端板部6と接触する。応力集中部位20に生じる応力集中を緩和させるため、最上段の偏平チューブ1aのアウタプレート1dの両端部は、膨出部2を有しない(以降、膨出部2を有しない端部のことを、平坦端部4という)。
この最上段の偏平チューブ1aのインナプレート1e(一方のプレート)の両端には、膨出部2が形成される。その膨出部2は、中間位置の偏平チューブ1cの膨出部2と接触する。
最上段の偏平チューブ1aのインナプレート1eは、中間位置の偏平チューブ1cの膨出部2を有するインナプレート1eを流用できる。
【0019】
これに対して、最下段の偏平チューブ1bの各プレートは上記と逆に形成されており、インナプレート1e(他方のプレート)がタンク9の開口の下端板部7と接触する。すなわち、この最下段の偏平チューブ1bのインナプレート1eの両端部は、平坦端部4で構成されている。
この最下段の偏平チューブ1bのアウタプレート1d(一方のプレート)の両端には、膨出部2が形成される。
最下段の偏平チューブ1bのアウタプレート1dは、中間位置の偏平チューブ1cの膨出部2を有するアウタプレート1dを流用できる。
【0020】
このヘッダプレートレス型熱交換器は、タンク9の上端板部6及び下端板部7と接触する最上段及び最下段の偏平チューブ1a、1bの端部が、平坦端部4で構成されている。
従来技術で述べた通り、タンク29と最外側に配置されている偏平チューブ21との接触部では、タンク29の上端板部26及び下端板部27の端部26a、27aの位置に、応力集中が生じやすいが、この実施例のように偏平チューブ1の最外側の両端部を平坦端部4で構成すると、その応力集中を避けることができる。
即ち、
図12の従来技術のコア25においては、熱応力集中部位40の近傍に、応力集中の影響を受け易い膨出部22に由来する急激な形状変化の段差23があったが、本発明ではそれがないので、偏平チューブの平坦端部4にかかる熱応力の集中を緩和することができる。
【0021】
次に、
図4及び
図5は、本発明の第2実施例のヘッダプレートレス型熱交換器であって、
図4はその熱交換器を構成するコア5に一対のタンク9を取付けた状態を示す斜視図であり、
図5は
図4のV-V矢視図である。
この実施例が、前述の第1実施例と異なるのは、次の点である。
図5に示す如く、タンク9の上端板部6及び下端板部7の端部6a、7aが、偏平チューブ1に介装されるインナフィン10の先端10aの位置よりコア5の中央側に延長され、それらの延長された端部6a、7aが偏平チューブ1に接続されている。
【0022】
この第2実施例では各端部6a、7aをインナフィン10の先端10aを越える位置まで延長することで、熱応力集中部位20をインナフィン10の介在する位置に変更している。
上端板部6と端部6aまでの間、下端板部7と端部7aまでの間には段差はなく、上端板部6と下端板部7から水平にインナフィン10の先端10aを越える位置まで延長されている。このような構造とすることにより、インナフィン10が補強材になり、応力集中を緩和することができる。
【0023】
次に、
図6は、本発明の第3実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図であり、
図6(B)は同図(A)のB-B矢視断面図である。
この実施例が、第1実施例と異なる点は、使用するプレートの種類を削減したことにある。第1実施例では、4種類の形状のプレートを有する。
この例では、3種類のプレートを用いる。最上段の偏平チューブ1aは、そのアウタプレート1d(他方のプレート)の両端が平坦端部4で構成とされ、インナプレート1e(一方のプレート)が、中間位置の偏平チューブ1cのインナプレート1eを流用したものである。
そして最下段の偏平チューブ1bは、最上段の偏平チューブ1aの上下の各プレートをひっくり返したものである。
これにより、3枚のプレートで、熱交換器の各偏平チューブ1a、1b、1cが形成される。
【0024】
次に、
図7は、第4実施例であり、第3実施例の変形例で、両実施例の違いは、最上段と最下段のインナプレート1eとアウタプレート1dの位置が上下逆に配置された点である。同図(A)はその要部縦断面図であり、図(B)は同図(A)のB-B矢視断面図である。
【0025】
次に、
図8は、本発明の第5実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図であり、
図8(B)は同図(A)のB-B矢視断面図である。
この実施例が、第3、第4の各実施例と異なる点は、コア5を構成する偏平チューブ1の種類をさらに削減した点にある。この例では、各偏平チューブ1が平坦なアウタプレート1dと、両端部に膨出部2を有するインナプレート1eと、の2枚のプレートを組み合わせて熱交換器を構成する。
即ち、最上段の偏平チューブ1a、中間位置の偏平チューブ1c(第2段、第3段)は、両端が平坦端部4で構成されたアウタプレート1d(他方のプレート)と、両端に膨出部2を有するインナプレート1e(一方のプレート)とからなる。
最下段の偏平チューブ1bは、最上段の偏平チューブ1a,中間位置の偏平チューブ1cの各プレート1d,1eの上下をひっくり返したものである。
この場合、より少ない種類のプレートから各段の偏平チューブ1a、1b、1cが形成されている。
【0026】
次に、
図9は、本発明の第6実施例を示すヘッダプレートレス型熱交換器を構成するコア5を示し、同図(A)はその要部縦断面図であり、
図9(B)は同図(A)のB-B矢視断面図である。
この例が、
図8の実施例と異なる点は、積層方向の中央位置で、各偏平チューブ1を上下対称に配置したものである。
この例も、両端が平坦端部4を有するアウタプレート1dと、両端に膨出部2を有するインナプレート1eと、の2枚のプレートを組み合わせて熱交換器を構成する。
【0027】
次に、
図10は、本発明の第7実施例であり、これが上記第8実施例と異なる点は、インナプレート1eとアウタプレート1dとが上下逆に配置されたものである。
【0028】
(変形例)
図8の第5実施例では、最下段の偏平チューブ1bの上下を、他の偏平チューブ1a、1cと反対にすることによって、最下段の偏平チューブ1bと、それに隣接する偏平チューブ1cとの外面間に、広い冷却水路を形成している。
これに代えて、最上段の偏平チューブ1aとそれに隣接する偏平チューブ1cとの外面間に、広い冷却水路を形成してもよい。
上記各実施例では、一対のアウタプレート1dとインナプレート1eとの嵌着体で偏平チューブ1を構成しているが、偏平チューブ1の構成は、これに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、EGRクーラ、排気ガス熱回収器等の、ヘッダプレートレス型熱交換器に利用できる。
【符号の説明】
【0030】
1 偏平チューブ
1a 最上段の偏平チューブ
1b 最下段の偏平チューブ
1c 中間位置の偏平チューブ
1d アウタプレート
1e インナプレート
2 膨出部
3 段差
4 平坦端部
5 コア
【0031】
6 上端板部
6a 端部
7 下端板部
7a 端部
8 側板部
9 タンク
10 インナフィン
10a 先端
11 ケーシング
20 熱応力集中部位
【0032】
21 偏平チューブ
22 膨出部
23 段差
25 コア
26 上端板部
26a 端部
27 下端板部
27a 端部
28 側板部
29 タンク
31 ケーシング
40 熱応力集中部位