(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071560
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】設備管理支援システム、設備管理支援方法、情報端末の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230516BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184421
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩井 真人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】設備の作業者に設備の確認作業を効率的に行わせることができる設備管理支援システムを提供する。
【解決手段】設備管理支援システム4は、第1取得部41と、出力部41と、を備える。第1取得部31は、設備5に関する設備情報、及び、設備5を管理する設備管理システム2と通信可能な第1情報端末3を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。出力部31は、第1取得部31が取得した取得情報に基づいて生成された情報であって設備5の確認手順に関する確認手順情報を、設備5の第2作業者が使用する第2情報端末3に出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備に関する設備情報、及び、前記設備を管理する設備管理システムと通信可能な第1情報端末を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する第1取得部と、
前記第1取得部が取得した前記取得情報に基づいて生成された情報であって前記設備の確認手順に関する確認手順情報を、前記設備の第2作業者が使用する第2情報端末に出力する出力部と、を備える、
設備管理支援システム。
【請求項2】
前記確認手順情報は、前記設備の動作確認及び状態確認のうちの少なくとも一方の確認を含む確認の手順を規定する、
請求項1に記載の設備管理支援システム。
【請求項3】
前記第1取得部は、前記取得情報として、前記設備の状態に関する状態情報であって前記第1情報端末に対する前記第1作業者の操作に関連する状態情報を取得する、
請求項2に記載の設備管理支援システム。
【請求項4】
前記状態情報は、前記設備の異常に関する異常情報を含む、
請求項3に記載の設備管理支援システム。
【請求項5】
前記設備の指定に関する指定情報を取得する第2取得部を更に備え、
前記出力部は、前記第2取得部が取得した前記指定情報で指定された設備に関する前記確認手順情報を出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の設備管理支援システム。
【請求項6】
前記確認手順情報は、前記設備の点検手順に関する情報を含む、
請求項5に記載の設備管理支援システム。
【請求項7】
前記確認手順情報に応じて前記第2作業者が行った確認手順に関する実行手順情報を取得する第3取得部を更に備え、
前記出力部は、前記第3取得部が取得した前記実行手順情報に応じて、前記第2作業者による前記設備の確認作業を支援する支援情報を出力する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の設備管理支援システム。
【請求項8】
前記支援情報は、前記確認手順情報で指定された確認手順と、前記実行手順情報で指定された確認手順とが異なることを知らせるエラー情報を含む、
請求項7に記載の設備管理支援システム。
【請求項9】
前記第2作業者は、複数の権限のうちの少なくとも1つの権限を有し、
前記第2作業者の前記権限に関する権限情報を取得する第4取得部を更に備え、
前記出力部は、前記第4取得部が取得した前記権限に応じて、前記確認手順情報又は前記確認手順情報とは異なる情報を出力する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の設備管理支援システム。
【請求項10】
前記確認手順情報と異なる前記情報は、前記確認手順情報で指定された前記確認手順に要する所要時間に関する情報を含む、
請求項9に記載の設備管理支援システム。
【請求項11】
前記第1取得部が取得した前記取得情報に基づいて、前記確認手順情報を生成するための学習を行う学習部を更に備え、
前記出力部は、前記学習部の学習結果に基づいて前記確認手順情報を出力する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の設備管理支援システム。
【請求項12】
前記取得情報は、前記第1作業者の属性に関する属性情報と対応付けられており、
前記学習部は、前記属性情報で指定された前記属性に応じて、前記学習で用いられる重み変数であって前記属性情報と対応付けられた前記取得情報に関連する重み変数を変化させて前記学習を行う、
請求項11に記載の設備管理支援システム。
【請求項13】
前記学習部は、前記取得情報に関連する設備の種類に応じて、前記学習で用いられる重み変数であって前記取得情報に関連する重み変数を変化させて前記学習を行う、
請求項11又は12に記載の設備管理支援システム。
【請求項14】
設備に関する設備情報、及び、前記設備を管理する設備管理システムと通信可能な第1情報端末を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する取得工程と、
前記取得工程で取得した前記取得情報に基づいて生成された情報であって前記設備の確認手順に関する確認手順情報を、前記設備の第2作業者が使用する第2情報端末に出力する出力工程と、を含む、
設備管理支援方法。
【請求項15】
請求項14に記載の設備管理支援方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項16】
入力部と報知部とを備える情報端末の制御方法であって、
設備の指定に関する指定情報の入力を前記入力部が受け付ける入力工程と、
前記指定情報で指定された設備の確認手順に関する確認手順情報を前記報知部が報知する報知工程と、を有する、
情報端末の制御方法。
【請求項17】
請求項16に記載の情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に設備管理支援システム、設備管理支援方法、情報端末の制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、情報端末を用いて設備の作業を行う作業者を支援する設備管理支援システム、設備管理支援方法、情報端末の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施設に設置された設備システム(設備)を制御するための制御システム(設備管理システム)が記載されている。特許文献1に記載の制御システムは、制御ユニットと、他ユニットとを備える。他ユニットは、通信ユニットと、電源ユニットとを含む。
【0003】
制御ユニットは、制御部と取得部と出力部とを有する。制御部は、施設に設置された1以上の設備システムを制御する。取得部は、制御ユニットに関する情報、及び制御ユニットに接続される他ユニットに関する情報の少なくとも一方を取得する。出力部は、取得部が取得した情報を報知又は所定の出力先に出力する。一例として、出力部は、取得部が取得した情報を制御ユニットが備えるディスプレイに出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、制御ユニットの取得部が、制御ユニットに関する情報、及び、制御ユニットに接続される他ユニットに関する情報の少なくとも一方を取得する点が記載されている。しかし、特許文献1には、設備に関する設備情報、及び、情報端末を使用する作業者の動作に関する作業者情報を取得する点は記載されていない。また、特許文献1には、取得情報に基づいて確認手順情報(設備の確認手順に関する情報)を生成し、生成した確認手順情報を出力する点も記載されていない。一方、近年は、設備の作業者に対して、確認手順情報を利用させて設備の確認作業を効率的に行わせることが求められている。
【0006】
本開示の目的は、設備の作業者に設備の確認作業を効率的に行わせることができる設備管理支援システム、設備管理支援方法、情報端末の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る設備管理支援システムは、第1取得部と、出力部と、を備える。前記第1取得部は、設備に関する設備情報、及び、前記設備を管理する設備管理システムと通信可能な第1情報端末を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。前記出力部は、前記第1取得部が取得した前記取得情報に基づいて生成された情報であって前記設備の確認手順に関する確認手順情報を、前記設備の第2作業者が使用する第2情報端末に出力する。
【0008】
本開示の一態様に係る設備管理支援方法は、取得工程と、出力工程と、を含む。前記取得工程では、設備に関する設備情報、及び、前記設備を管理する設備管理システムと通信可能な第1情報端末を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。前記出力工程では、前記取得工程で取得した前記取得情報に基づいて生成された情報であって前記設備の確認手順に関する確認手順情報を、前記設備の第2作業者が使用する第2情報端末に出力する。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記設備管理支援方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本開示の一態様に係る情報端末の制御方法は、入力部と報知部とを備える情報端末の制御方法である。前記情報端末の制御方法は、入力工程と、報知工程と、を有する。前記入力工程では、前記設備の指定に関する指定情報の入力を前記入力部が受け付ける。前記報知工程では、前記指定情報で指定された設備の確認手順に関する確認手順情報を前記報知部が報知する。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、設備の作業者に設備の確認作業を効率的に行わせることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係る設備管理支援システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、過去の一定期間内に行われた復旧作業の事象を復旧時間毎に区分して集計した集計情報の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、分析情報の一例を説明する図である。
【
図4】
図4は、同上の設備管理支援システムが確認手順情報を生成するときの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施形態に係る設備管理支援システムについて、図面を参照して説明する。
【0015】
(実施形態)
(1)概要
実施形態に係る設備管理支援システム4の概要について、
図1を参照して説明する。
【0016】
設備管理支援システム4は、施設100に設置された設備5の作業(作業者による作業)で取得した取得情報に基づいて設備5の確認手順情報(すなわち設備5の確認手順に関する情報)を生成し、生成した確認手順情報を設備5の作業者に提示する。本実施形態では、設備5の作業者は、携帯型の情報端末3を携帯しており、情報端末3に確認手順情報が表示されることで、設備5の作業者は、確認手順情報の提示を受ける。これにより、設備5の作業者は、提示された確認手順情報に従って設備5の確認作業を行うことで、設備5の確認作業を効率的に(すなわち作業内容のばらつきが無く短時間で確実に)行うことができる。
【0017】
ここで、施設100は、例えば、工場、商業施設、アミューズメント施設、病院、事務所、ビル等の非住宅である。また、上記「設備5の作業」は、設備5の保全作業、設備5の点検作業、及び、設備5の故障時の復旧作業を含む。上記「設備5の作業で取得した取得情報」は、設備5の作業の履歴データ、及び、各作業に関する各種ログ情報を含む。
【0018】
設備5の作業は、実務経験が必要な業務である。このため、初心者(経験の少ない人)は、熟練者(経験の多い人)と同じように設備5の作業を効率的に行うことが難しい。このため、設備管理支援システム4は、上述のように、取得情報に基づいて生成した確認手順情報を設備5の作業者に提示することで、作業者が、初心者であっても熟練者と同じように、設備5の作業を効率的に行えるようにする。
【0019】
また、本実施形態では、設備5の作業者は、例えば、情報端末3から設備5を管理する設備管理システム2に通信接続(アクセス)して設備管理システム2を介して設備5を遠隔操作することで、設備5の作業を行う。例えば、設備5の作業者は、設備5を動作させ又は情報端末3で設備5の状態を閲覧する。このため、情報端末3には、遠隔操作の際の操作ログ情報、及び、作業者が閲覧した設備5の状態ログ情報などが記憶される。操作ログ情報は、情報端末3からの遠隔操作で設備5を操作したときの操作内容の情報である。操作ログ情報は、操作者の識別情報、操作日時及び操作内容の情報を含む。操作ログ情報は、遠隔操作の際に情報端末3の表示部で作業者が閲覧した各種の操作画面の情報(閲覧ログ情報)を含む。閲覧ログ情報は、閲覧者の識別情報、閲覧画面の種類及び閲覧日時の情報を含む。状態ログ情報は、設備5の状態に関する情報であり、例えば、設備5の温度に関する情報、設備5の異常に関する情報である。
【0020】
また、設備管理システム2には、情報端末3から遠隔操作された設備5に関する(すなわち情報端末3に対する作業者の操作に関連する)動作ログ情報と、警報ログ情報と、復旧ログ情報と、アクセスログ情報などが記憶される。動作ログ情報は、設備5の動作に関する動作情報である。
【0021】
また、上記「取得情報」は、設備管理システム2から取得する設備情報、及び、情報端末3から取得する作業者情報の少なくとも一方の情報を含む。上記「設備情報」は、設備5に関する情報であり、より詳細には、設備5の動作に関する動作情報(動作ログ情報)と、設備5の状態(例えば温度)に関する状態情報(状態ログ情報)とを含む。設備5の動作ログ情報は、当該設備5が情報端末3からの遠隔操作(情報端末3に対する作業者の操作)で動作したときに、情報端末3から遠隔操作された設備5に関する(すなわち情報端末3に対する作業者の操作に関連する)動作ログ情報として設備管理システム2に記憶される。この場合、動作ログ情報は、動作内容、動作日時、遠隔操作元の情報端末3の識別情報、及び、情報端末3を使用する作業者の識別情報を含む。設備5の状態ログ情報は、当該設備5の状態ログ情報を作業者が情報端末3で閲覧するために当該設備5の状態ログ情報が情報端末3からアクセスされたときに、情報端末3からアクセスされた(すなわち情報端末3に対する作業者の操作に関連する)状態ログ情報として設備管理システム2に記憶される。この場合、状態ログ情報は、設備5の状態の情報、アクセスされた日時(アクセス日時)、アクセス元の情報端末3の識別情報(すなわち情報端末3を使用する作業者の識別情報)を含む。上記「設備情報」は、例えば、上記の動作ログ情報、状態ログ情報、警報ログ情報、復旧ログ情報及びアクセスログ情報を含む。
【0022】
上記「作業者情報」は、作業者の動作に関する情報であり、上記「作業者の動作」は、情報端末3に対する作業者の操作、及び、作業者の移動情報(すなわち作業者が携帯する情報端末3の移動情報)を含む。上記「作業者情報」は、例えば、上記の操作ログ情報を含む。
【0023】
また、上記「確認手順情報」は、設備5の確認作業で確認すべき複数の確認項目を確認する順番を規定した情報である。本実施形態では、確認手順情報で指定される確認手順は、複数の作業者が実際に行った個別の確認手順を比較することで、一定条件の下での最適な確認手順として生成される。上記「一定条件」は、例えば、決められた所定時間内に確認作業が完了できること、などである。また、上記「確認手順情報」は、設備5の点検作業を行うときの点検手順に関する情報であってもよいし、設備5の復旧作業を行うときの復旧手順に関する情報であってもよい。
【0024】
また、上記「確認手順情報」は、前記設備の動作確認及び状態確認のうちの少なくとも一方の確認を含む確認の手順を規定する。これにより、上記「確認手順情報」は、設備5の動作の確認手順、設備5の状態の確認手順、並びに、設備5の動作の確認及び設備の状態の確認の両方の確認を含む確認の手順のいずれか1つを規定できる。
【0025】
また、本実施形態では、設備管理支援システム4では、後述のように取得情報から作業者毎の分析情報を生成し、生成した作業者毎の分析情報から確認手順情報を生成するが、分析情報の生成を経由せずに取得情報から直接に確認手順情報を生成してもよい。ここで、上記「分析情報」とは、取得情報を分析した結果得られる情報であって、より詳細には、設備5の各種の作業において作業者が実際に行った作業内容を時系列順に列挙した情報である。
【0026】
なお、設備管理支援システム4は、作業者(第1作業者)に関連する取得情報に基づいて確認手順情報を生成し、生成した確認手順情報を情報端末3を介して作業者(第2作業者)に提示するが、取得情報に関連する作業者(第1作業者)と、確認手順情報の提示を受ける作業者(第2作業者)は、同じ作業者であってもよいし、異なる作業者であってもよい。
【0027】
(2)遠隔管理システムの構成
図1を参照して、設備管理支援システム4を含む遠隔管理システム200の構成を説明する。
【0028】
遠隔管理システム200は、設備5の管理(設備5の作業を含む)を行う作業者が、情報端末3からクラウドA1を介して設備管理システム2に通信接続することで、情報端末3を用いて、遠隔から複数の設備5の管理を可能とするシステムである。なお、設備管理システム2は、施設100に設置された複数の設備5を管理及び制御するシステムである。
【0029】
遠隔管理システム200は、設備管理システム2と、ゲートウエイ1と、情報端末3と、設備管理支援システム4と、を備える。
【0030】
設備管理システム2は、ゲートウエイ1を介してクラウドA1に有線又は無線で通信接続されている。情報端末3は、クラウドA1に無線で通信接続されている。
【0031】
設備管理システム2は、施設100に設置された複数の設備5を管理及び制御するシステムである。設備管理システム2は、施設100内に設置されている。設備管理システム2は、クラウドA1を介しての情報端末3からの遠隔操作に応じて複数の設備5を管理及び制御する。これにより、作業者は、情報端末3からクラウドA1を介して設備管理システム2に通信接続(アクセス)することで、設備管理システム2を介して複数の設備5を管理及び制御することが可能である。
【0032】
設備管理システム2は、クラウドA1を介して外部(例えば情報端末3)から設備管理システム2にアクセスされた際のアクセスログ情報を設備管理システム2の記憶部に記録する。アクセスログ情報は、アクセス元及びアクセス日時の情報を含む。また、設備管理システム2は、例えば情報端末3からの遠隔操作などに基づいて設備5を動作させたときは、その動作ログ情報を、動作させた作業者と関連付けて設備管理システム2の記憶部に記憶する。動作ログ情報は、動作させた設備5の識別情報、動作させた作業者の識別情報(すなわち作業者が使用する情報端末3の識別情報)、動作内容及び動作日時の情報を含む。
【0033】
設備管理システム2は、設備5の異常発生時に、その異常を報知する警報情報をクラウドA1を介して情報端末3に送信する。報知情報は、異常発生元の設備5の情報、異常発生日時及び異常の種類の情報を含む。これにより、異常発生を作業者に報知する。また、設備管理システム2は、上記の異常発生の事象を記録するための異常発生ログ情報(警報ログ情報ともいう)を設備管理システム2の記憶部に記憶する。警報ログ情報は、異常発生元の設備5の情報、異常発生日時及び異常の種類の情報を含む。
【0034】
設備管理システム2は、後述のように情報端末3から設備5の復旧完了の通知を受信すると、その通知の受信日時を設備5の復旧完了日時として、設備5の復旧に関する情報(復旧ログ情報)を設備管理システム2の記憶部に記憶する。復旧ログ情報は、復旧完了した設備5の情報、復旧開始日時(すなわち設備5の異常発生時)、復旧完了日時、復旧作業者の識別情報(すなわち復旧作業者が使用する情報端末3の識別情報)、及び復旧時間の各情報を含む。
【0035】
設備管理システム2は、上記の各種ログ情報(アクセスログ情報、動作ログ情報、警報ログ情報及び復旧ログ情報)を設備管理支援システム4に送信して設備管理支援システム4の記憶部に記憶させる。
【0036】
ゲートウエイ1は、異なるシステム同士を通信接続するための通信機器であり、本実施形態では、ゲートウエイ1は、設備管理システム2とクラウドA1とを通信接続する。
【0037】
クラウドA1(クラウドコンピューティングともいう)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態である。クラウドA1は、設備管理支援システム4を構成するクラウドサーバを含む。
【0038】
情報端末3は、設備5の作業(保全作業を含む)を行う作業者が携帯する携帯型の情報端末(例えばタブレット端末)である。なお、本実施形態では、情報端末3は、携帯型の情報端末を想定するが定置型の情報端末(例えばデスクトップパソコン)であってもよい。本実施形態では、情報端末3は複数あり、複数の情報端末3は、複数の作業者に一対一に対応する。
【0039】
作業者は、情報端末3からクラウドA1を介して設備管理システム2に通信接続(アクセス)し、設備管理システム2を介して設備5の作業を行う。なお、作業者は、設備5の設置場所に行って設備5の状態を直接確認することで、設備5の作業を行う場合もある。また、作業者は、異常発生時(すなわち警報発生時)には、情報端末3からクラウドA1を介して設備管理システム2にアクセスして、設備管理システム2を介して設備5の状態及び動作、並びに、設備5に関連する関連設備の状態及び動作を確認する。これにより、作業者は、異常発生元の設備5の異常原因を特定する。なお、作業者は、設備5の設置場所及び関連設備の設置場所に行って、設備5及び関連設備の各々の状態及び動作を直接確認することで、異常発生元の設備5の異常原因を特定する場合もある。そして、作業者は、情報端末3からの遠隔操作によって又は設備5を直接操作することで、異常の発生した設備5を復旧する。作業者は、設備5の復旧が完了すると、情報端末3からの操作で復旧完了を設備管理システム2に通知する。設備管理システム2は、その通知受信日時を設備5の復旧完了日時として記憶する。
【0040】
また、情報端末3は、自端末位置を検出する位置検出部(例えばGPS(Global Positioning System)又はLPS(Local Positioning System))を備える。なお、上記GPSは、衛星測位システムであり、上記LPSは、屋内測位システムである。情報端末3は、その位置検出部の検出結果に基づいて自端末(情報端末3)の移動情報を生成して自端末の記憶部に記憶する。上記「自端末(情報端末3)の移動情報」は、例えば、自端末が移動したときの移動経路に関する情報である。なお、情報端末3は、作業者に携帯されているため、情報端末3の移動情報は、作業者の移動情報である。
【0041】
情報端末3は、上述のように、作業者が情報端末3から設備管理システム2にアクセスして設備5の作業を行った際は、その際の情報端末3に対する操作に関する情報(操作ログ情報)を情報端末3の記憶部に記憶する。上記の操作ログ情報は、操作内容及び操作日時の各情報、操作者の識別情報(すなわち操作者が使用した情報端末3の識別情報)、及び、閲覧ログ情報を含む。上記の閲覧ログ情報は、情報端末3に対する操作の際に情報端末3の表示部で作業者が閲覧した閲覧画面(例えば操作画面)の情報である。なお、上記の閲覧画面は、例えば、アクセス先の設備管理システム2から情報端末3に読み出されて情報端末3の表示部に表示された画面である。また。情報端末3は、記憶した操作ログ情報をクラウドA1を介して設備管理支援システム4に送信して設備管理支援システム4の記憶部に記憶させる。なお、上記の閲覧画面が設備管理システム2から情報端末3に読み出されたとき、読み出された閲覧画面の情報は、情報端末3だけでなく設備管理システム2にも閲覧ログ情報として記録される。このため、上記の閲覧ログ情報は、情報端末3からでなくて設備管理システム2から設備管理支援システム4に送信して設備管理支援システム4の記憶部に記憶されてもよい。
【0042】
また、情報端末3は、上記のように情報端末3の移動情報を生成した際は、生成した移動情報をクラウドA1を介して設備管理支援システム1に送信して設備管理支援システム4の記憶部に記憶させる。また、情報端末3は、設備管理支援システム4を構成するサーバにアクセスしたときは、そのアクセスログの情報を設備管理支援システム4に送信して設備管理支援システム4に記憶させる。
【0043】
設備管理支援システム4は、例えば、クラウドA1と通信接続されたサーバ(例えばクラウドサーバ)として構成される。以下、設備管理支援システム4を構成するクラウドサーバをクラウドサーバ4又は単にサーバ4と記載する場合もある。設備管理支援システム4は、クラウドA1に通信接続することで、設備管理システム2及び情報端末3と通信可能である。
【0044】
設備管理支援システム4は、設備管理システム2からの情報(設備情報)、及び、設備管理システム2と通信可能な情報端末3からの情報(作業者情報)の少なくとも一方の情報を取得情報として取得し、その取得情報を設備管理支援システム4の記憶部に保存する。
【0045】
ここで、上記「設備情報」は、設備5に関する情報であり、設備5の状態に関する状態情報、及び設備5の動作に関する動作情報を含んでもよい。上記「設備情報」は、具体的には、設備管理システム2から送信される上記の各種ログ情報(アクセスログ情報、動作ログ情報、警報ログ情報、及び復旧ログ情報)である。
【0046】
また、上記「作業者情報」は、情報端末3の作業者の動作に関する情報であり、具体的には、情報端末3から送信される上記の各種情報(操作ログ情報、アクセスログ情報、及び情報端末3の移動情報)である。なお、上記「作業者の動作」は、情報端末3に対する作業者の操作を含む。つまり、作業者情報は、情報端末3に対する作業者の操作に関する情報を含む。また、上記「作業者の動作」は、作業者による情報端末3からの設備管理システム2又は設備管理支援システム4のサーバへのアクセスを含む。つまり、作業者情報は、作業者による情報端末3からの設備管理システム2又は設備管理支援システム4へのアクセスに関する情報を含む。また、上記「作業者の動作」は、作業者が携帯する情報端末3の移動情報を含む。なお、情報端末3は、作業者に携帯されているため、情報端末3の移動情報は、作業者の移動情報でもある。
【0047】
そして、設備管理支援システム4は、設備管理システム2及び情報端末3から取得した取得情報(設備情報及び作業者情報)を分析して作業者毎の分析情報を生成する。そして、設備管理支援システム4は、生成した作業者毎の分析情報に基づいて設備5に関する確認手順情報を生成し、生成した確認手順情報を情報端末3に送信して情報端末3の表示部に表示させる。これにより、確認手順情報が情報端末3の作業者に提示される。
【0048】
(3)設備管理システムの構成
設備管理システム2の構成について、
図1を参照して説明する。
【0049】
図1に示す設備管理システム2は、中央監視装置21と、複数(図示例では4つ)の設備5と、操作装置26と、複数のビーコン発信器27と、を備える。
【0050】
設備管理システム2は、施設100に設けられた複数の設備5を管理するためのシステムである。本実施形態では、複数の設備5は、照明システム22と、空調システム23と、入退管理システム24と、環境システム25と、を含む。
【0051】
本明細書において、「設備を管理する」とは、例えば、設備を監視すること、設備を制御することをいう。また、本明細書において、「設備を監視する」とは、例えば、設備の動作及び状態を確認すること、設備の異常を確認することをいう。また、本明細書において、「設備を制御する」とは、例えば、設備を動作させること、設備を停止させること、設備の動作を変更させることをいう。
【0052】
中央監視装置21、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25及び操作装置26の各々は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。中央監視装置21、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25及び操作装置26の各々では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行する。これにより、中央監視装置21、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25及び操作装置26の各々の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0053】
中央監視装置21、複数の設備5、操作装置26、複数のビーコン発信器27、及び、ゲートウエイ1は、設備管理システム2内のバスを介して相互に通信可能に接続されている。なお、中央監視装置21は、設備管理システム2内の上記バスを介して複数の設備5と接続した状態で、ゲートウエイ1及び操作装置26とは上記バスを介さないで通信可能に接続されてもよい。
【0054】
(3.1)操作装置
操作装置26は、施設100に設けられた複数の設備5の状態を表示したり、複数の設備5に対する作業者の操作を受け付ける装置である。
【0055】
(3.2)中央監視装置
中央監視装置21は、施設100に設けられた複数の設備5を監視するための装置である。中央監視装置21は、操作装置26に入力された操作と、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して情報端末3からの遠隔操作とに基づいて、複数の設備5を制御する(すなわち複数の設備5を動作させる)。また、中央監視装置21は、複数の設備5の何れかに異常(故障など)が発生したか否かを監視する。そして、中央監視装置21は、異常の発生を検出すると、警報情報をゲートウエイ1及びクラウドA1を介して複数の情報端末3に送信する。警報情報は、異常発生元の設備5の情報及び異常発生日時の情報を含む。
【0056】
中央監視装置21は、設備5に関する情報(例えば上記アクセスログ情報、上記動作ログ情報、上記状態ログ情報、上記警報ログ情報及び上記復旧ログ情報)をクラウドA1を介して設備管理支援システム4に送信する。より詳細には、中央監視装置21は、クラウドA1を介して外部装置(例えば情報端末3)からのアクセスがあると、そのアクセスログ情報を記憶しかつ設備管理支援システム4に送信する。また、中央監視装置21は、上述のように、操作装置26からの操作、及び情報端末3からの遠隔操作を受信して設備5を動作させると、そのときの動作ログ情報を記憶しかつ設備管理支援システム4に送信する。また、中央監視装置21は、設備5の状態を定期的に検出し、その検出結果を状態ログ情報として記憶しかつ設備管理支援システム4に送信する。また、中央監視装置21は、上記の異常発生時には、異常発生を示す異常発生ログ(警報ログ情報)を記憶しかつ設備管理支援システム4に送信する。また、中央監視装置21は、情報端末3から復旧完了の通知を受信すると、復旧に関する情報(復旧ログ情報)を記憶しかつ設備管理支援システム4に送信する。
【0057】
(3.3)設備
設備5は、例えば、照明システム22、空調システム23、入退管理システム24、環境システム25などである。
【0058】
照明システム22は、複数の照明器具と、照明制御コントローラと、を備える。各照明器具は、施設100の各フロアの天井に設置されている。照明制御コントローラは、例えば、中央監視装置21からの制御信号に従って、各照明器具の点灯、消灯、調光及び調色等を制御する。
【0059】
空調システム23は、複数の空調装置と、空調制御コントローラと、を備える。各空調装置は、施設100の各フロアの天井に設置されている。空調制御コントローラは、中央監視装置21からの制御信号に従って、各空調装置のオン、オフ、温度及び運転切替等を制御する。
【0060】
入退管理システム24は、施設100の各フロアへの人の入退室を管理するためのシステムである。入退管理システム24は、複数の認証装置と、コントローラと、を備える。各認証装置は、施設100の各フロアにおける複数の領域の各々の出入り口に設置されている。入退管理システム24では、例えば、作業者が所持するICカードを認証装置(カードリーダ)にかざして認証に成功した場合に、上記の複数の領域の各々への入室が許可される。コントローラは、各認証装置の認証結果に基づく上記の複数の領域の各々への人の入退室に関する情報を中央監視装置21に出力する。
【0061】
環境システム25は、複数の温度センサと、複数の湿度センサと、複数の照度センサと、コントローラと、を備える。各温度センサは、温度情報として、上記の複数の領域の各々の内部の温度(室内温度)を検出する。各湿度センサは、湿度情報として、上記の複数の領域の各々の内部の湿度(室内湿度)を検出する。各照度センサは、照度情報として、上記の複数の領域の各々の内部の照度(室内照度)を検出する。コントローラは、各温度センサから取得した温度情報、各湿度センサから取得した湿度情報、及び各照度センサから取得した照度情報を、設備5の状態に関する状態情報(上記状態ログ情報)として中央監視装置21に出力する。
【0062】
(4)情報端末の構成
次に情報端末3の構成について、
図1を参照して説明する。
【0063】
図1に示す情報端末3は、設備5の作業者が携帯可能な携帯端末(例えばタブレット端末)である。情報端末3は、通信部31と、表示部32と、入力部33と、記憶部34と、位置検出部35と、制御部36と、を備える。
【0064】
情報端末3は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。情報端末3では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、情報端末3の各部の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0065】
(4.1)通信部
通信部31は、クラウドA1と無線で通信接続して、クラウドA1と通信接続している通信装置(設備管理支援システム4及びゲートウエイ1)と通信を行う。通信部31は、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して設備管理システム2と通信を行う。通信部31は、クラウドA1を介して設備管理支援システム4から各種情報(例えば上記確認手順情報)を取得可能である。
【0066】
(4.2)表示部
表示部32は、例えば液晶モニタのような各種情報を表示可能な表示装置である。表示部32は、制御部36からの制御信号に従って各種情報を表示する。各種情報は、例えば、通信部31が取得した各種情報を含む。
【0067】
(4.3)入力部
入力部33は、情報端末3の作業者の操作入力を受け付ける。入力部33は、例えば、表示部32の表示画面へのタッチ操作を検出するタッチパネルとして構成されている。これにより、作業者は、表示部32の表示画面をタッチ操作することで、情報端末3への操作入力が可能である。
【0068】
(4.4)記憶部
記憶部34は、各種情報を記憶するための不揮発性の記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive))である。記憶部34は、例えば、通信部31が設備管理支援システム4から取得した取得情報(例えば確認手順情報)を記憶する。
【0069】
(4.5)位置検出部
位置検出部35は、上述のように、GPS又はLPSを用いて自端末(情報端末3)の位置(すなわち作業者の位置)を検出する。
【0070】
(4.6)制御部
制御部36は、情報端末3の各部(通信部31、表示部32、入力部33、記憶部34及び位置検出部35)を制御する。制御部36は、入力部33への入力操作に応じて通信部31から設備管理システム2の中央監視装置21に通信接続(アクセス)し、中央監視装置21を介して設備5を制御(操作)する。その際、制御部36は、入力部33に入力された操作の操作ログ情報(閲覧ログ情報を含む)を記憶部34に記憶し、かつその操作ログ情報を通信部31から設備管理支援システム4に送信する。閲覧ログ情報は、入力部33への入力操作の際に表示部32で作業者が閲覧した各種画面の情報である。また、制御部36は、入力部33に設備5の復旧完了を通知するための操作が入力されたときは、その通知を通信部31から設備管理支援システム4に送信する。
【0071】
また、制御部36は、位置検出部35が自端末(情報端末3)位置を検出すると、その検出結果から自端末の移動情報を生成して記憶部34に記憶し、かつその移動情報を通信部31から設備管理支援システム4に送信する。上記「移動情報」は、情報端末3の移動経路の軌跡の情報を含む。情報端末3は作業者に携帯されるため、情報端末3の移動情報は、作業者の移動情報でもある。
【0072】
また、制御部36は、入力部33から、所望の情報(例えば確認手順情報)の表示要求が入力されると、通信部31から設備管理支援システム4にアクセスして設備管理支援システム4から当該所望の情報を取得して表示部32に表示する。
【0073】
(5)設備管理支援システムの構成
次に、設備管理支援システム4の構成について、
図1を参照して説明する。
【0074】
図1に示す設備管理支援システム4は、通信部41(第1取得部、出力部)と、記憶部42と、制御部43(学習部)と、を備える。
【0075】
設備管理支援システム4は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。設備管理支援システム4では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、設備管理支援システム4の各部の機能が実現される。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0076】
(5.1)通信部
通信部41は、クラウドA1と通信接続している通信装置(情報端末3及びゲートウエイ1)と無線又は有線で通信を行う。通信部41は、クラウドA1及びゲートウエイ1を介して設備管理システム2と無線又は有線で通信を行う。通信部41は、第1取得部及び出力部として機能する。第1取得部は、設備管理システム2からの設備情報及び情報端末3からの作業者情報を取得する。出力部は、制御部43が生成した確認手順情報を外部装置(例えば情報端末3)に出力する。
【0077】
(5.2)記憶部
記憶部42は、不揮発性の記憶装置(例えばHDD又はSSD)であり、各種情報を記憶する。例えば、記憶部42は、設備管理システム2からの設備情報及び情報端末3から作業者情報を取得情報として記憶する。
【0078】
(5.3)制御部
制御部43は、設備管理支援システム4の各部(通信部41及び記憶部42)を制御する。制御部43は、通信部41が設備管理システム2及び情報端末3から取得した取得情報(設備情報及び作業者情報)を記憶部42に保存する。
【0079】
より詳細には、制御部43は、取得した設備情報が動作ログ情報である場合は、動作ログ情報を、動作した設備5毎、動作時刻毎、操作元の作業者毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、動作ログ情報を、動作した設備毎、動作時刻毎、操作元の作業者毎、及び、動作時刻の時系列に着目して、分析可能である。
【0080】
また、制御部43は、取得した設備情報が状態ログ情報である場合は、状態ログ情報を閲覧した作業者毎(すなわち状態ログ情報を表示した情報端末3毎)、状態ログ情報が閲覧された閲覧日時毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、状態ログ情報を、閲覧した作業者毎、閲覧された閲覧日時毎、及び、閲覧日時の時系列に着目して、分析可能である。
【0081】
また、制御部43は、取得した設備情報がアクセスログ情報(外部からの設備管理システム2へのアクセスログ情報)である場合は、アクセスログ情報を、アクセス元毎、アクセス日時毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、取得したアクセスログ情報を、アクセス元毎、アクセス日時毎、及び、アクセス日時の時系列に着目して、分析可能である。
【0082】
また、制御部43は、取得した設備情報が警報ログ情報である場合は、警報ログ情報を、異常発生元の設備5毎、警報発生日時毎、異常の種類(ガス漏れ及び水漏れなど)毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、取得した警報ログ情報を、異常発生元の設備5毎、警報発生日時毎、異常の種類(ガス漏れ及び水漏れなど)毎、及び、警報発生日時の時系列に着目して分析可能である。
【0083】
また、制御部43は、取得した設備情報が復旧ログ情報である場合は、復旧ログ情報を、復旧した設備5毎、復旧日時毎、及び復旧時間毎、復旧者毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、取得した警報ログ情報を、復旧した設備5毎、復旧日時毎、復旧時間毎、復旧者毎、及び、復旧日時の時系列に着目して分析可能である。上記「復旧時間」は、異常発生時から復旧完了時までの時間である。
【0084】
制御部43は、取得した作業者情報が操作ログ情報である場合は、操作ログ情報を、操作した作業者毎、操作対象の設備5毎、操作日時毎、操作画面毎、作業者が有する権限毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、操作ログ情報を、操作した作業者毎、操作対象の設備5毎、操作日時毎、操作画面毎、権限毎、及び、操作日時の時系列に着目して分析可能である。
【0085】
作業者は、複数の権限のうちの1つの権限を有する。上記「権限」とは、作業者の職位に関連する権限であってもよいし、作業者に個別に与えられた権限であってよい。権限は、例えば、或るフロア(例えば1階)を管理する権限であってもよい。制御部43は、取得した作業者情報を、権限毎に対応付けて記憶部42に記憶する。これにより、制御部43は、取得した作業者情報を権限毎に分析可能である。
【0086】
そして、制御部43は、記憶部42に保存した取得情報に基づいて作業者毎の分析情報を生成する。そして、制御部43は、AI(人工知能)を用いて、生成した作業者毎の分析情報から設備5の確認手順情報を生成し、生成した確認手順情報を記憶部42に保存する。すなわち、制御部43は、通信部41が取得した取得情報に基づいて確認手順情報を生成するための学習を行う学習部として機能する。制御部43は、情報端末3からの表示要求に応じて、記憶部42に保存した確認手順情報を、通信部41から情報端末3に送信して情報端末3の表示部32に表示させる。すなわち、通信部41は、制御部43(学習部)の学習結果に基づいて確認手順情報を出力する出力部として機能する。
【0087】
なお、上記のAIは、ルールベース型であってもよいし、機械学習型であってもよい。機械学習は、例えば、ディープラーニング、教師あり学習、教師なし学習、又は強化学習である。
【0088】
(6)確認手順情報の生成方法の詳細
(6.1)確認手順情報が復旧手順情報である場合の生成方法
図4を参照して、復旧手順情報の生成方法を例に挙げて確認手順情報の生成方法の詳細を説明する。復旧手順情報は、警報が発生した設備5を復旧する手順に関する情報である。設備管理支援システム4の制御部43は、記憶部42に保存された取得情報の中から、設備5と同じ機種及び類似する機種において、過去の一定期間内に行われた復旧作業(所定作業)の事象を収集する(ステップS1)。
【0089】
図2は、過去の一定期間(例えば1ヶ月)内に行われた復旧作業の事象を復旧時間毎に区分して集計した集計情報G5を示す。
図2の横軸は、復旧時間を示し、例えば「1時間以内」、「1日以内」、「1週間以内」及び「それ以外」に分けられている。「1日以内」は、1時間を超えかつ1日以内を意味し、「1週間以内」は、1日を超えかつ1週間以内を意味し、「それ以外」は、1週間を超えることを意味する。
図2の縦軸は、横軸の各復旧時間内で復旧完了した復旧作業の集計回数を示す。
図2の例では、「1時間以内」の集計回数は1件であり、「1日以内」の集計回数は2件であり、「1週間以内」の集計回数は1件であり、「それ以外」の集計回数は0件である。
【0090】
そして、設備管理支援システム4の制御部43は、記憶部42に保存された取得情報の中から、収集した復旧作業毎に、復旧期間(所定作業の作業期間)中に復旧作業の作業者が行った情報端末3に対する操作に関連する作業者情報(操作ログ情報及び閲覧ログ情報)、及び、復旧期間中に復旧作業の作業者が行った情報端末3に対する操作に関連する設備情報(動作ログ情報及び状態ログ情報)を取得する(ステップS2)。ここで、上記「作業者が行った情報端末3に対する操作」とは、例えば、作業者が情報端末3から遠隔操作で設備5の復旧作業を行ったときは、その際の情報端末3に対する作業者の操作である。具体的には、設備管理支援システム4は、作業者が情報端末3で閲覧した各種画面の情報(閲覧ログ情報)、作業者が情報端末3で閲覧するために情報端末3からアクセスした状態ログ情報、作業者が情報端末3から設備5を遠隔操作したときの操作内容(操作ログ情報)、及び、作業者が情報端末3から設備5を遠隔操作したときの設備5の動作ログ情報を取得する。
【0091】
そして、設備管理支援システム4の制御部43は、復旧作業毎に、取得した作業者情報(より詳細には、情報端末3に対する作業者の操作に関連する作業者情報)及び設備情報(より詳細には、情報端末3に対する作業者の操作に関連する設備情報)のうちの少なくとも一方の情報を時系列順に並べた情報(分析情報)を生成する(ステップS3)。
【0092】
図3は、或る復旧作業の分析情報G6の一例である。
図3に示す分析情報G6は、或る作業者(ユーザA)が、警報が発生した設備5を復旧完了したときに行った復旧作業の手順を示す情報である。
図3の例で、分析情報G6は、例えば給排水関連の警報が発生したときの復旧作業において、作業者が情報端末3を用いて警報発生時から復旧完了時までの間に設備管理システム2のどの画面をどういう順番で閲覧したかを示す情報である。この場合、分析情報G6は、警報発生日時情報J1と、閲覧ログ情報J2と、復旧完了日時情報J3とを含む。警報発生日時情報J1は、警報発生日時の情報J11と、警報発生元の設備5の情報J12とを含む。閲覧ログ情報J2は、復旧作業を行った作業者が復旧作業中に情報端末3から設備管理システム2にアクセスして閲覧した各種画面に関する情報である。閲覧ログ情報J2は、閲覧した画面の数だけ存在する。各閲覧ログ情報J2は、画面を閲覧した閲覧日時(すなわち情報端末3に表示された日時)の情報J21と、閲覧者(作業者)の識別情報J22と、閲覧した画面の種別の情報J23とを含む。復旧完了日時情報J3は、復旧完了日時の情報J31と、復旧完了した設備5の情報J32とを含む。各情報J1~J3は、時系列順に表示されている。
【0093】
そして、設備管理支援システム4の制御部43は、AI(人工知能)技術を用いて、生成した復旧作業毎の分析情報を比較して、一定条件(例えば或る時間(1時間)内で復旧作業を完了するという条件)の下での復旧作業の最適な作業手順に関する情報(復旧手順情報)を生成する(ステップS4)。つまり、制御部43は、復旧作業で必要な作業項目(確認項目)を決定し、決定した作業項目を実行する順番を決定する。その際、設備管理支援システム4は、復旧時間が比較的短い分析情報と、復旧時間が比較的長い分析情報とを比較することで、復旧作業手順を生成してもよい。
【0094】
(6.2)確認手順情報の他の具体例
確認手順情報は、復旧手順情報以外に、例えば、点検手順情報であってもよい。点検手順情報は、設備5を点検する手順を規定する情報である。また、確認手順情報は、設備5の状態確認及び動作確認のうちの少なくとも一方の確認を含む確認の手順を規定する情報であってもよい。この場合、確認手順情報は、設備5の状態確認の確認手順と、設備5の動作確認の確認手順と、設備5の状態確認及び動作確認の両方の確認を含む確認の確認手順とのいずれか1つの確認手順となる。
【0095】
(6.3)確認手順情報の更新
設備管理支援システム4の制御部43は、定期的に、通信部41を介して設備管理システム2からの設備情報及び情報端末3からの作業者情報を取得して、取得情報を更新する。そして、設備管理支援システム4の制御部43は、定期的に、更新した取得情報を用いて、生成した確認手順情報を更新する。
【0096】
(7)主要な効果
本実施形態に係る設備管理支援システム4は、第1取得部(通信部41)と出力部(通信部41)とを備える。第1取得部は、設備情報及び作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。設備情報は、設備5に関する情報である。作業者情報は、設備5を管理する設備管理システム2と通信可能な第1情報端末(情報端末3)を使用する第1作業者の動作に関する情報である。出力部は、第1取得部が取得した取得情報に基づいて生成された情報であって設備5の確認手順に関する確認手順情報を、設備5の第2作業者が使用する第2情報端末(情報端末3)に出力する。
【0097】
この構成によれば、設備情報及び作業者情報の少なくとも一方の情報を取得し、取得情報に基づいて生成した確認手順情報を、設備5の作業者が使用する情報端末3に出力できる。これにより、設備情報及び作業者情報に基づいて生成された確認手順情報を、情報端末3を介して設備5の作業者に提示できる。この結果、確認手順情報を利用して、設備5の作業者に設備5の確認作業を効率的に行わせることができる。
【0098】
(8)設備管理支援方法、情報端末の制御方法、及び、プログラムなど
上記の実施形態に係る設備管理支援システム4と同様の機能は、設備管理支援方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0099】
一態様に係る設備管理支援方法は、取得工程と、出力工程とを含む。取得工程では、設備情報及び作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。設備情報は、設備5に関する情報である。作業者情報は、設備5を管理する設備管理システム2と通信可能な第1情報端末(情報端末3)を使用する第1作業者の動作に関する情報である。出力工程では、取得工程で取得した取得情報に基づいて生成された情報であって設備5の確認手順に関する確認手順情報を、設備5の第2作業者が使用する第2情報端末(情報端末3)に出力する。
【0100】
一態様に係るプログラムは、上記の実施形態に係る設備管理支援方法を1以上のプロセッサに実行させる。
【0101】
一態様に係る非一時的記録媒体は、同上の設備管理支援方法を1以上のプロセッサに実行させるプログラムを一時的に記録する。
【0102】
一態様に係る情報端末の制御方法は、入力部(通信部31)と報知部(表示部32)とを備える情報端末3の制御方法である。この制御方法は、入力工程と、報知工程と、を有する。入力工程では、設備5の指定に関する指定情報の入力を入力部が受け付ける。報知工程では、指定情報で指定された設備5の確認手順に関する確認手順情報を報知部が報知する。つまり、この情報端末の制御方法では、入力工程で入力操作で設備5を指定し、報知工程で、指定した設備5に関する確認手順情報を出力する。
【0103】
一態様に係るプログラムは、同上の情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させる。
【0104】
一態様に係る非一時的記録媒体は、同上の情報端末の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるプログラムを一時的に記録する。
【0105】
(9)変形例
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。上記の実施形態及び下記の変形例は、組み合わせて実施してもよい。
【0106】
(9.1)変形例1
本変形例では、上記の実施形態において、情報端末3の入力操作で設備5を指定して、設備管理支援システム4において、情報端末3で指定された設備5に関する確認手順情報を生成する。この場合、情報端末3には、設備5の指定に関する指定情報が入力される。入力された指定情報は、情報端末3から設備管理支援システム4の通信部41に送信されて受信される。そして、設備管理支援システム4の制御部43は、通信部41が受信した指定情報で指定された設備5に関する確認手順情報を生成する。そして、通信部41は、情報端末3の表示要求に応じて、生成した確認手順情報を情報端末3に送信して情報端末3の表示部32に表示させる。
【0107】
この変形例では、通信部41は、情報端末3からの指定情報を取得する取得部(第2取得部)として機能する。また、通信部41は、通信部41が取得した指定情報で指定された設備5に関する確認手順情報を情報端末3に出力する出力部として機能する。この構成によれば、設備管理支援システム4において、情報端末3で指定された設備5の確認手順情報を出力させることができる。
【0108】
(9.2)変形例2
本変形例では、上記の実施形態において、設備管理支援システム4は、提示した確認手順情報に応じて設備5の作業を行っている作業者に対し、その作業者が実際に行った確認手順に応じた支援情報を更に提供する。ここで、上記支援情報は、例えば、エラー情報、及び、修正手順情報である。上記エラー情報は、設備管理支援システム4が提示した確認手順情報で指定された確認手順と、設備管理支援システム4が提示した確認手順情報に応じて作業者が実際に行った確認手順とが異なるときに、その旨を作業者に通知する情報である。上記修正手順情報は、設備管理支援システム4が提示した確認手順情報に応じて作業者が実際に確認したN番目の確認項目が上記確認手順情報で指定されたN番目の確認項目と異なるときに、その作業者に正しいN番目の確認項目を知らせるための情報である。
【0109】
より詳細には、本変形例の設備管理支援システム4では、通信部41は、制御部43によって生成された確認手順情報を情報端末3に送信(出力)した時点から、当該情報端末3を使用する作業者による設備5の作業が完了する時点までの間、当該情報端末3及び設備管理システム2から実行手順情報を取得する。上記実行手順情報は、設備管理システム2が提示した確認手順情報に応じて当該作業者が実際に行った確認手順に関する情報である。上記実行手順情報は、例えば、確認手順情報を受信した情報端末3に対する当該作業者の操作に関連する作業者情報及び設備情報である。具体的には、例えば、上記実行手順情報は、確認手順情報を受信した情報端末3に対する作業者の操作内容(操作ログ情報)、及び、確認手順情報を受信した情報端末3からの遠隔操作で設備5を動作させた際の設備5の動作内容(動作ログ情報)である。制御部43は、取得した実行手順情報に基づいて、確認手順情報に応じて作業者が実際に行った確認手順を特定し、特定した確認手順に基づいて上記支援情報を生成する。そして、制御部43は、生成した支援情報を通信部31(出力部)から当該情報端末3に送信(出力)する。
【0110】
本変形例では、通信部31は、確認手順情報に応じて作業者が実際に行った確認手順に関する実行手順情報を取得する取得部(第3取得部)として機能している。また、通信部31は、取得部が取得した実行手順情報に応じて、作業者による設備5の確認作業を支援する支援情報を出力する出力部として機能している。
【0111】
この変形例によれば、確認手順情報に応じて設備5の確認作業を行っている作業者に対し、その確認作業で作業者が実際に行った確認手順に応じた支援情報を提供できる。
【0112】
(9.3)変形例3
本変形例では、上記の実施形態において、情報端末3を使用する作業者が有する権限に応じて、設備管理支援システム4から当該情報端末3に出力する情報を異ならせる。ここで、上記「権限」とは、作業者の職位に関連する権限であってもよいし、作業者に個別に与えられた権限であってよい。つまり、作業者が有する権限に応じて作業者が必要とする情報が異なる場合があるため、それに対応した変形例である。例えば、作業者が管理職でない場合は、作業者自身が確認作業を行うため、作業者は確認手順情報を必要とする。他方、作業者が管理職である場合は、作業者自身は確認作業を行わないため、この場合は、確認手順情報よりも、確認作業に要する時間(所要時間)に関する所要時間情報の方が作業者には有用である場合がある。
【0113】
より詳細には、本変形例では、作業者は、複数の権限のうちの少なくとも1つの権限を有する。作業者が有する権限に関する権限情報は、作業者が使用する情報端末3に記憶されている。設備管理支援システム4の通信部41は、作業者の権限に関する権限情報を当該情報端末3から取得する。通信部41は、情報提示を要求してきた情報端末3からその権限情報を取得することで、作業者の権限情報を取得する。設備管理支援システム4の制御部43は、生成する情報と権限との対応関係を有する。制御部43は、通信部41が取得した権限情報に基づいて、権限情報で指定された権限に対応した情報(確認手順情報、又は、確認手順情報とは異なる情報)を生成する。そして、制御部43は、生成した情報を当該情報端末3に送信して表示部32に提示させる。上記「確認手順情報とは異なる情報」は、例えば、確認手順情報で指定された確認手順に要する所要時間に関する情報を含む。
【0114】
この変形例によれば、設備管理支援システム4において、作業者の権限に応じて、確認手順情報又は確認作業情報と異なる情報を出力できる。
【0115】
(9.4)変形例4
本変形例では、上記の実施形態において、設備管理支援システム4は、制御部43(学習部)の学習によって、各作業者に関連する取得情報(作業者情報及び設備情報)から確認手順情報を生成するとき、各作業者の属性に応じて、学習で用いられる重み変数であって当該属性と対応付けられた取得情報に関連する重み変数を変化させて学習を行う。ここで、上記「作業者の属性」とは、例えば、作業者が有する専門分野の経験年数などである。例えば、設備管理支援システム4が復旧手順情報を生成するときは、復旧作業の経験年数が短い作業者に関連する取得情報よりも、復旧作業の経験年数が長い作業者に関連する取得情報の方が有用である。このため、復旧手順情報を生成するときは、復旧作業の経験年数が短い作業者に関連する取得情報よりも、復旧作業の経験年数が長い作業者に関連する取得情報を優先的に考慮して、復旧作業手順を生成する。
【0116】
より詳細には、本変形例では、各情報端末3は、その情報端末3を使用する作業者の属性に関する属性情報を記憶している。
【0117】
各情報端末3は、その情報端末3を使用する作業者に関する作業者情報を設備管理支援システム4に送信するとき、その情報端末3に記憶された属性情報をその作業者情報に対応付けて送信する。また、設備管理システム2は、各情報端末3からの遠隔操作に応じて動作させた設備5に関する設備情報を設備管理支援システム4に送信するとき、各情報端末3から属性情報を取得し、取得した属性情報をその設備情報に対応付けて送信する。そして、設備管理支援システム4は、各情報端末3から、属性情報と対応付けられた作業者情報を取得情報として取得する。また、設備管理支援システム4は、設備管理システム2から、属性情報と対応付けられた設備情報を取得情報として取得する。
【0118】
そして、設備管理支援システム4の制御部43は、AI(人工知能)技術による学習によって各情報端末3及び設備管理システム2から取得した取得情報(設備情報及び作業者情報)から確認手順情報を生成するとき、取得情報に対応付けられた属性情報で指定された属性に応じて、学習で用いられる重み変数であって、当該属性情報に対応付けられた取得情報に関連する重み変数を変化させて学習を行う。例えば、制御部43は、取得情報に対応付けられた属性情報で指定される属性と確認手順情報との関連性が高いほど、当該属性情報に対応付けられた取得情報の確認手順情報に対する重要度(貢献度)をより高くして、確認手順情報を生成する。
【0119】
この変形例によれば、制御部43の学習によって取得情報から確認手順情報を生成するとき、取得情報に対応付けられた属性情報で指定される属性に基づいて確認手順情報に対する当該取得情報の重要度(貢献度)を考慮して、確認手順情報を生成できる。
【0120】
(9.5)変形例5
本変形例では、上記の実施形態において、設備管理支援システム4は、制御部43(学習部)の学習によって、各設備5の種類に関連する取得情報(作業者情報及び設備情報)から特定の設備の確認手順情報を生成するとき、各設備5の種類に応じて、学習で用いられる重み変数であって当該種類に関連する取得情報に関連する重み変数を変化させて学習を行う。ここで、上記「設備5の種類」とは、例えば、照明設備、空調設備、入退管理設備、環境設備などである。例えば、設備管理支援システム4が特定の設備の復旧手順情報を生成するときは、特定の設備と全く異なる種類の設備5に関連する取得情報よりも、特定の設備と同じ種類及び類似する種類の設備5に関連する取得情報の方が有用である。このため、特定の設備の復旧手順情報を生成するときは、特定の設備と全く異なる種類の設備5に関連する取得情報よりも、特定の設備と同じ種類及び類似する種類の設備5に関連する取得情報を優先的に考慮して、特定の設備の復旧作業手順を生成する。
【0121】
より詳細には、本変形例では、設備管理システム2は、管理対象の各設備5の種類に関する種類情報を記憶している。
【0122】
各情報端末3は、作業者がその情報端末3から設備5を遠隔操作したときの当該作業者に関する作業者情報を設備管理支援システム4に送信するとき、設備管理システム2から当該設備5に関する種類情報を取得し、取得した種類情報をその作業者情報に対応付けて送信する。また、設備管理システム2は、各情報端末3からの遠隔操作に応じて動作させた設備5に関する設備情報を設備管理支援システム4に送信するとき、当該設備5に関する種類情報をその設備情報に対応付けて送信する。そして、設備管理支援システム4は、各情報端末3から、種類情報と対応付けられた作業者情報を取得情報として取得する。また、設備管理支援システム4は、設備管理システム2から、種類情報と対応付けられた設備情報を取得情報として取得する。
【0123】
そして、設備管理支援システム4の制御部43は、AI(人工知能)技術による学習によって各情報端末3及び設備管理システム2からの取得情報(設備情報及び作業者情報)から確認手順情報を生成するとき、取得情報に対応付けられた種類情報で指定された設備5の種類に応じて、学習で用いられる重み変数であって、当該種類情報に対応付けられた取得情報に関連する重み変数を変化させて学習を行う。例えば、制御部43は、取得情報に対応付けられた種類情報で指定される設備5の種類と、確認手順情報の対象となる特定の設備との関連性が高いほど、当該種類情報と対応付けられた取得情報の確認手順情報に対する重要度(貢献度)をより高くして、確認手順情報を生成する。
【0124】
この変形例によれば、制御部43の学習によって取得情報から特定の設備の確認手順情報を生成するとき、取得情報に対応付けられた種類情報で指定される設備5の種類に基づいて、特定の設備の確認手順情報に対する当該取得情報の重要度を考慮して、特定の設備の確認手順情報を生成できる。
【0125】
(9.6)変形例6
本変形例では、上記の実施形態において、設備管理支援システム4は、確認手順情報を生成するための取得情報として、更に、情報端末3からの故障原因調査結果を取得する。上記故障原因調査結果は、例えば、作業者が設備5の設置場所に行って設備5の作業を行ったときに、作業者が特定した設備5の故障原因などを、テキスト形式情報又は画像形式情報として記録した情報である。上記テキスト形式情報は、例えば、作業者が情報端末3のテキスト入力機能で作成した情報である。上記画像形式情報は、当該設備5の故障原因に該当する部分などを写した画像情報であり、作業者が情報端末3のカメラ機能を用いて撮像した情報である。
【0126】
作業者は、設備5の設置場所に行って設備5の作業を行うと、その作業に関連して上記故障原因調査結果を情報端末3のテキスト入力機能及びカメラ機能を用いて作成する。そして、作業者は、作成した故障原因調査結果を、当該設備5の識別情報と当該作業者の識別情報と対応付けて情報端末3に記憶しかつ設備管理支援システム4に送信する。
【0127】
設備管理支援システム4は、各情報端末3から取得した故障原因調査結果を記憶部41(データベース)に記憶する。そして、設備管理支援システム4は、確認手順情報を生成するとき、記憶部41に記憶された故障原因調査結果の中から、確認手順情報に関連するキーワード、文脈及び関連画像などを自動的に抽出し、抽出したキーワード、文脈及び関連画像などを含む故障原因調査結果を検索する。そして、設備管理支援システム4は、検索した故障原因調査結果を、作業者情報及び設備情報と共に用いて、確認手順情報を生成する。
【0128】
この変形例によれば、作業者が作成した故障原因調査結果を利用して確認手順情報を生成できる。
【0129】
(9.7)その他の変形例
本開示における設備管理支援システム4は、例えば、制御部43に、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における設備管理支援システム4としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1乃至複数の電子回路で構成される。
【0130】
また、設備管理支援システム4における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは設備管理支援システム4に必須の構成ではない。設備管理支援システム4の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、設備管理支援システム4の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0131】
(10)態様
本明細書には、以下の態様が開示されている。
【0132】
第1の態様の設備管理支援システム(4)は、第1取得部(41)と、出力部(41)と、を備える。第1取得部(41)は、設備(5)に関する設備情報、及び、設備(5)を管理する設備管理システム(2)と通信可能な第1情報端末(3)を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。出力部(41)は、第1取得部(41)が取得した取得情報に基づいて生成された情報であって設備(5)の確認手順に関する確認手順情報を、設備(5)の第2作業者が使用する第2情報端末(3)に出力する。
【0133】
この構成によれば、設備情報及び作業者情報の少なくとも一方の情報を取得し、取得情報に基づいて生成した確認手順情報を、設備(5)の作業者(第2作業者)が使用する情報端末(3)に出力できる。これにより、設備情報及び作業者情報に基づいて生成された確認手順情報を、情報端末(3)を介して設備(5)の作業者に提示できる。この結果、確認手順情報を利用して、設備(5)の作業者に設備(5)の確認作業を効率的に行わせることができる。
【0134】
第2の態様の設備管理支援システム(4)では、第1の態様において、確認手順情報は、設備(5)の動作確認及び状態確認のうちの少なくとも一方の確認を含む確認の手順を規定する。
【0135】
この構成によれば、確認手順情報は、設備(5)の動作の確認手順、設備(5)の状態の確認手順、並びに、設備(5)の動作の確認及び設備(5)の状態の確認の両方の確認を含む確認の手順のいずれか1つを規定できる。
【0136】
第3の態様の設備管理支援システム(4)では、第2の態様において、第1取得部(41)は、取得情報として、設備(5)の状態に関する状態情報であって第1情報端末に対する第1作業者の操作に関連する状態情報を取得する。
【0137】
この構成によれば、第1取得部(41)は、取得情報として、第1情報端末に対する第1作業者の操作に関連する状態情報を取得できる。この取得情報から、第1作業者がどの状態情報をどの順番でアクセスしたかを特定でき、このように特定した閲覧順番を、確認手順情報の生成に役立てることができる。
【0138】
第4の態様の設備管理支援システム(4)では、第3の態様において、状態情報は、設備(5)の異常に関する異常情報を含む。
【0139】
この構成によれば、確認手順情報として、異常が発生した設備(5)に関する確認手順情報を出力できる。
【0140】
第5の態様の設備管理支援システム(4)は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、設備(5)の指定に関する指定情報を取得する第1取得部(41)を更に備える。出力部(41)は、第1取得部(41)が取得した指定情報で指定された設備(5)に関する確認手順情報を出力する。
【0141】
この構成によれば、設備(5)を指定して、設備(5)の確認手順情報を出力させることができる。
【0142】
第6の態様の設備管理支援システム(4)では、第5の態様において、確認手順情報は、設備(5)の点検手順に関する情報を含む。
【0143】
この構成によれば、確認手順情報として設備(5)の点検手順に関する情報を出力できる。
【0144】
第7の態様の設備管理支援システム(4)は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、確認手順情報に応じて第2作業者が行った確認手順に関する実行手順情報を取得する第3取得部(41)を更に備える。出力部(41)は、第3取得部(41)が取得した実行手順情報に応じて、第2作業者による設備(5)の確認作業を支援する支援情報を出力する。
【0145】
この構成によれば、確認手順情報に応じて設備(5)の確認作業を実行している作業者に対し、その確認作業で実行した確認手順に応じた支援情報を提供できる。
【0146】
第8の態様の設備管理支援システム(4)では、第7の態様において、支援情報は、確認手順情報で指定された確認手順と、実行手順情報で指定された確認手順とが異なることを知らせるエラー情報を含む。
【0147】
この構成によれば、実行作業手順情報で指定された確認手順(すなわち作業者が実行した確認手順)と、確認手順情報で指定された確認手順とが異なる場合に、その事をエラー情報によって作業者に知らせることができる。
【0148】
第9の態様の設備管理支援システム(4)では、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、第2作業者は、複数の権限のうちの少なくとも1つの権限を有する。設備管理支援システム(4)は、第2作業者の権限に関する権限情報を取得する第4取得部(41)を更に備える。出力部(41)は、第4取得部(41)が取得した権限に応じて、確認手順情報又は確認手順情報とは異なる情報を出力する。
【0149】
この構成によれば、第2作業者の権限に応じて、確認手順情報又は確認作業情報とは異なる情報を出力できる。
【0150】
第10の態様の設備管理支援システム(4)では、第9の態様において、確認手順情報と異なる情報は、確認手順情報で指定された確認手順に要する所要時間に関する情報を含む。
【0151】
この構成によれば、確認手順と異なる情報として、確認手順に要する所要時間に関する情報を出力できる。
【0152】
第11の態様の設備管理支援システム(4)は、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、第1取得部(41)が取得した取得情報に基づいて、確認手順情報を生成するための学習を行う学習部(43)を更に備える。出力部(41)は、学習部(43)の学習結果に基づいて確認手順情報を出力する。
【0153】
この構成によれば、学習部の学習によって、取得情報から確認手順情報を生成できる。
【0154】
第12の態様の設備管理支援システム(4)では、第11の態様において、取得情報は、第1作業者の属性に関する属性情報と対応付けられている。学習部(43)は、属性情報で指定された属性に応じて、学習で用いられる重み変数であって属性情報と対応付けられた取得情報に関連する重み変数を変化させて学習を行う。
【0155】
この構成によれば、学習部(43)の学習によって取得情報から確認手順情報を生成するとき、取得情報に含まれる属性情報で指定される属性に基づいて確認手順情報に対する当該取得情報の重要度を考慮して、確認手順情報を生成できる。
【0156】
第13の態様の設備管理支援システム(4)は、第11又は第12の態様において、学習部(43)は、取得情報に関連する設備(5)の種類に応じて、学習で用いられる重み変数であって取得情報に関連する重み変数を変化させて学習を行う。
【0157】
この構成によれば、学習部(43)の学習において、取得情報に関連する設備(5)の種類に基づいて確認手順情報に対する取得情報の重要度を考慮して、確認手順情報を生成できる。
【0158】
第14の態様の設備(5)管理支援方法は、取得工程と、出力工程と、を含む。取得工程では、設備(5)に関する設備情報、及び、設備(5)を管理する設備管理システム(2)と通信可能な第1情報端末(3)を使用する第1作業者の動作に関する作業者情報の少なくとも一方の情報を取得情報として取得する。出力工程では、取得工程で取得した取得情報に基づいて生成された情報であって設備(5)の確認手順に関する確認手順情報を、設備(5)の第2作業者が使用する第2情報端末(3)に出力する。
【0159】
この構成によれば、設備情報及び作業者情報の少なくとも一方の情報を取得し、取得情報に基づいて生成した確認手順情報を、設備(5)の作業者(第2作業者)が使用する情報端末(3)に出力できる。これにより、設備情報及び作業者情報に基づいて生成された確認手順情報を、情報端末(3)を介して設備(5)の作業者に提示できる。この結果、確認手順情報を利用して、設備(5)の作業者に設備(5)の確認作業を効率的に行わせることができる。
【0160】
第15の態様のプログラムは、第14の態様の設備(5)管理支援方法を1以上のプロセッサに実行させる。
【0161】
この構成によれば、上記の設備(5)管理支援方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムを提供できる。
【0162】
第16の態様の情報端末(3)の制御方法は、入力部(31)と報知部(32)とを備える情報端末(3)の制御方法である。情報端末(3)の制御方法は、入力工程と、報知工程と、を有する。入力工程では、設備(5)の指定に関する指定情報の入力を入力部(31)が受け付ける。報知工程では、指定情報で指定された設備(5)の確認手順に関する確認手順情報を報知部(32)が報知する。
【0163】
この構成によれば、情報端末(3)において、設備(5)を指定して、指定した設備(5)に関する確認手順情報を報知できる。
【0164】
第17の態様のプログラムは、第16の態様の情報端末(3)の制御方法を1以上のプロセッサに実行させる。
【0165】
この構成によれば、上記の情報端末(3)の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0166】
2 設備管理システム
3 情報端末(第1情報端末、第2情報端末)
4 設備管理支援システム
5 設備
31 通信部(入力部)
32 表示部(報知部)
41 通信部(第1~第4取得部、出力部)
43 制御部(学習部)