(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071561
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】照明制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20230516BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20230516BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20230516BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/16
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184422
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姫野 徹
(72)【発明者】
【氏名】内田 行紀
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA04
3K273PA06
3K273PA07
3K273QA21
3K273RA13
3K273SA11
3K273SA18
3K273SA36
3K273SA37
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA05
3K273TA08
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA15
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】本開示は、省エネルギーを実現することを目的とする。
【解決手段】照明制御システム1は、複数の照明負荷5を制御する。複数の照明負荷5は、複数の人が存在する空間に光を照射する。照明制御システム1は、取得部64と、決定部65と、照明制御部41と、を備える。取得部64は、空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定部65は、上記指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。照明制御部41は、複数の照明負荷5のうち、減光エリアを照明する照明負荷5の照度を低下させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する照明制御システムであって、
前記空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する取得部と、
前記指標に基づいて、前記複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する決定部と、
前記複数の照明負荷のうち、前記減光エリアを照明する照明負荷の照度を低下させる照明制御部と、を備える、
照明制御システム。
【請求項2】
前記決定部は、
前記空間に存在している人の人数が閾値よりも少ない場合に、前記指標に基づいて前記減光エリアを決定し、
前記空間に存在している人の前記人数が前記閾値以上の場合に、前記複数のエリアのいずれのエリアも、前記減光エリアとしない、
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記複数のエリアのうち存在している人の人数が少ないエリアほど優先的に、前記減光エリアとする、
請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記複数のエリアの各々の優先度を記憶している優先度記憶部を更に備え、
前記決定部は、前記複数のエリアのうち前記優先度が高いエリアほど優先的に、前記減光エリアとする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記複数のエリアの各々の定員を記憶している定員記憶部を更に備え、
前記決定部は、前記複数のエリアのうち前記減光エリアとして設定されていない全てのエリアの定員の合計が、前記空間に存在している人の人数以上となるように、前記減光エリアを決定する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記複数のエリアの各々に存在している人の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記決定部が前記減光エリアを決定するための学習済みモデルを、前記位置情報取得部で取得された前記位置情報の履歴に基づいて機械学習により生成する学習部と、を更に備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記照明制御部は、前記複数の照明負荷のうち、前記減光エリアを照明する照明負荷の照度を時間の経過とともに低下させる、
請求項1~6のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項8】
前記取得部、前記決定部、及び、前記照明制御部が、一の筐体に設けられている、
請求項1~7のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項9】
ビーコン信号を送信可能な複数のビーコン端末と共に用いられ、
前記指標を生成する指標生成部を更に備え、
前記複数のビーコン端末の各々は、前記複数の人の各々が携帯する携帯端末に、前記ビーコン信号を送信可能であり、
前記携帯端末は、前記ビーコン信号に基づいて前記携帯端末の位置情報を生成し、
前記指標生成部は、前記携帯端末から取得した前記位置情報に基づいて前記指標を生成する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項10】
前記複数の照明負荷と、
前記複数の人の位置を示す位置情報を生成する位置推定部と、を更に備え、
前記複数の照明負荷のうちの1以上の照明負荷は、前記複数の人の各々が携帯するビーコン端末から送信されるビーコン信号を受信し、
前記位置推定部は、前記1以上の照明負荷が受信した前記ビーコン信号に基づいて、前記複数の人の位置を推定して前記位置情報を生成する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の照明制御システム。
【請求項11】
請求項9に記載の照明制御システムにより制御される、前記複数の照明負荷のうちの1つとして用いられる照明負荷であって、
前記照明負荷は、前記複数のビーコン端末のうちの1つのビーコン端末としての機能を有する、
照明負荷。
【請求項12】
複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷の制御に関する決定装置であって、
前記空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する取得部と、
前記指標に基づいて、前記複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する決定部と、を備える、
決定装置。
【請求項13】
複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する制御方法であって、
前記空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する取得ステップと、
前記指標に基づいて、前記複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する決定ステップと、
前記複数の照明負荷のうち、前記減光エリアを照明する照明負荷の照度を低下させる照明制御ステップと、を有する、
制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【請求項15】
請求項9に記載の照明制御システムと共に用いられる前記携帯端末が有する1以上のプロセッサに、
前記複数のビーコン端末の少なくとも1つから前記ビーコン信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信した前記ビーコン信号に基づいて、前記携帯端末の位置を推定して前記位置情報を生成する推定ステップと、
前記推定ステップにて生成した前記位置情報を前記照明制御システムに送信する送信ステップと、を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に照明制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラムに関する。本開示はより詳細には、複数の照明負荷を制御する照明制御システム、制御方法及びプログラムと、照明制御システムにより制御される照明負荷と、複数の照明負荷に対する制御に係る決定を行う決定装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の照明負荷を制御するシステムの先行例として、特許文献1に記載の環境制御システムを挙げる。環境制御システムは、1つ以上のタスクライト(照明負荷)と、複数のベースライト(照明負荷)と、制御装置と、を備える。制御装置は、少なくとも1つのタスクライト及び複数のベースライトの調光・調色制御を連動するように実行する1以上の群制御を実行可能である。1以上の群制御には、少なくとも1つのタスクライトが点灯するとき、その近傍領域に設置されたベースライトの光量が、タスクライトが点灯していない領域のベースライトの光量以下になるように、少なくとも1つのタスクライト及び複数のベースライトを制御する制御が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、省エネルギーを実現できる照明制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る照明制御システムは、複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する照明制御システムである。前記照明制御システムは、取得部と、決定部と、照明制御部と、を備える。前記取得部は、前記空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。前記決定部は、前記指標に基づいて、前記複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。前記照明制御部は、前記複数の照明負荷のうち、前記減光エリアを照明する照明負荷の照度を低下させる。
【0006】
本開示の一態様に係る照明負荷は、前記照明制御システムにより制御される、前記複数の照明負荷のうちの1つとして用いられる。前記照明負荷は、前記複数のビーコン端末のうちの1つのビーコン端末としての機能を有する。
【0007】
本開示の一態様に係る決定装置は、複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷の制御に関する決定装置である。前記決定装置は、取得部と、決定部と、を備える。前記取得部は、前記空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。前記決定部は、前記指標に基づいて、前記複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。
【0008】
本開示の一態様に係る制御方法は、複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する制御方法である。前記制御方法は、取得ステップと、決定ステップと、照明制御ステップと、を有する。前記取得ステップでは、前記空間に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。前記決定ステップでは、前記指標に基づいて、前記複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。前記照明制御ステップでは、前記複数の照明負荷のうち、前記減光エリアを照明する照明負荷の照度を低下させる。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0010】
本開示の別の一態様に係るプログラムは、前記照明制御システムと共に用いられる前記携帯端末が有する1以上のプロセッサに、受信ステップと、推定ステップと、送信ステップと、を実行させるためのプログラムである。前記受信ステップでは、前記複数のビーコン端末の少なくとも1つから前記ビーコン信号を受信する。前記推定ステップでは、前記受信ステップにて受信した前記ビーコン信号に基づいて、前記携帯端末の位置を推定して前記位置情報を生成する。前記送信ステップでは、前記推定ステップにて生成した前記位置情報を前記照明制御システムに送信する。
【発明の効果】
【0011】
本開示は、省エネルギーを実現できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る照明制御システムを含む統合システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の照明制御システムが使用される空間を示す概略図である。
【
図3】
図3は、同上の照明制御システムの動作例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、同上の照明制御システムが照明負荷の制御を決める過程を示す、フローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る照明制御システムを含む統合システムのブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態3に係る照明制御システムを含む統合システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記の各実施形態においては、本開示の照明制御システムについて、図面を用いて説明する。ただし、下記の各実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の各実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、
図2は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0014】
(実施形態1)
(概要)
図1に示す照明制御システム1は、施設に設置された複数の照明負荷5を制御するために使用される。施設は、例えば、オフィス及び工場等である。施設は、例えば、複数の人がデスクワーク等の作業を行う場所である。本実施形態では、施設がオフィスであることを想定して説明する。その他、施設は、複合商業施設、図書館、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、公園、空港、鉄道駅、球場、ホテル、病院及び住宅等であってもよい。また、施設は、例えば、船舶及び鉄道車両等の移動体であってもよい。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の照明制御システム1は、複数の照明負荷5を制御する。複数の照明負荷5は、複数の人が存在する空間SP1(
図2参照)に光を照射する。照明制御システム1は、取得部64と、決定部65と、照明制御部41と、を備える。取得部64は、空間SP1に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定部65は、上記指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。照明制御部41は、複数の照明負荷5のうち、減光エリアを照明する照明負荷5の照度を低下させる。
【0016】
本実施形態によれば、エリアごとの人数に関する指標に応じて、複数の照明負荷5のうち一部の照明負荷5の照度を低下させることができる。そのため、複数の照明負荷5のうち全ての照明負荷5の照度を維持する場合と比較して、省エネルギーを実現できる。
【0017】
照明制御システム1は、個人の席が固定されておらず自由に席を移動できる、フリーアドレスのオフィスに適用されることが特に好ましい。減光エリアを照明する照明負荷5の照度が低下した場合、減光エリアにいる人は、より明るく照明されているエリア(以下、「稼働エリア」と称す。)へ移動して作業を継続することができる。
【0018】
図2に示す例では、エリアA1~A6が存在し、エリアA1に1人、エリアA3に2人、エリアA5に1人が滞在(存在)している。この場合に例えば、エリアA1、A2、A4、A5及びA6が減光エリアとされ、減光エリアを照明する照明負荷5(グループL1、L2、L4、L5及びL6に属する複数の照明負荷5)の照度が低下する。一方で、稼働エリアであるエリアA3を照明する照明負荷5(グループL3に属する複数の照明負荷5)の照度は維持される。減光エリアに滞在している人H1、H4は、稼働エリアであるエリアA3に移動することで、十分な照度が確保された環境で作業することができる。また、減光エリアを照明する照明負荷5の照度が低下するので、省エネルギーを実現できる。
【0019】
なお、人がいないエリアA2、A4、A6を照明する照明負荷5は、予め消灯した状態、又は稼働エリアよりも照度が低い状態に制御されていてもよい。この場合、エリアA1、A5が減光エリアに設定されればよい。
【0020】
照明制御システム1と同様の機能は、制御方法又はプログラムとして実現されてもよい。一態様に係る制御方法は、複数の人が存在する空間SP1に光を照射する複数の照明負荷5を制御する制御方法である。制御方法は、取得ステップと、決定ステップと、照明制御ステップと、を有する。取得ステップでは、空間SP1に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定ステップでは、指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。照明制御ステップでは、複数の照明負荷5のうち、減光エリアを照明する照明負荷5の照度を低下させる。
【0021】
一態様に係るプログラムは、上記の制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。プログラムは、コンピュータで読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
【0022】
また、照明制御システム1の一部の機能が、決定装置6により実現されてもよい。一態様に係る決定装置6は、複数の人が存在する空間SP1に光を照射する複数の照明負荷5の制御に関する決定装置6である。決定装置6は、取得部64と、決定部65と、を備える。取得部64は、空間SP1に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定部65は、指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。
【0023】
また、決定装置6と同様の機能は、決定方法又はプログラムとして実現されてもよい。一態様に係る決定方法は、上記取得ステップと、上記決定ステップと、を有する。一態様に係るプログラムは、上記の決定方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。プログラムは、コンピュータで読み取り可能な非一時的記録媒体に記録されていてもよい。
【0024】
(詳細)
(1)全体構成
以下、照明制御システム1及び照明制御システム1に関連する各種の装置について、詳細に説明する。以下では、照明制御システム1と、照明制御システム1に関連する各種の装置と、を含む構成を、統合システム100(
図1参照)と呼ぶ。
【0025】
図1に示すように、統合システム100は、照明制御システム1と、計測システム200と、複数の照明負荷5と、を備える。照明制御システム1は、決定装置6と、照明コントローラ4と、を有する。計測システム200は、複数のビーコン端末2と、複数の携帯端末3と、を有する。
【0026】
複数のビーコン端末2、照明コントローラ4及び複数の照明負荷5は、施設に設置される。複数の携帯端末3は、施設の複数の利用者(人)に携帯される。決定装置6は、施設に設置されてもよいし、施設から離れた場所に設置されてもよい。
【0027】
複数の照明負荷5により照明される空間SP1は、施設の少なくとも一部の空間である。本実施形態では、一例として、空間SP1は、施設の1つの部屋である。
【0028】
なお、空間SP1は、複数の部屋を含んでいてもよい。また、空間SP1に含まれる複数のエリアは、互いにつながっていてもよいし、互いに隔てられていてもよい。
【0029】
(2)計測システム
計測システム200は、空間SP1に存在している複数の人の各々の位置を計測し、各人の位置を示す位置情報を生成する。照明制御システム1は、計測システム200で生成された位置情報に基づいて、複数のエリアの各々に存在している人の人数を求めることができる。
【0030】
計測システム200の複数のビーコン端末2は、例えば、施設の天井に設置されている。複数のビーコン端末2は、空間SP1内に設置されていてもよいし、空間SP1の外に設置されていてもよい。複数のビーコン端末2の各々は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を有する。
【0031】
制御部21は、コンピュータシステムを含む。制御部21は、自機の全体的な制御を行う。また、制御部21は、通信部22を制御して、通信部22にビーコン信号を送信させる。通信部22は、ビーコン信号を間欠的に送信する。
【0032】
通信部22は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部22は、携帯端末3の後述の通信部32と通信可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。通信部22と通信部32との通信方式は、例えば、Bluetooth(登録商標) Low Energy、又はWiFi(登録商標)等である。
【0033】
記憶部23は、ビーコン端末2で用いられる情報を記憶している。記憶部23は、ビーコン端末2の識別情報を記憶している。
【0034】
計測システム200の複数の携帯端末3の各々は、スマートフォン等の携帯電話、電子タグ、又は、タブレット端末等である。複数の携帯端末3は、施設の複数の利用者(人)に携帯される。より詳細には、各人が、1台以上の携帯端末3を携帯する。計測システム200は、各携帯端末3の位置を、その携帯端末3を携帯する人の位置として計測する。また、各携帯端末3は、固有の識別情報を有する。照明制御システム1は、複数の人を、携帯端末3の識別情報により識別する。
【0035】
複数の携帯端末3の各々は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を有する。
【0036】
制御部31は、コンピュータシステムを含む。制御部31は、自機の全体的な制御を行う。
【0037】
また、制御部31は、位置推定部311を含む。位置推定部311は、通信部32で受信されたビーコン信号に基づいて携帯端末3の位置を求める。
【0038】
位置推定部311は、通信部32で受信されたビーコン信号の受信信号強度を測定する。さらに、位置推定部311は、ビーコン信号の受信信号強度に基づいて、携帯端末3の位置を求める。より詳細には、位置推定部311は、複数のビーコン端末2のうち3以上のビーコン端末2の各々から送信されたビーコン信号の受信信号強度に基づいて、携帯端末3と、上記3以上のビーコン端末2の各々と、の間の距離を求める。さらに、位置推定部311は、上記距離を用いて、3点測位により、携帯端末3の位置情報(例えば、座標)を求める。位置推定部311で求められた位置情報は、通信部32を介して、決定装置6へ送信される。
【0039】
なお、位置推定部311は、制御部31によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0040】
通信部32は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部32は、ビーコン端末2の通信部22、及び、決定装置6の後述の通信部62と通信可能である。
【0041】
記憶部33は、携帯端末3で用いられる情報を記憶している。記憶部33は、携帯端末3の識別情報を記憶している。
【0042】
(3)決定装置
決定装置6は、制御部61と、通信部62と、記憶部63と、を有する。
【0043】
制御部61は、コンピュータシステムを含む。制御部61は、決定装置6の全体的な制御を行う。制御部61は、取得部64と、決定部65と、学習部66と、指標生成部67と、を有する。なお、取得部64と、決定部65と、学習部66と、指標生成部67とは、制御部61によって実現される機能を示しているに過ぎず、必ずしも実体のある構成を示しているわけではない。
【0044】
取得部64は、複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。人数についての指標は、例えば、人数、又は、人数をエリアの定員で割った数である。
【0045】
人数についての指標と、人数についての指標に関する情報とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。人数についての指標が人数である場合に、人数についての指標に関する情報は、人数であってもよいし、人数をエリアの定員で割った数であってもよい。また、人数についての指標が人数をエリアの定員で割った数である場合に、人数についての指標に関する情報は、人数であってもよいし、人数をエリアの定員で割った数であってもよい。
【0046】
また、人数についての指標に関する情報と人数についての指標とが、異なる場合は、決定装置6は、前者から後者を求める。
【0047】
本実施形態では、人数についての指標と人数についての指標に関する情報は共に、人数である場合を例に説明する。取得部64は、まず、複数の人の各々の位置情報を、通信部62を介して複数の携帯端末3から取得する。つまり、取得部64は、複数のエリアの各々に存在している人の位置情報を取得する位置情報取得部641としての機能を有する。さらに、指標生成部67は、複数の人の各々の位置情報と、空間SP1を複数のエリアに区分けする情報と、に基づいて、複数のエリアの各々に存在している人の人数を求める。空間SP1を複数のエリアに区分けする情報は、記憶部63に記憶されている。
【0048】
以上のように、複数のビーコン端末2の各々は、複数の人の各々が携帯する携帯端末3に、ビーコン信号を送信可能であり、携帯端末3(位置推定部311)は、ビーコン信号に基づいて携帯端末3の位置情報を生成する。さらに、指標生成部67は、携帯端末3から取得した位置情報に基づいて指標(エリアごとの人数)を生成する。取得部64は、指標生成部67で生成された指標を取得する。
【0049】
決定部65は、取得部64で得られた指標(エリアごとの人数)に基づいて、減光エリアを決定する。減光エリアは、複数のエリアのうち照度を低下させる対象のエリアである。
【0050】
また、決定部65は、指令信号を生成する。指令信号は、複数の照明負荷5の制御内容を指定する信号である。決定部65は、少なくとも減光エリアを照明する照明負荷5に対しては、照明負荷5の照度を低下させるための制御内容を含んだ指令信号を生成する。通信部62は、照明コントローラ4に指令信号を送信する。照明コントローラ4は、指令信号に基づいて、複数の照明負荷5を制御する。
【0051】
学習部66は、決定部65が減光エリアを決定するための学習済みモデルを生成する。学習部66についての詳細は後述する。
【0052】
指標生成部67は、上述のように、空間SP1に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標を生成する。本実施形態では、指標生成部67は、指標としてのエリアごとの人数を生成する(求める)。
【0053】
通信部62は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部62は、複数の携帯端末3の各々の通信部32、及び、照明コントローラ4の後述の通信部42と通信可能である。
【0054】
記憶部63は、決定装置6で用いられる情報を記憶している。記憶部63は、空間SP1を複数のエリアに区分けする情報を記憶している。当該情報は、例えば、複数のエリアの各々の境界の位置を示す情報、又は、複数のエリアの各々のサイズと中心の座標とを示す情報である。複数のエリアの各々は、前後方向と左右方向とに広がりを有する2次元エリアである。複数のエリアは、上から見て互いに重ならないように決められている。複数のエリアの各々の形状は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0055】
また、複数のエリアは、例えば、空間SP1に設置された複数の机8(
図2参照)の配置に基づいて決められている。より詳細には、
図2のように、2以上の机8をくっつけ合わせた1つのまとまり(いわゆる、“島”)を、1つのエリアとする。
【0056】
また、記憶部63は、複数の照明負荷5と複数のエリアとを紐付けする情報を記憶している。各照明負荷5は、紐付けされたエリアを照明する。決定部65は、複数の照明負荷5と複数のエリアとを紐付けする情報を参照することで、減光エリアを照明する照明負荷5を特定する。
【0057】
また、記憶部63は、優先度記憶部631としての機能を有する。優先度記憶部631は、複数のエリアの各々の優先度を記憶している。優先度は、例えば、施設の管理者が所定の機器を操作することで設定される。所定の機器は、例えば、決定装置6、又は、施設の管理者が所有する管理端末である。例えば、空間SP1を構成する部屋の入り口に近いエリアほど、優先度が高く設定される。
【0058】
また、記憶部63は、定員記憶部632としての機能を有する。定員記憶部632は、複数のエリアの各々の定員を記憶している。複数のエリアの各々の定員は、例えば、施設の管理者が所定の機器を操作することで設定される。所定の機器は、例えば、決定装置6、又は、施設の管理者が所有する管理端末である。
【0059】
複数のエリアの各々の定員は、エリアに存在する人の最大人数を設定する設定値である。言い換えると、1つのエリアには最大で、このエリアの定員と同じ人数が存在すると想定される。複数のエリアの各々の定員は、例えば、エリアに存在する座席数(椅子7(
図2参照)の個数)と一致するように設定される。あるいは、複数のエリアの各々の定員は、例えば、エリアの広さに応じて設定される。
【0060】
(4)照明コントローラ
照明コントローラ4は、照明制御部41と、通信部42と、記憶部43と、を有する。
【0061】
照明制御部41は、コンピュータシステムを含む。照明制御部41は、照明コントローラ4の全体的な制御を行う。また、照明制御部41は、通信部42に制御信号を送信させて、複数の照明負荷5を制御する。照明制御部41は、複数の照明負荷5のうち、減光エリアを照明する照明負荷5の照度を低下させる。照明制御部41は、減光エリアの照度が、稼働エリアの照度よりも低くなるように、複数の照明負荷5を制御する。稼働エリアは、減光エリアとは別のエリアである。
【0062】
照明制御部41は、複数の照明負荷5を個別に制御可能である。複数の照明負荷5は、複数のグループに分けられている。複数の照明負荷5をグループ分けする情報は、記憶部43に記憶されている。照明制御部41は、複数の照明負荷5をグループごとに制御する。つまり、照明制御部41は、同一のグループに含まれる1以上の照明負荷5に対して、同一の制御をする。
図2では、複数の照明負荷5がグループL1、L2、L3、L4、L5及びL6に分けられている。各グループは、1以上の照明負荷5を含む。複数の照明負荷5の各々は、いずれか1つのグループに含まれる。
【0063】
例えば、決定装置6から照明コントローラ4に送信される指令信号には、複数の照明負荷5に対する制御内容がエリアごとに示されている。この場合に、照明制御部41は、エリアとグループとを紐付ける情報を参照して、各グループの照明負荷5に対する制御内容を決定する。エリアとグループとを紐付ける情報は、例えば、記憶部43に記憶されている。
【0064】
通信部42は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部42は、決定装置6の通信部62、及び、複数の照明負荷5の各々の後述の通信部52と通信可能である。
【0065】
記憶部43は、照明コントローラ4で用いられる情報を記憶している。記憶部43は、例えば、複数の照明負荷5の各々のアドレスを記憶している。
【0066】
(5)照明負荷
複数の照明負荷5の各々は、制御部51と、通信部52と、記憶部53と、光源部54と、を有する。
【0067】
制御部51は、コンピュータシステムを含む。制御部51は、自機の全体的な制御を行う。
【0068】
通信部52は、通信インタフェース装置を含んでいる。通信部52は、照明コントローラ4の通信部42と通信可能である。
【0069】
記憶部53は、照明負荷5で用いられる情報を記憶している。記憶部53は、例えば、照明負荷5のアドレスを記憶している。
【0070】
光源部54は、発光ダイオード素子等の光源を含む。光源部54は、制御部51の制御に従って、光源に流れる電流を制御する。これにより、光源の点灯が制御される。本開示では、光源部54の光源の点灯を制御することを指して、照明負荷5の点灯を制御する、と言う。制御部51は、照明コントローラ4から送信された制御信号に基づいて、照明負荷5の点灯を制御する。
【0071】
制御信号に基づく点灯の制御は、照明負荷5を調光することを含む。照明負荷5が調光されることで、照明負荷5の照度が低下又は増加する。調光率が大きいほど、照度は大きくなる。調光率が0%の場合、照明負荷5は消灯し、調光率が100%の場合、照明負荷5は全点灯する。本開示において、「照度が低下する」とは、調光率が0%より大きい状態から、調光率が0%にされる(つまり、照明負荷5が消灯する)ことも含む概念である。また、本開示において、「照度が増加する」とは、調光率が0%の状態から、調光率が0%より大きい状態にされる(つまり、照明負荷5が点灯する)ことも含む概念である。
【0072】
調光は、連続調光であってもよいし、段調光であってもよい。また、照明負荷5の調光率は、0%から100%までの範囲で調整可能であってもよいし、限られた範囲(例えば、5%から100%までの範囲)で調整可能であってもよい。
【0073】
制御信号に基づく点灯の制御は、照明負荷5の色温度を変化させることを含んでいてもよい。また、制御信号に基づく点灯の制御は、照明負荷5を点滅させることを含んでいてもよい。
【0074】
(6)動作例
次に、統合システム100の動作例について、
図2~
図4を参照して説明する。
図3に示すシーケンス及び
図4に示すフローチャートは、統合システム100の動作の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0075】
(6.1)測位
図2に示すように、空間SP1には、複数の人H1~H4が存在している。複数の人H1~H4はそれぞれ、携帯端末3を携帯している。
図3では、複数の人H1~H4のうち1人の人が携帯している携帯端末3に着目して説明する。初期状態では、複数の照明負荷5は全て点灯しているとする(ステップST1)。例えば、まずは、決定装置6の処理を停止した状態で、空間SP1に存在する人の手動操作によって、又はスケジュール設定により自動で、複数の照明負荷5が全て点灯する。その後、人の手動操作によって、又はスケジュール設定により自動で、決定装置6の処理が開始する。
【0076】
図3に示すように、複数のビーコン端末2はそれぞれ、ビーコン信号を送信する(ステップST2)。携帯端末3は、ビーコン信号を受信する。携帯端末3の位置推定部311は、ビーコン信号の受信信号強度に基づいて、携帯端末3の位置を求める(ステップST3)。携帯端末3は、ステップST3で求めた位置を表す位置情報を、決定装置6へ送信する(ステップST4)。決定装置6は、受信した位置情報を、記憶部63に記憶する。
【0077】
(6.2)制御の決定
次に、決定装置6は、複数の照明負荷5に対する制御を決定する(ステップST5)。ステップST5の詳細を、
図4に示す。ステップST5では、まず、決定装置6の指標生成部67は、記憶部63から位置情報を読み出す(ステップST11)。例えば、指標生成部67は、過去30秒間に取得された位置情報を読み出す。これにより、指標生成部67は、空間SP1に存在する複数の携帯端末3の各々の直近の位置情報を読み出す。
【0078】
指標生成部67は、ステップST11で読み出された複数の携帯端末3の各々の位置情報に基づいて、複数のエリアの各々に存在している人の人数を算出する(ステップST12)。より詳細には、記憶部63には、空間SP1を複数のエリアに区分けする情報(区分け情報)が記憶されているので、指標生成部67は、区分け情報と複数の携帯端末3の各々の位置情報とを照合することで、複数のエリアの各々に存在している人の人数を算出する。さらに、指標生成部67は、空間SP1に存在している人の人数を算出する。空間SP1に存在している人の人数は、複数のエリアの各々に存在している人の人数の合計である。
【0079】
以下では、空間SP1に存在している人の人数を、空間SP1の滞在人数とも称し、エリアに存在している人の人数を、エリアの滞在人数とも称す。
【0080】
決定部65は、空間SP1の滞在人数を閾値Th1と比較する(ステップST13)。空間SP1の滞在人数が閾値Th1以上の場合、決定部65は、複数のエリアを全て、稼働エリアに設定し(ステップST14)、決定部65は、各エリアの設定に基づいて、複数の照明負荷5の制御内容を示す指令信号を生成する。通信部62は、照明コントローラ4に指令信号を送信する(ステップST6)。一方で、空間SP1の滞在人数が閾値Th1よりも小さい場合は、決定部65は、複数のエリアの中から減光エリアを決定する(ステップST15~ST22)。
【0081】
つまり、決定部65は、空間SP1に存在している人の人数が閾値Th1よりも少ない場合に、指標(エリアごとの人数)に基づいて減光エリアを決定する。決定部65は、空間SP1に存在している人の人数が閾値Th1以上の場合に、複数のエリアのいずれのエリアも、減光エリアとしない。
【0082】
閾値Th1は、記憶部63に予め記憶されている。閾値Th1は、例えば、施設の管理者が所定の機器を操作することで設定される。所定の機器は、例えば、決定装置6、又は、施設の管理者が所有する管理端末である。
【0083】
ステップST13において、空間SP1の滞在人数が閾値Th1よりも小さい場合は(ステップST13:No)、決定部65は、複数のエリアのうち全てのエリアを、稼働エリアに仮設定する(ステップST15)。次に、決定部65は、複数のエリアを、エリアごとの滞在人数に基づいてソートする(ステップST16)。滞在人数が少ないエリアほど下位となる。滞在人数が同じであるエリアが2つ以上存在する場合は、優先度が低いエリアほど下位となる。下位のエリアほど優先的に減光エリアとして設定される。
【0084】
つまり、決定部65は、複数のエリアのうち存在している人の人数が少ないエリアほど優先的に、減光エリアとする。さらに、決定部65は、複数のエリアのうち優先度が高いエリアほど優先的に、減光エリアとする。
【0085】
[表1]は、複数のエリアと、各エリアの定員、滞在人数及び優先度を示す、ソート前の表である。なお、[表1]は
図2とは別の一例を表しており、
図2とは対応しない。「1」が最も優先度が高いことを示し、「6」に向かうほど(数値が大きいほど)優先度が低いことを示す。
【0086】
【0087】
[表2]は、[表1]をソートした表である。すなわち、まずは滞在人数に基づいてソートし、滞在人数が同じエリアに関しては、優先度に基づいてソートした。
【0088】
【0089】
次に、ステップST17~ST22からなるループが実行される。上記ループにおいて、決定部65は、ソート順にエリアを選択する(ステップST17)。すなわち、ループの1周目では最も下位のエリアが選択され、2周目では2番目に下位のエリアが選択され、という具合に、下位のエリアから順に選択される。[表2]の例では、エリアA3、A2、A1、A6、A5、A4の順に選択される。
【0090】
決定部65は、ステップST17で選択したエリアを減光エリアに仮設定する(ステップST18)。次に、決定部65は、空間SP1の滞在人数を全ての稼働エリアの定員の合計と比較する(ステップST19)。この場合の稼働エリアは、ステップST18で減光エリアに仮設定されたエリアは含まない。空間SP1の滞在人数が全ての稼働エリアの定員の合計以下の場合は、決定部65は、ステップST17で選択したエリアを減光エリアとして正式に設定する(ステップST20)。一方で、空間SP1の滞在人数が全ての稼働エリアの定員の合計より多い場合は、決定部65は、ステップST17で選択したエリアを稼働エリアとして正式に設定する(ステップST21)。
【0091】
つまり、決定部65は、複数のエリアのうち減光エリアとして設定されていない全てのエリアの定員の合計が、空間SP1に存在している人の人数以上となるように、減光エリアを決定する。
【0092】
ループの1周目では、ステップST19の時点で、各エリアの設定は[表3]のようになる。
【0093】
【0094】
[表3]において、全ての稼働エリアの定員の合計は、38-4(減光エリアの定員)=34人であり、空間SP1の滞在人数は26人である。よって、ステップST19の判定は“Yes”となり、エリアA3が減光エリアとして正式に設定される。
【0095】
ステップST20又はST21の後、決定部65は、ステップST17で選択したエリアが最後のエリアであるか否かを判定する(ステップST22)。つまり、選択したエリアが、ステップST16でソートされた順番において最上位であるか否かを判定する。選択したエリアが最上位のエリア(エリアA4)となるまで、決定部65は、ステップST17~ST22を繰り返す。これにより、複数のエリアがそれぞれ稼働エリア又は減光エリアに設定される。その後、決定部65は、各エリアの設定に基づいて、指令信号を生成する(ステップST6)。つまり、決定部65は、稼働エリアを照明する照明負荷5の照度を維持し、かつ、減光エリアを照明する照明負荷5の照度を低下させる指令信号を生成する。
【0096】
2周目のループでは、ステップST19の時点で、各エリアの設定は[表4]のようになる。
【0097】
【0098】
[表4]において、全ての稼働エリアの定員の合計は、38-9(減光エリアの定員)=29人であり、空間SP1の滞在人数は26人である。よって、ステップST19の判定は“Yes”となり、エリアA2が減光エリアとして正式に設定される。
【0099】
3周目のループでは、ステップST19の時点で、各エリアの設定は[表5]のようになる。
【0100】
【0101】
[表5]において、全ての稼働エリアの定員の合計は、38-15(減光エリアの定員)=23人であり、空間SP1の滞在人数は26人である。よって、ステップST19の判定は“No”となり、エリアA2は、稼働エリアとして正式に設定される。
【0102】
最終的に、エリアA2、A3が減光エリアとして設定され、エリアA1、A4~A6は稼働エリアとして設定される。そのため、決定部65は、エリアA2、A3を照明する照明負荷5(グループL2、L3に含まれる複数の照明負荷5)を減光させるための指令信号を生成し、通信部62は、指令信号を照明コントローラ4に送信する(ステップST6)。
【0103】
(6.3)照明負荷の制御
図3に示すように、照明コントローラ4の照明制御部41は、指令信号を受信すると、制御信号を生成する(ステップST7)。より詳細には、照明制御部41は、減光エリアを照明する照明負荷5に対して、照明負荷5の照度を低下させるための制御信号を生成し、送信する(ステップST8)。減光エリアを照明する照明負荷5は、制御信号を受信すると、照明負荷5の照度を低下させる(ステップST9)。これにより、減光エリアの照度が低下する。また、照明制御部41は、稼働エリアを照明する照明負荷5に対しては、照度を維持するための制御信号を生成する。
【0104】
減光エリア(エリアA2、A3)に存在している人は、減光エリアの照度が低下すると、稼働エリアへ席を移動する。その結果、各エリアの滞在人数は、例えば、[表6]のようになる。
【0105】
【0106】
照明制御部41は、複数の照明負荷5のうち、減光エリアを照明する照明負荷5を、消灯させてもよいし、消灯させない範囲で調光してもよい。
【0107】
また、照明制御部41は、複数の照明負荷5のうち、減光エリアを照明する照明負荷5の照度を時間の経過とともに低下させてもよい。この場合、減光エリアに存在している人は、減光エリアがある程度明るい状態で移動のための支度をし、稼働エリアへ移動することができる。例えば、照明負荷5をフェードアウト調光してもよい。
【0108】
なお、複数のビーコン端末2はそれぞれ、ビーコン信号を間欠的に送信しており、携帯端末3の位置推定部311は、その度ごとに、携帯端末3の位置情報を更新し、位置情報を照明制御システム1へ送信する。照明制御システム1は、定期的に、複数の照明負荷5に対する制御の内容を更新する。そのため、空間SP1から1人以上の人が退出し、空間SP1に存在している人の人数が減った場合は、減光エリアが新たに設定され得る。
【0109】
(7)機械学習
照明制御システム1は、学習部66において機械学習を行ってもよい。学習部66は、機械学習により、減光エリアを決定するための学習済みモデルを生成してもよい。決定部65は、
図4に示すフローに代えて、学習済みモデルを用いて減光エリアを決定してもよい。
【0110】
記憶部63は、取得部64(位置情報取得部641)で取得された複数の人の位置情報を記憶する。学習部66は、記憶部63から複数の人の位置情報の履歴を読み出す。
【0111】
学習部66は、複数の人の位置情報の履歴を教師データとして用いて機械学習を行い、学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、例えば、計測システム200で求められた、複数の人の位置情報を入力として、減光エリアを示す情報を出力とする。複数の人の位置情報は、複数の人の各々の識別情報を含んでいてもよい。
【0112】
つまり、学習部66は、決定部65が減光エリアを決定するための学習済みモデルを、位置情報取得部641で取得された位置情報の履歴に基づいて機械学習により生成する。
【0113】
学習部66は、例えば、複数の人が稼働エリアに移動可能であり、かつ、複数の人の移動が最小限となるように減光エリアを決定する学習済みモデルを生成する。ただし、学習部66が生成する学習済みモデルは、これに限定されず、学習部66は、その他、所望の結果が得られるような学習済みモデルを生成してもよい。例えば、学習部66は、複数の人が稼働エリアに移動可能であり、かつ、複数の照明負荷5の消費電力量が最小となるように減光エリアを決定する学習済みモデルを生成してもよい。
【0114】
機械学習のアルゴリズムは、一例として、ニューラルネットワークである。ただし、機械学習のアルゴリズムは、ニューラルネットワークに限定されず、例えば、XGB(eXtreme Gradient Boosting)回帰、ランダムフォレスト(Random Forest)、決定木(decision tree)、ロジスティック回帰(Logistic Regression)、サポートベクターマシン(SVM:Support vector machine)、単純ベイズ(Naive Bayes)分類器、又はk近傍法(k-nearest neighbors)等であってもよい。さらに、機械学習のアルゴリズムは、例えば、混合ガウスモデル(GMM:Gaussian Mixture Model)、又はk平均法(k-means clustering)等であってもよい。
【0115】
また、学習部66は、追加の学習を行うことで学習済みモデルを更新してもよい。
【0116】
(実施形態1の変形例)
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0117】
ステップST13では、空間SP1の滞在人数を直接、閾値Th1と比較することに代えて、空間SP1の滞在人数を空間SP1の定員で割った値を所定の閾値と比較してもよい。空間SP1の定員は、複数のエリアの各々の定員の合計である。
【0118】
決定部65は、複数のエリアのうち減光エリアとして設定されていない全てのエリア(稼働エリア)の定員の合計が、空間SP1に存在している人の人数よりも少ない場合に、減光エリアのうち少なくとも1つを、稼働エリアに変更してもよい。つまり、上記少なくとも1つの減光エリアを照明する照明負荷5の照度を増加させてもよい。
【0119】
照明制御システム1は、減光エリアに存在している人に対して、当該エリアの照度を低下させることを通知してもよい。通知は、例えば、携帯端末3に対して行われればよい。あるいは、照明制御部41は、減光エリアを照明する照明負荷5の点灯状態を変化させることで、当該エリアの照度を低下させることを通知してもよい。点灯状態を変化させるとは、例えば、照明負荷5を点滅させる、又は、照明負荷5の色温度を変化させる等である。
【0120】
照明制御システム1は、所定のエリアを減光エリアの設定から除外する指令を受け付けてもよい。例えば、人が携帯端末3を操作することで、上記所定のエリアを減光エリアに設定しないという指令を含む信号が携帯端末3から照明制御システム1に入力されると、決定部65は、上記所定のエリアを除いたエリアの中から、減光エリアを決定する。
【0121】
照明制御システム1は、複数のエリアの範囲をユーザが設定するためのエリア設定部を備えていてもよい。エリア設定部は、ユーザインタフェースを含み、ユーザインタフェースは、複数のエリアの範囲を指定するためのユーザの操作を受け付ける。
【0122】
照明制御システム1は、複数のエリアの各々の優先度をユーザが設定するための優先度設定部を備えていてもよい。優先度設定部は、ユーザインタフェースを含み、ユーザインタフェースは、複数のエリアの各々の優先度を指定するためのユーザの操作を受け付ける。
【0123】
照明制御システム1は、少なくとも1つのビーコン端末2を備えていてもよい。
【0124】
照明制御システム1は、少なくとも1つの携帯端末3を備えていてもよい。
【0125】
照明負荷5の調光率と照度との関係は、実施形態1とは逆であってもよい。すなわち、調光率が大きいほど照明負荷5の照度は小さくなってもよい。
【0126】
照明負荷5は、調光が可能な機器に限定されず、少なくとも点灯と消灯とが切替え可能な機器であればよい。
【0127】
計測システム200の位置推定部311は、ビーコン信号の受信信号強度に代えて、ビーコン信号の位相に基づいて、携帯端末3の位置を算出してもよい。
【0128】
位置推定部311は、携帯端末3に備えられていることに限定されず、例えば、ビーコン端末2又は決定装置6に備えられていてもよい。位置推定部311は、携帯端末3におけるビーコン信号の受信信号強度又は位相の情報を集約して、携帯端末3の位置を算出すればよい。
【0129】
実施形態1では、決定装置6の決定部65は、全てのエリアの中から減光エリアを決定する。これに対して、決定部65は、調光率が所定の範囲である照明負荷5に照明されたエリアの中から、減光エリアを決定してもよい。
【0130】
実施形態1では、決定装置6の決定部65が減光エリアを決定し、これに基づいて決定部65が複数の照明負荷5に対する制御内容を決定する。これに対して、照明コントローラ4が決定部65を備えていてもよい。
【0131】
実施形態1のビーコン端末2、携帯端末3、決定装置6、照明コントローラ4及び照明負荷5はそれぞれ、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、ビーコン端末2、携帯端末3、決定装置6、照明コントローラ4及び照明負荷5の各々の、少なくとも一部の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの筐体に集約されていてもよいし、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0132】
また、照明制御システム1における複数の機能が、1つの筐体に集約されていることは照明制御システム1に必須の構成ではなく、照明制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、照明制御システム1の少なくとも一部の機能、例えば、決定装置6の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0133】
反対に、実施形態1において、複数の筐体に分散されている統合システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体に集約されていてもよい。例えば、取得部64、決定部65、及び、照明制御部41が、一の筐体に設けられていてもよい。
【0134】
また、携帯端末3の機能を実現するためのプログラムが、携帯端末3に提供されてもよい。一態様に係るプログラムは、携帯端末3が有する1以上のプロセッサに、受信ステップと、推定ステップと、送信ステップと、を実行させるための、プログラムである。受信ステップでは、複数のビーコン端末2の少なくとも1つからビーコン信号を受信する。推定ステップでは、受信ステップにて受信したビーコン信号に基づいて、携帯端末3の位置を推定して位置情報を生成する。送信ステップでは、推定ステップにて生成した位置情報を照明制御システム1に送信する。
【0135】
(実施形態2)
以下、実施形態2に係る照明制御システム1A及び統合システム100Aについて、
図5を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、実施形態1の各変形例は、実施形態2にも適宜適用可能である。
【0136】
照明制御システム1Aは、複数の照明負荷5Aと、位置推定部311と、を更に備える。位置推定部311は、複数の人の位置を示す位置情報を生成する。複数の照明負荷5Aのうちの1以上の照明負荷5Aは、複数の人の各々が携帯するビーコン端末2から送信されるビーコン信号を受信する。位置推定部311は、1以上の照明負荷5Aが受信したビーコン信号に基づいて、複数の人の位置を推定して位置情報を生成する。
【0137】
実施形態1のビーコン端末2は、施設の天井に設置されていることを前提としていた。これに対して、本実施形態のビーコン端末2は、可搬である。本実施形態では、複数の人の各々は、携帯端末3(
図1参照)に代えて、ビーコン端末2を携帯する。本実施形態では、1以上の照明負荷5Aがビーコン信号を受信するので、実施形態1と比較して、統合システム100Aが備える機器の台数を削減することができる。
【0138】
統合システム100Aは、照明制御システム1Aと、複数のビーコン端末2と、を備える。照明制御システム1Aは、複数の照明負荷5Aと、照明コントローラ4と、決定装置6Aと、を備える。
【0139】
各ビーコン端末2及び照明コントローラ4の機能は、実施形態1と同様である。
【0140】
複数の照明負荷5Aの各々において、制御部51Aは、受信処理部511としての機能を有する。受信処理部511は、通信部52がビーコン信号を受信した際に、ビーコン信号の受信に係る受信情報を生成する。受信情報は、例えば、受信信号強度である。つまり、受信処理部511は、ビーコン信号の受信信号強度を測定する。通信部52は、受信信号強度の値を決定装置6Aの通信部62へ送信する。なお、受信情報は、ビーコン信号の位相であってもよい。
【0141】
決定装置6Aにおいて、制御部61Aは、位置推定部311としての機能を有する。つまり、本実施形態では、位置推定部311は、携帯端末3ではなく、決定装置6Aに備えられている。位置推定部311は、各ビーコン端末2の位置を、そのビーコン端末2を携帯する人の位置として計測する。位置推定部311は、複数の照明負荷5Aの各々から送信された受信信号強度の値に基づいて、ビーコン端末2(人)の位置を計測し、人の位置を示す位置情報を生成する。
【0142】
指標生成部67は、位置推定部311で生成された位置情報に基づいて、実施形態1と同様に、指標(エリアごとの人数)を求める。そして、決定部65は、指標に基づいて、減光エリアを決定する。
【0143】
(実施形態3)
以下、実施形態3に係る照明負荷5B、照明制御システム1B及び統合システム100Bについて、
図6を用いて説明する。実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、実施形態1の各変形例は、実施形態3にも適宜適用可能である。
【0144】
照明負荷5Bは、照明制御システム1Bにより制御される複数の照明負荷5Bのうちの1つとして用いられる。照明負荷5Bは、複数のビーコン端末2(
図1参照)のうちの1つのビーコン端末2としての機能を有する。
【0145】
統合システム100Bは、照明制御システム1Bと、複数の携帯端末3と、を備える。照明制御システム1Bは、複数の照明負荷5Bと、照明コントローラ4と、決定装置6と、を備える。
【0146】
各携帯端末3、照明コントローラ4及び決定装置6の機能は、実施形態1と同様である。
【0147】
複数の照明負荷5Bの各々において、制御部51Bは、ビーコン制御部512としての機能を有する。ビーコン制御部512は、通信部52にビーコン信号を送信させる。通信部52は、ビーコン信号を間欠的に送信する。
【0148】
携帯端末3の位置推定部311は、複数の照明負荷5Bから受信したビーコン信号に基づいて、携帯端末3の位置を求める。携帯端末3の通信部32は、携帯端末3の位置を示す位置情報を決定装置6に送信する。
【0149】
本実施形態によれば、照明負荷5Bがビーコン端末2としての機能を有するので、ビーコン端末2の台数を削減できる。なお、
図6ではビーコン端末2の台数は0台であるが、1以上のビーコン端末2が設けられていてもよい。そして、位置推定部311は、1以上のビーコン端末2と、1以上の照明負荷5Bと、のそれぞれにおいて受信されたビーコン信号に基づいて、携帯端末3の位置を求めてもよい。
【0150】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0151】
第1の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)は、複数の人が存在する空間(SP1)に光を照射する複数の照明負荷(5、5A、5B)を制御する照明制御システム(1、1A、1B)である。照明制御システム(1、1A、1B)は、取得部(64)と、決定部(65)と、照明制御部(41)と、を備える。取得部(64)は、空間(SP1)に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定部(65)は、指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。照明制御部(41)は、複数の照明負荷(5、5A、5B)のうち、減光エリアを照明する照明負荷(5、5A、5B)の照度を低下させる。
【0152】
上記の構成によれば、エリアごとの人数についての指標に応じて、複数の照明負荷(5、5A、5B)のうち一部の照明負荷(5、5A、5B)の照度を低下させることができる。そのため、複数の照明負荷(5、5A、5B)のうち全ての照明負荷(5、5A、5B)の照度を維持する場合と比較して、省エネルギーを実現できる。
【0153】
また、第2の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)では、第1の態様において、決定部(65)は、空間(SP1)に存在している人の人数が閾値よりも少ない場合に、指標に基づいて減光エリアを決定する。決定部(65)は、空間(SP1)に存在している人の人数が閾値以上の場合に、複数のエリアのいずれのエリアも、減光エリアとしない。
【0154】
上記の構成によれば、空間(SP1)に存在している人の人数が比較的少ない場合に限り、一部の照明負荷(5、5A、5B)の照度を低下させることができる。よって、必要以上に照明負荷(5、5A、5B)の照度を低下させてしまうことを抑制できる。
【0155】
また、第3の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)では、第1又は2の態様において、決定部(65)は、複数のエリアのうち存在している人の人数が少ないエリアほど優先的に、減光エリアとする。
【0156】
上記の構成によれば、人数が比較的少ないエリアの照明負荷(5、5A、5B)の照度を低下させることにより、空間(SP1)を効率的に照明することができる。
【0157】
また、第4の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)は、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、優先度記憶部(631)を更に備える。優先度記憶部(631)は、複数のエリアの各々の優先度を記憶している。決定部(65)は、複数のエリアのうち優先度が高いエリアほど優先的に、減光エリアとする。
【0158】
上記の構成によれば、特定のエリアを優先的に減光エリアとすることができる。
【0159】
また、第5の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)は、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、定員記憶部(632)を更に備える。定員記憶部(632)は、複数のエリアの各々の定員を記憶している。決定部(65)は、複数のエリアのうち減光エリアとして設定されていない全てのエリアの定員の合計が、空間(SP1)に存在している人の人数以上となるように、減光エリアを決定する。
【0160】
上記の構成によれば、空間(SP1)に存在している人全員にとって十分な個数の照明負荷(5、5A、5B)の照度を維持することができる。
【0161】
また、第6の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)は、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、位置情報取得部(641)と、学習部(66)と、を更に備える。位置情報取得部(641)は、複数のエリアの各々に存在している人の位置情報を取得する。学習部(66)は、決定部(65)が減光エリアを決定するための学習済みモデルを、位置情報取得部(641)で取得された位置情報の履歴に基づいて機械学習により生成する。
【0162】
上記の構成によれば、決定部(65)は、学習済みモデルを用いて、どのエリアを減光エリアとすればよいか決定することができる。
【0163】
また、第7の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、照明制御部(41)は、複数の照明負荷(5、5A、5B)のうち、減光エリアを照明する照明負荷(5、5A、5B)の照度を時間の経過とともに低下させる。
【0164】
上記の構成によれば、あるエリアが減光エリアとして選択された場合に、減光エリアを照明する照明負荷(5、5A、5B)が突然消灯するような場合と比較して、減光エリアに存在している人にとって支障が出にくい。
【0165】
また、第8の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)では、第1~7の態様のいずれか1つにおいて、取得部(64)、決定部(65)、及び、照明制御部(41)が、一の筐体に設けられている。
【0166】
上記の構成によれば、一体型の照明制御システム(1、1A、1B)を提供できる。
【0167】
また、第9の態様に係る照明制御システム(1)は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、ビーコン信号を送信可能な複数のビーコン端末(2)と共に用いられる。照明制御システム(1)は、指標を生成する指標生成部(67)を更に備える。複数のビーコン端末(2)の各々は、複数の人の各々が携帯する携帯端末(3)に、ビーコン信号を送信可能である。携帯端末(3)は、ビーコン信号に基づいて携帯端末(3)の位置情報を生成する。指標生成部(67)は、携帯端末(3)から取得した位置情報に基づいて指標を生成する。
【0168】
上記の構成によれば、複数の人の位置情報を求めることができる。
【0169】
また、第10の態様に係る照明制御システム(1A)は、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、複数の照明負荷(5A)と、位置推定部(311)と、を更に備える。位置推定部(311)は、複数の人の位置を示す位置情報を生成する。複数の照明負荷(5A)のうちの1以上の照明負荷(5A)は、複数の人の各々が携帯するビーコン端末(2)から送信されるビーコン信号を受信する。位置推定部(311)は、1以上の照明負荷(5A)が受信したビーコン信号に基づいて、複数の人の位置を推定して位置情報を生成する。
【0170】
上記の構成によれば、照明負荷(5A)がビーコン信号を受信する機器としての機能を有するので、測位に用いる機器の台数を削減できる。
【0171】
第1の態様以外の構成については、照明制御システム(1、1A、1B)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0172】
また、第11の態様に係る照明負荷(5B)は、第9の態様に係る照明制御システム(1B)により制御される、複数の照明負荷(5B)のうちの1つとして用いられる。照明負荷(5B)は、複数のビーコン端末(2)のうちの1つのビーコン端末(2)としての機能を有する。
【0173】
上記の構成によれば、照明負荷(5B)がビーコン端末(2)としての機能を有するので、ビーコン端末(2)の台数を削減できる。
【0174】
また、第12の態様に係る決定装置(6、6A)は、複数の人が存在する空間(SP1)に光を照射する複数の照明負荷(5、5A、5B)の制御に関する決定装置(6、6A)である。決定装置(6、6A)は、取得部(64)と、決定部(65)と、を備える。取得部(64)は、空間(SP1)に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定部(65)は、指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。
【0175】
上記の構成によれば、省エネルギーを実現できる。
【0176】
また、第13の態様に係る制御方法は、複数の人が存在する空間(SP1)に光を照射する複数の照明負荷(5、5A、5B)を制御する制御方法である。制御方法は、取得ステップと、決定ステップと、照明制御ステップと、を有する。取得ステップでは、空間(SP1)に含まれる複数のエリアの各々に存在している人の人数についての指標に関する情報を取得する。決定ステップでは、指標に基づいて、複数のエリアのうち一部のエリアを、照度を低下させる対象である減光エリアとして決定する。照明制御ステップでは、複数の照明負荷(5、5A、5B)のうち、減光エリアを照明する照明負荷(5、5A、5B)の照度を低下させる。
【0177】
上記の構成によれば、省エネルギーを実現できる。
【0178】
また、第14の態様に係るプログラムは、第13の態様に係る制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0179】
上記の構成によれば、省エネルギーを実現できる。
【0180】
また、第15の態様に係るプログラムは、第9の態様に係る照明制御システム(1、1A、1B)と共に用いられる携帯端末(3)が有する1以上のプロセッサに、受信ステップと、推定ステップと、送信ステップと、を実行させるためのプログラムである。受信ステップでは、複数のビーコン端末(2)の少なくとも1つからビーコン信号を受信する。推定ステップでは、受信ステップにて受信したビーコン信号に基づいて、携帯端末(3)の位置を推定して位置情報を生成する。送信ステップでは、推定ステップにて生成した位置情報を照明制御システム(1、1A、1B)に送信する。
【0181】
上記の構成によれば、携帯端末(3)にプログラムをインストールして携帯端末(3)の測位を行うことができる。
【0182】
上記態様に限らず、実施形態に係る照明制御システム(1、1A、1B)の種々の構成(変形例を含む)は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体にて具現化可能である。
【符号の説明】
【0183】
1、1A、1B 照明制御システム
2 ビーコン端末
3 携帯端末
5、5A、5B 照明負荷
6、6A 決定装置
41 照明制御部
64 取得部
65 決定部
66 学習部
67 指標生成部
631 優先度記憶部
632 定員記憶部
641 位置情報取得部
311 位置推定部
SP1 空間