(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071562
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20230516BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230516BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230516BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20230516BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20230516BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20230516BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/105
H05B47/19
H05B47/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184423
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 行紀
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273PA04
3K273PA07
3K273QA01
3K273RA02
3K273RA04
3K273RA05
3K273RA16
3K273RA17
3K273SA01
3K273SA02
3K273SA11
3K273SA17
3K273SA18
3K273SA20
3K273SA24
3K273SA31
3K273SA38
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA32
3K273TA38
3K273TA39
3K273TA43
3K273TA52
3K273TA54
3K273UA13
3K273UA15
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】人が存在するエリアを好適な照射状態で照射する。
【解決手段】制御システムは、複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷3を制御するシステムである。制御システムは、取得部631と、決定部431と、照明制御部432と、を備えている。取得部631は、複数の人の位置を示す位置情報を取得する。決定部431は、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する。第1位置情報は、複数の人に含まれる第1の人の位置情報である。第2位置情報は、複数の人に含まれる第2の人の位置情報である。照明制御部432は、決定部431で決定された配光でエリアを照射するように複数の照明負荷3を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する制御システムであって、
前記複数の人の位置を示す位置情報を取得する取得部と、
前記複数の人に含まれる第1の人の前記位置情報である第1位置情報と、前記複数の人に含まれる第2の人の前記位置情報である第2位置情報と、に基づいて、前記第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記配光で前記エリアを照射するように前記複数の照明負荷を制御する照明制御部と、
を備える、
制御システム。
【請求項2】
前記決定部は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から導かれる前記エリアにおける前記複数の人の密度に基づいて、前記エリアに照射する前記光の前記配光を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記決定部は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から導かれる前記第1の人と前記第2の人との間の距離が閾値距離以下であるか否かに基づいて、前記エリアを照射する前記光の前記配光を決定する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記決定部は、前記距離が前記閾値距離以下となる前記第2の人の数に基づいて、前記エリアを照射する前記光の前記配光を決定する、
請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記空間において前記第1の人の周囲の環境情報を取得する環境センサ、を更に備え、
前記決定部は、前記第1位置情報と、前記第2位置情報と、前記環境センサが取得した前記環境情報とに基づいて、前記エリアを照射する前記光の前記配光を決定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記複数の照明負荷のうちの1以上の照明負荷は、照射する光の配光を切替可能な特定照明負荷であり、
前記照明制御部は、前記決定部で決定された前記配光で前記エリアを照射するように前記特定照明負荷を制御する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記照明制御部は、前記複数の照明負荷とは別の装置を制御する機能を有し、前記決定部の決定に基づいて、前記複数の照明負荷の制御に加えて前記別の装置を制御する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
前記配光を含む前記エリアの環境設定の変更操作を受け付けて、前記変更操作の履歴情報を所定の記憶領域に記憶させる入力部、を更に備え、
前記決定部は、前記エリアに前記第2の人が存在しない場合には、前記第1の人に対応する前記変更操作の前記履歴情報に基づいて、前記エリアを照射する前記光の前記配光を含む環境設定を決定する、
請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記照明制御部は、前記決定部の判断に基づいて、前記配光の制御に加えて、前記エリアを照射する前記光の調光制御及び調色制御の少なくとも一方を行う、
請求項1から8のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項10】
前記照明制御部は、所定の記憶領域に記憶された前記配光の履歴情報に基づく配光で、前記複数の人が存在しない無人エリアを照射するように前記複数の照明負荷を制御する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項11】
前記決定部は、前記第1位置情報及び前記第2位置情報と、前記エリアを照射する前記光の前記配光との関係を用いて学習された学習済モデルを用いて、前記エリアを照射する前記光の前記配光を決定する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項12】
前記取得部、前記決定部、及び、前記照明制御部が、一の筐体に設けられている、
請求項1から11のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項13】
ビーコン信号を送信可能な複数のビーコン端末、を更に備え、
前記複数のビーコン端末の各々は、前記複数の人の各々が携帯し前記ビーコン信号に基づいて前記位置情報を生成する携帯端末に、前記ビーコン信号を送信可能であり、
前記取得部は、前記携帯端末から前記位置情報を取得する、
請求項1から12のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項14】
前記複数の照明負荷と、
前記複数の人の位置を推定して前記位置情報を生成する位置推定部と、
を更に備え、
前記複数の照明負荷のうちの1以上の照明負荷は、前記複数の人の各々が携帯するビーコン端末から送信されるビーコン信号を受信し、
前記位置推定部は、前記1以上の照明負荷が受信した前記ビーコン信号に関する情報に基づいて、前記複数の人の位置を推定して前記位置情報を推定する、
請求項1から12のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項15】
請求項13に記載の制御システムにより制御される、前記複数の照明負荷のうちの1つとして用いられる照明負荷であって、
前記複数のビーコン端末のうちの1つのビーコン端末としての機能を有する、
照明負荷。
【請求項16】
複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷の制御に関する決定装置であって、
前記複数の人の位置を示す位置情報を取得する取得部と、
前記複数の人に含まれる第1の人の前記位置情報である第1位置情報と、前記複数の人に含まれる第2の人の前記位置情報である第2位置情報と、に基づいて、前記第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する決定部と、
を備える、
決定装置。
【請求項17】
複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する制御方法であって、
前記複数の人の位置を示す位置情報を取得する取得ステップと、
前記複数の人に含まれる第1の人の前記位置情報である第1位置情報と、前記複数の人に含まれる第2の人の前記位置情報である第2位置情報と、に基づいて、前記第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する決定ステップと、
前記決定ステップにて決定した前記配光で前記エリアを照射するように前記複数の照明負荷を制御する照明制御ステップと、
を有する、
制御方法。
【請求項18】
請求項17に記載の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【請求項19】
請求項13に記載の制御システムからの前記ビーコン信号を受信する前記携帯端末が有する1以上のプロセッサに、
前記複数のビーコン端末の少なくとも1つから前記ビーコン信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにて受信した前記ビーコン信号に基づいて、前記携帯端末の位置を推定して前記位置情報を生成する推定ステップと、
前記推定ステップにて生成した前記位置情報を前記制御システムに送信する送信ステップと、
を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、本開示は、照明負荷の制御に関する制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、環境制御システムについて記載されている。特許文献1に記載された環境制御システムは、複数のタスクライトと、複数のベースライトと、制御装置と、を備えている。特許文献1に記載された環境制御システムの制御装置は、ベースライトの照度よりタスクライトの照度が大きくなる集中作業用空間制御領域と、ベースライトの照度よりタスクライトの照度が小さくなる非集中作業用空間制御領域とが生じるように、複数のタスクライト及び複数のベースライトを調光・調色制御するゾーニング制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたような環境制御システムにおいて、人が存在するエリアを好適な照射状態で照射することが望まれている。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、人が存在するエリアを好適な照射状態で照射することが可能な制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る制御システムは、複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御するシステムである。前記制御システムは、取得部と、決定部と、照明制御部と、を備えている。前記取得部は、前記複数の人の位置を示す位置情報を取得する。前記決定部は、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する。前記第1位置情報は、前記複数の人に含まれる前記第1の人の前記位置情報である。前記第2位置情報は、前記複数の人に含まれる第2の人の前記位置情報である。前記照明制御部は、前記決定部で決定された前記配光で前記エリアを照射するように前記複数の照明負荷を制御する。
【0007】
本開示の一態様に係る照明負荷は、前記制御システムにより制御される、前記複数の照明負荷のうちの1つとして用いられる照明負荷である。前記制御システムは、複数のビーコン端末を更に備えている。前記複数のビーコン端末は、ビーコン信号を送信可能である。前記複数のビーコン端末の各々は、携帯端末に、前記ビーコン信号を送信可能である。前記携帯端末は、前記複数の人の各々が携帯し前記ビーコン信号に基づいて前記位置情報を生成する。前記取得部は、前記携帯端末から前記位置情報を取得する。前記照明負荷は、前記複数のビーコン端末のうちの1つのビーコン端末としての機能を有している。
【0008】
本開示の一態様に係る決定装置は、複数の照明負荷の制御に関する装置である。前記複数の照明負荷は、複数の人が存在する空間に光を照射する。前記決定装置は、取得部と、決定部と、を備えている。前記取得部は、前記複数の人の位置を示す位置情報を取得する。前記決定部は、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する。前記第1位置情報は、前記複数の人に含まれる前記第1の人の位置情報である。前記第2位置情報は、前記複数の人に含まれる第2の人の位置情報である。
【0009】
本開示の一態様に係る制御方法は、複数の人が存在する空間に光を照射する複数の照明負荷を制御する方法である。制御方法は、取得ステップと、決定ステップと、照明制御ステップと、を有している。前記取得ステップでは、前記複数の人の位置を示す位置情報を取得する。前記決定ステップでは、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアを照射する光の配光を決定する。前記第1位置情報は、前記複数の人に含まれる前記第1の人の前記位置情報である。前記第2位置情報は、前記複数の人に含まれる前記第2の人の前記位置情報である。前記照明制御ステップでは、前記決定ステップにて決定した前記配光で前記エリアを照射するように前記複数の照明負荷を制御する。
【0010】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本開示の一態様に係るプログラムは、制御システムからのビーコン信号を受信する携帯端末が有する1以上のプロセッサに、受信ステップと、推定ステップと、送信ステップと、を実行させるためのプログラムである。前記受信ステップでは、複数のビーコン端末の少なくとも1つから前記ビーコン信号を受信する。前記推定ステップでは、前記受信ステップにて受信した前記ビーコン信号に基づいて、前記携帯端末の位置を推定して位置情報を生成する。前記送信ステップでは、前記推定ステップにて生成した前記位置情報を前記制御システムに送信する。
【発明の効果】
【0012】
本開示の上記態様に係る制御システム、照明負荷、決定装置、制御方法及びプログラムによれば、人が存在するエリアを好適な照射状態で照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の照明制御システムが用いられる空間の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、同上の照明制御システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、同上の照明制御システムにおける位置情報サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態2に係る照明制御システムにおける位置情報サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態3に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図7】
図7は、実施形態4に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態5に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態6に係る照明制御システムのブロック図である。
【
図10】
図10は、同上の照明制御システムにおける位置情報サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態7に係る環境制御システムのブロック図である。
【
図12】
図12は、実施形態8に係る環境制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、共通する要素についての重複する説明は省略する。以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0015】
(実施形態1)
(1)概要
まず、実施形態1に係る照明制御システム1の概要について
図1及び
図2を参照して説明する。実施形態1の照明制御システム1は、例えば
図2に示すような空間SP1を有する施設に設けられている。本開示でいう「施設」は、例えば、オフィスビル、工場、複合商業施設、美術館、博物館、遊戯施設、テーマパーク、空港、鉄道駅、ドーム球場、ホテル、住宅等であって、敷地とその敷地に建てられた建物とを含む。その他、「施設」は、例えば、船舶、鉄道車両等の移動体であってもよい。本開示では、施設がオフィスビルであり、空間SP1がABW(Activity based working)オフィス等の従業員の席が固定されていないフリーアドレスオフィスの1室である場合を例示する。
【0016】
図2に示すように、照明制御システム1は、複数の人H0が存在する空間SP1に光L1を照射する複数の照明負荷3を制御するシステムである。
【0017】
図1に示すように、実施形態1の照明制御システム1は、照明システム2と、測位システム5と、を備えている。
【0018】
照明システム2は、複数の照明負荷3と、照明制御コントローラ4と、を備えている。複数の照明負荷3は、空間SP1に光L1を照射する。照明制御コントローラ4は、複数の照明負荷3を制御する。以下の説明において複数の照明負荷3の各々を区別しない場合、複数の照明負荷3の各々のことを「照明負荷3」という。
【0019】
実施形態1では、測位システム5がローカル測位システム(LPS:Local Positioning System)である場合を例示する。測位システム5は、複数のビーコン端末7と複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8との通信情報に基づいて、携帯端末8を有する人H0の位置を推定するシステムである。本開示でいう「携帯」は、携帯端末8をかばん又はポケット等に入れたり、携帯端末8をストラップ等に引っ掛けたりして身につけること、及び、携帯端末8を手に持つこと等を含み得る。また、「携帯」は、例えば人H0が座席92(
図2参照)に座っているときに、机91(
図2参照)の上に携帯端末8を置いておくこと(
図2参照)、及び、床や机91の上に置いたかばんの中に携帯端末8を入れておくこと等を含み得る。
【0020】
測位システム5は、位置情報サーバ6と、複数のビーコン端末7と、を備えている。以下の説明において複数のビーコン端末7の各々を区別しない場合、複数のビーコン端末7の各々のことを「ビーコン端末7」という。
【0021】
実施形態1の位置情報サーバ6は、取得部631と、行動推定部632と、を備えている。取得部631は、複数の人H0の位置を示す位置情報を取得する。本開示でいう「位置情報」は、複数の人H0の各々の位置を特定するための情報である。「位置情報」は、複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8の位置を特定するための情報を含み得る。行動推定部632は、複数の人H0に含まれる第1の人の位置情報である第1位置情報と、複数の人H0に含まれる第2の人の位置情報である第2位置情報と、に基づいて、第1の人の行動を推定する。本開示でいう「第1の人」は、行動推定部632が行動を推定する対象となる人H0を意味する。また、「第2の人」は、空間SP1にいる複数の人H0から第1の人を除いた人H0を意味する。空間SP1に3人以上の人がいる場合、第2の人は複数である。実施形態1の位置情報サーバ6は、行動推定部632が第1の人の行動を推定した推定結果を、照明システム2の照明制御コントローラ4に送信する。
【0022】
実施形態1の照明制御コントローラ4は、決定部431と、照明制御部432と、を有している。
【0023】
決定部431は、位置情報サーバ6から受信した推定結果に基づいて、第1の人が位置するエリアA0を照射する光L1の配光を決定する。言い換えると、決定部431は、複数の人H0に含まれる第1の人の位置情報である第1位置情報と、複数の人H0に含まれる第2の人の位置情報である第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアA0を照射する光L1の配光を決定する。
【0024】
図2に示すように、エリアA0は、空間SP1において複数存在する。エリアA0は、机91又は座席92毎に設定されていてもよいし、複数の机91又は座席92毎に設定されていてもよい。実施形態1では、エリアA0は、4個の座席92(2個の机91)毎に設定されている。複数のエリアA0は、互いにつながっていてもよいし、互いに隔てられていてもよい。また、複数のエリアA0の各々は、他のエリアA0と重複する部分を有していてもよい。
【0025】
本開示でいう「配光」は、光源部31の空間SP1に対する光度分布、つまり光源部31から出る光L1の空間的分布を意味する。本開示でいう「配光を決定する」とは、予め設定された複数の配光パターンのうちから一の配光パターンを決定することを含み得る。「配光パターン」は、配光角のパターン及び複数方向(例えば照明負荷3から天井C1へ向かう方向及び照明負荷3から空間SP1の床へ向かう方向)への照らし分けのパターンを含み得る。例えば、配光角が広角になるほど、エリアA0に対する光L1の照射範囲が広くなる。
【0026】
また、実施形態1の決定部431は、配光の決定のみならず、エリアA0を照射する光L1の調光及び調色に関する決定を行う。言い換えると、実施形態1の決定部431は、配光を少なくとも含む照射状態の決定を行う。本開示でいう「調光」は、連続調光及び段調光を含み得る。「調光」は、例えば予め設定された範囲(例えば0%から100%までの範囲、5%から100%までの範囲)で光L1の調光レベル(調光率)を調整することを含み得る。また、「調色」は、光L1の調色レベル(色温度)を調整することを含み得る。また、「照射状態」は、光L1の配光(配光パターン)、調光(調光率)、及び調色(色温度)を含み得る。実施形態1の決定部431は、位置情報サーバ6から受信した推定結果に基づいて、配光(配光パターン)、調光(調光率)、及び調色(色温度)が予め設定された複数の照射パターンのうちから一の照射パターンを決定する。
【0027】
照明制御部432は、決定部431で決定された配光でエリアA0を照射するように複数の照明負荷3を制御する。より詳細には、照明制御部432は、決定部431で決定された照射状態(配光、調光、及び調色)でエリアA0を照射するように複数の照明負荷3を制御する。
【0028】
実施形態1の照明制御システム1によれば、第1位置情報と第2位置情報とに応じた配光で、第1の人が位置するエリアA0を照射することができる。より具体的には、実施形態1の照明制御システム1によれば、第1の人の行動に応じた配光(照射状態)を決定することができるため、第1の人が存在するエリア(A0)を好適な配光で照射することができる。また、実施形態1の照明制御システム1によれば、人H0が配光の切替を行う必要がないため、空間SP1を利用する人H0の利便性が向上する。
【0029】
(2)詳細
次に、実施形態1に係る照明制御システム1及び携帯端末8の詳細について
図1~
図5を参照して説明する。
【0030】
(2.1)照明制御システム
上述のように、照明制御システム1は、
図2に示すような複数の人H0が存在する空間SP1に光L1を照射する複数の照明負荷3を、複数の人H0の位置情報に基づいて制御するシステムである。
図1に示すように、実施形態1の照明制御システム1は、照明システム2と、測位システム5と、を備えている。
【0031】
(2.2)照明システム
照明システム2は、複数の人H0が存在する空間SP1に光L1を照射する複数の照明負荷3を制御するシステムである。照明システム2は、複数の照明負荷3と、照明制御コントローラ4と、を備えている。
【0032】
(2.3)照明負荷
図2に示すように、複数の照明負荷3は、複数の人H0が存在する空間SP1に光L1を照射する。複数の照明負荷3は、空間SP1に設置された複数の机91及び複数の座席92の上方にある天井C1等に設置されている。実施形態1の複数の照明負荷3の各々は、対応する座席92の上方に設置されている。
図2の例では、16個の座席92と一対一に対応する16個の照明負荷3が天井C1に設置されている。なお、複数の照明負荷3の配置は、複数の座席92と一対一に対応する配置に限定されず、別の配置であってもよい。
【0033】
図2に示すように、実施形態1の複数の照明負荷3のうちの1以上の照明負荷3は、照射する光L1の配光を切替可能な特定照明負荷である。実施形態1では、複数の照明負荷3のすべてが特定照明負荷である場合を例示する。照明負荷3が特定照明負荷であることで、互いに異なる配光であって配光を切り替えることができない複数の照明負荷のオン/オフを切り替えることで配光を切り替えるシステムと比べて、照明負荷の数を低減することが可能である。すなわち、照明負荷3が特定照明負荷であることで、照明システム2のコストを低減することができる。
【0034】
図1に示すように、照明負荷3(特定照明負荷)は、光源部31と、配光切替部32と、通信部33と、記憶部34と、制御部35と、を有している。
【0035】
照明負荷3は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部35として機能する。つまり、制御部35は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0036】
光源部31は、例えば、複数の固体発光素子を具備する。光源部31は、複数の固体発光素子として、例えば複数のLED(Light Emitting Diode)を具備する。なお、光源部31は、固体発光素子としてLEDを有する構成に限らない。光源部31は、例えば、有機EL(OEL:Organic Electro Luminescence)、又は半導体レーザダイオード(LD:Laser Diode)などの他の固体発光素子を有していてもよい。また、固体発光素子の数は、複数に限らず、1つであってもよい。
【0037】
配光切替部32は、光源部31から照射される光L1の配光(配光パターン)を切替可能に構成されている。実施形態1の配光切替部32は、制御部35の制御に基づいて、拡散光と集光との間で配光を切り替える。「拡散光」及び「集光」は、複数の配光パターンに含まれる配光パターンである。
図2に示す配光角θ1の光L1は集光の例示であり、配光角θ2の光L1は拡散光の例示である。
図2に示すように、拡散光の配光角θ1は集光の配光角θ2より小さい。
【0038】
図1に示す通信部33は、照明制御コントローラ4と通信可能に構成された通信インタフェースを含む。なお、本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワーク若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。
【0039】
記憶部34は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリである。なお、記憶部34は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0040】
記憶部34は、例えば、照射状態(照射パターン)の情報と、照明負荷3の識別情報とを記憶している。
【0041】
実施形態1の照射パターンの情報は、照射パターン番号(照射パターン名)と、配光パターンと、色温度と、調光率と、が互いに対応付けられた情報である。例えば、第1照射パターンは、色温度が5000Kで、調光率が75%で、配光パターンが拡散光である光を照射する照射パターンである。第1照射パターンは例えばデフォルトの照射パターンである。また、第2照射パターンは、色温度が6500Kで、調光率が50%で、配光パターンが集光である光L1を照射する照射パターンである。第2照射パターンは、例えば、集中して仕事等を行いたい人H0に適した照射パターンである。また、第3照射パターンは、色温度が3000Kで、調光率が100%で、配光パターンが拡散光である光L1を照射する照射パターンである。第3照射パターンは、例えば、会話や打ち合わせ等を行う人H0に適した照射パターンである。
【0042】
照明負荷3の識別情報は、複数の照明負荷3の各々を識別するための情報である。照明負荷3の識別情報は、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレス、又は、品番等の情報を含む情報である。
【0043】
制御部35は、照明制御コントローラ4から受け取る制御信号に基づいて、光源部31の制御を行う。具体的には、実施形態1の制御部35は、制御信号によって指示された照明パターンに従って、調光制御、調色制御、及び配光の切替制御を行う。
【0044】
(2.4)照明制御コントローラ
照明制御コントローラ4は、複数の照明負荷3を制御するコントローラである。
図1に示すように、照明制御コントローラ4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を有している。
【0045】
照明制御コントローラ4は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部43として機能する。つまり、制御部43は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0046】
通信部41は、複数の照明負荷3と通信可能に構成された通信インタフェースと、測位システム5の位置情報サーバ6と通信可能に構成された通信インタフェースと、を含んでいる。
【0047】
記憶部42は、ROM、RAM、又はEEPROM等の半導体メモリである。なお、記憶部42は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0048】
記憶部42は、例えば、複数の照射状態(照射パターン)と複数の行動モードとが一対一で対応付けられた対応情報を記憶している。複数の行動モードの各々は、位置情報サーバ6の行動推定部632によって推定される第1の人の行動モードである。実施形態1の複数の行動モードには、第1モード、第2モード、及び第3モードが含まれている。第2モードは、第1の人が座席92にて一人で仕事を行っている(ソロワークを行っている)と推定される行動モードである。第3モードは、第1の人が第2の人と会話又は打ち合わせ等を行っていると推定される行動モードである。第1モードは、第2モード及び第3モード以外の行動モードであり、例えばデフォルトの行動モードである。
【0049】
実施形態1の対応情報では、第1モードと第1照射パターンとが対応付けられている。また、対応情報では、第2モードと第2照射パターンとが対応付けられている。また、対応情報では、第3モードと第3照射パターンとが対応付けられている。
【0050】
また、実施形態1の記憶部42は、照射状態(照射パターン)の履歴情報を更に記憶している。照射パターンの履歴情報は、過去に決定部431が決定した照射パターンの履歴情報である。
【0051】
制御部43は、
図1に示すように、決定部431と、照明制御部432と、を有している。
【0052】
決定部431は、位置情報サーバ6から受信した推定結果に基づいて、第1の人が位置するエリアA0を照射する光L1の配光を決定する。位置情報サーバ6から受信した推定結果には、第1モード、第2モード、又は第3モードのいずれかの行動モードを示す情報が含まれている。決定部431は、推定結果に第1モードを示す情報が含まれている場合、記憶部42に記憶されている対応情報を用いて、光L1の照射パターンを第1照射パターンに決定する。また、決定部431は、推定結果に第2モードを示す情報が含まれている場合、対応情報を用いて、光L1の照射パターンを第2照射パターンに決定する。また、決定部431は、推定結果に第3モードを示す情報が含まれている場合、対応情報を用いて、光L1の照射パターンを第3照射パターンに決定する。
【0053】
実施形態1の推定結果は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれるエリアA0における複数の人H0の密度に基づいて、位置情報サーバ6の行動推定部632が第1の人の行動モードを推定した結果である。すなわち、実施形態1の決定部431は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれるエリアA0における複数の人H0の密度に基づいて、エリアA0に照射する光L1の配光(照射パターン)を決定する。
【0054】
決定部431は、光L1の(照射状態)照射パターンを決定すると、決定した照射パターンを照明制御部432に通知する。
【0055】
照明制御部432は、決定部431によって決定された照射パターンでエリアA0を照射するように複数の照明負荷3(特定照明負荷)を制御する。実施形態1の照射パターンには、光L1の配光パターンのみならず、調光率及び色温度が設定されている。したがって、実施形態1の照明制御部432は、決定部431の判断に基づいて、配光の制御に加えて、エリアA0を照射する光L1の調光制御及び調色制御の少なくとも一方を行う。照明制御部432が配光の制御に加えて調光制御及び調色制御の少なくとも一方を行うことで、配光パターンの制御のみ行う場合と比べて、第1の人の行動モードにより適した光L1を照射させることができる。
【0056】
照明制御部432は、制御信号を複数の照明負荷3に送信することで、決定部431によって決定された照射パターンの光L1を複数の照明負荷3に照射させる。より具体的には、照明制御部432は、決定部431によって決定された照射パターンの光L1を、第1の人が存在するエリアA0に対応する1以上の照明負荷に照射させる。本開示でいう「エリアに対応する1以上の照明負荷」は、一のエリアA0を照射可能な照明負荷を含み得る。なお、複数のエリアA0に対して複数の照明負荷3が一対一で対応していてもよいし、複数のエリアA0に対して一の照明負荷3が対応していてもよいし、一のエリアA0に対して複数の照明負荷3が対応していてもよい。
【0057】
(2.5)測位システム
測位システム5は、空間SP1にいる複数の人H0の各々が所持する携帯端末8と連携して、複数の人H0の位置を推定するシステムである。実施形態1の測位システム5は、複数のビーコン端末7と、位置情報サーバ6と、を備えている。
【0058】
(2.6)ビーコン端末
複数のビーコン端末7は、例えば空間SP1の天井C1や、空間SP1に設置されている机91等に設けられている。ビーコン端末7は、複数の人H0の各々が携帯しビーコン信号に基づいて位置情報を生成する携帯端末8に、ビーコン信号を送信可能に構成されている。複数の人H0の各々が所持する携帯端末8をビーコン受信端末として利用することにより、専用のビーコン受信端末又はビーコン送信端末を複数の人H0に携帯させずに、複数の人H0の位置を推定することができる。ビーコン端末7は、制御部71と、通信部72と、を有している。
【0059】
ビーコン端末7は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部71として機能する。つまり、制御部71は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0060】
制御部71は、通信部72を制御して、ビーコン信号を送信させる。
【0061】
通信部72は、所定の通信方式でビーコン信号を送信する。所定の通信方式は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)の通信方式である。なお、所定の通信方式はBLEに限定されず、所定の通信方式はWiFi(登録商標)等の通信方式でもよい。通信部72は、制御部71による制御に基づいて、所定の時間間隔及び所定の送信電力でビーコン信号を送信する。ビーコン信号には、ビーコン端末7に固有の固有情報(識別情報)を含んでいる。
【0062】
(2.7)位置情報サーバ
実施形態1の位置情報サーバ6は、複数の人H0の各々が所持する携帯端末8から位置情報を取得して、位置情報に基づいて第1の人の行動を推定する装置である。すなわち、位置情報サーバ6は、位置情報に基づいて第1の人の行動を推定する行動推定装置として機能する。位置情報サーバ6は、通信部61と、記憶部62と、制御部63と、を有している。
【0063】
位置情報サーバ6は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部63として機能する。つまり、制御部63は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0064】
通信部61は、携帯端末8と通信可能に構成された通信インタフェースと、照明システム2の照明制御コントローラ4と通信可能に構成された通信インタフェースと、を含んでいる。通信部61は、空間SP1に存在する複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8から、携帯端末8の位置情報を受信する。また、通信部61は、行動推定部632が第1の人の行動を推定した推定結果を、照明システム2の照明制御コントローラ4に送信する。
【0065】
記憶部62は、ROM、RAM、又はEEPROM等の半導体メモリである。なお、記憶部62は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0066】
記憶部62は、例えば、空間SP1に設置された複数の照明負荷3の位置情報を記憶している。
【0067】
制御部63は、取得部631と、行動推定部632と、を有している。
【0068】
取得部631は、空間SP1に存在する複数の人H0の位置を示す位置情報を取得する。より具体的には、取得部631は、空間SP1に存在する複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8から、携帯端末8の位置情報を定期的に取得する。位置情報には、第1位置情報と、第2位置情報とがある。第1位置情報は第1の人の位置情報を示す位置情報であり、第2位置情報は第2の人の位置情報を示す位置情報である。
【0069】
行動推定部632は、取得部631によって取得される第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、第1の人の行動を推定する行動推定処理を行う。実施形態1の行動推定部632は、第1位置情報に基づいて第1の人が存在するエリアA0を特定したうえで、第2位置情報に基づいて特定したエリアA0(単位空間)の人H0の密度を算出する。行動推定部632は、算出した人H0の密度の大きさに応じて、第1の人の行動を推定する。行動推定処理の詳細については、「(3)動作」の欄で説明する。
【0070】
(2.8)携帯端末
実施形態1の携帯端末8は、複数の人H0の各々が携帯するスマートフォン、タブレット端末、又はノート型のパーソナルコンピュータ等の携帯端末である。実施形態1では、携帯端末8がスマートフォンである場合を例示する。携帯端末8は、通信部81と、記憶部82と、制御部83と、を有している。
【0071】
携帯端末8は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部83として機能する。つまり、制御部83は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0072】
通信部81は、複数のビーコン端末7と通信可能に構成された通信インタフェースと、位置情報サーバ6と通信可能に構成された通信インタフェースと、を含んでいる。通信部81は、空間SP1に設置されている複数のビーコン端末7から送信されるビーコン信号を受信する。また、通信部81は、位置推定部831が生成した位置情報を位置情報サーバ6に送信する。
【0073】
記憶部82は、ROM、RAM、又はEEPROM等の半導体メモリである。なお、記憶部82は、半導体メモリに限らず、ハードディスクドライブ等であってもよい。
【0074】
記憶部82は、例えば、空間SP1に設置された複数のビーコン端末7の位置情報と、携帯端末8の識別情報と、を記憶している。携帯端末8の識別情報は、例えば、MACアドレス、IPアドレス、又は、品番等の情報を含む情報である。
【0075】
制御部83は、位置推定部831を有している。
【0076】
位置推定部831は、複数のビーコン端末7から送信されるビーコン信号に基づいて、携帯端末8(自身)の位置を推定する。より具体的には、実施形態1の位置推定部831は、ビーコン信号の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)と、ビーコン信号に含まれるビーコン端末7の識別情報と、ビーコン端末7の位置情報と、に基づいて、例えば3点測位を行い携帯端末8の位置を推定する。位置推定部831は、携帯端末8の位置を推定すると、推定した位置を示す位置情報を生成する。
【0077】
(3)動作
(3.1)システム全体の動作
次に、実施形態1に係る照明制御システム1の動作例について、
図3を参照して説明する。
【0078】
ビーコン端末7は、定期的にビーコン信号を送信する(S1)。
【0079】
携帯端末8は、ビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号の受信信号強度等に基づいて、携帯端末8の位置を推定する(S2)。携帯端末8は、自身の位置を推定すると、推定した位置を示す位置情報を位置情報サーバ6に送信する(S3)。
【0080】
位置情報サーバ6は、携帯端末8から位置情報を受信すると、行動推定処理を行う(S4)。行動推定処理は、空間SP1に存在する第1の人の行動(行動モード)を推定する処理である。行動推定処理の詳細は「(3.2)行動推定処理」の欄で説明する。位置情報サーバ6は、行動推定処理で推定した推定結果を、照明制御コントローラ4に送信する(S5)。
【0081】
照明制御コントローラ4は、位置情報サーバ6から推定結果を受信すると、第1の人が存在するエリアA0を照射する光L1の照射状態(照射パターン)を決定する(S6)。照射状態の決定には、少なくとも配光(配光パターン)の決定が含まれる。
【0082】
なお、実施形態1では、エリア0は、4個の座席92毎に設定されている(
図2参照)。すなわち、照明制御部432は、決定部431によって決定された照射パターンで、第1の人が存在するエリアA0を照射するように、第1の人が存在するエリアA0に対応する1以上の照明負荷3を制御する。例えば、照明制御部432は、第1の人が存在するエリアA0の上方に設けられている4個の照明負荷3を制御する。なお、照明制御部432が制御する照明負荷3は、第1の人が存在するエリアA0の上方に設けられている照明負荷3に限られない。照明制御コントローラ4は、照射パターンを決定すると、第1の人が存在するエリアA0を照射する4個の照明負荷3に対して、制御信号を送信する(S7)。
【0083】
照明負荷3は、照明制御コントローラ4から制御信号を受信すると、制御信号によって指示された照明パターンに従って、照明制御、すなわち、調光制御、調色制御、及び配光の切替制御を行う(S8)。
【0084】
なお、
図3に示すシーケンス図は、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0085】
(3.2)行動推定処理
次に、実施形態1に係る位置情報サーバ6の動作例について、
図4を参照して説明する。なお、
図4は、実施形態1の位置情報サーバ6の動作を示すフローチャートであり、
図3のステップS4の処理に対応している。
【0086】
位置情報サーバ6は、行動推定処理を開始すると、まず第1の人の行動モードがデフォルトの行動モードであると推定する(S11)。実施形態1では、上述のように、デフォルトの行動モードは第1モードである。
【0087】
位置情報サーバ6は、位置情報を取得する(S12)。具体的には、位置情報サーバ6は、第1の人の位置情報である第1位置情報と、第2の人の位置情報である第2位置情報と、を取得する。
【0088】
位置情報サーバ6は、第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、第1の人が存在するエリアA0の人の密度を計算(算出)する(S13)。
図2に示すように、実施形態1の空間SP1には複数(
図2の例では4個)のエリアA0が予め設定されている。実施形態1のエリアA0は、4個の座席92毎に設定されている。人H1が第1の人である場合には、位置情報サーバ6はエリアA1の人の密度を算出する。なお、本開示でいう「人の密度」は、(エリアA0)の単位面積あたりの人の数、エリアA0の最大許容人数(座席92の数)に対するエリアA0に存在する人の割合、及びエリアA0に存在する人の数、等を含み得る。実施形態1では、「人の密度」が第1の人が存在するエリアA0に存在する人の数である場合を例示する。
図2の例では、人H1が存在するエリアA1の人の数(人の密度)は4である。
【0089】
位置情報サーバ6は、算出した人の密度が、第1閾値T1以下であるか否かを判断する(S14)。位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第1閾値T1以下であれば(S14:Yes)処理をステップS16に進め、算出した人の密度が第1閾値T1以下でなければ(S14:No)、処理をステップS15に進める。
【0090】
実施形態1では第1閾値T1が1である場合を例示する。すなわち、実施形態1の位置情報サーバ6は、ステップS14の処理において、第1の人が存在するエリアA0に第2の人が存在するか否かを判断する。
【0091】
例えば、
図2に示す人H3が第1の人である場合には、人H3が存在するエリアA4には第2の人(人H3以外の人H0)が存在しないので、位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第1閾値T1以下である(S14:Yes)と判断する。
【0092】
一方で、例えば
図2に示す人H2が第1の人である場合には、人H2が存在するエリアA3に第2の人(人H2以外の人H0)が存在するので、位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第1閾値T1以下でない(S14:No)と判断する。
図2に示す人H1が第1の人である場合も、位置情報サーバ6は、同様の判断を行う。
【0093】
位置情報サーバ6は、ステップS16の処理において、第1の人の行動モードは第2モードであると推定して(S16)、処理をステップS12に進める。なお、第2モードは、第1の人がソロワークを行っていると位置情報サーバ6が判断した行動モードであり、
図2の例では、人H3がソロワークを行っていると位置情報サーバ6に判断される。
【0094】
位置情報サーバ6は、ステップS15の処理において、算出した人の密度が、第2閾値T2以上であるか否かを判断する(S15)。位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第2閾値T2以上であれば(S15:Yes)、処理をステップS17に進め、算出した人の密度が第2閾値T2以上でなければ(S15:No)、処理をステップS11に進める。
【0095】
第2閾値T2は第1閾値T1より大きい数であればよい。実施形態1では第2閾値T2が3である場合を例示する。すなわち、実施形態1の位置情報サーバ6は、ステップS15の処理において、第1の人が存在するエリアA0に第2の人が2人以上存在するか否かを判断する。
【0096】
例えば、
図2に示す人H2が第1の人である場合には、エリアA3に存在する第2の人は1人なので、位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第2閾値T2以上ではない(S15:No)と判断する。
【0097】
一方で、例えば
図2に示す人H1が第1の人である場合には、人H1が存在するエリアA1に第2の人(人H1以外の人H0)が2人以上存在するので、位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第2閾値T2以上である(S15:Yes)と判断する。
【0098】
位置情報サーバ6は、ステップS17の処理において、第1の人の行動モードは第3モードであると推定して(S17)、処理をステップS12に進める。なお、第3モードは、第1の人が会話又は打ち合わせ等を行っていると位置情報サーバ6が判断した行動モードであり、
図2の例では、人H1が会話又は打ち合わせ等を行っていると位置情報サーバ6に判断される。
【0099】
位置情報サーバ6が第1の人が存在するエリアA0の人の密度に基づいて第1の人の行動を推定することにより、例えば第1の人の位置のみを考慮して第1の人の行動を推定するよりも、第1の人の行動の推定精度を向上させることができる。これにより、決定部431によって決定される配光が、第1の人が存在するエリアA0に適した配光に決定されやすくなる。
【0100】
図4に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0101】
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0102】
また、実施形態1に係る照明制御システム1と同等の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る制御方法は、制御方法は、複数の人H0が存在する空間SP1に光L1を照射する複数の照明負荷3を制御する方法である。制御方法は、取得ステップと、決定ステップと、照明制御ステップと、を有している。取得ステップでは、複数の人H0の位置を示す位置情報を取得する。決定ステップでは、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアA0を照射する光L1の配光を決定する。第1位置情報は、複数の人H0に含まれる第1の人の位置情報である。第2位置情報は、複数の人H0に含まれる第2の人の位置情報である。照明制御ステップでは、決定ステップにて決定した配光でエリアA0を照射するように複数の照明負荷3を制御する。一態様に係るプログラムは、上記の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0103】
また、実施形態1に係る携帯端末8と同等の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る制御方法は、照明制御システム1からのビーコン信号を受信する携帯端末8において用いられる方法である。制御方法は、受信ステップと、推定ステップと、送信ステップと、を有している。受信ステップでは、複数のビーコン端末7の少なくとも1つからビーコン信号を受信する。推定ステップでは、受信ステップにて受信したビーコン信号に基づいて、携帯端末8の位置を推定して位置情報を生成する。送信ステップでは、推定ステップにて生成した位置情報を照明制御システム1(位置情報サーバ6)に送信する。一態様に係るプログラムは、上記の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0104】
本開示における照明制御システム1は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における照明制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0105】
照明制御システム1は、少なくとも、取得部631と、決定部431と、照明制御部432と、を備えていればよい。
【0106】
行動推定部632は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて、第1の人の行動(行動モード)を推定してもよい。上記学習済モデルは、例えば、第1位置情報及び第2位置情報と、第1の人の行動モードとの関係を示す複数の教師データを用いた教師あり学習によって生成されている。行動推定部632は、第1位置情報及び第2位置情報を学習済モデルの入力とすることで、学習済モデルの出力として、第1の人の行動モードを得ることができる。
【0107】
決定部431は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて、エリアA0を照射する光L1の照射状態(照射パターン)を決定してもよい。上記学習済モデルは、例えば、第1の人の行動モードの推定結果と、第1の人が存在するエリアA0を照射する光L1の照射パターン(配光)との関係を示す複数の教師データを用いた教師あり学習によって生成されている。決定部431は、第1の人の行動モードの推定結果を学習済モデルの入力とすることで、学習済モデルの出力として、エリアA0を照射する光L1の照射パターンを得ることができる。
【0108】
照明制御システム1における複数の機能の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0109】
位置情報サーバ6の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは位置情報サーバ6に必須の構成ではなく、位置情報サーバ6の少なくとも一部の機能は複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、位置情報サーバ6の行動推定部632等の機能は、照明制御コントローラ4に設けられていてもよい。
【0110】
位置情報サーバ6の行動推定部632の機能が照明制御コントローラ4に設けられている場合、例えば決定部431が行動推定部632としても機能する。つまり、決定部431は、第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、第1の人の行動を推定する行動推定処理を行い、行動推定処理の推定結果に基づいて、第1の人が位置するエリアを照射する光L1の照射パターンを決定する。なお、行動推定部632の機能を有する決定部431は、照明制御コントローラ4ではなく位置情報サーバ6が有していてもよい。
【0111】
また、行動推定部632の機能を有する決定部431は、機械学習によって生成された学習済モデルを用いて、エリアA0を照射する光L1の照射状態(照射パターン)を決定してもよい。上記学習済モデルは、例えば、第1位置情報及び第2位置情報と、第1の人が存在するエリアA0を照射する光L1の照射パターン(配光)との関係を示す複数の教師データを用いた教師あり学習によって生成されている。決定部431は、第1位置情報及び第2位置情報を学習済モデルの入力とすることで、学習済モデルの出力として、エリアA0を照射する光L1の照射パターンを得ることができる。
【0112】
なお、機械学習のアルゴリズムは、一例として、ニューラルネットワークである。ただし、機械学習のアルゴリズムは、ニューラルネットワークに限定されず、例えば、XGB(eXtreme Gradient Boosting)回帰、ランダムフォレスト(Random Forest)、決定木(decision tree)、ロジスティック回帰(Logistic Regression)、サポートベクターマシン(SVM:Support vector machine)、単純ベイズ(Naive Bayes)分類器、又はk近傍法(k-nearest neighbors)等であってもよい。さらに、機械学習のアルゴリズムは、例えば、混合ガウスモデル(GMM:Gaussian Mixture Model)、又はk平均法(k-means clustering)等であってもよい。
【0113】
また、学習方法は、実施形態1では一例として、教師あり学習である。ただし、学習方法は、教師あり学習に限らず、教師なし学習又は強化学習であってもよい。
【0114】
また、学習済みモデルは、追加の学習を行うことで学習済みモデルを更新してもよい。
【0115】
照明制御コントローラ4の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは照明制御コントローラ4に必須の構成ではなく、照明制御コントローラ4の少なくとも一部の機能は複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、照明制御コントローラ4の決定部431等の機能は、位置情報サーバ6に設けられていてもよい。
【0116】
携帯端末8は、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて携帯端末8の位置を検知してもよい。
【0117】
「第2の人」は、第1の人を中心とした所定の範囲内に存在する複数の人H0から第1の人を除いた人H0であってもよい。
【0118】
行動推定部632は、複数の人H0に、移動している人H0が含まれている場合、移動している人H0の位置情報を考慮せずに第1の人の行動を推定してもよい。人H0が移動しているか否かの判断は、例えば、携帯端末8又は人H0の位置情報に基づいて行われる。また、携帯端末8が加速度センサ等のセンサを備えることにより、人H0が移動しているか否かを判断してもよい。
【0119】
照明制御部432は、記憶部42等の所定の記憶領域に記憶された照射パターンの履歴情報に基づく照射パターンで、複数の人H0が存在しない無人エリアA2(
図2参照)を照射するように複数の照明負荷3を制御してもよい。言い換えると、照明制御部432は、記憶部42等の所定の記憶領域に記憶された配光の履歴情報に基づく配光(配光パターン)で、複数の人H0が存在しない無人エリアA2を照射するように複数の照明負荷3を制御してもよい。履歴情報に基づく配光パターンで無人エリアA2を照射させることで、無人エリアA2に人H0がやってきた後に、配光パターン(照射パターン)の変更をする頻度を低減することができる。なお、所定の記憶領域は、記憶部42に限られず、照明負荷3の記憶部34であってもよいし、位置情報サーバ6の記憶部62であってもよい。所定の記憶領域は、照明制御システム1とは別のシステムに含まれる記憶領域であってもよい。
【0120】
位置推定部831は、受信したビーコン信号の受信信号強度に基づいて携帯端末8の位置を推定する代わりに、到来時間(ToA:Time Of Arrival)又は到来方向(AoA:Angle Of Arrival)等の情報を用いる測位方法を用いて、携帯端末8の位置を推定してもよい。
【0121】
位置情報サーバ6の制御部63が位置推定部831を有していてもよい。位置情報サーバ6が位置推定部831を有する場合、携帯端末8は、複数のビーコン端末7から受信したビーコン信号の受信信号強度の情報と、ビーコン信号に含まれるビーコン端末7の識別情報とを位置情報サーバ6に送信する。また、位置情報サーバ6が位置推定部831を有する場合、例えば記憶部62は、複数の照明負荷3の位置情報を記憶する。
【0122】
照明負荷3とビーコン端末7とは一体型であってもよい。照明負荷3とビーコン端末7とが一体型である場合、照明負荷3の通信部33とビーコン端末7の通信部72とは共通の一の通信部であってもよい。
【0123】
照明制御コントローラ4と位置情報サーバ6とは一体型であってもよい。照明制御コントローラ4と位置情報サーバ6とが一体型である場合、照明制御コントローラ4の通信部41と位置情報サーバ6の通信部61とは共通の一の通信部であってもよい。
【0124】
実施形態1において、測定データなどの2値の比較において、「以下」としているところは「未満」であってもよい。つまり、2値の比較において、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以下」か「未満」かに技術上の差異はない。同様に、「以上」としているところは「超過」であってもよい。
【0125】
(実施形態2)
実施形態2に係る照明制御システム1は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれる第1の人と第2の人との間の距離に基づいて、第1の人が存在するエリアA0を照射する光L1を決定する点で、実施形態1に係る照明制御システム1と相違する。より具体的には、位置情報サーバ6が行う行動推定処理(
図3のステップS4の処理)の処理内容が相違する。
【0126】
実施形態2に係る位置情報サーバ6の動作例について、
図5を参照して説明する。
【0127】
位置情報サーバ6は、行動推定処理を開始すると、まず第1の人の行動モードがデフォルトの行動モードであると推定する(S21)。実施形態2では、デフォルトの行動モードは第1モードである。
【0128】
位置情報サーバ6は、位置情報を取得する(S22)。
【0129】
位置情報サーバ6は、第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、第1の人と第2の人との間の距離を計算(算出)する(S23)。実施形態2の位置情報サーバ6は、第1の人と、空間SP1に存在する全ての第2の人との間の距離を算出する。
【0130】
位置情報サーバ6は、算出した第1の人と第2の人との間の距離が第3閾値T3以下となる第2の人の数が第4閾値T4以下であるか否かを判断する(S24)。より詳細には、位置情報サーバ6は、第1の人と第2の人との間の距離が第3閾値T3以下となる第2の人の数を算出する。なお、以下の説明において、第1の人と第2の人との間の距離が第3閾値T3以下となる第2の人のことを、「近傍の第2の人」ということがある。その後、位置情報サーバ6は、近傍の第2の人の数が第4閾値T4以下であるか否かを判断する。
【0131】
ここで、実施形態2では、第3閾値T3が1mであり、第4閾値T4が0である場合を例示する。
図2の例では、ある座席92に座っている第1の人から見て、隣の座席92、向かいの座席92、及び斜め向かいの座席92までが1mの範囲に含まれるものとする。例えば、人H1が第1の人である場合、人H1の右隣の座席92に座っている人H0と、人H1の向かいの座席92に座っている人H0と、人H1の右斜め向かいの座席92に座っている人H0と、が近傍の第2の人となる。すなわち、人H1が第1の人である場合、位置情報サーバ6は、近傍の第2の人が3人であると判断する。
【0132】
位置情報サーバ6は、近傍の第2の人の数が第4閾値T4以下であれば(S24:Yes)処理をステップS26に進め、近傍の第2の人の数が第4閾値T4以下でなければ(S24:No)、処理をステップS25に進める。
【0133】
例えば、
図2に示す人H3が第1の人である場合には、近傍の第2の人の数が0なので、位置情報サーバ6は、近傍の第2の人が第4閾値T4以下である(S24:Yes)と判断する。
【0134】
一方で、例えば
図2に示す人H2が第1の人である場合には、人H2から見て左斜め向かいの座席92に人H0が座っており近傍の第2の人の数が1なので、位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第4閾値T4以下ではない(S24:No)と判断する。
図2に示す人H1が第1の人である場合も、位置情報サーバ6は、同様の判断を行う。
【0135】
位置情報サーバ6は、ステップS26の処理において、第1の人の行動モードは第2モードであると推定して(S26)、処理をステップS22に進める。
【0136】
位置情報サーバ6は、ステップS25の処理において、近傍の第2の人の数が、第5閾値T5以上であるか否かを判断する(S25)。位置情報サーバ6は、近傍の第2の人の数が第5閾値T5以上であれば(S25:Yes)処理をステップS27に進め、近傍の第2の人の数が第5閾値T5以上でなければ(S25:No)、処理をステップS21に進める。
【0137】
第5閾値T5は第4閾値T4より大きい数であればよい。実施形態2では第5閾値T5が2である場合を例示する。すなわち、実施形態2の位置情報サーバ6は、ステップS25の処理において、近傍の第2の人の数が2以上であるか否かを判断する。
【0138】
例えば、
図2に示す人H2が第1の人である場合には、近傍の第2の人は1人なので、位置情報サーバ6は、近傍の第2の人の数が第5閾値T5以上でない(S25:No)と判断する。
【0139】
一方で、例えば
図2に示す人H1が第1の人である場合には、近傍の第2の人が2人以上存在するので、位置情報サーバ6は、近傍の第2の人の数が第5閾値T5以上である(S25:Yes)と判断する。
【0140】
位置情報サーバ6は、ステップS27の処理において、第1の人の行動モードは第3モードであると推定して(S27)、処理をステップS22に進める。
【0141】
上述のように、実施形態2に係る位置情報サーバ6の行動推定部632は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれる第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下(以上)であるか否かに基づいて、第1の人の行動を推定する。すなわち、実施形態2の決定部431は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれる第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下であるか否かに基づいて、第1の人が存在するエリアA0を照射する光L1の照射パターン(配光)を決定する。
【0142】
なお、実施形態2では、第1の人が存在するエリア0は、座席92毎に設定されるものとする。照明制御部432は、決定部431によって決定された照射パターンでエリアA0(座席92)を照射するように、第1の人が座っている座席92に対応する1以上の照明負荷3を制御する。例えば、照明制御部432は、第1の人が座っている座席92の上方に設けられている一の照明負荷3を制御する。なお、照明制御部432が制御する照明負荷3は、第1の人が座っている座席92の上方に設けられている一の照明負荷3に限られない。
【0143】
また、実施形態2に係る位置情報サーバ6の行動推定部632は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれる第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下(以上)となる第2の人(近傍の第2の人)の数に基づいて、第1の人の行動を推定する。すなわち、実施形態2の決定部431は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれる第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下となる第2の人の数に基づいて、第1の人が存在するエリアA0を照射する光L1の照射パターン(配光)を決定する。
【0144】
位置情報サーバ6が第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下であるか否かに基づいて第1の人の行動を推定することにより、例えば第1の人の位置のみを考慮して第1の人の行動を推定するよりも、より推定精度を向上させることができる。さらに、実施形態2の位置情報サーバ6は、第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下となる第2の人の数に基づいて第1の人の行動を推定することにより、より推定精度を向上させることができる。これにより、決定部431によって決定される配光が、第1の人が存在する座席92に適した配光に決定されやすくなる。
【0145】
図5に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0146】
実施形態2は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態2は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0147】
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0148】
(実施形態3)
実施形態3に係る照明制御システム1は、複数の照明負荷3のうちの1以上の照明負荷3aが、複数のビーコン端末7のうちの1つのビーコン端末7としての機能を有する点で、実施形態1に係る照明制御システム1(
図1参照)と相違する。
【0149】
図6に示すように、実施形態3の照明制御システム1は、複数の照明負荷3aと、照明制御コントローラ4と、位置情報サーバ6と、を備えている。
【0150】
照明負荷3aは、照明制御システム1により制御される、複数の照明負荷3のうちの1つとして用いられる照明負荷である。照明負荷3aは、照明システム2の一部でもあり、測位システム5の一部でもある。照明負荷3aは、実施形態1に係る照明負荷3(
図1参照)とビーコン端末7(
図1参照)とが一体に設けられている装置である。照明負荷3aの制御部35は、ビーコン制御部351を有している。
【0151】
ビーコン制御部351は、通信部33を制御して、ビーコン信号を送信させる。
【0152】
実施形態3の通信部33は、所定の通信方式でビーコン信号を送信する。所定の通信方式は、例えば、BLEの通信方式である。なお、所定の通信方式はBLEに限定されず、所定の通信方式はWiFi(登録商標)等の通信方式でもよい。通信部33は、ビーコン制御部351による制御に基づいて、所定の時間間隔及び所定の送信電力でビーコン信号を送信する。ビーコン信号には、照明負荷3に固有の固有情報(識別情報)を含んでいる。
【0153】
上述のように、照明負荷3aは、ビーコン信号を送信する機能を有している。すなわち、照明負荷3aは、複数のビーコン端末7のうちの1つのビーコン端末7としての機能を有している。
【0154】
照明負荷3aがビーコン端末7として機能することで、照明制御システム1が備える複数のビーコン端末7の数を低減することができる。
【0155】
実施形態3は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態3は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0156】
実施形態3で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1及び実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0157】
(実施形態4)
図7に示すように、実施形態4に係る照明制御システム1は、取得部631、決定部431、及び照明制御部432が、一の筐体(制御サーバ6a)に設けられている点で、実施形態1に係る照明制御システム1(
図1参照)と相違する。
【0158】
実施形態4に係る照明制御システム1は、複数の照明負荷3と、制御サーバ6aと、複数のビーコン端末7と、を備えている。
【0159】
制御サーバ6aは、照明システム2の一部でもあり、測位システム5の一部でもある。制御サーバ6aは、実施形態1に係る照明制御コントローラ4(
図1参照)と位置情報サーバ6(
図1参照)とが一体に設けられている装置である。制御サーバ6aは、実施形態1に係る照明制御コントローラ4及び位置情報サーバ6の機能を有している。すなわち、制御サーバ6aは、複数の人H0が存在する空間SP1に光L1を照射する複数の照明負荷3の制御に関する決定装置として機能する。
【0160】
制御サーバ6aは、通信部61と、記憶部62と、制御部63と、を備えている。
【0161】
実施形態4に係る通信部61は、実施形態1に係る通信部41及び通信部61の機能を有している。
【0162】
実施形態4に係る記憶部62は、実施形態1に係る記憶部42及び記憶部62の機能を有している。
【0163】
実施形態4に係る制御部63は、実施形態1に係る制御部43及び制御部63の機能を有している。制御部63は、取得部631と、行動推定部632と、決定部431と、照明制御部432と、を有している。
【0164】
制御サーバ6aが取得部631と決定部431と照明制御部432とを備えていることで、一の筐体に設けられた機能で、複数の人H0の位置情報の取得からエリアA0に照射する光L1の照射パターン(配光)の決定までを行うことが可能となる。
【0165】
実施形態4は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態4は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0166】
実施形態4で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1から実施形態3で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0167】
(実施形態5)
図8に示すように、実施形態5に係る照明制御システム1は、複数の照明負荷3のうち1以上の照明負荷3bがビーコン信号を受信する点で、実施形態1に係る照明制御システム1(
図1参照)と相違する。
【0168】
実施形態5に係る照明制御システム1は、複数の照明負荷3に含まれる1以上の照明負荷3bと、照明制御コントローラ4と、位置情報サーバ6と、複数のビーコン端末7と、を備えている。
【0169】
実施形態5に係るビーコン端末7は、空間SP1に存在する複数の人H0の各々によって携帯されている。
【0170】
照明負荷3bは、照明システム2の一部でもあり、測位システム5の一部でもある。照明負荷3bの制御部35は、受信制御部352を有している。
【0171】
受信制御部352は、通信部33を制御することで、ビーコン信号を受信する。また、受信制御部352は、通信部33を制御することで、受信したビーコン信号に含まれるビーコン端末7の識別情報と、ビーコン信号の受信信号強度に関する情報と、を含んだ通信情報を、位置情報サーバ6に送信する。
【0172】
実施形態5に係る通信部33は、複数の人H0の各々が携帯するビーコン端末7から送信されるビーコン信号を受信する。また、通信部33は、通信情報を位置情報サーバ6に送信する。
【0173】
実施形態5に係る位置情報サーバ6の通信部61は、照明負荷3bから送信される通信情報を受信する。
【0174】
実施形態5に係る位置情報サーバ6の制御部63は、位置推定部831を有している。
【0175】
位置推定部831は、通信情報と、照明負荷3bの位置情報とに基づいて、複数の人H0の位置を推定する。より具体的には、実施形態5の位置推定部831は、ビーコン信号の受信信号強度と、ビーコン信号に含まれるビーコン端末7の識別情報と、照明負荷3bの位置情報と、に基づいて、例えば3点測位を行いビーコン端末7の位置を推定する。位置推定部831は、ビーコン端末7の位置を推定すると、推定した位置を示す位置情報を生成する。
【0176】
実施形態5の照明制御システム1によれば、複数の人H0が携帯するビーコン端末7から送信されるビーコン信号を照明負荷3bで受信することで、例えば複数の人H0が所持する携帯端末8を利用することなく、複数の人H0の位置情報を取得することができる。
【0177】
実施形態5は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態5は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0178】
ビーコン端末7の機能は、複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8が有していてもよい。すなわち、複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8が、携帯端末8の識別情報を含むビーコン信号を定期的に送信してもよい。
【0179】
実施形態5で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1から実施形態4で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0180】
(実施形態6)
図9に示すように、実施形態6に係る照明制御システム1は、複数の環境センサ11を備える点で、実施形態1に係る照明制御システム1(
図1参照)と相違する。
【0181】
実施形態6に係る照明制御システム1は、複数の環境センサ11を備えている。
【0182】
複数の環境センサ11は、測位システム5の一部である。以下の説明において、複数の環境センサ11の各々を区別しない場合、複数の環境センサ11の各々のことを「環境センサ11」という。環境センサ11は、例えば、空間SP1に含まれるエリアA0毎に設置される。
【0183】
環境センサ11は、空間SP1(エリアA0)において第1の人の周囲の環境情報を取得する。本開示でいう「環境情報」は、環境センサ11で計測された環境センサ11の周辺の情報全般を含み、例えば、温度(室温)、湿度、速度、加速度、角速度、音、及び匂い等の物理量に関する情報である。さらには、環境情報は、環境センサ11の周辺空間における人の在否、紫外線量、赤外線量、又は受信電波強度等の情報を含んでいてもよい。実施形態6では、環境センサ11が騒音センサである場合を例示する。
【0184】
環境センサ11は、検知部111と、通信部112と、制御部113と、を有している。
【0185】
環境センサ11は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータを備えている。プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部113として機能する。つまり、制御部113は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0186】
通信部112は、位置情報サーバ6と通信可能に構成された通信インタフェースを含んでいる。通信部112は、制御部113が生成した音情報を位置情報サーバ6に送信する。
【0187】
検知部111は、音の大きさを検知する。言い換えると、検知部111は、環境センサ11の周囲の音の大きさを環境情報として取得する。
【0188】
制御部113は、検知部111が検知した音の大きさに基づいて音情報を生成する。音情報は、環境情報に基づく情報である。
【0189】
実施形態6に係る位置情報サーバ6の通信部61は、環境センサ11から音情報を受信する。
【0190】
実施形態6に係る位置情報サーバ6の行動推定部632は、第1位置情報と、第2位置情報と、環境センサ11が取得した環境情報(音情報)とに基づいて、第1の人の行動を推定する。
【0191】
実施形態6に係る照明制御コントローラ4の決定部431は、位置情報サーバ6から受信した推定結果に基づいて、第1の人が位置するエリアA0を照射する光L1の照射パターン(配光)を決定する。言い換えると、決定部431は、第1位置情報と、第2位置情報と、環境センサ11が取得した環境情報(音情報)とに基づいて、第1の人が位置するエリアA0を照射する光L1の照射パターン(配光)を決定する。
【0192】
実施形態6に係る照明制御システム1によれば、決定部431は、第1の人の周囲の環境情報を考慮して配光を決定することができるため、決定部431によって決定される配光が、第1の人が存在するエリアA0に適した配光に決定されやすくなる。
【0193】
次に、実施形態6に係る位置情報サーバ6の動作例について、
図10を参照して説明する。
【0194】
位置情報サーバ6は、行動推定処理を開始すると、まず第1の人の行動モードがデフォルトの行動モードであると推定する(S31)。実施形態6では、デフォルトの行動モードは第1モードである。
【0195】
位置情報サーバ6は、位置情報を取得する(S32)。
【0196】
位置情報サーバ6は、第1位置情報及び第2位置情報に基づいて、第1の人が存在するエリアA0の人の密度を計算(算出)する(S33)。なお、実施形態6のエリアA0は、4個の座席92(
図2参照)毎に設定されている。環境センサ11は、4個の座席92毎に設置されている。
【0197】
位置情報サーバ6は、算出した人の密度が、第1閾値T1以下であるか否かを判断する(S34)。位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第1閾値T1以下であれば(S34:Yes)処理をステップS36に進め、算出した人の密度が第1閾値T1以下でなければ(S34:No)、処理をステップS35に進める。第1閾値T1は例えば1である。
【0198】
位置情報サーバ6は、ステップS36の処理において、環境センサ値が第6閾値T6未満であるか否かを判断する(S36)。本開示でいう「環境センサ値」は、環境センサ11が、取得した環境情報に基づく値である。実施形態6の環境センサ値は、音の大きさの値である。つまり、位置情報サーバ6は、ステップS36の処理において、環境センサ11が検知した音の大きさの値が第6閾値T6未満であるか否かを判断する。
【0199】
位置情報サーバ6は、環境センサ11が検知した音の大きさが第6閾値T6未満であれば(S36:Yes)処理をステップS37に進める。一方で、環境センサ11が検知した音の大きさが第6閾値T6未満でなければ(S36:No)、処理をステップS31に進める。
【0200】
位置情報サーバ6は、ステップS37の処理において、第1の人の行動モードは第2モードであると推定して(S37)、処理をステップS32に進める。なお、第2モードは、第1の人がソロワークを行っていると位置情報サーバ6が判断した行動モードである。
【0201】
位置情報サーバ6は、ステップS35の処理において、算出した人の密度が、第2閾値T2以上であるか否かを判断する(S35)。位置情報サーバ6は、算出した人の密度が第2閾値T2以上であれば(S35:Yes)処理をステップS38に進め、算出した人の密度が第2閾値T2以上でなければ(S35:No)、処理をステップS31に進める。なお、第2閾値T2は例えば3である。
【0202】
位置情報サーバ6は、ステップS38の処理において、環境センサ値が第6閾値T6以上であるか否かを判断する(S38)。位置情報サーバ6は、環境センサ11が検知した音の大きさが第6閾値T6以上であれば(S38:Yes)処理をステップS39に進める。一方で、環境センサ11が検知した音の大きさが第6閾値T6以上でなければ(S38:No)、処理をステップS31に進める。
【0203】
図10に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
【0204】
実施形態6は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態6は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0205】
環境センサ11は、人H0が座席92に着座しているか又は着座していないかを検知する着座センサであってもよい。着座センサを環境センサ11とすることで、エリアA0に存在する第2の人の数をより確実に検知することができるため、行動推定部632による行動推定処理の推定精度がより向上する。
【0206】
実施形態6で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1から実施形態5で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0207】
(実施形態7)
図11に示すように、実施形態7に係る環境制御システム1aは、複数の音響機器12、複数の空調機器13等の照明負荷3とは別の装置(環境機器)を備える点で、実施形態1に係る照明制御システム1(
図1参照)と相違する。
【0208】
実施形態7に係る環境制御システム1aは、環境システム2aと、測位システム5とを備えている。
【0209】
環境システム2aは、環境制御コントローラ4aと、複数の音響機器12と、複数の空調機器13と、複数の芳香機器14と、複数の映像機器15と、を備えている。複数の音響機器12、複数の空調機器13、複数の芳香機器14、及び複数の映像機器15は、複数の照明負荷3とは別の装置である。
【0210】
複数の音響機器12は、空間SP1に設けられている。以下の説明において、複数の音響機器12の各々を区別しない場合、複数の音響機器12の各々のことを「音響機器12」という。音響機器12は、空間SP1に含まれるエリアA0毎に設置されている。実施形態7では、音響機器12は、例えば4個の座席92毎に設置されている。
【0211】
音響機器12は、音響機器12が設置されたエリアA0に対して音を出力する。音響機器12は、例えばスピーカである。
【0212】
複数の空調機器13は、空間SP1に設けられている。以下の説明において、複数の空調機器13の各々を区別しない場合、複数の空調機器13の各々のことを「空調機器13」という。空調機器13は、空間SP1に含まれるエリアA0毎に設置されている。実施形態7では、空調機器13は、例えば4個の座席92毎に設置されている。
【0213】
空調機器13は、例えば、空調機器13が設置されたエリアA0に対して送風を行う空調機器13は、例えばエアーコンディショナである。
【0214】
複数の芳香機器14は、空間SP1に設けられている。以下の説明において、複数の芳香機器14の各々を区別しない場合、複数の芳香機器14の各々のことを「芳香機器14」という。芳香機器14は、空間SP1に含まれるエリアA0毎に設置されている。実施形態7では、芳香機器14は、例えば4個の座席92毎に設置されている。
【0215】
芳香機器14は、芳香機器14が設置されたエリアA0に対して所定の香りを放出する。芳香機器14は、例えばアロマ芳香機器である。
【0216】
複数の映像機器15は、空間SP1に設けられている。以下の説明において、複数の映像機器15の各々を区別しない場合、複数の映像機器15の各々のことを「映像機器15」という。映像機器15は、空間SP1に含まれるエリアA0毎に設置されている。実施形態7では、映像機器15は、例えば4個の座席92毎に設置されている。
【0217】
映像機器15は、映像機器15が設置されたエリアA0において目視することができる画像又は動画等を提供する。映像機器15は、例えばディスプレイである。
【0218】
実施形態7の環境制御コントローラ4aは、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を有している。
【0219】
実施形態7に係る通信部41は、音響機器12、空調機器13、芳香機器14、及び映像機器15と通信可能なインタフェースを有している。
【0220】
実施形態7に係る記憶部42は、例えば、複数の環境パターンと複数の行動モードとが一対一で対応付けられた環境対応情報を記憶している。環境パターンには、配光パターンを含む照射パターンが含まれている。環境対応情報では、例えば、第1モードに第1環境パターンが対応付けられている。また、環境対応情報では、第1の人がソロワークを行っていると推定される行動モードである第2モードに、第1の人の集中力を高め易い効果がある音や香りを出力(放出)させる第2環境パターンが対応付けられている。また、環境対応情報では、例えば、第1の人が第2の人と会話又は打ち合わせ等を行っていると推定される行動モードである第3モードに、コミュニケーションを促進させ易い効果がある音や香りを出力(放出)させる第3環境パターンが対応付けられている。
【0221】
制御部43の決定部431は、位置情報サーバ6から受信した推定結果と、環境対応情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリアA0の環境パターンを決定する。
【0222】
制御部43の照明制御部432は、音響機器12、空調機器13、芳香機器14、及び映像機器15等の照明負荷3とは別の装置を制御する機能を有している。照明制御部432は、決定部431の決定に基づいて、照明負荷3の制御に加えて、別の装置を制御する。より具体的には、照明制御部432は、決定部431が決定した環境パターンに基づいて、照明負荷3に加えて、音響機器12、空調機器13等の装置の制御を行う。
【0223】
実施形態7に係る照明制御システム1によれば、照明制御部432がエリアA0を照射する光L1の配光の制御以外に、例えば空調機器13等の制御を行うことが可能なため、第1の人が存在するエリアA0を、第1の人の行動パターンに応じた環境にすることができる。
【0224】
実施形態7は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態7は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0225】
別の装置は、空気イオン又はラジカル等の有効成分を発生させる有効成分発生機器であってもよい。
【0226】
実施形態7で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1から実施形態6で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0227】
(実施形態8)
図12に示すように、実施形態8に係る環境制御システム1aは、環境制御コントローラ4aの制御部43が入力部433を有している点で、実施形態8に係る環境制御システム1a(
図11参照)と相違する。
【0228】
実施形態8に係る環境制御コントローラ4aは、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、を有している。
【0229】
実施形態8の通信部41は、複数の人H0の各々が携帯する携帯端末8と通信可能なインタフェースを有している。通信部41は、例えば、第1の人が携帯端末8に所定の操作を行うことで携帯端末8から送信される環境設定の変更指示を受信する。環境設定には、配光(配光パターン)、調色(色温度)、調光(調光率)の設定と、音響機器12、空調機器13等を含む別の装置の設定とが含まれている。
【0230】
実施形態8の記憶部42は、エリアA0の環境設定の変更操作の履歴情報を記憶している。変更操作の履歴情報は、人H0毎に記憶される。
【0231】
制御部43の入力部433は、配光の設定(配光パターンの切替)を含むエリアA0の環境設定の変更操作を受け付ける。変更操作は、例えば、第1の人が携帯端末8に所定の操作を行うことで行われる。入力部433は、受け付けた変更操作の履歴情報を所定の記憶領域(記憶部42)に記憶させる。
【0232】
実施形態8の決定部431は、第1の人が存在するエリアA0に第2の人が存在しない場合には、第1の人に対応する変更操作の履歴情報に基づいて、エリアA0を照射する光L1の配光(照射パターン)を含む環境設定(環境パターン)を決定する。言い換えると、決定部431は、行動推定部632によって第2モードであると推定された場合には、第1の人に対応する変更操作の履歴情報に基づいて、エリアA0を照射する光L1の配光(照射パターン)を含む環境設定(環境パターン)を決定する。
【0233】
実施形態8に係る照明制御システム1によれば、第1の人が存在するエリアA0に第2の人が存在しない(第1の人がソロワークを行っている)場合に、第1の人が存在するエリアA0を第1の人の趣向に沿った環境にすることができる。
【0234】
実施形態8は、本開示の様々な実施形態の一例に過ぎない。実施形態8は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0235】
第1の人が存在するエリアA0に第2の人が存在する場合には、入力部433が変更操作を受け付けないようにしてもよい。
【0236】
変更操作の回数が一定以上である場合に限り、決定部431が第1の人に対応する変更操作の履歴情報に基づいて、エリアA0を照射する光L1の配光(照射パターン)を含む環境設定(環境パターン)を決定するようにしてもよい。
【0237】
実施形態8で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1から実施形態7で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
【0238】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)は、複数の人(H0)が存在する空間(SP1)に光(L1)を照射する複数の照明負荷(3)を制御するシステムである。制御システムは、取得部(631)と、決定部(431)と、照明制御部(432)と、を備えている。取得部(631)は、複数の人(H0)の位置を示す位置情報を取得する。決定部(431)は、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリア(A0)を照射する光(L1)の配光を決定する。第1位置情報は、複数の人(H0)に含まれる第1の人の位置情報である。第2位置情報は、複数の人(H0)に含まれる第2の人の位置情報である。照明制御部(432)は、決定部(431)で決定された配光でエリア(A0)を照射するように複数の照明負荷(3)を制御する。
【0239】
この態様によれば、第1位置情報と第2位置情報とに応じた配光(照射状態)で、第1の人が位置するエリア(A0)を照射することができ、第1の人が存在するエリア(A0)を好適な配光で照射することができる。
【0240】
第2の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1の態様において、決定部(431)は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれるエリア(A0)における複数の人(H0)の密度に基づいて、エリア(A0)に照射する光の配光を決定する。
【0241】
この態様によれば、決定部(431)によって決定される配光が、第1の人が存在するエリア(A0)に適した配光に決定されやすくなる。
【0242】
第3の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1の態様において、決定部(431)は、第1位置情報及び第2位置情報から導かれる第1の人と第2の人との間の距離が閾値距離以下であるか否かに基づいて、エリア(A0)を照射する光(L1)の配光を決定する。
【0243】
この態様によれば、決定部(431)によって決定される配光が、第1の人が存在するエリア(A0)に適した配光に決定されやすくなる。
【0244】
第4の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第3の態様において、決定部(431)は、距離が閾値距離以下となる第2の人の数に基づいて、エリア(A0)を照射する光(L1)の配光を決定する。
【0245】
この態様によれば、決定部(431)によって決定される配光が、第1の人が存在するエリア(A0)に適した配光に、より決定されやすくなる。
【0246】
第5の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)は、第1から第4のいずれかの態様において、環境センサ(11)を更に備えている。環境センサ(11)は、空間(SP1)において第1の人の周囲の環境情報を取得する。決定部(431)は、第1位置情報と、第2位置情報と、環境センサ(11)が取得した環境情報とに基づいて、エリア(A0)を照射する光の配光を決定する。
【0247】
この態様によれば、決定部(431)は、第1の人の周囲の環境情報を考慮して配光を決定することができるため、決定部(431)によって決定される配光が、第1の人が存在するエリア(A0)に適した配光に決定されやすくなる。
【0248】
第6の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1から第5のいずれかの態様において、複数の照明負荷(3)のうちの1以上の照明負荷(3)は、照射する光の配光を切替可能な特定照明負荷である。照明制御部(432)は、決定部(431)で決定された配光でエリア(A0)を照射するように特定照明負荷を制御する。
【0249】
この態様によれば、配光を切り替えることができない複数の照明負荷のオン/オフを切り替えることで配光を切り替えるシステムと比べて、照明負荷の数を低減することが可能である。
【0250】
第7の態様に係る制御システム(環境制御システム1a)では、第1から第6のいずれかの態様において、照明制御部(432)は、複数の照明負荷(3)とは別の装置(音響機器12;空調機器13;芳香機器14;映像機器15)を制御する機能を有している。照明制御部(432)は、決定部(431)の決定に基づいて、複数の照明負荷(3)の制御に加えて別の装置を制御する。
【0251】
この態様によれば、照明制御部(432)がエリア(A0)を照射する光(L1)の配光の制御以外に、例えば空調機器(13)等の制御を行うことが可能なため、第1の人が存在するエリア(A0)に適した環境にすることができる。
【0252】
第8の態様に係る制御システム(環境制御システム1a)は、第7の態様において、入力部(433)を更に備えている。入力部(433)は、配光を含むエリア(A0)の環境設定の変更操作を受け付けて、変更操作の履歴情報を所定の記憶領域(記憶部42)に記憶させる。決定部(431)は、エリア(A0)に第2の人が存在しない場合には、第1の人に対応する変更操作の履歴情報に基づいて、エリア(A0)を照射する光(L1)の配光を含む環境設定を決定する。
【0253】
この態様によれば、第1の人が存在するエリア(A0)に第2の人が存在しない場合に、第1の人が存在するエリア(A0)を第1の人の趣向に沿った環境にすることができる。
【0254】
第9の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1から第8のいずれかの態様において、照明制御部(432)は、決定部(431)の判断に基づいて、配光の制御に加えて、エリア(A0)を照射する光の調光制御及び調色制御の少なくとも一方を行う。
【0255】
この態様によれば、照明制御部(432)が配光の制御に加えて調光制御及び調色制御の少なくとも一方を行うことで、配光パターンの制御のみ行う場合と比べて、第1の人が存在するエリア(A0)により適した光(L1)を照射することができる。
【0256】
第10の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1から第9のいずれかの態様において、照明制御部(432)は、所定の記憶領域(記憶部42)に記憶された配光の履歴情報に基づく配光で、複数の人(H0)が存在しない無人エリア(A2)を照射するように複数の照明負荷(3)を制御する。
【0257】
この態様によれば、履歴情報に基づく配光で無人エリア(A2)を照射させることで、無人エリア(A2)に人(H0)がやってきた後に、配光パターンの変更をする頻度を低減することができる。
【0258】
第11の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1から第10のいずれかの態様において、決定部(431)は、学習済モデルを用いて、エリア(A0)を照射する光(L1)の配光を決定する。学習済モデルは、第1位置情報及び第2位置情報と、エリア(A0)を照射する光(L1)の配光との関係を用いて学習されたモデルである。
【0259】
この態様によれば、第1位置情報及び第2位置情報と、エリア(A0)を照射する光(L1)の配光との関係を用いて学習されたモデルを用いることにより、第1位置情報及び第2位置情報と配光とが対応付けられた情報を用いる必要がなくなる。
【0260】
第12の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)では、第1から第11のいずれかの態様において、取得部(631)、決定部(431)、及び、照明制御部(432)が、一の筐体に設けられている。
【0261】
この態様によれば、一の筐体に設けられた機能で、位置情報の取得から配光の決定までを行うことが可能となる。
【0262】
第13の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)は、第1から第12のいずれかの態様において、ビーコン信号を送信可能な複数のビーコン端末(7)、を更に備えている。複数のビーコン端末(7)の各々は、複数の人(H0)の各々が携帯しビーコン信号に基づいて位置情報を生成する携帯端末(8)に、ビーコン信号を送信可能である。取得部(631)は、携帯端末(8)から位置情報を取得する。
【0263】
この態様によれば、複数の人(H0)の各々が所持する携帯端末(8)をビーコン受信端末として利用することにより、専用のビーコン受信端末又はビーコン送信端末を複数の人(H0)に携帯させなくとも、複数の人(H0)の位置情報を取得することができる。
【0264】
第14の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)は、第1から第12のいずれかの態様において、複数の照明負荷(3)と、位置推定部(831)と、を更に備えている。位置推定部(831)は、複数の人(H0)の位置を推定して位置情報を生成する。複数の照明負荷(3)のうちの1以上の照明負荷(3b)は、ビーコン端末(7)から送信されるビーコン信号を受信する。ビーコン端末(7)は、複数の人(H0)の各々が携帯する端末である。位置推定部(831)は、1以上の照明負荷(3b)が受信したビーコン信号に関する情報に基づいて、複数の人(H0)の位置を推定して位置情報を推定する。
【0265】
この態様によれば、例えば複数の人(H0)が所持する携帯端末(8)を利用することなく、複数の人(H0)の位置情報を取得することができる。
【0266】
第1の態様以外の構成については、制御システム(照明制御システム1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【0267】
第15の態様に係る照明負荷(3a)は、第13の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)により制御される、複数の照明負荷(3)のうちの1つとして用いられる照明負荷(3a)である。照明負荷(3a)は、複数のビーコン端末(7)のうちの1つのビーコン端末(7)としての機能を有している。
【0268】
この態様によれば、制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)が備える複数のビーコン端末(7)の数を低減することができる。
【0269】
第16の態様に係る決定装置(制御サーバ6a)は、複数の照明負荷(3)の制御に関する装置である。複数の照明負荷(3)は、複数の人(H0)が存在する空間(SP1)に光(L1)を照射する。決定装置は、取得部(631)と、決定部(431)と、を備えている。取得部(631)は、複数の人(H0)の位置を示す位置情報を取得する。決定部(431)は、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリア(A0)を照射する光(L1)の配光を決定する。第1位置情報は、複数の人(H0)に含まれる第1の人の位置情報である。第2位置情報は、複数の人に含まれる第2の人の位置情報である。
【0270】
この態様によれば、第1位置情報と第2位置情報とに応じた配光(照射状態)で、第1の人が位置するエリア(A0)を照射することができ、第1の人が存在するエリア(A0)を好適な配光で照射することができる。
【0271】
第17の態様に係る制御方法は、複数の人(H0)が存在する空間(SP1)に光(L1)を照射する複数の照明負荷(3)を制御する方法である。制御方法は、取得ステップと、決定ステップと、照明制御ステップと、を有している。取得ステップでは、複数の人(H0)の位置を示す位置情報を取得する。決定ステップでは、第1位置情報と、第2位置情報と、に基づいて、第1の人が位置するエリア(A0)を照射する光(L1)の配光を決定する。第1位置情報は、複数の人(H0)に含まれる第1の人の位置情報である。第2位置情報は、複数の人(H0)に含まれる第2の人の位置情報である。照明制御ステップでは、決定ステップにて決定した配光でエリア(A0)を照射するように複数の照明負荷(3)を制御する。
【0272】
この態様によれば、第1位置情報と第2位置情報とに応じた配光(照射状態)で、第1の人が位置するエリア(A0)を照射することができ、第1の人が存在するエリア(A0)を好適な配光で照射することができる。
【0273】
第18の態様に係るプログラムは、第17の態様に係る制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0274】
この態様によれば、第1位置情報と第2位置情報とに応じた配光(照射状態)で、第1の人が位置するエリア(A0)を照射することができ、第1の人が存在するエリア(A0)を好適な配光で照射することができる。
【0275】
第19の態様に係るプログラムは、第13の態様に係る制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)からのビーコン信号を受信する携帯端末(8)が有する1以上のプロセッサに、受信ステップと、推定ステップと、送信ステップと、を実行させるためのプログラムである。受信ステップでは、複数のビーコン端末(7)の少なくとも1つからビーコン信号を受信する。推定ステップでは、受信ステップにて受信したビーコン信号に基づいて、携帯端末(8)の位置を推定して位置情報を生成する。送信ステップでは、推定ステップにて生成した位置情報を制御システムに送信する。
【0276】
この態様によれば、複数の人(H0)の位置情報を、例えば複数の人(H0)の各々が所持する携帯端末(8)から制御システム(照明制御システム1;環境制御システム1a)に送信させることができる。
【符号の説明】
【0277】
1 照明制御システム(制御システム)
1a 環境制御システム(制御システム)
11 環境センサ
12 音響機器(別の装置)
13 空調機器(別の装置)
14 芳香機器(別の装置)
15 映像機器(別の装置)
3 照明負荷
3a 照明負荷
3b 照明負荷
431 決定部
432 照明制御部
433 入力部
7 ビーコン端末
6a 制御サーバ(決定装置)
631 取得部
8 携帯端末
831 位置推定部
A0 エリア
A2 無人エリア
H0 人
L1 光
SP1 空間