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特開2023-71571建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071571
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
E04G21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021196534
(22)【出願日】2021-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】504196492
【氏名又は名称】株式会社高橋監理
(72)【発明者】
【氏名】高橋 龍夫
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174BA02
2E174CA04
2E174CA17
2E174CA42
(57)【要約】
【課題】 隣家の建物との隙間が狭く、クレーン等の重機が使えない場所で「油圧式木造住宅吊上げ装置」を容易に搬送させ設置することができるキャリヤーを提供することを課題とする。
【解決手段】 油圧式木造住宅吊上げ装置の概ね上下重心位置の左右両面に連結ボルト取付用穴を成形した連結ボルト取付用鋼板を取り付け連結ボルトで支軸し、支軸した前記連結ボルトを支持するため前後に傾斜する左右一対の主脚と、前記主脚の下部に取り付けた自在車と、前後に傾斜する主脚の下部を連結する主脚連結棒と、前記主脚連結棒を伸縮自在に構成するため、主脚連結棒に複数個のターンバックルを連結した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを提供する。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造住宅を嵩上げするための油圧式木造住宅吊上げ装置を移動させ、所定の位置に配置するためのキャリヤーにおいて、
油圧式木造住宅吊上げ装置の概ね上下重心位置の左右両面に連結ボルト取付用穴を成形した連結ボルト取付用鋼板を取り付け連結ボルトで支軸し、
支軸した前記連結ボルトを支持するため前後に傾斜する左右一対の主脚と、
前記主脚の下部に取り付けた自在車と、
前後に傾斜する主脚の下部を連結する主脚連結棒と、
前記主脚連結棒を伸縮自在に構成するため、主脚連結棒に複数個のターンバックルを連結したことを特徴とする建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー。
【請求項2】
前記主脚は、支軸する前記連結ボルトを支えるための前脚と後脚で構成され、前脚と後脚は共に長方形の平板鋼板をL形に直角に折り曲げて成形した角度調整用L形プレートと角形鋼管で成形した支持脚で形成され、角度調整用L形プレートの一方の連結ボルト支持面に前記連結ボルトで支軸するための連結ボルト用穴を成形すると共に、他方の角形鋼管接合面に支持脚の上部を溶接接合し、前脚と後脚の連結ボルト支持面に成形した連結ボルト用穴を重ね合わせたことを特徴とする請求項1に記載の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー。
【請求項3】
前記主脚は、道路等の移動時に左右一対の主脚の下部を進行方向に対してハの字形に広げて安定させるため、前記左右一対の主脚を構成する支持脚の下部を互いに内側に約30度の角度で斜めに切断し、前記切断した面に底板鋼板を溶接接合すると共に、前記角度調整用L形プレートの連結ボルト用穴の中心を境目にして前記主脚連結棒と概ね平行に前記連結ボルト支持面の上部を約30度の角度で外側へ折り曲げ断面形状をへの字形に成形したことを特徴とする請求項1又は2に記載の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー。
【請求項4】
キャリヤーを狭小地内で移動させるため、前記底板鋼板と前記自在車の間に約30度の角度で成形したくさび形パッキンを挿入して左右一対の主脚を左右平行状態に改変し、前記底板鋼板に成形した穴と自在車の取付座の穴にボルトを挿入しナットで固定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー。
【請求項5】
油圧式木造住宅吊上げ装置の移設中に横転するのを防ぐため、前記支持脚の建物側の外面にドアハンガー用吊り車を取り付けると共に、前記ドアハンガー用吊り車と相対する木造住宅の外壁面にハンガーレールを取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木造住宅を吊上げるための「油圧式木造住宅吊上げ装置」を、隣家との隙間が狭い場所に搬送して設置するためのキャリヤーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、梅雨前線の停滞による集中豪雨や大型台風等により河川が氾濫して住宅等の床上まで浸水するという被害が多発している。
さらに、増水した河川の水により下水が逆流してマンホール等から下水が噴き出し住宅内部に浸水するという水害も発生している。
【先行技術文献】
【0003】
そこで、本出願人は、洪水等による床上水害を未然に防止するため、特許文献1の「木造住宅吊上げ用トラス形フレーム」と、特許文献2の「油圧式木造住宅吊上げ装置」を発明して出願した。この発明によれば、既存の木造住宅を2階以上の高さに吊上げるため土台の下の基礎に複数個の架台用穴を開けると共に、前記架台用穴に複数本の架台用H型鋼を挿入し、架台用H型鋼を「木造住宅吊上げ用トラス形フレーム」に取り付け、前記「木造住宅吊り上げ用トラス形フレーム」を「油圧式木造住宅吊上げ装置」で吊上げることにより木造住宅を容易に持ち上げることが可能となった。
【特許文献1】特願2021-88790
【特許文献2】特願2021-88791
【0004】
しかしながら、本出願人が出願した特許文献1、特許文献2の発明においては、「油圧式木造住宅吊上げ装置」の1台の重量が約700kgもあるため、隣家との隙間が狭い上に、道路が狭く、電柱、電線等が邪魔をしてクレーン等の重機が使えない場所では多くの作業員を動員して「油圧式木造住宅吊上げ装置」を搬送させ設置しなければならず、そのため多くの問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、隣家の建物との隙間が狭く、クレーン等の重機が使えない場所で「油圧式木造住宅吊上げ装置」を容易に搬送させ設置することができるキャリヤーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、木造住宅を嵩上げするための油圧式木造住宅吊上げ装置を移動させ、所定の位置に配置するためのキャリヤーにおいて、油圧式木造住宅吊上げ装置の概ね上下重心位置の左右両面に連結ボルト取付用穴を成形した連結ボルト取付用鋼板を取り付け連結ボルトで支軸し、支軸した前記連結ボルトを支持するため前後に傾斜する左右一対の主脚と、前記主脚の下部に取り付けた自在車と、前後に傾斜する主脚の下部を連結する主脚連結棒と、前記主脚連結棒を伸縮自在に構成するため、主脚連結棒に複数個のターンバックルを連結したことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造に加え、前記主脚は、支軸する前記連結ボルトを支えるための前脚と後脚で構成され、前脚と後脚は共に長方形の平板鋼板をL形に直角に折り曲げて成形した角度調整用L形プレートと角形鋼管で成形した支持脚で形成され、角度調整用L形プレートの一方の連結ボルト支持面に前記連結ボルトで支軸するための連結ボルト用穴を成形すると共に、他方の角形鋼管接合面に支持脚の上部を溶接接合し、前脚と後脚の連結ボルト支持面に成形した連結ボルト用穴を重ね合わせたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構造に加え、前記主脚は、道路等の移動時に左右一対の主脚の下部を進行方向に対してハの字形に広げて安定させるため、前記左右一対の主脚を構成する支持脚の下部を互いに内側に約30度の角度で斜めに切断し、前記切断した面に底板鋼板を溶接接合すると共に、前記角度調整用L形プレートの連結ボルト用穴の中心を境目にして前記主脚連結棒と概ね平行に前記連結ボルト支持面の上部を約30度の角度で外側へ折り曲げ断面形状をへの字形に成形したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の構造に加え、キャリヤーを狭小地内で移動させるため、前記底板鋼板と前記自在車の間に約30度の角度で成形したくさび形パッキンを挿入して左右一対の主脚を左右平行状態に改変し、前記底板鋼板に成形した穴と自在車の取付座の穴にボルトを挿入しナットで固定したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の構造に加え、油圧式木造住宅吊上げ装置の移設中に横転するのを防ぐため、前記支持脚の建物側の外面にドアハンガー用吊り車を取り付けると共に、前記ドアハンガー用吊り車と相対する木造住宅の外壁面にハンガーレールを取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、木造住宅を嵩上げするための油圧式木造住宅吊上げ装置を移動させ、所定の位置に配置するためのキャリヤーにおいて、油圧式木造住宅吊上げ装置の概ね上下重心位置の左右両面に連結ボルト取付用穴を成形した連結ボルト取付用鋼板を取り付け連結ボルトで支軸し、支軸した前記連結ボルトを支持するため前後に傾斜する左右一対の主脚と、前記主脚の下部に取り付けた自在車と、前後に傾斜する主脚の下部を連結する主脚連結棒と、前記主脚連結棒を伸縮自在に構成するため、主脚連結棒に複数個のターンバックルを連結したことにより、安全に油圧式木造住宅吊上げ装置を移動させることが可能になった。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、前記主脚は、支軸する前記連結ボルトを支えるための前脚と後脚で構成され、前脚と後脚は共に長方形の平板鋼板をL形に直角に折り曲げて成形した角度調整用L形プレートと角形鋼管で成形した支持脚で形成され、角度調整用L形プレートの一方の連結ボルト支持面に前記連結ボルトで支軸するための連結ボルト用穴を成形すると共に、他方の角形鋼管接合面に支持脚の上部を溶接接合し、前脚と後脚の連結ボルト支持面に成形した連結ボルト用穴を重ね合わせたことにより、市販されている材料を利用して簡単な構成で、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを製作することが可能になった。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記主脚は、道路等の移動時に左右一対の主脚の下部を進行方向に対してハの字形に広げて安定させるため、前記左右一対の主脚を構成する支持脚の下部を互いに内側に約30度の角度で斜めに切断し、前記切断した面に底板鋼板を溶接接合すると共に、前記角度調整用L形プレートの連結ボルト用穴の中心を境目にして前記主脚連結棒と概ね平行に前記連結ボルト支持面の上部を約30度の角度で外側へ折り曲げ断面形状をへの字形に成形したことにより、人々が通行する道路を安定した状態で移動させることが可能になった。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、キャリヤーを狭小地内で移動させるため、前記底板鋼板と前記自在車の間に約30度の角度で成形したくさび形パッキンを挿入して左右一対の主脚を左右平行状態に改変し、前記底板鋼板に成形した穴と自在車の取付座の穴にボルトを挿入しナットで固定したことにより、狭小地内でも安定した状態で、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを移動させることが可能になった。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、油圧式木造住宅吊上げ装置の移設中に横転するのを防ぐため、前記支持脚の建物側の外面にドアハンガー用吊り車を取り付けると共に、前記ドアハンガー用吊り車と相対する木造住宅の外壁面にハンガーレールを取り付けたことにより、狭小地内でも安定した状態で、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを移動させることが可能になった。
【実施例0016】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
【0018】
【0019】
図1は、一点鎖線で示す2階建て木造住宅1の土台の下部に挿入した複数本の架台用H型鋼4を木造住宅1を取り囲むように配置した木造住宅吊上げ用フレーム5に固定し、4基の油圧式木造住宅吊上げ装置2のローラーチェーン3の先端に取り付けたU字形吊上げ金物9(
図3で示す)を木造住宅吊上げ用フレーム5に取り付けた状態を示す。
【0020】
図2は、
図1で説明した4基の油圧式木造住宅吊上げ装置2の油圧シリンダー8(
図3で示す)に作動油を流入させることによりピストンロッド7(
図3で示す)が上昇し、4基の油圧式木造住宅吊上げ装置2が一点鎖線で表示した2階建て木造住宅1を吊上げた状態を示す。
【0021】
図3aは、
図1で説明した油圧式木造住宅吊上げ装置2のローラーチェーン3の先端に取り付けたU字形吊上げ金物9を点線で表示した木造住宅吊上げ用フレーム5の下部に引っ掛けた状態を示す。
図3bは、
図3aで説明した油圧式木造住宅吊上げ装置2の油圧シリンダー8に作動油を流入したことによりピストンロッド7が上昇し、点線で表示した木造住宅吊上げ用フレーム5を吊上げた状態を示す。なお、一般的な木造住宅の重さは1坪あたり約1トン(建物本体の重さと家具や荷物を足した合計の重さで、基礎コンクリート部分は含まない)と言われていて、一般的な2階建ての木造住宅の場合は延べ床面積が40坪~70坪のため、4基の油圧式木造住宅吊上げ装置2を使って木造住宅を吊上げようとした場合、1基の油圧式木造住宅吊上げ装置2を構成する油圧シリンダー8は、安全性を考慮すると耐圧力31.5MPa以上の油圧シリンダー8が必要となる。
【0022】
このように構成した油圧式木造住宅吊上げ装置2の外形寸法と重量は、高さ約4m、前後寸法約550mm、左右寸法約300mm、重量は約700kgとなった。このため木造住宅1の四隅に油圧式木造住宅吊上げ装置2を設置するためにはクレーン等の重機が必要であった。
【0023】
しかしながら、住宅密集地で隣家との隙間が狭い場所や、道路が狭く、電柱、電線が邪魔をしてクレーン等の重機が使えない場所では、多くの作業員を動員して油圧式木造住宅吊上げ装置2を搬送し設置しなければならなかった。本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20は、前記のような悪条件の場所に油圧式木造住宅吊上げ装置2を移動させ設置するためのキャリヤーである。
【0024】
図4は、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を第三角法の図面で示す。建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20は、
図5aで示す油圧式木造住宅吊上げ装置2を支持するためのキャリヤーである。建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20は
図4の平面図、正面図で示すように、前後に傾斜する左右一対の第1の主脚29、第2の主脚30と、第1の主脚29と第2の主脚30を左右同一幅に支えるための2本の連結部材(A)37、連結部材(B)38と、第1の主脚29と第2の主脚30の下部に取り付けた4個の自在車(第1の自在車(A)21、第2の自在車(A)22、第1の自在車(B)23、第2の自在車(B)24)と、正面図で示すように前後に傾斜した第2の主脚30の下部を2本の第2のターンバックル(A)34、第2のターンバックル(B)35で伸縮自在に支えるための第2の主脚連結棒36と、同様に、前後に傾斜した第1の主脚29は、
図13の背面図で示すように下部を2本の第1のターンバックル(A)185、第1のターンバックル(B)183で伸縮自在に支えるための第1の主脚連結棒184で構成される。
【0025】
図5aは、
図1~
図3で説明した油圧式木造住宅吊上げ装置2を横倒しにした状態を示す。油圧式木造住宅吊上げ装置2の概ね上下重心位置の左右両側に厚さ約9mmの長方形の平板鋼板で成形した2枚の連結ボルト取付用鋼板45を溶接接合し、2枚の連結ボルト取付用鋼板45の概ね上下重心位置に直径約30mmの連結ボルト取付用穴46を成形した状態を示す。
【0026】
図5bは、
図5aで説明した横倒しにした油圧式木造住宅吊上げ装置2を建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に連結ボルト33で支軸した状態を示す。このように油圧式木造住宅吊上げ装置2の概ね重心位置に建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を取り付けることにより、
図14、
図15で示すように油圧式木造住宅吊上げ装置2を作業員が一人の力で縦・横方向に自在に回転させることが可能になった。
【0027】
図6は、
図4の左側面図で示した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に、
図5aで説明した横倒しにした状態の油圧式木造住宅吊上げ装置2を取り付けた状態を示す。なお、舗装されていない敷地内で建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を安定した状態でスムーズに移動させるために、第1の自在車(A)21と第2の自在車(A)22の下部に各々厚さ3.2mm、幅100mm、高さ50mmの溝形鋼で成形した第1の移送用レール50、第2の移送用レール49を設置することにより建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を安定した状態でスムーズに移動させることが可能になる。
【0028】
図7は、
図6で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20から油圧式木造住宅吊上げ装置2を取り外した状態を分解図で示す。
【0029】
図7で示す第1の後脚191(
図13の背面図を参照)と第2の後脚47(
図11の正面図を参照)は左右対称で構成され、第1の後脚191は平板鋼板で成形した第1の角度調整用L形プレート(A)77と角形鋼管で成形した第1の支持脚(A)25で形成され、第1の角度調整用L形プレート(A)77は厚さ約6mm、幅は約100mm、長さ約250mmの長方形の平板鋼板を、一辺の長さが約50mmの第1の角形鋼管接合面(A)78と、他辺の長さが約200mmの第1の連結ボルト支持面(A)76でL字形に直角に折り曲げて成形し、さらに第1の連結ボルト支持面(A)76の先端から約50mmの位置の中央部に
図8aで示す直径約30mmの第1の連結ボルト用穴(A)110を成形し、さらに第1の連結ボルト用穴(A)110の中心を境目にして約30度の角度で外側に折り曲げられる。さらに第1の支持脚(A)25は縦100mm、横50mm、厚さ3.2mm、長さ約1600mmの角形鋼管で成形され、上端の断面に第1の角度調整用L形プレート(A)77の第1の角形鋼管接合面(A)78を溶接接合すると共に、下端を内側に約30度の角度で斜めに切断し、切断面に厚さ6mm、縦約100mm、横約150mmの平板鋼板に第1の自在車(A)21を取り付けるための4個の穴と
図13で示す第1の主脚連結棒184を取り付けるための穴188を成形した第1の底板鋼板(A)82が溶接接合により取り付けられる。さらに第1の底板鋼板(A)82の下部には第1の自在車(A)21が配置される。なお、このように構成した第1の底板鋼板(A)82と第1の自在車(A)21をボルト59、ボルト61とナット60、ナット63で固定する際、第1の自在車(A)21に対して第1の後脚191を垂直に取り付けるため、第1の底板鋼板(A)82と第1の取付座(A)97の間に、約30度の角度で成形したくさび形パッキン62を挟み込みボルト59、ボルト61とナット60、ナット63で取り付けることにより第1の自在車(A)21に対して第1の後脚191を垂直に形成することが可能になる。さらに第1の支持脚(A)25に取り付けるための第1のドアハンガー用吊り車(A)31と、前記第1のドアハンガー用吊り車(A)31と相対する木造住宅の外壁面にネジ釘75で取り付けるためのハンガーレール79を示す。このように第1のドアハンガー用吊り車(A)31とハンガーレール79を構成することにより、建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20の移設中に建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20が横転するのを防ぐことが可能になる。同様に、第2の後脚47については第1の後脚191と左右対称の形状で構成される。
【0030】
図8は、
図7で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を組み立てた状態を示す。
図7で説明した第1の支持脚(A)25に成形した第1の穴(A)80と第2の支持脚(A)27に成形した第2の穴(A)89に連結部材(A)37の穴90、穴91を重ね合せ、ボルト57とボルト58で第1の支持脚(A)25と第2の支持脚(A)27を固定すると共に、第1の角度調整用L形プレート(A)76に成形した第1の連結ボルト用穴(A)110と第2の角度調整用L形プレート(A)87に成形した第2の連接ボルト用穴(A)113に連結ボルト33を挿入しナット56を取り付けた状態を示す。さらに第1の支持脚(A)25の下部に溶接接合した第1の底板鋼板(A)82と、第1の自在車(21)の第1の取付座(A)97の間に約30度のくさび形をした第1のくさび形パッキン(A)62を挿入し、ボルト59、ボルト61とナット60、ナット63で第1の底板鋼板(A)82と第1の取付座(A)97を固定すると共に、同様に、第2の支持脚(A)27の下部に溶接接合した第2の底板鋼板(A)95と、第2の自在車(A)22の第2の取付座(A)98の間に約30度のくさび形をした第2のくさび形パッキン(A)65を挿入し、ボルト64、ボルト67とナット66、ナット68で第2の底板鋼板(A)95と第2の取付座(A)98を固定した状態を示す。このように第1の底板鋼板(A)82、第2の底板鋼板(A)95と第1の取付座(A)97、第2の取付座(A)98の間に第1のくさび形パッキン(A)62と第2のくさび形パッキン(A)65を挿入することにより、第1の後脚191、第2の後脚47を安定させた状態で垂直に保持させることが可能になった。
【0031】
図8aは、
図7で説明した第1の角度調整用L形プレート(A)77を斜視図で示す。第1の連結ボルト支持面(A)76の先端から約50mmの位置の中央部に成形した直径約30mmの第1の連結ボルト用穴(A)110の中心を境目にして、
図13で示す第1の主脚連結棒184と概ね平行に第1の連結ボルト支持面(A)76の上面を約30度の角度で外側に折り曲げた状態を示す。
【0032】
図8bは、
図7で説明した第2の角度調整用L形プレート(A)87を斜視図で示す。第2の連結ボルト支持面(A)86の先端から約50mmの位置の中央部に成形した直径約30mmの第2の連結ボルト用穴(A)113の中心を境目にして、
図11で示す第2の主脚連結棒36と概ね平行に第2の連結ボルト支持面(A)87の上面を約30度の角度で外側に折り曲げた状態を示す。
【0033】
図9は、
図8で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を、道路等の移動時に安定させるため進行方向に対してハの字形に広げた状態を示す。このように第1の主脚29と第2の主脚30をハの字形に広げるため、
図4で説明した連結部材(A)37を横長の道路通行用補強部材(A)122に取り換え、ボルト121、ボルト123で道路通行用補強部材(A)122を第1の支持脚(A)25、第2の支持脚(A)27に取り付けると共に、
図8で説明した第1の自在車(A)21の第1の底板鋼板(A)82と第2の自在車(A)22の第2の底板鋼板(A)95にL形鋼材で成形した道路通行用L形補強部材(A)124を、ボルト61、ボルト64とナット63、ナット66で固定することにより建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を安定させることが可能になった。なお、
図8で説明した第1の連結ボルト支持面(A)76と第2の連結ボルト支持面(A)86に成形した第1の連結ボルト用穴(A)110と第2の連結ボルト用穴(A)113の中心を境目にして、第1の連結ボルト支持面(A)76と第2の連結ボルト支持面(A)86を約30度の角度で互いに外側に折り曲げることにより、
図6で説明した、狭小地で建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を移動させる場合と、
図10で示すように、道路等で建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を移動させる場合の何れの場合でも、第1の連結ボルト支持面(A)76と第2の連結ボルト支持面(A)86を
図5で説明した連結ボルト取付用鋼板45に密着させ、連結ボルト33と連結ナット56で固定することにより油圧式木造住宅吊上げ装置2を安定した状態で支えることが可能になった。
【0034】
図10は、
図9で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に、
図5aで説明した油圧式木造住宅吊上げ装置2を取り付けた状態を示す。
【0035】
図11は、
図4の正面図で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を分解図で示す。
図14、
図15で示すように、建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に取り付けた油圧式木造住宅吊上げ装置2を木造住宅の四隅に正確に着地させるため、建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に取り付けた油圧式木造住宅吊上げ装置2を定位置に移動させた後、第2の主脚連結棒36に取り付けた第2のターンバックル(A)34、第2のターンバックル(B)35の胴部を回すことにより第2の主脚連結棒36を伸びて第2の自在車(A)22と第2の自在車(B)24の間隔が広がり、建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に取り付けた油圧式木造住宅吊上げ装置2を下げることが可能になった。
【0036】
図11aは、第2の角度調整用L形プレート(A)87を斜視図で示す。
図11aは、
図8bで説明した第2の角度調整用L形プレート(A)87を逆方向から見た状態を斜視図で示す。
【0037】
図11bは、
図11aと同様に、第2の角度調整用L形プレート(B)143を斜視図で示す。
【0038】
図12は、
図11で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20を組み立てた状態を示す。このように構成することにより、第2の主脚連結棒36に取り付けた第2のターンバックル(A)34、第2のターンバックル(B)35の胴部を回すことにより第2の自在車(A)22と第2の自在車(B)24の間隔が広がり、
図15で示すように建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に取り付けたに油圧式木造住宅吊上げ装置2を下げることが可能になった。
【0039】
図12aは、
図11で説明した第2の主脚30の第2の角度調整用L形プレート(A)87の第2の連続ボルト用穴(A)113と第2の角度調整用L形プレート(B)143の第2の連続ボルト用穴(B)142を重ね合わせて連結ボルト33を挿入した状態を拡大図で示す。
【0040】
図13は、
図4で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20の背面図を分解図で示す。
【0041】
図14は、
図5bで説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に取り付けたに油圧式木造住宅吊上げ装置2を作業員が90度回転させ垂直に立てた状態を示す。
【0042】
図15は、
図13で説明した建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20の第2のターンバックル(A)34と第2のターンバックル(B)35の胴部を回転させてターンバックルを緩めることにより主脚の下部が外側に広がり油圧式木造住宅吊上げ装置が下がった状態を示す。このように、建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー20に取り付けた油圧式木造住宅吊上げ装置2を所定の位置に移動させたあと、簡単に地表面の定位置に着地させることが可能になった。
【0043】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーについて詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の実施の形態に係る、本出願人が特許出願した油圧式木造住宅吊上げ装置を木造住宅に取り付けた状態を斜視図で示す。
【
図2】同実施の形態に係る、本出願人が特許出願した油圧式木造住宅吊上げ装置で木造住宅を吊上げた状態を斜視図で示す。
【
図3】同実施の形態に係る、本出願人が特許出願した油圧式木造住宅吊上げ装置を斜視図で示す。
【
図4】同実施の形態に係る、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを第三角法の図面で図示する
【
図5】同実施の形態に係る、油圧式木造住宅吊上げ装置を、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーに取り付けた状態を正面図で示す。
【
図6】同実施の形態に係る、
図5で示した油圧式木造住宅吊上げ装置を、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーに取り付けた状態を左側面図で示す。
【
図7】同実施の形態に係る、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを分解図で示す。
【
図8】同実施の形態に係る、
図7で示した本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを組み立てた状態を左側面図で示す。
【
図9】同実施の形態に係る、
図8で示した本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーの主脚を広げた状態を側面図で示す。
【
図10】同実施の形態に係る、
図9で示した本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーに油圧式木造住宅吊上げ装置を取り付けた状態を示す。
【
図11】同実施の形態に係る、本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを分解した状態を正面図で示す。
【
図12】同実施の形態に係る、
図11で示した本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを組み立てた状態を正面図で示す。
【
図13】同実施の形態に係る、
図4で示した本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーを背面図で示す。
【
図14】同実施の形態に係る、
図5で示した油圧式木造住宅吊上げ装置を90度回転させた状態を正面図で示す。
【
図15】同実施の形態に係る、
図13で示した本発明の建物カサ上げ機直立兼用キャリヤーのターンバックルの胴部を回してターンバックルを緩めることにより主脚の下側が広がり油圧式木造住宅吊上げ装置を下げた状態を正面図で示す。
【符号の説明】
【0045】
1 木造住宅
2 油圧式木造住宅吊上げ装置
3 ローラーチェーン
4 架台用H型鋼
5 木造住宅吊上げ用フレーム
6 基礎コンクリート
7 ピストンロッド
8 油圧シリンダー
9 U字形吊上げ金物
10 スプロケット
11 スプロケット
12 底板
20 建物カサ上げ機直立兼用キャリヤー
21 第1の自在車(A)
22 第2の自在車(A)
23 第1の自在車(B)
24 第2の自在車(B)
25 第1の支持脚(A)
26 第1の支持脚(B)
27 第2の支持脚(A)
28 第2の支持脚(B)
29 第1の主脚
30 第2の主脚
31 第1のドアハンガー用吊り車(A)
32 第1のドアハンガー用吊り車(B)
33 連結ボルト
34 第2のターンバックル(A)
35 第2のターンバックル(B)
36 第2の主脚連結棒
37 連結部材(A)
38 連結部材(B)
45 連結ボルト取付用鋼板
46 連結ボルト取付用穴
47 第2の後脚
48 第2の前脚
49 第2の移送用レール
50 第1の移送用レール
56 連結ナット
57 ボルト
58 ボルト
59 ボルト
60 ナット
61 ボルト
62 第1のくさび形パッキン(A)
63 ナット
64 ボルト
65 第2のくさび形パッキン(A)
66 ナット
67 ボルト
68 ナット
75 ネジ釘
76 第1の連結ボルト支持面(A)
77 第1の角度調整用L形プレート(A)
78 第1の角形鋼管接合面(A)
79 ハンガーレール
80 第1の穴(A)
81 穴
82 第1の底板鋼板(A)
83 穴
84 穴
85 穴
86 第2の連結ボルト支持面(A)
87 第2の角度調整用L形プレート(A)
88 第2の角形鋼管接合面(A)
89 第2の穴(A)
90 穴
91 穴
92 穴
93 穴
94 穴
95 第2の底板鋼板(A)
96 穴
97 第1の取付座(A)
98 第2の取付座(A)
110 第1の連結ボルト用穴(A)
112 第1の折曲げ部(A)
113 第2の連結ボルト用穴(A)
114 第2の折曲げ部(A)
121 ボルト
122 道路通行用補強部材(A)
123 ボルト
124 道路通行用L形補強部材(A)
136 ナット
137 ターンバックル用ボルト
138 穴
139 ターンバックル用ナット
140 穴
141 第2の連結ボルト支持面(B)
142 第2の連結ボルト用穴(B)
143 第2の角度調整用L形プレート(B)
144 ボルト
145 ナット
146 ターンバックル用ボルト
147 ターンバックル用ナット
148 穴
149 穴
150 ボルト
151 ナット
152 第2の底板鋼板(B)
153 穴
170 第1の連結ボルト支持面(B)
171 第1の角度調整用L形プレート(B)
172 第1の連結ボルト用穴(B)
173 ボルト
174 第1の前脚
175 ナット
176 ボルト
177 穴
178 ナット
179 ターンバックル用ボルト
180 穴
181 ターンバックル用ナット
182 穴
183 第1のターンバックル(B)
184 第1の主脚連結棒
185 第1のターンバックル(A)
186 穴
187 ターンバックル用ナット
188 穴
189 ターンバックル用ボルト
190 ナット
191 第1の後脚
192 第1の底板鋼板(B)