(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071584
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】測位システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/20 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
G01C21/20
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022107983
(22)【出願日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】110142077
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】蔡 志偉
(72)【発明者】
【氏名】鄭 嘉仁
(72)【発明者】
【氏名】黄 盈期
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB15
2F129BB33
2F129CC31
2F129CC33
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF73
2F129FF75
2F129GG17
(57)【要約】
【課題】測位システムを提供する。
【解決手段】
測位システムは、自律移動キャリア内に設けられ、監視フィールドのフィールド画像を取り込むための画像取り込み装置と、画像取り込み装置に通信可能に接続され、監視フィールド内の参照オブジェクトが含まれるフィールド画像の画面子領域に基づいて、自律移動キャリアの監視フィールドにおける自律移動キャリアの座標を決定するためのプロセッサと、を含む。また、測位方法も本明細書に開示されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律移動キャリア内に設けられ、監視フィールドのフィールド画像を取り込むための画像取り込み装置と、
前記画像取り込み装置に接続され、前記監視フィールド内の参照オブジェクトが含まれる前記フィールド画像の画面子領域に基づいて、前記監視フィールドにおける前記自律移動キャリアの座標を決定するプロセッサと、
を含む測位システム。
【請求項2】
前記参照オブジェクトは、固定式参照オブジェクト、移動式参照オブジェクト又はそれらの組み合わせを含むことに用いられる請求項1に記載の測位システム。
【請求項3】
移動参照位置情報及び前記参照オブジェクトに関する固定参照位置情報を保存されるメモリを更に含み、
前記プロセッサは、更に、前記メモリにアクセスして、前記参照オブジェクトが含まれる前記画面子領域、前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に基づいて、前記座標を決定することに用いられる請求項1に記載の測位システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、更に、前記監視フィールドに関する移動確率情報及び前記参照オブジェクトの位置に基づいて、前記自律移動の前記監視フィールドにおける時系列的な移動軌跡を決定することに用いられる請求項1に記載の測位システム。
【請求項5】
メモリは、前記固定式参照オブジェクトの前記監視フィールドにおける固定参照位置情報を保存するとともに、前記移動式参照オブジェクトの前記監視フィールドにおける移動参照位置情報を保存し、
前記プロセッサは、更に、前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に基づいて、前記固定式参照オブジェクト、前記移動式参照オブジェクト又はそれらの組み合わせが含まれる前記画面子領域を認識して前記座標を決定し、
前記固定参照位置情報は、前記画像取り込み装置で前記固定式参照オブジェクトの画像が見える位置の情報であり、前記移動参照位置情報は、前記自律移動キャリア及び前記移動式参照オブジェクトで撮影可能エリアの情報である請求項2に記載の測位システム。
【請求項6】
複数の固定式オブジェクトに関する固定参照位置情報を取得する固定参照取得ステップと、
複数の移動式オブジェクトに関する移動参照位置情報を取得する移動参照取得ステップと、
前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に基づいて、前記移動式オブジェクトの少なくとも1つを測位して時系列的な移動軌跡を決定する移動軌跡決定ステップと、
を含む測位方法。
【請求項7】
画像取り込み装置により監視フィールドに関するフィールド画像を取り込んで表示するステップと、
前記固定式オブジェクト及び前記移動式オブジェクトの少なくとも1つを有する画面子領域を認識して、認識結果を生成するステップと、
を更に含み、
前記移動軌跡決定ステップは、
前記認識結果、前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に基づいて、前記移動式オブジェクトの少なくとも1つを測位する測位ステップを含む請求項6に記載の測位方法。
【請求項8】
前記固定参照位置情報は、前記画像取り込み装置で前記固定式オブジェクトの画像が見える位置の情報であり、前記移動参照位置情報は、前記移動式オブジェクトで撮影可能エリアの情報である請求項7に記載の測位方法。
【請求項9】
前記移動軌跡決定ステップは、
前記認識結果、及び前記監視フィールドにおける異なる位置間での移動に関する移動確率情報に基づいて、前記移動式オブジェクトの少なくとも1つの移動軌跡を決定する軌跡作成ステップを含む請求項7に記載の測位方法。
【請求項10】
前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報は、リモートサーバーが前記固定式オブジェクト及び前記移動式オブジェクトに通信可能に接続されることで決定され、前記測位方法は、
画像取り込み装置により取り込まれて表示されたフィールド画像における前記固定式オブジェクト及び前記移動式オブジェクトの少なくとも1つが位置する画面子領域を認識して、少なくとも1つの認識結果を生成するステップを更に含み、
前記移動式オブジェクトの前記少なくとも1つを測位するとともに前記少なくとも1つの移動軌跡決定ステップは、
前記リモートサーバーによって前記少なくとも1つの認識結果、前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に演算処理を行い、前記移動式オブジェクトの前記少なくとも1つを測位するとともに前記少なくとも1つの移動軌跡決定ステップを含む請求項6に記載の測位方法。
【請求項11】
前記移動式オブジェクトのうちの1つの目標移動式オブジェクトによって監視フィールドに関するフィールド画像を取り込んで表示するステップと、
前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に基づいて、前記移動式オブジェクトの少なくとも1つの前記フィールド画像における画面子領域を認識して、前記移動式オブジェクトの前記少なくとも1つを認識した認識回数情報を取得するステップと、
前記固定参照位置情報及び前記移動参照位置情報に基づいて、前記固定式オブジェクト及び前記移動式オブジェクトの少なくとも1つの前記フィールド画像における画面子領域を認識して、前記固定式オブジェクト及び前記移動式オブジェクトの前記少なくとも1つと前記目標移動式オブジェクトとの相対位置情報を取得するステップと、
を更に含み、
前記少なくとも1つの移動軌跡決定ステップは、
前記認識回数情報、前記相対位置情報、及び前記監視フィールドにおける異なる位置間での移動に関する移動確率情報に基づいて、前記少なくとも1つの移動軌跡決定ステップを含む請求項6に記載の測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測位技術に関し、特に、画像処理の測位技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の測位技術に対しては、複雑な測位装置を必要とすることが多い。しかしながら、測位範囲を大きくする必要がある場合、元の測位精度を維持できるように、測位コストを増加する必要がある。更に、現在の測位装置では、障害物の遮蔽又は遮断により、測位効果が良くない可能性もある。従って、如何にコストを削減しつつ、正確な測位を達成できるかは、当業者が早急に解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様は、自律移動キャリア内に設けられ、監視フィールドのフィールド画像を取り込むための画像取り込み装置と、画像取り込み装置に接続され、監視フィールド内の参照オブジェクトが含まれるフィールド画像の画面子領域に基づいて、自律移動キャリアの監視フィールドにおける自律移動キャリア座標を決定して、するためのプロセッサと、を含む測位システムを開示する。
【0004】
本開示の別の態様は、複数の固定式オブジェクトに関する固定参照位置情報を取得する固定参照取得ステップと、複数の移動式オブジェクトに関する移動参照位置情報を取得する移動参照取得ステップと、固定参照位置情報及び移動参照位置情報に基づいて、複数の移動式オブジェクトの少なくとも1つを測位して時系列的な移動軌跡を決定する移動軌跡決定ステップと、を含む測位方法を開示する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図3】本開示のいくつかの実施例による監視フィールド内で分割された座標及び固定式参照オブジェクトの模式図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施例によるフィールド画像内で分割された複数の領域の模式図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例による第1の検出時点での監視フィールドの模式図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施例による第1の検出時点でのフィールド画像の模式図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施例による第2の検出時点での監視フィールドの模式図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施例による第3の検出時点での監視フィールドの模式図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施例による第4の検出時点での監視フィールドの模式図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施例による第5の検出時点での監視フィールドの模式図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施例による第6の検出時点での監視フィールドの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
現在、一般的な測位装置では、障害物の遮蔽又は遮断により、測位効果が良くない可能性があり、且つ測位範囲が大きくなる場合、元の測位精度を維持できるように、測位コストを増加する必要があり、これに鑑みて、上記問題を解決するために、本開示内容は、自律移動キャリアの画像取り込み装置により取り込まれたフィールド画像を分析することで、参照オブジェクトがフィールド画像のどの領域にあるかを認識して、更に自律移動キャリアの監視フィールドにおける座標を決定して、監視フィールドにおける自律移動キャリアを測位する測位技術を提案する。上記した本開示内容の技術について、下記実施例を例として具体的に説明する。
【0007】
本開示の測位システム100のブロック図である
図1を参照されたい。一実施例において、測位システム100は、画像取り込み装置110(1)と、プロセッサ120と、を含む。画像取り込み装置110(1)は、監視フィールドにおける自律移動キャリアSN(1)内に設けられ、監視フィールドのフィールド画像を取り込むことに用いられる。プロセッサ120は、画像取り込み装置110(1)に接続される。
【0008】
いくつかの実施例において、画像取り込み装置110(1)は、画像を取り込むためのカムコーダ又は連続撮影可能なカメラであってよく、取り込まれた画像を表示することができる。いくつかの実施例において、自律移動キャリアSN(1)は、監視フィールドで移動可能である。
【0009】
いくつかの実施例において、監視フィールドは、工場の機械室、工場の生産地域、街路又は屋内等の様々なフィールドであってよい。いくつかの実施例において、自律移動キャリアSN(1)は、車両、機械キャリア、自律移動ロボット又は移動型プラットホーム等の監視フィールドで移動可能なキャリアであってよい。
【0010】
いくつかの実施例において、プロセッサ120は、中央処理装置、又は他のプログラム可能な一般用途又は特殊用途向けのマイクロコントローラユニット、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、プログラマブル制御器、特定用途向け集積回路又は他の類似する素子、又は上記素子の組み合わせであってよい。
【0011】
いくつかの実施例において、接続方法としては、任意の通信プロトコルに基づいて有線又は無線の形態で行われてよい。
【0012】
いくつかの実施例において、測位システム100は、リモートサーバーSVRを更に含んでよく、リモートサーバーSVRは、プロセッサ120を含んでよい。いくつかの実施例において、測位システム100は、メモリ130を更に含んでよく、メモリ130は、リモートサーバーSVR内に設けられてもよく、フィールド画像を保存することができる。注意すべきなのは、上記プロセッサ120及びメモリ130の設置に関する実施形態は、例示的なものに過ぎず、プロセッサ120及びメモリ130は、更に自律移動キャリアSN(1)又は任意の遠隔装置(例えば、クラウドサーバ)に設けられてもよいが、これに限定されないことである。
【0013】
いくつかの実施例において、測位システム100は、監視フィールドで移動可能な自律移動キャリアSN(2)~SN(N)を更に含んでよく、自律移動キャリアSN(2)~SN(N)は、それぞれ画像取り込み装置110(2)~110(N)を含んでよく、且つ画像取り込み装置110(2)~110(N)は、それぞれ監視フィールドの参照画像を取り込むこともでき、Nは、任意の正の整数であってよく、特に限定されない。
【0014】
本開示の測位方法のフローチャートである
図2を参照されたい。
図2に示す実施例の方法は、
図1の測位システム100に適用されるが、これに限定されない。説明を容易且つ明らかにするために、以下、
図1及び
図2を合わせて参照し、測位システム100における各素子間の動作関係で
図2に示す測位方法の詳細なステップを説明する。
【0015】
一実施例において、測位方法は、ステップS210とステップS220を含む。まず、ステップS210において、監視フィールドのフィールド画像を取り込む。詳しくは、画像取り込み装置110(1)は、自律移動キャリアSN(1)の前方の画像をフィールド画像として撮影する。
【0016】
また、ステップS220において、フィールド画像を分析して、少なくとも監視フィールド内の少なくとも1つの参照オブジェクトが含まれるフィールド画像におけるの画面子領域に基づいて、自律移動キャリアSN(1)の監視フィールドにおける自律移動キャリア座標を決定して、監視フィールドにおける当該自律移動キャリアSN(1)を測位する。
【0017】
詳しくは、プロセッサ120は、画像取り込み装置110(1)からフィールド画像を受信するとともに、フィールド画像を分析して、少なくともフィールド画像における少なくとも1つの参照オブジェクトが存在する画面子領域に基づいて、自律移動キャリアの監視フィールドにおける座標を認識して、更に座標に基づいて自律移動キャリアSN(1)のフィールド画像における位置を認識し、少なくとも1つの参照オブジェクトは、監視フィールドに位置する。
【0018】
いくつかの実施例において、フィールド画像は、複数の領域に分割可能であり、且つ、プロセッサ120は、これらの領域から少なくとも1つの参照オブジェクトが存在する画面子領域を認識することができ、少なくとも1つの参照オブジェクトは、少なくとも1つの固定式参照オブジェクト、少なくとも1つの移動式参照オブジェクト又はそれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施例において、固定式参照オブジェクトは、監視フィールドに設けられる移動できない固定式オブジェクト(例えば、道路標識又は任意の測位参照物)であってよく、且つ、移動式参照オブジェクトは、監視フィールドで移動している移動式オブジェクト(即ち、自律移動キャリアSN(2)~SN(N))であってよい。
【0019】
いくつかの実施例において、少なくとも1つの参照オブジェクトは、座標を決定するために、少なくとも1つの固定式参照オブジェクト、少なくとも1つの移動式参照オブジェクト又はそれらの組み合わせの、フィールド画像における画面子領域を含んでよい。換言すれば、プロセッサ120は、固定式参照オブジェクト、移動式参照オブジェクト又はそれらの組み合わせがそれぞれフィールド画像のどの領域に存在するかを認識して、対応する画面子領域とし、更に画面子領域に基づいて座標を決定することができる。
【0020】
いくつかの実施例において、メモリ130は、画像取り込み装置110(1)~110(N)によって取り込み可能な少なくとも1つの参照オブジェクトの画像に関する見える位置の情報を保存することができる。そして、プロセッサ120は、メモリ130にアクセスして、少なくとも1つの参照オブジェクトが含まれるフィールド画像の画面子領域及び見える位置の情報に基づいて、座標を決定することができる。いくつかの実施例において、見える位置の情報は、画像取り込み装置110(1)によって監視フィールドにおいて各固定式参照オブジェクトを撮影可能な位置を含んでよく、画面子領域は、移動式参照オブジェクトが含まれるフィールド画像の画面子領域であってよい。
【0021】
いくつかの実施例において、プロセッサ120は、少なくとも1つの参照オブジェクトの監視フィールドにおける位置に基づいて、少なくとも1つの参照オブジェクトの監視フィールドにおける位置を認識した認識情報を認識することができる。そして、プロセッサ120は、移動確率情報及び認識情報に基づいて、自律移動キャリアの監視フィールドにおける時系列的な移動軌跡を決定することができる。いくつかの実施例において、少なくとも1つの参照オブジェクトの監視フィールドにおける位置は、少なくとも1つの固定式参照オブジェクトの監視フィールドにおける位置を含んでよく、認識情報は、少なくとも1つの移動式参照オブジェクトの監視フィールドにおける少なくとも1つの時系列的な移動軌跡を含んでよく、移動確率情報は、自律移動キャリアSN(1)~SN(N)が監視フィールドにおける各座標から近接する座標へ移行する確率を含んでよい。
【0022】
いくつかの実施例において、リモートサーバーSVRのメモリ130は、少なくとも1つの固定式参照オブジェクトの監視フィールドにおける固定参照位置情報を保存するとともに、自律移動キャリアSN(1)及び少なくとも1つの移動式参照オブジェクトの監視フィールドにおける移動参照位置情報を保存することができ、固定参照位置情報は、画像取り込み装置110(1)によって取り込み可能な少なくとも1つの固定式参照オブジェクトの画像の見える位置の情報に関するものであり、移動参照位置情報は、画像取り込み装置110(1)~110(N)の何れか一方が取り込み撮影可能エリアの情報である。
【0023】
そして、プロセッサ120は、座標を決定するために、固定参照位置情報及び移動参照位置情報に基づいて、少なくとも1つの固定式参照オブジェクト、少なくとも1つの移動式参照オブジェクト及びそれらの組み合わせの、フィールド画像の画面子領域を認識して、座標を決定することができる。換言すれば、プロセッサ120は、固定参照位置情報及び移動参照位置情報に基づいて、フィールド画像の複数の領域から少なくとも1つの固定式参照オブジェクト、少なくとも1つの移動式参照オブジェクト又はそれらの組み合わせが存在する画面子領域を認識することができる。
【0024】
いくつかの実施例において、プロセッサ120は、固定参照位置情報及び移動参照位置情報に基づいて、少なくとも1つの移動式参照オブジェクトの監視フィールドにおける位置を認識した認識情報を認識することができる。そして、プロセッサ120は、監視フィールドに関する移動確率情報及び認識情報に基づいて、自律移動キャリアSN(1)の監視フィールドにおける時系列的な移動軌跡を決定することができる。
【0025】
上記ステップにより、本開示の実施例に係る測位システム100は、参照オブジェクトがフィールド画像のどの領域に存在するかを直接認識し、自律移動キャリアSN(1)の監視フィールドにおける座標を決定することができる。それにより、監視フィールドにおいて自律移動キャリアSN(1)を測位する精度を向上させることができる。
【0026】
更に、以下、本開示の実施例に係る測位システム100の使用シーンを説明する。本開示の実施例の詳細な実施方法を明らかに説明しやすくするために、以下、監視フィールドに自律移動キャリアSN(1)~SN(2)が存在することを例とする。
【0027】
図1及び
図3を合わせて参照し、
図3は、本開示のいくつかの実施例による監視フィールド内で分割された座標及び固定式参照オブジェクトの模式図である。
図3において、監視フィールドは、14個の座標領域に分割され、これらの座標領域は、それぞれ異なる座標番号(例えば、図中の1~14)に対応し、監視フィールドに隣接するがそれに属さない座標領域は、座標番号0に対応する。固定式参照オブジェクトARP_1~ARP_4は、それぞれ座標番号が4、14、6及び11の座標領域に設けられている。
【0028】
いくつかの実施例において、上記監視フィールドのこれらの座標番号の領域情報及び固定式参照オブジェクトARP_1~ARP_4の位置の固定式参照点情報(以下の表1を参照)は、メモリ130に保存されてよい。
【表1】
【0029】
本実施例において、この座標設定形態及びこの固定式参照オブジェクトの設置形態を使用するが、本開示内容は、これに限定されず、任意の座標設定形態及び固定式参照オブジェクトの設置形態も全て本開示内容の範囲にある。
【0030】
なお、予備検出周期において、プロセッサ120は、SN(1)~SN(2)の監視フィールドにおける全ての移動軌跡(いずれも右寄りを走行する)を保存するとともに、これらの移動軌跡に基づいて統計分析を行い、座標番号0~14の間で移行する確率の移動確率情報を生成することができる。例えば、以下の表2の移動確率確率行列は、移動確率情報の例を示す。
【表2】
【0031】
表2から分かるように、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)は、座標番号1の位置から座標番号0の位置に移動する確率が0.95である。
【0032】
いくつかの実施例において、プロセッサ120は、予め画像取り込み装置110(1)~110(2)の撮影角度及び深度に基づいて自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の画像取り込み装置110(1)~110(2)の撮影範囲(例えば、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の走行方向の前方の九升)を設定するとともに、この撮影範囲に基づいて監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号を設定し、見える位置の情報に関する固定参照位置情報を生成することができる。別の実施例において、使用者は、予め自律移動キャリアSN(1)~SN(2)を監視フィールドにおける全ての座標番号の位置に設置して画像取り込み装置110(1)~110(2)によって撮影するとともに、各位置で撮影された画像に基づいて監視フィールドにおいて固定式参照オブジェクトARP_1~ARP_4を撮影可能な位置の座標番号を設定し、見える位置の情報に関する固定参照位置情報を生成することができる。固定参照位置情報は、以下の表3に示される。
【表3】
【0033】
表3から分かるように、監視フィールドにおいて固定式参照オブジェクトARP_1を撮影可能な位置は、座標番号5~8及び14である。監視フィールドにおいて固定式参照オブジェクトARP_2を撮影可能な位置は、座標番号2、6~7及び11である。監視フィールドにおいて固定式参照オブジェクトARP_3を撮影可能な位置は、座標番号2~4及び11である。監視フィールドにおいて固定式参照オブジェクトARP_4を撮影可能な位置は、座標番号3~4、8及び14である。換言すれば、固定参照位置情報には、上記見える位置の情報が含まれ、見える位置の情報には、各固定式参照オブジェクトが画像の特定位置にある時に撮影された画像の各部分に対応する領域が記録されている。更に、見える位置の情報から自律移動キャリアSN(1)~SN(2)が位置する座標番号を認識することができる。
【0034】
図1及び
図4を合わせて参照し、
図4は、本開示のいくつかの実施例によるフィールド画像内で分割された複数の領域の模式図である。
図4において、画像取り込み装置110(1)~110(2)が監視フィールドのフィールド画像を取り込む際に、画像取り込み装置110(1)~110(2)によって取り込まれたフィールド画像は、更にプロセッサ120によって領域TL、領域TC、領域TR、領域ML、領域MC、領域MR、領域BL、領域BC及び領域BRに分割されてよい。プロセッサ120は、領域TL、領域TC、領域TR、領域ML、領域MC、領域MR、領域BL、領域BC及び領域BRによって参照オブジェクトが含まれるフィールド画像の画面子領域を認識することができる。
【0035】
図1、
図5及び
図6を合わせて参照し、
図5は、本開示のいくつかの実施例による第1の検出時点での監視フィールドの模式図であり、
図6は、本開示のいくつかの実施例による第1の検出時点でのフィールド画像の模式図である。
図5において、自律移動キャリアSN(1)は、座標番号5に位置し、座標番号4の方向へ走行する。この場合、自律移動キャリアSN(1)の画像取り込み装置110(1)は、監視フィールドを撮影してフィールド画像を生成することができる。
【0036】
図6において、自律移動キャリアSN(1)の画像取り込み装置110(1)は、フィールド画像をプロセッサ120に伝送することができ、プロセッサ120は、任意の画像認識方法(例えば、深層学習アルゴリズム)でフィールド画像から路面RD及び領域BCに固定式参照オブジェクトARP_1が存在すると認識することができる。そして、プロセッサ120は、上記固定式参照点情報、見える位置の情報及び領域BCに基づいて路面RDが座標番号2~4、7~9及び11~12に対応すると認識することができる。
【0037】
そして、プロセッサ120は、自律移動キャリアSN(1)の座標が座標番号5であると認識し、路面RDの領域BCにおける部分は、座標番号4であり、路面RDの領域BLにおける部分は、座標番号9であり、路面RDの領域MCにおける部分は、座標番号3であり、路面RDの領域MLにおける部分は、座標番号8であり、路面RDの領域MRにおける部分は、座標番号12であり、路面RDの領域TCにおける部分は、座標番号2であり、路面RDの領域TLにおける部分は、座標番号7であり、路面RDの領域TRにおける部分は、座標番号11である。
【0038】
このように類推し、プロセッサ120は、各検出時点でいずれも同じ方法で自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のそれぞれにより撮影した領域の座標番号(以下の表4に示す)を認識して、各検出時点でそれぞれ撮影した領域の座標番号を移動参照位置情報とする(即ち、表4に類似する表を移動参照位置情報とする)とともに、移動参照位置情報及び上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号に基づいてそれぞれの座標を認識することができる。
【表4】
【0039】
図1、
図4及び
図7を合わせて参照し、
図7は、本開示のいくつかの実施例による第2の検出時点での監視フィールドの模式図である。
図7において、自律移動キャリアSN(1)は、座標番号4に位置し、座標番号3の方向へ走行する。自律移動キャリアSN(2)は、座標番号6に位置し、座標番号7の方向へ走行する。この場合、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の画像取り込み装置110(1)~110(2)は、監視フィールドを撮影してそれぞれのフィールド画像を生成することができる。
【0040】
上記と同じ方法に基づいて、プロセッサ120は、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のそれぞれのフィールド画像に基づいて固定式参照オブジェクトARP_4、ARP_2がフィールド画像のどの領域にあるかを認識して、画像取り込み装置110(1)の撮影範囲が座標番号6~8、1~3及び11~12を含み、画像取り込み装置110(2)の撮影範囲が座標番号7~9、2~4及び13~14を含むと認識することができる(自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のこの時の撮影範囲は、表5に示され、表4及び表5の情報を含むように移動参照位置情報を設定する)。そして、プロセッサ120は、これらの撮影範囲及び上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号に基づいて、自律移動キャリアSN(1)が座標番号4に位置し、自律移動キャリアSN(2)が座標番号6に位置すると認識することができる。
【表5】
【0041】
いくつかの実施例において、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)には、対応するナンバープレートが設けられてもよく(例えば、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のヘッド部及びテール部に設けられる)、ナンバープレートは、対応するナンバープレート番号を有し、これらのナンバープレート番号及びナンバープレート番号と自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の対応関係は、メモリ130に保存されてよい。それにより、プロセッサ120は、更に任意の画像認識方法でフィールド画像から自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のうちの一方が存在するか否かを判断することができる。自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のうちの一方が存在する場合、プロセッサ120は、更に画像認識方法でフィールド画像から自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のどちらが存在するかを認識することができる。
【0042】
この実施例において、プロセッサ120は、自律移動キャリアSN(1)のフィールド画像に基づいて、自律移動キャリアSN(2)がフィールド画像において領域TLに位置すると認識するとともに、自律移動キャリアSN(2)のフィールド画像に基づいて、自律移動キャリアSN(1)がフィールド画像において領域TLに位置すると認識することができる。そして、プロセッサ120は、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)に対する認識に基づいて、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の間の相対位置を認識する。それにより、プロセッサ120は、上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号、固定式参照オブジェクトARP_4、ARP_2に対する認識及び自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の間の相対位置に対する認識に基づいて、自律移動キャリアSN(2)が座標番号6に位置し、自律移動キャリアSN(1)が座標番号4に位置すると認識することもできる。
【0043】
これから分かるように、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のうちの一方が任意の固定式参照オブジェクトも取り込んでいなくても、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のうちの一方が他方の画像を取り込み、且つ他方が任意の固定式参照オブジェクトを取り込んでいれば、そのうちの一方がそれ自体の座標を知っている場合に、固定式参照オブジェクトに対応する見える位置の情報からであっても、他の測位システムからであっても、それによって自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のそれぞれの座標を認識することができる。これは、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のうちの一方が任意の固定式参照オブジェクトも取り込んでいない適用シーンであり、本実施例において、移動参照位置情報から自律移動キャリアSN(2)が取り込まれた画像の特定位置にある時に自律移動キャリアSN(1)との相対位置を認識できるため、座標を推測することができる。
【0044】
換言すれば、プロセッサ120は、これらのフィールド画像から任意の固定式参照オブジェクト、任意の自律移動キャリア(即ち、移動式参照オブジェクト)又はそれらの組み合わせを認識できれば、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)を測位することができる。
【0045】
図1及び
図8を合わせて参照し、
図8は、本開示のいくつかの実施例による第3の検出時点での監視フィールドの模式図である。
図8において、自律移動キャリアSN(1)は、座標番号3に位置し、座標番号2の方向へ走行する。自律移動キャリアSN(2)は、座標番号7に位置し、座標番号8の方向へ走行する。この場合、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の画像取り込み装置110(1)~110(2)は、監視フィールドを撮影してそれぞれのフィールド画像を生成することができる。
【0046】
上記と同じ方法に基づいて、プロセッサ120は、固定式参照オブジェクトARP_1~4に対する認識及び自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の間の相対位置に対する認識に基づいて、画像取り込み装置110(1)の撮影範囲が座標番号1~2、6~7及び11を含み、画像取り込み装置110(2)の撮影範囲が座標番号3~5、8~10及び14を含むと認識する(自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のこの時の撮影範囲は、表6に示され、表4~表6の情報を含むように移動参照位置情報を設定する)。そして、プロセッサ120は、これらの撮影範囲及び上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号に基づいて、自律移動キャリアSN(2)が座標番号7に位置し、自律移動キャリアSN(1)が座標番号3に位置すると認識する。
【表6】
【0047】
図1及び
図9を合わせて参照し、
図9は、本開示のいくつかの実施例による第4の検出時点での監視フィールドの模式図である。
図9において、自律移動キャリアSN(1)は、座標番号2に位置し、座標番号1の方向へ走行する。自律移動キャリアSN(2)は、座標番号8に位置し、座標番号3の方向へ走行する。この場合、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の画像取り込み装置110(1)~110(2)は、監視フィールドを撮影してそれぞれのフィールド画像を生成することができる。
【0048】
上記と同じ方法に基づいて、プロセッサ120は、固定式参照オブジェクトARP_3、ARP_1に対する認識に基づいて、画像取り込み装置110(1)の撮影範囲が座標番号1及び6を含み、画像取り込み装置110(2)の撮影範囲が座標番号3~5、8~9及び12を含むと認識する(自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のこの時の撮影範囲は、表7に示され、表4~表7の情報を含むように移動参照位置情報を設定する)。そして、プロセッサ120は、これらの撮影範囲及び上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号に基づいて、自律移動キャリアSN(2)が座標番号8又は3に位置し、自律移動キャリアSN(1)が座標番号2に位置すると認識する。
【表7】
【0049】
図1及び
図10を合わせて参照し、
図10は、本開示のいくつかの実施例による第5の検出時点での監視フィールドの模式図である。
図10において、自律移動キャリアSN(1)は、座標番号1に位置し、座標番号0の方向へ監視フィールドから離れる。自律移動キャリアSN(2)は、座標番号8及び3に位置し、座標番号3の方向へ走行する。この場合、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の画像取り込み装置110(1)~110(2)は、監視フィールドを撮影してそれぞれのフィールド画像を生成することができる。
【0050】
上記と同じ方法に基づいて、プロセッサ120は、固定式参照オブジェクトARP_1、ARP_4に対する認識に基づいて、画像取り込み装置110(2)の撮影範囲が座標番号3~4及び12を含むと認識する(自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のこの時の撮影範囲は、表8に示され、表4~表8の情報を含むように移動参照位置情報を設定する)。そして、プロセッサ120は、これらの撮影範囲及び上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号に基づいて、自律移動キャリアSN(2)が座標番号8又は3に位置すると認識する。しかしながら、プロセッサ120は、自律移動キャリアSN(1)のフィールド画像から任意の固定式参照オブジェクト又は自律移動キャリアも認識することができない。従って、プロセッサ120は、現在、自律移動キャリアSN(1)の座標及び撮影範囲を認識することができない。
【表8】
【0051】
図1及び
図11を合わせて参照し、
図11は、本開示のいくつかの実施例による第6の検出時点での監視フィールドの模式図である。
図11において、自律移動キャリアSN(2)は、座標番号12に位置し、座標番号0の方向へ監視フィールドから離れる。この場合、自律移動キャリアSN(2)の画像取り込み装置110(2)は、監視フィールドを撮影してフィールド画像を生成することができる。
【0052】
上記と同じ方法に基づいて、プロセッサ120は、自律移動キャリアSN(2)のフィールド画像から任意の固定式参照オブジェクト又は自律移動キャリアも認識することができない。従って、プロセッサ120は、現在、自律移動キャリアSN(2)の座標及び撮影範囲を認識することができない(自律移動キャリアSN(1)~SN(2)のこの時の撮影範囲は、表9に示され、表4~表9の情報を含むように移動参照位置情報を設定する)。
【表9】
【0053】
換言すれば、上記検出時点での認識により、プロセッサ120は、上記検出時点での自律移動キャリアSN(1)及び自律移動キャリアSN(2)の撮影範囲を移動参照位置情報として、移動参照位置情報、上記した監視フィールドにおける各位置で取り込み可能な座標番号及び固定参照位置情報に基づいて、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の各検出時点での座標を認識して、時系列的な移動軌跡を生成する(以下の表10に示す)。
【表10】
【0054】
表10から分かるように、自律移動キャリアSN(1)は、第5の検出時点で測位されることができない。自律移動キャリアSN(2)は、第6の検出時点で測位されることができず、且つ第5の検出時点で座標番号3又は8の位置にある可能性がある。
【0055】
いくつかの実施例において、プロセッサ120は、そのうちの1つの検出時点で、固定参照位置情報及び移動参照位置情報に合わせて、上記固定式参照オブジェクトARP_1~ARP_4に対する認識及び自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の間の相対位置に対する認識によって、自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の何れか一方が複数の座標を有すると認識した場合、認識された回数が最も多い座標を自律移動キャリアSN(1)~SN(2)の何れか一方の座標としてよい。例えば、プロセッサ120が1つの検出時点で固定式参照オブジェクトARP_1に対する認識によって自律移動キャリアSN(2)の座標が座標番号3であることを決定して、且つ自律移動キャリアSN(1)と自律移動キャリアSN(2)の間の相対位置によって自律移動キャリアSN(2)の座標が座標番号3又は8であると認識したと仮定すれば、プロセッサ120は、座標が座標番号3であることに対応する回数がより高いと判断し、座標番号3を自律移動キャリアSN(2)の座標とすることができる。
【0056】
いくつかの実施例において、第1の検出時点から第6の検出時点までの隣接する時点の間の時間差は、いずれも等しい(即ち、画像におけるフレームを周期的に取り込んでフィールド画像を生成する)。
【0057】
いくつかの実施例において、プロセッサ120は、メモリ130から表2の移行確率行列にアクセスして、自律移動キャリアSN(1)が第4の検出時点で座標番号2に位置する場合、移行確率行列に基づいて、自律移動キャリアSN(1)が第5の検出時点で座標番号1に位置する確率が0.45であり、且つ座標番号7に位置する確率が0.5であると判断することができる。従って、プロセッサ120は、固定参照位置情報と移動参照位置情報が一致していない場合、自律移動キャリアSN(1)が第5の検出時点で座標番号7に位置する可能性があると判断することができる。
【0058】
以上を纏めると、本開示の実施例に係る測位システム及び測位方法は、自律移動キャリアの画像取り込み装置により取り込まれたフィールド画像を分析し、参照オブジェクトがフィールド画像のどの領域にあるかを認識して、更に自律移動キャリアの監視フィールドにおける座標を決定することができる。更に、参照オブジェクトのうちの固定式オブジェクト及び移動式オブジェクトのフィールド画像における領域に基づいて、フィールド画像における全ての固定参照位置情報及び移動参照位置情報を認識して、自律移動キャリアの監視フィールドにおける座標を決定して、監視フィールドにおける自律移動キャリアを測位することができる。それにより、測位装置の設置コストを大幅に削減し、測位精度を顕著に向上させることができる。
【0059】
本開示は、実施例により前述の通りに開示されたが、これらに限定されなく、当業者であれば、本開示の精神と範囲から逸脱しない限り、いくつかの変更や修飾を加えることができる。従って、本開示の保護範囲は、下記特許請求の範囲で指定した内容を基準とするものである。
【符号の説明】
【0060】
100 測位システム
110(1)~110(N) 画像取り込み装置
120 プロセッサ
SN(1)~SN(N) 自律移動キャリア
130 メモリ
SVR リモートサーバー
S210~S220 ステップ
TL、TC、TR、ML、MC、MR、BL、BC、BR 領域
ARP_1~ARP_4 固定式参照オブジェクト
RD 路面