(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071614
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】マイクログリッドにおける負荷追従及びバックアップを行うハイブリッド燃料電池システム及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20230516BHJP
H01M 8/2495 20160101ALI20230516BHJP
H01M 8/04537 20160101ALI20230516BHJP
H01M 8/04858 20160101ALI20230516BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20230516BHJP
H02J 3/28 20060101ALI20230516BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20230516BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/2495
H01M8/04 J
H01M8/04537
H01M8/04858
H02J3/38 170
H02J3/28
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022176838
(22)【出願日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】63/278,409
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514116578
【氏名又は名称】ブルーム エネルギー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピムスヴィースヴィ,プラサド
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナダス,ジャヤクマール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】可変の負荷需要を管理する、異なるタイプの燃料電池を備える燃料電池システム等の直流(DC)電源。
【解決手段】燃料電池システムを動作させる方法は、第1のタイプの第1の燃料電池302から結合DCバス312aにベースレベルDC電気エネルギーを引き出すことと、結合DCバス312aにおけるDC電圧を測定することと、結合DCバス312aにおけるDC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かを判断することと、結合DCバス312aにおけるDC電圧がDC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、第1のタイプとは異なる第2のタイプの第2の燃料電池304から可変DC電気エネルギーを引き出すこととを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタイプの第1の燃料電池と、
前記第1のタイプとは異なる第2のタイプの第2の燃料電池と、
第1のDCバスを介して前記第1の燃料電池に電気的に接続される第1のDC/DCコンバーターと、
第2のDCバスを介して前記第2の燃料電池に電気的に接続される第2のDC/DCコンバーターと、
結合DCバスを介して前記第1のDC/DCコンバーター及び前記第2のDC/DCコンバーターに並列して電気的に接続されるDC/ACインバーターと、
を備える、燃料電池システム。
【請求項2】
前記第1の燃料電池は、固体酸化物型燃料電池スタック内に位置する固体酸化物型燃料電池であり、
前記第2の燃料電池は、プロトン交換膜型燃料電池スタック内に位置するプロトン交換膜型燃料電池である、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記固体酸化物型燃料電池スタックは、炭化水素燃料源に流体接続され、
前記プロトン交換膜型燃料電池スタックは、水素燃料源又は前記固体酸化物型燃料電池スタックのアノード排気のうちの少なくとも一方に流体接続される、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記プロトン交換膜型燃料電池スタックは、前記固体酸化物型燃料電池スタックの前記アノード排気に流体接続される、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記プロトン交換膜型燃料電池スタックは、アノード排気導管を通して前記固体酸化物型燃料電池スタックの前記アノード排気に直接流体接続されるか、又は水素バッファータンクを通して前記固体酸化物型燃料電池スタックの前記アノード排気に間接的に流体接続される、請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
固体酸化物型燃料電池スタック及びプロトン交換膜型燃料電池スタックが、水素燃料源に流体接続される、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
電気エネルギー貯蔵システムと、前記電気エネルギー貯蔵システムに電気的に接続される第3のDC/DCコンバーターと、を更に備え、
前記DC/ACインバーターは、前記結合DCバスを介して、前記第1のDC/DCコンバーター、前記第2のDC/DCコンバーター、及び前記第3のDC/DCコンバーターに並列して電気的に接続される、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記結合DCバスにおけるDC電圧を測定することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かを判断することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池からDC電気エネルギーを引き出すことと、
を含む動作を実行するコントローラー実行可能命令を有して構成されるコントローラーを更に備える、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することは、前記第1の燃料電池からのベースレベルDC電気エネルギーの前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することを含み、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から前記DC電気エネルギーを引き出すことは、前記第2の燃料電池から可変レベルDC電気エネルギーを引き出すことを開始することを含む、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することは、前記第1の燃料電池からのベースレベルDC電気エネルギー及び前記第2の燃料電池からの可変レベルDC電気エネルギーの前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することを含み、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から前記DC電気エネルギーを引き出すことは、前記第2の燃料電池から引き出す前記可変レベルDC電気エネルギーを増大させることを含む、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記第2の燃料電池から前記DC電気エネルギーを引き出すことは、前記第2の燃料電池から可変レベルDC電気エネルギーを引き出すことを含み、
前記コントローラーは、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値を超過するか否かを判断することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値を超過することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から引き出す前記可変レベルDC電気エネルギーを減少させることと、
を更に含む動作を実行するコントローラー実行可能命令を有して更に構成される、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記コントローラーは、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に等しいか否かを判断することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に等しいことが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から前記可変レベルDC電気エネルギーを引き出すことを止めることと、
を更に含む動作を実行するコントローラー実行可能命令を有して更に構成される、請求項11に記載の燃料電池システム。
【請求項13】
前記コントローラーは、
ユーティリティグリッド電力が負荷需要を満たすのに利用可能でないか否か、又は緊急状態が発生しているか否かを判断することと、
前記ユーティリティグリッド電力が前記負荷需要を満たすのに利用可能でない場合、又は前記緊急状態が発生している場合、前記第2の燃料電池を起動して、前記第2の燃料電池からDC電気エネルギーを引き出すことと、
を更に含む動作を実行するコントローラー実行可能命令を有して更に構成される、請求項8に記載の燃料電池システム。
【請求項14】
燃料電池システムを動作させる方法であって、
第1のタイプの第1の燃料電池から結合DCバスにベースレベルDC電気エネルギーを引き出すことと、
前記結合DCバスにおけるDC電圧を測定することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かを判断することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、前記第1のタイプとは異なる第2のタイプの第2の燃料電池から可変DC電気エネルギーを引き出すことと、
を含む、前記方法。
【請求項15】
前記第1の燃料電池は、固体酸化物型燃料電池スタック内に位置する固体酸化物型燃料電池であり、
前記第2の燃料電池は、プロトン交換膜型燃料電池スタック内に位置するプロトン交換膜型燃料電池である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することは、前記第1の燃料電池からの前記ベースレベルDC電気エネルギーの前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することを含み、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から前記可変DC電気エネルギーを引き出すことは、前記第2の燃料電池から前記可変レベルDC電気エネルギーを引き出すことを開始することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することは、前記第1の燃料電池からの前記ベースレベルDC電気エネルギー及び前記第2の燃料電池からの前記可変レベルDC電気エネルギーの前記結合DCバスにおける前記DC電圧を測定することを含み、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から前記可変DC電気エネルギーを引き出すことは、前記第2の燃料電池から引き出す前記可変レベルDC電気エネルギーを増大させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値を超過するか否かを判断することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値を超過することが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から引き出す前記可変レベルDC電気エネルギーを減少させることと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に等しいか否かを判断することと、
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に等しいことが判断されるのに応答して、前記第2の燃料電池から前記可変レベルDC電気エネルギーを引き出すことを止めることと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
ユーティリティグリッド電力が負荷需要を満たすのに利用可能でないか否か、又は緊急状態が発生しているか否かを判断することと、
前記ユーティリティグリッド電力が前記負荷需要を満たすのに利用可能でない場合、又は前記緊急状態が発生している場合、前記第2の燃料電池を起動して、前記第2の燃料電池から前記可変DC電気エネルギーを引き出すことと、
を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記結合DCバスにおける前記DC電圧が前記DC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、電気エネルギー貯蔵システムからDC電気エネルギーを引き出すことを更に含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、可変の負荷需要を管理する、異なるタイプの燃料電池を備える燃料電池システム等の直流(DC)電源に関する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギー発生器システムは、様々な構成を通して可変の負荷をサポートすることができる。これらの電気エネルギー発生器システムは、可変の負荷に対する電力品質を維持するように、電気エネルギー出力を連続的に変動させることが期待される。既知のエネルギー発生器システムは、負荷の可変部分の電気エネルギー出力を提供するために、バッテリ等の非発電型電気エネルギー貯蔵システム、ディーゼル発電機等の燃焼型エネルギー発生器、及び/又は電気ユーティリティグリッド等の外部電気エネルギー源に依拠している。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】
図1は、種々の実施形態を実施するのに好適な種々の実施形態に係る燃料電池システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、種々の実施形態を実施するのに好適な種々の実施形態に係るホットボックスの概略側断面図である。
【
図3】
図3は、種々の実施形態を実施するのに好適なハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、種々の実施形態を実施するのに好適な水素燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図4B】
図4Bは、種々の実施形態を実施するのに好適な水素燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5B】
図5Bは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5C】
図5Cは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5D】
図5Dは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5E】
図5Eは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5F】
図5Fは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図5G】
図5Gは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素ガス燃料を使用するハイブリッド燃料電池システムの構成要素のブロック図である。
【
図6】
図6は、グリッド独立型ハイブリッド燃料電池システムの負荷追従中の時間に対する負荷需要の例示的なプロットである。
【
図7】
図7は、マイクログリッドバックアップ型ハイブリッド燃料電池システムの負荷追従中の時間に対する負荷需要の例示的なプロットである。
【
図8】
図8は、マイクログリッドバックアップ型ハイブリッド燃料電池システムの負荷追従中の時間に対する負荷需要の例示的なプロットである。
【
図9】
図9は、種々の実施形態に係るハイブリッド燃料電池システムの負荷追従及びバックアップの方法のプロセス流れ図である。
【
図10】
図10は、種々の実施形態に係るハイブリッド燃料電池システムの負荷追従及びバックアップの方法のプロセス流れ図である。
【発明の概要】
【0004】
1つの実施形態によれば、燃料電池システムを動作させる方法は、第1のタイプの第1の燃料電池から結合DCバスにベースレベルDC電気エネルギーを引き出すことと、結合DCバスにおけるDC電圧を測定することと、結合DCバスにおけるDC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かを判断することと、結合DCバスにおけるDC電圧がDC電圧閾値に不足することが判断されるのに応答して、第1のタイプとは異なる第2のタイプの第2の燃料電池から可変DC電気エネルギーを引き出すこととを含む。
【0005】
別の実施形態によれば、燃料電池システムは、第1のタイプの第1の燃料電池と、第1のタイプとは異なる第2のタイプの第2の燃料電池と、第1のDC(直流)バスを介して第1の燃料電池に電気的に接続される第1のDC/DCコンバーターと、第2のDCバスを介して第2の燃料電池に電気的に接続される第2のDC/DCコンバーターと、結合DCバスを介して第1のDC/DCコンバーター及び第2のDC/DCコンバーターに並列して電気的に接続されるDC/AC(交流)インバーターとを備える。
【発明を実施するための形態】
【0006】
添付図面を参照して、種々の実施形態を詳細に説明する。可能な限り、同じ参照符号は、図面全体を通して同じ又は同様の部分を指すのに使用する。特定の例及び実施態様に対する参照は、例示目的でなされ、特許請求の範囲の範囲を制限することは意図していない。
【0007】
本明細書において使用される場合、「貯蔵システム」及び「エネルギー貯蔵システム」という用語は、交換可能に使用され、電気的貯蔵部、機械的貯蔵部、電気機械的貯蔵部、電気化学的貯蔵部、熱的貯蔵部等の、電力に変換することができる任意の形態のエネルギー貯蔵部を指す。例として、バッテリ、コンデンサー、スーパーキャパシター、フライホイール、液体リザーバー、ガスリザーバー等を挙げることができる。いくつかの実施形態において、エネルギー貯蔵システムは、コントローラー及び/又は電気エネルギーバスからの信号に応答して、電気接続装置及び/又は電気エネルギー調整装置等のエネルギー貯蔵システムの電気エネルギー出力を制御するように構成される、任意の組合せの構成要素を備えることができる。
【0008】
本明細書において使用される場合、「電気エネルギー」及び「電気エネルギー出力」という用語は、電圧、電流、又は電力の量を指す。電圧に関して本明細書に記載される例は、特許請求の範囲及び本明細書の範囲をそのようなタイプの電気エネルギー及び電気エネルギー出力に限定しない。
【0009】
種々の実施形態は、ハイブリッド燃料電池システムの負荷追従及びバックアップを行う電気回路、電気部品、及び方法を含む。異なる状況に対して好適な異なる特徴を有する複数のタイプの燃料電池を使用するハイブリッド燃料電池システムは、異なる燃料電池(例えば、固体酸化物型燃料電池等の第1のタイプの燃料電池を含む第1の燃料電池スタック、及びプロトン交換膜型燃料電池等の第2のタイプの燃料電池を含む第2の燃料電池スタック)を異なる方法で制御するように構成することができる。例えば、ハイブリッド燃料電池システムは、一貫した電気エネルギー出力のために第1の燃料電池(例えば、第1のタイプの燃料電池スタック)を制御するとともに、負荷需要が第1の燃料電池システムの一貫した電気エネルギー出力を超過する場合の電気エネルギー出力のために第2の燃料電池(例えば、第2のタイプの燃料電池スタック)を制御するように構成することができる。ハイブリッド燃料電池システムは、第1の燃料電池の一貫した電気エネルギー出力を超過する可変の負荷需要に追従するように、第2の燃料電池を制御するように構成することができる。
【0010】
電気エネルギー発生器システムは、様々な構成を通して可変の負荷をサポートすることができる。これらの電気エネルギー発生器システムは、可変の負荷に対する電力品質を維持するように、電気エネルギー出力を連続的に変動させることが期待される。いくつかの既知のエネルギー発生器システムは、負荷の可変部分の電気エネルギー出力を提供するために、バッテリ等の非発電型電気エネルギー貯蔵システムに依拠している。例えば、グリッド隔離又は並列化マイクログリッドとして構成される電気エネルギー発生器システムは、非発電型電気エネルギー貯蔵システムを使用することにより、負荷の可変部分をサポートするように構成される。非発電型電気エネルギー貯蔵システムは、負荷の可変部分に追従して電気エネルギーを出力する。非発電型電気エネルギー貯蔵システムを組み込むそのような電気エネルギー発生器システムは、電気エネルギー発生器及び非発電型電気エネルギー貯蔵部のサイズを最適化するための現場設計が複雑であること、設備利用率に余裕がない限り、断続的な過負荷に対する柔軟性を欠くこと、非発電型電気エネルギー貯蔵部の電力のラウンドトリップ効率が悪いこと等の問題を抱える。
【0011】
他の既知の電気エネルギー発生器システムは、負荷の可変部分の電気エネルギー出力を提供するために、ディーゼル発電機等の燃焼型エネルギー発生器に依拠する。例えば、グリッド隔離又は並列化マイクログリッドとして構成される電気エネルギー発生器システムは、燃焼型エネルギー発生器を使用することにより、負荷の可変部分をサポートするように構成される。燃焼型エネルギー発生器は、負荷の可変部分に追従して電気エネルギーを出力する。燃焼型エネルギー発生器を組み込むそのような電気エネルギー発生器システムは、燃焼型エネルギー発生器による燃料の燃焼によって発生する排出物による問題を抱える。
【0012】
他の既知の電気エネルギー発生器システムは、負荷の可変部分の電気エネルギー出力を提供するために、電気ユーティリティグリッド等の外部電気エネルギー源に依拠する。例えば、電気エネルギー発生器システムは、負荷の可変部分をサポートするために、電気ユーティリティグリッドに依拠するグリッド並列化マイクログリッドとして構成することができる。しかしながら、電気ユーティリティグリッドが故障した場合又は緊急のグリッド隔離イベント中、電気エネルギー発生器システムは、負荷の可変部分をサポートするために、非発電型電気エネルギー貯蔵システム又は燃焼型エネルギー発生器に依拠しなければならない。グリッドの故障又は隔離が長引く間(例えば、数日~数週間、野火またはハリケーン等の他の天候イベント等に起因した電源遮断イベント)、非発電型電気エネルギー貯蔵システムを備える電気エネルギー発生器システムは、設備コスト及び不動産コストの観点から経済的でない。グリッドの故障又は隔離が長引く間、燃焼型エネルギー発生器を備える電気エネルギー発生器システムは、長引く持続時間にわたって燃焼型エネルギー発生器による燃料の燃焼によって発生する排出物が増大することによる問題を抱える。
【0013】
本明細書における実施形態は、異なる状況に対して好適な異なる特徴を有する複数のタイプの燃料電池を使用するハイブリッド燃料電池システムを実施することにより、負荷の可変部分をサポートするために非発電型電気エネルギー貯蔵システム及び/又は燃焼型エネルギー発生器を使用する既知の電気エネルギー発生器システムに伴う上述の問題に対処する。本システムは、異なる燃料電池を異なる方法で制御するように構成することができる。本発明者らは、固体酸化物型燃料電池(SOFC)が、一定の電力出力において高効率及び長寿命をもたらし、したがって、マイクログリッドにおけるベース負荷用途に十分に適することを理解した。これに対して、プロトン交換膜(PEM)型燃料電池は、動作温度が低いために、SOFCよりも始動が迅速で、負荷追従性が良好であり、マイクログリッドのアイランドモード(islanded mode)におけるバックアップ電力及び変動負荷に十分に適する。ハイブリッド燃料電池システムは、一貫した電気エネルギー出力のためにSOFC(例えば、SOFCスタック)を制御するとともに、SOFCの一貫した電気エネルギー出力を超過する負荷需要を満たす電気エネルギー出力のためにPEM燃料電池(例えば、PEM燃料電池スタック)を制御するように構成することができる。ハイブリッド燃料電池システムは、SOFCの一貫した電気エネルギー出力を超過する可変の負荷需要に追従するように、PEM燃料電池を制御するように構成することができる。SOFC及びPEM燃料電池の双方を使用するハイブリッド燃料電池システムは、負荷のベース部分をサポートするSOFC及び負荷の可変部分をサポートするPEM燃料電池を利用することができ、負荷の可変部分をサポートするために非発電型電気エネルギー貯蔵システム及び/又は燃焼型エネルギー発生器を使用する既知の電気エネルギー発生器システムに勝る優れた性能をもたらすことができる。同様に、SOFCを使用して負荷のベース部分をサポートするとともに、PEM燃料電池を使用して負荷の可変部分をサポートするハイブリッド燃料電池システムは、SOFC及びPEM燃料電池を別個に使用する燃料電池システムに勝る優れた性能をもたらすことができる。
【0014】
SOFCが、一貫した電気エネルギー出力を提供することができるとともに、PEM燃料電池が、SOFCの一貫した電気エネルギー出力を超過する可変の負荷需要に追従する電気エネルギー出力を提供することができるように、ハイブリッド燃料電池システムを制御することにより、ハイブリッド燃料電池システムが、様々なグリッド独立、グリッド故障、又はグリッド隔離状況における可変の負荷をサポートすることを可能にすることができる。例えば、ハイブリッド燃料電池システムは、可変の負荷追従及び/又は緊急負荷サポートを可能にするために、グリッド独立マイクログリッド用途において可変の負荷をサポートするように制御することができる。別の例において、ハイブリッド燃料電池システムは、ピークシェービング、グリッド故障バックアップ、及び/又は緊急負荷サポートを可能にするために、グリッド並列マイクログリッド用途において可変の負荷をサポートするように制御することができる。
【0015】
ハイブリッド燃料電池システムの制御は、SOFC及びPEM燃料電池の双方からの直流電気エネルギーを伝送するように構成される結合DCバスにおける、直流(DC)電圧またはDC電圧に基づくことができる。結合DCバスは、DC電気エネルギーを負荷に伝送することができる。AC(交流)/DCインバーターは、結合DCバスからDC電気エネルギーを受け取り、DC電気エネルギーをAC電気エネルギーに変換し、AC電気エネルギーを負荷に伝送することができる。AC/DCインバーターは、結合DCバスにおけるDC電圧が閾値に不足することが判断されるのに応答して、PEM燃料電池からDC電気エネルギーを引き出すように制御することができる。AC/DCインバーターは、結合DCバスにおけるDC電圧が、閾値を上回る負荷の負荷需要の可変部分を満たすか否かが判断されるのに応答して、PEM燃料電池から引き出すDC電気エネルギーを増減するように制御することができる。AC/DCインバーターは、結合DCバスにおけるDC電圧が閾値を超過しないことが判断されるのに応答して、PEM燃料電池からDC電気エネルギーを引き出すことを止めるように制御することができる。
【0016】
図1は、米国特許第8,440,362号により完全に記載されているモジュール式燃料電池システムを含む1つの電気エネルギー発生器の一例を示している。この米国特許は、モジュール式燃料電池システムの記載に関して参照により本明細書に援用する。このモジュール式システムは、上述の及び米国特許第9,190,693号に記載のモジュール及び構成要素を含むことができる。この米国特許は、モジュール式燃料電池システムの記載に関して参照により本明細書に援用する。燃料電池システム筐体10のモジュール式設計は、柔軟なシステムの設置及び動作を提供する。
【0017】
モジュール式燃料電池システム筐体10は、複数のパワーモジュールハウジング12(燃料電池パワーモジュール構成要素を収容する)と、1つ以上の燃料入力(すなわち、燃料処理)モジュールハウジング16と、1つ以上の電力調整(すなわち、電気出力)モジュールハウジング18とを含む。例えば、システム筐体は、2個~30個のパワーモジュール、例えば6個~12個のパワーモジュール等の任意の所望の数のモジュールを含むことができる。
図1は、共通のベース20上に、6つのパワーモジュール(6つのモジュールを横1列に重ねたもの)と、1つの燃料処理モジュールと、1つの電力調整モジュールとを含むシステム筐体10を示している。各モジュールは、各自のキャビネット又はハウジングを備えることができる。代替的に、電力調整モジュールと燃料処理モジュールとを組み合わせて、1つのキャビネット又はハウジング14内に位置する単一の入力/出力モジュールにすることができる。簡潔にするために、各ハウジング12、14、16、18は、以下では「モジュール」と称する。
【0018】
1列のパワーモジュール12が示されているが、システムは、2列以上のモジュール12を備えてもよい。例えば、システムは、背中合わせに重ねられた2列のパワーモジュールを備えてもよい。
【0019】
各パワーモジュール12は、1つ以上のホットボックス13を収容するように構成される。各ホットボックスは、導電性インターコネクトプレートによって分離されるセラミック酸化物電解質を有する固体酸化物型燃料電池の1つ以上のスタック又はカラム等の、燃料電池の1つ以上のスタック又はカラム(明確にするため図示せず)を収容する。PEM、溶融炭酸塩、リン酸等の他のタイプの燃料電池を使用することもできる。
【0020】
モジュール式燃料電池システム筐体10は、1つ以上の入力又は燃料処理モジュール16も含む。このモジュール16は、脱硫床等の、燃料の前処理に使用される構成要素を収容するキャビネットを備える。燃料処理モジュール16は、異なるタイプの燃料を処理するように設計することができる。例えば、ディーゼル燃料処理モジュール、天然ガス燃料処理モジュール、及びエタノール燃料処理モジュールを同じ又は別個のキャビネット内に設けることができる。特定の燃料に合わせて調整された異なる床組成を各モジュール内に設けることができる。処理モジュール(複数の場合もある)16は、パイプラインから供給される天然ガス、圧縮天然ガス、メタン、プロパン、液体石油ガス、ガソリン、ディーゼル、家庭用暖房油、灯油、JP-5、JP-8、航空燃料、水素、アンモニア、エタノール、メタノール、合成ガス、バイオガス、バイオディーゼル、及び他の好適な炭化水素又は水素含有燃料から選択される燃料のうちの少なくとも1つを処理することができる。所望の場合、燃料処理モジュール16内に改質器17を配置してもよい。代替的に、改質器17を燃料電池スタック(複数の場合もある)と熱的に統合することが望ましい場合、別個の改質器17をそれぞれのパワーモジュール12内の各ホットボックス13内に配置することができる。さらに、内部改質型燃料電池が使用される場合、外部の改質器17を完全に省くことができる。
【0021】
モジュール式燃料電池システム筐体10は、1つ以上の電力調整モジュール18も含む。電力調整モジュール18は、燃料電池スタックによって発生したDC電力をAC電力に変換する構成要素、グリッドに出力されるAC電力用の電気コネクタ、電気的過渡現象を管理する回路、システムコントローラー(例えば、コンピューター又は専用の制御ロジックデバイス又は回路)を収容するキャビネットを備える。電力調整モジュール18は、燃料電池モジュールからのDC電力を異なるAC電圧及び周波数に変換するように設計することができる。208V、60Hz;480V、60Hz;415V、50Hz及び他の一般的な電圧及び周波数用の設計を提供することができる。
【0022】
燃料処理モジュール16及び電力調整モジュール18は、1つの入力/出力キャビネット14内に収容してもよい。単一の入力/出力キャビネット14が設けられる場合、モジュール16及び18は、キャビネット14内で上下方向に(例えば、燃料処理モジュール16の脱硫キャニスター/床の上に電力調整モジュール18の構成要素)又は横並びで配置することができる。
【0023】
図1の例示的な実施形態に示されているように、6つのパワーモジュール12の1列に対して1つの入力/出力キャビネット14が設けられ、6つのパワーモジュール12は、入力/出力モジュール14の片側に直線的に横並びで配置される。モジュールの列は、例えば、システムが電力を提供する建造物に隣接して(例えば、モジュールのキャビネットの背面が建造物の壁に面するように)位置決めすることができる。1列のパワーモジュール12が示されているが、システムは、2列以上のモジュール12を備えてもよい。例えば、上述のように、システムは、背中合わせに重ねられた2列のパワーモジュールを備えてもよい。
【0024】
パワーモジュール12及び入力/出力モジュール14のそれぞれは、モジュールの内部構成要素に(例えば、メンテナンス、修理、交換等のために)アクセスすることを可能にするドア30(例えば、ハッチ、アクセスパネル等)を備える。1つの実施形態によれば、モジュール12及び14は、各キャビネットの片面にのみドア30を有する直線的な配列で配置され、システムの連続する列を端同士当接させて設置することが可能になる。このようにして、燃料電池筐体10のサイズ及び容量は、既存のモジュール12及び14並びにベース20を再配置する必要を最小限にしながら、追加のモジュール12又は14及びベース20によって調整することができる。所望の場合、モジュール14へのドア30は、キャビネットの前面ではなく側面に配置してもよい。
【0025】
図2は、燃料電池スタック又はカラム40を備える燃料電池システムホットボックス13の平面図を示している。ホットボックス13は、燃料電池スタック又はカラム40を備えるように示されている。ただし、ホットボックス13は、スタック又はカラム40を2つ以上備えることができる。スタック又はカラム40は、互いに重ねられ、電気的に接続される燃料電池45を含むことができ、燃料電池45間にはインターコネクト50が配置されている。スタック又はカラムにおける最初の燃料電池及び最後の燃料電池45は、それぞれのエンドプレート60とインターコネクト50との間に配置される。エンドプレート60は、燃料電池スタック又はカラム40の電気出力に電気的に接続される。ホットボックス13は、燃料導管、空気導管、シール、電気接点等の他の構成要素を備えることができ、バランスオブプラント構成要素を含む燃料電池システムに組み込むことができる。燃料電池45は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)又はスカンジア安定化ジルコニア(SSZ)等のセラミック電解質と、ニッケル-YSZ、Ni-SSZ、又はニッケル-サマリアドープセリア(SDC)サーメット等のアノード電極と、ランタンストロンチウムマンガナイト(LSM)等のカソード電極とを含む固体酸化物型燃料電池とすることができる。インターコネクト50及び/又はエンドプレート60は、任意の好適なガス不透過性の導電性材料、例えばクロム-鉄合金、例えば、4wt%~6wt%の鉄と残部のクロムとを含有する合金を含むことができる。インターコネクト50は、隣り合う燃料電池45を電気的に接続し、燃料及び空気が燃料電池45に到達するためのチャネルを提供する。
【0026】
図3は、種々の実施形態を実施するのに好適なハイブリッド燃料電池システム300を示している。
図1~
図3を参照すると、ハイブリッド燃料電池システム300は、DC電気エネルギーを発生させて、負荷(図示せず)をサポートするように構成されるSOFCスタック302及びPEM燃料電池スタック(簡潔にするために、本明細書において「PEMスタック」と称する)304を備えることができる。SOFCスタック302は、
図1に示されている1つ以上のパワーモジュール12内に位置することができ、一方、PEMスタック304は、
図1に示されている1つ以上の他のパワーモジュール12内に位置することができる。代替的に、SOFCスタック302及びPEMスタック304は、異なる列内及び/又は異なるベース上に位置する異なるパワーモジュール12内に位置してもよい。代替的に、SOFCスタック302及びPEMスタック304が同じパワーモジュール12内に位置してもよい。システム300は、複数のSOFCスタック302及び/又は複数のPEMスタック304を備えることができることを理解すべきである。
【0027】
ハイブリッド燃料電池システム300は、任意の数及び組合せのDC/DCコンバーター308a、308b及び少なくとも1つのDC/ACインバーター310等の様々な電力調整要素を備えることができる。SOFCスタック302は、DCバス312aを介してDC/DCコンバーター308aに電気的に接続することができる。PEMスタック304は、DCバス312bを介してDC/DCコンバーター308bに電気的に接続することができる。DCバス312a、312bは、SOFCスタック302からDC/DCコンバーター308aに、及びPEMスタック304からDC/DCコンバーター308bに、DC電気エネルギーを伝送するように構成することができる。DC/DCコンバーター308a、308bは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310に電気的に接続することができる。結合DCバス314は、DC/DCコンバーター308a、308bからのDC電気エネルギーをDC/ACインバーター310に伝送するように構成することができる。
【0028】
ハイブリッド燃料電池システム300は、任意選択として、電気エネルギー貯蔵システム306を備えることができる。例えば、電気エネルギー貯蔵システム306は、電気的貯蔵部、機械的貯蔵部、電気機械的貯蔵部、電気化学的貯蔵部、熱的貯蔵部等を含むことができる。例として、バッテリ、コンデンサー、スーパーキャパシター、フライホイール、液体リザーバー、ガスリザーバー等を挙げることができる。ハイブリッド燃料電池システム300は、任意の数及び組合せのDC/DCコンバーター308c等の様々な追加の任意選択の電力調整要素を備えることができる。電気エネルギー貯蔵システム306は、DCバス312cを介してDC/DCコンバーター308cに電気的に接続することができる。DCバス312cは、電気エネルギー貯蔵システム306からのDC電気エネルギーをDC/DCコンバーター308cに伝送するように構成することができる。DC/DCコンバーター308cは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310に電気的に接続することができる。結合DCバス314は、DC/DCコンバーター308cからのDC電気エネルギーをDC/ACインバーター310に伝送するように構成することができる。
【0029】
ハイブリッド燃料電池システム300は、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、DC/ACインバーター310、DCバス312a~312c、及び/又は結合DCバス314に(例えば、有線及び/又は無線データ接続を介して)通信接続される、任意の数及び組合せのコントローラー320(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラー、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の任意のソフトウェアプログラマブルプロセッサ)を備えることができる。例えば、1つ以上のコントローラー320は、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、及び/又はDC/ACインバーター310に通信接続されるとともに、それらの外部にある、ハイブリッド燃料電池システム300の構成要素とすることができる。別の例として、1つ以上のコントローラー320は、DC/DCコンバーター308a~308c及び/又はDC/ACインバーター310に通信接続されるとともに、それらと一体である、ハイブリッド燃料電池システム300の構成要素とすることができる。1つ以上のコントローラー320は、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、及び/又はDC/ACインバーター310に制御信号を提供する、及び/又はそれらの機能を直接制御するように構成することができる。1つ以上のコントローラー320は、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、及び/又はDC/ACインバーター310から、DCバス312a~312c及び/又は結合DCバス314におけるDC電圧を示すように構成される信号を受信するように構成することができる。1つ以上のコントローラー320は、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、DC/ACインバーター310、DCバス312a~312c、及び/又は結合DCバス314において、DCバス312a~312c及び/又は結合DCバス314におけるDC電圧を直接測定するように構成することができる。
【0030】
SOFCスタック302は、DCバス312aを介してDC/DCコンバーター308aにDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。SOFCスタック302は、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷のベースレベル負荷需要によって決定され得るベースレベルスタックDC電気エネルギーを提供するようなサイズであるとともに、別様にそのように構成することができる。ベースレベルスタックDC電気エネルギーは、ベースレベル負荷需要をサポートするのに必要なDC電圧の量として構成することができる。任意選択として、SOFCスタック302によって出力されるDC電圧の量は、ベースレベルスタックDC電気エネルギー等の一定量のDC電圧となるように制御することができる。SOFCスタック302によって出力されるDC電圧の量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0031】
DC/DCコンバーター308aは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310にDC電気エネルギー(例えば、DC電力)を提供するように構成することができる。DC/DCコンバーター308aは、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷のベースレベル負荷需要によって決定され得るベースレベル調整済みDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。ベースレベル調整済みDC電気エネルギーは、ベースレベル負荷需要をサポートするのに必要なDC電圧の量として構成することができる。DC/DCコンバーター308aによって出力されるDC電圧の量は、ベースレベル調整済みDC電気エネルギー等の一定量のDC電圧となるように制御することができる。DC/DCコンバーター308aによって出力されるDC電圧の量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0032】
PEMスタック304は、DCバス312bを介してDC/DCコンバーター308bにDC電気エネルギー(例えば、DC電力)を提供するように構成することができる。PEMスタック304は、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷の可変レベル負荷需要によって決定され得る可変レベルスタックDC電気エネルギーを提供するようなサイズであるとともに、別様にそのように構成することができる。可変レベル負荷需要は、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷のベースレベル負荷需要に付加される、或るレベルの負荷需要とすることができる。可変レベルスタックDC電気エネルギーは、可変レベル負荷需要をサポートするのに必要なDC電圧の量として構成することができる。PEMスタック304によって出力されるDC電圧の量は、可変レベルスタックDC電気エネルギー等の可変量のDC電圧として制御することができる。PEMスタック304によって出力されるDC電圧の量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0033】
DC/DCコンバーター308bは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310にDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。DC/DCコンバーター308bは、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷の可変レベル負荷需要によって決定され得る可変レベル調整済みDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、可変レベル負荷需要をサポートするのに必要なDC電圧の量として構成することができる。DC/DCコンバーター308bによって出力されるDC電圧の量は、可変レベル調整済みDC電気エネルギー等の可変量のDC電圧として制御することができる。DC/DCコンバーター308bによって出力されるDC電圧の量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0034】
DC/ACインバーター310は、AC電気エネルギー(例えば、AC電力)を負荷に提供するように構成することができる。DC/ACインバーター310は、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷の負荷需要をサポートするために、AC電気エネルギーを提供するように構成することができる。負荷需要は、限定はしないが、ベースレベル負荷需要及び可変レベル負荷需要を含む任意のレベルの負荷需要とすることができる。DC/ACインバーター310は、負荷需要に関連して結合DCバス314からDC電気エネルギーを引き出し、DC電気エネルギーをAC電気エネルギーに変換し、ACバスによってハイブリッド燃料電池システム300に電気的に接続可能とすることができる負荷にAC電気エネルギーを提供することができる。DC/ACインバーター310は、負荷需要における対応する増減に応答して、結合DCバス314から引き出すDC電気エネルギーを増減させることができる。負荷需要は、ベースレベル負荷需要と可変レベル負荷需要との組合せとして構成することができる。例えば、可変レベル負荷需要の増大によって負荷需要が増大することに応答して、DC/ACインバーター310は、結合DCバス314から引き出すDC電気エネルギーを増大させることができる。可変レベル負荷需要の減少によって負荷需要が減少することに応答して、DC/ACインバーター310は、結合DCバス314から引き出すDC電気エネルギーを減少させることができる。DC/ACインバーター310によって引き出されるDC電気エネルギーの量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0035】
コントローラー320は、結合DCバス314においてDC電圧を測定するように構成することができる。例えば、コントローラー320は、コントローラー320に結合DCバス314におけるDC電圧を示すように構成される、DC/DCコンバーター308a、308b及び/又はDC/ACインバーター310からの信号を受信することができる。別の例において、コントローラー320は、結合DCバス314において直接DC電圧を測定することができる。コントローラー320は、結合DCバス314におけるDC電圧をDC電圧閾値と比較することができる。例えば、DC電圧閾値は、所定のDC電圧目標とすることができる。結合DCバス314におけるDC電圧がDC電圧閾値に不足する場合、コントローラー320は、結合DCバス314におけるDC電圧が不十分であることを判断することができる。結合DCバス314におけるDC電圧の不足は、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷が、DC/DCコンバーター308aを介してSOFCスタック302からのベースレベルスタックDC電気エネルギーによって提供することができるものを上回る量のAC電気エネルギーを要求することによって発生し得る。したがって、可変レベル負荷需要は、負荷需要の一部として含まれ得る。例えば、可変レベル負荷需要が増大すると、DC/ACインバーター310によって引き出されるDC電気エネルギーの増大、及び結合DCバス314におけるDC電圧の減少を引き起こす場合がある。コントローラー320は、少なくともDC電圧閾値を達成するように、結合DCバス314におけるDC電圧を増大させることができる。結合DCバス314における電圧の増大は、実際、負荷需要をサポートするのに十分であり得る。コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、DCバス312bを介してPEMスタック304からDC電気エネルギーを引き出すことを開始させることができる。コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、結合DCバス314におけるDC電圧が少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であるように、或る量のDC電気エネルギーを引き出させることができる。PEMスタック304からDC/DCコンバーター308bによって引き出されるDC電気エネルギーの量は、結合DCバス314におけるDC電圧の不足を補って、少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る。したがって、実際、PEMスタック304からDC/DCコンバーター308bによって引き出されるDC電気エネルギーの量は、負荷需要の可変レベル負荷需要部分をサポートするのに十分であり得る。PEMスタック304がオフの場合、PEMスタック304は、コントローラー320の信号に応答して、及び/又はDC/DCコンバーター308bによって電力が引き出されるのに応答して再始動することができる。PEMスタック304はSOFCスタック302よりも迅速に再始動することができるため、PEMスタック304を使用して、DC電圧閾値、つまりは負荷需要を満たすのに必要な追加のDC電気エネルギー(すなわち、電力)を迅速に提供することができる。
【0036】
DC/DCコンバーター308bがPEMスタック304からDC電気エネルギーを引き出している間、結合DCバス314におけるDC電圧がDC電圧閾値に不足する場合、コントローラー320は、結合DCバス314におけるDC電圧が不十分であることを判断することができる。結合DCバス314におけるDC電圧の不足は、負荷が、DC/DCコンバーター308aを介してSOFCスタック302からのベースレベルスタックDC電気エネルギーによって提供されるもの、及びDC/DCコンバーター308bを介してPEMスタック304からの可変レベルスタックDC電気エネルギーによって提供されるものを上回る量のAC電気エネルギーを要求することによって発生し得る。コントローラー320は、少なくともDC電圧閾値を達成するように、結合DCバス314におけるDC電圧を増大させるように構成することができる。結合DCバス314における電圧の増大は、実際、負荷需要の可変レベル負荷需要部分の増大を含み得る、負荷需要の増大をサポートするのに十分であり得る。例えば、可変レベル負荷需要が増大すると、DC/ACインバーター310によって引き出されるDC電気エネルギーの増大、及び結合DCバス314におけるDC電圧の減少を引き起こす場合がある。コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、DCバス312bを介してPEMスタック304から引き出すDC電気エネルギーを増大させることができる。コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、結合DCバス314におけるDC電圧が少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であるように、或る量のDC電気エネルギーを引き出させることができる。DC/DCコンバーター308bによってPEMスタック304から引き出されるDC電気エネルギーの量は、実際、負荷需要の可変レベル負荷需要部分をサポートするのに十分であり得る。
【0037】
これに対して、DC/DCコンバーター308bがPEMスタック304からDC電気エネルギーを引き出している間、結合DCバス314におけるDC電圧がDC電圧閾値を超過する場合、コントローラー320は、結合DCバス314におけるDC電圧が過剰であることを判断することができる。結合DCバス314におけるDC電圧の過剰は、負荷が、DC/DCコンバーター308aを介してSOFCスタック302からのベースレベルスタックDC電気エネルギーによって提供されるもの、及びDC/DCコンバーター308bを介してPEMスタック304からの可変レベルスタックDC電気エネルギーによって提供されるものを下回る量のAC電気エネルギーを要求することによって発生し得る。コントローラー320は、DC電圧閾値を達成するように、結合DCバス314におけるDC電圧を減少させるように構成することができる。結合DCバス314における電圧の減少は、実際、負荷需要の可変レベル負荷需要部分の減少を含み得る、負荷需要の減少をサポートするのに十分であり得る。例えば、可変レベル負荷需要が減少すると、DC/ACインバーター310によって引き出されるDC電気エネルギーの減少、及び結合DCバス314におけるDC電圧の増大を引き起こす場合がある。コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、DCバス312bを介してPEMスタック304から引き出すDC電気エネルギーを減少及び/又は停止させることができる。コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、結合DCバス314におけるDC電圧がDC電圧閾値を達成するのに十分であるように、或る量のDC電気エネルギーを引き出させる又はDC電気エネルギーを引き出すことを停止させることができる。DC/DCコンバーター308bによってPEMスタック304から引き出されるDC電気エネルギーの量は、実際、負荷需要の可変レベル負荷需要部分をサポートするのに十分であり得る。可変レベル負荷需要は、負荷需要がベースレベル負荷需要とおおよそ等しいか又はベースレベル負荷需要よりも小さくなり得るレベルまで減少する場合があり、その結果、結合DCバス314におけるDC電圧がDC電圧閾値とおおよそ等しいか又はDC電圧閾値よりも大きくなり得るように、結合DCバス314からDC/ACインバーター310によって引き出されるDC電気エネルギーが減少する場合がある。そのような点において、コントローラー320は、DC/DCコンバーター308bに合図を送る及び/又はDC/DCコンバーター308bを直接制御して、PEMスタック304からDCバス312bを介してDC電気エネルギーを引き出すことを止めさせることができる。そのような点において、実際、負荷需要は、PEMスタック304からの可変レベルスタックDC電気エネルギーを伴わずに、SOFCスタック302からのベースレベルスタックDC電気エネルギーによってサポートすることができる。
【0038】
任意選択の電気エネルギー貯蔵システム306は、任意選択のDCバス312cを介して任意選択のDC/DCコンバーター308cにDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。任意選択の電気エネルギー貯蔵システム306は、ハイブリッド燃料電池システム300が配備される負荷に提供されるAC電気エネルギーの量及び/又は質を改変するように構成することができる、貯蔵システムDC電気エネルギーを提供するようなサイズであるとともに、別様にそのように構成することができる。貯蔵システムDC電気エネルギーは、AC電気エネルギーの量及び/又は質を改変するのに必要な量のDC電圧を提供するように構成することができる。例えば、SOFCスタック302及びPEMスタック304によって出力される電気エネルギーの組合せが、DC電圧閾値に達することができない場合、貯蔵システム306からインバーター310に追加の電気エネルギー(すなわち、電力)が提供される。代替的に、SOFCスタック302及び/又はPEMスタック304が(例えば、整備のため又は燃料不足に起因して)オフラインにされる場合、貯蔵システム306からインバーター310に電気エネルギーが提供される。電気エネルギー貯蔵システム306によって出力されるDC電圧の量は、貯蔵システムDC電気エネルギー等の或る量のDC電圧として制御することができる。電気エネルギー貯蔵システム306によって出力されるDC電圧の量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0039】
DC/DCコンバーター308cは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310にDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。DC/DCコンバーター308cは、貯蔵システム調整済みDC電気エネルギーを提供するように構成することができる。貯蔵システム調整済みDC電気エネルギーは、AC電気エネルギーの量及び/又は質を改変するのに必要な量のDC電圧として構成することができる。DC/DCコンバーター308cによって出力されるDC電圧の量は、貯蔵システム調整済みDC電気エネルギー等の或る量のDC電圧として制御することができる。DC/DCコンバーター308cによって出力されるDC電圧の量は、コントローラー320によって制御することができる。
【0040】
図4A及び
図4Bは、種々の実施形態を実施するのに好適な水素燃料を使用するハイブリッド燃料電池システム400a、400bを示している。
図1~
図4Bを参照すると、ハイブリッド燃料電池システム400a、400bは、
図3を参照して記載したように、SOFCスタック302、PEMスタック304、並びに、任意の数及び組合せのDC/DCコンバーター308a、308b及びDC/ACインバーター310等の様々な電気エネルギー調整要素を含む、ハイブリッド燃料電池システム300の任意の数及び組合せの構成要素を備えることができる。SOFCスタック302は、DCバス312aを介してDC/DCコンバーター308aに電気的に接続することができる。PEMスタック304は、DCバス312bを介してDC/DCコンバーター308bに電気的に接続することができる。DC/DCコンバーター308a、308bは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310に電気的に接続することができる。ハイブリッド燃料電池システム400a、400bは、任意選択として、電気エネルギー貯蔵システム306と、任意の数及び組合せのDC/DCコンバーター308c等の様々な任意選択の電気エネルギー調整要素とを備えることができる。電気エネルギー貯蔵システム306は、DCバス312cを介してDC/DCコンバーター308cに電気的に接続することができる。DC/DCコンバーター308cは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310に電気的に接続することができる。ハイブリッド燃料電池システム400a、400bは、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、DC/ACインバーター310、DCバス312a~312c、及び/又は結合DCバス314に通信接続される、任意の数及び組合せのコントローラー320を備えることができる。
【0041】
ハイブリッド燃料電池システム400a、400bは、1つ以上の水素燃料源に流体接続可能とすることができる。具体的には、ハイブリッド燃料電池システム400a、400bのSOFCスタック302及び/又はPEMスタック304のうちの少なくとも一方は、1つ以上の水素燃料源に流体接続可能とすることができる。例えば、SOFCスタック302及びPEMスタック304は、水素燃料貯蔵槽(例えば、水素ガス貯蔵タンク)等の外部水素燃料源322に流体接続することができる。水素燃料源は、水素圧送ステーションにおいて充填された後、発電現場に配送される水素タンク(例えば、シリンダー)を含むことができ、及び/又は発電現場において水素タンカートラックによって充填することができる。SOFCスタック302及びPEMスタック304は、水素燃料源322から水素を受け取り、その水素を使用して、ベースレベルスタックDC電気エネルギー及び可変レベルスタックDC電気エネルギーを発生させることができる。SOFCスタック302及びPEMスタック304は、流体接続可能な水素燃料源から一定及び/又は可変の割合で水素を受け取る又は吸入することができる。例えば、SOFCスタック302は、流体接続可能な水素燃料源から一定の割合で水素を受け取ることができ、PEMスタック304は、流体接続可能な水素燃料源から可変の割合で水素を受け取ることができる。
【0042】
ハイブリッド燃料電池システム400aに関する
図4Aに示されている1つの実施形態において、SOFCスタック302及びPEMスタック304は、それぞれの水素燃料導管(例えば、パイプ等)324a及び324bを介して外部水素燃料源322に別個に流体接続することができる。
【0043】
ハイブリッド燃料電池システム400bに関する
図4Bに示されている別の実施形態において、SOFCスタック302は、水素燃料導管324を介して外部水素燃料源322に流体接続することができる。一方、PEMスタック304は、外部水素燃料源322に直接接続されない。代わりに、PEMスタック304の燃料入口が、SOFCスタックのアノード排気から水素を受け取るように、排気導管326を介してSOFCスタック302のアノード排気に流体接続される。SOFCスタック302は、アノード電極において燃料入口流として水素を受け取り、カソード電極において空気を受け取るとともに、アノード電極からアノード排気流として、水と未使用の水素との混合物を出力することができる。その後、アノード排気流は、排気導管326を介してPEMスタック304の燃料入口に燃料として提供される。
【0044】
図5A~
図5Gは、種々の実施形態を実施するのに好適な炭化水素燃料(例えば、天然ガス、純粋メタン、ペンタン、バイオガス等)を使用するハイブリッド燃料電池システム500a~500gを示している。
図1~
図5Gを参照すると、ハイブリッド燃料電池システム500a~500gは、
図3を参照して記載したように、SOFCスタック302、PEMスタック304、並びに、任意の数及び組合せのDC/DCコンバーター308a、308b及びDC/ACインバーター310等の様々な電気エネルギー調整要素を含む、ハイブリッド燃料電池システム300の任意の数及び組合せの構成要素を備えることができる。SOFCスタック302は、DCバス312aを介してDC/DCコンバーター308aに電気的に接続することができる。PEMスタック304は、DCバス312bを介してDC/DCコンバーター308bに電気的に接続することができる。DC/DCコンバーター308a、308bは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310に電気的に接続することができる。ハイブリッド燃料電池システム500a~500gは、任意選択として、電気エネルギー貯蔵システム306と、任意の数及び組合せのDC/DCコンバーター308c等の様々な任意選択の電気エネルギー調整要素とを備えることができる。電気エネルギー貯蔵システム306は、DCバス312cを介してDC/DCコンバーター308cに電気的に接続することができる。DC/DCコンバーター308cは、結合DCバス314を介してDC/ACインバーター310に電気的に接続することができる。ハイブリッド燃料電池システム500a~500gは、SOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、DC/ACインバーター310、DCバス312a~312c、及び/又は結合DCバス314に通信接続される、任意の数及び組合せのコントローラー320を備えることができる。
【0045】
ハイブリッド燃料電池システム500a~500gは、1つ以上の炭化水素燃料源に流体接続可能とすることができる。具体的には、ハイブリッド燃料電池システム500a~500gのSOFCスタック302は、炭化水素燃料導管524を介して1つ以上の外部炭化水素燃料源522に流体接続することができ、一方、PEMスタックは、SOFCスタック302のアノード排気及び/又は外部水素燃料源322に流体接続される。炭化水素燃料源522は、都市天然ガスライン等のガスパイプライン、及び/又はガス若しくは液体燃料タンク等の炭化水素燃料貯蔵槽を含むことができる。炭化水素燃料源522は、炭化水素燃料導管524を介してSOFCスタック302の燃料入口に、天然ガス、メタン、バイオガス、プロパン等のガス又は液体燃料を提供することができる。
【0046】
図5A~
図5Cに示されている例において、燃料入口PEMスタック304は、SOFCスタック302のアノード排気に流体接続される。SOFCアノード排気は、CO、CO2、H2、及びH2O(及び未使用の炭化水素燃料)の混合物を含み得る。電気化学式水素ポンプ(図示せず)等の水素ポンプを使用して、SOFCアノード排気からの水素(及び任意選択として水蒸気)を上記混合物から分離し、PEMスタック304に供給するために使用することができる。SOFCアノード排気内の水素の利用率に基づき、SOFCスタック定格のおよそ30%~およそ40%をPEMスタック304において達成することができる。
【0047】
図5Aに示されている例において、PEMスタック304は、排気導管326及び排気導管326上に位置する水素バッファータンク502を介して、SOFCスタック302のSOFCアノード排気から水素を受け取ることができる。水素は、水素バッファータンク502内に一時的に貯蔵し、その後、PEMスタックの動作中にPEMスタック304に提供することができる。水素バッファータンク502内に貯蔵された水素からは、水蒸気(すなわち、水分)を除去することができる。
【0048】
図5Bに示されている例において、PEMスタック304は、水素バッファータンク502を使用せずに、SOFCスタック302から直接排気導管326を介して、SOFCアノード排気から水素を受け取ることができる。水素ポンプは、SOFCスタック302のアノード排気からPEMスタック304の燃料入口に水素及び水蒸気の双方(すなわち、加湿水素)を提供することができる。
【0049】
図5Cに示されている例において、PEMスタック304は、水素バッファータンク502を含む第1の排気導管326aを介してSOFCスタック302のSOFCアノード排気から、及び第2の排気導管326bを介してSOFCスタック302から直接、水素を受け取ることができる。この場合、水素バッファータンク502は、第2のアノード排気導管326bがPEMスタック304に加湿水素燃料を供給している間、第2の排気導管326bが、PEMスタックによって必要とされる十分な水素燃料を供給することができない場合、PEMスタック304によって必要とされる追加の水素燃料を供給することができる。
【0050】
図5D~
図5Gに示されている例において、PEMスタック304は、外部水素燃料源322に流体接続される。
図5Dに示されている例において、PEMスタック304は、水素燃料導管324bを介して水素貯蔵タンク322から水素を受け取る。この例では、PEMスタック304は、SOFCスタック302のアノード排気に流体接続されない。
図5Eに示されている例において、PEMスタック304は、SOFCスタック302から直接アノード排気導管326を介して、及び水素貯蔵タンク322から水素燃料導管324bを介して、SOFCスタック302のSOFCアノード排気から水素を受け取ることができる。
図5Fに示されている例において、PEMスタック304は、水素バッファータンク502及び導管326を介して、並びに水素貯蔵タンク322から導管324bを介して、SOFCスタック302のSOFCアノード排気から水素を受け取ることができる。
図5Gに示されている例において、PEMスタック304は、水素バッファータンク502及び導管326aを介してSOFCスタック302のSOFCアノード排気から、SOFCスタック302から直接導管326bを介してSOFCアノード排気から、並びに水素貯蔵タンク322から導管324bを介して、水素を受け取ることができる。
【0051】
図6は、グリッド独立型ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の負荷追従中の時間に対する負荷需要の例示的なプロット600を示している。
図1~
図6を参照すると、ハイブリッド燃料電池システムは、少なくともDCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)におけるDC電圧閾値を達成するのに十分なDC電気エネルギーを発生させることができる。DC電圧閾値は、所定のDC電圧目標とすることができる。例えば、DC電圧閾値は、ハイブリッド燃料電池システムが配備される負荷の負荷需要をサポートするのに十分なDC電圧とすることができる。負荷需要は、ベースレベル負荷需要602部分を含むことができ、DC電気エネルギーは、SOFCスタック302によって発生するベースレベルスタックDC電気エネルギーと、DC/DCコンバーター308aによって出力されるベースレベル調整済みDC電気エネルギーとを含むことができ、これらは、ベースレベル負荷需要602をサポートするのに十分であり得る。負荷需要は、可変レベル負荷需要604部分を含むことができ、DC電気エネルギーは、PEMスタック304によって発生する可変レベルスタックDC電気エネルギーと、DC/DCコンバーター308bによって出力される可変レベル調整済みDC電気エネルギーとを含むことができ、これらは、可変レベル負荷需要604をサポートするのに十分であり得る。ベースレベル負荷需要602は、負荷需要閾値606に不足するか又は等しい負荷需要の一部とすることができる。可変レベル負荷需要604は、負荷需要閾値606を超過する負荷需要の一部とすることができる。
【0052】
SOFCスタック302は、一定出力のベースレベルスタックDC電気エネルギーを発生させることができ、DC/DCコンバーター308aは、少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る一定出力のベースレベル調整済みDC電気エネルギー出力を生成することができる。実際、ベースレベル調整済みDC電気エネルギーは、ベースレベル負荷需要602をサポートするのに十分であり得る。PEMスタック304は、或る出力の可変レベルスタックDC電気エネルギーを発生させることができ、DC/DCコンバーター308bは、可変レベル負荷需要604が存在する間に少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る或る出力の可変レベル調整済みDC電気エネルギー出力を生成することができる。実際、可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、可変レベル負荷需要604をサポートするのに十分であり得る。可変レベルスタックDC電気エネルギー及び/又は可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、時間に伴う可変レベル負荷需要604における変動に対応して、少なくともDC電圧閾値を達成するように同じ時間にわたって変動する。
【0053】
DC/ACインバーター310は、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力から逆変換されたAC電力を出力することができる。DC/ACインバーター310は、負荷需要が、負荷需要閾値606を超過する負荷需要をもたらす可変レベル負荷需要604部分を含む場合、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力及び可変レベル調整済みDC電力から逆変換されたAC電力を出力することもできる。いくつかの例において、DC/ACインバーター310は、負荷需要が、負荷需要閾値606を超過する負荷需要をもたらす可変レベル負荷需要604部分を含む場合、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力、可変レベル調整済みDC電力、及び電気エネルギー貯蔵システム306によって生成される貯蔵システムDC電気エネルギーから逆変換されたAC電力を更に出力することができる。
【0054】
図7は、マイクログリッドバックアップ型ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の負荷追従中の時間に対する負荷需要の例示的なプロット700を示している。
図1~
図7を参照すると、ハイブリッド燃料電池システムは、少なくともDCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)におけるDC電圧閾値を達成するのに十分なDC電気エネルギーを発生させることができる。DC電圧閾値は、所定のDC電圧目標とすることができる。例えば、DC電圧閾値は、ハイブリッド燃料電池システムが配備される負荷の負荷需要をサポートするのに十分なDC電圧とすることができる。負荷需要は、ベースレベル負荷需要602部分を含むことができ、DC電気エネルギーは、SOFCスタック302によって発生するベースレベルスタックDC電気エネルギーと、DC/DCコンバーター308aによって出力されるベースレベル調整済みDC電気エネルギーとを含むことができ、これらは、少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る。実際、ベースレベル調整済みDC電気エネルギーは、
図6を参照して本明細書に記載されるように、ベースレベル負荷需要602をサポートするのに十分であり得る。負荷需要は、可変レベル負荷需要704部分を含むことができ、電気ユーティリティグリッドは、可変レベル負荷需要704をサポートするのに十分なAC電気エネルギーを提供することができる。可変レベル負荷需要704は、負荷需要閾値606を超過する負荷需要の一部とすることができる。
【0055】
しかしながら、いくつかの例において、電気ユーティリティグリッドは、可変レベル負荷需要704をサポートするのに十分なAC電気エネルギーを提供することができない場合がある。例えば、第1の時間708と第2の時間710との間の期間において、電気ユーティリティグリッドは、可変レベル負荷需要704の一部をサポートするのに十分なAC電気エネルギーを提供することができない場合がある。グリッドによって提供されない可変レベル負荷需要部分は、
図7において要素712として示されている。この場合、PEMスタック304が起動され、バックアップ電源として使用され、DC電気エネルギーは、PEMスタック304によって発生する可変レベルスタックDC電気エネルギーと、DC/DCコンバーター308bによって出力される可変レベル調整済みDC電気エネルギーとを含むことができ、これらは、可変レベル負荷需要部分712が存在する間に少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る。実際、可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、可変レベル負荷需要部分712をサポートするのに十分であり得る。可変レベルスタックDC電気エネルギー及び/又は可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、時間に伴う可変レベル負荷需要部分712における変動に対応して、少なくともDC電圧閾値を達成するように同じ時間にわたって変動する。例えば、上記時間は、電気ユーティリティグリッドが可変レベル負荷需要部分712をサポートするのに十分なAC電気エネルギーを提供することができない場合がある、第1の時間708と第2の時間710との間の期間とすることができる。
【0056】
DC/ACインバーター310は、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力から逆変換されたAC電力を出力することができる。DC/ACインバーター310は、負荷需要が、負荷需要閾値606を超過する負荷需要をもたらす可変レベル負荷需要部分712を含む場合、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力及び可変レベル調整済みDC電力から逆変換されたAC電力を出力することもできる。いくつかの例において、DC/ACインバーター310は、負荷需要が、負荷需要閾値606を超過する負荷需要をもたらす可変レベル負荷需要部分712を含む場合、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力、可変レベル調整済みDC電力、及び電気エネルギー貯蔵システム306によって生成される貯蔵システムDC電気エネルギーから逆変換されたAC電力を更に出力することができる。
【0057】
図8は、マイクログリッドバックアップ型ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の負荷追従中の時間に対する負荷需要の例示的なプロット800を示している。
図1~
図8を参照すると、ハイブリッド燃料電池システムは、少なくともDCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)におけるDC電圧閾値を達成するのに十分なDC電気エネルギーを発生させることができる。DC電圧閾値は、所定のDC電圧目標とすることができる。例えば、DC電圧閾値は、ハイブリッド燃料電池システムが配備される負荷の負荷需要をサポートするのに十分なDC電圧とすることができる。負荷需要は、ベースレベル負荷需要602部分を含むことができ、DC電気エネルギーは、SOFCスタック302によって発生するベースレベルスタックDC電気エネルギーと、DC/DCコンバーター308aによって出力されるベースレベル調整済みDC電気エネルギーとを含むことができ、これらは、少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る。実際、ベースレベル調整済みDC電気エネルギーは、
図6を参照して本明細書に記載されるように、ベースレベル負荷需要602をサポートするのに十分であり得る。負荷需要は、可変レベル負荷需要804部分を含むことができ、DC電気エネルギーは、PEMスタック304によって発生する可変レベルスタックDC電気エネルギーと、DC/DCコンバーター308bによって出力される可変レベル調整済みDC電気エネルギーとを含むことができ、これらは、可変レベル負荷需要804が存在する間に少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る。実際、可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、可変レベル負荷需要804をサポートするのに十分であり得る。可変レベル負荷需要804は、負荷需要閾値606を超過する負荷需要の一部とすることができる。
【0058】
いくつかの例において、スケジュールされた又はイベントに基づく緊急システム起動に起因して、負荷需要は、可変レベル負荷需要804の量だけ増大する場合がある。スケジュールされた緊急システム起動は、例えば、メンテナンス及び試験のために実施され得る。イベントに基づく緊急システム起動は、例えば、緊急基準に基づいて、例えば、火災の検出によって火災抑制システムが起動される、天候イベントによる電力損失によってバックアップ電力システムが起動される等に基づいて実施され得る。PEMスタック304は、或る出力の可変レベルスタックDC電気エネルギーを生成することができ、DC/DCコンバーター308bは、可変レベル負荷需要804が存在する間に少なくともDC電圧閾値を達成するのに十分であり得る或る出力の可変レベル調整済みDC電気エネルギー出力を生成することができる。実際、可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、可変レベル負荷需要804をサポートするのに十分であり得る。可変レベルスタックDC電気エネルギー及び/又は可変レベル調整済みDC電気エネルギーは、時間に伴う可変レベル負荷需要804における変動に対応して、少なくともDC電圧閾値を達成するように同じ時間にわたって変動する。例えば、可変レベル負荷需要804は、緊急システムに給電するために素早くランプアップし、又は緊急システムを停止するためにランプダウンする場合がある。例えば、可変レベル負荷需要804は、緊急システムの動作のためのランプアップとランプダウンとの間で可変又は一定であり得る。緊急システムの動作のためのランプアップとランプダウンとの間の時間量は、異なる状況に対して数秒~数週間まで変動し得る。緊急システムの起動は、負荷需要が可変レベル負荷需要804の量だけ負荷需要閾値606を超過する誘因となる場合があり、DCバスにおける電圧に影響を与え、PEMスタック304に、少なくともDC電圧閾値を達成するのをサポートするのに十分であり得る可変レベルスタックDC電気エネルギーの出力を発生させることができる。
【0059】
DC/ACインバーター310は、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力から逆変換されたAC電力を出力することができる。DC/ACインバーター310は、負荷需要が、負荷需要閾値606を超過する負荷需要をもたらす可変レベル負荷需要804を含む場合、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力及び可変レベル調整済みDC電力から逆変換されたAC電力を出力することもできる。いくつかの例において、DC/ACインバーター310は、負荷需要が、負荷需要閾値606を超過する負荷需要をもたらす可変レベル負荷需要804を含む場合、負荷需要をサポートするために、ベースレベル調整済みDC電力、可変レベル調整済みDC電力、及び電気エネルギー貯蔵システム306によって生成される貯蔵システムDC電気エネルギーから逆変換されたAC電力を更に出力することができる。
【0060】
図9は、種々の実施形態に係るハイブリッド燃料電池システムの負荷追従及びバックアップの方法のプロセス流れ図である。
図1~
図9を参照すると、方法900は、任意の数又は組合せのSOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、DC/ACインバーター310、DCバス312a~312c、及び/又は結合DCバス314から信号を受信するように構成される1つ以上のコントローラー320を使用して実施することができる。方法900は、任意の数及び組合せのSOFCスタック302、PEMスタック304、電気エネルギー貯蔵システム306、DC/DCコンバーター308a~308c、及び/又はDC/ACインバーター310に対して制御信号を送信するように構成される1つ以上のコントローラー320を使用して実施することができる。代替的な構成を包含するように、方法900を実施するハードウェアは、本明細書において「制御装置」と称する。任意の数及び組合せのブロック902~916は、周期的に、反復的に、若しくは連続的に、及び/又は他の任意のブロック902~916と同時に実施することができる。
【0061】
ブロック902において、制御装置は、燃料ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の第1の燃料電池(例えば、
図3~
図5GにおけるSOFCスタック302)からDC電気エネルギーを引き出すことができる。制御装置は、第1の燃料電池及び/又は第1のDC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308a)に、或る量(例えば、設定点)のベースレベルスタックDC電気エネルギーを出力する及び/又は引き出すことを指示するように構成される信号を提供することができる。制御装置は、第1の燃料電池及び/又は第1のDC/DCコンバーターの機能を直接制御して、ベースレベルスタックDC電気エネルギーを出力させる及び/又は引き出させることができる。ベースレベルスタックDC電気エネルギーは、例えば、ハイブリッド燃料電池システムが配備される負荷のベースレベル負荷需要に基づいて予め決定することができる。
【0062】
ブロック904において、制御装置は、結合DCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)にDC電気エネルギー(すなわち、電力)を提供することができる。制御装置は、第1のDC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308a)に、或る量(例えば、設定点)のベースレベル調整済みDC電気エネルギーを結合DCバスに出力することを指示するように構成される信号を提供することができる。制御装置は、第1のDC/DCコンバーターの機能を直接制御して、ベースレベル調整済みDC電気エネルギーを出力させることができる。ベースレベル調整済みDC電気エネルギーは、例えば、ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)が配備される負荷のベースレベル負荷需要に基づいて、予め決定することができる。
【0063】
ブロック906において、制御装置は、結合DCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)のDC電圧を測定することができる。制御装置は、DC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308a~308c)及び/又はDC/ACインバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/ACインバーター310)から、結合DCバスにおけるDC電圧を制御装置に示すように構成される信号を受信することができる。制御装置は、DC/DCコンバーター、DC/ACインバーター、及び/又は結合DCバスにおいて、結合DCバスにおけるDC電圧を直接測定するように構成することができる。
【0064】
判断ブロック908において、制御装置は、DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かを判断することができる。DC電圧閾値は、結合DCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)におけるDC電圧閾値を表すことができる。DC電圧閾値は、所定のDC電圧目標とすることができる。例えば、DC電圧閾値は、ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)が配備される負荷に十分な電圧に基づくことができる。制御装置は、ブロック906において測定されたDC電圧をDC電圧閾値と比較することができる。DC電圧がDC電圧閾値に不足しない(すなわち、判断ブロック908=「No」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、ブロック906において結合DCバスのDC電圧を測定することができる。
【0065】
DC電圧がDC電圧閾値に不足する(すなわち、判断ブロック908=「Yes」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、ブロック910において、第2の燃料電池(例えば、
図3~
図5GにおけるPEMスタック304)からDC電気エネルギーを引き出すことができる。第2の燃料電池から引き出すDC電気エネルギーの管理は、
図10を参照して方法1000に関して更に記載される。制御装置は、ブロック906における、結合DCバスのDC電圧の測定を繰り返すことができる。
【0066】
図7を参照して上述した代替的な実施形態において、制御装置は、第2の燃料電池からDC電力を引き出す前にユーティリティグリッド電力が利用可能でないか否かを判断することもできる。
図8を参照して上述した代替的な実施形態において、制御装置は、第2の燃料電池からDC電力を引き出す前に、緊急事態(例えば、グリッド故障又はメンテナンス要求)が生じたか否かを判断することもできる。
【0067】
ブロック912において、制御装置は、結合DCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)からDC電気エネルギーを引き出すことができる。制御装置は、DC/ACインバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/ACインバーター310)に、或る量(例えば、設定点)のDC電気エネルギーを結合DCバスから引き出すことを指示するように構成される信号を提供することができる。制御装置は、DC/ACインバーターの機能を直接制御して、DC電気エネルギーを引き出させることができる。DC電気エネルギーの量は、ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)が配備される負荷のベースレベル負荷需要及び/又は可変レベル負荷需要に基づくことができる。
【0068】
ブロック914において、制御装置は、DC電気エネルギーをAC電気エネルギーに変換することができる。制御装置は、DC/ACインバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/ACインバーター310)に、DC電気エネルギーをAC電気エネルギーに変換するためのパラメーターを示すように構成される信号を提供することができる。制御装置は、DC/ACインバーターの機能を直接制御して、DC電気エネルギーをAC電気エネルギーに変換させることができる。例えば、制御装置は、電圧、電流、電力等のAC電気エネルギーの特徴を示す又は制御することができる。AC電気エネルギーの特徴は、ベースレベル負荷需要及び/又は可変レベル負荷需要を含む、ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)が配備される負荷に基づくことができる。ブロック916において、制御装置は、AC電気エネルギーを出力することができる。AC電気エネルギーは、ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)及びハイブリッド燃料電池システムが配備される負荷に電気的に接続可能なACバスに出力することができる。
【0069】
図10は、種々の実施形態に係るハイブリッド燃料電池システムの負荷追従及びバックアップの方法のプロセス流れ図である。
【0070】
図10におけるブロック1002は、
図9におけるブロック910に対応し、ここでは、制御装置は、燃料ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の第2の燃料電池(例えば、
図3~
図5GにおけるPEMスタック304)からDC電気エネルギーを引き出すことができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308b)に、或る量(例えば、設定点)の可変レベルスタックDC電気エネルギーを出力する及び/又は引き出すことを指示するように構成される信号を提供することができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーターの機能を直接制御して、可変レベルスタックDC電気エネルギーを出力させる及び/又は引き出させることができる。可変レベルスタックDC電気エネルギーは、ブロック906において測定されたDC電圧とDC電圧閾値との比較に基づいて決定することができる。例えば、可変レベルスタックDC電気エネルギーは、ブロック906において測定されたDC電圧とDC電圧閾値との間の差として決定することができる。
【0071】
判断ブロック1004において、制御装置は、DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かを判断することができる。DC電圧閾値は、結合DCバス(例えば、
図3~
図5Gにおける結合DCバス314)におけるDC電圧閾値を表すことができる。DC電圧閾値は、所定のDC電圧目標とすることができる。例えば、DC電圧閾値は、ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)が配備される負荷に十分な電圧に基づくことができる。制御装置は、
図9を参照して記載した方法900のブロック906において測定されたDC電圧をDC電圧閾値と比較することができる。ブロック906は、周期的に、反復的に、若しくは連続的に、及び/又は任意の数及び組合せのブロック1002~1014と同時に実施し、判断ブロック1004において、制御装置が更新されたDC電圧測定値を利用可能となるようにすることができる。
【0072】
DC電圧がDC電圧閾値に不足する(すなわち、判断ブロック1004=「Yes」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、ブロック1014において、燃料ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の第2の燃料電池(例えば、
図3~
図5GにおけるPEMスタック304)から引き出すDC電気エネルギーを増大させることができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308b)に、出力する及び/又は引き出す可変レベルスタックDC電気エネルギーを増大させる量(例えば、設定点)を示すように構成される信号を提供することができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーターの機能を直接制御して、増大した可変レベルスタックDC電気エネルギーを出力させる及び/又は引き出させることができる。可変レベルスタックDC電気エネルギーの増大は、例えば、ブロック906において測定されたDC電圧とDC電圧閾値との比較に基づいて決定することができる。例えば、可変レベルスタックDC電気エネルギーは、ブロック906において測定されたDC電圧とDC電圧閾値との間の差として決定することができる。可変レベルスタックDC電気エネルギーの増大は、DC電圧がDC電圧閾値に不足しないように繰り返しの増大を実施することができる事前設定量等によって、予め決定することができる。制御装置は、判断ブロック1004における、DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かの判断を繰り返すことができる。
【0073】
DC電圧がDC電圧閾値に不足しない(すなわち、判断ブロック1004=「No」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、判断ブロック1006において、DC電圧がDC電圧閾値を超過するか否かを判断することができる。制御装置は、
図9を参照して記載した方法900のブロック906において測定されたDC電圧をDC電圧閾値と比較することができる。ブロック906は、周期的に、反復的に、若しくは連続的に、及び/又は任意の数及び組合せのブロック1002~1014と同時に実施し、判断ブロック1006において、制御装置が更新されたDC電圧測定値を利用可能となるようにすることができる。DC電圧がDC電圧閾値を超過しない(すなわち、判断ブロック1006=「No」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、判断ブロック1004における、DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かの判断を繰り返すことができる。
【0074】
DC電圧がDC電圧閾値を超過する(すなわち、判断ブロック1006=「Yes」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、ブロック1008において、燃料ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の第2の燃料電池(例えば、
図3~
図5GにおけるPEMスタック304)から引き出すDC電気エネルギーを減少させることができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308b)に、出力する及び/又は引き出す可変レベルスタックDC電気エネルギーを減少させる量(例えば、設定点)を示すように構成される信号を提供することができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーターの機能を直接制御して、減少した可変レベルスタックDC電気エネルギーを出力させる及び/又は引き出させることができる。可変レベルスタックDC電気エネルギーの減少は、例えば、ブロック906において測定されたDC電圧とDC電圧閾値との比較に基づいて決定することができる。例えば、可変レベルスタックDC電気エネルギーの減少は、ブロック906において測定されたDC電圧とDC電圧閾値との間の差として決定することができる。可変レベルスタックDC電気エネルギーの減少は、DC電圧がDC電圧閾値を超過しないように繰り返しの減少を実施することができる事前設定量等によって、予め決定することができる。
【0075】
判断ブロック1010において、制御装置は、DC電圧がDC電圧閾値に等しいか否かを判断することができる。制御装置は、
図9を参照して記載した方法900のブロック906において測定されたDC電圧をDC電圧閾値と比較することができる。DC電圧がDC電圧閾値に等しくない(例えば、判断ブロック1010=「No」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、判断ブロック1004における、DC電圧がDC電圧閾値に不足するか否かの判断を繰り返すことができる。
【0076】
DC電圧がDC電圧閾値に等しい(例えば、判断ブロック1010=「Yes」)ことが判断されるのに応答して、制御装置は、ブロック1012において、燃料ハイブリッド燃料電池システム(例えば、
図3~
図5Gにおけるハイブリッド燃料電池システム300、400a、400b、500a~500g)の第2の燃料電池(例えば、
図3~
図5GにおけるPEMスタック304)からDC電気エネルギーを引き出すことを止めることができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーター(例えば、
図3~
図5GにおけるDC/DCコンバーター308b)に、可変レベルスタックDC電気エネルギーを出力する及び/又は引き出すことを止めることを指示するように構成される信号を提供することができる。制御装置は、第2の燃料電池及び/又は第2のDC/DCコンバーターの機能を直接制御して、可変レベルスタックDC電気エネルギーを出力する及び/又は引き出すことを止めさせることができる。
【0077】
開示の態様の上述の記載は、当業者が本発明を実施又は使用することを可能にするために提供される。これらの態様に対する様々な変更が当業者には容易に明らかとなり、本明細書において定義される一般的な原則は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の態様にも当てはまり得る。したがって、本発明は、本明細書に示されている態様に限定されることを意図されず、本明細書に開示される原則及び新規の特徴と一貫して最も広い範囲を与えられるものとする。
【0078】
上述の方法の説明及び図は、単に説明のための例として提供され、種々の実施形態のステップを提示されている順序で実行しなければならないことを要求又は含意するように意図されない。当業者には理解されるように、上述の実施形態におけるステップの順序は、任意の順序で実行することができる。さらに、「その後(thereafter)」、「次いで(then)」、「次に(next)」等の用語は、ステップの順序を限定するように意図されない。これらの用語は、方法の説明を通じて読み手に手引きを与えるために使用されているにすぎない。
【0079】
例示的な実施形態を説明するために1つ以上の図が使用されている。図の使用は、実行される動作の順序に関して限定的なものとして意図されない。例示的な実施形態の上述の記載は、例示及び説明のために提示されている。これは、開示されている正確な形態に関して網羅的又は限定的なものとして意図されず、変更及び変形を、上記教示に照らして可能であるか又は開示の実施形態の実施から得ることができる。本発明の範囲は、本明細書に添付される特許請求の範囲及びその均等物によって規定されることが意図される。
【0080】
本明細書に記載される制御装置及びコントローラー320を含む制御要素は、特定の機能を実行するための命令がプログラムされているプログラム可能なプロセッサ、メモリ、及び他の構成要素を含むコンピューティングデバイス(コンピューター等)を使用して実施することができるか、又は特定の機能を実行するように設計されるプロセッサ内に実装することができる。プロセッサは、ソフトウェア命令(アプリケーション)によって、本明細書に記載される種々の実施形態の機能を含む様々な機能を実行するように構成することができる、任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピューター、又は単数若しくは複数のマルチプロセッサチップとすることができる。いくつかのコンピューティングデバイスにおいて、複数のプロセッサを設けることができる。通常、ソフトウェアアプリケーションは、アクセス及びプロセッサ内にロードされる前に、内部メモリに記憶することができる。いくつかのコンピューティングデバイスにおいて、プロセッサは、アプリケーションソフトウェア命令を記憶するのに十分な内部メモリを備えることができる。
【0081】
本明細書に開示される実施形態に関連して記載される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア、又はその双方の組合せとして実施することができる。ハードウェア及びソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、その機能性の観点から上記に概説した。そのような機能性がハードウェアとして実施されるか又はソフトウェアとして実施されるかは、特定の用途及びシステム全体に課される設計上の制約に左右される。当業者は、特定の用途ごとに様々な方法で記載の機能性を実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈すべきではない。
【0082】
本明細書に開示される態様に関連して記載される様々な例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、及び回路を実装するように使用されるハードウェアは、本明細書に記載の機能を実行するように設計される汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はこれらの任意の組合せとすることができる又はそれらを含むことができる制御装置を用いて実施又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替形態において、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、又はステートマシンとすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せとして、例えば、DSP及びマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ以上のマイクロプロセッサ、又は他の任意のそのような構成の組合せとして実施することもできる。代替的に、いくつかのブロック又は方法は、所与の機能に特有の回路部によって実行してもよい。
【0083】
開示の実施形態の上述の記載は、当業者が記載の実施形態のうちの任意のものを実施又は使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更が当業者には容易に明らかとなり、本明細書において定義される一般的な原則は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態にも当てはまり得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示されている実施形態に限定されることを意図されず、特許請求の範囲の文言並びに本明細書に開示される原則及び新規の特徴と一貫して最も広い範囲を与えられるものとする。
【外国語明細書】