(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071638
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】調達コストのシナリオ駆動型最適化のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230516BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20230516BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022181221
(22)【出願日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】17/524,220
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510337621
【氏名又は名称】タタ コンサルタンシー サービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TATA Consultancy Services Limited
【住所又は居所原語表記】Nirmal Building,9th Floor,Nariman Point,Mumbai 400021,Maharashtra,India.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】デヴァダッタ マドゥカル クルカルニ
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシュナン スンダラム スリニヴァサン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー デヴィッド テュー
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB57
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】部品調達は設定基準に基づいて事業者を探して選択する業務である。最低コストで最適なサプライヤ事業者を決定することは競争上の優位性を高める。既存の部品調達技術は適切な部品バンドルに最適なサプライヤを対象として、持続的な節約のために調達コストを効率的に最適化する効果的な方法を欠く。
【解決手段】機械学習及び技術データを用いる最適化手法を活用し、計算効率の高い解決策を提供する。部品と対応する属性との間の関係は部品のバンドリングのために取得され、最適なサプライヤの位置は選択された部品のバンドルにマッピングされる。調達コスト最小化手段は、反復プロセスと共に使用され、コストを体系的に最小化し、顧客の要求又は製造場所の変化によって引き起こされるリスク管理のために定義される複数の代替シナリオに基づいて、発注量、バンドルの組み合わせ又はサプライヤの事業者数を制約して、サプライヤの能力を拡大又は制限する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ実装方法であって、
1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の事業者から入力要求を受け取るステップ(202)と、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記入力要求に基づいて部品リポジトリに照会して、複数の部品を特定するステップ(204)と、
前記1又が2以上のハードウェアプロセッサが、前記複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、前記複数の部品からの部品の各セットに対してジャカール類似度を適用し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るステップ(206)と、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記類似度スコアに基づいて、サプライヤリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、前記少なくとも1つの対応するサプライヤを前記類似部品のセットの前記1又は2以上の組み合わせの各々にタグ付けするステップ(208)と、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記類似度スコアと閾値との間の比較を実行するステップ(210)と、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記比較に基づいて、前記類似部品のセットの前記1又は2以上の組み合わせ及び前記少なくとも1つのサプライヤから、1又は2以上の対象サプライヤを特定するステップ(212)と、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、前記1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する前記類似部品の各セットの調達コストを決定するステップ(214)と、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の制約に基づいて、前記類似部品の各セットの前記調達コストから得られる総調達コストを最適化するステップ(216)と、
を含む、プロセッサ実装方法。
【請求項2】
前記1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセットと1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量境界の下で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iv)事業者全体にわたる配送のために特定された潜在的サプライヤの最大数、又は(v)これらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項3】
前記1又は2以上の制約は、要求、部品の最大数量、部品の最小数量、最大支出、及びサプライヤ数のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項4】
ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを用いて、後続の時間インスタンスの目標コストを予測するステップをさらに含み、NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、並びに外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、少なくとも1つの中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノード重みを計算するように構成されたニューロンを含み、前記中間層の各ノードは、前記入力層のうちの1又は2以上のノード及び前記出力層のノードに接続されており、
さらに、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストとの比較を実行するステップを含み、
さらに、前記比較に基づいて、前記1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定するステップを含み、前記焦点シナリオは、出力として機能する、
請求項1に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項5】
前記焦点シナリオの前記最適化された総調達コストが前記目標コスト以下となるまで、反復して実行するステップと、
1又は2以上の潜在的な目的改善点を特定するステップと、
(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正するステップと、
前記修正されたコスト及び前記1又は2以上の制約に基づいて、前記焦点シナリオに関して新しい最適化コストを取得するステップと、
を含む、請求項4に記載のプロセッサ実装方法。
【請求項6】
命令を格納するメモリ(102)と、
1又は2以上の通信インタフェース(106)と、
前記1又は2以上の通信インタフェース(106)を介して前記メモリ(102)に接続された1又は2以上のハードウェアプロセッサ(104)と、
を備えるシステム(100)であって、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサ(104)は、前記命令によって、
1又は2以上の事業者から入力要求を受け取り、
前記入力要求に基づいて部品レポジトリに照会して、複数の部品を特定し、
複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、複数の部品からの部品の各セットに対してジャカール類似度を適用し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを取得し、
前記類似度スコアに基づいて、サプライヤリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、前記少なくとも1つの対応するサプライヤを前記類似部品の前記セットの前記1又は2以上の組み合わせの各々にタグ付けし、
前記類似度スコアと閾値との間の比較を実行し、
前記比較に基づいて、前記類似部品のセットの前記1又は2以上の組み合わせ及び前記少なくとも1つのサプライヤから、1又は2以上の対象サプライヤを特定し、
1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、前記1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する前記類似部品の各セットの調達コストを決定し、
1又は2以上の制約に基づいて、前記類似部品の各セットの前記調達コストから得られる総調達コストを最適化する、
ように構成されているシステム。
【請求項7】
前記1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセットと1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量境界の下で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iv)事業者全体にわたる配送のために特定された潜在的サプライヤの最大数、又は(v)これらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記1又は2以上の制約は、要求、部品の最大数量、部品の最小数量、最大支出、及びサプライヤ数のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサは、前記命令によって、
ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを用いて、後続の時間インスタンスの目標コストを予測し、NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、並びに外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノード重みを計算するように構成されたニューロンを含み、前記中間層の各ノードは、前記入力層のうちの1又は2以上のノード及び前記出力層のノードに接続されており、
さらに、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストとの比較を実行し、
さらに、前記比較に基づいて、前記1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定し、前記焦点シナリオは、出力として機能する、
ように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサは、前記命令によって、
前記焦点シナリオの前記最適化された総調達コストが前記目標コスト以下となるまで、反復して実行し、
1又は2以上の潜在的な目的改善点を特定し、
(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正し、
前記修正されたコスト及び前記1又は2以上の制約に基づいて、前記焦点シナリオに関して新しい最適化コストを取得する、
ようにさらに構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
1又は2以上のハードウェアプロセッサによって実行されると、部品のバンドル、対応するサプライヤの選択、及び全体的な調達コストの最適化のための方法を引き起こす1又は2以上の命令を含む1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体であって、前記方法は、
1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の事業者から入力要求を受け取るステップと、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記入力要求に基づいて部品リポジトリに照会して、複数の部品を特定するステップと、
前記1又が2以上のハードウェアプロセッサが、前記複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、前記複数の部品からの部品の各セットに対してジャカール類似度を適用し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るステップと、
前記類似度スコアに基づいて、サプライヤリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、前記少なくとも1つの対応するサプライヤを前記類似部品のセットの前記1又は2以上の組み合わせの各々にタグ付けするステップと、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記類似度スコアと閾値との間の比較を実行するステップと、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、前記比較に基づいて、前記類似部品のセットの前記1又は2以上の組み合わせ及び前記少なくとも1つのサプライヤから、1又は2以上の対象サプライヤを特定するステップと、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、前記1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する前記類似部品の各セットの調達コストを決定するステップと、
前記1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の制約に基づいて、前記類似部品の各セットの前記調達コストから得られる総調達コストを最適化するステップと、
を含む、1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体。
【請求項12】
前記1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセットと1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量境界の下で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、及び(iv)事業者全体にわたる配送のために特定された潜在的サプライヤの最大数、又は(v)これらの組み合わせを含む、請求項11に記載の1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体。
【請求項13】
前記1又は2以上の制約は、要求、部品の最大数量、部品の最小数量、最大支出、及びサプライヤ数のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体。
【請求項14】
前記方法は、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを用いて、後続の時間インスタンスの目標コストを予測するステップをさらに含み、NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、並びに外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノード重みを計算するように構成されたニューロンを含み、前記中間層の各ノードは、前記入力層のうちの1又は2以上のノード及び前記出力層のノードに接続されており、
さらに、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストとの比較を実行するステップを含み、
さらに、前記比較に基づいて、前記1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定するステップを含み、前記焦点シナリオは、出力として機能する、
請求項11に記載の1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体。
【請求項15】
前記方法は、前記焦点シナリオの前記最適化された総調達コストが前記目標コスト以下となるまで、反復して実行するステップと、
1又は2以上の潜在的な目的改善点を特定するステップと、
(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正するステップと、
前記修正されたコスト及び前記1又は2以上の制約に基づいて、前記焦点シナリオに関して新しい最適化コストを取得するステップと、
をさらに含む、請求項14に記載の1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年11月11日出願の米国出願第17/524,220号からの優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、機械学習及び最適化を用いたサプライチェーンコストの分析に関し、より詳細には、調達コストのシナリオ駆動型最適化のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
サプライチェーン管理は、商品及びサービスの流れの管理であり、原材料を最終製品に変換する全てのプロセスを含む。顧客価値を最大化し、市場における競争優位性を獲得するために、ビジネスの供給側の活動を積極的に合理化することが必要である。調達としても知られている部品調達は、サプライチェーン管理の重要な構成要素である。最も適切なサプライヤを最も低いコストで見つけることができる事業者は、競争上の優位性を発展させることができる。最も低い調達コストを決定するためには、様々な入力の組み合わせを検討するシナリオが有効である。しかし、既存の調達技術では、適切な部品のバンドリングのための最適なサプライヤを選択し、コストを最適化するための体系的なシナリオ駆動型アプローチと組み合わせた目標コストを予測する客観的かつ効果的な方法が欠けている。部品とサプライヤの組み合わせの数が多いため、最適化のための計算実行時間が非常に長くなる。この制限は、検討可能なシナリオの数を制限し、プロセスの効率が低下する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態は、従来のシステムにおいて本発明者らによって認識された上述の技術的問題の1又は2以上に対する解決策として、技術的改善を提示する。例えば、1つの態様では、部品のバンドリング、対応するサプライヤの選択、及び全体的な調達コストの最適化のためのプロセッサ実装方法が提供される。この方法は、最適化のための計算実行時間を減少させ、時間及び計算資源を節約し、より多くのシナリオの検討を可能にし、ひいてはより効率的な解決策を提供することによって、現行システムの機能を向上させることができる。本方法は、1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の事業者から入力要求を受け取るステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、入力要求に基づいて部品リポジトリに照会して、複数の部品を特定するステップと;1又が2以上のハードウェアプロセッサが、複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、複数の部品からの部品の各セットに対してジャカール類似度を適用し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るステップと;類似度スコアに基づいて、サプライヤリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、少なくとも1つの対応するサプライヤを類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせの各々にタグ付けするステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、類似度スコアと閾値との間の比較を実行するステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、比較に基づいて、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせ及び少なくとも1つのサプライヤから、1又は2以上の対象サプライヤを特定するステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する類似部品の各セットの調達コストを決定するステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の制約に基づいて、類似部品の各セットの調達コストから得られる総調達コストを最適化するステップと;を含む。
【0005】
一実施形態では、1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセットと1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量境界の下で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iv)事業者全体にわたる配送のために特定された潜在的サプライヤの最大数、又は(v)これらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0006】
一実施形態では、1又は2以上の制約は、要求、部品の最大数量、部品の最小数量、最大支出、及び最大サプライヤ数のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
一実施形態では、本方法は、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを用いて、後続の時間インスタンスの目標コストを予測するステップをさらに含み、NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、並びに外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、少なくとも1つの中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノード重みを計算するように構成されたニューロンを含み、中間層の各ノードは、入力層のうちの1又は2以上のノード及び出力層のノードに接続されており;さらに、入力データを訓練セット及び試験セットに分割するステップを含み;さらに、訓練グセットに対してNNARXモデルを適合さるステップを含み;さらに、試験セットに対して結果として得られたモデルを使用して、予測コスト及び予測誤差(平均絶対パーセント誤差又はMAPEにより測定)を計算するステップを含み;さらに、予測誤差が5%未満のモデルを使用して、後続の時間インスタンスの目標コストを予測するステップを含み;さらに、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストとの比較を実行するステップを含み;さらに、比較に基づいて、1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定するステップを含み、焦点シナリオは、出力として機能する。
【0008】
一実施形態では、本方法は、焦点シナリオの最適化された総調達コストが目標コスト以下となるまで、反復して実行するステップと;1又は2以上の潜在的な目的改善点を特定するステップと;(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正するステップと;修正されたコスト及び1又は2以上の制約に基づいて、焦点シナリオに関して新しい最適化コストを取得するステップと;を含む。
【0009】
別の態様では、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、全体的な調達コストを最適化するためのシステムが提供される。システムは、命令を格納するメモリと;1又は2以上の通信インタフェースと;1又は2以上の通信インタフェースを介してメモリに接続された1又は2以上のハードウェアプロセッサと;を備え、1又は2以上のハードウェアプロセッサは、命令によって、1又は2以上の事業者から入力要求を受け取り;入力要求に基づいて部品レポジトリに照会して、複数の部品を特定し;複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、複数の部品からの部品の各セットに対してジャカール類似度を適用し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを取得し;類似度スコアに基づいて、サプライヤリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、少なくとも1つの対応するサプライヤを類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせの各々にタグ付けし;類似度スコアと閾値との間の比較を実行し;比較に基づいて、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせ及び少なくとも1つのサプライヤから、1又は2以上の対象サプライヤを特定し;1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する類似部品の各セットの調達コストを決定し;1又は2以上の制約に基づいて、類似部品の各セットの調達コストから得られる総調達コストを最適化する;ように構成されている。
【0010】
一実施形態では、1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセットと1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量境界の下で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iv)事業者全体にわたる配送のために特定された潜在的サプライヤの最大数、又は(v)これらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
一実施形態では、1又は2以上の制約は、要求、部品の最大数量、部品の最小数量、最大支出、及びサプライヤ数のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
一実施形態では、1又は2以上のハードウェアプロセッサは、命令によって、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを用いて、後続の時間インスタンスの目標コストを予測し、NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、並びに外因性又は外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、少なくとも1つの中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノード重みを計算するように構成されたニューロンを含み、中間層の各ノードは、入力層のうちの1又は2以上のノード及び出力層のノードに接続されており;さらに、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストとの比較を実行し;さらに、比較に基づいて、1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定し、焦点シナリオは、出力として機能する;ように構成される。
【0013】
一実施形態では、1又は2以上のハードウェアプロセッサは、命令によって、焦点シナリオの最適化された総調達コストが目標コスト以下となるまで、反復して実行し;1又は2以上の潜在的な目的改善点を特定し;(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正し;修正されたコスト及び1又は2以上の制約に基づいて、焦点シナリオに関して新しい最適化コストを取得する;ようにさらに構成されている。
【0014】
さらに別の態様では、1又は2以上のハードウェアプロセッサによって実行されると、部品のバンドル、対応するサプライヤの選択、及び全体的な調達コストの最適化のための方法を引き起こす1又は2以上の命令を含む1又は2以上の非一時的機械可読情報記憶媒体が提供される。本方法は、1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の事業者から入力要求を受け取るステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、入力要求に基づいて部品リポジトリに照会して、複数の部品を特定するステップと;1又が2以上のハードウェアプロセッサが、複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、複数の部品からの部品の各セットに対してジャカール類似度を適用し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るステップと;類似度スコアに基づいて、サプライヤリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、少なくとも1つの対応するサプライヤを類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせの各々にタグ付けするステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、類似度スコアと閾値との間の比較を実行するステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、比較に基づいて、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせ及び少なくとも1つのサプライヤから、1又は2以上の対象サプライヤを特定するステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する類似部品の各セットの調達コストを決定するステップと;1又は2以上のハードウェアプロセッサが、1又は2以上の制約に基づいて、類似部品の各セットの調達コストから得られる総調達コストを最適化するステップと;を含む。
【0015】
一実施形態では、1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセットと1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量境界の下で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定された少なくとも1つの潜在的サプライヤ、及び(iv)事業者全体にわたる配送のために特定された潜在的サプライヤの最大数、又は(v)これらの組み合わせを含む。
【0016】
一実施形態では、1又は2以上の制約は、要求、部品の最大数量、部品の最小数量、最大支出、及びサプライヤ数のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
一実施形態では、本方法は、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを用いて、後続の時間インスタンスの目標コストを予測するステップをさらに含み、NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、並びに外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、少なくとも1つの中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノード重みを計算するように構成されたニューロンを含み、中間層の各ノードは、入力層のうちの1又は2以上のノード及び出力層のノードに接続されており;さらに、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストとの比較を実行するステップを含み;さらに、比較に基づいて、1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定するステップを含み、焦点シナリオは、出力として機能する。
【0018】
一実施形態では、方法は、焦点シナリオの最適化された総調達コストが目標コスト以下となるまで、反復して実行するステップと;1又は2以上の潜在的な目的改善点を特定するステップと;(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正するステップと;修正されたコスト及び1又は2以上の制約に基づいて、焦点シナリオに関して新しい最適化コストを取得するステップと;をさらに含む。
【0019】
上述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的及び説明的であり、請求項に記載の本発明を制限するものではないことを理解されたい。
本開示に組み込まれ、本開示の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、明細書とともに開示された原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本開示の一実施形態による、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、全体的な調達コストを最適化するための例示的なシステムを示す。
【
図2】本開示の一実施形態による、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、全体的な調達コストを最適化するための、
図1のシステムの例示的な高レベルブロック図を示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、
図1-2のシステムを使用して、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、及び全体的な調達コストを最適化するための方法を示す例示的なフローチャートを示す。
【
図4】本開示の一実施形態による、部品オントロジーの例示的な図を示す。
【
図5】本開示の一実施形態による、部品のバンドリングの結果を示すデンドログラムを示す。
【
図6】本開示の実施形態による、類似部品のセットの1又は2つ以上の組み合わせを取得するための方法を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の実施形態による、1又は2以上の対象サプライヤを選択するための方法を示す例示的なフローチャートを示す。
【
図8】本開示の一実施形態による、
図1-2のシステムによって実装されるような様々な層を有するニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルの例示的な図を示す。
【
図9】本開示の一実施形態による、
図2の反復的目標コストシーカーを使用して焦点シナリオに対する新しい最適化されたコストを取得するための方法のプロセスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
例示的な実施形態が、添付の図面を参照して説明される。各図において、参照番号の最も左の桁(複数可)は、参照番号が最初に現れる図を特定する。都合が良ければ、図面全体を通して、同じ参照番号は、同じ又は同様の部品を参照するために使用される。本明細書には開示された原理の例及び特徴が記載されているが、開示された実施形態の範囲から逸脱することなく、修正、適応、及び他の実施構成が可能である。
【0022】
上述したように、サプライチェーン管理は、物品及びサービスの流れを指し、原材料を最終製品に変換する全てのプロセスを含む。これは、顧客価値を最大化し、市場における競争上の優位性を得るために、供給側の活動を積極的に合理化することを必要とする。
調達とも呼ばれる部品調達は、設定された基準に基づいて個人/事業者を見つけて選択する業務である。部品調達は、様々な分野及び様々な理由で行われる。最も適切なサプライヤを最も低いコストで見つけることができる事業者は、競争上の優位性を発展させることができる。最も低い調達コストを決定するためには、様々な入力の組み合わせを検討するシナリオが有効である。部品とサプライヤの組み合わせの数が多いため、最適化のための計算実行時間が非常に長くなる。この制限は、検討可能なシナリオの数を制限し、プロセスの効率が低下する。しかしながら、既存の部品調達技術では、部品の適切なバンドリングのための最適なサプライヤをターゲットとし、持続的な節約のために最適な契約条件を体系的に交渉するための効果的な方法が欠けている。
【0023】
本開示の実施形態は、将来の製品ポートフォリオのための重要な部品の技術及び将来の数量予想に関する詳細なデータ、並びにサプライヤの位置にわたるコスト構造と併せて生産量及び能力に対するニーズの明確な組み合わせを活用して、部品のバンドリング、対応するサプライヤの選択、及び全体的な部品調達の最適化によって上記の技術的問題に対処するシステム及び方法を提供する。部品バンドラは、共通の技術属性を持つ最適な部品ファミリーを作成し、対象サプライヤ選択器は、選択された部品バンドルに最適なサプライヤの位置をマッピングする。反復的目標コストシーカーは、本開示のシステムによってさらに実装され、これは、例えば、発注量、バンドル組み合わせ、又はサプライヤの数を制約することによってサプライヤ能力を拡大又は制限する複数の代替案を含む、調達コストオプティマイザを使用する。このプロセスは、顧客の要求又は製造場所の変化によって引き起こされるリスクを体系的に管理することができる。
【0024】
同様の参照文字が図面を通して常に対応する特徴を表す、各図面、より詳細には
図1から9を参照すると、好ましい実施形態が示されており、これらの実施形態は、以下の例示的システム及び/又は方法との関連で説明される。
【0025】
図1は、本開示の実施形態による、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、全体的な調達コストを最適化するための例示的なシステム100を示す。一実施形態において、システム100は、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104と、通信インタフェースデバイス(複数可)又は入出力(I/O)インタフェース(複数可)106(インタフェース(複数可)とも呼ぶ)と、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104に作動的に接続される1又は2以上のデータ記憶装置又はメモリ102とを含む。1又は2以上のプロセッサ104は、1又は2以上のソフトウェア処理構成要素及び/又はハードウェアプロセッサとすることができる。一実施形態において、ハードウェアプロセッサは、1又は2以上のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、中央処理装置、状態機械、論理回路、及び/又は操作命令に基づいて信号を処理する何らかのデバイスとして実装することができる。他の機能として、プロセッサ(複数可)は、メモリに格納されたコンピュータ可読命令を取り込んで実行するように構成されている。一実施形態において、システム100は、ラップトップコンピュータ、ノートブック、ハンドヘルドデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット電話、モバイル通信デバイスなど)、ワークステーション、メインフレームコンピュータ、サーバ、ネットワーククラウドなどの様々なコンピューティングシステムで実装することができる。
【0026】
I/Oインタフェースデバイス(複数可)106は、例えば、ウェブインタフェース、グラフィカルユーザインタフェースなどの様々なソフトウェア及びハードウェアインタフェースを含むことができ、例えば、LAN、ケーブルなどの有線ネットワーク、及びWLAN、セルラー、又は衛星などの無線ネットワークを含む、様々なネットワークN/W及びプロトコルタイプでの多地点通信を容易にすることができる。一実施形態において、I/Oインタフェースデバイス(複数可)は、複数のデバイスを互いに、又は別のサーバに接続するための1又は2以上のポートを含むことができる。
【0027】
メモリ102は、例えば、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)及び動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)などの揮発性メモリ、及び/又はリードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク、及び磁気テープなどの不揮発性メモリなどの本技術分野で既知の何らかのコンピュータ可読媒体を含むことができる。一実施形態において、メモリ102はデータベース108を記憶し、データベース108は、情報入力要求タイプ(複数可)、部品リポジトリ、部品のJaccard類似度スコアなどを含む。データベース108は、(i)組み合わされる類似部品のセット、(ii)サプライヤのリポジトリ、(iii)対応するサプライヤの選択、対象サプライヤ、調達コスト、入力要求(複数可)に対する最適化調達コストなどに関する情報をさらに含む。データベース108は、調達コストを最適化するために使用される1又は2以上の制約及び1又は2以上の予め定義されたシナリオのデータをさらに含み、各シナリオは、入力タイプ及び値の代替的でありながら一意の組み合わせのデジタル表示である。さらに、データベース108は、1又は2以上の予め定義されたシナリオから特定された焦点シナリオ、1又は2以上の潜在的な客観的改善、部品の各々に関する新しい修正コストを取得するために修正される各部品のコストなどに対応する情報を含む。さらに、メモリ102は、部品バンドラ、調達コストオプティマイザ、対象サプライヤ選択器、目標コスト推定器、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデル、反復的目標コストシーカーなどの1又は2以上のモジュールを含む。上述のモジュールは、ソフトウェアプログラムの論理的に自己充足された部分、自己充足型ハードウェア構成要素、及び/又は、実行されると本明細書に記載された方法を実行するハードウェア構成要素の各々に埋め込まれたソフトウェアプログラムの論理的に自己充足された部分を有する自己充足型ハードウェア構成要素のうちの少なくとも1つとして実装される。メモリ102は、本開示のシステム及び方法によって実行される各ステップの入力(複数可)/出力(複数可)に関連する情報をさらに含むことができる。換言すれば、各ステップで供給される入力(複数可)及び各ステップで生成される出力(複数可)は、メモリ102に含まれ、さらなる処理及び分析で利用することができる。
【0028】
図2は、
図1を参照して、本開示の実施形態による、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、全体的な調達コストを最適化するための
図1のシステム100の例示的な高レベルブロック図を示す。
図1で言及されるように、
図2に示される構成要素/モジュールは、メモリ102に含まれ、本明細書に記載された方法を実行するために呼び出される。
【0029】
図3は、
図1から2を参照して、本開示の一実施形態により、
図1から2のシステムを使用して、部品をバンドリングし、対応するサプライヤを選択し、全体の調達コストを最適化のための方法を示す例示的なフローチャートを示す。一実施形態において、システム(複数可)100は、1又は2以上のデータ記憶装置又は1又は2以上のハードウェアプロセッサ104に作動的に接続されたメモリ102を備え、1又は2以上のプロセッサ104によって方法の各ステップを実行するための命令を格納するように構成されている。本開示の方法の各ステップは、
図1のシステム100の構成要素、
図2に示すシステム100のブロック図、
図3に示すフローチャート、及び
図4から9を参照して説明する。一実施形態において、本開示のステップ202で、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、1又は2以上の事業者(例えば、個人顧客、企業組織(又はB2B事業者)など)から入力要求を受け取る。入力要求は、1又は2以上の部品の購入に対応する。1又は2以上の部品は、何らかの物体の種類に対応することができる。例えば、部品は、機械(複数可)、消費者製品、車両構成要素(複数可)、製造ユニット、組立ユニット(複数可)などに対応することができる。当業者であれば、上記の部品の例は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解できる。
【0030】
入力要求を受け取ると、本開示のステップ204において、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、複数の部品を特定するために、入力要求に基づいて部品レポジトリに問い合わせを行う。部品リポジトリは、部品リスト、対応する材料、プロセス、幾何学的特徴、公差、表面仕上げ仕様などを含む。システムは、調達する必要がある部品の総リストを取得するために、リポジトリに問い合わせを行う。以下の表1は、部品リポジトリから特定される例示的な複数の部品を示す。
[表1]
【0031】
一実施形態において、本開示のステップ206で、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るために、複数の部品からの部品の各セットの間の類似度スコアを計算することによって、複数の部品からの部品の各ペアに対してジャカール類似度を適用する。換言すれば、複数の部品からの部品の各セット(又は部品の各ペア)の間の類似度スコアは、類似した部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るために計算される。上記ステップ206は、以下の説明を通じて良好に理解される。
【0032】
部品のバンドリングは、部品データからの様々な属性を含む部品のオントロジーを使用することによって実現することができる。部品は、例えばJaccardの方法を用いて計算された高い類似度係数に基づいて、本技術分野で公知のクラスタリングのための教師なし機械学習方法を用いてバンドリングすることができる。
図4は、バンドリングに使用される部品オントロジーを示す。より具体的には、
図4は、
図1から3を参照して、本開示の一実施形態による、部品オントロジーの例示的な図を示す。Jaccard類似度は、比率として計算することができる。
【0033】
上記の式(1)において、分子は2つの部品A、B間の共通属性の数(積集合)、分母は2つの部品A、B間の固有属性の総数(和集合)である。例えば、部品ID0及びID1を考えると、共通属性は、軸、金属、円筒形、中公差、機械加工、及び旋盤加工、すなわち6つの共通属性である。部品ID0とID1との間の固有属性は、軸、中実軸、金属、鋼、円筒形、中公差、精密仕上げ、機械加工、旋盤加工、研削加工、中空軸、アルミ、穴,中仕上げ、穴加工の合計15の属性である。Jaccard類似度スコアは、6/15=0.4である。同様に、部品ID1とID2の類似度は、(7/17)=0.412であり、部品ID0とID2の類似度は、(5/18)=0.278である。次に、システムは、距離=(1-Jaccard類似度スコア)のペアワイズ距離行列(pairwise distance matrix)を構築する。上記の例では、距離行列は以下の表2のようになる。
[表2]
【0034】
解釈:最小距離は部品1と部品2との間であり、これらの部品が最も類似していることを示している。これらは第1のバンドルを形成する。同様に、全ての部品が1つの大きなバンドルに含まれるまで、部品のバンドリングが行われる。この結果は、以下の表3のような連係行列に格納される。
[表3]
【0035】
システム100は、その間の距離が最も小さい部品をグループ化することで部品バンドルを形成する。グループが形成されると、そのグループは新しい(仮想)部品を形成する(例えば、上の第1列を参照)。このプロセスは、全ての部品が1つの大きなバンドルにグループ化されるまで続く。この結果は、
図5に示されるような樹形図によって最もよく視覚化される。より具体的には、
図5は、
図1から4を参照して、本開示の一実施形態による、部品バンドルの結果を示す樹形図を示す。本開示の一例の実施形態では、ユーザが2つのバンドルを形成したい場合、分析に基づいて、P1及びP2がバンドル1を形成し、P0がバンドル2を形成する。部品バンドリングステップに続く要約情報は、以下の表4に示される。
[表4]
【0036】
上記のステップ206は、
図6のフローチャート及び上記の実施例の説明からより良く理解することができる。より具体的には、
図6は、
図1から5を参照しながら、本開示の一実施形態による、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得るための方法を説明するフローチャートを示す。
図6から分かるように、最初に部品及びオントロジーに対応するデータが取得され、部品データは、そこに関連する複数の属性を有するオントロジー形式に変換される。次に、部品のペアが選択され、それに応じて属性の積集合及び和集合が決定される。Jaccard類似度は、部品の属性の積集合及び和集合に基づいて計算される。これらのステップは、部品の最後のペアまで繰り返される。部品の最後のペアまでJaccard類似度スコアが計算されると、距離=(1-Jaccard類似度スコア/係数)の距離行列が作成される。換言すると、部品がリポジトリから検索され、そのオントロジー属性で表現されると、
図6のフローチャートに示すように、部品は、互いにペアワイズ様式/方式で比較され、積集合属性(IA)及び和集合属性(UA)が決定される。Jaccard類似度係数は、|IA|/|UA|として計算される。全てのペアワイズ類似度計算が完了すると、距離行列が計算されるが、各ペアの距離=(1-類似度係数)である。この行列を横切ると、距離が最も小さい部品がバンドリングされ、実際上新しい部品が形成される。この処理は、全ての部品がバンドリング状態で特定されるまで続く。
【0037】
類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせを得ると、本開示のステップ208において、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、類似スコアに基づいて、サプライヤのリポジトリから少なくとも1つの対応するサプライヤを特定し、類似部品のセットの1又は2以上の組み合わせの各々に、少なくとも1つの対応するサプライヤをタグ付けする。サプライヤリポジトリは、位置、材料、加工仕様などと共にサプライヤのリストなどの情報を含む。サプライヤリポジトリに含まれる上記の情報は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。以下の表5は、サプライヤレポジトリを示す。
[表5]
【0038】
対象サプライヤ選択器は、教師なし機械学習クラスタリング法Jaccard類似度を使用することができるが、異なる部品間の類似度を見つけるのとは対照的に、各部品バンドルと異なるサプライヤとの間の類似度を見つけるために適用することができる。この類似度は、バンドル-サプライヤのペアごとに「類似度スコア」として算出及び表示することができる。このプロセスでは、サプライヤデータファイルから必要な列のみを選択することにより、類似度スコアの計算に含める属性を柔軟に選択することが可能である。所定のバンドルについて、類似度スコアが少なくともユーザ指定のカットオフスコアである又はそれ以上であるサプライヤは、そのバンドルに対する「対象サプライヤ」として特定することができる。上記の説明は、以下の例によってより良く理解されるであろう。
サプライヤ選択=Gyro、バンドル=B1(P1、P2)の場合の計算
共通属性={金属、機械加工、旋盤加工、穴加工}
全属性={アルミ、シャフト、旋盤加工、歯車、穴加工、鋼、中空軸、金属、機械加工、歯切り加工、平歯車、真鍮、フライス加工、ねじ切り加工}
類似度スコア=4/14=0.286
【0039】
図3のステップを参照すると、本開示のステップ210において、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、類似度スコアと閾値との間の比較を行う。本開示のステップ212において、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、この比較に基づいて、類似部品のセットと少なくとも1つのサプライヤとの1又は2以上の組み合わせから1又は2以上の対象サプライヤを特定する。このように、他の全てのバンドル-サプライヤの組み合わせについて同様の計算を完了した後、対象サプライヤ選択からの結果は、以下の表6に示される。
[表6]
【0040】
表6の一部のセルの太字属性は、ユーザが指定したカットオフ値0.28(例えば閾値)を有する各バンドルに対する対象サプライヤを示す。上記のステップは、
図7のフローチャートのステップからよりよく理解される。より具体的には、
図7は、
図1から6を参照して、本開示の実施形態による、1又は2以上の対象サプライヤを選択するための方法を説明する例示的なフローチャートを示す。
図7から分かるように、部品バンドリングに続いて、サプライヤデータがサプライヤリポジトリから取得される。各バンドル-サプライヤのペアについて、属性の積集合(IA)と属性の和集合(UA)の比が、類似度スコア(S=IA/UA)を得るために計算される(バンドルについて説明されるものと同様に)。類似度スコアが指定されたカットオフ値より大きい場合、サプライヤはそのバンドルの対象サプライヤとして選択される。このプロセスは、全てのバンドル-サプライヤの比較が終了するまで繰り返される。
【0041】
1又は2以上の対象サプライヤが特定/選択されると、本開示のステップ214において、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、1又は2以上の予め定義されたシナリオに基づいて、1又は2以上の特定された対象サプライヤに対応する類似部品の各セットに対する調達コストを決定する。類似部品の各セットの調達コストが決定されると、それに応じて総調達コストが導出され、次に、1又は2以上の制約に基づいて総調達コストが最適化される。
【0042】
各々が入力タイプ及び値の選択肢であるが固有の組み合わせのデジタル表現である、1又は2以上の予め定義されたシナリオは、(i)部品の特定の組み合わせセット及び1又は2以上の対応する対象サプライヤの全体的なコスト削減、(ii)予め定義された数量範囲の下で特定の事業者に部品を満たすために特定される少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(iii)所定の支出機会で特定の事業者に部品を満たすために特定される少なくとも1つの潜在的サプライヤ、(v)各事業者にわたる納期のために特定される最大数の候補サプライヤ、又は(vi)これらの組み合わせの少なくとも1つを含む。1又は2以上の予め定義されたシナリオ及び1又は2以上の制約は、例示的に以下の表7に示される。
[表7]
【0043】
上記シナリオの1又は2以上の選択により、以下のように交渉の焦点が絞られることが予想される。
1.シナリオ1:何が所定の部品バンドル及び対象サプライヤによる全体的なコスト削減の機会か?
2.シナリオ2:どのサプライヤが納品範囲内でコスト競争力のある製品をもたらすか?
3.シナリオ3:最小納品及び最大支出の制限の中で、どのサプライヤが専用工場への供給を満たすことができるか?
4.シナリオ4:最大サプライヤ数及び最小納品の制限の中で、どのサプライヤが専用工場への供給を満たすことができるか?
5.シナリオ5:納品を満たすために、各工場にわたって必要なサプライヤの最大数はどれくらいか?
6.シナリオ6:所定の支出機会で、どのサプライヤが専用工場への供給を満たすことができるか?
【0044】
「焦点シナリオ」を選択するために適切なシナリオを取得する試みは、部品調達交渉を通じてビジネスが達成しようとするものに依存する場合がある。例えば、
1.シナリオ1、2、3:要求を満たすサプライヤを対象とし、どのサプライヤを成長させるか、コントロールするか、又は撤退させるかを選択する。
2.シナリオ1、4、5:「工場への影響を最小限にする」ために単一調達を検討し、総コスト上昇への潜在的な影響を理解する。
3.シナリオ1、2、5、6:総コスト上昇への影響を理解しながら納品を確保するために最小限のサプライヤを使用することを検討する。
【0045】
上記の予め定義されたシナリオは、以下の例示的な説明からより良く理解される。
1.制約なしのシナリオ:このシナリオでは、工場での特定の部品に対する要求のみが制約となる。これはベースシナリオである。
X
ijk-サプライヤiから工場jに出荷されるバンドルkの数量(決定変数)
C
ijk-サプライヤiから工場へのバンドルkの出荷のための単位コスト
D
jk-工場jでのバンドルkの要求
目的は,総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
2.最小及び最大納品シナリオ:このシナリオでは、要求に加えて、最小及び最大納品に対する制約が存在する。
X
ijk-サプライヤiから工場jに出荷されるバンドルkの数量(決定変数)
C
ijk-サプライヤiから工場jにバンドルkを出荷するための単位コスト
D
jk-工場jにおけるバンドルkの要求
MINQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最小数量
MAXQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最大数量
目的は総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
3.最小納品及び最大支出シナリオ:このシナリオでは、要求に加えて、最小納品及び最大支出に対する制約が存在する。
X
ijk-サプライヤiから工場jに出荷されるバンドルkの数量(決定変数)
C
ijk-サプライヤiから工場jにバンドルkを出荷するための単位コスト
D
jk-工場jにおけるバンドルkの要求
MINQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最小数量
MAXS
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最大支出限度
目的は総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
4.最小納品及び最大サプライヤ数シナリオ:このシナリオでは、要求に加え、最小納品及び最大サプライヤ数に対する制約が存在する。
X
ijk-サプライヤiから工場jに出荷されるバンドルkの数量(決定変数)
C
ijk-サプライヤiから工場jにバンドルkを出荷するための単位コスト
D
jk-工場jにおけるバンドルkの要求
MINQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最小数量
MAXSUPP
jk-工場jへのバンドルkのサプライヤの最大数
y
ijk-バイナリ変数=1(サプライヤiが工場jにバンドルkを出荷する場合)、それ以外は=0
M-1,000,000のような大きな数
目的は総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
5.単一調達及び最大納品シナリオ:このシナリオでは、要求に加えて、最大納品数量と共に各納品に対して単一のサプライヤを有する制約が存在する。
C
ijk-サプライヤiから工場jにバンドルkを出荷するための単位コスト
D
jk-工場jにおけるバンドルkの要求
MINQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最小数量
y
ijk-バイナリ変数=1(サプライヤiが工場jにバンドルkを出荷する場合)、それ以外は=0
M-1,000,000のような大きな数
目的は総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
6.単一調達及び最大支出:このシナリオでは、要求に加えて、最大支出限度と共に、各納品に対して単一のサプライヤを有する制約が存在する。
C
ijk-サプライヤiから工場jにバンドルkを出荷するための単位コスト
D
jk-工場jにおけるバンドルkの要求
MAXS
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最大支出限度
y
ijk-バイナリ変数=1(サプライヤiが工場jにバンドルkを出荷する場合)、それ以外は=0
M-1,000,000のような大きな数
目的は総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
【0046】
以下は、上記のシナリオの少なくともいくつかが、本開示のシステム100によってどのように形成/予め定義されるのかに関する説明である。簡潔さのために及び本開示の実施形態のより良い理解のために、少数のシナリオ形成のみがシステム100によって示される。当業者であれば、シナリオを定義/形成するような実施例は、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解できる。
【0047】
シナリオは、入力と対応する出力(複数可)の異なる組み合わせを探索する。調達コスト最小化問題の場合、様々な入力は、供給元事業者(サプライヤ)、供給先事業者(工場、又は生産ユニット、又は製造ユニットなど)、対応する要求を有する部品又はバンドル、所定の供給元及び供給先関して所定の部品又はバンドルの1ユニットを供給するコスト、納品数量に関する最小/最大制限、支出に関する最小/最大制限、サプライヤの最小/最大数などを含む。シナリオは、一例の実施形態において、上述の入力の特定のサブセットを選択し、組み合わせることによって形成される。入力のいくつかは、全てのシナリオにおいて必要であるが(例えば、供給元、供給先、要求など)、いくつかは任意の組み合わせである(例えば、最小納品数量及び最大支出など)。一般的に、入力の数又は組み合わせが増えると、総調達コストは増加する傾向にあるはずである。
【0048】
以下の概要は、いくつかの予め定義されたシナリオの構造選択へのアプローチの一例である。
ステップ1:制約なしシナリオは、調達に関するサプライヤの見積もりに基づいた機会を評価する。
ステップ2:最小納品・最大納品シナリオは、サプライヤが提供する最小及び最大能力に関して個々のサプライヤの競争力を分析する。シナリオのボリューム割り当て及び関連する支出は、利用可能な能力が要求組み合わせをカバーできるか、さらに部品全体にわたってどの程度のコストでカバーできるかをさらに明確にする。事業者(サプライヤ、メーカー、消費者など)の間の(又はその全体にわたる)交渉では、さらにサプライヤの実績記録及びコスト構造を考慮して、追加のボリューム又は支出に関して成長できるサプライヤ、又は、支出又は能力のコントロールで固定化する必要のあるサプライヤ、又は、さらにボリューム及び支出の削減で撤退する可能性のあるサプライヤを探索する必要がある。
最小納品・最大納品シナリオは、例えば、撤退するサプライヤは最大納品を下げ、成長するサプライヤは最小納品を上げるなど、境界を変えることでさらに活用でき、サプライヤが提供できる競争コストの観点から、総コストへの影響を分析することができる。
ステップ3:最小納品・最大支出シナリオは、納品又は支出境界を変えることで動作し、「成長/固定/撤退計画」全体にわたる機会を改善するために、配分全体にわたるボリューム及びコストのバランスをさらに分析することができる。最適な解決策(例えば、最適な解決策は、サプライヤ全体にわたる支出及び配分組み合わせを指す)が比較されると、これは、総コストを削減し「成長/固定/撤退計画」を管理するための機会をより良く理解した上で、事業者(又は、サプライヤ、メーカー、消費者などの事業体)の間の交渉を推進することができる。換言すれば、サプライヤ(複数可)全体にわたる支出、及びサプライヤ全体にわたるボリューム配分組み合わせなどのこれらの解決策の各々は、比較されて、これらのうちの何れが成長、固定、撤退計画などの1又は2以上の戦略に関して最適な結果を提供するかを決定する。
【0049】
部品バンドル及び対象サプライヤの選択に機械学習手法を使用することは、最適化における決定変数の数が減少し、計算実行時間の減少につながる。上述のように、1又は2以上の制約は、要求、部品の最大量、部品の最小量、最大支出、及びサプライヤの数のうちの少なくとも1つを含む。さらに、当業者であれば、上記の予め定義されたシナリオは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解できるはずである。換言すれば、要件に応じて(例えば、顧客/ユーザからの入力要求に基づいて)リアルタイム/ニアリアルタイムで又は十分前もって、他のシナリオを評価して定義することができる。
【0050】
上記の214及び216のステップは、以下の説明からより良く理解される。システム100によって実装される調達コストオプティマイザ(メモリ102に含まれる、
図2のシステム100のブロック図を参照)は、部品バンドル、及び特定/選択される1又は2以上の対象サプライヤからの単位コストを使用して、シナリオによって定義される様々な制約及びその組み合わせに対する最小調達コストを決定する。調達コストは、本技術分野で知られているように、最適化アルゴリズムを使用して最小化することができる。最適化問題は、選択されたビジネス目的及び制約に基づいて設定することができる。シミュレーションアルゴリズムは、最適化のための代替オプションとすることができる。以下に、選択したサプライヤからの最小及び最大数量制限を用いる、調達コストの最小化のための最適化を使用する一例を示す。
【0051】
この例では、制約は、サプライヤから購入できる特定のカテゴリの最小数量及び最大数量であり、それぞれデフォルト値「ゼロ」及び「無制限」である。
X
ijk-サプライヤiから工場jに出荷されるバンドルkの数量(決定変数)
C
ijk-サプライヤiから工場jにバンドルkを出荷するための単位コスト
D
jk-工場jにおけるバンドルkの要求
MINQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最小数量
MAXQ
im-サプライヤiから購入するカテゴリmの部品の最大数量
目的は総コストを最小化することである。
以下を条件とする。
【0052】
出力された決定変数値X
ijkは、目的関数
を用いて、総調達コストを算出するために使用することができる。これは、各サプライヤ-部品バンドル-工場の組み合わせのための単位コスト及び数量のサムプロダクト(sumproduct)である。
【0053】
簡潔さ及び本開示の実施形態のより良い理解のために、次のステップのために説明される関連するシステム及び方法は、各部品がそれ自体でバンドルにあり、全てのサプライヤが全ての部品に対する対象サプライヤであるという特別な場合を用いる。調達コストオプティマイザは、2つの入力ファイルを使用する。以下のファイルでは、入出力構造を説明するために、データファイルの最初の数行と数列のデータのみが示されており、このようなデータの使用は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
1)LaneCosts.csvを考慮する-以下の表8は、ほとんど自明な意味を有する以下の列を含む。
a.変数:x_1、x_2、x_3、...=>決定変数の数。ユースケースシナリオの例では、6つの部品/バンドル、4つのサプライヤ、4つの工場があり、96の決定変数がある。
b.供給元:サプライヤ
c.供給先:工場
d.部品:部品又はバンドル
e.コスト:部品又はバンドルを供給元から供給先まで調達するための単位コスト(米ドル)
f.カテゴリ:ユーザ定義又は計算による部品のグループ化
[表8]
2)制約.csvを考慮する-以下の表9は、最適化問題に対する制約を記述したものである。各行の最後の列(N)は制約のRHS値で、(N-1)番目の列は制約の関係を表す数学記号(<=、>=、=)である。1列目から(N-2)列目までは、決定変数の制約係数を有する。
[表9]
【0054】
各シナリオについて、調達コストオプティマイザからの主な出力ファイルは2つある(数ある中で)。第1の出力ファイルは、目的関数(式2)の値である。これは、シナリオに記述された制約(式3から式6)で得られる最小部品調達コストである。このシナリオ2の出力(MinMaxQtyともいう)を以下に示すが、メモリ内のMinMaxQty_optobj.csv(図には示されていない)に格納されている。
部品調達の最適総コスト-MinMaxQty=1,962,100,000
調達コストコストオプティマイザからの第2の出力は、各決定変数の値、すなわち、上記の最小調達コストを達成するために必要な各サプライヤ/部品/工場の組合せの数量である。これはMinMaxQty_optout.csvに格納され、その例は、以下の表10に示されている。「total_cost」列の合計は、最適コストの1,962,100,000と等しい。
[表10]
【0055】
当業者であれば、上述した予め定義されたシナリオ及び1又は2以上の制約は例であり、このようなは本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解できるはずである。換言すれば、入力要求と、事業者全体にわたる関与及び交渉のレベルに応じて、シナリオ及び1又は2以上の制約は、要求を満たすように構成及び変更することができる。
【0056】
総調達コストが最適化されると、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデル(ニューラルネットワーク又は神経ネットワークモデルとも呼ばれ、本明細書では互換的に用いられる)を用いて後続の時間インスタンスに対する目標コストを予測する。NNARXモデルは、少なくとも3つの層を含み、第1の入力層は、コストの履歴値、1又は2以上の外部駆動変数の現在及び履歴値を表すニューロンを含み、最後の出力層は、目標コストを表すニューロンを含み、少なくとも1つの中間層は、正規化線形活性化関数でNNARXモデルのノードの重みを計算するよう構成されるニューロンを含む。中間層の各ノードは、入力層の1又は2以上のノード(入力層に存在するノードの数に応じて)、及び出力層のノードに接続される。上記のステップとニューラルネットワークモデルは、以下の説明によってより良く理解することができる。
【0057】
シナリオ改善のための目標(総)コストの設定は、重要な技術的問題であり、教師あり機械学習アプローチを使用して対処され、本開示は、現在又は将来の時間期間の目標総コストを予測するためにニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルを使用する。本開示のシステム及び方法によって実装されるNNARXは、
図8に示されている。より具体的には、
図8は、
図1から7を参照して、本開示の実施形態による、
図1から2のシステムによって実装されるような様々な層を有するニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルの例示的な表現を示す。より具体的には、ニューラルネットワーク自己回帰インプット(NNARX)モデルは、入力層、1又は2以上の隠れ層、及び最後の出力層を含む少なくとも3つの層を有する。ここでは、履歴上の総(調達)コストに加えて、履歴上の原材料価格(例えば、鋼材価格)が外因性入力(又は外部駆動変数)として使用される。ニューラルネットワークモデルでは、最初の入力層のニューロンはコストの履歴値、並びに外部駆動変数の現在値及び履歴値を表し、最後の出力層のニューロンは目標コストを表し、中間層のニューロンは正規化線形活性化関数又はReLUで重みを計算するために使用される。
図8に示されるように、何らかの連続する2つの層のノードは相互に接続される。上記のようにモデルを規定した後、入力データは、訓練セット及び試験セットになり、NNARXモデルのパラメータは、訓練データにフィッティングさせることで生成される。より具体的には、入力データは、訓練セット及び試験セットに分割され、NNARXモデルは、訓練セットにフィッティングされ、結果としての/フィッティングされたモデルは、試験セット上で使用され、予測コスト及び予測誤差(平均絶対パーセント誤差又はMAPEを通じて測定)を計算するようになっており、次に、モデルは、5%未満の予測誤差でもって後続の時間インスタンスの目標コストを予測する。換言すれば、生成されたモデルは、試験データに対する予測コストの予測に使用される。次に、予測誤差は、平均絶対パーセント誤差(MAPE)で評価される際に計算される。
【0058】
この場合のモデルは、4.56%の予測誤差をもたらすが、このような予測誤差は、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。予測誤差が5%未満であるため、このモデルは後続の時間インスタンスに対する目標コストを予測するために使用される。入力レコードと出力レコードの例を表11に示す。太字の総コスト予測値は、反復的目標シーカー法(後述)において使用される。
[表11]
【0059】
当業者であれば、本開示のシステム及び方法によって記述された上記の訓練及び試験セットアップは、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解できるはずである。換言すれば、本開示の一例の実施形態において、NNARXモデルの訓練及び試験、及びその適合性は、観察される要件及びシナリオに応じて様々とすることができる。
【0060】
次に、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、(i)後続の時間インスタンスについて予測された目標コストと、(ii)1又は2以上の予め定義されたシナリオのそれぞれについて最適化された調達コストと、の比較を実行し、比較に基づいて1又は2以上の予め定義されたシナリオから焦点シナリオを特定し、焦点シナリオは、出力(例えば目標コスト)として機能する。
【0061】
焦点シナリオは、目標値との差が最小であることに基づいて選択されるシナリオである。ベース(非制約)シナリオは、基準点を提供するために使用される理想的なシナリオをなすので、その総コストは、一般に、目標コストよりわずかに低い場合がある。この場合、表12に示すように、MinMaxQtyシナリオが選択される(太字は参考値)。
[表12]
【0062】
次に、1又は2以上のハードウェアプロセッサ104は、焦点シナリオの最適化された総調達コストが目標コスト以下となるまで、以下のステップを繰り返し実行する。このステップは、1又は2以上の潜在的な目的改善を特定することと、(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つを修正することと、修正されたコスト及び1又は2以上の制約に基づいて焦点シナリオの新しい最適化コストを取得することとを含む。上述のステップは、
図2及び9に示されるように、反復的コストシーカーによって実施される。上記のステップは、以下の説明及び例からより良く理解することができる。焦点シナリオが特定されると、システム100は、入力を修正することにより、総コストをさらに(目標に向かって)削減しようとする。この場合、焦点シナリオのコストが高いことは、(i)単位コストで高いサプライヤを使用している、又は(ii)最小数量(MinQty)などの制約により別のサプライヤを選択することを余儀なくされた結果である可能性がある。これらの違いを正確に示すために、以下の表13に示すように、焦点シナリオの出力は、ベースシナリオと比較される。
[表13]
【0063】
コストオプティマイザの様々なシナリオの出力と目標コストが与えられると、反復的目標コストシーカーは、目標に最も近いコストのシナリオを選択し、さらなるコスト削減の可能性を特定する。そのために、3つのシナリオを、その総コスト並びに予測される目標調達コスト19559400米ドルに関して検討した。
【0064】
反復的目標コストシーカーは、焦点シナリオの各決定変数(supply_qty)の出力を、ベースシナリオの対応する出力と比較し、以下のように、その差異を改善の可能性として強調表示する。
例えば、次のような焦点シナリオを仮定する。
目標コスト=1957500000
値の許容範囲(%)=0.2
焦点シナリオ=MinMaxQty
焦点シナリオの総コスト=1962100000
焦点コストと目標コストとの間の差異率=0.23499361430395915
特定されている1又は2以上の潜在的な目的改善は、以下を含む。
Part、Destination、BaseSource、BaseSupplyQty、BaseUnitCost、FocalSource、FocalSupplyQty、FocalUnitCost、UnitCostDiff、TotalCostDiff
P4、Indianapolis、Marina、100000.0、1160、Marina、50000.0、1160、0、0.0
P4、Indianapolis、Marina、100000.0、1160、Lakes、50000.0、1180、20、1000000.0
P4、St. Louis、Marina、25000.0、1220、Marina、15000.0、1220、0、0.0
P4、St. Louis、Marina、25000.0、1220、Steelers、10000.0、1300、80、800000.0
P5、St. Louis、Marina、30000.0、1240、Steelers、30000.0、1280、40、1200000.0
P8、Cleveland、Marina、140000.0、1400、Marina、90000.0、1400、0、0.0
P8、Cleveland、Marina、140000.0、1400、Empire、50000.0、1470、70、3500000.0
P11、St. Louis、Marina、40000.0、1160、Marina、10000.0、1160、0、0.0
P11、St. Louis、Marina、40000.0、1160、Steelers、30000.0、1200、40、1200000.0
【0065】
上記の改善点は、P4のIndianapolisでの要求について、表14において以下の例で示すことができる。
[表14]
【0066】
最初の行は、ベースシナリオでは、100Kの要求全体が最もコストの低いサプライヤであるMarinaから調達されていることを示す。しかしながら、焦点シナリオでは、Marinaから50Kだけ調達し、残りの50Kは20ドル高い単位コストで別のサプライヤであるLakesから調達した。その理由は、Lakesから50KのMinQty要件があるからである。Marinaからの調達量を増やすことができる場合、(20*50,000)=1Mnドルのコスト削減で目標に近づくことができる可能性がある。
【0067】
ここで上記の情報が利用可能であり、コストをベース(基準)コストである1160ドルに近づけるか又はMinQty要件を低減するようにLakesと交渉することができる。どちらか一方の選択肢又は適切な組み合わせはコスト削減を助ける。換言すると、(i)各部品に関連するコスト及び(ii)1又は2以上の制約のうちの少なくとも1つは、上記の利用可能な情報(例えば、事業組織/ベンダー/サプライヤなどの事業者の間の交渉)に基づいて修正される。
【0068】
新しい入力が決定されると、新しいシナリオが構築され、供給元コストオプティマイザを通して実行することができ、総調達コストを目標に向かってさらに削減することができる。換言すれば、焦点シナリオのための新しい最適化コストは、修正されたコストと、上記で説明して示したような1又は2以上の制約とに基づいて取得することができる(又は所得される)。焦点シナリオのための新たな最適化コストを取得する上記のステップは、以下の説明でよりよく理解することができる。
【0069】
例:ユーザが、LakesからIndianapolisへのP4の単位コストを下げ、新しいコストが1180ドルの代わりに1170ドルであると仮定する。再最適化は、次の結果をもたらし、新しい最適総コストは1961600000である。この新しい最適総コストは、焦点シナリオの1962100000よりも目標値である1957500000に近い。しかしながら、まだ目標値に到達していないため、目標シーカーはさらなる反復を推奨する。上記の説明は、
図9に示されるような反復的目標コストシーカーのブロック図で実現することができる。より具体的には、
図9は、
図1から8を参照して、本開示の実施形態による、
図2の反復的目標コストシーカーを使用して焦点シナリオの新しい最適化コストを得るための方法のプロセスを示すブロック図である。
図9から分かるように、部品バンドル及び対象サプライヤの選択に続いて、シナリオの初期セットは、分析エンジンを介して処理することができ、総コストメトリックは、シナリオの各々について計算されて、メトリックのセットを取得することができる。これらの収集されたメトリクスのセットは、目標総コストと比較することができる。ベースシナリオの総コストは、基準点を提供するために使用される理想的なシナリオを構成するため、一般に、目標コストよりもわずかに低い値である。初期シナリオの1つ(ベースシナリオ以外)は、推奨又はさらなる改良のために選択することができる。この選択はルール駆動型であり、ルールは「目標コストに対して最小の総コスト差を持つシナリオを選択する」となる場合がある。選択されたシナリオは、通常、焦点シナリオと呼ばれる。焦点シナリオの総コストが目標コストより低い場合、さらなる改善は必要ない場合がある。システム100は、これを優先シナリオとして意思決定者に推奨することができる。焦点シナリオの総コストが目標コスト及び予め定義された許容値を超える場合、さらなる改善が必要な場合がある。改善は、入力及び/又は制約を修正することによって行うことができる。シナリオの推奨数量は、カテゴリ毎にベースシナリオの推奨数量と比較することができる。ベースは、各要求が最も低コストのサプライヤから調達される理想的なシナリオであるため、このケースからの何らかの偏差は、より綿密な精査に値する場合がある。これらの差異は、潜在的な目標改善機会として、計算された改善コストとともにリストアップされる。再最適化の決定がなされた場合(例えば、ユーザの決定)、データは焦点シナリオと重複する可能性がある。新しいコスト又は制約データを取得した後、最適化を再実行して、結果を目標コストと比較することができる。このプロセスは、目標コストに達するか又は最大反復回数が実行されるまで繰り返すことができる。
【0070】
既存の手法では、適切な部品バンドルを供給する最適なサプライヤを対象にして、持続的な節減のために最適な契約条件を体系的に交渉するための効果的な方法が欠けている。急速に変化する技術を、又は制約選択を伴う重要な商品の利用可能な能力を積極的に活用するために、本開示の実施形態は、有能なサプライヤを対象とし、場合によってはより大量の義務を伴う複数年契約について潜在的に交渉することを可能にすることができる。最適なサプライヤを対象とし、適切な部品調達バンドルを作成することは、コスト、能力、及び場合によっては複雑なビジネス要求に対処する機会に関する明確な契約要素の構造化でもって、本明細書に記載する反復的目標コストシーカーによってさらに強化することができる。体系的な交渉プロセスを通じてこのような部品調達契約を推進するには、能力組み合わせ及び能力構築要素に関する合意を伴う、中核部品及びサプライヤ関連情報を使用し、さらに本開示のシステムと方法によって克服される技術的課題を提示する不確実な市場環境下で実行することが必要である。
【0071】
製造された製品の典型的な部品調達コストは、売上原価の約65%に相当する。サプライヤの見積もり分析又は交渉を通じて得られるコストメリットは、絶えず変化する顧客の要求、製品提供、及びサプライヤのビジネスリスクに起因して維持することが難しい。製造業者は、彼らの製品からの新たな技術的要求を満たすための最適な能力を探すために世界的にサプライヤを増やしているが、適切な部品バンドルについて最適なサプライヤを対象として、持続的な節約のために最適な契約条件を体系的に交渉するための有効な方法がないため、利益又は生産性に直接影響を与えるコスト変動の管理リスクにさえ直面している。上記の技術的問題に対処するために、本開示の実施形態は、将来の製品ポートフォリオのための重要な部品の技術及び将来の数量予想に関する詳細なデータ、ならびにサプライヤの位置にわたるコスト構造とともに生産量及び能力に対するニーズの明確な組み合わせを活用するシステム及び方法を提供する。このデータを用いて、本開示のシステムは、部品と対応する能力機会との間の関係を提供する。本明細書で説明する部品バンドルは、共有技術及び推定総需要を有する部品の最適なファミリーを作成するが、本システムによって実装される対象サプライヤ選択器は、選択した部品バンドルのための最適なサプライヤ位置をマッピングする。反復的目標コストシーカーは、例えば、発注量、バンドル組み合わせ、又はサプライヤの数を制約することによって、サプライヤの能力を大きくする又は制限する複数の代替案を含む調達コストオプティマイザを使用する。さらに、本開示の上記方法が実行されることにより、システム100は、部品についてのデータフォーマット(例えば、各部品の属性、及び各部品の数量が表現される)を整合させ、結果的に対応する処理及びサプライヤ情報にわたるリンクを実現することを可能にする。
【0072】
本明細書は、当業者が本実施形態を実施及び利用できるように、本明細書の主題を説明する。主題の実施形態の範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に生じる他の修正を含むことができる。そのような他の修正は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない類似の要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文言と僅かな差異を有する均等の要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0073】
保護範囲は、このようなプログラムに加え、そこにメッセージを有するコンピュータ可読手段にも及ぶことが理解され、このようなコンピュータ可読記憶手段は、プログラムがサーバ又はモバイルデバイス又は何らかの適切なプログラム可能デバイス上で実行される場合、方法の1又は2以上のステップの遂行のためのプログラム-コード手段を含む。ハードウェアデバイスは、例えば、サーバ又はパーソナルコンピュータなどの何らかの種類のコンピュータ又はそれらの何らかの組み合わせを含む、プログラム可能な何らかの種類のデバイスとすることができる。また、デバイスは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなハードウェア手段、又はハードウェア及びソフトウェア手段の組み合わせ、例えばASIC及びFPGA、又はソフトウェア処理構成要素が配置された少なくとも1つのマイクロプロセッサ及び少なくとも1つのメモリとすることができる手段を含むことができる。従って、手段は、ハードウェア手段及びソフトウェア手段の両方を含むことができる。本明細書に記載された方法の実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアで実装することができる。また、デバイスは、ソフトウェア手段を含むことができる。あるいは、実施形態は、異なるハードウェアデバイス上に、例えば、複数のCPUを使用して実装することができる。
【0074】
本明細書の実施形態は、ハードウェア要素及びソフトウェア要素を備えることができる。ソフトウェアで実装される実施形態は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むが、これらに限定されない。本明細書で説明する様々な構成要素によって実行される機能は、他の構成要素又は他の構成要素の組み合わせで実装することができる。本明細書の目的のために、コンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって又はそれに関連して使用するために、プログラムを備える、格納する、伝達する、伝播する、又は転送することができる何らかのデバイスとことができる。
【0075】
例証されるステップは、示された例示的な実施形態を説明するために記載されており、継続的な技術開発は、特定の機能が実行される方法を変更することになることが予想されるはずである。これらの例は、説明のために本明細書に提示されており、限定するものではない。さらに、機能的な構成要素の境界は、説明の便宜のために本明細書で任意に定義されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替の境界を定義することができる。代替案(本明細書に記載されたものの等価物、拡張、変形、逸脱などを含む)は、本明細書に含まれる教示に基づいて、関連技術の当業者には明らかであろう。
そのような代替案は、開示された実施形態の範囲に含まれる。また、単語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「包含する(containing)」、及び「含む(including)」、並びに他の同様の形態は、これらの単語のいずれか1つに続く項目(複数可)が、この項目(複数可)を網羅的に記載すること又は記載された項目(複数可)のみに限定されることを意味しない点において、意味上等価であり、オープンエンドであることが意図される。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈によって明らかに指示されない限り、複数形の参照を含むことに留意されたい。
【0076】
さらに、1又は2以上のコンピュータ可読記憶媒体は、本開示と一致する実施形態を実施する際に利用することができる。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって読み取り可能な情報又はデータを格納することができる何らかのタイプの物理メモリを指す。従って、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサ(複数可)に本明細書に記載の実施形態と一致するステップ又は段階を実行させるための命令を含む、1又は2以上のプロセッサによる実行のための命令を格納することができる。用語「コンピュータ可読媒体」は、有形のものを含み、搬送波及び過渡信号を除外する、すなわち、非一時的であると理解されたい。例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、CD-ROM、DVD、フラッシュドライブ、ディスク、及び他の何らかの既知の物理的記憶媒体が含まれる。
【0077】
開示された実施形態の真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示され、本開示及び実施例は単に例示的なものと見なされることが意図されている。
【符号の説明】
【0078】
100 システム
102 メモリ
108 データベース
104 ハードウェアプロセッサ
106 インタフェース
【外国語明細書】