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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007173
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】給水システム
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/68 20230101AFI20230111BHJP
   B01F 21/00 20220101ALI20230111BHJP
   B01D 61/08 20060101ALI20230111BHJP
   G07F 13/06 20060101ALI20230111BHJP
   A23L 2/00 20060101ALN20230111BHJP
   A23L 2/74 20060101ALN20230111BHJP
【FI】
C02F1/68 520C
B01F1/00 D
B01D61/08
C02F1/68 510B
C02F1/68 530B
C02F1/68 540D
G07F13/06 E
A23L2/00 V
A23L2/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110260
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】502038842
【氏名又は名称】株式会社デジアイズ
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴則
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 修治
(72)【発明者】
【氏名】西 直彦
【テーマコード(参考)】
3E047
4B117
4D006
4G035
【Fターム(参考)】
3E047BA04
3E047DA06
3E047GA09
4B117LC07
4B117LC14
4B117LP20
4B117LT01
4B117LT05
4D006GA03
4D006KA02
4D006KA72
4D006KB12
4D006KB14
4D006KB30
4D006MA22
4D006PA01
4D006PB02
4D006PB70
4G035AA12
(57)【要約】
【課題】浄水供給装置と炭酸水製造装置とを含むシステムを構築した場合に、システム全体の構成をコンパクトにし、また、システム全体におけるメンテナンス作業を効率良く行う。
【解決手段】本発明の給水システムは、原水を濾過して透過水を生成する透過水生成装置と、前記透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を製造する炭酸水製造装置と、を有し、前記透過水生成装置と、前記炭酸水製造装置とを隣接して配置したものである。このとき、前記透過水生成装置及び前記炭酸水製造装置は、各装置が有する扉が設けられる面が向く方向を同一方向とし、且つ一方の装置が有する扉の回動中心が他方の装置から離れて位置した状態で、並んで配置されてもよい。また、前記透過水生成装置及び前記炭酸水製造装置は、背中合わせの状態で配置されてもよい。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を濾過して透過水を生成する透過水生成装置と、
前記透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を製造する炭酸水製造装置と、
を有し、
前記透過水生成装置と、前記炭酸水製造装置とを隣接して配置した
ことを特徴とする給水システム。
【請求項2】
請求項1に記載の給水システムにおいて、
前記透過水生成装置及び前記炭酸水製造装置は、鉛直方向を回動中心として回動する扉を各々有し、
前記透過水生成装置及び前記炭酸水製造装置は、各装置が有する扉が設けられる面が向く方向を同一方向とし、且つ一方の装置が有する扉の回動中心が他方の装置から離れて位置した状態で、並んで配置される
ことを特徴とする給水システム。
【請求項3】
請求項1に記載の給水システムにおいて、
前記透過水生成装置及び前記炭酸水製造装置は、背中合わせの状態で配置されることを特徴とする給水システム。
【請求項4】
請求項2に記載の給水システムにおいて、
前記透過水生成装置の扉の前方の領域と、前記炭酸水製造装置の扉の前方の領域と、を区分けする仕切り板を、有することを特徴とする給水システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の給水システムにおいて、
前記炭酸水製造装置に前記炭酸ガスを供給するガスボンベを、前記炭酸水製造装置に隣接して配置したことを特徴とする給水システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸水や透過水などの給水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康志向を受けて、炭酸水や浄水に対するニーズが高まっている。炭酸水は、美容や料理、ダイエットなど様々な目的で使用されており、例えば家庭で気軽に炭酸水を生成するための家庭用の炭酸水製造装置の販売や、業務用の炭酸水製造装置の大型食料品店への提供が開始されている。
【0003】
浄水(透過水)は、例えば水道水などの原水を逆浸透膜で濾過することにより、原水に含まれる不純物を除去したもので、例えばスーパーマーケットなどの大型食品店に設置された浄水生成装置により提供を受けることができる(特許文献1参照)。業務用の炭酸水製造装置や浄水生成装置は、食料品の購入に合わせて炭酸水や浄水を提供することを目的として、例えば食料品店の出入り口やレジ近傍に設置される。これら業務用の炭酸水製造装置や浄水生成装置は、浄水の販売及び炭酸水の販売を各々で行うものであるが、例えば浄水供給装置において生成した浄水を炭酸水製造装置に供給して、炭酸水を生成することも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-49030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、浄水供給装置において生成された浄水を炭酸水製造装置に供給し、炭酸水製造装置の内部で炭酸水の生成を行う場合、浄水供給装置から炭酸水製造装置に対して浄水を供給するための構成や、装置間での通信を行う構成が必要となる。したがって、各々の装置に対するメンテナンス作業やこれら装置に跨ったメンテナンス作業を行う必要がある。また、浄水供給装置及び炭酸水製造装置は、衛生面の観点から一定時間経過する毎に洗浄されるようになっている。なお、洗浄時に発生する水(以下、洗浄水)は、食料品店などに設置した排水経路へと排出されることになるが、浄水供給装置及び炭酸水製造装置から排水経路までの間に配置される排水管の引き回しや排水管に対するメンテナンス作業も必要となる。したがって、浄水供給装置と炭酸水製造装置とを含むシステムを構築する場合には、システム全体の構成をコンパクトにし、また、システム全体におけるメンテナンス作業を効率良く行うことが求められる。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浄水供給装置と炭酸水製造装置とを含むシステムを構築した場合に、システム全体の構成をコンパクトにし、また、システム全体におけるメンテナンス作業を効率良く行う技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の給水システムは、原水を濾過して透過水を生成する透過水生成装置と、前記透過水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を製造する炭酸水製造装置と、を有し、前記透過水生成装置と、前記炭酸水製造装置とを隣接して配置したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明を実施した給水システムの一例を示す斜視図である。
図2図1に示す給水システムにおいて、前面扉を開き位置へと各々回動させた炭酸水製造装置及びRO水生成装置を、炭酸水製造装置側から視認した状態の一例を示す斜視図である。
図3】前面扉を開き位置へと各々回動させた炭酸水製造装置及びRO水生成装置を、RO水生成装置側から視認した状態の一例を示す斜視図である。
図4】前面扉を開き位置へと各々回動させた炭酸水製造装置及びRO水生成装置の正面図である。
図5図1に示す給水システムにおいて、炭酸水製造装置及びRO水生成装置の背面側の構成の一例を示す斜視図である。
図6】炭酸水製造装置とRO水生成装置とを背中合わせの状態で配置した給水システムの一例を示す斜視図である。
図7】炭酸水製造装置とRO水生成装置とを並べて配置したときに、炭酸水製造装置の前面の領域とRO水生成装置の前面の領域とを仕切り板により仕切る場合について説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態に示す給水システムについて、図面を用いて説明する。
【0010】
図1から図5に示すように、実施の形態に示す給水システム10は、炭酸水製造装置11において生成した炭酸水や、RO(Reverse Osmosis)水生成装置12において生成されたRO水を、利用者に提供するシステムである。なお、給水システム10において、炭酸水製造装置11は、RO水生成装置12で生成したRO水や、収納ボックス13に収納されたガスボンベ14からの炭酸ガスの供給を受けて、炭酸水を生成する。
【0011】
給水システム10は、炭酸水製造装置11、RO水生成装置12を含む。給水システム10において、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12は、図1中左側から、RO水生成装置12、炭酸水製造装置11の順で図1中x軸方向に並んで配置される。この状態では、炭酸水製造装置11の前面扉21及びRO水生成装置12の前面扉51が設けられる面が同一方向を向いた状態となる。
【0012】
炭酸水製造装置11の右側方には、収納ボックス13が配置される。収納ボックス13は、炭酸水製造装置11に炭酸ガスを供給するガスボンベ14が収納される。なお、図1においては、2本のガスボンベ14が収納される場合を示している。収納ボックス13に収納されるガスボンベ14の数は、2本に限定されるものではない。
【0013】
収納ボックス13は、ボックス本体13a、前面扉13b及び背面扉13cを有する。図示は省略するが、ボックス本体13aは、前面及び背面が開口された筒形状である。前面扉13bは、図示を省略したヒンジなどを介してボックス本体13aの前面に軸支され、ボックス本体13aの前面の開口部分を被覆する閉じ位置と、ボックス本体13aの前面の開口部分を露呈する開き位置との間で回動する。同様にして、背面扉13cは、図示を省略したヒンジなどを介してボックス本体13aの背面に軸支され、ボックス本体13aの背面の開口部分を被覆する閉じ位置と、ボックス本体13aの背面の開口部分を露呈する開き位置との間で回動する。収納ボックス13が有する前面扉13b及び背面扉13cは、通常、閉じ位置に各々保持されている。前面扉13b及び背面扉13cが閉じ位置にある時、これら扉は、図示を省略した施錠装置により施錠される。なお、前面扉13b及び背面扉13cがボックス本体13aに軸支される位置は、収納ボックス13の幅方向(図1中x軸方向)における左側端部でも右側端部でもよい。また、前面扉13b及び背面扉13cがボックス本体13aに軸支される位置は、ボックス本体13aの上下方向(図1中z軸方向)における上端部でも下端部でもよい。
【0014】
収納ボックス13が前面扉13b及び背面扉13cを有することで、ガスボンベ14の交換作業を行うとき、交換するガスボンベ14に合わせた扉を閉じ位置から開き位置へと回動させることで、目的のバスボンベを交換することができる。このとき、交換しないガスボンベ14は、そのままの位置で保持されるので、ガスボンベ14の交換作業を容易に行うことができる。
【0015】
なお、図1においては、炭酸水製造装置11の右側方に収納ボックス13を配置し、収納ボックス13の内部にガスボンベ14を収納した場合を例示しているが、ガスボンベ14を、炭酸水製造装置11の側方に、そのまま設置してもよい。
【0016】
炭酸水製造装置11は、RO水生成装置12から供給されるRO水を用いて、炭酸水を生成する装置である。炭酸水製造装置11は、前面扉21及び装置本体22を有する。前面扉21は、装置本体22の幅方向(図1中x軸方向)における両端部のうち、併設されるRO水生成装置12に近接する端部とは反対側の端部で、装置本体22における上下方向(図1中z軸方向)の両端部に配置したヒンジ部23,24により、装置本体22に連結されている。したがって、前面扉21は、装置本体22の幅方向(図1中x軸方向)において、例えば収納ボックス13側の端部(図1中右端部)を回動中心として、装置本体22の内部を遮蔽する閉じ位置(図1参照)と、装置本体22の内部を露呈する開き位置(図2参照)との間で回動する。
【0017】
前面扉21は、操作パネル25、QR(Quick Response)コードリーダ26、注水ボックス27を有する。前面扉21は、前面扉21の上下方向(図1中z軸方向)における略中央部分に注水ボックス27を配置し、注水ボックス27の上方に、操作パネル25やQRコードリーダ26を配置した構成である。なお、操作パネル25やQRコードリーダ26は、前面扉21の背面側から前面扉21に取り付けられる。
【0018】
操作パネル25は、一例としてタッチパネルである。操作パネル25は、注水ボックス27の上方で、且つ前面扉21を前面から視認したときに、前面扉21の幅方向(図1中x軸方向)における中心から、前面扉21の回動中心となる端部側に所定量ずれた位置に配置される。
【0019】
操作パネル25は、炭酸水製造装置11の動作状態に関する情報を表示する他、RO水生成装置12との通信に関する情報やQRコードリーダにより読み取られた情報などを表示する。ここで、炭酸水製造装置11の動作状態に関する情報とは、例えば、待機中、炭酸水の生成中、炭酸水の注水中などの他に、炭酸水の生成の停止(一例として販売中止を含む)、RO水の貯水中などが挙げられる。また、通信に関する情報とは、RO水生成装置12に対してRO水の送水を要求する信号の送信中、RO水生成装置12からのRO水の送水を開始する信号の受信中などが挙げられる。
【0020】
また、操作パネル25は、炭酸水の提供時(炭酸水の購入を含む)に、実際に生成可能な炭酸水の水量(炭酸水を供給することができる耐圧ボトルの本数)を表示する。さらに、操作パネル25は、炭酸水製造装置11における炭酸水の供給を開始する際に、購入可能な炭酸水のガス強度(GV)や炭酸水の水量を選択する選択ボタン(図示省略)を表示する。これら選択ボタンが操作パネル25に表示されたときには、操作パネル25は、利用者のタッチによる入力操作(選択ボタンの選択操作)を受け付ける。
【0021】
QRコードリーダ26は、前面扉21の上下方向(図1中z軸方向)において、操作パネル25と注水ボックス27との間となる位置で、且つ前面扉21を前面から視認したときに、前面扉21の幅方向(図1中z軸方向)における中心から前面扉21の回動中心となる端部側に所定量ずれた位置に配置される。QRコードリーダ26は、利用者が有する携帯型端末機に表示されるQRコード(登録商標)や、レシートなどに印刷されたQRコードを読み取る。なお、QRコードは、例えば、利用者が購入する炭酸水の情報(炭酸水の水量やガス強度)を示すものである。
【0022】
本実施形態では、QRコードリーダ26を有する炭酸水製造装置11を一例として説明するが、QRコードリーダ26の代わりに、IC(Intergrated Circuit)カードの情報を読み取るICカードリーダを炭酸水製造装置に設ける、又はQRコードリーダ26とICカードリーダとを炭酸水製造装置に設けることも可能である。
【0023】
注水ボックス27は、ボックス本体28と、注水扉29とを有する。ボックス本体28は、前面が開口された中空空間を有し、当該中空空間に炭酸水を注水するための耐圧ボトルを設置することが可能となっている。また、ボックス本体28は、排水トレイ30を下端部に有する。排水トレイ30は、耐圧ボトルから漏れた炭酸水や、炭酸水製造装置11の清掃時に排出されるRO水を受容して、後述する排水口43に接続された排水ホース46を介して外部へと排出する。耐圧ボトルは、炭酸水の供給を受けるために、利用者が購入する専用のボトルである。
【0024】
排水トレイ30は、注水ボックス27から取り出した耐圧ボトルを載置できるように前面扉21の前方に突出するように設けられている。しかしながら、排水トレイ30は、メンテナンス作業を行うときなど、前面扉21を開き位置へと回動させたときに、スライド又は折り畳まれることで注水ボックス27のボックス本体28の内部に収納することができるようにしてもよい。
【0025】
注水扉29は、耐圧ボトルを注水ボックス27に設置するとき、又は耐圧ボトルを注水ボックス27から取り出すときに開閉される。注水扉29は、幅方向(図1中x軸方向)における左側端部を回動中心としてボックス本体28に軸支される。注水扉29は、不図示のばねにより、ボックス本体28の中空空間を被覆する閉じ位置に保持され、利用者の操作によって、ボックス本体28の中空区間を露呈する開き位置へと回動する。
【0026】
前面扉21は、加圧タンク32及び除菌フィルタ33を背面側に有する。加圧タンク32は、貯水タンク36から供給されるRO水と、上述したガスボンベ14から供給される炭酸ガスとを攪拌混合して、炭酸水を生成する。なお、生成した炭酸水は、加圧タンク32から注水ボックス27の内部に設置された耐圧ボトルに注水される。
【0027】
加圧タンク32は、前面扉21の背面側に突出する注水ボックス27のボックス本体28の上方に配置される。加圧タンク32は、前面扉21の幅方向における略中央から、自由端側にずれた位置に配置される。なお、加圧タンク32が前面扉21の背面側に配置されると、加圧タンク32は、前面扉21の回動中心側に配置されるカバー34の側方(図3中右側方)に配置される。ここで、カバー34は、前面扉21の背面側から取り付けられる操作パネル25やQRコードリーダ26を被覆するために設けられる。
【0028】
除菌フィルタ33は、上述したカバー34の下方で、且つ注水ボックス27のボックス本体28の側方(図3中左側方)に配置される。除菌フィルタ33は、貯水タンク36から加圧タンク32の間の給水路において、加圧タンク32の近傍となる位置に配置される。除菌フィルタ33は、細菌や不純物を除去することを本来の目的として配置されるものである。炭酸水製造装置11において炭酸水の製造及び供給を行ったときには、貯水タンク36と加圧タンク32との間に設けられる給水路(図示省略)に残存するRO水を排水する必要がある。そこで、上記給水路において、加圧タンク32の近傍となる位置に除菌フィルタ33を配置して、除菌フィルタ33と加圧タンク32との間の給水路に残存するRO水を排水し、排水されるRO水の排水量を最小限に留める構成としている。
【0029】
図3に示す前面扉21が開き位置にあるとき、装置本体22は、貯水タンク36、冷却器(チラー)37及び吸気ダクト38を露呈する。貯水タンク36は、装置本体の上下方向における略中央に配置される。貯水タンク36は、RO水生成装置12から供給されるRO水を貯水し、炭酸水の生成の指示を受けて、貯水したRO水を加圧タンクに供給する。
【0030】
冷却器37は、装置本体の上下方向における最下端に、すなわち、貯水タンク36の下方に配置される。冷却器37は、貯水槽を有し、貯水槽に貯水された冷却水と、貯水タンク36から加圧タンクへと供給されるRO水との間で熱交換を行って、RO水を冷却する装置である。
【0031】
冷却器37の前面には、吸気ダクト38が設けられる。吸気ダクト38は、冷却器37の前面下部に配置された吸気ファン(図示省略)の前方に配置される。吸気ファンは、炭酸水製造装置11の前面側から吸気ダクト38を介して、炭酸水製造装置11の外部の空気を取り込み、冷却器37へと送り込む。吸気ダクト38は、取り込まれる外気に含まれる粉塵を除去するエアフィルタ(図示省略)を着脱自在に保持する。なお、図示は省略するが、冷却器37の背面側には排気ダクトが設けられ、冷却器37に向けて送り込まれた空気を、排気ダクトを介して炭酸水製造装置11の背面側から外部へと送り出す。
【0032】
装置本体22は、貯水タンク36及び冷却器37を内部に配置したときに、装置本体22の上部に内部空間を有する。この装置本体22の上部に形成される内部空間に、電装ボックス39(図2参照)や、炭酸ガスの給気路や排気路に設けられる制御弁などを保持するバルブ保持部(図示省略)などが配置される。電装ボックス39は、炭酸水製造装置11を統括的に制御し、また、RO水生成装置12との間で信号の送受信を行う制御基板などを収納する。
【0033】
図5に示すように、装置本体22は、ガス供給部41、給水部42、排水口43などを背面側に有する。ガス供給部41は、装置本体22の上下方向における上端部で、且つ、装置本体22の幅方向(図5中x軸方向)における図5中左側端部に設けられる。ガス供給部41は、例えば継手であり、ガスボンベ14に接続された給気管(炭酸ガスを供給するためのホースでも可)45が接続される。
【0034】
給水部42は、ガス供給部41の下方となる位置で、且つ装置本体22の幅方向における図5中左側端部に設けられる。なお、給水部42は、ガス供給部41の下方となる位置としているが、例えば装置本体22の上下方向における中央よりも上部に位置していることが好ましい。給水部42は、例えば継手であり、RO水生成装置12の送水部69に接続された給水管72(RO水を供給するためのホースでも可)が接続される。
【0035】
排水口43は、装置本体22の上下方向における下端部で、且つ装置本体22の幅方向(図5中x軸方向)において、図5中左側端部に設けられる。排水口43は、例えば排水ホース46が接続される。なお、排水ホース46は、下流側端部において、RO水生成装置12に接続された排水ホース73と、例えばT字管47などにより合流される。
【0036】
RO水生成装置12は、水道水などの原水を逆浸透膜で濾過することにより、原水に含まれる不純物を除去したRO水を生成する装置で、生成したRO水を後述する注水ボックス55に設置したボトルに注水する、又は、生成したRO水を炭酸水製造装置11へと供給する装置である。なお、一例として、RO水生成装置12の高さ(図1中z軸方向の長さ)及び奥行き(図1中y軸方向の長さ)は、炭酸水製造装置11の高さ及び奥行きと各々同一となる。
【0037】
RO水生成装置12は、前面扉51及び装置本体52を有する。前面扉51は、装置本体52の幅方向(図2中x軸方向)における両端部のうち、併設される炭酸水製造装置11に近接する端部とは反対側の端部で、装置本体52における上下方向(図2中z軸方向)における両端部に配置したヒンジ部53,54(図2参照)により、装置本体22に連結されている。したがって、前面扉51は、装置本体の幅方向(図2中x軸方向)における炭酸水製造装置11側の端部とは反対側の端部(図2中左端部)を中心にして、装置本体52の内部を露呈する開き位置(図2参照)と、装置本体52の内部を遮蔽する閉じ位置(図1参照)との間で回動する。その結果、図2に示すように、炭酸水製造装置11の前面扉21と、RO水生成装置12の前面扉51とを開き位置へと各々回動させると、各装置の前面扉21,51が観音開きの状態となる。
【0038】
前面扉51は、注水ボックス55を有する。注水ボックス55は、ボックス本体56と、注水扉57とを有する。ボックス本体56は、前面が開口される略箱形状の部材で、前面扉51に設置すると、注水ボックス55は、前面扉51の背面から突出した状態となる。ボックス本体56は、排水トレイ58を下端部に有する。排水トレイ58は、ボトルから漏れたRO水を受容して、後述する排水口70に接続された排水ホース73を介して外部へと排出する。
【0039】
注水扉57は、ボトルを注水ボックス55に設置するとき、又はボトルを注水ボックス55から取り出すときに開閉される。注水扉57は、幅方向(図1中x軸方向)における左側端部を回動中心としてボックス本体56に軸支される。注水扉57は、不図示のばねによりボックス本体56の中空空間を遮蔽する閉じ位置に保持され、利用者の操作によって、ボックス本体56の中空空間を露呈する開き位置へと回動する。
【0040】
排水トレイ58は、注水ボックス55から取り出したボトルを載置できるように前面扉51の前方に突出するように設けられている。しかしながら、排水トレイ58は、メンテナンス作業を行うときなど、前面扉51を開き位置へと回動させたときに、スライド又は折り畳まれることで注水ボックス55のボックス本体56の内部に収納することができるようにしてもよい。
【0041】
注水ボックス55は、ボックス本体56の上端部に、カードリーダ59や操作パネル60を備えた構造である。カードリーダ59は、例えば会員証などのICカードの情報の入力を受け付ける。操作パネル60は、例えばタッチパネルである。操作パネル60は、RO水生成装置12の動作状況を示す情報や、炭酸水製造装置11との通信の情報などの他に、利用者による操作を促す情報などを表示する。なお、RO水生成装置12の動作状況を示す情報としては、例えば、待機中、RO水の生成中、RO水の注水中などの他に、RO水の生成の停止(一例として販売中止を含む)などが挙げられる。また、通信に関する情報とは、炭酸水製造装置11に対してRO水の供給を開始する信号の送信中、炭酸水製造装置11からのRO水の供給を促す信号の受信中などが挙げられる。さらに、操作パネル60は、利用者の操作を受け付ける。
【0042】
なお、操作パネル60は、炭酸水製造装置11とRO水生成装置12とを併設したときに、一例として、炭酸水製造装置11の操作パネル25の高さと略同一の高さとなるように注水ボックス55に設置される。なお、操作パネル60の高さは、一例として炭酸水製造装置11の操作パネル25の高さと略同一の高さとしているが、炭酸水製造装置11の操作パネル25の高さとは異なる位置に配置されていてもよい。
【0043】
ここで、カードリーダ59や操作パネル60を注水ボックス55のボックス本体56の上端部に備えた場合を一例として挙げているが、カードリーダ59や操作パネル60は、注水ボックス55のボックス本体56の上端部に設けるのではなく、注水ボックス55とは別に前面扉51に配置してもよい。
【0044】
装置本体52は、例えば水道管から水道水などの原水の受水、RO水の生成、生成したRO水の注水や炭酸水製造装置11への供給などに必要となる配管や制御弁の他、RO水の生成に必要となるセディメントフィルタ61、カーボンフィルタ62、ポンプユニット63、逆浸透膜フィルタ64、電装ボックス65などを有する。前面扉51が開き位置にある時、装置本体52は、上記構成を露呈する。
【0045】
セディメントフィルタ61及びカーボンフィルタ62は、RO水生成装置12の上下方向(図4中z軸方向)において、注水ボックス55よりも下方となる位置で、並置された状態で装置本体52に収納される。セディメントフィルタ61は、RO水生成装置12に供給される原水に含まれる大きな不純物を除去する。カーボンフィルタ62は、セディメントフィルタ61により大きな不純物が除去された原水に含まれる塩素を除去する。
【0046】
ポンプユニット63は、並置されたセディメントフィルタ61及びカーボンフィルタ62の下方に、すなわち、装置本体52の下端部に配置される。ポンプユニット63は、セディメントフィルタ61及びカーボンフィルタ62により不純物が除去された原水を逆浸透膜フィルタ64に向けて送り込む。
【0047】
逆浸透膜フィルタ64は、詳細は省略するが、円筒状のケースの内部に不図示の逆浸透膜を収納し、円筒状のケースの一端側に取水口、他端側に透過水出口、ケースの外周面に濃縮水出口を有する構成である。逆浸透膜フィルタ64において、取水口から送り込まれた原水の一部は、逆浸透膜を透過して透過水(RO水)として透過水出口から送り出され、残りが逆浸透膜を透過せずに濃縮水として濃縮水出口から送り出される。ここで、逆浸透膜は既知のものであり、イオンや塩類の通過を阻止できるように孔径が例えば1~10nm程度のものが使用される。なお、逆浸透膜フィルタ64は、装置本体52の幅方向(図5中x軸方向)において、前面扉51の回動中心となる端部とは反対側の端部に配置される。逆浸透膜フィルタ64は、装置本体52に収納された状態では、逆浸透膜フィルタ64の取水口が装置本体52の上端部に位置し、逆浸透膜フィルタ64の透過水出口が装置本体52の下端部側に位置した状態となる。
【0048】
電装ボックス65は、装置本体52の上端部で、且つ装置本体52の幅方向(図5中x軸方向)において、前面扉51の回動中心となる端部側に配置される。電装ボックス65は、RO水生成装置12を統括的に制御し、また、炭酸水製造装置11との間で信号の送受信を行う制御基板などを収納する。
【0049】
図5に示すように、装置本体52は、給水部68、送水部69及び排水口70を背面に有する。給水部68は、例えば装置本体52の上下方向(図5中z軸方向)における中央で、且つ装置本体52の幅方向(図5中x軸方向)における右端部に設けられる。給水部68は、例えば継手であり、水道管に接続された給水管(水道水を供給するためのホースでも可)が接続される。
【0050】
送水部69は、例えば装置本体52の上下方向(図5中z軸方向)における上端部で、且つ装置本体52の幅方向(図5中z軸方向)における右端部に設けられる。送水部69は、例えば継手であり、給水管72(RO水を供給するためのホースでも可)が接続される。なお、給水管71は、炭酸水製造装置11の給水部42に接続された
【0051】
排水口70は、装置本体52の上下方向(図5中z軸方向)における下端部で、且つ装置本体52の幅方向(図5中x軸方向)における右端部に設けられる。排水口70は、例えば排水ホース73が接続される。なお、排水ホース73は、下流側端部において、炭酸水製造装置11に接続された排水ホース46と、例えばT字管47などにより合流される。
【0052】
図3又は図4に示すように、炭酸水製造装置11において、装置本体22の上下方向(図4中z軸方向)における略中央部に、貯水タンク36が配置され、装置本体22の下端部に冷却器37が配置される。また、装置本体22は、貯水タンク36の上方に設けられる空間部に電装ボックス39が配置される。また、前面扉21は、前面扉22の上下方向(図4z軸方向)における略中央部に、注水ボックス27が配置される。また、前面扉21は、注水ボックス27の上方に、加圧タンク32が設けられる。その側方に、表示パネル25やICカードリーダ26などが設置される。また、注水ボックス27の側方に、除菌フィルタ33が配置される。
【0053】
すなわち、炭酸水製造装置11を構成する各部品のうち、交換頻度が高い除菌フィルタ33や貯水タンク36は、前面扉21の上下方向(図3又は図4中z軸方向)における中央部分に配置される。また、炭酸水製造装置11を利用して炭酸水の供給を受ける際に、耐圧ボトルを注水ボックス27に設置する、注水ボックス27から取り出すなどの作業がしやすいように、注水ボックス27は、前面扉21の上下方向(図4中z軸方向)における前面扉21の中央部分に配置される。
【0054】
一方、交換頻度が低く、重量のある冷却器37は、装置本体22の下端部に配置される。なお、給気ダクト38は、給気ダクト38に設置された給気フィルタを交換することから、装置本体22の上下方向(図4中z軸方向)における中央部分に配置するのが良いが、給気冷却器37における冷却性能を維持するために、冷却器37の前方に設けられる。
【0055】
一方、RO水生成装置12において、装置本体52の上下方向(図4中z軸方向)における略中央に、逆浸透膜フィルタ64が配置され、逆浸透膜フィルタ64の下端部近傍に、セディメントフィルタ61及びカーボンフィルタ62が配置される。さらに、セディメントフィルタ61及びカーボンフィルタ62の下方には、ポンプユニット63が配置される。また、装置本体52の上部空間には、電装ボックス65が配置される。さらに、前面扉51は、前面扉51の上下方向(図4中z軸方向)における略中央に注水ボックス55が配置される。
【0056】
すなわち、RO水生成装置12を構成する各部品のうち、交換頻度が高い逆浸透膜フィルタ64、セディメントフィルタ61及びカーボンフィルタ62を装置本体52の上下方向における中央部分に配置する。また、交換頻度が低く、重量のあるポンプユニット63は、装置本体52の下端部に配置する。
【0057】
また、RO水生成装置12を利用してRO水の供給を受ける際に、ボトルを注水ボックス55に設置する、注水ボックス55から取り出すなどの作業がしやすいように、注水ボックス55は、前面扉51の上下方向(図4中z軸方向)における前面扉51の中央部分に配置する。
【0058】
次に、実施の形態における作用について説明する。上述したように、炭酸水製造装置11の前面扉21は、装置本体22の幅方向(図3中x軸方向)における両端部のうち、併設されるRO水生成装置12に近接する端部とは反対側の端部を回動中心として、閉じ位置から開き位置へと回動する。また、RO水生成装置12の前面扉51は、装置本体52の幅方向(図2中x軸方向)における両端部のうち、併設される炭酸水製造装置11に近接する端部とは反対側の端部を回動中心として、閉じ位置から開き位置へと回動する。
【0059】
例えば、炭酸水製造装置11において、除菌フィルタ33や吸気ダクト38に保持されたエアフィルタの交換などを行う場合、炭酸水製造装置11の前面扉21は、閉じ位置から開き位置へと回動される。
【0060】
例えばRO水生成装置12の前面扉51が閉じ位置にあるときに炭酸水製造装置11の前面扉21を回動させた場合、炭酸水製造装置11の前面扉21の回動中心は、炭酸水製造装置11の幅方向(図1中x軸方向)における両端部のうち、RO水生成装置12に近接される端部とは反対側の端部側に位置している。したがって、前面扉21は、RO水生成装置12の前面扉51に当接されることなく、閉じ位置から開き位置へと回動される。
【0061】
また、RO水生成装置12の前面扉51が開き位置にあるときに炭酸水製造装置11の前面扉21を回動させた場合、RO水生成装置12の前面扉51の回動中心は、RO水生成装置12の幅方向(図1中x軸方向)における両端部のうち、炭酸水製造装置11に近接する端部とは反対側の端部側に位置している。したがって、RO水生成装置12の前面扉51が開き位置にあるときに炭酸水製造装置11の前面扉21を回動させたとしても、炭酸水製造装置11の前面扉21の回動軌跡上には、RO水生成装置12の前面扉51は存在しないので、炭酸水製造装置11の前面扉21は、RO水生成装置12の前面扉51に当接されることなく、閉じ位置から開き位置へと回動される。
【0062】
前面扉21を開き位置まで回動させた後、除菌フィルタ33や吸気ダクト38に保持されたエアフィルタの交換などが行われると、前面扉21は、開き位置から閉じ位置へと回動される。上述したように、前面扉21の回動軌跡上にはRO水生成装置12の前面扉51は存在しないので、炭酸水製造装置11の前面扉21は、RO水生成装置12の前面扉51に当接されることなく、前面扉21は開き位置から閉じ位置へと回動される。
【0063】
また、RO水生成装置12において、セディメントフィルタ61、カーボンフィルタ62、或いは逆浸透膜フィルタ64の交換などを行う場合、RO水生成装置12の前面扉51は、閉じ位置から開き位置へと回動される。
【0064】
上述したように、RO水生成装置12の前面扉の51回動中心は、RO水生成装置12の幅方向(図1中x軸方向)における両端部のうち、炭酸水製造装置11に近接する端部とは反対側の端部側に位置している。また、炭酸水製造装置11の前面扉21の回動中心は、炭酸水製造装置11の幅方向(図1中x軸方向)における両端部のうち、RO水生成装置12に近接される端部とは反対側の端部側に位置している。したがって、RO水生成装置12の前面扉51を閉じ位置から開き位置へと回動させたとき、RO水生成装置12の前面扉51は、炭酸水製造装置11の前面扉21に当接することなく、閉じ位置へと回動される。
【0065】
前面扉51を開き位置まで回動させた後、セディメントフィルタ61、カーボンフィルタ62、或いは逆浸透膜フィルタ64の交換などが行われると、前面扉51は、開き位置から閉じ位置へと回動される。上述したように、前面扉51の回動軌跡上には炭酸水製造装置11の前面扉21は存在しないので、RO水生成装置12の前面扉51は、炭酸水製造装置11の前面扉21に当接されることなく、開き位置から閉じ位置へと回動される。
【0066】
また、炭酸水製造装置11の電装ボックス39やRO水生成装置12の電装ボックス65を交換する場合や、各装置の配管や制御弁などを交換する場合には、炭酸水製造装置11の前面扉21及びRO水生成装置12の前面扉51は、閉じ位置から開き位置へと各々回動される。したがって、図2に示すように、各前面扉21,51は観音開きの状態となる。
【0067】
この状態で、炭酸水製造装置11の電装ボックス39やRO水生成装置12の電装ボックス65の交換や、各装置の配管や制御弁などの交換が行われる。これら交換が行われた後、各装置の動作チェックが行われる。各装置の動作チェックとは、電装ボックス39,65のいずれか一方の交換を行った場合には、炭酸水製造装置11とRO水生成装置12との信号の送受信が適切に行われているか否かのチェックの他、各装置内での動作が適切に行われているか否かのチェックなどを挙げることができる。また、動作チェックの際に、作業者は、炭酸水製造装置11の操作パネル25やRO水生成装置12の操作パネル60を確認する。炭酸水製造装置11の操作パネル25とRO水生成装置12の操作パネル60とは、一例として、略同一の高さに配置される。したがって、作業者は炭酸水製造装置11の前面扉21やRO水生成装置12の前面扉51を閉じた状態で確認することになるが、各装置の操作パネル25,60の高さが同一であることから、目線の高さを変えずに、各装置の操作パネル25,60の表示を確認することが可能となる。
【0068】
また、RO水生成装置12から炭酸水製造装置11へのRO水の送水テストを行う際に、適切なタイミングでRO水がRO水生成装置12から炭酸水製造装置11へと送水できているか、又は必要に応じて、送水されるRO水の送水量が適切であるかを確認することが可能となる。
【0069】
また、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12間の信号の送受信を確認するときには、炭酸水製造装置11の前面扉21、又はRO水生成装置12の前面扉51のいずれか一方を閉じ、閉じた前面扉の表示パネルを操作して、操作した操作パネルを有する装置から他方の装置へと信号が正しく送受信されているかを確認することができる。
【0070】
このように、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12を並べて配置することで、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12に跨ったメンテナンス作業が行いやすくなり、また、メンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
【0071】
上記に説明した実施の形態に示した給水システム10では、図1に示すように、炭酸水製造装置11の左側方に、RO水生成装置12を配置した状態を一例として取り上げているが、炭酸水製造装置11とRO水生成装置12の配置は、これに限定されるものではない。図示は省略するが、例えば炭酸水製造装置11の右側方にRO水生成装置12を配置することも可能である。この場合、炭酸水製造装置11の前面扉21及びRO水生成装置12の前面扉51は、各装置の前面扉21,51を各々開き位置まで回動させたときに、観音開きの状態となるように、前面扉21,51を必要な位置で軸支する必要がある。
【0072】
また、図6に示すように、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12は、炭酸水製造装置11の背面とRO水生成装置12の背面とを対面させた状態、ずなわち、背中合わせの状態で配置されることも可能である。図4を用いて説明したように、炭酸水製造装置11の装置本体22の背面において、給水部42は、装置本体22の上端部で、装置本体22の幅方向(図4x軸方向)における左端部に設けられている。また、排水口43は、装置本体22の下端部で、装置本体22の幅方向(図4中x軸方向)における左端部に設けられている。
【0073】
一方、RO水生成装置12の背面において、送水部69は、装置本体52の上端部で、装置本体52の幅方向(図4中x軸方向)における右端部に設けられている。また、排水口70は、装置本体52の下端部で、装置本体52の幅方向(図4中x軸方向)における右端部に設けられている。
【0074】
つまり、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12を、背中合わせの状態で配置すると、炭酸水製造装置11の給水部42と、RO水生成装置12の送水部69とが近接した位置となる。また、炭酸水製造装置11の排水口43と、RO水生成装置12の排水口70とが近接した位置となる。その結果、炭酸水製造装置11の給水部42と、RO水生成装置12の送水部69との各々に接続される給水管72の長さを短くすることができる。また、同時に、炭酸水製造装置11の排水口43に接続される排水ホース46やRO水生成装置12の排水口70に接続される排水ホース73の長さを短くすることができる。さらに、炭酸水製造装置11の排水口43に接続される排水ホース46やRO水生成装置12の排水口70に接続される排水ホース73を、各々のホースの下流端側で1つの排水ホースに合流させることで、これら装置の設置個所において、これら装置の排水経路に係る取り回しの自由度を向上させ、また、排水経路におけるメンテナンス作業も容易に行うことができる。
【0075】
例えば、炭酸水製造装置11とRO水生成装置12とを背中合わせの状態で配置した場合、炭酸水製造装置11の前面扉21の回動中心を、炭酸水製造装置11の幅方向(図6中x軸方向)における図6中右端部とし、RO水生成装置12の前面扉51の回動中心を、RO水生成装置12の幅方向における図6中右端部とする。つまり、背中合わせに配置された炭酸水製造装置11の前面扉21の回動中心と、RO水生成装置12の前面扉52の回動中心とを、炭酸水製造装置11に隣接して配置した収納ボックス13に近接する端部側に配置する。この場合、炭酸水製造装置11の前面扉21やRO水生成装置12の前面扉51が開くと、前面扉21,51は、収納ボックス13側に位置する。その結果、炭酸水製造装置11に対して作業した作業者がRO水生成装置12に対して作業を行う場合には、収納ボックス13の外側を回る必要はなく、図6における炭酸水製造装置11とRO水生成装置12との裏側を回って、最短距離により移動すればよい。この場合も、作業効率を向上させることができる。
【0076】
上記に説明した実施の形態では、炭酸水製造装置11の左側方に、RO水生成装置12を配置した場合を説明している。この状態では、炭酸水製造装置を利用する利用者と、RO水生成装置を利用する利用者との距離が近くなり、利用者同士が各装置を利用しにくいことが想定される。したがって、図7に示すように、複数の利用者が、炭酸水製造装置11及びRO水生成装置12を同時に利用することができるように、炭酸水製造装置11の前方の領域と、RO水生成装置12の前方の領域を仕切る仕切り板75を炭酸水製造装置11又はRO水生成装置12のいずれか一方に設けることも可能である。なお、仕切り板75は、これら装置の前方へと突出して、炭酸水製造装置11を利用する利用者と、RO水生成装置12を利用する利用者との間に位置する使用状態と、炭酸水製造装置11又はRO水生成装置12の間に収納される収納状態(図示省略)との間で切り替えることができることが好ましい。なお、上述した炭酸水製造装置11の前面扉21及びRO水生成装置12の前面扉51を開き位置へと回動させるときには、仕切り板75は収納状態に保持される。仕切り板75は、材質については特に限定しないが、一例として不透明又は半透明な合成樹脂板などで生成されることが好ましい。
【0077】
また、上記に説明した実施の形態における給水システム10においては、1台の炭酸水製造装置11、1台のRO水生成装置12を有する構成としているが、炭酸水製造装置11の左側方又は右側方に1台のRO水生成装置12が、併設されていればよいので、2台以上のRO水生成装置を含む給水システムとしてもよい。
【0078】
上記に説明し実施の形態において、炭酸水製造装置11の前面扉21や、RO水生成装置12の前面扉51の形状については、特に触れていないが、これら前面扉21,51は、一枚扉としてもよいし、前面扉を開くときに、前面扉の幅方向における中央部分が折れ曲がる、所謂、折れ戸としてもよい。
【0079】
また、炭酸水製造装置11の前面扉21は、炭酸水製造装置11の幅方向(例えば、図1中x軸方向)における一端側を回動中心として、開き位置と閉じ位置との間で回動するようにしているが、例えば、炭酸水製造装置11の幅方向(例えば、図1中x軸方向)を回動中心とする扉を、炭酸水製造装置11の上下方向(例えば、図1中z軸方向)における一端部に軸支することで、前面扉としてもよい。この場合、炭酸水製造装置11の上下方向(例えば、図1中z軸方向)における両端部に、炭酸水製造装置11の幅方向(例えば、図1中x軸方向)を回動中心とする扉を各々軸支する、又は上述した折れ戸を軸支してもよい。なお、炭酸水製造装置11だけでなく、RO水生成装置12の前面扉51も同様である。
【0080】
<実施形態の総括>
近年の健康志向を受けて、炭酸水や浄水に対するニーズが高まっている。炭酸水は、美容や料理、ダイエットなど様々な目的で使用されており、例えば家庭で気軽に炭酸水を生成するための家庭用の炭酸水製造装置の販売や、業務用の炭酸水製造装置の大型食料品店への提供が開始されている。
【0081】
浄水(透過水)は、例えば水道水などの原水を逆浸透膜で濾過することにより、原水に含まれる不純物を除去したもので、例えばスーパーマーケットなどの大型食品店に設置された浄水生成装置により提供を受けることができる(特許文献1参照)。業務用の炭酸水製造装置や浄水生成装置は、食料品の購入に合わせて炭酸水や浄水を提供することを目的として、例えば食料品店の出入り口やレジ近傍に設置される。これら業務用の炭酸水製造装置や浄水生成装置は、浄水の販売及び炭酸水の販売を各々で行うものであるが、例えば浄水供給装置において生成した浄水を炭酸水製造装置に供給して、炭酸水を生成することも考えられる。
【0082】
ところで、浄水供給装置において生成された浄水を炭酸水製造装置に供給し、炭酸水製造装置の内部で炭酸水の生成を行う場合、浄水供給装置から炭酸水製造装置に対して浄水を供給するための構成や、装置間での通信を行う構成が必要となる。したがって、各々の装置に対するメンテナンス作業やこれら装置に跨ったメンテナンス作業を行う必要がある。また、浄水供給装置及び炭酸水製造装置は、衛生面の観点から一定時間経過する毎に洗浄されるようになっている。なお、洗浄時に発生する水(以下、洗浄水)は、食料品店などに設置した排水経路へと排出されることになるが、浄水供給装置及び炭酸水製造装置から排水経路までの間に配置される排水管の引き回しや排水管に対するメンテナンス作業も必要となる。したがって、浄水供給装置と炭酸水製造装置とを含むシステムを構築する場合には、システム全体の構成をコンパクトにし、また、システム全体におけるメンテナンス作業を効率良く行うことが求められる。
【0083】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、浄水供給装置と炭酸水製造装置とを含むシステムを構築した場合に、システム全体の構成をコンパクトにし、また、システム全体におけるメンテナンス作業を効率良く行う技術を提供するものである。
【0084】
本実施の形態に係る給水システムは、原水を濾過してRO水を生成するRO水生成装置12と、RO水に炭酸ガスを攪拌混合させて炭酸水を製造する炭酸水製造装置11と、を有し、RO水生成装置12と、炭酸水製造装置11とを隣接して配置したことを特徴とする。
【0085】
これによれば、RO水生成装置12と、炭酸水製造装置11とが隣接して配置されることで、これら装置に跨ったメンテナンス作業を効率良く行うことが可能となる。
【0086】
また、RO水生成装置12及び炭酸水製造装置11は、鉛直方向を回動中心として回動する扉21,51を各々有し、RO水生成装置12及び炭酸水製造装置11は、各装置が有する扉21,51が設けられる面が向く方向を同一方向とし、且つ一方の装置12,11が有する扉51,21の回動中心が他方の装置11,12から離れて位置した状態で、並んで配置されるものである。
【0087】
これによれば、RO水生成装置12と、炭酸水製造装置11とに跨るメンテナンス作業を行う際に、各装置の前面扉21,51を各々開くと、炭酸水製造装置11とRO水生成装置12とを一体の装置とみなした場合、炭酸水製造装置11の前面扉21とRO水生成装置12の前面扉51とが観音開きの状態となり、炭酸水製造装置11の内部又はRO水生成装置12の内部に各々アクセスしやすくなる。その結果、例えばメンテナンス作業の効率化をさらに図ることができる。また、炭酸水製造装置11の前面扉21とRO水生成装置12の前面扉51とを開き位置まで回動させて、観音開きの状態とすることで、各装置の前面扉を作業の毎に開閉する手間を省くことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0088】
また、RO水生成装置12及び炭酸水製造装置11は、背中合わせの状態で配置されるものである。
【0089】
これによれば、RO水生成装置12から炭酸水製造装置11へのRO水の供給路や、RO水生成装置12及び炭酸水製造装置11から排出される炭酸水やRO水の排水経路を短い経路とすることができる。
【0090】
また、RO水生成装置12の前面扉51の前方の領域と、炭酸水製造装置11の前面扉21の前方の領域と、を区分けする仕切り板75を、有するものである。
【0091】
これによれば、仕切り板75は、炭酸水製造装置11の前面の領域と、RO水生成装置12の前面の領域とを仕切ることになるので、一方の装置の前面に立つ利用者は他方の装置の操作パネルなどを見ることができない。また、各装置の前面に利用者が立つ場合、仕切り板によって各装置の前面の領域が仕切られることで、隣接する装置を利用する利用者を気にする必要がなくなる。これにより、利用者は、並べて配置された炭酸水製造装置11又はRO水生成装置12のうち、目的の装置を安心して利用することができる。
【0092】
また、炭酸水製造装置11に炭酸ガスを供給するガスボンベ14を、炭酸水製造装置11に隣接して配置したものである。
【0093】
これによれば、炭酸水製造装置11、RO水生成装置12及びガスボンベ14の各々を1つの場所にまとめて配置されることになる。したがって、炭酸水製造装置11及びガスボンベ14間の給気管を短くすることができる。
【符号の説明】
【0094】
10…給水システム
11…炭酸水製造装置
12…RO水生成装置
14…ガスボンベ
21,51…前面扉
75…仕切り板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7