(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071760
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】マルチスペクトルセンサベースの警報条件検知器
(51)【国際特許分類】
G01N 21/53 20060101AFI20230516BHJP
G01N 15/02 20060101ALI20230516BHJP
G08B 17/103 20060101ALN20230516BHJP
【FI】
G01N21/53 B
G01N15/02 A
G08B17/103
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023022454
(22)【出願日】2023-02-16
(62)【分割の表示】P 2019149941の分割
【原出願日】2019-08-19
(31)【優先権主張番号】62/720,455
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/530,524
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ディー フック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】他のタイプの火災検知器に比べてある範囲の異なる火災条件での火災検知精度を改善することができるマルチスペクトルセンサベースの警報条件検知を可能にする。
【解決手段】光学式検知装置が、マルチスペクトルセンサから分光測定を受信し得る。光学式検知装置は、分光測定に基づき微粒子の微粒子サイズを判定し得る。光学式検知装置は、分光測定に基づき微粒子の同定を判定し得る。光学式検知装置は、微粒子の微粒子サイズ及び同定に基づき警報条件が満たされていると判定し得る。光学式検知装置は、警報条件が満たされているとの判定に基づき警報をトリガし得る。
【選択図】
図1C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学式検知装置であって、
1つ又は複数のメモリと、
該1つ又は複数のメモリに通信結合された1つ又は複数のプロセッサであり、
ある波長範囲において固定角で実行された分光測定をマルチスペクトルセンサから受
信し、
前記分光測定に基づき微粒子の微粒子サイズを判定し、
前記分光測定に基づき前記微粒子の同定を判定し、
前記微粒子の前記微粒子サイズ及び前記同定に基づき警報条件が満たされていると判
定し、且つ
前記警報条件が満たされているとの判定に基づき警報をトリガする
よう構成された、1つ又は複数のプロセッサと
を備えた光学式検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサはさらに、
1つ又は複数の他の微粒子の1つ又は複数の他の微粒子サイズを判定し、
前記1つ又は複数の他の微粒子の1つ又は複数の他の同定を判定し、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記警報条件が満たされているとの判定時に、
前記1つ又は複数の他の微粒子の前記1つ又は複数の他の微粒子サイズ及び前記1つ
又は複数の他の同定に基づき前記警報条件が満たされていると判定する光学式検知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサはさらに、
前記波長範囲のビームを提供させる命令を送信し、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記分光測定の受信時に、
前記命令の送信への応答として前記分光測定を受信する光学式検知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記微
粒子の前記同定の判定時に、
分光分類モデルを用いて、前記分光測定に基づき前記微粒子のスペクトルの分類を判定
し、且つ
前記微粒子の前記スペクトルの前記分類に基づき前記微粒子の前記同定を判定する光学
式検知装置。
【請求項5】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記警
報条件が満たされているとの判定時に、
前記微粒子の前記微粒子サイズ及び前記同定に基づき前記マルチスペクトルセンサ付近
で火災が発生していると判定する光学式検知装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサはさらに、
前記分光測定に基づき、前記マルチスペクトルセンサ付近で前記火災が発生していると
の判定に基づく前記火災の計量化学的シグネチャを判定し、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記警報のトリガ時に、
前記計量化学的シグネチャを同定する情報を提供する光学式検知装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記警
報のトリガ時に、
前記警報条件を示す可聴又は視覚警報をトリガする光学式検知装置。
【請求項8】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記警
報のトリガ時に、
緊急応答装置と通信して前記警報条件を指示する光学式検知装置。
【請求項9】
請求項1に記載の光学式検知装置において、前記1つ又は複数のプロセッサは、前記警
報条件が満たされているとの判定時に、
前記微粒子の前記微粒子サイズ及び前記同定に基づき前記微粒子が煙系微粒子であると
判定し、且つ
前記煙系微粒子が、前記警報条件を満たさない第2タイプの煙系微粒子ではなく前記警
報条件を満たす第1タイプの煙系微粒子であると判定する光学式検知装置。
【請求項10】
固定角マルチスペクトルセンサ装置であって、
ある波長範囲のビームを送信する光送信器と、
前記ビームの反射を複数のチャネルへ指向させるマルチスペクトルフィルタ又はレンズ
と、
前記複数のチャネルを介して前記ビームの前記反射を受信し且つ分光測定を実行するセ
ンサ素子アレイを含む光受信器と、
1つ又は複数のプロセッサであり、
前記分光測定に基づき警報条件が満たされていると判定し、且つ
前記警報条件が満たされているとの判定に基づき応答動作をトリガする
1つ又は複数のプロセッサと
を備えた固定角マルチスペクトルセンサ装置。
【請求項11】
請求項10に記載の固定角マルチスペクトルセンサ装置において、前記波長範囲は19
0ナノメートル(nm)~1100nmである固定角マルチスペクトルセンサ装置。
【請求項12】
請求項10に記載の固定角マルチスペクトルセンサ装置において、前記光送信器は、前
記波長範囲の第1部分を有する前記ビームの第1部分を送信する第1発光体と、前記波長
範囲の第2部分を有する前記ビームの第2部分を送信する第2発光体とを含む固定角マル
チスペクトルセンサ装置。
【請求項13】
請求項10に記載の固定角マルチスペクトルセンサ装置において、前記センサ素子アレ
イは、前記波長範囲の第1部分を有する前記ビームの前記反射の第1部分を受信する1つ
又は複数の第1センサ素子と、前記波長範囲の第2部分を有する前記ビームの前記反射の
第2部分を受信する1つ又は複数の第2センサ素子とを含む固定角マルチスペクトルセン
サ装置。
【請求項14】
請求項10に記載の固定角マルチスペクトルセンサ装置において、前記光送信器は、媒
体を通して該媒体中の微粒子に向けて前記ビームを送信するよう構成され、
前記媒体は気体状媒体又は液状媒体である固定角マルチスペクトルセンサ装置。
【請求項15】
請求項10に記載の固定角マルチスペクトルセンサ装置において、
開口を有するハウジングと、
該ハウジング外の第1環境から該ハウジング内の第2環境へ前記開口を介して流体を引
き込む微粒子流入装置と
をさらに備え、前記ハウジング内の前記第2環境内で、前記光送信器は前記ビームを送信
するよう構成され、前記光受信器は前記ビームの前記反射を受信するよう構成される固定
角マルチスペクトルセンサ装置。
【請求項16】
請求項10に記載の固定角マルチスペクトルセンサ装置において、前記光受信器の感度
が、閾値未満の濃度を有する微粒子に対するものである固定角マルチスペクトルセンサ装
置。
【請求項17】
マルチスペクトルセンサ装置により、分光測定用体積に向けてビームを送信するステッ
プと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記分光測定用体積に向けた前記ビームの送
信に基づく前記ビームの反射を受信するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記分光測定用体積中の粒子状物質の分光測
定を判定するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、分光分類モデルを用いて前記分光測定を特定
の分類に分類するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記特定の分類への前記分光測定の分類に基
づき警報条件が満たされていることを前記分光測定が示すと判定するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記警報条件を示す警報動作を実行するステ
ップと
を含む方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記警報動作を実行するステップは、
火災に関する警報を提供するステップ、
汚染条件に関する警報を提供するステップ、
空気質条件に関する警報を提供するステップ、
病状の指示を提供するステップ、及び
水濁度条件に基づき装置の設定を変更するステップ
の少なくとも1つを含む方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法において、
前記分光測定に関する情報を記録するステップと、
その後に前記分光測定に関する前記記録された情報を記憶するログの出力を提供するス
テップと
をさらに含む方法。
【請求項20】
請求項17に記載の方法において、前記分光測定を分類するステップは、
前記粒子状物質のサイズ、
前記粒子状物質の濃度、及び
前記粒子状物質のタイプ
の少なくとも1つに基づき前記分光測定を分類するステップを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
火災検知器は、火災の有無を検知するために家庭で用いることができる。例えば、イオ
ン化式火災検知器は、放射性同位体を用いて空気をイオン化することができる。この場合
、イオン化式火災検知器は、煙のない密封室内のイオン化空気中の電流の流れと煙のある
開放室内のイオン化空気中の電流の流れとの差分を検出することができる。差分が閾値量
を超えることに基づき、イオン化式火災検知器は警報を与えることができる。
【0002】
光学式火災検知器は、光線を投射することができ、且つ受光強度を測定して煙のない(
例えば、光を反射も散乱もさせない)空気と煙のある(例えば、光を反射及び散乱させる
)空気とを区別することができる。受光強度が閾値量を超えることに基づき、光学式火災
検知器は警報を与えることができる。二酸化炭素式火災検知器は、周囲空気中の二酸化炭
素レベルを検出して、二酸化炭素レベルが二酸化炭素式火災検知器付近の火災を示す閾値
を超えると判定する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態によれば、光学式検知装置は、1つ又は複数のメモリと、1つ又は
複数のメモリに通信結合された1つ又は複数のプロセッサであり、分光測定をマルチスペ
クトルセンサから受信し、分光測定に基づき微粒子の微粒子サイズを判定し、分光測定に
基づき微粒子の同定を判定し、微粒子の微粒子サイズ及び同定に基づき警報条件が満たさ
れていると判定し、且つ警報条件が満たされているとの判定に基づき警報をトリガするよ
う構成された、1つ又は複数のプロセッサとを含み得る。
【0004】
いくつかの実施形態によれば、固定角マルチスペクトルセンサ装置が、ある波長範囲の
ビームを送信する光送信器と、ビームの反射を複数のチャネルへ指向させるマルチスペク
トルフィルタ又はレンズと、複数のチャネルを介してビームの反射を受信し且つ分光測定
を実行するセンサ素子アレイを含む光受信器と、分光測定に基づき警報条件が満たされて
いると判定して警報条件が満たされているとの判定に基づく応答動作をトリガする1つ又
は複数のプロセッサとを含み得る。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、方法が、マルチスペクトルセンサ装置により、分光測定
用体積に向けてビームを送信するステップと、マルチスペクトルセンサ装置により、分光
測定用体積に向けたビームの送信に基づくビームの反射を受信するステップと、マルチス
ペクトルセンサ装置により、分光測定用体積中の粒子状物質の分光測定を判定するステッ
プと、マルチスペクトルセンサ装置により、分光分類モデルを用いて分光測定を特定の分
類に分類するステップと、マルチスペクトルセンサ装置により、特定の分類への分光測定
の分類に基づき警報条件が満たされていることを分光測定が示すと判定するステップと、
マルチスペクトルセンサ装置により、警報条件を示す警報動作を実行するステップとを含
み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本明細書に記載の例示的な実施形態の図である。
【
図1B】本明細書に記載の例示的な実施形態の図である。
【
図1C】本明細書に記載の例示的な実施形態の図である。
【
図2】本明細書に記載のシステム及び/又は方法が実施され得る例示的な環境の図である。
【
図3】
図2の1つ又は複数の装置の例示的なコンポーネントの図である。
【
図4】マルチスペクトルセンサを用いて警報条件を検知する例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図5】マルチスペクトルセンサを用いて警報条件を検知する例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図6】マルチスペクトルセンサを用いて警報条件を検知する例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の例示的な実施形態の詳細な説明では、添付図面を参照する。異なる図面で同一の
参照符号は同一又は同様の要素を示し得る。
【0008】
家庭、職場、又は他のタイプの建物は、火災の有無を検知し、近くの人に火災の発生を
警報し、且つ/又は消防署に火災の発生を警報する火災検知器を含み得る。イオン化式火
災検知器、光学式火災検知器、二酸化炭素式火災検知器等のさまざまなタイプの検知器を
用いることができる。しかしながら、各タイプの火災検知器には、特定のタイプの条件下
の火災の検知に関して不備があり得る。例えば、イオン化式火災検知器は、約0.4ミク
ロン超、約10.0ミクロン超等の特定の微粒子サイズ、薄白色又は薄灰色の煙、及び/
又は他の特徴を有するゆっくりと燻ぶる(slow-smoldering:燻焼)火災の検知に関して
は比較的正確さに欠け得る。その結果、イオン化式火災検知器は、煤粒子濃度が低いが水
蒸気濃度が高い場合があるガス火災からの煙の検知には特に不適当であり得る。
【0009】
同様に、光学式火災検知器は、約0.01ミクロン未満、約0.4ミクロン未満等の微
粒子サイズを有する速く燃える(fast-flaming:発炎)火災の検知に関しては比較的低感
度であり得る。同様に、二酸化炭素式検知器は、二酸化炭素レベルが比較的低い場合の火
災の早期検知で比較的正確さに欠け得る。さらに、種々のタイプの火災検知器は、(例え
ば、火災検知器付近の水蒸気、塵埃、又は他のタイプの微粒子の存在等の無害な条件の結
果として)誤警報を発しやすく、早期の(例えば、微粒子濃度が比較的低い場合の)火災
の検知の正確さに欠け得る。低濃度の微粒子に対して低感度である結果として、現在の火
災検知器は、検知器と火災との間に閉じたドアがあることで空気流が少ない場合に応答が
遅れる場合があり、火災が比較的大きなサイズに達するまで警報をトリガしない場合があ
る。
【0010】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、マルチスペクトルセンサベースの警報条件検
知を可能にする。例えば、光学式検知装置のマルチスペクトルセンサは、ある波長範囲で
の分光測定を実行することができ、検知された微粒子の微粒子サイズを判定することがで
き、検知された微粒子の同定を判定することができ、且つ検知された微粒子の微粒子サイ
ズ及び化学的同定に基づき火災の存在等の警報条件が満たされているか否かを判定するこ
とができる。このように、マルチスペクトルセンサは、他のタイプの火災検知器に比べて
ある範囲の異なる火災条件での火災検知精度を改善することができる。さらに、光学検知
装置でのマルチスペクトルセンサの使用に基づき、概してはるかに大きな各種分光装置の
使用に比べて、火災検知器のサイズを使用可能なサイズに縮小することができる。さらに
、マルチスペクトルセンシングは、比較的高い精度で比較的低濃度の粒子状物質を感知し
やすく、それにより、多種多様なタイプの火災について早期火災検知を可能にし、他の粒
子状物質、水蒸気等の存在による誤警報の可能性が低い。
【0011】
追加として又は代替として、本明細書に記載の光学式検知装置は、他のタイプの検出機
能を実行することができる。例えば、粒径及び分光物質同定の技法を用いて、光学式検知
装置は、空気質の検出、汚染の検出、粉末分粒の検出、粉末混合の検出、粒子測定、生体
測定、医用測定、細胞計数測定、水濁度測定等を実行することができる。このように、光
学式検知装置は、火災検知器に不可能な付加的な機能性を提供することができるか、又は
水濁度ユースケースの洗濯機の制御、汚染検出ユースケースの監視提供等のために、代替
フォームファクタで展開することができる。
【0012】
図1A~
図1Cは、本明細書に記載の例示的な実施形態100の図である。
図1A~図
1Cに示すように、例100は、光学式検知装置105を含み得る。光学式検知装置10
5は、光送信器105-1及び光受信器105-2を含み得る。いくつかの実施形態では
、光をフィルタリングする、光をチャネルへ指向させる等のために、マルチスペクトルフ
ィルタ又はレンズ105-3が光送信器105-1及び/又は光受信器105-2の光路
に配置され、これについては本明細書により詳細に記載される。
【0013】
図1Aに参照符号115で示すように、光学式検知装置105は、ビームを送信してビ
ームの反射を受信し得る。例えば、光送信器105-1は、特定の波長範囲の光を発する
発光ダイオード(LED)とすることができ、光受信器105-2は、特定の波長の光の
反射を受信するセンサ素子アレイとすることができる。この場合、ビームが室内の壁に反
射し得ると共に、光学式検知装置105がビームの測定を実行し得る。例えば、光学式検
知装置105は、ビームの経路内の任意の微粒子の微粒子サイズ、ビーム経路内の1つ又
は複数の微粒子(例えば、全ての微粒子、一部の微粒子等)の同定、ビームを反射する表
面(例えば、微粒子表面、壁等)の同定を判定し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、光送信器105-1は、100ナノメートル(nm)~20
00nm、190nm~1100nm、950nm~1650nm等の波長範囲の光を提
供し得る。いくつかの実施形態では、光送信器105-1は、複数のビームを提供し得る
。例えば、光送信器105-1の第1LEDが190nm~650nmの波長範囲の第1
ビームを提供することができ、光送信器105-1の第2LEDが650nm~1100
nmの波長範囲の第2ビームを提供することができる。この場合、第1ビーム及び第2ビ
ームは、光受信器105-2のセンサ素子アレイの1つ又は複数の第1センサ素子と、光
受信器105-2のセンサ素子アレイの1つ又は複数の第2センサ素子とによりそれぞれ
受信され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、光送信器105-1は、1組のチャネルに関連する1組のビ
ームを提供し得る。例えば、光送信器105-1は、32本のビーム、64本のビーム、
128本のビーム等を1組にして提供して対応する量の波長のマルチスペクトルセンシン
グを可能にし得る。いくつかの実施形態では、光送信器105-1は、共通の波長範囲の
複数の光ビームを提供し得る。例えば、光送信器105-1は、ビームの複数のパルスを
提供して測定期間中に複数の分光測定の実施を可能にし得る。いくつかの実施形態では、
光学式検知装置105は、ビーム伝送を周期的にトリガし得る。例えば、光学式検知装置
105は、光送信器105-1にビームを1秒間隔、5秒間隔、60秒間隔等で送信させ
ることができる。いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、光送信器105-
1にビームを非周期的に送信させることができる。例えば、警報条件の検知に基づき、光
学式検知装置105は、光送信器105-1に1つ又は複数のビームを送信させて、警報
条件の検証、警報条件(例えば、火の増加率)の変化の追跡等を行うことができる。
【0016】
いくつかの実施形態は、気体状媒体(例えば空気)を通した光の伝送に関して記載され
ているが、他の媒体が可能である。例えば、水濁度に関する警報条件を検知するために(
例えば、洗浄サイクルを続ける閾値を上回る又は洗浄サイクルを終了させる閾値を下回る
等の閾値量の汚れが水中にあるか否かを検知するために)、光学式検知装置105は、液
体媒体を通して光を伝送することができる。この場合、光学式検知装置105は、例えば
、汚れ粒子として分類される微粒子の濃度が閾値未満であると判定することができ、且つ
例えば洗濯機又は食器洗浄機の制御ユニットと通信して(例えば、洗浄サイクルを終了す
るよう)警報条件を指示することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、微粒子サイズ判定を実行し得る。
例えば、光学式検知装置105へ反射し戻った波長範囲に少なくとも一部基づき、光学式
検知装置105は、光学式検知装置105の光路内の1組の微粒子のサイズを判定するこ
とができる。いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、複数タイプの微粒子で
微粒子サイズ判定を実行することができる。例えば、分光分析を用いて、光学式検知装置
105は、複数の微粒子サイズを判定し、1組の分光測定を用いて複数タイプの微粒子を
同定する。いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、光学式検知装置105へ
反射し戻った波長範囲に基づき微粒子濃度判定を行うことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、ビーム経路内の微粒子の同定を実
行し得る。例えば、光学式検知装置105は、ビームを反射した微粒子のスペクトルを同
定することができ、且つ分光分類モデルを用いて微粒子のスペクトルを特定のクラスに分
類することができる。この場合、光学式検知装置105は、検知された粒子状物質が例え
ば塵埃粒子、水蒸気粒子、花粉粒子等を含むと判定することができる。
【0019】
追加として又は代替として、光学式検知装置105は、例えば、ビームを反射した壁、
ビームを反射した光学式検知装置105のハウジングの内面等のスペクトルを判定するこ
とができる。例えば、光が壁に反射する場合、光学式検知装置105は、反射光が壁のス
ペクトルに一致するスペクトルを有すると判定することができ、火災が発生しておらず光
学式検知装置105と壁との間に粒子状物質もないと判定することができる。追加として
又は代替として、光学式検知装置105が、ハウジングとハウジングの体積に空気及び粒
子状物質を引き込む流入装置とを含む場合、光学式検知装置105は、受信したスペクト
ルがハウジングの表面のスペクトルに一致すると判定することができ、これは、ハウジン
グの体積に引き込まれる空気が火災発生を示す粒子状物質を含まないことを示し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の検知された微粒子のサイズ、1つ又は複数の
検知された微粒子の濃度、1つ又は複数の検知された微粒子の同定等に基づき、光学式検
知装置105は、火災の兆候がないと判定することができる。例えば、光学式検知装置1
05は、1組の火災検知基準を満たさない検知された微粒子のタイプ、サイズ、濃度等に
基づき、警報条件が満たされていないと判定することができる。この場合、参照符号12
0で示すように、警報条件が満たされていないとの判定に基づき、光学式検知装置105
は警報をトリガし得ない。
【0021】
図1Bに参照符号125で示すように、別の場合には、光学式検知装置105がビーム
を伝送し得ると共に蒸気がビームの光路内にあり得る。参照符号130で示すように、光
学式検知装置105は、分光測定からのスペクトルデータに基づき、ビームを反射した粒
子状物質の微粒子特性を判定することができる。例えば、反射ビームのスペクトルの分光
測定に基づき、光学式検知装置105は、微粒子サイズ、微粒子同定、微粒子濃度等を判
定することができる。この場合、光学式検知装置105は、微粒子サイズ及び微粒子同定
が例えばガス火災に関連する水蒸気ではなく料理による水蒸気の存在を示すと判定するこ
とができる。例えば、光学式検知装置105は、分光測定に基づき検出された微量元素に
より、その分光測定がガス火災による水蒸気(例えば第2微量元素を含み得る)ではなく
料理による水蒸気(例えば、第1微量元素を含み得る)のものとして分類されると判定す
ることができる。
【0022】
図1Bに参照符号135でさらに示すように、光学式検知装置105は、スペクトルデ
ータに基づき警報条件が満たされていないと判定することができる。例えば、光学式検知
装置105は、料理による水蒸気が火災を識別する警報条件を満たさないと判定すること
ができ、警報のトリガを控えることができる。いくつかの実施形態では、光学式検知装置
105は、予測モデルを用いて警報条件が満たされているか否かを判定することができる
。例えば、光学式検知装置105は、料理系の水蒸気及びガス火災系の水蒸気(例えば、
異なる濃度、異なる微粒子サイズ、水蒸気に加えて異なる微量元素等に関連し得る)から
訓練スペクトルデータを用いて訓練した予測モデルを受け取ることができ、検知された微
粒子サイズ、濃度、及び同一性が火災の発生ではなく料理事象を示すと判定することがで
きる。このように、光学式検知装置105は、誤警報の可能性を低減する。
【0023】
図1Cに参照符号140で示すように、別の場合には、光学式検知装置105がビーム
を伝送し得ると共に煙が反射ビームの光路内にあり得る。参照符号145で示すように、
光学式検知装置105は、分光測定のスペクトルデータに基づき微粒子特性を判定するこ
とができる。例えば、反射ビームのスペクトルの分光測定に基づき、光学式検知装置10
5は、ビームを光学式検知装置105へ反射し戻した微粒子の微粒子サイズ、微粒子濃度
、微粒子同定等を判定することができる。微粒子特性に基づき、光学式検知装置105は
、反射ビームが火災による煙の存在下にあると判定することができる。例えば、光学式検
知装置105は、火災の特性に対応する濃度及び/又は微粒子サイズの煤、煙、二酸化炭
素、水蒸気等の有無を検知することができる。いくつかの実施形態では、光学式検知装置
105は、予測モデルを用いてスペクトルが火災の存在に対応すると判定することができ
る。例えば、光学式検知装置105は、単一のスペクトル(例えば、単一の粒子のスペク
トル)、複数のスペクトル(例えば、複数の粒子の複数のスペクトル)等を火災発生を示
す特定のクラスに対応するものとして分類することができる。いくつかの実施形態では、
光学式検知装置105は、サポートベクトルマシン(SVM)技法を用いて、分光モデル
を用いてスペクトルを特定のクラスに分類することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、2値分類を実行し得る。例えば、
光学式検知装置105は、警報条件が満たされている(例えば、火災が発生している)こ
とを示すか又は警報条件が満たされていない(例えば、火災が発生していない)ことを示
すものとしてスペクトルを分類することができる。いくつかの実施形態では、光学式検知
装置105は、非2値分類を実行し得る。例えば、光学式検知装置105は、スペクトル
を特定の計量化学的シグネチャ(chemometric siguature)に関連する特定のタイプの火
災に分類することができる(例えば、電気火災は第1計量化学的シグネチャを有し得る、
薬品火災は第2計量化学的シグネチャを有し得る、ガス火災は第3軽量化学的シグネチャ
を有し得る等)。追加として又は代替として、光学式検知装置105は、スペクトルを特
定のタイプの非火災危険事象(例えば、閾値レベルの二酸化炭素、一酸化炭素、汚染、花
粉、塵埃等)、特定のタイプの無害事象(例えば、蒸気の存在、無害な濃度の塵埃等)等
に分類することができる。追加として又は代替として、他のユースケースでは、光学式検
知装置105は、水濁度に関する分類、細胞計数に関する警報、病状に関する警報等を実
行することができる。
【0025】
図1Cに参照符号150でさらに示すように、光学式検知装置105は、警報をトリガ
することができる。例えば、光学式検知装置105は、聴覚警報、視覚警報、触覚警報(
例えば振動)等を提供して警報条件が満たされている(例えば、火災が検知されている)
ことを示すことができる。いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、別の装置
と通信して警報を提供することができる。例えば、光学式検知装置105は、緊急時応答
サービス又は消防署の指令装置又は緊急応答装置に警報条件の指示を送信することができ
る。
【0026】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、警報条件に関するコンテキスト情
報を提供し得る。例えば、光学式検知装置105は、火災のタイプ(例えば、ガス火災、
薬品火災、電気火災等)を識別する情報を提供して、その火災のタイプを対象とした火災
への応答を可能にすることができる。追加として又は代替として、光学式検知装置105
は、(例えば、微粒子の濃度、微粒子のタイプ、微粒子のサイズ等に基づく)火災のサイ
ズを識別する情報を提供することができる。追加として又は代替として、光学式検知装置
105は、一定期間にわたる分光測定に基づき火災の成長速度を識別する情報を提供する
ことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置105は、警報条件に関するログ情報を提供
し得る。例えば、光学式検知装置105は、スペクトル、火災のタイプ、火災の成長速度
、提供される警報のタイプ等を記録することにより、その後の診断、モデル改良、保険評
価等を可能にすることができる。このように、光学式検知装置105は、正確な火災検知
を可能にする。
【0028】
上述したように、
図1A~
図1Cは単に1つ又は複数の例として提供されている。他の
例は、
図1A~
図1Cに関して記載したものとは異なってもよい。
【0029】
図2は、本明細書に記載のシステム及び/又は方法が実施され得る例示的な環境200
の図である。
図2に示すように、環境200は、分光分析プラットフォーム210、コン
ピューティングリソース215、クラウドコンピューティング環境220、光学式検知装
置230、及びネットワーク240を含み得る。環境200の装置は、有線接続、無線接
続、又は有線及び無線接続の組み合わせを介して相互接続され得る。
【0030】
分光分析プラットフォーム210は、分光測定を分析するよう割り当てられた1つ又は
複数のコンピューティングリソースを含む。例えば、分光分析プラットフォーム210は
、光学式検知装置203により実行された分光測定を分析して分光測定の分析結果を提供
することができるクラウドコンピューティング環境220により実施されるプラットフォ
ームであり得る。いくつかの実施形態では、分光分析プラットフォーム210は、クラウ
ドコンピューティング環境200のコンピューティングリソース215により実施される
。
【0031】
分光分析プラットフォーム210は、サーバ装置又はサーバ装置群を含み得る。いくつ
かの実施形態では、分光分析プラットフォーム210は、クラウドコンピューティング環
境210でホスティングされ得る。特に、本明細書に記載の実施形態によれば、分光分析
プラットフォーム210がクラウドコンピューティング環境220でホスティングされ得
るが、いくつかの実施形態では、分光分析プラットフォーム210は、非クラウドベース
であっても一部クラウドベースであってもよい。
【0032】
クラウドコンピューティング環境220は、サービスとしてコンピューティングを提供
する環境を含み、これにより共有リソース、サービス等を分光測定の分析のために提供す
ることができる。クラウドコンピューティング環境220は、演算、ソフトウェア、デー
タアクセス、記憶、及び/又はサービスを提供するシステム及び/又はデバイスの物理的
な場所及び構成についてのエンドユーザ知識を必要としない他のサービスを提供すること
ができる。図示のように、クラウドコンピューティング環境220は、分光分析プラット
フォーム210及びコンピューティングリソース215を含み得る。
【0033】
コンピューティングリソース215は、1つ又は複数のパーソナルコンピュータ、ワー
クステーションコンピュータ、サーバ装置、又は別のタイプの演算及び/又は通信装置を
含む。いくつかの実施形態では、コンピューティングリソース215は、分光分析プラッ
トフォーム210をホスティングすることができる。クラウドリソースは、コンピューテ
ィングリソース215で実行されるコンピュートインスタンス、コンピューティングリソ
ース215に提供されるストレージデバイス、コンピューティングリソース215により
提供されるデータ転送装置等を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティング
リソース215は、有線接続、無線接続、又は有線及び無線接続の組み合わせを介して他
のコンピューティングリソース215と通信することができる。
【0034】
図2にさらに示すように、コンピューティングリソース215は、1つ又は複数のアプ
リケーション(「APP」)215-1、1つ又は複数の仮想マシン(「VM」)215
-2、仮想化ストレージ(「VS」)215-3、1つ又は複数のハイパーバイザ(「H
YP」)215-4等のクラウドリソース群を含み得る。
【0035】
アプリケーション215-1は、光学式検知装置230に提供され得るか又は光学式検
知装置230によりアクセスされ得る1つ又は複数のソフトウェアアプリケーションを含
む。アプリケーション215-1は、光学式検知装置230でのソフトウェアアプリケー
ションのインストール及び実行の必要をなくすことができる。例えば、アプリケーション
215-1は、分光分析プラットフォーム210に関連するソフトウェア及び/又はクラ
ウドコンピューティング環境220を介して提供可能な任意の他のソフトウェアを含み得
る。いくつかの実施形態では、1つのアプリケーション215-1が、仮想マシン215
-2を介して1つ又は複数の他のアプリケーション215-1と情報を送受信することが
できる。
【0036】
仮想マシン215-2は、物理マシンのようにプログラムを実行するマシン(例えば、
コンピュータ)のソフトウェア実装を含む。仮想マシン215-2は、用途及び仮想マシ
ン215-2による任意の実マシンへの対応度に応じてシステム仮想マシン又はプロセス
仮想マシンであり得る。システム仮想マシンは、完全なオペレーティングシステム(「O
S」)の実行をサポートする完全なシステムプラットフォームを提供することができる。
プロセス仮想マシンは、単一のプログラムを実行することができ且つ単一のプロセスをサ
ポートすることができる。いくつかの実施形態では、仮想マシン215-2は、ユーザ(
例えば光学式検知装置230)の代わりに動作することができ、データ管理、同期、又は
長期データ転送等のクラウドコンピューティング環境220のインフラストラクチャを管
理することができる。
【0037】
仮想化ストレージ215-3は、1つ又は複数のストレージシステム及び/又はコンピ
ューティングリソース215のストレージシステム又は装置内で仮想化技法を用いる1つ
又は複数の装置を含む。いくつかの実施形態では、ストレージシステムの状況において、
仮想化のタイプはブロック仮想化及びファイル仮想化を含み得る。ブロック仮想化は、物
理ストレージ又は異種構造に関係なくストレージシステムにアクセスできるようにする物
理ストレージからの論理ストレージの抽象化(又は分離)を指し得る。分離は、ストレー
ジシステムの管理者がエンドユーザに対してストレージを管理する方法について管理者に
融通性を与えることができる。ファイル仮想化は、ファイルレベルでのデータアクセスと
ファイルの物理的な記憶場所との間の依存関係をなくすことができる。これは、ストレー
ジ使用の最適化、サーバ統合、及び/又は無停止ファイル移行の実行を可能にし得る。
【0038】
ハイパーバイザ215-4は、複数のオペレーティングシステム(例えば「ゲストオペ
レーティングシステム」)をホストコンピュータ上で同時に実行させるハードウェア仮想
化技法を提供する。ハイパーバイザ215-4は、ゲストオペレーティングシステムに仮
想オペレーティングプラットフォームを提示することができ且つゲストオペレーティング
システムの実行を管理することができる。多様なオペレーティングシステムの複数のイン
スタンスが、仮想化ハードウェアリソースを共有することができる。
【0039】
光学式検知装置230は、分光測定の分析に関連する情報の受信、生成、記憶、処理、
及び/又は提供が可能な1つ又は複数の装置を含む。例えば、光学式検知装置230は、
ある波長範囲のビームを送信する光送信器、ビームの反射を複数のチャネルへ指向させる
マルチスペクトルフィルタ又はレンズ、複数のチャネルを介してビームの反射を受信する
センサ素子アレイを含む光受信器等を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置230は、光送信器231、マルチスペクト
ルフィルタ232、光受信器233等を含み得る。光送信器231は、LED、レーザ、
又はある波長範囲のビームを提供する別のタイプの装置であり得る。マルチスペクトルフ
ィルタ232(例えば、バイナリマルチスペクトルフィルタ)は、光送信器231及び/
又は光受信器233の光路に配置されたビームをフィルタリングするフィルタであり得る
。例えば、マルチスペクトルフィルタ232は、光受信器233のセンサ素子アレイによ
るセンシングのためにビームの波長を選択的に遮断してビームを離散的な1組のチャネル
に分割する複数の領域を含み得る。この場合、マルチスペクトルフィルタ232は、32
個のチャネル、64個のチャネル、128個のチャネル等を有し得る。追加として又は代
替として、31個のチャネル、33個のチャネル、100個のチャネル等の任意の他の数
量のチャネルが可能であり得る。光受信器233は、ビームを受信してビームの波長の測
定を実行することができるフォトダイオード、センサ素子、センサ素子アレイ等を含み得
る。
【0041】
いくつかの実施形態では、光学式検知装置230は、開口を有するハウジングと流入装
置とを含む。例えば、光学式検知装置230は、流入装置(例えばファン)を用いて流体
(例えば、空気、水等)をハウジングに引き込み、ハウジング内での分光測定の実行を可
能にすることができる。いくつかの実施形態では、光学式検知装置230は、固定角マル
チスペクトルセンサ装置として構成され得る。いくつかの実施形態では、光学式検知装置
230は、携帯電話(例えば、スマートフォン、無線電話等)、ラップトップコンピュー
タ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、デスクトップコンピュータ、
ゲーム装置、装着型通信装置(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス等)、又は同
様のタイプの装置等の通信及び/又はコンピューティング装置に含まれ得る。
【0042】
ネットワーク240は、1つ又は複数の有線及び/又は無線ネットワークを含む。例え
ば、ネットワーク240は、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューシ
ョン(LTE)ネットワーク、符号分割多重アクセス(CDMA)ネットワーク、3Gネ
ットワーク、4Gネットワーク、5Gネットワーク、別のタイプの次世代ネットワーク等
)、公衆陸上移動体ネットワーク(PLMN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)
、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)
、電話網(例えば、公衆交換電話網(PSTN))、プライベートネットワーク、アドホ
ックネットワーク、イントラネット、インターネット、光ファイバネットワーク(fiber
optic-based network)、クラウドコンピューティングネットワーク等、及び/又はこれ
ら若しくは他のタイプのネットワークの組み合わせを含み得る。
【0043】
図2に示す装置及びネットワークの数及び配置は、1つ又は複数の例として挙げたもの
である。実際には、
図2に示すものに比べて追加の装置及び/又はネットワーク、より少
ない装置及び/又はネットワーク、異なる装置及び/又はネットワーク、又は異なる配置
の装置及び/又はネットワークがあってもよい。さらに、
図2に示す2つ以上の装置を単
一の装置内で実施してもよく、又は
図2に示す単一の装置を複数の分散した装置として実
施してもよい。追加として又は代替として、環境200の1組の装置(例えば、1つ又は
複数の装置)が、環境200の別の組の装置により実行されると記載されている1つ又は
複数の機能を実行してもよい。
【0044】
図3は、装置300の例示的なコンポーネントの図である。装置300は、分光分析プ
ラットフォーム210、コンピューティングリソース215、及び/又は光学式検知装置
230に対応し得る。いくつかの実施形態では、分光分析プラットフォーム210、コン
ピューティングリソース215、及び/又は光学式検知装置230が、1つ又は複数の装
置300及び/又は装置300の1つ又は複数のコンポーネントを含み得る。
図3に示す
ように、装置300は、バス310、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコン
ポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、及び/又は
通信インタフェース370を含み得る。
【0045】
バス310は、装置300の複数のコンポーネント間の通信を可能にするコンポーネン
トを含む。プロセッサ320は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェ
ア及びソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ320は、セントラルプロセ
ッシングユニット(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、アク
セラレーテッドプロセッシングユニット(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコン
トローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ
(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は別のタイプの処理コンポーネン
トの形態をとる。いくつかの実施形態では、プロセッサ320は、機能を実行するようプ
ログラム可能な1つ又は複数のプロセッサを含む。メモリ330は、ランダムアクセスメ
モリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及び/又はプロセッサ320が使用す
るための情報及び/又は命令を記憶する別のタイプのダイナミック又はスタティックスト
レージデバイス(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、及び/又は光メモリ)を含む
。
【0046】
ストレージコンポーネント340は、装置300の動作及び使用に関する情報及び/又
はソフトウェアを記憶する。例えば、ストレージコンポーネント340は、ハードディス
ク(例えば、磁気ディスク、光ディスク、及び/又は光磁気ディスク)、ソリッドステート
ドライブ(SSD)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)
、フロッピーディスク、カートリッジ、磁気テープ、及び/又は別のタイプの非一時的な
コンピュータ可読媒体を、対応するドライブと共に含み得る。
【0047】
入力コンポーネント350は、装置300がユーザ入力(例えば、タッチスクリーンデ
ィスプレイ、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、スイッチ、及び/又はマイクロ
フォン)等を介して情報を受信することを可能にするコンポーネントを含む。追加として
又は代替として、入力コンポーネント350は、場所を判定するコンポーネント(例えば
、全地球測位システム(GPS)コンポーネント)及び/又はセンサ(例えば、加速度計
、ジャイロスコープ、アクチュエータ、別のタイプの位置又は環境センサ等)を含み得る
。出力コンポーネント360は、装置300からの出力情報を(例えば、ディスプレイ、
スピーカ、触覚フィードバックコンポーネント、聴覚又は視覚インジケータ等を介して)
提供するコンポーネントを含む。
【0048】
通信インタフェース370は、装置300が有線接続、無線接続、又は有線及び無線接
続の組み合わせ等を介して他の装置と通信することを可能にする送受信機のようなコンポ
ーネント(例えば、送受信機、別個の受信器、別個の送信器等)を含む。通信インタフェ
ース370は、装置300が別の装置から情報を受信し且つ/又は別の装置に情報を提供
することを可能にし得る。例えば、通信インタフェース370は、イーサネットインタフ
ェース、光インタフェース、同軸インタフェース、赤外線インタフェース、無線周波数(
RF)インタフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、Wi-F
iインタフェース、セルラーネットワークインタフェース等を含み得る。
【0049】
装置300は、本明細書に記載の1つ又は複数のプロセスを実行し得る。装置300は
、プロセッサ320がメモリ330及び/又はストレージコンポーネント340等の非一
時的なコンピュータ可読媒体により記憶されたソフトウェア命令を実行することに基づき
、これらのプロセスを実行し得る。本明細書において、「コンピュータ可読媒体」という
用語は、非一時的なメモリデバイスを指す。メモリデバイスは、単一の物理ストレージデ
バイス内のメモリ空間又は複数の物理ストレージデバイスに広がるメモリ空間を含む。
【0050】
ソフトウェア命令は、別のコンピュータ可読媒体又は別の装置から通信インタフェース
370を介してメモリ330及び/又はストレージコンポーネント340に読み込むこと
ができる。実行されると、メモリ330及び/又はストレージコンポーネント340に記
憶されたソフトウェア命令は、プロセッサ320に本明細書に記載の1つ又は複数のプロ
セスを実行させることができる。追加として又は代替として、ハードウェア回路をソフト
ウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて用いて、本明細書に記載の1
つ又は複数のプロセスを実行してもよい。したがって、本明細書に記載の実施形態は、ハ
ードウェア回路及びソフトウェアのいかなる特定の組み合わせにも限定されない。
【0051】
図3に示すコンポーネントの数及び配置は、一例として挙げたものである。実際には、
装置300は、
図3に示すものに比べて追加のコンポーネント、より少ないコンポーネン
ト、異なるコンポーネント、又は異なる配置のコンポーネントを含んでいてもよい。追加
として又は代替として、装置300の1組のコンポーネント(例えば、1つ又は複数のコ
ンポーネント)が、装置300の別の組のコンポーネントにより実行されると記載されて
いる1つ又は複数の機能を実行してもよい。
【0052】
図4は、警報条件を検知する例示的なプロセス400のフローチャートである。いくつ
かの実施形態では、
図4の1つ又は複数のプロセスブロックが光学式検知装置(例えば光
学式検知装置230)により実行され得る。いくつかの実施形態では、
図4の1つ又は複
数のプロセスブロックが、光学式検知装置とは別個の又は光学式検知装置を含む、分光分
析プラットフォーム(例えば、分光分析プラットフォーム210)等の別の装置又は装置
群により実行され得る。
【0053】
図4に示すように、プロセス400は、ある波長範囲において固定角で実行された分光
測定をマルチスペクトルセンサから受信するステップ(ブロック410)を含み得る。例
えば、上述のように、光学式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ス
トレージコンポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360
、通信インタフェース370等を用いて)、マルチスペクトルセンサから分光測定を受信
する。いくつかの実施形態では、分光測定は、ある波長範囲において固定角で実行される
。
【0054】
図4にさらに示すように、プロセス400は、分光測定に基づき微粒子の微粒子サイズ
を判定するステップ(ブロック420)を含み得る。例えば、上述のように、光学式検知
装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント340、
入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース370等を
用いて)、分光測定に基づき微粒子の微粒子サイズを判定し得る。
【0055】
図4にさらに示すように、プロセス400は、分光測定に基づき微粒子の同定を判定す
るステップ(ブロック430)を含み得る。例えば、上述のように、光学式検知装置は(
例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント340、入力コン
ポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース370等を用いて)
、分光測定に基づき微粒子の同定を判定し得る。
【0056】
図4にさらに示すように、プロセス400は、微粒子の微粒子サイズ及び同定に基づき
警報条件が満たされていると判定するステップ(ブロック440)を含み得る。例えば、
上述のように、光学式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレー
ジコンポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信
インタフェース370等を用いて)、微粒子の微粒子サイズ及び同定に基づき警報条件が
満たされていると判定し得る。
【0057】
図4にさらに示すように、プロセス400は、警報条件が満たされているとの判定に基
づき警報をトリガするステップ(ブロック450)を含み得る。例えば、上述のように、
光学式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネン
ト340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース
370等を用いて)、警報条件が満たされているとの判定に基づき警報をトリガし得る。
【0058】
プロセス400は、以下に記載され且つ/又は本明細書の他の箇所に記載の1つ又は複
数の他のプロセスに関連して記載された任意の単一の実施形態又は実施形態の任意の組み
合わせ等の、さらなる実施形態を含み得る。
【0059】
第1実施形態では、プロセス400は、1つ又は複数の他の微粒子の1つ又は複数の他
の微粒子サイズを判定するステップと、1つ又は複数の他の微粒子の1つ又は複数の他の
同定を判定するステップと、1つ又は複数の他の微粒子の1つ又は複数の他の微粒子サイ
ズ及び1つ又は複数の他の同定に基づき警報条件が満たされていると判定するステップと
を含む。
【0060】
単独の又は第1実施形態と組み合わせた第2実施形態では、プロセス400は、上記波
長範囲のビームを提供させる命令を送信するステップと、命令の送信への応答として分光
測定を受信するステップとを含む。
【0061】
単独の又は第1及び第2実施形態の一方又は両方と組み合わせた第3実施形態では、1
つ又は複数のプロセッサ、プロセス400は、分光分類モデルを用いて、分光測定に基づ
き微粒子のスペクトルの分類を判定するステップと、微粒子のスペクトルの分類に基づき
微粒子の同定を判定するステップとを含む。
【0062】
単独の又は第1~第3実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第4実施形態では、プロ
セス400は、微粒子の微粒子サイズ及び同定に基づきマルチスペクトルセンサ付近で火
災が発生していると判定するステップとを含む。
【0063】
単独の又は第1~第4次実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第5実施形態では、プ
ロセス400は、分光測定に基づき、マルチスペクトルセンサ付近で火災が発生している
との判定に基づく火災の計量化学的シグネチャを判定するステップと、計量化学的シグネ
チャを同定する情報を提供するステップとを含む。
【0064】
単独の又は第1~第5実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第6実施形態では、プロ
セス400は、警報条件を示す可聴又は視覚警報をトリガするステップを含む。
【0065】
単独の又は第1~第6実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第7実施形態では、プロ
セス400は、緊急応答装置と通信して警報条件を指示するステップを含む。
【0066】
単独の又は第1~第7実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第8実施形態では、プロ
セス400は、微粒子の微粒子サイズ及び同定に基づき微粒子が煙系微粒子であると判定
するステップと、煙系微粒子が、警報条件を満たさない第2タイプの煙系微粒子ではなく
警報条件を満たす第1タイプの煙系微粒子であると判定するステップとを含む。
【0067】
図4は、プロセス400の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施形態では
、プロセス400は、
図4に示すものに比べて追加のブロック、より少ないブロック、異
なるブロック、又は異なる配置のブロックを含んでいてもよい。追加として又は代替とし
て、プロセス400のブロックのうち2つ以上を並行して実行してもよい。
【0068】
図5は、警報条件を検知する例示的なプロセス500のフローチャートである。いくつ
かの実施形態では、
図5の1つ又は複数のプロセスブロックが光学式検知装置(例えば光
学式検知装置230)により実行され得る。いくつかの実施形態では、
図5の1つ又は複
数のプロセスブロックが、光学式検知装置とは別個の又は光学式検知装置を含む、分光分
析プラットフォーム(例えば、分光分析プラットフォーム210)等の別の装置又は装置
群により実行され得る。
【0069】
図5に示すように、プロセス500は、ある波長範囲のビームを送信するステップ(ブ
ロック510)を含み得る。例えば、上述のように、光学式検知装置は(例えば光送信器
231を用いて)、ある波長範囲のビームを送信し得る。
【0070】
図5にさらに示すように、プロセス500は、ビームの反射を複数のチャネルへ指向さ
せるステップ(ブロック520)を含み得る。例えば、上述のように、光学式検知装置は
(例えばマルチスペクトルフィルタ232を用いて)、ビームの反射を複数のチャネルへ
指向させ得る。
【0071】
図5にさらに示すように、プロセス500は、複数のチャネルを介してビームの反射を
受信して分光測定を実行するステップ(ブロック530)を含み得る。例えば、上述のよ
うに、光学式検知装置は(例えば光受信器233を用いて)、複数のチャネルを介してビ
ームの反射を受信して分光測定を実行し得る。
【0072】
図5にさらに示すように、プロセス500は、分光測定に基づき警報条件が満たされて
いると判定するステップ(ブロック540)を含み得る。例えば、上述のように、光学式
検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント34
0、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース370
等を用いて)、分光測定に基づき警報条件が満たされていると判定し得る。
【0073】
図5にさらに示すように、プロセス500は、警報条件が満たされているとの判定に基
づき応答動作をトリガするステップ(ブロック520)を含み得る。例えば、上述のよう
に、光学式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポー
ネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェ
ース370等を用いて)、警報条件が満たされているとの判定に基づき応答動作をトリガ
し得る。
【0074】
プロセス500は、以下に記載され且つ/又は本明細書の他の箇所に記載の1つ又は複
数の他のプロセスに関連して記載された任意の単一の実施形態又は実施形態の任意の組み
合わせ等の、さらなる実施形態を含み得る。
【0075】
第1実施形態では、波長範囲は190nm~1100nmである。
【0076】
単独の又は第1実施形態と組み合わせた第2実施形態では、第1発光体が波長範囲の第
1部分を有するビームの第1部分を送信することができ、第2発光体が波長範囲の第2部
分を有するビームの第2部分を送信することができる。
【0077】
単独の又は第1及び第2実施形態の一方又は両方と組み合わせた第3実施形態では、セ
ンサ素子アレイは、波長範囲の第1部分を有するビームの反射の第1部分を受信する1つ
又は複数の第1センサ素子と、波長範囲の第2部分を有するビームの反射の第2部分を受
信する1つ又は複数の第2センサ素子とを含む。
【0078】
単独の又は第1~第3実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第4実施形態では、光送
信器は、媒体を通して媒体中の微粒子に向けてビームを送信するよう構成される。いくつ
かの実施形態では、媒体は気体状媒体又は液状媒体である。
【0079】
単独の又は第1~第4実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第5実施形態では、光学
式検知装置は、開口を有するハウジングと、ハウジング外の第1環境からハウジング内の
第2環境へ開口を介して流体を引き込む微粒子流入装置とを含むことができ、ハウジング
内の第2環境内で、光送信器はビームを送信するよう構成され、光受信器はビームの反射
を受信するよう構成される。
【0080】
単独の又は第1~第5実施形態の1つ又は複数と組み合わせた第6実施形態では、光受
信器の感度は、閾値未満の濃度を有する微粒子に対するものである。
【0081】
図5は、プロセス500の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施形態では
、プロセス500は、
図5に示すものに比べて追加のブロック、より少ないブロック、異
なるブロック、又は異なる配置のブロックを含んでいてもよい。追加として又は代替とし
て、プロセス500のブロックのうち2つ以上を並行して実行してもよい。
【0082】
図6は、警報条件を検知する例示的なプロセス600のフローチャートである。いくつ
かの実施形態では、
図6の1つ又は複数のプロセスブロックが光学式検知装置(例えば光
学式検知装置230)により実行され得る。いくつかの実施形態では、
図6の1つ又は複
数のプロセスブロックが、光学式検知装置とは別個の又は光学式検知装置を含む、分光分
析プラットフォーム(例えば、分光分析プラットフォーム210)等の別の装置又は装置
群により実行され得る。
【0083】
図6に示すように、プロセス600は、分光測定用体積に向けてビームを送信するステ
ップ(ブロック610)を含み得る。例えば、上述のように、光学式検知装置は(例えば
、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント340、入力コンポーネ
ント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース370等を用いて)、分光
測定用体積に向けてビームを送信し得る。
【0084】
図6にさらに示すように、プロセス600は、分光測定用体積に向けたビームの送信に
基づくビームの反射を受信するステップ(ブロック620)を含み得る。例えば、上述の
ように、光学式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコン
ポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタ
フェース370等を用いて)、分光測定用体積に向けたビームの送信に基づくビームの反
射を受信し得る。
【0085】
図6にさらに示すように、プロセス600は、分光測定用体積中の粒子状物質の分光測
定を判定するステップ(ブロック630)を含み得る。例えば、上述のように、光学式検
知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント340
、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース370等
を用いて)、分光測定用体積中の粒子状物質の分光測定を判定するステップも含み得る。
【0086】
図6にさらに示すように、プロセス600は、分光分類モデルを用いて分光測定を特定
の分類に分類するステップ(ブロック640)を含み得る。例えば、上述のように、光学
式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント3
40、入力コンポーネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース37
0等を用いて)、分光分類モデルを用いて分光測定を特定の分類に分類し得る。
【0087】
図6にさらに示すように、プロセス600は、特定の分類への分光測定の分類に基づき
警報条件が満たされていることを分光測定が示すと判定するステップ(ブロック650)
を含み得る。例えば、上述のように、光学式検知装置は(例えば、プロセッサ320、メ
モリ330、ストレージコンポーネント340、入力コンポーネント350、出力コンポ
ーネント360、通信インタフェース370等を用いて)、特定の分類への分光測定の分
類に基づき警報条件が満たされていることを分光測定が示すと判定し得る。
【0088】
図6にさらに示すように、プロセス600は、警報条件を示す警報動作を実行するステ
ップ(ブロック660)を含み得る)。例えば、上述のように、光学式検知装置は(例え
ば、プロセッサ320、メモリ330、ストレージコンポーネント340、入力コンポー
ネント350、出力コンポーネント360、通信インタフェース370等を用いて)、警
報条件を示す警報動作を実行し得る。
【0089】
プロセス600は、以下に記載され且つ/又は本明細書の他の箇所に記載の1つ又は複
数の他のプロセスに関連して記載された任意の単一の実施形態又は実施形態の任意の組み
合わせ等の、さらなる実施形態を含み得る。
【0090】
第1実施形態では、警報動作を実行するステップは、火災に関する警報を提供するステ
ップ、汚染条件に関する警報を提供するステップ、空気質条件に関する警報を提供するス
テップ、病状の指示を提供するステップ、又は水濁度条件に基づき装置の設定を変更する
ステップを含む。
【0091】
単独の又は第1実施形態と組み合わせた第2実施形態では、プロセス600は、分光測
定に関する情報を記録するステップと、その後に分光測定に関する記録された情報を記憶
するログの出力を提供するステップとを含む。
【0092】
単独の又は第1及び第2実施形態の一方又は両方と組み合わせた第3実施形態では、分
光測定を分類するステップは、粒子状物質のサイズ、粒子状物質の濃度、又は粒子状物質
のタイプの少なくとも1つに基づき分光測定を分類するステップを含む。
【0093】
図6は、プロセス600の例示的なブロックを示しているが、いくつかの実施形態では
、プロセス600は、
図6に示すものに比べて追加のブロック、より少ないブロック、異
なるブロック、又は異なる配置のブロックを含んでいてもよい。追加として又は代替とし
て、プロセス600のブロックのうち2つ以上を並行して実行してもよい。
【0094】
図7A及び
図7Bは、本明細書に記載の例示的な実施形態700の図である。
【0095】
図7Aに示すように、光学式検知装置は、光送信器702と、光受信器704と、フィ
ルタ706(例えばマルチスペクトルフィルタ)と、ハウジング708とを含み得る。光
受信器704及びフィルタ706は、マルチスペクトルセンサを形成し得る。光送信器7
02は、ビーム710を送信し、これがハウジング708の表面から光受信器704に向
けて反射され得る。ハウジング708は、空気の流入を可能にする開口及び空気の流出を
可能にする開口を含むことにより、固定角センシングを可能にすることができる。
【0096】
図7Bに示すように、光受信器704及びフィルタ706により形成されたマルチスペ
クトルセンサは、基板752と、基板752上又は基板752内に配置された1組のセン
サ素子754と、1組のセンサ素子754上に配置された1組のフィルタ層756とを含
み得る。いくつかの実施形態では、フィルタ層756は、第1材料の第1層サブセットと
第2材料の第2層サブセットとを含み得る。例えば、フィルタ層756は、高屈折率層及
び低屈折率層を交互に含んで、1組のセンサ素子754に対応する1組のチャネルを形成
し得る。いくつかの実施形態では、フィルタ層756のサブセットが、2.5超、3.0
超、3.5超等の屈折率を伴い得る。いくつかの実施形態では、フィルタ層756のサブ
セットが、2.5未満、2.0未満、1.5未満等の屈折率を伴い得る。いくつかの実施
形態では、フィルタ層756は、ケイ素層、水素化ケイ素層、シリコンゲルマニウム(S
iGe)層、水素化ゲルマニウム層、水素化シリコンゲルマニウム層、二酸化ケイ素層、
五酸化タンタル(Ta
2O
5)層、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)層、二酸化チタン(Ti
O
2)層、酸化アルミニウム(Al
2O
3)層、酸化ジルコニウム(ZrO
2)層、酸化
イットリウム(Y
2O
3)層、窒化ケイ素(Si
3N
4)層、フッ化マグネシウム(Mg
F
2)層、ニオブチタンフッ化物(niobium titanium fluoride)(NbTiF)層、ニ
オブチタン酸化物(NbTiO)層、アニオン/カチオン混合層、水素化層、アニール層
、エッチング層、堆積層、それらの組み合わせ等を含み得る。
【0097】
上述のように、
図7A及び
図7Bは単に1つ又は複数の例として提供されている。他の
例は、
図7A及び
図7Bに関して記載したものとは異なってもよい。
【0098】
上記開示により図解及び説明を行ったが、これは、網羅的であることも実施態様を開示
された形態そのものに限定することも意図されない。変更及び変形は、上記開示に照らし
て可能であるか、又は実施態様の実施から得ることができる。
【0099】
本明細書では、「コンポーネント」という用語は、ハードウェア、ファームウェア、又
はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせと広義に解釈されることを意図したもので
ある。
【0100】
いくつかの実施態様は、本明細書では閾値に関連して記載されている。本明細書では、
閾値を満たすことは、文脈に応じて、値が閾値を超えること、閾値より大きいこと、閾値
より高いこと、閾値以上であること、閾値未満であること、閾値より少ないこと、閾値よ
り低いこと、閾値以下であること、閾値と等しいこと等を指す。
【0101】
本明細書に記載のシステム及び/又は方法が、異なる形態のハードウェア、ファームウ
ェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実施され得ることが明ら
かであろう。これらのシステム及び/又は方法の実施に用いられる実際の特殊制御ハード
ウェア又はソフトウェアコードは、実施態様を制限するものではない。したがって、シス
テム及び/又は方法の動作及び挙動は、本明細書の記載では特定のソフトウェアコードに
関係なく、ソフトウェアハードウェアを用いて本明細書の記載に基づくシステム及び/又
は方法を実施できることが理解される。
【0102】
特定の特徴の組み合わせが特許請求の範囲に記載され且つ/又は本明細書に開示されて
いるが、これらの組み合わせが可能な実施態様の開示を限定することは意図されない。実
際には、これらの特徴の多くを、具体的に特許請求の範囲に記載且つ/又は本明細書に開
示されていない方法で組み合わせることができる。添付の各従属請求項は、1つの請求項
のみに直接従属している場合があるが、種々の実施態様の開示には、各従属請求項をその
請求項セットの他の全ての請求項と組み合わせたものが含まれる。
【0103】
本明細書で使用される要素、行為、又は指示はいずれも、そのように明記されない限り
は重要であるとも必須であるとも解釈されないものとする。また、本明細書では、不定冠
詞「a」及び「an」は1つ又は複数の事項を含むことが意図され、「1つ又は複数の」
と交換可能に用いることができる。さらに、本明細書では、定冠詞「the」は、その定
冠詞「the」に関連して記載した1つ又は複数の事項を含むことが意図され、「1つ又
は複数の」と交換可能に用いることができる。さらに、本明細書では、「組」という用語
は、1つ又は複数の事項(例えば、関連事項、非関連事項、関連事項及び非関連事項の組
み合わせ等)を含むことが意図され、「1つ又は複数の」と交換可能に用いることができ
る。1つの事項のみを意図する場合、「1つのみ」という用語又は同様の文言が用いられ
る。また、本明細書では、「有する」("has," "have," "having")という用語又はそれ
に類する用語はオープンエンドな用語であることが意図される。さらに、「基づく」とい
う語句は、別段に明記されない限り「少なくとも一部基づく」を意味することが意図され
る。また、本明細書では、「又は」という用語は、羅列で用いられる場合は包括的である
ことが意図され、別段に明記されない(例えば、「いずれか」又は「のうちの1つのみ」
と組み合わせて用いられる場合でない)限り「及び/又は」と交換可能に用いることがで
きる。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチスペクトルセンサ装置により、分光測定用体積に向けてビームを送信するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記分光測定用体積に向けた前記ビームの送信に基づく前記ビームの反射を受信するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記分光測定用体積中の粒子状物質の分光測定を判定するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、分光分類モデルを用いて前記分光測定を特定の分類に分類するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記特定の分類への前記分光測定の分類に基づき警報条件が満たされていることを前記分光測定が示すと判定するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記警報条件を示す警報動作を実行するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、前記分光測定に関する情報を記録するステップと、
前記マルチスペクトルセンサ装置により、その後に前記分光測定に関する前記記録された情報を記憶するログの出力を提供するステップとを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記警報動作を実行するステップは、
火災に関する警報を提供するステップ、
汚染条件に関する警報を提供するステップ、
空気質条件に関する警報を提供するステップ、
病状の指示を提供するステップ、及び
水濁度条件に基づき装置の設定を変更するステップの少なくとも1つを含む方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記分光測定を分類するステップは、
前記粒子状物質のサイズ、
前記粒子状物質の濃度、及び
前記粒子状物質のタイプの少なくとも1つに基づき前記分光測定を分類するステップを含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記マルチスペクトルセンサ装置の流入装置を用いて空気と粒子状物質を前記体積に引き込むステップをさらに含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記マルチスペクトルセンサ装置はハウジングを含み、
前記体積は前記ハウジングの体積である方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記ビームの反射は複数のチャネルを介して受信される方法。
【請求項7】
装置であって、
1つ又は複数のメモリと、
該1つ又は複数のメモリに結合された1つ又は複数のプロセッサであり、
分光測定用体積中の粒子状物質の分光測定を判定し、
分光分類モデルを用いて前記分光測定を特定の分類に分類し、
前記特定の分類への前記分光測定の分類に基づき警報条件が満たされていることを前記分光測定が示すことを判定し、
前記警報条件を示す警報動作を実行し、
前記分光測定に関する情報を記録し、
その後に前記分光測定に関する前記記録された情報を記憶するログの出力を提供する1つ又は複数のプロセッサとを備えた光学式検知装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、前記警報動作を実行する前記1つ又は複数のプロセッサは、
火災に関する警報を提供し、
汚染条件に関する警報を提供し、
空気質条件に関する警報を提供し、
病状の指示を提供し、及び
水濁度条件に基づき装置の設定を変更するように構成される装置。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、前記分光測定を分類する前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記粒子状物質のサイズに基づき前記分光測定を分類するように構成される装置。
【請求項10】
請求項7に記載の装置において、空気と前記粒子状物質を前記体積に引き込むように構成される装置。
【請求項11】
請求項7に記載の装置において、
前記マルチスペクトルセンサ装置はハウジングを含み、
前記体積は前記ハウジングの体積である装置。
【請求項12】
請求項7に記載の装置において、前記1つ又は複数のプロセッサは、
前記分光測定の前記ビームの反射を複数のチャネルを介して受信するように構成される装置。
【請求項13】
複数の命令からなる組を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記複数の命令からなる組は、
装置の1つ又は複数のプロセッサによって実行されるときに前記装置に、
分光測定用体積へ向けてビームを送信させ、
前記分光測定用体積へ向かう前記ビームの送信に基づいて前記ビームの反射を受信させ、
前記分光測定用体積中の粒子状物質の分光測定を判定させ、
警報条件が満たされていることを前記分光測定が示すことを判定させ、
前記警報条件を示す警報動作を実行させ、
前記分光測定に関する記録された情報を記憶するログの出力を提供させる1つ以上の命令を含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記1つ以上の命令は、前記装置に前記警報動作を実行させ、
火災に関する警報を提供させ、
汚染条件に関する警報を提供させ、
空気質条件に関する警報を提供させ、
病状の指示を提供させ、及び
水濁度条件に基づき装置の設定を変更させる非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記1つ以上の命令はさらに、前記装置に前記粒子状物質の濃度に基づき前記分光測定を分類させる非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記1つ以上の命令はさらに、前記装置に該装置の流入装置を用いて空気と前記粒子状物質を前記体積に引き込ませる非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、
前記マルチスペクトルセンサ装置はハウジングを含み、
前記体積は前記ハウジングの体積である非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
請求項1に記載の方法において、前記分光測定を分類するステップは、前記粒子状物質のサイズに基づいて前記分光測定を分類するステップを含む方法。
【請求項19】
請求項7に記載の装置において、前記記録された情報は、スペクトルのタイプ、火災のタイプ、又は前記警告動作のタイプのうちの1つ以上を含む装置。
【請求項20】
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体において、前記記録された情報は火災の成長速度を含む非一時的なコンピュータ可読媒体。
【外国語明細書】