(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071773
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】支持部材、導管支持装置、および、それを備えた処理装置
(51)【国際特許分類】
F16L 3/00 20060101AFI20230516BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20230516BHJP
F16L 3/015 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
F16L3/00 Z
H01L21/68 A
F16L3/015
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023023333
(22)【出願日】2023-02-17
(62)【分割の表示】P 2019566536の分割
【原出願日】2019-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2018007699
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018196305
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145530
【氏名又は名称】株式会社潤工社
(72)【発明者】
【氏名】平岡 大生
(72)【発明者】
【氏名】竹内 弘
(72)【発明者】
【氏名】三須 康弘
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 哲也
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、耐久性に優れた支持部材やそれを含む装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の支持部材は、弾性部材と、その上に形成された複数のブロック部材とを含む。この支持部材は、ブロック部材の端面が互いに接触する形状から、互い離間する形状に変形可能である。弾性部材は、ブロック部材の底面に固定されることにより変形が規制された固定領域を含み、支持部材は、弾性部材の固定領域の近傍の位置における屈曲を抑制する屈曲抑制手段を含むことを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の金属からなり第一の方向に延在する弾性部材と、
前記弾性部材上に、前記第一の方向に沿って直線状に配列され、前記第一の方向に交差する端面をそれぞれ有する複数のブロック部材と、を備えた支持部材であって、
前記支持部材は、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに接した第一の形状から、
前記複数のブロック部材の前記端面が互いに離間し、前記弾性部材の第一の面を外側とする向きに湾曲した第二の形状に変形可能であり、
前記複数のブロック部材は、第一のブック部材と前記第一のブロック部材に隣接する第二のブロック部材とを含み、
前記支持部材は、前記第一のブロック部材と前記第二のブロック部材とを連結し、前記支持部材が第二の形状にあるとき、前記第一のブロック部材と第二のブロック部材との間の距離を所定の大きさより大きくならないように制限する連結部を備えることを特徴とする支持部材。
【請求項2】
前記連結部は、第一のブロック部材から前記第二のブロック部材に重なる位置まで延出する片持ち梁状の延出部を含み、
前記延出部は、前記支持部材の前記第二の形状において前記第一のブロック部材と前記第二のブロック部材との距離が所定の大きさに達すると、前記第二のブロック部材に当接することにより、ブロック部材間距離を制限することを特徴とする請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
前記連結部は
前記支持部材が第一の形状にあるときはその長さに余りが生じ張力を発生させず、
前記支持部材の前記第二の形状において前記第一のブロック部材と前記第二のブロック部材との距離が所定の大きさに達すると、余りが無くなり張力を生じる長さを有するテープ、紐、あるいは繊維状の可とう性部材からなることを特徴とする請求項1に記載の支持部材。
【請求項4】
前記複数のブロック部材は上面に凹部を有し、前記連結部は前記凹部内に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項5】
前記複数のブロック部材は、フィラーを含まない状態で1000MPa以上の圧縮弾性率を有する高分子材料からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項6】
前記複数のブロック部材は、第一のブロック部材と、前記第一のブロック部材に隣接し前記第一のブロック部材と同じ形状および同じ大きさを有する第二のブロック部材と、を含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項7】
前記複数のブロック部材は、前記弾性部材上に同一の向き、同一の間隔でとりつけられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項8】
前記弾性部材は、SUS301又はSUS304を含み、厚さが0.1mm以上の板状の部材であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項9】
前記弾性部材は板バネを含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項10】
前記弾性部材は、曲率半径5mm以下に曲げたときに破断が生じる板状部材であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の支持部材。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の支持部材と、導管と、前記支持部材と導管とが内部に挿通された導管袋とを含む導管支持装置。
【請求項12】
前記導管は電気エネルギーを伝達するケーブル及び/又は流体を伝達するチューブを含むことを特徴とする請求項11に記載の導管支持装置。
【請求項13】
前記導管袋は複数の樹脂フィルムが貼り合された複合材から構成されていることを特徴とする請求項11または請求項12の何れか一項に記載の導管支持装置。
【請求項14】
前記請求項11乃至13の何れか一項に記載の導管支持装置を含む処理装置。
【請求項15】
前記処理装置は被処理物が配置されるステージと、該被処理物に対して相対的に移動可能であり、かつ、該被処理物に対して把持、物理的処理、化学的処理、電磁波照射、または電磁波検出を行う処理ヘッドを含み、
前記導管支持装置は、直線形状の領域と湾曲形状の領域とを含み、前記相対的な移動に応じて前記直線形状の領域の長さが変化することを特徴とする請求項14に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導管と一体化されて、その導管を支持する導管支持装置に関し、例えば機械加工ライン、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ等の表示機器製造装置、あるいは、電子部品実装装置等の各種の処理装置に組み込まれたロボット走行装置等に用いられる導管を支持する支持部材、導管支持装置、および、それを備えた処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械加工ライン、半導体製造装置、表示機器製造装置、電子部品実装装置等の各種処理装置には、加工材、ウエハ、基板等のワークを把持して搬送するためのロボット走行装置が組み込まれている。ロボット走行装置は、軌道上を往復移動する走行台車に、例えばワークをハンドリングするロボットが搭載されている。このロボットのアームのハンドを動作させることにより、ワークをハンドに把持させ、該ワークを各加工機械に着脱することができる。
【0003】
このようなロボット走行装置の走行台車には、電気エネルギーや、電気や光等の信号を伝達するケーブルや、気体又は液体を輸送する、もしくは、気体又は液体を介して圧力を伝達するチューブ(以下、これらのケーブルおよびチューブを含め「導管」という)が接続される。繰り返し往復移動をしてその位置が変化する走行台車に対して、導管の安定した接続を維持する必要がある。このため、一定長の導管を、互いに対向する2つの直線部とそれらをつなぐ湾曲部からなるU字形に湾曲させて支持し、走行台車の位置に応じて対向する直線部の長さを変化させることにより、導管の安定した接続を維持する導管支持装置が利用される。このような支持装置は、走行台車の位置が変化する過程においても、導管の曲率半径を一定以上に保つことができる。これにより、導管による伝達特性や輸送性を確保し、また、導管の破損を防ぐことができる。
【0004】
そのようなU字型に屈曲可能な導管支持装置が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された導管支持装置は、可とう性材料と、該可とう性材料に取り付けられた非連動固形物とを備える支持部材を含む。可とう性材料は例えば、ステンレス鋼やバネ鋼から構成され、非連動固形物は例えば、高耐圧縮性を有する金属材料や樹脂材料から構成される。この支持部材は、非連動固形物が互い接触することにより、ある向きへの曲げは制限され、一方、非連動固形物が互いに離れることにより反対の向きへの湾曲が可能な構成を有する。これにより、高度の可とう性、低機械的騒音、小曲げ半径、長寿命および実質的に粒状物の発生がない支持部材を提供できるとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本願発明の発明者らは、特許文献1に記載された導管支持部材では、一定以上の期間の使用により、あるいは、一定以上の回数の往復運動により、可とう性材料が破損する虞があることを見出した。使用中に可とう性材料が破損すると支持部材としての機能を失い、実施中の処理が適切に行われないだけでなく、導管が破損して、導処理中の被処理物の品質を損ねたり、発塵等による周辺雰囲気の汚染等につながる虞がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、信頼性に優れる導管の支持部材、導管支持装置、処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願請求項に記載の発明の支持部材は、第一の面を有し、第一の方向に延伸する弾性部材と、前記弾性部材に固定され、前記弾性部材の第一の面と対向する底面および前記第一の方向と交差する端面をそれぞれ有する複数のブロック部材と、を備えた支持部材であって、前記支持部材は、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに接した第一の形状から、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに離間し、前記弾性部材の第一の面を外側とする向きに湾曲した第二の形状に変形可能であり、前記弾性部材は、前記ブロック部材の底面に固定されることにより変形が規制された第一の領域を含んでおり、前記支持部材は、前記弾性部材の前記第一の領域の近傍の位置における屈曲の発生を抑制する屈曲抑制手段を含むことを特徴とする。
【0009】
また 、本願請求項に記載の発明の支持部材は、第一の面を有し、第一の方向に延伸する弾性部材と、前記弾性部材に固定され、前記弾性部材の第一の面と対向する底面および前記第一の方向と交差する端面をそれぞれ有する複数のブロック部材と、を備えた支持部材であって、前記支持部材は、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに接した第一の形状から、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに離間し、前記弾性部材の第一の面を外側とする向きに湾曲した第二の形状に変形可能であり、前記弾性部材は、前記ブロック部材の底面に固定されることにより変形が規制された第一の領域と、前記第一の形状において前記ブロック部材の底面と接し、前記第二の形状において前記ブロック部材の底面から離間する第二の領域と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記弾性部材の全長に占める、前記弾性部材の第一の領域の合計長の割合は、75%以下であることを特徴とする。
【0011】
また、前記弾性部材は、前記第一の形状において前記ブロック部材の底面と離間しており、かつ、前記第二の形状において前記ブロック部材の底面と離間している、第三の領域をさらに含んでおり、前記第二の領域と前記第三の領域との合計長さに占める、前記第二の領域の割合は、10%以上であることを特徴とする。
【0012】
また、前記弾性部材は、SUS301又はSUS304を含み、厚さが0.1mm以上の板状の部材であることを特徴とする。
【0013】
また、前記ブロック部材は、フィラーを含まない状態で1000MPa以上の圧縮弾性率を有する高分子材料からなることを特徴とする。
【0014】
また、本願請求項に記載の発明の支持部材は、復元力を備え、第一の面を有し、第一の方向に延伸する弾性部材と、前記弾性部材に固定され、前記弾性部材の第一の面と対向する底面および前記第一の方向と交差する端面をそれぞれ有する複数のブロック部材と、を備えた支持部材であって、前記支持部材は、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに接した第一の形状から、前記複数のブロック部材の前記端面が互いに離間し、前記弾性部材の第一の面を外側とする向きに湾曲した第二の形状に変形可能であり、前記弾性部材は、前記ブロック部材の底面に固定されることにより変形が規制された複数の固定領域と、前記第二の形状において湾曲が可能な複数の変形可能領域とを備え、前記弾性部材の全長に占める、前記複数の固定領域の合計長の割合は75%以下であり、前記支持部材は、前記支持部材の最小曲率半径を規定する最小曲率半径規定部を備えることを特徴とする。
【0015】
また、前記複数のブロック部材は、第一のブロック部材と、前記第一のブロック部材に隣接する第二のブロック部材とを含み、前記最小曲率半径規定部は、前記第一のブロック部材に形成された第一の当接面と、前記第二のブロック部材に形成され、前記支持部材の湾曲により、前記第一のブロック部材と前記第二のブロック部材との間の距離が所定の大きさになったときに、前記第一の当接面と接する第二の当接面と、を含むことを特徴とする。
【0016】
これにより、耐久性に優れる導管の支持部材、導管支持装置、処理装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の支持部材の第一の実施例を概念的に示す図である。
【
図2】本発明の支持部材のブロック部材の取り付け部を概念的に説明する図である。
【
図3】本発明の支持部材の第二の実施例を概念的に示す図である。
【
図4】本発明の支持部材の第三の実施例を概念的に示す図である。
【
図5】本発明の支持部材の第四の実施例を概念的に示す図である。
【
図6】本発明の支持部材の第五の実施例を概念的に示す図である。
【
図7】本発明の支持部材の第六の実施例を概念的に示す図である。
【
図8】本発明の支持部材の第七の実施例を概念的に示す図である。
【
図9】本発明の支持部材の第八の実施例を概念的に示す図である。
【
図10】本発明の支持部材の製造方法を説明する図である。
【
図11】本発明の支持部材の製造方法を説明する図である。
【
図12】本発明の支持部材の第九の実施例を概念的に示す図である。
【
図13】本発明の支持部材の第十の実施例を概念的に示す図である。
【
図14】本発明の支持部材の第十一の実施例を概念的に示す図である。
【
図15】本発明の支持部材の第十一の実施例のブロック部材を概念的に示す図である。
【
図16】本発明の支持部材の第十一の実施例のブロック部材を概念的に示す断面図である。
【
図17】本発明の支持部材の第十二の実施例を概念的に示す図である。
【
図18】本発明の支持部材の第十二の実施例のブロック部材を概念的に示す図である。
【
図19】本発明の支持部材の第十二の実施例のブロック部材を概念的に示す断面図である。
【
図20】本発明の支持部材の第十三の実施例を概念的に示す図である。
【
図21】本発明の支持部材の第十三の実施例を概念的に示す図である。
【
図22】本発明の導管支持装置を概念的に示す断面図である。
【
図23】本発明の処理装置を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願請求項に記載の発明に係る導管支持部材および導管支持装置の実施形態について説明する。尚、以下に説明する実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、それぞれの実施例における各々の実施形態は、本発明の技術的な意義を失わない範囲で自由に組み合わせても良い。
【0019】
本願請求項に記載の発明の支持部材は、弾性部材と、概弾性部材の上面に配列固定され、端面を有する複数のブロック部材を有する。概支持部材の各ブロック部材は、それぞれの端面が隣接する他のブロック部材の端面と互いに接触することにより、概支持部材の直線形状(第一の形状)を構成する。概支持部材の各ブロック部材は、それぞれの端面が隣接する他のブロック部材の端面と離間することにより概支持部材の湾曲形状(第二の形状)を構成する。弾性部材は、ブロック部材の底面に固定され変形が規制された固定領域(第一の領域)を含む。概支持部材は、弾性部材の、概固定領域の近傍における屈曲の発生を抑制する屈曲抑制手段を含む。 このような構成を備えることで、信頼性に優れた導管の支持部材、導管支持装置、処理装置が提供される。
【0020】
支持部材CGは、弾性部材EEと、その上面に配列された複数のブロック部材BEとを備える。
図1は、本発明の第一の実施例における支持部材を概念的に示す図であり、(a)は支持部材を上面から見た図、(b)および(c)は、(a)のX-Xの位置における支持部材の断面図である。(a)において弾性部材EEは、実際にはブロック部材BEにより遮られて見えない状態にあるが、説明のために2本の破線により弾性部材EEの幅を表している。(b)は支持部材CGが直線形状にある時を表した図であり、(c)は支持部材が湾曲形状にある時を表した図である。詳細は後述するが、導管支持装置においては、本支持部材に沿って導管が形成され、導管支持装置において導管の形状は、本支持部材の形状によって規制される。
【0021】
弾性部材EEは可とう性を有するベルト状の長尺部材である。弾性部材EEは、
図1における左右方向(第一の方向)に延伸し、その板厚方向に湾曲が可能である。これにより、弾性部材EEおよび支持部材CGは、アルファベットのUの字の形における、直線部と湾曲部の両方の形状をとることができる。また、弾性部材EEは、単に可とう性を有するだけでなく、自重、ブロック部材、および、導管の重量を支持可能な大きさの曲げ弾性率を有する。これにより、これらの重量による力が弾性部材EEに加えられた場合にあっても、Uの字の湾曲部にあたる位置の曲率半径Rを一定以上の値に維持することが可能となり、導管が折れたりつぶれたりすることを防ぐことができる。
【0022】
弾性部材EEの可とう性と曲げ弾性率は、適用材料の種類、適用部材の厚さ、断面形状等により調整しても良い。例えば弾性部材は、曲率半径100mmの湾曲形状と直線形状との間を10000回の屈伸変形をしても破断が生じない可とう性を備えることが好ましい。また、弾性部材は、長さ100mmの片持ち梁構造にて、自重によるたわみ量が50mm以下、好ましくは30mm以下、となるような曲げ弾性率を備えることが好ましい。支持部材CGは、弾性部材EEを下、複数のブロック状部材BEを上としたとき、長さ100mmの片持ち梁構造において、自重によるたわみ量が50mm以下のたわみ量となるような曲げ弾性率を備えることが特に好ましい。
また、弾性部材EEは曲率半径30mm以下では塑性変形する構成としてもよい。弾性部材や支持部材の耐久性の観点からは弾性変形域が広い方が良い。しかし導管は一定以下の曲率半径となることで不可逆的に特性が変化することがある。導管支持装置CUの使用中に導管の不可逆的な特性変化を伴うような変化が生じた場合に、塑性変形を生じる弾性部材EEとすることにより、導管の特性変化を早期に発見すること可能となり、導管支持装置CUの修理や交換等の処置を促すことができる。
あるいは、弾性部材EEは、曲率半径15mm以下で塑性変形する構成としても良く、曲率半径5mm以下で破断が生じる構成としても良い。
【0023】
弾性部材EEの材料としては、高分子材料や金属材料が適用できる。例えば、ポリアミド等の樹脂でもよく、あるいは、ステンレス鋼、炭素鋼等の鉄を含む合金、りん青銅、ベリリウム銅等の銅合金でも良い。一般に板ばねとして使用される材料を適用することにより、曲げによる塑性変形を抑制できる。一例として弾性部材EEとしてはSUS301又はSUS304からなり、厚さ0.1mm以上かつ0.4mm以下の板状の部材を適用できる。
また、弾性部材EEを金属又は導体粉を分散させた高分子材料などの、導体材料で構成しても良い。例えば導電性の弾性部材の少なくとも一端を接地させることで、支持部材の帯電や、それによる導管への電気的な影響を小さくすることができる。
【0024】
弾性部材はバネとしての性質を有している。つまり、弾性部材は復元力を有しており、外力により変形するが、その外力がなくなると、元の形状に戻る。また、外力が大きくなるほど、変形量も大きくなり、変形量が大きくなるほど生じる復元力も大きくなる。この性質を有する弾性部材は、軸と軸受けのような構造を必要とせず、単純な構成で形状変化が可能な支持部材の構成を可能とする。また、極端に小さな曲げRを有する領域を含むことなく、比較的大きな曲げRを有する領域のみで、支持部材の湾曲形状を構成できるため、湾曲時に導管などに加わる物理的なストレスを軽減することが可能となる。
【0025】
ブロック部材BEは圧縮弾性率が大きな材料を含み、弾性部材EEの上面に強固に固定された固形物である。ブロック状部材BEの材料としては、例えば、液晶ポリマ(LCP)、ポリアセタール(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の高分子材料が利用できる。また、高分子材料にガラスフィラーを混合することで圧縮弾性率を高くすることができる。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を混合することで低摩擦としてもよい。あるいは、アルミニウムや鉄、あるいはそれらを含む合金等の金属材料や木製材料等も使用可能である。
【0026】
高分子材料としては、フィラーを含まない状態で1000MPa以上の圧縮弾性率を有する材料が好ましく、4000MPa以上の圧縮弾性率を有する材料が特に好ましい。フィラーを含む状態で、6000MPa以上の圧縮弾性率を有する材料が好ましく、20000MPa以上の圧縮弾性率を有する材料がさらに好ましい。ブロック部材BEとしては、大きな圧縮弾性率を有するだけでなく、軽量なものが適しており、特に、射出成型された高分子材料の硬化物、金属板やそれを曲げ加工したものを溶接したもの、又は、これらを組み合わせたもの等が好適である。本実施例において、ブロック部材は射出成型により得られた、ガラス強化されたポリアミドの硬化物が適用される。
【0027】
本実施例において、複数のブロック部材BEは、それぞれ、同じ形状および同じ大きさ有していてる。これらの複数のブロック部材は、弾性部材EE上に、一直線上に配列され、取り付けられている。それぞれのブロック部材は、弾性部材EE上に同一の向きで取り付けられ、また、同一の間隔で取り付けられる。
【0028】
図1の(a)および(b)を用いて、直線形状にある支持部材CGを説明する。弾性部材EEの上面EUSには、複数のブロック部材BEが弾性部材EEの長手方向(第一の方向)に沿って配列される。
図1において、3つのブロック部材のみが図示されているが、ブロック部材の数は、少なくとも支持部材CGが直線部と湾曲部を含むU字型を形成可能な数だけあればよく、また、支持部材の求められる長さ(導管支持装置が求められる移動距離により定まる)に応じて数十から数千を超える数まで、適宜決定して良い。
【0029】
それぞれのブロック部材BEは一端と他端とを含む端面BESと、弾性部材EEの上面EUSと対向する底面BBSと、底面と逆側の面である上面BUSとを含む。底面BBSは弾性部材EEの上面EUSと接触する接触部BCPと、前記上面EUSから所定距離離間した逃げ部BEPとを含む。一方で、弾性部材EEの上面EUSは、前記接触部BCPと接触する領域である接触領域ECRを含む。
【0030】
直線形状にある時、複数のブロック部材BEの端面BESは、隣接する他のブロック部材BEの端面BESと互いに接触している。これにより、支持部材CGは、ブロック部材BEを内側とする向きの湾曲(以下、このように弾性部材の上にブロック部材があるときに、下に凸となる向きの湾曲を谷反り、上に凸となる向きの湾曲を山反り、という)が制限される。つまり、谷反りを発生させる向きの応力(例えば支持部材や導管の重さによる重力)が作用する場合であっても、支持部材CGおよびそれを含む支持装置は直線形状を維持することができる。
なお、ここで直線形状とは必ずしも完全な直線に沿っていなくても良く、例えば、自重による弾性変形を含まない状態で、わずかに山反りの向きの湾曲(例えば曲率半径が800mm以上、好ましくは1000mm以上)を有していても良い。
また、端面BESは、必ずしもブロック部材の中心位置からもっとも遠い位置にある面でなくても良い。例えば、ブロック部材が、ブロック部材の端面より外側に延伸する突出形状領域を備えていても良い。
【0031】
それぞれのブロック部材BEの端面同士が離間することにより、弾性部材EEの弾性変形の範囲内で、山反りの形成が可能となる(
図1(c)参照)。この時、弾性部材EEの接触領域ECRには、ブロック部材の接触部BCPとの接触を維持する固定領域ECR1と、ブロック部材の接触部BCPと離間する半固定領域ECR2とが形成される。別の見方をすると、弾性部材EEの半固定領域ECR2は、ある向きへの湾曲はブロック部材の底面との接触により規制されるが、前記ある向きとは逆の向きへは湾曲可能に構成されている。
【0032】
このような構成を有することにより、本実施例における支持部材CGは、屈曲が抑制され、高い耐久性を提供できる。耐久性が向上する理由を、従来技術を用いて説明する。
図24は特許文献1の
図2に示された支持部材10であり、可とう性材料12の上に複数の非連動固形物14が取り付けられている。この支持部材10において可とう性材料12は、非連動固形物14が取り付けられ変形が規制された領域(以下、「変形規制領域」という)と、非連動固形物の取り付けがなく自由に変形可能な領域(以下、「自由変形領域」という)との2つから構成されている。このような構成において支持部材10が山反りの向きの湾曲をするとき、その湾曲形状は限られた長さしかない自由変形領域のみによって構成されることとなる。このため、可とう性材料12には、自由変形領域において、特に自由変形領域の端部において、局所的に急な曲がりが生じることとなる。
以下、区別のため、一定数(たとえば10個)以上の数の非連動固形物(ブロック部材)を含む長さにわたり、弾性部材が形成する巨視的な曲がりを湾曲と言い、非連動固形物の取り付け部以外の位置等において局所的に発生する弾性部材の微視的な曲がりを屈曲という。湾曲の曲率半径より屈曲の曲率半径のほうが小さく、つまり、急な曲がり形状を有しており、屈曲の発生は、弾性部材を破断させるか、弾性部材の疲労や劣化を加速する。特に、弾性部材が上述のような所定の曲げ弾性率を有する場合や、復元力を有する場合においては、局所的に小さな曲率半径を有する屈曲が発生してしまうと、弾性部材の信頼性に大きな影響を与えることがある。
【0033】
この課題を見出した本願発明の発明者らは、まず、変形規制領域を小さくし、自由変形領域を大きくとることにより、屈曲の発生を抑制することを考えた。また、例えば可とう性材料と非連動固形物との間に、非連動固形物より弾性率が小さなエラストマを形成することにより、非連動固形物が取り付けられた領域においても可とう性材料の曲がりを発生させることを検討した。しかし、実験や検討の結果、これらの方法では、新たな課題が生じる虞があることを見出した。
【0034】
処理装置内にて導管支持装置を用いたとき、支持部材の非連動固形物には、可とう性材料が延伸する方向に平行な向きの大きな力が加えられることがある。例えば支持部材のU字の形における直線形状部の端部であり、湾曲形状部に隣接する位置の非連動固形物は、直線形状部側の一端は隣接する他の非連動固形物と接触し、その非連動固形物より圧力が加えられる一方で、湾曲形状部側の他端はもう一つの隣接する非連動固形物とは接触しない。このため、この非連動固形物には、直線形状部側から、湾曲形状部側に向かう向きの大きな応力が加えられることがある。あるいは、導管支持装置が高速で変形するときに、瞬間的な支持装置の形状の歪により、特定の非連動固形物に可とう性材料が延伸する向きの応力が加わる虞もある。
【0035】
この時、上記のように変形規制領域を小さくした支持部材や、可とう性材料と非連動固形物との間にエラストマを形成した支持部材においては、非連動部材が容易に、かつ、大きく傾いてしまう。大きく傾いた非連動固形物は、その取り付け部近傍の隣接する位置の可とう性材料に屈曲を生じさせることがある。さらには隣接する他の非連動固形物への乗り上げ、あるいは、潜り込みが発生することがある。このような場合も、それらの非連動固形物の取り付け部近傍の隣接する位置の可とう性材料に屈曲を生じさせることがある。
【0036】
これに対して、本願発明の支持部材は、弾性部材が半固定領域ECR2を備える。この領域は、弾性部材EEの山反りの向きの湾曲を規制しない。このため、山反りの向きの湾曲に対して、固定領域を縮小した場合と同様の効果を得ることができる。かつ、この半固定領域ECR2は、固定領域を縮小した場合であっても、弾性部材EEに対するブロック部材BEの傾きを抑制できる。これにより、屈曲の発生が抑制され、耐久性が大きく向上された支持部材が提供される。
また、直線形状においては、ブロック部材BEと弾性部材EEとの接触面積を大きくできるため、谷反りの向きへの湾曲に対する耐力も大きくすることができる。これにより、大きな移動距離を有する処理装置への適用も可能となる。
【0037】
本実施例において、固定領域ECR1は二つの半固定領域ECR2の間の位置に形成されている。固定領域ECR1および二つの半固定領域ECR2は、支持部材CGが直線形状にある時を含めてブロック部材と弾性部材の接触が無い2つの逃げ部BEPの間の位置に形成されている。このように、固定領域から、段階的に弾性部材の変形の規制を小さくする構成とすることで、滑らかな動作が可能かつ耐久性に優れた支持部材を得ることができる。さらに固定領域を中心として対称構造となっている。このようにすることで、高速動作時でも振動が抑制され、安定した動作を得ることができる。ただし、配列はこれに必ずしも限定されず、例えば、逃げ部BEPを設けず、あるブロック部材の半固定領域と、隣接するブロック部材の半固定領域とを隣接させても良い。あるいは弾性部材EEの上面EUSにおいて、ブロック部材の接触部BCPと対向する領域内における一方の側に固定領域を形成し、他方の側に半固定領域を形成した構成としても良い。
なお、固定領域における弾性部材は、その固定領域が接触するブロック部材の底面に対して、相対的な位置および形状が固定されていればよい。例えば、固定領域において、弾性部材が厳密な直線形状である必要はなく、湾曲した形状で固定された場合は、その湾曲形状が維持されればよい。
【0038】
弾性部材の長手方向において、弾性部材の全長に占める、複数の固定領域の合計長の割合は75%以下であることが好ましく、50%以下とすることがさらに好ましく、45%以下とすることが特に好ましい。このような支持部材は、湾曲時に、弾性部材の変形が可能な領域(半固定領域および/又は逃げ部に対向する領域)を、一定以上の長さにわたり確保できる。一方で、極端に固定領域を小さくすると、ブロック部材の取り付け強度やブロック部材の傾き防止特性の確保が難しくなるため、弾性部材の全長に占める固定領域の長さの割合は、15%以上とすることが好ましい。
また、弾性部材の固定領域以外の領域、すなわち、支持部材の湾曲時に変形が可能な領域のうち、半固定領域の占める割合は、10%以上としても良く、好ましくは30%以上であり、特に好ましくは70%以上である。
なお、上記の割合を求めるにあたり、弾性部材の全長としては、必ずしも支持部材に含まれる弾性部材の一端から他端までの全ての長さである必要は無く、例えば1mなどのブロック部材の全長に対して十分な長さを取り出して弾性部材の全長と見なしても良い。特に、支持部材において、ブロック部材が同一形状の繰り返しからなる場合、繰り返しパターンの長さの整数倍の長さを取り出すことで、弾性部材の全長と見なしても良い。
【0039】
弾性部材の少なくとも変形が可能な領域は、弾性部材の長手方向において、一様な曲げ弾性を有している。このような構成は、例えば、長手方向にわたり、同一の幅と厚さを有する板バネにより提供される。
【0040】
図2は、本発明の第一の実施例における支持部材の取り付け部を概念的に示す図である。(a)は側面図、(b)は弾性部材EEの下面の側から見た図、(c)は、(b)のY-Yの位置における断面図、(d)は、(b)のZ-Zの位置における断面図である。
【0041】
本実施例において、ブロック部材BEは、弾性部材EEの下面側に形成される下面側支持部BLSを含む。この下面側支持部は、ブロック部材の底面BBSの接触部CPと共に弾性部材EEを挟持することにより、ブロック部材を弾性部材に取り付ける機能を有する。下面側支持部BLSとブロック部材の本体部とは、接続手段を介して相互に位置が固定される。下面側支持部BLSは、ブロック部材BEと同一の材料で一体に構成されたものでもよく、ブロック部材BEと異なる材料で構成されてもよい。下面側支持部BLSとブロック部材BEとの接続手段は、弾性部材EEの外の領域に形成されてもよく、および/又は弾性部材EEに設けられた貫通孔を通して形成されても良い。接続手段は、ブロック部材BEおよび/又は下面側支持部BLSと同一の材料で一体に構成されていてもよく、あるいは、ねじやリベット等他の材料で構成されていても良い。
【0042】
下面側支持部はその面積および形状が重要となる。下面側支持部が形成された領域においては、例えば後述する形態の場合を除き、弾性部材の湾曲が規制される。このため、半固定領域の形成のためには、底面からみて、下面側支持部の大きさが、弾性部材の上面側のブロック部材BEとの接触部BCPの大きさ比較して、十分に小さく、かつ、半固定領域を適切な位置に形成可能であることが必要となる。
【0043】
また、
図2(b)に示すように、複数の接続手段を弾性部材EEの長手方向(第一の方向)に垂直な方向に配列することにより、半固定領域の大きさと、接続強度の大きさを両立することができる。接続手段の数は図のような2つに限定されず、3つ以上でもよく、2段やジグザグに配置しても構わない。平面視における形状も円形に限定されず、第一の方向に垂直な方向に長手方向を有する楕円や長方形でも良い。あるいは第一の方向に平行な方向に長手方向を有する複数の楕円又は長方形を、第一の方向に垂直な方向に配列しても良い。
【0044】
上記のように弾性部材に貫通孔を形成するとき、これらの形成領域に近い領域の弾性部材の幅(弾性部材の長手方向に平行な弾性部材の2つの辺の間の距離)を、他の領域の弾性部材の幅より大きくしても良い(不図示)。あるいは、下面側支持部の輪郭位置における弾性部材の幅を、他の領域の弾性部材の幅より大きくしても良い(不図示)。これにより、貫通孔の形成による部分的な強度の低下や、応力の集中に起因する弾性部材の劣化を抑制することができる。
【0045】
本実施例において、ブロック部材BEは、樹脂材料の射出成型により弾性部材に取り付けられる。ブロック部材BEを構成する樹脂は、弾性部材EEの側面および下面ELSにも回り込むように形成され、
図2(c)に示すように、弾性部材EEをある長さにわたり、4方向から取り囲んでいる。固定領域ECR1を含む弾性部材のこの部分は、この樹脂により山反り方向と谷反り方向の両方の変形が規制される。弾性部材EEはさらに、この部分の両側に隣接し、上面と側面には樹脂が形成され、下面には樹脂が形成されない領域を有する。この領域は、半固定領域ECR2を含み、谷反り方向の湾曲は上面の側の樹脂により規制されるが、山反り方向の湾曲はいずれの樹脂にも規制されない。
【0046】
なお、弾性部材EEは、固定領域ECR1に凹部又は貫通孔を有していてもよく、ここが前記樹脂で充填されるように射出成型することにより、第一の方向に平行な向きの応力に対する取り付け強度を向上させることができる。
【0047】
また、弾性部材EEの側面に接触する側面支持部は必ずしも形成されなくても良い。ただし、固定領域ECR1に隣接する位置の側面支持部は取り付けを強固にし、半固定領域ECR2に隣接する位置の側面支持部は湾曲時の形状を維持する効果を有するため、これらの側面支持部のうちのいずれか一方又は両方を含むことが好適である。
【0048】
図3は、本発明の支持部材の第二の実施例を概念的に示す図である。
図3(a)は直線形状にある支持部材の断面を表し、
図3(b)は湾曲形状にある、支持部材の断面を表す。ブロック部材BEと下面側支持部BLSとの間の接続手段を破線にて表しているが、必ずしもこの断面に位置する必要はない(特別な記載が無い限り、
図4以下も同様)。本実施例においては、弾性部材EEの下面側に形成される下面側支持部BLSの上面の少なくとも一部が、曲面で構成されている点が他の実施例と異なる。このようにすることで半固定領域ECR2をより大きく形成することが可能となる。また、下面側支持部BLSの上面の位置と形状を調整することにより、個々のブロック部材の底面やその周辺の領域における弾性部材EEの湾曲の最小曲率半径を規定することができる。このように本実施例における下面側支持部BLSは、湾曲量の上限を制限する手段として機能するため、支持部材CGの長手方向における微視的な湾曲のばらつきによる屈曲の発生を抑制することができる。なお、下面側支持部BLSの上面は、弾性部材の固定領域の側より、ブロック部材の端面BESに近い側が低くなっていれば、必ずしも曲面でなくても良く、階段状等、他の形状であっても良い。
【0049】
図4は、本発明の支持部材の第三の実施例を概念的に示す図である。
図4(a)は直線形状にある支持部材の断面を表し、、
図4(b)は湾曲形状にある、支持部材の断面を表す。本実施例においては、弾性部材の下面ELSと下面側支持部BLSの上面との間に、低弾性層ELLが形成されている点が、他の実施例と異なる。低弾性層ELLは、下面側支持部BLSおよび弾性部材EEのいずれよりも小さな弾性率を有する。低弾性層ELLとしては、例えば、ウレタン樹脂、塩化ビニル、フッ素ゴム等を適用することができる。これにより下面側支持部BLSの上面の面積を大きくした場合であっても、一定の範囲までであれば、弾性部材EEの山反り方向への湾曲の規制を小さくできる。なお、低弾性層ELLは、少なくとも下面側支持部BLSの上面に対応する領域に形成されていれば良く、弾性部材の下面ELSの全面に形成される必要はない。ただしブロック部材の取り付けに先立って、弾性部材の下面の全体に塗布や貼り付けにより低弾性層ELLを形成しておくことで、支持部材の製造性を向上することができる。
【0050】
図5は、本発明の支持部材の第四の実施例を概念的に示す図である。
図5(a)は直線形状における支持部材の断面を表し、
図5(b)は、湾曲形状における支持部材の断面を表す。本実施例においては、ブロック部材の端面BES上に、ブロック部材本体よりも高い弾性率を有する高剛性層BHLが形成されている点が他の実施例と異なる。高剛性層は、ブロック部材の図示されない側面(第一の方向と平行な面)にも形成されていてもよい。高剛性層BHLは、例えば、PEEK等の高分子材料や、炭素鋼等の金属等の高硬度の材料で構成される。高剛性層の比重が大きな場合であっても、部分的な使用に留めることで、重量増を最小にしつつ、ブロック部材の弾性変形や摩耗が抑制された支持部材が提供される。
【0051】
本実施例においては、SUS304やアルミニウムからなる板を曲げ加工することにより、内部に凹部を含むキャップ部を形成し、これを高分子材料からなるブロック部材本体部に被せた形とした。特に、かぶせる部材が弾性部材EEの長手方向(第一の方向)に一定の厚みを持つ場合、後述するように、フープ成型を弾性部材が直線形状とした状態で実施することができ、これによる高い生産性と信頼性が提供される。
【0052】
また、高剛性層BHLは、高分子材料に被せる形に限定されず、例えば1つ以上の柱状の高剛性層BHLを、高分子材料からなるブロック部材本体内に、第一の方向に平行な向きに埋設して固定しても良い。あるいは、ブロック部材本体部上に接着層を介して固定しても良い。
また、高剛性層BHLは図に示すようにブロック部材BEの両端に露出していることが好ましいが、これに限定されない。例えば、ブロック部材BEの両端はブロック部材本体を構成する高分子材料で構成されていても良い。高剛性層BHLは、第一の方向に平行な向きの圧縮応力に対して、ブロック部材の圧縮弾性率を大きくするように形成されていれば良い。
【0053】
図6は、本発明の支持部材の第五の実施例を概念的に示す図である。
図6(a)は直線形状における支持部材の断面を表し、
図6(b)は、湾曲形状における支持部材の断面を表す。本実施例においては、弾性部材の半固定領域ECR2に凹部が形成され、また、ブロック部材BEの底面には、前記凹部に対応する位置に前記凹部に嵌合可能な凸部が形成されている点が、他の実施例と異なる。
支持部材が直線形状にあるとき、これらの凸部と凹部とは、互いにかみ合うことにより、第一の方向の応力に対するブロック状部材の取り付け強度を高めることができる。そして、弾性部材EEが山反りの向きに湾曲するときは、凸部と凹部とが、離れる向きに相対的に移動することにより、この湾曲を規制しない。なお、弾性部材の半固定領域ECR2側に凸部、ブロック部材の底面側に凹部を形成してもよい。また、凹部は貫通孔であってもよい。
【0054】
図7は、本発明の支持部材の第六の実施例を概念的に示す図である。
図7(a)は直線形状における支持部材の断面を表し、
図7(b)は、湾曲形状における支持部材の断面を表す。本実施例においては、あるブロック部材の端面BESに凸部(又は凹部)が形成されており、前記ブロック部材に隣接する他のブロック部材の端面であって、前記ブロック部材の端面BESに対向する面には、前記凸部(又は凹部)にかみあうように凹部(又は凸部)が形成されている点が他の実施例と異なる。凸部(又は凹部)は円錐台や角錐台等の、第一の方向から見て断面円形や四角形等の形状であることが好ましいが、断面が長手方向を有する形状であっても良い。例えば弾性部材EEの幅方向と平行な方向に延伸する断面形状であれば、ブロック部材の乗り上げや潜り込みを抑制でき、弾性部材EEの上面と垂直な方向に延伸する断面形状であれば、支持部材のねじれに対する剛性を効果的に高めることができる。
【0055】
図8は、本発明の支持部材の第七の実施例を概念的に示す図である。
図8(a)は直線形状における支持部材の断面を表し、
図8(b)は、湾曲形状における支持部材の断面を表す。
図8(a)および
図8(b)においては、説明のため、図の中央に位置するブロック部材BEについてのみ、断面構造を表す図を破線であらわしている。
図8(c)はブロック部材の上面図であり、
図8(d)は
図8(c)とは異なる形態におけるブロック部材の上面図である。
図8(c)および
図8(d)において、説明のために弾性部材EEの幅を破線で示し、また、弾性部材EEの固定領域ECR1および、半固定領域ECR2をハッチングにより示す。
【0056】
本支持部材においては、ブロック部材BEは金属板を曲げ加工して形成される。ブロック部材BEは矩形の上面BUSを含む天板を有し、天板は弾性部材EEの第一の方向に平行な第一の辺S1と、第一の方向に垂直な第二の辺S2とを含む(
図8(c)および
図8(d))。前記第一の辺は、ブロック部材BEの側面BSSと上面BUSの交わる線であり、平坦な板を折り曲げたことで形成される。前記第二の辺はブロック部材BEの端面BESと上面BUSの交わる線である。側面同様に折り曲げて形成しても良いが、本実施例においては材料となる金属板の側面をそのまま利用している。第二の辺S2は一部に凹部又は、凸部を含んでいてもよく、凹部に隣接する領域および、凸部を含む領域には、下方に折り曲げられ、弾性部材EEに接触可能なまで下方に延伸するポストBMPを有する。このポストBMPの先端面は、直線形状時は弾性部材の半固定領域ECR2と接触し、湾曲形状時には弾性部材から離間する。
【0057】
本実施例において、ブロック部材の中心に形成された固定領域ECR1と、ブロック部材の端部近傍に形成された半固定領域ECR2とは離間している。固定領域と半固定領域との間の距離を大きくすることにより、ブロック部材の傾き防止効果をさらに有効に発現させることができる。また、ブロック部材は第一の方向からみて、原料金属板を折り曲げる形で形成された3辺と、弾性部材からなる1辺とを含む四角形の構成を有する。このような構成の形状効果により、ブロック部材は高い圧縮弾性と軽さとを両立できる。なお、第一の方向からみて4角形に限定されず、3角形以上であれば良い。また、弾性部材の山反りの向きの湾曲を規制しない範囲で、弾性部材EEの側にも、金属板からなる辺を有していても良い。
【0058】
また、
図8(d)に示すように、ブロック部材の端面より外側に金属板又はポストの一部を突出させ、半固定領域ECR2の少なくとも一部が、ブロック部材の端面より外側に形成されるようにしても良い。この時、隣接するブロック部材は対応する位置にブロック部材の端面より内側まで後退させた凹部を形成していることが好ましい。上記の突出させた領域と、隣接ブロック部材の干渉を回避するとともに、互いにかみ合う部分を有することで、横方向やねじれ方向への変形を抑制することができる。なお、突出領域は上面BUSから垂直下方に延伸するポストを有していても良いが、斜め下向きに延伸しつつ、隣接するブロック部材と重なる領域に侵入する形状のポストであることが好ましい。
【0059】
図9は、本発明の支持部材の第八の実施例を概念的に示す図である。側面図(a)に示されるように、本実施例は、異なるブロック部材がそれぞれ、固定領域と、半固定領域を備える。半固定領域を含むブロック部材による屈曲の抑制効果は、近傍の半固定領域を含まないブロック部材にも及ぶ。このため、固定領域のみのブロック部材および、半固定領域を備えるブロック部材を含む支持部材は改善された耐久性を提供する。
【0060】
また、底面図(b)に示すように、同一のブロック部材において、固定領域と半固定領域とが並列(第一の方向と垂直な方向)に並んでも良い。このとき、図に示すように、弾性部材EEは、2本の弾性部材を含み、複数のブロック部材BEの各々は、第一の弾性部材EE1と、第二の弾性部材EE2をまたがるように取り付けられても良い。なお、2本の弾性部材は、同一の平面上に隣接して配置され、共に第一の方向に延伸している。さらに、第一の方向においても、固定領域と半固定領域とが互いに隣接する構成が特に好ましい。図のようにジグザグに配列することで、特に安定した耐久性向上効果を得ることができる。また、固定領域と半固定領域とが規則性をもって配置されることで、支持部材の位置による差の小さな、平均化された効果を得ることができる。
【0061】
図10は、本発明の支持部材の製造方法の一例を説明する図である。まず、弾性部材に第一のピッチで貫通孔を形成する(不図示)。次に、貫通孔が形成された弾性部材を複数のキャビティを含む射出金型に導入する。本実施例において、射出金型は6つのキャビティを有し、各キャビティは前記第一のピッチに相当する距離だけ離間している。図の右下より矢印の方向に板ばねを送り、全6キャビティ内に弾性部材が供給された後、各キャビティ内にブロック部材本体となる樹脂を射出し、キャビティ内を樹脂で充填する。このとき、弾性部材の一部の領域は下面側に樹脂部が形成されるようにし、かつ、弾性部材の他の領域では下面側に樹脂が形成されないようにする(例えば弾性部材の下面と金型とを密着させて樹脂が入り込まないようにする)と良い。前記の一部領域に形成された樹脂部を下面側支持部BLSとできる。そして弾性部材EEの、この下面側支持部BLSに接する領域を固定領域ECR1とすることができる。また、キャビティ内の弾性部材EEにおいて、上面側の樹脂が形成され、かつ、下面側の樹脂が形成されない領域を、半固定領域ECR2とすることができる。なお、本図においては、弾性部材EEの側面に接触する側面支持部を有するキャビティ形状を表している。
【0062】
ここで金型内において弾性部材はその上面が外周となるように湾曲した状態で配置されている。このようにすることで、複数のブロック部材BEを、直線形状としたときのブロック部材間距離がゼロとなる状態での樹脂形成が可能となる。湾曲しない状態で複数個をまとめて形成し、その後、個別のブロック部材に分離するように切断してもよいが、切断しろの分だけ、支持部材の谷方向の湾曲を許容してしまう。このような場合は、ブロック部材の端面に、所定の厚さのスペーサを形成してもよい。たとえば、上述の第四実施例の高剛性部材の厚さを、このスペーサとして利用することにより、信頼性の向上に加え、優れた生産性を得ることができる。
【0063】
少なくとも金型から取り出せる程度まで樹脂を硬化させた後、6つのブロック部材に対応する距離だけ、板ばねを前方に送り、次の6つのブロック部材の形成を行う。これを繰り返すことにより、支持部材を効率よく製造することができる。なお、固定領域と半固定領域は、必ずしも下面側支持部のみによって定義する必要はない。例えば、固定領域の密着力にダメージを与えないように固定しつつ、半固定領域の弾性部材を変形させて物理的に剥離させても良い。また、弾性部材の所定の領域に対して、表面粗度の制御や活性化/非活性化、あるいは油脂等の密着力向上/低下剤等で密着強度の違いを発生させることで、固定領域と半固定領域とを形成しても良い。あるいは、これらの一つ以上を組み合わせても良い。
【0064】
図11は、本発明の第八の実施例における支持部材の製造方法の一例を説明する図である。本実施例においては、フープ形成時のキャビティが前記第一のピッチの2倍のピッチで配置された金型を準備する。かつ、各キャビティにおいて形成されるブロック状部材は、固定領域と、この固定領域の第一の方向に垂直な方向に隣接する半固定領域とを備えたものとする。例えば、半固定領域は例えば横(第一の方向に垂直)方向から弾性部材を挿入可能なスリット構成を含み、スリットに弾性部材を挿入後、弾性部材の下面側にスリットの第一方向の長さより短いくさびを打ち込んでも良く、あらかじめこのくさびに対応する凸部をスリット内に形成しておいても良い。固定方法はこれに限定されず、第一の方向の向きの応力が加えられた場合であってもブロック部材の傾きを抑制し、かつ、支持部材の山反りに対応する弾性部材の湾曲を許容するものであれば良い。この金型で得られた2本のブロック部材が形成された弾性部材を、図に示すように組み合わせることにより、
図9(b)に示したような、固定領域と半固定領域とが、ジグザグに配置されたブロック部材を容易に得ることができる。
【0065】
図12は、本発明の支持部材の第九の実施例を概念的に示す図である。本実施例において、支持部材CGは、ブロック部材同士を連結する連結部TEを備える。この連結部は、あるブロック部材と、他のブロック部材との間における曲率半径が一定以下にならないように制限する。このように、連結部TEが湾曲限界規定手段として作用することにより、屈曲の発生を抑制し、耐久性に優れ、高信頼性の支持部材CGを提供する。
【0066】
弾性部材EEがバネとしての性質を有していている場合は、このような連結部TEがなくても、まげ弾性率と外力との関係により、支持部材の湾曲形状は決定される。しかし、他の部材との衝突や、動作時の引っかかり等により、支持部材の特定位置に偶発的又は一時的な外部応力が加わることがある。あるいは、支持部材を構成する各部材の品質や特性のばらつきにより、支持部材の特定位置の耐久性が劣っていたり、被支持部材の硬さや重量の分布等により、特定位置の損耗が進行することもある。このような理由で弾性部材EEの局所的な強度劣化が生じると、同じ外力でもその位置の変形量が大きくなるため、さらに劣化を加速し、最終的には、屈曲を経て破損してしまう。これに対して、本実施例の支持部材においては、局所的に大きな外部応力が加わった場合や、局所的な強度劣化が生じた場合であっても、連結部TEにより湾曲の最小曲率半径が規定され、それ以上の劣化が抑制される。支持部材全体としての湾曲は、規定された最小曲率半径より大きな曲率半径しか生じていない他の位置が湾曲することにより形成されるため、支持部材の耐久性の向上に加えて、各部の湾曲形状がより平均化された湾曲形状を得ることができる。
【0067】
弾性部材が板バネに用いられる金属など、一定以上の弾性率を有する材料、あるいは復元力を有する材料で構成される場合は、ブロック部材間の相対的な位置のズレなどのリスクが小さいため、弾性部材の長手方向において、変形が可能な領域(半固定領域および/又は逃げ部に対向する領域)の占める割合を大きくできる。このような弾性部材を適用した支持部材では、支持部材の湾曲形状を、弾性部材の広い領域の変形によって構成できるため、高い信頼性を得ることができる。一方で、偶発的又は一時的に大きな外部応力が加えられた場合や、局所的に大きな外部応力により、通常動作よりも小さな曲率半径の曲げが発生してしまった場合には、このような材料は、弾性率が小さな材料に比して、大きなダメージを受ける虞がある。
これに対して、弾性部材の有するバネ弾性や復元力により、単独でも一定の曲率半径を形成できる支持部材に対して、最小曲率半径を規定する手段を組み合わせることにより、通常動作時、偶発的/一時的動作時のいずれに対しても高い信頼性を備えた支持部材が提供される。
【0068】
また、本実施例においては、弾性部材EEは、支持部材の湾曲形状を決めるだけでなく、振動抑制機能を含む。連結部を備えた支持部材においては、連結部の作用の有無が瞬間的に切り替わることが、支持部材の動作時の振動の原因となることがある。これに対して弾性部材EEの湾曲と曲げ弾性によりもたらされる形状復元力により、連結部の作用に先立って、適度に変形速度が減速され振動を低減することができる。
【0069】
連結部は、少なくとも2つのブロック部材の間に形成され、あるブロック部材と他のブロック部材とが連動可能なように物理的に接続する。例えば、2つのブロック部材の上面に両端をそれぞれ貼付されたテープであって良い。その長さは、支持部材が直線形状の時には余りが生じる、あるいは、張力を発生させない長さを有する。かつ、支持部材が規定された湾曲形状にあるとき、あるいは、ブロック状部材間の湾曲形状が規定された湾曲形状にある時には、前記余りが無くなる、あるいは、張力が発生する長さであれば良い。また、支持部材が半固定領域を備える場合には、半固定領域において、弾性部材EEの上面とブロック状部材BEの下面との離間が発生した後に、前記あまりがなくなる長さとすると、信頼性の向上に加え、振動の発生も抑制されて好ましい。
【0070】
本実施例において、連結部は、可とう性を有するものであれば良く、テープの他に、紐状、繊維状のものが好適である。連結部の材料としては、強度、すべり性、低発塵性に優れるものが好ましく、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。高分子材料に限定されず、金属ワイヤ等でも良い。ただし、連結部により弾性部材EEの屈曲の抑制ができればよく、これのみによって湾曲形状を決定する必要はない。このため、過剰な強度は求められず、可とう性の連結部とすることで小型軽量にすることができる。例えば、第一の方向への引っ張り応力が加えた時の破断強度に関して、連結部の破断強度は、弾性部材EEより小さくても良い。かつ、弾性部材EEより、第一の方向における単位長さ当たりの重量が小さければ良い。また、連結部は、弾性部材より曲げ弾性率が小さいことが好ましく、支持部材を収納する導管袋CPより曲げ弾性率が小さいことがさらに好ましい。
【0071】
好ましくは、図に破線で示すように、ブロック部材BEの上面BUSに、底面が第一の方向に延伸する凹部(溝BD)を形成し、連結部TEを、この凹部内に形成することが好ましい。あるいは、上面BUSのうち、連結部TEを形成しない位置に凸部を設けてもよい。連結部を相対的に低い位置とすることで、支持部材が直線形状にあるとき、連結部TEの余りが外に出てしまう量を小さくでき、支持部材を収納する導管袋CP(不図示)との接触を抑制することができる。特に好ましくは、支持部材が直線形状にあっても、連結部が導管袋に接触しない溝深さ(又は凸部高さ)を備える。また、ブロック部材BEの上面BUSへの貼付領域の端部において、弾性部材の上面に平行ではなく、断面部材に近づく向きの傾斜を含むように貼付することにより、導管袋への接触の頻度および/又は可能性を小さくすることができる(不図示)。
【0072】
連結部TEは、支持部材が湾曲形状にあるとき、ブロック部材の輪郭の内側を通過するように配置される。例えば、連結部は、上面BUS上に図に示すような屈曲点TEBを備える。換言すると、支持部材が湾曲形状にあるとき、連結部TEは、ブロック部材上の任意の点TP1と、ブロック部材の端面上の点TP2とを通過し、TP2から弾性部材上面までの距離は、TP1から弾性部材上面までの距離より小さい。単にブロック部材BEの上面BUS上に形成するのではなく、湾曲時の弾性部材の形状に近づけるように連結部TEの曲げ部を設けることにより、余りを短くすることができ、ブロック部材間への噛みこみリスク等を低減できる。
【0073】
連結部は、屈曲の発生抑制を失わない程度の弾性率を有するものであれば、つまり、湾曲限界を規定できる範囲のものであれば、バネやゴムのような比較的低弾性のものも適用できる。また、ブロック部材の上面への形成に限定されず、内部、側面、あるいは底面(逃げ部BEP)に形成しても良い。
【0074】
例えば、弾性部材EE上にブロック部材BEを取り付けた後、支持部材を規定の最小湾曲半径を有する形状にした状態で、複数のブロック部材にまたがるように連結部を貼り付けることにより、本実施例の構成を得ることができる。そのほか、直線形状の支持部材に対して、余りに対応する遊びを含んだ状態の連結部を貼り付けても良く、あらかじめ連結部により連結されたブロック部材を弾性部材EEに取り付けても良い。
【0075】
図13は、本発明の支持部材の第十の実施例を概念的に示す図である。本実施例において、ブロック部材BEは弾性部材EEの接触領域ECR上の領域である本体部を有し、連結部TEは、ブロック部材の本体部から支持部材の長手方向に延出した片持ち梁状の一端側延出部BUPから構成される。このように形状が固定された連結部とすることで、湾曲限界が安定して規定された支持部材を得ることができる。また、支持部材組み立て時の工程数を削減できる。一端側延出部BUPは、ブロック部材BEと同種の材料からなり、ブロック部材BEと一体に構成されていることが好ましい。この様な構成においては、ブロック部材BE中に接着面などの接合界面を含まないため、信頼性、耐久性に優れる上、高い寸法安定性を備えた支持部材を得ることが出来る。
【0076】
図13(a)に示すように、この一端側延出部BUPは、ブロック部材の一端の側に隣接するもう一つのブロック部材と重なる位置にまで延出する。一端側延出部BUPは前記もう一つのブロック部材と重なる領域上に当接領域TCRを含む。
図13(b)に示すように、支持部材が大きく湾曲し、前記あるブロック部材と前記もう一つのブロック部材との間の距離Dが所定の大きさに達すると、当接領域TCRは、前記もう一つのブロック部材の当接領域TCRに当接し、前記距離Dがそれ以上大きくならないように制限する。
この結果、支持部材の曲率半径が局所的なものを含めて一定以下にならないように制限され、つまり、屈曲の発生が抑制され、耐久性、信頼性に優れた支持部材CGが提供される。
【0077】
図13(a)および
図13(b)に示すように、ブロック部材BEは、ブロック部材BEの他端の側にも本体部から支持部材の長手方向に延出し、当接領域TCRを含む他端側延出部BLPを備えていても良い。一端側延出部BUPが有する当接領域TCRは、隣接するブロック部材の他端側延出部BLPに形成された当接領域TCRと当接することで、湾曲量を一定以下に制限する。
一端側延出部と他端側延出部は
図13に示されるように、一方がブロック部材の上方(弾性部材EEに遠い側)の領域に形成され、他方が、下方(弾性部材EEに近い側)に形成されることが好ましい。これにより、ブロック部材の強度と、延出部の磨耗抑制を両立できる。ただし、これに限定されず、弾性部材EEの上面に平行に、それぞれの延出部を横並びで配列しても良く、あるいは、一方の延出部が他方の延出部に挟まれる位置関係としても良い。
【0078】
ブロック部材の一端側に形成された当接領域TCRと、他端側に形成された当接領域TCRとは、互いに平行な面をそれぞれ備えることが好ましい。例えば、支持部材の湾曲時に、あるブロック部材において、弾性部材EEの上面の方線方向から見て回転ズレが生じるような場合において、当接領域TCRが隣接するブロック部材の当接領域TCRと接触し、前記の互いに平行な面同士が密着することにより回転ズレが補正される。このようにして、高い動作精度を有する支持部材が提供される。
【0079】
本実施例において、支持部材CGの直線形状を規定するブロック部材BEの端面BESは、ブロック部材本体部の側面と一端側延出部BUPの先端面とに形成されている。しかし、直線形状において、必ずしもこれらの両方が隣接するブロック部材と接触する必要はなく、いずれか一方が接触する形としても良い。本実施例においては、厚みが大きく、圧縮応力に対する変形量が小さいことが期待されるブロック部材本体部の側面を、支持部材CGの直線形状を規定する端面BESとすることが好ましい。
【0080】
本実施例において、弾性部材EEの上面のうち、ブロック部材BEと接触する接触領域ECRは、ブロック部材の底面に固定されることにより変形が規制された固定領域ECR1のみで構成されている。このように接触領域ECRが半固定領域ECR2を含まない場合であっても、支持部材の湾曲限界規定手段として作用する連結部TEが支持部材の最小曲率半径を規定することにより、高い耐久性と信頼性を有する支持部材を得ることができる。ただし、半固定領域ECR2を含むことでさらに高い耐久性と信頼性を得ることができることは言うまでも無い。
【0081】
支持部材CGが連結部TEにより規定された湾曲限界にあるとき、あるブロック部材の当接領域と、隣接するブロック部材の当接領域とが平行となるように構成することで、磨耗や破損の発生を抑制することができる。換言すれば、
図13(a)および
図13(b)に示すように、それぞれのブロック部材BEが有する2つの当接領域TCRは、互いに平行でない接触面を含んでも良く、それぞれの接触面の交線は、ブロック部材からみてブロック部材の底面の側、かつ、概底面より遠い位置に含まれて良い。あるいは、概交線が、ブロック部材からみて、弾性部材EEの下面より遠い位置にあることが好ましい。
【0082】
図14(a)、
図14(b)は、本発明の支持部材の第十一の実施例を概念的に示す図であり、支持部材CGの任意の断面を表す。本実施例において、一端側延出部BUPは、支持部材の長手方向(第一の方向)に平行な任意の断面において、上下方向に肉厚に形成されている。これにより、一端延出部BUPは、連結部TEとしての利用にとどまらず、直線形状を規定する端面BES形成領域として活用できる。支持部材の湾曲時の最小曲率半径を規定する連結部TEも、直線形状を規定する端面TESも弾性部材EEからの距離が大きな位置に配置することが好ましい。一端延出部を肉厚にすることで、こられを兼ね備えた一端延出部をブロック部材の上面に配置することが可能となる。弾性部材の上面に垂直かつ、第一の方向に平行な任意の断面において、一端延出部BUPの、弾性部材の上面に垂直方向の厚さをTBUPとすると、TBUPは、同じ断面におけるブロック部材本体部の最大厚さの30%以上であることが好ましく、45%以上とすることが特に好ましい。
【0083】
本実施例において、一端側延出部BUPの端面は、弾性部材EEの上面に対して垂直な垂直面と、概垂直面の上下に形成された傾斜面からなる凸形状部を含む。ブロック部材の他端は、概凸形状部に対応する位置、形状を有する凹形状面を含む。このように構成することで、支持部材CGが直線形状にあるときに、隣接するブロック部材の高さ方向精度を高めることが出来る。
図15、および
図16を用いて、本実施例のブロック部材BEを説明する。
図15において、(c)は本実施例のブロック部材BEを
図14と同じ方向から見た図であり、これを正面図とすると、(a)は上方図、(b)は左側面図、(d)は右側面図となる。
図16(a)は
図15におけるAA´の位置におけるブロック部材BEの断面を表し、
図16(b)は
図15におけるBB´の位置におけるブロック部材BEの断面を表す。これらの図において、弾性部材EEおよびその下面側に形成されるブロック部材の下面側支持部は図示を省略している。
【0084】
ブロック部材BEはガイド部BGPと、ガイド溝BGDとを備える。ガイド部BGPは
図15(b)および
図15(c)に示されるように、上下方向(ブロック部材の底面BBSに交差する方向)に延伸する側壁を含む。ガイド溝BGDも、
図15(a)および
図15(d)に示されるように、上下方向に延伸する側壁を含む。ガイド部BGPの側壁は、後述するように組み立てられた際に、向かい合うガイド溝BGDの側壁と略平行となるように構成されており、好ましくはブロック部材の底面に対して垂直に構成される。ガイド溝BGDの幅(側壁間の距離)は、ガイド部BGPの幅の1.005倍以上、かつ、1.1倍以下であることが好ましい。
このブロック部材を用いた支持部材CGは、ブロック部材のガイド部BGPが、隣接するブロック部材のガイド溝BGDに挿入されるように組み立てられる。本実施例においては、支持部材が直線形状にあるときだけでなく、支持部材が湾曲形状にあるときを含めて、少なくともガイド部の一部がガイド溝中に位置するように構成される。これにより、支持部材の形状に関わらず、ブロック部材同士の位置ズレや回転ズレを抑制することができる。支持部材の移動ストロークが2mを超えるような場合において、搭載する導管の重量によっては、導管支持装置CUの横倒れが発生する虞がある。これに対して、本実施例の構成を有することで、2mを超えるような長ストロークであっても、横倒れリスクを小さくすることができる。
【0085】
図17、
図18、
図19を用いて、本発明の第十二の実施例を説明する。
図17(a)は直線形状にある支持部材CGを表し、
図17(b)は湾曲形状にある支持部材CGを表す。
図18は、単体のブロック部材BE(弾性部材EEを含む)を表したものであり、
図18の(c)を正面図とした場合、(a)が上面図、(b)が左側面図、(d)が右側面図、(e)が底面図となる。
図19(a)は左側面表面に形成された薄肉部BDPを説明する図であり、同図中の一点鎖線の位置における断面図を
図19(b)に示す。
【0086】
本実施例において、ブロック部材BEは一端側延出部BUPの先端に下方に向けて立設された延長領域を備える。延長領域の一端の側の面には端面BESを含み、
図17(a)に示すように、支持部材CGが直線形状のとき、端面BESは隣接するブロック部材BEの端面と当接する。ブロック部材BEは他端側延出部BLPの先端に上方に向けて立設された延長領域を備える。
一端側の延長領域は、端面BESと逆側の面に当接領域TCRを含む。他端側の延長領域も、もう一つの当接領域TCRを含む。
図17(b)に示すように支持部材CGが予め規定された最大湾曲となったときに、一端側の当接領域TCRは、隣接するブロック部材の他端側の当接領域TCRと当接することにより、支持部材CGのそれ以上の湾曲を抑制する。
【0087】
本実施例においては、一端側の延長領域の先端近傍に爪部BTNが形成されており、他端側の延長領域の根元近傍には受け部BTDが形成されている。支持部材CGは、爪部BTNが隣接するブロック部材の受け部BTDに嵌入されるように組み立てられる。これにより、組み立て時等に想定外の外部応力が支持部材CGに印加された場合であっても、互いに向き合っていた当接面同士が上下方向にずれるのを防止することができる。
【0088】
図17(a)を参照すると、他端側の延長領域は、受け部BTDの上部に、ブロック部材本体部との間にスリットを構成する。図における左右方向において、溝の最小幅は、爪部BTNの最大厚より小さく形成されている。これにより、当接面同士の上下方向のズレをより確実に防止できる。なお、組み立てにおいては、ブロック部材が弾性変形することにより、特別な機器や作業を要することなく、挿入、抜き取りを可能とすることもできる。
【0089】
図18(e)、
図19(a)、
図19(b)に示されるように、一端側延出部BUPの先端に形成された延長領域は、一部に薄肉部BDPが形成されている。すなわち概延長領域はブロック部材BEの上面付近に形成された厚肉部と、その下方に形成された薄肉部とを含んでいる。
上面付近に厚肉部を有することで、高い圧縮弾性を維持しつつ、軽量化を図ることができる。薄肉部は隣接する二つの当接領域TCRの間を接続しても良い。これにより、当接領域TCRの機械的強度を補強することができる。薄肉部は隣接する二つの爪部BTNの間に形成されていても良い。これにより、組み立て時の嵌入における作業性を向上させるとともに、組み立て時の機械的ストレスによるマイクロクラックの発生などを抑制することができる。
他端側延出部BLPの延長領域は、サポート板BSBを有する。延長領域の機械的強度を補強することで、安定した動作と高い耐久性を得ることができる。
【0090】
図20、
図21を用いて、本発明の第十三の実施例を説明する。
図20の(a)は直線形状にある支持部材CGを表し、
図20の(c)は湾曲形状にある支持部材CGを表す。
図20の(b)および(d)は、それぞれ
図20の(a)および(c)に対応する、支持部材CGの断面を表す図である。
図20の(a)を正面図とした場合、
図21の(a)が上面図、
図21の(b)が右側面図となる。
図20の(b)および(d)は、
図21の(a)のB-Bの位置における断面の図であり、
図21の(c)は、
図20の(a)および
図21の(a)の、A-Aの位置における断面の図である。
【0091】
ブロック部材BEは一端側延出部BUPの先端に下方に向けて立設された延長領域を備える。延長領域の一端の側の面には端面BESを含み、
図20(a)に示すように、支持部材CGが直線形状のとき、端面BESは隣接するブロック部材BEの端面BESと当接する。ブロック部材BEは他端側延出部BLPの先端に上方に向けて立設された延長領域を備える。
一端側の延長領域は、端面BESと逆側の面に当接領域TCRを含む。他端側の延長領域も、もう一つの当接領域TCRを含む。本実施例において、それぞれの延長領域は先端が内側に向けて湾曲しており、湾曲の内周面に当接領域TCRが形成される。
図20の(c)および(d)に示すように、支持部材CGが予め規定された最大湾曲となったときに、一端側の当接領域TCRは、隣接するブロック部材の他端側の当接領域TCRと当接する。これらの当接領域により、支持部材CGの最小曲率半径が規定され、高い信頼性を奏する。また、先端が内側に向けて湾曲した延長領域は、ブロック部材に傾きの発生を抑制したり、傾きが発生した場合であっても、当接領域の嵌合を外れにくくする。
【0092】
本実施例において、ブロック部材BEは、ブロック部材BEの本体部からBUPにかけて形成された1対の板状部を備える。これらの一対の板状部、一端側の延長領域、そしてブロック部材本体部に囲まれた領域に、他端側延出部BLPの先端に上方に向けて立設された延長領域が嵌入するように構成されている。一対の板状部の内壁面が、他端側延長領域の動作を適切に制御することにより、支持部材の曲がりや捩れが抑制される。
また、本実施例においては、固定領域ECR1は、ブロック部材BEの本体部ではなく、他端側延出部BLPの下面に形成されている。
【0093】
図22の(a)および(b)は、支持部材CGを用いた導管支持装置CUの例を概念的に示す断面図である。この導管支持装置は、複数の挿通路を有する導管袋CPを備えている。導管袋CPの断面における両端の挿通路には支持部材CGが挿通され、その間の各挿通路には導管CTが挿通されることで、一体化した平型の導管支持装置CUを構成している。導管袋CPは塩化ビニルや粉塵の発生等が抑えられるフッ素樹脂(PTFE等)で構成されている。導管袋CPは複数の樹脂フィルムが貼り合わされた複合材から構成されていても良い。支持部材の挿通路は両端に限定されず、複数の導管CTの間に位置する挿通路でもよく、支持部材の挿通数も、1本もしくは3本以上でもよい。各挿通路中の導管の数および、導管を挿通する挿通路の本数も任意の本数であって良い。また、導管は電気エネルギーを伝達するケーブルと、流体を伝達するチューブとが、単独で存在していても、混在していても良い。また、導管支持装置CUは、図に示したような平型に限定されず、筒型等であっても支持部材CGの適用が可能である。
【0094】
また、予め形成した導管袋CPの挿通路中に導管CTおよび支持部材CGを挿通させてもよく、導管CTおよび導管支持部材CGをラミネートすることにより構成してもよい。あるいは、導管CTおよび導管支持部材CGの一部をラミネートすることで構成し、残部を挿通させても良い。
【0095】
図23は導管支持装置CUを備えた処理装置PUの例を概念的に示す図である。処理装置PUは、その本体上にステージPUSを備え、ステージPUS上には被処理物(不図示)が配置される。処理装置PUは、
図23(a)、
図23(b)に示すように被処理物に対して相対的に移動可能な処理ヘッドPUHを備える。導管支持装置CUの一端は固定端として処理装置の本体と接続され、他端は処理ヘッドPUHと接続される。処理ヘッドPUHの位置に応じて、U字型に形成された導管支持装置CUは、U字の湾曲部にあたる位置が移動するとともに、対向する2つの直線部の長さが変化することで、本体と処理ヘッドPUHの間の安定した接続を維持することができる。
そして本願発明の導管支持装置CUにおいては、支持部材の破損による落下や位置ずれ等が発生しないため、高い品質の製品を得ることができる。また、処理装置PUの稼働時、停止時を含めて、弾性部材EEの劣化が抑制されるため、メンテナンスのための停止時間が少なく、高い生産性を有する処理装置PUを提供することができる。さらに、処理ヘッドの移動時の振動が抑制されるため、高い位置精度が要求される処理であっても、優れた生産性を得ることができる。
【0096】
被処理物は例えば半導体ウエハやフラットパネルディスプレイ等のシート状/板状の物でもよく、あるいは機械部品等の立体構造物であってもよい。処理ヘッドPUHとしては、搬送のために被処理物を把持する把持ユニット、被処理物に物理的および/又は化学的な処理をするための加工ユニット、あるいは、被処理物に電磁波を照射もしくは被処理物から電磁波を検出する電磁波照射/検出ユニット等が挙げられる。導管支持装置CUは、内部の支持部材CGの弾性部材がブロック部材より内側となるようにUの字の形に形成されている。Uの字の直線部に相当する領域は、処理ヘッドの位置に応じて、例えば0.1~5mの長さをとることができる。本実施例において、処理ユニットの移動最大距離(ストローク)は3mであり、この距離にわたり、導管支持装置CUが追従可能に形成されている。Uの字の湾曲部に相当する位置の湾曲の曲率半径は0.02m以上が好ましく、また、0.3m以下が好ましい。また、導管支持装置CUの、Uの字の、上方の直線部に相当する領域は、装置停止時において、自重により下方に僅かにたわんでいてもよいが、その支持装置のたわみ量は50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることが特に好ましい。ここで、支持装置のたわみ量は、導管支持装置が処理ヘッドPUHに接続された位置と、Uの字の湾曲部と直線部との境界(変曲点)の位置とを結ぶ直線から、導管支持装置の上面の任意の点までの距離の最大値としている。
また、導管支持装置CUは図のように重力の向きと直線部が交わる向きでの使用に限定されず、直線部と重力の向きが平行な向きで使用しても良い。このとき、湾曲部は直線部より上方でも下方でも構わない。
【0097】
このように、支持部材CGを含む導管支持装置CUにおいては、弾性部材の破断が抑制され、高い信頼性が提供される。また、そのような導管支持装置CUを備えた処理装置においては、破断が抑制されるだけでなく、破断による粉塵や漏洩物による被処理物や環境の汚損も抑制され、あるいは、長い移動ストロークと長寿命により、処理効率を向上することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明に係る支持部材、導管支持装置、処理装置は、例えば機械加工ライン、半導体製造装置、フラットパネルディスプレイ製造装置、電子部品実装装置等に組み込まれたロボット走行装置等に適用が可能である。