(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071862
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】物質移動カラムのための構造化充填モジュール
(51)【国際特許分類】
B01J 19/32 20060101AFI20230516BHJP
B01J 10/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B01J19/32
B01J10/00 102
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031660
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2019558727の分割
【原出願日】2018-04-30
(31)【優先権主張番号】62/500,033
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503195045
【氏名又は名称】コーク-グリッシュ,リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリフォード スコット
(72)【発明者】
【氏名】タルボット マルコルム
(72)【発明者】
【氏名】ニーウァウト アイザック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物質及びエネルギ移動効率の大幅な減少を伴わずに、圧力低下の低減を達成可能な、物質移動又は熱交換カラムで使用するための交差波形構造化充填モジュールを提供する。
【解決手段】構造化充填モジュールは、互いに直立した平行な関係で位置決めされ、かつ交互の山部22及び谷部24と、山部22と谷部24との間に延在する波部側壁26とから形成された波部20を含む、複数の充填シート18を有し、開口面積を各々呈する複数の開口部28を含み、開口部28は、波部側壁26が、山部22及び谷部24内に存在し得る開口面積のいずれの密度よりも大きい密度の開口面積を有するように分布しており、開口部28のうちのいくつかは、液体分配を促進するために、山部22及び谷部24内に存在しているか、波部20の長手方向長さに沿った方向に整列された列又は他のパターン内に設置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化充填モジュールであって、
互いに直立した平行な関係で位置決めされた複数の構造化充填シートであって、各構造化充填シートが、交互の山部及び谷部と、前記山部及び谷部の隣接するものの間に延在する波部側壁と、から形成される波部を有し、前記構造化充填シートは、前記構造化充填シートの各々の前記波部が、前記構造化充填シートの隣接する各々の前記波部に対して斜角で延在し、前記構造化充填モジュール内の前記構造化充填シートの比表面積が、概して、100m2/m3を超えるように、構築及び配置されている、複数の構造化充填シートと、
前記構造化充填シートを通る流体の通過を可能にするための、前記構造化充填シート内の複数の開口部であって、前記構造化充填シートの各々における前記開口部が、前記構造化充填シートの隣接する各々に対して開口し、かつ実質的に妨げられず、前記開口部は、前記波部側壁が、前記山部及び谷部内に存在し得る開口面積のうちのいずれかのいずれの密度よりも大きい密度の、前記開口部によって形成された前記開口面積を有するように、前記構造化充填シートの各々に分布している、開口部と、を備える、構造化充填モジュール。
【請求項2】
前記開口部が、前記波部側壁内にのみ存在する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項3】
前記開口部は、前記開口面積のより大きい密度が、前記山部及び谷部のより近くに存在し得る任意の開口面積のいずれの密度よりも、前記波部側壁の中心線のより近くに存在するように分布している、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項4】
前記開口部が、前記山部及び谷部の長手方向の延在方向に対して略平行な方向に延在する1つ以上の離間した列に配置されている、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項5】
前記充填層の各々の前記波部が、70°~120°の範囲内の頂角を有する、請求項4に記載の構造化充填モジュール。
【請求項6】
前記構造化充填シートの各々の前記開口面積が、関連付けられた充填層の全表面積に基づいて、8~20パーセントの範囲内である、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項7】
前記開口部の各々が、1mm~13mmの範囲内の最大平面寸法を有する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項8】
前記開口部が、円形の形状を有する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項9】
前記構造化充填シートの隣接するものの対向する側の前記山部のうちのいくつかのみに接触する、前記山部上のスペーサを含む、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項10】
前記スペーサが、より大きい頂点半径を有する前記山部の隣接する押下区分よりも小さい頂点半径を有する前記山部の区分として形成されている、請求項9に記載の構造化充填モジュール。
【請求項11】
前記開口部のうちのいくつかが、前記山部の前記押下区分から、より小さい頂点半径を有する前記山部の前記区分への移行部に位置決めされている、請求項10に記載の構造化充填モジュール。
【請求項12】
前記開口部のうちのいくつかが、前記山部及び谷部内に位置決めされている、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項13】
前記波部が、1mm~15mmの範囲内の頂点半径を有する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項14】
前記開口部が、前記波部側壁内にのみ存在し、前記開口面積のより大きい密度が、前記山部及び谷部のより近くに存在し得る任意の開口面積のいずれの密度よりも、前記波部側壁の中心線のより近くに存在するように分布し、前記開口部が、前記山部及び谷部の延在方向に対して略平行な方向に延在する1つ以上の列に配置され、前記充填層の各々の前記開口面積が、関連付けられた充填層の全表面積に基づいて、11~15パーセントの範囲内であり、前記開口部の各々が、2mm~8mmの範囲内の最大平面寸法を有し、前記波部が、70°~120°の範囲内の頂角及び1mm~15mmの範囲内の頂点半径を有し、隣接する充填層の前記波部の少なくとも一部分が、互いに離間している、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項15】
開放内部領域を画定するシェルと、前記開放内部領域内の、請求項1に記載の少なくとも1つの構造化充填モジュールと、を備える、物質移動カラム。
【請求項16】
前記開口部が、前記波部側壁内にのみ存在する、請求項15に記載の物質移動カラム。
【請求項17】
前記開口部は、前記開口面積のより大きい密度が、前記山部及び谷部のより近くに存在し得る任意の開口面積のいずれの密度よりも、前記波部側壁の中心線のより近くに存在するように分布している、請求項15に記載の物質移動カラム。
【請求項18】
前記開口部が、前記山部及び谷部の長手方向の延在方向に対して略平行な方向に延在する1つ以上の離間した列に配置されている、請求項15に記載の物質移動カラム。
【請求項19】
前記構造化充填シートの各々の前記開口面積が、関連付けられた充填層の全表面積に基づいて、6~20パーセントの範囲内である、請求項15に記載の物質移動カラム。
【請求項20】
前記開口部の各々が、6mm以下の最大平面寸法を有する、請求項15に記載の物質移動カラム。
【請求項21】
前記波部が、少なくとも70°の頂角及び少なくとも1mmの頂点半径を有する、請求項15に記載の物質移動カラム。
【請求項22】
前記開口部が、前記波部側壁内にのみ存在し、かつ、前記開口面積のより大きい密度が、前記山部及び谷部のより近くに存在し得る任意の開口面積のいずれの密度よりも、前記波部側壁の中心線のより近くに存在するように分布し、前記開口部が、前記山部及び谷部の延在方向に対して略平行な方向に延在する1つ以上の列に配置され、前記充填層の各々の前記開口面積が、関連付けられた充填層の全表面積に基づいて、11~15パーセントの範囲内であり、前記開口部の各々が、2mm~8mmの範囲内の最大平面寸法を有し、前記波部が、70°~120°の範囲内の頂角及び2mm~8mmの範囲内の頂点半径を有し、隣接する充填層の前記波部の少なくとも一部分が、互いに離間している、請求項15に記載の物質移動カラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2017年5月2日に出願された、米国仮特許出願第62/500033号に対する優先権を主張し、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、概して、物質移動カラムに関し、より具体的には、かかるカラム内の流体間の物質及び熱の移動を促進するために使用される構造化充填に関する。
【0003】
物質移動カラムは、特定の組成物及び/又は温度の生成物流を提供するために、少なくとも2つの流体流に接触するように構成される。本明細書で使用するとき、用語「物質移動カラム」は、物質及び/又は熱の移動が主目的であるカラムを包含することを意図する。多成分蒸留及び吸収用途で利用されるものなど、気相流を液相流に接触させる物質移動カラムもあれば、一方で抽出カラムなど、異なる密度の2つの液相間の接触を促進するように設計された物質移動カラムもあり得る。多くの場合、物質移動カラムは、通常、カラム内に配設された複数の物質移動表面に沿って、上昇蒸気流又は上昇液体流を下降液体流に接触させるように構成される。一般に、これらの移動表面は、2つの流体相間の密接な接触を促進するように構成されたカラムの内部容積内に設置された構造体によって画定される。これらの移動表面の結果として、2つの相間で移動する物質及び熱の速度及び/又は程度が向上する。
【0004】
構造化充填は、カラム内の熱及び/又は物質移動表面を提供するために一般的に使用される。多くの異なるタイプの構造化充填が存在し、ほとんどは、直立した平行な関係に位置決めされ、互いに接合されて、隣接するシートのクリス交差波部に沿って形成された流体通路を有する構造化充填モジュールを形成する、複数の波形構造化充填シートを含む。構造化充填モジュールは、カラムの水平内部断面を埋める構造化充填層をそれ自体で形成してもよく、又は充填モジュールは、構造化充填層を形成するために、端部から端部まで、かつ並んで位置決めされた個々のれんがの形態であってもよい。複数の構造化充填層は、隣接する構造化充填層内のシートに対して1つの層内のシートの配向が回転された状態で重なり合って通常積層される。
【0005】
蒸気相と液相との間の物質及びエネルギ移動を、それらが構造化充填層を通って流れる際に、最大化することが概して望ましい。これは、物質及びエネルギ移動のために利用可能な比表面積を増加させることによって典型的に達成される。しかしながら、より大きな比表面積を有する構造化充填層を通過する流体は、より高い圧力低下を通常経験することになり、これは操作上の観点から望ましくない。
【0006】
このため、物質及びエネルギ移動効率における大幅な減少を伴わずに、圧力低下の低減を達成することが可能な、改善された構造化充填の必要性が存在する。これは、より低い圧力低下、かつ同じ効率を伴う充填を生成するか、又は充填の比表面積を増加させるかして、それによって充填の圧力低下を大幅に増加させることなく、効率を高めることを可能にする。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本発明は、互いに直立し、平行な関係で位置決めされた複数の構造化充填シートを含む構造化充填モジュールを対象とする。各構造化充填シートは、交互の山部及び谷部と、山部及び谷部の隣接するものの間に延在する波部側壁と、から形成された波部を有する。構造化充填シートは、構造化充填シートの各々の波部が、構造化充填シートの隣接する各々の波部に対して斜角で延在するように構築及び配置され、構造化充填モジュール内の構造化充填シートの比表面積が、概して100m2/m3を超える。構造化充填モジュールはまた、構造化充填シートを通る流体の通過を可能にするための複数の開口部を含む。構造化充填シートの各々における開口部は、充填シートの隣接する各々に対して開口し、実質的に妨げられない。開口部は、波部側壁が、山部及び谷部内に存在し得る開口面積のいずれかのいずれの密度よりも大きい密度の、開口部によって形成される開口面積を有するように、構造化充填シートの各々に分布している。
【0008】
別の態様では、本発明は、上述の充填モジュールが設置される、物質移動又は熱交換カラムを対象とする。
【0009】
更なる態様では、本発明は、上述の充填モジュールを通って流れる流体間の物質移動及び/又は熱交換をもたらす方法を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書の一部を形成する添付の図面では、種々の図において同様の構成要素を示すために同様の番号が使用される。
【0011】
【
図1】カラム内に積層配置で位置決めされた本発明の構造化充填層を示すために、垂直断面で取られたカラムシェルを有する物質移動カラムの断片側面立面図である。
【
図2】構造化充填層を形成する構造化充填シートの第1の実施形態をより良く例示するために、
図1に示されるタイプの構造化充填層のうちの1つの一部分の、
図1に示されるものから縮尺を拡大して示される断片正面斜視図である。
【
図3】
図2に示される構造化充填層の一部分の断片側面斜視図である。
【
図4】
図2及び
図3に示される構造化充填シートのうちの1つの断片斜視図である。
【
図5】
図4に示されるものと同様であるが、波部の山部及び谷部内に位置決めされた開口部を有する、本発明の構造化充填シートの第2の実施形態の断片斜視図である。
【
図6】各波部側壁上に2列の開口部を有する、本発明の構造化充填シートの第3の実施形態の断片斜視図である。
【
図7】各波部側壁上に3列の開口部を有する、本発明の構造化充填シートの第4の実施形態の断片斜視図である。
【
図8】
図4に示される実施形態のものよりも大きい開口部及びより大きい波部頂点半径を有する、本発明の構造化充填シートの第5の実施形態の断片斜視図である。
【
図9】2列の開口部及び
図1~
図8に示される実施形態のものよりも大きい波部頂点半径を有する、本発明の構造化充填シートの第6の実施形態の断片斜視図である。
【
図10】構造化充填シートの両側の山部の一部が、元の未修正の、より小さい半径頂点の区分から形成された、より大きい波部頂点半径及びスペーサの両方を有する、本発明の構造化充填シートの第7の実施形態の断片斜視図である。
【
図11】
図10に示される実施形態と同様であるが、より大きい頂点半径区分から非修正のより小さい頂点半径区分への移行部に開口部が位置決めされた状態の、本発明の構造化充填シートの第8の実施形態の断片斜視図である
【
図12】各波部側壁上に1列の開口部を有し、
図4に示される実施形態よりも多くの数のより小さい開口部を有する、本発明の構造化充填シートの第9の実施形態の断片斜視図である。
【
図13】開口部が、波形にする前に形成されて、各波部側壁上に1列の開口部を有する構造化充填シートを形成する、平坦なシートの断片平面図である。
【
図14】
図13と同様であるが、波形にした後にシートの各波部側壁内に存在することになる2列の開口部を示す、平坦なシートの断片平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで、図面をより詳しく参照するが、最初に
図1を参照すると、物質移動又は熱交換プロセスに使用するために好適な物質移動カラムは、概して番号10で表される。物質移動カラム10は、概ね円筒形の形状である、直立の外部シェル12を含むが、多角形を含む他の形状も可能であり、本発明の範囲内である。シェル12は、任意の好適な直径及び高さを持ち、物質移動カラム10の稼働中に存在する流体及び条件に望ましくは不活性であるか、又はそうでなければ適合性がある1つ以上の硬質材料で構築される。
【0013】
物質移動カラム10のシェル12は、流体流間で望ましい物質移動及び/又は熱交換が発生する開放内部領域14を画定する。通常は、流体流は1つ以上の上昇蒸気流及び1つ以上の下降液体流を含む。代替的に、流体流は、上昇及び下降の両方の液体流を含んでもよい。流体流は、物質移動カラム10の高さに沿って適切な場所に位置決めされた任意の数のフィードライン(図示せず)を通って物質移動カラム10に方向付けられる。1つ以上の蒸気流はまた、フィードラインを通ってカラム10に導入されるのではなく、物質移動カラム10内で生成され得る。物質移動カラム10はまた、蒸気生成物又は副産物を除去するための架空ライン(図示せず)、及び液体生成物又は副産物を物質移動カラム10から除去するための底流分岐ライン(図示せず)を典型的に含むことになる。フィードポイント、サイドドロー、還流ライン、リボイラ、コンデンサ、蒸気ホーン、及び液体分配器などの典型的に存在する他のカラム構成要素は、これらの構成要素の図が本発明の理解のために必要であるとは考えられないため、図面に示されない。
【0014】
本発明によれば、個々の構造化充填シート18を含む1つ以上の構造化充填層16は、開放内部領域14内に位置決めされ、物質移動カラム10の水平な内部断面にわたって延在する。例示された実施形態では、4つの構造化充填層16が、互いに垂直に積層された関係で設置されるが、より多い又はより少ない構造化充填層16が提供されてもよいことを理解されるものとする。一実施形態では、構造化充填層16の各々は、カラム10の水平な内部断面にわたって完全に延在する単一の構造化充填モジュールとして形成される。別の実施形態では、各構造化充填層16は、レンガと称される、複数の個々の構造化充填モジュール(図示せず)として形成され、物質移動カラム10の水平な内部断面を埋めるために、端部から端部まで、かつ並んだ関係で位置決めされる。
【0015】
構造化充填層16は、シェル12に固定された支持リング(図示せず)上、構造化充填層16のうちの下にある層上、又はグリッド若しくは他の好適な支持構造によってなど、物質移動カラム10内で各々好適に支持される。一実施形態では、最下部の構造化充填層16は、支持構造体上で支持され、上重ね構造化充填層16は、一方を他方の上部上に積層され、最下部の構造化充填層16によって支持される。連続する構造化充填層16は、互いに対して典型的に回転し、そのため充填層16のうちの1つにおける個々の構造化充填シート18は、充填層16の隣接する1つ(複数可)内の個々の構造化充填シート18によって画定される垂直平面に対して、ある角度で延在する垂直平面内に位置決めされる。この回転角度は、典型的には45度又は90度であるが、所望の場合他の角度であってもよい。各構造化充填要素16の高さは、特定の用途に応じて変えてもよい。一実施形態では、高さは、約50~約400mmの範囲内である。
【0016】
各構造化充填層16内の構造化充填シート18は、互いに直立した、平行な関係で位置決めされる。構造化充填シート18の各々は、物質移動カラム10内で受ける加工条件に耐えるのに十分な強度及び厚さを有する、任意の様々な金属、プラスチック、又はセラミックなどの、好適な硬質材料から構築される。構造化充填層18の各々は、前面及び後面を呈し、その全て又は一部分は概して平滑であり、表面テクスチャ加工をする必要がないか、又は様々なタイプのテクスチャ加工、エンボス加工、溝、若しくはくぼみを含んでもよい。充填シート18の表面の形状は、充填シート18が使用される特定の用途に依存し、広がりを促進し、それによって、上昇及び下降流体流間の接触を最大化するように選択されてもよい。
【0017】
加えて
図2~
図4を参照すると、構造化充填シート18の各々は、関連付けられた構造化充填シート18の一部分又は全てに沿って延在する複数の平行な波部20を有する。波部20は、交互の山部22及び谷部24と、山部22及び谷部24の隣接するものの間に延在する波部側壁26と、から形成される。各構造化充填シート18の前側の山部22は、構造化充填シート18の反対側又は後側に谷部24を形成する。同様に、各構造化充填シート18の前側の谷部24は、構造化充填シート18の後側に山部22を形成する。本発明の様々な実施形態による波形充填シート18の付加的な実施例が、
図5~
図12に示される。
【0018】
例示された実施形態では、構造化充填シート18の各々の波部20は、構造化充填シート18の高さ及び幅全体に沿って延在し、概して三角形又は正弦波の断面を持つ。各構造化充填層16内の構造化充填シート18の隣接するシートは、対向する関係で位置決めされ、そのため構造化充填シート18のうちの1つの前側は、隣接する構造化充填シート18の後側に面する。隣接する構造化充填シート18は、構造化充填シート18の各々における波部20が、構造化充填シート18の隣接するシート(複数可)の波部と交差する、又は交差波形の様式で延在するように、更に配置される。この配置の結果、構造化充填シート18の各々における波部20は、構造化充填シート18の隣接する各々の波部に対して斜角で延在する。構造化充填シート18の各々の前側の波部20の山部22のうちのいくつか若しくは全てが、構造化充填シート18の隣接するシートの後側の山部22と接触していてもよいが、又は全く接触しなくてもよい。
【0019】
波部20は、構造化充填シート18が使用される特定の用途の要件に対して選択され得る傾斜角度で、物質移動カラム10の垂直軸に対して傾斜している。約30°、約45°、及び約60°の傾斜角度、並びに構造化充填層16の特定の意図された使用に好適な他の傾斜角度が、使用されてもよい。
【0020】
波部20の山部22、谷部24、及び波部側壁26は、
図13及び
図14に示されるような、平坦なシートを圧着プレスに供給することによって自動圧着プロセス内で通常形成される。山部22及び谷部24は、概して、頂点半径によって画定され得る湾曲した弧として形成される。一般に、頂点半径が拡大するにつれて、山部22及び谷部24の曲率の弧が増大し、所与の比表面積の場合、山部22と谷部24との間の波部側壁26の長さが、逆に減少する。各波部20の2つの波部側壁26は、頂角を形成する。頂点半径、頂角、充填波形の高さ、及び山部22~山部22の長さは、相互関係にあり、所望の幾何学形状及び比表面積を達成するように変えることができる。一般に、波形の高さが低くなると、各構造化充填層16(又はモジュール)及び関連する比表面積内に収容される構造化充填シート18の数が増加する。
【0021】
頂点半径、頂角、及び波形の高さは、特定の用途によって変えることができる。本発明では、構造化充填層16の比表面積が、一般に、100m2/m3を超えるように選択される。
【0022】
構造化充填シート18の各々は、充填層16内の蒸気及び液体の分配を促進するために、構造化充填シート18を通って延在する複数の開口部28を備える。各開口部28は、関連付けられた充填シート18を通る流体の通過を可能にするための開口面積を提供する。各構造化充填シート18内に形成された開口部28は、それらが隣接する構造化充填シート(複数可)18に対して開口しており、かつ構造化充填シート18によって運ばれる構造要素によって覆われない又は遮蔽されていないという点で、実質的に妨げられず、つまり開口部28は、開口部28を通過した後に流体の流れを別様に制限又はそらすように形成される。ルーバ又は他のかかる構造体が開口部28にわたって部分的に又は完全に設置される場合、開口部28は、隣接する構造化充填シート18に対して開放されず、実質的に妨げられる。開口部28を形成するために使用され得る打ち抜き動作の結果として、微小の周辺隆起部又は「バリ」が存在しても、開口部28は開放され、実質的に妨げられない。
【0023】
開口部28が隣接する構造化充填シート18に対して開放され、一般に、100m2/m3を超える比表面積を有する構造化充填層16において実質的に妨げられないとき、開口部28の特定の配置は、構造化充填層16の上縁部と下縁部との間の圧力低下を大幅に低減し、物質移動効率を改善し、又は構造化充填層16の物質移動効率にほとんどあるいは全く悪影響を及ぼさないことが予想外に見出された。これにより、物質移動カラム10内で生じる物質移動プロセス中の、理論分離段階当たりの圧力低下の全体的な減少、及び構造化充填層16の性能の向上をもたらす。
【0024】
一般に、この有益な圧力低下及び性能の結果は、開口部28が構造化充填シート18上に分布しているときに得られ、そのため波部側壁26が、山部22及び谷部24内に存在し得る開口面積のいずれの密度よりも大きい、開口部28によって画定される開口面積の密度を有する。一実施形態では、開口部28は、波部側壁26内にのみ存在する。別の実施形態では、いくつかの開口部28は、谷部24に沿った液体の流れを中断し、波部側壁26にわたって、かつ構造化充填シート18の片側からその反対側までの液体の分配を促進するために、山部22及び谷部24内に存在する。
【0025】
開口部28によって形成された集合的又は全開口面積を、それらが波部側壁26内に大きな密度で位置決めされるとき増加させ、かつ開口部28のサイズを減少させ、それにより開口部28の数が増加すると、理論段階当たりの圧力低下を更に低減させることができる。更なる改善は、これらの開口部28を、波部20の長手方向の長さに沿った方向に優先的に整列された列又は他のパターンで設置することによって達成され得る。更なる改善は、頂点半径を増加させること、及び/又は波部20の頂角を調整することによって達成され得る。
【0026】
図8に示されるように、本発明の一実施形態において、より大きい頂点半径に起因して別様に生じ、物質移動効率にとって有害となる、隣接する構造化充填シート18間の接触点における液体蓄積の増加を防止するために、一実施形態では、構造化充填シート18の隣接するシート上の波部20は、
図10及び
図11に示されるようなスペーサ32によって分離されてもよい。一実施形態では、これらのスペーサは、構造化充填シート18の前側及び/又は後側の山部22のうちのいくつか又は全ての区分として形成され、ここで、より大きな頂点半径の修正は適用されず、より小さい、変更されていない頂点半径及び波部20の高さが保持され、それによって、
図10及び
図11に示されるような二重頂点半径を有する山部22を形成する。スペーサ32は、構造化充填シート18の全て又はいくつかの少なくとも一方の側の山部22のうちのいくつか又は全てに沿った離間した場所に位置決めされ、隣接する構造化充填シート18の対向する山部22と接触し、それによって、より大きい頂点半径の修正を組み込む領域において、隣接する構造化充填シート18間の接触を防止する。一実施形態では、スペーサ32は、
図4に示されるように、元のより小さい頂点半径を最初に有する山部22の部分を押下することによって形成されて、
図10に示されるように、より大きい頂点半径を有する山部22を作り出してもよい。スペーサ32は、それによって、未修正のより小さい頂点半径及び元の波部20の高さを保持する非押下区分によって形成される。
【0027】
開口部28は、様々な構成において波部側壁26に沿って位置決めされてもよい。一実施形態では、開口部28は、充填シート18の波部側壁26内にのみ存在してもよく、そのため開口部28は、山部22又は谷部24内に存在しない。別の実施形態では、十分な数の開口部28が、山部22及び谷部24上に位置付けられて、山部22及び谷部24に沿った液体の流れを妨げ、かつその液体の少なくとも一部が構造化充填シート18の一方の側から他方の側に排出されることを可能にしてもよい。加えて、波部側壁26内に位置決めされた開口部28の大部分又は全ては、山部22又は谷24よりも、波部側壁26の長手方向中心線のより近くに位置付けられ得る。この配置の結果として、中心線により近い開口部28によって画定される開口面積の密度は、各波部側壁26上の山部22又は谷部24により近い開口部28によって画定される開口面積の密度よりも大きい。いくつかの用途では、波部側壁26の中心線により近い開口部28によって画定される開口面積の密度を増加させることは、全体的な物質移動における最小限の低減で圧力低下を低減し、理論段階当たりの圧力低下の観点から全体的な改善をもたらすことが見出されている。
【0028】
波部側壁26に沿った開口部28の位置決めは、少なくとも部分的に、サイズ、全開口面積、及び開口部28の全体的な間隔に依存し得る。一部の用途では、これらの要因は、開口寸法を最小化しながら、全開口面積を増加させる方法で構造化充填シート18のために調整され得、そのため単位面積当たりの開口部28の総数は最大化される。これは、理論段階当たりの圧力低下における減少をもたらし、構造化充填層16の性能の望ましい改善を示すことが見出された。
【0029】
一部の用途では、開口部28の最大平面寸法は、約1mm~約13mm、約1.5mm~約10mm、約2mm~約8mm、又は約2.5mm~約6mmの範囲内であり得る。各開口部28の最大平面寸法は、開口部28の中心を通過する開口部28の2つの側部間の最長線に沿って測定される。開口部28が円形の形状を有するとき、最大平面寸法は、直径である。開口部28は、図面において、概ね円形の形状を有して示されているが、三角形、楕円形、卵形、矩形、又は正方形などの他の形状を有してもよい。これら及び他の形状は、本発明の範囲内である。
【0030】
いくつかの用途では、開口部28の各々の開口面積は、最小限に抑えられてもよく、そのため個々の開口部20は、約80mm2以下、約50mm2以下、又は約30mm2以下の開口面積を有するが、単位面積当たりの開口部の数は、最大化され得、そのため充填層18の各々の全開口面積は、関連付けられた充填シート18の全表面積に基づいて、約6~約20%、約8~約18%、約10~約16%、又は約11~約15%の範囲内である。
【0031】
開口部28は、山部及び谷部の長手方向の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在する1つ以上の離間した列において、波部側壁26の各々に沿って配置されてもよい。折り畳まれる前の充填シート18を描写する、
図13及び
図14に最もよく示されるように、開口部28の列は、互いに離間されて、波部折り畳み線30の延在方向に対して実質的に平行な方向に延在してもよい。その結果、開口部28の列は、充填層の縁部に対して斜角で延在してもよい。各波部側壁上に存在する列の合計数は、特定の用途に応じて変わる特定の配置で、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つであり得る。開口部28は、好ましく、波部20に対してはランダムなパターンで配置されるべきではなく、充填シート18の縁部に対して平行であっても、平行でなくてもよい。
【0032】
開口部28が、波部側壁26に沿って2つ以上の列内に配置されるとき、隣接する列内の開口部28は、互いに整列されてもよく(図示せず)、又は開口部28は、
図6、
図7、及び
図9に示されるように、山部22及び谷部24の延在方向に対して平行な方向に互いに千鳥状であってもよい。いくつかの用途では、隣接する列内の開口部28は、波部側壁26の中心線に沿って互いに千鳥状であってもよい。隣接する開口部28間の間隔は、用途に応じて変えてもよく、隣接する開口部の連続する縁部間で測定されるとき、例えば、1mm~20mm、2mm~15mm、又は3mm~10mmの範囲内であり得る。
【0033】
一実施形態では、充填層18は、70~120°の範囲内の頂角を有してもよい。別の実施形態では、それらは、80~115°の頂角を有してもよい。更なる実施形態では、それらは、90°~110°の頂角を有してもよい。様々な実施形態では、頂点半径は、約1mm~約15mm、又は約1.5mm~約10mm、又は約2mm~約8mmの範囲内であってもよい。
【0034】
1つの構造化充填シート18の波部20が、構造化充填シート18の隣接するシートの波部20と接触する接触点において、より大きな頂点半径を有する構造化充填シート18内で悪化するであろう望ましくない液体蓄積を防止するために、波部20に沿って流れるように意図される液体フィルムの少なくとも厚さ以上の距離だけ、各構造化充填シート18の波部20の少なくともいくつか又は大部分と、隣接する構造化充填シート18の波部との間の接触を防止することが概して望ましいことが見出された。例えば、1つの構造化充填シート18の前側の山部22と、隣接する構造化充填シート18の後側の山部22との間の距離は、0.25mm~3mm、0.35mm~2.5mm、又は0.45mm~2mmの範囲内であってもよい。この波部20のより大きな半径の山部22間の接触の低減は、
図10及び
図11に示されるように、山部22の非押下区分によって形成されるものなどのスペーサ32によって達成され、構造化充填シート18の全て又は交互のシートの一方又は両方の側部の山部22の全て又はいくつかに沿って、離間した場所に位置決めされ得る。スペーサ32の長さ及び間隔は、それらが構造化充填層16に組み立てられるとき、隣接する構造化充填シート18内の対向する山部22又はスペーサ32のうちのいくつかのみに接触するように選択される。波部20及びスペーサ32の形成中に平坦なシートの変形を促進するために、開口部28のうちのいくつかは、山部22の押下された部分とスペーサ32との間の移行部において位置決めされ、それによって、
図11に示されるように、大きい半径から小さい半径への移行部において二重頂点半径及び開口部28を有する山部22を形成してもよい。
【0035】
使用中、1つ以上の構造化充填層16は、構造化充填シート18から組み立てられ、かつ物質移動カラム10内の開放内部領域14内に位置決めされ、開放内部領域14内で現在逆流する流体流間での物質移動及び/又は熱交換を促進するために用いる。流体流が、1つ以上の構造化充填層16内の構造化充填シート18に遭遇する際、流体流は、構造化充填シート18の表面にわたって広がり、接触面積を増加させ、したがって、流体流間での物質移動及び/又は熱交換を増加させる。流体流、典型的には液体流は、波部の傾斜表面に沿って下降し、一方で別の流体流、典型的には蒸気流は、同様に、隣接する構造化充填シート18間の開口空間で上昇し、下降流体流に接触して、熱及び/又は物質移動に影響を与えることができる。構造化充填シート18内の開口部28は、構造化充填層16内の蒸気分配を促進し、また、液体のパターンを制御するための液体分配器として機能して、液体が構造化充填シート18を横切って移動する際に液体分配を助け、かつ充填シートの一方の側から他方への液体の通過を促進する。本明細書における開口部28のサイズ、形状、及び分布は、分離効率における驚くべき増加又は、もしあれば、最小の低減のみで、構造化充填層16の上縁部と下縁部との間の圧力低下を低減するために、上記のように具体的に構成されてもよく、それによって物質移動カラム10における構造化充填層16の全体的に向上した性能をもたらす。
【0036】
本発明は、従来の構造化充填シートA~E及び本発明の様々な特徴を組み込む本発明の構造化充填シート1~10に関する計算流体力学シミュレーションの正規化された結果を示す以下の表を参照することによって更に説明される。表において提示される情報は、例として提供され、表中の全てが本発明の全体的な範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0037】
【0038】
以上により、本発明は、その構造に固有である他の利点と共に上記の本明細書の目的及び目標を全て実現するためによく適合された発明であることがわかるであろう。
【0039】
特定の機能及びサブコンビネーションは有用なものであり、他の機能及びサブコンビネーションに関係なく使用され得ることが理解されるだろう。これは本発明の範囲によって想到されるものであり、本発明の範囲内である。
【0040】
本発明の範囲から逸脱することなく多くの考えられる実施形態が本発明から作られてよいため、本明細書に記載された又は添付図面に示された全ての事項は実例として解釈されるべきで、限定する意味ではないことが理解されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化充填モジュールであって、
互いに平行な関係で位置決めされた複数の構造化充填シートであって、各構造化充填シートが、交互の山部及び谷部と、前記山部及び谷部の隣接するものの間に延在する波部側壁と、から形成される波部を有し、前記構造化充填シートは、前記構造化充填シートの各々の前記波部が、前記構造化充填シートの隣接する各々の前記波部に対して斜角で延在し、前記構造化充填モジュール内の前記構造化充填シートの比表面積が、概して、100m2/m3を超えるように、構築及び配置されている、複数の構造化充填シートと、
前記構造化充填シートを通る流体の通過を可能にするための、前記構造化充填シート内の複数の開口部であって、前記構造化充填シートの各々における前記開口部が、前記構造化充填シートの隣接する各々に対して開口し、かつ実質的に妨げられず、前記開口部は、前記波部側壁が、前記山部及び谷部内に存在し得る開口面積のうちのいずれかのいずれの密度よりも大きい密度の、前記開口部によって形成された前記開口面積を有するように、前記構造化充填シートの各々に分布している、開口部と、
前記構造化充填シートの隣接するものの対向する側の前記山部のうちのいくつかのみに接触する、前記山部上のスペーサと、
を備え、
前記スペーサが、より大きい頂点半径を有する前記山部の隣接する押下区分よりも小さい頂点半径を有する前記山部の区分として形成され、
前記開口部のうちのいくつかが、前記スペーサと前記隣接する押下区分との間に位置決めされている構造化充填モジュール。
【請求項2】
前記開口部は、前記開口面積のより大きい密度が、前記山部及び谷部のより近くに存在し得る任意の開口面積のいずれの密度よりも、前記波部側壁の中心線のより近くに存在するように分布している、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項3】
前記開口部が、前記山部及び谷部の長手方向の延在方向に対して略平行な方向に延在する1つ以上の離間した列に配置されている、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項4】
前記構造化充填シートの各々の前記波部が、70°~120°の範囲内の頂角を有する、請求項3に記載の構造化充填モジュール。
【請求項5】
前記構造化充填シートの各々の前記開口面積が、関連付けられた構造化充填シートの全表面積に基づいて、8~20パーセントの範囲内である、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項6】
前記開口部の各々が、1mm~13mmの範囲内の最大平面寸法を有する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項7】
前記開口部が、円形の形状を有する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項8】
前記開口部のうちのいくつかが、前記山部及び谷部内に位置決めされている、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項9】
前記波部が、1mm~15mmの範囲内の頂点半径を有する、請求項1に記載の構造化充填モジュール。
【請求項10】
開放内部領域を画定するシェルと、前記開放内部領域内の、請求項1に記載の少なくとも1つの構造化充填モジュールと、を備える、物質移動カラム。
【請求項11】
前記開口部が、前記波部側壁内にのみ存在する、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項12】
前記開口部は、前記開口面積のより大きい密度が、前記山部及び谷部のより近くに存在し得る任意の開口面積のいずれの密度よりも、前記波部側壁の中心線のより近くに存在するように分布している、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項13】
前記開口部が、前記山部及び谷部の長手方向の延在方向に対して略平行な方向に延在する1つ以上の離間した列に配置されている、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項14】
前記構造化充填シートの各々の前記開口面積が、関連付けられた前記構造化充填シートの全表面積に基づいて、6~20パーセントの範囲内である、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項15】
前記開口部の各々が、6mm以下の最大平面寸法を有する、請求項10に記載の物質移動カラム。
【請求項16】
前記波部が、少なくとも70°の頂角及び少なくとも1mmの頂点半径を有する、請求項10に記載の物質移動カラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
一態様では、本発明は、互いに平行な関係で位置決めされた複数の構造化充填シートを含む構造化充填モジュールを対象とする。各構造化充填シートは、交互の山部及び谷部と、山部及び谷部の隣接するものの間に延在する波部側壁と、から形成された波部を有する。構造化充填シートは、構造化充填シートの各々の波部が、構造化充填シートの隣接する各々の波部に対して斜角で延在するように構築及び配置され、構造化充填モジュール内の構造化充填シートの比表面積が、概して100m2/m3を超える。構造化充填モジュールはまた、構造化充填シートを通る流体の通過を可能にするための複数の開口部を含む。構造化充填シートの各々における開口部は、充填シートの隣接する各々に対して開口し、実質的に妨げられない。開口部は、波部側壁が、山部及び谷部内に存在し得る開口面積のいずれかのいずれの密度よりも大きい密度の、開口部によって形成される開口面積を有するように、構造化充填シートの各々に分布している。
【外国語明細書】