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特開2023-71869グルカゴンおよびGLP-1受容体の長時間作用型コアゴニスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071869
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】グルカゴンおよびGLP-1受容体の長時間作用型コアゴニスト
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/00 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
C07K14/00 ZNA
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023032146
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2020516798の分割
【原出願日】2018-09-21
(31)【優先権主張番号】62/562,674
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522242018
【氏名又は名称】メルク・シャープ・アンド・ドーム・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】パラニ,アナンダン
(72)【発明者】
【氏名】デン,シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュアン,チュンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ビアンキ,エリザベッタ
(72)【発明者】
【氏名】オルヴィエート,フェデリカ
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,ユーピン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】グルカゴンおよびGLP-1受容体の長時間作用型コアゴニストペプチドを提供する。
【解決手段】GLP-1受容体(GLP-1)およびグルカゴン(GCG)受容体における活性を示し、延長した血清半減期を含む長時間作用プロファイルを有するグルカゴン類似体を提供する。これらのGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日の血清半減期を有し、代謝疾患または障害の治療に有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドであって、

HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728TX30-NH(配列番号123)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、AspまたはGluである;X
は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、
脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;
20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合
しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-
フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln
、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25
は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X
27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはア
ルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または
脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeu
またはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDま
たは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gl
uに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
あるいは、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728T-NH(配列番号124)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、AspまたはGluである;X
は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、
脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;
20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合
しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-
フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln
、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25
は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X
27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはア
ルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または
脂肪二酸に結合しているpAFである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
あるいは式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728T-NH(配列番号125)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;Xは、AspまたはG
luである;X10は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLys
である場合には、脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルア
ラニン(pAF)である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、Serまた
はGluである;X20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp
AF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21
、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルフ
ァ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;
24はGln、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAF
である;X25は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-M
W)である;X27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、
Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合している
Lys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、
27がLeuまたはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、ア
ルファ-MDまたは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端におい
てガンマ-Gluに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合しており、WO2017074798の表1に開示されて
いるペプチドを除く]
あるいは、式
HXQGTFXSX10SX121314151617AX19
2122232425LX272829(配列番号108)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(αMS)である;XはThr、PheまたはLeuである;X
、AspまたはGluである;X10は、Tyr、脂肪酸に結合しているノルロイシン(
Nle)、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
、脂肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位のアミノ酸は、
脂肪二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-アミノメチル
-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二酸
に結合しているLysである)である;X12は、LysまたはGluである;X13
、Tyr、LeuまたはLysである;X14は、LeuまたはAspである;X15
、Asp、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD)またはアルファ-
アミノイソ酪酸(aib)である;X16は、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、A
la、Glu、Ser、ArgまたはLysである;X17は、Arg、Lys、Leu
またはAlaである;X19は、AlaまたはGlnである;X20は、Gln、Lys
、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェ
ニルアラニン(pAF)、または脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)である
;X21は、Asp、Phe、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD
)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X
はPhe、Valまたはアルファ-メチル-L-フェニルアラニン(αMF)である;
23は、ValまたはGlnである;X24は、Gln、Glu、脂肪二酸に結合して
いるLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアル
ファ-メチル-L-トリプトファン(αMW)である;X27は、L-メチオニンスルホ
ン(2)またはLeuである;X28はAsp、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸
(αMD)、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、Ala、Lys、Gln、Glu、
γ-グルタミン酸(γE)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合して
いるpAFである;そして、X29は、Thr-OH、Thr-NHまたはThr(L
ys-γ-グルタミン酸)NHである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つまたは2つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項2】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドであって、

HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728TX30-NH(配列番号105)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-
L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ
酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合しているLysまたは
p-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはTyrである;X
は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二酸に結合している
Lys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle
)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結
合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF
)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、
または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル
-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Metスルホンまたは
ロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、ま
たはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFであ
る;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまたはL-Met-スルホンであり
、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは脂肪二酸に結合しているLys
である場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
または式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728T-NH(配列番号106)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-
L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ
酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合しているLysまたは
p-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはTyrである;X
は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二酸に結合している
Lys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle
)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結
合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF
)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、
または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル
-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Metスルホンまたは
ロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、ま
たはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFであ
る;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
または式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728T-NH(配列番号107)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;Xは、Aspまたはア
ルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位また
は24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合して
いるLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはT
yrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二
酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノル
ロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysま
たは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン
(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合
しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたは
アルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Me
tスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、L
ys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合し
ているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまたはL-Met
-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは脂肪二酸に結
合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに結合している
Lysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合しており、WO2017074798の表1に開示されて
いるペプチドを除く]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項3】
脂肪二酸がC14、C15、C16、C17、C18、C19またはC20脂肪二酸を
含む、請求項1記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項4】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、ガンマ-Glu、ガンマ-Glu
リンカーを介してLysまたはpAFに結合している脂肪二酸を含む、請求項1記載のG
CG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項5】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、PEGPEG-ガンマ-Gl
uリンカー(ここで、PEGは8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸である)を介
してLysまたはpAFに結合している脂肪二酸を含む、請求項1記載のGCG/GLP
-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項6】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、脂肪二酸に結合しているpAFを
10において含む、請求項1記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項7】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、C16脂肪酸に結合しているLy
sをX10において、および脂肪二酸に結合している20位または24位のLysを含む
、請求項1記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項8】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、脂肪二酸に結合しているpAFま
たは脂肪二酸に結合してるLysをX20において含む、請求項1記載のGCG/GLP
-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項9】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、脂肪二酸に結合してるpAFまた
は脂肪二酸に結合しているLysをX21において含む、請求項1記載のGCG/GLP
-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項10】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、脂肪二酸に結合しているpAFま
たは脂肪二酸に結合しているLysをX24において含む、請求項1記載のGCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項11】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、脂肪二酸に結合しているpAFま
たは脂肪二酸に結合しているLysをX28において含む、請求項1記載のGCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項12】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、TP564、TP565、TP5
79、TP583、TP584、TP575、TP578、TP580、TP581、T
P582、TP585、TP588、TP589、TP590、TP592、TP594
、TP576、TP577、TP586、TP587、TP591、TP593、TP5
95、TP596、TP597、TP598、TP599、TP600、TP601、T
P602、TP603、TP604、TP605、TP443、TP606、TP607
、TP608、TP609、TP610、TP611、TP612、TP613、TP6
14、TP615、TP616、TP617、TP618、TP619、TP620、T
P621、TP622、TP623、TP624、TP625、TP626、TP627
、TP628、TP629、TP630、TP631、TP632、TP633、TP6
35、TP636、TP637、TP638、TP639、TP640、TP657、T
P658、TP659、TP660、TP661、TP662、TP663、TP664
、TP665、TP666、TP667、TP672、TP673、TP674、TP6
75、TP676、TP677、TP678、TP679、TP680、TP681、T
P682、TP683、TP685、TP693、TP699、TP700、TP701
、TP702、TP703、TP704、TP705、TP712、TP713、TP7
35、TP736、TP737、TP811、TP812、TP813、TP814、T
P815、TP825、TP826、TP827、TP828、TP829、TP830
およびTP831またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンからなる群から選択
される、請求項1記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項13】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、TP565、TP579、TP5
83、TP584、TP578、TP580、TP581、TP582、TP584、T
P588、TP589、TP590、TP592、TP594、TP576、TP577
、TP586、TP587、TP591、TP593、TP595、TP596、TP5
99、TP600、TP601、TP602、TP603、TP605、TP606、T
P607、TP610、TP611、TP612、TP613、TP614、TP615
、TP616、TP617、TP618、TP619、TP620、TP621、TP6
22、TP623、TP624、TP625、TP626、TP627、TP629、T
P631、TP632、TP633、TP634、TP635、TP636、TP637
、TP638、TP639、TP657、TP658、TP659、TP660、TP6
61、TP662、TP663、TP664、TP665、TP666、TP667、T
P672、TP673、TP674、TP675、TP676、TP677、TP678
、TP679、TP680、TP681、TP682、TP683、TP685、TP6
93、TP699、TP700、TP701、TP702、TP703、TP704、T
P705、TP712、TP713、TP735、TP736、TP737、TP811
、TP812、TP813、TP814、TP815、TP825、TP826、TP8
27およびTP828からなる群から選択される、請求項1記載のGCG/GLP-1受
容体コアゴニストペプチド。
【請求項14】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドが、グルカゴン受容体および/または
GLP-1受容体における活性を有する、請求項1記載のGCG/GLP-1受容体コア
ゴニストペプチド。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド
の1以上と薬学的に許容される担体および/または薬学的に許容される塩とを含む組成物
【請求項16】
請求項1~14のいずれか1項記載のいずれか1以上のGCG/GLP-1受容体コア
ゴニストペプチドの有効量を患者に投与して、患者における代謝疾患または障害を治療す
ることを含む、代謝疾患または障害に対する患者の治療方法。
【請求項17】
代謝疾患または障害が、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコ
ール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満を含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
糖尿病が、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病を含む、請求項17記載の方法
【請求項19】
患者が2以上の代謝疾患または障害を有する、請求項16記載の方法。
【請求項20】
代謝疾患または障害が、糖尿病およびNASH、NAFLDまたは肥満;肥満およびN
ASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;糖尿病、NAFLDおよび肥満
;または糖尿病および肥満を含む、請求項16記載の方法。
【請求項21】
請求項15記載の組成物の有効量を患者に投与して、患者における代謝疾患または障害
を治療することを含む、代謝疾患または障害に対する患者の治療方法。
【請求項22】
代謝疾患または障害が、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコ
ール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
患者が2以上の代謝疾患または障害を有する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
代謝疾患または障害が、糖尿病およびNASH、NAFLDまたは肥満;肥満およびN
ASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;糖尿病、NAFLDおよび肥満
;または糖尿病および肥満を含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
代謝疾患または障害の治療のための、請求項1~14のいずれか1項記載の1以上のコ
アゴニストペプチドの使用。
【請求項26】
代謝疾患または障害が、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコ
ール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満を含む、請求項25記載の使用。
【請求項27】
糖尿病がI型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病を含む、請求項26記載の使用。
【請求項28】
患者が2以上の代謝疾患または障害を有する、請求項25記載の使用。
【請求項29】
代謝疾患または障害が、糖尿病およびNASH、NAFLDまたは肥満;肥満およびN
ASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;糖尿病、NAFLDおよび肥満
;または糖尿病および肥満を含む、請求項26記載の使用。
【請求項30】
請求項1~14のいずれか1項記載のコアゴニストペプチドを含む組成物の有効量を患
者または個体に投与し、そして、インスリンまたはインスリン類似体を含む組成物の有効
量を患者または個体に投与して、患者または個体における代謝疾患または障害を治療する
ことを含む、患者または個体における代謝疾患または障害の治療方法。
【請求項31】
インスリン類似体が、インスリン・デテミル(detemir)、インスリン・グラル
ギン(glargine)、インスリン・レベミル(levemir)、インスリン・グ
ルリシン(glulisine)、インスリン・デグルデック(degludec)また
はインスリン・リスプロ(lispro)を含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
代謝疾患または障害が、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコ
ール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満を含む、請求項30記載の方法。
【請求項33】
糖尿病が、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病を含む、請求項32記載の方法
【請求項34】
患者が、糖尿病およびNASH、NAFLDまたは肥満;肥満およびNASHまたはN
AFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;糖尿病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病
および肥満から選択される2以上の代謝疾患または障害を有する、請求項30記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグルカゴンおよびGLP-1受容体の長時間作用型コアゴニスト(co-ag
onist;共アゴニスト)ペプチドに関する。
【背景技術】
【0002】
プレプログルカゴンは158アミノ酸の前駆体ポリペプチドであり、これは種々の組織
においてプロセシングされて、グルコース恒常性、インスリン分泌、胃内容排出、および
腸成長ならびに食物摂取の調節を含む多種多様な生理的機能に関与する多数の異なるプロ
グルカゴン由来ペプチド、例えばグルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、
グルカゴン様ペプチド2(GLP-2)およびオキシントモジュリン(OXM)となる。
グルカゴンは、プレプログルカゴンのアミノ酸33~61に対応する29アミノ酸のペプ
チドであり、一方、GLP-1は、プレプログルカゴンのアミノ酸72~108に対応す
る37アミノ酸のペプチドとして産生される。GLP-1(7-36)アミドまたはGL
P-1(7-37)酸は、GLP-1受容体において実質的に同等の活性を示す、GLP
-1の生物学的に強力な形態である。
【0003】
低血糖時、血中グルコースレベル(血糖値)が正常値未満に低下すると、グルカゴンは
肝臓にシグナルを伝達して、グリコーゲンを分解させ、グルコースを放出させて、血中グ
ルコースレベルを正常レベルまで上昇させる。低血糖は、糖尿病による高血糖(グルコー
スレベルの上昇)を示す患者におけるインスリン治療の一般的な副作用である。したがっ
て、グルコース調節におけるグルカゴンの最も良く認識されている役割は、インスリンの
作用を相殺し、血中グルコースレベルを維持することである。
【0004】
GLP-1は、グルカゴンとは異なる生物活性を有する。その作用には、インスリンの
合成および分泌の刺激、グルカゴン分泌の抑制、ならびに食物摂取の抑制が含まれる。G
LP-1は糖尿病における高血糖を軽減することが示されている。エキセンジン(Exe
ndin)-4は、GLP-1に対して約50%のアミノ酸同一性を有するトカゲ毒由来
のペプチドであり、GLP-1受容体を活性化し、同様に、糖尿病における高血糖を軽減
することが示されている。
【0005】
GLP-1およびエキセンジン-4は食物摂取を低減し、体重減少を促進させるという
証拠も存在し、これは、糖尿病に有益なだけでなく肥満患者にも有益な効果である。肥満
患者は、糖尿病、高血圧、高脂血症、心血管疾患および筋骨格疾患のリスクがより高い。
【0006】
グルカゴンは、グリコーゲン分解および糖新生の刺激により血中グルコースを増加させ
る急性能力に関して十分に認識されているGLP-1に構造的に関連したペプチドホルモ
ンである(Jiang & Zhang,Am.J.Physio.l Endocri
nol.Metab.284:E671-E678(2003))。それほど十分には認
識されていないものとしては、熱生成、満腹感、脂肪分解、脂肪酸酸化およびケトン生成
の増強により特徴づけられるグルカゴンの薬理作用の慢性効果である(Habegger
ら,Nat.Rev.Endocrinol.6:689-697(2010))。グル
カゴンの反復投与は、体重減少を伴って、げっ歯類の代謝の改善をもたらすことが、数十
年前に最初に報告された(Salter,Am.J.Clin.Nutr.8:535-
539(1960))。それにもかかわらず、特にT2DMのようなインスリン抵抗性症
状における高血糖の固有のリスクは、これらの観察をヒトでの研究に移行させることを複
雑にしている。
【0007】
ホルモンであるオキシントモジュリン(OXM,グルカゴン-37)は、腸および中枢
神経系(CNS)においてプロセシングされるプレプログルカゴンの翻訳後産物であり、
食物摂取に応答して腸内のL細胞から分泌される。1983年に発見されたOXMは食物
摂取およびエネルギー消費の調節に関連づけられている(Jarrouseら,Endo
crinol.115:102-105(1984);Schjoldagerら,Eu
r.J.Clin.Invest.,18:499-503(1988))。ラットにお
けるOXMの中枢または末梢投与は、胃内容排出に対する最小の効果を伴って、短期的な
食物摂取の減少をもたらす(Dakinら,Endocrinology,142:42
44-4250(2001),Dakinら,Endocrinology,145:2
687-2695(2004))。ラットにおけるOXMの反復的な脳室内投与は、ペア
フィード動物と比較して、深部体温の上昇および体重減少をもたらし、これはカロリー摂
取およびカロリー消費の両方に対する効果を示唆している(Dakinら,Am.J.P
hysiol.Endocrinol.Metab.,283:E1173-E1177
(2002))。
【0008】
関連研究において、OXMの末梢投与は絶食誘発性食物摂取および暗期食物摂取の両方
を用量依存的に抑制したが、GLP-1とは異なり、胃内容排出には影響を及ぼさなかっ
た。OXMはまた、空腹時グレリンのレベルを低減し、c-fos免疫反応性(弓状核(
ARC)におけるもの)を増強した。OXMの7日間の反復IP投与は、ラットにおける
体重増加率および肥満率の低減をもたらした(Dakinら,Endocrinolog
y,145:2687-2695(2004)を参照されたい)。マウスにおけるOXM
の作用の研究は、OXMはグルカゴン(GCG)およびGLP-1の両方の受容体を活性
化しうるが、OXMの食欲抑制作用はGLP-1受容体のみを要するに過ぎないことを示
しており、というのも、icv OXMはグルカゴン受容体ノックアウトマウスにおける
食物摂取を抑制するからである。一方、OXMの食欲抑制作用は、GLP-1受容体ノッ
クアウトマウスには全く存在しない。更に、エキセンジン-4はマウスにおけるエネルギ
ー消費を調節するが、OXMはそうではない。したがって、OXMは、薬理学的濃度で使
用された場合、GLP-1受容体における弱いアゴニストであるらしい(Baggioら
,Gastroenterol.127:546-58(2004)を参照されたい)。
また、OXMは、高脂肪食が与えられたマウスにおけるグルコース不耐性を改善し(Da
kinら,Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.294:E
142-E147(2008))、GLP-1受容体には無関係にマウスにおける内因性
心拍数を増加させることが判明した(Sowdenら,Am.J.Physiol.Re
gul.Integr.Comp.Physiol.292:R962-R970(20
07))。また、OXMはGLP-1受容体ベータ-アレスチンのリクルートメントおよ
びシグナリング(Gアルファを介したもの)に差次的な影響を及ぼし(Jorgense
nら,J.Pharma.Exp.Therapeut.322:148-154(20
07))、OXMの末梢注射後の視床下部ニューロン活性化に差次的な影響を及ぼすこと
が示されている(Choudhriら,Biochem.Biophys.Res.Co
mmun.350:298-306(2006))。
【0009】
ヒトにおいては、正常体重の健常被験者におけるOXMの1回の90分間の静脈内注入
は、ビュッフェ食における食物摂取および空腹スコアを約19%低減した。累積的な12
時間のカロリー摂取は約11%減少し、悪心または食物の嗜好性の変化は報告されていな
い(Cohenら,J.Clin.Endocrinol.Metab.,88:469
6-4701(2003);Lykkegaardら,ADA Scientific
Sessions,Abstract #1506-P(2003))。より近年、肥満
健康ボランティア(BMI約33)における4週間にわたるOXMの食前注射は治療初日
におけるカロリー摂取の有意な減少をもたらし(約25%)、これは研究の経過の全体に
わたって維持された(4週間後に35%の減少)(Wynneら,Diabetes 5
4:2390-2395(2005))。治療された被験者においては、研究終了時に、
確固たる体重減少が観察された(1.9%、プラセボ補正)。OXMの血漿レベルは、注
入研究において観察されたものに類似していた(最高濃度約950pM)。OXMのイン
ビボ安定性が低いこと(血漿t1/2<12分)により比較的高い用量が必要とされるに
もかかわらず、タキフィラキシーが存在せず軽度かつ一過性の悪心の頻度が低い(約3%
)ことは、このホルモンを、ヒトにおける妥当性および魅力的な許容性の両方を有する少
数の肥満標的の1つにする。
【0010】
OXMは非常に短い半減期を有し、細胞表面ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP-
IV)によって迅速に不活性化される(Zhuら,J.Biol.Chem.278:2
2418-22423(2002))。しかし、DPP-IVインヒビターは臨床におい
て体重に対して中立的であり、このことは、ヒトにおいて体重減少を達成するためには超
生理学的レベルのOXM(900~1000pM)が要求されうることを示唆している。
ヒトにおいて体重減少を誘導するためのOXMペプチド類似体が公開国際出願番号WO0
3/022304、WO2004/062685、WO2006/134340およびW
O2010/096052の対象となっている。
【0011】
最近、2つの独立した同時期の論文が、純粋なGLP1Rアゴニストと比較して増強し
た効力および安全性を有する比較的バランスのとれたGLP-1受容体/GCG受容体コ
アゴニストのげっ歯類の肥満の治療における使用を、同時に得られる血糖コントロールの
改善と共に報告している(Dayら,Nat.Chem.Biol.5:749-757
(2009);Pocaiら,Diabetes 58:2258-2266(2009
))。それとの関連で重要なのはオキシントモジュリン(OXM)に関する研究であり、
OXMはグルカゴンの内因性前駆体であり、食後に空腸-回腸のL細胞によりGLP-1
と共に分泌される(Holst,Regul.Pept.93:45-51(2000)
;Drucker,Nat.Clin.Pract.Endocrinol.Metab
.1:22-31(2005))。
【0012】
GLP-1受容体およびGCG受容体における種々の度合の活性を有するように修飾さ
れたグルカゴンペプチド類似体および誘導体が公開国際出願番号WO2008/1010
017、WO2009/155258、WO2011/075393、WO2012/1
77444およびWO2012/177443に開示されている。開示されているグルカ
ゴンペプチド類似体の幾つかは、GLP-1受容体およびGCG受容体の両方における活
性を有すことがそれらにおいて報告されているが、GLP-1受容体およびGCG受容体
における活性または効力を有し、許容しうる臨床的プロファイルを維持しながら1日1回
未満(例えば2日に1回または3日に1回、好ましくは週1回)で投与されうるコアゴニ
ストペプチドが尚も必要とされている。
【発明の概要】
【0013】
発明の簡潔な概要
本発明は、GLP-1受容体(GLP-1)およびグルカゴン(GCG)受容体におけ
る活性を示し、延長した血清半減期を含む長時間作用プロファイルを有するグルカゴン類
似体を提供する。これらのGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、少なくと
も1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日の血清半減期を有しうる。
【0014】
本明細書に開示されているGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、代謝疾
患または障害の治療に有用である。そのような代謝疾患または障害には、糖尿病(例えば
、1型糖尿病、2型糖尿病または妊娠糖尿病)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD
)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肥満が含まれるが、これらに限定され
るものではない。特定の実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペ
プチドは、前記代謝障害の1以上の同時治療に有用でありうる。
【0015】
1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728TX30-NH(配列番号105)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-
L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ
酸が脂肪二酸(fatty diacid)に結合しているLysである場合には、脂肪
酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)であ
る、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;X
は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合
しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合して
いるLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェ
ニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂
肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、
Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27
は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルフ
ァ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪
二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまた
はL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは
脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに
結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0016】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728TX30-NH(配列番号123)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、AspまたはGluである;X
は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、
脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;
20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合
しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-
フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln
、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25
は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X
27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはア
ルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または
脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeu
またはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDま
たは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gl
uに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。この実施形態の1つ
のクラスにおいては、XはAspまたはGluである。この実施形態のもう1つのクラ
スにおいては、XはAspである。
【0017】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728T-NH(配列番号106)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-
L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ
酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合しているLysまたは
p-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはTyrである;X
は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二酸に結合している
Lys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle
)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結
合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF
)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、
または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル
-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Metスルホンまたは
ロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、ま
たはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFであ
る;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0018】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728T-NH(配列番号124)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、AspまたはGluである;X
は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、
脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;
20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合
しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-
フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln
、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25
は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X
27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはア
ルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または
脂肪二酸に結合しているpAFである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。この実施形態の1つ
のクラスにおいては、XはAspまたはGluである。この実施形態のもう1つのクラ
スにおいては、XはAspである。
【0019】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728T-NH(配列番号107)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;Xは、Aspまたはア
ルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位また
は24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合して
いるLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはT
yrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二
酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノル
ロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysま
たは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン
(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合
しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたは
アルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Me
tスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、L
ys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合し
ているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまたはL-Met
-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは脂肪二酸に結
合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに結合している
Lysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0020】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728T-NH(配列番号125)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;Xは、AspまたはG
luである;X10は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLys
である場合には、脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルア
ラニン(pAF)である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、Serまた
はGluである;X20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp
AF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21
、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルフ
ァ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;
24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpA
Fである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-
MW)である;X27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu
、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合してい
るLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか
、X27がLeuまたはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、
アルファ-MDまたは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端にお
いてガンマ-Gluに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。この実施形態の1つ
のクラスにおいては、XはAspまたはGluである。この実施形態のもう1つのクラ
スにおいては、XはAspである。
【0021】
特定の態様においては、脂肪二酸は、C14、C15、C16、C17、C18、C1
9またはC20脂肪二酸を含む。もう1つの態様においては、脂肪二酸はC16またはC
18脂肪二酸を含む。
【0022】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、ガンマ-
Glu、ガンマ-Gluリンカーを介してLysまたはpAFに結合している脂肪二酸を
含む。
【0023】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、PEG
PEG-ガンマ-Gluリンカー(ここで、PEGは8-アミノ-3,6-ジオキサ
オクタン酸である)を介してLysまたはpAFに結合している脂肪二酸を含む。
【0024】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFをX10において含む。
【0025】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、C16脂
肪酸に結合しているLysをX10において、および、脂肪二酸に結合している20位ま
たは24位のLysを含む。
【0026】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合してるLysを、X20において含む。
【0027】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合してるpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X21において含む。
【0028】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X24において含む。
【0029】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X28において含む。
【0030】
もう1つの実施形態においては、本発明は、TP565、TP579、TP583、T
P584、TP578、TP580、TP581、TP582、TP588、TP589
、TP590、TP592、TP594、TP576、TP577、TP586、TP5
87、TP591、TP593、TP595、TP596、TP599、TP600、T
P601、TP602、TP603、TP605、TP606、TP607、TP610
、TP611、TP612、TP613、TP614、TP615、TP616、TP6
17、TP618、TP619、TP620、TP621、TP622、TP623、T
P624、TP625、TP626、TP627、TP629、TP631、TP632
、TP633、TP634、TP635、TP636、TP637、TP638、TP6
39、TP657、TP658、TP659、TP660、TP661、TP662、T
P663、TP664、TP665、TP666、TP667、TP672、TP673
、TP674、TP675、TP676、TP677、TP678、TP679、TP6
80、TP681、TP682、TP683、TP685、TP693、TP699、T
P700、TP701、TP702、TP703、TP704、TP705、TP712
、TP713、TP735、TP736、TP737、TP811、TP812、TP8
13、TP814、TP815、TP825、TP826、TP827およびTP828
からなる群から選択されるGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、表1に示されている構造を有す
る。
【0031】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、好ましくは、グルカゴン受容体お
よび/またはGLP-1受容体における測定可能な活性を有する。
【0032】
特定の実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、グル
カゴン受容体およびGLP-1受容体のそれぞれにおいて、5nM未満のEC50を有す
る。そのようなペプチドの例には、TP584、TP578、TP580、TP581、
TP582、TP588、TP590、TP592、TP594、TP576、TP57
7、TP586、TP587、TP591、TP593、TP595、TP596、TP
599、TP600、TP601、TP602、TP603、TP605、TP606、
TP607、TP612、TP614、TP615、TP616、TP617、TP61
8、TP619、TP620、TP621、TP622、TP623、TP624、TP
625、TP626、TP627、TP629、TP631、TP633、TP634、
TP635、TP636、TP637、TP638、TP657、TP658、TP65
9、TP660、TP661、TP662、TP663、TP664、TP665、TP
672、TP673、TP674、TP675、TP676、TP677、TP678、
TP679、TP680、TP681、TP682、TP683、TP685、TP70
2、TP704、TP705、TP712、TP713、TP735、TP736、TP
737、TP811、TP812、TP813、TP814、TP815、TP825、
TP826、TP827およびTP828からなる群から選択されるGCG/GLP-1
受容体コアゴニストペプチドが含まれる。この実施形態の1つのクラスにおいては、GC
G/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、GCG/GLP-1受容体コアゴニスト
ペプチドの薬学的に許容される塩または対イオンから選択される。
【0033】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFXSX10SX121314151617AX19
2122232425LX272829(配列番号108)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(αMS)である;Xは、Thr、PheまたはLeuである;X
は、AspまたはGluである;X10は、Tyr、脂肪酸に結合しているノルロイシン
(Nle)、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF
)、脂肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位のアミノ酸は
、脂肪二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-アミノメチ
ル-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二
酸に結合しているLysである)である;X12は、LysまたはGluである;X13
は、Tyr、LeuまたはLysである;X14は、LeuまたはAspである;X15
は、Asp、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD)またはアルファ
-アミノイソ酪酸(aib)である;X16は、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、
Ala、Glu、Ser、ArgまたはLysである;X17は、Arg、Lys、Le
uまたはAlaである;X19はAlaまたはGlnである;X20は、Gln、Lys
、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェ
ニルアラニン(pAF)、または脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)である
;X21は、Asp、Phe、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD
)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X
は、Phe、Valまたはアルファ-メチル-L-フェニルアラニン(αMF)である
;X23は、ValまたはGlnである;X24は、Gln、Glu、脂肪二酸に結合し
ているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはア
ルファ-メチル-L-トリプトファン(αMW)である;X27は、L-メチオニンスル
ホン(2)またはLeuである;X28は、Asp、アルファ-メチル-L-アスパラギ
ン酸(αMD)、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、Ala、Lys、Gln、Gl
u、γ-グルタミン酸(γE)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合
しているpAFである;そして、X29は、Thr-OH、Thr-NHまたはThr
(Lys-γ-グルタミン酸)NHである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つまたは2つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0034】
この実施形態の1つのクラスにおいては、各コアゴニストペプチドに関して、X10
20、X21、X24またはX28の1つが脂肪二酸に結合している。この実施形態の
もう1つのクラスにおいては、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X
、X24またはX28の2つが脂肪二酸に結合している。
【0035】
もう1つの実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、
TP564、TP565、TP579、TP583、TP584、TP575、TP57
8、TP580、TP581、TP582、TP585、TP588、TP589、TP
590、TP592、TP594、TP576、TP577、TP586、TP587、
TP591、TP593、TP595、TP596、TP597、TP598、TP59
9、TP600、TP601、TP602、TP603、TP604、TP605、TP
443、TP606、TP607、TP608、TP609、TP610、TP611、
TP612、TP613、TP614、TP615、TP616、TP617、TP61
8、TP619、TP620、TP621、TP622、TP623、TP624、TP
625、TP626、TP627、TP628、TP629、TP630、TP631、
TP632、TP633、TP635、TP636、TP637、TP638、TP63
9、TP640、TP657、TP658、TP659、TP660、TP661、TP
662、TP663、TP664、TP665、TP666、TP667、TP672、
TP673、TP674、TP675、TP676、TP677、TP678、TP67
9、TP680、TP681、TP682、TP683、TP685、TP693、TP
699、TP700、TP701、TP702、TP703、TP704、TP705、
TP712、TP713、TP735、TP736、TP737、TP811、TP81
2、TP813、TP814、TP815、TP825、TP826、TP827、TP
828、TP829、TP830およびTP831またはその薬学的に許容される塩もし
くは対イオンからなる群から選択される。
【0036】
配列番号105、106、107、108、123、124および125により表され
る前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、WO2017074798の
表1に開示されているペプチドを除く。
【0037】
本発明は更に、前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1以
上と薬学的に許容される担体および/または薬学的に許容される塩とを含む組成物を提供
する。
【0038】
本発明は更に、前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1以
上の有効量を患者に投与して、患者における代謝疾患または障害を治療することを含む、
代謝疾患または障害に対する患者の治療方法を提供する。
【0039】
本発明は更に、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1以上を
含む組成物を患者に投与して、患者における代謝疾患または障害を治療することを含む、
代謝疾患または障害に対する患者の治療方法を提供する。
【0040】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。特定の態様に
おいては、糖尿病はI型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。特定の態様にお
いては、患者は2以上の代謝疾患または障害、例えば糖尿病およびNASH、NAFLD
または肥満;肥満およびNASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;糖尿
病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病および肥満を有する。
【0041】
本発明は更に、代謝疾患または障害の治療のための、前記GCG/GLP-1受容体コ
アゴニストペプチドのいずれかの1つの使用を提供する。
【0042】
本発明は更に、代謝疾患または障害の治療用の医薬の製造のための、前記GCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチドまたは組成物のいずれかの1つの使用を提供する。
【0043】
該使用の特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪
肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。特定
の態様においては、糖尿病はI型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。特定の
態様においては、該医薬は、2以上の代謝疾患または障害、例えば糖尿病およびNASH
、NAFLDまたは肥満;肥満およびNASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよ
び肥満;糖尿病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病および肥満の治療のためのもので
ある。
【0044】
更に、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを含む前記組成物のいずれかの
1つの有効量を患者または個体に投与し、そして、インスリンまたはインスリン類似体を
含む組成物の有効量を患者または個体に投与して、患者または個体における代謝疾患また
は障害を治療することを含む、患者または個体における代謝疾患または障害の治療方法を
提供する。
【0045】
特定の態様においては、インスリンまたはインスリン類似体を含む組成物を投与する時
点より前の時点で、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを含む組成物を投与
する。もう1つの態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを含
む組成物を投与する時点より前の時点で、インスリンまたはインスリン類似体を含む組成
物を投与する。更にもう1つの態様においては、インスリンまたはインスリン類似体を含
む組成物を投与するのと同時に、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを含む
組成物を投与する。
【0046】
特定の態様においては、インスリン類似体は、インスリン・デテミル(detemir
)、インスリン・グラルギン(glargine)(U100またはU300)、インス
リン・レベミル(levemir)、インスリン・グルリシン(glulisine)、
インスリン・デグルデック(degludec)またはインスリン・リスプロ(lisp
ro)である。
【0047】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。特定の態様に
おいては、糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。特定の態様に
おいては、患者は2以上の代謝疾患または障害、例えば糖尿病およびNASH、NAFL
Dまたは肥満;肥満およびNASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;糖
尿病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病および肥満を有する。
【0048】
本発明は更に、前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1つ
、インスリンまたはインスリン類似体、および薬学的に許容される担体を含む組成物を提
供する。特定の態様においては、インスリンは、ヒトインスリン、またはヒトインスリン
類似体、例えばインスリン・デテミル(detemir)、インスリン・グラルギン(g
largine)(U100またはU300)、インスリン・レベミル(levemir
)、インスリン・グルリシン(glulisine)、インスリン・デグルデック(de
gludec)またはインスリン・リスプロ(lispro)である。
【0049】
本発明は更に、代謝疾患または障害の治療のための、前記GCG/GLP-1受容体コ
アゴニストペプチドのいずれかの1つ、インスリンまたはインスリン類似体、および薬学
的に許容される担体を含む組成物の使用を提供する。
【0050】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。更に詳細な態
様においては、糖尿病はI型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。本発明は更
に、代謝疾患または障害の治療用の医薬の製造ための、前記コアゴニストペプチドのいず
れかの1つ、インスリンまたはインスリン類似体、および薬学的に許容される担体を含む
組成物の使用を提供する。特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非ア
ルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥
満である。更に詳細な態様においては、糖尿病はI型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖
尿病である。
【0051】
特定の態様においては、インスリン類似体はインスリン・デテミル(detemir)
、インスリン・グラルギン(glargine)(U100またはU300)、インスリ
ン・レベミル(levemir)、インスリン・グルリシン(glulisine)、イ
ンスリン・デグルデック(degludec)またはインスリン・リスプロ(lispr
o)である。
【0052】
定義
本明細書中で用いる「約」なる語は、示されている値または値の範囲より10%大きい
又は小さいこと意味するが、いずれかの値または値の範囲をこのより広い範囲の定義のみ
に指定することを意図するものではない。「約」なる語に続くそれぞれの値または値の範
囲は、示されている絶対的な値または値の範囲の実施形態を含むことも意図される。
【0053】
本明細書中で用いる「薬学的に許容される担体」なる語は、任意の標準的な医薬担体、
例えば、リン酸緩衝食塩水、水、エマルション、例えば、油/水または水/油エマルショ
ン、および種々のタイプの湿潤剤を含む。この語はまた、ヒトを含む動物における使用に
関して米国連邦政府の規制当局により承認されている又は米国薬局方に収載されている任
意の物質を含む。
【0054】
本明細書中で用いる「薬学的に許容される塩」なる語は、親化合物の生物活性を保有し
生物学的に又は他の様態において不適切ではない化合物の塩を意味する。本明細書に開示
されている化合物の多くは、アミノおよび/またはカルボキシル基あるいはそれらに類似
した基の存在ゆえに、酸および/または塩基塩を形成しうる。
【0055】
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機および有機塩基から製造されうる。無機塩基に
由来する塩には、単なる例示に過ぎないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニ
ウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が含まれる。有機塩基に由来する塩には、一級、
二級および三級アミンの塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
本明細書中で用いる「治療」なる語は、特定の障害もしくは症状の予防、または特定の
障害もしくは症状に関連した症状の軽減、および/または該症状の予防もしくは排除を含
む。例えば、本明細書中で用いる「糖尿病の治療(糖尿病を治療する)」なる語は、一般
に、血中グルコースレベル(血糖値)を正常レベルの方向に変化させることを意味し、与
えられた状況に応じて血中グルコースレベルを増加または減少させることを含みうる。
【0057】
本明細書中で用いる、グルカゴンペプチドの「有効量」または「治療的有効量」は、無
毒性であるが所望の効果をもたらすのに十分である該ペプチドの量を意味する。例えば、
1つの望ましい効果は、例えば、正常レベルに近くなる血中グルコースレベルの変化によ
り測定される高血糖の予防または治療、あるいは、例えば、体重の減少により測定される
体重減少の誘導/体重増加の予防、あるいは体重増加の予防または低減、あるいは体脂肪
分布の正常化であろう。「有効」である量は、個体の年齢および全身状態、投与方法など
に応じて、対象(被験者)によって変動するであろう。したがって、厳密な「有効量」を
特定することは常に可能なわけではない。しかし、いずれかの個々の場合における適当な
「有効」量は、通常の実験を用いて、当業者により決定されうる。
【0058】
「非経口」なる語は、消化管経由ではなく、何らかの他の経路、例えば皮下、筋肉内、
脊髄内または静脈内を意味する。
【0059】
本明細書中で用いる「ペプチド」なる語は、3個以上のアミノ酸、典型的には100個
未満のアミノ酸の鎖を含み、ここで、該アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸もしくはコ
ード化アミノ酸、または天然に存在しないアミノ酸もしくは非コード化アミノ酸である。
天然に存在しないアミノ酸は、インビボで天然に存在しないが、それでも本明細書に記載
されているペプチド構造内に組込まれうるアミノ酸を意味する。本明細書中で用いる「非
コード化」は、以下の20アミノ酸のいずれかのL-異性体ではないアミノ酸に関するも
のである:Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、Gly、His、Ile、Lys
、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、Ser、Thr、Val、Trp
、Tyr。本明細書中で用いる「コード化」は、以下の20アミノ酸のいずれかのL-異
性体であるアミノ酸に関するものである:Ala、Cys、Asp、Glu、Phe、G
ly、His、Ile、Lys、Leu、Met、Asn、Pro、Gln、Arg、S
er、Thr、Val、Trp、Tyr。幾つかの実施形態においては、本明細書に記載
されているペプチドおよび変異体ペプチドは配列番号1(これは29アミノ酸長である)
とほぼ同じ長さであり、例えば、25~35アミノ酸長である。典型的な長さには、29
、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、
43、44、45、46、47、48、49または50アミノ酸長が含まれる。該用語は
更に、1以上のアミノ酸がリンカーを介して第2の分子に結合しているペプチドを含む。
【0060】
アミノ酸「修飾」は、1つのアミノ酸の挿入、欠失または別のアミノ酸での置換を意味
する。幾つかの実施形態においては、アミノ酸の置換または置き換えは保存的アミノ酸置
換であり、例えば、2、5、7、10、11、12、13、14、16、17、18、1
9、20、21、24、27、28または29位の1以上におけるアミノ酸の保存的置換
である。本明細書中で用いる「保存的アミノ酸置換」は、1つのアミノ酸が、類似特性(
例えば、サイズ、電荷、疎水性、親水性および/または芳香性)を有する別のアミノ酸置
換で置換されることであり、以下の5つの群の1つにおける置換を含む:
I.無極性または弱い極性の小さな脂肪族残基:Ala、Ser、Thr、Pro、Gl
y;
II.極性負荷電残基ならびにそれらのアミドおよびエステル:Asp、Asn、Glu
、Gln、システイン酸およびホモシステイン酸;
III.極性正荷電残基:His、Arg、Lys;オルニチン(Orn);
IV.大きな脂肪族無極性残基:Met、Leu、Ile、Val、Cys、ノルロイシ
ン(Nle)、ホモシステイン;
V.大きな芳香族残基:Phe、Tyr、Trp、アセチルフェニルアラニン。
【0061】
幾つかの実施形態においては、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換ではなく、例えば、
非保存的アミノ酸置換である。
【0062】
本明細書中で用いる「荷電アミノ酸」または「荷電残基」なる語は、生理的pHの水溶
液中で負に荷電した(すなわち、脱プロトン化した)または正に荷電した(すなわち、プ
ロトン化した)側鎖を含むアミノ酸を意味する。例えば、負荷電アミノ酸には、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸、システイン酸、ホモシステイン酸およびホモグルタミン酸が含ま
れ、正荷電アミノ酸には、アルギニン、リジンおよびヒスチジンが含まれる。荷電アミノ
酸には、20種のコード化アミノ酸および非典型または天然に存在しないまたは非コード
化アミノ酸のなかの荷電アミノ酸が含まれる。
【0063】
本明細書中で用いる「酸性アミノ酸」なる語は、(アミノ酸のカルボン酸以外の)第2
の酸部分(例えば、カルボン酸またはスルホン酸基を含む)を含むアミノ酸を意味する。
【0064】
本明細書中で用いる「アシル化アミノ酸」なる語は、それが産生される手段(例えば、
ペプチド内にアミノ酸を取り込む前のアシル化、またはペプチド内への取り込みの後のア
シル化)には無関係に、天然に存在するアミノ酸にとって非天然であるアシル基を含むア
ミノ酸を意味する。
【0065】
本明細書中で用いる「アルキル化アミノ酸」なる語は、それが産生される手段には無関
係に、天然に存在するアミノ酸にとって非天然であるアルキル基を含むアミノ酸を意味す
る。したがって、本開示のアシル化アミノ酸およびアルキル化アミノ酸は非コード化アミ
ノ酸である。
【0066】
本明細書中で用いる、第2受容体と比較した場合の第1受容体に対する或る分子の「選
択性」なる語は、以下の比、すなわち、第1受容体における該分子のEC50で割り算さ
れた第2受容体における該分子のEC50を意味する。例えば、第1受容体における1n
MのEC50および第2受容体における100nMのEC50を有する分子は、第2受容
体と比較した場合の第1受容体に対する100倍の選択性を有する。
【0067】
本明細書中で用いる、ある分子の「グルカゴン効力」または「天然グルカゴンと比較し
た場合の効力」は、グルカゴン受容体における天然グルカゴンのEC50により割り算さ
れたグルカゴン受容体における該分子のEC50の逆比を意味する。
【0068】
本明細書中で用いる、ある分子の「GLP-1効力」または「天然GLP-1と比較し
た場合の効力」または、GLP-1受容体における天然GLP-1のEC50により割り
算されたGLP-1受容体における該分子のEC50の逆比を意味する。
【0069】
発明の詳細な説明
本発明は、GLP-1受容体(GLP-1)およびグルカゴン(GCG)受容体におけ
る活性を示し、延長した血清半減期を含む長時間作用プロファイルを有するグルカゴン類
似体を提供する。これらのGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、少なくと
も1日、2日、3日、4日、5日、6日または7日の血清半減期を有しうる。
【0070】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、(i)該ペプチドのジペプチジル
ペプチダーゼIV(DPPIV)分解に対する耐性を付与する、該ペプチドの2位でのア
ミノ酸置換、(ii)脂肪二酸に結合している20、21、24もしくは28位のリジン
(Lys)、または脂肪二酸に結合している10、20、21、24もしくは28位のp
-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)、または、脂肪二酸に結合している2
0位のノルロイシン(Nle)、ならびに、(iii)グルカゴン受容体と比較した場合
のGLP-1受容体におけるGCG/GLP-1コアゴニストペプチドの相対的活性を制
御しうるあるいは生物物理学的安定性および/または水溶性の増加をGCG/GLP-1
コアゴニストペプチドにもたらしうる、1、2、3、4、5個またはそれ以上のアミノ酸
置換および/または付加を含む。
【0071】
本発明の特定の態様においては、(i)GLP-1受容体と比較してGCG受容体にお
いてより高い活性を有するGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド、(ii)両
方の受容体においてほぼ同等の活性を有するGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプ
チド、および、(iii)グルカゴン受容体と比較して、GLP-1受容体においてより
高い活性を有するGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0072】
本明細書に開示されているGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、代謝疾
患または障害の治療に有用である。そのような代謝疾患または障害には、糖尿病(例えば
、1型糖尿病、2型糖尿病または妊娠糖尿病)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD
)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および肥満が含まれるが、これらに限定され
るものではない。特定の実施形態において、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプ
チドは、前記代謝障害の1以上の同時治療に有用でありうる。
【0073】
1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728TX30-NH(配列番号105)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-
L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ
酸が脂肪二酸(fatty diacid)に結合しているLysである場合には、脂肪
酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)であ
る、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;X
は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合
しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合して
いるLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェ
ニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂
肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、
Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27
は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルフ
ァ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪
二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまた
はL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは
脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに
結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0074】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728TX30-NH(配列番号123)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、AspまたはGluである;X
は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、
脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;
20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合
しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-
フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln
、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25
は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X
27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはア
ルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または
脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeu
またはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDま
たは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gl
uに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。この実施形態の1つ
のクラスにおいては、XはAspまたはGluである。この実施形態のもう1つのクラ
スにおいては、XはAspである。
【0075】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728T-NH(配列番号106)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-
L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ
酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合しているLysまたは
p-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはTyrである;X
は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二酸に結合している
Lys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle
)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結
合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF
)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、
または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル
-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Metスルホンまたは
ロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、ま
たはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFであ
る;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0076】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728T-NH(配列番号124)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、AspまたはGluである;X
は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、
脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)
である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;
20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合
しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-
フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln
、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25
は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X
27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはア
ルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または
脂肪二酸に結合しているpAFである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。この実施形態の1つ
のクラスにおいては、XはAspまたはGluである。この実施形態のもう1つのクラ
スにおいては、XはAspである。
【0077】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX
2728T-NH(配列番号107)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;Xは、Aspまたはア
ルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位また
は24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合して
いるLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、またはT
yrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二
酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノル
ロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysま
たは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン
(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;X24は、Gln、脂肪二酸に結合
しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたは
アルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Me
tスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、L
ys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合し
ているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまたはL-Met
-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは脂肪二酸に結
合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに結合している
Lysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0078】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFTSX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425
2728T-NH(配列番号125)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;Xは、AspまたはG
luである;X10は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLys
である場合には、脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルア
ラニン(pAF)である、またはTyrである;X16は、aib、Ala、Serまた
はGluである;X20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp
AF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21
、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルフ
ァ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-MDである;
24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpA
Fである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-
MW)である;X27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu
、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合してい
るLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか
、X27がLeuまたはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、
アルファ-MDまたは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端にお
いてガンマ-Gluに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。この実施形態の1つ
のクラスにおいては、XはAspまたはGluである。この実施形態のもう1つのクラ
スにおいては、XはAspである。
【0079】
もう1つの実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、
TP565、TP579、TP583、TP584、TP578、TP580、TP58
1、TP582、TP588、TP589、TP590、TP592、TP594、TP
576、TP577、TP586、TP587、TP591、TP593、TP595、
TP596、TP599、TP600、TP601、TP602、TP603、TP60
5、TP606、TP607、TP610、TP611、TP612、TP613、TP
614、TP615、TP616、TP617、TP618、TP619、TP620、
TP621、TP622、TP623、TP624、TP625、TP626、TP62
7、TP629、TP631、TP632、TP633、TP634、TP635、TP
636、TP637、TP638、TP639、TP657、TP658、TP659、
TP660、TP661、TP662、TP663、TP664、TP665、TP66
6、TP667、TP672、TP673、TP674、TP675、TP676、TP
677、TP678、TP679、TP680、TP681、TP682、TP683、
TP685、TP693、TP699、TP700、TP701、TP702、TP70
3、TP704、TP705、TP712、TP713、TP735、TP736、TP
737、TP811、TP812、TP813、TP814、TP815、TP825、
TP826、TP827およびTP828またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは
対イオンからなる群から選択される。
【0080】
もう1つの実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、
TP565、TP579、TP583、TP584、TP578、TP580、TP58
1、TP582、TP588、TP589、TP590、TP592、TP594、TP
576、TP577、TP586、TP587、TP591、TP593、TP595、
TP596、TP599、TP600、TP601、TP602、TP603、TP60
5、TP606、TP607、TP610、TP611、TP612、TP613、TP
614、TP615、TP616、TP617、TP618、TP619、TP620、
TP621、TP622、TP623、TP624、TP625、TP626、TP62
7、TP629、TP631、TP632、TP633、TP634、TP635、TP
636、TP637、TP638、TP639、TP657、TP658、TP659、
TP660、TP661、TP662、TP663、TP664、TP665、TP66
6、TP667、TP672、TP673、TP674、TP675、TP676、TP
677、TP678、TP679、TP680、TP681、TP682、TP683、
TP685、TP693、TP700、TP701、TP702、TP704、TP70
5、TP712、TP713、TP735、TP736、TP737、TP811、TP
812、TP813、TP814、TP815、TP825、TP826、TP827お
よびTP828またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは対イオンからなる群から選
択される。
【0081】
もう1つの実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、
TP699およびTP703またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンからなる
群から選択される。
【0082】
もう1つの実施形態においては、本発明は、式
HXQGTFXSX10SX121314151617AX19
2122232425LX272829(配列番号108)
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオン
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メ
チル-L-セリン(αMS)である;Xは、Thr、PheまたはLeuである;X
は、AspまたはGluである;X10は、Tyr、脂肪酸に結合しているノルロイシン
(Nle)、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF
)、脂肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位のアミノ酸は
、脂肪二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-アミノメチ
ル-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二
酸に結合しているLysである)である;X12は、LysまたはGluである;X13
は、Tyr、LeuまたはLysである;X14は、LeuまたはAspである;X15
は、Asp、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD)またはアルファ
-アミノイソ酪酸(aib)である;X16は、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、
Ala、Glu、Ser、ArgまたはLysである;X17は、Arg、Lys、Le
uまたはAlaである;X19は、AlaまたはGlnである;X20は、Gln、Ly
s、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フ
ェニルアラニン(pAF)、または脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)であ
る;X21は、Asp、Phe、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αM
D)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X
22は、Phe、Valまたはアルファ-メチル-L-フェニルアラニン(αMF)であ
る;X23は、ValまたはGlnである;X24は、Gln、Glu、脂肪二酸に結合
しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたは
アルファ-メチル-L-トリプトファン(αMW)である;X27は、L-メチオニンス
ルホン(2)またはLeuである;X28は、Asp、アルファ-メチル-L-アスパラ
ギン酸(αMD)、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、Ala、Lys、Gln、G
lu、γ-グルタミン酸(γE)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結
合しているpAFである;X29は、Thr-OH、Thr-NHまたはThr(Ly
s-γ-グルタミン酸)NHである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX
の1つまたは2つのみが脂肪二酸に結合している]
を含むGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを提供する。
【0083】
1つの実施形態においては、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X
、X24またはX28の1つは脂肪二酸に結合している。もう1つの実施形態において
は、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX28
2つは、脂肪二酸に結合している。
【0084】
もう1つの実施形態においては、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、また
はアルファ-メチル-L-セリン(αMS)である。もう1つの実施形態においては、X
はアルファ-アミノイソ酪酸(aib)である。もう1つの実施形態においては、X
はアルファ-メチル-L-セリン(αMS)である。もう1つの実施形態においては、X
はD-Serである。
【0085】
もう1つの実施形態においては、XはThrである。もう1つの実施形態においては
、XはPheである。もう1つの実施形態においては、XはLeuである。
【0086】
もう1つの実施形態においては、XはAspである。もう1つの実施形態においては
、XはGluである。
【0087】
もう1つの実施形態においては、X10は、脂肪酸に結合しているノルロイシン(Nl
e)、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)、脂
肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位のアミノ酸は、脂肪
二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-アミノメチル-L
-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二酸に結
合しているLysである)である。もう1つの実施形態においては、X10は、脂肪酸に
結合しているノルロイシン(Nle)、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-
フェニルアラニン(pAF)、脂肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位
または24位のアミノ酸は、脂肪二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結
合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、2
4位のアミノ酸は、脂肪二酸に結合しているLysである)である。もう1つの実施形態
においては、X10は、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニ
ン(pAF)、脂肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位の
アミノ酸は、脂肪二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-
アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸
は、脂肪二酸に結合しているLysである)である。もう1つの実施形態においては、X
10は、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)で
ある。もう1つの実施形態においては、X10は、脂肪酸に結合しているp-アミノメチ
ル-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二
酸に結合しているLysである)である。もう1つの実施形態においては、X10は、脂
肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位のアミノ酸は、脂肪
二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-アミノメチル-L
-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二酸に結
合しているLysである)である。もう1つの実施形態においては、X10はTyrであ
る。
【0088】
もう1つの実施形態においては、X12はLysである。もう1つの実施形態において
は、X12はGluである。
【0089】
もう1つの実施形態においては、X13はTyrまたはLeuである。もう1つの実施
形態においては、X13はTyrである。もう1つの実施形態においては、X13はLe
uである。もう1つの実施形態においては、X13はLysである。
【0090】
もう1つの実施形態においては、X14はLeuである。もう1つの実施形態において
は、X14はAspである。
【0091】
もう1つの実施形態においては、X15はAspである。もう1つの実施形態において
は、X15はGluである。もう1つの実施形態においては、X15は□MDである。も
う1つの実施形態においては、X15はアルファ-アミノイソ酪酸(aib)である。
【0092】
もう1つの実施形態においては、X16は、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)また
はAlaである。もう1つの実施形態においては、X16はアルファ-アミノイソ酪酸(
aib)である。もう1つの実施形態においては、X16はAlaである。もう1つの実
施形態においては、X16はGluである。もう1つの実施形態においては、X16はS
erである。もう1つの実施形態においては、X16はArgである。もう1つの実施形
態においては、X16はLysである。
【0093】
もう1つの実施形態においては、X17はArgである。もう1つの実施形態において
は、X17はLysである。もう1つの実施形態においては、X17はLeuである。も
う1つの実施形態においては、X17はAlaである。
【0094】
もう1つの実施形態においては、X19はAlaである。もう1つの実施形態において
は、X19はGlnである。
【0095】
もう1つの実施形態においては、X20は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、
または脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)である。もう1つの実施形態にお
いては、X20はGlnである。もう1つの実施形態においては、X20はLysである
。もう1つの実施形態においては、X20は、脂肪二酸に結合しているpAFである。も
う1つの実施形態においては、X20は、脂肪二酸に結合しているLysである。もう1
つの実施形態においては、X20は、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)で
ある。
【0096】
もう1つの実施形態においては、X21は、Asp、Glu、脂肪二酸に結合している
Lys、または脂肪二酸に結合しているpAFである。もう1つの実施形態においては、
21はAspである。もう1つの実施形態においては、X21はGluである。もう1
つの実施形態においては、X21はPheである。もう1つの実施形態においては、X
は□MDである。もう1つの実施形態においては、X21は、脂肪二酸に結合している
Lysである。もう1つの実施形態においては、X21は、脂肪二酸に結合しているpA
Fである。
【0097】
もう1つの実施形態においては、X22はPheである。もう1つの実施形態において
は、X22は□MFである。もう1つの実施形態においては、X22はValである。
【0098】
もう1つの実施形態においては、X23はValである。もう1つの実施形態において
は、X23はGlnである。
【0099】
もう1つの実施形態においては、X24はGlnである。もう1つの実施形態において
は、X24は、脂肪二酸に結合しているLysである。もう1つの実施形態においては、
24は、K(PEGPEGγEC18-OH)である。もう1つの実施形態におい
ては、X24は、脂肪二酸に結合しているpAFである。もう1つの実施形態においては
、X24はGluである。
【0100】
もう1つの実施形態においては、X25はTrpである。もう1つの実施形態において
は、X25はアルファ-メチル-L-トリプトファン(αMW)である。
【0101】
もう1つの実施形態においては、X27はL-メチオニンスルホン(2)である。もう
1つの実施形態においては、X27はLeuである。
【0102】
もう1つの実施形態においては、X28は、Asp、アルファ-メチル-L-アスパラ
ギン酸(αMD)、Glu、または脂肪二酸に結合しているpAFである。もう1つの実
施形態においては、X28はAspである。もう1つの実施形態においては、X28は、
アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD)である。もう1つの実施形態において
は、X28はGluである。もう1つの実施形態においては、X28は、脂肪二酸に結合
しているpAFである。
【0103】
もう1つの実施形態においては、X28は、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、A
la、Lys、□-Glu、または脂肪二酸に結合しているLysである。もう1つの実
施形態においては、X28はアルファ-アミノイソ酪酸(aib)である。もう1つの実
施形態においては、X28はAlaである。もう1つの実施形態においては、X28はL
ysである。もう1つの実施形態においては、X28は□-Gluである。もう1つの実
施形態においては、X28は、脂肪二酸に結合しているLysである。
【0104】
もう1つの実施形態においては、X29はThr-OHである。もう1つの実施形態に
おいては、X29はThr-NHである。もう1つの実施形態においては、X29はT
hr(Lys-γ-グルタミン酸)NHである。もう1つの実施形態においては、X
は、Thr-OHまたはThr-NHである。もう1つの実施形態においては、X
は、Thr-OHまたはThr(Lys-γ-グルタミン酸)NH2である。
【0105】
もう1つの実施形態においては、X29は、Thr-NHまたはThr(Lys-γ
-グルタミン酸)NHである。
【0106】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、C16、C18またはC20脂肪二酸を
含む。
【0107】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、ガンマ-Gluリンカーを介してLys
またはpAFに結合している。
【0108】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、ガンマ-Gluリンカー、PEGガン
マ-Gluリンカー、PEGガンマ-Gluリンカー、PEGPEG-ガンマ-G
luリンカー、PEGPEGPEGガンマ-Gluリンカーを介してLysまたは
pAFに結合しており、ここで、PEGは、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸
であり、PEGは、1-ヒドロキシ-3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタデ
カン-18-酸である。
【0109】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、PEGガンマ-Gluリンカー、PE
ガンマ-Gluリンカー、PEGPEG-ガンマ-Gluリンカー、PEG
EGPEGガンマ-Gluリンカーを介してLysに結合しており、ここで、PEG
は、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸であり、PEGは、1-ヒドロキシ-
3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタデカン-18-酸である。
【0110】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、ガンマ-Gluリンカー、PEGガン
マ-Gluリンカー、PEGPEG-ガンマ-Gluリンカー、PEGPEG
EGガンマ-Gluリンカーを介してpAFに結合しており、ここで、PEGは、8
-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸であり、PEGは、1-ヒドロキシ-3,6,
9,12,15-ペンタオキサオクタデカン-18-酸である。
【0111】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、PEGガンマ-Gluリンカー、PE
PEG-ガンマ-GluリンカーまたはPEGPEGPEGガンマ-Glu
リンカーを介してLysまたはpAFに結合しており、ここで、PEGは、8-アミノ
-3,6-ジオキサオクタン酸であり、PEGは、1-ヒドロキシ-3,6,9,12
,15-ペンタオキサオクタデカン-18-酸である。
【0112】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、PEGガンマ-Gluリンカー、PE
PEG-ガンマ-GluリンカーまたはPEGPEGPEGガンマ-Glu
リンカーを介してLysに結合しており、ここで、PEGは、8-アミノ-3,6-ジ
オキサオクタン酸であり、PEGは、1-ヒドロキシ-3,6,9,12,15-ペン
タオキサオクタデカン-18-酸である。
【0113】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、PEGPEG-ガンマ-Gluリン
カーを介してpAFに結合しており、ここで、PEGは、8-アミノ-3,6-ジオキ
サオクタン酸である。
【0114】
もう1つの実施形態においては、脂肪酸はC16脂肪酸を含む。
【0115】
もう1つの実施形態においては、脂肪酸は、ガンマ-Glu-ガンマ-Gluリンカー
を介してLysまたはpAFに結合している。
【0116】
もう1つの実施形態においては、脂肪酸は、ガンマ-Gluリンカーを介してLysま
たはpAFに結合している。
【0117】
もう1つの実施形態においては、脂肪酸は、C18脂肪二酸を含む。
【0118】
もう1つの実施形態においては、脂肪二酸は、トリアゾールPegPeg-ガンマ
-Gluリンカーを介してノルロイシン(Nle)に結合している。
【0119】
もう1つの実施形態においては、脂肪酸は、C15またはC16脂肪酸を含む。
【0120】
もう1つの実施形態においては、脂肪酸は、トリアゾールリンカー、トリアゾールガン
マ-Gluリンカーまたはトリアゾール-Cアルキル-Lysリンカーを介してノルロ
イシン(Nle)に結合している。
【0121】
もう1つの実施形態においては、各コアゴニストペプチドに関し、X10、X20、X
21、X24またはX28の1つまたは2つが脂肪二酸に結合しており、WO20170
74798の表1に開示されているペプチドを除く。
【0122】
もう1つの実施形態においては、各コアゴニストペプチドに関し、X10、X20、X
21、X24またはX28の2つが脂肪二酸に結合しており、WO2017074798
の表1に開示されているペプチドを除く。
【0123】
もう1つの実施形態においては、各コアゴニストペプチドに関し、X10、X20、X
21、X24またはX28の1つのみが脂肪二酸に結合しており、WO20170747
98の表1に開示されているペプチドを除く。
【0124】
もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニ
ストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP564
、TP565、TP579、TP583、TP584、TP575、TP578、TP5
80、TP581、TP582、TP585、TP588、TP589、TP590、T
P592、TP594、TP576、TP577、TP586、TP587、TP591
、TP593、TP595、TP596、TP597、TP598、TP599、TP6
00、TP601、TP602、TP603、TP604、TP605、TP443、T
P606、TP607、TP608、TP609、TP610、TP611、TP612
、TP613、TP614、TP615、TP616、TP617、TP618、TP6
19、TP620、TP621、TP622、TP623、TP624、TP625、T
P626、TP627、TP628、TP629、TP630、TP631、TP632
、TP633、TP635、TP636、TP637、TP638、TP639、TP6
40、TP657、TP658、TP659、TP660、TP661、TP662、T
P663、TP664、TP665、TP666、TP667、TP672、TP673
、TP674、TP675、TP676、TP677、TP678、TP679、TP6
80、TP681、TP682、TP683、TP685、TP693、TP699、T
P700、TP701、TP702、TP703、TP704、TP705、TP712
、TP713、TP735、TP736、TP737、TP811、TP812、TP8
13、TP814、TP815、TP825、TP826、TP827、TP828、T
P829、TP830およびTP831またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは対
イオンからなる群から選択される。
【0125】
もう1つの実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、
TP699およびTP703またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは対イオンから
なる群から選択される。
【0126】
もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニ
ストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP575
、TP597、TP604、TP608、TP609、TP615、TP617、TP6
30、TP640、TP672、TP676、TP680、TP704、TP712およ
びTP813またはそれらの薬学的に許容される塩もしくは対イオンからなる群から選択
される。
【0127】
もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニ
ストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP575
またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの実施形態において
は、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG
/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP597またはその薬学的に許容される
塩もしくは対イオンである。もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/
GLP-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニス
トペプチドは、TP604またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。も
う1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニスト
ペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP608また
はその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの実施形態においては、
請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/G
LP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP609またはその薬学的に許容される塩も
しくは対イオンである。もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペ
プチドは、TP615またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1
つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプ
チドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP617またはそ
の薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの実施形態においては、請求
項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP
-1受容体コアゴニストペプチドは、TP630またはその薬学的に許容される塩もしく
は対イオンである。もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-
1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチ
ドは、TP640またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの
実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド
において、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP672またはその薬
学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの実施形態においては、請求項1
に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1
受容体コアゴニストペプチドは、TP676またはその薬学的に許容される塩もしくは対
イオンである。もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受
容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは
、TP680またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの実施
形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドにお
いて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、TP704またはその薬学的
に許容される塩もしくは対イオンである。もう1つの実施形態においては、請求項1に記
載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容
体コアゴニストペプチドは、TP712またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオ
ンである。もう1つの実施形態においては、請求項1に記載のGCG/GLP-1受容体
コアゴニストペプチドにおいて、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、T
P813またはその薬学的に許容される塩もしくは対イオンである。
【0128】
配列番号105、106、107、108、123、124および125により表され
る前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、WO2017074798の
表1に開示されているペプチドを除く。
【0129】
特定の態様においては、脂肪二酸はC14、C15、C16、C17、C18、C19
またはC20脂肪二酸を含む。もう1つの態様においては、脂肪二酸は、C16またはC
18脂肪二酸を含む。
【0130】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、ガンマ-
Glu、ガンマ-Gluリンカーを介してLysまたはpAFに結合している脂肪二酸を
含む。
【0131】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、PEG
PEG-ガンマ-Gluリンカーを介してLysまたはpAFに結合している脂肪二酸
を含み、ここで、PEGは、8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸である。
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFを、X10において含む。
【0132】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、C16脂
肪酸に結合しているLysと、脂肪二酸に結合している20位または24位のLysとを
、X10において含む。
【0133】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X20において含む。
【0134】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X21において含む。
【0135】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X24において含む。
【0136】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、脂肪二酸
に結合しているpAFまたは脂肪二酸に結合しているLysを、X28において含む。
【0137】
本発明の範囲内の例示的なGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを表1に開
示する。
【表1】
【0138】
リンカーがPEGPEGγEであり、脂肪酸成分がC18-OHを含むNle(1
,2,3-トリアゾール-5-PEGPEGγEC18-OH)の構造は、(ペプチ
ド配列番号91):
【化1】
【0139】
により表される。
【0140】
本発明のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、14~20個のメチレン
基の脂肪族鎖を含むα,ω-ジカルボン酸(脂肪二酸)に結合しており、ここで、該分子
の一端は近位末端であり、他方の末端は遠位末端であり、ここで、近位末端および遠位末
端は、共にカルボキシル(COOH)基を有する。脂肪二酸は、構造HOC(CH
COHにより表されることが可能であり、ここで、nは、11、12、13、14、
15、16、17または18である。脂肪二酸には、それぞれ脂肪二酸であるテトラデカ
ン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸およ
びエイコサン二酸が含まれるが、これらに限定されるものではない。前記脂肪二酸は以下
の構造を有する。
【化2】
【0141】
特定の態様においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは更に、該ペ
プチドの10位において脂肪酸に結合している。脂肪酸は構造HOC(CHによ
り表されることが可能であり、ここで、nは、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19または20である。脂肪酸は以下の構造の1つを有しうる。
【化3】
【0142】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドの成分として、脂肪二酸の近位末端に
おける酸官能基は、C(O)-NH結合のリンカーのアミノ基に結合しており、脂肪二酸
の遠位末端における酸官能基は、遊離カルボキシル基(COOH)である。遠位末端にお
けるCOOH基は、血清中の脂肪酸の公知担体である血清アルブミンにそれが非共有結合
しうることによりより長い半減期をコアゴニストペプチドにもたらすのに役立つ。COO
H基は作用持続時間を延長させるが、というのも、より低い効率で血清アルブミンに結合
して血清アルブミンとのより不安定な非共有結合相互作用を形成する脂肪酸を使用してア
シル化されたGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドよりも、それは血清アルブ
ミンとのより良好な非共有結合相互作用をもたらすからである。脂肪二酸が連結部分に結
合している場合、それは、その後、脂肪酸成分と称される。
【0143】
リンカーは、構造
【化4】
【0144】
を有する、ガンマ-グルタミン酸(ガンマ-Glu、γGluまたはγE)に連結された
PEG(8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸)であることが可能であり、あるい
は、リンカーは、構造
【化5】
【0145】
を有するガンマ-グルタミン酸-ガンマグルタミン酸(ガンマ-Glu-ガンマ-Glu
またはγGlu-γGluまたはγEγE)であることが可能である。
【0146】
リンカーはまた、構造
【化6】
【0147】
を有する、ガンマ-グルタミン酸(ガンマ-Glu、γGluまたはγE)に連結された
Peg(1-ヒドロキシ-3,6,9,12,15-ペンタオキサオクタデカン-18
-酸)でありうる。
【0148】
リンカーがPEGPEGγEであり、脂肪酸成分がC14、C16、C17、C1
8、C19またはC20を含む、K(PEGPEGγE-脂肪酸)の構造は、
【化7】
【0149】
により表され、ここで、nは、それぞれ、7、9、10、11、12、13または14で
あり、波線は、コアゴニストペプチド配列における隣接アミノ酸間の結合を表す。
【0150】
リンカーがPEGPEGγEであり、脂肪酸成分がC14、C16、C17、C1
8、C19またはC20を含む、pAF(PEGPEGγE-脂肪酸)の構造は、
【化8】
【0151】
により表され、ここで、nは、それぞれ、7、9、10、11、12、13または14で
あり、波線は、コアゴニストペプチド配列における隣接アミノ酸間の結合を表す。
【0152】
リンカーがγEγEであり、脂肪酸成分がC14、C16、C17、C18、C19ま
たはC20を含む、K(γEγE-脂肪酸)の構造は、
【化9】
【0153】
により表され、ここで、nは、それぞれ、7、9、10、11、12、13または14で
あり、波線は、コアゴニストペプチド配列における隣接アミノ酸間の結合を表す。
【0154】
コアゴニストペプチドの30位におけるKγEの構造は、
【化10】
【0155】
により表され、ここで、波線は、コアゴニストペプチド配列における隣接アミノ酸間の結
合を表し、Xは、OHまたはNHである。
【0156】
本明細書に開示されているGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、GLP
-1受容体において、天然GLP-1と比較して少なくとも約1%(少なくとも約1.5
%、2%、5%、7%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、75%、1
00%、125%、150%、175%を含む)~約200%以上のいずれかの活性を、
そして、グルカゴン受容体において、天然グルカゴンと比較して少なくとも約1%(約1
.5%、2%、5%、7%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、75%
、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%
、400%、450%を含む)~約500%以上の活性を有しうる。
【0157】
幾つかの実施形態においては、本明細書に記載されているGCG/GLP-1受容体コ
アゴニストペプチドは、グルカゴン受容体における天然グルカゴンの活性の約100%、
1000%、10,000%、100,000%または1,000,000%以下を示す
【0158】
幾つかの実施形態においては、本明細書に記載されているGCG/GLP-1受容体コ
アゴニストペプチドはGLP-1受容体における天然GLP-1の活性の約100%、1
000%、10,000%、100,000%または1,000,000%以下を示す。
【0159】
例示的な実施形態においては、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、グ
ルカゴン受容体における天然グルカゴンの活性の少なくとも10%およびGLP-1受容
体における天然GLP-1の活性の少なくとも50%、またはグルカゴン受容体における
天然グルカゴンの活性の少なくとも40%およびGLP-1受容体における天然GLP-
1の活性の少なくとも40%、またはグルカゴン受容体における天然グルカゴンの活性の
少なくとも60%およびGLP-1受容体における天然GLP-1の活性の少なくとも6
0%を示しうる。
【0160】
GLP-1受容体と比較した場合のグルカゴン受容体に対するGCG/GLP-1受容
体ペプチドの選択性は、グルカゴン/GLP-1活性の相対比(天然グルカゴンと比較し
た場合のグルカゴン受容体における該ペプチド類似体の活性を天然GLP-1と比較した
場合のGLP-1受容体における該ペプチドの活性で割り算したもの)として示されうる
。例えば、グルカゴン受容体における天然グルカゴンの活性の60%およびGLP-1受
容体における天然GLP-1の活性の60%を示すGCG/GLP-1受容体コアゴニス
トペプチドは、グルカゴン/GLP-1活性の1:1の比を有する。グルカゴン/GLP
-1活性の例示的な比には、約1:1、1.5:1、2:1、3:1、4:1、5:1、
6:1、7:1、8:1、9:1もしくは10:1、または約1:10、1:9、1:8
、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2もしくは1:1.5が含まれる。一
例としては、10:1のグルカゴン/GLP-1活性の比は、GLP-1受容体と比較し
た場合の、グルカゴン受容体に対する10倍の選択性を示す。同様に、10:1のGLP
-1/グルカゴン活性の比は、グルカゴン受容体と比較した場合の、GLP-1受容体に
対する10倍の選択性を示す。
【0161】
医薬組成物
更に、個体における代謝障害の治療のために、本明細書に開示されているGCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチドの1以上の治療的有効量を含む医薬組成物を提供する
。そのような障害には、肥満、メタボリックシンドロームまたはX症候群、II型糖尿病
、II型糖尿病の合併症、例えば網膜症、高血圧症、脂質異常症、心血管疾患、胆石、骨
関節炎および特定の形態の癌が含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明に
おける肥満関連障害は、肥満に関連している、または肥満により引き起こされる、または
肥満から生じる。
【0162】
「肥満」は、過剰な体脂肪が存在する症状である。肥満の実施上の定義は、身長(メー
トル)の2乗当たりの体重として算出されるボディ・マス・インデックス(BMI)(k
g/m2)に基づいている。「肥満」は、他の点では健康な対象(被験者)が30kg/
m2以上のボディ・マス・インデックス(BMI)を有する症状、または少なくとも1つ
の併存疾患を有する対象が27kg/m2以上のBMIを有する症状を意味する。「肥満
対象」は、30kg/m2以上のボディ・マス・インデックス(BMI)を有し、他の点
では健康な対象、または27kg/m2以上のBMIを有し、少なくとも1つの併存疾患
を有する対象を意味する。「肥満のリスクを有する対象」は、25kg/m2~30kg
/m2未満のBMIを有し、他の点では健康な対象、または25kg/m2~27kg/
m2未満のBMIを有し、少なくとも1つの併存疾患を有する対象を意味する。
【0163】
肥満に関連したリスクの増加は、アジア人においては、より低いボディ・マス・インデ
ックス(BMI)で生じる。日本を含むアジア諸国では、「肥満」は、体重減少を要する
又は体重減少により改善するであろう少なくとも1つの肥満誘発性または肥満関連併存疾
患を有する対象が、25kg/m2以上のBMIを有する症状を意味する。日本を含むア
ジア諸国では、「肥満対象」は、体重減少を要する又は体重減少により改善するであろう
少なくとも1つの肥満誘発性または肥満関連併存疾患を有する、25kg/m2以上のB
MIを有する対象を意味する。アジア諸国では、「肥満のリスクを有する対象」は、23
kg/m2~25kg/m2未満のBMIを有する対象である。
【0164】
本明細書中で用いる「肥満」なる語は、肥満の前記定義の全てを含むと意図される。
【0165】
肥満誘発性または肥満関連併存疾患には、II型糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖異常
、インスリン抵抗性症候群、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、痛風、冠動脈疾患、心筋
梗塞、狭心症、睡眠時無呼吸症候群、ピックウィック症候群、非アルコール性脂肪肝疾患
(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、脂肪肝;脳梗塞、脳血栓症、
一過性脳虚血発作、整形外科的障害、変形性関節炎、腰痛(lumbodynia)、月
経異常および不妊が含まれるが、これらに限定されるものではない。特に、併存疾患には
、高血圧症、高脂血症、脂質異常症、耐糖能異常、心血管疾患、睡眠時無呼吸、糖尿病お
よび他の肥満関連症状が含まれる。
【0166】
(肥満および肥満関連障害の)「治療」は、肥満対象の体重を減少または維持させるた
めの、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドの投与を意味する。1つの治療結
果は、肥満対象の体重が本発明の化合物の投与の直前のその対象の体重と比較して減少す
ることである。もう1つの治療結果は、ダイエット、運動または薬物療法の結果として既
に減少した体重の再増加の予防でありうる。もう1つの治療結果は、肥満関連疾患の発生
および/または重症度の低減でありうる。該治療は、適切には、対象による食物またはカ
ロリー摂取の減少、例えば、総食物摂取の減少、または食事の特定の成分(例えば、炭水
化物または脂肪)の摂取の減少、および/または栄養吸収の抑制、および/または代謝速
度の減少の抑制、および体重減少を要する患者における体重減少をもたらしうる。該治療
はまた、代謝速度の変化、例えば、代謝速度の増加(これは、代謝速度の減少の抑制の代
わりに、またはそれに加えて生じうる)、および/または通常は体重減少から生じる代謝
抵抗性の最小化をもたらしうる。
【0167】
(肥満および肥満関連障害の)「予防」は、肥満のリスクを有する対象の体重を減少ま
たは維持させるための本発明の化合物の投与を意味する。1つの予防結果は、肥満のリス
クを有する対象の体重が本発明の化合物の投与の直前のその対象の体重と比較して減少す
ることである。もう1つの予防結果は、ダイエット、運動または薬物療法の結果として既
に減少した体重の再増加の予防でありうる。もう1つの予防結果は、肥満のリスクを有す
る対象における肥満の発生開始の前に治療投与を行った場合の肥満の発生の予防でありう
る。もう1つの治療結果は、肥満のリスクを有する対象における肥満の発生開始の前に治
療投与を行った場合の肥満関連障害の発生および/または重症度の低減でありうる。更に
、既に肥満である対象において治療を開始した場合、そのような治療は肥満関連障害、例
えば動脈硬化症、II型糖尿病、多嚢胞性卵巣疾患、心血管疾患、変形性関節症、皮膚障
害、高血圧、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症および胆
石症(これらに限定されるものではない)の発生、進行または重症化を予防しうる。
【0168】
本発明における肥満関連障害は、肥満に関連している、または肥満により引き起こされ
る、または肥満から生じる。肥満関連障害の例には、過食および過食症、高血圧、糖尿病
、血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性の上昇、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜
癌、乳癌、前立腺癌および結腸癌、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、
心疾患、異常な心臓リズムおよび不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患
、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリー症候群、フレー
リッヒ症候群、GH欠乏患者、正常変異低身長、ターナー症候群、および代謝活性の低下
または総除脂肪体重の百分率としての安静時エネルギー消費の減少を示す他の病的症状、
例えば、急性リンパ性白血病を有する小児が含まれる。肥満関連障害の他の例としては、
X症候群としても公知であるメタボリック症候群、インスリン抵抗性症候群、性機能およ
び生殖機能不全、例えば不妊症、男性における性腺機能低下症および女性における多毛症
、胃腸運動障害、例えば肥満関連胃食道逆流、呼吸器障害、例えば肥満低換気症候群(ピ
ックウィック症候群)、心血管障害、炎症、例えば血管系の全身性炎症、動脈硬化症、高
コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風および腎臓癌が挙げられる。本
発明の化合物は、肥満の続発的結果のリスクの低減、例えば、左心室肥大のリスクの低減
にも有用である。
【0169】
本明細書中で用いる「糖尿病」なる語は、インスリン依存性糖尿病(IDDM;I型糖
尿病としても公知)およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM;II型糖尿病として
も公知)の両方を含む。I型糖尿病またはインスリン依存性糖尿病は、グルコース利用を
調節するホルモンであるインスリンの絶対的な欠乏により生じる。II型糖尿病またはイ
ンスリン非依存性糖尿病(すなわち、非インスリン依存性糖尿病)は、しばしばインスリ
ンレベルが正常である又は更には上昇している場合にも生じ、インスリンに組織が適切に
応答し得ない結果であるらしい。II型糖尿病患者のほとんども肥満である。GCG/G
LP-1受容体コアゴニストペプチドは、I型糖尿病およびII型糖尿病の両方を治療す
るのに有用である。GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、特にII型糖尿
病の治療に有効である。GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、妊娠糖尿病
の治療および/または予防にも有用である。
【0170】
米国特許第6,852,690号(その全体を参照により本明細書に組み入れることと
する)は、栄養的有効量の1以上の栄養素またはそれらのいずれかの組合せと1以上のイ
ンスリン分泌性ペプチドとを含む製剤を非糖尿病患者に投与することを含む、栄養素の代
謝を増強するための方法を開示している。本明細書に開示されているGCG/GLP-1
受容体コアゴニストペプチドはインスリン分泌性であり、グルコース代謝障害、例えばイ
ンスリン抵抗性を示すが明白な糖尿病を有さない患者、および何らかの理由により消化管
経由で栄養を摂取できない患者に投与されうる。そのような患者には、手術患者、昏睡症
状の患者、ショック症状の患者、消化器疾患を有する患者、消化ホルモン疾患を有する患
者などが含まれる。特に、肥満患者、アテローム性動脈硬化症患者、血管疾患患者、妊娠
糖尿病を有する患者、肝疾患、例えば肝硬変を有する患者、末端肥大症を有する患者、グ
ルココルチコイド過剰、例えばコルチゾール処置またはクッシング病を有する患者、外傷
、事故および手術などの後で生じる活性化対抗制御的ホルモンを有する患者、高トリグリ
セリド血症を有する患者、ならびに慢性膵炎を有する患者は、本発明に従い患者を低血糖
または高血糖にさらすことなく容易かつ適切に栄養供給されうる。特に、そのような患者
への投与は、約160~180ミリグラム/デシリットル(血中グルコース)のいわゆる
腎閾値未満に患者の血漿グルコースを維持しつつ、栄養およびカロリー必要物を可能な限
り迅速に患者に運搬するように治療を行うことを目的としている。腎閾値をぎりぎり下回
るグルコースレベルを有さない正常患者も前記のとおりに本発明に従い治療されうるが、
グルコース代謝異常を有する患者、例えば腎閾値をぎりぎり上回る血漿グルコースレベル
を有する高血糖患者も、それらの症状に適した療法が受けられる。特に、断続的な間隔で
腎閾値未満の高血糖値を有するそのような患者は、以下のレジメンのいずれかによるイン
スリン分泌性ペプチドと栄養素との併用療法を受けることが可能である。そのような高血
糖に罹患していない正常患者も、本明細書に開示されているGCG/GLP-1受容体コ
アゴニストペプチドを使用して治療されうる。
【0171】
本明細書に開示されているGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、薬学的
に許容される担体と組合された場合、医薬組成物において使用されうる。そのような組成
物は、本明細書に開示されている1以上のコアゴニストペプチドの治療的有効量と薬学的
に許容される担体とを含む。そのような組成物は(本明細書に開示されているコアゴニス
トペプチドおよび担体に加えて)希釈剤、充填剤、塩、バッファー、安定剤、可溶化剤、
および当技術分野でよく知られた他の物質をも含みうる。本明細書に開示されているコア
ゴニストペプチドを含む組成物は、塩が薬学的に許容されるものである限り、所望により
塩の形態で投与されうる。塩は、合成有機化学の分野の当業者に公知の標準的な方法を用
いて製造されうる。
【0172】
「個体」なる語はヒトおよび伴侶動物または家畜、例えばイヌ、ネコ、ウマなどを含む
と意図される。したがって、本明細書に開示されている化合物を含む組成物は、ネコおよ
びイヌにおける肥満および肥満関連障害を治療または予防するのにも有用である。したが
って、「哺乳動物」は、伴侶動物、例えばイヌおよびネコを含む。
【0173】
薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無毒性塩基または酸、例えば無機または
有機塩基および無機または有機酸から製造されうる。無機塩基に由来する塩には、アルミ
ニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第
二マンガン塩、マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛塩などが含まれる。特に好ましい
のはアンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。薬
学的に許容される有機無毒性塩基に由来する塩には、第一、第二および第三級アミン、置
換アミン、例えば、天然に存在する置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換
樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチ
レンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエ
タノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピ
ペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン
、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、
プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピ
ルアミン、トロメタミンなどの塩が含まれる。「薬学的に許容される塩」なる語は更に、
溶解度または加水分解特性を改変するための剤形として使用されうる、或いは、徐放また
はプロドラッグ製剤において使用されうる全ての許容される塩、例えば、酢酸塩、ラクト
ビオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、重炭酸塩
、マレイン酸塩、重硫酸塩、マンデル酸塩、重酒石酸塩、メシル酸塩、ホウ酸塩、臭化メ
チル、臭化物、メチル硝酸塩、エデト酸カルシウム、メチル硫酸塩、カンシル酸塩、ムカ
ート、炭酸塩、ナプシル酸塩、塩化物、硝酸塩、クラブラン酸塩、N-メチルグルカミン
、クエン酸塩、アンモニウム塩、二塩酸塩、オレイン酸塩、エデト酸塩、シュウ酸塩、エ
ジシル酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、エストラート、パルミチン酸塩、エシラート、
パントテン酸、フマル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、グルセプト酸塩、ポリガラクツロン
酸塩、グルコン酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、ステアリン酸塩、グリコリルアル
サニラート、硫酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、塩基性酢酸塩、ヒドラバミン、コハク酸
塩、臭化水素酸塩、タンニン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、テオク
ル酸塩、ヨウ化物、トシラート、トリフルオロ酢酸塩、イソチオナート、トリエチオジド
、乳酸塩、パノアート、吉草酸塩などを含む。本明細書においては、本明細書に開示され
ているGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドに対する言及は、薬学的に許容さ
れる塩をも含むと意図されると理解されるであろう。本発明はまた、ナトリウム、アセタ
ートおよびトリフルオロアセタート(これらに限定されるものではない)を含む薬学的に
許容される対イオンを含む対イオンを含む。
【0174】
本明細書中で用いる「薬学的に許容される」なる語は、動物、より詳細にはヒトにおけ
る使用に関して米国連邦政府の規制当局により承認されている又は米国薬局方もしくは他
の一般に認められている薬局方に収載されていて、有効成分の生物活性の有効性を阻害し
ない無毒性物質を意味する。「担体」なる語は、治療用物質と共に投与される希釈剤、ア
ジュバント、賦形剤またはビヒクルを意味し、限定的なものではないが水および油のよう
な無菌液体を含む。担体の特性は投与経路に左右される。本明細書に開示されているGC
G/GLP-1受容体コアゴニストペプチドは、多量体(例えば、ヘテロ二量体またはホ
モ二量体)であるか、またはそれ自体もしくは他のペプチドとの複合体でありうる。した
がって、本発明の医薬組成物は、そのような多量体または複合体形態の、本明細書に開示
されている1以上のコアゴニストペプチドを含みうる。
【0175】
本明細書中で用いる「治療的有効量」は、有意義な患者の利益、すなわち、関連する医
学的症状の治療、治癒、予防もしくは軽減、またはそのような症状の治療、治癒、予防も
しくは軽減の率(速度)の増加を示すのに十分な医薬組成物または方法の各有効成分の総
量を意味する。この語は、単独で投与される個々の有効成分に適用される場合には、その
単独の成分を意味する。この語は、組合せに適用される場合には、組合せて又は連続的に
又は同時に投与される場合のいずれであっても治療効果をもたらす有効成分の組合された
量を意味する。
【0176】
医薬組成物は、本明細書に開示されている1以上のコアゴニストペプチド;本明細書に
開示されている1以上のコアゴニストペプチドおよび代謝障害を治療するための1以上の
他の物質を含むことが可能であり、あるいは本明細書に開示されている1以上のコアゴニ
ストペプチドを含む医薬組成物は、代謝障害を治療するための物質を含む医薬組成物と共
に使用されうる。そのような障害には、肥満、メタボリックシンドロームまたはX症候群
、II型糖尿病、糖尿病の合併症、高血圧、脂質異常症、心血管疾患、胆石、骨関節炎お
よび特定の形態の癌が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0177】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを1以上の他の薬物、ペプチドまたは
タンパク質と同時に使用する場合、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドに加
えてそのような他の薬物、ペプチドまたはタンパク質を含有する医薬組成物が提供されう
る。したがって、本発明の医薬組成物には、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプ
チドに加えて1以上の他の有効成分をも含有するものが含まれる。該組成物中に含まれう
る他のタンパク質の例には、ヒトインスリン類似体、例えばインスリン・デテミル(de
temir)、インスリン・グラルギン(glargine)(U100またはU300
)、インスリン・レベミル(levemir)、インスリン・グルリシン(glulis
ine)、インスリン・デグルデック(degludec)またはインスリン・リスプロ
(lispro)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0178】
本明細書に開示されている1以上のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを
含む医薬組成物を個体に投与する方法には、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔
内、硬膜外および経口経路が含まれるが、これらに限定されるものではない。該組成物は
、いずれかの簡便な経路により、例えば、注入またはボーラス注射、上皮または粘膜皮膚
裏層(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)、眼を介した吸収などにより投与可能
であり、生物学的に活性な他の物質と共に投与されうる。投与は全身投与または局所投与
でありうる。
【0179】
種々の運搬系(デリバリーシステム)が公知であり、本明細書に開示されているGCG
/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを投与するために使用可能であり、それらには
、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル内への封入;ミニ細胞;ポリマー;カプセル;
錠剤などが含まれるが、これらに限定されるものではない。1つの実施形態において、本
明細書に開示されているコアゴニストペプチドは、小胞、特にリポソーム内で運搬されう
る。リポソームにおいて、本明細書に開示されているコアゴニストペプチドは、他の薬学
的に許容される担体に加えて、水溶液中のラメラ層、不溶性単層、液晶、ミセルとして凝
集形態で存在する脂質のような両親媒性物質と組合されうる。リポソーム製剤のための適
切な脂質には、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質
、サポニン、胆汁酸などが含まれるが、これらに限定されるものではない。そのようなリ
ポソーム製剤の製造は、例えば米国特許第4,837,028号および米国特許第4,7
37,323号に開示されているとおり、当技術分野の技術水準の範囲内である。更にも
う1つの実施形態においては、本明細書に開示されているコアゴニストペプチドは、運搬
ポンプ(例えば、Saudekら,New Engl.J.Med.321:574(1
989)を参照されたい)および半透過性ポリマー材(例えば、Howardら,J.N
eurosurg.71:105(1989)を参照されたい)(これらに限定されるも
のではない)を含む制御放出(コントロールリリース)系において運搬されうる。また、
制御放出系は、全身用量の一部のみによって要件が満たせるように、治療標的(例えば、
脳)の近傍に配置されうる。例えば、Goodson,In:Medical Appl
ications of Controlled Release,1984.(CRC
Press,Bocca Raton,Fla.)を参照されたい。
【0180】
個々の障害または症状の治療において有効な本明細書に開示されているGCG/GLP
-1受容体コアゴニストペプチドの1以上を含む組成物の量は、障害または症状の性質に
左右され、当技術分野における平均的な技量の当業者によって標準的な臨床技術により決
定されうる。また、所望により、最適な投与量範囲を特定することを助けるために、イン
ビトロアッセイが使用されうる。製剤中で使用される厳密な用量は、投与経路、および疾
患または障害の全体的重症度にも左右され、実施者の判断および各患者の状況に応じて決
定されるべきである。最終的には、担当医師が各患者を治療するために使用される組成物
の量を決定する。最初は、担当医師は低い用量の組成物を投与し、患者の応答を観察する
であろう。患者に最適な治療効果が得られるまで、該組成物のより大きな用量を投与する
ことが可能であり、その時点で投与量をそれ以上は増加させない。一般に、哺乳動物の場
合の1日量の範囲は、単一用量または分割用量において、約0.001mg~約100m
g/kg体重、好ましくは0.01mg~約50mg/kg、最も好ましくは0.1~1
0mg/kgの範囲内である。一方、幾つかの場合には、これらの範囲を超える投与量を
使用することが必要かもしれない。しかし、本明細書に開示されている1以上のコアゴニ
ストペプチドを含む組成物の静脈内投与のための適切な投与量範囲は、一般に、活性化合
物約5~500マイクログラム(μg)/キログラム(Kg)体重である。鼻腔内投与の
ための適切な投与量範囲は、一般に、約0.01pg/kg体重~1mg/kg体重であ
る。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系から得られた用量反応曲線から外挿
されうる。坐剤は、一般に、0.5重量%~10重量%の範囲の有効成分を含有し、経口
製剤は、好ましくは、10%~95%の有効成分を含有する。該ペプチドは、1日1回~
4回、2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回または週1回(こ
れらに限定されるものではない)を含むレジメンで投与されうる。最終的には、担当医師
が、本発明の本明細書に記載の1以上のコアゴニストペプチドを含む組成物を使用する治
療の適切な継続期間を決定する。投与量は個々の患者の年齢、体重および応答によっても
変動するであろう。
【0181】
更に、本明細書に開示されているコアゴニストペプチドおよび医薬組成物の成分の1以
上が充填された1以上の容器を含む医薬パックまたはキットを提供する。所望により、医
薬または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関により定められた形態
の通知書が、そのような容器に付随していてもよく、その通知書は、ヒトへの投与に関す
る、製造、使用または販売の機関による承認を表す。
【0182】
本発明は更に、患者における代謝疾患または障害を治療するための前記GCG/GLP
-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1以上を含む組成物の有効量を患者に投与
することを含む、代謝疾患または障害に対する患者の治療方法を提供する。
【0183】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。特定の態様に
おいては、糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。特定の態様に
おいては、患者は、2以上の代謝疾患または障害、例えば糖尿病およびNASH、NAF
LDまたは肥満;肥満およびNASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;
糖尿病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病および肥満を有する。
【0184】
本発明は更に、代謝疾患または障害の治療用の医薬の製造のための、前記GCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1つの使用を提供する。
【0185】
本発明は更に、代謝疾患または障害の治療用の医薬の製造のための、前記GCG/GL
P-1受容体コアゴニストペプチドのいずれかの1つの使用を提供する。
【0186】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。特定の態様に
おいては、糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。特定の態様に
おいては、医薬は、2以上の代謝疾患または障害、例えば糖尿病およびNASH、NAF
LDまたは肥満;肥満およびNASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;
糖尿病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病および肥満の治療のためのものである。
【0187】
更に、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを含む前記組成物の任意1つの
有効量を患者または個体に投与し、そして、インスリンまたはインスリン類似体を含む組
成物の有効量を患者または個体に投与して、患者または個体における代謝疾患または障害
を治療することを含む、患者または個体における代謝疾患または障害の治療方法を提供す
る。
【0188】
特定の態様においては、インスリンまたはインスリン類似体を含む組成物を投与する時
点より前の時点で、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを含む組成物を投与
する。もう1つの態様においては、コアゴニストペプチドを含む組成物を投与する時点よ
り前の時点で、インスリンまたはインスリン類似体を含む組成物を投与する。更にもう1
つの態様においては、インスリンまたはインスリン類似体を含む組成物を投与するのと同
時に、コアゴニストペプチドを含む組成物を投与する。
【0189】
特定の態様においては、インスリンは、ヒトインスリンまたはインスリン類似体、例え
ばインスリン・デテミル(detemir)、インスリン・グラルギン(glargin
e)(U100またはU300)、インスリン・レベミル(levemir)、インスリ
ン・グルリシン(glulisine)、インスリン・デグルデック(degludec
)またはインスリン・リスプロ(lispro)である。
【0190】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。特定の態様に
おいては、糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。特定の態様に
おいては、患者は、2以上の代謝疾患または障害、例えば糖尿病およびNASH、NAF
LDまたは肥満;肥満およびNASHまたはNAFLD;糖尿病、NASHおよび肥満;
糖尿病、NAFLDおよび肥満;または糖尿病および肥満を有する。
【0191】
本発明は更に、前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれか1つ、
インスリンまたはインスリン類似体および薬学的に許容される担体を含む組成物を提供す
る。
【0192】
本発明は更に、前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれか1つ、
インスリンまたはインスリン類似体および薬学的に許容される担体を含む組成物の、代謝
疾患または障害の治療のための使用を提供する。
【0193】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。更に詳細な態
様においては、糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。
【0194】
本発明は更に、前記GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドのいずれか1つ、
インスリンまたはインスリン類似体および薬学的に許容される担体を含む組成物の、代謝
疾患または障害の治療用の医薬の製造ための使用を提供する。
【0195】
特定の態様においては、インスリン類似体は、インスリン・デテミル(detemir
)、インスリン・グラルギン(glargine)(U100またはU300)、インス
リン・レベミル(levemir)、インスリン・グルリシン(glulisine)、
インスリン・デグルデック(degludec)またはインスリン・リスプロ(lisp
ro)を含む。
【0196】
特定の態様においては、代謝疾患または障害は、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患(
NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または肥満である。更に詳細な態
様においては、糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病または妊娠糖尿病である。
【0197】
以下の実施例は、本発明の更なる理解を促すことを意図したものである。
【0198】
実施例1
Rink-アミドPEG-PS樹脂(Champion,Biosearch Tec
hnologies;ローディング0.28mmol/g)またはRink-アミドPS
樹脂(ChemImpex ローディング0.47mmol/g)を使用して、150μ
molのスケールのペプチド・マルチシンセサイザー・シンフォニー(Symphony
)(Protein Technologies Inc.)でのFmoc/t-Bu化
学法を用いる固相合成により、表1のペプチドを合成した。
【0199】
全てのアミノ酸を、DMF中に0.3Mの濃度で溶解させた。アミノ酸を、DMF中の
等モル量のHATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,
N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)の溶液(0.3M)および
NMP中の2倍モル過剰のDIEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)の溶液(2
M)で活性化させた。樹脂非含有アミノ基に対して、5倍過剰の活性化アミノ酸で、一般
には1時間アシル化反応を行い、ここで、HisからThrまで、およびF22から
23まで、およびD/E15からAib16まで(Aib16を含有する配列に関して
)、二重の45分間のアシル化反応を行った。
【0200】
側鎖保護基は以下のとおりであった:Asp、αMD、Glu、Ser、αMS、D-
Ser、ThrおよびTyrのためのtert-ブチル;GlnおよびHisのためのト
リチル;Lys、Trpのためのtert-ブトキシカルボニル;ならびにArgのため
の2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル。Hisは
、配列構築の最後にBoc-His(Trt)-OHとして導入された。アミノ酸2(L
-メチオニン-スルホン)は、Fmoc-L-メチオニン-スルホン-COOHのアシル
化により導入された。アルファメチルアミノ酸を含有する配列の全ての配列に関して、ア
ルファメチルアミノ酸および対応する後続残基の取り込みは、HOAt(ヒドロキシベン
ゾアザトリアゾール)およびDIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド)との手
動カップリングにより行われた。リジンまたはpAF(p-アミノメチル-L-フェニル
アラニン)のリンカー-脂質誘導体化に用いられる位置は、側鎖アミノ基上にDde[1
-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル]または
Alloc(アリルオキシ-カルボニル)保護基と共に導入された。配列番号91におい
ては、リンカー誘導体化に用いられる位置は、HOAt、DICを使用する手動カップリ
ングとして、Fmoc-Nle(1,2,3-トリアゾール-5-PEG-NH-iv
Dde)として取り込まれた。二重脂質を有する配列である配列番号25、29および3
0に関しては、10位はLys(Alloc)-OHとして取り込まれ、脂質二酸誘導体
化の第2の位置はLys(Dde)-OHとして取り込まれた。pAF[Fmoc-4-
(Dde-アミノメチル)-フェニルアラニン]およびFmoc-Nle(1,2,3-
トリアゾール-5-PEG-NH-ivDde)アミノ酸は、後述のとおりに合成され
た。
【0201】
配列構築の最後にリンカー/脂質誘導体化を進めるために、pAF(Dde)またはL
ys(Dde)またはNle(1,2,3-トリアゾール-5-PEG-NH-ivD
de)のいずれかのDde保護基を、DMF中の2%ヒドラジンの処理により除去した。
LysまたはpAFまたはNle(1,2,3-トリアゾール-5-PEG-NH
の側鎖を、HOAtおよびDICを活性化剤として使用して、Fmoc-Glu-OtB
u(γ-グルタミン酸)、Fmoc-PEG2[8-(9-フルオレニルメチルオキシカ
ルボニル-アミノ)-3,6-ジオキサオクタン酸]および脂質二酸(;ヘキサデカン二
酸;;オクタデカン二酸;;エイコサン二酸)の取り込みにより、種々のリンカーおよび
脂肪二酸で誘導体化した。
【0202】
二重脂質化配列番号25、29、30の場合、Lys10からのAlloc保護基を、
まず、DCM(ジクロロメタン)中のPd(PPh3)4およびPhSiH3での処理に
より除去し、ついでFmoc-Glu-OtBu(γ-グルタミン酸)およびヘキサン酸
で誘導体化した。ついで、その他のLysからのDdeの脱保護およびそれに続くリンカ
ー/脂質二酸での誘導体化を、その他の脂質化類似体に関して前記に記載されているとお
りに行った。
【0203】
合成の終了時に、乾燥ペプチド樹脂を、25mLの切断混合物、88%TFA、5%フ
ェノール、2%トリイソプロピルシランおよび5%水で室温で1.5時間個別に処理した
。各樹脂を濾過し、ついで冷メチル-t-ブチルエーテルに加えて、ペプチドを沈殿させ
た。遠心分離後、ペプチドペレットを新鮮な冷メチル-t-ブチルエーテルで洗浄して、
有機スカベンジャーを除去した。このプロセスを2回繰り返した。最終ペレットを乾燥さ
せ、HO、20%アセトニトリルに再懸濁させ、凍結乾燥した。分取用Waters
Deltapak C4(40×200mm、15μm、300オングストローム)を使
用し、溶離液として(A)水中の0.1%TFAおよび(B)アセトニトリル中の0.1
% TFAを使用する逆相HPLCにより、粗ペプチド(3mLのDMSO中の140m
g)を精製した。
【0204】
溶媒としてHO、0.1%TFA(A)およびCHCN、0.1%TFA(B)を
使用して、BEH300 C4 Acquity Watersカラム 2.1×100
mm、1.7μmを使用するAcquity UPLC Watersクロマトグラフで
、分析用HPLCを45℃で行った。ペプチドをAcquity SQ検出器でのエレク
トロスプレー質量分析により特徴づけした。
【0205】
Fmoc-4-(Dde-アミノメチル)-フェニルアラニンの合成。
【化11】
【0206】
Fmoc-4-(Boc-アミノメチル)-フェニルアラニンを、DCM/TFA 2
/1中で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジエチルエーテルで処理して固
体を得た。得られた粗物質をEtOH(19mM)に溶解し、DIPEA(5当量)およ
びジメドン(Dimedone)(1.1当量)を反応混合物に加えた。60℃で3時間
後、溶液をTFAでpH4に酸性化した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をAcOEtで処
理し、1N HClで洗浄した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた
。溶媒を減圧下で除去し、最終生成物を黄色油として得、これを更にEtOで処理して
固体を得た。
【0207】
溶媒としてHO、0.1%TFA(A)およびCHCN、0.1%TFA(B)を
使用し、以下の勾配:10%Aから10%Bまで1分間、10%Bから90%Bまで4分
間(流速0.4mL/分)を用いて、BEH300 C4 Acquity Water
s 2.1×100mm、1.7μmを使用するAcquity UPLC Water
sクロマトグラフで、最終化合物を45℃で特徴づけした。保護されたアミノ酸を、Ac
quity SQ検出器でのエレクトロスプレー質量分析により特徴づけした(実測分子
量:581.5Da;予想分子量:580.67Da)。
【0208】
Fmoc-Nle(1,2,3-トリアゾール-5-PEG-NH-ivDde
【化12】
【0209】
の合成は以下のとおりであった。
【化13】
【0210】
エタノール(15mL)中の2-(2-(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)エトキ
シ)エタンアミン(250mg,1.746mmol)および5,5-ジメチル-2-(
3-メチルブタノイル)シクロヘキサン-1,3-ジオン(0.763mL,3.49m
mol)の攪拌懸濁液に、TFA(0.013mL,0.175mmol)を室温で加え
た。ついで混合物を24時間還流し、溶媒を回転蒸発(ロータリーエバポレーション)さ
せた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:DCM中の0~15%メタノール
)で精製して、5,5-ジメチル-2-(3-メチル-1-((2-(2-(プロパ-2
-イン-1-ロキシ)エトキシ)エチル)アミノ)ブチリデン)シクロヘキサン-1,3
-ジオンを淡黄色油として収率82%で得た。
【化14】
【0211】
Fmoc-Lys(N3)-OH(500mg,1.268mmol)のDCM(ジク
ロロメタン)溶液を、水中のNaHCO(1当量)の溶液(3mL/mmolのNaH
CO)にゆっくりと加えた。これをDCM中のTBAB(臭化テトラブチルアンモニウ
ム;1当量)および臭化アリル(5.28当量)(1.1mL/mmolの臭化アリル)
の溶液に加えた。エマルジョンを室温で24時間激しく撹拌し、DCMで3回抽出した。
有機抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラ
フィー(SiO、酢酸エチル:ヘキサン0~50%)により精製して、生成物(S)-
アリル2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6
-アジドヘキサノアートを白色固体として収率92%で得た。
【化15】
【0212】
グローブボックス内で、CpRuCl(PPh(65.6mg,0.082m
mol)を、セプタムキャップ付きのマイクロ波チューブに加えた。ジオキサン(5mL
)を加えた。5,5-ジメチル-2-(3-メチル-1-((2-(2-(プロパ-2-
イン-1-ロキシ)エトキシ)エチル)アミノ)ブチリデン)シクロヘキサン-1,3-
ジオン(360mg,1.030mmol)をジオキサン(2.5mL)に溶解し、触媒
溶液に加えた。最後に、ジオキサン(2.5mL)中の(S)-アリル 2-((((9
H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-アジドヘキサノアー
ト(448mg,1.030mmol)を、反応混合物に加えた。反応物を、油浴内で6
0℃で12時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(80
g SiO、酢酸エチル:ヘキサン0~60%、ついでジクロロメタン/メタノール0
~20%)により精製して、生成物である(S)-アリル2-((((9H-フルオレン
-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-(5-((2-(2-((1-(4
,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル)アミノ)
エトキシ)エトキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)ヘキサノ
アートを淡黄色固体として収率60%で得た。
【0213】
Nle(1,2,3-トリアゾール-4-C15)の合成
リンカーがC15アルキルであるNle(1,2,3-トリアゾール-4-C15)の
構造は、
【化16】
【0214】
により表される。
【0215】
以下の式:
(HsQGTFTSDK(N3)SKYLDARAAQDFVQWLLDT-NH)(
配列番号126)の本発明のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを、以下に
記載されているクリックケミストリーにより、リンカーに連結する。
【化17】
【0216】
HsQGTFTSD(Lys(N3)}SKYLDARAAQDFVQWLLD(配列
番号127)(Biopeptek#173501-2、100mg,0.030mmo
l)およびヘプタデカ-1-イン(10.57mg,0.045mmol)を、DMSO
(6mL)に溶解した。この溶液に、水性アスコルビン酸ナトリウム(5904μl,0
.119mmol)と新たに混合された水中のCuSO 5HO(3.0mg/ml
,1.979ml,0.024mmol)を水浴内で滴下した。該混合物をNで30秒
間バブリングし、ついで密封し、室温で18時間振盪した。ついで、反応pHを、TFA
を使用してpH3に調節した。生じた透明溶液を濾過して、精製(RPLCカラム,カラ
ム:Waters CSH C18 5μ,19×150mm;流速:25ml/分;勾
配:水/ACN(アセトニトリル)(0.05% TFA 35~42%の存在下))を
行った。所望の生成物を含有する画分を合わせ、凍結乾燥して、表題化合物(10.1m
g,2.70μmol,収率9.06%,純度96%)を得た。
【0217】
実施例2
配列:
HUQGTFTSDYSKYLDURAAQDFVK(PEG2PEG2γEC18-O
H)WL2DT-NH2(配列番号110)
[凡例:U=アミノイソ酪酸;2=L-メチオニンスルホン;PEG2=8-アミノ-3
,6-ジオキサオクタン酸;γE=γ-グルタミン酸;C18-OH(オクタデカン二酸
)=-CO-(CH2)16-COOH;tBu=tertブチル;およびfmoc=9
-フルオレニルメチルクロロホルマート]
のペプチドの合成
Rink-アミド-PS樹脂(Novabiochem,ローディング0.35mmo
l/g)を使用して、180μmolのスケールのペプチド・マルチシンセサイザー・シ
ンフォニー(Symphony)(Protein Technologies Inc
.)でのFmoc/t-Bu化学法を用いる固相合成により、該ペプチドを合成した。全
てのアミノ酸を、DMF(ジメチルホルムアミド)中に0.3Mの濃度で溶解させた。ア
ミノ酸を、DMF中の等モル量のHATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イ
ル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ-ホスファート)の
溶液(0.3M)およびNMP(N-メチルピロリジン)中の2倍モル過剰のDIEA(
N,N-ジイソプロピルエチルアミン)の溶液(2M)で活性化させた。樹脂非含有アミ
ノ基に対して、5倍過剰の活性化アミノ酸で、一般には1時間アシル化反応を行い、ここ
で、HisからThrまで、およびF22からV23まで、およびD15からAib
16まで(Aib16を含有する配列に関して)、二重の45分間のアシル化反応を行っ
た。側鎖保護基は以下のとおりであった:Glu、Ser、D-Ser(ser)、Th
rおよびTyrのためのtert-ブチル;Asn、GlnおよびHisのためのトリチ
ル;Lys、Trpのためのtert-ブトキシ-カルボニル;ならびにArgのための
2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロ-ベンゾフラン-5-スルホニル。Hisは
配列構築の最後にBoc-His(Trt)-OHとして導入された。アミノ酸アルファ
-アミノイソ酪酸(Aib)は、Fmoc-Aib-OHのアシル化により導入された。
アミノ酸γ-Glu(γ-グルタミン酸)は、Fmoc-Glu-OtBuのアシル化に
より導入された。アミノ酸2(L-メチオニン-スルホン)は、Fmoc-L-メチオニ
ン-スルホン-COOHのアシル化により導入された。リンカー-脂質誘導体化に用いら
れるリジンはアミノ基の側鎖上にDde[1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシ
クロヘキサ-1-イリデン)エチル]保護基と共に導入された。構築後、Lys(Dde
)のDde保護基を、DMF中の2%ヒドラジンの処理により除去した。DMF中、HO
At(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)およびDICを活性化剤として使
用して、Fmoc-PEG[8-(9-フルオレニルメチルオキシカルボニル-アミノ
)-3,6-ジオキサオクタン酸]、Fmoc-Glu-OtBu(γ-グルタミン酸)
でLysの側鎖を誘導体化した。NMP中、HOAtおよびDICを活性化剤として使用
して、脂質二酸(オクタデカン二酸)を手動で導入した。合成の終了時に、乾燥ペプチド
-樹脂を35mLの切断混合物、88%TFA(トリフルオロ酢酸)、5%フェノール、
2%トリイソプロピルシランおよび5%水で、室温で3時間、個別に処理した。各樹脂を
濾過し、ついで冷メチル-t-ブチルエーテルに加えて、ペプチドを沈殿させた。遠心分
離後、ペプチドペレットを新鮮な冷メチル-t-ブチルエーテルで洗浄して、有機スカベ
ンジャーを除去した。このプロセスを2回繰り返した。最終ペレットを乾燥させ、H
、20%アセトニトリルに再懸濁させ、凍結乾燥した。分取用Waters Delta
pak C4(40×200mm、15μm、300オングストローム)を使用し、溶離
液として(A)水中の0.1%TFAおよび(B)アセトニトリル中の0.1%TFAを
使用する逆相HPLCにより粗ペプチドを精製して、純粋な直鎖状ペプチドを得た。溶媒
としてHO、0.1%TFA(A)およびCHCN、0.1%TFA(B)を使用し
て、BEH130 C4 Acquity Waters 2.1×100mm、1.7
μmを使用するAcquity UPLC Watersクロマトグラフで、最終的なペ
プチドを45℃で特徴づけした。ペプチドをAcquity SQ検出器でのエレクトロ
スプレー質量分析により特徴づけした(実測分子量:4140.6Da;予想分子量:4
141.67Da)。
【0218】
実施例3
グルカゴン受容体(GCGR)およびGLP-1受容体(GLP1R)におけるペプチ
ドの活性をcAMP活性アッセイにおいて測定した。
【0219】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドを100%DMSO(ジメチルスルホ
キシド)に溶解し、10点滴定が得られるように系列希釈した。ついで該ペプチド溶液を
、384ウェルアッセイプレート(150nL/ウェル)内に移した。ヒトGLP1Rま
たはヒトGCGRを発現するアッセイ用凍結細胞を、DMEM培地(GIBCO(登録商
標))、10%FBS(GIBCO(登録商標))、1×NEAA(GIBCO(登録商
標))、1×P/S(GIBCO(登録商標))、10μg/mLブラスチシジン(Bl
asticidin)(GIBCO(登録商標))および200μg/mLヒグロマイシ
ン(Hygromycin)(GIBCO(登録商標))からなる増殖培地に懸濁させた
。ついで、20%ヒト血清(MP Biomedical)の存在下または非存在下でP
BS(GIBCO(登録商標))、7.5%BSA(Perkin Elmer)、10
0μM RO 20-1724(Sigma)からなるアッセイバッファー中で細胞を希
釈した。ついで該ペプチド溶液を含有するアッセイプレートに該細胞懸濁液(15μL)
を加えた(ヒトGCGRでは30,000細胞/ウェル、ヒトGLP1Rでは10,00
0細胞/ウェル)。該細胞を、暗所で室温で1時間インキュベートした。HitHunt
er(商標)cAMPXSキット(DiscoverX)を製造業者のプロトコルに従い
使用してcAMPの産生を測定した。プレートを、暗所で室温で1時間インキュベートし
た。EnVision Multilabelプレートリーダー(Perkin Elm
er)を使用して発光を測定した。天然GLP-1およびグルカゴン(Bachem)を
対照ペプチドとしてする。Levenberg-Marquardtアルゴリズムに基づ
く4パラメーターロジスティックフィットを用いて、EC50値を計算した。結果を表2
に示す。
【表2】
【0220】
実施例3
食餌誘発性肥満(DIO)マウスは抗肥満化合物の効力の研究におけるヒトの代用物と
して古くから使用されている。肥満化合物の研究においてそのようなマウスから得られた
結果はヒトの場合に置き換えて解釈可能である(例えば、Nilssonら,Acta
Pharmacologia Sinica 33:173-181(2012)(その
全体を参照により本明細書に組み入れることとする)を参照されたい)。したがって、D
IOマウスは、肥満を治療することを意図した化合物の効力の試験のためのヒトの代用物
として有用である。
【0221】
DIOマウスを1群8匹の群に分割し、各群の初期平均体重、食餌摂取および基礎グル
コースを釣り合わせた。各群のマウスに単一用量のペプチドまたはビヒクル対照を皮下(
sc)注射した。投与用量は3~300nmol/kgで変動可能である。最初の投与の
後、体重および食物摂取量を4日間毎日測定する。投与の5時間後、ついで4日間毎日、
血中グルコースを測定する。別の組のマウスを同用量の各ペプチドで処理する。薬物曝露
を測定するために、sc注射後の5時間、24時間、48時間および72時間の時点で連
続採血を行った。
【0222】
本発明は本明細書においては例示実施形態に関して記載されているが、本発明はそれら
に限定されないと理解されるべきである。本明細書における教示を利用する当業者はその
範囲内の追加的な修飾および実施形態を認識するであろう。したがって、本発明は、本明
細書に添付されている特許請求の範囲のみによって限定される。
【配列表】
2023071869000001.app
【手続補正書】
【提出日】2023-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドであって、

HXQGTFTSDX10SLYLDX16RAAX2021FVX2425LX2728TX30-NH(配列番号105)
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メチル-L-セリン(アルファ-MS)である;Xは、Aspまたはアルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X10は、20位または24位のアミノ酸が脂肪二酸に結合しているLysである場合には、脂肪酸に結合しているLysまたはp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)である、または、X10は、Tyrである;X16は、aib、Ala、SerまたはGluである;X20は、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているpAF、脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)、またはGlnである;X21は、脂肪二酸に結合しているLysまたは脂肪二酸に結合しているpAF、Asp、アルファ-メチル-L-フェニルアラニン(アルファ-MF)、またはアルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)である;X24は、Gln、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-Metスルホンまたはロイシンである;X28は、Glu、Aspまたはアルファ-MD、Lys、aib、またはAla、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X30は存在しないか、X27がLeuまたはL-Met-スルホンであり、そしてX28がAla、aib、アルファ-MDまたは脂肪二酸に結合しているLysである場合、X30は、C末端においてガンマ-Gluに結合しているLysである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX28の1つのみが脂肪二酸に結合している]を含む、
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【請求項2】
GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチドであって、

HXQGTFXSX10SX121314151617AX19202122232425LX272829(配列番号108);
[式中、Xは、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、D-Serまたはアルファ-メチル-L-セリン(αMS)である;XはThr、PheまたはLeuである;Xは、AspまたはGluである;X 10は、Tyr、脂肪酸に結合しているノルロイシン(Nle)、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)、脂肪酸に結合しているLys(ただし、この場合、20位または24位のアミノ酸は、脂肪二酸に結合しているLysである)、または脂肪酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)(ただし、この場合、24位のアミノ酸は、脂肪二酸に結合しているLysである)である;X12は、LysまたはGluである;X13は、Tyr、LeuまたはLysである;X14は、LeuまたはAspである;X15は、Asp、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)またはアルファ-アミノイソ酪酸(aib)である;X16は、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、Ala、Glu、Ser、ArgまたはLysである;X17は、Arg、Lys、LeuまたはAlaである;X19は、AlaまたはGlnである;X20は、Gln、Lys、脂肪二酸に結合しているLys、脂肪二酸に結合しているp-アミノメチル-L-フェニルアラニン(pAF)、または脂肪二酸に結合しているノルロイシン(Nle)である;X21は、Asp、Phe、Glu、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(アルファ-MD)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X22はPhe、Valまたはアルファ-メチル-L-フェニルアラニン(αMF)である;X23は、ValまたはGlnである;X24は、Gln、Glu、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;X25は、Trpまたはアルファ-メチル-L-トリプトファン(アルファ-MW)である;X27は、L-メチオニンスルホン(2)またはLeuである;X28はAsp、アルファ-メチル-L-アスパラギン酸(αMD)、アルファ-アミノイソ酪酸(aib)、Ala、Lys、Gln、Glu、γ-グルタミン酸(γE)、脂肪二酸に結合しているLys、または脂肪二酸に結合しているpAFである;そして、X29は、Thr-OH、Thr-NHまたはThr(Lys-γ-グルタミン酸)NHである;
ただし、各コアゴニストペプチドに関して、X10、X20、X21、X24またはX28の1つまたは2つのみが脂肪二酸に結合している]
を含む、GCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド、またはその薬学的に許容される塩若しくはその対イオン。
【請求項3】
配列番号46、配列番号59、配列番号60、配列番号61、配列番号62、配列番号63、配列番号120、配列番号121及び配列番号122よりなる群から選択される、請求項2に記載のGCG/GLP-1受容体コアゴニストペプチド。
【外国語明細書】