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特開2023-71903多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071903
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034248
(22)【出願日】2023-03-07
(62)【分割の表示】P 2020187735の分割
【原出願日】2020-11-11
(71)【出願人】
【識別番号】513016954
【氏名又は名称】JB-Create株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069420
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 武
(72)【発明者】
【氏名】山岸 十郎
(57)【要約】      (修正有)
【課題】物流センターにおける受流商品のピッキング・パッキングを効率的に完遂することのできる多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムを提供する。
【解決手段】シャトル自動倉庫からのピッキングステーション31の作業者Mに対する各保管箱の供給は、少なくとも2列の供給コンベア32a、bを介して供給するとともに、作業者Mの左右両脇のピッキング位置に、空のピックトレー41を供給コンベア32a、bを介して供給配設する工程と、商品をピッキングするとともに、ピックトレー41に投入しつつピッキング作業を2列にて供給される保管箱3に対する左側及び右側と交互に続けて遂行することができるようにディスプレイによって指示表示するピッキング作業工程と、ピッキング完了後の各ピックトレー41aをパッキングステーションに搬出する搬出工程とから構成した。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダー商品を保管した保管箱を格納する棚を備える格納棚を設けたシャトル自動倉庫と、
前記シャトル自動倉庫に、前記保管箱を搬入する入荷コンベアと、
前記シャトル自動倉庫に隣接して配設したピッキングステーションと、
前記ピッキングステーションの作業者に対して前記シャトル自動倉庫の格納棚の棚に格納した前記保管箱を供給する供給コンベアと、
前記ピッキングステーションの作業者の左右両脇に1セット6列5段にてピックトレーを供給するコンベアと、
前記保管箱の供給コンベアにより供給される保管箱よりオーダー商品を前記ピッキングステーションの作業者がピッキングして前記ピックトレーの供給コンベアより供給される1セット6列5段のピックトレー内にピッキングするためのデータを指示表示するディスプレイと、
前記ディスプレイの指示表示によるピッキング完了後のピックトレーをパッキングステーションに搬送する搬送コンベアと、
前記オーダー商品の完了後の保管箱を前記シャトル自動倉庫に戻す搬送コンベアとから構成したことを特徴とする多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムに関し、特に多品種中の小物、小型商品、例えば書籍をはじめとして化粧品や化粧小物、電機小物、DIY用品(ボンド、ネジ類、金具)、ソーイング用品(糸、ドタン等)、さらにはアパレルフラット品(折りたたんだTシャツや下着類)等を対象とする企業(Busines)が一般消費者(Consumer)向けの販売において、その物流センターにおける受流商品のピッキング・パッキングを効率的に完遂することのできる多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムの提供を目的とするものである。
【背景技術】
【0002】
まず、物流センターにおける、オーダーピッキングの従来例について説明する。
【0003】
(従来例1)
従来、多品種の物流センターにおいて、顧客からの受注をピッキングする方法は、多品種の商品を広大な倉庫に設置した平棚に保管をし、作業者が担当エリアを歩きいくつかのオーダー品をまとめてピッキングし、各エリアから集まった商品を、今度は顧客のオーダー別に仕分ける方法が一般的だった。この場合ピッキング作業は棚の場所を探し、歩いて該当ロケーションに移動し、ピッキングをすることになる、生産性は低い。そこで近年、バッテリー駆動の自動無人搬送車AGV(Automatic Guided Vehicle )が棚を持ち上げピッキング作業者の所へ搬送しピッキングする方式が多くみられる。従来方式の一番の問題である歩く作業がなくなり、ピッキング生産性は向上した。棚の保管は通路をなく密度高く保管をすることで保管効率も上がるのだが、棚は人間の手が届く高さが限界であり、倉庫の高さを有効利用するには至らない。
【0004】
多品種の商品を保管するには、高層棚の方が効率的である。クレーン方式の自動保管方式もあるが、保管箱を出すのに1クレーン当たり時間80箱位の能力しかなく、多品種の物流には向かない。
【0005】
近年、保管効率と出荷能力を高めたシステムがいくつか世界で開発されてきた。シャトル倉庫と言われるもので、高層保管棚の棚段に横移動するシャトルを有し、棚から保管箱を各段のシャトルが各々取り出すことで高い出荷能力を発揮している。
【0006】
また保管箱も1箱ではなく奥に、さらに1箱保管(ダブルディープ)する保管効率の高い方式も開発されている。シャトルも棚の間を横移動するから、上下左右にも移動する機能的なタイプも開発されている。多品種を扱う物流センターでは、多くの箱の保管と保管箱の高速出し入れが求められる。これらの物流センターでは、シャトル方式の自動倉庫が適している。
【0007】
多品種の物流センターでの問題は、顧客からのオーダーのピッキングとオーダー合わせをどのように効率的にするかにある。単価の安い商品のネット物流では、顧客からの2個とか3個の受注をバラバラに出荷すれば、梱包費と配送費が嵩み、利益は出ない。いくつかの注文をまとめて発送するオーダー合わせが必須となる。
【0008】
効率的に入出庫ができるシャトル倉庫でも、受注品が入った箱を自動的に出してくるが、同じ商品が複数受注の場合があり、その場合は保管箱をピッキング終了後シャトル倉庫に戻し、再度取り出し搬送することになり、オーダー合わせが難しくなる。
【0009】
一つの保管箱で複数の受注処理ができれば効率も向上することになる。現在世界で開発されているオーダーピッキングは、シャトル倉庫から払い出された保管箱1箱から、受注仕分けは1箱もしくは2箱が多く、多いものでも5箱に仕分けする方式である。
【0010】
以上の従来例についての公知例として、本発明者が発明した従来技術の公知例として特許文献1及び2を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第2966832号
【特許文献2】特許第6600727号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は当該技術分野における前述してきた従来技術における諸欠点を克服して効率的にオーダーピッキング・パッキングを遂行することのできるシステムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前記従来技術における諸問題点を解決する前記課題を解決するために開発されたものである。
【0014】
その手段としては、オーダー商品を保管した保管箱を格納する棚を備える格納棚を設けたシャトル自動倉庫と、前記シャトル自動倉庫に、前記保管箱を搬入する入荷コンベアと、前記シャトル自動倉庫に隣接して配設したピッキングステーションと、前記ピッキングステーションの作業者に対して前記シャトル自動倉庫の格納棚の棚に格納した前記保管箱を供給する供給コンベアと、
前記ピッキングステーションの作業者の左右両脇に1セット6列5段にてピックトレーを供給するコンベアと、前記保管箱の供給コンベアにより供給される保管箱よりオーダー商品を前記ピッキングステーションの作業者がピッキングして前記ピックトレーの供給コンベアより供給される1セット6列5段のピックトレー内にピッキングするためのデータを指示表示するディスプレイと、前記ディスプレイの指示表示によるピッキング完了後のピックトレーをパッキングステーションに搬送する搬送コンベアと、前記オーダー商品の完了後の保管箱を前記シャトル自動倉庫に戻す搬送コンベアとから構成したことを特徴とする多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1の発明は、シャトル自動倉庫に商品の特性情報を付して保管箱に収納するとともに前記多数の保管箱をピッキングステーションの作業者に供給コンベアを介して供給し、当該ピッキングステーションの作業者が前記各保管箱に収納される商品に対するオーダーデーターに基づいてピッキングデーターに加工したディスプレイの指示表示によってピックトレーに前記各保管箱に収納される商品をピッキングし、さらに所要のピッキングが完遂した前記ピックトレーをパッキングステーションに搬送し所要のパッキングを遂行する多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムを構成したことを特徴とする。
【0016】
前記本発明の請求項1記載の発明により、多品種の小物を効率的にピッキングし仕分けることができ、一人の作業者によりピッキングと仕分けを高い生産性で遂行することが可能となり、高価な高速ソーター機器も必要なく投資コストとスペースの削減にも貢献することができる。
【0017】
さらに、ピッキングと仕分け生産性は、一人の作業者で例えば1時間に600行以上が可能となり、多品種の広いピッキングエリアのピッキングはエリア別にカートピッキングをすることになる。
【0018】
生産性は1時間に100行強のピッキングであり、仕分け作業を入れると、トータルでは1時間に60行前後の生産性となる。
【0019】
従って本発明の請求項1~3の発明によれば、従来のカートピッキングの10倍強の生産性が確保でき、しかも作業者は歩くことも探す作業もなくなり、疲労を少なくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は本発明の実施例1に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムの全体構成を示す概略構成図で、(a)は平面図、(b)は立体図である。
図2図2は本発明の実施例1に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムにおけるシャトル自動倉庫及びピッキング・パッキングステーションの構成を示す平面図である。
図3図3は本発明の実施例1に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムにおけるピッキング・パッキングステーション及びシャトル自動倉庫の一部の構成を示す概略立面図である。
図4図4は本発明の実施例2に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムの全体構成を示す概略構成平面図である。
図5図5は本発明の実施例2に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムにおけるピッキングステーションの全体構成説明図を概略平面図により示したものである。
図6図6図5の側面図である。
図7図7は本発明の実施例2に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムにおけるピッキングステーションのピッキング作業を説明するための立面図である。
図8図8は実施例2におけるピッキングステーションにおいて作業者に指示表示されるディスプレイのデザインの実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例0022】
図1~3は、本発明に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムの実施例1を示すもので、図1(a)、(b)は全体構成平面図と立面図により全体概略構成を説明し、図2,3によりその詳細構成をそれぞれ説明するものである。
【0023】
図1(a)、(b)に示す通り本発明実施例1の多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムは、シャトル自動倉庫2と、当該シャトル自動倉庫2の各格納棚2aの各棚2bに格納するオーダー商品を保管した保管箱3と、当該保管箱3をシャトル自動倉庫2に入荷する入荷コンベア11と、さらに前記シャトル自動倉庫2より当該シャトル自動倉庫2に隣接して配設されたピッキングステーション31の作業者Mに対して前記所定の保管箱を供給する供給コンベア32と、当該供給コンベア32を介して前記ピッキングステーション31の作業者Mの手前に供給される保管箱3よりオーダー商品をピッキングする際に各保管箱3に収納される商品に対するオーダーに基づいてピッキング作業用データーに加工されるデーターを前記作業者Mにそのデーターを支持表示するディスプレイ52(図3には、作業者Mの情報に表示する架台(図示せず))と、加えて前記作業者Mの左右両脇に前記保管箱3の供給に関連して1セット6列(ピックトレー41)5段にて供給する供給コンベア33と、前記ピッキング完了後のピックトレー41Aをパッキングステーションに搬送する搬送コンベア34と、前記ピッキング完了後の保管箱3をシャトル自動倉庫2に戻す搬出コンベア35とから構成されることによって、前記シャトル自動倉庫2より前記オーダーデーターに基づくピッキング作業用データーによって所定の前記シャトル自動倉庫2内に格納される各保管箱3を順次ピッキングステーション31の作業者Mに対して供給コンベア32により搬送供給する。
【0024】
そして、前記ピッキングステーション31では、前記ピッキング作業用データーによるピッキング作業者Mが、指示表示のディスプレイ52を確認しつつ前記左右両脇に供給されてセットされている6列5段のピックトレー41中の指示表示ピックトレー41に指示される前記保管箱3内のオーダー商品をピッキングして投入しつつピッキングする。
【0025】
また、6列5段セットの1セットに対する前記ディスプレイ52による指示表示に従うピッキング作業が完了すると、ピッキング完了後のピックトレー41Aがセット単位にてパッキングステーション60に搬送コンベア34により搬送搬出され、次順の1セットの6列5段のピッキングトレー41が作業者の左右両脇に供給コンベア33を介して搬入セットされ、かつこれに関連して供給コンベア32を介して次順の各保管箱3が作業者Mの手前に供給搬入され、前記と同様に所定のピッキング作業が次順ディスプレイ52の指示表示に従って遂行される。
【実施例0026】
図4~7に示す本発明に係る多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムの実施例2をさらに具体的詳細に説明する。
【0027】
尚、図4~7の実施例2については、実施例1と同一の構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
図4における本発明の多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムの全体構成については、実施例1の構成の同一構成については同一符号にて示すが実施例1にて図示していないパッキングステーション60はピッキングステーション31の背部に隣接して配設されている。
【0029】
パッキングステーション60にはパック作業者M2により後記する所要のパック作業が行われ、パッキングライン搬送コンベア61によりパック完了トレー(図示しない)が搬出される。
【0030】
図5,6に示されるようにシャトル自動倉庫2より、上下の元箱(保管箱3)供給ライン31A、31Bを介してピックステーション31の作業者M(ピッカー)の手元にオーダー商品の収納される保管箱3が左右2列の供給コンベア32a、32b(図5参照)にて供給される。
【0031】
尚、作業者Mの手元に供給される左右の保管箱3については、それぞれ両保管箱3の内箱を見易くするために、作業者M側に傾斜させつつ静止セットすることができるように構成することが好適である。
【0032】
前記2列の供給コンベア32a、32bにて順次左右料保管箱3が供給されるのであるが、これに関連してピッキングステーション31の作業者Mに対してはその両脇に左右両側の供給コンベア33a、33bにより空ピックトレー41が供給されるとともにその前方に配備される左右両側の上下可動コンベア50a、50bにより、それぞれ6列5段にセットされつつピックトレー41が供給される。
【0033】
尚、6列5段のピックトレー41については、図5,6に示すように既にピック作業供給位置には、6列5段の1セットのピックトレー41が供給されるとともに、待機供給位置には2セット目の6列5段のピックトレー41aが左右両側に待機セットされるように構成されている。
【0034】
さらに、ピッキングステーション31における作業者Mがディスプレイ52の指示表示に従ってピックトレー41に対する保管箱3よりのピック作業が完了すると各ピックトレー41Aは、左右両側の上下可動コンベア51a、51bによりパッキングライン搬送コンベア61に搬出することができるように構成されている。
【0035】
これに伴ってピックステーション31における各保管箱3内に対するオーダー商品のピック作業が完了した各保管箱3aは、ピッキング完了後に自動下降され搬出コンベア35によりシャトル自動倉庫2に搬出されるように構成されている。
【0036】
さて、以上の構成から成る本発明の多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムにおける作用効果を具体的に以下に説明する。
【0037】
本発明は従来例として前述した構成、実施状況における諸欠点を解決するべく、これらの諸欠点を効率的に実施することのできる多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステムを提供するべく開発したものである。
【0038】
先ずは、シャトル自動倉庫2から払い出された各保管箱(元箱)から、受注数をピッキングし、ピックトレー41に仕分け投入する作業が基本となる。
【0039】
シャトル自動倉庫2から出された保管箱3からのピッキングが終了すれば、次の箱のピッキングとなるが、多くは終了箱が横に移動し戻る方式である。この場合、次の保安箱が作業者の前にセットされるまでに、数秒の時間がかかり、手待ちが発生する。
【0040】
本発明では、作業者Mの目にある保管箱3はピッキングが終了した時点で、箱が載っているコンベアは前に傾き下段コンベアに流れ、シャトル自動倉庫2に戻る仕組みとした。これを2列設けることで、ピッキング作業者Mは、最初の箱のピッキングが終了したら、隣の箱のピッキング作業に即移ることができる。
【0041】
つまり手待ち時間なく、連続でピッキング作業ができることになる。多品種の物流では、作業者一人当たりのピッキング行数やピッキング個数が物流コスト削減の重要な指標となる。いかに手待ち時間をなくし、楽に早くピッキングするかが、生産性向上にとって重要となる。保管箱3が2列でピッキング作業者Mの前に並び、待ち時間なく交互にピッキングできるこの方式は高い生産性を可能とした。また箱2列を並べると作業者の横移動も多くなるが、本発明は2列の箱の横幅を1m強とし作業者の移動負担を限りなく少なくしている。
【0042】
次は、受注商品の荷合わせである。顧客からのオーダーは3~5個位が一番多く、それをどのように荷合わせするかとなる。よくある例は、受注商品をいくつかまとめてピッキングし、それを高速ソーターに流し、顧客別にソートし荷合わせする方法である。この方式は、オーダーをまとめてピッキングする(バッチピック)作業と、高速仕分けソーターに流す作業と、自動仕分けされた商品をトレーにまとめて入れる作業が発生し、各々の作業は速いのだが、タッチ数も多く、トータルで見ると決して生産性は高くない。
【0043】
本発明は、バッチピックとオーダー仕分けを、一人の作業者が実施できるように開発したものである。そのために、ピッキング作業者Mの両脇に、仕分けトレー41を6列に並べそれを5段にした。つまり30トレーが作業者Mの片側に手の届く範囲でセットされたことになり、これを両側にセットすることで60オーダーのバッチピックが可能となる。
【0044】
よって、受注データーをピッキングデーターに加工する時に、同じ商品の受注が多い受注を60オーダーでまとめることを、コンピューターでやれば、保管箱3からのピッキング・ヒット率は高くなる。つまりシャトル自動倉庫2からの保管箱3の出し入れを少なくすることができることになる。
【0045】
作業者Mは2列に並んだ保管箱3の前にあるディスプレイ52を見て、どの保管箱3からいくつ商品を取り左右のどちらのピックトレー41に投入すれば良いか、瞬時に理解できる。6列5段のピックトレー41には各々LEDランプがあり、投入トレーの所にはランプが点灯している。ピックトレー41を左手で引き出し、右手でピックトレー41に商品を投入すれば、ピッキングの仕分けが同時に完了することになる。間違って違うピックトレー41を引き出せばアラートが発声され、ミスは未然に防げることになり、当該実施を可能にする構成を装備して実施することが好適である。
【0046】
ピッキングとトレー仕分けが進むと、6列5段の内1段6トレーの仕分けが完了し、完了すれば自動的に完了段の6箱は上下可動コンベア51(51a、51b)で払い出され、空トレー41も同時に供給される。左右10段のピックトレー41が投入完了し払い出されると、連続して次の60オーダーのピッキングが始められる。
【0047】
ピッキング完了したピッキング完了トレー41Aは、パッキングライン搬送コンベア61でパッキングステーション60へ搬送される。パッキングステーション60では、少量受注は袋に梱包され量の多いものは段ボール箱に入れられる。また、ピッキング完了トレー41Aの商品のなかで自動梱包が可能なものは、自動仕分けされ自動梱包される。
【0048】
本発明は、上述したように、多品種の小物を効率的にピッキングし仕分けすること可能にした仕組みである。一人の作業者Mでピッキングと仕分けを高い生産性で行うことが可能となる、高価な高速ソーター機器もなく投資コストとスペース削減にも貢献する。
【0049】
ピッキングと仕分け生産性は、一人の作業者Mで1時間に600行以上が可能である。多品種の広いピッキングエリアのピッキングはエリア別にカートピッキングをすることになる。生産性は1時間に100行強のピッキングであり、仕分け作業を入れると、トータルでは1時間に60行前後の生産性となる。本発明では従来のカートピッキングの10倍強の生産性が確保できることになる。しかも作業者は歩くことも探す作業もなくなり、疲労を少なくすることができる。
【0050】
尚、図8は実施例2におけるピッキングステーションにおいて作業者に指示表示されるディスプレイのデザインの実施例を示す説明図である。
【0051】
当該ディスプレイ52のデザインについて説明すると、53はディスプレイ52の画面で、この画面53には枠54の内側上段に左側より同画面53におけるバッチナンバー55、中央2マスはソースオリコンの左右表示欄56,57で、この表示欄56は作業者Mの左側オリコン表示灯となり、この表示欄56が点灯(例えば青色灯)され、この点灯表示により作業者Mは左側に供給される6列5段のピックトレー41に対するピック指示となる。
【0052】
また、右側の表示欄57は右側オリコン表示灯となり、これが青色等の点灯表示によって作業者Mに対する右側オリコン指示となり、右側の6列5段に対するピックトレー41のピック作業指示となる。
【0053】
一番右側の表示欄58にはピッカー、すなわち作業者名(ピッカー:山田太郎)が表示される。
【0054】
また、上記欄の下段左側の四角マス59a及びその右側の四角マス59bは、左側がピック数(2コ)、右側が投入オリコンロケナンバー表示(12番)の指示表示欄である。
【0055】
これにより当該マス59a、59bの下欄には右側に作業者Mの右側のピックトレー41の6列のトレーナンバー1~3が左側に3列、4~6は右側3列のピックトレー41が表示されるが図においては既に作業においてピック作業の投入がされ、それを示す表示灯が点灯していることを示すものとして単に表示灯(例えば青色点灯)が点灯され、ピックトレー41のナンバーは消灯された状態を表示する状態を示している。
【0056】
しかして、その左側のピックトレー41のナンバー7~12の6列のピック指示が前記左側ソースオリコン表示灯56が点灯されている状態で、前記マス59aのピック個数表示2コをマス59bのピックトレー41のナンバー表示、すなわち12番であってこれに該当するピックトレー41のナンバー12のピックトレー41のトレーマスが投入オリコンロケ表示として同トレーマスの色が点灯され、これが点滅することにより左側ピックトレー41の6列の中の左側3列の最下段ナンバー12のピックトレー41に投入指示表示の状態である。
【0057】
これにより、作業者Mの手元に供給される保管箱3より2個のオーダー商品をピッキングしピックトレー41のナンバー12のトレー中にこれが投入されると、画面53のピックトレー41のナンバー12のマスの点滅表示が投入完了を示す。
【0058】
右側ピックトレー41と同様に同マスのナンバー12表示が消灯表示よりナンバー12が表示されずマス色が緑色に変わり投入完了ピックトレー41Aとなることを表示することになる。
【0059】
尚、このピッキング作業の該投入については前記実施例の説明にて述べた通りである。画面53のその他の余白の表示画面についてはディスプレイ52のデザインの実施例に従ったその他の実施が可能である。
例えば残数欄53a、修正ボタン53b、メニューボタン53c等の入力ボタン欄を設定しつつ実施する。
【0060】
以上図8の実施例によって明白な通り作業者Mはこれを習熟するとロケナンバーだけを見て投入場所がイメージでき素早い投入が可能となるものである。
【0061】
尚、前記ピックトレー41の投入が完了すると、前記ピックトレー41マスが緑に変色し払い出しが自動的に行われ、次に空ピックトレー41がピックトレー用供給コンベア33を介して搬送されて供給セットすることができるように構成しつつ実施することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 多品種BtoC物流センターにおけるオーダーピッキング・パッキングシステム
2 シャトル自動倉庫
2a 格納棚
2b 棚
3 保管箱
3a 保管箱
11 入荷コンベア
12 昇降装置
13 移載装置
21 シャトル
30 オーダー商品
31 ピッキングステーション
31A 供給ライン
31B 供給ライン
32 供給コンベア
32a 供給コンベア
32b 供給コンベア
33 ピックトレー用供給コンベア
33a ピックトレー用供給コンベア
33b ピックトレー用供給コンベア
34 搬送コンベア
35 搬出コンベア
41 ピックトレー
41a ピックトレー
41b ピックトレー
41A ピッキング完了トレー
50a 上下可動コンベア
50b 上下可動コンベア
51 上下可動コンベア
51a 上下可動コンベア
51b 上下可動コンベア
52 ディスプレイ
53 画面
53a 残数欄
53b 修正ボタン
53c メニューボタン
54 枠
55 バッチナンバー
56 左側の表示欄
57 右側の表示欄
58 一番右側の表示欄
59a 左側の四角マス
59b 右側の四角マス
60 パッキングステーション
61 パッキングライン搬送コンベア
M 作業者(ピッカー)
M2 作業者(パッカー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8