(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071908
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】容器アクセスシステムを有する薬物送達デバイス及び関連する組立方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20230516BHJP
A61M 5/145 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/145 500
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023034315
(22)【出願日】2023-03-07
(62)【分割の表示】P 2019566891の分割
【原出願日】2018-07-11
(31)【優先権主張番号】62/536,909
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェルドン・モバーグ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ウェイン・ヤンケ
(72)【発明者】
【氏名】ワエル・ミスマー
(72)【発明者】
【氏名】アレクシス・デシュレット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】薬物送達デバイス及び関連する組立方法を提供する。
【解決手段】薬物送達デバイス10は、内部表面43を有する壁38を含む容器14と、端部表面を有するシール部材とを含んでもよい。壁38の内部表面43とシール部材の端部表面は、薬物が充填されるリザーバ30を画定してもよい。流体経路アセンブリ22は容器14に接続されてもよく、容器アクセス針60のある長さを覆い、シール部材とともに密閉空間を画定するオーバーモールド部材62を含んでもよい。オーバーモールド部材62は、容器アクセス針60を、容器アクセス針60の先端63がリザーバ30の外に配置される格納位置と、先端63がシール部材の端部表面を通過してリザーバ30内に延びる送達位置との間で運ぶために、シール部材に対して移動可能であってもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部表面を有する壁を含む容器、及び端部表面を有するシール部材であって、前記壁の前記内部表面と前記シール部材の前記端部表面は、薬物が充填されるリザーバを画定する、容器及びシール部材と、
前記容器に接続された流体経路アセンブリであって、
先端を有する容器アクセス針と、
前記容器アクセス針のある長さを覆うオーバーモールド部材であって、前記オーバーモールド部材と前記シール部材との間に密閉空間を画定し、前記オーバーモールド部材は、前記容器アクセス針を、前記先端が前記リザーバの外に配置される格納位置と、前記先端が前記シール部材の前記端部表面を通過して前記リザーバ内に延びる送達位置との間で運ぶために、前記シール部材に対して移動可能である、オーバーモールド部材と、
を含む、流体経路アセンブリと、
を含む、薬物送達デバイス。
【請求項2】
前記容器アクセス針が前記格納位置に配置されているとき、前記容器アクセス針の前記先端は前記密閉空間内に配置されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
前記シール部材内に形成され、前記オーバーモールド部材の基端部を受け入れる凹部を含み、前記密閉空間は前記凹部内に画定される、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記凹部は前記オーバーモールド部材の前記基端部を締まり嵌め接続によって受け入れる、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記シール部材の基端部は、前記凹部の少なくとも一部分が前記容器内に配置されるように前記容器内に延びる、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記シール部材に取り付けられ、前記オーバーモールド部材に摩擦的に係合し、前記シール部材に対する前記オーバーモールド部材の移動を阻止するクリップ部材を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
前記クリップ部材は、貫通穴を画定する内部表面を有し、前記オーバーモールド部材の前記基端部は前記貫通穴を通過し、前記凹部内に延びる、請求項6に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記クリップ部材の前記内部表面はグリップ要素を画定し、前記針が前記格納位置に配置されているとき、前記グリップ要素は、前記オーバーモールド部材に形成された対応する溝内に受け入れられている、請求項6又は7に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記容器アクセス針が前記格納位置から前記送達位置に移動するように、前記オーバーモールド部材を前記シール部材に対して移動させるために、前記クリップ部材と前記オーバーモールド部材との間の摩擦力に打ち勝つ原動力を作用させるように構成されたアクチュエータを含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記シール部材が前記クリップ部材と前記容器との間に配置されている状態で、前記クリップ部材を前記容器に固定するために前記クリップ部材の外部表面と前記容器の前記壁の外部表面とに係合する締結具を含む、請求項6~9のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
前記シール部材に取り付けられ、前記オーバーモールド部材に摩擦的に係合し、前記シール部材に対する前記オーバーモールド部材の移動を阻止するクリップ部材を含み、前記クリップ部材は、貫通穴を画定する内部表面を有し、前記オーバーモールド部材の基端部は前記貫通穴内に部分的に延び、前記密閉間隔は前記貫通穴内に画定される、請求項1又は2に記載の薬物送達デバイス。
【請求項12】
前記オーバーモールド部材の前記基端部の周囲に配置され、前記クリップ部材の前記内部表面に密閉的に且つ摺動可能に係合するOリングを含む、請求項11に記載の薬物送達デバイス。
【請求項13】
前記クリップ部材は基端部と先端部とを有し、前記基端部は取付けフランジを含み、前記取付けフランジは、前記先端部の半径方向外側に配置され、前記シール部材に係合する、請求項11又は12に記載の薬物送達デバイス。
【請求項14】
前記クリップ部材の前記内部表面はグリップ要素を画定し、前記針が前記格納位置に配置されているとき、前記グリップ要素は、前記オーバーモールド部材に形成された対応する溝内に受け入れられている、請求項11~13のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項15】
前記容器アクセス針が前記格納位置から前記送達位置に移動するように、前記オーバーモールド部材を前記シール部材に対して移動させるために、前記クリップ部材と前記オーバーモールド部材との間の摩擦力に打ち勝つ原動力を作用させるように構成されたアクチュエータを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項16】
前記シール部材が前記クリップ部材と前記容器との間に配置されている状態で、前記クリップ部材を前記容器に固定するために前記クリップ部材の外部表面と前記容器の前記壁の外部表面とに係合する締結具を含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。
【請求項17】
内部表面を有する壁を有する容器と;先端を有する容器アクセス針とオーバーモールド部材とを含む流体経路アセンブリであって、前記オーバーモールド部材は、前記先端が前記オーバーモールド部材から外に突き出た状態の、前記容器アクセス針のある長さを覆う、流体経路アセンブリと、を用意することと、
シール部材の端部表面と前記容器の前記壁の前記内部表面とがリザーバを画定するように、前記容器の前記壁に形成された第1の開口部を前記シール部材で覆うことと、
前記オーバーモールド部材と前記シール部材との間に密閉空間を画定するように前記オーバーモールド部材を配置することと、
を含む、組立方法。
【請求項18】
前記シール部材にクリップ部材を取り付け、前記クリップ部材と前記オーバーモールド部材とを摩擦的に係合することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記クリップ部材と前記オーバーモールド部材とを摩擦的に係合することは、前記クリップ部材の内方突出グリップ要素を、前記内方突出グリップ要素が対応する溝内に受け入れられるように、前記オーバーモールド部材に形成された前記対応する溝と位置合わせすることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記オーバーモールド部材と前記シール部材との間に密閉空間を画定するように前記オーバーモールド部材を配置することは、前記シール部材に形成された凹部に前記オーバーモールド部材を挿入することを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記シール部材に形成された前記凹部に前記オーバーモールド部材を挿入することは、前記オーバーモールド部材と前記シール部材との間に締まり嵌め接続を形成することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記オーバーモールド部材と前記シール部材との間に密閉空間を画定するように前記オーバーモールド部材を配置することは、前記オーバーモールド部材の末端部が貫通穴内に配置されるように、前記クリップ部材の前記貫通穴内に前記オーバーモールド部材を部分的に挿入することを含む、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項23】
前記オーバーモールド部材と前記シール部材との間に密閉空間を画定するように前記オーバーモールド部材を配置することは、前記オーバーモールド部材の前記末端部の周囲に配置されたOリングが前記クリップ部材の内部表面に密閉的に係合することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記容器の前記リザーバに薬物を充填することを含む、請求項17~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記容器の前記壁に形成された第2の開口部を通して、前記リザーバにストッパを挿入することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記シール部材が前記クリップ部材と前記容器との間に配置されている状態で、前記クリップ部材を前記容器に固定するために前記クリップ部材の外部表面と前記容器の前記壁の外部表面とに締結具を適用することを含む、請求項17~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
キャリアアセンブリによって、挿入機構と、前記容器、前記シール部材、前記クリップ部材、及び前記流体経路アセンブリの組立済み構成とを取り外し可能に接続することを含む、請求項17~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記キャリアアセンブリは、前記容器の周囲に配置されたスリーブと、前記挿入機構、前記流体経路アセンブリ、及び前記クリップ部材の周囲に配置されたキャリアと、を含み、前記キャリアの端部は、前記スリーブ内に受け入れられ且つ前記スリーブに取り外し可能に接続されている、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2017年7月25日に出願された米国仮特許出願第62/536,909号明細書の優先権の利益を主張し、その内容全体を、参照により本明細書に明示的に援用する。
【0002】
本開示は、概して、薬物送達デバイスに関し、必ずしも限定はされないが、より具体的には、薬物送達デバイス内に組み付けられた薬物容器と患者との間の滅菌流体流路を有効にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
インジェクタなどの薬物送達デバイスは、患者に液剤を送達するために使用される。起動時、薬物送達デバイスは内部リザーバ内に保管された薬物を、針、カニューレ、又は他の送達部材を通して患者へと排出する。ある薬物送達デバイスは空のリザーバを備えて製造され、使用時に患者又は医療提供者(例えば、医師、看護師、医療助手等)がリザーバに薬物を充填する。通常、これには、患者又は医療提供者がシリンジを操作して、薬物送達デバイスに形成された入口ポートを通して空のリザーバに薬物を注入することが必要である。この充填手順の前に、入口ポートを、その外部表面を例えばアルコールワイプで拭うことにより滅菌すべきである。あるいは、ある薬物送達デバイスでは、使用時に患者又は医療提供者によってプレフィルド薬物容器が取り付けられる。プレフィルド薬物容器を取り付ける前に、それぞれプレフィルド薬物容器とデバイス内の流体経路アセンブリとに配置された嵌合コネクタを、例えば、これらをアルコールワイプで拭うことにより滅菌すべきである。いずれの場合も、使用前に患者又は医療提供者が薬物送達デバイスを準備しなければならない。
【0004】
より最近では、プレフィルド薬物容器が予め組み付けられた薬物送達デバイスが利用できるようになっている。これにより、患者又は医療提供者が治療時に薬物送達デバイスに薬物を加えなければならないことを解消する。このような薬物送達デバイスでは、デバイスの起動時にプレフィルド薬物容器と流体経路アセンブリとの間に滅菌流体流路が設けられる。一般に、これには、薬物を容器から容器アクセス針を通して排出することができるように、薬物容器の内部に容器アクセス針でアクセスすることを伴う。デバイスの起動時に容器アクセス針が容器に汚染物質を導入しないように、デバイスの起動前、容器アクセス針は滅菌状態に維持すべきである。容器アクセス針を介した薬物容器の滅菌アクセスを可能にするための既存のアセンブリは、嵩張る、組み立てが困難、及び/又は設計が非常に複雑な傾向がある。
【0005】
本開示は、既存の薬物送達デバイス及び組立方法に対する有利な代替案を具体化し、上述した課題又は必要性の1つ又は複数に対処することができると共に、他の利益及び利点を提供することができる薬物送達デバイス及び関連する組立方法を説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、容器と、シール部材と、容器に接続された流体経路アセンブリと、を含む薬物送達デバイスを提供する。容器は、内部表面を有する壁を有してもよく、シール部材は、端部表面を有してもよい。壁の内部表面とシール部材の端部表面は、薬物が充填されるリザーバを画定してもよい。流体経路アセンブリは、先端を有する容器アクセス針と、オーバーモールド部材とを含んでもよい。オーバーモールド部材は、容器アクセス針のある長さを覆ってもよく、オーバーモールド部材とシール部材との間に密閉空間を画定してもよい。オーバーモールド部材は、容器アクセス針を、容器アクセス針の先端がリザーバの外に配置される格納位置と、容器アクセス針の先端がシール部材の端部表面を通過してリザーバ内に延びる送達位置との間で運ぶために、シール部材に対して移動可能であってもよい。
【0007】
本開示の別の態様は、(a)内部表面を有する壁を有する容器と、先端を有する容器アクセス針と、先端がオーバーモールド部材から外に突き出た状態の、容器アクセス針のある長さを覆うオーバーモールド部材とを含む流体経路アセンブリと、を用意することと、(b)シール部材の端部表面と容器の壁の内部表面とがリザーバを画定するように、容器の壁に形成された第1の開口部をシール部材で覆うことと、(c)オーバーモールド部材とシール部材との間に密閉空間を画定するようにオーバーモールド部材を配置することと、を含む組立方法を提供する。
【0008】
本開示は、以下の説明を付属の図面と併せて解釈することで、より完全に理解されるものと考えられる。一部の図面は、他の要素をより明らかに示すため、選択された要素を省略することで簡略化されている場合がある。一部の図面におけるこうした要素の省略は、対応する書面による明細書の中で明確に記述されている場合を除き、例示的実施形態のいずれかにおける特定要素の有無を必ずしも示すものではない。また、いずれの図面も必ずしも一律の縮尺に従っていない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の原理による薬物送達デバイスの一実施形態の概略断面図を示す。
【
図2A】
図1に示される容器、シール部材、及び流体経路アセンブリの分解断面図を示す。
【
図2B】
図2Aに示される容器、シール部材、及び流体経路アセンブリの格納状態の組立断面図を示す。
【
図2C】
図2Aに示される容器、シール部材、及び流体経路アセンブリの送達状態の組立断面図を示す。
【
図3A】容器、シール部材、及び流体経路アセンブリの別の実施形態の分解断面図を示す。
【
図3B】
図3Aに示される容器、シール部材、及び流体経路アセンブリの格納状態の組立断面図を示す。
【
図3C】
図3Aに示される容器、シール部材、及び流体経路アセンブリの送達状態の組立断面図を示す。
【
図4】本開示によるキャリアアセンブリの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、概して、薬物送達デバイス内に組み付けられた薬物容器と患者との間の滅菌流体流路に関する。薬物送達デバイスは、デバイスの作動又は制御信号に応答して薬物容器のリザーバとデバイスの他の構成要素又はアセンブリとの間に流体連通を確立する流体経路アセンブリを含んでもよい。起動前、流体経路アセンブリの容器アクセス針はリザーバの外に配置されていてもよい。起動時、容器アクセス針の先端は、リザーバ内の薬物との流体連通を設けるために、突き通し可能なセプタムなどのシール部材を通して挿入されてもよい。容器アクセス針の先端に微生物又は他の汚染物質が付いている場合、容器アクセス針はリザーバに汚染物質を導入するおそれがある。そうした汚染の可能性を低下させるために、本開示のある実施形態は、薬物送達デバイスの起動前には容器アクセス針の先端を密閉清浄空間内に格納している。密閉清浄空間は、シール部材と、容器アクセス針のある長さを覆うオーバーモールド部材との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部材は、シール部材内に形成された凹部内に受け入れられ、密閉清浄空間を画定してもよい。他の実施形態では、オーバーモールド部材は、密閉清浄空間を画定するために、シール部材に取り付けられた環状クリップ部材の内部内に受け入れられてもよい。オーバーモールド部材を用いて密閉清浄空間を作成することで、流体経路アセンブリのよりコンパクトな設計を容易にすることができ、更に、薬物送達デバイスのより小さな全体サイズを可能にすることができる。更に、この設計の相対的な簡単さにより、利点の中でもとりわけ、薬物送達デバイスの製造性を向上させることができる。
【0011】
ここで、薬物送達デバイスの前述の構成要素のそれぞれと、こうしたデバイスの組立方法について、より詳細に説明する。
【0012】
図1は、本開示の原理に従って構築された薬物送達デバイス10の一実施形態の概略図である。薬物送達デバイス10は、患者に薬物を皮下的に又は経皮的に送達するように動作させてもよい。図示される実施形態においては、薬物送達デバイス10は、オンボディ型インジェクタ又は携帯型輸液ポンプなどのウェアラブル薬物送達デバイスとして構成され、患者の組織11(例えば、患者の皮膚)に取り外し可能に取り付けられる。他の実施形態(図示せず)では、薬物送達デバイス10は、注射の過程にわたり患者の組織11に一時的に押し付けられる、オートインジェクタ又は注射ペンなどのペン型インジェクタとして構成されていてもよい。薬物送達デバイス10は、一定の又は患者/オペレータが設定可能な用量の薬物を制御された又は選択された時間にわたって自動的に送達するように構成されていてもよい。更に、薬物送達デバイス10は患者による自己投与用であってもよい、又は注入を管理するように正式に訓練された医療関係者若しくは他の介護者によって操作されてもよい。
【0013】
概して、薬物送達デバイス10は、挿入機構12と、容器14と、流体経路アセンブリ22と、駆動機構24と、コントローラ26と、を含んでもよく、これらはそれぞれ、主要ハウジング29の内部空間内に配置されてもよい。アクチュエータ28(例えば、ユーザが押すことができるボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン等)はハウジング29の外部表面から突き出ていてもよく又はハウジング29の外部表面に配置されていてもよく、機械的及び/又は電気的手段(
図1に破線で示す)により、挿入機構12、流体経路アセンブリ22、駆動機構24、コントローラ26、並びに/又は他の機構及び/若しくは電子機器を起動することによって薬物送達デバイス10の動作を開始するように構成されていてもよい。アクチュエータ28がユーザ又は患者によって押される又は別の手法で物理的に動作されるボタンである実施形態において、アクチュエータ28は、挿入機構12、流体経路アセンブリ22、駆動アセンブリ24、コントローラ26、及び/又は他の機構を起動するのに必要な原動力を作用させるように構成されていてもよい。そのような実施形態においては、アクチュエータ28を手で押すこと又はこれと他の手法で相互作用することで、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構を起動するのに必要な原動力を供給するように、アクチュエータ28は、直接的に又は機械的リンク機構を介して間接的に、のいずれかにおいて、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構に物理的に接続されていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ28を手で押すことにより、流体経路アセンブリ22を固定容器14に向かって移動させ、又は容器14を固定流体経路アセンブリ22に向かって移動させ、それにより、容器アクセス針をシール部材に貫通させて容器14のリザーバ又は内容積に入れてもよい。付加的に又は代替的に、アクチュエータ28は電気的及び/又は機械的信号をコントローラ26に送信する入力デバイスとして動作してもよく、コントローラ26は更に、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構の動作を制御するためのプログラム可能命令を実行してもよい。そのような実施形態では、コントローラ26は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、及びプロセッサによって実行されるプログラム可能命令を記憶するための非一時的なメモリを含んでもよい。更に、そのような実施形態では、薬物送達デバイス10は、アクチュエータ28とは別個の、コントローラ26から受信された電気的制御信号に応答して、挿入機構12、駆動機構24、流体経路アセンブリ22、及び/又は他の機構を起動するのに必要な原動力を作用させる内部アクチュエータ(例えば、電気モータ、空気圧式若しくは油圧式ポンプ、及び/又は加圧ガス若しくは液体源)を含んでもよい。
【0014】
更に
図1を参照すると、ハウジング29は、患者の組織11に取り外し可能に取り付けられる(例えば、接着剤によって接着される)ように構成された底壁25と、1つ以上の視覚インジケータ42(例えば、ライト、グラフィカルディスプレイ等)並びに/又は容器14及びその中に収容された薬物32を観察するための窓35を含む頂壁27と、を含んでもよい。1つ以上の視覚インジケータ42は、薬物送達デバイス10の動作状態及び/又は薬物32の状態に関する情報をユーザに伝えるために使用されてもよい。開口部31が底壁25に形成されてもよく、任意選択的に、突き通し可能なセプタムなどの突き通し可能な滅菌バリア33が開口部31にわたって延び、使用前にハウジング29の内部を密封していてもよい。いくつかの実施形態では、突き通し可能な滅菌バリア33は省略されてもよく、その代わりに、使用前に、取り外し可能なシーリング部材(図示せず)が開口部31を覆い、密閉閉鎖(seal close)してもよい。
【0015】
より具体的には、窓35に関して、この要素は透明又は半透明材料から構築されてもよく、薬物送達デバイス10の患者又はユーザが容器14内の薬物32を確かめること及び/又は投与の完了を確認することを可能にするために、容器14と概ね位置合わせされていてもよい。窓35を構築するために好適な材料としては、ガラス及び/又はプラスチックが挙げられるが、これらに限定されない。窓35を薬物送達デバイス10の外側に配置すると、薬物32が日光を含む周囲光に曝される場合がある。いくつかの薬物は特定の波長の光に敏感な場合があり、そのような波長の光に曝されると望ましくない分子の変化を経ることがある。例えば、いくつかの薬物は、紫外(UV)域、可視域及び/又は赤外域の波長の光に敏感な場合がある。主にUV域及び/又は赤外域の光に敏感な薬物を保護するために、窓35に暗い色調を付加してもよい及び/又は窓35は、ハウジング29の比較的小さな表面積を覆うような寸法にされてもよい。主に可視域の光に敏感な薬物においては、窓35に暗い色調を付加する及び/又は窓35のサイズを収縮する必要がない場合がある。その代わり、窓35を偏光フィルタによって構築してもよい。いくつかの実施形態では、偏光フィルタは、窓35に適用されるフィルム又は他のコーティングであってもよい。他の実施形態では、偏光フィルタは、窓35の材料に直接組み込まれてもよい。偏光フィルタは、容器14内の薬物32の観察及び確認を可能にし得る一方で、可視域の光の約(例えば、±10%)50%以下(up to and including)を遮る。いくつかの実施形態では、窓35よって遮られる可視光線の一部は、考慮すべき事項の中でもとりわけ薬物32の光感受性及び/又は薬物32の患者集団の視力に応じて、約(例えば、±10%)0~50%、又は10~50%、又は20~50%、又は25~50%、又は0~40%、又は0~30%、又は0~25%の範囲内にあり得る。窓35に暗い色調を付加すること及び/又は窓35のサイズを縮小することの代わりに偏光フィルタを窓35に付加することで、薬物送達デバイス10の患者又はユーザが薬物32を確認する能力を実質的に損なうことなく薬物35を可視域の光から有利に保護する。
【0016】
ハウジング29の底壁25が患者の組織13に取り付けられた後、挿入機構12を起動して、ハウジング29内の後退位置からハウジング29の外に延びる展開位置に送達部材を移動させてもよい。本実施形態では、これには、
図1に示されるように、挿入機構12がトロカール21とトロカール21を包囲する中空カニューレ23とを、突き通し可能な滅菌バリア33を通して患者の組織11に挿入することを含んでもよい。その直後又はその後間もなく、挿入機構12はトロカール21を自動的に後退させ、カニューレ23の先端側開端部を薬物32の皮下送達のために患者の内部に残してもよい。トロカール21は中実であり、患者の皮膚11に穿孔するために鋭利な端部を有してもよい。更に、トロカール21はカニューレ23よりも剛性の高い材料で作製されていてもよい。いくつかの実施形態では、トロカール21は金属製であってもよく、カニューレ23はプラスチック又は別のポリマー製であってもよい。カニューレ23の相対的な可撓性によって、カニューレ23を患者に痛み又は顕著な不快感を生じさせることなくある期間にわたって患者の組織11内に皮下配置することを可能にしてもよい。他の実施形態(図示せず)では、トロカール21及びカニューレ23は省略されてもよく、その代わりに、挿入機構12は薬物32の皮下送達のために剛性の高い中空針のみを患者に挿入してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、挿入機構12は、初めは付勢された状態に保持され、アクチュエータ28を押すとトロカール21及びカニューレ23又は中空針を患者に挿入するために解放される1つ以上のばね(例えば、コイルばね、ねじりばね等)を含んでもよい。更に、トロカール21の後退は、トロカール21及びカニューレ23が患者に挿入された後に、別のばねの自動解放によって達成されてもよい。例えば、電気モータ、油圧式若しくは空気圧式ポンプ、又は加圧ガス若しくは加圧液体を放出して作動エネルギーを提供するキャニスタを含む、挿入及び/又は後退用の他の動力源も考えられる。
【0018】
引き続き
図1を参照すると、一部の文脈では一次容器と呼ばれることのある容器14は、薬物32が充填されるリザーバ30を画定する内部表面43と外部表面47とを有する壁38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイス10に容器14を取り付ける前に、リザーバ30に薬物製造業者によって薬物32が予め充填されてもよい。いくつかの実施形態では、容器14をハウジングに対して動かすことができないように容器14はハウジング29に強固に接続されてもよく、その一方で、他の実施形態では、薬物送達デバイス10の動作中に容器14をハウジング29に対して動かすことができるように容器14はハウジング29に摺動可能に接続されてもよい。容器14は、長手方向軸線Aに沿って延びる細長いバレル状の又は円筒状の形状を有してもよい。薬物送達デバイス10がオンボディ型インジェクタとして構成される実施形態では、容器14の長手方向軸線Aは、挿入機構12がカニューレ23などの送達部材を患者に挿入する方向に垂直、又は実質的に垂直、或いは非平行であってもよい。この構成は、患者の動きを妨げることなく患者が装着することができるオンボディ型インジェクタが略平坦な薄型形状を有することを可能にし得る。最初に、ストッパ34又は他のピストン部材が容器14の基端部36においてリザーバ30内に配置されてもよい。ストッパ34は容器14の壁38の内部表面43に密閉的に且つ摺動可能に係合してもよく、容器14の壁38に対して移動可能であってもよい。
【0019】
送達前にリザーバ30内に収容される薬物32の量は、約(例えば、±10%)0.5~20mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)0.5~10mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~10mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~8mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~3.5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~3mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~2.5mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)1~2mLの範囲内の任意の量、又は約(例えば、±10%)4mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)3.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)3mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)2mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)1.5mL以下の任意の量、又は約(例えば、±10%)1mL以下の任意の量であってもよい。リザーバ30には薬物32が完全に又は一部充填されてもよい。薬物32は、例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、PCSK9(ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型)特異抗体、スクレロスチン抗体、又はカルシトニン遺伝子関連ペプチド抗体(CGRP)など、以下に記載する薬物のうちの1つ以上であってもよい。
【0020】
薬物送達デバイス10の動作中、駆動機構24は、容器14から薬物32を排出するためにストッパ34を長手方向軸線Aに沿って容器14の基端部36から容器14の先端部37まで押してもよい。いくつかの実施形態では、駆動機構24は、初めに付勢された状態に保持され、アクチュエータ28を押すと解放される1つ以上のばね(例えば、コイルばね、ねじりばね等)を含んでもよい。ばねは、それらの解放後、伸張又は収縮し、ストッパ34をリザーバ30内において、長手方向軸線Aに沿って容器14の基端部36から容器14の先端部37まで移動させることができる。他の実施形態では、駆動機構24は、例えば1つ以上のスプロケットギアを含むギア機構を回転させてリザーバ30内におけるストッパ34の軸方向運動を生じさせる電気モータ(図示せず)を含んでもよい。更に別の実施形態では、駆動機構24は電気モータ及びばねの両方を含んでもよく、電気モータは、ばねの伸張をテザー又はプーリシステムを介して調整する。更に別の実施形態では、駆動機構24は、加圧ガス又は加圧液体を放出して作動エネルギーを提供するキャニスタを含んでもよい。
【0021】
容器14の先端部37において、壁38の先端部表面72(
図2Aを参照)に開口部45(
図2Aを参照)が形成されてもよい。先端部表面72は壁38の外部表面47の一部分を画定してもよい。少なくとも、薬物送達デバイス10の動作の前に、開口部45は、容器14の先端部37に接続された突き通し可能なセプタムなどのシール部材40によって覆われ、密閉閉鎖されていてもよい。シール部材40は、基端部表面73及び先端部表面75を含んでもよい。シール部材40の基端部表面73と容器14の壁38の内部表面43は、リザーバ30を画定してもよい。加えて、いくつかの実施形態では、ストッパ34の先端部表面39はリザーバ30を画定してもよい。
【0022】
概して、シール部材40は、リザーバ30へのアクセスを選択的に可能にするように構成されていてもよい。動作中、シール部材40は、リザーバ30内の薬物32との流体連通を可能にするために物理的に変更されてもよい(例えば、穴が開けられる)。いくつかの実施形態では、シール部材40は、流体経路アセンブリ22の容器アクセス針60の鋭利な端部、即ち先端63によって貫通させる又は穴を開けることができる、例えば、ゴムなどの可撓性の又は弾性的に変形可能な材料で構築されてもよい。いくつかの実施形態では、シール部材40は、締結具91によって壁38の先端部表面72に締め付けられてもよい或いは固定されてもよい(
図2B及び
図2Cを参照)及び/又は先端部表面72に直接付着させてもよい。
【0023】
図1を更に参照すると、流体経路アセンブリ22は、薬物送達デバイス10の動作中に滅菌流体路を介して容器14と挿入機構12との間に流体連通を確立するように構成されていてもよい。薬物送達デバイス10の使用前、流体経路アセンブリ22は容器14と流体連通していなくてもよい。薬物送達デバイス10のセットアップ中、又は薬物送達前の薬物送達デバイス10の動作の初期段階の間、必要な接続をユーザが手動で、又は薬物送達デバイス10が自動的に、有効にし、接続し、又は開放し、容器14と流体経路アセンブリ22との間に流体連通を確立してもよい。その後、駆動機構24はストッパ34を遠位方向に移動させ、容器14に保管された薬物32を、患者への皮下送達のために流体経路アセンブリ22の滅菌流体路を通して挿入機構12のカニューレ23又は針又は他の送達部材に押し込んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、流体経路アセンブリ22がハウジングに対して移動することができないように、流体経路アセンブリ22はハウジング29に強固に接続することができ、一方で、他の実施形態では、薬物送達デバイス10の動作中に流体経路アセンブリ22がハウジング29に対して移動することができるように、流体経路アセンブリ22はハウジング29に摺動可能に又は移動可能に接続することができる。前者の実施形態では、容器14は、シール部材40を流体経路アセンブリ22の固定的に配置された容器アクセス針60の先端63に向かって移動させることができ、この先端63によって穴を開けることができるように、ハウジング29に摺動可能に又は移動可能に接続されてもよい。後者の実施形態では、容器14は固定的に配置され得る一方で、流体経路アセンブリ22を容器14に向かって移動させ、容器アクセス針60の先端63をシール部材40に突き刺し、リザーバ30にアクセスする。
【0025】
流体経路アセンブリ22は、容器14に接続された第1端部44と、挿入機構12に接続された第2端部48と、第1端部44と第2端部48との間に延びる流体通路50とを含んでもよい。以下で更に詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、流体経路アセンブリ22の第1端部44は、クリップ部材53によって容器14に接続されてもよい。流体通路50は、滅菌してもよく、部分的に又は完全に可撓性チューブ52から作製してもよい。最初に、流体経路アセンブリ22がハウジング29に対して移動するのを可能にするように、且つ/又は、流体経路アセンブリ22が取り付けられている挿入機構12の構成要素がハウジング29に対して移動するのを可能にするように、可撓性チューブ52にたるみがあってもよい。いくつかの実施形態では、流体通路50は、可撓性チューブ52に加えて、剛性流体制限要素(図示せず)を含んでもよい。流体制限要素は、流体経路アセンブリ22を通過する際の薬物32の流量を調節するために、可撓性チューブ52の内径よりも小さい内径を有してもよい。更に、流体制限要素は、可撓性チューブ52よりも剛性の高い材料から作製されてもよい。例えば、流体制限要素は金属から作製されてもよく、可撓性チューブ52はプラスチックなどの高分子材料から作製されてもよい。
【0026】
図1を更に参照すると、流体経路アセンブリ22の第1端部44は、容器アクセス針60及びオーバーモールド部材62を含んでもよい。概して、オーバーモールド部材62は容器アクセス針60のための取付部材又は接続ハブとしての役割を果たしてもよく、リザーバ30にアクセスしない容器アクセス針60の一部分に、拡大外径などの拡大外形寸法を与えてもよい。容器アクセス針60は、容器アクセス針60の基端部に対応する鋭利な端部、即ち先端63と、流体通路50と流体連通する先端部64とを有してもよい。図示される実施形態においては、容器アクセス針60は、容器アクセス針60の先端63が容器14の長手方向軸線Aと軸方向に位置合わせされ得る一方で、容器アクセス針60の先端部64は容器14の長手方向軸線Aに垂直、或いは非平行であり得るように、屈曲部を有する。オーバーモールド部材62は、容器アクセス針60の先端63がオーバーモールド部材62の基端部65から外側に突き出た状態で、屈曲部を含む容器アクセス針60のある長さを覆ってもよい。
図1に示すように、オーバーモールド部材62の先端部66は、可撓性チューブ52の端部をオーバーモールド部材62に挿入することを可能にする口又は開口部を含んでもよい。別の実施形態では、オーバーモールド部材62の先端部66は、可撓性チューブ52の端部に形成された開口部に挿入されてもよい。
【0027】
容器アクセス針60は、先端63及び先端部64のそれぞれに1つ以上の開口部を有する中空管状形状を有してもよい。容器アクセス針60は、金属(例えば、ステンレス鋼)及び/又はプラスチックを含むがこれらに限定されない剛性材料から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部材62と容器アクセス針60とが別々の、強固に接続された構成要素であるように、オーバーモールド部材62は容器アクセス針60と異なる材料から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部材62は剛性プラスチック材料から構築されてもよい一方で、容器アクセス針60は金属で構築される。他の実施形態では、オーバーモールド部材62と容器アクセス針60は、それらが単一の一体構造を形成するように、同じ材料で作製されてもよい。
【0028】
概して、オーバーモールド部材62は、容器アクセス針60のある長さを包囲するスリーブ状又は管状形状を有してもよい。オーバーモールド部材62は、オーバーモールド部材62と針60とが単一ユニット又は構造として共に一緒に移動することができるように、針60に固定的に又は強固に接続されていてもよい。換言すると、オーバーモールド部材62は、針60がオーバーモールド部材62に対して移動することを防ぐように、容器アクセス針60に固定的に又は強固に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部材62と容器アクセス針60との間の固定的な又は強固な接続は、オーバーモールド部材62の材料を容器アクセス針60の材料に結合させることによって達成してもよい。このような結合は、重ね成形又はインサート成形プロセスによって容器アクセス針60の周りにオーバーモールド部材62を形成することによって達成してもよい。いくつかのこのような実施形態では、容器アクセス針60を金型内に置き、その後、溶融プラスチック又は他の溶融材料を金型に注ぎ又は注入し、固化させ、オーバーモールド部材62を形成してもよい。オーバーモールド部材62を製造するためのその他のプロセスも可能である。別の実施形態では、オーバーモールド部材62は、基端部65と先端部66との間に延びる貫通穴又は通路によって形成されてもよく、その後、この貫通穴又は通路に容器アクセス針60が挿入されてもよい。そのような実施形態では、容器アクセス針60は、例えば、締まり嵌め接続、接着剤、及び/又は締結具によってオーバーモールド部材62に固定されてもよい。
【0029】
オーバーモールド部材62の少なくとも基端部65は容器アクセス針60のある長さを、これらの間に間隙のない状態で面一に覆ってもよい。
図1に見られるように、可撓性チューブ52を受け入れるための口又は開口部を形成するために、オーバーモールド部材62の先端部66と容器アクセス針60との間に間隙があってもよい。別の実施形態では、オーバーモールド部材62の先端部66と容器アクセス針60との間に間隙が存在しないように、オーバーモールド部材62の先端部66に口又は開口部が形成されなくてもよい。
【0030】
図1に示すように、及び以下で
図2A~
図2Cを参照してより詳細に説明するように、薬物送達デバイス10の起動前に(例えば、格納状態において)、オーバーモールド部材62は、オーバーモールド部材62とシール部材40との間に密閉清浄空間68を画定してもよい。いくつかの実施形態では、密閉清浄空間68は、滅菌された、真空であっても真空でなくてもよい空の空間であってもよい。他の実施形態では、密閉清浄空間は、気体又は液体滅菌剤が充填された空間であってもよい。
図1~
図2Cに示される実施形態では、密閉清浄空間68の境界(例えば、滅菌境界)は、単にオーバーモールド部材62の外部表面77とシール部材40の内部表面79とによって画定され得る。しかしながら、密閉清浄空間68の境界は、オーバーモールド部材62の表面及びシール部材40の表面に限定されてはならない。いくつかの実施形態では、密閉清浄空間68の境界がオーバーモールド部材62の外部表面77及びシール部材40の内部表面79に加え、Oリングの外部表面によって画定されるように、Oリング(図示せず)がオーバーモールド部材62の基端部65の周囲に配置されてもよい。
図3A~
図3Cに示されるような更に別の実施形態では、密閉清浄空間68の境界は、クリップ部材53の内部表面と、オーバーモールド部材62の基端部65の周囲に配置されたOリングと、シール部材40の先端部表面75とによって画定され得る。密閉清浄空間68の境界を画定する他の構成も可能であるが、最低でも、密閉清浄空間68の境界は、オーバーモールド部材62の表面とシール部材40の表面とによって画定され得る。
【0031】
図1、
図2B、及び
図3Bに示すように、薬物送達デバイス10の起動前、容器アクセス針60は、その先端63がリザーバ30の外に配置された状態で、格納位置に配置されていてもよい。いくつかの実施形態では、格納位置において、容器アクセス針60の先端63は密閉清浄空間68内に配置されていてもよく、それによって容器アクセス針60の先端63の汚染を抑制する又は防止する。他の実施形態では、格納位置において、先端63がシール部材40の材料内に埋没するように、容器アクセス針60の先端63は部分的にシール部材40内に配置されていてもよい。先端63をシール部材40の材料内に埋没させると、先端63の汚染を抑制する又は防止することができる。このような実施形態では、製造中、先端63が密閉清浄空間68を通って挿入されるときに、先端63が気体又は液体滅菌剤によって滅菌されるように、密閉清浄空間68に気体又は液体滅菌剤が充填されてもよい。
【0032】
薬物送達デバイス10の起動前に容器アクセス針60を格納位置に拘束するために、クリップ部材53はオーバーモールド部材62の外部表面77に摩擦的に係合してもよい。したがって、クリップ部材53は、シール部材40に向かう及び/又はシール部材40から離れる方向のオーバーモールド部材62の移動を阻止することができる。クリップ部材53のより詳細な説明について述べる。
【0033】
図2C及び
図3Cに示されるように、薬物送達デバイス10の起動時、容器アクセス針60は格納位置から送達位置に移動してもよく、先端63がシール部材40の基端部表面73を通ってリザーバ30内に配置され、それによって薬物32との流体連通を確立する。いくつかの実施形態では、アクチュエータ28を手で押すと、容器アクセス針60を格納位置から送達位置62に移動させるのに必要な原動力を提供するように、アクチュエータ28は容器アクセス針60に直接的又は間接的に機械的に連結又は接続されてもよい。他の実施形態では、上述のように、通電されたアクチュエータ(例えば、電気モータ、空気圧式若しくは油圧式ポンプ、及び/又は、加圧ガス若しくは液体源を含む)が、ユーザがアクチュエータ28を押したことに応答して起動されてもよく、容器アクセス針60を格納位置から送達位置に移動させるのに必要な原動力を提供してもよい。
【0034】
必要に応じて、上記のサブアセンブリ、機構、構成要素、特徴、機能、製造方法、使用方法、及び薬物送達デバイス10のその他の態様のいずれも、あらゆる目的においてその全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の文書のいくつか又は全てに記載されるサブアセンブリ、機構、構成要素、特徴、機能、製造方法、使用方法、及び薬物送達デバイスのその他の態様のいずれかと入れ替える及び/又は組み合わせることができる: 米国特許第9,061,097号明細書; 米国特許出願公開第2017/0124284号明細書;米国特許出願公開第2017/0119969号明細書;米国特許出願公開第2017/0098058号明細書;米国特許出願公開第2017/0124285号明細書;米国特許出願公開第2017/0103186号明細書;「INSERTION MECHANISM FOR DRUG DELIVERY DEVICE」という名称の米国仮特許出願第62/460,501号明細書;「INSERTION MECHANISM FOR DRUG DELIVERY DEVICE」という名称の米国仮特許出願第62/469,226号明細書;「INSERTION MECHANISM AND METHOD OF INSERTING A NEEDLE OF A DRUG DELIVERY DEVICE」という名称の米国仮特許出願第62/468,190号明細書;「DRUG DELIVERY DEVICE WITH STERILE FLUID FLOWPATH AND RELATED METHOD OF ASSEMBLY」という名称の米国仮特許出願第62/460,559号明細書;「DRUG DELIVERY DEVICE,METHOD OF MANUFACTURE,AND METHOD OF USE」という名称の米国仮特許出願第62/294,842号明細書;「DRUG DELIVERY DEVICE,METHOD OF MANUFACTURE,AND METHOD OF USE」という名称の米国仮特許出願第62/297,718号明細書;「DRUG DELIVERY DEVICE,METHOD OF MANUFACTURE,AND METHOD OF USE」という名称の米国仮特許出願第62/320,438号明細書;「DRUG DELIVERY DEVICE,METHOD OF MANUFACTURE,AND METHOD OF USE」という名称の国際出願PCT/US2017/017627号明細書;及び「DRUG DELIVERY DEVICE,METHOD OF MANUFACTURE,AND METHOD OF USE」という名称の国際出願PCT/US2017/026524号明細書。
【0035】
図2A~
図2Cを参照すると、
図1に示される薬物送達デバイス10の容器14、シール部材40、及び流体経路アセンブリ22の拡大図が示されている。容器14は、内径D1を有する略円筒状の形状を有してもよい。容器14の先端部37において、壁38は半径方向外側に突き出て、容器フランジ70を画定してもよい。容器フランジ70は、容器14の先端部37の周囲に部分的に又は全体的に延びてもよい。容器フランジ70は、容器14の長手方向軸線Aに垂直な或いは非平行な、且つ概ね遠位方向に面した、容器14の先端部表面72を画定してもよい。開口部45は先端部表面72に形成されてもよく、容器14のリザーバ30と連通してもよい。いくつかの実施形態では、先端部表面72が容器14の残部の半径方向外側に突き出ないように、容器フランジ70は省略されてもよい。容器14の基端部36における壁38は、容器14の長手方向軸線Aに垂直な或いは非平行な、且つ概ね近位方向に面した基端部表面78を含んでもよい。開口部99が基端部表面89に形成されてもよく、リザーバ30と連通してもよい。容器14に薬物32が充填された後、ストッパ34は開口部99を通して容器14内に挿入されてもよい。容器14は、ガラス、プラスチック、又は薬物32と化学的に相互作用しないと考えられる任意の他の適切に不活性な材料から構築されてもよい。
【0036】
図2Aを参照すると、シール部材40が容器14に挿入されたとき、シール部材40と容器14が同じ長手方向軸線Aを共有するように、シール部材40は容器14の長手方向軸線Aと中心で位置合わせされてもよい。シール部材40は、長手方向軸線Aに垂直な想像平面によって基(又は下)端部81と先(又は上)端部83とに分割され得る。
図2Aに示されるように、基端部81及び先端部83はそれぞれ略円筒状の形状を有してもよく、それぞれ外径D2及び外径D3を有してもよい。先端部83の外径D3(又は他の外形寸法)が基端部81の外径D2(又は他の外形寸法)よりも大きくなるように、先端部83を基端部81に対して拡張させてもよい。シール部材40のフランジ84が、シール部材40の基端部81の半径方向外側に配置されたシール部材40の先端部83の外部周辺(例えば、周囲)部分によって画定される。
【0037】
図2B及び
図2Cを参照すると、シール部材40が容器14に取り付けられるとき、シール部材40の基端部81は開口部45を通ってリザーバ30に挿入されてもよく、フランジ84は容器14の先端部表面72に直接接触し、且つ密閉的に係合してもよい。いくつかの実施形態では、シール部材40の基端部81は、容器14の壁38の内側表面43に密閉的に係合するための1つ以上の半径方向外側に突き出た環状リブ100を含んでもよい。環状リブ100は、シール部材40のフランジ84と容器70の先端部表面72との間のシールを破る侵入汚染物質を阻止するための二次バリアを提供してもよい。環状リブ100を含む実施形態では、シール部材40の基端部81の外径D2は、容器14の内径D1以下であってもよい。他の実施形態では、環状リブ100は省略されてもよく(
図3A及び
図3Bを参照)、ぴったりとした嵌合及びシールを提供するために、シール部材40の基端部81の外径D2は容器14の内径D1よりもわずかに大きくてもよい。更に別の実施形態では、環状リブ100は省略されてもよく、シール部材40の基端部81と容器14との間に形成されるシールがないように、シール部材40の基端部81の外径D2は容器14の内径D1よりも小さくてもよい。
【0038】
再度
図2Aを参照すると、凹み又は凹部80がシール部材40内に形成され、オーバーモールド部材62の基端部65を受け入れるような寸法にされてもよい。凹部80はシール部材40の先端部表面75から始まり、シール部材40内の、シール部材40の基端部表面73に対して遠位方向に位置する位置まで延びてもよい。したがって、凹部80は、深さX1を有する止まり穴を画定してもよい。凹部80はシール部材40の内部表面79によって画定され得る。いくつかの実施形態では、微生物及びその他の汚染物質の侵入を防止する又は阻止するために、シール部材40の内部表面79がオーバーモールド部材62の外部表面77に密閉的に係合するように、凹部80は締まり嵌め接続(圧入接続とも呼ばれる)によってオーバーモールド部材62を受け入れてもよい。締まり嵌め接続は、凹部80の内径D5(又は他の内形寸法)以上の外径D4(又は他の外形寸法)を有するオーバーモールド部材62の基端部65を構築することによって達成されてもよい。締まり嵌め接続は、シール部材40に対するオーバーモールド部材62の移動を阻止する、シール部材40の内部表面79とオーバーモールド部材62の外部表面77との間の摩擦をもたらし得る。他の実施形態では、オーバーモールド部材62の基端部65の外径D4は凹部80の内径D5よりも小さくてもよく、汚染物質の侵入を防止する又は阻止するために、Oリング(図示せず)がオーバーモールド部材62の基端部65の周囲に配置され、シール部材40の内部表面79に密閉的に係合してもよい。
【0039】
図2Bを参照すると、密閉清浄空間68は、オーバーモールド部材62の基端部65が凹部80の深さX1全体に延びないように、オーバーモールド部材62の基端部65を部分的に凹部80に挿入することによって形成されてもよい。オーバーモールド部材62の基端部65と凹部80の底部との間に生じる間隙は密閉清浄空間68に相当し得る。このようにして、密閉清浄空間68は凹部80内に画定され得る。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部材62の基端部65を凹部80に挿入後、密閉清浄空間68内に閉じ込められたあらゆる残留汚染物質を滅菌するために、この構成は放射線滅菌(例えば、γ線滅菌又は電子ビーム滅菌)に曝されてもよい。
【0040】
図2Bは、凹部80の少なくとも一部分が容器14の先端部表面72に対して近位方向に配置され得ることを示す。したがって、凹部80の少なくとも一部分は容器14内に配置されてもよい。したがって、凹部80に挿入されると、オーバーモールド部材62の少なくとも一部分もまた、容器14内に配置されてもよい。これにより、容器14の外に配置されるオーバーモールド部材62の軸方向長さを低減してもよく、これにより更に、薬物送達デバイス10のハウジング29内の空間を節約してもよい。その結果、薬物送達デバイス10はよりコンパクトな設計を有することが可能となり得る。また、以下で
図4とともに説明するキャリアアセンブリは、より短い軸方向長さを有することが可能となり得る。
【0041】
図2Bに示される構成は、容器アクセス針60及びオーバーモールド部材62の格納位置又は状態に相当する。オーバーモールド部材62は、薬物送達デバイス10の組み立ての完了とユーザ又は患者による薬物送達デバイス10の作動との間の期間にわたり格納位置に静的に保持されてもよい。
図2Bに示すように、格納位置において、容器アクセス針60の先端63は密閉清浄空間68内に、したがって、リザーバ30の外に配置されてもよい。他の実施形態では、格納位置に配置されているとき、上述のように、先端63はシール部材40の材料内に埋没するがそれでもなおリザーバ30の外に配置されるように、容器アクセス針60の先端63は部分的にシール部材40内に配置されていてもよい。
【0042】
容器アクセス針60の先63があまりにも早くシール部材40を突き刺してリザーバ30に入ることを防ぐために、クリップ部材53はオーバーモールド部材62の外部表面77に摩擦的に係合してもよい。いくつかの実施形態では、これは、
図2Bに示すように、格納状態において、オーバーモールド部材62の外部表面77に形成された対応する溝92に受け入れられるグリップ要素90を有するクリップ部材53を構築することによって達成され得る。グリップ要素90と溝92との間の摩擦により、薬物送達デバイス10の使用前、シール部材40に向かう及び/又はシール部材40から離れるオーバーモールド部材62、したがって、容器アクセス針60の移動を有利に阻止することができる。薬物送達デバイス10の起動時、アクチュエータ(例えば、アクチュエータ28又は内部通電アクチュエータ)は、グリップ要素90と溝92との間の摩擦力、及びまた、オーバーモールド部材62とシール部材40の内部表面79との間に締まり嵌め接続が存在する場合にはオーバーモールド部材62とシール部材40の内部表面79との間のあらゆる摩擦力に打ち勝つ原動力を作用させ、グリップ要素90をスライドさせて溝92から出し、オーバーモールド部材62を格納位置(
図2B)から送達位置(
図2C)に移動させるように構成されていてもよい。その結果、容器アクセス針60の先端63はシール部材40の基端部表面73を貫通してリザーバ30に入ることができ、それによって薬物32との流体連通を確立する。
【0043】
本実施形態では、グリップ要素90は、連続的な環状隆起又は突起として構成され得る。他の実施形態では、複数の別個のグリップ要素がクリップ部材53上に形成されてもよく、そのそれぞれは、格納状態において、オーバーモールド部材62の外部表面77に形成された対応する溝に受け入れられてもよい。
【0044】
再度
図2Aを参照すると、クリップ部材53は、貫通穴95を画定する内部表面94を有してもよい。貫通穴95は、クリップ部材53の基端部表面96と先端部表面97との間に延びてもよい。クリップ部材53の基端部表面96は、シール部材40の先端部表面75と直接接触して配置されてもよい。
図2B及び
図2Cに示されるように、オーバーモールド部材62は、クリップ部材53に組み付けられたとき、貫通穴95内の全体に延びてもよい。グリップ要素90が貫通穴95内に半径方向内側に延びるように、グリップ要素90は、内部表面94上に配置されてもよい又は内部表面94によって形成されてもよい。
【0045】
図2B及び
図2Cに示されるように、シール部材40がクリップ部材53と容器14との間に配置された状態で、締結具91がクリップ部材53を容器14に保持する又は締め付けるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、締結具91は、圧着工具によって容器14及びクリップ部材53に適用される圧着リングの形態をとってもよい。
図2B及び
図2Cに示すように、締結具91は、シール部材40のフランジ84の基端部表面90を容器70の先端部表面72にきつく締め付ける又は押し付けるために、それぞれ容器フランジ70の基端側対向表面(又は容器14の壁38の他の外部表面)及びクリップ部材53の先端側及び表面97に当接する、半径方向内側に延びるフランジ93a及び93bを含んでもよい。締結具94によって提供される締付け力は、シール部材40のフランジ84と容器70の先端部表面72との間の気密及び/又は流体密シールを確実にするのに役立ち得る。
【0046】
前述の実施形態のそれぞれにおいて、密閉清浄空間は、シール部材の凹部にオーバーモールド部材を挿入することによって形成される。しかしながら、密閉清浄空間は他の構成によっても実現され得る。
図3A~
図3Cは、クリップ部材がオーバーモールド部材とシール部材との間に密閉清浄空間の境界の一部分を画定する実施形態を示す。
図1~
図2Cに示されるものに類似する、
図3A~
図3Cに示されるアセンブリの要素を、100を加えた同じ参照番号によって示す。これらの要素の多くの説明は、簡潔さのために省略される又は排除される。
【0047】
図3Aを参照すると、シール部材140は、シール部材140がその先端部表面175に形成される凹部を含まないこと以外は、上記のシール部材40に構造が類似し得る。むしろ、先端部表面175は、シール部材140の対向側面間に延びてもよく、平坦又は実質的に平坦であってもよい。先端部表面175に形成される凹部がないことにより、シール部材140の製造を簡略化することができる及び/又はシール部材140を様々な標準的な容器設計と併せて使用することが可能になる。別の実施形態では、シール部材140は、シール部材40に形成される凹部80に類似する凹部を有してもよい。シール部材140はその先端部表面175に形成される凹部を含まなくてもよいが、
図3Aに示すように、シール部材140は、HUV制御のために、その基端部表面173に形成される凹部250を有してもよい。
【0048】
引き続き
図3Aを参照すると、クリップ部材153は、貫通穴195を画定する内部表面194を含んでもよい。貫通穴195は、クリップ部材153の基端部表面196と先端部表面197との間に延びてもよい。クリップ部材153の基端部表面196は、シール部材140の先端部表面175と直接接触して配置され、締結具191によって提供される締付け力を用いてシール部材140の先端部表面175に密閉的に係合してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、基端部210の外径(又は他の外形寸法)が先端部212の外径(又は他の外形寸法)よりも大きくなるように、クリップ部材153の基端部210は、クリップ部材153の先端部212の半径方向外側に延びるフランジ211を含んでもよい。更に、いくつかの実施形態では、クリップ部材153の基端部210は、シール部材140の先端部表面175に接触する基端部表面196の表面積を増大し、密閉を促進するために概ね平らな円盤の形状を有してもよく、クリップ部材153の先端部212は、貫通穴195の長さが容器アクセス針160の先端163を収容するための密閉清浄空間168を作成するのに十分であるように、概ね細長い管状部材の形状を有してもよい。したがって、クリップ部材153の先端部212の軸方向長さはクリップ部材153の基端部210の軸方向長さよりも長くてもよい。貫通穴195は、クリップ部材153の基端部210及び先端部212を通る連続的な通路として延びてもよい。
【0050】
更に
図3Bを参照すると、密閉清浄空間168は、オーバーモールド部材162の基端部165が貫通穴195内に延び、貫通穴195内で終端するように、オーバーモールド部材162の基端部165を部分的にクリップ部材153の貫通穴195内に挿入することによって形成されてもよい。オーバーモールド部材162の基端部165とシール部材140の先端部表面175との間に生じる間隙は密閉清浄空間168に相当し得る。このようにして、密閉清浄空間168が貫通穴195内に画定され得る。いくつかの実施形態では、オーバーモールド部材162の基端部165を貫通穴195に部分挿入後、密閉清浄空間168内に閉じ込められたあらゆる残留汚染物質を滅菌するために、この構成は、放射線滅菌処理(例えば、γ線滅菌又は電子ビーム滅菌)に曝されてもよい。
【0051】
図3Bを更に参照すると、オーバーモールド部材162の基端部165の周囲にOリング220が配置されてもよい。Oリング220は、貫通穴195の内部表面194に密閉的に且つ摺動可能に係合するように構成されていてもよい。したがって、密閉清浄空間168の境界(例えば、滅菌境界)は、Oリング220の外部表面と、オーバーモールド部材162の外部表面177と、クリップ部材153の内部表面194と、シール部材140の先端部表面175とによって画定され得る。別の実施形態では、Oリング220は省略されてもよく、代わりに、クリップ部材153の貫通穴195は、オーバーモールド部材162の基端部165を締まり嵌め接続によって受け入れてもよい。そのような実施形態では、密閉清浄空間168の境界は、単に、オーバーモールド部材162の外部表面177と、クリップ部材153の内部表面194と、シール部材140の先端部表面175とによって画定されてもよい。密閉清浄空間168の境界を画定する他の構成も可能であるが、最低でも、密閉清浄空間168の境界は、オーバーモールド部材162の外部表面177と、クリップ部材153の内部表面194と、シール部材140の先端部表面175とによって画定され得る。
【0052】
図3Bに示される構成は、容器アクセス針160及びオーバーモールド部材162の格納位置又は状態に相当する。オーバーモールド部材162は、薬物送達デバイス10の組み立ての完了とユーザ又は患者による薬物送達デバイス10の作動との間の期間にわたり格納位置に静的に保持されてもよい。
図3Bに示すように、格納位置において、容器アクセス針160の先端163は密閉清浄空間168内に、したがって、リザーバ130の外に配置されてもよい。他の実施形態では、格納位置に配置されているとき、先端163はシール部材140の材料内に埋没するがそれでもなおリザーバ130の外に配置されるように、容器アクセス針160の先端163は部分的にシール部材140内に配置されていてもよい。
【0053】
容器アクセス針160の先163があまりにも早くシール部材140を突き刺してリザーバ130に入ることを防ぐために、クリップ部材153はオーバーモールド部材162の外部表面177に摩擦的に係合してもよい。いくつかの実施形態では、これは、
図3Bに示すように、格納状態において、オーバーモールド部材162の外部表面177に形成された対応する溝192に受け入れられるグリップ要素190を有するクリップ部材153を構築することによって達成され得る。グリップ要素190が貫通穴195内に半径方向内側に延びるように、グリップ要素190は、内部表面194上に配置されてもよい又は内部表面194によって形成されてもよい。グリップ要素190と溝192との間の摩擦により、薬物送達デバイス10の使用前、シール部材140に向かう及び/又はシール部材140から離れるオーバーモールド部材162、したがって、容器アクセス針160の移動を阻止することができる。薬物送達デバイス10の起動時、アクチュエータ(例えば、アクチュエータ28又は内部通電アクチュエータ)は、グリップ要素190と溝192との間の摩擦力に打ち勝つ原動力を作用させ、グリップ要素190をスライドさせて溝192から出し、オーバーモールド部材162を格納位置(
図3B)から送達位置(
図3C)に移動させるように構成されていてもよい。その結果、容器アクセス針60の先端163はシール部材140の基端部表面173を貫通してリザーバ130に入ることができ、それによって薬物132との流体連通を確立する。
【0054】
本実施形態では、グリップ要素190は、連続的な環状隆起又は突起として構成され得る。他の実施形態では、グリップ要素190は、複数の別個のグリップ要素によって形成されてもよく、そのそれぞれは、格納状態において、オーバーモールド部材162の外部表面177に形成された対応する溝に受け入れられてもよい。クリップ部材153は、グリップ要素190に加え、グリップ要素190に対して近位方向に位置する軸方向位置にあるグリップ要素221を含んでもよい。グリップ要素221が貫通穴195内に半径方向内側に延びるように、グリップ要素221は、内部表面194上に配置されてもよい又は内部表面194によって形成されてもよい。グリップ要素221は、
図3Cに示すように、送達状態において、オーバーモールド部材162の外部表面177に形成された溝192に受け入れられてもよい。グリップ要素221と溝192との間の摩擦により、薬物132の送達中及び送達後、シール部材140に向かう及び/又はシール部材140から離れるオーバーモールド部材162、したがって、容器アクセス針160の移動を有利に阻止することができる。
【0055】
クリップ部材53及びクリップ部材153は、例えば、プラスチック及び/又は金属を含む任意の適切な剛性又は半剛性材料から構築されてもよい。
【0056】
図2A~
図3Cに関連して記載される流体経路アセンブリは、シール部材の先端部に位置するフランジ(84又は184)のより薄い構造を有利に可能にする。これは、シール部材の先端部が、容器アクセス針の先用の密閉清浄空間の画定を担う唯一の要素ではないからである。むしろ、密閉清浄空間は、容器内内に位置するシール部材の一部分によって画定され得る(
図2A~
図2C)及び/又はシール部材の外に配置されたクリップ部材によって画定され得る(
図3A~
図3C)。結果的に、シール部材の先端部のフランジの厚みを低減することができる。このことは、更に、シール部材の基端部表面と容器の先端部表面との間の境界面の滅菌を容易にする。より薄いフランジは、近位に誘導される滅菌ビーム(例えば、電子ビーム又はγ線)が境界面に到達するために貫通する必要があるシール部材材料が少なくなることを意味する。その結果、より低エネルギーの滅菌ビームを使用することができ、容器を構築するために使用される材料の変色の可能性が低下する及び/又は製造コストが減少する。
【0057】
ここで、薬物送達デバイス10の組立方法について説明する。以下の組立方法は、
図2A~
図2Cに示される実施形態の状況において説明するが、別段の記載のない限り、
図3A~
図3Cに示される実施形態にも当てはまる。組立プロセスは、少なくとも2つの別々の段階、即ち、容器14と針挿入機構12との間に滅菌流体流路が確立され、容器14に薬物32が充填される初期段階、及びプレフィルド容器14とそれに予め取り付けられた構成要素が薬物送達デバイス10内に取り付けられる最終組立段階、において行われてもよい。初期段階と最終組立段階は、別々の製造業者によって及び/又は別々の施設で実施されてもよい。例えば、初期段階は薬物製造業者によって実施されてもよく、最終組立段階はデバイス製造業者によって実施されてもよい。
【0058】
初期段階は、空の容器14をまず用意することと、容器14の開口部45をシール部材40で覆うことと、を含んでもよい。この工程では、フランジ84が容器の先端部表面72に当接するまでシール部材40の基端部81を容器14に挿入してもよい。次に、シール部材40の基端部表面81がシール部材40の先端部表面75に直接接触するように、クリップ部材53をシール部材40上に配置してもよい。その後、シール部材40がクリップ部材53と容器14との間に配置された状態でクリップ部材53を容器14に固定するために、締結具91を、クリップ部材53の外部表面と容器14の壁38の外部表面47とに適用してもよい。締結具によって提供される締付け力により、シール部材40と容器の先端部表面72との間に及び/又はシール部材40とクリップ部材53の基端部表面96との間にシールを形成することができる。
【0059】
次に、オーバーモールド部材62の基端部65を、クリップ部材53の貫通穴95及び部分的に凹部80に挿入し、オーバーモールド部材62とシール部材62との間に密閉清浄空間68を画定してもよい。オーバーモールド部材62の基端部65は、グリップ要素90がオーバーモールド部材62の外部表面77に形成された対応する溝92に受け入れられ、それによってオーバーモールド部材62をクリップ部材53に対して摩擦的に係止するまで、貫通穴95に挿入してもよい。この工程の後、容器アクセス針60の先端63は、密閉清浄空間68内に配置されるか、シール部材40の材料内に埋没するかのいずれかであってもよい。別の実施形態では、オーバーモールド部材62の基端部65は、シール部材40にクリップ部材53を取り付ける前に、クリップ部材53の貫通穴95に挿入されてもよい。後にクリップ部材53をシール部材40に取り付けるとき、オーバーモールド部材62の基端部65を凹部80に部分的に挿入し、オーバーモールド部材62とシール部材62との間に密閉清浄空間68を画定してもよい。
【0060】
容器114、オーバーモールド部材162、及びクリップ部材153の組み立ては、オーバーモールド部材162を貫通穴195に一部のみ挿入することができること以外は、前段落に記載した工程に類似し得る。その結果、オーバーモールド部材62の末端又は基端部165は貫通穴195内に配置されてもよい。
【0061】
その後、
図4に示すように、容器14及び取り付けられた流体経路アセンブリ22を、キャリアアセンブリ300によって、針挿入機構12に取り外し可能に接続してもよい。これには、中空スリーブ310が容器配置されるようにキャリアアセンブリ300の中空スリーブ310に容器114を挿入することと、キャリア要素320が挿入機構12の周囲に配置されるように針挿入機構12を中空キャリア要素320に挿入することと、を含んでもよい。次に、キャリア要素320の端部をスリーブ310の内部表面内に挿入し、これに取り外し可能に接続してもよい。加えて、このプロセスは、可撓性チューブ52(
図4には図示せず)をオーバーモールド部材62の先端部66及び/又は挿入機構12の入口ポートに接続することを含んでもよい。キャリアアセンブリ300内に組み付けられると、挿入機構12はその長手方向軸線が容器14の長手方向軸線Aと位置合わせされる又は平行してもよく、構成を標準的な充填及び蓋締め機械に適したものにすることができる。その後、キャリアアセンブリ300、容器14、流体経路アセンブリ22、及び挿入機構12の構成は、放射線滅菌処理(例えば、γ線、電子光線及び/又は電子ビームを用いる)及び/又は気体滅菌処理(例えば、エチレンオキサイド、オゾン、二酸化塩素、二酸化窒素、及び/又は蒸気を用いる)を含むがこれらに限定されない滅菌処理に曝してもよい。これは、容器14と挿入機構12との間の流体流路の滅菌性を確実にするのに役立ち得る。
【0062】
滅菌後、容器14のリザーバ30にある量の薬物32を充填してもよく、その後、ストッパ34を容器14の開口部99に挿入し、容器14の基端部36を密閉閉鎖してもよい。この充填及び蓋締め手順は、滅菌又は無菌環境内で実施してもよい。更に、この充填及び蓋締め手順の全体にわたり、容器14はキャリアアセンブリ300内に配置してもよい。その後、充填済みの容器14は、取り付けられたキャリアアセンブリ300、流体経路アセンブリ22、及び挿入機構12とともに、梱包し、薬物送達デバイス10の最終組立が行われる施設に出荷してもよい。
【0063】
最終組立施設において、キャリアアセンブリ300を容器14、流体経路アセンブリ22、及び挿入機構12から取り外してもよく、これらの構成要素を、薬物送達デバイス10の他の構成要素及びサブアセンブリとともに薬物送達デバイス10のハウジング29内に取り付けてもよい。最終組立段階が完了すると、薬物送達デバイス10はプレロード及びプレフィルド薬物送達デバイスとして構成され得る。
【0064】
薬物情報
上述したように、容器に薬物を充填することができる。この薬物は、以下に列挙する薬物のうちの任意の1つ又は組合せとすることができ、ただし、以下のリストは、全てを包含するようにも限定するようにもみなされるべきではない。
【0065】
例えば、シリンジには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されていてもよい。このようなG-CSF剤としては、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム)及びNeulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム)が挙げられるが、これらに限定されない。他の様々な実施形態では、シリンジは、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)などの様々な医薬品と共に使用してもよく、これらは液体又は凍結乾燥形態であってもよい。ESAは、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メチオキシ(methyoxy)ポリエチレングリコールエポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)、(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ、及びエポエチンデルタなどの赤血球生成を刺激する任意の分子、並びにその各々の全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,271,689号明細書、及びPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第96/40772号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、及び国際公開第2007/136752号パンフレットに開示される分子又はその変異体若しくは類似体である。
【0066】
ESAは、赤血球産生刺激タンパク質であり得る。本発明で使用する場合、「赤血球産生刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体、又は誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球産生刺激タンパク質としては、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンデルタ、エポエチンオメガ、エポエチンイオタ、エポエチンゼータ、及びそれらの類似体、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン、模倣ペプチド(EMP1/hematideを含む)、及び模倣抗体が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な赤血球産生刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン、ダルベポエチン、エリスロポエチン作動薬変異体、及びペプチド又は抗体(並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む米国特許出願公開第2003/0215444号明細書及び米国特許出願公開第2006/0040858号明細書に報告されている化合物が挙げられる)、並びに各開示の内容全体を参照により本明細書に組み込む以下の特許又は特許出願、米国特許第4,703,008号明細書、米国特許第5,441,868号明細書、米国特許第5,547,933号明細書、米国特許第5,618,698号明細書、米国特許第5,621,080号明細書、米国特許第5,756,349号明細書、米国特許第5,767,078号明細書、米国特許第5,773,569号明細書、米国特許第5,955,422号明細書、米国特許第5,830,851号明細書、米国特許第5,856,298号明細書、米国特許第5,986,047号明細書、米国特許第6,030,086号明細書、米国特許第6,310,078号明細書、米国特許第6,391,633号明細書、米国特許第6,583,272号明細書、米国特許第6,586,398号明細書、米国特許第6,900,292号明細書、米国特許第6,750,369号明細書、米国特許第7,030,226号明細書、米国特許第7,084,245号明細書、及び米国特許第7,217,689号明細書、米国特許出願公開第2002/0155998号明細書、米国特許出願公開第2003/0077753号明細書、米国特許出願公開第2003/0082749号明細書、米国特許出願公開第2003/0143202号明細書、米国特許出願公開第2004/0009902号明細書、米国特許出願公開第2004/0071694号明細書、米国特許出願公開第2004/0091961号明細書、米国特許出願公開第2004/0143857号明細書、米国特許出願公開第2004/0157293号明細書、米国特許出願公開第2004/0175379号明細書、米国特許出願公開第2004/0175824号明細書、米国特許出願公開第2004/0229318号明細書、米国特許出願公開第2004/0248815号明細書、米国特許出願公開第2004/0266690号明細書、米国特許出願公開第2005/0019914号明細書、米国特許出願公開第2005/0026834号明細書、米国特許出願公開第2005/0096461号明細書、米国特許出願公開第2005/0107297号明細書、米国特許出願公開第2005/0107591号明細書、米国特許出願公開第2005/0124045号明細書、米国特許出願公開第2005/0124564号明細書、米国特許出願公開第2005/0137329号明細書、米国特許出願公開第2005/0142642号明細書、米国特許出願公開第2005/0143292号明細書、米国特許出願公開第2005/0153879号明細書、米国特許出願公開第2005/0158822号明細書、米国特許出願公開第2005/0158832号明細書、米国特許出願公開第2005/0170457号明細書、米国特許出願公開第2005/0181359号明細書、米国特許出願公開第2005/0181482号明細書、米国特許出願公開第2005/0192211号明細書、米国特許出願公開第2005/0202538号明細書、米国特許出願公開第2005/0227289号明細書、米国特許出願公開第2005/0244409号明細書、米国特許出願公開第2006/0088906号明細書、及び米国特許出願公開第2006/0111279号明細書、並びにPCT国際公開第91/05867号パンフレット、国際公開第95/05465号パンフレット、国際公開第99/66054号パンフレット、国際公開第00/24893号パンフレット、国際公開第01/81405号パンフレット、国際公開第00/61637号パンフレット、国際公開第01/36489号パンフレット、国際公開第02/014356号パンフレット、国際公開第02/19963号パンフレット、国際公開第02/20034号パンフレット、国際公開第02/49673号パンフレット、国際公開第02/085940号パンフレット、国際公開第03/029291号パンフレット、国際公開第2003/055526号パンフレット、国際公開第2003/084477号パンフレット、国際公開第2003/094858号パンフレット、国際公開第2004/002417号パンフレット、国際公開第2004/002424号パンフレット、国際公開第2004/009627号パンフレット、国際公開第2004/024761号パンフレット、国際公開第2004/033651号パンフレット、国際公開第2004/035603号パンフレット、国際公開第2004/043382号パンフレット、国際公開第2004/101600号パンフレット、国際公開第2004/101606号パンフレット、国際公開第2004/101611号パンフレット、国際公開第2004/106373号パンフレット、国際公開第2004/018667号パンフレット、国際公開第2005/001025号パンフレット、国際公開第2005/001136号パンフレット、国際公開第2005/021579号パンフレット、国際公開第2005/025606号パンフレット、国際公開第2005/032460号パンフレット、国際公開第2005/051327号パンフレット、国際公開第2005/063808号パンフレット、国際公開第2005/063809号パンフレット、国際公開第2005/070451号パンフレット、国際公開第2005/081687号パンフレット、国際公開第2005/084711号パンフレット、国際公開第2005/103076号パンフレット、国際公開第2005/100403号パンフレット、国際公開第2005/092369号パンフレット、国際公開第2006/50959号パンフレット、国際公開第2006/02646号パンフレット、及び国際公開第2006/29094号パンフレットに開示されるエリスロポエチン分子又はその変異体若しくは類似体が挙げられる。
【0067】
本デバイスと共に使用するための他の医薬品の例としては、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(商標)(デノスマブ)及びProlia(商標)(デノサマブ)などの抗体;Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、及びNplate(登録商標)(ロミプロスチム)などの他の生物学的製剤;Sensipar(登録商標)(シナカルセト)などの小分子薬物が挙げられ得るが、これらに限定されない。本デバイスは、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、又は鉄、例えば、フェルモキシトール、鉄デキストラン、グルコン酸第二鉄、及び含糖酸化鉄などの他の化学物質と共に使用してもよい。医薬品は、液体形態であってもよい、又は凍結乾燥形態から再構成されてもよい。
【0068】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体、又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある。
【0069】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公報の
図2に記載されている配列番号2の軽鎖及び/又は以下の公報の
図4に記載されている配列番号4の重鎖のいずれかを有するOPGL特異抗体を含み、OPGL特異抗体及び抗体関連タンパク質に関して、特に、以下の公報の中に記載される配列を有するもので、具体的に、以下の公報の中に示されるもの(9H7、18B2、2D8、2E11、16E1、及び22B3)であるが、それらに限定されず、本明細書にその全体が組み込まれるPCT国際公開第03/002713号パンフレットに記載される抗体を含むが、それに限定されず、完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディ等とも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0070】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、TN8-19-1~TN8-19-40、TN8-19 con1、及びTN8-19 con2を含む、配列番号305~351のものを含む、mTN8-19ファミリーのペプチボディ;配列番号357~383のmL2ファミリー、配列番号384~409のmL15ファミリー、配列番号410~438のmL17ファミリー、配列番号439~446のmL20ファミリー、配列番号447~452のmL21ファミリー、配列番号453~454のmL24ファミリー、及び配列番号615~631ペプチボディを含むがそれに限定されない、特に、ミオスタチン特異的ペプチボディに特に部分的に関連して参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0181033号明細書及びPCT国際公開第2004/058988号パンフレットに記載されている、ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0071】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、L1H1、L1H2、L1H3、L1H4、L1H5、L1H6、L1H7、L1H8、L1H9、L1H10、L1H11、L2H1、L2H2、L2H3、L2H4、L2H5、L2H6、L2H7、L2H8、L2H9、L2H10、L2H11、L2H12、L2H13、L2H14、L3H1、L4H1、L5H1、L6H1であるが、これらに限定されず、IL-4受容体特異抗体、特に以下の公報に記載されるような抗体等、特に、以下の公報に示されるものに特に部分的に関連して、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2005/047331号パンフレット又は国際出願PCT/US2004/37242号明細書及び米国特許出願公開第2005/112694号明細書に記載されているものを含む、特にIL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活動を抑制するもので、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0072】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公報に示されているもの、即ち、15CA、26F5、27F2、24E12、及び10H7であるが、これに限定されない、部分的にIL1-R1特異結合タンパク質、特にとりわけモノクローナル抗体に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/097712号明細書に記載されているものを含むが、これに限定されない、インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0073】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、特に以下の公報に記載される配列のもので、L1(N)、L1(N)WT、L1(N)1K WT、2xL1(N)、2xL1(N)WT、Con4(N)、Con4(N)1K WT、2xCon4(N)1K、L1C、L1C 1K、2xL1C、Con4C、Con4C 1K、2xCon4C 1K、Con4-L1(N)、Con4-L1C、TN-12-9(N)、C17(N)、TN8-8(N)、TN8-14(N)、Con1(N)を含むがこれらに限定されない、Ang2特異抗体及びペプチボディ等に特に部分的に関連して参照によりその各々の全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第03/057134号パンフレット及び米国特許出願公開第2003/0229023号明細書に記載されているものを含むがこれに限定されず、また、抗Ang2抗体及び製剤に関して、特に、以下の公報に記載される様々な順列のAb526、Ab528、Ab531、Ab533、Ab535、Ab536、Ab537、Ab540、Ab543、Ab544、Ab545、Ab546、A551、Ab553、Ab555、Ab558、Ab559、Ab565、AbF1AbFD、AbFE、AbFJ、AbFK、AbG1D4、AbGC1E8、AbH1C12、AblA1、AblF、AblK、AblP、及びAblPに関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2003/030833号パンフレットに記載されているもの等の抗Ang2抗体及び製剤を含む、Ang2特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0074】
以下の公報に開示されるように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、具体的に、以下の公報に示されるNGF-特異抗体である4D4、4G6、6H9、7H2、14D10及び14D11を含むがそれに限定されない、NGF-特異抗体及びこれに関連するタンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0074821号明細書及び米国特許第6,919,426号明細書に記載されているものを特に含むが、それに限定されない、NGF特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0075】
例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体を含むがそれに限定されない、例えば、ヒト-マウスモノクローナルhLL2κ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2γ鎖二硫化物の二量体等の、特にヒトCD22特異IgG抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体等であるが、それに限定されず、具体的には、ヒトCD22特異抗体である、CD22特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,789,554号明細書に記載されているものなどの、CD22特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0076】
以下の公開に開示される各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、以下の公開に示されるIGF-1特異抗体であるL1H1、L2H2、L3H3、L4H4、L5H5、L6H6、L7H7、L8H8、L9H9、L10H10、L11H11、L12H12、L13H13、L14H14、L15H15、L16H16、L17H17、L18H18、L19H19、L20H20、L21H21、L22H22、L23H23、L24H24、L25H25、L26H26、L27H27、L28H28、L29H29、L30H30、L31H31、L32H32、L33H33、L34H34、L35H35、L36H36、L37H37、L38H38、L39H39、L40H40、L41H41、L42H42、L43H43、L44H44、L45H45、L46H46、L47H47、L48H48、L49H49、L50H50、L51H51、L52H52、及びIGF-1R-結合フラグメント及びその誘導体を含むがそれに限定されず、IGF-1受容体特異抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第06/069202号パンフレットに記載されているものなどの、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0077】
また、本開示の方法及び組成物で使用するための抗IGF-1R抗体の非限定的例の中には、以下に記載されているものの各々がある。
【0078】
(i)米国特許出願公開第2006/0040358号明細書(2006年2月23日公開)、米国特許出願公開第2005/0008642号明細書(2005年1月13日公開)、米国特許出願公開第第2004/0228859号明細書(2004年11月18日公開)に記載されている、例えば、抗体1A(DSMZ受託番号DSM ACC 2586)、抗体8(DSMZ受託番号DSM ACC 2589)、抗体23(DSMZ受託番号DSM ACC 2588)、及び抗体18を含むがこれらに限定されない、
【0079】
(ii)PCT国際公開第06/138729号パンフレット(2006年12月28日公開)及びPCT国際公開第05/016970号パンフレット(2005年2月24日公開)、及びLu et al.(2004),J.Biol.Chem.279:2856-2865に記載されている抗体2F8、A12、及びIMC-A12を含むがこれらに限定されない、
【0080】
(iii)PCT国際公開第07/012614号パンフレット(2007年2月1日公開)、PCT国際公開第07/000328号パンフレット(2007年1月4日公開)、PCT国際公開第06/013472号パンフレット(2006年2月9日公開)、PCT国際公開第05/058967号パンフレット(2005年6月30日公開)、及びPCT国際公開第03/059951号パンフレット(2003年7月24日公開)、
【0081】
(iv)米国特許出願公開第2005/0084906号明細書(2005年4月21日公開)に記載される抗体7C10、キメラ抗体C7C10、抗体h7C10、抗体7H2M、キメラ抗体*7C10、抗体GM607、ヒト化抗体7C10バージョン1、ヒト化抗体7C10バージョン2、ヒト化抗体7C10バージョン3、及び抗体7H2HMを含むがこれらに限定されない、
【0082】
(v)米国特許出願公開第2005/0249728号明細書(2005年11月10日公開)、米国特許出願公開第2005/0186203号明細書(2005年8月25日公開)、米国特許出願公開第2004/0265307号明細書(2004年12月30日公開)、及び米国特許出願公開第2003/0235582号明細書(2003年12月25日公開)、並びにMaloney et al.(2003),Cancer Res.63:5073-5083に記載されている抗体EM164、再表面形成(resurfaced)EM164、ヒト化EM164、huEM164 v1.0、huEM164 v1.1、huEM164 v1.2、及びhuEM164 v1.3を含むがこれらに限定されない、
【0083】
(vi)米国特許第7,037,498号明細書(2006年5月2日発行)、米国特許出願公開第2005/0244408号明細書(2005年11月30日公開)及び米国特許出願公開第2004/0086503号明細書(2004年5月6日公開)、並びにCohen,et al.(2005),Clinical Cancer Res.11:2063-2073に記載されている、ATCC受託番号PTA-2792、PTA-2788、PTA-2790、PTA-2791、PTA-2789、PTA-2793、及び抗体2.12.1、2.13.2、2.14.3、3.1.1、4.9.2、及び4.17.3を有するハイブリドーマによって産生された抗体の各々を含むがこれらに限定されない、例えば、抗体CP-751,871、
【0084】
(vii)米国特許出願公開第2005/0136063号明細書(2005年6月23日公開)及び米国特許出願公開第2004/0018191号明細書(2004年1月29日公開)に記載されている抗体19D12と、ATCCに受託番号PTA-5214で受託されているプラスミド15H12/19D12 HCA(γ4)のポリヌクレオチドによってコードされる重鎖、及びATCCに受託番号PTA-5220で受託されているプラスミド15H12/19D12 LCF(κ)のポリヌクレオチドによってコードされる軽鎖を含む抗体と、を含むがこれらに限定されない、並びに
【0085】
(viii)特にIGF-1受容体を標的とする前述の抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0202655号明細書(2004年10月14日公開)に記載されている抗体PINT-6A1、PINT-7A2、PINT-7A4、PINT-7A5、PINT-7A6、PINT-8A1、PINT-9A2、PINT-11A1、PINT-11A2、PINT-11A3、PINT-11A4、PINT-11A5、PINT-11A7、PINT-11A12、PINT-12A1、PINT-12A2、PINT-12A3、PINT-12A4、及びPINT-12A5を含むがこれらに限定されない、
【0086】
B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等(文献中でB7H2、ICOSL、B7h、及びCD275とも称される「B7RP-1」)、特にB7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体、特にB7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体、特にB7RP-1と特に活性化T細胞上のB7RP-1の自然受容体であるICOSとの相互作用を抑制するもの、特に、以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる、16H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号1及び配列番号7を有する)、5D(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号2及び配列番号9を有する)、2H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号3及び配列番号10を有する)、43H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号6及び配列番号14を有する)、41H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号5及び配列番号13を有する)、並びに15H(その中に軽鎖可変領域配列及び重鎖可変領域配列、それぞれ配列番号4及び配列番号12を有する)以下の公報に示される抗体を含むがそれらに限定されない、このような抗体及び関連タンパク質に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許公開第2008/0166352号明細書及びPCT国際公開第07/011941号パンフレットに開示されているもの、
【0087】
例えば、146B7などの、とりわけ、例えば、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されないペプチボディを含む、IL-15特異抗体及び関連タンパク質に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2003/0138421号明細書、米国特許出願公開第2003/023586号明細書、及び米国特許出願公開第2004/0071702号明細書、並びに米国特許第7,153,507号明細書に開示されるもの等の、特に抗体、具体的にはヒト化モノクローナル抗体などの、IL-15特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0088】
IFNγ特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、特にヒトIFNγ特異抗体、特に、例えば、IFNγ特異抗体、特に、例えば、次の特許公開において1118、1118*、1119、1121、及び1121*と示されている抗体に関して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0004353号明細書に記載されているもの等の完全ヒト抗IFNγ抗体。これら抗体の各々の重鎖及び軽鎖の配列全体と、これらの重鎖及び軽鎖可変領域並びに相補性決定領域の配列は各々、前述の公開及びThakur et al.(1999),Mol.Immunol.36:1107-1115に開示されるようにその全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれる。加えて、前述の公開に記載されているこれらの抗体の特性の説明もまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特異抗体には、前述の公開で開示されているように、配列番号17の重鎖及び配列番号18の軽鎖を有するもの、配列番号6の重鎖可変領域及び配列番号8の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号19の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号10の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号32の重鎖及び配列番号20の軽鎖を有するもの、配列番号30の重鎖可変領域及び配列番号12の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖配列及び配列番号22の軽鎖配列を有するもの、配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号16の軽鎖可変領域を有するもの、配列番号21の重鎖及び配列番号33の軽鎖を有するもの、並びに配列番号14の重鎖可変領域及び配列番号31の軽鎖可変領域を有するものが含まれる。企図される特異抗体は、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号17の完全重鎖を有し、前述の米国特許出願公開に開示されている配列番号18の完全軽鎖を有する、前述の米国特許出願公開に開示されている抗体1119である、
【0089】
以下の公開に開示されているように各々の全体が参照により完全に本明細書に個々に且つ具体的に組み込まれ、TALL-1結合タンパク質、特に表4及び表5Bの分子に関して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2003/0195156号明細書及び米国特許出願公開第2006/0135431号明細書に記載されているもの等の、TALL-1特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、並びに他のTALL特異結合タンパク質、
【0090】
PTHと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,756,480号明細書に記載されているもの等の、副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0091】
TPO-Rと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,835,809号明細書に記載されているもの等の、トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0092】
HGFと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0118643号明細書及びPCT国際公開第2005/017107号パンフレットに記載されている肝細胞増殖因子/分散(HGF/SF)と、米国特許第7,220,410号明細書に記載されているhuL2G7と、米国特許第5,686,292号明細書及び米国特許第6,468,529号明細書並びにPCT国際公開第96/38557号パンフレットに記載されているOA-5d5と、を中和する完全ヒトモノクローナル抗体等のHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的にするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、及び関連タンパク質等、
【0093】
TRAIL-R2と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,521,048号明細書に記載されているもの等の、TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0094】
アクチビンAと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0234106号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0095】
TGF-βと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照により各々の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,803,453号明細書及び米国特許出願公開第2007/0110747号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、TGF-β特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0096】
アミロイドβタンパク質と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT国際公開第2006/081171号パンフレットに記載されているものを含むが、それらに限定されない、アミロイドβタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等。企図される1つの抗体は、前述の公開に開示されているような、配列番号8を含む重鎖可変領域及び配列番号6を有する軽鎖可変領域を有する抗体である、
【0097】
c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2007/0253951号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、
【0098】
OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質に特に部分的に関連して参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006/0002929号明細書に記載されているものを含むが、それらに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質等、並びに
【0099】
Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ、又はエリスロポエチン)、GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンβ-1a)、Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体)、Betaseron(登録商標)(インターフェロン-β)、Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、MLN0002(抗α4β7 mAb)、MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb)、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ)、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1)、Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb)、Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン)、Humira(登録商標)(アダリムマブ)、溶液中のインスリン、Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1)、Natrecor(登録商標)(ネシリチド、遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP)、Kineret(登録商標)(アナキンラ)、Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF)、LymphoCide(登録商標)(エピラツズマブ、抗CD22mAb)、Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlySmAb)、Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン)、Raptiva(登録商標)(エファリズマブ)、Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP870)、Soliris(商標)(エクリズマブ)、pexelizumab(抗補体C5)、Numax(登録商標)(MEDI-524)、Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ)、Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ)、Trabio(登録商標)(レルデリムマブ)、TheraCim hR3(ニモツズマブ)、Omnitarg(ペルツズマブ、2C4)、Osidem(登録商標)(IDM-1)、OvaRex(登録商標)(B43.13)、Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ)、カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1)、NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11)、Neulasta(登録商標)(PEG化フィルガストリム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)、Neupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体)、Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体)、Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体)、Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ)、Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20mAb)、Tarceva(登録商標)(エルロチニブ)、Roferon-A(登録商標)(インターフェロンアルファ-2a)、Simulect(登録商標)(バシリキシマブ)、Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ)、Synagis(登録商標)(パリビズマブ、146B7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号を参照)、Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb)、Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌防御抗原mAb)、ABthrax(商標)、Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xolair(登録商標)(オマリズマブ)、ETI211(抗MRSAmAb)、IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン))、VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ)、Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb)、Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン)、Zetia(登録商標)(エゼチマイブ)、Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig)、抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ)、抗CD23mAb(ルミリキシマブ)、BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬)、CNTO148(ゴリムマブ、抗TNFαmAb)、HGS-ETR1(マパツズマブ、ヒト抗TRAIL受容体-1mAb)、HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb)、HuMax-EGFR(ザルツムマブ)、M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb)、MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4mAb、及びVEGFR-1(IMC-18F1)、抗BR3mAb、抗C.クロストリジウム・ディフィシル毒素A並びに毒素B CmAbs MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388)、抗CD22 dsFv-PE38抱合体(CAT-3888及びCAT-8015)、抗CD25mAb(HuMax-TAC)、抗CD3mAb(NI-0401)、アデカツムマブ、抗CD30mAb(MDX-060)、MDX-1333(抗IFNAR)、抗CD38mAb(HuMaxCD38)、抗CD40LmAb、抗Cripto mAb、抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019)、抗CTLA4 mAb、抗エオタキシン1mAb、(CAT-213)、抗FGF8mAb、抗ガングリオシドGD2 mAb、抗ガングリオシドGM2 mAb、抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029)、抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001)、抗HepC mAb(HuMax HepC)、抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-1103)、抗IGF1R mAb、抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam)、抗IL12mAb(ABT-874)、抗IL12/IL23mAb(CNTO1275)、抗IL13mAb(CAT-354)、抗IL2RamAb(HuMax-TAC)、抗IL5受容体mAb、抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO95)、抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100)、抗LLY抗体、BMS-66513、抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307)、抗メソテリンdsFv-PE38抱合体(CAT-5001)、抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538))、抗PDGFRα抗体(IMC-3G3)、抗TGFβ mAb(GC-1008)、抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2)、抗TWEAK mAb、抗VEGFR/Flt-1 mAb、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)、NVS抗体第1番、及びNVS抗体第2番を含む、他の例示的なタンパク質。
【0100】
ロモソズマブ、ブロソズマブ、又はBPS804(Novartis)などであるがこれらに限定されないスクレロスチン抗体もまた、含まれ得る。リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブ二リン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、パニツムマブ、デノスマブ、NPLATE、PROLIA、VECTIBIX、又はXGEVAなどの治療薬が更に含まれ得る。加えて、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)をデバイスに含めることができる。このようなPCSK9特異抗体としては、あらゆる目的において各々の全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の特許又は特許出願、米国特許第8,030,547号明細書、米国特許第8,563,698号明細書、米国特許第8,829,165号明細書、米国特許第8,859,741号明細書、米国特許第8,871,913号明細書、米国特許第8,871,914号明細書、米国特許第8,883,983号明細書、米国特許第8,889,834号明細書、米国特許第8,981,064号明細書、米国特許第9,056,915号明細書、米国特許第8,168,762号明細書、米国特許第9,045,547号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許第8,829,165号明細書、米国特許第8,981,064号明細書、米国特許第8,030,457号明細書、米国特許出願公開第2013/0064825号明細書、米国特許出願公開第2012/0093818号明細書、米国特許出願公開第2013/0079502号明細書、米国特許出願公開第2014/0357850号明細書、米国特許出願公開第2011/0027287号明細書、米国特許出願公開第2014/0357851号明細書、米国特許出願公開第2014/0357854号明細書、米国特許出願公開第2015/0031870号明細書、米国特許出願公開第2013/0085265号明細書、米国特許出願公開第2013/0079501号明細書、米国特許出願公開第2012/0213797号明細書、米国特許出願公開第2012/0251544号明細書、米国特許出願公開第2013/0072665号明細書、米国特許出願公開第2013/0058944号明細書、米国特許出願公開第2013/0052201号明細書、米国特許出願公開第2012/0027765号明細書、米国特許出願公開第2015/0087819号明細書、米国特許出願公開第2011/0117011号明細書、米国特許出願公開第2015/0004174号明細書、米国仮特許出願第60/957,668号明細書、米国仮特許出願第61/008,965号明細書、米国仮特許出願第61/010,630号明細書、米国仮特許出願第61/086,133号明細書、米国仮特許出願第61/125,304号明細書、米国仮特許出願第61/798,970号明細書、米国仮特許出願第61/841,039号明細書、米国仮特許出願第62/002,623号明細書、米国仮特許出願第62/024,399号明細書、米国仮特許出願第62/019,729号明細書、米国仮特許出願第62/067,637号明細書、米国特許出願第14/777,371号明細書、国際出願PCT/US2013/048714号明細書、国際出願PCT/US2015/040211号明細書、国際出願PCT/US2015/056972号明細書、国際公開第2008/057457号パンフレット、国際公開第2008/057458号パンフレット、国際公開第2008/057459号パンフレット、国際公開第2008/063382号パンフレット、国際公開第2008/133647号パンフレット、国際公開第2009/100297号パンフレット、国際公開第2009/100318号パンフレット、国際公開第2011/037791号パンフレット、国際公開第2011/053759号パンフレット、国際公開第2011/053783号パンフレット、国際公開第2008/125623号パンフレット、国際公開第2011/072263号パンフレット、国際公開第2009/055783号パンフレット、国際公開第2012/0544438号パンフレット、国際公開第2010/029513号パンフレット、国際公開第2011/111007号パンフレット、国際公開第2010/077854号パンフレット、国際公開第2012/088313号パンフレット、国際公開第2012/101251号パンフレット、国際公開第2012/101252号パンフレット、国際公開第2012/101253号パンフレット、国際公開第2012/109530号パンフレット、国際公開第2001/031007号パンフレット、国際公開第2009/026558号パンフレット、国際公開第2009/131740号パンフレット、国際公開第2013/166448号パンフレット、及び国際公開第2014/150983号パンフレットに開示されているようなRepatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマ)並びにその分子、変異体、類似体、又は誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
黒色腫又は他の癌の治療用のタリモジーンラハーパレプベック又は別の腫瘍溶解性HSVもまた含めることができる。腫瘍溶解性HSVの例としては、タリモジーンラハーパレプベック(米国特許第7,223,593号明細書及び米国特許第7,537,924号明細書)、OncoVEXGALV/CD(米国特許第7,981,669号明細書)、OrienX010(Lei et al.(2013),World J. Gastroenterol.,19:5138-5143)、G207、1716、NV1020、NV12023、NV1034、及びNV1042(Vargehes et al.(2002),CancerGene Ther.,9(12):967-978)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
TIMPもまた含まれる。TIMPは、メタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)であり、多くの自然過程において重要である。TIMP-3は、様々な細胞により発現される、又は及び細胞外基質内に存在し、主要なあらゆる軟骨分解メタロプロテアーゼを抑制し、リウマチ様関節炎及び変形性関節症を含む結合組織の多くの分解疾患における役割、並びに癌及び心臓血管状態において役割を果たし得る。TIMP-3のアミノ酸配列、及びTIMP-3をコードするDNAの核酸配列は、2003年5月13日発行の米国特許第6,562,596号明細書に開示されており、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。TIMP変異の説明は、米国特許出願公開第2014/0274874号明細書及びPCT国際公開第2014/152012号パンフレットに見ることができる。
【0103】
ヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子もまた含まれる。これら分子に関する更なる情報は、国際公開第2010/075238号パンフレットに見ることができる。
【0104】
加えて、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTe)、例えば、ブリナツモマブを、デバイスにおいて使用することができる。あるいは、APJ巨大分子作動薬、例えば、アペリン又はその類似体をデバイスに含めることができる。このような分子に関する情報は、PCT国際公開第2014/099984号パンフレットに見ることができる。
【0105】
ある実施形態において、薬物は、治療上有効な量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体を含む。このような実施形態に使用してもよい抗TSLP抗体の例としては、米国特許第7,982,016号明細書及び米国特許第8,232,372号明細書、並びに米国特許出願公開第2009/0186022号明細書に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。抗TSLP受容体抗体の例としては、米国特許第8,101,182号明細書に記載されているものが挙げられるが、これに限定されない。特に好適な実施形態において、薬物は、米国特許第7,982,016号明細書内にA5として示されている治療上有効な量の抗TSLP抗体を含む。
【0106】
様々な実施形態に関連して本開示について説明したが、本開示は更なる変更が可能であることが理解されよう。本開示は、概して、本開示の原理に従い、本開示が属する技術分野内の既知の且つ慣習的な実施の範囲内にある、本開示からの逸脱を含む、開示した主題の任意の変形、使用又は適合を包含するように意図されている。
【0107】
様々な例示的な実施形態に示すような薬物送達デバイス並びにその様々な構成要素及びアセンブリの構造及び構成は、単に例示的なものであることに留意されたい。本開示では、論点である主体のごくわずかな実施形態について詳細に記載しているが、本開示を検討する当業者であれば、本明細書に開示する主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合、パラメータの値、取付構成、材料の使用、色、向き等の変形)が可能であることが容易に理解されよう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部品又は要素から構成することができ、その逆も可能である。また、要素の位置を反転させる又は他の方法で変更することができ、別個の要素又は位置の性質又は数を部分的に変更する又は変更することができる。したがって、こうした変更のすべてが、添付の特許請求の範囲に定義されるように本開示の範囲内に含まれるように意図される。更に、任意のプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替実施形態にしたがって変更する又は並べ替えることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置において、他の置換、変更、変化及び省略を行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイスであって、
開口部を有するハウジングと、
ハウジング内に少なくとも部分的に配置され、内面を有する壁と、端部表面を有するシール部材とを含む容器であって、前記壁の内面と、前記シール部材の端部表面とが、薬物で充填されているまたは充填可能なリザーバを少なくとも部分的に画定する、容器と、
初期位置および第2の位置を有する送達部材であって、前記初期位置では、前記送達部材の先端部がハウジング内に配置され、前記第2の位置では、前記送達部材の少なくとも前記先端部が、患者に挿入するために開口部を通って配置される、送達部材と、
第1端部および第2端部を有する針と、
前記針の第2端部に結合されたハブと、
を備え、前記薬物送達デバイスの動作中に、前記針が、格納位置と、送達位置との間を移動するように、前記ハブおよび前記針は、前記シール部材に対して共に一緒に移動可能であり、前記格納位置では、前記針の前記第1端部が前記リザーバの外に配置され、前記送達位置では、前記針の前記第1端部が前記シール部材の端部表面を通過して前記リザーバ内に延び、
少なくとも薬物送達中、前記ハブは、前記針と前記送達部材との間の流体連通を促進する、薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記ハブと前記シール部材との間に少なくとも部分的に配置された密閉空間を備え、前記針が前記格納位置から前記送達位置に移動するとき、前記針の前記第1端部が、前記密閉空間を通って移動する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項3】
少なくとも部分的に前記ハブと前記シール部材との間に配置された密閉空間と、
前記シール部材に形成され、前記ハブの基端部を受け入れる凹部であって、前記密閉空間が凹部内に画定される、凹部と、
を備える、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項4】
前記凹部は、締まり嵌め接続を介して前記ハブの前記基端部を受け入れる、請求項3に記載の薬物送達デバイス。
【請求項5】
前記凹部の少なくとも一部が前記容器内に配置されるように、前記シール部材の基端部が前記容器内に延びている、請求項4に記載の薬物送達デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングを患者の皮膚に取り外し可能に結合するための接着剤を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの可撓性チューブを備え、前記ハブは、少なくとも薬物送達中に、前記針と流体連通する前記少なくとも1つの可撓性チューブを接続するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項8】
前記ハブは、前記針の前記第2端部上にオーバーモールドされる、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項9】
前記シール部材の位置は、前記容器の前記壁の位置に対して固定される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項10】
前記ハブは、少なくとも前記針が前記格納位置と前記送達位置との間で移動するときに、前記容器の前記壁に対して移動するように構成されている、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
【請求項11】
組立方法であって、
開口部を有するハウジングを提供することと、
初期位置および第2の位置を有する送達部材を提供することであって、初期位置では、前記送達部材の先端部が前記ハウジング内に配置され、第2の位置では、前記送達部材の少なくとも先端部が患者への挿入のために、前記開口部を通って配置される、提供することと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置されるように構成され、内面を有する壁と、第1端部および第2端部を有する針と、前記針の前記第2端部に結合されたハブとを有する容器を提供することであって、少なくとも薬物送達時には、前記ハブが、前記針と前記送達部材の間の流体連通を促進する、提供することと、
シール部材の端部表面および前記容器の前記壁の内面が少なくとも部分的にリザーバを画定するように、前記容器の前記壁に形成された第1の開口部を前記シール部材で覆うことと、
を含む、組立方法。
【請求項12】
前記ハブを前記シール部材に形成された凹部に挿入して、前記ハブと前記シール部材との間に密閉空間を少なくとも部分的に画定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ハブを前記シール部材に形成された前記凹部に挿入することは、前記ハブと前記シール部材との間に締まり嵌め接続を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記容器の前記リザーバに薬物を充填することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ハブおよび前記針は、前記薬物送達デバイスの動作中に、前記針が、前記針の前記第1端部が前記リザーバの外に配置される格納位置と、前記針の前記第1端部が前記シール部材の前記端部表面を通過して前記リザーバ内に延びる送達位置との間で移動するように、前記シール部材に対して共に一緒に移動可能である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ハブは、少なくとも前記針が前記格納位置と前記送達位置との間で移動するときに、前記容器の前記壁に対して移動するように構成されている、請求項15に記載の方法。