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▶ ハイパーステルス・バイオテクノロジー・コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023071919
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】表示システム
(51)【国際特許分類】
   G03B 35/00 20210101AFI20230516BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20230516BHJP
   G03B 21/602 20140101ALI20230516BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230516BHJP
   G02B 27/06 20060101ALN20230516BHJP
【FI】
G03B35/00 A
G02B3/00 Z
G03B21/602
G03B21/00 Z
G02B27/06
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023034724
(22)【出願日】2023-03-07
(62)【分割の表示】P 2020544008の分割
【原出願日】2019-02-13
(31)【優先権主張番号】62/632,526
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/693,959
(32)【優先日】2018-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520226355
【氏名又は名称】ハイパーステルス・バイオテクノロジー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガイ・クレイマー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シミュレーションのための改善されたシステム、インタラクティブなディスプレイ、または没入環境を提供する。
【解決手段】本発明の態様は、表示システム、仮想現実、没入環境で、ならびに建築、美術、娯楽、表示、インタラクティブシステムなどに適用性を有する視覚効果を達成するための、レンズおよび他の光学材料の様々な配置構成から作られる材料を使用するディスプレイおよびシミュレーションしたシステムを含む。これらの材料は、光および電磁スペクトル中の他の放射線の屈折および反射を利用して、所望の視覚効果を達成する。
【選択図】図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面および内面を有する透明な本体と、
前記外面を覆って配設される第1の極性を有する第1のレンズシートと、
第2の極性を有し前記内面および前記第1のレンズシートに近接して配設される第2のレンズシートと、を備え、前記第1の極性が前記第2の極性と反対であり、
第1の画像発生源と通信している第1のプロジェクタが前記第1のレンズシート上に前記第2のレンズシートを通して画像を投影すると、前記画像が前記第1のレンズシート上では見ることができるが前記第2のレンズシート上では見ることができないことを特徴とする、防護用シールド。
【請求項2】
前記画像が前記外面上で見ることができるが前記内面上で見ることができないことを特徴とする、請求項1に記載の防護用シールド。
【請求項3】
前記内面に取り付けられる少なくとも第1のハンドルをさらに備え、前記第2のレンズシートが前記内面の一部と物理的に接触していることを特徴とする、請求項1に記載の防護用シールド。
【請求項4】
前記第1のプロジェクタが前記第1のハンドルに取り付けられ、プロジェクタがプロジェクタレンチキュラーレンズを備え、前記第2のレンズシートが前記第1のプロジェクタの前記プロジェクタレンチキュラーレンズを覆って形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の防護用シールド。
【請求項5】
第2のハンドルをさらに備え、第2のプロジェクタが前記第2のハンドルに取り付けられ、前記第2のプロジェクタもプロジェクタレンチキュラーレンズを備え、第3のレンズシートが前記第2のプロジェクタの前記プロジェクタレンチキュラーレンズを覆って形成され、前記第3のレンズシートも前記第1のレンズシートの反対の極性を有することを特徴とする、請求項4に記載の防護用シールド。
【請求項6】
第1のプロジェクタから画像を受け取るための第1の極性を有する第1のレンズシートと、
前記第1のレンズシートに近接する少なくとも部分的に囲まれた空間を形成するために各々が互いに隣接して配置される第2の極性を有する複数の第2のレンズシートと、
を備え、
前記第1の極性が前記第2の極性と反対であり、前記第1のプロジェクタが前記第1のレンズシートを通して前記第2のレンズシートのうちの少なくとも1つの内面上に画像を投影し、前記囲まれた空間の外側から前記第2のレンズシートのうちの任意の2つの異なるレンズシートの外面を見ている観察者が、前記囲まれた空間内で形成されているように見える仮想デコイ画像の異なる視界を観察することを特徴とする、表示システム。
【請求項7】
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも小さいことを特徴とする、請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも前記第1のプロジェクタに近いことを特徴とする、請求項7に記載の表示システム。
【請求項9】
前記第1のプロジェクタがプロジェクタレンズを備え、前記第1のレンズシートが前記プロジェクタレンズを覆って形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
前記複数の2次レンズシートのうちの前記レンズシートが各々、矩形の形状であることを特徴とする、請求項6に記載の表示システム。
【請求項11】
前記第2の極性が水平であることを特徴とする、請求項6に記載の表示システム。
【請求項12】
前記複数の2次レンズシートが5個からなることを特徴とする、請求項6に記載の表示システム。
【請求項13】
前記囲まれた空間に配置される物体が、前記観察者の視界から隠されていることを特徴とする、請求項6に記載の表示システム。
【請求項14】
その上に画像を有するマットと、
前記マットに近接した、第1の極性を有する両面レンズシートと
を備え、
前記両面レンズシートに対して第1の場所で、観察者が前記画像の第1の視界を見ることができ、前記両面レンズシートに対して第2の場所で、前記観察者が第2の観察される視界を見ることができるが、前記第1の視界は見ることができず、前記第2の場所が前記第1の場所と異なり、前記第1の視界が第2の視界と異なっていることを特徴とする、受動的表示システム。
【請求項15】
前記両面レンズシートが第1の片面レンチキュラーレンズシートおよび第2の片面レンチキュラーレンズシートを備え、各レンズシートが滑らかな背面を有し、前記第1の片面レンチキュラーレンズシートと第2の片面レンチキュラーレンズシートとが背中合わせに配設されていることを特徴とする、請求項14に記載の受動的表示システム。
【請求項16】
額縁をさらに備え、前記マットと前記両面レンズシートとの間の距離が約1cmであることを特徴とする、請求項15に記載の受動的表示システム。
【請求項17】
前記距離が可変であり、前記距離を変えることが前記第1の視界および前記第2の視界のうちの少なくとも1つに変化を生じさせることを特徴とする、請求項16に記載の受動的表示システム。
【請求項18】
前記距離が前記レンズシートのLPIに依存して変わることを特徴とする、請求項17に記載の受動的表示システム。
【請求項19】
第1の片面レンズシートのLPIが、第2の片面レンズシートのLPIと異なっていることを特徴とする、請求項17に記載の受動的表示システム。
【請求項20】
前記距離がレンズ角度に依存して変わることを特徴とする、請求項17に記載の受動的表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その各々の内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2018年2月20日に出願された米国仮特許出願第62/632,526号、および2018年7月4日に出願された第62/693,959号からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、改善された表示システムに関し、詳細には、シミュレーションした環境または没入環境で使用するのに好適な改善されたディスプレイを作成するための、光と相互作用する材料の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザが少なくとも部分的にシミュレーションした環境と相互作用することを可能にする、シミュレータ、仮想現実システム、および拡張現実技術と組み合わせて使用される表示システムが知られている。そのような従来型のシステムは、典型的には、コンピュータモニタまたは立体視ディスプレイに依拠し、主に視覚的な性質のものであるが、システムは、音声または触覚のフィードバックを拡張される。人気のある例としては、プレイヤーがコンピュータシミュレーションしたデジタル環境で仮想の航空機を操縦するフライトシミューレータビデオゲームが挙げられる。
【0004】
拡張現実(AR)とは、しばしば、実世界の物体とコンピュータ生成したデジタルデータの組合せのことを呼ぶ。従来では、ARは、デジタルで処理され、コンピュータ生成したグラフィックスの追加で拡張したビデオおよび画像を使用する。
【0005】
ユーザに位置および動きを捕捉して追跡するカメラの使用を含むシステムがやはり知られている。たとえば、米国特許第8,009,022号(特許文献1)は、ユーザの位置および動きを捕捉する深度カメラと、ユーザに仮想環境を3Dで提示する3次元(3D)表示デバイスと、ユーザが仮想環境中で仮想物体と相互作用するとき、触覚のフィードバックを提供するために、ユーザにたとえば力、振動、および運動のうちの1つまたは複数を印可することによる接触の感覚を介してユーザにインターフェースする触覚フィードバックデバイスとを含むシステムを記載する。
【0006】
ユーザが、ユーザの物理的空間を移動すると、ユーザの画像が深度カメラによって捕捉される。その深度カメラからのデータは、仮想環境中の位置とユーザの位置を相関させるように解析される。ユーザの位置または動きが、仮想環境中のユーザの肖像を仮想物体に接触させる場合、対応する触覚のフィードバックがユーザにもたらされる。触覚のフィードバックは、ユーザの腕に結合されるグローブの使用を介してもたらされ、グローブは、ユーザに軽い電気刺激をもたらすことができる複数の電極を収納する。ユーザが、仮想シリンダを握ることに対応するユーザの物理的環境中の動きをすると、システムは、これが起こったと判定することができ、ユーザが物理的空間内で物理的なシリンダを握った場合のように、ユーザに同様の触覚体験をもたらす、ユーザの手のひらおよび指への触覚のフィードバックをもたらす。
【0007】
対話型システムまたは仮想システムの他の形式は、隠蔽、偽装、および他のシミュレーションした視覚効果を容易にするディスプレイを含む。これは、所望の効果を達成するために、光および光を曲げる材料への調査および光学機器の効果的な配置構成の関係する研究を促進するのに役立ってきた。変換光学系と呼ばれることがある研究分野についての理論的フレームワークにおいて頂点をなすモデルへの試みにおいて、多くの理論的な進歩が行われてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,009,022号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/286,134号明細書
【特許文献3】米国特許第8,411,363号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
興味深く有益な仮想環境をシミュレーションする多くのシステムが存在するが、そのようなシステムは、しばしば費用がかかると判明しており、高度で強力な処理能力、位置および動きを追跡するために使用されるカメラ、ならびに生成または表示されるビデオデータを予期される視覚イメージに適合させるアルゴリズムを必要とする。したがって、改善が望まれる。費用効果的な手法を使用して、シミュレーションのための改善されたシステム、インタラクティブなディスプレイ、または没入環境を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様は、表示システム、仮想現実、没入環境で、ならびに建築、美術、娯楽、表示、インタラクティブシステムなどに適用性を有する視覚効果を達成するための、レンズおよび他の光学材料の様々な配置構成から作られる材料を使用するディスプレイおよびシミュレーションしたシステムを含む。これらの材料は、光および電磁スペクトル中の他の放射線の屈折および反射を利用して、所望の視覚効果を達成する。
【0011】
可視光、近赤外線、近紫外線、または光もしくはより一般的には電磁波の他の形のうちの1つまたは複数を屈折または反射するように配置される複数のレンズから構成される材料を使用して、所望の視覚効果およびシミュレーションした環境および没入体験を達成する。そのような材料の例は、直線形状または非直線形状のレンズの規則的または半規則的パターンを有することができるレンチキュラーレンズシートであって、レンチキュラーレンズシートは、少なくとも部分的に光を反射または屈折するためレンズ内で直線と混ぜることができる。典型的なレンチキュラープラスチックシートは、1つの滑らかな側を有する一方、他の側は、2次元(2D)画像を様々な錯視へと変換することを可能にするレンチキュラーと呼ばれる小さい凸レンズから構成される透過性のプラスチックシートである。各レンチキュラーは、下の、すなわち滑らかな側の画像の一部を拡大および表示する拡大鏡として働く。使用できる他の材料は、フライアイレンズアレイとして知られる、小さい球面レンズの配列、または多数の小さい凸レンズからなるスクリーンを含む。使用できる材料の別の例は、直線状プリズムシートまたは配列状プリズムシートである。
【0012】
本発明の態様によれば、第1のプロジェクタから画像を受け取るための第1の極性を有する第1のレンズシートと、第1のレンズシートに近接する第2の極性を有する第2のレンズシートとを備え、第1の極性が第2の極性と反対であり、第1のプロジェクタが第1の画像を第1のレンズシートを介して第2のレンズシートに投影すると、第1の画像が第2のレンズシート上では見ることができるが第1のレンズシート上では見ることができない、表示システムが提供される。
【0013】
本発明の態様によれば、外面および内面を有する透明な本体と、外面を覆って配設される第1の極性を有する第1のレンズシートと、第2の極性を有し内面および第1のレンズシートに近接して配設される第2のレンズシートとを備え、第1の極性が第2の極性と反対であり、第1の画像発生源と通信している第1のプロジェクタが第1のレンズシート上に第2のレンズシートを通して画像を投影すると、画像が第1のレンズシート上では見ることができるが第2のレンズシート上では見ることができない、防護用シールドが提供される。
【0014】
本発明の態様によれば、第1のプロジェクタおよび第2のプロジェクタから第1の画像を受け取り、第2のプロジェクタから第2の画像を受け取る第1の極性を有する第1のレンズシートと、第1のレンズシートに近接して第2の極性を有する第2のレンズシートとを備え、第1の極性が第2の極性と反対であり、第1のプロジェクタが第1の画像を第1のレンズシートを介して第2のレンズシートに投影すると、第1の画像および第2の画像が第2のレンズシート上では見ることができるが第1のレンズシート上では見ることができず、第2のレンズシートに対する第1の場所で第1の画像が観察者には見えるが第2の画像が見えず、第2のレンズシートに対する第2の場所で第2の画像が観察者には見えるが第1の画像が見えない、表示システムが提供される。
【0015】
本発明の態様によれば、第1のプロジェクタから画像を受け取るための第1の極性を有する第1のレンズシートと、第1のレンズシートに近接する少なくとも部分的に囲まれた空間を形成するために各々が互いに隣接して配置される第2の極性を有する複数の2次レンズシートとを備え、第1の極性が第2の極性と反対であり、第1のプロジェクタが第1のレンズシートを通して第2のレンズシートのうちの少なくとも1つの内面上に画像を投影し、囲まれた空間の外側から2次レンズシートのうちの任意の2つの異なるレンズシートの外面を見ている観察者が、囲まれた空間内で形成されているように見える仮想デコイ画像の異なる視界を観察する、表示システムが提供される。
【0016】
本発明の態様によれば、第2の極性を有する第2のレンズシートに近接して第1の極性を有する第1のレンズシートを配置するステップであって、第1の極性が第2の極性のものと反対である、ステップと、物体を表す画像データを第1のシートを通して第2のシート上に投影するステップであって、第1のプロジェクタが第1の画像を第1のレンズシートを通して第2のレンズシートに投影すると、第1の画像が第2のレンズシート上では見ることができるが第1のレンズシート上では見ることができない、ステップとを含む、レンズシートを使用する方法が提供される。
【0017】
本発明の態様によれば、透過性のディスプレイ表面上に画像を投影する方法が提供される。方法は、1つの平行方向(たとえば、左右または垂直)に第1のシートからより遠くの距離に延びるレンチキュラーの1つのレンチキュラーシートを通して、画像またはビデオをブロードキャストするために投影デバイスを使用するステップと、画像が第2のシート上でインターレースし、それによって、画像が投影されない区域で透過性のままとなる第2のレンチキュラーシート上に画像またはビデオを作成するように、反対の極性(たとえば、上下または垂直)に延びるレンチキュラーを有する第2のレンチキュラーシート上に投影するステップとを含む。投影の発生源へ第1のシートが近接することおよび第1のシートと第2のシートの間の距離に起因する画像の延びを、投影内の画像を調整することによってオフセットし、それによって、画像が第2のシート上で通常のアスペクト比として現れさせるために延びを補正することができる。
【0018】
本発明の態様によれば、その上に画像を有するマットと、マットに近接して配設される第1の極性を有する両面レンズシートとを有し、両面レンズシートに対して第1の場所で観察者に画像の第1の視界が見ることができ、両面レンズシートに対して第2の場所で観察者に第2の観察される視界が見ることができるが、第1の視界を見ることができず、前記第2の場所が第1の場所と異なり、前記第1の視界が前記第2の視界と異なる、受動的表示システムが提供される。
【0019】
図は、本発明の実施形態の、例としてのみ図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】可視光に関するときの屈折の法則の原理を図示する概略図である。
図2】部分的に断面の、レンチキュラーレンズシートの概略図である。
図3】プロジェクタの近くの垂直極性シートを有し、それによって、投影したビデオ画像が上と下にゴースト像を有する明るい水平のストライプとして知覚される実施形態の概略図である。
図4】プロジェクタにより近い第1のシートと、画像が表示される第2のシートとを有する実施形態の概略図である。
図5】プロジェクタにより近い第1のシートと、画像が表示される第2のシートとを有する実施形態の概略図である。
図6】ディスプレイシートのものと反対の極性のレンズを有するプロジェクタレンズを通してデコイ画像が投影される実施形態の図である。
図7】両側に反対の極性を有するレンズを有するディスプレイシート上にデコイ画像が投影される実施形態の図である。
図8】その上にデコイ画像を投影するために使用される2つのデコイシートの概略ブロック図である。
図9】半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組上に画像が投影される実施形態を描く図である。
図10】半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組上に画像が投影される別の実施形態を描く図である。
図11】半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組上に画像が投影される別の実施形態を描く図である。
図12】半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組上に画像が投影されるさらに別の実施形態を描く図である。
図13】球形ディスプレイ上に画像が投影される実施形態を描く概略図である。
図14】異なる地点から見ることができる、異なる画像を表示するために使用される複数の面をディスプレイが含む実施形態の概略図である。
図15】異なる地点から見ることができる、異なる画像を表示するために使用される複数の面をディスプレイが含む実施形態の概略図である。
図16】異なる地点から見ることができる、異なる画像を表示するために使用される複数の面をディスプレイが含む実施形態の概略図である。
図17】固定した距離だけ離れて置かれた2つのプロジェクタを有する表示システムであって、その間に反対の極性の2つのレンズシートが配設されることをさらに含む表示システムの実施形態の概略図である。
図18】固定した距離だけ離れて置かれた2つのプロジェクタを有する表示システムであって、その間に反対の極性の2つのレンズシートが配設されることをさらに含む表示システムの別の実施形態の概略図である。
図19】さらに鏡を利用する図4の実施形態の変形形態の概略図である。
図20】さらに鏡を利用する図17または図18の実施形態の変形形態の概略図である。
図21】本発明の実施形態の例である仮想現実の部屋であって、同じ壁を見る異なるユーザが異なる視界を有する仮想現実の部屋の概略図である。
図22】本発明の実施形態の例である別の仮想現実の部屋であって、プロジェクタがそれぞれのプロジェクタレンズに組み込まれる有極性レンズを有する、仮想現実の部屋の概略図である。
図23】視点に依存する様態で見ることができる2つの異なる画像を表示するため円筒構成を有する表示システムの概略図である。
図24】空間を囲むように配置されるレンズシートの視点に依存する視界を活用することによってある位置における3Dの物体をシミュレーションするための表示システムの概略図である。
図25】本発明の例示的な実施形態における、投影された画像で観察される歪アーティファクトを補正するための、予備歪(pre-distortion)を採用するシステムの概略図である。
図26】本発明の実施形態の例示的な防護用シールドの概略ブロック図である。
図27】本発明の実施形態の例示的な防護用シールドの概略ブロック図である。
図28】本発明の実施形態の例示的な防護用シールドの概略ブロック図である。
図29】3次元画像をシミュレーションするために使用されるレンチキュラーレンズを図示するブロック図である。
図30】画像およびビデオの表示のために使用されるピラーを有する車両の内装の簡略化した概略図である。
図31】本発明の実施形態の例示的な受動的表示システムの構成要素の簡略化したブロック図である。
図32】レンズシートの視点に依存する性質を使用する運動視差をシミュレーションするための、図31の構成要素を使用して構築された、受動的表示システムの構成要素の簡略化したブロック図である。
図33】2つの片面レンズシートを背中合わせに置くことによって作られた、別の両面直線状レンズシートの簡略化した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述のように、本発明の実施形態は、表示システム、仮想現実、没入環境、建築、美術、娯楽、インタラクティブシステム、共同システムなど適用性を有する独特の視覚効果を達成するための、レンズおよび他の光学材料の様々な配置構成から作られる材料を使用する表示システムおよびシミュレーションした環境を含む。これらの材料は、光および電磁スペクトル中の他の放射線の屈折および反射を利用して、所望の視覚効果を達成する。
【0022】
屈折の原理
斜角で材料媒体に入る光線がその方向を変えることが通常観察される。この現象は屈折と呼ばれる。屈折は、一般的に、伝播速度の変化に起因する波の伝播方向の変化を含む。光の場合、屈折は、光が媒体に入り、光の速度がその真空での速度c≡3x10からc/nに低下するときの光の減速にさかのぼることができ、ここでnは媒体の屈折率である。
【0023】
図1は、スネルの法則としても知られている屈折の法則の説明を描く。入射光線106は、第1の点Pから、空気などの第1の媒体102を通って進行し、第2の媒体104の中に入る。入射光線106は、屈折光線108の軌跡が点Pに到達するように、境界面110で屈折される。これは、最小時間のフェルマーの原理によって説明され、フェルマーの原理では、光が1つの点から別の点に最小時間を必要とする経路に沿って進行すると述べられている。したがって、入射角θおよび屈折角θは、PからPへの光学経路を最小化するようなものでなくてはならない。図1に示されるように、第1の媒体および第2の媒体の屈折率がそれぞれnおよびnである場合、スネルの法則では、nsinθ=nsinθであると述べられている。
【0024】
上述のように、可視光、近赤外線および/または近紫外線を屈折するような方法で、互いに隣接してまたは極めて接近してそのサブセットが配置される多数のレンズから構成される材料が知られている。典型的な例は、レンチキュラーレンズシートである。レンチキュラーレンズシートは、透過性のプラスチックから構成することができる。さらに、いくつかのレンチキュラーレンズシートは、片側が滑らかであってよく、一方、反対側が、レンチキュラーと呼ばれる小さい凸レンズから構成することができる。これらのレンチキュラーは、さもなくば通常である、シーンの2次元の視界を、様々な興味深い視覚効果を有するように見えるようにすることができる。たとえば、レンチキュラーは、拡大鏡として働くことができる。
【0025】
図2は、部分的に断面の、レンチキュラーレンズシートの概略図である。示されるように、レンチキュラーシート200は、複数のレンズまたはレンチキュラー202を含む。レンチキュラーレンズからの画像は、視野角204に対応するV字視界領域内で見ることができる。視野角204は、小さくてよく、または大きくてよい。小さい視野角204は、視聴者が、わずかに頭の向きを変える必要があると、異なる絵の組を見ることになるという意味で、絵を変化に対して非常に敏感にする。広い視野角204のレンズでは、視聴者は、異なる絵の組を見るために、彼の頭の比較的大きい移動または回転をすることができ、そのため、見える変化は、頭の位置または方位における移動に対してあまり敏感でない。結果として、狭い視野角のレンズは、3次元(3D)効果のために良好であり、広い視野角のレンズは、アニメーション、フリップ、モーフィング、またはズームなどといった、ダイナミックなプリントに良好である。
【0026】
特殊な眼鏡または他の障害になるものの必要なしで視聴者に3次元画像を提示するディスプレイは、自動立体視と呼ばれることが多い。掲載するべき第1の自動立体視方法はバリア技法であって、方法は、2つ以上の絵をストライプへと分割するステップと、それらを同じ周波数の一連の垂直に位置を合わせた不透明のバーの背後で位置を合わせるステップを含む。それは、G. A. Bois-Clairによる絵画で実証され、それは視聴者が傍らを歩くと、1つの絵から別の絵へと変わって見えることとなる。
【0027】
後に、物理学者のGabriel M. Lippmannは、不透明のバリア線の代わりに、絵の表面に一連のレンズを使用し、すべての方向に視差を用いて完全な空間画像を記録することができた。プロセスは、画像を記録して再生するために、フライアイレンズアレイまたは一体型レンズアレイとして知られている小さい球面レンズの配列を利用した。
【0028】
何人かの科学者は、レンチキュラーレンズアレイを組み込むことによって一体型レンズアレイを簡略化した。レンチキュラーレンズシートは、厚い平凸円筒形レンズの直線状配列からなる。レンズシートは透明で、焦点面を構成する背面が平坦である。それは、視差バリアスクリーンにも光学的に類似する。今日では、アニメーション、3Dおよび大型のための特有のレンズ設計ならびに大量生産技法がある。
【0029】
レンチキュラーレンズシートを作るため使用される従来の材料は、できるだけ透明な一方で、光を屈折する能力を維持するように作られた。材料の透明度がより高いことがしばしば望ましく、印刷などのいくつかの用途では、より明瞭で良好な視覚効果を高い透過率比で実現することができる。レンチキュラーレンズのシートが、発送のために巻かれるものなど多くの状況で使用できるようにまたは印刷プレスで使用するために、材料は、熱的に誘起される歪を減らすのに十分安定であるべきでもある。レンチキュラーシートは、通常、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PVC、およびポリスチレンから作られる。レンズは、しばしば一般にインチ毎レンズ(LPI)で測定および表記される、適切な密度で配置することができる。
【0030】
これらのレンズの配置構成の典型的な実施形態は、図2に描かれ、以前に議論したような、V字視覚領域を提供する。視聴者の位置の変化に対する画像の感度は、視野角204に依存する。小さい視野角204は、視聴者が、わずかに頭の向きを変える必要があると、異なる絵の組を見ることになるという点で、絵を変化に対して敏感にする。広角レンズ204では、変化がそのように敏感でないために、視聴者は、比較的大きく頭の向きを変えて、異なる絵の組を見ることができる。結果として、狭い視野角のレンズは、3次元効果およびダイナミックなプリントに好適である。
【0031】
レンチキュラーレンズのシートを作るために使用される材料は、熱歪が減るように、好ましくは安定である一方で、印刷プレスで使用すること、および発送のために巻かれることができるように、柔軟性を保持する。
【0032】
レンズシートの製造
レンチキュラーレンズのシートは、典型的には、この目的のために特別注文された機械またはデバイスを使用して製造される。1つのそのようなデバイスは、その内容が参照によってその全体で本明細書に組み込まれる、2005年8月30日に出願され、「Lenticular lens pattern-forming device for producing a web roll of lenticular lens」という題名の、公開された米国特許出願公開第2005/286,134号(特許文献2)に記載される。公開された出願には、ラベリングを含むレンズの切断、積層、および様々な最終用途などといった、仕上げ操作が、レンズウェブの製造に併せて達成または適合することができるように、レンチキュラーレンズおよび特にレンチキュラーレンズウェブとしてのレンズを製造するための方法が記載される。公開物は、中心の長手軸の周りを回転可能な筐体を備えるレンチキュラーパターン形成デバイスも開示する。筐体は、溝パターンを有する外面を有する。溝パターンは、外面上に円周方向および長手方向に延びる溝を含み、溝は、ほぼ等しい溝幅を有する。長手方向に延びる溝は中心の長手軸にほぼ平行であり、溝が筐体の外面をカバーする。加えて、本発明は、レンチキュラー画像ウェブを作るために使用できるレンチキュラーレンズウェブを作成するための、レンチキュラーパターン形成デバイスを使用する方法をさらに含む。画像ウェブは、壁紙、バナー、ラベルなどといった、最終製品を作成するために使用することができる。
【0033】
後で記載されることになる本発明のいくつかの実施形態は、偽装の改善を達成するためのレンチキュラーレンズシートの使用に関する。たとえば、レンチキュラーレンズシートの1つの好適なタイプは、その内容が参照によって本明細書に組み込まれる、2009年10月20日に出願され、「Plastic sheets with lenticular lens array」という題名の、米国特許第8,411,363号(特許文献3)に記載される。特許では、少なくとも2つの部分を有する第1の面と、対向する第2の面と、第1の面に形成される複数のレンチキュラーレンズとを含むレンチキュラーシートが開示される。第1の面の各部は、第1の面の隣接する部分の、センチメートル毎にある数のレンチキュラーレンズと異なるセンチメートル毎の数のレンチキュラーレンズを含む。
【0034】
レンチキュラーレンズシートを作るために使用できるいくつかの種類の材料がある。これらとしては、アモルファスではなく、その結晶性を保持するポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。PETは、優れた透明度、良好なガスバリア特性、および良好な耐油性および耐溶剤性を有する。ポリプロピレン(PP)は、部片が打抜き積層または製造で仕上げられる場合、やはり適する。石油を精製することによって生成されるエチレンを、岩塩から生成される塩素と化合することによって作られるポリ塩化ビニル(PVC)を使うこともできる。
【0035】
レンズを組み込む様々なタイプの材料の特定の用途および使用例、そのような材料を作る方法、そのような材料を具現化する製造品、本発明の実施形態の例が記載される。
【0036】
視覚的隠蔽およびごまかしは、狩猟など多くの状況で有用である。狩猟では、同じタイプの動物またはデコイによって表される動物の捕食者を引きつけるようにデコイがしばしば設置される。しばしばこれらのデコイは、大きさが等身大であり、このことは、デコイのサイズが鹿またはヘラジカの等身大バージョンとなる可能性があることを意味する。そのため、物理的なデコイは、区域内外で得るのが難しい。
【0037】
しかし、レンズシート材料はほぼ透明であるので、背景色によって、任意の季節、昼、または夜の任意の環境にレンズシート材料が混ざることが可能になる。表示するデコイ画像の選択が事実上無制限であるレンズシートから作られるディスプレイ上に異なる画像を投影することができるため、異なる大きい物理的なデコイを準備する必要が回避される。
【0038】
反対の極性の2つのレンズシートの使用は、下で述べるように、インターレースによって画像を作成するために使用され得る。そのような技法によって、静止したデコイまたはデコイが草を食べるビデオのいずれかをブロードキャストするプロジェクタで、独立型デコイの作成が可能になる。
【0039】
反対の極性を有する2つのシートでは、第1のシートにおいて、レンズまたはレンチキュラーの配置構成が第1の特定の方向(たとえば、水平または左右)に沿っており、反対の極性を有する第2のシートにおいて、レンズまたはレンチキュラーが、第1の方向(たとえば、垂直または上下)に対して約90度の第2の方向に(垂直に)配設されることになる。
【0040】
インターレース効果での一方向投影
図3は、プロジェクタ301の近くの垂直極性シート305を有し、それによって、投影したビデオ画像が明るい水平のストライプ303として知覚され、ストライプ303の上と下にゴースト像を有する場合がある、実施形態の概略図である。シート305の垂直極性が、ストライプ303の水平の位置合わせをもたらす。
【0041】
図示されるように、シート305がプロジェクタ301と第2のシート307の間となるように、第2の水平極性シート307を加えることによって、投影されるビデオ画像を、第2のシート307上に正しく表示することが可能になる。
【0042】
第2のシート307中のレンズは、反対の極性(すなわち、水平極性)に延び、それによって、画像309が投影されない区域で透過性のままとなる第2のシート307上にビデオ画像309を作成する。目標またはデコイを記録するため黒い背景を使用することによって、描かれる画像の周りに透過性の背景を作り出す。
【0043】
第1のシート305および第2のシート307は、防護用シールド上で使用することができる。防護用シールド上で使用すると、定位置で防護用シールドを保持する物体の本体(警察官、または経験的な設置でシールドを保持する三脚など)は、シールドの背後にいるとき視聴者から隠される。さらに、シールド上のビデオ画像309の場所は、視点に依存する。
【0044】
プロジェクタ301は、大型の2000ルーメン以上のプロジェクタ、またはハンドヘルドの200ルーメン携帯バッテリ電源式プロジェクタであってよく、同様の効果が観察される。内部メモリおよびバッテリ電源を有するより新しい短距離プロジェクタを使用し、こうして国軍または軍隊が使用できるシステムを作成することができ、ここでは、シールド上のビデオ画像は、威嚇しない人物の肖像または物品を表示し、背後にある1つまたは複数の保安要員または兵士を隠す。
【0045】
代わりの実施形態では、例示的な材料が軍用車両の前にあってよく、それによって敵をだますための材料上に、通常のスポーツ用多目的車(SUV)または農耕用車両もしくは動物を描くため使用することができる。
【0046】
上の変形形態では、後で説明されるように、プロジェクタ301などといったプロジェクタは、戦車(たとえば、M1 エイブラムス戦車)またはその上の兵士の画像またはビデオを単にブロードキャストして、現実的なデコイを作成することができる。
【0047】
上の技法のいずれかを使用する別の関係する用途または実施形態は、シート内のそのレンズの2つの極性のうちの1つおよび周波数と一致する材料上にレンチキュラー画像またはレンチキュラービデオを投影することであり、これが、1つまたは複数のディスプレイシート上に独立型の3次元画像またはビデオを可能にする。
【0048】
図4に示される実施形態では、第1の視聴者402と第2の視聴者410は、プロジェクタ408の反対側にいる。第1のシート406は、デコイ画像が提示される第2のシート404よりもプロジェクタ408に近い。視聴者402と視聴者410の両方は、第2のレンズシート404上のデコイ画像を見ることが可能となる。示されるように、第1のレンズシート406と第2のレンズシート404は、反対の極性を有する。
【0049】
図5は、対応するレンズシートの極性が反転された、図4に示される実施形態とわずかに異なる同様の実施形態を示す。図5では、第1の視聴者502と第2の視聴者510は、プロジェクタ508の反対側にいる。第1のシート506は、デコイ画像が提示される第2のシート504よりもプロジェクタ508に近い。視聴者502と視聴者510の両方は、第2のシート504上のデコイ画像を見ることが可能となる。また、第1のシート506と第2のシート504は、それぞれ垂直の平行線と水平の平行線を使用して示されるように、反対の極性を有する。
【0050】
図4図5図6図7図9図10図12、および図13は、図8に図示される実施形態などのデコイのため、ならびに図21および図22に描かれるようなディスプレイで使用することができる実施形態を図示する。
【0051】
図6は、ディスプレイシートのものと反対の極性のレンチキュラーレンズを有するプロジェクタレンズを通してデコイ画像が投影される実施形態を描く。プロジェクタレンチキュラーレンズ608を有するプロジェクタ606が、ディスプレイシート604上にデコイ画像を投影する。第1の視聴者602と第2の視聴者610は、プロジェクタ606の反対側にいる。ディスプレイシート604とプロジェクタレンズ608は反対の極性を有する。描かれた例では、プロジェクタレンズ608が水平極性を有する一方で、シート604が垂直極性を有する。
【0052】
関係する代替実施形態では、レンズ608が垂直極性を有することができる一方で、シート604が水平極性を有することができるように、極性を反転することができる。視聴者602と視聴者610の両方が、デコイ画像を見ることが可能となる。
【0053】
図7は、両側に反対の極性を有するレンズを有するディスプレイシート上にデコイ画像が投影される実施形態を描く。プロジェクタレンズ708を有するプロジェクタ706が、ディスプレイシート704上にデコイ画像を投影する。しかし、この実施形態では、プロジェクタレンズ708は、有極性レンズを有さない。第1の視聴者702と第2の視聴者710は、プロジェクタ706の反対側にいる。ディスプレイシート704は、両側に反対の極性のレンズを有する。視聴者702はデコイ画像を見ることが可能となるが、視聴者710は、極性および視野角に依存して、デコイ画像を見ることが可能な場合も可能でない場合もある。
【0054】
視聴者702の側に第2のプロジェクタを有する実施形態では、画像が背景の景観およびデコイの前景画像を含む場合、デコイ画像は、反対側で、すなわち視聴者702が見ることができるだけである一方、背景の景観は両側で見ることができる。デコイ画像が見ることができる側では、背景はデコイ画像の後ろにきつい角度からのみ見ることができるが、一方で背景は、反対側で非常に広い角度にわたって見ることができる(視聴者710が見ることができる)が、デコイ画像は、その側では見ることができない。
【0055】
このような、1つのプロジェクタからの画像が両側で見ることができることは、反対の極性の2つのレンズシートが互いに非常に近接して、または接触しているときにだけ生じる。
【0056】
さらに、視聴者702の側に第2のプロジェクタを有する実施形態では、1つのプロジェクタからの画像が両側で見ることができるためには、さらに、背景だけを示す側が垂直(上下)に配設されるレンズを有するが、一方でデコイ画像と(きつい視野角内での)背景の両方を示す側がレンズを水平(左右)に配設させるように極性を設定することが必要である。
【0057】
こうした上の技法を使用して、軍の兵士は、防衛場所の周りにデコイ兵士を配置して、敵対者がより大きい武力と知覚させることができる。戦闘が発生した場合、敵対者には、選択するべきはるかに多くの目標があることになり、それによって、実在の兵士を保護する。デコイが撃たれた場合、銃弾は材料を貫通してそのままとなる可能性があり、デコイは無傷で現れることとなり、それによって、本当の兵士から離したさらなる射撃を引き出す。
【0058】
上のシナリオの簡略化した実施形態が、2つのデコイシート802、804を描く図8に概略的に図示される。実際に存在するよりはるかに大きい武力の錯覚を生み出すために、デコイシート802、804は、それぞれ、プロジェクタ806からその上に投影される兵士のデコイ画像808を有するように使用される。
【0059】
画像をインターレースする第2のシート804上で材料の滑らかな側またはレンズ側のいずれかで画像を見ることができるが、示されるように、視聴者810に面するレンズ側で画像を見るときに、より良好またはさらに最適な結果が生じる。これは、滑らかな側の反射防止コーティングで改善することができ、レンズ側のこれらの反射防止コーティングがやはり結果を改善することができる。プロジェクタに面する滑らかな側は、視聴者がプロジェクタ806の側にいる場合、滑らかな側が画像をプロジェクタ側に向けて反射するのを助けるために、やはりより良好に知覚される。
【0060】
プロジェクタ806は、プロジェクタ806に関して視聴者からさらに離れた(デコイシート802、804のうちの1つなどといった)材料上へと視聴者から離れる方を向く視聴者810の側にあってよい。プロジェクタ806に最も近いシート804上の材料は、視聴者810がシート804を越えて見てシート802上のデコイを見ることを可能にするために、シート802より短い必要がある。
【0061】
各シートの両側に反対の極性をもってレンズが製造されるという改善、そのため、いずれのシート上にも滑らかな側がない、すなわち、第1のシートが両側に上下に延びるレンズを有する一方、第2のシートは、両側に左右に延びるレンズを有して第1のシートの反対となる。これらの極性は、それらが互いに反対である限り、2つのシート間で交換可能である。
【0062】
より大きいデコイシート材料を使用して、装甲車両および戦車などといったより大きい物体の画像をブロードキャストすることができる。より大きいデコイシート材料は、小さいゴルフカートに取り付けることができる。あるいは、より大きい材料は、攻撃ヘリコプターの画像をブロードキャストするために気球に取り付けることができる。
【0063】
施設の周りに非常に大きいデコイシートを置くことによって、これらのデコイを作成して動作させるため最小の費用で、施設の周りにはるかに大きい防衛用または攻撃用武力があると敵をだまして信じさせることができる車両、兵士、および航空機の大きい静止または動画表示をもうけることになる。
【0064】
他の例示的な実施形態は、円筒のように形作られ、片側または両側にレンズを有する曲がったレンズの組を含む。1つの特定の実施形態では、プロジェクタを向く円筒の側で、レンズが第1の極性で配置される一方、反対側で、レンズは、第1のレンズの組に対して反対の極性で配置される。これは要素の深度を作り出し、曲面の右側に画像の部分を見ることができ、視聴者が左側に動き回ると、視聴者は、右側から見ることができなかった画像の部分を見ることができる。両方のレンズが同じ方向に曲がってよく、または、下で詳細に記載されるように、第1のレンズが平坦であってよい。曲面は、レンズを有するスクリーン上の反射を減らす助けをする、新しいテレビジョンおよびIMAXスクリーンなどのように、凹面であってよい。
【0065】
関係する実施形態では、反対の極性のレンズが同じ材料の部片へと製造され、そのため、材料の1つの側で、レンズは上下に延び、他の側でレンズは左右に延びる。この組み合わせたレンズ材料上にインターレースされる画像を得るために他のレンズは必要なく、歪に対応するため、2つのレンズ間に区切りがないために、材料上に画像またはビデオを固定するのに歪は必要ない。材料のこの単一の部片は、立方体またはピラミッドなどといったいくつかの曲がったまたは角度のある見ることができる表面を投影スクリーンが有することができるという条件で、平坦なシート、曲がったまたは任意の幾何形状として製造することができる。材料の部分的な形状にわたってまたは材料の完全な形状にわたって、画像またはビデオを提供するため、形作られたスクリーンの表面上に投影する、1つより多いプロジェクタが必要な場合がある。
【0066】
レンズシートの不規則な形状
図9は、円筒のような形状の、曲がったレンズの組上にデコイ画像であってよい画像が投影される実施形態を描く。プロジェクタ906は、示されるように、後半分と反対の極性である前半分を有する円筒形ディスプレイシート904上に画像を投影する。描かれる実施形態では、前半分は水平極性である一方、最初に画像中の投影物が投影される後半分は垂直極性である。視聴者902は、円筒形ディスプレイシート904の前半分上に形成される画像を見る。
【0067】
図10は、半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組上にデコイ画像であってよい画像が投影される実施形態を描く。プロジェクタ1006は、示されるように、プロジェクタ1006により近い第2のシート1005のものとレンズが反対の極性である半円筒形ディスプレイシート1004上に画像を投影する。図10では平坦な第2のシート1005が示されるが、他の実施形態では、シート1005は曲がっていてもよい。第1の視聴者1002は、円筒形ディスプレイシート1004の前半分上に形成される画像を見る。第2の視聴者1008は、視聴者1008がシート1004を見るのをシート1005が妨げない場合に、半円筒形ディスプレイシート1004に形成された同じ画像をやはり見る。
【0068】
図11は、半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組上にデコイ画像であってよい画像が投影される別の実施形態を描く。プロジェクタ1106は、垂直および水平の線によって示されるように、レンズが互いに反対の極性である2つの半円筒形ディスプレイシートを一緒に配置することによって形成される半円筒形ディスプレイシート1104上に画像を投影する。
【0069】
第1の視聴者1102は、半円筒形ディスプレイシート1104の外側に形成される画像を見る。第2の視聴者1108は、半円筒形ディスプレイシート1104の内側上の同じ画像をやはり見る。図7を参照して以前に言及したように、ディスプレイシート1104の両側に背景およびデコイの前景がある単一のプロジェクタからの画像を見ることができることは、ディスプレイシート1104をなす2つのレンズシートが反対の極性で互いに非常に近接して、または接触しているときにだけ生じる。さらに、視聴者の側に第2のプロジェクタを有する実施形態では、1つのプロジェクタからの画像を両側で見ることができるためには、さらに、背景だけを示す側が垂直(上下)に配設されるレンズを有するが、デコイ画像と(きつい視野角内での)背景の両方を示す側が水平(左右)に配設されるレンズを有するように極性を設定することが必要である。
【0070】
図12は、半分の円筒のような形状の、曲がったレンズの組からなる曲がったレンズシート上にデコイ画像であってよい画像が投影される別の実施形態を描く。有極性プロジェクタレンチキュラーレンズ1207を有するプロジェクタ1206が、円筒形ディスプレイシート1204上に画像を投影する。
【0071】
ディスプレイシート1204上のレンズとプロジェクタレンチキュラーレンズ1207は反対の極性を有する。第1の視聴者1202は、円筒形ディスプレイシート1204の前半分上に形成される画像を見る。第2の視聴者1208は、半円筒形ディスプレイシート1204上に形成される同じ画像をやはり見る。
【0072】
下で議論される代替実施形態では、ディスプレイは異なった形状であってよく、複数の表示面を有する3次元構造をも有してよい。
【0073】
図13は、プロジェクタ1306から球形ディスプレイ1304上に投影される画像を視聴者1302が見る例示的な実施形態の概略図を描く。示されるように、視聴者1302が球形ディスプレイ1304の1つの側にいる一方、プロジェクタ1306は、プロジェクタ1306の反対側にある。プロジェクタ1306を向く球形ディスプレイ1304の後半球、または少なくともその一部は、画像が現れるディスプレイ1304の前半球(または、少なくともその一部)の反対の極性を有する。
【0074】
図14は、複数のプロジェクタが含まれ、視聴者が、彼らの観点に依存して異なる画像を見る別の実施形態の概略図を描く。第1の視聴者1402は、第1のプロジェクタ1410からディスプレイ表面1406上に投影される画像を見る。第2の視聴者1412は、第2のプロジェクタ1404から別のディスプレイ表面1408上に投影される別の画像を見る。プロジェクタ1404と、ディスプレイ表面1408の反対の極性のディスプレイ表面1408との間に、レンズ材料がある。同様に、プロジェクタ1410と、ディスプレイ表面1406の反対の極性のディスプレイ表面1406との間に、レンズ材料がある。あるいは、プロジェクタ1404上のプロジェクタレンチキュラーレンズの極性がディスプレイ表面1408の反対となり、プロジェクタ1410上のプロジェクタレンチキュラーレンズの極性がディスプレイ表面1406の反対となるように、プロジェクタのレンズが反対の極性のレンチキュラーレンズを有することになる。
【0075】
図15は、画像またはビデオがディスプレイの多数の側面上に表示されるさらに別の実施形態の概略図を描く。1つまたは複数のプロジェクタ1520、1514を使用することができる。プロジェクタ1520は、画像をディスプレイ1506上に投影する。側面1504および側面1508などといったディスプレイ1506の異なる側面は、異なる画像を表示することができる。ディスプレイ1506は、一般的に形状が多面体であってよく、詳細には示されるように4面体であってよい。プロジェクタ1514は、画像をディスプレイ1516上に投影する。示されるように、ディスプレイ1516の異なる側面は、異なる画像を表示することができる。視聴者1502、1510、および視聴者1512、1518は、それぞれ、ディスプレイ1506およびディスプレイ1516上に投影される、彼らの視野中の画像を見ることができる。了解されるように、プロジェクタと、画像が描かれる表面との間に、反対の極性のレンズシート材料がある(図示せず)。あるいは、プロジェクタのレンズは、ちょうど上で記載したように、反対の極性のレンチキュラーレンズを有する。
【0076】
図16は、広告、芸術、建築などの多くの潜在的な用途で複数のプロジェクタが使用される複雑な形状を有するディスプレイを描く。例示的な複合ディスプレイ1608は、その表面の下、上、または側面から投影される画像を表示する。ディスプレイ1608は、形状が多面体であってよい。投影は、ディスプレイ1608内から放射することもできる。こうして、視聴者1602、1612は、プロジェクタ1604、1606、1610、1614、および1616によって投影されるような、ディスプレイ1608の多くの表面1618上の様々な画像を見ることが可能である。また、当業者なら、プロジェクタと、画像が描かれる表面との間に、反対の極性のレンズシート材料がある(図示せず)と了解するであろう。あるいは、プロジェクタのレンズは、図15を参照して上で記載したように、反対の極性のレンチキュラーレンズを有する。
【0077】
2方向投影表示システム
図17および図18に図示される別の例示的な実施形態では、2つのプロジェクタが互いに向けて第1の固定した距離だけ離れて配設される表示システムが、互いに向かってそれぞれの画像を投影する。反対の極性を有する2つのレンズシートがプロジェクタ間に第2の固定した距離だけ離れて配設される。レンズシートがプロジェクタ間に配設されるため、第2の距離は、第1の距離より短い。
【0078】
図17および図18に描かれる表示システム1700の特定の実施形態では、コンピュータ1718に接続されるプロジェクタ1712、および別のコンピュータ1720に接続される別のプロジェクタ1710が約12フィート離れて互いに向けて配置される。この距離を変えることができ、上で言及した12フィートという特定の距離は単なる例である。それぞれのレンズが反対の極性に配置される第1のレンズシート1704と第2のレンズシート1708が、互いに約2フィート離れて2つのプロジェクタ1712、1710の間に置かれる。この距離を変えることができ、上で言及した2フィートという特定の距離は単なる例である。
【0079】
動作では、図17に示されるように、コンピュータ1720からプロジェクタ1710を使用して画像1722を投影すると、示されるように、投影される画像1706は、最初にプロジェクタ1710に最も近いレンズシート1708を通過して、レンズシート1704上でインターレースすることになる。
【0080】
同時に、図18に示されるように、コンピュータ1718からプロジェクタ1712を使用して画像1714を投影すると、示されるように、投影される画像1707は、最初にプロジェクタ1712に最も近いレンズシート1704を通過して、より遠くのレンズシート1708上でインターレースすることになる。
【0081】
わかるように、特定の描かれる配置構成では、図17のユーザ1702は、レンズシート1704上の画像を見ることが可能であるが、レンズシート1708上の同じ画像1706は見ることができない。同様に、図18のユーザ1724は、レンズシート1708上の画像1707を見ることが可能であるが、レンズシート1704上の同じ画像は見ることができない。
【0082】
図17および図18に描かれるような上の実施形態の興味深い用途は、同時ビデオブロードキャストである。投影されるビデオシーケンスまたは映画は画像と同じ形で挙動することになる。すなわち、ユーザ1702はレンズシート1704上に投影されるビデオシーケンスを見ることが可能であるが、ユーザ1702は、彼または彼女がいるところから、レンズシート1708上のビデオを見ることができない。同様に、ユーザ1724は、レンズシート1708上に投影されインターレースされるビデオを見ることが可能であるが、彼または彼女がいるところから、レンズシート1704上のビデオシーケンスを見ることはない。
【0083】
2フィート離れてレンズシートが置かれるときに、視聴者が彼または彼女の視野角または視点を変えた場合、画像がレンズシート上で移動し、視聴者に固有の要素の深度をもたらすことが、本発明の発明者によって見いだされた。視聴される移動した画像は、第2の視聴者にとっては異なり、レンズシートの同じ側の各々の人にとって、同様にやはり異なる。この効果は、画像またはビデオが水平極性上にあるときにより明らかとなった。垂直極性での反対側で再生する第2の動画またはムービーは、視聴者とレンズの間で変わる視聴距離に関係して上下により知覚される動きがあるため、わずかに異なる。すなわち、視聴者が近づくと、視聴者の距離に関係して画像がレンズ上を上昇することになる。
【0084】
上の発見が、図17および図18の実施形態の新しい使い方をもたらし、複数の人々の各々に異なる視点を提供する没入体験室を図示する図21または図22の実施形態のholodeck用の用途が確認された。
【0085】
要素の深度および視点は、それらの間に何らかの間隙または距離(たとえば、2フィート)を有する反対の極性の2つのレンズシート1704、1708から生じる。このことは、互いから離れて(数インチまたはフィートの間隙で)設定される両方のレンズシートを通してブロードキャストする1つのプロジェクタでも当てはまり、レンズ間の間隙が大きくなると、視聴者の視点変化にともなって、より大きい動きが生じる。
【0086】
2つのレンズシートが一緒に保持されると、視聴者の視点に基づくとき、画像は、動きがない。さらに、いずれかの側から2つのプロジェクタを使用すると、各レンズは、第2のものからの画像またはムービーの上に、最も近いプロジェクタからのゴースト画像を示すことになる。
【0087】
図9の円筒形シート904におけるなどといった、異なった角度を有する場合があるレンズシート上のレンズのより密な構成では、ビデオの透明度および視野角が増加し、レンズのより大きい構成が使用されるときに見られる光の帯およびプリズム(虹)効果が減る。
【0088】
鏡を備える表示システム
図19に、本発明の実施形態の例である別の表示システムが描かれる。表示システムは、プロジェクタ1910、および第1のレンズシート1902と第2のレンズシート1906の間に配設される鏡1904を含む。この配置構成によって、すべての構成要素を収容するより小型の表示システムが可能になる。そのような配置構成は、プロジェクタ1910が視聴者1908から(角を曲がったところに)隠されるなどの、レンズシート1902の背後の構成要素を可能にする。
【0089】
レンズシート1902およびプロジェクタ1910は、プロジェクタレンズを有するまたはその上にプロジェクタレンズカバーをかけたプロジェクタで置き換えることができる。当業者なら理解するように、プロジェクタレンズまたはカバーは、投影されるサブ画像のインターレースを可能にするために、レンズシート1906の反対の極性を有することになる。レンズシート1906は、以前に記載した実施形態に関連して議論したような、異なる幾何形状を利用することもできる。
【0090】
上の実施形態では、ビデオ画像がプロジェクタ1910から投影されると、レンズシート1906上の表示される画像に、アスペクト比の歪を観察することができる。これは、2つの材料間の距離に起因することができ、鏡の反射でより長い距離を作り出す。そのような歪を補正するために、投影されるビデオの水平と垂直の比を、後で記載するように変えることができる。
【0091】
本発明の別の実施形態の例である、さらに別の変形形態では、図20に描かれるような表示システムは、それぞれ対応する画像発生源2024、2028に接続される複数のプロジェクタ2022、2026、およびレンズシート2014とレンズシート2018の間の鏡2016を使用する。これが、図17および図18の実施形態と同様の様式での2重視を可能にする。
【0092】
視聴者2012が、プロジェクタ2022からの画像を見ることなくプロジェクタ2026からの画像またはビデオを見る一方、視聴者2020は、プロジェクタ2026からの画像を見ることなくプロジェクタ2022からの画像またはビデオを見る。当業者なら理解するように、レンズシート2014とレンズシート2018は反対の極性を有する。
【0093】
視点依存視界、Holodeck、および没入
本発明の別の例示的な実施形態は、ユーザに仮想環境中で相互作用を可能にすると知られており、存在物は仮想世界に限定される、没入仮想現実(VR)システムが挙げられる。ムービーおよび科学文献は、たとえば、人気のあるテレビジョンシリーズのStar Trek(商標)のholodeckといった、仮想環境(VE)中のユーザの存在を拡張する、いくつかのVRインターフェースを示唆している。これらの没入環境のいくつかは、ユーザが仮想と現実の区別ができないディスプレイへの研究を生じさせた。
【0094】
本発明の実施形態では、視聴者が動くと、レンズシートディスプレイ上の画像またはビデオが変化するが、レンズシートディスプレイに対する視聴者の場所にだけ基づいている。
【0095】
Microsoftなどの会社は、Holodeckタイプの部屋で作動して、その環境内の視聴者の場所にとって正しい視点で投影される、壁上のビデオをもたらす部屋内のシミュレーションされた環境へと人を没入させる。典型的な手法は、単一のユーザを仮定して、その頭がカメラによって追跡され、画像またはビデオが対象の人の頭に関して動かされるまたは空間的に平行移動されて、正しい視点を保持する第1の人物を対象とする。言い換えると、ビデオカメラが第1の人物の頭を追跡し、この視聴者の正しい視点のため環境を変更する。
【0096】
これは、第1の人物が正しい視点を得ることを可能にする一方で、第1の人物の近くにいない部屋の中の任意の他の人物は、現実的でない視点を得ることになる。他の人物の視点は、他の人物が第1の人物の近くにいない場合、オフまたは正しくないことになる。
【0097】
本発明の実施形態の例は、視聴者を追跡しない。むしろ、本明細書に描かれ記載されるような様式で利用するときに、視聴者の場所に依存して異なる視点をもたらすのが、レンズシート材料の特性である。既存のVRシステムと際だって対照的に、ユーザの動きの追跡が回避される。そのようなシナリオと我々の実世界を通して動く最も直感的な方法のうちの1つは、実際の歩行を行うことである。
【0098】
これは、現実的に見える3D物体、ホログラフィック様ディスプレイ、または仮想もしくは拡張現実において重要である。
【0099】
上で記載したレンチキュラーレンズシートなどといった、本発明の実施形態の例示的な材料を使用し、仮想現実部屋の中で、特定の観察点からのみ見ることができる固有の視点をもたらす多数のプロジェクタを用いて、観察者からは壁の向こう側からブロードキャストして、1人のユーザを追跡するカメラなしに、複数のユーザが同じ仮想現実環境を経験することができる。プロジェクタは、たとえば、天井に、または人物の上に吊り下げて、または部屋内の他の区域といった、部屋の内部にあってもよい。プロジェクタは、透明、透過性、または固体の壁であってよい壁上または壁の前に置かれるレンズ材料上に画像をブロードキャストする。壁が透明である場合、プロジェクタを壁の後ろに置くことができる。
【0100】
各ユーザは、レンチキュラーレンズが3D画像を作成することを可能にするレンチキュラーレンズの性質に起因して、各ユーザが部屋を移動すると変化する視聴者の物理的な場所および方位、ならびに多くの異なるプロジェクタのシーンに依存する、視点依存視界を有することになる。
【0101】
これは図21に描かれる。図21中の仮想現実部屋には、レンチキュラーレンズシートからできている同じ壁2110を見る異なるユーザ2102、2104が描かれる。プロジェクタ2106、2106が、仮想現実部屋の壁に投影またはブロードキャストする。ユーザ2102が画像2112を見る一方、ユーザ2104は、同じ壁2110上の画像2114を見る。画像2112および画像2114は、3D画像として知覚することができる。
【0102】
図21では、示されるように、プロジェクタ2106、2108は、透明な壁2110の後にあってよく、プロジェクタの前にはレンズシート、および壁2110上には反対の極性の第2のレンズシートがある。透明な壁2110は、ガラスまたはPlexiglasから作ることができる。プロジェクタ2106、2108は、プロジェクタの前のレンズ、および透明、透過性、または固体のいずれかであってよい壁上の反対の極性の第2のレンズを有する部屋内に配置することもできる。図19および図20について以前に記載したように、鏡の反射技法を使用することもできる。
【0103】
新しいプロジェクタは、図22に示されるように、表示システムのために開発することができる。図示されるように、図22には、レンチキュラーレンズシートからできている透明または半透明の壁2210を見る異なるユーザ2202、2204が描かれる。プロジェクタ2206、2208が、仮想現実部屋の壁2210に投影またはブルーする。ユーザ2202が画像2214を見る一方、ユーザ2204は、同じ壁2210上の画像2212を見る。これらの新しいプロジェクタ2206、2208は、それぞれのプロジェクタレンズに組み込まれる有極性レンチキュラーレンズを有し、それによって、プロジェクタの前に置かれる第1のシートの必要をなくし、こうして、プロジェクタが画像またはビデオを反対の極性を有する壁2210の形で第2のシート上に直接伝えることを可能にする。改善点は、シートの両側に製造される同じ極性のレンズを有する第2のシートを有すること、または同じ極性を有する2つのシートを一緒に置くことであってよい。図19および図20について以前に記載したように、鏡の反射技法を使用することもできる。
【0104】
実験では、第1のレンズと反対の極性の第2のものとの間で異なるサイズのレンズを使用しても、依然として機能した。しかし、プロジェクタに最も近い第1のレンズ上で使用する場合にレンズの有極性がより大きいと、レンズが互いに近い場合、第2のレンズ上で知覚することができる。
【0105】
代わりの例示的な実施形態では、反対の極性の2つのレンズがすぐ近くまたは互いの上に配置されて、いずれかの側で見ることができる、前方投影または後方投影のいずれかのための透過性スクリーンを作成する。
【0106】
図23に図示される1つの例示的な実施形態では、同じレンチキュラーレンズシート2304a上の前方左側および前方右側の2つの異なる画像またはビデオストリームを表示するための円筒形構造。より小さい200ルーメンの携帯プロジェクタであってよい、プロジェクタ2302a、2302bの対が使用される。第1の視聴者2306および第2の視聴者2308は、第1のレンズシート2304aおよび第2の円筒形シート2304bを有する円筒形ディスプレイ2304に対して異なる場所にいるため、異なる画像またはビデオを見る。2つのレンズシート2304a、2304bは、反対の極性を有する。レンズシート2304bは、最初に、プロジェクタ2302a、2302bから投影された画像を受け取り、次いで画像はレンズシート2304a上でインターレースされる。視聴者2306は、プロジェクタ2302aから投影された画像またはビデオを見、視聴者2308は、プロジェクタ2302bから投影された画像またはビデオを見る。
【0107】
実施形態は、視聴者が円筒の片側から他方に動くと、2つの異なる視界を見ることを実証する。左側の人物の左側、および右側の同じ人物の右側を見ることによってシミュレーションされる3次元効果がもたらされるなどの、視聴者にとって正しい視点で、左側および右側の両方で、同じ画像またはムービーを見ることができる。視聴者の場所依存である複数の視界をもたらすために2つ以上のプロジェクタを使用するこの技法は、非曲面(平坦)レンズ上でも作動する。
【0108】
平坦な黒い背景を有する写真は、投影されると、材料またはシート2304a上には、黒い背景が現れない。この態様は、兵士など、材料上へデコイをシミュレーションするとき、それがデコイであると背景が悟らさないので重要である。
【0109】
レンズシート2304a上に投影される画像は、後の光を曲げる材料の下部(プロジェクタ2302a、2302bに最も近いシート2304b)の上方にあることに留意されたい。この特徴が一度指摘されると、視聴者が含まれる光学原理を理解するのに非常に混乱し、このことによって、人々が望んだ空想科学的ホログラフィック表示効果が増す。
【0110】
2つのプロジェクタ2302a、2302bは、両方とも同じ製造業者からのものである。プロジェクタ2302bは、プロジェクタ2302aと同じサイズの画像を実現するために、シート2304b上の材料にはるかに近くすることが可能な、短投写レンズを含む。
【0111】
図23に描かれる実施形態の低位の変形形態では、複数のプロジェクタの必要がないホログラフィック効果をシミュレーションするために、前から撮られた人物の1つの画像で、ただ1つのプロジェクタを使用することができる。見られる画像は静止している一方で、視聴者が左から右に(水平極性のレンズシート上のときにはもっと)または遠近に(垂直極性のレンズシート上のときにはもっと)動くと、視聴者の動きおよび画像が材料上で視聴者を追従する様式によって、画像は、3次元(3D)物体のように見える。
【0112】
レンズシートの複数の大きい部片を使用して、画像の等身大のレンダリングを作成することができる。たとえば、図24は、レンズシート材料の視点依存性を使用して軍服姿の兵士をシミュレーションためのシステム2400を描く。
【0113】
プロジェクタ2402は、第1のレンズシート材料2404を通してビデオまたは画像のシーケンスを投影する。描かれる実施形態では、各々がレンズシート材料2404に対して反対の極性である、2次レンズシート材料の5つの大きい部片2406、2408、2410、2412、2414を使用して、見える角度が増やされている。
【0114】
黒い背景を使用して、軍服を着ている人物を撮影する間に背景を隠すことができ、そのため、人物だけが材料上に示される。視聴者2416が異なる角度に歩き回るときにさえ、視聴者2416は、仮想デコイ兵士2418を、区域を観察する軍の衛兵と知覚することになる。
【0115】
仮想デコイ兵士2418が、場所を守って銃を撃つように見えることが意図される場合、敵が現実または実際の戦闘員の代わりに、仮想デコイ2418を標的にすることが望ましい。図示されるシステム2400に対する1つの利点は、弾丸は、レンズシート材料を真っ直ぐ通過して、材料またはビデオ投影には影響がないことである。仮想デコイ兵士は依然として守るように見え、敵は、プロジェクタが当たるまで、仮想デコイ兵士に当てるように試み続けることになる。プロジェクタを保護して、鏡の反射技法を使用して、射線外に置くことができる。
【0116】
プロジェクタ2402は、小型バッテリ電源式の携帯型200ルーメンプロジェクタを使用して実装することができる。プロジェクタ2402上の内部の5GBメモリが、投影するビデオまたは画像のシーケンスを記憶することができる。これはコンピュータなどの外部デバイスの必要をなくし、このことによって、より少ない部片のハードウェアおよび小型サイズがもたらされる。このことは、これらの仮想デコイを運搬しなければならない場合がある兵士にとって重要である。1つの特定の実施形態では、プロジェクタ2402は、定格で最大1.5時間の推定電池寿命を有し、しばしば、2時間近くを実現した。またプロジェクタは、2つの内蔵2.5ワットスピーカを含んでいた。
【0117】
これらのデモンストレーションを見るときの問題の1つは、レンズシート材料の部片2406、2408、2410、2412、2414によって引き起こされる反射である。これは、反射防止コーティングで克服することができるが、簡単な防虫スクリーンの追加でさえ、投影される画像を過剰に邪魔することなく反射の多くを緩和する。
【0118】
有利なことに、兵士は、兵士がプロジェクタと第1のレンズまたは2次レンズとの間にこない限り、隠蔽のためにレンズシートの組の後ろに隠れることと、策略のために視聴者に向けてシート上に異なる画像を投影することの両方ができる。
【0119】
図24の描かれる実施形態では、材料の5つの部片2406、2408、2410、2412、2414の各々がすべて水平極性であり、その結果、見えるものは、兵士が材料のその側に動くと、下のテーブル、後および上の壁、または下に広げた窓である。これは、その後に隠れている兵士(垂直)とともに使用するのに最適な極性への洞察をもたらし、その結果、材料上の背景が異常に見えない。
【0120】
いくつかの状況で、その後に単に隠れ、背景を見せることを可能にすることではなくむしろ防護用シールド上に仮想兵士を表示させることが望ましい場合がある。扉を開くと、他の側の人物は、扉を通して何かが来ることを知ることになる。敵の兵士が、彼らの銃を取ろうとするなどといった、攻撃的な反応を止めるため、シールド上に彼らの兵士または門番または見慣れただれかのうちの1人を投影することができる。これは、第1の人物に、極安全に余分の時間をもって部屋を観察し、友好的な人と危険な人を判別することを可能にする。これは、兵士が偶然外で物音を立てること、枝を踏むこと、および彼らの場所へ注意を引くことにも当てはまる場合がある。材料上に犬またはアライグマなどといった動物を描くことによって、脅威ではないものが音を立てたという考えへと視聴者をだまし、その背後の1人または複数の兵士を隠し続けることになる。
【0121】
他の実施形態では、見ることができるレンズシートに対して反対の極性を有する、小さい有極性レンズをプロジェクタレンズの上に直接置くことが可能である。これは、非常に細かいレンズを有するレンズシートを必要とする。
【0122】
図示され、実証された技法を使用する表示システム、ならびに防護用シールドまたは仮想軍隊デコイ上へと3Dホログラフィック型ビデオまたは画像を提供するための複数の視点投影の組合せの例示的な実施形態の多くの異なる用途は、民間および軍の用途で多くの使用法がある。本明細書に記載される本発明が、広告、娯楽、建築、通信、社会的交流、家庭用防犯、および法の執行などといった、潜在的に広範囲な商業用途を有することが容易に明らかとなる。
【0123】
予備歪を使用する歪のないデコイ
上で記載した例示的な実施形態の多くで、第2のレンズシート上の画像が目標の観察者によって見られる歪またはアーティファクトを含むことを観察することができる。これらの歪は、画像がプロジェクタによって投影される前に、画像の発生源(たとえば、コンピュータ)で好適な補償用予備歪を用いて減少させること、最小化させること、またはなくすことができる。
【0124】
歪を減らすための例示的な実施形態が図25に示される。ラップトップコンピュータの形の画像発生源2508が、プロジェクタ2502に予備歪画像2510を提供する。
【0125】
画像2510は、コンピュータ上ではるかに幅広く作られ、そのため、材料上またはレンズシート2504上に表示されて見ることができるロゴ画像2506は正しく見える。予備歪画像2510は卵形または楕円に見える一方で補正画像2506は意図されるように円形であることに留意されたい。
【0126】
これは、透明な円形画像を歪ませていた図25のシステムにおける固有の歪に起因しているが、ここでは代わりに予め歪ませた楕円画像2510を無歪化する効果を有する。この例では、鏡の反射技法が使用されて、写真画像のための小型設定がもたらされる。
【0127】
防護用シールド
本発明の他の例示的な実施形態としては、防護用シールドが挙げられる。図26は、透明なシールド本体2602aを有する防護用シールド2600aを描く。ハンドル2608a、2610aを使用してシールドを保持する人物と、透明なシールド本体2602aとの間に処理するための距離がほとんどないような実施形態では、透明な防護用シールド本体上のレンズシート材料2604aの第1の部片は、シールド本体2602aの垂直方向の中心に反対の極性の第2のレンズシート2612aに接触する、または第2のレンズシート2612aに極近傍であり、アスペクト比については補正が必要でなく、プロジェクタ2606aが材料にはるかに近くてよい。しかし、このことによって、撮影する期間に背景を取り除くために黒い背景が使用される場合に、デコイまたは投影される画像の後に現れ前から見ることができる灰色の背景ゾーンが生み出される場合がある。この灰色の背景は、レンズシート材料2604a、2612aの2つの部片が互いに最も近い、2つのハンドル2608aと2610aの間のシールドの中心にだけ現れる。より短い投写距離を有するプロジェクタは、同じ効果を達成するために、たとえば、より長いハンドルを取り付けるなど、はるかに近くてよい。
【0128】
防護用シールド上の材料が背景をそのように良好に示す理由は、レンズ極性が垂直であることであり、この上下の極性によって、人物(垂直の人間)を後に隠す一方、テーブルの縁部、壁の縁部、および窓枠などの水平の要素を保持する。レンズシートは、水平のものを屈折し、垂直のものを隠す。
【0129】
ハンドル2608b、2010bおよび透明なシールド本体2602bを有する図27に示される防護用シールド2600bでは、レンズシート材料2604bの第1の部片が透明なシールド本体2602b自体上に形成される一方、反対の極性の第2のレンズシート2612bは、プロジェクタ2606bのプロジェクタレンチキュラーレンズ上に形成される。プロジェクタ2606bは、レンズシート材料2604bにはるかに近くてよい。プロジェクタ2606bは、短投写プロジェクタであり、距離ははるかに近くてよい。この構成は、レンズ間に十分な距離があるために、図26で存在する可能性がある灰色の背景を取り除き、表示するシールドを保持する人物の後の実際の背景色を可能にする。
【0130】
ハンドル2608c、2010cおよび透明なシールド本体2602cを有する図28に示される防護用シールド2600cでは、レンズシート材料2604cの第1の部片が透明なシールド本体2602c自体上に形成される一方、(材料2604cの)反対の極性の第2のレンズシート2612c、2616cは、それぞれプロジェクタ2606c、2614cのプロジェクタレンチキュラーレンズ上に形成される。プロジェクタ2606c、2614cは、レンズシート材料2604cにはるかに近くてよい。プロジェクタ2606c、2614cは、短投写距離プロジェクタであり、また距離は、同じ効果を達成するために、たとえば、より長いハンドル2608c、2610cを取り付けるなど、はるかに近くてよい。この構成は、レンズ間に十分な距離があるために、図26で存在する可能性がある灰色の背景を取り除き、表示するシールドを保持する人物の後の実際の背景色を可能にする。
【0131】
この垂直極性上により大きい画像を投影するために、ビデオは、コンピュータで90度回転され、次いで、このプロジェクタ上のアスペクト比のように投影するための補正をするためにプロジェクタが90度回された。ほとんどの他のプロジェクタは16:9(幅16x高さ9)である。プロジェクタを90度回すことによって、高さとしてより長い側(16単位の長さ)、幅としてより短い側(9単位の長さ)を利用することが可能である。
【0132】
3D画像をシミュレーションした他の用途
レンチキュラーレンズを使用して、シートの背面の後に背面に向けて置かれて見える特殊な画像のシミュレーションした3次元画像を作成することができる。画像は、シートの直接後に物理的に表示されるわけではなく、むしろ、観察者に対してレンズまたはシートの背面を超えて画像が現れる、光学的効果または光学的錯覚をレンズが作成する。
【0133】
図29は、シミュレーションした3次元効果を有するディスプレイを作成するために使用される配置構成を描く。いくつかのレンチキュラーレンズ2634からなるレンズシート2630が使用されて、シミュレーションした3D効果を有するディスプレイを作成する。レンチキュラーレンズ2634は、特別に作られた画像2632の、プロジェクタから来て、先に反対の極性のレンチキュラーレンズを通過して、図25に示されるような予備歪で補正される光を受け取る。図29に描かれる例示的な実施形態で示されるように、投影される特別に作られた画像は、動きをシミュレーションするために、結局、シート2630の滑らかな後側2636の背後で後側2636に対して、印刷したレンチキュラー画像またはビデオを有する印刷したレンチキュラーシートで行われるレンチキュラー印刷効果を利用することになる。
【0134】
本発明の例示的な実施形態では、投影デバイスまたはプロジェクタを使用して、第1のレンチキュラーレンズシートおよび第2のレンチキュラーレンズシートを通して画像またはビデオシーケンスを投影することができる。第1のレンチキュラーレンズシートは、たとえば左右といった同じ平行方向に延びる複数のレンチキュラーレンズまたは凸レンズを含み、シートに第1の極性を与えることができる。
【0135】
第1のシートからより遠い距離に、別の複数のレンチキュラーレンズまたは凸レンズを含む第2のレンチキュラーシートを置くことまたは配設することができる。第2のシートのレンズは、上下である、第1のものに対して反対の極性で延び、第2のシートに第1のシートの極性に対して反対の第2の極性を与える。
【0136】
投影の発生源に第1のシートが近いことに起因して、第1のシートを通して投影される画像が延ばされる場合がある。第1のシートと第2のシートの間の距離は、第2のシート上の画像が正常なアスペクト比で現れるよう延びを補正するために、投影内の画像またはビデオを調整することによって相殺することができる。
【0137】
他の用途-シースルー効果
1つの特定の実施形態では、プロジェクタは、投影される画像が任意の色の背景上で見られることを可能にすることができる。車両において、フロントガラスのピラーは、衝突試験の要件を満たすため、ならびにエアーバッグを収容するために広げられている。これらの幅広いピラーが、今度は、車両の中に大きい盲点を作り出した。
【0138】
図30は、フロントガラス2710およびピラー2702を有する車両2700の内装の簡略化した図を描く。車両の室内天井上の短投写プロジェクタ2704は、プロジェクタ2704のレンズに近く、運転手の視野の途中にないことができる第1のシート2706上に画像およびビデオをブロードキャストし、これが、次いで、ピラー2702を覆う第2のシート2708上に投影される。
【0139】
わかるように、描かれたのと同様の様式で、別の短投写プロジェクタ2716を第1の短投写プロジェクタ2704の近くに配設し、最初にシート2718に、次いで車両2700の内装の反対側の別のシート2720に投影することができる。
【0140】
シート2708上のブロードキャストされる画像およびビデオは、外部環境を記録する、車両2700上に搭載される1つまたは複数のカメラ(図示せず)によって捕捉される。これは、車両2700の運転手に、固体のピラー2702を通したようにビデオの視界をもたらす。
【0141】
図30に見ることができるように、フロントガラス2700を通して見る三角形の物体2712の見ることができる部分、ならびに運転手の視界からピラー2702によって妨げられたが、カメラによって捕捉されてシート2708上に表示される物体2702のさもなくば見ることができない部分の画像2714の一体化した視界が、固体のピラー2702を通して見ている運転手の錯覚を作り出す。
【0142】
現在では、消してしまうのではなくむしろ見せるために、画像またはビデオが画像を反射することを可能にするための特殊な反射性材料が必要である。白は最も典型的に使用される色である。しかし、これは、車両の内装の見え方を制限するという欠点を有する。図30に記載される技術を使用して、第2のシート2708の背後のピラー2702上で任意の色を使用することができる。
【0143】
Jaguar Land Rover Limited companyは、安全性を高めるためにより妨げられない視界をもたらすため、運転手が車両のフードを通して見ることができるかのように、車両の直接前方のものについてのビデオを、そのオフロード車のうちの1つのフードにブロードキャストすることを実証していた。会社がDiscovery Vision Conceptと呼んだデモンストレーションでは、前方を向くカメラが使用されて画像を捕捉し、次いで画像がフロントガラスの下部上に投影され、そのため、運転手は、フードを通して見ることをシミュレーションすることができる。この手法の欠点は、昼光におけるプロジェクタからの最適な画像/ビデオの反射のために、フードの色が狭い範囲内になければならないことである。
【0144】
図30に描かれるものなどといった、本発明の例示的な技法を使用することによって、フードの色は、任意の色とし、依然として運転手が昼光において画像またはビデオを見るのに良好な反射を保持することができる。この技法の同様の応用を、航空機のコクピット、船のブリッジ、および空港の管制塔で採用することができる。
【0145】
壁の上に画像またはビデオをブロードキャストするのは、通常では白い、白または逆反射性表面を通常では必要とする。図30に示されるような本発明の例示的な実施形態の変形形態は、大きい画像またはビデオが、任意の色の内装壁もしくは外装壁、屋根、床、または他の背景上に表示できるように、1つまたは一連のプロジェクタを介して利用することができる。
【0146】
透明な表面上にプロジェクタから画像をブロードキャストするのは、好適な結果をもたらさないことが多い。典型的には、透明な表面上に表示されるゴースト状の画像がある。ちょうど上で記載したような本発明の実施形態の例である技法を利用することによって、改善された画像をガラス上に表示することができる。最小のゴーストを有するはるかに良好な画像またはビデオシーケンスをもたらすために、第2のレンズシートをガラス上に配設することができる。
【0147】
上の変形形態では、提示するための専用スクリーンまたはテレビジョン受像機またはモニタを必要とする代わりに、必要に応じて表示スクリーンとして窓を使用して役員室を設計することができる。
【0148】
関係する用途では、非常に大規模のビデオ画像を、多くの窓を有するホテルにわたって表示することができ、これは、ホテルの外側または内側に多くの小さいプロジェクタを配置することによる費用がかからないメガスクリーン広告を可能にすることができる。
【0149】
受動的表示システム
上で記載した例示的な実施形態の多くでは、レンチキュラーレンズシート上に表示される画像またはビデオを生成するために1つまたは複数のプロジェクタが使用された。しかし、静止画または受動型画像を使用して、運動視差効果、すなわち、観察者の運動で変化する経時的な物体の知覚画像における変化をシミュレーションする他の実施形態を本発明者は発見した。この例示的な実施形態では、静止写真、芸術作品、ロゴ、画像、絵画ならびにビデオ表示スクリーンを使用することができる。
【0150】
図31は、レンズシートの視点に依存する性質を使用する運動視差をシミュレーションするための、本発明の実施形態の例示的な受動的表示システムの構成要素の簡略化した図を描く。絵画用額縁3102は、画像マット3108の上の1cm付近のところにある縁部3104を有する。両面レンチキュラーレンズシート3106は、必ずしも原寸に比例して描かれていないが、垂直極性のレンチキュラーレンズを描く。図2に描かれるような、片面レンズシートが典型的なレンチキュラーレンズシートであり、ここでは、一方の側が滑らかで平坦な表面を有する一方で、他方の側が凸レンズを含む。両面レンチキュラーレンズシートは、両側にレンチキュラーまたは凸レンズを含む。
【0151】
理想的には、レンチキュラーレンズシート3106は、1つの一体化した部片として製造されることになる。しかし、レンチキュラーレンズシート3106を形成するために、2つのレンチキュラーレンズシートを図31に示した点線に沿って、背中合わせに配設または配置することができる。2つのレンズシートの背面を一緒に接着するために接着剤を使用することができる。接着剤は、好ましくは、透明で永続的な接着剤である。しかし、いくつかの特定の実施形態では、接着剤が水であってよい。2つの片面レンチキュラーレンズシートが使用されるとき、各シートのレンズ3110a、3110bなどといったレンズのうちの対応する1つが、同じ極性、すなわち、側面から側面の動きをシミュレーションするため垂直に、または上下の動きをシミュレーションするため水平に位置合わせされる。
【0152】
図32は、額縁3102の頂部に配置されるレンチキュラーレンズシート3106を描く。レンズシート3106は、取付け板または画像マット3108の上の1cm付近のところに位置する。この距離は、所望に応じたより大きいまたはより小さい効果のために変えることができる。異なる視点3206、3208、3210からの視聴者3204は、彼らの横方向の視点に依存してレンズシート3106を通してマット3108上に交互に現れる動物の画像の、3つの場所のうちの1つを知覚する。レンズシートが水平極性に構成される場合、画像は、視聴者3204の距離または高さを変えることに依存して、上下に動くことになる。
【0153】
効果は、スマートフォン、タブレット、コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーンなどといった、ビデオ表示スクリーン上で同様であり、レンズシートは、図32中の描写と同様のスクリーンから離れて持ち上げられるべきである。
【0154】
2つのレンチキュラーレンズ3110a、3110b(または1つの両面レンズ)は、中間で視聴者に向かって曲げることができ、そのため、中間では画像からより大きい距離があり、したがって、画像の側部に対して中間では知覚される動きがより大きくなる。中間に向かって内側に曲がることもでき、そのため、中間に対して側部の知覚される動きがより大きくなる。
【0155】
異なるLPI(「インチ毎レンズ」または「インチ毎ライン」)を有するレンズは、異なる動きの周波数を生成する。図31および図32に描かれる2つのレンズシートは同じLPIのものであるが、他の実施形態では、視覚効果を変えるために互いにLPIが異なってよい。
【0156】
図33は、2つの直線状レンズシートを背中合わせに置くことによって作った、レンズシート3106と同様だが、水平極性を有する、別の両面直線状レンズシート3300を描く。この配置構成では、物体のクローズアップが正しい場所に現れるが、特定の距離dで、場所3310で見られる物体は、鏡像で現れることになる。
【0157】
極性に起因して、効果は、背中合わせの複数のレンズ3306によって光線3304を反射した光線3308へと反射することとなり、その結果、光線3304は場所3310で収束する。こうして、同じ極性で延びる物体、特に、見られる物体が鏡像で現れ始めるゾーンの中のものは、視界から除去または減少させることができる。図33は、水平に延びる背中合わせの複数のレンズ3306を示すが、複数のレンズ3306は、(レンズシート3106に示されるように)垂直に、さらには、ある角度をなして延びることもできるが、以前と開いて同様の効果を達成することができる。他の実施形態では、複数のレンズ3306を含むレンズシート3300と同様のレンズシートが曲がっていてよい。
【0158】
例示に過ぎないが本発明の実施形態をこうして記載してきたが、添付した請求項によって規定されるような本発明は、請求項の範囲から逸脱することなく多くの変形および置換が可能であるために、例示的な実施形態の上の記載において述べた特定の詳細によって限定されるべきではない。
【0159】
(付記1)
第1のプロジェクタから画像を受け取るための第1の極性を有する第1のレンズシートと、
前記第1のレンズシートに近接する第2の極性を有する第2のレンズシートと、
を備え、
前記第1の極性が前記第2の極性と反対であり、前記第1のプロジェクタが第1の画像を前記第1のレンズシートを介して前記第2のレンズシートに投影すると、前記第1の画像が前記第2のレンズシート上では見ることができるが前記第1のレンズシート上では見ることができないことを特徴とする、表示システム。
(付記2)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも小さいことを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記3)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも前記第1のプロジェクタに近いことを特徴とする、付記2に記載の表示システム。
(付記4)
前記第1のプロジェクタがプロジェクタレンズを備え、前記第1のレンズシートが前記プロジェクタレンズを覆って形成されていることを特徴とする、付記3に記載の表示システム。
(付記5)
第2の画像発生源に接続される第2のプロジェクタをさらに備え、前記第2のプロジェクタが前記第2のレンズシートに近接し、前記第2のプロジェクタが、前記第2のレンズシートを通して前記第1のレンズシート上に反対の方向に第2の画像を投影し、
前記第2の画像が前記第1のレンズシート上では見ることができるが前記第2のレンズシート上では見ることができないことを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記6)
前記第1のレンズシートおよび前記第2のレンズシートに近接して配設される鏡をさらに備え、前記第1のプロジェクタによって投影される前記第1の画像が前記第1のレンズシートを通過して、前記鏡で反射し、前記第2のレンズシート上に表示されることを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記7)
前記第1のレンズシートおよび前記第2のレンズシートに近接して配設される鏡をさらに備え、
前記第1のプロジェクタによって投影される前記第1の画像が前記第1のレンズシートを通過して、前記鏡で反射し、前記第2のレンズシート上に表示され、
前記第2のプロジェクタによって投影される前記第2の画像が前記第2のレンズシートを通過して、前記鏡で反射し、前記第1のレンズシート上に表示されることを特徴とする、付記5に記載の表示システム。
(付記8)
前記第1のレンズシートおよび前記第2のレンズシートのうちの少なくとも1つが曲がっていることを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記9)
前記第1の極性が水平であり、前記第2の極性が垂直であることを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記10)
前記第1の極性が垂直であり、前記第2の極性が水平であることを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記11)
前記第1の極性を有する前記第1のレンズシートが、第1の方向に位置合わせされた平行に配設されたレンチキュラーレンズを備え、前記第2の極性を有する前記第2のレンズシートが、第2の方向に位置合わせされた平行に配設されたレンチキュラーレンズを備え、前記第1の方向と第2の方向とが互いに90度または270度で配向されることを特徴とする、付記1に記載の表示システム。
(付記12)
前記第1のレンズシートおよび前記第2のレンズシートのうちの前記少なくとも1つが、円筒形の形状であることを特徴とする、付記8に記載のシステム。
(付記13)
前記第1のレンズシートおよび前記第2のレンズシートのうちの前記少なくとも1つが、球形の形状であることを特徴とする、付記8に記載のシステム。
(付記14)
前記第1のレンズシートおよび前記第2のレンズシートのうちの前記少なくとも1つが、多面体の形状であることを特徴とする、付記1に記載のシステム。
(付記15)
第1の極性を有する第1のレンズシートと、
前記第1のレンズシートに近接する第2の極性を有する第2のレンズシートと、
を備え、
前記第1の極性が前記第2の極性と反対であり、第1のプロジェクタおよび第2のプロジェクタが第1の画像および第2の画像をそれぞれ前記第1のレンズシートを介して前記第2のレンズシートに投影すると、前記第1の画像および前記第2の画像が前記第2のレンズシート上では見ることができるが前記第1のレンズシート上では見ることができず、
前記第2のレンズシートに対する第1の場所で前記第1の画像が観察者には見えるが前記第2の画像が見えず、前記第2のレンズシートに対する第2の場所で、前記第2の画像が前記観察者には見えるが前記第1の画像が見えず、前記第2の場所が前記第1の場所と異なることを特徴とする、表示システム。
(付記16)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも小さいことを特徴とする、付記15に記載の表示システム。
(付記17)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも前記第1のプロジェクタに近いことを特徴とする、付記16に記載の表示システム。
(付記18)
前記第1のプロジェクタがプロジェクタレンズを備え、前記第1のレンズシートが前記プロジェクタレンズを覆って形成されていることを特徴とする、付記17に記載の表示システム。
(付記19)
前記第1のプロジェクタおよび前記第2のプロジェクタのうちの少なくとも1つをさらに備えることを特徴とする、付記15に記載の表示システム。
(付記20)
前記第1のプロジェクタおよび前記第2のプロジェクタの両方を備えていることを特徴とする、付記19に記載の表示システム。
(付記21)
外面および内面を有する透明な本体と、
前記外面を覆って配設される第1の極性を有する第1のレンズシートと、
第2の極性を有し前記内面および前記第1のレンズシートに近接して配設される第2のレンズシートと、を備え、前記第1の極性が前記第2の極性と反対であり、
第1の画像発生源と通信している第1のプロジェクタが前記第1のレンズシート上に前記第2のレンズシートを通して画像を投影すると、前記画像が前記第1のレンズシート上では見ることができるが前記第2のレンズシート上では見ることができないことを特徴とする、防護用シールド。
(付記22)
前記画像が前記外面上で見ることができるが前記内面上で見ることができないことを特徴とする、付記21に記載の防護用シールド。
(付記23)
前記内面に取り付けられる少なくとも第1のハンドルをさらに備え、前記第2のレンズシートが前記内面の一部と物理的に接触していることを特徴とする、付記21に記載の防護用シールド。
(付記24)
前記第1のプロジェクタが前記第1のハンドルに取り付けられ、プロジェクタがプロジェクタレンチキュラーレンズを備え、前記第2のレンズシートが前記第1のプロジェクタの前記プロジェクタレンチキュラーレンズを覆って形成されていることを特徴とする、付記23に記載の防護用シールド。
(付記25)
第2のハンドルをさらに備え、第2のプロジェクタが前記第2のハンドルに取り付けられ、前記第2のプロジェクタもプロジェクタレンチキュラーレンズを備え、第3のレンズシートが前記第2のプロジェクタの前記プロジェクタレンチキュラーレンズを覆って形成され、前記第3のレンズシートも前記第1のレンズシートの反対の極性を有することを特徴とする、付記24に記載の防護用シールド。
(付記26)
第1のプロジェクタから画像を受け取るための第1の極性を有する第1のレンズシートと、
前記第1のレンズシートに近接する少なくとも部分的に囲まれた空間を形成するために各々が互いに隣接して配置される第2の極性を有する複数の第2のレンズシートと、
を備え、
前記第1の極性が前記第2の極性と反対であり、前記第1のプロジェクタが前記第1のレンズシートを通して前記第2のレンズシートのうちの少なくとも1つの内面上に画像を投影し、前記囲まれた空間の外側から前記第2のレンズシートのうちの任意の2つの異なるレンズシートの外面を見ている観察者が、前記囲まれた空間内で形成されているように見える仮想デコイ画像の異なる視界を観察することを特徴とする、表示システム。
(付記27)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも小さいことを特徴とする、付記26に記載の表示システム。
(付記28)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも前記第1のプロジェクタに近いことを特徴とする、付記27に記載の表示システム。
(付記29)
前記第1のプロジェクタがプロジェクタレンズを備え、前記第1のレンズシートが前記プロジェクタレンズを覆って形成されていることを特徴とする、付記28に記載の表示システム。
(付記30)
前記複数の2次レンズシートのうちの前記レンズシートが各々、矩形の形状であることを特徴とする、付記26に記載の表示システム。
(付記31)
前記第2の極性が水平であることを特徴とする、付記26に記載の表示システム。
(付記32)
前記複数の2次レンズシートが5個からなることを特徴とする、付記26に記載の表示システム。
(付記33)
前記囲まれた空間に配置される物体が、前記観察者の視界から隠されていることを特徴とする、付記26に記載の表示システム。
(付記34)
第2の極性を有する第2のレンズシートに近接して第1の極性を有する第1のレンズシートを配置するステップであって、前記第1の極性が前記第2の極性のものと反対である、ステップと、
物体を表す画像データを前記第1のレンズシートを通して前記第2のレンズシート上に投影するステップと、
を含み、
第1のプロジェクタが第1の画像を前記第1のレンズシートを通して前記第2のレンズシートに投影すると、前記第1の画像が視聴者にとって前記第2のレンズシート上では見ることができるが前記第1のレンズシート上では見ることができないことを特徴とする、レンズシートを使用する方法。
(付記35)
前記第1のレンズシートが前記第2のレンズシートよりも小さく、配置する前記ステップが、前記第1のレンズシートを前記第2のレンズシートよりも前記第1のプロジェクタの近くに配設するステップを含むことを特徴とする、付記34に記載の方法。
(付記36)
前記第1のプロジェクタがプロジェクタレンズを備え、配設する前記ステップが、前記プロジェクタレンズを覆って前記第1のレンズシートを形成するステップを含むことを特徴とする、付記35に記載の方法。
(付記37)
前記第2のレンズシート上に表示される画像が歪んで見え、当該方法が、前記第2のレンズシート上に投影される画像が歪んで見えないように、前記物体を表す前記画像データを予め歪ませるステップをさらに含むことを特徴とする、付記34に記載の方法。
(付記38)
前記物体を表す前記画像データを提供するステップが、黒い背景に対しての前記物体のデジタル写真画像を捕捉するステップを含むことを特徴とする、付記34に記載の方法。
(付記39)
前記第2のレンズシートが、前記物体の一部を前記視聴者に対してブロックする構造物上に配設され、前記視聴者が見ることができる前記第1の画像は、前記構造物によってブロックされない前記第1の画像および見ることができる部分が前記視聴者に対して前記物体の一体化した視界を形成するように、前記視聴者からブロックされる前記物体の前記部分に対応していることを特徴とする、付記34に記載の方法。
(付記40)
その上に画像を有するマットと、
前記マットに近接した、第1の極性を有する両面レンズシートと
を備え、
前記両面レンズシートに対して第1の場所で、観察者が前記画像の第1の視界を見ることができ、前記両面レンズシートに対して第2の場所で、前記観察者が第2の観察される視界を見ることができるが、前記第1の視界は見ることができず、前記第2の場所が前記第1の場所と異なり、前記第1の視界が第2の視界と異なっていることを特徴とする、受動的表示システム。
(付記41)
前記両面レンズシートが第1の片面レンチキュラーレンズシートおよび第2の片面レンチキュラーレンズシートを備え、各レンズシートが滑らかな背面を有し、前記第1の片面レンチキュラーレンズシートと第2の片面レンチキュラーレンズシートとが背中合わせに配設されていることを特徴とする、付記40に記載の受動的表示システム。
(付記42)
額縁をさらに備え、前記マットと前記両面レンズシートとの間の距離が約1cmであることを特徴とする、付記41に記載の受動的表示システム。
(付記43)
前記距離が可変であり、前記距離を変えることが前記第1の視界および前記第2の視界のうちの少なくとも1つに変化を生じさせることを特徴とする、付記42に記載の受動的表示システム。
(付記44)
前記距離が前記レンズシートのLPIに依存して変わることを特徴とする、付記43に記載の受動的表示システム。
(付記45)
第1の片面レンズシートのLPIが、第2の片面レンズシートのLPIと異なっていることを特徴とする、付記43に記載の受動的表示システム。
(付記46)
前記距離がレンズ角度に依存して変わることを特徴とする、付記43に記載の受動的表示システム。
【符号の説明】
【0160】
102 第1の媒体
104 第2の媒体
106 入射光線
108 屈折光線
110 境界面
200 レンチキュラーシート
202 レンチキュラー
204 視野角
301 プロジェクタ
303 ストライプ
305 垂直極性シート、第1のシート
307 第2の水平極性シート
309 ビデオ画像
402 第1の視聴者
404 第2のレンズシート
406 第1のレンズシート
408 プロジェクタ
410 第2の視聴者
502 第1の視聴者
504 第2のシート
506 第1のシート
508 プロジェクタ
510 第2の視聴者
602 第1の視聴者
604 ディスプレイシート
606 プロジェクタ
608 プロジェクタレンチキュラーレンズ
610 第2の視聴者
702 第1の視聴者
704 ディスプレイシート
706 プロジェクタ
708 プロジェクタレンズ
710 第2の視聴者
802 デコイシート
804 デコイシート
806 プロジェクタ
808 デコイ画像
810 視聴者
902 視聴者
904 円筒形ディスプレイシート
906 プロジェクタ
1002 第1の視聴者
1004 半円筒形ディスプレイシート
1005 第2のシート
1006 プロジェクタ
1008 第2の視聴者
1102 第1の視聴者
1104 半円筒形ディスプレイシート
1106 プロジェクタ
1108 第2の視聴者
1202 第1の視聴者
1204 円筒形ディスプレイシート
1206 プロジェクタ
1207 有極性プロジェクタレンチキュラーレンズ
1208 第2の視聴者
1302 視聴者
1304 球形ディスプレイ
1306 プロジェクタ
1402 第1の視聴者
1404 第2のプロジェクタ
1406 ディスプレイ表面
1408 ディスプレイ表面
1410 第1のプロジェクタ
1412 第2の視聴者
1502 視聴者
1504 側面
1506 ディスプレイ
1508 側面
1510 視聴者
1512 視聴者
1514 プロジェクタ
1516 ディスプレイ
1518 視聴者
1520 プロジェクタ
1602 視聴者
1604 プロジェクタ
1606 プロジェクタ
1608 複合ディスプレイ
1610 プロジェクタ
1612 視聴者
1614 プロジェクタ
1616 プロジェクタ
1618 表面
1700 表示システム
1702 ユーザ
1704 第1のレンズシート
1706 画像
1707 画像
1708 第2のレンズシート
1710 プロジェクタ
1712 プロジェクタ
1714 画像
1718 コンピュータ
1720 コンピュータ
1722 画像
1724 ユーザ
1902 第1のレンズシート
1904 鏡
1906 第2のレンズシート
1908 視聴者
1910 プロジェクタ
2012 視聴者
2014 レンズシート
2016 鏡
2018 レンズシート
2020 視聴者
2022 プロジェクタ
2024 画像発生源
2026 プロジェクタ
2028 画像発生源
2102 ユーザ
2104 ユーザ
2106 プロジェクタ
2108 プロジェクタ
2110 壁
2112 画像
2114 画像
2202 ユーザ
2204 ユーザ
2206 ユーザ
2208 ユーザ
2210 壁
2212 画像
2214 画像
2220 ユーザ
2302a プロジェクタ
2302b プロジェクタ
2304 円筒形ディスプレイ
2304a 第1のレンズシート、レンチキュラーレンズシート
2304b 第2の円筒形シート
2306 第1の視聴者
2308 第2の視聴者
2400 システム
2402 プロジェクタ
2404 第1のレンズシート材料
2406 部片
2408 部片
2410 部片
2412 部片
2414 部片
2416 視聴者
2418 仮想デコイ兵士
2502 プロジェクタ
2504 レンズシート
2506 補正画像、ロゴ画像
2508 画像発生源
2510 予備歪画像
2600a 防護用シールド
2600b 防護用シールド
2600c 防護用シールド
2602a シールド本体
2602b シールド本体
2602c シールド本体
2604a レンズシート材料
2604b レンズシート材料
2604c レンズシート材料
2606a プロジェクタ
2606b プロジェクタ
2606c プロジェクタ
2608a ハンドル
2608b ハンドル
2608c ハンドル
2610a ハンドル
2610c ハンドル
2612a 第2のレンズシート
2612b 第2のレンズシート
2612c 第2のレンズシート
2614c プロジェクタ
2616c 第2のレンズシート
2630 レンズシート
2632 画像
2634 レンチキュラーレンズ
2636 後側
2700 車両
2702 ピラー
2704 プロジェクタ
2704 第1の短投写プロジェクタ
2706 第1のシート
2708 第2のシート
2710 フロントガラス
2712 物体
2714 画像
2716 短投写プロジェクタ
2718 シート
2720 シート
3102 絵画用額縁
3104 縁部
3106 両面レンチキュラーレンズシート
3108 画像マット
3110a レンチキュラーレンズ
3110b レンチキュラーレンズ
3204 視聴者
3206 視点
3208 視点
3210 視点
3300 両面直線状レンズシート
3304 光線
3306 レンズ
3308 光線
3310 場所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
【外国語明細書】