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特開2023-720213D X線獲得の動作パラメータを入手する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072021
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】3D X線獲得の動作パラメータを入手する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/14 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
A61B6/14 311
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038361
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2020518430の分割
【原出願日】2018-09-26
(31)【優先権主張番号】17306306.6
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】508143775
【氏名又は名称】トロフィー エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーレット,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ネスメ,オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】ボウテ,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】アルリック,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ラガルデール,オード
(57)【要約】      (修正有)
【課題】患者の顎顔面領域のデータのセットの獲得を考慮してx線CBCTイメージング装置の動作パラメータを入手する方法を提供する。
【解決手段】方法は、患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を識別すること、患者が咬合位置にあるか、患者位置決めアセンブリを咬む時に、ROI1の水平面の高さを判定すること、x線CBCTイメージングを使用して、ROI1に対する相対的なデータの第1のセットを獲得すること、第1のセットに基づいて軸方向CBCTスライスを再構成すること、データの獲得された第1のセットからROI1の再構成された軸方向CBCTスライスを表示すること、ROI1の表示された再構成された軸方向CBCTスライスおよびROI1との交差に基づいて、第2関心領域(ROI2)を定義すること、ROI2を含むデータの第2のセットの獲得を考慮して、ROI2に基づいて、動作パラメータを入手することを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書および/または図面に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的には歯科x線イメージングの分野に関し、具体的にはx線CBCT(Cone Beam Computed Tomography)イメージングの分野に関する。より具体的には、本開示は、x線CBCTイメージング装置の動作パラメータを入手する方法と、患者の顎顔面領域のx線CBCTイメージングの動作パラメータを入手するシステムとに関する。
【背景技術】
【0002】
x線CBCTイメージングを介して患者の顎顔面領域のX線画像を入手する従来の方法およびシステムは、非常にしばしば、開業医にとって重要な歯、特定のエリアなどに関する詳細を入手するために、ある露出時間の間にx線線量を用いて患者の顎顔面領域全体のサイズに対して相対的に減らされたサイズの局所エリアを照射することを必要とする。
【0003】
平均的な患者に対応する事前定義の装置セッティングは、所望の局所エリアに達することを可能にする。
【0004】
しかし、平均的な事前定義のセッティングに関する患者の間の変動に起因して、画像再撮影が発生し、これによって、患者が受けるx線線量の増加につながる場合がある。
【0005】
そのようなシステムは、その特定の応用分野である程度の成功を達成した場合があるが、それでも、これらの方法およびシステムを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、x線CBCT検査を受ける時に患者の不必要なx線線量を回避することである。
【0007】
本開示の別の目的は、患者線量露出を制限しながら、x線CBCTデータ獲得を介して獲得される患者のデータ体積の位置決め正確さを改善することである。
【0008】
本開示のさらに別の目的は、患者をx線CBCT検査にかける前に、x線CBCTイメージング装置の動作パラメータまたは獲得パラメータの調整を最適化することである。
【0009】
これらの目的は、例示的な例としてのみ与えられ、そのような目的は、本発明の1つまたは複数の実施形態の例示とすることができる。本発明によって固有に達成可能な他の望ましい目的および利点は、当業者の心に浮かび、または当業者に明白になる可能性がある。本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0010】
本開示の一態様によれば、患者の顎顔面領域のデータのセットの獲得を考慮してx線CBCTイメージング装置の動作パラメータを入手する方法であって、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1を識別することと、
-患者が咬合位置にあるか、患者位置決めアセンブリを咬む時に、前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1の水平面の高さを判定することと、
-x線CBCTイメージングを使用して、スリット形状のコリメータ・ウィンドウを介して、水平面を含む前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する相対的なデータの第1のセットを獲得することと、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する相対的なデータの第1のセットに基づいて水平面を含む軸方向CBCTスライスを再構成することと、
-データの獲得された第1のセットから患者の顎顔面第1関心領域ROI1の再構成された軸方向CBCTスライスを表示することと、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1の表示された再構成された軸方向CBCTスライスおよびROI1との交差に基づいて、第2関心領域ROI2を少なくとも部分的に定義することと、
-定義された第2関心領域ROI2を含むデータの第2のセットの獲得を考慮して、少なくとも定義された第2関心領域ROI2に基づいて、x線CBCTイメージング装置の動作パラメータを入手することと
を含む方法が提供される。
【0011】
本発明の実施形態による方法は、x線への患者露出を低減することを可能にする新規の方法である。
【0012】
本発明の一実施形態による方法は、患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含むCBCTスライスを入手し、再構成するためにx線線量を有する第1のx線「事前発射」を使用し、開業医によるより特定のエリアまたは関心領域の選択または定義を可能にする、新規の方法である。より特定のエリアまたは関心領域のこの定義または選択は、別の「発射」または第2のx線CBCTデータ獲得に使用される適合された動作パラメータまたは獲得パラメータの入手を可能にする。
【0013】
通常、低線量が、「事前発射」に使用される。低は、既知のx線検査(3D、パノラマなど)に使用されるデフォルト線量または標準線量(デフォルト・パラメータまたは標準パラメータを用いて入手される)の20%を超えず、好ましくは10%未満であり、より好ましくは5%未満である線量である。低線量を使用できるのは、CBCTスライスが、デフォルト獲得または従来の獲得ほどに多数の詳細を必要としないからであり、患者は、x線に露出されすぎてはならない。しかし、CBCTスライス情報は、開業医によるより特定のエリアまたは関心領域の選択を可能にする形態情報(たとえば、歯の位置、歯の幾何形状など)を提供するのに十分でなければならない。CBCTスライスに含まれる情報は、患者に特有である。したがって、そのような情報の使用は、より特定のエリアまたは関心領域のより適合され、かつ/またはより正確な定義を可能にする。処理のこの形は、明らかに、過去のように平均をとられた患者のデータに基づくものではない。したがって、患者のそのようなより特定のエリアまたは関心領域に基づいて入手される動作パラメータまたは獲得パラメータは、それらが患者を表すので、より信頼でき正確である。CBCTスライスは、ROI1を含む薄いスライスとすることができる。スライスは、100μm未満の厚さまたは高さとするか、通常は2~3mm程度のある厚さまたは高さにわたって統合されたスライスとすることができる。
【0014】
患者は、「事前発射」中に繰返し可能な位置にあり、これによって、入手されたパラメータを用いる後続の「発射」または獲得に関して、患者が同一の位置または非常に近い位置になることを意味することが好ましい。これに関して、患者を位置決めするx線装置のセッティング・パラメータが、メモリに保持される。
【0015】
可能な特徴または態様によれば、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1の表示された再構成された軸方向CBCTスライスに基づいて第2関心領域ROI2を少なくとも部分的に定義することは、軸方向スライスのxy平面内での第2関心領域ROI2の位置を定義することを含み、
-第2関心領域ROI2を定義することは、軸方向スライスのxy平面に垂直なz軸に沿った第2関心領域ROI2の位置(高さ)を定義することをさらに含み、
-第2関心領域ROI2のz軸位置を定義することは、事前に、
患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含む横x線スカウト・ビューを獲得することであって、スカウト・ビューは、ROI1の水平面の高さとROI2の高さおよびyz平面内のサイズとの両方を位置決めするのに使用され得る、獲得することと、
ランドマークを含む患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含む光学画像を獲得することと、
患者位置決めデバイスを使用して患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する物理測定を実行することと
のうちの1つを含み、
-方法は、横スカウト・ビュー、光学画像、または実行された物理測定に基づいて第2関心領域ROI2の高さを調整することをさらに含み、
-第2関心領域ROI2のz軸位置は、事前に決定され、
-第2関心領域ROI2は、所定の値のセットの中で選択されるサイズを有し、
-第2関心領域ROI2のz軸位置を定義することは、患者が咬合位置にあるか患者位置決めアクセサリを咬む時の、前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1の水平面の高さを判定することに基づき、
-患者が咬合位置にあるか患者位置決めアクセサリを咬む時の、前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1の水平面の高さを判定することは、事前に、
患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含む横x線スカウト・ビューを獲得することと、
ランドマークを含む患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含む光学画像を獲得することと、
患者位置決めデバイスを使用して患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する物理測定を実行することと
のうちの1つを含み、
-データの第1のセットは、患者が患者位置決めデバイスを介して第1の位置に維持されている間に獲得され、前記第1の患者位置は、患者位置決めデバイスのセッティングパラメータのセットによって定義され、
-この方法は、データの第2のセットの獲得の前の、患者位置決めデバイスのセッティング・パラメータの以前の調整を含み、
-データの第1のセットおよびデータの第2のセットは、経時的に分離され、
-x線CBCTイメージング装置は、所定の軌跡に沿って患者の頭部の周囲を同時に移動するように両方が動作可能なx線源およびx線センサを含み、定義された第2関心領域ROI2に基づいてx線CBCTイメージング装置の動作パラメータを入手することは、定義された第2関心領域ROI2に基づいてx線源とx線センサとの両方の軌跡を調整することを含む。
【0016】
本開示の別の態様によれば、患者の顎顔面領域のx線CBCTイメージングに関する動作パラメータを入手するシステムであって、
-患者が咬合位置にあるか患者位置決めアクセサリを咬む時に前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する相対的なデータの第1のセットを獲得するために、スリット形状のx線ビームを用いて患者の顎顔面第1関心領域ROI1を照射する間に患者の顎顔面第1関心領域ROI1の周囲を移動するように構成されたx線源および少なくとも1つのx線センサであって、前記患者の顎顔面第1関心領域ROI1は、咬合位置にある患者の水平面またはこれに平行な平面を含む、x線源および少なくとも1つのx線センサと、
-患者の顎顔面第1関心領域ROI1に対する相対的なデータの第1のセットに基づいて咬合平面またはこれに平行な平面を含む軸方向CBCTスライスを再構成し、
表示された再構成された軸方向CBCTスライスおよび後者との交差に基づく第2関心領域ROI2を少なくとも部分的に定義するためのビューを用いて、データの獲得された第1のセットから患者の顎顔面第1関心領域ROI1の再構成された軸方向CBCTスライスを表示し、
定義された第2関心領域ROI2を含むデータの第2のセットの獲得を考慮して、少なくとも定義された第2関心領域ROI2に基づいてx線CBCTイメージング装置の動作パラメータを入手する
ように構成されたプロセッサと
を備える含むシステムが提供される。
【0017】
マイクロプロセッサが、上記の方法のステップ、動作、特徴、または態様のいずれかを実行するように構成されてもよい。
【0018】
本開示の別の態様によれば、コンピュータまたはマイクロプロセッサに、上で短く述べた方法を実行させる命令をその中に記憶されたコンピュータ記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付図面に示された本発明の実施形態の以下のより具体的な説明から明白になる。
【0020】
図面の要素は、必ずしもお互いに対して原寸通りではない。
【0021】
図1】本発明の実施形態によるx線CBCTイメージング装置を示す全体概略透視図である。
図2】本発明の実施形態によるx線CBCTイメージング・システムの主要な機能構成要素またはアセンブリを示す図である。
図3】本発明の実施形態による方法のアルゴリズムを示す図である。
図4図3のステップS1を実行する異なるプロセスを示す図である。
図5】横スカウト・ビューに関するyz平面内のROI1およびROI2の可能な位置を示す図である。
図6A】ROI1とx線源との間の可能な相対位置を示す図である。
図6B】ROI2に関する再構成されたCBCTスライスの軸方向ビューを示す図である。
図7】x線源とx線センサとの両方に関する軌跡の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は、好ましい実施形態の詳細な説明であり、図面が参照され、図面では、同一の符号が、複数の図面のそれぞれで構造の同一の要素を識別する。
【0023】
図1は、x線イメージング装置の実施形態、具体的には口外イメージング装置10を示す。装置10は、支柱とすることのできる支持フレーム12を含む支持構造を含む。
【0024】
支持構造は、垂直柱12によって支持されまたは保持され得る水平マウント14をも含む。水平マウント14は、垂直柱12から離れて延び、これに実質的に垂直とすることができる。水平マウント14は、垂直に垂直柱12に対して相対的に移動することができる。
【0025】
より具体的には、水平マウント14は、固定された垂直部分12bに滑動可能に取り付けられた垂直部分12aに固定して取り付けられる。たとえば、たとえば電気タイプの、垂直柱の背後に配置されたアクチュエータ(この図には図示せず)が、水平マウント14を制御された形で垂直移動に駆動するように指令され得る。
【0026】
水平マウント14は、ガントリ16を支持することができる。ガントリ16は、支持構造に対して、より具体的には水平マウント14に対して相対的に移動可能である。ガントリ16は、より具体的には、水平マウント14に対して相対的に回転可能とすることができる。ガントリ16は、イメージング・プロセスの動作中に静止しているものとすることができ、あるいは、選択されたイメージング・プロセスに従って複数の所定の軌跡の中の1つに従うことのできる、回転の垂直軸の回りで回転可能とすることができる。ガントリ16を所与の移動に駆動する、駆動する既知の機構(この図には図示せず)が、水平マウント14の内部に一体化される。たとえば、そのような駆動機構は、たとえば2つのステッピング・モーターなど、xy平面内での第1の移動を与えるモーターと、たとえばブラシレス・モーターなど、垂直軸zの回りでの回転移動を与えるモーターとを含む。
【0027】
ガントリ16は、x線源18と、x線源に対応して配置された少なくとも1つのx線センサ20との両方を支持する。x線源18および少なくとも1つのx線センサ20は、お互いに面して配置され得る。ガントリ16は、2つの対向する下向きに延びる腕すなわち、それに取り付けられたx線源18を支持する第1の腕16aと、それに取り付けられた少なくとも1つのx線センサ20を支持する第2の対向する腕16bとを含むことができる。
【0028】
x線源18は、従来のコリメータ(図1には図示せず)を含む。垂直軸zに沿ったコリメータの位置およびスリット・コリメータ・ウィンドウの開口は、コリメートされたx線ビームが患者の頭部または患者の顎顔面領域の関心領域を照射するようになるように、調整され得る。
【0029】
アクティブ化された時に、x線源18は、x線ビームを放ち、このx線ビームは、ここでは、少なくとも1つのx線センサ20に衝突する前に、患者の顎顔面領域(または患者の顎顔面関心領域)のイメージング・エリアを照射する。
【0030】
この実施形態では、x線源18および少なくとも1つのx線センサ20は、患者の顎顔面領域のイメージング・エリアを照射しながら、所定の軌跡に沿って患者の顎顔面領域の周囲を移動するように構成される。
【0031】
この実施形態では、装置10は、後でわかるように、x線CBCT動作モードで、ここで、より具体的には、3D CBCTスライスを入手するためのCBCT動作モードで使用される。装置10は、ボリュメトリック・トモグラフィまたはコンピュータ断層撮影を実行し、3D画像を入手するx線CBCTイメージング装置と考えることができる。
【0032】
しかし、装置10は、パノラマ、頭蓋計測、その他など、1つまたは複数の他の動作モードまたはイメージング・プロセスに従って機能することもできる。
【0033】
装置10は、そのような異なる動作モードまたはそれらの動作モードの一部のみに従って、動作することもできる。
【0034】
これに関して、別のセンサまたは他のセンサを使用することができ、x線は、それに従って、選択された動作モードおよび開業医の選択に応じて、特定の形状を有する患者の顎顔面関心領域(または患者の頭部全体)として患者の頭部の領域を照射するようにコリメートされ得る。
【0035】
少なくとも1つのx線センサ20は、装置の動作モードの1つに適合されたセンサを含む。たとえば、このセンサは、CBCTスキャンを実行するように適合されたセンサ、たとえばボリュメトリック・センサまたはコンピュータ化されたセンサ(たとえば、長方形、正方形形状)、または前のタイプの複数のセンサとすることができる。
【0036】
支持構造は、ここでは腕である患者位置決めアクセサリ支持部材22をも含むことができる。腕22は、支持フレーム、より具体的には垂直柱12に接続される。患者位置決め腕22は、支持フレームに対して相対的に移動可能である。より具体的には、腕22は、たとえば電気タイプの適当なアクチュエータ(1つまたは複数)を介して指令された時に上下に移動するために、垂直柱12に沿って滑動することができる。患者位置決め腕22は、固定された垂直部分12bに対して相対的に滑動可能に取り付けられた腕支持部22aから延びる。患者位置決め腕22は、水平マウント14の延びる方向に実質的に対応する方向に装置に沿って延びる。患者位置決め腕22は、ここでは、水平マウント14と実質的に平行の関係で装置に対して横向きに配置される。
【0037】
患者位置決め腕22は、患者を装置内の所与の位置に位置決めするように働く。
【0038】
患者位置決め腕22は、腕の自由端22bまたはそれに近接して全体的に配置された複数の患者位置決めアクセサリのうちの1つを含むことができる。これらのアクセサリは、やはりまたはその代わりに、保持システムと考えることができる。
【0039】
これらの患者位置決めアクセサリは、異なる方位に従って患者の頭部の解剖学的構造を位置決めし、可能なすべての移動を減らすために検査中に患者の頭部を固定することを可能にする。
【0040】
装置によって異なる動作モードに従って実行される特定の検査のタイプごとに、1つまたは複数のタイプの患者位置決めアクセサリが存在する。腕22は、一般に一時に1つずつ、異なるタイプのこれらの患者位置決めアクセサリのそれぞれに対処するように構成される。
【0041】
図1に示されているように、これらの患者位置決めアクセサリの、24と注記された1つは、それらが除去可能に取り付けられた腕22から上に延びる2つの一時保持部材を含む。1つの一時保持部材だけが表され、他方は、腕16bによって隠されている
【0042】
患者位置決めアクセサリ24は、それが除去可能に取り付けられる腕22から上向きに延びる顎当て26をも含むことができる。顎当て26は、パノラマ検査のために患者の頭部を位置決めするために2つの一時保持部材の間に配置される。標準的なバイト・ブロックを、顎当てにさらに追加することができる。代替案では、Frankfortガイド・バイト・ブロックをパノラマ検査に使用することができる。
【0043】
患者支持アクセサリの他の可能なタイプすなわち、開いた口および閉じた口での時間的下顎関節検査を行うための鼻部支持、3D検査(くつわタイプ)用の咬まれた支持体、3D検査(額タイプ)用の額支持、咬合支持および額支持の組合せ、その他を考えることができる。
【0044】
さらに、座席(この図には図示せず)を、検査のタイプに従って患者に関して使用することができる。この配置は、患者の位置をセットするのに、および、構造のデータ獲得に関して将来のこの位置の再現性をセットするのにも役立つ可能性がある。後続のデータ獲得が、同一の装置上で実行されない場合であっても、患者の位置を定義するセッティング・パラメータ(座席に対する相対位置を含む)を、メモリ内に記憶することができる。
【0045】
図1に示されているように、ハンドル・アセンブリ34を、腕の自由端22bで、腕の下に、腕と平行の関係で位置決めすることができる。このハンドル・アセンブリ34は、動かないままになるためにイメージング・プロセスを受ける時に患者がつかむことのできる2つの垂直の別々のハンドル部分34a、34bを含む。
【0046】
全体的に、このハンドル・アセンブリ34は、水平ベース部分34cと、腕22に固定される2つの垂直の上向きに延びる分岐34a、34bとを含むU字形を有する。各分岐は、垂直ハンドル部分の役割を演じる。
【0047】
その代わりに、他のハンドル・アセンブリを腕22のハンドリングに使用することができる。
【0048】
患者位置決め腕22は、装置の開業医が、そこに表示された画像を見、それと対話し、装置のある種の機能を駆動することを可能にするモニタまたはディスプレイ・アセンブリ36をも支持することができる。
【0049】
図2は、この実施形態で使用される、動作パラメータを入手するシステム40の主要な機能構成要素またはアセンブリの概略図である。これらの構成要素またはアセンブリの一部またはすべてを、装置10の一部としてもしなくてもよい。
【0050】
この実施形態では、システム40は、装置10内に配置される。
【0051】
システム40は、図1の装置のx線源およびx線センサを含む獲得アセンブリ42を含む。
【0052】
システム40は、獲得アセンブリ42に接続され、本発明の実施形態方法に従って獲得アセンブリ42の動作を制御するように構成された制御アセンブリ44を含む。
【0053】
制御アセンブリ44は、より従来の形での装置10およびその様々な構成要素/アセンブリの動作を可能にするのに、具体的には、CBCTスキャンを実行し、3D体積(3D x線画像データ)を再構成し、パノラマ、頭蓋計測などのデータ獲得を実行するのにも使用され得る。
【0054】
制御アセンブリ44は、具体的には、プロセッサと、おそらくは、本発明による1つまたは複数の実施形態方法を実践するようにシステム40を制御する命令を有するコンピュータ・プログラムを記憶する1つまたは複数の記憶媒体とを含む。マイクロプロセッサが、1つまたは複数の記憶媒体内に記憶されたコンピュータ・プログラムを実行する時に、マイクロプロセッサは、本発明による実施形態方法のステップまたは動作を実行するように構成されると考えられる。
【0055】
本発明の一態様は、1つまたは複数の記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品をも対象とする。
【0056】
上記の1つまたは複数の記憶媒体は、たとえば、磁気ディスク(フロッピ・ディスクなど)または磁気テープなどの磁気記憶媒体か、光ディスク、光テープ、または機械可読バー・コードなどの光学記憶媒体か、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)または読取専用メモリ(ROM)などのソリッド・ステート電子記憶デバイスか、そのようなコンピュータ・プログラムを記憶するのに使用される任意の他の物理デバイスまたは媒体とすることができる。
【0057】
記憶されたコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)または他の記憶されたコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)は、3D体積を入手する従来の方法などのより従来の方法を実践するように装置10を制御する命令をも有することができる。
【0058】
システム40は、ここではx線イメージング・プロセス、たとえばCBCTイメージング・プロセスの途中で装置によって再構成されたデータの異なる体積を記憶する、1つまたは複数の外部記憶媒体46をも含むことができる。1つまたは複数の外部記憶媒体46を、上で説明したものと同一のタイプとすることもできる。
【0059】
1つまたは複数の外部記憶媒体46は、制御アセンブリ44に固有の1つまたは複数の記憶媒体の代わりに、システム40を制御するための、および/またはより一般的に、装置10を制御するための、上記のコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)を記憶することもできる。
【0060】
システム40は、図1のディスプレイ・アセンブリ36に対応することのできる、ディスプレイ・アセンブリ48、ここでは1つまたは複数のモニタまたはスクリーンをさらに含む。ディスプレイ・アセンブリ48は、制御アセンブリ44に接続される。
【0061】
ディスプレイ・アセンブリ48は、装置10によって実行されたx線CBCTイメージング・プロセスから入手された患者の顎顔面領域の選択された画像を自動的にまたはオン・デマンドで表示することができる。
【0062】
ディスプレイ・アセンブリは、制御アセンブリ44の制御下で動作する。
【0063】
システム40は、ディスプレイ・アセンブリ48および制御アセンブリ44に接続されたユーザ・インターフェース・アセンブリ50をさらに含むことができる。ユーザ・インターフェース・アセンブリ50は、ユーザ、たとえば開業医または技師が、様々なタスクを実行するために、ディスプレイ・アセンブリ48およびおそらくは画像処理/アルゴリズムを実行する制御アセンブリ44と対話することを可能にする。
【0064】
ユーザ・インターフェース・アセンブリ50は、ポインティング・デバイス、たとえばコンピュータ・マウス・ジョイスティック、スタイレット、キーパッド、タッチパッドなどであるがこれに限定されない、ディスプレイ・アセンブリ48に接続された1つまたは複数の対話デバイスを含むことができる。
【0065】
タッチ・スクリーン、スクリーン上に表示されまたは指令時に表示され得るツール・アイコンなど、他のタイプの対話デバイスまたはツール(ユーザ・インターフェース・ツール)を、その代わりにまたはそれに加えて使用することができる。
【0066】
アセンブリ44、46、48、および50は、全体的にまたは部分的に、装置10の腕22内に配置され、あるいは、装置に対して相対的にリモートに(たとえば、同一室内または別々の室内または別の場所に)配置され得る。制御アセンブリ44が、装置10内に配置されない場合には、獲得アセンブリ42を制御するためおよび全般的な形で装置の動作を制御するために、別の制御アセンブリが装置内に存在することができる。しかし、この説明全体が、アセンブリの位置に関わりなく同等にあてはまる。
【0067】
上記は、アセンブリ42、44、46、48、および50が、別のx線イメージング装置に関する場合にもあてはまる。
【0068】
本発明による実施形態方法を、これから、対応するコンピュータ・プログラム(1つまたは複数)のアルゴリズムを示す図3を参照して説明する。このアルゴリズムは、他の図に示され、同一のコンピュータ・プログラムの一部であっても他のコンピュータ・プログラムに対応してもよい、他のアルゴリズムを参照する。
【0069】
その動作に関して、実施形態方法は、図1の装置10および図2に関連して上で説明したものとすることのできる機能構成要素またはアセンブリを利用する。代替案では、この方法を実行するのに必要な機能構成要素またはアセンブリは、別のx線イメージング装置の機能構成要素またはアセンブリとすることができるが、これらを、図2の構成に従うものとすることができる(図2のすべての構成要素が存在する必要はない)。
【0070】
患者は、まず、装置10の作業空間内で獲得アセンブリ42のx線源18とx線センサ20との間に、たとえば座位で位置決めされる。この方法は、ROI1と表される患者の顎顔面第1関心領域を識別する識別ステップS1から始まる。開業医は、患者の顎顔面領域の第2の関心領域ROI2に対して実行される検査のタイプ、第2の関心領域ROI2自体、その他などの所定の判断基準に基づいて、ROI1を識別する。
【0071】
たとえば、ROI1は、開業医の関心に応じて、上顎および下顎、両方の顎の一部、一方の顎だけ、単一の顎の一部などを含むことができる。
【0072】
この方法は、高さ判定ステップS2をさらに含む。このステップの実行のために、患者は、患者位置決め部材または患者位置決めアクセサリ内で咬み、彼/彼女の歯は、その後、2~3ミリメートルだけ離される。そのような患者位置決め部材または患者位置決めアクセサリを、解放可能な形で腕22に取り付けることができる。そのような患者位置決め部材または患者位置決めアクセサリは、バイト・ブロック、たとえばパノラマ検査に使用されるFrankfurtガイド・バイト・ブロック、標準バイト・ブロック、咬まれた3D支持体などとすることができる。
【0073】
図5は、患者の顎顔面領域の以前に獲得された横スカウト・ビューLSV(横x線データ獲得を介して獲得されたデータの単なる投影)上で開業医によって識別/選択されたROI1を示す。図5では、患者の顔も背景として示されている。結果のビューを、ディスプレイ・アセンブリ48上に表示することができる。
【0074】
図5では、咬むブロックは、明瞭さのために図示されていない。
【0075】
代替案では、患者は、咬合位置にあるすなわち、彼/彼女の上顎および下顎は、お互いと接触しているものとすることができる。彼/彼女の頭部を、顎当て、顎当てを含む額支持体などを介して定位置に維持することができる。識別されるROI1は、この代替配置では咬合平面を含むことができる。
【0076】
このステップの目的は、ROI1内の水平面の高さを判定することである。この高さは、次に、後で説明する第1のx線データ獲得に使用される。
【0077】
この水平面は、ROI1の正中面またはROI1内の別の平面とすることができる。
【0078】
このステップの実行に関して、患者は、彼/彼女のカンペル平面が水平になるように位置決めされてもよい。
【0079】
図4は、水平面の高さを判定する異なる形を示す。
【0080】
第1の形は、図2の制御アセンブリ44の制御の下で操作される獲得アセンブリ42を介して患者のx線横スカウト・ビューを獲得すること(ステップS2.1)である。患者の顎に対する相対的なスカウト・ビューの位置は、所定の平均値に基づいて以前に決定されたものとすることができる。
【0081】
上で既に言及された図5は、従来の形で獲得された患者のx線横スカウト・ビューを概略的に示す。そのようなビューは、ここでは、上顎および下顎の位置に関する情報を提供し、開業医によって識別された、上で議論した患者の顎顔面第1関心領域ROI1を示す。ROI1は、ここでは、患者の下顎の上側部分を示し、患者の頭部の後ろへ延びる。しかし、ROI1の広がりは、y軸に沿って、より短いものとすることができる。代替案では、ROI1は、開業医によって、顎に対して相対的に異なって位置決めされたものとすることができ、その広がりは、y軸に沿ってより短くてもそうでなくてもよい。
【0082】
ROI1の重要な水平面は、ディスプレイ上で開業医によって位置決めされ、または計算によって決定され得る。水平面は、上で既に述べたように、ROI1の正中面とすることができる。
【0083】
次に、ステップS2.2では、この水平面の高さが、従来の形で、使用される患者の位置決めアクセサリ(ここではバイト・ブロック)に対する相対的なスカウト・ビューの既知の位置と、x線装置、具体的には腕22または装置の任意の他の基準部分に対する相対的な後者の既知の位置とに基づいて判定される。腕に対する相対的なx線源の位置も既知であることに留意されたい。
【0084】
図5は、Lと表される線によって、上で述べた水平面のz軸位置を示す。
【0085】
水平面の高さを判定する2つの他の形が、図4に示されている。
【0086】
第2の形(ステップS2.3)は、ランドマークを含む患者の顎顔面第1関心領域ROI1を含む患者の少なくとも1つの光学画像(咬む位置すなわち咬合位での)を獲得する準備をする。少なくとも1つの画像は、より具体的には、カメラによって撮影された顔画像であり、ランドマークは、解剖学的タイプ(たとえば口の角のランドマークまたは患者の顔に追加されたランドマークとすることができる。カメラを、装置10上でたとえば腕22上で、または装置とは独立に位置決めすることができる。図1では、カメラ52の例が、x線源18の隣に配置されている。その代わりにまたはそれに加えて、カメラの別の位置を選択することができる。
【0087】
代替案では、患者の横光学画像が、額画像より便利である場合がある。
【0088】
1つまたは複数のランドマークは、既知であるか歯根に対する相対的な計算によって簡単に知ることのできる幾何学的位置の代表である。
【0089】
その結果、第1のx線データ獲得に使用され得るROI1の水平面(たとえば正中面)の高さは、したがって、1つまたは複数のランドマークの位置に基づく計算(ステップS2.2)によって判定され得る。
【0090】
第3の形(ステップS2.4)は、患者位置決めデバイスまたは患者位置決めアクセサリを使用して、患者の(咬む位置すなわち咬合位での)、より具体的には患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の物理的測定を実行する準備をする。
【0091】
図1の腕22に取り付けられた患者位置決めアクセサリ、たとえばバイト・ブロックまたは類似物を使用することができる。バイト・ブロックは、固定された位置で腕に取り付けられ、腕に対する相対的なバイト・ブロックの高さは、既知であるか測定され得る。所与の患者(成人、幼児など)の歯の平均サイズ(高さ)も既知であり、これは、歯根の位置、したがって歯の先端すなわちバイト・ブロックに対する相対的な歯根の位置を定めることを可能にする。
【0092】
その結果、腕に対する相対的なROI1の水平面の高さまたは位置を、上記に基づく測定および/または計算によって判定することができる。
【0093】
代替案では、バイト・ブロックまたは類似物内に配置されたセンサが、適当な測定データを提供することができ、腕に対する相対的な咬合平面の高さまたは位置が、次に、それから判定され得る。
【0094】
その後、第1のx線データ獲得に使用できるROI1の水平面の高さが、咬合平面の位置に基づいて判定され得る(ステップS2.2)。この以前の判定フェーズは、ROI1に関するデータの第1のセットが獲得される高さの判定を目指すものである。
【0095】
水平面の高さが判定された後に、装置10は、図3のステップS3によって供給されるROI1に対する相対的なデータの第1のセットの獲得を可能にする構成で、制御アセンブリ44によってセットされる。データの第1のセットは、ROI1全体またはその選択された部分に対応することができる。
【0096】
-第1に、x線源およびx線センサのセットが、x線源が獲得に適当な高さにあるようにするために判定された高さに移動するように制御アセンブリ44によって指令され、この配置は、x線線量を簡単に減らすことを可能にし、
-第2に、x線源が、同一の高度のままになり、x線コリメータが、平面の判定された高さに向かって上向きにx線ビームを方位付けるように移動される
という2つの形が、装置を獲得構成にセットするのに使用される。
【0097】
この第1のデータ獲得に関して、患者は、前のステップS2で提供される咬む位置(または咬合位)のままになる。患者は、彼/彼女のカンペル平面がステップS2に関して水平になるようにも位置決めされ得る。
【0098】
患者は、たとえば装置の患者位置決めデバイスまたは患者位置決めアクセサリ(ここでは、バイト・ブロック)およびおそらくは座席を使用して、この第1のデータ獲得に適当な位置(第1の位置)に配置される。
【0099】
使用されるアクセサリ、複数の位置セッティングが使用可能である(たとえば、支持体の異なる可能な高さ)場合の装置上のこのアクセサリの位置、患者に対する相対的なアクセサリ位置(たとえば、患者の顔幅に従って複数の幅値が可能である場合)、可能な座席の高さが調整可能である場合のこのパラメータ、その他など、患者の第1の位置を定義する異なるセッティング・パラメータが、後続のデータ獲得にもう一度使用されることに対するビューと共に、開業医によって記録されまたは記憶され得る(たとえば、ユーザ・インターフェース・アセンブリを介して記憶媒体に)。
【0100】
この第1のデータ獲得に関して、装置10は、制御アセンブリ44の制御の下で動作CBCTモードである。
【0101】
このモードによれば、x線コリメータ開口は、水平面を含む患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に焦点を合わされたスリット形状のx線ビームを作るために、スリット形状のコリメータ・ウィンドウとして調整される。
【0102】
このスリット形状は、ROI1および好ましくは高さの薄い体積をカバーするように調整される。
【0103】
ROI1の水平面は、コリメータ位置およびコリメータ・ウィンドウ開口での調整のおかげで狙われる。
【0104】
図6Aは、x線コリメータ19の異なる開口を伴う、x線源18とROI1と(ROI1は、その代わりにその一部によって置換され得、この説明の残りは同等にあてはまる)の間の2つの異なる相対位置を示す。図示されているように、x線源18は、センサ20の下端に整列される。源およびセンサからなるセットの回転軸Aも図示されている。CBCTスライスを取り込み、再構成するために、垂直方向のコリメータの開口は、源-センサ整列に対する相対的なコリメータの位置に依存する。最小の開口は、源-センサ軸がコリメータを通る時に得られる。言い換えると、コリメートされたx線ビームの正中面は、スライス再構成に必要な最小の開口をコリメータに関して入手するように調整され得る。
【0105】
優先的に、源-センサ軸は、コリメータ・ウィンドウの基礎およびROI1の下端または境界を通過する。
【0106】
x線源は、後続の第2のデータ獲得に使用されるx線線量に関して低線量として定量化され得る第1のx線線量を用いて操作される。
【0107】
第1のx線線量は、患者のx線露出を最小にするように選択される。x線線量は、獲得される患者データの体積に依存する。体積は、データ獲得に関して、好ましくはできる限り小さく、高分解能である必要はない。というのは、この方法の残りに必要な有用な情報が、患者顎顔面第1関心領域の形態学的特性またはデータ(歯の位置、特性寸法など)に存するからである。好ましくは、そのような情報は、獲得されたデータ内の多くの詳細を必要としない。しかし、体積は、必ずしも薄くはなく、そのサイズは、画像の解像度に依存する。線量を低くしなければならない場合には、一般に体積のサイズと分解能との間の妥協を行う必要がある。
【0108】
通常、第1のx線線量は、後続の第2のデータ獲得に使用される第2の線量の20%を超えない。
【0109】
優先的に、第1のx線線量は、第2の線量の10%を超えず、より優先的には第2の線量の5%を超えない。
【0110】
たとえば、第1のx線線量は、CBCTスライスの生成に関して4μSv程度とすることができる。
【0111】
この第1の獲得中に獲得されるデータ体積(CBCTスライス)内で必要とされる情報は、後続の第2の獲得中に獲得されるデータ体積を適当に位置決めするのに使用される。
【0112】
図3に戻って、データの第1のセット(3D体積)を獲得する第3のステップS3は、上記のセッティングおよび調整に基づく。この第1の獲得を、「発射」に使用される有用な情報を提供するための「事前発射」と見なすことができる。この事前発射の露出時間は、どちらかといえば短く、たとえば5秒程度とすることができる
【0113】
次のステップS4は、従来のCBCTデータ処理技法(たとえば、FDKアルゴリズム)を使用してデータの獲得された第1のセットに基づいてCBCTスライスを再構成する再構成ステップである。
【0114】
再構成されたCBCTスライスは、ROI1の水平面を含み、患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する相対的なデータの獲得された第1のセットに基づく。
【0115】
第1の獲得されるデータの低分解能の例として、再構成されたCBCTスライス内の約500μmのボクセル・サイズを入手することができる。たとえば、スライスの厚さまたは高さは、10ボクセルと30ボクセルとの間にあり、これによって、1mmと15mmとの間の範囲に対応する。優先的に、1mmと5mmとの間の範囲を、選択することができる。
【0116】
再構成されたCBCTスライスは、円筒の形状をとることができ(別の形状を使用することができる)、直径は120mm(小さい頭骨寸法に関する)と160mmとの間にある。より小さい直径が便利である場合がある。CBCTスライスは、ここでは薄いスライスとして制限され得る。他の例の実施形態では、歯列弓全体の獲得を目指すことができる。
【0117】
この方法は、図6Bに示されているように(水平面)、再構成された3D体積の軸方向スライス(患者の顎顔面第1関心領域ROI1のCBCTスライス)を図2のディスプレイ・アセンブリ48上に表示する表示ステップS5をさらに含む。必要な場合には、矢状縫合ビューなど、追加のビューを表示することもできる。
【0118】
この方法は、患者の顎顔面第1関心領域ROI1の再構成され表示された軸方向CBCTスライスに基づいて、第2関心領域ROI2を少なくとも部分的に定義するステップS6をさらに含む。
【0119】
第2関心領域ROI2は、軸方向スライスのxy平面内で第1関心領域ROI1と交差するように定義されまたは選択される。
【0120】
第2関心領域ROI2は、ユーザ・インターフェース・アセンブリまたはグラフィカル・ユーザ・インターフェース50を介して開業医によって定義されまたは選択される。たとえば、開業医は、マウスのクリックなどのユーザ入力ツールのアクティブ化を介してメニューまたはアイコンのセットの表示を選択し、マウス・カーソルの移動のおかげで表示されたスライス上の所望の位置に移動され得るアイコンをさらに選択する。この実施形態では、後に獲得されるデータの第2の体積が円筒形なので、アイコンは、ここでは、図6B上の円Cによって表される。このビューに現れる円は、獲得されるデータの第2の体積の寸法を有する。
【0121】
さらに、後に獲得されるデータの第2の体積は、別の形状をとることができ、ROI2の定義を助けるランドマークまたはアイコンは、それと一致する別の形状をとることができる。
【0122】
図6Bに戻って、表示された軸方向スライス上の円の位置およびサイズは、この図のxy平面内で第1関心領域ROI1と交差する第2関心領域ROI2を定義する。
【0123】
図6Bでは、円(ROI2)は、歯のグループの一部内に位置決めされている。
【0124】
図示されているように、ROI2の位置は、開業医の必要に従って所望の位置を定義する(ステップS6.1参照)ように、図6Bの平面内でx座標およびy座標に従って調整され得る(対応する上下左右の矢印を参照されたい)。具体的には、彼/彼女は、次のより正確なデータ獲得に関して1つの歯または歯のグループに焦点を合わせる必要がある場合がある。
【0125】
円のサイズ(ここではその直径)を、定義される第2関心領域ROI2のサイズを拡大しまたは縮小するのに必要な場合に調整できることに留意されたい。サイズは、たとえば、たとえばマウス・ホイールをスクロールすることによって変更され得る。円のサイズは、所定の値のセットの中で値を選択することによって変更され得る。
【0126】
ROI2の上で説明したサイズおよび/または位置調整を、開業医がディスプレイ上でリアル・タイムで見ることができ、これは、必要な場合にサイズおよび/または位置をさらに調整することを可能にする。
【0127】
円およびマウスに関して上で説明したもののすべてが、他の表示されるランドマークおよびユーザ入力ツール、ならびに第2関心領域を定義するためのランドマークとユーザ入力ツールとの両方の動作に同等にあてはまる。
【0128】
ステップS6.2では、ROI2の位置は、開業医の必要に従うデータの第2の体積の所望の位置の定義を終了するために、図6Bのxy平面に垂直な軸zに従って定義または調整もされ得る。
【0129】
ROI2(視野すなわちFOV)のz軸位置または高さを、横スカウト・ビューに基づいて定義しまたは調整することができる。横スカウト・ビューは、有利なことに、上のステップS2で、関心を持たれている水平面の高さを判定するのに使用され、図5に示された横スカウト・ビュー(LSV)とすることができる。
【0130】
横スカウト・ビューLSVは、垂直面(yz平面)内の歯の位置およびその幾何形状に関する表示など、追加の形態学的情報を開業医に提供する。これは、顎顔面領域に対して相対的に、具体的にはz軸位置に関してROI2の位置を開業医がさらに定義するのを助けることができる。さらに、ROI2のy軸位置を、横スカウト・ビューLSVのおかげでよりよく定義しまたは調整することもできる。
【0131】
ROI2の高さまたは高さのサイズは、所定の値とすることができ、獲得されるデータの第2の体積を増減するための開業医による指令の際に変更され得る。円Cのサイズ(たとえば、円の直径)に関して上で説明したものと同一のプロセスを、ここでz軸位置の変更にもあてはめることができる。開業医が、ROI2のx軸位置、y軸位置、および/もしくはz軸位置、ならびに/またはそのサイズを手動で調整するために図5のビューと図6Bのビューとの間で行き来できることに留意されたい。
【0132】
ROI2の高さまたは高さのサイズを、所定の値のセットの中から値を選択することによって変更することができる。
【0133】
この実施形態では、上で既に述べたように、獲得されるデータの第2の体積は、開業医の必要に従ってその寸法を変更できる円筒の形状をとることができる。
【0134】
ROI2の幾何学的位置の定義が、ROI2の中央の位置をセットすることに留意されたい。
【0135】
上で、横スカウト・ビューに基づいてROI2のz軸位置または高さをどのように定義しまたは調整すべきかを説明した。
【0136】
しかし、より一般的に、ROI2のz軸位置または高さは、上でステップS2で説明したように、関心を持たれている水平面の高さの判定に基づいて定義されまたは調整され得る。具体的には、上でステップS2.3およびS2.4で説明したように、光学画像の獲得または物理測定の実行など、横スカウト・ビュー以外のプロセスを使用することができる。
【0137】
代替案では、ROI2のz軸位置または高さは、上でステップS2で説明した、関心を持たれている平面の高さの判定とは独立に定義されまたは調整され得る。ROI2のz軸位置または高さは、この目標を達成するために実行される下記のうちの1つに基づいて定義されまたは調整され得る。
-患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を含む横x線スカウト・ビューを獲得することと、
-ランドマークを含む患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を含む光学画像を獲得することと、
-患者位置決めデバイスを使用して患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対する物理測定を実行することと。
【0138】
上記のステップは、上でステップS2.1、S2.2、S2.3、およびS2.4に関して説明したものと同一である。しかし、この代替実施形態方法では、同一のステップを、一方は関心を持たれている平面の高さの判定、他方はROI2のz軸位置の定義のために、2回実行することができる。
【0139】
変形実施形態として、ROI2のz軸位置を定義しまたは調整するステップを、ステップS2で実行されるものとは異なるものとすることができる。たとえば、ステップS2が、横スカウト・ビューを使用せずに実行されたが、横スカウト・ビューが、ROI2のz軸位置を定義しまたは調整するのに使用するために獲得される。
【0140】
ROI2の高さのサイズが、CBCTスライスの高さ(ここではどちらかといえば薄く、たとえば1~15mm程度、好ましくは1~5mm)を超えて延ばされてもよいことに留意されたい。
【0141】
この方法は、少なくとも、そのように定義されたROI2に基づいて動作パラメータを入手するステップS7をさらに含む。
【0142】
上でわかるように、ROI2は、ROI2の中心の空間位置または幾何学的位置とサイズとをセットする、そのx、y、z空間座標によって定義される。ROI2のこの位置およびサイズの情報は、平均化された患者のデータではなく患者のデータに基づいてそのように正確に入手された。したがって、これは、開業医が、その後にROI2の位置およびサイズに基づいて3D体積(ROI2を含むデータの第2のセット)を獲得するためにx線源とxセンサとの両方の軌跡を調整することを可能にする。軌跡を、ROI2の位置のみに基づくものとすることができることに留意されたい。x線源とxセンサとの両方が、この軌跡に沿って患者の頭部の周囲を同時に移動するように動作可能になる。好ましくは、3D体積は、ROI2のデータの体積に対応する。しかし、他の構成を考えることができる。
【0143】
この調整を介して、x線源およびxセンサのセットの回転中心の位置を、目標の解剖学的構造(たとえば、ROI2)に従って変更することができる。
【0144】
x線源18とxセンサ20との両方の可能な軌跡の例が、図7に示されており、図7では、以下の表記が使用されている。
C ガントリの回転中心
N 患者の線量
SP 患者の矢状面
T 中心Cのたどる軌跡
V 軌跡Tを描くことを介して再構成/入手される3D体積
【0145】
全般的な形で、ROI2の位置およびサイズならびにここで例の実施形態では円筒であるROI2の形状は、動作パラメータである。
【0146】
後に獲得される3D体積がROI2に対応しない場合には、この後続獲得中に使用される動作パラメータは、上記とは異なる可能性がある。
【0147】
入手された動作パラメータは、それぞれが所望の3D体積の入手を可能にする複数の軌跡を判定することを可能にする。
【0148】
ステップS7の入手される動作パラメータまたは獲得パラメータは、その後、使用されるのを待っている間に記憶され得る。
【0149】
すべての動作パラメータは、不必要な詳細なしに開業医の関心領域を正確に表す定義されたROI2に基づいて入手される(その後に獲得されるROIまたは3D体積の位置の最適化)。したがって、入手される動作パラメータは、開業医の特定の必要に合わせて調整され、x線に露出される患者のエリアならびに使用されるx線線量をできる限り減らす。
【0150】
少数のステップ(手動のステップS1およびS6以外)を、図3の実施形態方法で図2の制御アセンブリ44によって自動的に実行することができる。
【0151】
ステップS7で入手された動作パラメータまたは獲得パラメータは、第2のx線線量を使用して、患者の顎顔面第2関心領域(ROI2)に関し、これを含むデータの第2のセットを獲得する後続ステップS8の途中で使用され得る。獲得されるデータのこの第2のセットは、データの上記の3D体積に対応する。
【0152】
この獲得ステップは、必ずしも装置10ではないx線CBCTイメージング装置を用いて実行される。この獲得ステップは、たとえば数時間、数日、数ヶ月など、第1のステップS1からS7までから時間的に分離され得る。患者の顎顔面領域が、2つの獲得の間に変更されなかったと仮定される。
【0153】
ここで、方法ステップS8は、患者の第1の位置を定義する記録されたまたは記憶された異なるセッティング・パラメータを使用してデータの第2のセットを獲得する前に、以前の患者位置決めステップを含む(上のステップS2およびS3を参照されたい)。この以前のステップは、x線CBCTイメージング装置、具体的にはステップS3で使用される患者位置決めデバイスまたは患者位置決めアクセサリのセッティング・パラメータを調整する準備をし、その結果、患者は、この第2のデータ獲得を考慮して同一の第1の位置またはその付近に位置決めされるようになる。
【0154】
入手された動作パラメータまたは獲得パラメータ(たとえば、軌跡、x線線量など)は次に、患者の顎顔面領域に対する相対的なROI2を含むデータの3D体積の獲得を考慮してx線CBCTイメージング装置を調整しまたはセットするのに、ステップS8で使用される。
【0155】
この第2のデータ獲得に使用されるx線線量は、スライスを生成する第1のx線線量より高く、第1のx線線量は、第2のx線線量の20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0156】
たとえば、第1のx線線量は、4μSvであり、第2のx線線量は、
-広い視野(17×13cm)の3D検査では200μSv、
-5×5cm視野の3D検査では20μSv
である。
【0157】
たとえば、第2のデータ獲得のx線の露出の持続時間は、第1のデータ獲得の約5秒持続時間と比較して、3D検査では5秒と20秒との間である。
【0158】
たとえば、第2のデータ獲得を介して入手される画像(1つまたは複数)の解像度は、第1のデータ獲得の500μmボクセル・サイズと比較して、3D検査では100μmボクセル・サイズによって画定される。
【0159】
本発明が、詳細に説明され、適切なまたは現在好ましい実施形態を具体的に参照して説明された場合があるが、本発明の趣旨および範囲内で変形形態および修正形態をもたらすことができることを理解されたい。したがって、現在開示されている実施形態は、すべての面で、例示的であって制限的ではないと考えられる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、その同等物の意味および範囲に含まれるすべての変更は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の顎顔面領域のデータのセットを獲得することに鑑みてx線CBCTイメージング装置に関する動作パラメータを得るための方法であって、前記方法は、
前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を識別するステップと、
前記患者が咬合位置にいるかまたは患者位置決めアクセサリを咬む時の、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の水平面の高さを判定するステップと、
x線CBCTイメージングを使用して、スリット形状のコリメータ・ウィンドウを介して、前記水平面を含む、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対するデータの第1のセットを獲得するステップであって、獲得されたデータの第1のセットは、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対して異なる角度位置で得られたx線画像の第1のセットを備えるステップと、
前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対して、前記データの第1のセットに基づいて、前記水平面を備える軸方向CBCTスライスを再構成するステップと、
前記獲得されたデータの第1のセットから前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の再構成された軸方向CBCTスライスを表示するステップと、
前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の表示かつ再構成された軸方向CBCTスライスに基づき、かつ、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の再構成された軸方向CBCTスライスと交差する第2関心領域(ROI2)を少なくとも部分的に定義するステップと、
定義された第2関心領域(ROI2)を含むデータの第2のセットを獲得することに鑑みて、少なくとも前記定義された第2関心領域(ROI2)に基づいて前記x線CBCTイメージング装置に関する動作パラメータを得るステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記第2関心領域(ROI2)を少なくとも部分的に定義するステップは、前記軸方向CBCTスライスのxy平面内に前記第2関心領域(ROI2)の位置を定義することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2関心領域(ROI2)を少なくとも部分的に定義するステップは、前記軸方向CBCTスライスのxy平面に垂直であるz軸(高さ)に沿って前記第2関心領域(ROI2)の位置を定義することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2関心領域(ROI2)のz軸位置を定義することは、事前に、
前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を備える横x線スカウト・ビューを獲得するか、または
ランドマークを含む、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を備える光学画像を獲得するか、または
患者位置決めデバイスを使用して前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対して物理測定を実行する
ことを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記横スカウト・ビュー、前記光学画像、または実行された物理測定に基づいて前記第2関心領域(ROI2)の高さを調整するステップをさらに備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2関心領域(ROI2)のz軸位置は事前に決定されている、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第2関心領域(ROI2)は、事前に決定された値のセットから選択されるサイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2関心領域(ROI2)のz軸位置を定義することは、前記患者が前記咬合位置にいるかまたは患者位置決めアクセサリを咬む時の、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の水平面の高さを判定することに基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記患者が咬合位置にいるかまたは患者位置決めアクセサリを咬む時の、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の水平面の高さを判定するステップは、事前に、
前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を備える横x線スカウト・ビューを獲得するか、または
ランドマークを含む、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を備える光学画像を獲得するか、または
患者位置決めデバイスを使用して前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対して物理測定を実行する
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記データの第1のセットは、前記患者が患者位置決めデバイスを介して第1の位置に維持されている間に獲得され、前記第1の位置は、前記患者位置決めデバイスに関するセッティング・パラメータのセットによって定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記データの第2のセットを獲得する前の前記患者位置決めデバイスのセッティング・パラメータの先立つ調整を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記データの第1のセットおよび前記データの第2のセットは、時間において分離されている、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記x線CBCTイメージング装置は、事前に決定された軌跡に沿って前記患者の頭部の周囲を同時に移動するように両方とも動作可能であるx線源およびx線センサを備え、前記定義された第2関心領域(ROI2)に基づいて前記x線CBCTイメージング装置に関する動作パラメータを得ることは、前記定義された第2関心領域(ROI2)に基づいてx線源およびx線センサの両方に関する軌跡を調整することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記定義された第2関心領域(ROI2)を含む、異なる角度位置で得られたx線画像の第2のセットを備えるデータの第2のセットを獲得するステップと、
前記患者の顎顔面第2関心領域(ROI2)に対して、前記データの第2のセットに基づいて、前記定義された第2関心領域(ROI2)を含む3D CBCT画像を再構成するステップと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記3D CBCT画像は、前記軸方向CBCTスライスより高い解像度を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
患者の顎顔面領域のx線CBCTイメージングに関する動作パラメータを得るためのシステムであって、前記システムは、
前記患者が咬合位置にあるかまたは患者位置決めアクセサリを咬む時の、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対するデータの第1のセットを獲得するために、スリット形状のx線ビームを用いて前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)を照射する間に、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の周囲を移動するように構成されているx線源および少なくとも1つのx線センサであって、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)は水平面を含み、獲得されたデータの第1のセットは、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対して異なる角度位置で得られた、前記水平面を含むx線画像の第1のセットを備える、x線源および少なくとも1つのx線センサと、
マイクロプロセッサであって、
前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)に対して、前記データの第1のセットに基づいて、前記水平面を備える軸方向CBCTスライスを再構成し、
表示および再構成された軸方向CBCTスライスに基づき、かつ、前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の再構成された軸方向CBCTスライスと交差する第2関心領域(ROI2)を少なくとも部分的に定義するためのビューを用いて、獲得されたデータの第1のセットから前記患者の顎顔面第1関心領域(ROI1)の再構成された軸方向CBCTスライスを表示し、
定義された第2関心領域(ROI2)を含むデータの第2のセットを獲得することに鑑みて、少なくとも前記定義された第2関心領域(ROI2)に基づいてx線CBCTイメージング装置に関する動作パラメータを得る
ように構成された、マイクロプロセッサと、
を備える、システム。
【請求項17】
前記定義された第2関心領域(ROI2)に基づく前記x線CBCTイメージング装置に関する得られた動作パラメータは、前記定義された第2関心領域(ROI2)に基づく前記x線源および前記x線センサの両方に関する調整された軌跡を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
コンピュータまたはマイクロプロセッサに請求項1に記載の方法を実行させるための命令をその中に記憶しているコンピュータ記憶媒体。