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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072062
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】シールドプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
H05K1/02 P
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023040946
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2020559255の分割
【原出願日】2019-12-10
(31)【優先権主張番号】P 2018231746
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000108742
【氏名又は名称】タツタ電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】山内 志朗
(72)【発明者】
【氏名】田島 宏
(72)【発明者】
【氏名】春名 裕介
(72)【発明者】
【氏名】香月 貴彦
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プリント配線板、一方及び他方の面に貼付される電磁波シールドフィルムの接着剤層が互いに充分に密着したシールドプリント配線板を提供する。
【解決手段】シールドプリント配線板454は、ベースフィルム411、プリント回路412及びカバーレイ413を備えるプリント配線板410と、プリント配線板の一方の面を覆うように配置された第1絶縁層422と、他方の面を覆うように配置された第2絶縁層432と、を有する。第1絶縁層の一部は、プリント配線板の端部より外側に位置する第1絶縁層延端部422aを形成し、第2絶縁層の一部は、第2絶縁層延端部432aを形成しており、第1絶縁層延端部と、第2絶縁層延端部とは対向する。各絶縁層とプリント配線板との間及び各絶縁層延端部が対向する領域は、導電性樹脂組成物463で充填されており、充填されている導電性樹脂組成物厚が、プリント配線板厚の1/30倍~9/10倍の厚さである。
【選択図】図37
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフィルムと、前記ベースフィルムの上に形成されたプリント回路と、前記プリント回路を覆うカバーレイとを備えるプリント配線板と、
前記プリント配線板の一方の面を覆うように配置された第1絶縁層と、
前記プリント配線板の他方の面を覆うように配置された第2絶縁層とを有し、
前記第1絶縁層の一部は、前記プリント配線板の端部より外側に位置する第1絶縁層延端部を形成しており、
前記第2絶縁層の一部は、前記プリント配線板の端部より外側に位置する第2絶縁層延端部を形成しており、
前記第1絶縁層延端部と、前記第2絶縁層延端部とは対向し、
前記第1絶縁層と前記プリント配線板の一方の面との間、前記第2絶縁層と前記プリント配線板の他方の面との間、及び、前記第1絶縁層延端部と前記第2絶縁層延端部とが対向する領域は、導電性樹脂組成物で充填されており、
前記第1絶縁層延端部及び前記第2絶縁層延端部が対向する領域における前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に充填されている前記導電性樹脂組成物の厚さが、前記プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~9/10倍の厚さであることを特徴とするシールドプリント配線板。
【請求項2】
前記第1絶縁層と前記導電性樹脂組成物との間には第1シールド層が形成されている請求項1に記載のシールドプリント配線板。
【請求項3】
前記第1シールド層は金属からなる請求項2に記載のシールドプリント配線板。
【請求項4】
前記第1シールド層は第1シールド層用導電性樹脂組成物からなる請求項2に記載のシールドプリント配線板。
【請求項5】
前記第2絶縁層と前記導電性樹脂組成物との間には第2シールド層が形成されている請求項1~4のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【請求項6】
前記第2シールド層は金属からなる請求項5に記載のシールドプリント配線板。
【請求項7】
前記第2シールド層は第2シールド層用導電性樹脂組成物からなる請求項5に記載のシールドプリント配線板。
【請求項8】
前記導電性樹脂組成物は、等方導電性樹脂組成物である請求項1~7のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【請求項9】
前記導電性樹脂組成物は、導電性粒子と、樹脂とを含み、
前記導電性粒子の重量割合は、3~90重量%である請求項1~8のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【請求項10】
前記プリント配線板の前記プリント回路にはグランド回路が含まれ、前記グランド回路の一部は外部に露出しており、
前記グランド回路と前記導電性樹脂組成物とが電気的に接続している1~9のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【請求項11】
前記第1絶縁層は、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1~10のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【請求項12】
前記第2絶縁層は、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1~11のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【請求項13】
前記第1絶縁層と前記プリント配線板の一方の面との間に充填された前記導電性樹脂組成物の厚さは1~50μmであり、
前記第2絶縁層と前記プリント配線板の他方の面との間に充填された前記導電性樹脂組成物の厚さは、1~50μmである請求項1~12のいずれかに記載のシールドプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント配線板は、小型化、高機能化が急速に進む携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコンなどの電子機器において、複雑な機構の中に回路を組み込むために多用されている。さらに、その優れた可撓性を生かして、プリンタヘッドのような可動部と制御部との接続にも利用されている。これらの電子機器では、電磁波シールド対策が必須となっており、装置内で使用されるフレキシブルプリント配線板においても、電磁波シールド対策を施したフレキシブルプリント配線板(以下、「シールドプリント配線板」とも記載する)が用いられるようになってきた。
【0003】
シールドプリント配線板としては、ベースフィルム上にプリント回路とカバーレイとを順次設けてなるプリント配線板と、接着剤層、接着剤層に積層されたシールド層、及び、シールド層に積層された絶縁層からなる電磁波シールドフィルムから構成されるものが挙げられる。
電磁波シールドフィルムは、接着剤層がプリント配線板と接するようにプリント配線板に積層され、接着剤層がプリント配線板と接着されることによりシールドプリント配線板が得られる。
【0004】
また、特許文献1には、プリント配線板の両面にシールド層を形成したシールドプリント配線板及びその製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-125380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、プリント配線板の両面に導電性接着剤付フィルム(すなわち、電磁波シールドフィルム)を貼り合わせることによりプリント配線板の両面にシールド層を形成するという方法が開示されている。
【0007】
このような方法で、シールドプリント配線板を製造する場合、表面の電磁波シールドフィルムと、裏面の電磁波シールドフィルムとは、各電磁波シールドフィルムの接着剤層を介して、貼り合わされることになる。この際、表面の電磁波シールドフィルムの接着剤層と、裏面の電磁波シールドフィルムの接着剤層との間に隙間が生じることがある。
シールドプリント配線板には電子部品等の実装されることになるが、電子部品等の実装の際、シールドプリント配線板は加熱されることになる。
【0008】
シールドプリント配線板が加熱される際、表面の電磁波シールドフィルムの接着剤層と、裏面の電磁波シールドフィルムの接着剤層との間に隙間があると、隙間に存在する空気が熱により膨張する。その結果、表面の電磁波シールドフィルムの接着剤層と、裏面の電磁波シールドフィルムの接着剤層とが剥離してしまうという問題が生じることがあった。
【0009】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、プリント配線板、一方の面に貼付される電磁波シールドフィルムの接着剤層、及び、他方の面に貼付される電磁波シールドフィルムの接着剤層を充分に密着させることができるシールドプリント配線板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明のシールドプリント配線板の製造方法は、
ベースフィルムと、上記ベースフィルムの上に形成されたプリント回路と、上記プリント回路を覆うカバーレイとを備えるプリント配線板を準備するプリント配線板準備工程と、
第1保護フィルムと、第1絶縁層と、第1接着剤層とが順に位置する第1電磁波シールドフィルムを準備する第1電磁波シールドフィルム準備工程と、
第2保護フィルムと、第2絶縁層と、第2接着剤層とが順に位置する第2電磁波シールドフィルムを準備する第2電磁波シールドフィルム準備工程と、
上記第1接着剤層が上記プリント配線板の一方の面に接触するように上記第1電磁波シールドフィルムを上記プリント配線板に配置し、かつ、上記第1接着剤層の一部を上記プリント配線板の端部よりも外側に位置させて第1延端部とする第1電磁波シールドフィルム配置工程と、
上記第2接着剤層が上記プリント配線板の他方の面に接触するように上記第2電磁波シールドフィルムを上記プリント配線板に配置し、かつ、上記第2接着剤層の一部を上記プリント配線板の端部よりも外側に位置させて第2延端部とする第2電磁波シールドフィルム配置工程と、
上記第1延端部と上記第2延端部との間の一部に隙間が生じるように、上記第1延端部と、上記第2延端部とを重ね合わせ、仮プレス前シールドプリント配線板を作製する、重ね合わせ工程と、
上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層が完全に硬化しないように、上記仮プレス前シールドプリント配線板を加圧・加熱し、仮プレス後シールドプリント配線板を作製する、仮プレス工程と、
上記仮プレス後シールドプリント配線板から上記第1保護フィルム及び上記第2保護フィルムを剥離し本プレス前シールドプリント配線板を作製する、保護フィルム剥離工程と、
上記本プレス前シールドプリント配線板を加圧・加熱し、上記第1接着剤層及び上記第2接着剤層を硬化させ、シールドプリント配線板とする、本プレス工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、重ね合わせ工程において、第1延端部と第2延端部との間の一部に隙間が生じるように、第1接着剤層と第2接着剤層とを重ね合わせている。
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、後述するように仮プレス工程及び本プレス工程を行うことにより、2段階に分けて第1接着剤層及び第2接着剤層を硬化させることになる。
重ね合わせ工程において第1延端部と第2延端部との間に隙間が生じていたとしても、これらの工程を経ることにより、隙間から空気を抜くことができ、第1接着剤層と第2接着剤層とを充分に密着させることができる。
なお、本工程において、このような隙間が形成されないように第1接着剤層と第2接着剤層とを重ね合わせようとすると、高い圧力と時間をかける必要があり、生産効率が悪くなる。
【0012】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、仮プレス工程において第1接着剤層及び第2接着剤層が完全に硬化しないように加圧・加熱している。すなわち、仮プレス工程において、第1接着剤層及び第2接着剤層を半硬化状態としている。
第1接着剤層及び第2接着剤層を半硬化状態とすることにより、第1電磁波シールドフィルム及び第2電磁波シールドフィルムの位置を固定することができる。
そのため、保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルム及び第2保護フィルムを剥離しやすくなる。
また、第1保護フィルム及び第2保護フィルムがある状態で加圧・加熱するので、斑なく圧力をかけることができる。
また、本プレス工程で、第1接着剤層と第2接着剤層との間の隙間から空気を抜きやすくなる。
なお、本明細書において、「半硬化」には、Bステージ状態も含まれる。ここでBステージ状態とは、JIS K 6900-1994により定義されるように、材料がある種の液体に接触する場合には膨潤しかつ加熱する場合には軟化するが、しかし完全には溶解又は溶融しない中間段階をいう。
【0013】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルム及び第2保護フィルムを剥離してから、本プレス工程を行っている。
第1保護フィルム及び第2保護フィルムを剥離することにより、本プレス工程における圧力が吸収されにくくなる。そのため、仮プレス前シールドプリント配線板の第1接着剤層と第2接着剤層との間の一部に隙間があったとしても、本プレス工程を行うことにより、
その隙間から空気を充分に抜くことができる。
その結果、本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、プリント配線板、第1接着剤層及び第2接着剤層を充分に密着させることができる。
【0014】
すなわち、本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、2段階に分けて第1接着剤層及び第2接着剤層を硬化させているので、プリント配線板、第1接着剤層及び第2接着剤層を充分に密着させることができる。
【0015】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記第1電磁波シールドフィルム準備工程及び上記第2電磁波シールドフィルム準備工程において、上記本プレス工程後における、上記第1延端部の上記第1接着剤層の厚さ及び上記第2延端部の上記第2接着剤層の厚さの合計が、上記プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さになるように、上記第1接着剤層の厚さ、及び、上記第2接着剤層の厚さを調整することが望ましい。
上記範囲に第1接着剤層及び/又は第2接着剤層の厚さを調整することにより、第1接着剤層と第2接着剤層とを充分に密着させやすくなる。
【0016】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法において上記第1電磁波シールドフィルム準備工程で準備する上記第1電磁波シールドフィルムでは、上記第1絶縁層と上記第1接着剤層との間に第1シールド層が形成されていてもよい。
また、上記第1シールド層は、金属からなっていてもよく、第1シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。
このような第1シールド層により、電磁波をシールドすることができる。
【0017】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法において上記第1電磁波シールドフィルム準備工程で準備する上記第1電磁波シールドフィルムでは、上記第1接着剤層は、第1接着剤層用樹脂と第1接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性を有していてもよい。
【0018】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法において上記第1電磁波シールドフィルム準備工程で準備する上記第1電磁波シールドフィルムは、上記第1絶縁層と上記第1接着剤層とが密着しており、上記第1接着剤層は、第1接着剤層用樹脂と第1接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性及び電磁波シールド機能を有していてもよい。
このような構成の第1電磁波シールドフィルムでは、第1接着剤層が、接着剤としての機能及び電磁波シールド機能の両方を備えることになる。
【0019】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記第1接着剤層における上記第1接着剤層用導電性粒子の重量割合は、3~90重量%であることが望ましい。
第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が3重量%未満であると、シールド性が充分になりにくくなる。
第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が90重量%を超えると、第1接着剤層と第2接着剤層との密着性が低下しやすくなる。
【0020】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記プリント配線板準備工程で準備する上記プリント配線板の上記プリント回路にはグランド回路が含まれ、上記グランド回路の一部は外部に露出しており、上記本プレス工程では、上記グランド回路と上記第1接着剤層とが電気的に接続するように加圧・加熱してもよい。
プリント配線板がこのような構造であると、グランド回路と第1接着剤層とを電気的に接続することができる。
【0021】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法において上記第2電磁波シールドフィルム準備工程で準備する上記第2電磁波シールドフィルムでは、上記第2絶縁層と上記第2接着剤層との間に第2シールド層が形成されていてもよい。
また、上記第2シールド層は、金属からなっていてもよく、第2シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。
このような第2シールド層により、電磁波をシールドすることができる。
【0022】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法において上記第2電磁波シールドフィルム準備工程で準備する上記第2電磁波シールドフィルムでは、上記第2接着剤層は、第2接着剤層用樹脂と第2接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性を有していてもよい。
【0023】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法において上記第2電磁波シールドフィルム準備工程で準備する上記第2電磁波シールドフィルムは、上記第2絶縁層と上記第2接着剤層とが密着しており、上記第2接着剤層は、第2接着剤層用樹脂と第2接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性及び電磁波シールド機能を有していてもよい。
このような構成の第2電磁波シールドフィルムでは、第2接着剤層が、接着剤としての機能及び電磁波シールド機能の両方を備えることになる。
【0024】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記第2接着剤層における上記第2接着剤層用導電性粒子の重量割合は、3~90重量%であることが望ましい。
第2接着剤層用導電性粒子の重量割合が3重量%未満であると、シールド性が充分になりにくくなる。
第2接着剤層用導電性粒子の重量割合が90重量%を超えると、第1接着剤層と第2接着剤層との密着性が低下しやすくなる。
【0025】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記プリント配線板準備工程で準備する上記プリント配線板の上記プリント回路にはグランド回路が含まれ、上記グランド回路の一部は外部に露出しており、上記本プレス工程では、上記グランド回路と上記第2接着剤層とが電気的に接続するように加圧・加熱してもよい。
プリント配線板がこのような構造であると、グランド回路と第2接着剤層とを電気的に接続することができる。
【0026】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記第1絶縁層は、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
また、上記第2絶縁層は、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、仮プレス工程及び本プレス工程において、第1延端部及び第2延端部に高い圧力がかかる。
第1絶縁層及び/又は第2絶縁層が上記組成物からなると、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層の強度を強くすることができる。
そのため、仮プレス工程及び本プレス工程において、第1延端部及び第2延端部に高い圧力がかかったとしても、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層に破損等が生じにくくなる。
【0027】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記仮プレス工程における加圧・加熱条件は、0.2~0.7MPa、100~150℃、1~10sであることが望ましい。
仮プレス工程における加圧・加熱条件が上記範囲であると、第1接着剤層及び第2接着剤層を好適に半硬化状態とすることができる。
【0028】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、上記本プレス工程における加圧・加熱条件は、1~5MPa、150~190℃、60s~2hであることが望ましい。
本プレス工程における加圧・加熱条件が上記範囲であると、第1接着剤層と第2接着剤層との間の隙間から空気を充分に抜くことができ、かつ、第1接着剤層及び第2接着剤層を充分に硬化させることができる。
【0029】
本発明のシールドプリント配線板は、ベースフィルムと、上記ベースフィルムの上に形成されたプリント回路と、上記プリント回路を覆うカバーレイとを備えるプリント配線板と、上記プリント配線板の一方の面を覆うように配置された第1絶縁層と、上記プリント配線板の他方の面を覆うように配置された第2絶縁層とを有し、上記第1絶縁層の一部は、上記プリント配線板の端部より外側に位置する第1絶縁層延端部を形成しており、上記第2絶縁層の一部は、上記プリント配線板の端部より外側に位置する第2絶縁層延端部を形成しており、上記第1絶縁層延端部と、上記第2絶縁層延端部とは対向し、上記第1絶縁層と前記プリント配線板の一方の面との間、上記第2絶縁層と上記プリント配線板の他方の面との間、及び、上記第1絶縁層延端部と上記第2絶縁層延端部とが対向する領域は、導電性樹脂組成物で充填されており、上記第1絶縁層延端部及び上記第2絶縁層延端部が対向する領域における上記第1絶縁層と上記第2絶縁層との間に充填されている上記導電性樹脂組成物の厚さが、上記プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さであることを特徴とする。
【0030】
上記本発明のシールドプリント配線板の製造方法により、本発明のシールドプリント配線板を製造することができる。
特に、本発明のシールドプリント配線板では、第1絶縁層延端部及び第2絶縁層延端部が対向する領域における第1絶縁層と第2絶縁層との間に充填されている導電性樹脂組成物の厚さが、プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さである。
そのため、第1絶縁層延端部と第2絶縁層延端部とが対向する領域は、隙間なく導電性樹脂組成物で充填されている。
【0031】
本発明のシールドプリント配線板では、上記第1絶縁層と上記導電性樹脂組成物との間には第1シールド層が形成されていることが望ましい。また、上記第2絶縁層と上記導電性樹脂組成物との間には第2シールド層が形成されていることが望ましい。
第1シールド層は、金属からなっていてもよく、第1シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。また、第2シールド層は、金属からなっていてもよく、第2シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。
このように第1シールド層及び第2シールド層が形成されていると、電磁波を好適にシールドすることができる。
【0032】
本発明のシールドプリント配線板では、上記導電性樹脂組成物は、等方導電性樹脂組成物であることが望ましい。
導電性樹脂組成物が等方導電性樹脂組成物であると、プリント配線板から放射される電磁波ノイズを効果的に遮断することができる。
【0033】
本発明のシールドプリント配線板では、上記導電性樹脂組成物は、導電性粒子と、樹脂とを含み、上記導電性粒子の重量割合は、3~90重量%であることが望ましく、39重量%~80重量%であることがより望ましい。
導電性粒子の重量割合が3重量%未満であると、シールド性が充分になりにくくなる。
導電性粒子の重量割合が90重量%を超えると、製造時において、導電性樹脂組成物の接着力が低下しやすくなる。
【0034】
本発明のシールドプリント配線板では、上記プリント配線板の上記プリント回路にはグランド回路が含まれ、上記グランド回路の一部は外部に露出しており、上記グランド回路と前記導電性樹脂組成物とが電気的に接続していることが望ましい。
プリント配線板がこのような構造であると、グランド回路と導電性樹脂組成物とを電気的に接続することができる。
【0035】
本発明のシールドプリント配線板では、上記第1絶縁層は、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
また、上記第2絶縁層は、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
第1絶縁層及び/又は第2絶縁層が上記組成物からなると、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層の強度を強くすることができる。
そのため、第1絶縁層及び/又は第2絶縁層に破損等が生じにくくなる。
【発明の効果】
【0036】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、仮プレス工程と本プレス工程との2段階に分けて第1接着剤層及び第2接着剤層を硬化させているので、プリント配線板、第1接着剤層及び第2接着剤層を充分に密着させると共に、第1延端部と第2延端部との間に隙間が生じることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図4図4は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図5図5は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図6図6は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合せ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図7図7は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図8図8は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図9A図9Aは、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図9B図9Bは、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図10図10は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図11図11は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図12図12は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図13図13は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図14図14は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図15図15は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図16図16は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図17図17は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図18A図18Aは、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図18B図18Bは、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図19図19は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図20図20は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図21図21は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図22図22は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図23図23は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図24図24は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図25図25は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図26図26は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図27A図27Aは、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図27B図27Bは、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図28図28は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図29図29は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図30図30は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図31図31は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図32図32は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図33図33は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図34図34は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図35図35は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図36A図36Aは、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図36B図36Bは、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図37図37は、本発明の第5実施形態に係るシールドプリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明のシールドプリント配線板の製造方法について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。
【0039】
(第1実施形態)
本発明のシールドプリント配線板の製造方法の一例である本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法について図面を用いて説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図4は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図5は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図6は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図7は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図8は、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図9A及び図9Bは、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
【0041】
<プリント配線板準備工程>
本工程では、図1に示すように、ベースフィルム11と、ベースフィルム11の上に形成されたプリント回路12と、プリント回路12を覆うカバーレイ13とを備えるプリント配線板10を準備する。
プリント配線板10において、プリント回路12にはグランド回路12aが含まれている。
また、カバーレイ13には、グランド回路12aを露出する開口部13aが形成されている。
【0042】
(ベースフィルム及びカバーレイ)
ベースフィルム11及びカバーレイ13の材料は、特に限定されないが、エンジニアリングプラスチックからなることが望ましい。このようなエンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂などの樹脂が挙げられる。
また、これらのエンジニアリングプラスチックの内、難燃性が要求される場合には、ポリフェニレンサルファイドフィルムが望ましく、耐熱性が要求される場合にはポリイミドフィルムが望ましい。なお、ベースフィルム11の厚みは、10~40μmであることが望ましく、カバーレイ13の厚みは、10~30μmであることが望ましい。
【0043】
開口部13aの大きさは特に限定されないが、0.03~320mmであることが望ましく、0.1~2.0mmであることがより望ましい。
また、開口部13aの形状は、特に限定されず、円形、楕円形、四角形、三角形等であってもよい。
【0044】
(プリント回路)
プリント回路12及びグランド回路12aの材料は、特に限定されず、公知の導電性材料を使用することができ、例えば銅箔や、導電性ペーストの硬化物等であってもよい。
【0045】
<第1電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図2に示すように、第1保護フィルム21と、第1絶縁層22と、第1シールド層24と、第1接着剤層23とが順に積層された第1電磁波シールドフィルム20を準備する。
なお、第1電磁波シールドフィルム20は、プリント配線板10の幅よりも広い幅を有する。また、第1接着剤層23は、第1接着剤層用樹脂と第1接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性を有する。
【0046】
(第1保護フィルム)
第1保護フィルム21の材料は、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリブテン、軟質ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のプラスチックシート等、グラシン紙、上質紙、クラフト紙、コート紙等の紙類、各種の不織布、合成紙、金属層や、これらを組み合わせた複合フィルム等であってもよい。
第1保護フィルム21は片面又は両面に離型処理をされたフィルムであってもよい。離型処理方法としては、離型剤をフィルムの片面又は両面に塗布したり、物理的にマット化処理する方法が挙げられる。
【0047】
また、第1保護フィルム21の厚さは、10~150μmであることが望ましく、20~100μmであることがより望ましく、40~60μmであることがさらに望ましい。
第1保護フィルムの厚さが、10μm未満であると、第1保護フィルムが破断しやすくなり、後述する保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルムを剥離しにくくなる。
第1保護フィルムの厚さが、150μmを超えると、扱いにくくなる。
【0048】
(第1絶縁層)
第1絶縁層22の材料は特に限定されないが、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエステルイミド系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、架橋ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましく、ポリイミド系樹脂であることがより望ましい。
【0049】
また、第1絶縁層22は、1種単独の材料から構成されていてもよく、2種以上の材料から構成されていてもよい。
【0050】
第1絶縁層22には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤、ブロッキング防止剤等が含まれていてもよい。
【0051】
第1絶縁層22の厚さは、特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができるが、1~15μmであることが望ましく、3~10μmであることがより望ましい。
第1絶縁層の厚さが1μm未満であると、シールドフィルムがプリント配線板の段差に追随できず、後の本プレス工程において隙間から空気を抜きにくくなる。また、薄すぎるので第1シールド層及び第1接着剤層を充分に保護しにくくなる。
第1絶縁層の厚さが15μmを超えると、後の本プレス工程において圧力が分散しやすくなり隙間から空気を抜きにくくなる。また、厚すぎるので第1絶縁層が折り曲がりにくくなり、第1絶縁層自身が破損しやすくなる。そのため、耐折り曲げ性が要求される部材へ適用しにくくなる。
【0052】
(第1シールド層)
第1シールド層24は、電磁波をシールドすることができれば、その材料は特に限定されず、例えば、金属からなっていてもよく、第1シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。
【0053】
第1シールド層24が金属からなる場合、金属としては金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ、パラジウム、クロム、チタン、亜鉛等が挙げられる。これらの中では、銅であることが望ましい。銅は、導電性及び経済性の観点から第1シールド層にとって好適な材料である。
【0054】
なお、第1シールド層24は、上記金属の合金からなっていてもよい。
また、第1シールド層24は、金属箔であってもよく、スパッタリングや無電解めっき、電解めっき等の方法で形成された金属膜であってもよい。
【0055】
第1シールド層24が金属からなる場合、第1シールド層の厚みは、充分なシールド性を確保する観点からは0.01μm以上が望ましく、0.1μm以上がより望ましく、0.5μm以上がさらに望ましい。また、薄型化の観点から、20μm以下が望ましく、15μm以下がより望ましく、10μm以下がさらに望ましい。
【0056】
第1シールド層24が第1シールド層用導電性樹脂組成物からなる場合、第1シールド層24は、導電性粒子と樹脂から構成されていてもよい。
【0057】
導電性粒子としては、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
【0058】
導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
【0059】
導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~15.0μmであることが望ましい。導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、第1シールド層用導電性樹脂組成物の導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、第1シールド層用導電性樹脂組成物からなる第1シールド層24を薄くすることができる。
【0060】
導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
【0061】
導電性粒子の配合量は、特に限定されないが、15~90重量%であることが望ましく、15~60重量%であることがより望ましい。
【0062】
樹脂としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等の熱可塑性樹脂組成物や、フェノール系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アルキッド系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
【0063】
(第1接着剤層)
第1接着剤層23は、第1接着剤層用樹脂と第1接着剤層用導電性粒子とからなる。
【0064】
第1接着剤層用樹脂は、熱硬化性樹脂からなっていてもよく、熱可塑性樹脂からなっていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びアルキッド系樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、イミド系樹脂、及びアクリル系樹脂が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、アミド変性エポキシ樹脂であることがより望ましい。
これらの樹脂は、第1接着剤層23を構成する樹脂として適している。
【0065】
第1接着剤層用導電性粒子は、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
【0066】
第1接着剤層用導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
【0067】
第1接着剤層用導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~15.0μmであることが望ましい。第1接着剤層用導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、第1接着剤層の導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、第1接着剤層を薄くすることができる。
【0068】
第1接着剤層用導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
【0069】
第1接着剤層における第1接着剤層用導電性粒子の重量割合は、3~90重量%であることが望ましく、39~90重量%であることがより望ましい。
第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が3重量%未満であると、シールド性が充分になりにくくなる。
第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が90重量%を超えると、第1接着剤層と第2接着剤層との密着性が低下しやすくなる。
また、第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が39~90重量%であると、第1接着剤層が等方導電性を有することになる。
【0070】
第1接着剤層23の厚さは、特に限定されないが、1~50μmであることが望ましく、3~30μmであることがより望ましい。
第1接着剤層の厚さが1μm未満であると、第1接着剤層を構成する樹脂の量が少ないため、充分な接着性能が得られにくい。また、第1接着剤層が破損しやすくなる。
第1接着剤層の厚さが50μmを超えると、全体が厚くなり、柔軟性が失われて第1延端部及び第2延端部が対向する領域が破損しやすくなる。
【0071】
第1接着剤層23は、等方導電性樹脂組成物であることが望ましい。
第1接着剤層23が等方導電性樹脂組成物であると、プリント配線板から放射される電磁波ノイズを効果的に遮断することができる。
【0072】
後述するように第1接着剤層23は、グランド回路12aと電気的に接続されることになる。
また、第1電磁波シールドフィルム20では、第1絶縁層22と第1シールド層24との間にはアンカーコート層が形成されていてもよい。
アンカーコート層の材料としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂をシェルとしアクリル樹脂をコアとするコア・シェル型複合樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、アミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリイソシアネートにフェノール等のブロック化剤を反応させて得られたブロックイソシアネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0073】
<第2電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図3に示すように、第2保護フィルム31と、第2絶縁層32と、第2シールド層34と、第2接着剤層33とが順に積層された第2電磁波シールドフィルム30を準備する。
なお、第2電磁波シールドフィルム30は、プリント配線板10の幅よりも広い幅を有する。また、第2接着剤層33は、第2接着剤層用樹脂と第2接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性を有する。
第2電磁波シールドフィルム30において、第2保護フィルム31、第2絶縁層32、第2シールド層34、及び、第2接着剤層33(第2接着剤層用樹脂及び第2接着剤層用導電性粒子)の望ましい構成は、上記第1電磁波シールドフィルム20における、第1保護フィルム21、第1絶縁層22、第1シールド層24、及び、第1接着剤層23(第1接着剤層用樹脂及び第1接着剤層用導電性粒子)の望ましい構成と同じである。
【0074】
<第1電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図4に示すように、第1接着剤層23がプリント配線板10のカバーレイ13側の面に接触するように第1電磁波シールドフィルム20をプリント配線板10に配置する。
この際、第1接着剤層23の両端をプリント配線板10の端部よりも外側に位置させて第1延端部23aとする。
【0075】
<第2電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図5に示すように、第2接着剤層33がプリント配線板10のベースフィルム11側の面に接触するように第2電磁波シールドフィルム30をプリント配線板10に配置する。
この際、第2接着剤層33の両端をプリント配線板10の端部よりも外側に位置させて第2延端部33aとする。
【0076】
<重ね合わせ工程>
本工程では、図6に示すように、第1電磁波シールドフィルム20の両端に位置する第1接着剤層23の第1延端部23aと、第2電磁波シールドフィルム30の両端に位置する第2接着剤層33の第2延端部33aとの間の一部に隙間40が生じるように、第1接着剤層23と、第2接着剤層33とを重ね合わせ、仮プレス前シールドプリント配線板51を作製する。
【0077】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、後述するように仮プレス工程及び本プレス工程を行うことにより、2段階に分けて第1接着剤層23及び第2接着剤層33を硬化させることになる。
重ね合わせ工程において第1延端部23aと第2延端部33aとの間に隙間40が生じていたとしても、これらの工程を経ることにより、隙間40から空気を抜くことができ、第1接着剤層23と第2接着剤層33とを充分に密着させることができる。
なお、重ね合わせ工程においてこのような隙間が形成されないように第1接着剤層と第2接着剤層とを重ね合わせようとすると、重ね合わせる際に高い圧力と時間をかける必要があり、生産効率が悪くなる。
【0078】
<仮プレス工程>
本工程では、図7に示すように、第1接着剤層23及び第2接着剤層33が完全に硬化しないように、第1保護フィルム21側及び第2保護フィルム31側から仮プレス前シールドプリント配線板51を加圧・加熱し、仮プレス後シールドプリント配線板52を作製する。
【0079】
仮プレス工程では、第1接着剤層23及び第2接着剤層33を完全に硬化しないように加圧・加熱している。すなわち、仮プレス工程において、第1接着剤層23及び第2接着剤層33を半硬化状態としている。
第1接着剤層23及び第2接着剤層33を半硬化状態とすることにより、第1電磁波シールドフィルム20及び第2電磁波シールドフィルム30の位置を固定することができる。
そのため、後述する保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルム21及び第2保護フィルム31を剥離しやすくなる。
また、第1保護フィルム21及び第2保護フィルム31がある状態で加圧・加熱するので、斑なく圧力をかけることができる。
また、後述する本プレス工程で、第1接着剤層23と第2接着剤層33との間の隙間40から空気を抜きやすくなる。
【0080】
仮プレス工程における加圧・加熱条件としては、以下の条件が挙げられる。
すなわち、圧力は、0.2~0.7MPaであることが望ましく、0.3~0.6MPaであることがより望ましい。
温度は、100~150℃であることが望ましく、110~130℃であることがより望ましい。
時間は、1~10sであることが望ましく、3~7sであることがより望ましい。
仮プレス工程における加圧・加熱条件が上記範囲であると、第1接着剤層23及び第2接着剤層33を好適に半硬化状態とすることができる。
【0081】
<保護フィルム剥離工程>
本工程では、図8に示すように、仮プレス後シールドプリント配線板52から第1保護フィルム21及び第2保護フィルム31を剥離し本プレス前シールドプリント配線板53を作製する。
【0082】
<本プレス工程>
本工程では、図9Aに示すように、第1絶縁層22側及び第2絶縁層32側から本プレス前シールドプリント配線板53を加圧・加熱し、第1接着剤層23及び第2接着剤層33を硬化させる。
この際、第1接着剤層23と第2接着剤層33との間の隙間40から空気が抜け、第1接着剤層23は、開口部13aを埋め、グランド回路12aと接触することになる。
【0083】
保護フィルム剥離工程において第1保護フィルム21及び第2保護フィルム31を剥離せずに本プレス工程を行った場合、圧力が吸収され、第1接着剤層23と第2接着剤層33との間の隙間40から空気を抜きにくくなる。
しかし、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1保護フィルム21及び第2保護フィルム31を剥離してから本プレス工程を行っている。そのため、本プレス工程における圧力が吸収されにくくなる。従って、第1接着剤層23と第2接着剤層33との間の一部に隙間40があったとしても、本プレス工程を行うことにより、その隙間40から空気を充分に抜くことができる。
その結果、プリント配線板10、第1接着剤層23及び第2接着剤層33を充分に密着させることができる。
【0084】
本プレス工程における加圧・加熱条件としては、以下の条件が挙げられる。
すなわち、圧力は、1~5MPaであることが望ましく、2~4MPaであることがより望ましい。
温度は、150℃~190℃であることが望ましく、160~190℃であることがより望ましく、165~180℃であることがさらに望ましい。
時間は、60s~2hであることが望ましく、120s~1hであることがより望ましく、180s~0.5hであることがさらに望ましい。
本プレス工程における加圧・加熱条件が上記範囲であると、第1接着剤層23と第2接着剤層33との間の隙間40から空気を充分に抜くことができ、かつ、第1接着剤層23及び第2接着剤層33を充分に硬化させることができる。
【0085】
なお、本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1電磁波シールドフィルム準備工程及び第2電磁波シールドフィルム準備工程において、本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することが望ましく、1/20倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがより望ましく、1/15倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがさらに望ましい。
上記範囲に第1接着剤層及び/又は第2接着剤層の厚さを調整することにより、第1接着剤層と第2接着剤層とを充分に密着させやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍未満である場合、第1接着層と第2接着剤層との間に隙間が生じやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1倍を超えると、シールドプリント配線板が厚くなり、シールドプリント配線板の薄型化の観点から好ましくない。
【0086】
以上の工程を経て、図9Bに示すように、シールドプリント配線板54を製造することができる。
図9Bに示すシールドプリント配線板54は、プリント配線板10と、プリント配線板10の上に配置された第1電磁波シールド部20aと、プリント配線板10の下に配置された第2電磁波シールド部30aとからなる。
なお、第1電磁波シールド部20aは、第1電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位であり、第2電磁波シールド部30aは、第2電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位である。
【0087】
プリント配線板10は、ベースフィルム11と、ベースフィルム11の上に形成されたグランド回路12aを含むプリント回路12と、プリント回路12を覆うカバーレイ13とを備えており、カバーレイ13には、グランド回路12aを露出する開口部13aが形成されている。
【0088】
第1電磁波シールド部20aは、第1絶縁層22と、第1シールド層24と、第1接着剤層23とが順に積層されてなる。
第1接着剤層23は、カバーレイ13と接するように配置されている。
また、第1接着剤層23は、カバーレイ13の開口部13aを埋めており、第1接着剤層23とグランド回路12aとは接触している。
【0089】
第2電磁波シールド部30aは、第2絶縁層32と、第2シールド層34と、第2接着剤層33とが順に積層されてなる。
第2接着剤層33は、ベースフィルム11と接するように配置されている。
【0090】
さらに、シールドプリント配線板54では、第1電磁波シールド部20aの幅が、プリント配線板10の幅よりも広く、第1電磁波シールド部20aの第1接着剤層23の両端は、プリント配線板10の両端よりも外側に位置し第1延端部23aを形成している。
また、シールドプリント配線板54では、第2電磁波シールド部30aの幅が、プリント配線板10の幅よりも広く、第2電磁波シールド部30aの両端は、プリント配線板10の両端よりも外側に位置し第2延端部33aを形成している。
そして、第1延端部23aに位置する第1接着剤層23と、第2延端部33aに位置する第2接着剤層33とは接着されている。
なお、シールドプリント配線板では、第1延端部に位置する第1接着剤層及び第2延端部に位置する第2接着剤層は境界が判別できない程一体化しているが、図9Bでは、第1延端部23aに位置する第1接着剤層23及び第2延端部33aに位置する第2接着剤層33は、便宜上、別領域として記載している。
【0091】
(第2実施形態)
次に、本発明のシールドプリント配線板の製造方法の一例である本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法を説明する。
【0092】
図10は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図11は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図12は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図13は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図14は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図15は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図16は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図17は、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図18A及び図18Bは、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
【0093】
<プリント配線板準備工程>
本工程では、図10に示すように、ベースフィルム111と、ベースフィルム111の上に形成されたプリント回路112と、プリント回路112を覆うカバーレイ113とを備えるプリント配線板110を準備する。
プリント配線板110において、プリント回路112にはグランド回路112aが含まれている。
また、カバーレイ113には、グランド回路112aを露出する開口部13aが形成されている。
【0094】
本工程で準備するプリント配線板110のベースフィルム111、プリント回路112及びカバーレイ113の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法におけるベースフィルム11、プリント回路12及びカバーレイ13の望ましい材料等と同じである。
【0095】
<第1電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図11に示すように、第1保護フィルム121と、第1絶縁層122と、第1接着剤層123とが順に積層された第1電磁波シールドフィルム120を準備する。
なお、第1電磁波シールドフィルム120は、プリント配線板110の幅よりも広い幅を有する。
【0096】
第1保護フィルム121及び第1絶縁層122の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法における第1保護フィルム21及び第1絶縁層22の望ましい材料等と同じである。
【0097】
また、第1接着剤層123は、第1接着剤層用樹脂と第1接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性及び電磁波シールド機能を有する。すなわち、第1接着剤層123が、接着剤としての機能及び電磁波シールド機能の両方を備えることになる。
【0098】
第1接着剤層用樹脂は、熱硬化性樹脂からなっていてもよく、熱可塑性樹脂からなっていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びアルキッド系樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、イミド系樹脂、及びアクリル系樹脂が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、アミド変性エポキシ樹脂であることがより望ましい。
これらの樹脂は、第1接着剤層123を構成する樹脂として適している。
【0099】
第1接着剤層用導電性粒子は、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
【0100】
第1接着剤層用導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
【0101】
第1接着剤層用導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~15.0μmであることが望ましい。第1接着剤層用導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、第1接着剤層の導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、第1接着剤層を薄くすることができる。
【0102】
第1接着剤層用導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
【0103】
第1接着剤層における第1接着剤層用導電性粒子の重量割合は、3~90重量%であることが望ましく、39~90重量%であることがより望ましい。
第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が3重量%未満であると、シールド性が充分になりにくくなる。
第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が90重量%を超えると、第1接着剤層と第2接着剤層との密着性が低下しやすくなる。
また、第1接着剤層用導電性粒子の重量割合が39~90重量%であると、第1接着剤層が等方導電性を有することになる。
【0104】
第1接着剤層123の厚さは、特に限定されないが、1~50μmであることが望ましく、3~30μmであることがより望ましい。
第1接着剤層の厚さが1μm未満であると、第1接着剤層を構成する樹脂の量が少ないため、充分な接着性能が得られにくい。また、破損しやすくなる。
第1接着剤層の厚さが50μmを超えると、全体が厚くなり、柔軟性が失われやすい。
【0105】
<第2電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図12に示すように、第2保護フィルム131と、第2絶縁層132と、第2接着剤層133とが順に積層された第2電磁波シールドフィルム130を準備する。
なお、第2電磁波シールドフィルム130は、プリント配線板110の幅よりも広い幅を有する。
【0106】
第2保護フィルム131及び第2絶縁層132の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法における第2保護フィルム31及び第2絶縁層32の望ましい材料等と同じである。
【0107】
また、第2接着剤層133は、第2接着剤層用樹脂と第2接着剤層用導電性粒子とを含み、導電性及び電磁波シールド機能を有する。すなわち、第2接着剤層133が、接着剤としての機能及び電磁波シールド機能の両方を備えることになる。
また、第2接着剤層133を構成する第2接着剤層用樹脂及び第2接着剤層用導電性粒子の望ましい材料等は、上記第1接着剤層123を構成する第1接着剤層用樹脂及び第1接着剤層用導電性粒子の望ましい材料等と同じである。
【0108】
<第1電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図13に示すように、第1接着剤層123がプリント配線板110のカバーレイ113側の面に接触するように第1電磁波シールドフィルム120をプリント配線板110に配置する。
この際、第1接着剤層123の両端をプリント配線板110の端部よりも外側に位置させて第1延端部123aとする。
【0109】
<第2電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図14に示すように、第2接着剤層133がプリント配線板110のベースフィルム111側の面に接触するように第2電磁波シールドフィルム130をプリント配線板110に配置する。
この際、第2接着剤層133の両端をプリント配線板110の端部よりも外側に位置させて第2延端部133aとする。
【0110】
<重ね合わせ工程>
本工程では、図15に示すように、第1電磁波シールドフィルム120の両端に位置する第1接着剤層123の第1延端部123aと、第2電磁波シールドフィルム130の両端に位置する第2接着剤層133の第2延端部133aとの間の一部に隙間140が生じるように、第1接着剤層123と、第2接着剤層133とを重ね合わせ、仮プレス前シールドプリント配線板151を作製する。
【0111】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、後述するように仮プレス工程及び本プレス工程を行うことにより、2段階に分けて第1接着剤層123及び第2接着剤層133を硬化させることになる。
重ね合わせ工程において第1延端部123aと第2延端部133aとの間に隙間140が生じていたとしても、これらの工程を経ることにより、隙間140から空気を抜くことができ、第1接着剤層123と第2接着剤層133とを充分に密着させることができる。
なお、重ね合わせ工程においてこのような隙間が形成されないように第1接着剤層と第2接着剤層とを重ね合わせようとすると、重ね合わせる際に高い圧力と時間をかける必要があり、生産効率が悪くなる。
【0112】
<仮プレス工程>
本工程では、図16に示すように、第1接着剤層123及び第2接着剤層133が完全に硬化しないように、第1保護フィルム121側及び第2保護フィルム131側から仮プレス前シールドプリント配線板151を加圧・加熱し、仮プレス後シールドプリント配線板152を作製する。
【0113】
仮プレス工程では、第1接着剤層123及び第2接着剤層133を完全に硬化しないように加圧・加熱している。すなわち、仮プレス工程において、第1接着剤層123及び第2接着剤層133を半硬化状態としている。
第1接着剤層123及び第2接着剤層133を半硬化状態とすることにより、第1電磁波シールドフィルム120及び第2電磁波シールドフィルム130の位置を固定することができる。
そのため、後述する保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルム121及び第2保護フィルム131を剥離しやすくなる。
また、第1保護フィルム121及び第2保護フィルム131がある状態で加圧・加熱するので、斑なく圧力をかけることができる。
また、後述する本プレス工程で、第1接着剤層123と第2接着剤層133との間の隙間140から空気を抜きやすくなる。
【0114】
仮プレス工程における加圧・加熱の望ましい条件は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程における加圧・加熱条件の望ましい条件と同じである。
【0115】
<保護フィルム剥離工程>
本工程では、図17に示すように、仮プレス後シールドプリント配線板152から第1保護フィルム121及び第2保護フィルム131を剥離し本プレス前シールドプリント配線板153を作製する。
【0116】
<本プレス工程>
本工程では、図18Aに示すように、第1絶縁層122側及び第2絶縁層132側から本プレス前シールドプリント配線板153を加圧・加熱し、第1接着剤層123及び第2接着剤層133を硬化させる。
この際、第1接着剤層123と第2接着剤層133との間の隙間40から空気が抜け、第1接着剤層123は、開口部113aを埋め、グランド回路112aと接触することになる。
【0117】
保護フィルム剥離工程において第1保護フィルム121及び第2保護フィルム131を剥離せずに本プレス工程を行った場合、圧力が吸収され、第1接着剤層123と第2接着剤層133との間の隙間140から空気を抜きにくくなる。
しかし、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1保護フィルム121及び第2保護フィルム131を剥離してから本プレス工程を行っている。
そのため、本プレス工程における圧力が吸収されにくくなる。従って、第1接着剤層123と第2接着剤層133との間の一部に隙間140があったとしても、本プレス工程を行うことにより、その隙間140から空気を充分に抜くことができる。
その結果、プリント配線板110、第1接着剤層123及び第2接着剤層133を充分に密着させることができる。
【0118】
本プレス工程における加圧・加熱の望ましい条件は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程における加圧・加熱条件の望ましい条件と同じである。
【0119】
なお、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板第の製造方法では、第1電磁波シールドフィルム準備工程及び第2電磁波シールドフィルム準備工程において、本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することが望ましく、1/20倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがより望ましく、1/15倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがさらに望ましい。
上記範囲に第1接着剤層及び/又は第2接着剤層の厚さを調整することにより、第1接着剤層と第2接着剤層とを充分に密着させやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍未満である場合、第1接着層と第2接着剤層との間に隙間が生じやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1倍を超えると、シールドプリント配線板が厚くなり、用途が制限されてしまう。
【0120】
以上の工程を経て、図18Bに示すように、シールドプリント配線板154を製造することができる。
図18Bに示すシールドプリント配線板154は、プリント配線板110と、プリント配線板110の上に配置された第1電磁波シールド部120aと、プリント配線板110の下に配置された第2電磁波シールド部130aとからなる。
なお、第1電磁波シールド部120aは、第1電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位であり、第2電磁波シールド部130aは、第2電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位である。
【0121】
プリント配線板110は、ベースフィルム111と、ベースフィルム111の上に形成されたグランド回路112aを含むプリント回路112と、プリント回路112を覆うカバーレイ113とを備えており、カバーレイ113には、グランド回路112aを露出する開口部113aが形成されている。
【0122】
第1電磁波シールド部120aは、第1絶縁層122と、第1接着剤層123とが順に積層されてなる。
第1接着剤層123は、カバーレイ113と接するように配置されている。
また、第1接着剤層123は、カバーレイ113の開口部113aを埋めており、第1接着剤層123とグランド回路112aとは接触している。
【0123】
第2電磁波シールド部130aは、第2絶縁層132と、第2接着剤層133とが順に積層されてなる。
第2接着剤層133は、ベースフィルム111と接するように配置されている。
【0124】
さらに、シールドプリント配線板154では、第1電磁波シールド部120aの幅が、プリント配線板110の幅よりも広く、第1電磁波シールド部120aの第1接着剤層123の両端は、プリント配線板110の両端よりも外側に位置し第1延端部123aを形成している。
また、シールドプリント配線板154では、第2電磁波シールド部130aの幅が、プリント配線板110の幅よりも広く、第2電磁波シールド部130aの両端は、プリント配線板110の両端よりも外側に位置し第2延端部133aを形成している。
そして、第1延端部123aに位置する第1接着剤層123と、第2延端部133aに位置する第2接着剤層133とは接着されている。
なお、シールドプリント配線板では、第1延端部に位置する第1接着剤層及び第2延端部に位置する第2接着剤層は境界が判別できない程一体化しているが、図18Bでは、第1延端部123aに位置する第1接着剤層123及び第2延端部133aに位置する第2接着剤層133は、便宜上、別領域として記載している。
【0125】
(第3実施形態)
次に、本発明のシールドプリント配線板の製造方法の一例である本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法を説明する。
【0126】
図19は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図20は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図21は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図22は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図23は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図24は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図25は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図26は、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図27A及び図27Bは、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
【0127】
<プリント配線板準備工程>
本工程では、図19に示すように、ベースフィルム211と、ベースフィルム211の一方の面に形成されたプリント回路212と、プリント回路212を覆うカバーレイ213と、ベースフィルム211の他方の面に形成されたプリント回路214と、プリント回路214を覆うカバーレイ215とからなるプリント配線板210を準備する。
【0128】
プリント配線板210において、プリント回路212にはグランド回路212aが含まれている。また、カバーレイ213には、グランド回路212aを露出する開口部213aが形成されている。
プリント配線板210において、プリント回路214にはグランド回路214aが含まれている。また、カバーレイ215には、グランド回路214aを露出する開口部215aが形成されている。
【0129】
ベースフィルム211、プリント回路212及びプリント回路214、グランド回路212a及びグランド回路214a、並びに、カバーレイ213及びカバーレイ215の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法におけるベースフィルム11、プリント回路12、グランド回路12a及びカバーレイ13と同じ材料である。
【0130】
<第1電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図20に示すように、第1保護フィルム221と、第1絶縁層222と、第1シールド層224と、第1接着剤層223とが順に積層された第1電磁波シールドフィルム220を準備する。
なお、第1電磁波シールドフィルム220は、プリント配線板210の幅よりも広い幅を有し、第1接着剤層223は導電性を有する。
【0131】
第1保護フィルム221、第1絶縁層222、第1シールド層224及び第1接着剤層223の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法における第1保護フィルム21、第1絶縁層22、第1シールド層24及び第1接着剤層23の望ましい材料等と同じである。
【0132】
<第2電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図21に示すように、第2保護フィルム231と、第2絶縁層232と、第2シールド層234と、第2接着剤層233とが順に積層された第2電磁波シールドフィルム230を準備する。
なお、第2電磁波シールドフィルム230は、プリント配線板210の幅よりも広い幅を有し、第2接着剤層233は導電性を有する。
【0133】
第2保護フィルム231、第2絶縁層232、第2シールド層234及び第2接着剤層233の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法における第2保護フィルム31、第2絶縁層32、第2シールド層34及び第2接着剤層33の望ましい材料等と同じである。
【0134】
<第1電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図22に示すように、第1接着剤層223がプリント配線板210のカバーレイ213側の面に接触するように第1電磁波シールドフィルム220をプリント配線板210に配置する。
この際、第1接着剤層223の両端をプリント配線板210の端部よりも外側に位置させて第1延端部223aとする。
【0135】
<第2電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図23に示すように、第2接着剤層233がプリント配線板210のカバーレイ215側の面に接触するように第2電磁波シールドフィルム230をプリント配線板210に配置する。
この際、第2接着剤層233の両端をプリント配線板210の端部よりも外側に位置させて第2延端部233aとする。
【0136】
<重ね合わせ工程>
本工程では、図24に示すように、第1電磁波シールドフィルム220の両端に位置する第1接着剤層223の第1延端部223aと、第2電磁波シールドフィルム230の両端に位置する第2接着剤層233の第2延端部33aとの間の一部に隙間240が生じるように、第1接着剤層223と、第2接着剤層233とを重ね合わせ、仮プレス前シールドプリント配線板251を作製する。
【0137】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、後述するように仮プレス工程及び本プレス工程を行うことにより、2段階に分けて第1接着剤層223及び第2接着剤層233を硬化させることになる。
重ね合わせ工程において第1延端部223aと第2延端部233aとの間に隙間240が生じていたとしても、これらの工程を経ることにより、隙間240から空気を抜くことができ、第1接着剤層223と第2接着剤層233とを充分に密着させることができる。
なお、重ね合わせ工程においてこのような隙間が形成されないように第1接着剤層と第2接着剤層とを重ね合わせようとすると、重ね合わせる際に高い圧力と時間をかける必要があり、生産効率が悪くなる。
【0138】
<仮プレス工程>
本工程では、図25に示すように、第1接着剤層223及び第2接着剤層233が完全に硬化しないように、第1保護フィルム221側及び第2保護フィルム231側から仮プレス前シールドプリント配線板251を加圧・加熱し、仮プレス後シールドプリント配線板252を作製する。
【0139】
仮プレス工程では、第1接着剤層223及び第2接着剤層233を完全に硬化しないように加圧・加熱している。すなわち、仮プレス工程において、第1接着剤層223及び第2接着剤層233を半硬化状態としている。
第1接着剤層223及び第2接着剤層233を半硬化状態とすることにより、第1電磁波シールドフィルム220及び第2電磁波シールドフィルム230の位置を固定することができる。
そのため、後述する保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルム221及び第2保護フィルム231を剥離しやすくなる。
また、第1保護フィルム221及び第2保護フィルム231がある状態で加圧・加熱するので、斑なく圧力をかけることができる。
また、後述する本プレス工程で、第1接着剤層223と第2接着剤層233との間の隙間240から空気を抜きやすくなる。
【0140】
仮プレス工程における加圧・加熱の望ましい条件は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程における加圧・加熱条件の望ましい条件と同じである。
【0141】
<保護フィルム剥離工程>
本工程では、図26に示すように、仮プレス後シールドプリント配線板252から第1保護フィルム221及び第2保護フィルム231を剥離し本プレス前シールドプリント配線板253を作製する。
【0142】
<本プレス工程>
本工程では、図27Aに示すように、第1絶縁層222側及び第2絶縁層232側から本プレス前シールドプリント配線板253を加圧・加熱し、第1接着剤層223及び第2接着剤層233を硬化させる。
この際、第1接着剤層223と第2接着剤層233との間の隙間240から空気が抜け、第1接着剤層223は、開口部213aを埋め、グランド回路212aと接触することになる。また、第2接着剤層233は、開口部215aを埋め、グランド回路214aと接触することになる。
【0143】
保護フィルム剥離工程において第1保護フィルム221及び第2保護フィルム231を剥離せずに本プレス工程を行った場合、圧力が吸収され、第1接着剤層223と第2接着剤層233との間の隙間240から空気を抜きにくくなる。
しかし、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1保護フィルム221及び第2保護フィルム231を剥離してから本プレス工程を行っている。
そのため、本プレス工程における圧力が吸収されにくくなる。従って、第1接着剤層223と第2接着剤層233との間の一部に隙間240があったとしても、本プレス工程を行うことにより、その隙間40から空気を抜きやすくなる。
その結果、プリント配線板210、第1接着剤層223及び第2接着剤層233を充分に密着させることができる。
【0144】
本プレス工程における加圧・加熱の望ましい条件は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程における加圧・加熱条件の望ましい条件と同じである。
【0145】
なお、本発明の第3実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1電磁波シールドフィルム準備工程及び第2電磁波シールドフィルム準備工程において、本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することが望ましく、1/20倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがより望ましく、1/15倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがさらに望ましい。
上記範囲に第1接着剤層及び/又は第2接着剤層の厚さを調整することにより、第1接着剤層と第2接着剤層とを充分に密着させやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍未満である場合、第1接着層と第2接着剤層との間に隙間が生じやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1倍を超えると、シールドプリント配線板が厚くなり、用途が制限されてしまう。
【0146】
以上の工程を経て、図27Bに示すように、シールドプリント配線板254を製造することができる。
図27Bに示すシールドプリント配線板254は、プリント配線板210と、プリント配線板210の上に配置された第1電磁波シールド部220aと、プリント配線板210の下に配置された第2電磁波シールド部230aとからなる。
なお、第1電磁波シールド部220aは、第1電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位であり、第2電磁波シールド部230aは、第2電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位である。
【0147】
プリント配線板210は、ベースフィルム211と、ベースフィルム211の一方の面に形成されたプリント回路212と、プリント回路212を覆うカバーレイ213と、ベースフィルムの他方の面に形成されたプリント回路214と、プリント回路214を覆うカバーレイ215とからなる。
また、プリント回路212にはグランド回路212aが含まれ、プリント回路214にはグランド回路214aが含まれている。
さらに、カバーレイ213には、グランド回路212aを露出する開口部213aが形成されており、カバーレイ215にはグランド部材214aを露出する開口部215aが形成されている。
【0148】
第1電磁波シールド部220aは、第1絶縁層222と、第1シールド層224と、第1接着剤層223とが順に積層されてなる。
第1接着剤層223は、カバーレイ213と接するように配置されている。
また、第1接着剤層223は、カバーレイ213の開口部213aを埋めており、第1接着剤層223とグランド回路212aとは接触している。
【0149】
第2電磁波シールド部230aは、第2絶縁層232と、第2シールド層234と、第2接着剤層233とが順に積層されてなる。
第2接着剤層233は、カバーレイ215と接するように配置されている。
また、第2接着剤層233は、カバーレイ215の開口部215aを埋めており、第2接着剤層233とグランド回路214aとは接触している。
【0150】
さらに、シールドプリント配線板254では、第1電磁波シールド部220aの幅が、プリント配線板210の幅よりも広く、第1電磁波シールド部220aの第1接着剤層223の両端は、プリント配線板210の両端よりも外側に位置し第1延端部223aを形成している。
また、シールドプリント配線板254では、第2電磁波シールド部230aの幅が、プリント配線板210の幅よりも広く、第2電磁波シールド部230aの両端は、プリント配線板210の両端よりも外側に位置し第2延端部233aを形成している。
そして、第1延端部223aに位置する第1接着剤層223と、第2延端部233aに位置する第2接着剤層233とは接着されている。
なお、シールドプリント配線板では、第1延端部に位置する第1接着剤層及び第2延端部に位置する第2接着剤層は境界が判別できない程一体化しているが、図27Bでは、第1延端部223aに位置する第1接着剤層223及び第2延端部233aに位置する第2接着剤層233は、便宜上、別領域として記載している。
【0151】
(第4実施形態)
次に、本発明のシールドプリント配線板の製造方法の一例である本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法を説明する。
【0152】
図28は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法のプリント配線板準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図29は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図30は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム準備工程の一例を模式的に示す工程図である。
図31は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第1電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図32は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の第2電磁波シールドフィルム配置工程の一例を模式的に示す工程図である。
図33は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の重ね合わせ工程の一例を模式的に示す工程図である。
図34は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
図35は、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の保護フィルム剥離工程の一例を模式的に示す工程図である。
図36A及び図36Bは、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の本プレス工程の一例を模式的に示す工程図である。
【0153】
<プリント配線板準備工程>
本工程では、図28に示すように、ベースフィルム311と、ベースフィルム311の上に形成されたプリント回路312と、プリント回路312を覆うカバーレイ313とを備えるプリント配線板310を準備する。
プリント配線板310において、プリント回路312にはグランド回路312aが含まれている。
また、プリント配線板310には、ベースフィルム311及びカバーレイ313を貫通する貫通孔316が形成されており、グランド回路312aは、貫通孔316から露出している。
【0154】
<第1電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図29に示すように、第1保護フィルム321と、第1絶縁層322と、第1シールド層324と、第1接着剤層323とが順に積層された第1電磁波シールドフィルム320を準備する。
なお、第1電磁波シールドフィルム320は、プリント配線板310の幅よりも広い幅を有し、第1接着剤層323は導電性を有する。
【0155】
第1保護フィルム321、第1絶縁層322、第1シールド層324及び第1接着剤層323の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法における第1保護フィルム21、第1絶縁層22、第1シールド層24及び第1接着剤層23の望ましい材料等と同じである。
【0156】
<第2電磁波シールドフィルム準備工程>
本工程では、図30に示すように、第2保護フィルム331と、第2絶縁層332と、第2シールド層334と、第2接着剤層333とが順に積層された第2電磁波シールドフィルム330を準備する。
なお、第2電磁波シールドフィルム330は、プリント配線板310の幅よりも広い幅を有し、第2接着剤層333は導電性を有する。
【0157】
第2保護フィルム331、第2絶縁層332、第2シールド層334及び第2接着剤層333の望ましい材料等は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法における第2保護フィルム31、第2絶縁層32、第2シールド層34及び第2接着剤層33の望ましい材料等と同じである。
【0158】
<第1電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図31に示すように、第1接着剤層323がプリント配線板310のカバーレイ313側の面するように第1電磁波シールドフィルム320をプリント配線板310に配置する。
この際、第1接着剤層323の両端をプリント配線板310の端部よりも外側に位置させて第1延端部323aとする。
【0159】
<第2電磁波シールドフィルム配置工程>
本工程では、図32に示すように、第2接着剤層333がプリント配線板310のベースフィルム311側の面に接触するように第2電磁波シールドフィルム330をプリント配線板310に配置する。
この際、第2接着剤層333の両端をプリント配線板310の端部よりも外側に位置させて第2延端部333aとする。
【0160】
<重ね合わせ工程>
本工程では、図33に示すように、第1電磁波シールドフィルム320の両端に位置する第1接着剤層323の第1延端部323aと、第2電磁波シールドフィルム330の両端に位置する第2接着剤層333の第2延端部333aとの間の一部に隙間340が生じるように、第1接着剤層323と、第2接着剤層333とを重ね合わせる。
また、貫通孔316に配置される第1電磁波シールドフィルム320の第1接着剤層323と、第2電磁波シールドフィルム330の第2接着剤層333との間にも隙間340が生じるように、第1接着剤層323と、第2接着剤層333とを重ね合わせる。
このようにして仮プレス前シールドプリント配線板351を作製する。
【0161】
本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、後述するように仮プレス工程及び本プレス工程を行うことにより、2段階に分けて第1接着剤層323及び第2接着剤層333を硬化させることになる。
重ね合わせ工程において第1延端部323aと第2延端部333aとの間や、貫通孔316に隙間340が生じていたとしても、これらの工程を経ることにより、隙間340から空気を抜くことができ、第1接着剤層323と第2接着剤層333とを充分に密着させることができる。
なお、重ね合わせ工程においてこのような隙間が形成されないように第1接着剤層と第2接着剤層とを重ね合わせようとすると、重ね合わせる際に高い圧力と時間をかける必要があり、生産効率が悪くなる。
【0162】
<仮プレス工程>
本工程では、図34に示すように、第1接着剤層323及び第2接着剤層333が完全に硬化しないように、第1保護フィルム321側及び第2保護フィルム331側から仮プレス前シールドプリント配線板351を加圧・加熱し、仮プレス後シールドプリント配線板352を作製する。
【0163】
仮プレス工程では、第1接着剤層323及び第2接着剤層333を完全に硬化しないように加圧・加熱している。すなわち、仮プレス工程において、第1接着剤層323及び第2接着剤層333を半硬化状態としている。
第1接着剤層323及び第2接着剤層333を半硬化状態とすることにより、第1電磁波シールドフィルム320及び第2電磁波シールドフィルム330の位置を固定することができる。
そのため、後述する保護フィルム剥離工程において、第1保護フィルム321及び第2保護フィルム331を剥離しやすくなる。
また、第1保護フィルム321及び第2保護フィルム331がある状態で加圧・加熱するので、斑なく圧力をかけることができる。
また、後述する本プレス工程で、第1接着剤層323と第2接着剤層333との間の隙間340から空気を抜きやすくなる。
【0164】
<保護フィルム剥離工程>
本工程では、図35に示すように、仮プレス後シールドプリント配線板352から第1保護フィルム321及び第2保護フィルム331を剥離し本プレス前シールドプリント配線板353を作製する。
【0165】
<本プレス工程>
本工程では、図36Aに示すように、第1絶縁層322側及び第2絶縁層332側から本プレス前シールドプリント配線板353を加圧・加熱し、第1接着剤層323及び第2接着剤層333を硬化させる。
この際、第1接着剤層323と第2接着剤層333との間の隙間340から空気が抜け、第1接着剤層323及び第2接着剤層333は、貫通孔316を埋めることになる。
また、第1接着剤層323は、グランド回路312aと接触することになる。
さらに、第1接着剤層323と、第2接着剤層333とは貫通孔316において接触することになる。
【0166】
保護フィルム剥離工程において第1保護フィルム321及び第2保護フィルム331を剥離せずに本プレス工程を行った場合、圧力が吸収され、第1接着剤層323と第2接着剤層333との間の隙間340から空気を抜きにくくなる。
しかし、本発明の第2実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1保護フィルム321及び第2保護フィルム331を剥離してから本プレス工程を行っている。
そのため、本プレス工程における圧力が吸収されにくくなる。従って、第1接着剤層323と第2接着剤層333との間の一部に隙間340があったとしても、本プレス工程を行うことにより、その隙間40から空気を充分に抜くことができる。
その結果、プリント配線板310、第1接着剤層323及び第2接着剤層333を充分に密着させることができる。
【0167】
本プレス工程における加圧・加熱の望ましい条件は、上記本発明の第1実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法の仮プレス工程における加圧・加熱条件の望ましい条件と同じである。
【0168】
なお、本発明の第4実施形態に係るシールドプリント配線板第の製造方法では、第1電磁波シールドフィルム準備工程及び第2電磁波シールドフィルム準備工程において、本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍の厚さ~1倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することが望ましく、1/20倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがより望ましく、1/15倍の厚さ~9/10倍の厚さになるように、第1接着剤層の厚さ、及び、第2接着剤層の厚さを調整することがさらに望ましい。
上記範囲に第1接着剤層及び/又は第2接着剤層の厚さを調整することにより、第1接着剤層と第2接着剤層とを充分に密着させやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1/30倍未満である場合、第1接着層と第2接着剤層との間に隙間が生じやすくなる。
本プレス工程後における、第1延端部の第1接着剤層の厚さ及び第2延端部の第2接着剤層の厚さの合計が、プリント配線板の厚さの1倍を超えると、シールドプリント配線板が厚くなり、用途が制限されてしまう。
【0169】
以上の工程を経て、図36Bに示すように、シールドプリント配線板354を製造することができる。
図36Bに示すシールドプリント配線板354は、プリント配線板310と、プリント配線板310の上に配置された第1電磁波シールド部320aと、プリント配線板310の下に配置された第2電磁波シールド部330aとからなる。
なお、第1電磁波シールド部320aは、第1電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位であり、第2電磁波シールド部330aは、第2電磁波シールドフィルムの接着剤層が硬化して形成された部位である。
【0170】
プリント配線板310は、ベースフィルム311と、ベースフィルム311の上に形成されたグランド回路312aを含むプリント回路312と、プリント回路312を覆うカバーレイ313とを備えている。
また、プリント配線板310には、ベースフィルム311及びカバーレイ313を貫通する貫通孔316が形成されており、グランド回路312aは、貫通孔316から露出している。
【0171】
第1電磁波シールド部320aは、第1絶縁層322と、第1接着剤層323とが順に積層されてなる。
第1接着剤層323は、カバーレイ313と接するように配置されている。
また、第1接着剤層323は、貫通孔316を埋めており、第1接着剤層323とグランド回路312aとは接触している。
【0172】
第2電磁波シールド部330aは、第2絶縁層332と、第2接着剤層333とが順に積層されてなる。
第2接着剤層333は、ベースフィルム311と接するように配置されている。
また、第2接着剤層333は、貫通孔316を埋めており、第1接着剤層323と第2接着剤層333とは接触している。
【0173】
さらに、シールドプリント配線板354では、第1電磁波シールド部320aの幅が、プリント配線板310の幅よりも広く、第1電磁波シールド部320aの第1接着剤層323の両端は、プリント配線板310の両端よりも外側に位置し第1延端部323aを形成している。
また、シールドプリント配線板354では、第2電磁波シールド部330aの幅が、プリント配線板310の幅よりも広く、第2電磁波シールド部330aの両端は、プリント配線板310の両端よりも外側に位置し第2延端部333aを形成している。
そして、第1延端部323aに位置する第1接着剤層323と、第2延端部333aに位置する第2接着剤層333とは接着されている。
なお、シールドプリント配線板では、第1延端部に位置する第1接着剤層及び第2延端部に位置する第2接着剤層は境界が判別できない程一体化しているが、図36Bでは、第1延端部323aに位置する第1接着剤層323及び第2延端部333aに位置する第2接着剤層333は、便宜上、別領域として記載している。
【0174】
(第5実施形態)
次に、本発明のシールドプリント配線板の一例である第5実施形態に係るシールドプリント配線板を説明する。
【0175】
図37は、本発明の第5実施形態に係るシールドプリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
図37に示すシールドプリント配線板454は、ベースフィルム411と、ベースフィルム411の上に形成されたプリント回路412と、プリント回路412を覆うカバーレイ413とを備えるプリント配線板410と、プリント配線板410の一方の面を覆うように配置された第1絶縁層422と、プリント配線板410の他方の面を覆うように配置された第2絶縁層432とを有する。
【0176】
第1絶縁層422の一部は、プリント配線板410の端部より外側に位置する第1絶縁層延端部422aを形成しており、第2絶縁層432の一部は、プリント配線板410の端部より外側に位置する第2絶縁層延端部432aを形成している。
なお、第1絶縁層延端部422aと、第2絶縁層延端部432aとは対向している。
【0177】
第1絶縁層422とプリント配線板410の一方の面との間、第2絶縁層432とプリント配線板410の他方の面との間、及び、第1絶縁層延端部422aと第2絶縁層延端部432aとが対向する領域は、導電性樹脂組成物463で充填されている。
【0178】
また、第1絶縁層延端部422a及び第2絶縁層延端部432aが対向する領域における第1絶縁層422と第2絶縁層432との間に充填されている導電性樹脂組成物463の厚さT1は、プリント配線板410の厚さT2の1/30倍の厚さ~1倍の厚さである。
導電性樹脂組成物463の厚さT1は、プリント配線板410の厚さT2の1/20倍の厚さ~9/10倍の厚さであることが望ましく、1/15倍~9/10倍の厚さであることがより望ましい。
シールドプリント配線板454の製造時において、第1絶縁層延端部432a及び第2絶縁層延端部422aが対向する領域における第1絶縁層422と第2絶縁層432との間に充填されている導電性樹脂組成物463の厚さがこのような厚さとなるように、導電性樹脂組成物463の量を調整することにより、第1絶縁層延端部432a及び第2絶縁層延端部422aが対向する領域における第1絶縁層422と第2絶縁層432との間を、隙間なく導電性樹脂組成物463で充填することができる。
【0179】
シールドプリント配線板454では、プリント配線板410のプリント回路412にはグランド回路412aが含まれ、グランド回路412aの一部はカバーレイ413に設けられた開口部から露出しており、グランド回路412aと導電性樹脂組成物463とが電気的に接続している。
プリント配線板454がこのような構造であると、グランド回路412aと導電性樹脂組成物463とを電気的に接続することができる。
【0180】
シールドプリント配線板454では、第1絶縁層422及び第2絶縁層432の材料は特に限定されないが、熱可塑性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、活性エネルギー線硬化性組成物等から構成されていることが望ましい。
【0181】
上記熱可塑性樹脂組成物としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等が挙げられる。
これらの中ではイミド系樹脂組成物が望ましく、ポリイミド樹脂組成物であることがより望ましい。
【0182】
上記熱硬化性樹脂組成物としては、特に限定されないが、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、ウレタンウレア系樹脂組成物、スチレン系樹脂組成物、フェノール系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物及びアルキッド系樹脂組成物が挙げられる。
【0183】
上記活性エネルギー線硬化性組成物としては、特に限定されないが、例えば、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物等が挙げられる。
【0184】
第1絶縁層422及び第2絶縁層432は、1種単独の材料から構成されていてもよく、2種以上の材料から構成されていてもよい。
【0185】
第1絶縁層422及び第2絶縁層432には、必要に応じて、硬化促進剤、粘着性付与剤、酸化防止剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、難燃剤、粘度調節剤、ブロッキング防止剤等が含まれていてもよい。
【0186】
第1絶縁層422及び第2絶縁層432の厚さは、特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができるが、1~15μmであることが望ましく、3~10μmであることがより望ましい。
【0187】
図37に示すように、シールドプリント配線板454では、第1絶縁層422と導電性樹脂組成物463との間には第1シールド層424が形成されている。また、第2絶縁層432と導電性樹脂組成物463との間には第2シールド層434が形成されている。
第1シールド層424は、金属からなっていてもよく、第1シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。
また、第2シールド層434は、金属からなっていてもよく、第2シールド層用導電性樹脂組成物からなっていてもよい。
このように第1シールド層424及び第2シールド層434が形成されていると、電磁波を好適にシールドすることができる。
【0188】
第1シールド層が金属からなる場合、金属としては金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ、パラジウム、クロム、チタン、亜鉛等が挙げられる。
第2シールド層が金属からなる場合、金属としては金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ、パラジウム、クロム、チタン、亜鉛等が挙げられる。
これらの中では、銅であることが望ましい。銅は、導電性及び経済性の観点から第1シールド層にとって好適な材料である。
【0189】
第1シールド層424及び第2シールド層434は、上記金属の合金からなっていてもよい。また、金属箔であってもよく、スパッタリングや無電解めっき、電解めっき等の方法で形成された金属膜であってもよい。
【0190】
第1シールド層424が第1シールド層用導電性樹脂組成物からなる場合、第1シールド層424は、導電性粒子と樹脂から構成されていてもよい。
第2シールド層434が第2シールド層用導電性樹脂組成物からなる場合、第2シールド層434は、導電性粒子と樹脂から構成されていてもよい。
【0191】
第1シールド層424及び第2シールド層434を構成する導電性粒子としては、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
【0192】
第1シールド層424及び第2シールド層434を構成する導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
【0193】
第1シールド層424及び第2シールド層434を構成する導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~15.0μmであることが望ましい。導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、第1シールド層424及び第2シールド層434を薄くすることができる。
【0194】
第1シールド層424及び第2シールド層434を構成する導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
【0195】
第1シールド層424及び第2シールド層434を構成する導電性粒子の配合量は、特に限定されないが、15~90重量%であることが望ましく、15~60重量%であることがより望ましい。
【0196】
第1シールド層424及び第2シールド層434を構成する樹脂としては、特に限定されないが、スチレン系樹脂組成物、酢酸ビニル系樹脂組成物、ポリエステル系樹脂組成物、ポリエチレン系樹脂組成物、ポリプロピレン系樹脂組成物、イミド系樹脂組成物、アミド系樹脂組成物、アクリル系樹脂組成物等の熱可塑性樹脂組成物や、フェノール系樹脂組成物、エポキシ系樹脂組成物、ウレタン系樹脂組成物、メラミン系樹脂組成物、アルキッド系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物等が挙げられる。
【0197】
シールドプリント配線板454における導電性樹脂組成物463は、樹脂と導電性粒子とからなる。
【0198】
導電性樹脂組成物463を構成する樹脂は、熱硬化性樹脂からなっていてもよく、熱可塑性樹脂からなっていてもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂及びアルキッド系樹脂等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、イミド系樹脂、及びアクリル系樹脂が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、アミド変性エポキシ樹脂であることがより望ましい。
【0199】
導電性樹脂組成物463を構成する導電性粒子は、特に限定されないが、金属微粒子、カーボンナノチューブ、炭素繊維、金属繊維等であってもよい。
【0200】
導電性樹脂組成物463を構成する導電性粒子が金属微粒子である場合、金属微粒子としては、特に限定されないが、銀粉、銅粉、ニッケル粉、ハンダ粉、アルミニウム粉、銅粉に銀めっきを施した銀コート銅粉、高分子微粒子やガラスビーズ等を金属で被覆した微粒子等であってもよい。
これらの中では、経済性の観点から、安価に入手できる銅粉又は銀コート銅粉であることが望ましい。
【0201】
導電性樹脂組成物463を構成する導電性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5~15.0μmであることが望ましい。導電性粒子の平均粒子径が0.5μm以上であると、導電性が良好となる。導電性粒子の平均粒子径が15.0μm以下であると、導電性樹脂組成物を薄くすることができる。
【0202】
導電性樹脂組成物463を構成する導電性粒子の形状は、特に限定されないが、球状、扁平状、リン片状、デンドライト状、棒状、繊維状等から適宜選択することができる。
【0203】
導電性樹脂組成物463における導電性粒子の重量割合は、3~90重量%であることが望ましく、39~90重量%であることがより望ましい。
導電性粒子の重量割合が3重量%未満であると、シールド性が充分になりにくくなる。導電性粒子の重量割合が90重量%を超えると、製造時において、導電性樹脂組成物の接着力が低下しやすくなる。
また、導電性粒子の重量割合が39~90重量%であると、導電性樹脂組成物463が等方導電性を有することになる。
【0204】
導電性樹脂組成物463は、等方導電性樹脂組成物であることが望ましい。
導電性樹脂組成物463が等方導電性樹脂組成物であると、プリント配線板410から放射される電磁波ノイズを効果的に遮断することができる。
【0205】
このようなシールドプリント配線板454は、上記本発明のシールドプリント配線板の製造方法により製造することができる。
【0206】
(その他の実施形態)
上記本発明の第1実施形態~第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1電磁波シールドフィルムの両端及び第2電磁波シールドフィルムの両端が、プリント配線板の両端よりも外側に位置するように、第1電磁波シールドフィルム及び第2電磁波シールドフィルムを配置していた。
しかし、本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、第1電磁波シールドフィルムの一方の端部及び第2電磁波シールドフィルムの一方の端部のみが、プリント配線板の一方の端部よりも外側に位置するように、第1電磁波シールドフィルム及び第2電磁波シールドフィルムを配置してもよい。
また、第1電磁波シールドフィルムの一方の端部の一部及び第2電磁波シールドフィルムの一方の端部の一部のみが、プリント配線板の端部よりも外側に位置するように、第1電磁波シールドフィルム及び第2電磁波シールドフィルムを配置してもよい。
【0207】
上記本発明の第1実施形態、第3実施形態及び第4実施形態に係るシールドプリント配線板の製造方法では、第1接着剤層及び第2接着剤層は導電性を有していた。
しかし、本発明のシールドプリント配線板の製造方法では、第1接着剤層及び第2接着剤層が導電性を有しなくてもよい。すなわち、第1接着剤層及び第2接着剤層が絶縁性樹脂組成物から形成されていてもよい。
この場合、シールド層を外部グランド等に電気的に接続することにより、電磁波シールド効果を得ることができる。
【0208】
上記本発明の第5実施形態に係るシールドプリント配線板では、第1絶縁層と導電性樹脂組成物との間には第1シールド層が形成されており、第2絶縁層と導電性樹脂組成物との間には第2シールド層が形成されていた。
しかし、本発明のシールドプリント配線板では、第1シールド層及び第2シールド層が形成されていなくてもよい。
この場合、導電性樹脂組成物が、電磁波シールド効果を発揮することになる。
【符号の説明】
【0209】
10、110、210、310、410 プリント配線板
11、111、211、311、411 ベースフィルム
12、112、212、214、312、412 プリント回路
12a、112a、212a、214a、312a、412a グランド回路
13、113、213、215、313、413 カバーレイ
13a、113a、213a、215a 開口部
20、120、220、320 第1電磁波シールドフィルム
20a、120a、220a、320a 第1電磁波シールド部
21、121、221、321 第1保護フィルム
22、122、222、322、422 第1絶縁層
23、123、223、323 第1接着剤層
23a、123a、223a、323a 第1延端部
24、224、324、424 第1シールド層
30、130、230、330 第2電磁波シールドフィルム
30a、320a、320a、320a 第2電磁波シールド部
31、131、231、331 第2保護フィルム
32、132、232、332、432 第2絶縁層
33、133、233、333 第2接着剤層
33a、133a、233a、333a 第2延端部
34、234、334、434 第2シールド層
40、140、240、340 隙間
51、151、251、351 仮プレス前シールドプリント配線板
52、152、252、352 仮プレス後シールドプリント配線板
53、153、253、353 本プレス前シールドプリント配線板
54、154、254、354、454 シールドプリント配線板
316 貫通孔
422a 第1絶縁層延端部
432a 第2絶縁層延端部
463 導電性樹脂組成物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
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図18A
図18B
図19
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図25
図26
図27A
図27B
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36A
図36B
図37