(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007208
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】消臭用香草抽出物含有組成物
(51)【国際特許分類】
A61L 9/013 20060101AFI20230111BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20230111BHJP
A61Q 11/00 20060101ALI20230111BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
A61L9/013
A61K8/9789
A61Q11/00
A61Q15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110310
(22)【出願日】2021-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】521047605
【氏名又は名称】松尾 秀司
(74)【代理人】
【識別番号】100092107
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 達也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 秀司
【テーマコード(参考)】
4C083
4C180
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083CC17
4C083CC41
4C083EE18
4C083EE34
4C180AA03
4C180BB13
4C180BB14
4C180BB15
4C180CA04
4C180CB01
4C180EC01
4C180MM02
(57)【要約】
【課題】 消臭できる対象悪臭が曖昧で、消臭効果が弱く、短期間(長くて数十分間)しか効能が発揮されない従来の消臭剤の問題を解決し、口臭、加齢臭、ペットや家畜の臭い、家庭内の生ゴミ臭などの消臭効果に優れ、人に優しく、地球環境にも優しく、しかも抽出が簡単な消臭用香草抽出物含有組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 シソ科のセージ、ヒソップ(ヤナギハッカ)、ニクズク科のメース(ナツメグの果皮)の天然植物成分を粉末、あるいは抽出して配合した消臭用香草抽出物含有組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シソ科のセージ、ヒソップ(ヤナギハッカ)、ニクズク科のメース(ナツメグの果皮)の天然植物成分を粉末、あるいは抽出して配合したことを特徴とする消臭用香草抽出物含有組成物。
【請求項2】
フトモモ科のユウカリを粉末、あるいは抽出して配合したことを特徴とする請求項1記載の消臭用香草抽出物含有組成物。
【請求項3】
カモミール、レモングラス、バジル、ホップを加えて、粉末、あるいは抽出して配合したことを特徴とする請求項2に記載の消臭用香草抽出物含有組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭効果の優れた消臭用香草抽出物含有組成物に関し、詳しくは口臭、加齢臭、体臭、ペットや家畜に由来する臭い等、人にとって悪臭と感じられる生ゴミの臭いを消去するための消臭用香草抽出物含有組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から口臭、冷蔵庫内の臭い、ペットや家畜に由来する臭い、工場内の臭い、あるいは工業廃液中の悪臭など、人にとって悪臭と感じられる環境の臭いを消去する消臭剤組成物が存在している。
例えば、フェノール類、テルベル類、エステル類からなる群から選ばれる一種または二種以上の天然抽出物やフィントチドやポリフェノールの抽出物、あるいはそれらを含む精油とを少なくとも含有する消臭剤組成物(例えば、特許文献1参照)。
さらに、消臭方法の一つとして、悪臭をもたらす原因である物質を吸着除去する方法として知られる消臭用物質として、例えば、活性炭、ポリフェノールの一種であるカテキンを含有するお茶が知られている。
しかし、天然物、特に食品添加物、または食品として使用されているフェノール性化合物を含有する天然抽出物に注目してローズマリー、茶の各抽出物からなる群から選ばれる一種または二種以上の天然抽出物とフェノール性化合物を酸化する酵素を含む植物や菌類からの抽出物、あるいはそれらを含む粉末とを少なくとも含有する消臭組成物があるが、これでは消臭できる対象悪臭が曖昧で、消臭効果が弱く、短期間(長くて数十分間)しか効能が発揮されない。
これに対して本発明の場合、確認した結果、生ゴミが室内に置いてある間、あるいは生活サイクルの中での生ゴミを室内に置いてある期間の長時間消臭効果があるものである。具体的には、東京都内のように週2回の生ゴミ収集が行われる場合には、1回目と2回目の回収の間、生ゴミを室内や外部のゴミ箱に置いてあっても、消臭効果を発揮する。
また、これを飲み物として人の口に入れる場合、安全で飲み易く、ニンニクのような食後、体内から発する悪臭を消臭でき、なおかつ消臭効果がほぼ1日間位有効である天然物をつきとめることが重要である。
このような問題を解決する一つとして、シソ科のセージ、ヒソップとニクズク科のメース、フトモモ科のユウカリの植物成分を配合した消臭用香草抽出物含有組成物が良いことを見つけたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-175095号公報(特許請求の範囲の欄、発明の詳細な説明の欄を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、口臭、ペットや家畜の臭い、家庭内の生ゴミ臭などの消臭効果に優れ、人に優しく、地球環境にも優しく、しかも抽出が簡単な消臭用香草抽出物含有組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成することができる本発明の第1発明は、請求項1に記載された通りの消臭用香草抽出物含有組成物であり、次のようなものである。
シソ科のセージ、ヒソップ(ヤナギハッカ)、ニクズク科のメース(ナツメグの果皮)の天然植物成分を乾燥粉末、あるいは抽出して配合する構成である。
【0006】
上記の目的を達成することができる本発明の第2発明は、請求項2に記載された通りの消臭用香草抽出物含有組成物であり、次のようなものである。
請求項1の発明に加えて、フトモモ科のユウカリを粉末、あるいは抽出して配合する構成である。
【0007】
上記の目的を達成することができる本発明の第3発明は、請求項3に記載された通りの消臭用香草抽出物含有組成物であり、次のようなものである。
請求項2に記載の発明に加えて、カモミール、レモングラス、バジル、ホップを加えて、粉末、あるいは抽出して配合する構成である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る消臭用香草抽出物含有組成物は、上記説明のような構成を有するので、以下に記載する効果を奏する。
(1)高い安全性が担保された天然食用植物を用いた消臭用香草抽出物含有組成物であるので、熱湯や水で抽出することで飲用としても可能であり、体内に害が無く、従来は消臭が困難であった口腔内の臭い、歯周から発生する臭い、ニンニクや魚肉のような臭いの強い食材の食後の口臭も防ぐことができる。しかも長時間臭い戻りがないものである。
(2)破砕や粉末にして散布する、あるいは熱湯等で抽出して噴霧することで、牛舎、豚舎、鶏舎、ゴミ収集場所、獣医の診療所等の消臭をすることができ、また、事前に散布・噴霧することで防臭、消臭することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
シソ科のセージ、ヒソップ(ヤナギハッカ)、ニクズク科のメース(ナツメグの果皮)の天然植物成分を粉末、あるいは抽出して配合した消臭用香草抽出物含有組成物である。
【実施例0010】
以下、本発明の一実施例の消臭用香草抽出物含有組成物を説明する。
本発明の消臭用香草抽出物含有組成物は、天然植物の成分を抽出した天然抽出物の三種以上のセージ、ヒソップ、メース、ユウカリの各抽出物であり、食用消臭剤として用いる場合は、これを熱湯や水で抽出してこの各種組成物を使用目的により何種類か選択して使用するものである。
消臭組成物としては、セージ、ヒソップ、メース、ユウカリ等の香草が選択されるが、抽出条件は通常の抽出条件で良く、お茶と同様に湯を注ぐだけで可能であるが、例えば、水蒸気を利用した蒸留法、高温乾留法、分別蒸留法、低温真空抽出法、冷浸法、温浸法、溶剤抽出法、エタノール抽出法等を用いて抽出し、濃縮乾固することでも良いことはいうまでもない。
【0011】
本発明は、天然植物の茎や葉、果皮、果肉、樹皮、樹液を配合し、煮出した液体に含まれる、植物2次代謝物が相乗的に作用し、糞尿、体臭、口臭、獣臭、生ゴミ等の悪臭の影響を効果的に覆い隠すことを見い出し、それを応用して人体に対し、安全な消臭剤を提供するものである。
本発明は、特定の植物成分が臭い、及び該基質を中和、相殺する消臭効果を持つ組成物であって、さらに望ましくない臭気を覆い隠すために芳香を放つ植物が併用配合されたもので、シソ科及びニクズク科、フトモモ科の天然植物であり、高い安全性が担保されるものである。
さらに、調理用香草、漢方生薬を配合することにより飲用も可能で、安全性の高い消臭液を製造することができることはいうまでもない。
【0012】
今迄知られている殆んどの消臭剤組成物は、臭気を完全に除去する、もしくは悪臭を完全に覆い隠すことのために人体に安全とは言えない基準まで消臭成分の純度や濃度を高めているのが現状であった。また、一時的な消臭しかできなかった。
そこで、本発明者の知見と観により、各種天然植物の組み合わせ、配合割合を数百通り、順次確認しながら突き止めた組み合わせである。
尚、配合割合は、セージが1、ヒソップが1、メースが0.5の割合が最適で、これに請求項2のようにユーカリを配合する発明の組成物では、ユーカリが1の割合にするものが最適であった。
尚、配合割合は、それほど厳密なものではなく、ほぼ1:1:0.5:1であれば良いものである。
本発明の消臭用香草抽出物含有組成物は、優れた消臭効果、あるいは脱臭効果を有するか、または悪臭を覆い隠すことができ、さらに既存の消臭剤組成物では解決することが出来なかった飲用して口臭を消すことができ、しかもほぼ1日間消臭することができるものである。
さらに、生ゴミの場合、生活サイクルの中で、室内、または収集場所に置いてある期間の消臭効果は発揮されるものである。
また、少なくとも一種の植物2次代謝物、及びある種の芳香を含んでいる植物抽出物と組み合わせた消臭剤を提供することもできる。
また、植物成分を用いた消臭には、マスキング消臭法、ペアリング消臭法、化学的消臭法等があるが、植物2次代謝物は、食用植物であっても上記方法で抽出精製され、純度が高くなると、刺激性や毒性が発露されるので注意する必要がある。