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特開2023-72088早産児の生体外支援を提供するように構成されたシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072088
(43)【公開日】2023-05-23
(54)【発明の名称】早産児の生体外支援を提供するように構成されたシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61G 11/00 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
A61G11/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023042902
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2019531626の分割
【原出願日】2017-12-13
(31)【優先権主張番号】62/434,100
(32)【優先日】2016-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】301040958
【氏名又は名称】ザ・チルドレンズ・ホスピタル・オブ・フィラデルフィア
【氏名又は名称原語表記】THE CHILDREN’S HOSPITAL OF PHILADELPHIA
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】フレーク・アラン
(72)【発明者】
【氏名】デイビー・マーカス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生体外環境内部に早産児を包み、胎児の成長を促進し、胎児の生育力を増大させるように構成されたシステムを提供する。
【解決手段】システムは、胎児を包むように構成された内部空間を有するチャンバ100と、無菌流体をチャンバに送達する第1の流体回路と、酸素を胎児に運ぶ第2の流体システムと、を含む。システムのチャンバは、クランプおよびアクチュエータを含む停止機構を含み、クランプは、内部空間に位置づけられ、アクチュエータは、アクチュエータが動くとクランプが動くようにクランプに連結され、アクチュエータは、少なくとも部分的に内部空間の外側に位置づけられている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
早産児を包むように構成されている、チャンバにおいて、
臍帯がついた前記早産児を受容するように構成された内部空間と、
前記内部空間の中に位置づけられ、前記臍帯に接触するように構成された、クランプであって、開放位置と閉鎖位置との間で作用可能である、クランプと、
を含み、
前記クランプが前記開放位置にあるとき、前記臍帯を通る血流は妨げられず、前記クランプが前記閉鎖位置にあるとき、前記臍帯を通る前記血流が妨げられる、チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、開示の内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2016年12月14日出願の米国仮特許出願第62/434,100号の利益を主張するものである。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は、概して、新生児ケアに関する。さらに具体的には、本開示は、子宮外における早産児の生育力の改善に関する、装置、システム、および方法を説明する。一態様によると、本開示は、妊娠28週より前の発育段階にある早産児の生育力を改善することに関する。
【0003】
〔背景〕
超早産は、米国における乳児の罹患率および死亡率の主な原因であり、すべての乳児死亡の3分の1および脳性まひ診断の2分の1超が、早産によるものである。2010年の疾病管理センターによる全米人口動態報告(Center for Disease Control National Vital Statistics Report)では、過去およそ10年間の米国における28週未満の妊娠期間での出生率が毎年約0.7%、すなわち出生数30,000人で安定していることを、指摘している。同様に、過去10年間の米国における28~32週の妊娠期間での出生率は、毎年1.2%、すなわち出生数50,000人で安定している。
【0004】
早産は、多数の理由のうちのいずれか1つによって生じ得る。例えば、早産は、前期破水(PROM)、短い子宮頸(shortened cervix)などの子宮の構造的特徴によって、外傷性もしくは感染性刺激に続発して、または多胎妊娠によって、自然に生じ得る。早期陣痛および早期分娩もまた、子宮の器具使用(instrumentation)が最大限の子宮収縮抑制療法にもかかわらず制御されていない陣痛をしばしば刺激する、胎児鏡もしくは胎児手術の状況で頻繁に遭遇するものである。
【0005】
呼吸不全は、超早産と関連する、最も一般的かつ困難な問題を呈する。それは、極めて早産の新生児(critically preterm neonates)におけるガス交換が、肺の構造的および機能的未成熟によって損なわれるためである。新生児の集中治療の進歩により、生存の改善が達成され、早産の新生児の生育力の限界が、肺発生の管状期から嚢状期への移行を示す、妊娠22~24週まで押し広げられた。生存は可能となってきているが、特に妊娠28週より前に生まれた胎児において、慢性肺疾患および他の器官未成熟の合併症の比率は依然として高い。2~3週間の間であっても正常な胎児成長および器官成熟を支援することができるシステムの開発により、超早産の罹患率および死亡率が著しく減少し、また、生存者におけるクオリティ・オブ・ライフが改善され得る。
【0006】
「人工胎盤」の開発は、50年以上にわたり研究のテーマであったが、ほとんど成功していない。動物モデルにおける胎児の適切な酸素化を達成するこれまでの試みは、ポンプの支援を受ける従来の体外式膜型人工肺(ECMO)を利用しており、治療される動物の循環過負荷および心不全により制限されてきた。既知のシステムは、1)酸素供給器の抵抗によって、またはさまざまなポンプを組み込んだ回路によって、胎児の心臓に課される後負荷または前負荷の不釣り合いによる、進行性の循環障害;ならびに2)汚染および胎児の敗血症を含む、許容できない合併症に悩まされてきた。
【0007】
したがって、一連の健康状態/障害により、生命を維持する呼吸ガス交換が不適切な早産児、または(出産予定日前または出産予定日の)胎児に、生体外支援を提供するように構成されたシステムおよび方法が、生育力を改善することができる。
【0008】
〔概要〕
本開示の一態様によると、チャンバの内部空間の中に胎児を包むように構成されたチャンバが、開示される。チャンバは、第1のシェルおよび第2のシェルを含むハウジングを含み、第1のシェルおよび第2のシェルは、協働して、内部空間を少なくとも部分的に画定し、ハウジングは、第2のシェルが第1のシェルに対して第1の位置から第2の位置に動くことができるように構成され、第1の位置では、チャンバは、開放構成にあり、第2の位置では、チャンバは閉鎖構成にある。チャンバは、クランプおよびアクチュエータを含む停止組立体をさらに含み、クランプは、ハウジングが閉鎖構成にあるとき、内部空間に位置づけられ、アクチュエータは、アクチュエータが動くとクランプを動かすように、クランプに連結され、アクチュエータは、ハウジングが閉鎖構成にあるとき、少なくとも部分的に内部空間の外側に位置づけられる。チャンバが開放構成にあるとき、第1のシェルおよび第2のシェルは、協働して内部空間内への開口部を画定し、開口部は、第1のシェルの一部から第2のシェルの一部まで測定された第1の距離を定め、チャンバが閉鎖構成にあるとき、開口部は、第1のシェルの一部から第2のシェルの一部まで測定された第2の距離を定め、第2の距離は第1の距離より短い。
【0009】
本開示の別の態様によると、チャンバの内部空間の中に胎児を包むように構成されたチャンバが、開示される。チャンバは、内部空間の外側境界を画定する外壁と、内部空間の第1の部分および内部空間の第2の部分の両方を部分的に画定するように外壁から内部空間内へと延びる内壁と、第2の部分内部に位置づけられ、外壁および内壁のうちの一方から外壁および内壁のうちの他方へ向かう方向に動くことができる、クランプと、アクチュエータであって、アクチュエータが動くとクランプがこの方向に動くように、クランプに動作可能に連結されている、アクチュエータと、を含む。
【0010】
本開示の別の態様によると、胎児に酸素を提供するように構成されたシステムが開示される。システムは、ハウジング内部空間を画定するハウジングを含むカートと、胎児を受け入れるようなサイズであるチャンバ内部空間を画定するチャンバと、液体の容器を含む第1の流体回路と、液体を供給源からチャンバまで移動させるように構成され、液体をチャンバからリザーバまで移動させるようにさらに構成された、ポンプと、酸素を胎児まで運ぶように構成された酸素供給器を含む第2の流体回路と、を含む。システムは、チャンバおよび酸素供給器の両方がハウジング内部空間の外側に位置づけられ、チャンバが第1の流体回路から切り離されている、第1の構成を定め、システムは、チャンバおよび酸素供給器の両方がハウジング内部空間内部に位置づけられ、チャンバが第1の流体回路と流体接続している、第2の構成を定める。
【0011】
本出願の例示的な実施形態の前述の概要および以下の詳細な説明は、添付図面と併せて読めばより良く理解されるであろう。本開示を例示する目的で、図面には例示的な実施形態が示されている。しかしながら、本出願は、開示される特定の実施形態および方法に制限されず、その目的で特許請求の範囲に言及することを、理解されたい。
【0012】
〔例示的な実施形態の詳細な説明〕
本開示の態様を、図面を参照して詳細に説明する。図面中、同様の参照符号は、別段指定のない限り、全体にわたって同様の要素を指している。以下の説明では、特定の用語を便宜上使用しているが、制限的なものではない。本明細書で使用される用語「複数」は、2つ以上を意味する。ある構造体の「一部」および「少なくとも一部」という用語は、構造体の全体を含む。別個の実施形態の関連で本明細書に記載される本開示のある特徴部は、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよい。逆に、単一の実施形態の関連で記載される本開示のさまざまな特徴部は、別々に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0013】
図1図4を参照すると、システム10が、生体外支援を早産児に提供するように構成されている。本開示の一態様によると、システム10は、早産児が子宮内で経験するであろう環境に類似したシステム環境を提供するように構成される。子宮環境から出た、すなわち例えば妊娠約22週~約24週の早産児の生育力は、早産児をこのシステム環境に置くことで、増大され得る。本開示の一態様によると、システム環境は、1)光への早産児の曝露を制限する;2)音への早産児の曝露を制限する;3)胎児を液体環境内に浸した状態に維持する;4)早産児を所望の温度範囲内に維持する;または5)それらの任意の組み合わせを行う、ように構成されている。
【0014】
システム10は、フレーム18およびハウジング20を有するカート12を含む。フレーム18は、ハウジング20がシステム環境を早産児に提供するのに少なくとも部分的に貢献するよう構成されるように、ハウジング20を支持するように構成される。ハウジング20は、1つ以上のハウジング部材22を含み、これは、システム環境を包含する内部空間24を少なくとも部分的に画定する。例示された実施形態に示すように、ハウジング部材22は、複数の側壁26と、蓋28と、基部30と、を含み得る。本開示の一態様によると、複数の側壁26のうちの少なくとも1つ、蓋28、またはこれらの両方が移動可能である。
【0015】
ハウジング20は、第1の構成を定め、この例が、図1図2、および図3に示され、この構成では、複数の側壁26および蓋28は、内部空間24を協働して画定するように配列される。第1の構成では、ハウジング20は、システム環境を維持し、内部空間24へのアクセスを制限するように構成される。ハウジング20は、第2の構成を定め、この例が、図4に示され、この構成では、複数の側壁26および蓋28は、内部空間24へのアクセスを増大するように配列される。
【0016】
例示された実施形態に示すように、ハウジング20は、4つの側壁26を含み得る。側壁26のうちの1つ以上、例えば側壁26のうちの4つすべて、3つ、2つ、または1つは、フレーム18に旋回可能に連結され得る。図1図2、および図3に示すように、第1の構成では、側壁26、蓋28、および基部30は、協働して内部空間24を画定する。図4に示すように、第2の構成では、側壁26のうちの1つ以上は、側壁26のうちの他のものから離れて旋回され、内部空間24は、システム10の外部からアクセス可能である。ハウジング20は、ロック機構32を含み得、これは、1)ロック機構32が係合されると側壁26を第1の構成に固定し、2)ロック機構32が係合解除されると側壁26が旋回することを可能にする、ように構成される。
【0017】
例示された実施形態に示すように、ロック機構32は、複数の側壁26のうちの隣接するものに位置する、対応する部材を含み得る。例えば、ロック機構は、側壁26のうちの1つに位置するラッチ33aと、ラッチ33aによって捕捉され、それによって複数の側壁26のうちの隣り合うものを互いに固定するように構成された、突出部33bと、を含み得る。
【0018】
例示された実施形態に示すように、蓋28は、側壁26に対して並進運動可能であってよい。システム10は、蓋28が垂直方向に沿って並進運動可能になるように構成され得、垂直方向は、システム10が位置づけられる表面、例えば、病院の床などの床に対して実質的に垂直である。本開示の一態様によると、第1の構成では、蓋28は、側壁26のうちの1つ以上にごく接近しており、例えば触れており、第2の構成では、蓋28全体が、少なくとも約1.83m(約6フィート)、例えば約1.80m(約71インチ)の距離、床から離れている。システム10は、蓋28全体が少なくとも約1.83m(約6フィート)の距離だけ、床から離れたとき、システム10全体が、床から2.01m(79インチ)未満に位置づけられるように、さらに構成され得る。
【0019】
蓋28の下の隙間の量は、医師または看護師などの人間が、蓋28から妨げられずにシステム10にアクセスするための最大量の空間を可能にするように構成され、システム10の最大高さは、システム10が標準サイズの病院玄関口を通過することができるように構成されている。本開示の別の態様によると、第2の構成では、蓋28全体が、1.83m(6フィート)未満の距離、床から離れ得るか、システム10の一部が、2.01m(79インチ)超の距離だけ、床から離れ得るか、またはこの両方であってよい。
【0020】
別の実施形態によると、側壁26および蓋28は、一体的またはモノリシックな部品であってよい。別の実施形態によると、側壁26および蓋28は、別々であってもモノリシックであっても、フレーム18に対して、並進運動可能であるか、旋回可能であるか、またはその両方であってよい。
【0021】
蓋28は、ハウジング20が第1の構成にあるときに、システム10の外側にいる人間が、システム10の内部空間24を見ることができるように、透明であってよい。ハウジング20は、取り外し可能で不透明なカバー34をさらに含み得、これは、内部空間24の外側の供給源からの光が、透明な蓋28を通って内部空間24に到達するのを防ぐ。システム10は、システム10が第1の構成にあるときに内部空間24に到達する光の量を、約1.2ルクス以下に制限するように構成され得る。一実施形態によると、不透明なカバー34は、ハウジング20に磁力で固定され得る。あるいは、蓋28は、不透明であってよい。システム10は、内部空間24の間接視(indirect view)を提供するように構成され得、例えば、システム10は、画像を内部空間24の外側にあるスクリーンに送る、内部空間24の内側に位置づけられたカメラを含み得る。
【0022】
ハウジング20は、人間が蓋28に外力を及ぼすことなく、蓋28が第2の構成のままであるように、構成され得る。例えば、ハウジング20は、定荷重ばね組立体を含み得、これは、外力が、重力に加えて蓋28に加えられるまで、蓋28を、床から現在の距離に保持する、保持力を提供する。
【0023】
ハウジング20は、ハウジング20が第1の構成にあるとき、内部空間24へのアクセスを提供するように構成され得る。例示された実施形態に示すように、ハウジング20は、1つ以上のアクセスポート36を含み、これらはそれぞれ、システム10の外部から内部空間24への、人間の手のための通路を提供するように構成される。アクセスポート36はそれぞれ、アクセスポート36をブロックするように構成されたそれぞれのカバー38を含み得る。それぞれのカバー38はそれぞれ、アクセスポート36に対して移動され、それによって、通路へのアクセスを提供するように構成され得る。アクセスポート36は、内部空間24にアクセスするためにアクセスポート36を使用する人間の腕の周りにシールを提供するように構成された可撓性の絞り40を含み得る。
【0024】
本開示の一態様によると、アクセスポート36は、アクセスポート36の一部が、床から約0.91m~約1.22m(約3フィート~約4フィート)であるように位置づけられる。例えば、アクセスポート36の中心は、床から約1.09m(約43インチ)に位置づけられ得る。アクセスポート36は、アクセスポート36のうちの別のものが、種々の方向に沿って内部空間24へのアクセスを提供するように、位置づけられ得る。例示された実施形態に示すように、システム10は、第1の方向に沿って内部空間24へのアクセスを提供するように構成されたアクセスポートのうちの第1のアクセスポート36a;第1の方向とは反対の第2の方向に沿って内部空間24へのアクセスを提供するように構成されたアクセスポートのうちの第2のアクセスポート36b;第1の方向および第2の方向の両方に垂直である第3の方向に沿って内部空間24へのアクセスを提供するように構成されたアクセスポートのうちの第3のアクセスポート36c、またはそれらの任意の組み合わせ、を含み得る。
【0025】
システム10は、一実施形態によると、内部空間24を所望の温度範囲以内に維持するように構成されたヒーター42を含み得る。例えば、ヒーター42は、内部空間24の中の温度を、約28℃~約38℃、好ましくは約30℃~約34℃、例えば約32度、に維持するように構成され得る。システム10は、一実施形態によると、ハウジングが第1の構成にあるときにシステム10の内部空間24に到達する音の振幅を、約20デシベル未満に弱めるように構成された、弱音システムを含み得る。一実施形態によると、弱音は、弱音材料を、側壁26のうちの1つ以上に取り付けることによって達成され得る。
【0026】
システム10は、システムが、1つの場所から別の場所に移動可能であると共に、依然として内部空間24に、例えば内部空間24の中の胎児に、適切なレベルの酸素送達を提供するように構成されるよう、可動性であってよい。本開示の一態様によると、システム10は、システム10が例えば手術室から新生児集中治療室まで、動かされるのを可能にする、複数の車輪23を含み得る。例示された実施形態に示すように、車輪23は、カート12に連結される。
【0027】
図5および図6を参照すると、システム10は、胎児2、例えば早産のヒト胎児を、子宮外の閉鎖環境内部に受け入れ包むように構成された、チャンバ100を含む。本開示の一態様によると、カート12は、チャンバ100を内部空間24の中に封入するように構成される。チャンバ100は、子宮外の閉鎖環境を包含するチャンバ内部空間102を画定する。チャンバ100は、図6に示すように、本明細書では開放構成とも呼ばれる、第1の構成を定める。開放構成では、チャンバ内部空間102は、チャンバ内部空間102が胎児2を受容するように構成されるよう、アクセス可能である。チャンバ100は、図5に示すように、本明細書では閉鎖構成とも呼ばれる、第2の構成を定める。閉鎖構成では、チャンバ内部空間102は、チャンバ100を取り囲む環境から切り離される。
【0028】
チャンバ100は、チャンバ内部空間102を画定するチャンバハウジング104を含む。本開示の一態様によると、チャンバハウジング104は、チャンバ内部空間102の外側境界を画定する外側チャンバ壁106を含み得る。例示された実施形態に示すように、外側チャンバ壁106は、チャンバ100が閉鎖構成にあるときにチャンバ100の外周を画定する。チャンバハウジング104は、チャンバ内部空間102の第1の部分110を、チャンバ内部空間102の第2の部分112から少なくとも部分的に分離する、内側チャンバ壁108をさらに含み得る。
【0029】
本開示の一態様によると、チャンバ100が開放構成にあるとき、ハウジングの第1のシェル114およびハウジングの第2のシェル116は、協働して内部チャンバ空間102内への開口部117を画定し、開口部117は、第1のシェル114の一部114aから第2のシェル116の一部116aまで測定された第1の距離D1を定める。チャンバ100が閉鎖構成にあるとき、開口部117は、第1のシェル114の一部114aから第2のシェル116の一部116aまで測定された第2の距離D2を定める。第2の距離D2は、第1の距離D1未満である。例示された実施形態に示すように、第2の距離D2は、一部114aおよび一部116aが当接するように、ゼロであってよい。別の実施形態によると、D2は、ゼロ超であってよい。
【0030】
システム10は、チャンバ100が、カート12に対して、軸101を中心として回転可能となるように、構成され得る。軸101は、長さ方向軸であってよく、チャンバ100は、これに沿って細長い。例示された実施形態に示すように、軸101は、チャンバ100の第1の端部180およびチャンバ100の第2の端部182を通過し得る。一実施形態によると、チャンバ100は、360°の1回転にわたって、軸101を中心として回転可能である。別の実施形態によると、チャンバ100は、360°の1回転未満にわたって、軸101を中心として回転可能である。例えば、チャンバ100は、軸101を中心として、図6に示す位置から時計回りに約180°回転可能であり、かつ図6に示す位置から反時計回りに約180°回転可能であってよい。チャンバ100がカート12に対して軸101を中心として回転可能であるようにシステム10が構成されることにより、チャンバ100を閉鎖構成に維持しながら胎児2の位置を調節することができる。胎児2の位置の調節により、就下性水腫、胎児非対称(fetal asymmetry)、褥瘡、または他の望ましくない健康状態を減少または排除することができる。
【0031】
チャンバ100は、軸101に沿って測定された長さ、軸101に垂直な横方向に沿って測定された幅、ならびに軸101および横方向の両方に垂直である垂直方向に沿って測定された高さを定める。一実施形態によると、チャンバ100は、軸101に沿って測定された最大長さ、軸101に垂直であり、2つの別々の場所で第1のシェル114と交差する線に沿って測定された最大幅、ならびに軸101および横方向の両方に垂直であり、チャンバ100が閉鎖構成にあるときに第1のシェル114および第2のシェル116の両方と交差する線に沿って測定された最大高さを定める。例示された実施形態に示すように、チャンバ100は、最大長さが最大幅より大きく、最大幅が最大高さより大きくなるように、構成され得る。
【0032】
チャンバ100は、チャンバ100が閉鎖構成にあるときに内部空間102によって定められる容積を、変化させる、例えば増大させるか、減少させるか、またはその両方を行うように構成された、容積調節組立体210を含み得る。チャンバ100は、少なくとも1つの可撓性壁212を含み得る。例示された実施形態に示すように、第1のシェル114は、第1の可撓性壁212aを含み得、第2のシェル116は、第2の可撓性壁212bを含み得る。容積調節組立体210は、チャンバハウジング104に連結されるように構成された部材214を含み得、部材214は、可撓性壁212のうちの少なくとも1つを変形させ、それによって、部材214がチャンバハウジング104に連結されていない場合と比べて、内部空間102の容積を減少させる。
【0033】
図7図9を参照すると、本開示の一態様によると、容積調節組立体210は、複数の部材214を含む。複数の部材214はそれぞれ、チャンバ100が閉鎖構成にあるときに内部空間102の容積の最大値を制限するように構成され得る。例えば、複数の部材214はそれぞれ、外側リング218と、外側リング218によって画定された開口部220と、を画定することができ、開口部220は、平面P1内部で外側リング218によって少なくとも部分的に囲まれている。複数の部材214は、第1の部材214a、第2の部材214b、第3の部材214cを含み得る。
【0034】
例示された実施形態に示すように、第1の部材214aの開口部220aは、平面P1内部で測定される第1の断面積J1を定める。第2の部材214bの開口部220bは、平面P1内部で測定される第2の断面積J2を定める。第3の部材214cの開口部220cは、平面P1内部で測定される第3の断面積J3を定める。本開示の一態様によると、複数の部材214は、第1の断面積J1が第2の断面積J2より大きく、第2の断面積J2が第3の断面積J3より大きくなるように、構成されている。複数の部材214は、第3の部材214cがチャンバハウジング104に連結されたときに、第2の部材214bがチャンバハウジング104に連結されたときより多く、第3の部材214cが内部空間102の最大容積を制限するように、さらに構成され得る。複数の部材214は、第2の部材214bがチャンバハウジング104に連結されたときに、第1の部材214aがチャンバハウジング104に連結されたときより多く、第2の部材214bが内部空間102の最大容積を制限するように、さらに構成され得る。
【0035】
本開示の一態様によると、複数の部材214のいずれも取り付けられていない、内部空間102の最大容積は、約3.6Lであってよい。複数の部材2144は、第3の部材214cが、内部空間102の最大容積を、推定妊娠期間約22週の胎児を収容するのに十分な容積に制限するか、第2の部材214bが、内部空間102の最大容積を、推定妊娠期間約24週の胎児を収容するのに十分な容積に制限するか、第1の部材214aが、内部空間102の最大容積を、推定妊娠期間約26週の胎児を収容するのに十分な容積に制限するか、またはそれらの任意の組み合わせになるように、構成され得る。
【0036】
本開示の一態様によると、複数の部材2144は、第3の部材214cが、内部空間102の最大容積を、約15Lの容積に制限するか、第2の部材214bが、内部空間102の最大容積を、約2Lの容積に制限するか、第1の部材214aが、内部空間102の最大容積を、約2.5Lの容積に制限するか、またはそれらの任意の組み合わせとなるように、構成され得る。
【0037】
本開示の一態様によると、第1の部材214aのリング218a、第2の部材214b、および第3の部材214cはそれぞれ、等しい外周222a、222b、および222cと、異なる内周224a、224b、および224cと、をそれぞれ定める。よって、第1の部材214a、第2の部材214b、第3の部材214cはそれぞれ、平面P1において測定された、異なる厚さN1、N2、N3をそれぞれ定めることができる。
【0038】
よって、複数の部材214は、チャンバハウジング104に順次連結されて、内部空間102の最大容積を徐々に増大させて、胎児2の成長に対応するよう構成され得る。例えば、チャンバ100は、胎児2が最初に内部空間102の内側に入れられたときに、第3の部材214cがチャンバハウジング104に連結されて内部空間102の最大容積を制限し、内部空間2の中での胎児2の動き、例えば回転を制限するように使用されるよう、構成され得る。胎児2が発達して成長するにつれて、内部空間102の中のより多くの容積が必要とされ得る。したがって、第3の部材214cは、チャンバハウジング104から切り離され得、第2の部材214bは、チャンバハウジング104に連結され得、これはすべて、チャンバ100が閉鎖構成にとどまっている間に行われる。第2の部材214bがチャンバハウジング104に連結された状態で、内部空間102の最大容積は、チャンバハウジング104に連結された第3の部材214c内部にあったときよりも大きい。
【0039】
胎児2がさらに発達して成長すると、内部空間102の中のより多くの容積が必要とされ得る。したがって、第2の部材214bは、チャンバハウジング104から切り離され得、第1の部材214aは、チャンバハウジング104に連結され得、これはすべて、チャンバ100が閉鎖構成にとどまっている間に行われる。第1の部材214aがチャンバハウジング104に連結された状態で、内部空間102の最大容積は、チャンバハウジング104に連結された第2の部材214b内部にあったときよりも大きい。第3の部材を含むものとして記載したが、複数の部材214は、4つ以上の部材を含み得る。
【0040】
再び図5および図6を参照すると、容積調節組立体210は、内部空間102の容積がある範囲の容積間で選択可能となるように、調節可能であってよい。例示された実施形態に示すように、容積調節組立体210は、雌ねじ付きナットなどの調節機構216を含み得る。調節機構216は、容積調節組立体210が内部空間102の最小容積を定める、第1の位置を含み得る。例えば、調節機構216は、下までずっと締められてよく、例えば、ねじ付きナットは最も低い位置に達してよく、部材214は、可撓性壁212を内部空間102に向かって最大距離変形させる。
【0041】
調節機構216は、容積調節組立体210が内部空間102の最大容積を定める第2の位置を含み得る。例えば、調節機構216は、ずっと緩められてよく、例えば、ねじ付きナット、部材212、またはこれらの両方が、チャンバハウジング104から取り外され得、部材214は、可撓性壁212を内部空間102に向かって、最小距離変形させ、例えばまったく変形させない。容積調節組立体210を含めることにより、チャンバ100が閉鎖構成にある間に内部空間102の容積を調節することができる。チャンバ100が閉鎖構成にある間にチャンバ100が内部空間102の容積を変えることができることにより、チャンバ100は、胎児2が発達するにつれて胎児2に適応することができ、例えば、内部空間102の容積は、胎児2を内部空間102から出す必要なしに、胎児が成熟するにつれて、大きくなった胎児2を収容するように増大され得る。
【0042】
図10を参照すると、早産児2を患者6の子宮から子宮外環境へと移動させる方法が提供される。この方法は、胎児2の臍帯4にアクセスするステップを含む。本開示の一態様によると、アクセスするステップは、子宮胎盤灌流および臍帯を通る流れを維持しながら、患者6の子宮に開口部を作ることを含む。いったん子宮が開き、臍帯が露出したら、方法は、臍帯血管(2つの動脈および1つの静脈)にカニューレを挿入するステップと、カニューレを酸素供給器60に接続するステップと、次に、臍帯をクランプするステップと、臍帯4を切断するステップと、を含む。切断するステップは、カニューレに対して臍帯の胎盤側で臍帯をクランプして分割することによって、胎盤から胎児を切り離すステップを含み得る。接続するステップは、非酸素化血液が胎児2から酸素供給器60に送達され、酸素化血液が酸素供給器60から胎児2に送達されるように、胎児2を酸素供給器60に取り付けるステップを含む。本開示の一態様によると、方法は、取り付けるステップの前に、酸素供給器60を、例えば血液でプライミングするステップを含み得る。
【0043】
胎児2にカニューレを挿入するステップは、第1のカニューレを臍帯4の静脈に取り付けるステップ、第2のカニューレを臍帯4の第1の動脈に取り付けるステップ、第3のカニューレを臍帯4の第2の動脈に取り付けるステップ、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。方法は、第1、第2、および第3のカニューレのうちの1つ以上を、酸素供給器60を含む酸素化回路に接続するステップをさらに含み得る。
【0044】
方法は、胎児2を患者6の子宮から出すステップと、胎児2をチャンバ100の中に位置づけるステップと、をさらに含む。方法は、チャンバ100をカート12から取り外すステップと、チャンバ100を、患者6の近くに、例えば患者6が位置づけられる手術室の台8の上に、位置づけるステップと、を含み得る。チャンバ100がカート12から、例えばカート12が行けるよりも患者6に近い場所へと動かされ得るようにシステムが構成されることによって、胎児2が方法中に子宮外環境に曝露される時間の長さが減少し、また、汚染の可能性が減り、それによって、胎児2へのリスクが減少し得る。
【0045】
方法は、カニューレを挿入するステップの後で、胎児2をチャンバ内部空間102の中に位置づけるステップと、位置づけるステップの後で、チャンバ100を開放構成から閉鎖構成に移行させるステップと、をさらに含む。方法は、胎児2がチャンバ内部空間102の中に位置づけられた状態で、チャンバ100をカート12に取り付けるステップをさらに含み得る。方法は、移行させるステップの後で、流体、例えば無菌流体をチャンバ内部空間102の中に供給するステップをさらに含み得る。方法は、供給するステップの前に、流体を所望の温度、例えば周囲室温より高い温度まで加熱するステップを含み得る。一実施形態によると、所望の温度は約28℃~約38℃の範囲内であってよく、より具体的には、所望の温度は、約30℃~約34℃の範囲内であってよい。例示された実施形態に示すように、第1の部分110は、胎児2を受容するように構成され得、第2の部分112は、胎児2の臍帯4の少なくとも一部を受容するように構成され得る。
【0046】
図11および図12を参照すると、システム10は、胎児2の臍帯4をクランプするように構成された停止組立体80を含み得る。本開示の一態様によると、チャンバ内部空間102、例えば第2の部分112は、臍帯4の一部を受容するように構成され得る。例示された実施形態に示すように、チャンバ100は、外側チャンバ壁106の一部と内側チャンバ壁108の一部との間に臍帯4を受容するように構成され得る。
【0047】
図11および図12に示すように、停止組立体80は、クランプ82およびアクチュエータ84を含み得、アクチュエータ84は、クランプ82に動作可能に連結され、例えばシステム10を操作する人間による、アクチュエータ84への入力は、本明細書では開放位置とも呼ばれる図11に示す第1の位置から、本明細書では閉鎖位置とも呼ばれる図12に示す第2の位置まで、クランプ82を移行させる。図11に示すように、開放構成では、第2の部分112は、クランプ82によって妨げられておらず、臍帯4が第2の部分112の中に位置づけられたとき、臍帯4は、クランプ82によって変化することはない。図12に示すように、閉鎖構成では、第2の部分112は、クランプ82によって、少なくとも部分的に妨げられ、例えば完全に妨げられており、臍帯4が第2の部分112の中に位置づけられたとき、臍帯4は、臍帯4を通る血流が妨げられるように、変化する、例えばクランプされる。
【0048】
胎児2をチャンバ内部空間102の中に入れる前に、少なくとも1つのカニューレ140が胎児2に接続され得る。図示のとおり、複数のカニューレ140、例えば3つのカニューレ140が、胎児2の臍帯4に接続され得、カニューレ140はそれぞれ、胎児2の循環系と流体接続する。胎児2の臍帯4にカニューレを挿入し、胎児がチャンバ内部空間102の中に入れられた後、カニューレ140のうちの1つ以上は、乳児2の治療中いつでも切り離され得、カニューレ140のうちのこれら1つ以上は、胎児2の循環系ともはや流体接続せず、これは、本明細書ではカニューレ抜去イベントと呼ばれる。カニューレ抜去イベントは、胎児2の深刻な失血リスクを呈し、それによって胎児2の生育力へのリスクを呈し得る。
【0049】
システム10は、カニューレ抜去イベントを検出するように構成されたカニューレ抜去検出組立体を含み得る。一実施形態によると、システムは、カニューレ抜去イベントの表示となり得る、内部空間102の中の血液を検出するように構成されたカメラを含み得る。カメラは、微光条件で動作し内部空間102中の血液を検出するように構成され得る。
【0050】
停止組立体80は、カニューレ抜去イベント後に、胎児2の臍帯4をクランプし、それによって、さらなる失血を防ぐように構成される。例示された実施形態に示すように、クランプ82は、クランプ82が第1の位置にあるときに、外側チャンバ壁106および内側チャンバ壁108のうちの一方の近く、例えばその内部に位置づけられた、ピストン86を含み得る。第2の位置では、ピストン86は、外側チャンバ壁106および内側チャンバ壁108のうちのその一方から、外側チャンバ壁106および内側チャンバ壁108のうちの他方に向かって、例えばその他方まで、延びる。本開示の一態様によると、クランプ82、例えばピストン86の先端部88、クランプ82の反対側にあるチャンバハウジング104の一部、またはその両方は、クランプ82またはチャンバハウジング104の一部のうちの他方の方を向く、平らでない表面90aおよび90bを含む。平らでない表面90aおよび90bは、平らな表面が提供するよりもより良い臍帯4のクランプを提供するように構成され得る。
【0051】
アクチュエータ84は、クランプ82に動作可能に連結されたハンドル92を含み得、ハンドル92の作動、例えば回転により、クランプ82、例えばピストン86は、第1の位置および第2の位置のうちの一方から、第1の位置および第2の位置のうちの他方まで移行する。アクチュエータ84は、チャンバ100が閉鎖構成にある間にアクチュエータ84がクランプ82を第1の位置から第2の位置まで移行させるよう動作され得るように、位置づけられる。よって、胎児2を看護する方法、例えば胎児2を患者6の子宮から子宮外環境に動かす方法は、停止組立体に入力を提供し、それによって胎児2の臍帯4をクランプするステップを含み得る。
【0052】
図6図11、および図13を参照すると、チャンバハウジング104、例えば外側チャンバ壁106は、第1のシェル114および第2のシェル116を含み、これらは、互いに対して移動可能であり、それによって、チャンバ100が開放構成から閉鎖構成に移行することを可能にする。例示された実施形態に示すように、第1のシェル114および第2のシェル116のうちの少なくとも一方は、第1のシェル114および第2のシェル116のうちの他方に対して、少なくとも1つのヒンジ118を中心として回転可能である。
【0053】
本開示の一態様によると、チャンバは、弾性材料を含むシール120を含み、シール120は、チャンバ100が閉鎖構成にあるとき、第1のシェル114と第2のシェル116との間で圧縮されるように構成され、シール120は、チャンバ100が開放構成にあるとき、圧縮状態から非圧縮状態へと拡張するようにさらに構成される。例示された実施形態に示すように、チャンバハウジング104、例えば第1のシェル114、第2のシェル116、またはその両方は、シール120を少なくとも部分的に受容するように構成された凹部122を画定する。閉鎖構成では、シール120は、チャンバ内部空間102とチャンバ100の周囲の環境との間に液密バリアを提供する。
【0054】
本開示の一態様によると、シール120は、チャンバ100が閉鎖構成にあるとき、第1のシェル114と第2のシェル116との間で測定される高さHを定め、シールは、高さHに垂直な幅Wをさらに定める。例示された実施形態に示すように、幅Wは、チャンバ内部空間102とチャンバ100の周囲の環境との間で測定され得る。
【0055】
シール120は、胎児2に接続されたカニューレ140のうちの少なくとも1つを受容するように構成された少なくとも1つのスロット124を画定する。スロット124は、高さHおよび幅Wの両方に垂直である第1の長さL1を定める第1の部分126を含み得る。スロットは、高さHおよび幅Wの両方に垂直である第2の長さL2を定める第2の部分128を含み得る。第1の長さL1および第2の長さL2の両方は、シール120の1つの側壁から、この1つの側壁に面するシール120の反対側の側壁まで測定され得る。本開示の一態様によると、第1の長さL1は、第2の長さL2未満である。
【0056】
例示された実施形態に示すように、スロット124の第1の部分126は、シール120の第1の外側表面130から、シール120の第1の外側表面130の反対側にあるシール120の第2の外側表面132に向かって、延びることができる。第1の外側表面130および第2の外側表面132はそれぞれ、高さHが垂直となる表面であってよい。シール120は、シール120の第2の外側表面132に到達する前に終端し得る。図示のとおり、第1の部分126は、高さHが測定される方向に関して、第1の外側表面130と第2の部分128との間に位置づけられる。
【0057】
スロット124は、チャンバ100が開放構成にあるとき、カニューレ140を受容するように構成され得る。カニューレ140は、スロット124の第1の部分126を通って動き、その後、スロット124の第2の部分128内部に位置づけられ得る。カニューレ140が第2の部分128内部に位置づけられると、チャンバ100を閉鎖構成に移行させることにより、第1の部分126が液密バリアを形成し、第2の部分128が液密バリアをカニューレ140の周りに形成する。例示された実施形態に示すように、シール120は、スロット124がシール120を通って互いに実質的に垂直に延びるように配列された、スロット124のうちの3つを画定する。シール120は、他の数のスロット124、例えば3未満、または3超を含んでよく、また、スロット124の他の配列、例えば互いに平行でない配列を含み得る。例示された実施形態に示すように、スロット124は、チャンバ内部空間102の第2の部分112に面し得る。
【0058】
図14を参照すると、チャンバ100は、チャンバ100が閉鎖構成にあるとき、チャンバ100の周囲の環境からチャンバ内部空間102までの通路を提供するように構成された、ポート160を含み得る。例示された実施形態に示すように、チャンバ100は、第1のポート160aおよび第2のポート160bを含む複数のポート160を含み得る。第1のポート160aおよび第2のポート160bは、互いに反対側に位置づけられ得る。例えば、第1のポート160aは、第1のシェル114によって支持され得、第2のポート160bは、第2のシェル116によって支持され得る。第1のポート160aは、第2のポート160bがチャンバ100の第1の端部180に対するよりも、第1の端部180の近くに位置づけられ得、第2のポート160bは、第1のポート160aがチャンバ100の第2の端部182に対するよりも、第2の端部182の近くに位置づけられ得る。例示された実施形態に示すように、第1のポート160aおよび第2のポート160bは、胎児2がチャンバ100の中にいて、チャンバ100が閉鎖構成であるときに、第1のポート160aが胎児2の頭部7に近接して位置づけられ、また第2のポート160bが胎児2の足9に近接して位置づけられるように、位置づけられ得る。胎児の頭部に近接した第1のポート160aと、胎児の足に近接した第2のポート160bと、を含むチャンバ100は、胎児2の頭部7または足9のいずれかによって位置づけられたデブリをチャンバ内部空間102から取り除くためにチャンバ内部空間102への選択可能なアクセスを提供する。
【0059】
図15図18を参照すると、ポート160は、チャンバ内部空間102内への、器具200、例えば吸引ワンド202のアクセスを提供すると共に、チャンバ内部空間102の無菌性を維持するように構成される。ポート160は、付勢されて閉じられる第1のシール162を含み得る。図15図17に示すとおり、器具200がポート160から取り外されると、第1のシール162のスリット164が付勢されて閉じられる。図18に示すとおり、ポート160は、器具がポート160に挿入されると器具200の周りにシールを形成するように構成された第2のシール165を含み得る。一実施形態によると、第2のシール165は、第1のシール162から離間し、第2のシール165は開口部166を画定する。開口部166は、器具200の外部表面の形状に対応し、例えば形状に一致してよく、器具200がポート160に挿入されると、開口部166は、器具200のための通路を提供し、器具200とシールを形成する。
【0060】
本開示の一態様によると、ポート160は、第1の位置から第2の位置まで移動可能である第3のシール168を含み得る。図15および図16に示すとおり、本明細書では閉鎖位置とも呼ばれる、第1の位置では、第3のシール168は、ポート160を通る通路を塞いでおり、器具200は、ポート160を通過してチャンバ内部空間102に入ることができない。図17および図18に示すように、第3のシール168は、動かされ、例えば並進運動され得、第3のシール168の開口部170は、ポート160の通路と整列され得、器具200は、ポート160を通過してチャンバ内部空間102に入ることができる。
【0061】
図19図22を参照すると、別の実施形態によると、ポート160の第3のシール168は、図15図18を参照して前述したような第2のシール164と同様であってよく、第3のシール168は、第1の位置から第2の位置まで移動可能ではないが、むしろ、開口部170は、ポート160の通路に位置が固定され、器具200の形状に対応し、そのため、器具200がポート160に挿入されると、開口部166は、器具200のための通路を提供し、器具200とシールを形成する。例示された実施形態に示すように、開口部170は、器具200がポート160から取り外されると、開口部166より大きくてよい。
【0062】
図23図26を参照すると、システム10は、ポート160の代わりに、またはそれに加えて、ポート260を含み得る。ポート260は、第1のシェル114および第2のシェル116のうちの一方に取り付けられるように構成された、ハウジング262を含み得る。例えば、ハウジング262の上方表面264は、可撓性壁212aおよび212bのうちの一方、例えば内部空間102に面する可撓性壁212aおよび212bの側面に溶接され得る。あるいは、ハウジング262は、内部空間102から離れる方に面する可撓性壁212aおよび212bの側面に溶接されるように構成され得る。ハウジング260は、第1の開口部266と、第2の開口部268と、第1の開口部266から第2の開口部268まで延びる凹部270と、を画定する。
【0063】
ポート260は、凹部270の中に位置づけられたインサート272をさらに含む。インサート272は、シール、例えば液密シール、気密シール、またはその両方を、第1の開口部266と第2の開口部268との間に作るように構成される。インサート272は、スリット274と共に、弾性的に変形可能な材料を含む。インサート272は、器具200がスリット274に挿入されることを可能にし、器具がスリット274を通って挿入されるときに器具200の周りにシールを形成するように構成される。インサート272は、器具200がスリット274に挿入されるときに圧縮され、器具200に対して付勢力を加え、それによって、第1の開口部266と第2の開口部268との間にシールを維持するように構成された、第1の材料276、例えばシリコーンを含み得る。
【0064】
インサート272は、第1の材料276より硬い、第2の材料278、例えばポリカーボネートをさらに含み得る。第2の材料278は、第1の材料276の周りに位置づけられ得、インサート272を凹部270の中に固定するために取り付け機構を含み得る。
【0065】
ポート260は、キャップ組立体280も含み得る。キャップ組立体280は、器具をスリット274までガイドするように構成された開口部284を画定する本体282を含む。キャップ組立体280は、ハウジング260に取り付けられ、例えば対応するねじ山でねじ取り付けされ得る。
【0066】
図27を参照すると、システム10は、第1の流体回路300を含み、これは、流体302を供給源304からチャンバ100に送達し、その後、流体302をチャンバ100からリザーバ306に送達するように構成される。流体302は、無菌溶液、例えば電解質溶液であってよい。供給源304は、複数の供給源容器、例えば第1の供給源容器308aおよび第2の供給源容器308b、を含み得る。複数の供給源容器は、流体302が複数の供給源容器のうちの1つまたは別の1つから送達され得るように、平行に配列され得る。本開示の一態様によると、第1の流体回路300は、弁310を含み、これは、弁310が開放構成にあるときに供給源304からチャンバ100への流体302の通過を提供するように構成され、弁310は、弁310が閉鎖構成にあるときに供給源304からチャンバ100への流体302の通過を阻止するようにさらに構成される。
【0067】
例示された実施形態に示すように、弁310は、三方弁であってよく、これは、弁310が第1の供給源容器308aからチャンバ100への流体302の通過を提供すると共に、第2の供給源容器308bからチャンバ100への流体302の通過を阻止する、第1の開放構成を含む。三方弁は、弁310が第2の供給源容器308bからチャンバ100への流体302の通過を提供すると共に、第1の供給源容器308aからチャンバ100への流体302の通過を阻止する、第2の開放構成をさらに含み得る。弁310が前述したように三方弁であることにより、第1の供給源容器308aが空になるまで第1の供給源容器308aからの流体302がチャンバ100に送達されることが可能となり、その後、弁310は、第1の開放構成から第2の開放構成に移行され得、第2の供給源容器308bからの流体302が、チャンバ100に送達されることを可能にすると共に、今は空になっている第1の供給源容器308aを、新しい容器と交換することが可能となる。
【0068】
第1の流体回路300は、流体302を供給源304からチャンバ100まで移動させるように構成された、ポンプ312、例えば蠕動ポンプを含む。第1の流体回路300は、ポンプ312とチャンバ100との間に位置づけられた第1の圧力センサ314a、チャンバ100内部に位置づけられた第2の圧力センサ314b、チャンバ100とリザーバ306との間に位置づけられた第3の圧力センサ314c、第4の圧力センサ314d、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。圧力センサ314a、314b、314c、および314dはそれぞれ、ポンプ312とチャンバ100との間の第1の流体回路300内部の現在の圧力を表す数値を、システム10のユーザが見ることができるディスプレイに出力するように構成され得る。
【0069】
第1の流体回路300は、流体302中の微粒子がチャンバ100に到達するのを妨げるように構成されたフィルタ316を含み得る。フィルタ316は、選択されたサイズの微粒子、例えば約0.22μm超の粒子をブロックするように構成され得る。フィルタ316は、平行に、または直列に配列され得る複数のフィルタ316のうちの1つであってよい。複数のフィルタ316は、同じサイズまたは異なるサイズの微粒子をブロックするように構成され得る。例えば、複数のフィルタ316のうちの第1のフィルタは、第1のサイズの微粒子をブロックするように構成され得、複数のフィルタ316のうちの第2のフィルタは、第2のサイズの微粒子をブロックするように構成され得る。第1のサイズは、第2のサイズより大きくてよく、複数のフィルタ316のうちの第2のフィルタは、複数のフィルタ316のうちの第1のフィルタとチャンバ100との間に位置づけられ得る。
【0070】
第1の流体回路300は、チャンバ100に到達する前に流体302の温度を変化させるように構成された熱供給源318を含み得る。熱供給源318は、流体302の温度を上げるように構成された1つ以上のヒーター320を含み得る。第1の流体回路300は、流体302の透明度を測定するように構成された濁度計322を含み得る。濁度計322は、チャンバ100内部に位置づけられ、あるレベルの曇りが流体302中に存在する場合に信号を送信する、例えばシステム10の警報を作動させるように構成され得る。流体302中の曇りは、チャンバ100内の流体302中の汚染物質(contaminate)、例えば胎便によって引き起こされ得る。濁度計322は、チャンバ100内の血液を検出するように構成され得る。チャンバ100内における血液の存在は、カニューレ抜去イベントを信号伝達することができ、これは、乳児2への潜在的な危害を最小限に抑えるために迅速な検出および通知を必要とし得る。
【0071】
システム10は、チャンバ100を閉鎖構成に維持しながら、チャンバ100内の流体302中の汚染物質の除去を容易にするように構成される。例えば、吸引ワンド202は、例えば前述したようなポートのうちの1つを通して、チャンバ100に挿入され、汚染物質を除去するのに使用され得る。吸引ワンド202は、真空供給源204、例えば可動の真空供給源または固定された真空供給源に接続され得る。
【0072】
第1の流体回路300は、流体302が通常リザーバ306に向かってチャンバ100を出るよりも速く、チャンバ100内部の流体302を解放するように構成された、逃がし弁324を含み得る。チャンバ100内部の流体302の圧力が所望のレベルを超えた値に達すると、または胎児2への迅速なアクセスが望まれる場合、逃がし弁324を作動させると、チャンバ100内部に現在入っている流体302がチャンバ100から取り去れられて空になる。
【0073】
第1の流体回路300は、流体302が第1の流体回路300を通って動いている速度を測定するように構成された流量計326を含み得る。第1の流体回路300は、チャンバ100に入る流体302の流量を測定するように構成されるよう、ポンプ312とチャンバ100との間に位置づけられた第1の流量計326、チャンバ100から出る流体302の流量を測定するように構成されるよう、チャンバ100とリザーバ306との間に位置づけられた第2の流量計326、またはその両方を含み得る。
【0074】
第1の流体回路300は、チャンバ100とリザーバ306との間に位置づけられたろ過システム328を含み得る。ろ過システム328は、細菌などの汚染物質が、流体302が流れる方向とは反対の方向に沿ってチャンバ100に向かって移動するのを防ぐように構成される。本開示の一態様によると、ろ過システム328は、リザーバ306からチャンバ100に向かって移動する、細菌の成長を抑制する(kill)ように構成される。
【0075】
第1の流体回路300は、チャンバ100内部の流体302の圧力を調節するように構成された圧力調整器330を含み得る。圧力調整器330は、アクチュエータを含み得、これは、入力、例えばチャンバ100内部の流体302の圧力をそれぞれ上昇または低下させるために、システム10が位置づけられている表面に対してアクチュエータを上げるか、または下げることを含む、手動入力を受信するように構成される。
【0076】
図27および図28を参照すると、圧力調整器330は、圧力チャンバ331、圧力チャンバ331に連結された第1のポート333、および圧力チャンバ331に連結された第2のポート335を含み得る。圧力調整器330は、チャンバ100から排出された流体302が、第1のポート333を通って圧力チャンバ331に入り、リザーバ306に向かう途中で第2のポート335を通って出るように、構成され得る。例示された実施形態に示すように、圧力チャンバ331は、カート12に、例えば一対のレール337上にスライド可能に取り付けられる。本開示の一態様によると、内部空間102の内側の圧力は、圧力チャンバ331の高さを内部空間102に対して調節することによって、調節され得る。例えば、システム10は、圧力チャンバ331をレール337に沿って「上に」スライドさせ、それによって、内部空間102に対する圧力チャンバ331の高さを高くすることにより、内部空間102を出る流体302が、重力に抵抗して「上に」移動しなければならず、それによって、内部空間102の中の圧力が上昇するように、構成され得る。システム10は、圧力チャンバ331をレール337に沿って「下に」スライドさせ、それによって内部空間102に対する圧力チャンバ331の高さを低くすることにより、内部空間102を出る流体302が、重力に抵抗して「上に」移動するのにそれほど垂直ではない距離を有し、それによって、内部空間102の中の圧力が下がるように、さらに構成され得る。
【0077】
リザーバ306は、複数のリザーバ容器、例えば第1のリザーバ容器332aおよび第2のリザーバ容器332b、を含み得る。複数のリザーバ容器は、流体302が複数のリザーバ容器332aおよび332bのうちの1つまたは別の1つから送達され得るように、平行に配列され得る。本開示の一態様によると、第1の流体回路300は、弁334を含み、これは、弁334が開放構成にあるときにチャンバ100からリザーバ306への流体302の通過を提供するように構成され、弁334は、弁334が閉鎖構成にあるときにチャンバ100からリザーバ306への流体302の通過を妨げるようにさらに構成される。
【0078】
例示された実施形態に示すように、弁334は、三方弁であってよく、これは、弁334がチャンバ100から第1のリザーバ容器332aへの流体302の通過を提供すると共に、チャンバ100から第2のリザーバ容器332bへの流体302の通過を阻止する、第1の開放構成を含む。三方弁は、弁334がチャンバ100から第2のリザーバ容器332bへの流体302の通過を提供すると共に、チャンバ100から第1のリザーバ容器332aへの流体302の通過を阻止する、第2の開放構成をさらに含み得る。弁334が前述したように三方弁であることにより、第1のリザーバ容器332aがいっぱいになるまでチャンバ100からの流体302が第1のリザーバ容器332aに送達されることが可能となり、その後、弁334は、第1の開放構成から第2の開放構成に移行され得、チャンバ100からの流体302が、第2のリザーバ容器332bに送達されることを可能にすると共に、今はいっぱいになっている第1のリザーバ容器332aを取り外し、新しい空の容器と交換することが可能となる。
【0079】
図27および図29図30を参照すると、ろ過システム328は、チャンバ100とリザーバ306との間に、ある量の紫外線を流体302に送達するように構成された紫外線供給源360を含み得る。細菌または他の汚染物質は、リザーバ306内で成長し、また、流体302の流れに逆行するかまたは反対に、チャンバ100に向かって成長または移動する場合がある。ろ過システム328は、汚染物質がチャンバ100に到達する前に汚染物質を根絶するように構成される。
【0080】
ろ過システム328は、ろ過システム328を出る紫外線の量を制限するように構成されたハウジング362を含み得る。一実施形態によると、ハウジング362は、(図30に示すような)開放構成および(図29に示すような)閉鎖構成を定める。閉鎖構成では、ハウジング362は、紫外線の一部、例えばすべてが、チャンバ100に到達するのを妨げるように構成される。ろ過システム328は、紫外線供給源360に曝露され、チャンバ100とリザーバ306との間で流体302を運ぶ、ある長さの管364を含み得る。
【0081】
ハウジング362は、第1のシール366および第2のシール368を含み得、これらはそれぞれ、管364が第1のシール366および第2のシール368内部に位置づけられたときに、第1のシール366および第2のシール368が、紫外線がハウジング362を出るのを防ぐ光バリアを管364の周りに形成するように、管364を受容するよう構成されている。第1のシール366、第2のシール368、またはその両方は、管364内部で流体302が流れる方向に実質的に垂直な方向に、外側表面372から延びるスロット370を含み得る。スロット370は、管364がそれぞれのシールとスライド係合するのを促進するように構成され得る。ハウジング362は、ハウジング362内部に位置づけられた反射表面374を含み得、反射表面374は、紫外線供給源360に直接曝露されていない管364の追加エリアに紫外線を反射するように構成される。
【0082】
ろ過システム328は、紫外線に曝露されている管のセクションに沿って測定され、流体302が流れる方向に測定された、長さL3を定める。本開示の一態様によると、長さL3は、約2.03cm(約0.8インチ)より長く、紫外線供給源360によって提供される放射照度は、約100マイクロワット毎平方センチメートル(centimeter squared)であり、管364の断面積は、約0.22平方センチメートルであり、管364を通る流体302の流量は、最大で約32mL/分であってよい。
【0083】
よって、胎児2を看護する方法、例えば胎児2を患者6の子宮から子宮外環境に動かす方法は、チャンバ100を通って流れる第1の流体回路300の一部を紫外線に曝露するステップを含み得る。
【0084】
図31を参照すると、システム10は、胎児2と酸素供給器60との間にガス移動を提供するように構成された第2の流体回路400を含む。具体的には、第2の流体回路400は、酸素を、胎児2の血液に提供し、二酸化炭素を胎児2の血液から除去するように構成される。第2の流体回路400は、スイープガス408を酸素供給器60に送達するように構成された第1の部分500と、スイープガス408を受け入れ、胎児2の血液供給とガス交換を行うように構成された、第2の部分502と、を含み得る。第2の部分502は、第2の流体回路400の2つの流体ラインによって胎児2と接続された酸素供給器60を含み得る。2つの流体ラインは、流出ライン402と、流入ライン404と、を含む。胎児2の血液は、胎児2から、流出ライン402を通って酸素供給器60まで流れ、その血液は次に、酸素供給器60を通って流れ、流入ライン404を通って胎児2に戻る。流出ライン402および流入ライン404は、例えばカニューレ140によって、シール120を通過する。
【0085】
システム10は、酸素供給器60がチャンバ100の近くに位置づけられて、酸素供給器60までの、また酸素供給器60からの流出ライン402および流入ライン404の長さそれぞれが、最小限に抑えられるように、構成され得る。例えば、本開示の一態様によると、流出ライン402および流入ライン404は、組み合わせて約91.44cm(約36インチ)未満の長さである。流出ライン402および流入ライン404の長さを最小限に抑えることによって、第2の流体回路400をプライミングするのに必要とされる血液の体積が最小になる。(例えば、固定化したポリペプチド、ヘパリン、またはその両方であるがこれらに制限されない)抗凝固手段/化合物で、流出ライン402、流入ライン404、またはその両方の内側を覆うことが望ましい場合がある。
【0086】
酸素供給器60は、胎児2に接続される前にプライミングされ得る。一実施形態によると、酸素供給器60は、ヒトアルブミンを含有する晶質溶液でプライミングされ得る。第2の流体回路400は次に、例えば母体血、胎児2の血液、またはその両方で、さらにプライミングされ得る。胎児2のヘモグロビンで第2の流体回路400をプライミングすると、最適な酸素交換が第2の流体回路400で行われ得る。胎児酸素解離曲線が成人酸素解離曲線と比べて左にシフトしているので、胎児の動脈酸素圧力は、成人の動脈酸素圧力より低い。一実施形態では、第2の流体回路400中の血液はヘパリンを含む。別の実施形態によると、第2の流体回路400中の血液はヘパリンを含まない。
【0087】
本開示の一態様によると、第2の流体回路400の第1の部分500は、スイープガス408を生成し、スイープガス408を酸素供給器60に送達し、スイープガス408は、酸素供給器60と胎児2の血液との間でのガス移動を容易にするように構成される。ガス移動は、スイープガス408の組成、および酸素供給器60を通るスイープガス408の流量の影響を受ける。複数のガスが、ガスブレンダー410で互いにブレンドされ得、ガスブレンダーは、複数のガスをブレンドしてスイープガスを形成する。本開示の一態様によると、複数のガスは、酸素、窒素、二酸化炭素、酸化窒素、空気、またはそれらの任意の組み合わせを含み得るが、これらに制限されない。例示された実施形態に示すように、複数のガスは、少なくとも第1のガス412および第2のガス414を含み得る。複数のガスは、第3のガス416、第4のガス417、第5のガス419、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含み得る。本開示の一態様によると、複数のガスのうちのいずれかまたはすべてが、可動の小型供給源、および大型の固定された供給源など複数の供給源によって供給され得る。
【0088】
一例として、第2の流体回路400は、例えばカート12に取り付けられ、カート12によって運ばれる、可動の第1のガス供給源418aと、例えば病室のインフラの一部として、所定の場所に固定されている、固定された第1のガス供給源418bと、を含み得る。第2の流体回路400は、可動の第2のガス供給源420a、固定された第2のガス供給源420b、可動の第3のガス供給源422a、固定された第3のガス供給源422b、可動の第4のガス供給源424a、固定された第4のガス供給源424b、可動の第5のガス供給源427a、固定された第5のガス供給源427b、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含み得る。
【0089】
第2の流体回路400の第1の部分500は、複数の弁426を含み得、これらはそれぞれ、それぞれのガス供給源の可動または固定された供給源が第2の流体回路400と接続されるかどうかを制御するように構成されている。第2の流体回路400は、複数のガス供給部それぞれと一直線に位置づけられた1つ以上の圧力センサ428を含み得、複数の圧力センサ428は、第2の流体回路400に供給されている複数のガスのガス圧力を測定するように構成される。第2の流体回路400は、それぞれのガス供給源から可変圧力を受け取り、それぞれのガスの安定した一定の圧力を送達するように構成された、1つ以上の圧力調整器429をさらに含み得る。例示された実施形態に示すように、圧力調整器429は、圧力調整器429に入る圧力および圧力調整器429から出る圧力を測定するように構成され得る、圧力センサ428のうちの2つの間に位置づけられ得る。
【0090】
第2の流体回路400は、複数のガスのうちの1つ以上がガスブレンダー410に入るように構成され得る。例示された実施形態に示すように、第1のガス412と、第2のガス414および第3のガス416のうちの一方とが、ガスブレンダー410に入り得る。本開示の一態様によると、第1のガス412は酸素であり、第2のガス414は窒素であり、第3のガス416は空気である。ガスブレンダー410は混合ガス425を出力する。第2の流体回路400は、混合ガス425がガスブレンダー410から出た後で複数のガスのうちの1つ以上が混合ガス425と組み合わせられるように、構成され得る。一実施形態によると、複数のガスは、第2の流体回路400に連結された酸素、窒素、および空気を含み、酸素と、窒素および空気のうちの1つとは、ガスブレンダー410に入って、混合ガス425を形成する。第2の流体回路400は、スイープガス408を形成するために混合ガス425に接続された第4のガス417、第5のガス419、またはその両方を含み得る。第4のガスは、二酸化炭素を含み得、第5のガスは、酸化窒素を含み得、本開示の一態様によると、これらはそれぞれ、混合ガス425がガスブレンダー410を出た後で混合ガス425に添加されて、スイープガス408を形成するように構成されている。
【0091】
第2の流体回路400は、ヒーター、例えばヒーター42、またはガスブレンダー410と酸素供給器60との間に直線に並んで位置づけられた異なるヒーターを含み得、ヒーターは、スイープガス408を加熱するように構成され、スイープガス408の温度は、所定の範囲内に維持される。第2の流体回路400は、スイープガス408の流量を監視するか、調節するか、またはその両方を行うように構成された流体流調整器430を含み得る。第2の流体回路400は、酸素供給器60に入るスイープガス408の1つ以上の特徴を分析するように構成されたスイープガス分析器432をさらに含み得る。
【0092】
第2の流体回路400は、酸素供給器60によって排出されるガスの1つ以上の特徴を分析するように構成された排気ガス分析器434を含み得る。例えば、ガス分析器432および434は、スイープガスおよび排気ガスそれぞれの酸素含量を測定するように構成され得る。例示された実施形態に示すように、流体流調整器430は、スイープガス分析器432と酸素供給器60との間に位置づけられ得る。
【0093】
第2の流体回路400は、酸素供給器60に入る血液の流体圧力および酸素供給器60から出る血液の流体圧力をそれぞれ検出するように構成された、一対の流体圧力センサ436および438をさらに含む。具体的には、第1の圧力センサ436は、流出ライン402と一直線に位置づけられ得、第2の圧力センサ438は、流入ライン404と一直線に位置づけられ得る。このように、酸素供給器60に関する流体圧力の低下は、連続して監視され得る。さらに、流体流量計440が、流入ライン404と一直線に位置づけられて、酸素供給器60から胎児2に戻る血液の流量を監視することができる。
【0094】
第2の流体回路400は、1つ以上のポート442を含み得、これは、分析用の血液サンプルを抜き取るのに利用され得、または、ポート442は、薬剤または栄養を血液中に直接注射または注入するのに使用され得る。例えば、ポート442のうちの1つは、抗生物質または鎮静剤などの薬物を血液中に注射するのを容易にするように構成され得る。同様に、ポート442のうちの別の1つは、非経口完全栄養(total parental nutrition)(TPN)などの栄養を血液中に注射するのを容易にするように構成され得る。
【0095】
第2の流体回路400の第2の部分502は、第1のセンサ437および第2のセンサ439を含み得、これらは、酸素供給器60が、第1のセンサ437と第2のセンサ439との間、例えば、直接それらの間、に来るように位置づけられている。第1のセンサ437および第2のセンサ439は、酸素供給器60に入る直前および酸素供給器60から出た直後それぞれの、胎児2の血液の1つ以上の変数を測定するように構成され得、酸素供給器によりもたらされる変化を測定および監視することができる。第1のセンサ437および第2のセンサ439はそれぞれ、血流、血中酸素濃度、血中ヘモグロビン濃度、またはそれらの任意の組み合わせを測定するように構成され得る。一実施形態によると、第1のセンサ437および第2のセンサ439はそれぞれ、吸光分光法(absorbance spectroscopy)を用いて、ヘモグロビンに結合した酸素の量、およびヘモグロビンの濃度を測定する。血流は、超音波で測定され得る。
【0096】
本開示の一態様によると、胎児2の心臓は、第2の流体回路400の第2の部分502を通る血流を駆動し、第2の流体回路400の第2の部分502にはポンプがない。言い換えれば、本開示の一態様によると、第2の流体回路400の第2の部分502は、ポンプ無しの回路である。ポンプ無しのシステムの使用により、胎児2の心臓が、無脈動ポンプに補助された回路内で遭遇する過度の前負荷にさらされるのを回避する。ポンプ無しのシステムはまた、流動力学の固有の胎児の循環調整を可能にする。酸素供給器60は、好ましくは非常に低い抵抗、低いプライミング容積、低い膜間圧力低下を有し、有効なガス交換を提供する。第2の流体回路400の第1の部分500は、外部圧力供給源によって駆動され得る。
【0097】
一実施形態によると、酸素供給器60は、1.5L/分の血流で約6.67kPa(約50mmHg)または約5.33kPa(約40mmHg)未満の圧力低下を有する。特定の実施形態では、酸素供給器60のプライミング容積は、約100mL未満であり、具体的には約85mL未満である。特定の実施形態では、酸素供給器60は、約2.0L/分、約2.5L/分、約2.8L/分まで、またはそれより多い、血流範囲を有する。特定の実施形態では、酸素供給器60は、酸素について、約150mL/分、約160mL/分、約180mL/分、またはそれを超えるガス移動速度を有する。特定の実施形態では、酸素供給器60は、中空繊維膜酸素供給器である(例えば、ポリメチルペンテン中空繊維膜酸素供給器であるが、これに制限されない)。酸素供給器60は、抗凝固手段/化合物、例えば固定化したポリペプチドおよび/またはヘパリン)で内側を覆われ得る。
【0098】
システム10は、出産予定日および出産予定日前の胎児を含む胎児で使用されるように構成され得る。出産予定日前の胎児は、早産児(例えば、推定妊娠期間37週未満、特に推定妊娠期間28~32週)、超早産児(推定妊娠期間24~28週)、または生存可能以前の(pre-viable)胎児(推定妊娠期間20~24週)であってよい。妊娠期間は、人間について記載されているが、他の動物の対応する出産予定日前の胎児も、使用することができる。特定の実施形態では、出産予定日前の胎児は、潜在する先天性疾患がない。特定の実施形態では、出産予定日または出産予定日前の胎児は、例えば肺の発達に影響を及ぼす肺形成不全または先天性異常、例えば先天性横隔膜ヘルニアによって、肺のガス交換の能力が限られている。特定の実施形態では、被験者は、例えば先天性肺疾患(例えば、気管支肺胞形成異常(bronchoalveolar dysplasia)、肺サーファクタントタンパク質B欠乏症など)により、肺移植を待つ出産予定日前または出産予定日の新生児である。このような移植手術は、米国では現在めったに行われていない。しかしながら、移植手術数は、本発明により提供される、肺を補助する、より安定した方法により増加し得る。胎児2は、子宮外分娩時治療(EXIT)による出産の候補にもなり得、深刻な気道病変を持つ患者、および最終切除前に長期間経過することが予測される(long expected course before definitive resection)患者が含まれる。胎児2は、特に早産を引き起こす早期陣痛があった、胎児手術または胎児鏡処置の患者であってもよい。本開示の一態様によると、システム10は、胎児2が必要な限り長く(例えば、胎児2がシステム10なしで生きることができるようになるまで、数日間、数週間、または数か月間)システム10内に維持され得るように構成される。
【0099】
前述した説明は、開示されたシステムおよび方法の実施例を提供することが認識されるであろう。しかしながら、本開示の他の実施は、前述した実施例と細部が異なっていてよいことが企図されている。本開示またはその実施例への言及はすべて、その時点で論じられている特定の実施例への言及を意図しており、開示の範囲に関する何らかの制限を、より一般的に暗示することは意図していない。特定の特徴に対して区別および非難する(disparagement)すべての言語は、それらの特徴が優先されていないことを示すことが意図されており、別段指示のない限り、開示の範囲全体からそれらを排除することは意図していない。
【0100】
本明細書での値の範囲の記述は、別段指示のない限り、単に、範囲の記載された限界を含め、その範囲内に入る別々の値それぞれに個々に言及する、省略表現法として役立つことが意図されており、別々の値はそれぞれ、本明細書に個別に記述されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書に記載するすべての方法は、本明細書中別段指示のない限り、または別様に文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行され得る。
【0101】
本開示を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲によって定められるような発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、さまざまな変更、置換、および改変を、本明細書において行い得ることを理解されたい。さらに、本開示の範囲は、明細書中に記載された特定の実施形態に制限されることを意図していない。当業者であれば本発明の開示から容易に認識されるように、本明細書に記載する対応する実施形態と実質的に同じ機能を発揮するか、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在しているか、または後で開発される、プロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップは、本開示に従って利用され得る。
【0102】
〔実施の態様〕
(1) チャンバであって、前記チャンバの内部空間の中に胎児を包むように構成されている、チャンバにおいて、
第1のシェルおよび第2のシェルを含むハウジングであって、前記第1のシェルおよび前記第2のシェルは、協働して、前記内部空間を少なくとも部分的に画定し、前記ハウジングは、前記第2のシェルが前記第1のシェルに対して第1の位置から第2の位置に動くことができるように構成され、前記第1の位置では、前記チャンバは開放構成にあり、前記第2の位置では、前記チャンバは閉鎖構成にあり、前記閉鎖構成では、シールが、前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に形成される、ハウジングと、
クランプおよびアクチュエータを含む停止組立体であって、前記クランプは、前記ハウジングが前記閉鎖構成にあるとき、前記内部空間に位置づけられ、前記アクチュエータは、前記アクチュエータが動くと前記クランプを動かすように、前記クランプに連結され、前記アクチュエータは、前記ハウジングが前記閉鎖構成にあるとき、少なくとも部分的に前記内部空間の外側に位置づけられる、停止組立体と、
を含み、
前記チャンバが前記開放構成にあるとき、前記第1のシェルおよび前記第2のシェルは、協働して前記内部空間内への開口部を画定し、前記開口部は、前記第1のシェルの一部から前記第2のシェルの一部まで測定された第1の距離を定め、前記チャンバが前記閉鎖構成にあるとき、前記開口部は、前記第1のシェルの前記一部から前記第2のシェルの前記一部まで測定された第2の距離を定め、前記第2の距離は、前記第1の距離より短い、チャンバ。
(2) 実施態様1に記載のチャンバにおいて、
前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に位置づけられたシールをさらに含み、
前記閉鎖構成では、前記シールは、前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間で圧縮されて、前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に液密バリアを形成する、チャンバ。
(3) 実施態様2に記載のチャンバにおいて、
前記シールは、前記チャンバが前記開放構成にあるときに前記開口部に面する上方表面と、前記上方表面の反対側の下方表面と、少なくとも1つのスロットと、を含み、前記少なくとも1つのスロットは、前記少なくとも1つのスロットが前記下方表面に到達する前に終端するような方向に沿って前記上方表面から前記下方表面に向かって延びる、チャンバ。
(4) 実施態様3に記載のチャンバにおいて、
前記スロットは、第1の部分および第2の部分を含み、
前記第1の部分は、前記方向に関して、前記第2の部分が前記上方表面に対するよりも、前記上方表面の近くに位置づけられている、チャンバ。
(5) 実施態様4に記載のチャンバにおいて、
前記第1の部分は、前記第1の方向に垂直である第2の方向に測定された第1の長さを定め、
前記第2の部分は、前記第2の方向に測定された第2の長さを定め、
前記第2の長さは、前記第1の長さより長い、チャンバ。
【0103】
(6) 実施態様5に記載のチャンバにおいて、
前記少なくとも1つのスロットは、3つのスロットを含み、前記3つのスロットはそれぞれ、前記第1の方向および前記第2の方向の両方に垂直である第3の方向に沿って互いに平行に前記シールを通って延びる、チャンバ。
(7) 実施態様1から6のいずれかに記載のチャンバにおいて、
前記第1の距離は、前記開口部を通じて前記内部空間に前記胎児を入れるのに適応するのに十分大きく、
前記胎児は、妊娠約22週~妊娠約24週である、チャンバ。
(8) 実施態様1から7のいずれかに記載のチャンバにおいて、
前記第1のシェルおよび前記第2のシェルのうちの少なくとも一方は、前記内部空間の外周を画定する外壁と、前記外壁から前記内部チャンバ空間内へ延びる内壁と、を含み、
前記内壁は、前記内部空間の第1の部分を前記内部空間の第2の部分から分離する、チャンバ。
(9) 実施態様8に記載のチャンバにおいて、
前記チャンバが前記閉鎖構成にあるとき、
1)前記内部空間の前記第1の部分は、前記胎児を包むように構成され、前記内部空間の前記第2の部分は、前記胎児の臍帯の少なくとも一部を囲むように構成されている、チャンバ。
(10) 実施態様8に記載のチャンバにおいて、
前記クランプは、前記アクチュエータに動作可能に連結されたピストンを含み、前記アクチュエータが作動すると、前記ピストンは、前記外壁および前記内壁のうちの一方から、前記外壁および前記内壁のうちの他方への方向に並進運動する、チャンバ。
【0104】
(11) 実施態様10に記載のチャンバにおいて、
前記ピストンは、前記第2の部分内部に位置づけられている、チャンバ。
(12) 実施態様8に記載のチャンバにおいて、
前記内部空間は、最大容積を定め、
前記チャンバは、前記最大容積を減少させるように構成された容積調節組立体をさらに含む、チャンバ。
(13) 実施態様12に記載のチャンバにおいて、
前記第1のシェルは、可撓性壁を含み、
前記容積調節組立体は、前記第1のシェルに連結されるように構成された部材を含み、前記部材は、前記可撓性壁を変形させ、それによって前記内部空間の容積を減少させる、チャンバ。
(14) 実施態様13に記載のチャンバにおいて、
前記部材は第1の部材であり、
前記容積調節組立体は、第2の部材を含み、
前記第1の部材は、前記第1のシェルに連結されるように構成され、前記第1の部材は、前記可撓性壁を変形させ、それによって前記内部空間の前記容積を第1の量だけ減少させ、
前記第2の部材は、前記第1のシェルに連結されるように構成され、前記第2の部材は、前記可撓性壁を変形させ、それによって前記内部空間の前記容積を、前記第1の量とは異なる第2の量だけ減少させる、チャンバ。
(15) 実施態様14に記載のチャンバにおいて、
前記第1の部材は、第1の外側リングと、前記第1の外側リングによって画定された第1の開口部と、を含み、前記第1の外側リングは、第1の周囲部を定め、前記第1の開口部は、第1の面積を定め、
前記第2の部材は、第2の外側リングと、前記第2の外側リングによって画定された第2の開口部と、を含み、前記第2の外側リングは、第2の周囲部を画定し、前記第2の開口部は、第2の面積を画定し、
前記第1の周囲部は前記第2の周囲部に等しく、前記第1の面積は前記第2の面積より小さい、チャンバ。
【0105】
(16) 実施態様14または15に記載のチャンバにおいて、
前記調節組立体は、前記第1のシェルに連結されるように構成された第3の部材を含み、前記第3の部材は、前記可撓性壁を変形させ、それによって前記内部空間の前記容積を、前記第1の量および前記第2の量の両方と異なる第3の量だけ減少させる、チャンバ。
(17) 実施態様12に記載のチャンバにおいて、
前記容積調節組立体は、前記部材に連結された調節機構を含み、前記調節機構が作動すると、前記部材が前記第1のシェルに対して動き、それによって、前記最大容積が増大または減少する、チャンバ。
(18) 実施態様10に記載のチャンバにおいて、
前記チャンバの前記第1の部分を画定する前記第1のシェルの少なくとも一部が可撓性であり、
前記第2の部分を画定する前記第1のシェルの全体が剛性である、チャンバ。
(19) 実施態様1から18のいずれかに記載のチャンバにおいて、
前記第1のシェルに連結されたポートをさらに含み、前記ポートは、前記チャンバが前記閉鎖構成にあるときに前記内部空間内へのシール可能な通路を画定する、チャンバ。
(20) 実施態様19に記載のチャンバにおいて、
前記ポートは、器具が前記ポートを通って挿入されるときに前記器具の周りにシールを形成するように構成されたシール部材を含む、チャンバ。
【0106】
(21) 実施態様20に記載のチャンバにおいて、
前記ポートは、第1の開口部、第2の開口部、および前記第1の開口部から前記第2の開口部に延びる凹部を画定する、ハウジングを含み、
前記ポートは、前記凹部内部に位置づけられるように構成されたインサートをさらに含む、チャンバ。
(22) 実施態様21に記載のチャンバにおいて、
前記インサートは、第1の材料および第2の材料を含み、
前記第1の材料は、前記第2の材料によって少なくとも部分的に囲まれ、
前記第2の材料は、前記第1の材料より硬い、チャンバ。
(23) 実施態様22に記載のチャンバにおいて、
前記第1の材料は、前記第1の開口部から前記第2の開口部まで延びるスリットを画定し、
前記第1の材料は、前記器具が前記スリットに挿入されると圧縮され、前記器具に対して付勢力を加え、それによって、前記シールを前記器具の周りで前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に維持するように構成されている、チャンバ。
(24) 実施態様19から23のいずれかに記載のチャンバにおいて、
前記ポートは、第1のポートであり、
前記チャンバは、前記第2のシェルに連結された第2のポートを含む、チャンバ。
(25) 実施態様24に記載のチャンバにおいて、
前記チャンバは、ある方向に沿って細長く、
前記第1のポートおよび前記第2のポートは、前記方向に対して互いからオフセットしている、チャンバ。
【0107】
(26) チャンバであって、前記チャンバの内部空間の中に胎児を包むように構成されている、チャンバにおいて、
前記内部空間の外側境界を画定する外壁と、
前記内部空間の第1の部分および前記内部空間の第2の部分の両方を部分的に画定するように前記外壁から前記内部空間内に延びる内壁と、
前記第2の部分内部に位置づけられ、前記外壁および前記内壁のうちの一方から前記外壁および前記内壁のうちの他方に向かう方向に動くことができる、クランプと、
アクチュエータであって、前記アクチュエータが動くと前記クランプが前記方向に動くように、前記クランプに動作可能に連結されている、アクチュエータと、
を含む、チャンバ。
(27) 実施態様26に記載のチャンバにおいて、
前記チャンバは、前記外壁、前記内壁、および前記クランプを有する第1のシェルを含み、
前記チャンバは、前記第1のシェルと協働して前記内部空間を少なくとも部分的に画定する第2のシェルをさらに含み、
前記チャンバは、前記第2のシェルが前記第1のシェルに対して第1の位置から第2の位置まで動くことができるように構成され、前記第1の位置では、前記チャンバは開放構成にあり、前記第2の位置では、前記チャンバは閉鎖構成にある、チャンバ。
(28) 実施態様27に記載のチャンバにおいて、
前記チャンバが前記開放構成にあるとき、前記第1のシェルおよび前記第2のシェルは、協働して、前記内部空間内への開口部を画定し、前記開口部は、前記第1のシェルの一部から前記第2のシェルの一部まで測定された第1の距離を定め、
前記チャンバが前記閉鎖構成にあるとき、前記開口部は、前記第1のシェルの前記一部から前記第2のシェルの前記一部まで測定された第2の距離を定め、
前記第2の距離は、前記第1の距離より短い、チャンバ。
(29) 実施態様26に記載のチャンバにおいて、
前記第1の部分は、前記外壁上の第1の点から前記外壁上の第2の点まで測定された第1の最大寸法を定め、
前記第2の部分は、前記外壁上の第1の点から前記外壁または前記内壁上の第2の点まで測定された第2の最大寸法を定め、
前記第1の最大寸法は、前記第2の最大寸法より大きい、チャンバ。
(30) 実施態様29に記載のチャンバにおいて、
前記方向は第1の方向であり、
前記チャンバは、前記外壁によって少なくとも部分的に画定された凹部内に位置づけられたシールをさらに含み、
前記シールは、前記外壁に面する第1の表面と、前記外壁から離れた方に面するように、前記第1の方向に垂直である第2の方向に関して前記第1の表面の反対側にある、第2の表面と、前記第1の表面に到達する前に終端するように、前記シールの前記第2の表面から前記シールの前記第1の表面に向かって前記第2の方向に沿って延びる、スロットと、を含む、チャンバ。
【0108】
(31) 実施態様30に記載のチャンバにおいて、
前記スロットは、前記第2の方向に垂直である第3の方向に沿って前記第2の部分に面する、チャンバ。
(32) 酸素を胎児に提供するように構成されたシステムにおいて、
ハウジング内部空間を画定するハウジングを含むカートと、
実施態様1から30のいずれかに記載のチャンバと、
液体の供給源を含む第1の流体回路と、
前記液体を前記供給源から前記チャンバまで移動させるように構成され、前記液体を前記チャンバからリザーバまで移動させるようにさらに構成された、ポンプと、
酸素を前記胎児まで運ぶように構成された酸素供給器を含む第2の流体回路と、
を含み、
前記システムは、前記チャンバおよび前記酸素供給器の両方が前記ハウジング内部空間の外側に位置づけられ、前記チャンバが前記第1の流体回路から切り離されている、第1の構成を定め、
前記システムは、前記チャンバおよび前記酸素供給器の両方が前記ハウジング内部空間の中に位置づけられ、前記チャンバが前記第1の流体回路と流体接続している、第2の構成を定める、システム。
(33) 実施態様32に記載のシステムにおいて、
前記ハウジングは、前記ハウジング内部空間を画定するように協働する、複数の側壁、基部表面、および蓋を含む、システム。
(34) 実施態様32に記載のシステムにおいて、
前記チャンバは、前記カートに対して軸を中心として回転可能である、システム。
(35) 実施態様32に記載のシステムにおいて、
流体を供給源から前記チャンバに移動させ、その後、前記流体を前記チャンバからリザーバまで移動させるように構成された、第1の流体回路をさらに含む、システム。
【0109】
(36) 実施態様35に記載のシステムにおいて、
前記チャンバと前記リザーバとの間に位置づけられたろ過システムをさらに含み、
前記ろ過システムは、汚染物質が前記チャンバに向かって移動するのを防ぐように構成されている、システム。
(37) 実施態様36に記載のシステムにおいて、
前記ろ過システムは、紫外線供給源を含む、システム。
(38) 実施態様37に記載のシステムにおいて、
前記紫外線供給源は、紫外線の少なくとも一部が前記チャンバに到達するのを防ぐように構成されたハウジング内部に封入されている、システム。
(39) 実施態様32から38のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記第2の流体回路は、スイープガスを前記酸素供給器に送達するように構成された第1の部分を含み、
前記第2の流体回路は、前記スイープガスを受け取り、前記胎児とのガス交換を実行するように構成された第2の部分を含む、システム。
(40) 実施態様39に記載のシステムにおいて、
前記第2の流体回路の前記第1の部分は、ガスブレンダーにそれぞれが接続された第1のガス供給源および第2のガス供給源を含む、システム。
【0110】
(41) 実施態様40に記載のシステムにおいて、
前記第1のガス供給源は、酸素を含み、前記第2のガスは、窒素を含む、システム。
(42) 実施態様40または41に記載のシステムにおいて、
前記第1のガス供給源および前記第2のガス供給源のうちの少なくとも一方は、前記ハウジング内部空間内部に封入された可動の供給源と、少なくとも部分的に前記ハウジング内部空間の外側に位置づけられた、固定された供給源と、を含む、システム。
(43) 実施態様42に記載のシステムにおいて、
前記第2の流体回路の前記第1の部分は、前記可動の供給源および前記固定された供給源のうちの一方を前記ガスブレンダーに選択的に接続するように構成された第1の弁を含む、システム。
(44) 実施態様40から43のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記第2の流体回路の前記第1の部分は、第3のガス供給源と、前記第2のガスを前記ガスブレンダーに、または前記第3のガスを前記ガスブレンダーに選択的に接続するように構成された第2の弁と、を含む、システム。
(45) 実施態様44に記載のシステムにおいて、
前記ガスブレンダーは、排気ガスを出力し、
前記第2の流体回路の前記第1の部分は、前記排気ガスに接続された第4のガス供給源および第5のガス供給源のうちの少なくとも一方を含む、システム。
【0111】
(46) 実施態様45に記載のシステムにおいて、
前記第4のガス供給源は、二酸化炭素を含み、前記第5のガス供給源は、酸化窒素を含む、システム。
(47) 実施態様45または46に記載のシステムにおいて、
前記第4のガス供給源および前記第5のガス供給源のうちの少なくとも一方は、前記ハウジング内部空間内部に封入された可動の供給源と、少なくとも部分的に前記ハウジング内部空間の外側に位置づけられた、固定された供給源と、を含む、システム。
(48) 実施態様32から47のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記第1の流体回路の前記供給源は、第1の供給源と、第2の供給源と、前記第1の供給源および前記第2の供給源のうちの一方を前記チャンバに選択的に接続するように構成された弁と、を含む、システム。
(49) 実施態様32から48のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記第1の流体回路の前記リザーバは、第1のリザーバと、第2のリザーバと、前記第1のリザーバおよび前記第2のリザーバのうちの一方を前記チャンバに選択的に接続するように構成された弁と、を含む、システム。
(50) 実施態様32から49のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記チャンバの前記内部空間の中の血液を検出するように構成されたカメラをさらに含む、システム。
【図面の簡単な説明】
【0112】
図1】第1の構成にある、一実施形態による生体外支援システムの第1の等角図である。
図2】第1の構成にある、図1に示された生体外支援システムの第2の等角図である。
図3】第1の構成にある、図1に示された生体外支援システムの一部の第3の等角図である。
図4】第2の構成にある、図1に示された生体外支援システムの等角図である。
図5】第1の構成にある、一実施形態による生体外支援システムの胎児チャンバの等角図である。
図6】第2の構成にある、図5に示された胎児チャンバの上面図である。
図7】容積調節組立体の第1の部材の上面図である。
図8】容積調節組立体の第2の部材の上面図である。
図9】容積調節組立体の第3の部材の上面図である。
図10】手術室で使用されている、図1に示された生体外支援システムの概略図である。
図11】第1の構成である救急クランプ組立体を含む、図5に示された胎児チャンバの一部の等角図である。
図12】第2の構成にある救急クランプ組立体を含む、図5に示された胎児チャンバの一部の等角図である。
図13】本開示の一態様による、胎児チャンバのシールの等角図である。
図14】ポートを含む図5に示された胎児チャンバの線14-14に沿った断面図である。
図15】第1の構成にある、一実施形態による図14に示されたポートの等角図である。
図16】第1の構成にある、図15に示されたポートの断面図である。
図17】第2の構成にある、図15に示されたポートの断面図である。
図18】第2の構成にある図15に示されたポート、および吸引装置の断面図である。
図19】別の実施形態による、生体外支援システムのポートの断面図である。
図20図19に示されたポート、および第1の位置にある吸引装置の断面図である。
図21図20に示されたポートおよび第2の位置にある吸引装置の断面図である。
図22図20に示されたポートおよび第3の位置にある吸引装置の断面図である。
図23】別の実施形態による、生体外支援システムのポートの等角図である。
図24図23に示されたポート、およびポートに対して第1の位置にある吸引装置の側面断面図である。
図25図25に示されたポート、およびポートに対して第2の位置にある吸引装置の側面断面図である。
図26図25に示されたポート、およびポートに対して第3の位置にある吸引装置の側面断面図である。
図27図1に示された生体外支援システムの第1の流体回路の概略図である。
図28図27に示された第1の流体回路の圧力調整器の等角図である。
図29】第1の構成にある、図1に示された生体外支援システムの滅菌ユニットの等角図である。
図30】第2の構成にある、図29に示された滅菌ユニットの等角図である。
図31図1に示された生体外支援システムの第2の流体回路の概略図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2023-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生児を内部空間内に囲むように構成されたチャンバであって、
内部空間の外側の境界を画定する外壁と、
第1の部分を第2の部分から分離するように、前記内部空間の前記第1の部分と前記第2の部分の両方を部分的に画定する内壁であって、前記第1の部分は新生児を囲むように構成されている、内壁と、
前記第2の部分内に配置されたクランプであって、臍帯および前記臍帯に接続されたカニューレの少なくとも一方をクランプするように構成されているクランプと、を含むチャンバ。
【請求項2】
アクチュエータであって、前記アクチュエータが動くと前記クランプがこの方向に動くように、前記クランプに動作可能に連結されている、アクチュエータをさらに含む、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記内部空間が最大容積を画定し、前記チャンバは、最大容積を減少させるように構成された容積調節組立体をさらに含む、請求項1記載のチャンバ。
【請求項4】
第1シェルは可撓性壁を含み、前記容積調節組立体は、前記可撓性壁を変形させてそれによって前記内部空間の容積を減少させるように前記第1シェルに結合されるように構成された部材を含む、請求項3記載のチャンバ。
【請求項5】
前記チャンバは、前記外壁、前記内壁及び前記クランプを有する第1のシェルを含み、前記チャンバは、前記第1のシェルと協働して前記内部空間を少なくとも部分的に画定する第2のシェルを更に含み、前記チャンバは、前記第2のシェルが第1の位置から第2の位置まで前記第1のシェルに対して移動可能であり、前記第1の位置において前記チャンバは開放構成にあり、前記第2の位置において前記チャンバは閉鎖構成であるように構成されている、請求項1記載のチャンバ。
【請求項6】
前記チャンバが前記開放構成にあるとき、前記第1のシェルおよび前記第2のシェルは、前記内部空間への開口部を協働的に画定し、前記開口部は、前記第1のシェルの一部から前記第2のシェルの一部まで測定された第1の距離を画定し、前記チャンバが前記閉鎖構成にあるとき、前記開口部は、前記第1のシェルの一部から前記第2のシェルの一部まで測定した第2の距離を画定し、前記第2の距離は前記第1の距離より小さい、請求項5に記載のチャンバ。
【請求項7】
前記内壁は、第1の端部と、中心軸に沿って前記第1の端部から間隔を置いた第2の端部とを含み、前記第1の端部は、前記外壁に結合されており、
前記内壁は、第1の側部と、長手方向軸に垂直な横方向軸に沿って前記第1の側部から間隔を空けた第2の側部とを含み、前記第1の側部は前記第1の部分に面し、前記第2の側部は前記第2の部分に面する、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項8】
前記第1の部分は、前記外壁上の第1の点から前記外壁上の第2の点まで測定した第1の最大寸法を画定し、前記第2の部分は、前記外壁上の前記第1の点から前記内壁上の第1の点まで測定した第2の最大寸法を画定し、前記第1の最大寸法は前記第2の最大寸法より大きい、請求項1に記載のチャンバ。
【請求項9】
方向が第1の方向であり、
前記チャンバは、前記外壁によって少なくとも部分的に画定された凹部内に位置づけられたシールをさらに含み、前記シールは、前記外壁に面する第1の表面と、前記外壁から離れた方に面するように、前記第1の方向と直交する第2の方向に関して前記第1の表面と反対側にある、第2の表面と、前記第1の表面に到達する前に終端するように、前記シールの前記第2の表面から前記シールの前記第1の表面に向かって前記第2の方向に沿って延びる、スロットと、を含む、請求項8に記載のチャンバ。
【請求項10】
前記スロットは、前記第2の方向と垂直である第3の方向に沿って前記第2の部分に面している、請求項9に記載のチャンバ。
【請求項11】
酸素を新生児に提供するように構成されたシステムにおいて、
ハウジング内部空間を画定するハウジングを含むカートと、
新生児を内部空間内に囲むように構成されたチャンバと、
新生児に酸素を送るように構成された酸素供給器を含む第1の流体回路と、を備え、
前記システムは、前記チャンバおよび前記酸素供給器の両方が前記ハウジング内部空間の外側に位置づけられる第1の構成を定め、
前記システムは、前記チャンバと前記酸素供給器の両方が前記ハウジング内部空間の中に位置づけられる第2の構成を定める、システム。
【請求項12】
前記チャンバは、
内部空間の外側の境界を画定する外壁と、
内壁であって、前記外壁から前記内部空間内に延び、前記内壁が前記内部空間の第1の部分と前記内部空間の第2の部分の両方を部分的に画定する内壁と、
前記第2の部分内に配置されたクランプであって、前記外壁と前記内壁の一方から前記外壁と前記内壁の他方に向かう方向に可動であるクランプと、
アクチュエータであって、前記アクチュエータが動くと前記クランプがこの方向に動くように、前記クランプに動作可能に連結されている、アクチュエータと、を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
液体の供給源を含む第2の流体回路と、前記供給源から前記チャンバに液体を移動させるように構成されたポンプと、をさらに備え、前記ポンプは、前記チャンバからリザーバに液体を移動させるようにさらに構成され、
前記チャンバが、前記第1の構成において前記第2の流体回路から切り離され、
前記チャンバが、前記第2の構成において前記第2の流体回路と流体連通している、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ハウジングは、ハウジング内部空間を画定するように協働する、複数の側壁、基部表面、および蓋を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記チャンバは、前記カートに対して軸を中心として回転可能である、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記チャンバとリザーバとの間に位置づけられたろ過システムをさらに含み、
前記ろ過システムは、汚染物質が前記チャンバに向かって移動するのを防ぐように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記ろ過システムは、紫外線の少なくとも一部が前記チャンバに到達するのを防ぐように構成された前記ハウジング内部に封入されている紫外線光源を含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の流体回路は、前記酸素供給器にスイープガスを供給するように構成された第1の部分を含み、前記第1の流体回路は、前記スイープガスを受け入れて前記新生児とのガス交換を行うように構成された第2の部分を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の流体回路の第1の部分は、それぞれがガスブレンダーに接続されている第1のガス源および第2のガス源を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のガス源及び前記第2のガス源の少なくとも一方は、前記ハウジング内部空間内部に封入された可動の供給源と、少なくとも部分的に前記ハウジング内部空間の外側に位置づけられた、固定された供給源とを含む、請求項19に記載のシステム。
【外国語明細書】