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特開2023-7209宅配方法および宅配のための管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007209
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】宅配方法および宅配のための管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230111BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021110311
(22)【出願日】2021-07-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】521222349
【氏名又は名称】株式会社Nice Eze
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】松浦 学
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】宅配事業者や宅配員、ユーザの負担を低減し、低コストで荷物を宅配可能な宅配方法提供する。
【解決手段】宅配方法において、ユーザは端末120を用い、売主サーバ132にアクセスし、ユーザは任意の宅配ボックス150を指定し、商品を発注する。売主サーバ132は、発注毎に商品を宅配するための宅配指示を行うことで物流倉庫内で商品をピッキングさせ、宅配ボックス150へ宅配する荷物として纏めさせるとともに、物流倉庫サーバ142にて各荷物に識別子が付され、この識別子に関連付けられる宅配情報を生成し、宅配情報を管理サーバ110に提供する。管理サーバ110は、各宅配ボックス150からロッカー情報を取得し、各宅配ボックス150のロッカーと荷物とのマッチングを行う。そして管理サーバ110は、宅配情報とロッカー情報に基づき、各荷物を収容するために最適なロッカーを特定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロッカーをそれぞれ有する複数の宅配ボックスから、前記複数のロッカーの使用状況を含むロッカー情報を取得すること、
複数の宅配事業者の各々から、荷物の大きさと数量、および前記荷物の収容先として指定された前記宅配ボックスの一つを識別するボックス識別子を取得すること、
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記荷物の前記大きさと前記数量、および前記ロッカー情報に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーの一つを特定すること、ならびに
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーを識別するロッカー識別子を前記宅配事業者へ提供することを含む、宅配方法。
【請求項2】
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記ロッカー識別子を、前記荷物を受け取るまたは発送するユーザの端末に提供することをさらに含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項3】
前記複数のロッカーの前記一つを特定することは、前記複数の荷物のそれぞれについて、前記指定された宅配ボックスの前記複数のロッカーのうち、前記荷物が収容可能であり、かつ、最小の体積を有する前記ロッカーを選択することで行われる、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項4】
前記複数の荷物から選択される第1の荷物を、同一の形状と大きさを有する複数のコンテナから選択される第1のコンテナに格納すること、
前記第1のコンテナを、前記第1のコンテナに格納された前記第1の荷物について前記指定された宅配ボックスに宅配すること、および
前記第1のコンテナから取り出された前記第1の荷物を、前記第1の荷物について特定された前記ロッカーに収容することをさらに含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項5】
前記複数の荷物から選択される第1の荷物を、前記第1の荷物について前記特定されたロッカーに収容すること、および
前記第1の荷物を前記ロッカーから取り出し、同一の形状と大きさを有する複数のコンテナから選択される第1のコンテナに格納することをさらに含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項6】
前記使用状況は、前記複数の宅配ボックスの各々が有する複数のロッカーの各々に設置されるセンサを用いて取得される、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項7】
前記複数の宅配事業者の各々から、前記荷物の受取人を特定するための受取人情報を取得すること、および
前記受取人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在するか否かを判断することをさらに含み、
前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在する場合、前記宅配方法はさらに、
同一受取人の前記複数の荷物のそれぞれの前記大きさと前記数量、および前記ロッカー情報に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一受取人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つ特定すること、ならびに
同一受取人の前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーのロッカー識別子を前記宅配事業者の一つまたは複数へ提供することを含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項8】
前記複数の荷物の中に同一受取人が複数存在する場合、前記ロッカー識別子を、前記受取人の端末に提供することをさらに含む、請求項7に記載の宅配方法。
【請求項9】
前記複数の宅配事業者の各々から、前記荷物の発送人を特定するための発送人情報を取得すること、および
前記発送人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在するか否かを判断することをさらに含み、
前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在する場合、前記宅配方法はさらに、
同一発送人の前記複数の荷物のそれぞれの前記大きさと前記数量、および前記ロッカー情報に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一発送人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つを特定すること、および
同一発送人の前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーのロッカー識別子を前記宅配事業者の一つまたは複数へ提供することを含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項10】
前記複数の荷物の中に同一発送人が複数存在する場合、前記ロッカー識別子を、前記発送人の端末に提供することをさらに含む、請求項9に記載の宅配方法。
【請求項11】
ネットワークを介し、複数のロッカーをそれぞれ有する複数の宅配ボックスと通信可能なように、かつ複数の宅配事業者がそれぞれ管理する宅配サーバと通信可能なように構成される管理サーバであり、前記管理サーバはさらに、
前記複数の宅配ボックスから、前記複数のロッカーの使用状況を含むロッカー情報信号を受信すること、
前記複数の宅配サーバの各々から、荷物の大きさと数量に関する情報、および前記荷物の収容先として指定された宅配ボックスの一つを識別するボックス識別子を含む指定要求信号を受信すること、
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記荷物の前記大きさと前記数量、および前記使用状況に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーの一つを特定すること、ならびに
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーを識別するロッカー識別子を含むロッカー特定信号を前記宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される、管理サーバ。
【請求項12】
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記ロッカー特定信号を、前記荷物を受け取るまたは発送するユーザの端末に送信することをさらに実行するように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項13】
前記複数のロッカーの前記一つを特定することは、前記複数の荷物のそれぞれについて、前記指定された宅配ボックスの前記複数のロッカーのうち、前記荷物が収容可能であり、かつ、最小の体積を有する前記ロッカーを選択することで行われる、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項14】
前記複数の荷物から選択される第1の荷物を格納し、同一の形状と大きさを有する複数のコンテナから選択される第1のコンテナを特定するコンテナIDと、前記第1の荷物とを互いに関連付けるように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項15】
前記使用状況は、前記複数の宅配ボックスの各々が有する複数のロッカーの各々に設置されるセンサを用いて取得された情報である、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項16】
前記指定要求信号には前記荷物の受取人を特定するための受取人情報が含まれ、
前記管理サーバはさらに、
前記受取人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在するか否かを判断すること、および
前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在すると判断した場合、
同一受取人の前記複数の荷物の前記大きさと前記数量、および前記使用状況に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一受取人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つ特定すること、ならびに
前記特定されたロッカーのロッカー識別子を含む前記ロッカー特定信号を前記宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項17】
前記複数の荷物の中に同一受取人が複数存在する場合、前記ロッカー特定信号を、前記受取人の端末に送信するようにさらに構成される、請求項16に記載の管理サーバ。
【請求項18】
前記指定要求信号には前記荷物の発送人を特定するための発送人情報が含まれ、
前記管理サーバはさらに、
前記発送人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在するか否かを判断すること、および
前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在する場合、
同一発送人の前記複数の荷物の前記大きさと前記数量、および前記使用状況に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一発送人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つ特定すること、ならびに
前記特定されたロッカーのロッカー識別子を含む前記ロッカー特定信号を前記宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項19】
前記複数の荷物の中に同一発送人が複数存在する場合、前記ロッカー特定信号を、同一発送人の前記荷物を発送するユーザの端末に送信するように構成される、請求項17に記載の管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態の一つは、荷物を宅配する方法および当該方法を実現するためのシステムとサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物をユーザへ宅配する際、様々な理由でユーザが受け取れない場合がある。この場合、例えばユーザが居住する集合住宅、駅やコンビニエンスストアなどの商業施設などに設けられる宅配ボックスに荷物を搬入し、荷物の搬入をユーザに通知することで、ユーザは任意の時間に荷物を宅配ボックスから取り出すことができる。これにより、再度荷物を宅配するための負担とコストが軽減されるとともに、ユーザも宅配のために待機する必要がなくなるため、時間的な制約から解放される。また、商品の盗難や、個人情報の流出も防止することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-64072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態の一つは、新規な宅配方法、およびこの宅配方法を実現するためのシステムとサーバを提供することを課題の一つとする。あるいは、本発明の実施形態の一つは、宅配事業者や宅配員、ユーザの負担を低減し、低コストで荷物を宅配可能な宅配方法、およびこの宅配方法を実現するためのシステムとサーバを提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、宅配方法である。この宅配方法は、複数のロッカーをそれぞれ有する複数の宅配ボックスから複数のロッカーの使用状況を含むロッカー情報を取得すること、複数の宅配事業者の各々から、荷物の大きさと数量、および荷物の収容先として指定された宅配ボックスの一つを識別するボックス識別子を取得すること、複数の荷物のそれぞれについて、荷物の大きさと数量およびロッカー情報に基づき、指定された宅配ボックスが有する複数のロッカーの一つを特定すること、ならびに、複数の荷物のそれぞれについて、特定されたロッカーを識別するロッカー識別子を宅配事業者へ提供することを含む。
【0006】
本発明の実施形態の一つは、管理サーバである。この管理サーバは、ネットワークを介し、複数のロッカーをそれぞれ有する複数の宅配ボックスと通信可能なように、かつ複数の宅配事業者がそれぞれ管理する宅配サーバと通信可能なように構成される。この管理サーバはさらに、複数の宅配ボックスから、複数のロッカーの使用状況を含むロッカー情報信号を受信すること、複数の宅配サーバの各々から、荷物の大きさと数量に関する情報および前記荷物の収容先として指定された宅配ボックスの一つを識別するボックス識別子を含む指定要求信号を受信すること、複数の荷物のそれぞれについて、荷物の大きさと数量および上記使用状況に基づき、指定された宅配ボックスが有する前数のロッカーの一つを特定すること、ならびに複数の荷物のそれぞれについて、特定されたロッカーを識別するロッカー識別子を含むロッカー特定信号を宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る宅配方法と宅配システムを説明する模式図。
図2】本発明の実施形態に係る宅配方法を説明する模式図。
図3】従来の宅配方法を説明する模式図。
図4】本発明の実施形態に係る宅配方法で利用可能なコンテナの模式的上面図と斜視図。
図5】本発明の実施形態に係る宅配方法を説明するための模式的正面図。
図6】本発明の実施形態に係る宅配方法を説明する模式図。
図7】本発明の実施形態に係る宅配方法を説明するためのフローチャート。
図8】本発明の実施形態に係る宅配方法を説明するためのフローチャート。
図9】本発明の実施形態に係る宅配方法を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の各実施形態について、図面などを参照しつつ説明する。ただし、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状などについて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。同一、あるいは類似する複数の構造を総じて表す際にはこの符号が用いられ、これらを個々に表す際には符号の後にハイフンと自然数が加えられる。また、一つの構造の一部を示す際には、符号の後に小文字のアルファベットを付すことがある。
【0010】
1.宅配システム
図1(A)に本発明の実施形態の一つである宅配方法を表す模式図を示す。この宅配方法は、ユーザが端末120を用いて電子商取引における商品・サービス(以下、商品とサービスを総じて商品と記す。)の提供者(以下、単に売主と呼ぶ。)130に発注した商品を物流倉庫140でピックアップし、物流倉庫140からユーザが利用可能な宅配ボックス150へ直接または図示しないハブを経由して宅配するために利用することができる。商品の発注は売主130に直接行ってもよく、ユーザや売主130のために第三者(プラットフォーム提供者)が提供する電子商取引プラットフォーム(以下、単にプラットフォームと記す。)180上で行ってもよい。前者は自社サイト型の電子商取引、後者はモール型の電子商取引と呼ばれる。本宅配方法は、ユーザが荷物を発送するためにも利用することができ、例えば電子商取引において出品した商品のみならず、電子商取引と関連のない荷物を発送する際にも利用することができる。
【0011】
図1(B)に示されるように、宅配システム100は管理サーバ110とともに、売主130が管理する売主サーバ132、商品が保管される物流倉庫140を管理するための宅配サーバ142、プラットフォーム180を構築するためのプラットフォームサーバ182、および荷物の収容・宅配先となる宅配ボックス150を含む。宅配システム100には、複数の売主サーバ132、複数の宅配サーバ142、複数のプラットフォームサーバ182、および複数の宅配ボックス150が含まれてもよく、図1(B)では第1から第3の売主サーバ132-1から132-2、第1から第3の宅配サーバ142-1から142-2、第1から第3のプラットフォームサーバ182-1から182-3、第1から第3の宅配ボックス150-1から150-2が含まれる例が示されている。管理サーバ110、売主サーバ132、宅配サーバ142、プラットフォームサーバ182、および宅配ボックス150は、互いに通信可能なようにネットワーク102を介して接続される。ここで、ネットワーク102とはインターネットやワイドエリアネットワークなどの通信ネットワークであり、各種通信端末やサーバ間の通信を媒介する。
【0012】
宅配ボックス150は、既設の宅配ボックスでもよい。複数の宅配ボックス150は、全て一つの事業者によって管理されていてもよく、あるいは複数の事業者によって管理される複数の宅配ボックスによって構成されてもよい。また、複数の宅配ボックス150の仕様は互いに同一でもよく、あるいは少なくとも一つの仕様が他のそれと異なってもよい。各宅配ボックス150は複数のロッカーを有する。各宅配ボックス150において複数のロッカーの大きさは互いに同一でもよく、少なくとも一つが他と異なってもよい。各宅配ボックス150には、それぞれを識別するための識別子(ボックスID)が付与され、各宅配ボックス150の複数のロッカーのそれぞれに対しても各ロッカーを識別するための識別子(ロッカーID)が付与される。
【0013】
宅配ボックス150の各ロッカーには、ロッカー内の荷物の存否や配置状態を把握するためのセンサまたはカメラを備えてもよい。センサまたはカメラによって取得された各種情報は、ネットワーク102を介して管理サーバ110へ送信される。宅配ボックス150はさらに、各ロッカーの開閉を感知するセンサを備えることができる。このため、例えばロッカーが開かれた際にカメラを用いて内部の配置状態を映像(静止画または動画)として撮像し、ロッカーが閉じられた際に、ロッカーの開閉時刻とともに映像のデータを管理サーバ110へ送信するように宅配ボックス150を構成してもよい。なお、ロッカー内部の状態を把握するためのカメラをロッカー内に配置せず、宅配ボックス150の外部に外付カメラを設け、外付カメラを用いてロッカー内部の状況や宅配員による荷物の収容・回収の様子を撮像してもよい。これにより、ロッカーの開閉のログと映像が関連付けられ、ロッカー内で荷物が適切に配置され、よりセキュリティーの高い宅配が可能となる。例えば、複数の荷物を一つのロッカーに収容する際においても、不安定・不適切な配置・積載に対して抑止効果を発揮することができる。なお、ロッカーの開閉のログは、管理サーバ110から宅配サーバ142へ送信してもよい。
【0014】
宅配サーバ142は、物流倉庫140内に保管された商品を管理するとともに、ユーザの発注や発送指示に応じて宅配管理を行う機能を備えてもよい。あるいは、商品の管理は他のサーバ(商品管理サーバ)が担い、この商品管理サーバからの指示に応じて宅配サーバ142が宅配管理を担ってもよい。この場合、本宅配システム100に商品管理サーバが含まれ、宅配サーバ142は宅配事業者によって主に管理される。また、売主サーバ132が物流倉庫140の商品を管理し、宅配事業者によって管理される宅配サーバ142が宅配管理を行ってもよい。以下、物流倉庫140を管理する事業者が宅配管理も行うケースを例に用いて説明を行う。
【0015】
プラットフォームサーバ182はプラットフォームを構築するサーバである。売主130は自社サイトを保有しなくても、プラットフォームを利用して商品販売を行うことが可能であり、ユーザはプラットフォーム上で様々な商品を閲覧、発注することができる。
【0016】
端末120は、ユーザが操作可能な通信機能を備える端末であり、据え付け型(デスクトップ型)コンピュータ、ノート型コンピュータ、あるいは携帯電話やタブレット、スマートフォンなどの携帯通信端末などが例示される。
【0017】
なお、本宅配方法では、荷物の宅配地域を限定してもよい。例えば、大都市のみ、または主要都市のみを宅配地域に指定し、他の地域では本宅配方法を適用しなくてもよい。ユーザの大部分は大都市とその近郊への宅配を希望している現実を踏まえると、このように本宅配方法の適用地域を限定しても、十分な顧客満足度を得ることができる。
【0018】
2.宅配方法
2-1.荷物の宅配
まず、ユーザが売主130に発注した商品を宅配ボックス150へ宅配するケースを用いて本宅配方法を説明する。
【0019】
図2(A)に示すように、ユーザは端末120を用い、ネットワーク102を介して売主サーバ132にアクセスし、商品を発注する。商品は物流倉庫140に保管されており、物流倉庫140において商品がピックアップされ、梱包されまたは梱包されない状態(梱包レス)で商品が荷物として物流倉庫140から宅配ボックス150へ直接または図示しないハブを介して宅配される。以下、自社サイト型の電子商取引を主な例として説明を行うが、モール型の電子商取引においてはプラットフォームサーバ182が売主サーバ132に替わる機能を果たす。
【0020】
商品の種類に制約はなく、例えば、衣類、靴、書籍、文具、玩具、食品、化粧品など、多種多様な商品を荷物として本宅配方法と宅配システムで扱うことができる。また、商品はレンタル品(レンタルシューズ、レンタル衣装、レンタルバッグなど)でもよく、試供品(試供化粧品や試供食品など)でもよい。
【0021】
ユーザが商品を発注する際、ユーザは宅配先、すなわち荷物の収容先として任意の宅配ボックス150を指定することができる。例えば、ユーザが居住する集合住宅に備えられた宅配ボックス150を指定してもよく、駅やコンビニエンスストアなどの商業施設などの近辺に設置された宅配ボックス150を指定してもよい。荷物の受取人が商品を発注したユーザではない場合には、受取人が希望する宅配ボックス150を指定すればよい。
【0022】
発注が確定すると、売主130は、その売主サーバ132を介して宅配サーバ142へアクセスし、発注ごとに商品を宅配するための宅配指示を行う。具体的には、この宅配指示とともに、商品の発注に関する情報(発注情報)を含む信号(宅配命令信号)を宅配サーバ142に送信する。発注情報には、商品を特定するための情報(例えば、商品名、商品に付された識別子、商品番号や型番など。)、数量、ユーザ情報(ユーザの氏名、住所、ユーザを識別するためのユーザIDなど。)、荷物の宅配先に関する情報(荷物の受取人の氏名、住所、メールアドレスなどの受取人を特定するための受取人情報、ユーザまたは受取人が選択した宅配ボックス150など)、希望宅配日時などが含まれてもよい。宅配指示は、特定の宅配サーバ142に対して行ってもよく、荷物に応じて複数の宅配事業者の物流倉庫140を適宜選択し、その宅配サーバ142に対して行ってもよい。
【0023】
その後、宅配指示に基づいて物流倉庫140内で商品がピッキングされ、宅配ボックス150へ宅配する荷物として纏められる。この時、宅配サーバ142上で各荷物に識別子が付され、この識別子に関連付けられる宅配情報が生成される。宅配情報は荷物に関する情報と宅配に関する情報に大別される。荷物に関する情報には、荷物の大きさ、形状、天地無用の有無、壊れ物か否かなどである。荷物の大きさと形状は、各荷物を3Dスキャナで計測することで得てもよく、定型の梱包材を用いて商品を梱包する場合には梱包材の規格から決定される。あるいは、後述するコンテナを用いる場合には、コンテナの規格によって決定される。宅配に関する情報には、ユーザ情報や受取人情報のほか、ユーザまたは受取人が宅配ボックス150を指定している場合にはそのボックスID、希望宅配日時などが含まれる。
【0024】
この後、宅配情報が管理サーバ110に提供される。すなわち、宅配情報の一部または全てとともに、宅配先の宅配ボックス150を指定し、そのロッカーを特定することを要求する信号(指定要求信号)を宅配サーバ142から管理サーバ110に送信する。指定要求信号に含まれる宅配情報には、荷物の大きさ、形状、数量、天地無用の有無、荷物の宅配先に関する情報、希望宅配日時などが含まれてよく、ユーザまたは受取人が宅配ボックス150を指定している場合にはそのボックスIDが含まれてもよい。さらに、指定要求信号に含まれる宅配情報に受取人情報が含まれていてもよい。
【0025】
管理サーバ110は、複数の宅配サーバ142から提供される指定要求信号を受信することで、複数の荷物の各々について宅配情報を取得する。さらに管理サーバ110は、各宅配ボックス150から使用状況に関する情報(ロッカー情報)を取得する。具体的には、管理サーバ110は、各宅配ボックス150から、使用されている(すなわち、荷物が収容された状態の)ロッカーと使用されていない(すなわち、空の)ロッカーのロッカーIDを随時または定期的に取得することで、各宅配ボックス150の使用状況を把握するように構成される。さらに、管理サーバ110には図示しない記憶装置が接続され、記憶装置にはロッカーIDに関連づけられたロッカーの大きさ(間口の大きさ、奥行き、高さ)に関する情報が格納される。このように、本宅配方法では、複数の宅配サーバ142から提供される宅配情報と複数の宅配ボックス150から取得されるロッカー情報が管理サーバ110に集約されて一元的に管理される。
【0026】
管理サーバ110は、各宅配ボックス150のロッカーと荷物とのマッチングを行う。より具体的には、まず、宅配情報に基づき、複数の荷物のそれぞれを収容するための宅配ボックス150を指定する。宅配ボックス150の指定は、例えば荷物の宅配先(すなわち、受取人の住所)に最も近い場所に設置された宅配ボックス150の一つを選択することによって行ってもよく、あるいは荷物の発送先に宅配ボックス150が設置されている場合には、その宅配ボックス150を選択することによって行えばよい。荷物の発送先(例えば集合住宅など)に複数の宅配ボックス150が設置されており、これらの利用時間(例えば夜間のみ、日中のみなど)が制限されている場合には、宅配予定時間に利用可能な宅配ボックス150を指定してもよい。例えば、利用時間が日中(例えば午前6時から午後6時など)に制限されている宅配ボックス150を優先的に指定してもよい。なお、ユーザまたは受取人によって宅配ボックス150が指定されている場合には、当該宅配ボックス150が自動的に指定される。
【0027】
次に、管理サーバ110は、宅配情報とロッカー情報に基づき、各荷物を収容するために最適なロッカーを特定する。具体的には、各荷物のそれぞれについて、指定された宅配ボックス150の空のロッカーから当該荷物が収容可能であり、かつ、最小の収容体積を有するロッカーを選択する。例えば、荷物の体積よりも大きく、かつ、最小の収容体積を有するロッカーを選択する。あるいは、荷物の高さよりも大きい高さを有し、かつ、最小の収容体積を有するロッカーを選択してもよい。その後、特定されたロッカーのロッカーIDを含むロッカー特定信号を宅配サーバ142に送信する。これにより、各宅配事業者は、荷物を収容するために特定されたロッカーを把握することができる。なお、指定された宅配ボックス150に空のロッカーが存在していない場合には、当該宅配ボックス150が現在利用できないことを通知するための信号を宅配サーバ142に送信してもよい。この場合、ロッカー情報に基づいて荷物が収容できるロッカーが確保された時点でロッカー特定信号を宅配サーバ142に送信してもよい。また、荷物が大きく、指定された宅配ボックス150のいずれのロッカーにも収容できない場合、本宅配方法が利用できないことを通知するための信号を宅配サーバ142に送信してもよい。あるいは、指定された宅配ボックス150が上述したような何らかの理由で利用できない場合には、指定された宅配ボックス150の近隣で利用可能な宅配ボックスを指定し、そのボックスIDとロッカーIDを通知するための信号を宅配サーバ142に送信してもよい。
【0028】
この宅配方法では、複数の荷物が異なる物流倉庫140から宅配されるまたは異なる宅配事業者によって宅配される場合でも、同一受取人の荷物を同一のロッカーに宅配・収容することで、より効率的な宅配ボックス150の利用が可能である。具体的には、管理サーバ110は、複数の宅配サーバ142から取得する受取人情報を含む宅配情報に基づき、複数の荷物から同一受取人の荷物が複数存在するかどうかを判断する。同一受取人の荷物が複数存在すると判断した場合、管理サーバ110はさらに、これらの複数の荷物とロッカーのマッチングを行い、指定された宅配ボックス150のロッカーから、同一受取人の複数の荷物を同時に収容できるロッカーを特定する。例えば、同一受取人の複数の荷物のそれぞれの形状と大きさに基づき、三次元箱詰め問題に対して一定の解を与えるアルゴリズムを適宜使用し、ロッカーを特定してもよい。このときのアルゴリズムとしては、例えばジェネティックアルゴリズム、BL(bottom-left)法、3BF(三次元におけるbest-fit)法などを用いればよい。あるいは、荷物の高さの総和よりも大きい高さを有し、かつ、最小の収容体積を有するロッカーを選択してもよい。あるいは、荷物の体積の総和よりも大きい容量体積を有し、かつ、最小の収容体積を有するロッカーを選択してもよい。
【0029】
同一受取人の複数の荷物を同時に収容するためのロッカーが特定されると、その荷物を宅配する一つまたは複数の宅配事業者の宅配サーバ142に対し、特定されたロッカーのロッカーIDが管理サーバ110から送信される。このため、宅配事業者は、それぞれが扱う荷物を同一のロッカー152に収容することができるため、使用するロッカー152の数を抑制することが可能である。このことは、宅配ボックス150のより効率的な利用に寄与する。この場合、ロッカー152の開閉のログを管理サーバ110から宅配サーバ142に送信することで宅配事業者もロッカーの開閉履歴を把握することができるので、盗難などの犯罪や配送事故を抑止できる。
【0030】
上述したように、本宅配システム100では、商品管理サーバが宅配サーバ142から独立して機能することがある。この場合には、売主サーバ132からの宅配命令信号は商品管理サーバが受信し、宅配命令信号に含まれる宅配指示に従って物流倉庫140内で商品が荷物として纏められる。その後、各荷物に付与される識別子とこれに関連づけられる宅配情報が商品管理サーバから宅配サーバ142に送信される。
【0031】
上述したように、本宅配方法では、宅配情報とロッカー情報が管理サーバ110によって一元的に管理され、荷物とロッカー152のマッチングが行われる。このため、図2(B)に模式的に示すように、各荷物104をそれに適したロッカー152に収容することができる。例えば、大きな体積を有する荷物104-1を大きな収容体積を有するロッカー152-1に収容し、小さい体積を有する荷物104-2を小さい収容体積を有するロッカー152-2に収容することができる。換言すると、小さい体積を有する荷物104-2を大きな収容体積を有するロッカー152-1に収容することによって生じるロッカーの非効率的な利用を防止することができる。また、荷物104を収容するロッカー152を予め確保した後に宅配が可能であるため、荷物104を指定された宅配ボックス150まで宅配したものの、荷物を収容できる空のロッカー152が無いために再宅配を余儀なくされるというような、宅配コストの増大や人的資源の浪費を防止することができる。
【0032】
これに対し、従来の宅配方法では、図3(A)に示すように、複数の宅配事業者の宅配情報とロッカー情報が一元的に管理されないため、各宅配事業者は、宅配先の宅配ボックス150の使用状況を把握することができない。このため、宅配先の宅配ボックス150のロッカー152が利用可能か否かを宅配前に把握することができず、荷物を宅配ボックス150まで宅配しても、利用可能なロッカー152が存在しない場合には再度宅配する必要がある。また、ロッカー152と荷物104とのマッチングが行われないため、ロッカー152と荷物104のミスマッチングに起因し、ロッカー152を有効利用できないケースが頻発する。例えば、図3(B)に模式的に示すように、小型の荷物104-3、104-4が大きな収容体積を有するロッカー152-3と152-4にそれぞれ収容されることがあり、この場合、他の空のロッカー152が利用可能であっても、大きな荷物104-5を収容できるロッカーが利用できないことがある。この場合にも再宅配を余儀なくされ、このことは、宅配コストの増大、人的資源の消耗の原因となる。
【0033】
したがって、本宅配方法は、より効率の高い宅配方法であり、従来の宅配方法に対し、より低コストで荷物を宅配でき、かつ、人的資源を有効活用できる方法であると言える。
【0034】
本宅配方法では、梱包レスで商品を宅配してもよい。すなわち、同一の大きさと形状を有するコンテナを用い、商品を直接または可撓性の袋に収容された状態でコンテナに格納し、コンテナを荷物として宅配ボックス150まで宅配してもよい。商品はコンテナから取り出され、商品を直接または可撓性の袋に収容された状態で特定されたロッカー152に収容される。なお、段ボールなどで梱包された商品をコンテナに格納し、コンテナを荷物として宅配ボックス150まで宅配してもよい。
【0035】
コンテナの構成は任意であるが、例えば図4(A)、図4(B)に示すようなコンテナ160を用いればよい。コンテナ160は、本体162を基本的な構成として備え、さらに蓋164、把手168、トレンチ172、ロック176、凸部174、タグ170などを有することができる。
【0036】
本体162は、商品を格納するための空間を提供し、全体または一部が透明でもよい。例えば、前板が透明であり、内部を観察できるように構成されていてもよい。コンテナ160の大きさに制約はないが、例えば、本体162の内寸のy方向における長さは、150mm以上600mm以下、200mm以上500mm以下、または200mm以上400mm以下であり、典型的にはA4サイズに対応する長さ(297mm)である。間口の幅方向(x方向)における内寸の長さは、100mm以上500mm以下、150mm以上400mm以下、または200mm以上300mm以下であり、典型的にはA4サイズに対応する幅(210mm)である。内寸の高さ(z方向の長さ)は、50mm以上20mm以下、75mm以上150mm以下、あるいは90mm以上125mm以下であり、典型的には100mmである。大部分のユーザが発注する商品の大きさは上述した範囲以下であるため、上記パラメータを満足するようにコンテナ160を構成することで、宅配される商品のほとんどをコンテナ160を用いて宅配することができる。
【0037】
図示しないが、商品を衝撃から保護するための緩衝材を本体162の内面に設けてもよい。例えばフェルトなどの動物繊維を含むシート、ウレタンフォームや発泡スチロールなどのスポンジ、(エア)クッション、ポリシロキサンやポリエチレンなどの人工高分子を含むシートなどが緩衝材として挙げられる。
【0038】
任意構成である蓋164は、本体162が形成する空間を閉じる機能を有し、これにより、コンテナ160の宅配中に商品がコンテナ160から落下することが防止される。蓋164は、本体162に固定されずに本体162から取り外しできるように構成してもよく、あるいはヒンジ166などを介して本体162と接続されてもよい。なお、蓋164の構造は上述した構造に限られない。例えば、本体162の一部(前板、側板、または先板)が開閉できるように本体162を構成し、開閉可能な前板、側板、または先板を蓋として機能させてもよい。この場合、本体162に天板を設けてもよい。
【0039】
把手168は前板に設けられ、これにより、コンテナ160を容易に運搬することができる。ロック176は、意図せず蓋164が開くことを防止するための機構であり、その構成も適宜決定される。なお、ロック176は鍵を用いなくても施錠、解錠できる構造を有することが好ましい。例えば、本体162と噛み合う回転式のピンやプレートでもよい。鍵を用いずに施錠、解錠できるようにロック176を構成することで、荷物を宅配する宅配員に対して鍵の所持を要求する必要がなくなり、容易に商品を取り出すことが可能となる。
【0040】
タグ170は、各コンテナ160を特定するための識別子を記憶または表示する機能を有し、例えば二次元コードやバーコードが印刷される。あるいは、タグ170は短距離無線通信可能なIDチップでもよい。
【0041】
図示しないが、本体162の内部に、商品の有無を判断するためのセンサまたはカメラを設けてもよい。センサとしては、例えばレーザ光を用いる反射型センサが挙げられる。カメラとしては、電荷結合素子(CCD)カメラや相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサなどが挙げられる。センサからの信号により、またはカメラで取得した画像を解析することで商品の有無が判断され、商品の取り忘れを防止することができる。
【0042】
トレンチ172と凸部174は、複数のコンテナ160を重ねた際に互いに噛み合うように設けられ、好ましくは、コンテナ160の長手方向(図4(A)、図4(B)におけるy方向))に平行に延伸するように設けられる。このようにトレンチ172と凸部174を同時に設けることにより、コンテナ160を複数重ねた場合にコンテナ160間でx方向のずれが防止され、コンテナ160を高く、かつ荷崩れを防止して安全にコンテナ160を積み上げることができる。このことは、このことは、作業の安全性の向上だけでなく、コンテナ160の仕分け時における省スペースにも寄与する。さらに、カゴ車と呼ばれる搬送台車178に複数のコンテナ160を搭載する際にも、コンテナ160は全て同一の大きさと形状を有するため、無駄な空間を生み出すことなく多くのコンテナ160を整然と搬送台車178に搭載することができる(図5参照。)。したがって、少ない搬送台車178を用いて大量のコンテナ160を効率よくかつ安全に宅配することができる。このことは、宅配のための車両の削減にも寄与し、作業の安全性向上とともに、宅配コストが削減される。
【0043】
さらに、コンテナ160を荷物として宅配し、コンテナ160から取り出された商品をロッカー152に収容することで、商品の宅配に用いられる段ボールなどの梱包材を用いる必要性が低下する。また、梱包材の中で大きな体積を占める緩衝材を用いる必要性が無くなる、または大きく低下する。したがって、梱包材や緩衝材を折り畳んだり廃棄したりする負担が解消または軽減されるだけでなく、梱包材や緩衝材に由来するゴミの量を大幅に削減することができる。このことは、環境汚染の防止や脱炭素社会の確立に寄与すると言える。
【0044】
2-2.荷物の発送
上述したように、ユーザが発送人として荷物を発送する場合にも本宅配方法を適用することができる。一例として、ユーザがプラットフォーム180を利用して出品した商品を別のユーザ(以下、発注者または受取人とも呼ぶ。)に荷物として発送するケースについて、図6を用いて説明する。荷物の宅配について説明した構成と同様または類似する構成については、説明を省略することがある。
【0045】
図6に示すように、ユーザは、出品した商品が発注者によって発注された旨の通知をプラットフォーム提供者から受け取る。すなわち、ユーザの端末120は、出品した商品が発注されたという通知とともに、当該商品を特定するための情報、商品の数量、および発注者に関する情報(氏名、住所、発送先、発送先の宅配ボックス150のボックスIDなど)などを含む発注情報を含む一つまたは複数の信号をプラットフォームサーバ182から受信する。この通知を受け取ったユーザは、商品を適宜梱包し、宅配事業者を任意に選択し、荷物として発送するための発送依頼を選択した宅配事業者へ通知する。より具体的には、発送依頼とともに、荷物の発送に関する情報(発送情報)を含む信号(発送依頼信号)を端末120から宅配事業者が管理する宅配サーバ142に送信する。この時の宅配事業者は、物流倉庫140も管理する事業者でもよく、物流倉庫140を管理しない事業者でもよい。発送情報には、ユーザ情報(ここでは、発送人を特定するための発送人情報である。)とともに、荷物の大きさ、形状、数量、ユーザが荷物を収容するために指定する宅配ボックス150のボックスIDが含まれ、さらにユーザが荷物を宅配ボックス150に収容する予定日時が含まれてもよい。発送情報にはさらに、商品を特定するための情報(商品名や商品の種類など)や、発送先(受取人の住所や氏名、メールアドレスなどの受取人を特定するための受取人情報、発送先の宅配ボックス150)などが含まれてもよい。なお、荷物の大きさ、形状、数量に替わり、ユーザが取得した荷物の画像データを発送情報に含ませてもよい。この場合、宅配サーバ142上で画像データを解析し、その大きさと形状、数量を見積もってもよい。あるいは、商品がコンテナ160に格納できる場合には、ユーザが商品をコンテナ160を用いて発送する旨の通知が発送情報に含まれてもよい。コンテナ160を利用する場合には、ユーザは商品を段ボールなどの梱包材や緩衝材を用いて過剰に梱包する必要がないため、宅配コストが軽減できるだけでなく、梱包時間の節約や梱包材料の低減による資源の節約が可能である。
【0046】
なお、図6の点線矢印で示すように、ユーザは自ら宅配事業者を選定せず、端末120を介して発送依頼信号を直接管理サーバ110へ送信してもよい。この場合には、発送情報には希望する宅配事業者が含まれてもよい。管理サーバ110は宅配事業者(ユーザが宅配事業者の指定をしている場合には当該宅配事業者)を選択し、その宅配サーバ142に発送依頼信号を送信する。
【0047】
発送依頼信号を受信した宅配サーバ142は、発送情報の全てまたは一部を管理サーバ110に送信する。すなわち、発送情報の全てまたは一部とともに、ユーザが荷物を収容するために指定した宅配ボックス150のロッカーを特定することを要求する指定要求信号を宅配サーバ142から管理サーバ110に送信する。指定要求信号に含まれる発送情報には、荷物の大きさ、形状、数量、天地無用の有無、荷物の発送先、受取人情報、ユーザによる荷物の収容予定日時、希望宅配日時などが含まれてよく、ユーザによって荷物が収容される宅配ボックス150や受取人の発送先としての宅配ボックス150が指定されている場合にはそれらのボックスIDが含まれてもよい。これにより、荷物の宅配時と同様に、複数の宅配サーバ142から提供される発送情報と複数の宅配ボックス150から取得されるロッカー情報が管理サーバ110に集約されて一元的に管理される。
【0048】
荷物の宅配時と同様、管理サーバ110はさらに、各宅配ボックス150のロッカーと荷物とのマッチングを行う。すなわち、発送情報とロッカー情報に基づき、ユーザが荷物を収容するために指定した宅配ボックス150のロッカー152から最適なロッカー152を特定する。具体的には、ユーザが荷物を収容するために指定した宅配ボックス150の空のロッカーから当該荷物が収容可能であり、かつ、最小の収容体積を有するロッカーを特定する。その後、特定されたロッカー152のロッカーIDを含むロッカー特定信号を宅配サーバ142に送信する。ロッカー特定信号は、ユーザの端末120に対しても直接または宅配サーバ142を介して送信される。このロッカー特定信号には、宅配ボックス150の名称、住所、ロッカー152の番号、荷物の回収日時などの情報(回収情報)が含まれてもよい。これにより、ユーザと各宅配事業者は、荷物を収容・回収するために特定されたロッカー152を把握することができる。
【0049】
なお、指定された宅配ボックス150に空のロッカーが存在していない場合には、当該宅配ボックス150が現在利用できないことを通知するための信号を宅配サーバ142に送信してもよい。この場合、ロッカー情報に基づいて荷物が収容できるロッカーが確保された後、そのロッカーを特定してロッカーIDを含むロッカー特定信号がユーザの端末120と宅配サーバ142に送信される。また、荷物が大きく、指定された宅配ボックス150のいずれのロッカー152にも収容できない場合、本宅配方法が利用できないことを通知するための信号をユーザの端末120と宅配サーバ142に送信してもよい。あるいは、指定された宅配ボックス150が上述したような何らかの理由で利用できない場合には、指定された宅配ボックス150の近隣で利用可能な宅配ボックスを指定し、そのボックスIDとロッカーIDを通知するための信号を宅配サーバ142に送信してもよい。
【0050】
ロッカー特定信号とともに、あるいはロッカー特定信号とは個別に、ユーザが宅配ボックス150を操作するための認証鍵をユーザの端末120に送信してもよい。認証鍵は管理サーバ110または宅配サーバ142において生成される。直接管理サーバ110において生成された認証鍵は、管理サーバ110から直接または宅配サーバ142を介して端末120に送信される。認証鍵が宅配サーバ142で生成される場合には、認証鍵は宅配サーバ142から端末120に送信される。認証鍵の形式は任意であり、二次元コードやバーコード、パスワード、または暗証番号であってもよく、端末120の表示画面上に表示されるように構成される。ユーザは、認証鍵を宅配ボックス150に認識させる、あるいはパスワード若しくは暗証番号を入力することで、特定されたロッカー152を解錠することができる。
【0051】
ユーザが荷物の収容のために指定した宅配ボックス150がユーザが居住する集合住宅に備えられている場合には、認証鍵を生成・送信せず、ユーザがロッカー152を利用できるようにするための信号を宅配サーバ142または管理サーバ110から宅配ボックス150に送信してもよい。この場合、ユーザは、ユーザが所持する宅配ボックス150を操作するための専用の鍵やカードを用いて宅配ボックス150を操作することで、特定されたロッカー152を解錠することができる。
【0052】
ユーザが特定されたロッカー152に荷物を収容すると、センサ154(図2(B)参照。)によって荷物の収容を確認することも可能である。このため、宅配ボックス150は、センサ154から得られる情報に基づいて、荷物が収容されたことを通知する信号(収容通知信号)を管理サーバ110および/または宅配サーバ142へ送信するように構成されてもよい。これにより、ユーザが荷物を収容したことを確認した後に宅配員が荷物回収を開始することができるため、人的資源の有効活用が可能となる。
【0053】
3.宅配方法のフロー
上述した本宅配方法を企業-顧客間の取引(BtoCモデル)と顧客-顧客間の取引(CtoCモデル)に適用する例をフローチャートを用いて説明する。
【0054】
3-1.BtoCモデルにおける荷物の宅配方法
ここでは、売主130が商品を提供する企業であり、プラットフォーム180を経由せずにユーザが売主130に商品を発注する自社サイト型のBtoCモデルを例に用いて説明する。なお、モール型のBtoCモデルであれば、売主130がプラットフォーム提供者に該当する。図7に示すように、ユーザはまず、端末120を用い、売主サーバ132にアクセスし、商品を発注する。この時、ユーザは商品の発注に必要な情報(発注情報)を含む信号を売主サーバ132に送信する(S100)。上述したように、発注情報には、商品を特定する情報などとともに、宅配先の宅配ボックス150のボックスIDが含まれてもよい。ユーザが荷物を受け取る場合には、ユーザが受取人となる。
【0055】
商品が発注されると、売主サーバ132は、宅配サーバ142に対して発注情報を含む宅配命令信号を送信する(S102)。宅配サーバ142は、物流倉庫140における商品の在庫状況、入荷予定状況などを確認し、商品の受注の可否を判断する。図示しないが、商品の受注が可能であると判断された場合には、ユーザによる発注が確定されたことを通知するための信号を端末120または売主サーバ132に送信してもよい。発注が確定すると、物流倉庫140内では、発注内容に応じて商品がピッキング・梱包され、宅配する荷物として纏められる。梱包は段ボールを用いてもよく、あるいは可撓性の袋(例えば、ポリエチレンやナイロン、セロファンなどの人工高分子製の袋、紙製の封筒など)を用いてもよい。袋は透明でも非透明でもよい。
【0056】
この時、荷物の大きさと形状が決定される。例えば、梱包材が規格された段ボールである場合には、荷物の大きさと形状はその規格によって決定される。可撓性の袋を用いて商品を梱包する場合には、3Dスキャナを用いて梱包された荷物の形状や大きさを測定してもよい。なお、商品を梱包せず、あるいは可撓性の袋に梱包した状態でコンテナ160に格納してもよい。この場合には、商品または可撓性の袋に梱包された状態の商品の形状と大きさが荷物の形状と大きさとなる。コンテナ160を用いることで商品のコンテナ160内で動きが規制されるため、エアクッションや更紙、発泡スチロールなどの緩衝材を商品と同梱する必要性が大幅に低減される。したがって、商品宅配に伴うゴミの消費を大幅に抑制することが可能となる。
【0057】
この後、宅配サーバ142は荷物を収容するロッカー152を特定するために、この荷物の宅配情報とともに指定要求信号を管理サーバ110に送信する(S104)。上述したように、宅配情報は、荷物の大きさ、形状、数量、天地無用の有無、荷物の宅配先、宅配日時などが含まれてよく、ユーザが荷物の宅配先として宅配ボックス150を指定している場合にはそのボックスIDが含まれてもよい。さらに、指定要求信号に含まれる宅配情報に受取人情報が含まれていてもよい。通常、宅配事業者は複数の荷物を扱うため、宅配サーバ142からは複数の荷物についての指定要求信号が送信されることになる。
【0058】
管理サーバ110には、複数の宅配ボックス150から随時または定期的にロッカー情報を含む信号(ロッカー情報信号)が送信される(S106)。このため、管理サーバ110上で常に各宅配ボックス150のロッカー152の使用状況を把握することができる。管理サーバ110は、宅配サーバ142から指定要求信号を受信すると、各宅配ボックス150のロッカー152と荷物とのマッチングを行う。ユーザが宅配ボックス150を指定していない場合には、受取人の住所に最も近い場所に設置された宅配ボックス150の一つを指定し、その宅配ボックス150のロッカー152とのマッチングが行われる。同一受取人の荷物が複数存在し、かつ、複数の荷物を同時に収容可能なロッカー152が利用できる場合には、これらの複数の荷物について一つのロッカー152を特定してもよい。各荷物についてロッカー152が特定されると、宅配ボックス150のボックスIDおよびロッカーIDを含むロッカー特定信号を宅配サーバ142に送信する(S108)。認証鍵が管理サーバ110によって生成される場合には、同時にあるいは個別に認証鍵を宅配サーバ142に送信してもよい。図示しないが、認証鍵は管理サーバ110から直接端末120に送信してもよい。
【0059】
ロッカー特定信号を受け取った宅配サーバ142は、宅配のための車両の手配や車両の積載状況を確認し、荷物の宅配予定日時を見積もる。その後、認証鍵とともにまたは認証鍵とは個別に、宅配予定日時および荷物が収容される宅配ボックス150とそのロッカー152を通知するための信号(宅配情報信号)を端末120へ送信する(S110)。これにより、ユーザも荷物の宅配予定日時を把握することができる。宅配サーバ142はさらに、宅配予定日時を含む信号を売主サーバ132へ送信してもよい(S112)。
【0060】
この後、荷物の宅配が行われる。宅配は、荷物を特定されたロッカー152に収容することで行われる。コンテナ160を用いる場合には、コンテナ160から商品を取り出してロッカー152に収容し、コンテナ160は宅配員によって回収される。ロッカー152が予め確保されているため、宅配時にロッカー152が利用できないことによる荷物の再宅配の必要性がなく、再宅配のためのコストの増大や人的資源の浪費を防止することができる。宅配が完了すると、宅配サーバ142は端末120および売主サーバ132に宅配完了通知を含む信号を送信する(S114、S116)。この宅配完了通知は、管理サーバ110に送信されてもよい。これにより、売主130は商品がユーザに宅配されたことを認識し、ユーザは発注した商品が宅配されたことを認識することができる。宅配完了通知には、一日に宅配される荷物の数量、特定されたロッカー152に収容される荷物の数量、特定されたロッカー152に現に収容されている荷物の数量などが含まれてもよい。このような情報が含まれていると、ユーザは、宅配されるべき荷物の全てが宅配された後にロッカー152から荷物を取り出すことができる。また、複数の荷物が宅配される場合には、各荷物が宅配されるごとに荷物をロッカー152から取り出すことも可能となる。
【0061】
その後、ユーザは認証鍵あるいは専用の鍵やカードを用いて宅配ボックス150を操作し、荷物が収容されたロッカー152を解錠し、荷物を取り出す。なお、荷物が取り出された後、センサ154から得られる情報に基づいて、荷物が取り出されたことを通知する信号(受領通知信号)を宅配ボックス150から管理サーバ110および/または宅配サーバ142へ送信してもよい(S118、S120)。この時、ロッカー152内または宅配ボックス150の外部に設けられた外付けカメラを用いてロッカー152内部の状態や宅配員による荷物の収容の様子を撮像し、ロッカー152の開閉時間とともに、撮像した映像を管理サーバ110や宅配サーバ142へ送信してもよい。
【0062】
一人のユーザが複数の売主130に個別に商品を発注し、これらの商品を荷物として宅配する業者が複数の場合でも、本宅配方法を利用することで効率の高い宅配サービスを提供することができる。例えば一人のユーザが第1の売主130-1と第2の売主130-2に対して商品を個別に発注し、第1の売主130-1と第2の売主130-2の商品がそれぞれ第1の物流倉庫140-1と第2の物流倉庫140-2において管理されている例を図8を用いて説明する。
【0063】
ユーザは、端末120を用いて第1の売主サーバ132-1と第2の売主サーバ132-2に個別にアクセスし、商品を発注する。この時、ユーザは商品の発注に必要な情報(発注情報)を含む信号を第1の売主サーバ132-1と第2の売主サーバ132-2にそれぞれ送信する(S130、S132)。
【0064】
商品が発注されると、第1の売主サーバ132-1と第2の売主サーバ132-2は、それぞれの商品が保管される第1の物流倉庫140-1と第2の物流倉庫140-2の第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2にアクセスし、発注情報を含む宅配命令信号を送信する(S134、S136)。各宅配サーバ142は、それぞれの物流倉庫140における商品の在庫状況、入荷予定状況などを確認し、商品の受注の可否を判断する。商品の受注が可能であると判断された場合には、ユーザによる発注が確定されたことを通知するための信号を端末120および/または売主サーバ132に送信してもよい。
【0065】
この後、第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2は、それぞれの荷物を収容するロッカー152を特定するために、荷物の宅配情報とともに指定要求信号を管理サーバ110に送信する(S138、S140)。管理サーバ110は、指定要求信号を受信すると、宅配情報および宅配ボックス150から送信される(S142)ロッカー情報に基づいてロッカー152と荷物とのマッチングを行う。上述したように、宅配情報には受取人の情報が含まれてもよい。したがって、管理サーバ110は、受取人情報を利用することで、宅配される荷物の中に同一受取人の荷物が複数存在するか否かを容易に判断することができる。管理サーバ110上で同一受取人の荷物が複数存在することが判断された場合には、同一受取人の荷物を同時に収容可能なロッカー152を特定し、宅配ボックス150のボックスIDと特定されたロッカーのロッカーIDを含むロッカー特定信号を第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2に送信する(S144、S146)。
【0066】
ロッカー特定信号を受け取った第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2は、宅配のための車両の手配や車両の積載状況を確認し、荷物の宅配予定日時を見積もる。図示しないが、その後、宅配予定日時および荷物が収容される宅配ボックス150とそのロッカー152を通知するための宅配情報信号を端末120へ送信する。宅配情報信号に認証鍵を含ませてもよく、あるいは別途認証鍵を第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2から端末120に送信してもよい。第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2はさらに、宅配情報信号に含まれる情報の全てまたは一部を含む信号をそれぞれ第1の売主サーバ132-1と第2の売主サーバ132-2へ送信してもよい。なお、第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2は、宅配情報信号や認証鍵を端末120に送信せず、管理サーバ110に送信してもよい(S148、S150)。また、第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2は認証鍵を生成せず、管理サーバ110が認証鍵を生成してもよい。この場合、宅配情報と認証鍵を一括して管理サーバ110から端末120に送信することで、(S152)、ユーザの混乱を招くことを防止することができる。
【0067】
この後宅配が行われ、宅配が完了した後、宅配完了通知を含む信号が第1の宅配サーバ142-1と第2の宅配サーバ142-2から、または管理サーバ110から端末120に送信される(S154)。宅配完了通知は、管理サーバ110または宅配サーバ142から売主サーバ132へ送信してもよい(S156、S158)。荷物が取り出された後、受領通知信号を宅配ボックス150から管理サーバ110および/または宅配サーバ142へ送信してもよい(S160、S162、S164))。この宅配方法では、複数の荷物を宅配する宅配事業者が異なっても、ユーザが発注した複数の荷物が一つのロッカー152に収容される。このため、ユーザは宅配ボックス150を一度操作することで、複数の荷物を同時に取り出すことができる。
【0068】
3-2.CtoCモデルにおける荷物の発送方法
本節では、CtoCモデルに本宅配方法を適用した例について説明する。ここでは、プラットフォーム180を利用して第1のユーザが商品を出品し、第2のユーザ(すなわち、発注者であり商品の受取人)がこの商品を発注するケースを想定して説明を行う。BtoCモデルへの適用例で述べた構成と同様または類似する構成については説明を省略することがある。
【0069】
商品が発注されると、プラットフォームサーバ182から、商品が発注された旨の通知とともに発注情報を含む信号が第1のユーザの端末120-1へ送信される(S180)。発注者は、商品の宅配先として宅配ボックス150を指定してもよく、この場合、発注情報には発注者が指定する宅配ボックス150のボックスIDが含まれる。
【0070】
第1のユーザは、任意に選択した宅配事業者が管理する宅配サーバ142にアクセスし、発送情報を含む発送依頼信号を端末120-1から宅配サーバ142に送信する(S182)。第1のユーザが直接管理サーバ110にアクセスする場合には、発送依頼信号は端末120-1から管理サーバ110に送信される(S184)。この場合、管理サーバ110によって選定された宅配事業者、または第1のユーザが希望した宅配事業者の宅配サーバ142に発送依頼信号がさらに送信される(S186)。発送依頼信号を受信した宅配サーバ142は、ユーザが荷物を収容するために指定した宅配ボックス150のロッカーを特定することを要求する指定要求信号を宅配サーバ142から管理サーバ110に送信する(S188)。
【0071】
指定要求信号を受信した管理サーバ110は、複数の宅配ボックス150から送信される(S190)ロッカー情報、および指定要求信号に含まれる荷物の大きさ、形状、数量、天地無用の有無、あるいは画像データなどの情報に基づき、ロッカー152と荷物のマッチングを行う。すなわち、ユーザが指定した宅配ボックス150のロッカー152から荷物の大きさと形状、数量に適合するロッカー152を特定する。ユーザが荷物を収容するための宅配ボックス150を指定していない場合には、指定要求信号に宅配ボックス150のボックスIDは含まれない。この場合には、ユーザの住所に最も近い宅配ボックス150の一つを指定すればよい。ロッカー152が特定された後、そのロッカーIDを含むロッカー特定信号が宅配サーバ142に送信される(S192)。
【0072】
ロッカー特定信号が宅配サーバ142によって受信されると、宅配サーバ142は回収情報を含む信号を端末120に送信する(S194)。この時、宅配サーバ142から認証鍵を端末120に送信してもよい。なお、回収情報や認証鍵を含む信号は管理サーバ110から端末120に送信してもよい(S196)。
【0073】
ユーザは、認証鍵または専用の鍵やカードを用いて宅配ボックス150を操作し、荷物を特定されたロッカー152へ収容する。宅配ボックス150がセンサ154によって荷物の存否を判断できる場合には、荷物が収容されたことを通知するための信号(収容通知信号)を管理サーバ110および/または宅配サーバ142に送信してもよい(S198、S200)。これにより、宅配サーバ142上で特定されたロッカー152に荷物が収容されたことを把握することができるので、宅配員は確実に荷物を回収することができる。この後、宅配サーバ142から荷物の回収が完了したことを通知するための信号が端末120に送信される(S202)。BtoCモデルにおける宅配員による荷物の収容と同様、ロッカー152内または宅配ボックス150の外部に設けられた外付けカメラを用いてロッカー152内部の状態や宅配員による荷物の回収の様子を撮像し、ロッカー152の開閉時間とともに、撮像した映像を管理サーバ110や宅配サーバ142へ送信してもよい。
【0074】
4.応用
以下に述べるように、本発明の実施形態の一つである宅配方法を応用することで、より効率的な宅配ボックス150の利用が可能となり、さらに様々なユーザサービスを提供することが可能である。
【0075】
例えば、管理サーバ110はユーザ情報を受け取ることができるため、ユーザ情報を利用してユーザが宅配システム100を利用した回数をカウントし、ユーザスコアとして管理サーバ110に備えられる記憶装置に随時格納してもよい。ユーザスコアが高いユーザに対しては、荷物の発送時におけるロッカー152の優先的な確保、専用ロッカーの設定などのサービスを提供するように管理サーバ110を構成してもよい。例えば、ユーザスコアの高いユーザに対しては、利用可能なロッカー数の上限を高く設定し、ユーザスコアの低いユーザに対しては、利用可能なロッカー数の上限を低く設定してもよい。あるいは、ユーザスコアに関する情報を管理サーバ110から宅配サーバ142に随時に、定期的に、または宅配サーバ142からの要求に応じて送信してもよい。これにより、宅配事業者などもユーザスコアを管理することができるため、ユーザスコアに基づいて宅配や発送の料金の割引、キャッシュバックなどのサービスを提供してもよい。
【0076】
あるいは、ユーザスコアに応じて、各宅配ボックス150のロッカー152のうち、より使用しやすいロッカー152、すなわち、荷物の収容や取出しを容易に行えるロッカー152を優先的に特定するよう、管理サーバ110を構成してもよい。より具体的には、ユーザスコアの低いユーザが宅配システム100を利用する場合には、荷物に適合する複数のロッカー152からランダムにロッカー152を特定する、あるいは使用頻度の低い順に特定する。これにより、ロッカー152の使用頻度を均等にすることができ、一部または特定のロッカー152の劣化を抑制し、故障を防止することができる。一方、ユーザスコアの高いユーザが宅配システム100を利用する場合には、荷物に適合したロッカー152のうち、特定のロッカー152から優先的に選択するよう、宅配プログラムを構成してもよい。特定のロッカー152は、荷物の収容・取出しの容易性といった利便性を考慮して適宜決定すればよい。
【0077】
あるいは、ロッカー152の占有時間を用いてユーザスコアに重み付けを行ってもよい。例えばBtoCモデルでは、荷物の宅配完了通知を端末120に送信した時刻または宅配完了通知を管理サーバ110が受信した時刻から受領通知信号が管理サーバ110へ送信された時刻までをロッカー152の占有時間とすればよい。CtoCモデルにおいては、回収情報を含む信号が管理サーバ110から端末120に送信された時刻から収容通知信号が管理サーバ110によって受信される時刻までを占有時間としてもよい。各ユーザの占有時間を宅配システム100の利用回数で除した平均占有時間などを用い、ユーザスコアに重み付けを行えばよい。あるいは占有時間が所定の時間よりも短い利用があった場合にユーザスコアに対して重み付けを行ってもよい。
【0078】
また、随時に、定期的に、または宅配サーバ142からの要求に応じて占有時間を管理サーバ110から宅配サーバ142に通知するように管理サーバ110を構成してもよい。これにより、宅配事業者などは各ロッカー152について占有時間を把握することができる。したがって、本宅配方法においては、長期にわたって(例えば、3日以上、1週間以上、または1ヶ月以上の期間)ロッカー152を占有しているユーザの荷物を回収してもよい。これにより、利用可能なロッカー152をより多く確保し、ロッカー152の回転率を上げることができる。
【0079】
あるいは、ロッカー152の占有時間を利用してユーザスコアを獲得する機会をユーザに与えてもよい。例えば、管理サーバ110が宅配完了通知を含む信号または回収情報を含む信号をユーザの端末120に送信する時刻から一定の期間にユーザが荷物を回収または収容することで、より多くのユーザスコアをユーザに付与してもよい。この場合には、上記一定期間内に荷物を回収または収容することでより多くのユーザスコアが獲得できる旨の表示が端末120上で可能なように、宅配完了通知を含む信号または回収情報を含む信号を構成してもよい。さらに、宅配完了通知を含む信号または回収情報を含む信号には、ユーザの端末120上に、ユーザが荷物を回収するまたは収容する日時を回答できる画面を表示するための命令が含まれてもよい。ユーザが回答した日時までにユーザが荷物を回収するまたは収容することで、より多くのユーザスコアを付与してもよい。
【0080】
あるいは、宅配ボックス150内の空のロッカー152の数に基づいてユーザスコアを獲得する機会をユーザに与えてもよい。ユーザによる荷物の回収が遅延すると、空のロッカー152の数が減少し、他の荷物の宅配に影響を与えてしまう。このような悪影響を防ぐため、空のロッカー152の割合が低下した場合(例えば、各宅配ボックス150におけるロッカー152の全数に対する割合が30%以下、20%以下、または10%以下になった時)、荷物を取り出していないユーザの端末120に対して商品の受取りを促す促進通知を含む信号を管理サーバ110から送信してもよい。この時、荷物を取り出すとユーザスコアが獲得できる旨の表示が端末120上で可能なように、促進通知を含む信号を構成してもよい。さらに、荷物を取り出すまでの時間が短いほど多くのユーザスコアが獲得できる旨を端末120上で表示可能なように促進通知を含む信号を構成してもよい。ユーザによって荷物が取り出されると、管理サーバ110は一定のユーザスコアを加算する、あるいは、促進通知の通知時刻からユーザが荷物を取り出した時刻までの時間に応じてユーザスコアを加算すればよい。
【0081】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の表示装置を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0082】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0083】
100:宅配システム、102:ネットワーク、104:荷物、104-1:荷物、104-2:荷物、104-3:荷物、104-4:荷物、104-5:荷物、110:管理サーバ、120:端末、120-1:端末、130:売主、130-1:第1の売主、130-2:第2の売主、132:売主サーバ、132-1:第1の売主サーバ、132-2:第2の売主サーバ、132-2:第2の売主サーバ、140:物流倉庫、140-1:第1の物流倉庫、140-2:第2の物流倉庫、140-3:第3の物流倉庫、142:宅配サーバ、142-1:第1の宅配サーバ、142-2:第2の宅配サーバ、142-3:第3の宅配サーバ、150:宅配ボックス、150-1:第3の宅配ボックス、150-2:第2の宅配ボックス、150-3:第3の宅配ボックス、152:ロッカー、152-1:ロッカー、152-2:ロッカー、152-3:ロッカー、154:センサ、160:コンテナ、162:本体、164:蓋、166:ヒンジ、168:把手、170:タグ、172:トレンチ、174:凸部、176:ロック、178:搬送台車、180:プラットフォーム、182:プラットフォームサーバ、182-1:第1のプラットフォームサーバ、182-2:第2のプラットフォームサーバ、182-3:第3のプラットフォームサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロッカーをそれぞれ有する複数の宅配ボックスから、前記複数のロッカーの使用状況を含むロッカー情報を管理サーバによって取得すること、
複数の宅配事業者の各々から、荷物の大きさと数量、および前記荷物の収容先として指定された前記宅配ボックスの一つを識別するボックス識別子を前記管理サーバによって取得すること、
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記荷物の前記大きさと前記数量、および前記ロッカー情報に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーの一つを前記管理サーバによって特定すること、ならびに
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーを識別するロッカー識別子を前記管理サーバによって前記宅配事業者へ提供することを含む、宅配方法。
【請求項2】
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記ロッカー識別子を、前記荷物を受け取るまたは発送するユーザの端末に対し、前記宅配事業者の一つまたは複数の宅配サーバから提供することをさらに含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項3】
前記複数のロッカーの前記一つを特定することは、前記複数の荷物のそれぞれについて、前記指定された宅配ボックスの前記複数のロッカーのうち、前記荷物が収容可能であり、かつ、最小の体積を有する前記ロッカーを選択することで行われる、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項4】
前記複数の宅配事業者によって、
前記複数の荷物から選択される第1の荷物を、同一の形状と大きさを有する複数のコンテナから選択される第1のコンテナに格納すること、
前記第1のコンテナを、前記第1のコンテナに格納された前記第1の荷物について前記指定された宅配ボックスに宅配すること、および
前記第1のコンテナから取り出された前記第1の荷物を、前記第1の荷物について特定された前記ロッカーに収容することをさらに含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項5】
前記複数の宅配事業者によって、
前記複数の荷物から選択される第1の荷物を、前記第1の荷物について前記特定されたロッカーに収容すること、および
前記第1の荷物を前記ロッカーから取り出し、同一の形状と大きさを有する複数のコンテナから選択される第1のコンテナに格納することをさらに含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項6】
前記使用状況は、前記複数の宅配ボックスの各々が有する複数のロッカーの各々に設置されるセンサを用いて取得される、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項7】
前記複数の宅配事業者の各々から、前記荷物の受取人を特定するための受取人情報を前記管理サーバによって取得すること、および
前記受取人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在するか否かを前記管理サーバによって判断することをさらに含み、
前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在する場合、前記宅配方法はさらに、
同一受取人の前記複数の荷物のそれぞれの前記大きさと前記数量、および前記ロッカー情報に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一受取人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つを前記管理サーバによって特定すること、ならびに
同一受取人の前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーのロッカー識別子を前記管理サーバによって前記宅配事業者の一つまたは複数へ提供することを含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項8】
前記複数の荷物の中に同一受取人が複数存在する場合、前記ロッカー識別子を、前記受取人の端末に対し、前記宅配事業者の一つまたは複数の宅配サーバから提供することをさらに含む、請求項7に記載の宅配方法。
【請求項9】
前記複数の宅配事業者の各々から、前記荷物の発送人を特定するための発送人情報を前記管理サーバによって取得すること、および
前記発送人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在するか否かを前記管理サーバによって判断することをさらに含み、
前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在する場合、前記宅配方法はさらに、
同一発送人の前記複数の荷物のそれぞれの前記大きさと前記数量、および前記ロッカー情報に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一発送人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つを前記管理サーバによって特定すること、および
同一発送人の前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーのロッカー識別子を前記管理サーバによって前記宅配事業者の一つまたは複数へ提供することを含む、請求項1に記載の宅配方法。
【請求項10】
前記複数の荷物の中に同一発送人が複数存在する場合、前記ロッカー識別子を、前記発送人の端末に対し、前記宅配事業者の一つまたは複数の宅配サーバから提供することをさらに含む、請求項9に記載の宅配方法。
【請求項11】
ネットワークを介し、複数のロッカーをそれぞれ有する複数の宅配ボックスと通信可能なように、かつ複数の宅配事業者がそれぞれ管理する宅配サーバと通信可能なように構成される管理サーバであり、前記管理サーバはさらに、
前記複数の宅配ボックスから、前記複数のロッカーの使用状況を含むロッカー情報信号を受信すること、
前記複数の宅配サーバの各々から、荷物の大きさと数量に関する情報、および前記荷物の収容先として指定された宅配ボックスの一つを識別するボックス識別子を含む指定要求信号を受信すること、
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記荷物の前記大きさと前記数量、および前記使用状況に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーの一つを特定すること、ならびに
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記特定されたロッカーを識別するロッカー識別子を含むロッカー特定信号を前記宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される、管理サーバ。
【請求項12】
前記複数の荷物のそれぞれについて、前記ロッカー特定信号を、前記荷物を受け取るまたは発送するユーザの端末に送信することをさらに実行するように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項13】
前記複数のロッカーの前記一つを特定することは、前記複数の荷物のそれぞれについて、前記指定された宅配ボックスの前記複数のロッカーのうち、前記荷物が収容可能であり、かつ、最小の体積を有する前記ロッカーを選択することで行われる、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項14】
前記複数の荷物から選択される第1の荷物を格納し、同一の形状と大きさを有する複数のコンテナから選択される第1のコンテナを特定するコンテナIDと、前記第1の荷物とを互いに関連付けるように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項15】
前記使用状況は、前記複数の宅配ボックスの各々が有する複数のロッカーの各々に設置されるセンサを用いて取得された情報である、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項16】
前記指定要求信号には前記荷物の受取人を特定するための受取人情報が含まれ、
前記管理サーバはさらに、
前記受取人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在するか否かを判断すること、および
前記複数の荷物の中に同一受取人の前記荷物が複数存在すると判断した場合、
同一受取人の前記複数の荷物の前記大きさと前記数量、および前記使用状況に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一受取人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つ特定すること、ならびに
前記特定されたロッカーのロッカー識別子を含む前記ロッカー特定信号を前記宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項17】
前記複数の荷物の中に同一受取人が複数存在する場合、前記ロッカー特定信号を、前記受取人の端末に送信するようにさらに構成される、請求項16に記載の管理サーバ。
【請求項18】
前記指定要求信号には前記荷物の発送人を特定するための発送人情報が含まれ、
前記管理サーバはさらに、
前記発送人情報に基づき、前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在するか否かを判断すること、および
前記複数の荷物の中に同一発送人の前記荷物が複数存在する場合、
同一発送人の前記複数の荷物の前記大きさと前記数量、および前記使用状況に基づき、前記指定された宅配ボックスが有する前記複数のロッカーのうち、同一発送人の前記複数の荷物の全てを収容可能な一つ特定すること、ならびに
前記特定されたロッカーのロッカー識別子を含む前記ロッカー特定信号を前記宅配サーバへ送信することをさらに実行するように構成される、請求項11に記載の管理サーバ。
【請求項19】
前記複数の荷物の中に同一発送人が複数存在する場合、前記ロッカー特定信号を、同一発送人の前記荷物を発送するユーザの端末に送信するように構成される、請求項17に記載の管理サーバ。