(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072108
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】接触センサ
(51)【国際特許分類】
H01H 13/52 20060101AFI20230517BHJP
H01H 25/04 20060101ALN20230517BHJP
【FI】
H01H13/52 Z
H01H25/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184434
(22)【出願日】2021-11-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】522156106
【氏名又は名称】エスワイエス・エンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391007460
【氏名又は名称】中日本ハイウェイ・エンジニアリング名古屋株式会社
(72)【発明者】
【氏名】熊崎 隆行
(72)【発明者】
【氏名】藤橋 哲也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大樹
(72)【発明者】
【氏名】石原 英倫
(72)【発明者】
【氏名】山下 伊智朗
(72)【発明者】
【氏名】本間 博和
【テーマコード(参考)】
5G031
5G206
【Fターム(参考)】
5G031AS16H
5G031AS16J
5G031AS31H
5G031DS01H
5G031HU02
5G206AS31H
5G206DS01H
5G206FU03
(57)【要約】
【課題】
本発明の課題は、周囲の物体との接触の衝撃を緩和し、更に、スイッチを押す方向とそれに直角な横方向や斜め方向からの押圧にも対応し検出して情報提供する接触センサを提供することである。
【解決手段】
本発明の接触センサは、
接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチを有する回路基板と、スイッチを押す側には、接触による押圧を受ける押圧受体とを有し、押圧受体は、カバーと、前記カバーの内側にある緩和材と、緩和材の内側にあって押圧を仲介し前記スイッチに伝達する介在体と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチを有する回路基板と、前記スイッチを押す側には、接触による前記押圧を受ける押圧受体とを有し、前記押圧受体は、前記押圧により凹むカバーと、前記カバーの内側にあって、前記接触の衝撃を緩和する緩和材と、更に、前記緩和材の内側にあって押圧を仲介し前記スイッチに伝達する為に、前記スイッチに近接した堅い平底面をもった介在体と、を有し、前記介在体の前記堅い平底面とは反対側は、凸状面を有し、前記押圧受体は、前記回路基板側との組み立て結合により、前記結合による部位周辺は傾く程度以上には動かない状態であり、
前記カバーと前記緩和材を介した、前記スイッチを押す方向と同じ方向(前記堅い平底面に直角)から、前記スイッチを押す方向と直角な方向(前記堅い平底面に平行)にわたる傾きの前記凸状面に対する押圧に対して、前記介在体従って前記堅い平底面が前記スイッチ側へ動くこと又は前記介在体従って前記堅い平底面が傾いてせり出すこと、によって、前記スイッチを動作させることを可能としたことを特徴とする接触センサ。
【請求項2】
前記介在体は、前記介在体の頂点を通り縦に切った断面が、半円形、又は、頂点を長軸側の頂点とする半楕円形、の半球状であること、又は、円柱の長さが前記円柱の断面の直径以上である円柱状であることで、前記押圧の前記堅い平底面への伝達を容易にしたことを特徴とする請求項1記載の接触センサ。
【請求項3】
前記介在体が2つの部分を有して構成され、一方の部分は、堅い前記平底面を持った平底面基体であり、他方の部分は、前記凸状面を持った凸状面基体であり、前記凸状面基体の前記凸状面とは反対側の部分と、前記平底面基体の前記平底面とは反対側の部分とが回転嵌め合い構造をしており、前記凸状面基体の横方向の移動により、前記平底面基体が回転して傾き、前記スイッチを押す構成にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接触センサ。
【請求項4】
前記カバーの外側の延長側に長く伸びた柔軟性素材による接触延長部を備えることで、長さ方向に接触部を広げることで、前記接触の検出範囲を拡大したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項5】
前記スイッチは、前記押圧に対して衝突破壊のないように、前記押圧により前記スイッチの電極が離間する構造か、又は、前記スイッチの電極が相互にスライドし、該電極の側面で接触する構造を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項6】
前記スイッチは、前記押圧により前記スイッチを動作させる方向に直角な方向、即ち、前記スイッチが使用される対面にある前記堅い平底面の周りのいずれの方向からも動作可能な等方向性スイッチ(第一)であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項7】
前記等方向性スイッチ(第一)は、縦横又は斜め又は円周状に複数個配置し、前記複数個の前記スイッチのどれがスイッチオンになっても動作する回路にすることで、いずれの方向からの押圧にも対処したことを特徴とする請求項6に記載の接触センサ。
【請求項8】
前記等方向性スイッチ(第一)は、前記等方向性スイッチ(第一)の2つの接触端子が同径且つ同心円の円盤状で近接して平行に離間していて、どの方向からであっても前記押圧によって一方の接触端子が傾いたことで、他方の接触端子に接触することを特徴とする請求項6に記載の接触センサ。
【請求項9】
棒状の棒状基体を前記回路基板側に取付けたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項10】
横方向のいずれの方向からの前記押圧にも対応するように、前記押圧により互いにスライドする2枚の近接した平行電極を用いて、横方向のいずれの方向からの応力にも応答する等方向性スイッチ(第二)を、前記接触センサと前記接触センサの前記回路基板側に取付けた棒状の棒状基体との接続点又は接続点より前記棒状基体側のいずれかの場所に備えたことを特徴とする請求項9に記載の接触センサ。
【請求項11】
前記棒状基体は、前記棒状基体の軸の周りに回転する回転結合部と前記棒状基体が2分した接続部で回転傾斜する傾斜結合部を有することで、横からの前記押圧があった場合に、前記棒状基体が傾斜を可能とする方向に前記回転結合部で回転し、前記棒状基体が傾斜をさせ、前記傾斜を検出する傾斜センサを動作させることで、横方向の検出性を向上させたことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の接触センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着した物体と周囲の物体との接触を検出して報知する接触センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の接触センサを示す図である。6-Aは、感圧センサで、カバー部材7に加わる荷重を緩衝、分散し、可撓性シート部材5を介して感圧導電性部材3に、緩衝材6により均一、分散して加わるようにしている。感圧導電性部材3に上から直角に当たる押圧に対応したものである。
6-Bは、スイッチと受圧部材間にゲル状充填材を有しているが、こちらは、緩衝材としてより、スイッチと受圧部材間に泥水や異物が侵入することの防止が目的のカバーとしての役割である。
両者とも横方向からの押圧には全く対応できない不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-17276
【特許文献2】実開平7-24671
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の課題は、従来品の不都合点に鑑み、周囲の物体との接触の衝撃を緩和し、更に、スイッチを押す方向とそれに直角な横方向からの押圧にも対応し、接触を検出して情報提供する接触センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、接触センサであって、
接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチを有する回路基板と、前記スイッチを押す側には、接触による前記押圧を受ける押圧受体とを有し、前記押圧受体は、前記押圧により凹むカバーと、前記カバーの内側にあって、前記接触の衝撃を緩和する緩和材と、更に、前記緩和材の内側にあって押圧を仲介し前記スイッチに伝達する為に、前記スイッチに近接した堅い平底面をもった介在体と、を有し、前記介在体の前記堅い平底面とは反対側は、凸状面を有し、前記押圧受体は、前記回路基板側との組み立て結合により、前記結合による部位周辺は傾く程度以上には動かない状態であり、
前記カバーと前記緩和材を介した、前記スイッチを押す方向と同じ方向(前記堅い平底面に直角)から、前記スイッチを押す方向と直角な方向(前記堅い平底面に平行)にわたる傾きの前記凸状面に対する押圧に対して、前記介在体従って前記堅い平底面が前記スイッチ側へ動くこと又は前記介在体従って前記堅い平底面が傾いてせり出すこと、によって、前記スイッチを動作させることを可能としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の接触センサにおいて、
前記介在体は、前記介在体の頂点を通り縦に切った断面が、半円形、又は、頂点を長軸側の頂点とする半楕円形、の半球状であること、又は、円柱の長さが前記円柱の断面の直径以上である円柱状であることで、前記押圧の前記堅い平底面への伝達を容易にしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の接触センサにおいて、
前記介在体が2つの部分を有して構成され、一方の部分は、堅い前記平底面を持った平底面基体であり、他方の部分は、前記凸状面を持った凸状面基体であり、前記凸状面基体の前記凸状面とは反対側の部分と、前記平底面基体の前記平底面とは反対側の部分とが回転嵌め合い構造をしており、前記凸状面基体の横方向の移動により、前記平底面基体が回転して傾き、前記スイッチを押す構成にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、前記カバーの外側の延長側に長く伸びた柔軟性素材による接触延長部を備えることで、長さ方向に接触部を広げることで、前記接触の検出範囲を拡大したことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、前記スイッチは、前記押圧に対して衝突破壊のないように、前記押圧により前記スイッチの電極が離間する構造か、又は、前記スイッチの電極が相互にスライドし、該電極の側面で接触する構造を有することを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、前記スイッチは、前記押圧により前記スイッチを動作させる方向に直角な方向、即ち、前記スイッチが使用される対面にある前記堅い平底面の周りのいずれの方向からも動作可能な等方向性スイッチ(第一)であることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の接触センサにおいて、
前記等方向性スイッチ(第一)は、縦横又は斜め又は円周状に複数個配置し、前記複数個の前記スイッチのどれがスイッチオンになっても動作する回路にすることで、いずれの方向からの押圧にも対処したことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項6に記載の接触センサにおいて、
前記等方向性スイッチ(第一)は、前記等方向性スイッチ(第一)の2つの接触端子が同径且つ同心円の円盤状で近接して平行に離間していて、どの方向からであっても前記押圧によって一方の接触端子が傾いたことで、他方の接触端子に接触することを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、棒状の棒状基体を前記回路基板側に取付けたことを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項9に記載の接触センサにおいて、
横方向のいずれの方向からの前記押圧にも対応するように、前記押圧により互いにスライドする2枚の近接した平行電極を用いて、横方向のいずれの方向からの応力にも応答する等方向性スイッチ(第二)を、前記接触センサと前記接触センサの前記回路基板側に取付けた棒状の棒状基体との接続点又は接続点より前記棒状基体側のいずれかの場所に備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項11記載の発明は、請求項9又は請求項10記載の接触センサにおいて、
前記棒状基体は、前記棒状基体の軸の周りに回転する回転結合部と前記棒状基体が2分した接続部で回転傾斜する傾斜結合部を有することで、横からの前記押圧があった場合に、前記棒状基体が傾斜を可能とする方向に前記回転結合部で回転し、前記棒状基体が傾斜をさせ、前記傾斜を検出する傾斜センサを動作させることで、横方向の検出性を向上させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上の様に構成されているので、本発明による接触センサでは、スイッチを押す方向と、その横方向からの押圧に対応し、更に、スイッチへの破壊的過度の衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明にかかる接触センサの一実施態様を示す図である。
【
図2】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するためのものである。
【
図3】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、長さ(縦)方向の検出性を向上するためのものである。
【
図4】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
【
図5】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明にかかる接触センサの一実施態様を示す図である。1-Aにおいて、接触センサ100は、接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチ110を有する回路基板120と、スイッチ110を押す側には、接触による押圧を受ける押圧受体130を有し、押圧受体130は、押圧により凹むカバー131と、その内側にあって、接触の衝撃を緩和するゲル等の緩和材132と、更に、その内側にあって押圧を仲介しスイッチ110に伝達する為に、スイッチ110に近接した堅い平底面をもった介在体133を有し、介在体133の平面とは反対側は、凸状面を有し、その形状に倣い、緩和材132とカバー131の形状が形成されることで、スイッチ110を押す等、動作させる方向だけでなく、これとは角度のある斜めの方向、或いは直角な角度の横方向からの押圧にも検出性を向上させたものである。
尚、介在体133の凸状面側は、堅さにこだわらないが、堅い平底面を傾斜させるために押圧の伝達を有効にするための堅さは必要である。従って、堅い平底面を含めて介在体133は堅い方が好都合である。
【0019】
1-Bには、接触センサ100を棒状基体140の先端に取付けた状態であり、棒状基体140には、発光表示灯その他の電気回路を搭載したり、衝撃緩衝用のバネ等や、横曲がりをさせる部材を取付けることも可能である。
【0020】
1-Cには、スイッチ基体111に対してスイッチノブ112を押圧することで動作するスイッチを示すが、通常のプッシュスイッチが使える他、強い押圧に対して衝突破壊のないように押圧によりスイッチの電極が離間する構造か、又は、スイッチの電極が相互にスライドし、電極の側面で接触する構造のものを使用することが望ましい。前者では、押圧がない時は接触しているが、押圧があると離れるだけで押圧による衝撃は起こらない。後者では、二つの接触導体の接触面が押圧による動きの向きと平行なので、押圧による衝撃は起こらない。尚、スイッチ110は、どの方向からの押圧にも対応する等方向性スイッチ(第一)であることが好ましい。そのためには、例えば、スイッチの2つの接触端子が同径且つ同心円の円盤状で近接して平行に離間していて、押圧によって一方の接触端子が傾いた場合には、どの方向からでも、他方の接触端子に接触するようなスイッチを使うことが出来る。又は、通常の等方向性でないスイッチを縦横、又は斜め、又は円周状に複数個配置し、そのどれがスイッチオンになっても動作する回路にすることで、等方向性スイッチ(第一)と同じ作用をさせることができる。即ち、斜め方向又は横方向の押圧で介在体133が斜めになり、介在体133の堅い平底面が斜めになりスイッチ110側にせり出すことで、複数個の内、いずれか1つはスイッチONに押し込まれるからである。
【0021】
尚、1-Dー1から1-D-4を用いて、縦から斜め更には横方向の応力に対応して、スイッチ110を押し込む等動作させることが可能なことを詳述する。請求項では、縦方向を、スイッチ110を押す等動作させる方向と同じ方向(堅い平底面に直角)、横方向を、スイッチ110を押す等動作させる方向と直角な方向(堅い平底面に平行)と表現している。
1-D-1では、押圧(図の上から下の矢印)が、スイッチを押す等動作させる方向に平行(上記の介在体133の堅い平底面に直角)の場合であり、当然、押圧で介在体133の堅い平底面が動きスイッチ110を動作させる。
1-D-2では、押圧(図の斜め矢印)が、斜め方向であって、押圧の示す線の延長に介在体133の堅い平底面の中心がなくずれがある場合であり、押圧受体130は、回路基板120側との組み立て結合により、結合部周辺は傾く程度以上には動かない状態であるので、堅い平底面の中心を回転軸として押圧の示す線との距離の長さを回転片(例えば、自転車のペダルの付いた回転中心から伸びたアームに相当)にした回転トルクが押圧によりかかり、回転動作により、押圧受体130が、従って、堅い平底面が傾き、下にせり出した方が、スイッチ110を動作させる。
1-Dー3では、押圧(図の斜め矢印)が、斜め方向であって、押圧の示す線の延長に介在体133の堅い平底面の中心がある場合であり、1-D-2の様な回転トルクはないが、堅い平底面に直角方向の押圧の分力で介在体133の堅い平底面が動き、スイッチ110を動作させる。
1-D-4では、押圧(図の横の矢印)が、横(介在体133の堅い平底面に平行)方向であって、1-D-2と同様に、堅い平底面の中心を回転片として堅い平底面と押圧の示す線との距離の長さを回転片にした回転トルクが押圧によりかかり、回転動作により、押圧受体130が、従って、堅い平底面が傾き、下にせり出した方が、スイッチ110を動作させる。
【0022】
1-Dー1から1-D-4のいずれの場合、従って、縦、斜め、横いずれの方向からの応力にも対応してスイッチ110が動作可能である。介在体133の堅い平底面がスイッチ110方向に動く又は介在体133の堅い平底面が傾くことによる下へのせり出しによって、スイッチ110の動作がなされる。
尚、押圧受体130は、回路基板120側との組み立て結合により、結合部周辺は傾く程度以上には、動かない状態であることは、どの場合でも同じである。
尚、更に、介在体133は、頂点を通り縦に切った断面が、半円形、又は、頂点を長軸側の頂点とする半楕円形、の半球状であることが押圧の応力の伝達に好ましい。しかしながら、半円形や半楕円形にこだわらず、円柱状にすることでも応力の伝達に支障がなく出来る。円柱状の場合には、円柱の長さは、円柱の断面の直径以上であることが好ましい。半円形、半楕円形、円柱状などその組み合わせも可能である。
【0023】
図2は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するためのものである。
図1との違いを挙げると、介在体133が2つの部分でできていて、一方は、堅い平底面を持った平底面基体133A、他方は、凸状面を持った凸状面基体133Bであり、凸状面基体133Bの凸状面とは反対側の部分と、平底面基体133Aの平底面とは反対側の部分とが回転嵌め合い構造をしており、凸状面基体133Bの横方向の移動により、平底面基体133Aが回転して傾き、スイッチ110を押す構成にしたもので、幅(横)方向の検出性を向上することが出来る。2-Bには、2-Aの斜視図を示し、回転嵌め合い構造が、球形の凹凸状形状の場合であり、2-Cには、回転嵌め合い構造が、円錐の凹凸状形状の場合である。
【0024】
図3は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、長さ(縦)方向の検出性を向上するものである。カバー131の外側(凸状部)の延長側に長く伸びたゴム等の柔軟性素材による接触延長部310を備えたものである。これがあると、長さ方向に接触部が拡大するので、接触の検出範囲が拡大し、衝撃も緩和される。勿論、カバー131と接触延長部310とは、同一体構成でもよい。
【0025】
図4は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
図4のものでは、
図1から
図3の構成を更に補助するものとして、横からのいずれの方向からの押圧にも対応する動作のために等方向性スイッチ410を付加することができる。
この補助の等方向性スイッチ410では、押圧により互いにスライドする2枚の近接した平行電極を用いて、横方向のいずれの方向からの応力にも応答する。等方向性スイッチ410は、例えば、電極間の静電容量の変化により押圧を判別出来る。等方向性スイッチ410は、4-A、4-B、4-Cに△で位置を示すように、接触センサ100と棒状基体140との接続点又は接続点より棒状基体140側のいずれの場所に備えてもよい。
【0026】
図5は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
棒状基体140は、その軸の周りに回転する回転結合部510と棒状基体140が前記棒状基体が2分した接続部で回転傾斜する傾斜結合部520とを有することで、横からの押圧が来ると、押圧による力を逃がす向きに、即ち、棒状基体140が傾斜を可能とする方向に先ず回転結合部510で回転し、該接続部を介して棒状基体140が傾斜をし、傾斜を検出する傾斜センサ530(図示せず)を動作させることで、幅(横)方向の検出性を向上させ、接触センサ100の動作を補助するものである。回転結合部510と傾斜結合部520により、横方向のどの方向からの押圧にも対応して、等方向性の動作となる。
【0027】
尚、接触センサに押圧が除かれた場合は、スイッチ110を押していない状態に押圧受体130、緩和材132,カバー131の位置が復帰することは当然であり、緩和材132,カバー131の復元弾性により復帰してもよいし、図示はないが、押圧受体130と回路基板120間に復元のためのバネ等を付設してもよいことは当然である。
【0028】
尚、等方向性スイッチについては、等方向性スイッチ(第一)と等方向性スイッチ(第二)を区別した表現とした。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように本発明にかかる接触センサでは、スイッチを押す方向と、その横方向、或いは斜め方向からの押圧に対応し、更に、スイッチへの破壊的過度衝撃を緩和するので、産業上利用して極めて好都合である。
【0030】
100 接触センサ
110 スイッチ
111 スイッチ基体
112 スイッチノブ
120 回路基板
130 押圧受体
131 カバー
132 緩和材
133 介在体
133A 平底面基体
133B 凸状面基体
140 棒状基体
310 接触延長部
410 等方向性スイッチ(第二)
510 回転結合部
520 傾斜結合部
530 傾斜センサ
【手続補正書】
【提出日】2022-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチを有する回路基板と、前記スイッチを押す側には、接触による前記押圧を受ける押圧受体とを有し、前記押圧受体は、前記押圧により凹むカバーと、前記カバーの内側にあって、前記接触の衝撃を緩和する緩和材と、更に、前記緩和材の内側にあって押圧を仲介し前記スイッチに伝達する為に、前記スイッチに近接した堅い平底面をもった介在体と、を有し、前記介在体の前記堅い平底面とは反対側は、凸状面を有し、前記押圧受体は、前記回路基板側との組み立て結合により、前記結合による部位周辺は傾く程度以上には動かない状態であり、
前記カバーと前記緩和材を介した、前記スイッチを押す方向と同じ方向(前記堅い平底面に直角)から、前記スイッチを押す方向と直角な方向(前記堅い平底面に平行)にわたる傾きの前記凸状面に対する押圧に対して、前記介在体従って前記堅い平底面が前記スイッチ側へ動くこと又は前記介在体従って前記堅い平底面が傾いてせり出すこと、によって、前記スイッチを動作させることを可能としたことを特徴とする接触センサ。
【請求項2】
前記介在体は、前記介在体の頂点を通り縦に切った断面が、半円形、又は、頂点を長軸側の頂点とする半楕円形、の半球状であること、又は、円柱の長さが前記円柱の断面の直径以上である円柱状であることで、前記押圧の前記堅い平底面への伝達を容易にしたことを特徴とする請求項1記載の接触センサ。
【請求項3】
前記介在体が2つの部分を有して構成され、一方の部分は、堅い前記平底面を持った平底面基体であり、他方の部分は、前記凸状面を持った凸状面基体であり、前記凸状面基体の前記凸状面とは反対側の部分と、前記平底面基体の前記平底面とは反対側の部分とが、一方が他方に対して嵌る雄雌の関係で嵌り合い、且つ、前記凸状面基体の前記凸状面とは反対側の部分と、前記平底面基体の前記平底面とは反対側の部分とは、前記嵌り合う方向の軸に対して傾斜させる動作が可能であることで、前記凸状面基体の横方向の移動により、前記平底面基体において前記傾斜がなされ、前記スイッチを押す構成にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接触センサ。
【請求項4】
前記カバーの外側の延長側に長く伸びた柔軟性素材による接触延長部を備えることで、長さ方向に接触部を広げることで、前記接触の検出範囲を拡大したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項5】
前記スイッチは、前記押圧に対して衝突破壊のないように、前記押圧により前記スイッチの電極が離間する構造か、又は、スイッチの二つの電極が電極面に平行に互いに対しスライドし接触離間するものであり、接触面が押圧による動きの向きと平行である構造を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項6】
前記スイッチは、前記押圧により前記スイッチを動作させる方向に直角な方向、即ち、前記スイッチが使用される対面にある前記堅い平底面の周りのいずれの方向からも動作可能な等方向性スイッチ(第一)であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項7】
前記等方向性スイッチ(第一)は、縦横又は斜め又は円周状に複数個配置し、前記複数個の前記スイッチのどれがスイッチオンになっても動作する回路にすることで、いずれの方向からの押圧にも対処したことを特徴とする請求項6に記載の接触センサ。
【請求項8】
前記等方向性スイッチ(第一)は、前記等方向性スイッチ(第一)の2つの接触端子が同径且つ同心円の円盤状で近接して平行に離間していて、どの方向からであっても前記押圧によって一方の接触端子が傾いたことで、他方の接触端子に接触することを特徴とする請求項6に記載の接触センサ。
【請求項9】
棒状の棒状基体を前記回路基板側に取付けたことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の接触センサ。
【請求項10】
横方向のいずれの方向からの前記押圧にも対応するように、前記押圧により互いにスライドする2枚の近接した平行電極を用いて、横方向のいずれの方向からの応力にも応答する等方向性スイッチ(第二)を、前記接触センサと前記接触センサの前記回路基板側に取付けた棒状の棒状基体との接続点又は接続点より前記棒状基体側のいずれかの場所に備えたことを特徴とする請求項9に記載の接触センサ。
【請求項11】
前記棒状基体は、前記棒状基体の軸の周りに回転する回転結合部と前記棒状基体が2分した接続部で回転傾斜する傾斜結合部を有することで、横からの前記押圧があった場合に、前記棒状基体が傾斜を可能とする方向に前記回転結合部で回転し、前記棒状基体が傾斜をさせ、前記傾斜を検出する傾斜センサを動作させることで、横方向の検出性を向上させたことを特徴とする請求項9又は請求項10記載の接触センサ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着した物体と周囲の物体との接触を検出して報知する接触センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の接触センサを示す図である。6-Aは、感圧センサで、カバー部材7に加わる荷重を緩衝、分散し、可撓性シート部材5を介して感圧導電性部材3に、緩衝材6により均一、分散して加わるようにしている。感圧導電性部材3に上から直角に当たる押圧に対応したものである。
6-Bは、スイッチと受圧部材間にゲル状充填材を有しているが、こちらは、緩衝材としてより、スイッチと受圧部材間に泥水や異物が侵入することの防止が目的のカバーとしての役割である。
両者とも横方向からの押圧には全く対応できない不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-17276
【特許文献2】実開平7-24671
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の課題は、従来品の不都合点に鑑み、周囲の物体との接触の衝撃を緩和し、更に、スイッチを押す方向とそれに直角な横方向からの押圧にも対応し、接触を検出して情報提供する接触センサを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下請求項に沿い記述する。
請求項1記載の発明は、接触センサであって、
接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチを有する回路基板と、前記スイッチを押す側には、接触による前記押圧を受ける押圧受体とを有し、前記押圧受体は、前記押圧により凹むカバーと、前記カバーの内側にあって、前記接触の衝撃を緩和する緩和材と、更に、前記緩和材の内側にあって押圧を仲介し前記スイッチに伝達する為に、前記スイッチに近接した堅い平底面をもった介在体と、を有し、前記介在体の前記堅い平底面とは反対側は、凸状面を有し、前記押圧受体は、前記回路基板側との組み立て結合により、前記結合による部位周辺は傾く程度以上には動かない状態であり、
前記カバーと前記緩和材を介した、前記スイッチを押す方向と同じ方向(前記堅い平底面に直角)から、前記スイッチを押す方向と直角な方向(前記堅い平底面に平行)にわたる傾きの前記凸状面に対する押圧に対して、前記介在体従って前記堅い平底面が前記スイッチ側へ動くこと又は前記介在体従って前記堅い平底面が傾いてせり出すこと、によって、前記スイッチを動作させることを可能としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の接触センサにおいて、
前記介在体は、前記介在体の頂点を通り縦に切った断面が、半円形、又は、頂点を長軸側の頂点とする半楕円形、の半球状であること、又は、円柱の長さが前記円柱の断面の直径以上である円柱状であることで、前記押圧の前記堅い平底面への伝達を容易にしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の接触センサにおいて、
前記介在体が2つの部分を有して構成され、一方の部分は、堅い前記平底面を持った平底面基体であり、他方の部分は、前記凸状面を持った凸状面基体であり、前記凸状面基体の前記凸状面とは反対側の部分と、前記平底面基体の前記平底面とは反対側の部分とが、一方が他方に対して嵌る雄雌の関係で嵌り合い、且つ、前記凸状面基体の前記凸状面とは反対側の部分と、前記平底面基体の前記平底面とは反対側の部分とは、前記嵌り合う方向の軸に対して傾斜させる動作が可能であることで、前記凸状面基体の横方向の移動により、前記平底面基体において前記傾斜がなされ、前記スイッチを押す構成にしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、前記カバーの外側の延長側に長く伸びた柔軟性素材による接触延長部を備えることで、長さ方向に接触部を広げることで、前記接触の検出範囲を拡大したことを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、前記スイッチは、前記押圧に対して衝突破壊のないように、前記押圧により前記スイッチの電極が離間する構造か、又は、スイッチの二つの電極が電極面に平行に互いに対しスライドし接触離間するものであり、接触面が押圧による動きの向きと平行である構造を有することを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、前記スイッチは、前記押圧により前記スイッチを動作させる方向に直角な方向、即ち、前記スイッチが使用される対面にある前記堅い平底面の周りのいずれの方向からも動作可能な等方向性スイッチ(第一)であることを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の接触センサにおいて、
前記等方向性スイッチ(第一)は、縦横又は斜め又は円周状に複数個配置し、前記複数個の前記スイッチのどれがスイッチオンになっても動作する回路にすることで、いずれの方向からの押圧にも対処したことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項6に記載の接触センサにおいて、
前記等方向性スイッチ(第一)は、前記等方向性スイッチ(第一)の2つの接触端子が同径且つ同心円の円盤状で近接して平行に離間していて、どの方向からであっても前記押圧によって一方の接触端子が傾いたことで、他方の接触端子に接触することを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の接触センサにおいて、棒状の棒状基体を前記回路基板側に取付けたことを特徴とする。
【0014】
請求項10記載の発明は、請求項9に記載の接触センサにおいて、
横方向のいずれの方向からの前記押圧にも対応するように、前記押圧により互いにスライドする2枚の近接した平行電極を用いて、横方向のいずれの方向からの応力にも応答する等方向性スイッチ(第二)を、前記接触センサと前記接触センサの前記回路基板側に取付けた棒状の棒状基体との接続点又は接続点より前記棒状基体側のいずれかの場所に備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項11記載の発明は、請求項9又は請求項10記載の接触センサにおいて、
前記棒状基体は、前記棒状基体の軸の周りに回転する回転結合部と前記棒状基体が2分した接続部で回転傾斜する傾斜結合部を有することで、横からの前記押圧があった場合に、前記棒状基体が傾斜を可能とする方向に前記回転結合部で回転し、前記棒状基体が傾斜をさせ、前記傾斜を検出する傾斜センサを動作させることで、横方向の検出性を向上させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上の様に構成されているので、本発明による接触センサでは、スイッチを押す方向と、その横方向からの押圧に対応し、更に、スイッチへの破壊的過度の衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明にかかる接触センサの一実施態様を示す図である。
【
図2】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するためのものである。
【
図3】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、長さ(縦)方向の検出性を向上するためのものである。
【
図4】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
【
図5】本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明にかかる接触センサの一実施態様を示す図である。1-Aにおいて、接触センサ100は、接触による押圧を受けてon/off動作するスイッチ110を有する回路基板120と、スイッチ110を押す側には、接触による押圧を受ける押圧受体130を有し、押圧受体130は、押圧により凹むカバー131と、その内側にあって、接触の衝撃を緩和するゲル等の緩和材132と、更に、その内側にあって押圧を仲介しスイッチ110に伝達する為に、スイッチ110に近接した堅い平底面をもった介在体133を有し、介在体133の平面とは反対側は、凸状面を有し、その形状に倣い、緩和材132とカバー131の形状が形成されることで、スイッチ110を押す等、動作させる方向だけでなく、これとは角度のある斜めの方向、或いは直角な角度の横方向からの押圧にも検出性を向上させたものである。
尚、介在体133の凸状面側は、堅さにこだわらないが、堅い平底面を傾斜させるために押圧の伝達を有効にするための堅さは必要である。従って、堅い平底面を含めて介在体133は堅い方が好都合である。
【0019】
1-Bには、接触センサ100を棒状基体140の先端に取付けた状態であり、棒状基体140には、発光表示灯その他の電気回路を搭載したり、衝撃緩衝用のバネ等や、横曲がりをさせる部材を取付けることも可能である。
【0020】
1-Cには、スイッチ基体111に対してスイッチノブ112を押圧することで動作するスイッチを示すが、通常のプッシュスイッチが使える他、強い押圧に対して衝突破壊のないように押圧によりスイッチの電極が離間する構造か、又は、スイッチの電極が相互にスライドし、電極の側面で接触する構造のものを使用することが望ましい。前者では、押圧がない時は接触しているが、押圧があると離れるだけで押圧による衝撃は起こらない。後者では、二つの接触導体の接触面が押圧による動きの向きと平行なので、押圧による衝撃は起こらない。尚、スイッチ110は、どの方向からの押圧にも対応する等方向性スイッチ(第一)であることが好ましい。そのためには、例えば、スイッチの2つの接触端子が同径且つ同心円の円盤状で近接して平行に離間していて、押圧によって一方の接触端子が傾いた場合には、どの方向からでも、他方の接触端子に接触するようなスイッチを使うことが出来る。又は、通常の等方向性でないスイッチを縦横、又は斜め、又は円周状に複数個配置し、そのどれがスイッチオンになっても動作する回路にすることで、等方向性スイッチ(第一)と同じ作用をさせることができる。即ち、斜め方向又は横方向の押圧で介在体133が斜めになり、介在体133の堅い平底面が斜めになりスイッチ110側にせり出すことで、複数個の内、いずれか1つはスイッチONに押し込まれるからである。
【0021】
尚、1-Dー1から1-D-4を用いて、縦から斜め更には横方向の応力に対応して、スイッチ110を押し込む等動作させることが可能なことを詳述する。請求項では、縦方向を、スイッチ110を押す等動作させる方向と同じ方向(堅い平底面に直角)、横方向を、スイッチ110を押す等動作させる方向と直角な方向(堅い平底面に平行)と表現している。
1-D-1では、押圧(図の上から下の矢印)が、スイッチを押す等動作させる方向に平行(上記の介在体133の堅い平底面に直角)の場合であり、当然、押圧で介在体133の堅い平底面が動きスイッチ110を動作させる。
1-D-2では、押圧(図の斜め矢印)が、斜め方向であって、押圧の示す線の延長に介在体133の堅い平底面の中心がなくずれがある場合であり、押圧受体130は、回路基板120側との組み立て結合により、結合部周辺は傾く程度以上には動かない状態であるので、堅い平底面の中心を回転軸として押圧の示す線との距離の長さを回転片(例えば、自転車のペダルの付いた回転中心から伸びたアームに相当)にした回転トルクが押圧によりかかり、回転動作により、押圧受体130が、従って、堅い平底面が傾き、下にせり出した方が、スイッチ110を動作させる。
1-Dー3では、押圧(図の斜め矢印)が、斜め方向であって、押圧の示す線の延長に介在体133の堅い平底面の中心がある場合であり、1-D-2の様な回転トルクはないが、堅い平底面に直角方向の押圧の分力で介在体133の堅い平底面が動き、スイッチ110を動作させる。
1-D-4では、押圧(図の横の矢印)が、横(介在体133の堅い平底面に平行)方向であって、1-D-2と同様に、堅い平底面の中心を回転片として堅い平底面と押圧の示す線との距離の長さを回転片にした回転トルクが押圧によりかかり、回転動作により、押圧受体130が、従って、堅い平底面が傾き、下にせり出した方が、スイッチ110を動作させる。
【0022】
1-Dー1から1-D-4のいずれの場合、従って、縦、斜め、横いずれの方向からの応力にも対応してスイッチ110が動作可能である。介在体133の堅い平底面がスイッチ110方向に動く又は介在体133の堅い平底面が傾くことによる下へのせり出しによって、スイッチ110の動作がなされる。
尚、押圧受体130は、回路基板120側との組み立て結合により、結合部周辺は傾く程度以上には、動かない状態であることは、どの場合でも同じである。
尚、更に、介在体133は、頂点を通り縦に切った断面が、半円形、又は、頂点を長軸側の頂点とする半楕円形、の半球状であることが押圧の応力の伝達に好ましい。しかしながら、半円形や半楕円形にこだわらず、円柱状にすることでも応力の伝達に支障がなく出来る。円柱状の場合には、円柱の長さは、円柱の断面の直径以上であることが好ましい。半円形、半楕円形、円柱状などその組み合わせも可能である。
【0023】
図2は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するためのものである。
図1との違いを挙げると、介在体133が2つの部分でできていて、一方は、堅い平底面を持った平底面基体133A、他方は、凸状面を持った凸状面基体133Bであり、凸状面基体133Bの凸状面とは反対側の部分と、平底面基体133Aの平底面とは反対側の部分とが回転嵌め合い構造をしており、凸状面基体133Bの横方向の移動により、平底面基体133Aが回転して傾き、スイッチ110を押す構成にしたもので、幅(横)方向の検出性を向上することが出来る。2-Bには、2-Aの斜視図を示し、回転嵌め合い構造が、球形の凹凸状形状の場合であり、2-Cには、回転嵌め合い構造が、円錐の凹凸状形状の場合である。
【0024】
図3は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、長さ(縦)方向の検出性を向上するものである。カバー131の外側(凸状部)の延長側に長く伸びたゴム等の柔軟性素材による接触延長部310を備えたものである。これがあると、長さ方向に接触部が拡大するので、接触の検出範囲が拡大し、衝撃も緩和される。勿論、カバー131と接触延長部310とは、同一体構成でもよい。
【0025】
図4は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
図4のものでは、
図1から
図3の構成を更に補助するものとして、横からのいずれの方向からの押圧にも対応する動作のために等方向性スイッチ410を付加することができる。
この補助の等方向性スイッチ410では、押圧により互いにスライドする2枚の近接した平行電極を用いて、横方向のいずれの方向からの応力にも応答する。等方向性スイッチ410は、例えば、電極間の静電容量の変化により押圧を判別出来る。等方向性スイッチ410は、4-A、4-B、4-Cに△で位置を示すように、接触センサ100と棒状基体140との接続点又は接続点より棒状基体140側のいずれの場所に備えてもよい。
【0026】
図5は、本発明にかかる接触センサの他の実施態様を示す図であり、幅(横)方向の検出性を向上するための他の例である。
棒状基体140は、その軸の周りに回転する回転結合部510と棒状基体140が前記棒状基体が2分した接続部で回転傾斜する傾斜結合部520とを有することで、横からの押圧が来ると、押圧による力を逃がす向きに、即ち、棒状基体140が傾斜を可能とする方向に先ず回転結合部510で回転し、該接続部を介して棒状基体140が傾斜をし、傾斜を検出する傾斜センサ530(図示せず)を動作させることで、幅(横)方向の検出性を向上させ、接触センサ100の動作を補助するものである。回転結合部510と傾斜結合部520により、横方向のどの方向からの押圧にも対応して、等方向性の動作となる。
【0027】
尚、接触センサに押圧が除かれた場合は、スイッチ110を押していない状態に押圧受体130、緩和材132,カバー131の位置が復帰することは当然であり、緩和材132,カバー131の復元弾性により復帰してもよいし、図示はないが、押圧受体130と回路基板120間に復元のためのバネ等を付設してもよいことは当然である。
【0028】
尚、等方向性スイッチについては、等方向性スイッチ(第一)と等方向性スイッチ(第二)を区別した表現とした。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように本発明にかかる接触センサでは、スイッチを押す方向と、その横方向、或いは斜め方向からの押圧に対応し、更に、スイッチへの破壊的過度衝撃を緩和するので、産業上利用して極めて好都合である。
【0030】
100 接触センサ
110 スイッチ
111 スイッチ基体
112 スイッチノブ
120 回路基板
130 押圧受体
131 カバー
132 緩和材
133 介在体
133A 平底面基体
133B 凸状面基体
140 棒状基体
310 接触延長部
410 等方向性スイッチ(第二)
510 回転結合部
520 傾斜結合部
530 傾斜センサ