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特開2023-72112部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法
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  • 特開-部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法 図1
  • 特開-部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法 図2
  • 特開-部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法 図3
  • 特開-部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法 図4
  • 特開-部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法 図5
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  • 特開-部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072112
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20230517BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184443
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】谷口 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】永冶 利彦
(72)【発明者】
【氏名】古市 聖
(72)【発明者】
【氏名】赤坂 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】木原 正宏
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC04
5E353CC13
5E353CC16
5E353CC21
5E353CC23
5E353EE02
5E353EE03
5E353EE62
5E353JJ02
5E353KK01
5E353KK11
5E353KK21
5E353LL01
5E353LL04
5E353QQ05
(57)【要約】
【課題】基板に実装された部品の検査結果を適切にフィードバックすることができる部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法を提供する。
【解決手段】部品実装方法は、基板に実装された部品を撮像して基板に実装された部品の状態を検査し(ST2)、得られた検査結果に基づいて、部品を基板に実装する際の補正値を算出し(ST5)、補正値を用いて基板に部品を装着する(ST1)。そして、第1基板の検査後に検査条件を調整し(ST9)、調整された検査条件により第1基板を検査して調整後検査結果を取得し(ST10)、調整後検査結果に基づいて、部品を基板に実装する際の補正値を算出する(ST5)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査装置と、
前記検査装置によって得られた検査結果に基づいて、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出する補正値算出部と、
前記補正値を用いて基板に部品を装着する部品実装部と、を備え、
前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査装置によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む、部品実装システム。
【請求項2】
前記検査結果には、前記検査条件を調整する前の前記第1基板の検査結果は含まれない、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記検査条件を調整した後、前記第1基板を前記検査装置から取り出す前に、前記第1基板の前記調整後検査結果が取得される、請求項1または2に記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記検査結果が正常か否かを判断する判断部と、
前記検査結果が正常でない場合、前記検査装置が取得した前記部品の画像を表示する表示部と、をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の部品実装システム。
【請求項5】
作業者による前記画像の確認結果の入力を受け付ける入力部と、
前記確認結果が正常な場合、前記検査条件の調整を指示する指示部と、をさらに備える、請求項4に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記確認結果が正常でない場合、前記指示部は、前記第1基板の修理を指示する、請求項5に記載の部品実装システム。
【請求項7】
基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査装置によって得られた検査結果に基づいて、部品実装装置が前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出する補正値算出部を備え、
前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査装置によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む、管理装置。
【請求項8】
基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査装置によって得られた検査結果に基づいて算出された、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を用いて前記基板に前記部品を装着する部品実装部を備え、
前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査装置によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む、部品実装装置。
【請求項9】
基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査部と、
前記検査部によって得られた検査結果を出力する出力部と、を備え、
前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査部によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む、検査装置。
【請求項10】
基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査し、
得られた検査結果に基づいて、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出し、
前記補正値を用いて前記基板に前記部品を装着する、ことを含み、
第1基板の検査後に検査条件を調整し、
調整された前記検査条件により前記第1基板を検査して調整後検査結果を取得し、
前記調整後検査結果に基づいて、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出する、部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を実装する部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に部品を実装して実装基板を生産する部品実装システムでは、基板に実装された部品の位置ずれ情報を検査装置で取得し、取得された位置ずれ情報を部品実装装置が後続の基板に部品を実装する際の実装位置の補正に用いることが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の実装ライン管理システムでは、検査装置で部品の実装不良が検出され、実装不良がリペアされた基板が実装ラインに再投入された場合、再投入された基板の位置ずれ情報は実装位置の補正には使用しない方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-134051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、検査装置で実装不良と判定される事例の中には、部品は基板に正常に搭載されているものの、検査装置のカメラの撮像条件や不良判定条件が適切でないことに起因する誤判定も含まれており、検査装置で取得される検査結果を適切に部品実装装置にフィードバックするためには、さらなる改善の余地があった。
【0005】
そこで本発明は、基板に実装された部品の検査結果を適切にフィードバックすることができる部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の部品実装システムは、基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査装置と、前記検査装置によって得られた検査結果に基づいて、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出する補正値算出部と、前記補正値を用いて基板に部品を装着する部品実装部と、を備え、前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査装置によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む。
【0007】
本発明の管理装置は、基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査装置によって得られた検査結果に基づいて、部品実装装置が前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出する補正値算出部を備え、前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査装置によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む。
【0008】
本発明の部品実装装置は、基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査装置によって得られた検査結果に基づいて算出された、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を用いて前記基板に前記部品を装着する部品実装部を備え、前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査装置によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む。
【0009】
本発明の検査装置は、基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査する検査部と、前記検査部によって得られた検査結果を出力する出力部と、を備え、前記検査結果には、第1基板の検査後に検査条件が調整された前記検査部によって前記第1基板を検査した調整後検査結果を含む。
【0010】
本発明の部品実装方法は、基板に実装された部品を撮像して前記基板に実装された前記部品の状態を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出し、前記補正値を用いて前記基板に前記部品を装着する、ことを含み、第1基板の検査後に検査条件を調整し、調整された前記検査条件により前記第1基板を検査して調整後検査結果を取得し、前記調整後検査結果に基づいて、前記部品を前記基板に実装する際の補正値を算出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板に実装された部品の検査結果を適切にフィードバックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態の部品実装システムの構成説明図
図2】本発明の一実施の形態の部品実装装置の要部の構成を示す平面図
図3】本発明の一実施の形態の部品実装システムの制御系の構成を示すブロック図
図4】本発明の一実施の形態の検査装置において取得される部品の実装位置ずれ量の説明図
図5】本発明の一実施の形態の検査装置の検査表示部に表示された合否判断画面の例の説明図
図6】本発明の一実施の形態の検査装置の検査表示部に表示された検査条件調整画面の例の説明図
図7】本発明の一実施の形態の部品実装方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、部品実装システム、管理コンピュータ、部品実装装置、検査装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図1、及び後述する一部では、水平面内で互いに直交する2軸として、基板搬送方向のX軸(図1における左右方向)、基板搬送方向に直交するY軸(図1における上下方向)が示される。図4、及び後述する一部では、Z軸を回転軸とする回転の方向であるθ方向が示される。
【0014】
まず図1を参照して、部品実装システム1の構成を説明する。部品実装システム1は、基板に部品を装着して実装基板を製造する機能を有する。部品実装システム1は、基板搬送方向の上流(紙面左側)から下流(紙面右側)に向けて、第1コンベアM1、2台の部品実装装置M2~M3、検査装置M4、第2コンベアM5が直列に連結されている。各装置は通信ネットワーク2を介して管理コンピュータ3に接続されている。また、各装置は通信ネットワーク2を介して相互にデータを送受信する。なお、部品実装システム1が備える部品実装装置M2~M3は2台に限定されることはなく、1台または3台以上でも良い。
【0015】
第1コンベアM1、2台の部品実装装置M2~M3、検査装置M4、第2コンベアM5は、それぞれ基板搬送部4,5,6,8を備えており、上流の装置から下流の装置に順に基板Bを搬送する。第1コンベアM1は、上流に連結される基板Bに形成された電極Eにはんだペーストを印刷する印刷装置(図示省略)などの生産設備から基板Bを受け取り(矢印a)、部品実装装置M2に搬出する。また、第1コンベアM1は、基板Bに付されたバーコードや2次元コードなどの基板ラベルLを読み取って基板Bを特定する基板番号(基板ID)を読み取る内蔵リーダ(図示省略)を備えている。第1コンベアM1は、基板Bの基板ラベルLから基板番号を読み取って、下流の部品実装装置M2と管理コンピュータ3に送信する。
【0016】
図1において、部品実装装置M2は、第1コンベアM1から搬送された基板Bの実装位置に実装ヘッドが部品供給部から部品Dを取り出して装着する部品実装作業を行い、下流の部品実装装置M3に基板Bを搬出する。同様に、部品実装装置M3は、上流の部品実装装置M2から搬送された基板Bの実装位置に部品Dを装着する部品実装作業を行う。部品実装装置M2~M3は、基板Bを下流の装置に搬出する際に、基板Bの基板番号を下流の装置と管理コンピュータ3に送信する。
【0017】
検査装置M4は、部品実装装置M2~M3によって部品Dが実装された基板Bを照明部7a(図3参照)で照明しながら検査カメラ7で撮像して、部品Dの正規位置からの実装位置ずれ量などを取得し、実装基板の良否を判断する。検査装置M4は、検査後の基板Bを下流の第2コンベアM5に搬出する際に、基板Bの基板番号を第2コンベアM5と管理コンピュータ3に送信する。第2コンベアM5は、検査装置M4から搬送された部品実装後の基板Bを受け取り、下流に連結される基板Bを加熱して半田ペーストを融解させるリフロー装置(図示省略)などに搬出する(矢印b)。管理コンピュータ3は、第1コンベアM1、部品実装装置M2~M3、検査装置M4、第2コンベアM5を含む部品実装システム1を統括して制御する機能を有している。
【0018】
図1において、第1コンベアM1と第2コンベアM5は、上流から受け取った基板Bを一時保管(仮置き)して下流に搬出する機能に加えて、作業者が基板搬送部4,8から基板Bを出し入れ可能な機能を有している。検査装置M4によって、部品が実装されない欠落、実装位置がずれる位置ずれ、部品の立ち・浮きなどの部品Dの実装状態の不良が検出された基板B1は、作業者によって第2コンベアM5から取り出される(矢印c)。作業者は、実装状態が不良の部品Dを取り除いたり、部品Dの実装状態を修正したりするリペア作業を実施した後(矢印d)、第1コンベアM1からリペア後の基板B1を再投入する(矢印e)。再投入された基板B1の未装着の実装位置には、部品実装装置M2~M3によって部品Dが装着される。
【0019】
次に図2を参照して、部品実装装置M2~M3の構成を説明する。基台10の中央には、基板搬送部4がX軸に沿って設置されている。基板搬送部4は、上流の装置から搬出された基板Bを搬送し、以下に説明する実装ヘッドによる実装作業位置に位置決めして保持する。また、基板搬送部4は、部品実装作業(部品の実装作業)が完了した基板Bを下流の装置に搬出する。
【0020】
基板搬送部4の両側(Y軸の前後方向)には、部品供給部11がそれぞれ設置されている。部品供給部11には、複数のテープフィーダ12がX軸に沿って並列に配置されている。テープフィーダ12は、部品Dを格納するポケットが形成された部品テープを部品供給部11の外側から基板搬送部4に向かう方向(テープ送り方向)にピッチ送りすることにより、実装ヘッドが部品をピックアップする部品供給位置に部品Dを供給する。
【0021】
図2において、基台10の上面におけるX軸における両端部には、リニア駆動機構を備えたY軸テーブル13が配置されている。2基のY軸テーブル13の間には、同様にリニア機構を備えたビーム14がY軸に沿って移動自在に結合されている。ビーム14には、プレート14aを介して実装ヘッド15がX軸に沿って移動自在に装着されている。実装ヘッド15は、複数のノズル昇降部を備えている。ノズル昇降部のそれぞれの下端部には、部品Dを吸着して保持するノズルが装着されている。各ノズル昇降部は、ノズルをZ軸に沿って昇降させ、Z軸を回転軸としてθ方向に回転させる。
【0022】
Y軸テーブル13およびビーム14は、実装ヘッド15を水平方向(X軸方向、Y軸方向)に移動させるヘッド移動機構を構成する。ヘッド移動機構および実装ヘッド15は、部品供給部11に装着されているテープフィーダ12の部品供給位置から部品Dをピックアップし、基板搬送部4に保持された基板Bの実装位置に装着する部品実装作業を実行する部品実装部16を構成する。部品実装作業において実装ヘッド15は、部品供給部11の上方に移動し、各ノズルで所定の部品Dをそれぞれピックアップし、基板Bの上方に移動し、各ノズルが保持する部品Dをそれぞれの実装位置に実装する一連の実装ターンを繰り返す。
【0023】
図2において、実装ヘッド15が取り付けられたプレート14aには、ヘッドカメラ17が装着されている。実装ヘッド15が移動することにより、ヘッドカメラ17は基板搬送部4の実装作業位置に位置決めされた基板Bの上方に移動して、基板Bに設けられた基板マーク(図示せず)、基板Bの実装位置を撮像する。また、ヘッドカメラ17は基板Bに設けられた基板ラベルLを撮像する。基板ラベルLの撮像結果からは、基板Bを特定する基板番号(基板ID)が読み取られる。
【0024】
部品供給部11と基板搬送部4との間には、部品認識カメラ18が設置されている。部品認識カメラ18は、部品供給部11から部品Dを取り出した実装ヘッド15が部品認識カメラ18の上方に位置した際に、ノズルに保持された部品Dを下方から撮像する。実装ヘッド15による部品Dの基板Bへの部品実装作業では、ヘッドカメラ17による基板Bの認識結果と部品認識カメラ18による部品の認識結果とを加味して実装位置の補正が行われる。
【0025】
図2において、部品実装装置M2~M3の前面で作業者が作業する位置には、作業者が操作するタッチパネル19が設置されている。タッチパネル19は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力や部品実装装置M2~M3の操作を行う。
【0026】
次に図3を参照して、部品実装システム1の制御系の構成を説明する。ここでは、部品実装システム1が有する機能のうち、基板Bに実装された部品Dの検査結果を部品実装装置M2~M3にフィードバックする機能を中心に説明する。管理コンピュータ3、第1コンベアM1、部品実装装置M2~M3、検査装置M4および第2コンベアM5は、通信ネットワーク2を介して相互に接続されている。部品実装装置M2~M3は、実装制御装置20、基板搬送部5、テープフィーダ12、部品実装部16、ヘッドカメラ17、部品認識カメラ18、タッチパネル19を備えている。実装制御装置20は、実装記憶部21、取得部22、補正値算出部23、実装制御部24、実装通信部25を備えている。
【0027】
実装通信部25は、通信ネットワーク2を介して検査装置M4、管理コンピュータ3、第1コンベアM1、第2コンベアM5との間でデータの送受信を行う。実装記憶部21は記憶装置であり、実装データ21a、検査結果21b、補正値情報21cなどが記憶されている。実装データ21aには、実装基板の生産機種名(基板名)、基板Bに実装される部品Dの種類(部品名)、実装位置(XY座標)、実装方向(θ方向)、部品Dを供給するテープフィーダ12の装着位置、ノズルの装着位置などの情報が含まれている。
【0028】
図3において、取得部22は、検査装置M4が基板Bに実装された部品Dを撮像して算出した基板Bに実装された部品Dの実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを取得し、検査結果21bとして実装記憶部21に記憶させる。補正値算出部23は、検査結果21bに含まれる部品Dの実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθに基づいて、部品実装装置M2~M3が部品Dを基板Bに実装する際に使用する補正値を算出する。補正値算出部23は、算出した補正値を補正値情報21cとして実装記憶部21に記憶させる。
【0029】
図3において、実装制御部24(制御部)は、実装データ21aに含まれる実装位置や実装方向、補正値情報21cに含まれる補正値などに基づいて、基板搬送部5、テープフィーダ12、部品実装部16、ヘッドカメラ17、部品認識カメラ18を制御して、部品Dを基板Bに実装させる。すなわち、部品実装部16は、ヘッドカメラ17が撮像した基板Bの位置、吸着位置ずれ情報の他、補正値情報21cに含まれる補正値に基づいて、実装ヘッド15の位置を補正して部品Dを基板Bに実装する。
【0030】
このように、部品実装部16は、基板Bに実装された部品Dを撮像して基板Bに実装された部品Dの状態を検査する検査装置M4によって得られた検査結果21bに基づいて算出された、部品D基板Bに実装する際の補正値を用いて基板Bに部品Dを装着する。
【0031】
図3において、検査装置M4は、検査制御装置30、基板搬送部6、検査カメラ7、照明部7a、検査カメラ移動機構31、検査入力部32、検査表示部33を備えている。検査制御装置30は、検査記憶部34、検査制御部35、認識処理部36、判断部37、表示処理部38、指示部39、出力部40、検査通信部41を備えている。検査入力部32は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。検査表示部33は液晶パネルなどの表示装置であり、検査入力部32による操作のための操作画面などの各種画面などの各種情報を表示する。
【0032】
検査通信部41は、通信ネットワーク2を介して部品実装装置M2~M3、管理コンピュータ3、第2コンベアM5との間でデータの送受信を行う。検査記憶部34は記憶装置であり、検査データ34a、検査条件34b、暫定検査結果34cなどが記憶されている。検査データ34aは、実装基板の生産機種名(基板名)、基板Bに実装された部品の種類(部品名)、実装位置(XY座標)、実装方向(θ方向)、不良判定値などが含まれている。検査条件34bには、検査カメラ7が基板Bに実装された部品Dを撮像する際に照明部7aが照射する照射光の照明条件、認識処理部36が撮像画像を認識処理する際の画像フィルタ、部品Dの中心を検出するアルゴリズムなどの認識条件などが含まれている。
【0033】
図3において、検査制御部35は、基板搬送部6を制御して、上流の部品実装装置M3から搬出された実装済みの基板Bを検査作業位置に搬送させて位置決めして保持させ、検査作業が完了した基板Bを下流に搬出させる。また、検査制御部35は、検査データ34aと検査条件34bに含まれる照明条件に基づいて、検査カメラ移動機構31と照明部7aを制御して、検査カメラ7を検査作業位置に保持された基板Bの実装位置の上方に順に移動させ、照明部7aで照明しながら検査カメラ7で基板Bに実装された部品Dを撮像させる。
【0034】
認識処理部36は、検査データ34aと検査条件34bに含まれる認識条件に基づいて、検査カメラ7による撮像画像を認識処理して、基板Bに実装された部品Dの正規の実装位置Qからの実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθ(図4参照)を算出する。認識処理部36は、撮像画像と実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを、暫定検査結果34cとして検査記憶部34に記憶させる。
【0035】
ここで図4を参照して、認識処理部36による、基板Bに実装された部品Dの正規の実装位置Qからの実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθの算出方法の一例について説明する。検査制御部35は、検査カメラ7の撮像中心が部品Dの正規の実装位置Qと一致する位置で基板Bに実装された部品Dを撮像させる。認識処理部36は、撮像画像を認識処理することで、実装された部品Dの中心Cを検出する。そして、認識処理部36は、中心C(ΔX,ΔY)と実装位置Q(0,0)の差からX軸方向の位置ずれ量ΔXとY軸方向の位置ずれ量ΔYを算出する。さらに、認識処理部36は、部品Dのθ方向の傾きを位置ずれ量Δθとして算出する。
【0036】
図3において、判断部37は、暫定検査結果34cに含まれる実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθと検査データ34aに含まれる不良判定値に基づいて、部品Dが基板Bに正常に実装されたか否かを合否判定する。例えば、判断部37は、実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθが不良判定値を超えると、当該部品Dを実装不良(当該基板Bを不良基板)と判断する。また、判断部37は、部品Dが認識されない場合は、当該部品Dを実装不良(欠落)と判断する。すなわち、判断部37は、検査結果(暫定検査結果34c)が正常か否かを判断する。判断部37は、合否判定結果を暫定検査結果34cに記憶させる。
【0037】
このように、暫定検査結果34cには、撮像画像、実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθ、合否判定結果が、部品Dの実装位置に関連付けされて記憶されている。また、検査カメラ7、照明部7a、検査カメラ移動機構31、検査制御部35、認識処理部36、判断部37は、基板Bに実装された部品Dを撮像して基板Bに実装された部品Dの状態(実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθ、合否判定結果)を検査する検査部42を構成する。
【0038】
図3において、表示処理部38は、検査表示部33に合否判断画面、検査条件調整画面などを表示させて、作業者が検査条件34bを調整する検査条件調整作業を支援する。
【0039】
ここで図5を参照して、表示処理部38が検査表示部33に表示させた合否判断画面60の例について説明する。合否判断画面60は、検査部42による基板B(以下、「第1基板Ba」と称する。)の状態の検査により、実装されていることが確認できない部品D(以下、「未確認部品D1」と称する。)があると判断されると検査表示部33に表示される。合否判断画面60には、認識処理結果表示領域61、撮像画像表示領域62、不良ボタン63、検査条件調整ボタン64が設けられている。
【0040】
認識処理結果表示領域61には、暫定検査結果34cに含まれる未確認部品D1の認識処理結果(この例では「部品無し」)が表示される。撮像画像表示領域62には、暫定検査結果34cに含まれる未確認部品D1の撮像画像が表示される。また、撮像画像表示領域62には、X軸方向の中心線62xとY軸方向の中心線62yが撮像画像に重ねて表示されている。X軸方向の中心線62xとY軸方向の中心線62yの交点が、未確認部品D1の実装位置(実装座標)となる。作業者は、撮像画像表示領域62に表示された撮像画像を見て、実装位置に未確認部品D1が実装されているか否かを判断する。
【0041】
図5において、作業者は、実装位置に未確認部品D1が実装されていないか、実装位置から大きく外れて実装されている(落下している)場合など、基板リペアが必要と判断すると、検査入力部32を操作して不良ボタン63を押下する。不良ボタン63が押下されると、指示部39は、検査装置M4から第1基板Baを搬出させると伴に、第2コンベアM5に第1基板Baはリペア対象である旨を指示する。指示を受けた第2コンベアM5は、第1基板Baを下流に搬出せずに保持し、作業者による取り出しを待機する。
【0042】
このように、作業者による確認結果が正常でない場合、指示部39は、第1基板Baの修理を指示する。また、検査表示部33は、検査部42による検査結果が正常でない場合、検査装置M4の検査部42が取得した部品D(未確認部品D1)の実装位置の画像を表示する表示部である。
【0043】
図5において、作業者は、実装位置に未確認部品D1が実装されていることを撮像画像から確認できた場合や、検査条件34bが適切ではなくて現在の撮像画像では未確認部品D1の有無を判断ができない場合などは、検査条件34bの調整が必要と判断する。その場合、作業者は、検査入力部32を操作して検査条件調整ボタン64を押下する。検査条件調整ボタン64が押下されると、表示処理部38は、検査表示部33に検査条件調整画面を表示させる。
【0044】
ここで図6を参照して、合否判断画面60において検査条件調整ボタン64が押下され、表示処理部38が検査表示部33に表示させた検査条件調整画面70の例について説明する。検査条件調整画面70には、認識処理結果表示領域71、撮像画像表示領域72、照明条件変更領域73、認識条件変更領域74、自動調整ボタン75、再認識ボタン76、決定ボタン77、不良ボタン78が設けられている。
【0045】
照明条件変更領域73には、検査カメラ7が未確認部品D1を撮像する際に照明部7aが照明する照明条件を設定(調整)するボタンなどが表示される。この例では、照明条件を変更する照明1ボタン73aと照明2ボタン73bが配置されている。作業者が照明1ボタン73aおよび照明2ボタン73bの増加ボタン、減少ボタンを操作することで、照明条件が変更される。
【0046】
図6において、認識条件変更領域74には、検査カメラ7が撮像した撮像画像を認識処理部36が認識処理する際の認識条件を設定(調整)するボタンなどが表示される。この例では、フィルタ設定ボタン74aと詳細設定ボタン74bが配置されている。作業者がフィルタ設定ボタン74aを操作することで、撮像画像を認識処理する際の画像フィルタが変更される。詳細設定ボタン74bが押下されると、2値化(白黒)の基準値、色(RGB)などの認識条件を詳細に設定する認識条件詳細設定画面(図示省略)が表示される。
【0047】
再認識ボタン76が押下されると、照明条件変更領域73で設定されている照明条件により第1基板Baの未確認部品D1の実装位置が検査カメラ7で再撮像される。そして、認識条件変更領域74で設定されている認識条件により認識処理部36によって再撮像画像が再度認識処理される。認識処理結果表示領域71には、認識処理部36による再認識処理結果(この例では「正常実装」)が表示される。また、撮像画像表示領域72には、再撮像画像が表示される。なお、検査カメラ7による再撮像と認識処理部36による再認識処理は、再認識ボタン76の押下により実行される他、照明条件変更領域73と認識条件変更領域74のボタンが操作されて条件が変更される毎に実行するようにしてもよい。
【0048】
図6において、自動調整ボタン75が押下されると、所定の手順で自動的に照明条件と認識条件が変更され、検査カメラ7による再撮像と認識処理部36による再認識処理が実行され、認識処理結果表示領域71と撮像画像表示領域72の表示が更新される。決定ボタン77が押下されると、検査条件34bが照明条件変更領域73と認識条件変更領域74で設定された条件に変更され、検査結果が再認識処理後の検査結果(以下、「調整後検査結果」と称する。)に変更される。
【0049】
具体的には、出力部40は、暫定検査結果34cに含まれる未確認部品D1の検査結果を調整後検査結果に差し替えて、第1基板Baの検査結果21bとして部品実装装置M2~M3に出力する。また、出力部40は、暫定検査結果34cに含まれる未確認部品D1の合否判断結果を再認識処理の結果に差し替えて、第1基板Baの合否判定結果51bとして管理コンピュータ3に出力する。なお、検査部42は、未確認部品D1の再検査結果のみを暫定検査結果34cに差し替えるのではなく、調整された検査条件34bで第1基板Baの全体を再検査して、その調整後検査結果を検査結果21bとするようにしてもよい。
【0050】
このように、検査部42によって得られた検査結果21bを出力する出力部40は、第1基板Baの検査後に検査条件34bが調整された検査装置M4の検査部42によって第1基板Baを検査した調整後検査結果を含む検査結果21bを部品実装装置M2~M4に出力する。すなわち、検査結果21bには、少なくとも検査条件34bを調整する前の第1基板Baの未確認部品D1の検査結果は含まれない。そして、部品実装装置M2~M3の補正値算出部23は、第1基板Baの検査後に検査条件34bが調整された検査装置M4によって得られた第1基板Baに実装された未確認部品D1の調整後検査結果を含む検査結果21bに基づいて、部品Dを基板Bに実装する際の補正値を算出する。
【0051】
図6において、作業者は、検査条件34bが調整された撮像画像を見て、第1基板Baには未確認部品D1が実装されていないと判断すると、不良ボタン78を押下する。不良ボタン78が押下された後の処理は、合否判断画面60の不良ボタン63が押下された場合と同様であり、詳細な説明は省略する。このように、検査入力部32は、作業者による撮像画像の確認結果の入力を受け付ける入力部である。なお、合否判断画面60において検査条件調整ボタン64が押下されると、検査条件34bの調整、調整後検査結果の取得が自動的に実行されるようにしてもよい。すなわち、合否判断画面60を参照した作業者による確認結果が正常な(検査条件調整ボタン64が押下された)場合、指示部39は検査条件34bの調整を指示するようにしてもよい。
【0052】
図3において、管理コンピュータ3の管理処理装置50は、管理記憶部51、リペア処理部52、管理入力部53、管理表示部54、管理通信部55を備えている。管理入力部53は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。管理表示部54は液晶パネルなどの表示装置であり、管理入力部53による操作のための操作画面などの各種画面などの各種情報を表示する。管理通信部55は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して第1コンベアM1、部品実装装置M2~M3、検査装置M4、第2コンベアM5との間で信号、データの授受を行う。
【0053】
管理記憶部51は記憶装置であり、生産データ51a、合否判定結果51bなどを記憶する。生産データ51aには、実装基板の生産機種名(基板名)、基板Bに実装される部品Dの種類(部品名)、部品Dのサイズ、実装位置(XY座標)、実装方向(θ方向)、部品Dを実装する部品実装装置M2~M3(部品実装部16)、部品Dを供給するテープフィーダ12の装着位置、実装ヘッド15を特定する情報、ノズルの装着位置などの情報が含まれている。合否判定結果51bには、検査装置M4から送信(出力)された基板B毎の合否判定の結果が記憶されている。
【0054】
図3において、リペア処理部52は、合否判定結果51bに基づいて、部品実装システム1における不良基板のリペア処理を支援する。具体的には、リペア処理部52は、検査装置M4から第2コンベアM5に不良基板が搬送されると、作業者が携帯する情報端末(図示省略)などに不良の基板B1(図1参照)を第2コンベアM5から取り出して、リペア作業を実施する旨の指示を表示させる。
【0055】
また、リペア作業後の基板B1が第1コンベアM1から再投入されると、部品実装装置M2~M3に未装着の実装位置に部品Dを装着する旨を指示し、検査装置M4に装着された部品Dの状態を検査する旨を指示する。なお、検査装置M4により検査された再投入された基板B1に装着された部品Dの状態は、基板B1の合否判定に使用されるが、検査結果21bとして部品実装装置M2~M3にはフィードバックされない。
【0056】
次に、図7のフローに沿って、部品実装システム1において第1基板Baに部品Dを実装する部品実装方法について説明する。まず、部品実装システム1の部品実装装置M2~M3の部品実装部16は、補正値情報21cに含まれる補正値を使用して第1基板Baに部品Dを実装する(ST1:部品実装工程)。部品Dが実装された第1基板Baは検査装置M4に搬送される。検査装置M4の検査部42は、第1基板Baに実装された部品Dを撮像して第1基板Baに実装された部品Dの状態を検査する(ST2:検査工程)。検査結果は、暫定検査結果34cとして検査記憶部34に記憶される。
【0057】
次いで判断部37は、暫定検査結果34cに基づいて、検査結果が正常か否かを判定する(ST3:判定工程)。検査結果が正常と判定されると(ST3においてYes)、出力部40は、暫定検査結果34cに含まれる実装位置ずれ量ΔX,ΔY,Δθを検査結果21bとして部品実装装置M2~M3に出力(送信)する(ST4:検査結果出力工程)。次いで部品実装装置M2~M3の補正値算出部23は、検査装置M4によって得られた検査結果21bに基づいて、部品Dを基板Bに実装する際の補正値を算出する(ST5:補正値算出工程)。次いで部品実装装置M2~M3において未実装の基板Bがある場合(ST6において、No)、部品実装工程(ST1)に戻って、算出された補正値を用いて基板Bに部品Dが装着される。
【0058】
図7において、判定工程(ST3)において検査結果が異常と判定されると(ST3においてNo)、表示処理部38は検査表示部33に合否判断画面60を表示させ、撮像画像表示領域62に第1基板Baにおける未確認部品D1の実装位置の撮像画像を表示させる(ST7:撮像画像表示工程)(図5)。
【0059】
作業者が撮像画像を確認し、検査条件34bの調整が必要と判断して合否判断画面60の検査条件調整ボタン64を押下すると(ST8においてYes)、表示処理部38は検査表示部33に検査条件調整画面70を表示させる(図6)。作業者は、検査条件調整画面70を使用して、検査条件34bを調整し(ST9:検査条件調整工程)、調整後の検査条件34bで検査カメラ7に未確認部品D1の実装位置を再撮像させ、認識処理部36に未確認部品D1を再認識させる(ST10:再検査工程)。
【0060】
図7において、作業者が再検査結果は正常であると判断し、決定ボタン77を押下すると(ST11において、Yes)、出力部40は、調整後検査結果を部品実装装置M2~M3に出力(送信)する(ST12:調整後検査結果出力工程)。次いで補正値算出工程(ST5)が実行され、部品実装装置M2~M3の補正値算出部23は、検査装置M4によって得られた調整後検査結果(検査結果21b)に基づいて、補正値を算出する。その後、未実装の基板Bがある場合(ST6において、No)、部品実装工程(ST1)に戻って、算出された補正値を用いて基板Bに部品Dが装着される。
【0061】
このように、本実施の形態の部品実装方法では、第1基板Baの検査後(ST2の後)に検査装置M4の検査条件34bを調整し(ST9)、検査条件34bが調整された検査装置M4によって第1基板Baを検査して調整後検査結果を取得し(ST10)、調整後検査結果に基づいて、部品Dを基板Bに実装する際の補正値を算出する(ST5)。これによって、基板Bに実装された部品Dの検査結果21bを適切にフィードバックすることができる。
【0062】
図7において、合否判断画面60において確認結果が異常で不良ボタン63が押下された場合(ST8においてNo)、または、検査条件調整画面70において再検査結果が異常で不良ボタン78が押下された場合(ST11においてNo)、指示部39は第1基板Baの修理(リペア)を指示する(ST13:リペア指示工程)。その後、未実装の基板Bがある場合(ST6において、No)、部品実装工程(ST1)に戻って、補正値を用いて基板Bに部品Dが装着される。このように、本実施の形態の部品実装方法では、検査条件34bを調整した後(ST9の後)、第1基板Baを検査装置M4から取り出す前に、第1基板Baの調整後検査結果が取得される(ST10)。
【0063】
上記説明したように、本実施の形態の部品実装システム1は、基板Bに実装された部品Dを撮像して基板Bに実装された部品Dの状態を検査する検査装置M4と、検査装置M4によって得られた検査結果21bに基づいて、部品Dを基板Bに実装する際の補正値を算出する補正値算出部23と、補正値を用いて基板Bに部品Dを装着する部品実装部16と、を備えている。そして、検査結果21bには、第1基板Baの検査後に検査条件34bが調整された検査装置M4によって第1基板Baを検査した調整後検査結果が含まれる。これによって、基板Bに実装された部品Dの検査結果21bを適切にフィードバックすることができる。
【0064】
なお、上記の部品実装システム1は、検査装置M4の検査結果21bを部品実装装置M2~M3に送信し、部品実装装置M2~M3が補正値を算出する例で説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、管理コンピュータ3(管理装置)が補正値算出部23を備え、検査装置M4の検査結果21bを管理コンピュータ3に送信し、管理コンピュータ3が補正値を算出して部品実装装置M2~M3に送信する構成であってもよい。すなわち、管理コンピュータ3(管理装置)は、検査装置M4によって得られた検査結果21bに基づいて、部品実装装置M2~M3が部品Dを基板Bに実装する際の補正値を算出する補正値算出部23を備え、検査結果21bには調整後検査結果が含まれる。
【0065】
また、上記では、合否判断画面60と検査条件調整画面70は検査装置M4の検査表示部33(表示部)に表示され、作業者は検査入力部32(入力部)を操作して確認結果の入力、再検査結果の判断、検査条件34bの調整を行う例で説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、表示処理部38は、管理コンピュータ3(管理装置)の管理表示部54に合否判断画面60と検査条件調整画面70を表示させて、管理入力部53(入力部)からの操作を受け付ける構成であってもよい。この構成では、作業者は検査装置M4から離れて設置された管理コンピュータ3からリモートで検査条件34bの調整などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の部品実装システム、管理装置、部品実装装置、検査装置ならびに部品実装方法は、基板に実装された部品の検査結果を適切にフィードバックすることができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 部品実装システム
3 管理コンピュータ(管理装置)
16 部品実装部
42 検査部
B、B1 基板
Ba 第1基板(基板)
D 部品
D1 未確認部品(部品)
M2~M3 部品実装装置
M4 検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7