(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072221
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】撹拌機
(51)【国際特許分類】
B01F 27/70 20220101AFI20230517BHJP
B01F 27/73 20220101ALI20230517BHJP
【FI】
B01F7/04 A
B01F7/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184622
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】592250414
【氏名又は名称】株式会社テックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】中本 義範
【テーマコード(参考)】
4G078
【Fターム(参考)】
4G078AA13
4G078AB20
4G078BA01
4G078BA09
4G078DA01
4G078DA23
4G078DA28
4G078DC01
(57)【要約】
【課題】回転軸の根元近傍の有機被処理物をより良好に撹拌できる撹拌機を提供する。
【解決手段】水分を含む有機被処理物が投入される槽と、前記槽の対向する内壁面間に亘って延びる回転軸と、前記回転軸において、少なくとも一方の前記内壁面における前記回転軸の隣接域から離れた位置に設けられ、前記有機被処理物を撹拌する軸羽根と、前記回転軸において、前記軸羽根よりも前記一方の内壁面側に設けられて前記内壁面と隣接し、前記軸羽根と対向する側の面から、前記有機被処理物を撹拌するディスク羽根が突出するディスク部材と、を備えることを特徴とする撹拌機。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を含む有機被処理物が投入される槽と、
前記槽の対向する内壁面間に亘って延びる回転軸と、
前記回転軸において、少なくとも一方の前記内壁面における前記回転軸の隣接域から離れた位置に設けられ、前記有機系被処理物を撹拌する軸羽根と、
前記回転軸において、前記軸羽根よりも前記一方の内壁面側に設けられて前記内壁面と隣接し、前記軸羽根と対向する側の面から、前記有機被処理物を撹拌するディスク羽根が突出するディスク部材と、
を備えることを特徴とする撹拌機。
【請求項2】
水分を含む有機被処理物が投入される槽と、
前記槽の対向する内壁面間に亘って延びる回転軸と、
前記回転軸において、少なくとも一方の前記内壁面における前記回転軸の隣接域から離れた位置に設けられ、前記有機被処理物を撹拌する軸羽根と、
前記回転軸において、前記軸羽根よりも前記一方の内壁面側に設けられ、前記一方の内壁面と対向する側の面から、前記有機被処理物を撹拌するディスク羽根が突出するディスク部材と、
を備えることを特徴とする撹拌機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撹拌機において、
前記軸羽根は、
前記軸方向に直交する平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第1アーム部と、前記第1アーム部から前記軸方向において前記一方の内壁面から離れる側である一方側に曲がる第1折曲がり部と、を備え、厚みと幅が一定である第1単板羽根と、
前記第1単板羽根に対して前記軸方向の一方側にあり、前記平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第2アーム部と、前記第2アーム部から前記軸方向の他方側に曲がる第2折曲がり部とを備え、厚みと幅が一定である第2単板羽根と、
前記軸方向において前記第1、第2アーム部の間にあり、前記回転軸から前記径方向外側に延びる第3アーム部と、前記第3アーム部に接続し、前記軸方向に延びる長手状、かつ前記回転軸の周方向に湾曲し、複数の孔がある撹拌板と、を備える撹拌板付羽根と、
を備えることを特徴とする撹拌機。
【請求項4】
請求項1に記載の撹拌機において、
前記軸羽根は、
前記軸方向に直交する平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第1アーム部と、前記第1アーム部から前記軸方向において前記一方の内壁面から離れる側である一方側に曲がる第1折曲がり部と、を備え、厚みと幅が一定である第1単板羽根を備え、
前記ディスク部材は、
前記回転軸が通るボス部と、
前記ディスク羽根が突出する前記面から前記ボス部が膨出し、かつ、前記ボス部から前記回転軸の径方向外側に拡がり、前記面の裏面は平坦であり前記一方の内壁面と隣接し、平面視で前記第1アーム部よりも小さいディスク本体と、
前記面において、前記ボス部から前記径方向外側に放射状に延びる複数の前記ディスク羽根と、を備えることを特徴とする撹拌機。
【請求項5】
請求項2に記載の撹拌機において、
前記軸羽根は、
前記軸方向に直交する平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第1アーム部と、前記第1アーム部から前記軸方向において前記一方の内壁面から離れる側である一方側に曲がる第1折曲がり部と、を備え、厚みと幅が一定である第1単板羽根を備え、
前記ディスク部材は、
前記回転軸が通るボス部と、
前記一方の内壁面と対向する側の前記面から前記ボス部が膨出し、かつ、前記ボス部から前記回転軸の径方向外側に拡がり、平面視で前記第1アーム部よりも小さいディスク本体と、
前記面において、前記ボス部から前記径方向外側に放射状に延びる複数の前記ディスク羽根と、を備えることを特徴とする撹拌機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撹拌機に関する。
【背景技術】
【0002】
槽内に投入される生ゴミや堆肥等の水分を含む有機被処理物(有機物を含んで構成される被処理物)を撹拌し、好気性微生物による発酵を促進する撹拌機がある(例えば、特許文献1)。特許文献1の撹拌機において、槽の対向する内壁面の間に亘って延びる回転軸からは、軸方向に亘って複数の羽根が径方向外側に突出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回転軸の根元近傍の有機被処理物をより良好に撹拌できる撹拌機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
特許文献1の撹拌機では、槽の内壁面に最も近い羽根は、回転軸から径方向外側に延びる羽本体と、羽本体に設けられ内壁面に付着する有機被処理物を掻き落とす掻板とを備える。掻板は、回転軸から離れる程、トルクが大きくなり、有機被処理物を大きな力で撹拌できる。そのため、特許文献1では、掻板は、回転軸から離れた位置に設置される。
一方、特許文献1の撹拌機では、回転軸の根元近傍(内壁面の回転軸に近い部分)の有機被処理物の撹拌に改良の余地があることに本発明者は気づき、鋭意研究の結果、本発明を完成させた。
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)水分を含む有機被処理物が投入される槽と、
前記槽の対向する内壁面間に亘って延びる回転軸と、
前記回転軸において、少なくとも一方の前記内壁面における前記回転軸の隣接域から離れた位置に設けられ、前記有機被処理物を撹拌する軸羽根と、
前記回転軸において、前記軸羽根よりも前記一方の内壁面側に設けられて前記内壁面と隣接し、前記軸羽根と対向する側の面から、前記有機被処理物を撹拌するディスク羽根が突出するディスク部材と、
を備えることを特徴とする撹拌機。
【0007】
(2)水分を含む有機被処理物が投入される槽と、
前記槽の対向する内壁面間に亘って延びる回転軸と、
前記回転軸において、少なくとも一方の前記内壁面における前記回転軸の隣接域から離れた位置に設けられ、前記有機被処理物を撹拌する軸羽根と、
前記回転軸において、前記軸羽根よりも前記一方の内壁面側に設けられ、前記一方の内壁面と対向する側の面から、前記有機被処理物を撹拌するディスク羽根が突出するディスク部材と、
を備えることを特徴とする撹拌機。
【0008】
(3)(1)または(2)に記載の撹拌機において、
前記軸羽根は、
前記軸方向に直交する平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第1アーム部と、前記第1アーム部から前記軸方向において前記一方の内壁面から離れる側である一方側に曲がる第1折曲がり部と、を備え、厚みと幅が一定である第1単板羽根と、
前記第1単板羽根に対して前記軸方向の一方側にあり、前記平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第2アーム部と、前記第2アーム部から前記軸方向の他方側に曲がる第2折曲がり部とを備え、厚みと幅が一定である第2単板羽根と、
前記軸方向において前記第1、第2アーム部の間にあり、前記回転軸から前記径方向外側に延びる第3アーム部と、前記第3アーム部に接続し、前記軸方向に延びる長手状、かつ前記回転軸の周方向に湾曲し、複数の孔がある撹拌板と、を備える撹拌板付羽根と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
(4)(1)に記載の撹拌機において、
前記軸羽根は、
前記軸方向に直交する平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第1アーム部と、前記第1アーム部から前記軸方向において前記一方の内壁面から離れる側である一方側に曲がる第1折曲がり部と、を備え、厚みと幅が一定である第1単板羽根を備え、
前記ディスク部材は、
前記回転軸が通るボス部と、
前記ディスク羽根が突出する前記面から前記ボス部が膨出し、かつ、前記ボス部から前記回転軸の径方向外側に拡がり、前記面の裏面は平坦であり前記一方の内壁面と隣接し、平面視で前記第1アーム部よりも小さいディスク本体と、
前記面において、前記ボス部から前記径方向外側に放射状に延びる複数の前記ディスク羽根と、を備えることを特徴とする。
【0010】
(5)(2)に記載の撹拌機において、
前記軸羽根は、
前記軸方向に直交する平面内で前記回転軸から径方向外側に延びる第1アーム部と、前記第1アーム部から前記軸方向において前記一方の内壁面から離れる側である一方側に曲がる第1折曲がり部と、を備え、厚みと幅が一定である第1単板羽根を備え、
前記ディスク部材は、
前記回転軸が通るボス部と、
前記一方の内壁面と対向する側の前記面から前記ボス部が膨出し、かつ、前記ボス部から前記回転軸の径方向外側に拡がり、平面視で前記第1アーム部よりも小さいディスク本体と、
前記面において、前記ボス部から前記径方向外側に放射状に延びる複数の前記ディスク羽根と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】軸方向と直交する方向から見た撹拌槽の側面図である。
【
図3】
図3(A)は、第2単板羽根の側面図である。
図3(B)は、第2単板羽根の斜視図である。
【
図4】
図4(A)は、掻板付羽根の側面図である。
図4(B)は、掻板付羽根の平面図である。
【
図5】
図5(A)は、内壁面掻取羽根の側面図である。
図5(B)は、内壁面掻取羽根の平面図である。
【
図6】
図6(A)は、撹拌板付羽根の平面図である。
図6(B)は、撹拌板付羽根の側面図である。
【
図7】
図7(A)は、ディスク部材の平面図である。
図7(B)は、ディスク部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して実施形態を説明する。また、以下においては攪拌対象である水分を含む有機被処理物の例として、生ゴミを挙げて説明するがこれに限定されず、例えば堆肥や糞尿等であってもよい。
(第1実施形態)
図1は、撹拌機1の側面図である。
撹拌機1には、内部に微生物を含む資材が設置され、生ゴミが投入される。生ゴミに含まれる有機物は、資材に含まれる微生物により、水蒸気と炭酸ガス等に発酵分解される。撹拌機1は、生ゴミを破砕し、撹拌することで、有機物の発酵分解を促進し、生ゴミの体積を数時間で大幅に減少させる。2回目以降の処理では、継続して投入される生ゴミを発酵分解する。残渣は、例えば1か月に1回取り出せばよく、堆肥として利用してもよい。
【0013】
撹拌機1は、ケース2、回転軸3、軸羽根4(41~45の総称)、ディスク部材5を備える。
ケース2は、軸方向Aが水平方向となる円柱状の内部空間を規定する撹拌槽21と、撹拌槽21への生ゴミの投入および撹拌槽21からの残渣の取り出しを行うための投入口22とを備える。ケース2には、回転軸3の駆動モータ、駆動モータ等を制御するコントローラ、コントローラへの入力を受け付けるとともに撹拌機1の設定情報等を表示するタッチパネルが設置される。
【0014】
図2は、軸方向Aと直交する方向から見た撹拌槽21の側面図である。
撹拌槽21の内面は、回転軸3の軸方向Aにおいて対向する内壁面211と、回転軸3の径方向外側から回転軸3を囲む内周面212とを備える。
回転軸3は、内壁面211間に亘って延びる。回転軸3には、軸方向に亘って軸羽根4を取り付けるための取付座31が設けられている。
【0015】
軸羽根4は、回転軸3において、少なくとも一方の内壁面211、本実施形態では両内壁面211、における回転軸3の隣接域Rから離れた位置に設けられ、生ゴミを撹拌する。軸羽根4の形状、回転軸3の軸方向Aおよび周方向におけるその数および配置は、撹拌対象の有機被処理物や、その目的等によって適宜に設定できる。本実施形態では、軸羽根4として、第1単板羽根41、第2単板羽根42、掻板付羽根43、内壁面掻取羽根44、撹拌板付羽根45が設けられている。羽根41~45は、
図1、2では、それぞれ、軸方向の1点において周方向に一つしか図示されていないが、周方向に適宜の数を設けることができる。
【0016】
第1単板羽根41は、第2単板羽根42と第1、第2折曲がり部412、422の曲がる方向が逆になっている点のみが異なる。以下の説明では、第2単板羽根42の
図3も参照して説明する。
【0017】
第1単板羽根41は、例えば、ステンレス鋼板からなり、厚みと幅が一定である。第1単板羽根41は、軸方向Aに直交する平面内(
図2の紙面に直交する平面)で回転軸3から径方向外側に延びる第1アーム部411と、第1アーム部411から軸方向Aにおいて一方(
図2の左側)の内壁面211から離れる側である一方側(
図2の右側)に曲がる第1折曲がり部412と、を備える。
【0018】
第1アーム部411は、回転軸3の回転方向に曲がっており(
図1参照)、根元が取付座31に差し込まれ、ねじ及びナット等の締結具により取付座31に固定される。該固定方法は、他の羽根42~45も同様である。第1折曲がり部412は、撹拌槽2の内周面212の近傍まで延びており、生ゴミの破砕、撹拌を行う。第1単板羽根41は、軸方向に複数設けられ、その一つは、他の羽根41~43,45よりも一方(
図2の左側)の内壁面211に近い位置にある。
【0019】
第2単板羽根42は、例えば、ステンレス鋼板からなり、厚みと幅が一定である。第2単板羽根42は、第1単板羽根41に対して軸方向Aの一方側(
図2の右側)にあり、軸方向Aに直交する平面内で回転軸3から径方向外側に延びる第2アーム部421と、第2アーム部421から軸方向Aの他方側(
図2の左側)に曲がる第2折曲がり部422とを備える。第2アーム部421は、回転軸3の回転方向に曲がっている(
図1参照)。第2折曲がり部422は、撹拌槽2の内周面212の近傍まで延びており、生ゴミの破砕、撹拌を行う。第2単板羽根42は、軸方向に複数設けられ、その一つは、羽根41~45のうち、他方(
図2の右側)の内壁面211に最も近い位置にある。
【0020】
掻板付羽根43は、例えば、ステンレス鋼板からなり、第2単板羽根42に対して軸方向Aの一方側(
図2の右側)にある。掻板付羽根43は、
図1,
図4も参照して説明すると、軸方向Aに直交する平面内で回転軸3の回転方向と逆方向に曲がる(
図1参照)。アーム431の先端に掻板432が取り付けられ、撹拌槽21の内周面212に付着する生ゴミを掻き落としながら、生ゴミの破砕、撹拌を行う。
【0021】
内壁面掻取羽根44は、例えば、ステンレス鋼板からなり、回転軸3の軸方向Aにおいて、内壁面211に近い位置にある第1、第2単板羽根41,42と同様の位置に設けられている。内壁面掻取羽根44は、
図1,
図5も参照して説明すると、軸方向Aに直交する平面内で撹拌槽2の内周面212の近傍まで直線状に延びるアーム441の途中に中部掻板442が設けられ、先端に先部掻板443が設けられる。掻板442,443は、アーム441と直交する。内壁面掻取羽根44は、撹拌槽2の内壁面211の径方向外側に付着する生ゴミを掻き落としながら、内壁面211側の生ゴミの破砕、撹拌を行う。
【0022】
続いて、撹拌板付羽根45およびディスク部材5について説明する。
撹拌板付羽根45は、例えば、ステンレス鋼板からなり、
図1、
図6も参照して説明すると、軸方向Aにおいて第1、第2アーム部411,421の間にあり、軸方向Aに複数ある第1、第2アーム部411,421の各組毎に設けられる。撹拌板付羽根45は、第3アーム部451と、撹拌板452とを備える。
【0023】
第3アーム部451は、回転軸3から径方向外側に延びる。
撹拌板452は、回転軸3の周方向(
図6(B)の左右方向)に面する穴あきのスコップ形状である。具体的に、
図6を参照して、撹拌板452は、第3アーム部451に接続し、軸方向A(
図6(A)の左右方向)に延びる長手状、かつ回転軸3の周方向(
図6(B)の左右方向)に湾曲し、複数の孔453がある。撹拌板452の軸方向(
図6(A)の左右方向)の両側には、生ゴミをすくうための側壁454がある。
【0024】
上記のように、本実施形態では、短いヘラ状の複数の撹拌板付羽根45があるので、回転軸3の近くの生ゴミの撹拌効率を上げることができる。
撹拌板452は、複数の孔453を有するため、撹拌時の負荷が低減され、より効率のよい攪拌を行うことができる。撹拌板452に複数の孔453が空いているため、撹拌時に生ゴミに空気が混入されることから、撹拌槽2内の菌床の環境条件を良好にでき、生ゴミの分解効率を上げることができる。
【0025】
本発明者は、ディスク部材5が無い従来の構成では、内壁面掻取羽根44の中部掻板442の付近では生ゴミなどの有機被処理物を撹拌できるが、回転軸3に近づくにつれ、回転軸3の根元部分や内壁面211へ有機被処理物が残存固着する可能性があることに気が付いた。そこで、本実施形態では、回転軸3と内壁面211との接続部分にディスク部材5を取り付け、ディスク部材5を回転軸3と同時に回転させることで、回転軸3の根元近傍の有機被処理物がより攪拌されるようにし、回転軸3の根元部分や内壁面211への有機被処理物の固着を抑えるようにした。
【0026】
具体的に、
図2の左側のディスク部材5は、回転軸3において、軸羽根4である第1単板羽根41または内壁面掻取羽根44のアーム441よりも内壁面211側に設けられて内壁面211と隣接する。また、
図2の右側のディスク部材5は、回転軸3において、軸羽根4である第2単板羽根42または内壁面掻取羽根44のアーム441よりも内壁面211側に設けられて内壁面211と隣接する。
【0027】
ディスク部材5では、軸羽根4と対向する側の表面51から、生ゴミを撹拌するディスク羽根52が突出する。
図7も参照すると、ディスク部材5は、ボス部53およびディスク本体54を備える。ボス部53には孔531が形成される。ボス部53には回転軸3が通り、ボス部53は回転軸3に固定される。
【0028】
ディスク本体54において、ディスク羽根52が突出する表面51からボス部53が膨出する。ディスク本体54は、ボス部53から回転軸3の径方向外側に拡がり、孔531がその中心を貫通する平板なディスク状である。ディスク本体54の裏面541は、平坦であり、撹拌槽2の内壁面211と隣接する。
図2に参照されるように、ディスク本体54は、平面視で第1、第2アーム部411、421よりも小さい。
【0029】
ディスク羽根52は、表面51において、複数設けられ、ボス部53から回転軸3の径方向外側に放射状に延びるとともに、径方向外側に進むにしたがって表面51に近づくように傾斜する。ディスク羽根52の平面視の形状として直線状を例示したが、適宜の形状を採用できる。
【0030】
(第2実施形態)
撹拌機1Aでは、前記実施形態と同じディスク部材5Aが、回転軸3の両側に、撹拌槽2の内壁面211側にディスク羽根52が向く外向きの姿勢で取り付けられており、その他の構成は前記実施形態と同じである。ディスク部材5Aは、内壁面211に隣接するものとするが、若干離れていてもよい。具体的に、ディスク部材5Aは、回転軸3において、軸羽根4よりも内壁面211側に設けられ、内壁面211と対向する側の表面51から、生ゴミを撹拌するディスク羽根52が突出する。
本実施形態でも、前記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0031】
本発明は、その特徴から逸脱することなく、実施形態で実施できる。実施形態、変形例、効果は単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施形態および変形例の特徴、構造は、追加でき、また代替の構成を得るために様々な方法で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0032】
1、1A…撹拌機、2…槽(撹拌槽)、3…回転軸、4…軸羽根、5…ディスク部材、51…軸羽根と対向する側の面(表面)、41…第1単板羽根、42…第2単板羽根、45…撹拌板付羽根、52…ディスク羽根、53…ボス部、54…ディスク本体、211…内壁面、411…第1アーム部、412…第1折曲がり部、421…第2アーム部、422…第2折曲がり部、451…第3アーム部、452…撹拌板。