(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072254
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】携行品取付具
(51)【国際特許分類】
A45F 3/00 20060101AFI20230517BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
A45F3/00 520
A45C13/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184679
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】506413694
【氏名又は名称】株式会社クロンティップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(74)【代理人】
【識別番号】100172498
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】藤倉 和実
(72)【発明者】
【氏名】安江 岳人
(72)【発明者】
【氏名】正木 愉
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA05
3B045AA35
3B045BA00
3B045CE07
3B045CE09
3B045FA02
3B045GA02
3B045GA03
3B045GB02
3B045JA06
3B045JB04
3B045LB06
(57)【要約】
【課題】使用者が使いやすい携行品取付具を提供する
【解決手段】肩に掛けられた状態のベルト部材に対する携行品取付具であって、延在するベース部と、該ベース部の両端に設けられた取付部と、を有する本体部と、携行品を保持するための携行品保持部と、を備え、前記取付部は、前記本体部を前記ベルト部材に取り付けるものであり、前記携行品保持部は、前記ベース部に固定可能なものであり、前記ベース部には、前記携行品保持部を固定可能な位置が複数ある、ことを特徴とする携行品取付具。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肩に掛けられた状態のベルト部材に対する携行品取付具であって、
延在するベース部と、該ベース部の両端に設けられた取付部と、を有する本体部と、
携行品を保持するための携行品保持部と、
を備え、
前記取付部は、前記本体部を前記ベルト部材に取り付けるものであり、
前記携行品保持部は、前記ベース部に固定可能なものであり、
前記ベース部には、前記携行品保持部を固定可能な位置が複数ある、
ことを特徴とする携行品取付具。
【請求項2】
請求項1に記載の携行品取付具であって、
前記携行品保持部は、前記ベース部への固定が解除された状態で前記ベース部に対してスライド可能な状態となるものである、
ことを特徴とする携行品取付具。
【請求項3】
請求項1に記載の携行品取付具であって、
前記ベース部は、織物で構成されたものである、
ことを特徴とする携行品取付具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の携行品取付具であって、
前記本体部は、前記ベース部に対して前記取付部を回動可能にする回動部を有するものである、
ことを特徴とする携行品取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肩に掛けられた状態のベルト部材に対する携行品取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携行品取付具が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の携行品取付具では、肩に掛けられた状態のベルト部材に対して携行品を取り付けるにあたっては、確実に取り付けようとすれば携行品の位置の変更が難しくなり、位置の変更を容易にしようとすれば携行品の取付が不完全になってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、使用者が使いやすい携行品取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決する本発明の携行品取付具は、
肩に掛けられた状態のベルト部材に対する携行品取付具であって、
延在するベース部と、該ベース部の両端に設けられた取付部と、を有する本体部と、
携行品を保持するための携行品保持部と、
を備え、
前記取付部は、前記本体部を前記ベルト部材に取り付けるものであり、
前記携行品保持部は、前記ベース部に固定可能なものであり、
前記ベース部には、前記携行品保持部を固定可能な位置が複数ある、
ことを特徴とする。
【0007】
この携行品取付具では、ベルト部材に特段の構成を設けずに、使用者が使いやすい位置に携行品を保持することができる。また、その位置についても容易に変更することができる。
【0008】
また、上記記載の携行品取付具であって、
前記携行品保持部は、前記ベース部への固定が解除された状態で前記ベース部に対してスライド可能な状態となるものであってもよい。
【0009】
この携行品取付具では、携行品保持部の位置を変更する際の作業を容易に行うことができる。
【0010】
また、上記記載の携行品取付具であって、
前記ベース部は、織物で構成されたものであってもよい。
【0011】
この携行品取付具では、ベルト部材が多少曲がっていてもこの形に沿って携行品保持部を取り付けることができる。
【0012】
また、上記記載の携行品取付具であって、
前記本体部は、前記ベース部に対して前記取付部を回動可能にする回動部を有するものであってもよい。
【0013】
この携行品取付具では、湾曲した形状のベルト部材であっても、ベルト部材に沿って取付部を回動させて確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、使用者が使いやすい携行品取付具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第一実施形態の携行品取付具1を示す図である。
【
図2】(A)は、第一実施形態の携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、(A)を異なる角度から示す図である。
【
図3】(A)は、第一実施形態の携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、(A)を異なる角度から示す図である。
【
図4】(A)は、
図1に示す本体部10におけるベース部20を、変形例であるベース部21に変更した例を示す図であり、(B)は、
図1に示す携行品保持部11の変形例を示す図である。
【
図5】(A)は、
図4(A)(B)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、(A)を異なる角度から示す図である。
【
図6】(A)は、
図1に示す本体部10におけるベース部20を、変形例であるベース部22に変更した例を示す図であり、(B)は、(A)に示すベース部22の裏面を示す図であり、(C)は、
図1に示す携行品保持部11の変形例を示す図であり、(D)は、(C)に示す携行品保持部11の留め具531、532を閉じた状態を示す図である。
【
図7】(A)は、
図6(A)(C)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、(A)を異なる角度から示す図である。
【
図8】
図6(A)(B)に示すベース部22の表面と裏面を入れ替えた構成を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、(A)を異なる角度から示す図である。
【
図9】(A)は、
図1に示す本体部10におけるベース部20を、変形例であるベース部23に変更した例を示す図であり、(B)は、
図1に示す携行品保持部11の変形例を示す図である。
【
図10】(A)は、
図9(A)(B)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、
図10(A)を異なる角度から示す図である。
【
図11】(A)は、
図9(A)(B)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、
図10(A)を異なる角度から示す図である。
【
図12】(A)は、第二実施形態の携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、(B)は、(A)を異なる角度から示す図である。
【
図13】
図12のベース部60に係合する構成を示す斜視図である。
【
図14】(A)には、
図13に示すベース部60、およびこれに係合する支持部70、係合板71とは異なる構成として、ベース部61および支持部72を用いた構成が示されており、(B)には、(A)とは異なる角度から見た支持部72が示されている。
【
図15】(A)には、
図13に示すベース部60、およびこれに係合する支持部70、係合板71とは異なる構成として、ベース部62および支持部73を用いた構成が示されており、(B)には、(A)とは異なる角度から見た支持部73が示されている。
【
図16】(A)は、
図13に示すベース部60およびこれに係合する支持部70、係合板71とは異なる構成として、ベース部63および支持部74を用いた構成のうち、ベース部63を示す図であり、(B)は、支持部74を示す三面図である。
【
図17】(A)は、ベース部63に支持部74が固定された状態を示す図であり、(B)は、ベース部63上を支持部74がスライド可能な状態を示す図である。
【
図18】
図1に示す携行品取付具1の本体部10のうち、ベース部20と第一取付部30の間と、ベース部20と第二の取付部40の間のそれぞれに回動部材80が設けられた一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第一実施形態]
以下、
図1~
図3を用いて、携行品取付具の実施形態の一例について説明する。
図1は、第一実施形態の携行品取付具1を示す図である。
図2(A)は、第一実施形態の携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、
図2(B)は、
図2(A)を異なる角度から示す図である。
図3(A)は、第一実施形態の携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、
図3(B)は、
図3(A)を異なる角度から示す図である。
【0017】
第一実施形態の携行品取付具1は、肩に掛けられた状態になっているバッグやリュックのベルト部材STに対する携行品取付具である。
図1に示す携行品取付具1は、本体部10と、携行品保持部11を有する。この本体部10は、ベルト部材STに沿って延在するベース部20と、このベース部20の両端に設けられ、ベルト部材STに本体部10を取り付けるための取付部30、4(以下、第一取付部30、第二取付部40、と称する)を有する。携行品保持部11は、ベース部20上の複数の位置で固定可能な構成となっている。
【0018】
第一取付部30は、ベース部20の端部を保持する端部保持部31と、固定用ベルト32とを有するものである。この固定用ベルト32を、端部保持部31の反対側に設けられたループ35で折り返した後、面ファスナー33、34を係合させ、端部保持部31と固定用ベルト32の間にベルト部材STを挟み込むことで本体部10を取り付けることができる。なお、より確実に固定できるように、端部保持部31や固定用ベルト32には適宜滑り止めを設けた構成としてもよい。また、第二取付部40は、端部保持部41、固定用ベルト42、面ファスナー43、44、ループ45を有するものである。これらの構成は第一取付部30と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0019】
ベース部20は、ベルト生地の表裏の両面に面ファスナーのループが設けられたものである。携行品保持部11は、携行品を収納するための収納部50に巻き付け部51が設けられたものであり、この巻き付け部51には、収納部50に固定された中央部51Cと、この中央部51Cの左右に設けられた左片51Lおよび右片51Rがあり、左片51Lおよび右片51Rを中央部51Cに向けて折りたたむことでベース部20に巻き付けることができる。この巻き付け部51のうち、収納部50が接していない側の面(巻き付けたときにベース部20に接触する側の面)には面ファスナーのフックが設けられており、ベース部20に巻き付けた際にベース部20の面ファスナーのループと係合するように構成されている。また、収納部50に接している側の面(巻き付けたときにベース部20に接触しない側の面)には面ファスナーのループが設けられており、ベース部20に巻き付けた状態で左片51Lと右片51Rが係合するように構成されている。以上の構成により、携行品保持部11をベース部20上における所望の位置へ固定することができる。
【0020】
図2(A)および
図2(B)は、ベルト部材STの表面(使用者に向いた側とは反対側の面)にベース部20を重ねた状態が示されている。これらの図では、まず、第一取付部30および第二取付部40によって、本体部10がベルト部材STに取り付けられていることが示されている。また、ベース部20が、ベルト部材STと一緒に巻き付け部51に巻き付けられた状態となっていることが示されている。このとき、巻き付け部51とベース部20では面ファスナーが係合しており、携行品保持部11が固定された状態となっている。なお、ベース部20はベルト部材STとは別に単独で巻き付け部51に巻き付けてもよい。
【0021】
図3(A)および
図3(B)は、ベルト部材STの裏面(使用者に向いた面)にベース部20を重ねた状態が示されている。これらの図では、まず、第一取付部30および第二取付部40によって、本体部10がベルト部材STに取り付けられていることが示されている。また、ベース部20が、ベルト部材STと一緒に巻き付け部51に巻き付けられた状態となっていることが示されている。このとき、巻き付け部51とベース部20では面ファスナーが係合しており、携行品保持部11が固定された状態となっている。
【0022】
従来、ベルト部材に対して携行品を取り付けるにあたっては、確実に取り付けようとすれば携行品保持部の位置の変更が難しくなり、位置の変更を容易にしようとすれば固定が不完全になってしまうという問題があった。こうした問題に対し、第一実施形態の携行品取付具1では、様々なベルト部材STに対して本体部11を取り付けた上で、ベース部20に沿って様々な位置に携行品保持部11を取り付けることができる。この携行品取付具1では、ベルト部材STに特段の構成を設けなくともよく、使用者が使いやすい位置に携行品を配置することができる。また、その位置についても容易に変更することができる。
【0023】
なお、ベース部20のベルト生地の素材については特に限定されるものではない。なお、ベース部20を織物で構成することで、ベルト部材STが多少曲がっていてもこの形に沿って携行品保持部11を取り付けることができる。
【0024】
また、第一取付部30、第二取付部40の構成についても、本体部10をベルト部材STに取り付けることができればよく、上記の構成に限られるものではない。
【0025】
また、第一実施形態では面ファスナーを用いてベース部20と携行品保持部11を係合する構成について説明したが、例えば、面ファスナーに代えて、スナップボタン等の部品を用いて係合するようにしてもよいし、磁石を用いて固定されるようにしてもよい。また、例えば携行品保持部11にフックを設け、ベース部20にはこのフックに係合する孔を形成することで、両者が係合するようにしてもよい。さらには、これらの部品や構成を組み合わせてもよい。いずれにしても、ベース部20に対して携行品保持部11を固定することができる構成であればよく、上記の構成に限られるものではない。なお以下では、
図4~
図11を用いて、第一実施形態の本体部10と携行品保持部11の一部の構成を異ならせた例について説明する。
【0026】
図4(A)は、
図1に示す本体部10におけるベース部20を、変形例であるベース部21に変更した例を示す図であり、
図4(B)は、
図1に示す携行品保持部11の変形例を示す図である。
図5(A)は、
図4(A)(B)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、
図5(B)は、
図5(A)を異なる角度から示す図である。なお、
図4(A)では、第一取付部30および第二取付部40のそれぞれの固定用ベルト32、42について図示を省略している。
【0027】
図4(A)のベース部21は、二つのベルト生地を重ね、長手方向に一定の間隔を開けて幅方向に縫い合わせることで、ベルト生地同士の間にスリットを形成したものである。また、
図4(B)に示す携行品保持部11には、携行品を収納するための収納部50に二つの板状の留め具521、522が設けられている。これらの留め具521、522をそれぞれベース部21のスリットに差し込むことで、携行品保持部11をベース部21の好みの位置へ固定することができる。
【0028】
図5(A)および
図5(B)は、ベルト部材STの表面(使用者に向いた側とは反対側の面)にベース部21を重ねた状態が示されている。これらの図では、まず、第一取付部30および第二取付部40によって、本体部10がベルト部材STに取り付けられていることが示されている。また、ベース部21のスリットに留め具521、522が差し込まれた状態となっていることが示されている。このとき、携行品保持部11はベース部21の上下方向に対して固定された状態となっている。なお、留め具521、522がスリットから容易に抜けることがないように、スリットから出た部分の留め具521、522を固定する構成を設けたり、あるいは留め具521、522自体にスリットから抜け落ち防止の返しを設けた構成としてもよい。
【0029】
なお図示は省略するが、
図4(A)(B)を採用した携行品取付具1は、ベルト部材STの裏面(使用者に向いた面)にベース部21を重ねた状態で使用することも可能である。
【0030】
図6(A)は、
図1に示す本体部10におけるベース部20を、変形例であるベース部22に変更した例を示す図であり、
図6(B)は、
図6(A)に示すベース部22の裏面を示す図であり、
図6(C)は、
図1に示す携行品保持部11の変形例を示す図であり、
図6(D)は、
図6(C)に示す携行品保持部11の留め具531、532を閉じた状態を示す図である。
図7(A)は、
図6(A)(C)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、
図7(B)は、
図7(A)を異なる角度から示す図である。なお、
図6(A)では、第一取付部30および第二取付部40のそれぞれの固定用ベルト32、42について図示を省略している。
【0031】
図6(A)のベース部22は、
図6(B)に示すように幅方向に延びた凸部221が長手方向に一定間隔を開けて設けられたものである。この凸部221は、ベース部22の生地同士を縫い合わせたり、棒状の樹脂をベース部22に縫い合わせることで形成することができるが、これらの構成に限定されるものではない。また、
図6(C)に示す携行品保持部11には、携行品を収納するための収納部50に二つの留め具531、532が設けられている。これらの留め具531、532の両端にはそれぞれ面ファスナーが設けられており、
図6(D)に示すように両端が係合した状態にすることができる。これらの留め具531、532をそれぞれベース部22の凸部221の間で固定することで、保持部材55をベース部22の好みの位置へ固定することができる。
【0032】
図7(A)および
図7(B)は、ベルト部材STの表面(使用者に向いた側とは反対側の面)にベース部22を重ねた状態が示されている。これらの図では、まず、第一取付部30および第二取付部40によって、本体部10がベルト部材STに取り付けられていることが示されている。また、ベース部22の凸部221の間で留め具531、532が固定された状態となっていることが示されている。このとき、携行品保持部11はベース部22の上下方向に対して固定された状態となっている。
【0033】
なお、
図6(A)(B)に示すベース部22の表面と裏面を入れ替えた構成とした場合には、
図8(A)、
図8(B)に示すように、ベルト部材STの裏面(使用者に向いた面)にこのベース部22を重ねた状態で使用することができる。また、ベース部22の凸部221を表面と裏面の両方に設けた場合、ベルト部材STのどちらの面に対しても使用可能な携行品取付具1とすることができる。
【0034】
図9(A)は、
図1に示す本体部10におけるベース部20を、変形例であるベース部23に変更した例を示す図であり、
図9(B)は、
図1に示す携行品保持部11の変形例を示す図である。
図10(A)は、
図9(A)(B)の変形例を適用した携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、
図10(B)は、
図10(A)を異なる角度から示す図である。なお、
図9(A)では、第一取付部30および第二取付部40のそれぞれの固定用ベルト32、42について図示を省略している。
【0035】
図9(A)のベース部23は、生地の内部に鉄板231を設けたものである。また、
図9(B)に示す携行品保持部11には、携行品を収納するための収納部50に巻き付け部54が設けられたものであり、この巻き付け部54には、収納部50に固定された中央部54Cと、この中央部54Cの左右に設けられた左片54Lおよび右片54Rがあり、左片54Lおよび右片54Rを中央部54Cに向けて折りたたむことでベース部20に巻き付けることができる。この巻き付け部54のうち、中央部54Cの生地内部にはマグネット541が設けられている。携行品保持部11をベース部23に巻き付けると、ベース部23の鉄板231とマグネット541が引き寄せられるため、携行品保持部11をベース部23の好みの位置へ固定することができる。
【0036】
なお、ベース部23に巻き付けた状態で左片54Lと右片54Rが係合するように面ファスナーを設けているが、これに換えて(あるいは加えて)、例えば左片54Lや右片54Rにもマグネットを設け、ベース部23と携行品保持部11がより確実に固定されるようにしてもよい。また、
図9(A)にはベース部23の鉄板231がベース部23と同様の長さの一枚の鉄板となっているが、例えばベース部23の長手方向に対し、間隔を空けて複数の鉄板(あるいは鉄棒)を並べた構成としてもよい。この場合、鉄板等が設けられていない箇所でベース部23を折り曲げることができる。
【0037】
図10(A)および
図10(B)は、ベルト部材STの表面(使用者に向いた側とは反対側の面)にベース部23を重ねた状態が示されている。これらの図では、まず、第一取付部30および第二取付部40によって、本体部10がベルト部材STに取り付けられていることが示されている。このとき、ベース部23の鉄板231と携行品保持部11のマグネット541は磁力によって引き寄せられているため、ベース部23の上下方向に対して携行品保持部11が固定された状態となっている。
【0038】
なお
図11(A)、
図11(B)に示すように、
図9(A)(B)を採用した携行品取付具1は、ベルト部材STの裏面(使用者に向いた面)にベース部23を重ねた状態で使用することも可能である。
【0039】
[第二実施形態]
図1~
図11では、本体部10のベース部が織物で構成された携行品取付具1について説明した。以下、
図12、
図13を用いて、本体部10のベース部を樹脂で形成した実施形態(第二実施形態)について説明する。
図12(A)は、第二実施形態の携行品取付具1をベルト部材STに取り付けた状態の一例を示す図であり、
図12(B)は、
図12(A)を異なる角度から示す図である。
図13は、
図12のベース部60に係合する構成を示す斜視図である。なお、
図1で説明した携行品取付具1と共通する構成については説明を省略する。
【0040】
第二実施形態の携行品取付具1は、肩に掛けられた状態になっているバッグやリュックのベルト部材STに対する携行品取付具である。
図12に示す携行品取付具1は、本体部10と、携行品保持部11を有する点で
図1の携行品取付具1と共通する。このうち本体部10は、ベルト部材STに沿って延在するベース部60と、このベース部60の両端に設けられ、ベルト部材STに本体部10を取り付けるための取付部30、4(以下、第一取付部30、第二取付部40、と称する)を有する。これらの第一取付部30、第二取付部40については、
図1で説明した携行品取付具1と同様の構成である。携行品保持部11は、ベース部60上の複数の位置で固定可能な構成となっている。
【0041】
ベース部60は、樹脂製の長尺の部材であって、一方の面に凹凸が形成されたものである。携行品保持部11は、携行品を収納するための収納部50と、この収納部50を支える支持部70と、支持部70およびベース部60の凹凸と係合する係合板71が設けられている。
図13に示すように、支持部70にベース部60を通した状態で支持部70と係合板71を係合させることで、ベース部60上に携行品保持部11を固定することができる。なお、支持部70と係合板71との間には、ベース部60だけでなくベルト部材STも挟み込むことができる。
【0042】
また係合板71は、支持部70に一端を係合させたままベース部60との係合を解除することができ(
図12(B)の点線で示す状態)、この状態で携行品保持部11をベース部60に沿ってスライドさせることができる。ベース部60上における所望の位置に携行品保持部11をスライドさせた後、係合板71をベース部60に係合させることで、携行品保持部11をベース部60上における所望の位置に固定することができる。
【0043】
図12(A)および
図12(B)は、ベルト部材STの裏面(使用者に向いた面)にベース部60を重ねた状態が示されている。これらの図では、まず、第一取付部30および第二取付部40によって、本体部10がベルト部材STに取り付けられていることが示されている。また、ベース部60とベルト部材STが支持部70と係合板71に挟まれた状態となっていることが示されている。このとき、係合板71とベース部60が係合しており、携行品保持部11が固定された状態となっている。
【0044】
なお図示は省略するが、
図12に示す携行品取付具1は、ベルト部材STの表面(使用者に向いた側とは反対側の面)にベース部60を重ねた状態で使用することも可能である。
【0045】
この第二実施形態の携行品取付具1は、第一実施形態と同様にベルト部材STに特段の構成を設けなくともよく、使用者が使いやすい位置に携行品を保持することができる。また、その位置についても容易に変更することができる。
【0046】
また、第二実施形態では樹脂製のベース部60と携行品保持部11を用いて、これらが係合する構成について説明したが、ベース部60と携行品保持部11が係合する構成であれば、上記説明した構成に限られるものではない。なお以下では、
図14~
図17を用いて、第二実施形態とはベース部60と携行品保持部11が係合する構成を異ならせた一例について説明する。
【0047】
図14(A)には、
図13に示すベース部60、およびこれに係合する支持部70、係合板71とは異なる構成として、ベース部61および支持部72を用いた構成が示されている。また、
図14(B)には、
図14(A)とは異なる角度から見た支持部72が示されている。この構成では、ベース部61の中央に形成された溝に支持部72の一部がはめ込まれており、ベース部61の左右に形成された凹凸に支持部72の凹凸が係合した状態となっている。支持部72は弾性を有するものであり、
図14(A)の右上方向に向かう力が加えられると、係合が弱まりスライドさせることができるように構成されている。一方、
図14(A)の左下方向に向かう力が加えられた場合には係合が解除しないが、支持部72の左右から力を加え、支持部72の凹凸がベース部61から離れるように撓ませることで、係合を弱めて左下方向にスライドさせることができる。この構成でも、使用者が使いやすい位置に携行品を保持することができ、その位置についても容易に変更することができる。
【0048】
図15(A)には、
図13に示すベース部60、およびこれに係合する支持部70、係合板71とは異なる構成として、ベース部62および支持部73を用いた構成が示されている。また、
図15(B)には、
図15(A)とは異なる角度から見た支持部73が示されている。この構成では、ベース部62に形成された溝に支持部73の二つの脚部731、732がはめ込まれた状態となっている。支持部73の脚部731、732は、ベース部62の溝よりも広い間隔を開けて設けられており、ベース部62の溝に対して脚部731、732が突っ張った状態となることで、支持部73がベース部62に固定された状態となっている。支持部73は弾性を有する素材で構成されたものであり、支持部73の左右から力を加えて脚部731、732の間隔が狭まるように撓ませることでスライドさせることができる。この構成でも、使用者が使いやすい位置に携行品を保持することができ、その位置についても容易に変更することができる。
【0049】
図16(A)(B)および
図17(A)(B)には、
図13に示すベース部60およびこれに係合する支持部70、係合板71とは異なる構成として、ベース部63および支持部74を用いた構成が示されている。
図16(A)は、ベース部63を示す図であり、
図16(B)は、支持部74を示す三面図である。また、
図17(A)は、ベース部63に支持部74が固定された状態を示す図であり、
図17(B)は、ベース部63上を支持部74がスライド可能な状態を示す図である。この構成では、支持部74に二つの脚部741が設けられている。この脚部741は弾性があり、スリットが形成されている(
図16(B)の下側の図参照)。また、脚部741の軸部分については、
図16の上下方向における太さ(
図16(B)の下側の図参照)がベース部63のスリットを通過できない大きさであるのに対し、左右方向における太さ(
図16(B)の右側の図参照)はベース部63のスリットを通過できる大きさとなっている。
【0050】
支持部74の二つの脚部741をベース部63のスリットの一部が広く形成された部分に押し込むと、太さが小さくなるように脚部741が撓み、ベース部63のスリットを通過した後で元の状態に戻る。このとき、脚部741の太さがベース部63のスリットの広く形成された部分にはまり込んだ状態となり、支持部74がベース部63に固定された状態(
図17(A))となる。一方、脚部741の先端をつまんで撓ませることで、脚部741とベース部63との係合を解除して支持部74を取り外すことができる。また、二つある脚部741のうち一方だけをベース部63から外し、
図17(B)のように90度回転させると、ベース部63のスリットに対して脚部741の軸部分が通過できる状態となるため、この状態で支持部74をスライドさせることができる。この構成でも、使用者が使いやすい位置に携行品を保持することができ、その位置についても容易に変更することができる。
【0051】
[湾曲した形状のベルト部材に対する構成について]
上記説明した第一実施形態および第二実施形態のいずれも、ベルト部材STが真っ直ぐな形状である場合について説明した。しかしながら、真っ直ぐな形状のベルト部材に限らず、例えば使用者の負担を軽減する等の目的で湾曲した形状のベルト部材を採用しているものがある。第一実施形態の携行品取付具1および第二実施形態の携行品取付具1では、ベルト部材の湾曲度合いによっては第一取付部30や第二取付部40をうまく取り付けられない虞がある。こうした問題を解決するために、第一取付部30、第二取付部40の少なくともいずれか一方を、本体部10のベース部に対して回動可能な構成としてもよい。
図18には、このような構成を採用した一例が示されている。この例では、
図1に示す携行品取付具1の本体部10のうち、ベース部20と第一取付部30の間と、ベース部20と第二の取付部40の間のそれぞれに回動部80が設けられている。この回動部80は、軸CAにおいて係合したものであり、この軸CAを中心として係合した一方側に対する他方側を回動可能にするものである。この構成では、湾曲した形状のベルト部材であっても、ベルト部材に沿って第一取付部30、第二取付部40を回動させて確実に取り付けることができる。なお、
図18の構成は一例であって、第一取付部30、第二取付部40を回動させることができるものであればよく、その構造や取付位置を限定するものではない。また、
図18の例では二箇所に回動部80を設けているが、いずれか一方だけであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 携行品取付具
10 本体部
11 携行品保持部
20、21、22、23、60、61、62、63 ベース部
30 第一取付部
40 第二取付部
50 収納部
80 回動部材