(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072289
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】加熱調理システムおよびアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
F24C 15/00 20060101AFI20230517BHJP
F24C 3/12 20060101ALI20230517BHJP
F24C 7/04 20210101ALI20230517BHJP
【FI】
F24C15/00 M
F24C3/12 A
F24C7/04 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184733
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸田 さやか
【テーマコード(参考)】
3L087
【Fターム(参考)】
3L087AA03
3L087BA04
3L087DA24
(57)【要約】
【課題】本明細書では、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性を低減することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本明細書が開示する加熱調理システムは、加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な端末装置を備える。前記加熱調理器は、加熱対象物を加熱する加熱部と、前記加熱部の動作を制御する制御部を備えている。前記制御部は、タイマ設定がオンの場合に、タイマ情報に基づいて特定される停止タイミングが到来した時に、前記加熱部による加熱を終了するように構成されている。所定の許可条件が満たされる場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の少なくとも一方の変更が許可され、前記許可条件が満たされない場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の前記少なくとも一方の変更が禁止される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な端末装置を備える加熱調理システムであって、
前記加熱調理器は、
加熱対象物を加熱する加熱部と、
前記加熱部の動作を制御する制御部を備えており、
前記制御部は、前記加熱部による加熱の実行中、タイマ設定がオンの場合に、タイマ情報に基づいて特定される停止タイミングが到来した時に、前記加熱部による加熱を終了するように構成されており、
所定の許可条件が満たされる場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の少なくとも一方の変更が許可され、
前記許可条件が満たされない場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の前記少なくとも一方の変更が禁止される、加熱調理システム。
【請求項2】
前記加熱調理器と前記端末装置の相対的な位置関係に関する情報を取得する位置情報取得部をさらに備えており、
前記許可条件は、前記端末装置が前記加熱調理器から所定範囲内に位置することを含む、請求項1の加熱調理システム。
【請求項3】
前記加熱対象物に関連する温度を取得する温度取得部をさらに備えており、
前記許可条件は、前記加熱対象物に関連する前記温度が所定温度未満であることを含む、請求項1または2の加熱調理システム。
【請求項4】
前記タイマ情報が、前記加熱部による加熱を終了するまでの時間であるタイマ時間を含んでおり、
前記端末装置を介して前記タイマ時間を変更する際に、前記タイマ時間は、前記加熱対象物に関連する前記温度に基づいて特定される上限タイマ時間を超えない範囲で変更可能である、請求項3の加熱調理システム。
【請求項5】
前記加熱部の火力を取得する火力取得部をさらに備えており、
前記上限タイマ時間が、前記加熱部の前記火力にも基づいて特定される、請求項4の加熱調理システム。
【請求項6】
前記加熱部の火力を取得する火力取得部をさらに備えており、
前記許可条件は、前記加熱部の前記火力が所定火力未満であることを含む、請求項1または2の加熱調理システム。
【請求項7】
前記タイマ情報が、前記加熱部による加熱を終了するまでの時間であるタイマ時間を含んでおり、
前記端末装置を介して前記タイマ時間を変更する際に、前記タイマ時間は、前記加熱部の前記火力に応じて特定される上限タイマ時間を超えない範囲で変更可能である、請求項6の加熱調理システム。
【請求項8】
前記加熱対象物に関連する温度を取得する温度取得部をさらに備えており、
前記上限タイマ時間が、前記加熱対象物に関連する前記温度にも基づいて特定される、請求項7の加熱調理システム。
【請求項9】
前記許可条件が満たされない場合であっても、前記停止タイミングを早めるような前記タイマ情報の変更については、前記端末装置を介した前記タイマ情報の変更が許可される、請求項1から8の何れか一項の加熱調理システム。
【請求項10】
端末装置によって実行され、前記端末装置を請求項1から9の何れか一項に記載の端末装置として機能させる、アプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、加熱調理システムおよびアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の加熱調理システムは、加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な端末装置を備えている。前記加熱調理器は、加熱対象物を加熱する加熱部と、前記加熱部の動作を制御する制御部を備えている。前記制御部は、前記加熱部による加熱の実行中、タイマ設定がオンの場合に、タイマ情報に基づいて特定される停止タイミングが到来した時に、前記加熱部による加熱を終了するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理システムでは、端末装置を介したタイマ設定およびタイマ情報の変更が常時許可されている。このため、ユーザが調理の進行状況を把握していない場合や、加熱対象物の過熱に繋がることが想定される場合であっても、端末装置を介したタイマ設定およびタイマ情報の変更が可能となる。このような加熱調理システムでは、調理の失敗を招く可能性がある。本明細書では、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性を低減することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する加熱調理システムは、加熱調理器と、前記加熱調理器と通信可能な端末装置を備えていてもよい。前記加熱調理器は、加熱対象物を加熱する加熱部と、前記加熱部の動作を制御する制御部を備えていてもよい。前記制御部は、タイマ設定がオンの場合に、タイマ情報に基づいて特定される停止タイミングが到来した時に、前記加熱部による加熱を終了するように構成されていてもよい。所定の許可条件が満たされる場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の少なくとも一方の変更が許可され、前記許可条件が満たされない場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の前記少なくとも一方の変更が禁止されてもよい。なお、本明細書では、「タイマ設定」とは、タイマのオン・オフを示す設定を意味する。「タイマ情報」とは、加熱部の停止タイミングを特定するための情報を意味する。例えば、「タイマ情報」とは、加熱部による加熱を終了するまでの時間(タイマ時間)や、加熱部による加熱を終了する時刻(タイマ時刻)を含む情報である。また、「許可条件」とは、例えば、ユーザが調理の進行状況を把握していないと判断され得る条件や、加熱対象物の過熱に繋がると判断され得る条件を含む条件を意味する。
【0006】
本明細書が開示するアプリケーションプログラムは、端末装置によって実行され、前記端末装置を、加熱調理器と通信可能であって、所定の許可条件が満たされる場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の少なくとも一方の変更を許可するように構成されており、前記許可条件が満たされない場合に、前記端末装置を介した前記タイマ設定および前記タイマ情報の前記少なくとも一方の変更を禁止するように構成されている端末装置として機能させてもよい。
【0007】
上記の構成によれば、許可条件が満たされない場合、端末装置を介したタイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一方の変更が禁止される。このため、ユーザが調理の進行状況を把握していない場合や、加熱対象物の過熱に繋がることが想定される場合等には、端末装置を介したタイマ設定やタイマ情報の変更が抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性を低減することができる。
【0008】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記加熱調理システムは、前記加熱調理器と前記端末装置の相対的な位置関係に関する情報を取得する位置情報取得部をさらに備えていてもよい。前記許可条件は、前記端末装置が前記加熱調理器から所定範囲内に位置することを含んでもよい。
【0009】
一般的に、ユーザが加熱調理器から離れた位置において調理の進行状況を把握することは困難である。このため、端末装置が加熱調理器から離れた位置にある場合に、端末装置を介したタイマ設定やタイマ情報の変更が許可されると、調理の失敗を招く可能性がある。上記の構成によれば、端末装置が加熱調理器から離れた位置にある場合、端末装置を介したタイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一方の変更が禁止される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0010】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記加熱調理システムは、前記加熱対象物に関連する温度を取得する温度取得部をさらに備えていてもよい。前記許可条件は、前記加熱対象物に関連する前記温度が所定温度未満であることを含んでもよい。
【0011】
加熱対象物の温度が非常に高温である場合、または非常に高温になると予測される場合に、端末装置を介したタイマ設定やタイマ情報の変更が許可されると、加熱対象物の過熱に繋がり、調理の失敗を招く可能性がある。上記の構成によれば、加熱対象物の温度が非常に高温である場合、または非常に高温になると予測される場合、端末装置を介したタイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一方の変更が禁止される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記タイマ情報は、前記加熱部による加熱を終了するまでの時間であるタイマ時間を含んでもよい。前記端末装置を介して前記タイマ時間を変更する際に、前記タイマ時間は、前記加熱対象物に関連する前記温度に基づいて特定される上限タイマ時間を超えない範囲で変更可能であってもよい。
【0013】
端末装置を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がり、調理の失敗を招く可能性がある。特に、加熱対象物の温度が高温である場合、または高温になると予測される場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、端末装置を介してタイマ時間を変更する際に、加熱対象物に関連する温度に基づいて上限タイマ時間が設定される。上記の構成によれば、端末装置を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることが抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0014】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記加熱調理システムは、前記加熱部の火力を取得する火力取得部をさらに備えていてもよい。前記上限タイマ時間は、前記加熱部の前記火力にも基づいて特定されてもよい。
【0015】
加熱部の火力が高火力である場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、上限タイマ時間は、加熱対象物に関連する温度だけでなく、加熱部の火力にも基づいて特定される。このため、端末装置を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることがより適切に抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0016】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記加熱調理システムは、前記加熱部の火力を取得する火力取得部をさらに備えていてもよい。前記許可条件は、前記加熱部の前記火力が所定火力未満であることを含んでもよい。
【0017】
加熱部の火力が非常に高火力である場合に、端末装置を介したタイマ設定やタイマ情報の変更が許可されると、加熱対象物の過熱に繋がり、調理の失敗を招く可能性がある。上記の構成によれば、加熱部の火力が非常に高火力である場合、端末装置を介したタイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一方の変更が禁止される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0018】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記タイマ情報は、前記加熱部による加熱を終了するまでの時間であるタイマ時間を含んでもよい。前記端末装置を介して前記タイマ時間を変更する際に、前記タイマ時間は、前記加熱部の前記火力に応じて特定される上限タイマ時間を超えない範囲で変更可能であってもよい。
【0019】
加熱部の火力が高火力である場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、端末装置を介してタイマ時間を変更する際に、加熱部の火力に基づいて上限タイマ時間が設定される。上記の構成によれば、端末装置を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることが抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0020】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記加熱調理システムは、前記加熱対象物に関連する温度を取得する温度取得部をさらに備えていてもよい。前記上限タイマ時間は、前記加熱対象物に関連する前記温度にも基づいて特定されてもよい。
【0021】
加熱対象物の温度が高温である場合、または高温になると予測される場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、上限タイマ時間は、加熱部の火力だけでなく、加熱対象物に関連する温度にも基づいて特定される。このため、端末装置を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることがより適切に抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0022】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記許可条件が満たされない場合であっても、前記停止タイミングを早めるような前記タイマ情報の変更については、前記端末装置を介した前記タイマ情報の変更が許可されてもよい。
【0023】
加熱調理システムでは、安全性の向上の観点から、停止タイミングを早めるようなタイマ情報の変更を行いたい場合がある。上記の構成によれば、許可条件を満たすか否かに関わらず、停止タイミングを早めるようなタイマ情報の変更が許可される。上記の構成によれば、加熱調理システムにおいて、安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施例1および2に係る加熱調理システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施例1および2に係る加熱調理システム1の、加熱調理器2の構成を示す斜視図である。
【
図3】実施例1および2に係る加熱調理システム1の、携帯端末100のタッチパネル102に表示される入力画面T4において、メモリ112に記憶された仮タイマ設定がオンである状態を模式的に示す図である。
【
図4】実施例1および2に係る加熱調理システム1の、携帯端末100のタッチパネル102に表示される入力画面T4において、メモリ112に記憶された仮タイマ設定がオフである状態を模式的に示す図である。
【
図5】実施例1に係る加熱調理システム1において、携帯端末100が実行する処理のフローチャートである。
【
図6】実施例1に係る加熱調理システム1において、メモリ112に記憶された上限タイマ時間テーブル116を模式的に示す図である。
【
図7】実施例1および2に係る加熱調理システム1において、加熱調理器2が実行する処理のフローチャートである。
【
図8】実施例2に係る加熱調理システム1において、携帯端末100が実行する処理のフローチャートである。
【
図9】変形例に係る加熱調理システム1において、メモリ112に記憶された上限タイマ時間テーブル116aを模式的に示す図である。
【
図10】別の変形例に係る加熱調理システム1において、メモリ112に記憶された上限タイマ時間テーブル116bを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施例1)
(加熱調理システム1の構成)
図1に示すように、加熱調理システム1は、加熱調理器2と、加熱調理器2と通信可能な携帯端末100を備える。加熱調理器2と携帯端末100は、加熱調理器2と携帯端末100の間でBluetooth(登録商標)方式に従ったBluetooth(以下では、「BT」と記載する。)接続が確立されると、BT通信を介して互いに通信可能となる。また、加熱調理器2と携帯端末100は、それぞれ、Wi-Fi(登録商標)方式に従ったWi-Fi通信を実行して、インターネット150に接続可能である。従って、加熱調理器2と携帯端末100は、インターネット150を介して、互いに通信可能である。加熱調理器2および携帯端末100は、各々が指示の送受信を行うことができる。
【0026】
(加熱調理器2の構成)
加熱調理器2は、BTI/F(インタフェースの略)70と、Wi-FiI/F72と、制御部80を備える。BTI/F70は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。加熱調理器2は、BTI/F70を介して、携帯端末100とBT通信を実行可能である。Wi-FiI/F72は、外部機器とのWi-Fi通信を実行するための無線I/Fである。加熱調理器2は、Wi-FiI/F72を介して、インターネット150に接続可能である。
【0027】
制御部80は、ROM、RAM、EEPROM等によって構成されるメモリ82を備える。制御部80は、メモリ82に格納されているプログラム84に従って、加熱調理器2の動作を制御する。制御部80は、時間を計測するためのタイマ86をさらに備えている。
【0028】
図2に示すように、加熱調理器2は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。加熱調理器2は、前面4aがシステムキッチンの手前側に露出する本体4と、本体4の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器を支持する3つの五徳8a、8b、8cと、それぞれの五徳8a、8b、8cに対応して設けられており、それぞれの五徳8a、8b、8cに支持された加熱対象物を加熱する3つのコンロバーナ10a、10b、10cと、それぞれのコンロバーナ10a、10b、10cに対応して設けられているコンロ温度センサ12a、12b、12cが設けられている。コンロ温度センサ12a、12b、12cは、五徳8a、8b、8cに支持される加熱対象物の存在を検出するとともに、加熱対象物の底の温度を検出する。なお、
図1では、説明を分かり易くするために、コンロバーナ10b、10c、コンロ温度センサ12b、12cを省略している。
【0029】
本体4は、本体4の内部に設けられて加熱対象物である食材等を収容するグリル庫20と、本体4の前面4aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体4の前面4aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した加熱対象物を加熱するグリルバーナ10d(
図1参照)と、グリル庫20内の温度を検出するグリル温度センサ12d(
図1参照)が設けられている。
【0030】
コンロ操作部24は、加熱調理器2の電源スイッチ40と、3つのコンロ火力操作部42a、42b、42cと、パネル操作部44を備える。コンロ火力操作部42a、42b、42cは、それぞれ、コンロバーナ10a、10b、10cの点火及び消火を行うとともに、コンロバーナ10a、10b、10cの火力の調整を行うための操作部である。
【0031】
パネル操作部44は、コンロ表示部46と、コンロ設定操作部48a、48b、48cを備える。コンロ表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態やタイマ設定、タイマ時間などが表示される。コンロ設定操作部48a、48b、48cでは、それぞれ、コンロバーナ10a、10b、10cに対応する各種指示を設定することができる。パネル操作部44において、ユーザはコンロバーナ10a、10b、10cのタイマ設定およびタイマ時間を入力することができる。なお、パネル操作部44に入力されたタイマ設定およびタイマ時間は、メモリ82(
図1参照)に記憶される。
【0032】
グリル操作部26は、グリル火力操作部60と、パネル操作部62を備える。パネル操作部62は、グリル表示部64と、グリル設定操作部66を備える。グリル火力操作部60およびパネル操作部62は、グリルバーナ10d(
図1参照)に対応する操作部である点を除いて、コンロ火力操作部42aおよびパネル操作部44と同様の機能を有する。
【0033】
以下では、説明の便宜上、コンロバーナ10a、10b、10cと、グリルバーナ10dを総称して「加熱部10」とも呼ぶ。また、コンロ温度センサ12a、12b、12cと、グリル温度センサ12dを総称して「加熱部温度センサ12」とも呼ぶ。
【0034】
(携帯端末100の構成)
図1に示す携帯端末100は、携帯電話、スマートフォン等の可搬型の端末装置である。携帯端末100は、タッチパネル102と、BTI/F106と、Wi-FiI/F108と、制御部110を備える。タッチパネル102は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。また、タッチパネル102では、ユーザのタッチ操作に応じて様々な指示を携帯端末100に入力することができる。詳細は後述するが、タッチパネル102を介して、加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間を入力することができる。BTI/F106は、外部機器とのBT通信を実行するための無線I/Fである。携帯端末100は、BTI/F106を介して、加熱調理器2とBT通信を実行可能である。Wi-FiI/F108は、加熱調理器2のWi-FiI/F72と同様である。制御部110は、携帯端末100の動作を制御する。また、制御部110は、ROM、RAM、EEPROM等によって構成されるメモリ112を備える。メモリ112は、携帯端末100に入力された加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間を記憶することができる。また、メモリ112には、調理器アプリ114が格納されている。調理器アプリ114は、インターネット150上のサーバ(図示省略)から携帯端末100にインストールされる。調理器アプリ114は、ユーザの操作によって起動される。調理器アプリ114は、加熱調理器2に関する各種情報の受信や、加熱調理器2への各種指示の送信を実行するためのアプリケーションである。
【0035】
(タッチパネル102に表示される入力画面T4)
図3および
図4に示すように、本実施例に係るタッチパネル102は、調理器アプリ114に従って、加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間を入力するための入力画面T4を表示することができる。
【0036】
図3に示すように、入力画面T4は、仮タイマ設定表示部132と、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を備える。なお、入力画面T4は、メモリ112に記憶されている仮タイマ設定がオンの場合には
図3に示す状態となり、メモリ112に記憶されている仮タイマ設定がオフの場合には
図4に示す状態となる。
図4に示すように、メモリ112に記憶されている仮タイマ設定がオフの場合には、仮タイマ時間入力部136は非表示となっている。
【0037】
図3に示すように、仮タイマ設定表示部132は、メモリ112に記憶されている加熱部10の仮タイマ設定を表示することができる。仮タイマ設定切替部134は、ユーザのタッチ操作に応じて、メモリ112に記憶されている加熱部10の仮タイマ設定のオン・オフを切り替えるためのキーである。仮タイマ時間入力部136は、ユーザのタッチ操作に応じて、加熱部10の仮タイマ時間の入力を行うためのキーである。仮タイマ時間入力部136には、メモリ112に記憶されている仮タイマ時間が表示される。また、仮タイマ時間入力部136では、ユーザのタッチ操作に応じて、メモリ112に記憶されている仮タイマ時間を変更することができる。確定入力部138は、ユーザのタッチ操作に応じて、メモリ112に記憶されている仮タイマ設定および仮タイマ時間を、タイマ設定およびタイマ時間としてメモリ112に記憶させるためのキーである。詳細は後述するが、携帯端末100が実行する処理において、確定入力部138のタッチ操作に応じてメモリ112に記憶されたタイマ設定およびタイマ時間は、直ちに加熱調理器2に送信される。
【0038】
本実施例では、仮タイマ設定切替部134は、入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替えられる。仮タイマ設定切替部134が入力禁止状態である場合、仮タイマ設定切替部134は操作不能となる。仮タイマ時間入力部136も同様に、入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替えられる。仮タイマ時間入力部136が入力禁止状態である場合、仮タイマ時間入力部136は操作不能となる。確定入力部138も同様に、入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替えられる。確定入力部138が入力禁止状態である場合、確定入力部138は操作不能となる。
【0039】
(携帯端末100が実行する処理)
本実施例では、ユーザの操作によって携帯端末100のタッチパネル102に入力画面T4が表示されると、制御部110は、
図5の処理を開始する。
【0040】
S10では、制御部110は、加熱調理器2に対して、加熱部10における加熱状況の送信を指示する加熱状況送信指示を送信する。なお、加熱調理器2の制御部80は、加熱状況送信指示を受信した場合、携帯端末100に対して加熱部10の加熱状況を送信するように構成されている。本実施例では、加熱状況には、加熱部10が加熱実行中か否かについての情報や、メモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間、加熱部温度センサ12で検出した温度(検出温度)、加熱部10への燃料ガスのガス供給量などが含まれる。制御部110は、加熱調理器2から加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間を受信すると、メモリ112に記憶されている仮タイマ設定および仮タイマ時間を、受信したタイマ設定およびタイマ時間に更新する。S10の後、処理はS12へ進む。
【0041】
S12では、制御部110は、加熱調理器2から送信された加熱状況に基づいて、加熱部10が加熱実行中であるか否かを判断する。加熱部10が加熱実行中でない(消火されている)と判断される場合(NOの場合)、処理はS10に戻る。加熱部10が加熱実行中であると判断される場合(YESの場合)、処理はS14へ進む。
【0042】
S14では、制御部110は、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されているか否かを判断する。加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されていると判断される場合(YESの場合)、処理はS16へ進む。加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されていないと判断される場合(NOの場合)、処理はS20へ進む。
【0043】
S16では、制御部110は、加熱調理器2から送信された検出温度を予め設定された5段階の温度レベルのいずれかに決定する。本実施例では、制御部110は、検出温度が140℃未満の場合に、検出温度を温度レベル「1」に決定する。制御部110は、検出温度が140℃以上170℃未満の場合に、検出温度を温度レベル「2」に決定する。制御部110は、検出温度が170℃以上200℃未満の場合に、検出温度を温度レベル「3」に決定する。制御部110は、検出温度が200℃以上230℃未満の場合に、検出温度を温度レベル「4」に決定する。制御部110は、検出温度が230℃以上の場合に、検出温度を温度レベル「5」に決定する。その後、制御部110は、検出温度の温度レベルが「5」未満であるか否かを判断する。換言すれば、制御部110は、検出温度が230℃未満であるか否かを判断する。検出温度の温度レベルが「5」未満であると判断される場合(YESの場合)、処理はS18へ進む。検出温度の温度レベルが「5」未満でないと判断される場合(NOの場合)、処理はS20へ進む。
【0044】
S18では、制御部110は、加熱調理器2から送信された加熱部10への燃料ガスのガス供給量に基づいて、加熱部10の火力を予め設定された5段階の火力レベルのいずれかに決定する。本実施例では、制御部110は、加熱部10へのガス供給量が500kcal/h未満の場合に、加熱部10の火力を火力レベル「1」に決定する。制御部110は、加熱部10へのガス供給量が500kcal/h以上1100kcal/h未満の場合に、加熱部10の火力を火力レベル「2」に決定する。制御部110は、加熱部10へのガス供給量が1100kcal/h以上1700kcal/h未満の場合に、加熱部10の火力を火力レベル「3」に決定する。制御部110は、加熱部10へのガス供給量が1700kcal/h以上2300kcal/h未満の場合に、加熱部10の火力を火力レベル「4」に決定する。制御部110は、加熱部10へのガス供給量が2300kcal/h以上の場合に、加熱部10の火力を火力レベル「5」に決定する。その後、制御部110は、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるか否かを判断する。換言すれば、制御部110は、加熱部10の火力が2300kcal/h未満であるか否かを判断する。加熱部10の火力レベルが「5」未満であると判断された場合(YESの場合)、処理はS22へ進む。加熱部10の火力レベルが「5」未満でないと判断された場合(NOの場合)、処理はS20へ進む。
【0045】
S20では、制御部110は、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を入力禁止状態に切り替える。S20の後、処理はS10に戻る。
【0046】
S22では、制御部110は、加熱部10の上限タイマ時間を特定する。
図6に示すように、制御部110は、調理器アプリ114に付随してメモリ112に記憶された上限タイマ時間テーブル116を用いて加熱部10の上限タイマ時間を特定する。制御部110は、上限タイマ時間テーブル116において、S16で決定した検出温度の温度レベルおよびS18で決定した加熱部10の火力レベルに基づいて、加熱部10の上限タイマ時間を特定する。S22の後、処理はS24へ進む。
【0047】
S24では、制御部110は、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を入力許可状態に切り替える。この時、制御部110は、加熱部10の仮タイマ時間が加熱部10の上限タイマ時間を超えない範囲内で変更可能となるように、仮タイマ時間入力部136を制御する。S24の後、処理はS26へ進む。
【0048】
S26では、制御部110は、タッチパネル102において、確定入力部138にタッチ操作がされたか否かを判断する。確定入力部138にタッチ操作がされたと判断される場合(YESの場合)、処理はS28へ進む。確定入力部138にタッチ操作がされていないと判断される場合(NOの場合)、処理はS10に戻る。
【0049】
S28では、制御部110は、加熱調理器2に対して、メモリ112に記憶されている加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間を含むタイマ更新指示を送信する。なお、加熱調理器2の制御部80は、携帯端末100からタイマ更新指示を受信した場合、タイマ更新指示に含まれるタイマ設定またはタイマ時間をメモリ82に記憶するように構成されている。すなわち、本実施例では、携帯端末100のタイマ更新指示によって、加熱調理器2のタイマ設定およびタイマ時間が更新される。S28の後、処理はS10に戻る。
【0050】
このように、携帯端末100の制御部110は、タッチパネル102に入力画面T4が表示されている間、S10からS28の各処理を繰り返し実行することで、タイマ設定およびタイマ時間の入力の許否を繰り返し判断している。
【0051】
(加熱調理器2が実行する処理)
加熱調理器2の制御部80は、電源スイッチ40の操作によって加熱調理器2の電源が投入され、加熱部10の火力操作部(コンロ火力操作部42a、42b、42c、またはグリル火力操作部60)に点火操作がされると、
図7の処理を開始する。
【0052】
S112では、制御部80は、メモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ設定がオンであるか否かを判断する。本実施例の加熱調理器2では、S112の処理を実行する前に、パネル操作部44またはパネル操作部62において加熱部10のタイマ設定をオンにする入力がされた場合や、携帯端末100から加熱部10のタイマ設定をオンにするタイマ更新指示を受信した場合に、メモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ設定はオンとなる。加熱部10のタイマ設定がオンであると判断される場合(YESの場合)、処理はS114へ進む。加熱部10のタイマ設定がオンではない(加熱部10のタイマ設定がオフである)と判断される場合(NOの場合)、処理はS112を再度実行する。
【0053】
S114では、制御部80は、タイマ86において時間計測を開始する。S114の後、処理はS116へ進む。
【0054】
S116では、制御部80は、タイマ86における計測時間がメモリ82に記憶された加熱部10のタイマ時間に達したか否かを判断する。タイマ86における計測時間がメモリ82に記憶された加熱部10のタイマ時間に達したと判断される場合(YESの場合)、処理はS120へ進む。タイマ86における計測時間がメモリ82に記憶された加熱部10のタイマ時間に達していないと判断される場合(NOの場合)、処理はS118へ進む。
【0055】
S118では、制御部80は、メモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ設定がオフであるか否かを判断する。本実施例の加熱調理器2においては、S114の処理の実行後、S118の処理を実行する前に、パネル操作部44またはパネル操作部62において加熱部10のタイマ設定をオフにする入力がされた場合や、携帯端末100から加熱部10のタイマ設定をオフにするタイマ更新指示を受信した場合に、メモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ設定がオフとなる。加熱部10のタイマ設定がオフである場合(YESの場合)、制御部80はタイマ86における時間計測を中止し、処理はS112に戻る。加熱部10のタイマ設定がオフではない(加熱部10のタイマ設定がオンである)と判断される場合(NOの場合)、処理はS116に戻る。
【0056】
S120では、制御部80は、加熱部10による加熱を終了する。S120の後、
図7の処理は終了する。
【0057】
なお、
図7の処理の実行中であっても、加熱部10の火力操作部(コンロ火力操作部42a、42b、42c、またはグリル火力操作部60)に消火操作がされると、加熱調理器2の制御部80は、加熱部10による加熱を終了するとともに、
図7の処理を終了する。
【0058】
以上のように、実施例1では、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされる場合(
図5のS14からS18のすべてでYESの場合)、携帯端末100を介したタイマ設定の変更およびタイマ時間の変更が許可される。また、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされない場合(
図5のS14からS18のいずれかでNOの場合)、携帯端末100を介したタイマ設定の変更およびタイマ時間の変更が禁止される。ただし、実施例1では、携帯端末100を介してタイマ時間を変更する際には、タイマ時間は、
図6に示す上限タイマ時間テーブル116に基づいて特定される上限タイマ時間を超えない範囲内で変更可能となっている。
【0059】
(実施例2)
本実施例に係る加熱調理システム1は、
図1、
図2、
図3、および
図4に示す、実施例1に係る加熱調理システム1とほぼ同様の構成を備えている。
【0060】
(携帯端末100が実行する処理)
本実施例では、ユーザの操作によって携帯端末100のタッチパネル102に入力画面T4が表示されると、制御部110は、
図5の処理の代わりに
図8の処理を開始する。
【0061】
S50では、制御部110は、実施例1のS10(
図5参照)と同様に、加熱調理器2から加熱部10における加熱状況を取得する。S50の後、処理はS52へ進む。
【0062】
S52では、制御部110は、加熱調理器2から送信された加熱状況に基づいて、加熱部10が加熱実行中であるか否かを判断する。加熱部10が加熱実行中でない(消火されている)と判断される場合(NOの場合)、処理はS50に戻る。加熱部10が加熱実行中であると判断される場合(YESの場合)、処理はS54へ進む。
【0063】
S54では、制御部110は、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されているか否かを判断する。加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されていると判断される場合(YESの場合)、処理はS56へ進む。加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されていないと判断される場合(NOの場合)、処理はS60へ進む。
【0064】
S56では、制御部110は、実施例1のS16(
図5参照)と同様にして、加熱調理器2から送信された検出温度を予め設定された5段階の温度レベルのいずれかに決定する。その後、制御部110は、検出温度の温度レベルが「5」未満であるか否かを判断する。検出温度の温度レベルが「5」未満であると判断される場合(YESの場合)、処理はS58へ進む。検出温度の温度レベルが「5」未満でないと判断される場合(NOの場合)、処理はS60へ進む。
【0065】
S58では、制御部110は、実施例1のS18(
図5参照)と同様にして、加熱調理器2から送信された加熱部10への燃料ガスのガス供給量に基づいて、加熱部10の火力を予め設定された5段階の火力レベルのいずれかに決定する。その後、制御部110は、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるか否かを判断する。加熱部10の火力レベルが「5」未満であると判断された場合(YESの場合)、処理はS62へ進む。加熱部10の火力レベルが「5」未満でないと判断された場合(NOの場合)、処理はS60へ進む。
【0066】
S60では、制御部110は、仮タイマ設定切替部134と仮タイマ時間入力部136を入力許可状態に切り替える。この時、制御部110は、加熱調理器2から受信した加熱部10のタイマ設定がオンの場合であって、現在の仮タイマ設定がオフの場合、すなわちタイマ設定をオンからオフにするための操作が仮タイマ設定切替部134に行われている場合には、確定入力部138を入力禁止状態に切り替える。制御部110は、加熱調理器2から受信した加熱部10のタイマ設定がオフの場合、または現在の仮タイマ設定がオンの場合には、確定入力部138を入力許可状態に切り替える。また、制御部110は、加熱部10の仮タイマ時間が、加熱調理器2から受信した加熱部10のタイマ時間を超えない範囲内で変更可能となるように、すなわちタイマ時間の延長をするための操作を禁止するように、仮タイマ時間入力部136を制御する。S60の後、処理はS64へ進む。
【0067】
S62では、制御部110は、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を入力許可状態に切り替える。S62の後、処理はS64へ進む。
【0068】
S64では、制御部110は、タッチパネル102において、確定入力部138にタッチ操作がされたか否かを判断する。確定入力部138にタッチ操作がされたと判断される場合(YESの場合)、処理はS66へ進む。確定入力部138にタッチ操作がされていないと判断される場合(NOの場合)、処理はS50に戻る。
【0069】
S66では、制御部110は、実施例1のS28(
図5参照)と同様にして、加熱調理器2に対して、メモリ112に記憶されている加熱部10のタイマ設定およびタイマ時間を含むタイマ更新指示を送信する。S66の後、処理はS50に戻る。
【0070】
このように、携帯端末100の制御部110は、タッチパネル102に入力画面T4が表示されている間、S50からS66の各処理を繰り返し実行することで、タイマ設定およびタイマ時間の入力の許否を繰り返し判断している。
【0071】
(加熱調理器2が実行する処理)
本実施例では、加熱調理器2の制御部80は、電源スイッチ40の操作によって加熱調理器2の電源が投入され、加熱部10の火力操作部(コンロ火力操作部42a、42b、42c、またはグリル火力操作部60)に点火操作がされると、実施例1と同様に
図7の処理を開始する。このため、説明を省略する。
【0072】
以上のように、実施例2では、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされない場合(
図8のS54からS58のいずれかでNOの場合)であっても、携帯端末100において、加熱調理器2のメモリ82に記憶されているタイマ設定をオフからオンにする変更およびタイマ時間を短縮する変更については、携帯端末100を介したタイマ時間の変更が許可されている。
【0073】
(変形例)
上記の実施例1および2では、加熱調理器2がガス燃焼式のビルトインコンロである構成について説明した。別の実施例では、加熱調理器2はIH式のビルトインコンロであってもよい。また、加熱調理器2は、レンジ、オーブン等の、ビルトインコンロ以外の加熱調理器であってもよい。
【0074】
上記の実施例1および2では、加熱調理システム1が、加熱調理器2とBT接続を確立可能な1つの携帯端末100を備える構成について説明した。別の実施例では、加熱調理システム1は、加熱調理器2とBT接続を確立可能な複数の携帯端末(例えば、家族のそれぞれが所持する携帯端末等)を備えていてもよい。この場合、各携帯端末は、上記の実施例の携帯端末100と同様に構成されていてもよい。
【0075】
上記の実施例1および2では、加熱調理器2と携帯端末100がBT接続を介して互いに通信可能である構成について説明した。別の実施例では、加熱調理器2と携帯端末100はBT方式とは異なる通信方式に従った近距離無線接続を介して互いに通信可能であってもよい。例えば、BT方式とは異なる通信方式は、Zigbee(登録商標)方式であってもよい。この場合、
図5のS14または
図8のS54において、制御部110は、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続以外の近距離無線接続が確立されているか否かを判断してもよい。
【0076】
上記の実施例1および2では、
図5のS14または
図8のS54において、制御部110が、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続が確立されているか否かを判断する構成について説明した。別の実施例では、
図5のS14または
図8のS54において、制御部110は、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であるか否かを判断してもよい。例えば、制御部110は、加熱調理器2と携帯端末100の間におけるBT通信の電波強度に基づいて、加熱調理器2と携帯端末100の間の距離を計測してもよい。あるいは、制御部110は、GPS(Global Positioning System)等の位置情報取得手段を利用して、携帯端末100の現在位置を所定周期ごとに取得してもよい。あるいは、制御部110は、携帯端末100が利用する基地局の位置情報に基づいて、携帯端末100の現在位置を所定周期ごとに取得してもよい。制御部110が携帯端末100の現在位置を所定周期ごとに取得する場合、制御部110は、携帯端末100の現在位置と加熱調理器2の位置に基づいて、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離を算出してもよい。
【0077】
上記の実施例1および2では、タイマ情報としてタイマ時間が入力等され、制御部80が、タイマ設定がオンの場合に、タイマ86における計測時間がタイマ時間に達したと判断されるタイミングで、加熱部10による加熱を終了するような構成について説明した。別の実施例では、タイマ情報としてタイマ時間の代わりにタイマ時刻が入力等されてもよい。この場合、制御部80は、現在時刻を取得可能に構成されてもよく、タイマ設定がオンの場合に、現在時刻がタイマ時刻になったと判断されるタイミングで、加熱部10による加熱を終了するように構成されていてもよい。この場合、
図5の処理または
図8の処理において、携帯端末100の制御部110は、タイマ時刻の入力に関しても、入力を許可する状態と入力を禁止する状態との間で切り替えてもよい。
図8の処理において、携帯端末100を介した加熱部10のタイマ時刻を前倒しにするような入力は、常時許可されていてもよい。
【0078】
上記の実施例1および2では、携帯端末100が加熱調理器2に対して加熱状況送信指示を送信し、加熱調理器2が加熱状況送信指示に応じて携帯端末100に対して加熱状況を送信する構成について説明した。別の実施例では、携帯端末100は加熱調理器2に対して加熱状況送信指示を送信しなくてもよい。加熱調理器2は所定周期ごとに携帯端末100に対して加熱状況を送信してもよい。
【0079】
上記の実施例1および2では、制御部110が、検出温度を予め設定された5段階の温度レベルのいずれかに決定する構成について説明した。別の実施例では、制御部110は、検出温度を予め設定された6段階以上の温度レベルのいずれかに決定してもよい。さらに別の実施例では、制御部110は、検出温度を予め設定された4段階以下の温度レベルのいずれかに決定してもよい。また、検出温度を各温度レベルに決定する際の温度に係る閾値は、上記の実施例1および2における閾値に限られず、適宜変更されてもよい。
【0080】
上記の実施例1および2では、制御部110が、加熱部10のガス供給量を予め設定された5段階の火力レベルのいずれかに決定する構成について説明した。別の実施例では、制御部110は、加熱部10のガス供給量を予め設定された6段階以上の火力レベルのいずれかに決定してもよい。さらに別の実施例では、制御部110は、加熱部10のガス供給量を予め設定された4段階以下の火力レベルのいずれかに決定してもよい。また、加熱部10のガス供給量を各火力レベルに決定する際のガス供給量に係る閾値は、上記の実施例1および2における閾値に限られず、適宜変更されてもよい。
【0081】
実施例1(または、実施例2)では、
図5のS18(または、
図8のS58)において、制御部110が、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるか否かを判断する構成について説明した。別の実施例では、制御部110は、S16(または、S56)において決定した検出温度の温度レベルに応じて、S18(または、S58)における判断条件を変更してもよい。例えば、制御部110は、検出温度の温度レベルが「4」の場合には、S18(または、S58)において、加熱部10の火力レベルが「4」未満であるか否かを判断してもよい。また、制御部110は、検出温度の温度レベルが「1」の場合には、S18(または、S58)において、加熱部10の火力レベルが「5」であってもYESと判断するように構成されてもよい。
【0082】
上記の実施例1では、制御部110が、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替える構成について説明した。別の実施例では、制御部110は、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を常に入力許可状態としてもよい。この場合、
図5の処理において、制御部110は、仮タイマ設定切替部134と、仮タイマ時間入力部136と、確定入力部138を入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替える代わりに、携帯端末100を加熱調理器2へのタイマ更新指示の送信が許可されるタイマ更新指示許可状態と加熱調理器2へのタイマ更新指示の送信が禁止されるタイマ更新指示禁止状態との間で切り替えてもよい。例えば、携帯端末100がタイマ更新指示禁止状態である場合、制御部110は、
図5のS26において確定入力部138にタッチ操作がされたと判断しても、
図5のS28において、タイマ更新指示を送信しないように構成されていてもよい。
【0083】
上記の実施例2では、制御部110が、確定入力部138を入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替える構成について説明した。別の実施例では、制御部110は、確定入力部138を常に入力許可状態としてもよい。この場合、
図8の処理において、制御部110は、確定入力部138を入力許可状態と入力禁止状態との間で切り替える代わりに、携帯端末100をタイマ更新指示許可状態とタイマ更新指示禁止状態との間で切り替えてもよい。携帯端末100がタイマ更新指示禁止状態である場合、制御部110は、
図8のS64において確定入力部138にタッチ操作がされたと判断しても、
図8のS66において、タイマ更新指示を送信しないように構成されていてもよい。
【0084】
上記の実施例1とは異なり、
図5の処理において、S14が実行される場合、S16やS18は実行されてもよいし、実行されなくてもよい。S16が実行される場合、S14やS18は実行されてもよいし、実行されなくてもよい。S18が実行される場合、S14やS16は実行されてもよいし、実行されなくてもよい。
【0085】
上記の実施例2とは異なり、
図8の処理において、S54が実行される場合、S56やS58は実行されてもよいし、実行されなくてもよい。S56が実行される場合、S54やS58は実行されてもよいし、実行されなくてもよい。S58が実行される場合、S54やS56は実行されてもよいし、実行されなくてもよい。
【0086】
上記の実施例1では、メモリ112には上限タイマ時間テーブル116が記憶されており、制御部110が、上限タイマ時間テーブル116を用いて、検出温度の温度レベルおよび加熱部10の火力レベルに基づいて加熱部10の上限タイマ時間を特定する構成について説明した。別の実施例では、メモリ112には
図9に示す上限タイマ時間テーブル116aが記憶されていてもよく、制御部110は、上限タイマ時間テーブル116aを用いて、検出温度の温度レベルのみに基づいて加熱部10の上限タイマ時間を特定するように構成されていてもよい。
【0087】
あるいは、メモリ112には
図10に示す上限タイマ時間テーブル116bが記憶されていてもよく、制御部110は、上限タイマ時間テーブル116bを用いて、加熱部10の火力レベルのみに基づいて加熱部10の上限タイマ時間を特定するように構成されていてもよい。
【0088】
上記の実施例1および変形例とは異なり、上限タイマ時間テーブル116内の上限タイマ時間の値は、
図6に示す値に限られず、適宜変更されてもよい。上限タイマ時間テーブル116a内の上限タイマ時間の値は、
図9に示す値に限られず、適宜変更されてもよい。上限タイマ時間テーブル116b内の上限タイマ時間の値は、
図10に示す値に限られず、適宜変更されてもよい。
【0089】
(対応関係)
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、加熱調理システム1は、加熱調理器2と、加熱調理器2と通信可能な携帯端末100(端末装置の例)を備える。加熱調理器2は、加熱対象物を加熱する加熱部10と、加熱部10の動作を制御する制御部80を備えている。制御部80は、加熱部10による加熱の実行中、タイマ設定がオンの場合に、タイマ86における計測時間がタイマ時間に達したと判断されるタイミング(または、現在時刻がタイマ時刻になったと判断されるタイミング)(タイマ情報に基づいて特定される停止タイミングの例)が到来した時に、加熱部10による加熱を終了するように構成されている。
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件(所定の許可条件の例)が満たされる場合に、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方(タイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一つの例)の変更が許可される。
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされない場合に、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方の変更(または、タイマ設定のオフおよびタイマ時間の延長)(タイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一つの変更の例)が禁止される。
【0090】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、調理器アプリ114(アプリケーションプログラムの例)は、携帯端末100(端末装置の例)によって実行され、携帯端末100を、加熱調理器2と通信可能であって、
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件(所定の許可条件の例)が満たされる場合に、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方(タイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一つの例)の変更を許可するように構成されており、
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされない場合に、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方の変更(または、タイマ設定のオフおよびタイマ時間の延長)(タイマ設定およびタイマ情報の少なくとも一つの変更の例)を禁止するように構成されている端末装置として機能させる。
【0091】
上記の構成によれば、
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされない場合、携帯端末100を介したタイマ設定やタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方の変更(または、タイマ設定のオフおよびタイマ時間の延長)が禁止される。このため、ユーザが調理の進行状況を把握していない場合や、加熱対象物の過熱に繋がることが想定される場合等には、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の変更が抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性を低減することができる。
【0092】
1つまたはそれ以上の実施形態において、加熱調理システム1は、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されているか否かを判断する(または、BT通信の電波強度から加熱調理器2と携帯端末100の間の距離を計測する、または、GPS等を利用して携帯端末100の現在位置を取得する)(加熱調理器と端末装置の相対的な位置関係に関する情報を取得することの例)制御部110(位置情報取得部の例)をさらに備えている。
図5の処理(または、
図8の処理)において、許可条件は、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されていること(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であること)(端末装置が加熱調理器から所定範囲内に位置することの例)を含む。
【0093】
一般的に、ユーザが加熱調理器2から離れた位置において調理の進行状況を把握することは困難である。このため、携帯端末100が加熱調理器2から離れた位置にある場合に、携帯端末100を介したタイマ設定やタイマ時間(または、タイマ時刻)の変更が許可されると、調理の失敗を招く可能性がある。上記の構成によれば、
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されていない(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値より大きい)(端末装置が加熱調理器から離れた位置にあることの例)場合、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方の変更(または、タイマ設定のオフおよびタイマ時間の延長)が禁止される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0094】
1つまたはそれ以上の実施形態において、加熱調理システム1は、加熱対象物の底の温度(または、グリル庫20内の温度)(加熱対象物に関連する温度の例)を取得する加熱部温度センサ12(温度取得部の例)をさらに備えている。
図5の処理(または、
図8の処理)において、許可条件は、検出温度の温度レベルが「5」未満であること(加熱対象物に関連する温度が所定温度未満であることの例)を含む。
【0095】
加熱対象物の温度が非常に高温である場合、または非常に高温になると予測される場合に、携帯端末100を介したタイマ設定やタイマ時間(または、タイマ時刻)の変更が許可されると、加熱対象物の過熱に繋がり、調理の失敗を招く可能性がある。上記の構成によれば、
図5の処理(または、
図8の処理)において、検出温度の温度レベルが「5」である場合(加熱対象物の温度が非常に高温である場合、または非常に高温になると予測される場合の例)、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方の変更(または、タイマ設定のオフおよびタイマ時間の延長)が禁止される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0096】
1つまたはそれ以上の実施形態において、タイマ情報は、加熱部10による加熱を終了するまでの時間であるタイマ時間を含んでいる。
図5の処理において、携帯端末100を介してタイマ時間を変更する際に、タイマ時間は、
図6の上限タイマ時間テーブル116(または、
図9の上限タイマ時間テーブル116a)上で検出温度の温度レベルに基づいて特定される(加熱対象物に関連する温度に基づいて特定されることの例)上限タイマ時間を超えない範囲で変更可能である。
【0097】
携帯端末100を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がり、調理の失敗を招く可能性がある。特に、加熱対象物の温度が高温である場合、または高温になると予測される場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、
図5の処理において、携帯端末100を介してタイマ時間を変更する際に、検出温度の温度レベルに基づいて上限タイマ時間が設定される。上記の構成によれば、携帯端末100を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることが抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0098】
1つまたはそれ以上の実施形態において、加熱調理システム1は、加熱部10への燃料ガスのガス供給量に基づいて火力レベルの決定を行う制御部110(加熱部の火力を取得する火力取得部の例)をさらに備えている。
図5の処理において、上限タイマ時間は、
図6の上限タイマ時間テーブル116上で加熱部10の火力レベル(加熱部の火力の例)にも基づいて特定される。
【0099】
加熱部10の火力が高火力である場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、
図5の処理において、上限タイマ時間は、検出温度の温度レベルだけでなく、加熱部10の火力レベルにも基づいて特定される。このため、携帯端末100を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることがより適切に抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0100】
1つまたはそれ以上の実施形態において、加熱調理システム1は、加熱部10への燃料ガスのガス供給量に基づいて火力レベルの決定を行う制御部110をさらに備えている。
図5の処理(または、
図8の処理)において、許可条件は、加熱部10の火力レベルが「5」未満であること(加熱部の火力が所定火力未満であることの例)を含む。
【0101】
加熱部10の火力が非常に高火力である場合に、携帯端末100を介したタイマ設定やタイマ時間(または、タイマ時刻)の変更が許可されると、加熱対象物の過熱に繋がり、調理の失敗を招く可能性がある。上記の構成によれば、
図5の処理(または、
図8の処理)において、加熱部10の火力レベルが「5」未満である場合(加熱部の火力が非常に高火力である場合の例)、携帯端末100を介したタイマ設定およびタイマ時間(または、タイマ時刻)の両方の変更(または、タイマ設定のオフおよびタイマ時間の延長)が禁止される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0102】
1つまたはそれ以上の実施形態において、タイマ情報は、加熱部10による加熱を終了するまでの時間であるタイマ時間を含んでいる。
図5の処理において、携帯端末100を介してタイマ時間を変更する際に、タイマ時間は、
図6の上限タイマ時間テーブル116(または、
図10の上限タイマ時間テーブル116b)上で加熱部10の火力レベルに基づいて特定される(加熱部の火力に応じて特定されることの例)上限タイマ時間を超えない範囲で変更可能である。
【0103】
加熱部10の火力が高火力である場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、
図5の処理において、携帯端末100を介してタイマ時間を変更する際に、加熱部10の火力レベルに基づいて上限タイマ時間が設定される。上記の構成によれば、携帯端末100を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることが抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0104】
1つまたはそれ以上の実施形態において、加熱調理システム1は、加熱対象物の底の温度(または、グリル庫20内の温度)を取得する加熱部温度センサ12をさらに備えている。
図5の処理において、上限タイマ時間は、
図6の上限タイマ時間テーブル116上で検出温度の温度レベルにも基づいて特定される。
【0105】
加熱対象物の温度が高温である場合、または高温になると予測される場合、タイマ時間が過剰に延長されると、加熱対象物の過熱に繋がりやすい。上記の構成によれば、
図5の処理において、上限タイマ時間は、加熱部10の火力レベルだけでなく、検出温度の温度レベルにも基づいて特定される。このため、携帯端末100を介したタイマ時間の変更によりタイマ時間が過剰に延長されることがより適切に抑制される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、調理の失敗を招く可能性をさらに低減することができる。
【0106】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図8の処理では、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件が満たされない場合であっても、携帯端末100において、加熱調理器2のメモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ時間を短縮する変更(または、タイマ時刻を前倒しにする変更)(停止タイミングを早めるようなタイマ情報の変更の例)については、携帯端末100を介したタイマ時間の変更が許可されている。
【0107】
加熱調理システム1では、安全性の向上の観点から、加熱調理器2のメモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ時間の短縮(または、タイマ時刻の前倒し)を行いたい場合がある。上記の構成によれば、
図8の処理において、加熱調理器2と携帯端末100の間にBT接続等が確立されており(または、携帯端末100と加熱調理器2の間の距離が所定の閾値以下であり)、検出温度の温度レベルが「5」未満であり、加熱部10の火力レベルが「5」未満であるという条件を満たすか否かに関わらず、加熱調理器2のメモリ82に記憶されている加熱部10のタイマ時間の短縮(または、タイマ時刻の前倒し)が許可される。上記の構成によれば、加熱調理システム1において、安全性を向上することができる。
【0108】
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0109】
1 :加熱調理システム
2 :加熱調理器
4 :本体
4a :前面
6 :天板
8a、8b、8c :五徳
10 :加熱部(コンロバーナ、グリルバーナ)
12 :加熱部温度センサ(コンロ温度センサ、グリル温度センサ)
20 :グリル庫
22 :グリル扉
24 :コンロ操作部
26 :グリル操作部
40 :電源スイッチ
42a、42b、42c :コンロ火力操作部
44 :パネル操作部
46 :コンロ表示部
48a、48b、48c :コンロ設定操作部
60 :グリル火力操作部
62 :パネル操作部
64 :グリル表示部
66 :グリル設定操作部
80 :制御部
82 :メモリ
84 :プログラム
86 :タイマ
100 :携帯端末
102 :タッチパネル
110 :制御部
112 :メモリ
114 :調理器アプリ
116、116a、116b :上限タイマ時間テーブル
132 :タイマ設定選択キー
134 :タイマ設定入力キー
136 :タイマ時間選択キー
138 :タイマ時間入力キー
150 :インターネット
T4 :入力画面