(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072303
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】組立式載置台
(51)【国際特許分類】
A47B 43/02 20060101AFI20230517BHJP
A47F 5/10 20060101ALI20230517BHJP
A47F 5/11 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
A47B43/02
A47F5/10 D
A47F5/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184757
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】591117170
【氏名又は名称】佐竹鉄工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤井 敦士
【テーマコード(参考)】
3B054
3B118
【Fターム(参考)】
3B054BA05
3B054BA10
3B054BA15
3B054BB04
3B054BB09
3B054BB14
3B054BC03
3B054BC09
3B054GA02
3B118AA21
3B118BB04
3B118CA08
3B118CA09
3B118CA12
3B118DA31
3B118GA06
3B118GA27
3B118GA28
3B118GA33
(57)【要約】
【課題】組立式載置台の組み立て、及び分解を簡単に行う。
【解決手段】組立式載置台10は、矩形板状の後壁20と、後壁20の幅方向の両端部において後壁20に連続して設けられた一対の側壁30と、一対の側壁30が互いに離間する方向に移動することを規制する規制部材40と、規制部材40上に載置された棚板50とを備える。後壁20と側壁30の境界部分に、組立式載置台10を折り畳む際に折り曲げる谷折り部11を有するとともに、後壁20の幅方向の中央部に、組立式載置台10を折り畳む際に折り曲げる山折り部12を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形板状の後壁と、
前記後壁の幅方向の両端部において前記後壁に連続して設けられた一対の側壁と、
一対の前記側壁が互いに離間する方向に移動することを規制する規制部材と、
前記規制部材上に載置された棚板とを備える組立式載置台であって、
前記後壁と前記側壁の境界部分に、前記組立式載置台を折り畳む際に折り曲げる谷折り部を有するとともに、
前記後壁の幅方向の中央部に、前記組立式載置台を折り畳む際に折り曲げる山折り部を有することを特徴とする組立式載置台。
【請求項2】
前記規制部材は、帯状部材と、当該帯状部材の両端部に取り付けられた係合部材とを有し、
一対の前記側壁は、前記係合部材が挿通可能な挿通孔を有しており、
前記係合部材が前記挿通孔を挿通した状態で、前記挿通孔の周囲に当接することによって、一対の前記側壁の互いに離間する方向への移動が規制される請求項1に記載の組立式載置台。
【請求項3】
前記棚板の高さが、変更可能に構成されている請求項1又は2に記載の組立式載置台。
【請求項4】
前記後壁と、一対の前記側壁はそれぞれ、前記谷折り部と前記山折り部で折り曲げた際に、互いの位置が重なる貫通孔を有している請求項1~3のいずれか一項に記載の組立式載置台。
【請求項5】
前記棚板の面に沿う方向で、且つ、前記後壁の幅方向に直交する方向を前後方向とし、前後方向における前記棚板の中央部を基準にして、前記後壁側を後方とし、その反対側を前方とした場合、
前記棚板は、後方に貫通孔を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の組立式載置台。
【請求項6】
前記後壁は、下端部に切欠きを有する請求項1~5のいずれか一項に記載の組立式載置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式載置台に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、組立机について記載している。
図9に示すように、組立机70は、一対の脚部本体75と、収納箱80と、一対の天板支持補強板85と、天板90とを備える。組立机70は、段ボール板等の紙素材を型抜きした部材を組み合わせることによって作製されている。
【0003】
図10に示すように、各部材の組み合わせとしては、左右対称の一対の脚部本体75を用いて、これらの脚部本体75の重合部75aを重ね合わせた状態で、収納箱80の連結溝80aに挿入する。また、収納箱80の翼片80bと差込片80cとを、一対の脚部本体75における支持溝75bと仕切溝75cとに差し込む。さらに、脚部本体75の外壁内側に天板90を嵌合させることによって組立机70は組み立てられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の組立机70では、各部材を組み合わせる作業が煩雑であり、組立机70の組み立てや分解を簡単に行うことが難しいという課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための組立式載置台は、矩形板状の後壁と、前記後壁の幅方向の両端部において前記後壁に連続して設けられた一対の側壁と、一対の前記側壁が互いに離間する方向に移動することを規制する規制部材と、前記規制部材上に載置された棚板とを備える組立式載置台であって、前記後壁と前記側壁の境界部分に、前記組立式載置台を折り畳む際に折り曲げる谷折り部を有するとともに、前記後壁の幅方向の中央部に、前記組立式載置台を折り畳む際に折り曲げる山折り部を有することを要旨とする。
【0007】
この構成によれば、棚板と規制部材を取り外した後、後壁と側壁を谷折り部と山折り部で折り曲げることによって、組立式載置台を簡単に分解して折り畳むことができる。また、これらの操作を逆に行うことによって、組立式載置台を簡単に組み立てることができる。
【0008】
上記組立式載置台について、前記規制部材は、帯状部材と、当該帯状部材の両端部に取り付けられた係合部材とを有し、一対の前記側壁は、前記係合部材が挿通可能な挿通孔を有しており、前記係合部材が前記挿通孔を挿通した状態で、前記挿通孔の周囲に当接することによって、前記側壁の互いに離間する方向への移動が規制されることが好ましい。この構成によれば、規制部材の着脱を簡単に行うことができる。
【0009】
上記組立式載置台について、前記棚板の高さが、変更可能に構成されていることが好ましい。この構成によれば、目的に応じて棚板の高さを変更することができるため、利便性が向上する。
【0010】
上記組立式載置台について、前記後壁と一対の前記側壁はそれぞれ、前記谷折り部と前記山折り部で折り曲げた際に、互いの位置が重なる貫通孔を有していることが好ましい。この構成によれば、後壁と側壁を折り曲げた状態で、貫通孔の周囲を把持部として利用することができる。
【0011】
上記組立式載置台について、前記棚板の面に沿う方向で、且つ、前記後壁の幅方向に直交する方向を前後方向とし、前後方向における前記棚板の中央部を基準にして、前記後壁側を後方とし、その反対側を前方とした場合、前記棚板は、後方に貫通孔を有することが好ましい。この構成によれば、貫通孔の周囲を把持部として利用することができる。
【0012】
上記組立式載置台について、前記後壁は、下端部に切欠きを有することが好ましい。この構成によれば、組立式載置台を机として使用した際に、利用者の脚部を延ばす空間を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の組立式載置台によれば、組立式載置台の組み立て、及び分解を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図5】後壁と側壁を、谷折り部と山折り部で途中まで折り曲げた状態の斜視図である。
【
図6】後壁と側壁を、谷折り部と山折り部で折り曲げ、さらに棚板を重ね合わせた状態の斜視図である。
【
図8】規制部材の係合機構を示す別の模式図である。
【
図10】従来技術の組立机を組み立てる途中の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
組立式載置台の実施形態を説明する。
図1、2に示すように、組立式載置台10は、矩形板状の後壁20と、後壁20の幅方向の両端部において後壁20に連続して設けられた一対の側壁30とを備える。また、一対の側壁30が互いに離間する方向に移動することを規制する規制部材40と、規制部材40上に載置された棚板50とを備える。
【0016】
組立式載置台10は、後壁20と側壁30の境界部分に、組立式載置台10を折り畳む際に折り曲げる谷折り部11を有するとともに、後壁20の幅方向の中央部に、組立式載置台10を折り畳む際に折り曲げる山折り部12を有する。
【0017】
図1に示すように、以下の説明では、後壁20の幅方向を左右方向とし、後壁20の厚さ方向と幅方向の両方に直交する方向を上下方向とする。また、後壁20の厚さ方向を前後方向とし、
図1の手前側を前方、その逆を後方とする。
【0018】
また、
図3に示すように、後壁20と側壁30を展開した状態では、後壁20の左右方向と、側壁30の幅方向とが等しいものとする。
組立式載置台10を構成する各部材について説明する。
【0019】
<後壁20>
図3に示すように、後壁20は矩形板状である。後壁20の左右方向の両端部に、一対の側壁30が後壁20と一体になって後壁20に連続して設けられている。後壁20は、左右方向の中央部に山折り部12を有する。また、後壁20と側壁30との境界部分に一対の谷折り部11を有する。山折り部12と谷折り部11は、後壁20の上下方向に沿って延びている。
【0020】
なお、
図3は、後壁20を前方側から見た図であり、山折り部12とは、
図3の紙面に対して手前側に凸となるよう折り曲げる箇所を意味するものとする。また、谷折り部11とは、
図3の紙面に対して奥側に凸となるよう折り曲げる箇所を意味するものとする。山折り部は、奥側に凸となるようには折り曲げることができず、谷折り部は、手前側に凸となるようには折り曲げることができないように構成されている。
【0021】
後壁20の左右方向の長さM1は、側壁30の左右方向の長さM2の2倍よりも短い。言い換えれば、左右方向において、左右の谷折り部11のそれぞれから、山折り部12までの長さm1は、側壁30の左右方向の長さM2よりも短い。
【0022】
後壁20は、上下方向の中央部で、且つ、一対の谷折り部11に近接した位置に、一対の貫通孔21を有する。一対の貫通孔21は、上下方向に沿って延びており、同じ形状を有している。
【0023】
貫通孔21の上下方向の長さL1は、特に制限されないが、5cm以上であることが好ましく、7cm以上であることがより好ましく、10cm以上であることがさらに好ましい。また、20cm以下であることが好ましく、17cm以下であることがより好ましく、15cm以下であることがさらに好ましい。
【0024】
貫通孔21の左右方向の長さL2は、特に制限されないが、1cm以上であることが好ましく、2cm以上であることがより好ましい。また、7cm以下であることが好ましく、5cm以下であることがより好ましい。
【0025】
左右方向における貫通孔21と谷折り部11との間隔L3は、特に制限されないが、1cm以上であることが好ましく、3cm以上であることがより好ましい。また、10cm以下であることが好ましく、5cm以下であることがより好ましい。
【0026】
後述のように、貫通孔21の周囲は、後壁20と側壁30を山折り部12と谷折り部11で折り曲げた状態で、把持部として機能する。貫通孔21の長さL1、L2、及び谷折り部11との間隔L3が上記数値範囲であることにより、組立式載置台10を分解して折り畳んだ際に、把持部を把持しやすくなる。
【0027】
図3に示すように、後壁20は、左右方向の中央部で、且つ、上下方向の下端部に切欠き22を有する。切欠き22は、上方に向かって一定の間隔で延びる平行部22aと、平行部22aから上方に凸となる半円形部22bとを有する。
【0028】
<側壁30>
図3に示すように、側壁30は矩形板状である。側壁30は、上下方向の中央部で、且つ、左右方向において谷折り部11に近接した位置に、貫通孔31を有する。この貫通孔31は、上下方向に沿って延びており、後壁20の貫通孔21と同じ形状を有している。
【0029】
左右方向における貫通孔31と谷折り部11との間隔L4は、後壁20の貫通孔21における谷折り部11との間隔L3と等しい。そのため、側壁30の貫通孔31と後壁20の貫通孔21とは、谷折り部11に対して線対称となっている。側壁30と後壁20を谷折り部11で折り曲げた際に、両貫通孔21、31は互いの位置が重なる。さらに、後壁20を山折り部12で折り曲げた際に、一対の側壁30の貫通孔31と、後壁20の一対の貫通孔21は、互いの位置が重なる。
【0030】
側壁30は、上下方向における中央部よりも上方側に、挿通孔32を有する。挿通孔32は左右方向に沿って延びている。また、挿通孔32は、左右方向に所定の間隔をおいて一対設けられている。この一対の挿通孔32が、上下方向に所定の間隔をおいて、もう一対設けられている。そのため、側壁30には、挿通孔32が二対、合計4つ設けられており、それぞれ同じ形状を有している。
【0031】
挿通孔32の左右方向の長さT1は、特に制限されないが、2cm以上であることが好ましく、5cm以上であることがより好ましく、7cm以上であることがさらに好ましい。また、20cm以下であることが好ましく、15cm以下であることがより好ましく、10cm以下であることがさらに好ましい。
【0032】
挿通孔32の上下方向の長さT2は、特に制限されないが、0.5cm以上であることが好ましく、1cm以上であることがより好ましい。また、5cm以下であることが好ましく、3cm以下であることがより好ましい。
【0033】
左右方向における一対の挿通孔32同士の間隔T3は、特に制限されないが、15cm以上であることが好ましく、20cm以上であることがより好ましい。また、30cm以下であることが好ましく、25cm以下であることがより好ましい。
【0034】
図3に示すように、二対の挿通孔32のうち、上下方向の下方側に位置する一対の挿通孔32における上縁部の位置P1は、側壁30の貫通孔31における上縁部の位置P2と同等かそれよりも上方に位置することが好ましい。
【0035】
後述のように、挿通孔32には規制部材40の係合部材42が挿通される。また、規制部材40の帯状部材41上に棚板50が載置される。そのため、一対の挿通孔32における上縁部の位置P1が、側壁30の貫通孔31における上縁部の位置P2と同等かそれよりも上方に位置することにより、棚板50を載置した際に、側壁30と後壁20の貫通孔31、21を棚板50で隠すことができる。そのため、上記の同等の位置とは、一対の挿通孔32における上縁部の位置P1が、側壁30の貫通孔31における上縁部の位置P2に対して、棚板50の厚さよりも小さい距離だけ下方である位置を意味するものとする。
【0036】
また、挿通孔32が、上下方向に所定の間隔をおいて設けられていることにより、係合部材42を取り付ける位置を、上下方向で調節することができる。これにより、棚板50の高さは変更可能となる。
【0037】
<規制部材40>
図2に示すように、規制部材40は、帯状部材41と、当該帯状部材41の両端部に取り付けられた係合部材42とを有する。
【0038】
(帯状部材41)
帯状部材41としては、特に制限されず、公知の帯状部材41を用いることができる。公知の帯状部材41としては、例えば樹脂繊維製のベルトが挙げられる。帯状部材41は、樹脂繊維製のベルト以外に、高分子、ゴム、紙、金属等で作製されたベルトであってもよい。
【0039】
帯状部材41は、断面形状の大きさが側壁30の挿通孔32よりも小さく構成されている。そして、側壁30の挿通孔32を挿通することができるように構成されている。両端部に係合部材42が取り付けられた状態で、係合部材42間の帯状部材41の長さS1は、後壁20の左右方向の長さM1に略等しく構成されている。
【0040】
(係合部材42)
係合部材42としては、特に制限されず、上記の帯状部材41の両端部に取り付けることができるとともに、側壁30の挿通孔32を挿通させた後、挿通孔32の周囲に当接することができる部材を採用することができる。
【0041】
係合部材42の具体例としては、例えば、プラスチックアジャスターを挙げることができる。係合部材42は、プラスチックアジャスター以外に、金属製や紙製のアジャスターであってもよい。また、扁平形状の板材であってもよい。
【0042】
係合部材42がプラスチックアジャスターであると、帯状部材41の両端部に取り付けることが容易になる。また、金属製のアジャスターに比べて、軽量化することが可能になる。
【0043】
図2では、係合部材42間の帯状部材41の長さS1が一定となるように帯状部材41の両端部にプラスチックアジャスターが取り付けられている。すなわち、係合部材42間の帯状部材41の長さS1は固定されている。帯状部材41に対するプラスチックアジャスターの取り付け位置は調節可能であってもよい。すなわち、係合部材42間の帯状部材41の長さS1が調整可能であってもよい。
【0044】
係合部材42は、所定の方向において側壁30の挿通孔32よりも小さな形状を有し、別の所定の方向において側壁30の挿通孔32よりも大きな形状を有していることが好ましい。
【0045】
図7に示すように、例えば、係合部材42としてのプラスチックアジャスターの側面Aの形状は、挿通孔32よりも小さく構成されている。そのため、側面Aに対向する方向において、プラスチックアジャスターは挿通孔32を挿通可能となる。
【0046】
図8に示すように、プラスチックアジャスターの正面Bの形状は、挿通孔32よりも大きく構成されている。そのため、正面Bに対向する方向において、プラスチックアジャスターは挿通孔32を挿通せず、挿通孔32の周囲に当接する。
【0047】
<棚板50>
図4に示すように、棚板50は矩形板状である。棚板50は、左右方向の中央部で、且つ前後方向の後方に、貫通孔51を有している。言い換えれば、前後方向における棚板50の中央部を基準にして、後方側に貫通孔51を有している。この貫通孔51は、左右方向に沿って延びており、後壁20の貫通孔21と同じ形状を有している。
【0048】
棚板50は、前方に切欠き52を有している。この切欠き52は、前後方向の前方から後方に向かうとともに左右方向の内側に湾曲する一対の湾曲部52aと、一対の湾曲部52a同士を繋いで直線状に延びる直線部52bとを有する。
【0049】
図4に示すように、棚板50の左右方向の長さU1は、後壁20の左右方向の長さM1に略等しい。すなわち、棚板50の左右方向の長さU1は、係合部材42間の帯状部材41の長さS1と略等しく構成されている。また、棚板50の前後方向の長さU2は、側壁30の左右方向の長さM2(
図3参照)に略等しい。
【0050】
また、棚板50の後方側の端部から貫通孔51までの間隔U3は、後壁20の貫通孔21と谷折り部11との間隔L3、及び、側壁30の貫通孔31と谷折り部11との間隔L4と略等しくなっている。
【0051】
<後壁20、側板30、及び棚板50の材質>
後壁20、側壁30、及び棚板50の材質は特に制限されず、公知の組立式載置台に用いられる材質を適宜選択することができる。公知の組立式載置台に用いられる材質としては、例えば、紙、木材、樹脂、金属等が挙げられる。また、複数の材質からなる複合材料であってもよい。また、上記紙としては、段ボール材であることが好ましい。段ボール材であると、軽量化することができるとともに、強度を確保しやすくなる。また、比較的安価で入手することができる。
【0052】
<組立式載置台10の組み立て手順、及び分解手順>
(組立式載置台10の組み立て手順)
図5に示すように、まず、折り畳まれた状態の後壁20と側壁30を、山折り部12と谷折り部11を起点にして押し広げる。
【0053】
図2に示すように、山折り部12が折り曲げられてなく、後壁20が平板状となるように押し広げる。また、谷折り部11が約90度折り曲げられた状態となるように押し広げる。
【0054】
次に、一対の規制部材40を、一対の側壁30に取り付ける。
図7に示すように、まず、規制部材40における係合部材42としてのプラスチックアジャスターを、一対の側壁30における左右方向の内側から、側壁30の挿通孔32に挿通させる。この際、プラスチックアジャスターの側面Aに対向する方向が挿入方向(矢印参照)に沿うようにする。
【0055】
図8に示すように、プラスチックアジャスターが挿通孔32を挿通した後、プラスチックアジャスターの向きを変えて、プラスチックアジャスターの正面Bが側壁30に対して平行になるようにする。プラスチックアジャスターの正面Bが側壁30に対して平行になることにより、プラスチックアジャスターが挿入方向とは反対方向(矢印参照)に移動した際に、挿通孔32の周囲に当接する。言い換えれば、プラスチックアジャスターは、挿通孔32の周囲に係合した状態となる。プラスチックアジャスターが、挿通孔32の周囲に係合することにより、一対の側壁30が互いに離間する方向に移動することが規制される。ここで、一対の側壁30が互いに離間する方向に移動するとは、
図2に示すように、一対の側壁30の前方側が、谷折り部11を起点にして左右方向の外側に回動することを意味するものとする。
【0056】
また、係合部材42間の帯状部材41の長さS1が、後壁20の左右方向の長さM1に略等しいことにより、一対の側壁30の間において、一対の帯状部材41は、左右方向に沿って直線状に延びた状態となる。
【0057】
次に、一対の帯状部材41上に、棚板50を載置する。棚板50の左右方向の長さU1と、後壁20の左右方向の長さM1と、係合部材42間の帯状部材41の長さS1とが略等しいことにより、一対の側壁30の移動が規制される。具体的には、一対の側壁30の前方側が、谷折り部11を起点にして左右方向の外側と内側の両方に回動することが規制される。また、後壁20の山折り部12が折れ曲がることも規制される。さらに、一対の側壁30の移動が規制されることによって、一対の帯状部材41の上に載置された棚板50が安定した状態となる。以上の手順によって組立式載置台10は組み立てられる。
【0058】
(組立式載置台10の分解手順)
組立式載置台10を分解する際は、上記の組立式載置台10の組み立て手順を逆の順番で行う。
【0059】
図6に示すように、後壁20と側壁30を、谷折り部11と山折り部12で折り曲げると、一対の側壁30の貫通孔31と、後壁20の一対の貫通孔21は、互いの位置が重なる。さらに、側壁30に隣接して棚板50を配置すると、棚板50の貫通孔51の位置も重なる。そのため、組立式載置台10の使用者は、これらの貫通孔21、31、51の周囲を把持部として利用することができる。具体的には、これらの貫通孔21、31、51に指を挿入し、貫通孔21、31の周囲に位置する谷折り部11と、同じく貫通孔51の周囲に位置する棚板50の後方側の端部とを一緒に把持して持ち運ぶことができる。
【0060】
さらに、一対の規制部材40を、
図6の後壁20、側壁30、及び棚板50の周囲に巻き付けて固定してもよい。その際、規制部材40の長さが足りない場合は、係合部材42であるプラスチックアジャスター同士を面ファスナー43で繋いでもよい。これにより、組立式載置台10を構成する各部材を一式で持ち運ぶことが可能になる。
【0061】
<組立式載置台10の用途>
組立式載置台10の用途は特に制限されない。棚として使用してもよいし、作業台として使用してもよい。また、仕事用や勉強用の机として使用してもよい。椅子、ベッド、食卓、トイレ等に使用してもよい。特に、組立式載置台10が、段ボール材等の比較的安価な材質で構成されている場合は、簡易用として使用することができる。災害時に避難場所等で使用することもできる。
【0062】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)本実施形態の組立式載置台10は、後壁20と、後壁20の幅方向の両端部において後壁20に連続して設けられた一対の側壁30とを備える。また、一対の側壁30が互いに離間する方向に移動することを規制する規制部材40と、規制部材40上に載置された棚板50とを備える。また、後壁20と側壁30の境界部分に、組立式載置台10を折り畳む際に折り曲げる谷折り部11を有するとともに、後壁20の幅方向の中央部に、組立式載置台10を折り畳む際に折り曲げる山折り部12を有する。
【0063】
組立式載置台10を構成する部材数が相対的に少なくなっている。また、棚板50と規制部材40を取り外した後、後壁20と側壁30を谷折り部11と山折り部12で折り曲げることによって、組立式載置台10を分解して折り畳むことができる。また、これらの操作を逆に行うことによって、組立式載置台10を組み立てることができる。したがって、組立式載置台10の組み立て、及び分解を簡単に行うことができる。
【0064】
(2)組立式載置台10を分解して折り畳むことができるため、未使用時の保管用のスペースをより小さくすることができる。
(3)規制部材40が、側壁30の互いに離間する方向への移動を規制することによって、組立式載置台10を組み立てた際に、組立式載置台10の形状を安定した状態で維持しやすくなる。
【0065】
(4)プラスチックアジャスターが側壁30の挿通孔32を挿通した後、挿通孔32の周囲に当接することによって、側壁30の互いに離間する方向への移動が規制される。したがって、組立式載置台10の組み立て時、もしくは分解時に、プラスチックアジャスターの着脱を簡単に行うことができる。さらに、帯状部材41の長さの調節が容易になる。
【0066】
(5)規制部材40が帯状部材41を有する。帯状部材41を有することにより、棚板50をより安定した状態で載置することができる。
(6)側壁30の挿通孔32が、上下方向に所定の間隔をおいて設けられている。側壁30に対する規制部材40の位置を上下方向で調節することができる。規制部材40の位置を上下方向で調節することにより、規制部材40上に載置される棚板50の高さを変更することができる。目的に応じて棚板50の高さを変更することができるため、利便性が向上する。
【0067】
(7)後壁20と一対の側壁30はそれぞれ、谷折り部11と山折り部12で折り曲げた際に、貫通孔21、31の位置が重なる。したがって、これらの貫通孔21、31の周囲を把持部として利用することができる。さらに、折り畳んだ状態の側壁30に隣接して棚板50を配置すると、棚板50の貫通孔51も重なった状態となる。そのため、棚板50の貫通孔51の周囲も把持部として利用し、後壁20と側壁30と棚板50を一緒に持ち運ぶことができる。
【0068】
(8)組立式載置台10を仕事用や勉強用の机として使用した場合、棚板50の貫通孔51は、棚板50上に載置されたコンピューターや照明器具等の配線を通す開口として利用することができる。
【0069】
(9)組立式載置台10を仕事用や勉強用の机として使用した場合、棚板50よりも上方に位置する側壁30や後壁20は、仕切り壁として利用することができる。また、後壁20の下端部に切欠き22を有することによって、使用者が脚部を伸ばした際に、脚部が後壁20に干渉することを抑制することができる。
【0070】
(10)棚板50の前方に切欠き52を有することにより、使用者は、棚板50の後方まで手が届きやすくなる。そのため、棚板50をより広範囲に亘って使用しやすくなる。また、組立式載置台10を仕事用や勉強用の机として使用した場合、使用者は、仕切り壁との距離が近い状態で着席することができる。そのため、使用者の集中度を高めることができる。
【0071】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0072】
・本実施形態では、組立式載置台10が組み立てられた状態で、側壁30と後壁20の間の谷折り部11は、約90度に折り曲げられていたが、この態様に制限されない。側壁30と後壁20の間の谷折り部11は、90度より大きく折り曲げられていてもよいし、90度より小さく折り曲げられていてもよい。
【0073】
・本実施形態において、側壁30には、左右方向に所定の間隔をおいて一対の挿通孔32が設けられ、この一対の挿通孔32が、上下方向に所定の間隔をおいて、もう一対設けられていたが、この態様に限定されない。挿通孔32は、左右方向において一つのみであってもよいし、三つ以上設けられていてもよい。また、上下方向において他の挿通孔32が設けられていなくてもよいし、上下方向に所定の間隔をおいて、三つ以上設けられていてもよい。
【0074】
・側壁30は、挿通孔32を有していなくてもよい。例えば、側壁30の内側に凸部を設け、この凸部に規制部材40の係合部材42が係合することによって、一対の側壁30が互いに離間する方向に移動することが規制されていてもよい。
【0075】
・棚板50の数は、一枚に限定されず、上下方向の異なる位置に、二枚以上載置されていてもよい。棚板50も折り畳むことができるように構成されていてもよい。
・本実施形態において、規制部材40は、帯状部材41と、帯状部材41の両端部に取り付けられた係合部材42とを有していたが、この態様に限定されない。長尺状であり、且つ両端部に係合部材42を取り付けることができれば、帯状部材41に代えて、紐状部材、鎖状部材、棒状部材、板状部材等であってもよい。また、係合部材42を取り付ける方法としては、接着、ネジ止め、溶接等であってもよい。
【0076】
・本実施形態において、後壁20の山折り部12は、後壁20の左右方向の中央部に設けられていたが、この態様に限定されない。後壁20を側壁30とともに好適に折り畳むことができる範囲において、後壁20の山折り部12は、後壁20の左右方向の中央部から左右方向のいずれか一方にずれた位置であってもよい。
【0077】
・側壁30における後壁20に連続していない角部は、面取りされていてもよい。同様に、棚板50の角部は、面取りされていてもよい。すなわち、本実施形態において、「矩形板状」には、角部が面取りされていたり、一部に切欠きが設けられていたりする形状を含むものとする。
【0078】
・後壁20の下端部の切欠き22は省略されていてもよい。同様に、棚板50の前方の切欠き52は省略されていてもよい。また、棚板50の前方側が、前方に向かって突出した形状を有していてもよい。
【0079】
・本実施形態において、後壁20の貫通孔21、側壁30の貫通孔31、及び棚板50の貫通孔51の少なくともいずれかは、省略されていてもよい。
・本実施形態において、一対の側壁30は、後壁20と一体になって設けられていたが、この態様に限定されない。一対の側壁30は、後壁20とは別体で構成され、後壁20に接続されて後壁20に連続していてもよい。例えば、ヒンジを介して接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10…組立式載置台、11…谷折り部、12…山折り部、20…後壁、30…側壁、40…規制部材、50…棚板。