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特開2023-72324プレス加工装置及びプレス加工システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072324
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】プレス加工装置及びプレス加工システム
(51)【国際特許分類】
   B30B 15/00 20060101AFI20230517BHJP
   B30B 15/02 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
B30B15/00 D
B30B15/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184788
(22)【出願日】2021-11-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】521451916
【氏名又は名称】タジマ機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】松川 新一
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 潤一
【テーマコード(参考)】
4E088
【Fターム(参考)】
4E088LL01
(57)【要約】
【課題】ワークの検出に必要な構成を簡素化することができ、かつ、金型内へのワークの設置の誤検出を低減することが可能なプレス加工装置、金型セット及びプレス加工システムを提供する。
【解決手段】プレス加工装置は、複数の金型3を有する金型セット2が載置されるプレス加工装置であって、複数の金型3は、金型セット2において幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワーク50が設置可能で、ワーク50は、複数の金型3のそれぞれにおいて幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、プレス加工装置は、複数の金型3のそれぞれに設けられたピン25によって押圧されたとき複数の金型側とは反対側に動作する1枚の板部31と、板部31の動作を検出するリミットスイッチ32と、リミットスイッチ32による検出結果に基づいて、金型セット2を駆動させる制御部とを備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金型を有する金型セットが載置されるプレス加工装置であって、
前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、
前記プレス加工装置は、
前記複数の金型のそれぞれに設けられたピンによって押圧されたとき前記複数の金型側とは反対側に動作する1枚の板部と、
前記板部の動作を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部と、
を備えるプレス加工装置。
【請求項2】
前記板部は、前記金型セットの背面側に設置され、板面が前記幅方向に対して平行となるように立設されている請求項1に記載のプレス加工装置。
【請求項3】
前記ピンは、前記金型セットに設置され、前記奥行き方向に沿って移動可能であり、一端側が前記複数の金型に挿入される前記ワーク側に位置し、他端側が前記板部側に位置する請求項1又は2に記載のプレス加工装置。
【請求項4】
前記金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出するフットスイッチと、
前記検出部による検出と、前記フットスイッチによる検出を切り換える切換部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記検出部による検出に切り換えられたとき、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させ、前記フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる請求項1から3のいずれか1項に記載のプレス加工装置。
【請求項5】
複数の金型を有し、プレス加工装置に載置される金型セットであって、
前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、
前記プレス加工装置は、
1枚の板部と、
前記板部の動作を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部と、
を有し、
前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを備える金型セット。
【請求項6】
複数の金型を有する金型セットと、前記金型セットが載置されるプレス加工装置と、を備えるプレス加工システムであって、
前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、
前記プレス加工装置は、
1枚の板部と、
前記板部の動作を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部と、
を有し、
前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを有するプレス加工システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス加工装置、金型セット及びプレス加工システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルミサッシなどの製品を構成するための棒状の枠材(縦枠又は横枠)を製造する際、枠材に貫通穴や切り欠きを設けるため、押出し成形品に対してプレス加工装置によってプレス加工が行われる。これにより、枠材の端部や中間部において、貫通穴や切り欠きが設けられる。貫通孔や切り欠きによって、枠材同士を組み合わせたり、アルミサッシなどの製品を建築物などに取り付けたりすることができる。
【0003】
下記の特許文献1には、1台のプレス加工機に複数の金型を装着しておき、スライド下降ごとにワークをセットする金型を変えて、順番にワークをプレス加工する技術が開示されている。このプレス加工機は、特にプレス加工の種類が多いアルミサッシの製造に適している。すなわち、1台のプレス加工機に一つの金型のみを常設した場合と異なり、プレス加工機の台数を低減できる。また、プレス加工機の台数を減らして、金型を都度交換する場合と比べて、金型を交換する作業を低減でき、作業効率が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3939074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プレス加工装置において、被加工対象であるワークに対するプレス加工の動作が開始されるタイミングは、作業者(ユーザー)によるフットスイッチの踏み込み等の人の操作による場合や、金型内の所定位置に設置されたワークがセンサーによって検出されたことによる自動的な動作の場合がある。
【0006】
金型内の所定位置にワークが設置されたことによって、プレス加工装置が自動的に動作してプレス加工が行われる場合、フットスイッチの踏み込みによる作業者の操作が不要になるため、作業労力が低減される。
【0007】
他方、従来、1台のプレス加工装置に複数の金型が載置される場合、所定位置に設置されたワークを検出するため、金型の数に対応した数のセンサーが金型セットに設置されていた。そして、センサーの設置位置は、金型に設置されるワークの位置に応じて異なることから、すべてのセンサーは金型との組み合わせで設置位置が固定されている。
【0008】
プレス加工装置は、金型セットが交換可能であり、ワークの位置が金型セットの交換によって変化することから、各センサーは、プレス加工装置の本体側に設置することができず、金型セット側に設置されている。また、金型の数に応じたセンサーの数が必要とされる。その結果、センサーや配線される電気ケーブルの数が多くなり、金型セットの費用が上昇する。
【0009】
また、金型セットの各センサーは、プレス加工装置の制御盤と電気ケーブルで接続される。そのため、プレス加工装置において金型セットを交換する際に、全てのセンサーについて電気ケーブルの接続作業が必要となるため、配線作業の手間や時間がかかるという問題がある。さらに、金型セットの交換時において、金型セットを正面側に引き抜く際、電気ケーブルの取り外しを忘れてしまうと、電気ケーブルが断線するおそれがある。またさらに、電気ケーブルの数が多く長さも長いことから、作業者は、プレス加工時などにおいて、露出した電気ケーブルを切断しないように細心の注意を払う必要がある。
【0010】
さらに、従来のプレス加工装置では、各センサーにおいて、ワーク又はロッドが検出板に電気的に接触したことで、ワークが金型内の所定位置に設置されたことが検出されている。しかし、プレス加工によって生じた金属製の切粉が金型内の検出板に付着するため、切粉が付着した状態でワークが挿入されると、ワークの所定の設置位置よりも手前でワークが検出されてしまう。その結果、形成される貫通孔や切り欠きの位置について寸法誤差が生じるという問題がある。
【0011】
上記の特許文献1で開示されているように、ワークではなく、ロッドによって電気的な接触を検出する場合でも、プレス加工装置内では、切粉が舞ったり、金型の動作のための潤滑油が噴霧されたりするため、検出板に切粉が付着する可能性が依然として残っている。そのため、作業者は、都度エアブローなどで検出板に付着した切粉を除去する必要があり、プレス加工において切粉の除去作業に時間や手間がかかるという問題がある。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ワークの検出に必要な構成を簡素化することができ、かつ、金型内へのワークの設置の誤検出を低減することが可能なプレス加工装置、金型セット及びプレス加工システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のプレス加工装置、金型セット及びプレス加工システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るプレス加工装置は、複数の金型を有する金型セットが載置されるプレス加工装置であって、前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、前記プレス加工装置は、前記複数の金型のそれぞれに設けられたピンによって押圧されたとき前記複数の金型側とは反対側に動作する1枚の板部と、前記板部の動作を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部とを備える。
【0014】
この構成によれば、プレス加工装置には、複数の金型を有する金型セットが載置可能であり、金型セットにおいて、複数の金型が幅方向に並列に設けられ、複数の金型のそれぞれで被加工対象となるワークが設置可能である。ワークは、複数の金型のそれぞれにおいて幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能である。プレス加工装置は、1枚の板部と、検出部と、制御部と、を備える。また、金型セットには、複数の金型のそれぞれにピンが設けられる。プレス加工装置の板部は、金型セットのピンによって押圧されたとき複数の金型側とは反対側に動作する。
【0015】
例えば、ワークが金型に挿入されて、ワークが金型セットのピンを移動したとき、ピンが板部を押圧し、その結果、板部が複数の金型側とは反対側に動作する。検出部によって板部の動作が検出される。制御部は、検出部による検出結果に基づいて、金型セットを駆動させる。これにより、ワークを加工する際、ユーザーがフットスイッチなどによる操作を行わずに、ワークを金型に挿入する動作によって、金型セットを駆動させることができる。また、1枚の板部は、複数の金型のそれぞれに設けられたピンによって動作可能であり、検出部が板部の動作を検出することから、金型へのワークの挿入を検出するために金型ごとにセンサーを設ける必要がなく、センサーや配線される電気ケーブルの数を低減させることができる。また、露出した電気ケーブルを切断するおそれも削減される。
【0016】
上記発明において、前記板部は、前記金型セットの背面側に設置され、板面が前記幅方向に対して平行となるように立設されてもよい。
【0017】
この構成によれば、金型セットの背面側に1枚の板部が設置され、板部は、板面が幅方向に対して平行となるように立設されていることから、板面においてピンが板部を押圧する。また、ピンの位置に関わらず、板部は、同じように動作可能である。
【0018】
上記発明において、前記ピンは、前記金型セットに設置され、前記奥行き方向に沿って移動可能であり、一端側が前記複数の金型に挿入される前記ワーク側に位置し、他端側が前記板部側に位置してもよい。
【0019】
この構成によれば、金型セットにピンが設置され、ピンは、奥行き方向に沿って移動可能である。ピンの一端側は、複数の金型に挿入されるワーク側に位置し、ピンの他端側は、板部側に位置する。これにより、ワークが金型に挿入されると、ワークがピンの一端側に当接し、金型セットに設置されたピンが奥行方向に沿って移動する。次に、ピンの他端側が板部の板面に当接して板部を押圧し、その結果、板部が複数の金型側とは反対側に動作する。
【0020】
上記発明において、前記金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出するフットスイッチと、前記検出部による検出と、前記フットスイッチによる検出を切り換える切換部とを更に備えてもよく、前記制御部は、前記検出部による検出に切り換えられたとき、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させ、前記フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる。
【0021】
この構成によれば、プレス加工装置は、フットスイッチと、切換部と、を更に備え、フットスイッチは、金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出し、切換部は、検出部による検出と、フットスイッチによる検出を切り換える。制御部は、検出部による検出に切り換えられたとき、検出部による検出結果に基づいて、金型セットを駆動させ、フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、フットスイッチによる検出結果に基づいて、金型セットを駆動させる。これにより、ワークを加工する際、ワークを金型に挿入する動作で金型セットを駆動させることができるだけでなく、ユーザーがフットスイッチによる操作を行って金型セットを駆動させることもできる。
【0022】
本発明に係る金型セットは、複数の金型を有し、プレス加工装置に載置される金型セットであって、前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、前記プレス加工装置は、1枚の板部と、前記板部の動作を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部とを有し、前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを備える。
【0023】
本発明に係るプレス加工システムは、複数の金型を有する金型セットと、前記金型セットが載置されるプレス加工装置と、を備えるプレス加工システムであって、前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、前記プレス加工装置は、1枚の板部と、前記板部の動作を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部とを有し、前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ワークの検出に必要な構成を簡素化することができ、かつ、金型内へのワークの設置の誤検出を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るプレス加工システムを示す正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るプレス加工装置を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る金型セットを示す正面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る金型セット及びワーク検出スイッチを示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るワーク検出スイッチを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の一実施形態に係るプレス加工システム10について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るプレス加工システム10は、図1に示すように、プレス加工装置1と、金型セット2を備える。金型セット2は、複数の金型3を有し、プレス加工装置1に対して取り付けたり、取り外したりすることができ、形成しようとする貫通孔や切り欠きのサイズや位置、及び、ワーク50の形状に応じて交換される。
【0027】
プレス加工システム10は、例えば、アルミサッシなどの製品を構成する棒状の枠材(縦枠又は横枠)を製造する際、枠材となる押出し成形品(ワーク50)に対してプレス加工を行って、ワーク50に貫通穴や切り欠きを設ける。1台のプレス加工装置1に対して、複数の金型3を有する金型セット2を載せておき、作業者は、プレス加工の動作ごとに金型セット2内の複数の金型3から一つの金型3を選んでワーク50を金型3に設置しプレス加工する。そして、1か所のプレス加工が終わった後、金型3を変えてワーク50を設置し、別のプレス加工を行う。作業者は、プレス加工装置1に対して金型を取り外したり取り付けたりする交換作業を行うことなく、金型セット2内の複数の金型3に対して、プレス加工を順番に行うことができる。
【0028】
プレス加工装置1は、例えば、上下2段に金型セット2を載置可能に構成されており、2種類の金型セット2を同時に載せることができる。1台のプレス加工装置1において、2種類の金型セット2が載置されることから、1種類の金型セットのみが載置可能な1段のみのプレス加工装置と比べて、金型セット2を交換する手間や時間を低減でき、装置の設置スペースを減らすこともできる。
【0029】
プレス加工装置1は、金型セット載置部4と、偏心カム5と、モータ6と、制御盤7と、動力伝達機構8と、ワーク検出スイッチ9と、リフター11などを備える。プレス加工装置1のフレーム18は、金型セット載置部4、偏心カム5、モータ6、制御盤7、動力伝達機構8及びワーク検出スイッチ9などを支持し、フレーム18がリフター11上に設置される。
【0030】
金型セット載置部4は、板状部材であり、上面に金型セット2が載置可能である。金型セット載置部4の中央には、開口が形成されており、金型3によって切断されたワーク50の切断片を開口を介して下方に落下させることができる。切断片は、シュートを伝って、プレス加工装置1の背面側に集められる。
【0031】
偏心カム5は、金型セット載置部4に載置された金型セット2の上部プレート23の上面と接触可能な位置に設けられており、シャフト12の回転軸周りに回転する。偏心カム5の外周面のうち回転中心から最も遠い位置が上方から下方へ向かうにつれて、金型セット2の上部プレート23が偏心カム5によって下方へ押し下げられる。
【0032】
偏心カム5の外周面のうち回転中心から最も遠い位置が鉛直方向下向きになったとき、金型セット2の上部プレート23が下死点まで押し下げられる。上部プレート23が下死点まで押し下げられた後は、金型セット2に設けられた圧縮コイルばね24とプレス加工装置1に設けられた受けプレート19によって上部プレート23が上方へ押し上げられる。
【0033】
モータ6は、プレス加工を行うための動力を発生させる。モータ6は、動力伝達機構8を介して、シャフト12を回転駆動させる。シャフト12が回転することによって偏心カム5が回転し、その結果、金型セット2の上部プレート23が下方へ移動する。そして、上部プレート23に設けられたパンチ21が下方へ移動して、金型3に設置されたワーク50を切断する。
【0034】
図2に示すように、制御盤7には、例えば、制御部13と、切換部14などが設置される。制御部13は、モータ6の駆動を制御し、モータ6の運転を開始させたり停止させたりする。制御部13は、ワーク検出スイッチ9又はフットスイッチ15による検出結果に基づいて、モータ6の運転を開始させる。また、制御部13は、プレス加工装置1のシャフト12の回転を検出可能なセンサーによって、シャフト12が1回転されたことが検出されたとき、モータ6の運転を停止させる。制御部13は、例えば、フレーム18に設置された制御盤7の内部に設置され、電気ケーブルによって、ワーク検出スイッチ9及びフットスイッチ15と電気的に接続される。
【0035】
切換部14は、例えば、ワーク検出スイッチ9による検出と、フットスイッチ15による検出を切り換える。切換部14においてワーク検出スイッチ9による検出に切り換えられたとき、制御部13は、ワーク検出スイッチ9による検出結果に基づいて、金型セット2を駆動させる。切換部14においてフットスイッチ15による検出に切り換えられたとき、制御部13は、フットスイッチ15による検出結果に基づいて、金型セット2を駆動させる。切換部14は、例えば、制御盤7の表面に設置される。
【0036】
動力伝達機構8は、図1に示すように、ベルト16とプーリー17などを有し、モータ6で発生した動力をシャフト12に伝達し、シャフト12を回転させる。なお、シャフト12を回転させることができれば、動力伝達機構8はベルト16とプーリー17から構成される機構に限定されず、他の機構でもよい。下段のシャフト12は、モータ6と接続されたプーリー17と下段のシャフト12の一端に接続されたプーリー17に掛けられたベルト16によって動力が伝達されて回転する。上段のシャフト12は、下段のシャフト12の他端に接続されたプーリー17と上段のシャフト12の一端に接続されたプーリー17に掛けられたベルト16によって動力が伝達されて回転する。
【0037】
ワーク検出スイッチ9は、ワーク50が金型3内の所定位置に設置されたことを検出する。ワーク検出スイッチ9は、図2に示すように、制御部13に接続される。ワーク50が所定位置に設置されたことが検出されたとき、ワーク検出スイッチ9は、検出信号を制御部13へ送信する。制御部13は、ワーク検出スイッチ9から受信した検出信号に基づいて、モータ6の運転を開始させる。ワーク検出スイッチ9の詳細は後述する。
【0038】
フットスイッチ15は、金型セット2を駆動させるための作業者(ユーザー)の操作を検出する。フットスイッチ15は、図2に示すように、制御部13に接続される。フットスイッチ15が操作されたことが検出されたとき、フットスイッチ15は、検出信号を制御部13へ送信する。制御部13は、フットスイッチ15から受信した検出信号に基づいて、モータ6の運転を開始させる。
【0039】
図1に示すリフター11は、フレーム18を上下方向に移動させる。フレーム18が上下方向に移動することによって、金型セット載置部4の高さ位置が変更されて、金型セット2の高さ位置が調整される。プレス加工装置1にはリフター11のための操作ボタンが設けられ、作業者は、操作ボタンを操作することにより、リフター11の高さ位置を任意に調整できる。作業者は、ワーク50を金型3に挿入してワーク50を切断する際に、上段の金型3と下段の金型3のいずれの場合も作業しやすいように高さを調整することができる。
【0040】
金型セット2は、図3及び図4に示すように、複数の金型3と、複数のパンチ21と、下部プレート22と、上部プレート23と、圧縮コイルばね24などを備える。
【0041】
金型3は、金型セット2の下部プレート22の上面に設置され固定されている。金型3には、被加工対象となるワーク50が設置可能であり、プレス加工時にワーク50が幅方向に移動しないように、ワーク50の外形に沿った内面形状を有する。ワーク50が棒状部材、例えばサッシの枠部材を形成するための押出し成形品などの場合、金型3は、金型3の正面からワーク50を挿入可能に形成されている。ワーク50に形成される貫通孔や切り欠きの位置決めのため、金型3の背面側には、ワーク50を突き当てるためのストッパーが形成されている。ワーク50は、複数の金型3のそれぞれにおいて金型セット2の幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能である。
【0042】
金型3は、金型セット2において幅方向に並列に設けられる。金型セット2に設けられる金型3は、それぞれ加工形状や加工位置が異なる。すなわち、金型3ごとにワーク50に形成される貫通孔や切り欠きのサイズや位置などが異なる。
【0043】
パンチ21は、金型3に対応して上部プレート23の下面に設置され固定されている。パンチ21の外形は、ワーク50に形成しようとする貫通孔又は切り欠きの形状に応じた形状を有する。下部プレート22には、開口が形成されており、金型3によって切断されたワーク50の切断片を、下部プレート22の開口と上述した金型セット載置部4の開口を介して下方に落下させることができる。
【0044】
圧縮コイルばね24は、下部プレート22と上部プレート23の間に設置される。金型セット2において、複数の金型3及び複数のパンチ21は、中央側に設けられ、圧縮コイルばね24は、複数の金型3と複数のパンチ21の両側に設けられる。これにより、圧縮コイルばね24によって、上部プレート23が上方で保持されるため、金型セット2がプレス加工装置1に設置されていないとき、金型3とパンチ21が噛み合う前の状態で維持される。
【0045】
金型セット2には、複数の金型3それぞれに対応して、ピン25が設けられる。ピン25は、細長い棒状部材であり、ピン支持部26に形成された貫通孔内に挿入されて、ピン支持部26によって支持されている。ピン25は、金型セット2の奥行き方向に沿って移動可能であり、一端側が複数の金型3に挿入されるワーク50側に位置し、他端側がワーク検出スイッチ9の板部31側に位置する。
【0046】
以下、図3から図5を参照して、プレス加工装置1のワーク検出スイッチ9について説明する。
ワーク検出スイッチ9は、板部31と、リミットスイッチ32を備える。ワーク検出スイッチ9は、例えば、プレス加工装置1の金型セット載置部4又はフレーム18に設けられる。ワーク検出スイッチ9を着脱可能としてもよく、ワーク検出スイッチ9を取り外した場合、ワーク検出スイッチ9を用いずに、フットスイッチ15(図2参照)のみで金型セット2を駆動させることができる。
【0047】
板部31は、金型セット2の背面側に設置され、板面が金型セット2の幅方向に対して平行となるように立設されている。板部31は、幅方向の長さが金型セット2の幅とほぼ同一である。板部31は、あらゆる金型セット2において予め想定されるピン25の設置位置が考慮されて、ピン25が必ず当接するサイズや形状を有する。ワーク検出スイッチ9の板部31は、金型3に設けられた複数のピン25それぞれによって押圧される。板部31は、ピン25によって押圧されたとき、複数の金型3側とは反対側に動作する。
【0048】
板部31は、例えば板部31の下部に設けられた回転軸33を中心にして回動する。板部31では、板面においてピン25が板部31を押圧する。ピン25の位置に関わらず、板部31は、同じように動作可能である。板部31は、ピン25による押圧が解除された後、リミットスイッチ32に内蔵されたばねによって押圧されて、元の位置に復帰する。また、板部31を元の位置に復帰させるため、リミットスイッチ32を支持する支持部35と板部31との間に圧縮コイルばねが設けられてもよい。なお、復帰したとき、板部31が所定の位置に立設するように、板部31の正面側にはストッパー34が設けられる。
【0049】
なお、本実施形態では、板部31が回転軸33を中心にして回動する機構の例について説明したが、本発明はこの例に限定されない。ピン25が板部31を押圧して、板部31が複数の金型3側とは反対側に動作することができれば、他の機構を採用することができる。例えば、板部31が板面が垂直な状態でスライド移動する機構などでもよい。
【0050】
リミットスイッチ32は、板部31の背面側に設けられて、板部31と当接可能であり、板部31の動作を検出する。リミットスイッチ32は、検出部の一例である。リミットスイッチ32は、例えば無接点式であるが、有接点式でもよい。リミットスイッチ32は、位置決めスイッチ、位置検出スイッチとも呼ばれる。リミットスイッチ32は、板部31の機械的な動作を検出することから、検出板を用いてワーク50又はピン25を電気的な接触によって検出するセンサーと異なり、板部31への切粉の付着によって、ワーク50の所定の設置位置よりも手前でワーク50が検出されることがない。そのため、プレス加工されたワーク50において寸法誤差が生じることを防止できる。
【0051】
リミットスイッチ32が板部31の動作を検出するタイミングは、ワーク50が金型3内で所定の位置に設置されたときであり、ワーク50が金型3のストッパーで突き当てられたときである。このタイミングで板部31の動作が検出されて金型セット2が駆動することによって、ワーク50の所定の位置に貫通孔や切り欠きを形成することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、板部31とリミットスイッチ32が直接的に当接する例について説明したが、本発明はこの例に限定されず、板部31の背面側に他の部材を固定し、その部材を介してリミットスイッチ32が板部31の動作を検出するようにしてもよい。
【0053】
また、本発明に係る検出部は、リミットスイッチ32に限定されず、例えば、近接センサーでもよい。近接センサーを用いる場合、板部31の背面から突出するように板材などを設置し、近接センサーが板材の有無を検出することによって、板部31の動作を検出する。近接センサーは、高周波発振形でもよいし、静電容量形でもよい。近接センサーを用いる場合も、板部31の機械的な動作が検出されることから、板部31への切粉の付着によって、ワーク50の所定の設置位置よりも手前でワーク50が検出されることがない。そのため、プレス加工されたワーク50において寸法誤差が生じることを防止できる。
【0054】
上述したとおり、金型セット2には、複数の金型3のそれぞれに対応してピン25が設けられる。ワーク50が金型3に挿入されると、ワーク50がピン25の一端側に当接し、金型セット2に設置されたピン25が奥行方向に沿って移動する。次に、ピン25の他端側が板部31の板面に当接して板部31を押圧し、その結果、板部31が複数の金型3側とは反対側に動作する。
【0055】
そして、板部31と当接されるリミットスイッチ32によって、板部31の動作が検出される。リミットスイッチ32による検出信号が制御部13へ送信されると、制御部13は、リミットスイッチ32による検出結果に基づいて、金型セット2を駆動させる。具体的には、制御部13は、モータ6へ駆動信号を送信して、モータ6を駆動させる。そして、モータ6によって生じた動力が、動力伝達機構8を介して、シャフト12及び偏心カム5を回転させ、金型セット2の上部プレート23を下方へ移動させる。
【0056】
これにより、ワーク50を加工する際、作業者がフットスイッチ15などによる操作を行わずに、ワーク50を金型3に挿入する動作によって、金型セット2を駆動させることができる。したがって、フットスイッチ15の踏み込みによる作業者の操作が不要になるため、作業労力が低減される。また、フットスイッチ15を用いない場合は、作業場所の床面にフットスイッチ15を置く必要がないため、作業場所の安全を確保したり、誤操作による金型セット2の駆動を防止したりすることができる。
【0057】
さらに、1枚の板部31は、複数の金型3のそれぞれに設けられたピン25によって動作可能であり、リミットスイッチ32が板部31の動作を検出する。その結果、金型3へのワーク50の挿入を検出するために金型3ごとにセンサーを設ける必要がなく、ワーク50の検出に必要な構成が簡素化される。
【0058】
ワーク検出スイッチ9の1枚の板部31は、あらゆる金型セット2において予め想定されるピン25の設置位置が考慮されたサイズや形状を有する。したがって、金型セット2が異なるものに交換されて、ピン25の設置位置が変化した場合でも、ワーク検出スイッチ9によって、ワーク50の金型3への設置を検出できる。
【0059】
また、金型3側とリミットスイッチ32側は、ワーク検出スイッチ9の板部31によって隔てられているため、金型3側で生じる切粉が板部31によって妨げられる。その結果、リミットスイッチ32が切粉の影響を受けづらくなり、リミットスイッチ32の不具合が生じにくい。
【0060】
ワーク検出スイッチ9は、一つのリミットスイッチ32が設けられればよいため、センサーの数や電気ケーブルの数を低減させることができる。したがって、センサーや電気ケーブルによる費用を削減できる。また、電気ケーブルは、金型セット2には接続されず、プレス加工装置1に設置されたワーク検出スイッチ9に設けられている。したがって、従来の金型セットに電気ケーブルが多数設けられている場合と異なり、作業者は、電気ケーブルを気にすることなく金型セット2を交換できることから、プレス加工装置1への金型セット2の載置の際に生じていた配線作業が不要になり、金型セット2を引き抜く際の電気ケーブルの取り外し忘れによる断線のおそれもない。さらに、電気ケーブルは、本数が少ないため、フレーム18の内部に配線することもでき、プレス加工時において、露出した電気ケーブルを切断するおそれがなくなり、油による電気ケーブルの劣化も防止できる。
【0061】
ワーク検出スイッチ9は、本実施形態に係るプレス加工装置1に予め設置されている場合に限定されない。ワーク検出スイッチ9は、従来用いられているプレス加工装置へ設置することもでき、プレス加工装置の改良によって、ワーク検出スイッチ9を備える本実施形態に係るプレス加工装置1に変更できる。
【0062】
プレス加工装置1は、フットスイッチ15と切換部14を備えていることから、切換部14を切り換えることによって、フットスイッチ15によって、金型セット2を駆動させるための作業者の操作を検出させることもできる。したがって、ワーク検出スイッチ9に不具合が生じた場合など、即座にフットスイッチ15による操作を行うことができる。したがって、フットスイッチ15が設けられていない場合に比べて、プレス加工装置1による作業が不可能になる時間を生じさせない。
【0063】
また、ピン25が設けられていない従来の金型セットが、本実施形態に係るプレス加工装置1に設置された場合、ワーク検出スイッチ9による検出を行うことができない。他方、プレス加工装置1においてフットスイッチ15が備えられている場合、従来同様にフットスイッチ15によって金型セット2を駆動させることができる。したがって、本実施形態に係るプレス加工装置1を新たに導入した場合でも、本実施形態に係る金型セット2に必ずしも取り換える必要がなく、ピン25が設けられていない従来の金型セットを引き続き使用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 :プレス加工装置
2 :金型セット
3 :金型
4 :金型セット載置部
5 :偏心カム
6 :モータ
7 :制御盤
8 :動力伝達機構
9 :ワーク検出スイッチ
10 :プレス加工システム
11 :リフター
12 :シャフト
13 :制御部
14 :切換部
15 :フットスイッチ
16 :ベルト
17 :プーリー
18 :フレーム
19 :受けプレート
21 :パンチ
22 :下部プレート
23 :上部プレート
24 :圧縮コイルばね
25 :ピン
26 :ピン支持部
31 :板部
32 :リミットスイッチ(検出部)
33 :回転軸
34 :ストッパー
35 :支持部
50 :ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金型を有する金型セットが載置されるプレス加工装置であって、
前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、
前記プレス加工装置は、
前記複数の金型のそれぞれに設けられたピンによって押圧されたとき前記複数の金型側とは反対側に動作する1枚の板部と、
前記板部の動作を検出する検出部と、
前記金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出するフットスイッチと、
前記検出部による検出と、前記フットスイッチによる検出を切り換える切換部と、
前記検出部又は前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部と、
を備え
前記板部及び前記検出部は前記プレス加工装置において着脱可能であり、
前記制御部は、前記検出部による検出に切り換えられたとき、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させ、前記フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させるプレス加工装置。
【請求項2】
前記板部は、前記金型セットの背面側に設置され、板面が前記幅方向に対して平行となるように立設されている請求項1に記載のプレス加工装置。
【請求項3】
前記ピンは、前記金型セットに設置され、前記奥行き方向に沿って移動可能であり、一端側が前記複数の金型に挿入される前記ワーク側に位置し、他端側が前記板部側に位置する請求項1又は2に記載のプレス加工装置。
【請求項4】
複数の金型を有する金型セットと、前記金型セットが載置されるプレス加工装置と、を備えるプレス加工システムであって、
前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、
前記プレス加工装置は、
1枚の板部と、
前記板部の動作を検出する検出部と、
前記金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出するフットスイッチと、
前記検出部による検出と、前記フットスイッチによる検出を切り換える切換部と、
前記検出部又は前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部と、
を有し、
前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを有し、
前記板部及び前記検出部は前記プレス加工装置において着脱可能であり、
前記制御部は、前記検出部による検出に切り換えられたとき、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させ、前記フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させるプレス加工システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、プレス加工装置及びプレス加工システムに関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ワークの検出に必要な構成を簡素化することができ、かつ、金型内へのワークの設置の誤検出を低減することが可能なプレス加工装置及びプレス加工システムを提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のプレス加工装置及びプレス加工システムは以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係るプレス加工装置は、複数の金型を有する金型セットが載置されるプレス加工装置であって、前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、前記プレス加工装置は、前記複数の金型のそれぞれに設けられたピンによって押圧されたとき前記複数の金型側とは反対側に動作する1枚の板部と、前記板部の動作を検出する検出部と、前記金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出するフットスイッチと、前記検出部による検出と、前記フットスイッチによる検出を切り換える切換部と、前記検出部又は前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部とを備え、前記板部及び前記検出部は前記プレス加工装置において着脱可能であり、前記制御部は、前記検出部による検出に切り換えられたとき、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させ、前記フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
例えば、ワークが金型に挿入されて、ワークが金型セットのピンを移動したとき、ピンが板部を押圧し、その結果、板部が複数の金型側とは反対側に動作する。検出部によって板部の動作が検出される。制御部は、検出部による検出結果に基づいて、金型セットを駆動させる。これにより、ワークを加工する際、ユーザーがフットスイッチなどによる操作を行わずに、ワークを金型に挿入する動作によって、金型セットを駆動させることができる。また、1枚の板部は、複数の金型のそれぞれに設けられたピンによって動作可能であり、検出部が板部の動作を検出することから、金型へのワークの挿入を検出するために金型ごとにセンサーを設ける必要がなく、センサーや配線される電気ケーブルの数を低減させることができる。また、露出した電気ケーブルを切断するおそれも削減される。
さらに、この構成によれば、プレス加工装置は、フットスイッチと、切換部と、を更に備え、フットスイッチは、金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出し、切換部は、検出部による検出と、フットスイッチによる検出を切り換える。制御部は、検出部による検出に切り換えられたとき、検出部による検出結果に基づいて、金型セットを駆動させ、フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、フットスイッチによる検出結果に基づいて、金型セットを駆動させる。これにより、ワークを加工する際、ワークを金型に挿入する動作で金型セットを駆動させることができるだけでなく、ユーザーがフットスイッチによる操作を行って金型セットを駆動させることもできる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明の参考例に係る金型セットは、複数の金型を有し、プレス加工装置に載置される金型セットであって、前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、前記プレス加工装置は、1枚の板部と、前記板部の動作を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部とを有し、前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを備える。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明に係るプレス加工システムは、複数の金型を有する金型セットと、前記金型セットが載置されるプレス加工装置と、を備えるプレス加工システムであって、前記複数の金型は、前記金型セットにおいて幅方向に並列に設けられ、それぞれ被加工対象となるワークが設置可能で、前記ワークは、前記複数の金型のそれぞれにおいて前記幅方向に対して垂直な奥行き方向に正面から挿入可能であり、前記プレス加工装置は、1枚の板部と、前記板部の動作を検出する検出部と、前記金型セットを駆動させるためのユーザーの操作を検出するフットスイッチと、前記検出部による検出と、前記フットスイッチによる検出を切り換える切換部と、前記検出部又は前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる制御部とを有し、前記金型セットは、前記複数の金型のそれぞれに設けられ、前記プレス加工装置が有する前記板部を押圧して前記複数の金型側とは反対側に移動させるピンを有し、前記板部及び前記検出部は前記プレス加工装置において着脱可能であり、前記制御部は、前記検出部による検出に切り換えられたとき、前記検出部による検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させ、前記フットスイッチによる検出に切り換えられたとき、前記フットスイッチによる検出結果に基づいて、前記金型セットを駆動させる