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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072330
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】設計支援装置および設計支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/20 20200101AFI20230517BHJP
   G06F 30/10 20200101ALN20230517BHJP
【FI】
G06F30/20
G06F30/10 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184796
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】板林 勇気
(72)【発明者】
【氏名】清水 勇喜
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 誠
(72)【発明者】
【氏名】片岡 一朗
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 絵里香
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 達也
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146DC06
5B146DJ15
5B146DL07
5B146EC09
(57)【要約】
【課題】
本発明は、設計における修正の効率化を課題とする。
【解決手段】
上記課題を解決するための本発明の構成は、設計対象物に対する設計を支援する設計支援装置において、前記設計対象物に対する設計の内容と、予め定められた設計ルールに基づいて、前記設計から複数の設計ルール違反を抽出するチェック部と、抽出された前記複数の設計ルール違反に対応する修正手順を特定し、特定された前記修正手順が示す修正パラメータを用いて、前記複数の設計ルール違反に対する修正順序を決定するデータ解析部を有する設計支援装置である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計対象物に対する設計を支援する設計支援装置において、
前記設計対象物に対する設計の内容と、予め定められた設計ルールに基づいて、前記設計から複数の設計ルール違反を抽出するチェック部と、
抽出された前記複数の設計ルール違反に対応する修正手順を特定し、
特定された前記修正手順が示す修正パラメータを用いて、前記複数の設計ルール違反に対する修正順序を決定するデータ解析部と、を有する設計支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の設計支援装置において、
前記データ解析部は、
複数の修正手順を特定し、
前記複数の修正手順それぞれの修正パラメータを比較して、修正工程の手間が最も小さくなる修正パラメータの修正手順を決定し、
決定された前記修正手順の修正順番を、前記修正順序として決定する設計支援装置。
【請求項3】
請求項1に記載の設計支援装置において、
前記データ解析部は、
過去の修正手順として修正ログデータを取得し、
抽出された前記複数の設計ルール違反と、前記修正ログデータと、を比較して、前記複数の設計ルール違反に対応する修正ログデータを特定し、当該修正ログデータの修正順番を、前記修正順序として決定する設計支援装置。
【請求項4】
請求項3に記載の設計支援装置において、
前記データ解析部は、前記複数の設計ルール違反に対応する前記修正ログデータを、前記設計対象物の形状の類似度を用いて特定する設計支援装置。
【請求項5】
請求項1に記載の設計支援装置において、
前記修正パラメータには修正期間および修正量の少なくとも一方が含まれる設計支援装置。
【請求項6】
請求項1に記載の設計支援装置において、
前記データ解析部は、前記設計対象物全体おける修正手順を特定する設計支援装置。
【請求項7】
請求項1に記載の設計支援装置において、
前記データ解析部は、前記設計対象物を構成する部位ごとに修正手順を特定する設計支援装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の設計支援装置において、
さらに、前記複数の設計ルール違反それぞれの前記設計対象物における発生位置に応じた出力位置に、前記修正順序を出力する出力部を有する設計支援装置。
【請求項9】
請求項8に記載の設計支援装置において、
前記出力部は、前記発生位置に応じた出力位置に、グループ化された前記修正順序を出力する出力部を有する設計支援装置。
【請求項10】
設計対象物に対する設計を支援する設計支援装置を用いた設計支援方法において、
チェック部により、前記設計対象物に対する設計の内容と、予め定められた設計ルールに基づいて、前記設計から複数の設計ルール違反を抽出し、
データ解析部により、抽出された前記複数の設計ルール違反に対応する修正手順を特定し、特定された前記修正手順が示す修正パラメータを用いて、前記複数の設計ルール違反に対する修正順序を決定する設計支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設計対象物の設計データを作成する技術に係り、その中でも特に設計データが設計ルールを満たしていない部分の修正を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
設計対象物の設計では設計ツールとして三次元CAD(Computer Aided Design)が普及している。三次元CAD(以下、CADと表記する)は、設計対象物の形状をコンピュータ上に作成するツールであり、設計者の意図に沿って形状を自由に定義することができる。設計対象物の設計では、工作機械や生産技術による製造上の要件や、強度や温度による安全性や、操作のしやすさや取り出しやすさによる操作性、保守性などの使用上の要件などを考慮し、複数の要件を満足する形状を定義する必要がある。このような設計者が守るべき要件を、本願明細書では設計ルールと呼ぶ。この設計ルールをCAD上で自動的にチェックして、これに違反する違反部位をハイライト表示する技術として(非特許文献1)に記載の技術がある。
【0003】
また、設計対象物の設計における違反の表示に加えて、その違反の修正を支援する技術に関して、特許文献1が提案されている。特許文献1には、CAD上の部品について部品のパラメータが適正に設定されていることをチェックし、条件を満たさない箇所を修正するガイドラインに基づいて修正支援を行う設計支援装置が記載されている。特許文献1では、複数の違反を修正する際は、CAD上の拘束関係を検索し、修正時の影響範囲や修正によって生じる矛盾を予め調査し、この影響度合いを定量的に評価値として置き換えることで修正の優劣を定義することが可能となる。また、拘束関係以外にも、寸法数や関連部品数、アセンブリ数を検索することにより、修正処置による工数なども評価することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】HARIYA、 Masayuki、etc. Technique for checking design rules for three-dimensional CAD data、 Computer Science and Information Technology (ICCSIT)、2010 3rd IEEE International Conference on、 IEEE、 2010、 pp. 296-300.
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-323508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1、特許文献1においては、次の課題がある。非特許文献1、特許文献1においては、予め定義されたしきい値に基づいてチェック機能が働き、違反部位が検出され、リスト表示される。ここで、このようにリスト表示される違反部位に対して、設計者は修正を行うことがある。
【0007】
このように違反部位に対して修正を行う場合、設計者がランダムに修正を行うと、効率的でないことがある。例えば、樹脂部品などの貫通穴があるCADをチェック対象とする場合、この貫通穴のエッジにはフィレットR加工が処理されている。このとき貫通穴は、「最小フィレットR寸法はXmm以上とすること」や「最小穴径はDmm以上とすること」の2つの設計ルールに違反したとする。
【0008】
そこで、まずフィレットR寸法を修正に着手し、後工程で穴径直径を大きく作図し直す、との設計ルール違反に対する修正を行ったとする。この場合、後工程側で穴径を修正したため、貫通穴のエッジがフィレットR未加工の状態で出図され、結果的に手戻りや出図後の設計変更処理などの余分な手間を招いてしまう。特に、同じ部位や箇所での設計ルール違反やその修正位置が重複すると、一方の修正が無効ないし無視されてしまうことになり、上述の手間が発生することになる。
【0009】
このように設計ルール違反に対して、修正する順序が重要だが、従来技術ではこの点については考慮されていなかった。本発明は、設計における修正の効率化を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明では、複数の設計ルール違反に対する修正の順序を示す修正手順での修正工程の手間を示す修正パラメータに応じて、各修正の順序を決定する。なお、本発明の手間には、修正の工程数、手数、手戻りを含まれ、修正に費やされる労力や時間を示す。
【0011】
より具体的には、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。つまり、本発明の一態様には、設計対象物に対する設計を支援する設計支援装置において、前記設計対象物に対する設計の内容と、予め定められた設計ルールに基づいて、前記設計から複数の設計ルール違反を抽出するチェック部と、抽出された前記複数の設計ルール違反に対応する修正手順を特定し、特定された前記修正手順が示す修正パラメータを用いて、前記複数の設計ルール違反に対する修正順序を決定するデータ解析部を有する設計支援装置が含まれる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設計における修正の効率化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1および2における設計支援装置の機能ブロック図の一例である。
図2】実施例1および2におけるチェック実行結果を示すCADオペレート画面の一例を示す図である。
図3A】実施例1および2で用いられる修正ログデータの一例を示す図である。
図3B】実施例1および2で用いられる部位ごとに作成あれる修正ログデータの一例を示す図である。
図4】実施例1および2で用いられるログデータの他の一例を説明する図である。
図5】実施例1における図3Aの修ログデータで示される修正工程の一例を説明する図である。
図6】実施例1における修正順序の決定処理を示すフローチャートである。
図7】実施例1および2における違反結果リスト画面を示す図である。
図8】実施例2における設計ルール違反をグループ分けして出力するCADオペレート画面の一例を説明する図である。
図9】実施例1および2における設計支援装置を含む設計システムのシステム構成図である。
図10】実施例2における修正順序の決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以降では、図面を用いて本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、設計対象物の設計を支援する設計支援装置が、設計ルール違反に対する修正順序の決定に、複数の設計ルール違反に対する修正の順序を示す修正手順を用いる。この修正手順は、自身における修正工程の手間を示す修正パラメータを有する。この設計支援装置の具体例として、下記に実施例1および2を例示する。まず、実施例1は、ログデータを活用した修正順序を提示する。また、実施例2では、設計ルール違反の設計対象で上の位置が近いものをグルーピングして提示する。なお、これら各実施例では、CAD「自動車用エンジンカバー」を対象に設計ルール「最小フィレットRは規定値半径3.0mm以上とすること」「竪壁の最小隙間は規定値5.0mm以上を設けること」「穴の最小直径は10.0mm以上とすること」などの設計ルールに違反するかをチェックする。そして、これら設計ルールに違反する複数の設計ルール違反を対象に、修正する修正順序を決定する。また、各実施例では、修正手順として修正ログデータを用い、修正パラメータとして、修正期間や修正量およびこれらに基づく、共通指標を用いて説明する。なお、各実施例における設計対象物には、最終品等の製品の他、これを構成する部品、モジュールや備品、設備なども含まれる。
【実施例0015】
まず、本実施例の構成について、説明する。図1は、本実施例における設計支援装置100の機能ブロックを示す機能ブロック図である。なお、本図は、実施例2とも共通である。設計支援装置100は、設計対象物の違反部位の修正を支援する機能を実行する。設計支援装置100は、入力データ101および修正ログデータ103を用いて、修正順序を決定する。このために、設計支援装置100は、チェック部102およびデータ解析部104を有し、さらに修正順序を出力する出力部105を有する。ここで、出力部105は、出力内容を表示する表示部で実現できる。また、出力部105は音声や印刷で出力してもよい。
【0016】
ここで、入力データ101は、設計対象物の設計データの一種であるCADデータおよび設計ルールが含まれる。また、チェック部102は、入力データ101の設計対象物のCADデータと設計ルールに基づいて、設計ルールに違反しないかをチェックする。つまり、設計ルール違反を抽出する。なお、設計ルール違反の抽出は、例えば、設計の内容の設計ルールの組合せや突合せで実現できる。
【0017】
そして、チェック部102は、チェックの結果、違反がある場合には、設計ルール違反としてデータ解析部104に出力する。なお、チェック部102は、設計ルール違反を、出力部105で出力させてもよい。また、チェック部102は、違反がない場合もそのチェック結果を出力することが望ましい。この場合、違反がない場合は、出力部105に限定して出力してもよい。このことにより、データ解析部104への不要な出力やそこでの処理を省略できる。
【0018】
また、データ解析部104は、チェック部102で設計ルール違反となった設計対象物のCADデータと類似する修正ログデータ103を検索する。このために、例えば、形状が類似する修正ログデータを取得する。そして、データ解析部104は、類似する修正ログデータを用いて、設計ルール違反における修正順序を決定する。そして、データ解析部104は、決定したされた修正順序を出力部105に出力する。この結果、出力部105では、決定された修正順序を出力することになる。
【0019】
なお、これらの処理のうち、データ解析部104の処理の詳細については、図6のフローチャートを用いて後述する。ここで、設計支援装置100のハードウエア構成の一例について、関連する装置も含め説明する。図9は、本実施例および実施例2における設計支援装置100を含む設計システム1のシステム構成図である。設計システム1は、設計支援装置100、データベース110およびCAD装置120を有し、これらが互いにネットワーク130を介して接続されている。設計支援装置100およびCAD装置120は、プログラムに従って処理を実行するコンピュータで実現できる。但し、プログラムの代わりに専用ハードウエア等で実現してもよい。
【0020】
まず、設計支援装置100は、ネットワークI/F11、処理部12、主記憶部13、補助記憶部14、入力部16および出力部105を有する。これらは、バスのような内部通信路を介して、互いに接続されている。以下、各構成について、説明する。
【0021】
まず、ネットワークI/F11は、設計支援装置100の各種構成とネットワーク130を介して他の装置と接続する機能を有する。なお、ネットワーク130は、通信機能を有すればよく、インターネット等その種別は問わない。
【0022】
処理部12は、CPUのようなプロセッサで実現される。つまり、主記憶部13に格納ないし展開された各プログラムに従って、図1で説明したような処理を実行する。
【0023】
次に、主記憶部13は、メモリといった記憶媒体で実現される。そして、主記憶部13は、補助記憶部14に格納され、処理部12での処理を行うための各プログラムが展開する。このように、各プログラムは、通常は補助記憶部14など他の記憶部、記憶媒体に格納されていることが望ましい。
【0024】
次に、補助記憶部14は、各種情報やプログラムを記憶する。各種情報には、設計ルール143が含まれる。また、図示しないが、補助記憶部14は、決定した修正順序を記憶してもよい。さらに、本実施例では、CADデータ1101を外部のデータベース110に格納しているが、補助記憶部14に記憶してもよい。
【0025】
補助記憶部14に記憶されるプログラムには、チェックプログラム141およびデータ解析プログラム142が含まれる。ここで、チェックプログラム141は、図1のチェック部102の処理を実現するためのものである。また、データ解析プログラム142は、データ解析部104の処理を実現するためのものである。
【0026】
また、補助記憶部14は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)や各種光学ディスクなどで実現できる。なお、補助記憶部14に記憶される情報は、ネットワークI/111を介して接続される外部記憶装置に記憶したり、外部装置からネットワーク130介して配信されてもよい。
【0027】
次に、入力部16は、キーボードやポインティングといった入力デバイスで実現でき、ユーザの操作を受け付ける。また、出力部105は、処理部12の処理結果等を出力する。なお、設計支援装置100をサーバ等で実現し、他に端末装置をも蹴る場合、入力部16や出力部105は省略可能である。以上で、設計支援装置100の説明を終わり、次に、データベース110について説明する。
【0028】
データベース110は、設計データの一例であるCADデータ1101および修正ログデータ103を記憶する。なお、データベース110は、設計ルール143を記憶してもよい。
【0029】
また、CAD装置120は、設計対象物に対する設計を行う機能を有する。このために、設計プログラムに従った処理を実行する。また、その表示画面などに対する、設計支援装置100で決定される修正順序の表示等の出力を行うことが望ましい。なお、設計支援装置100の補助記憶部14に、CAD機能、つまり、設計機能を実現するための設計プログラムを記憶することが望ましい。つまり、設計支援装置100に設計機能自体を設けることが望ましい。また、設計支援装置100で決定する修正順序は、設計機能を有する装置で表示等の出力を実行させることが望ましい。
【0030】
以上で、本実施例の構成についての説明を終わり、本実施例の処理の詳細を説明する。なお、ここでは、処理の主体を図1に従って記載する。まず、本実施例では、設計対象物に対する設計が行われ、CADデータ1101が作成されているものとする。これは、設計が完成していてもよいし、設計途中であってもよい。そして、チェック部102が、設計ルールを用いて、設計対象物のCADデータに対するチェックを実行し、出力部105にチェック実行結果を出力する。そして、出力部105は、このチェック実行結果を出力する。
【0031】
図2は、チェック実行結果を示すCADオペレート画面200である。なお、CADオペレート画面200は、出力部105での出力の一例である表示の内容を示している。図2(a)は、CADオペレート画面200の全体を示し、(b)はCADオペレート画面200の違反結果リスト画面202の内容を示している。図2(a)において、CADオペレート画面200は、チェック対象のCAD画像201と違反結果リスト画面202を有する。これらのうち、CAD画像201は、設計対象物である自動車用エンジンカバーの違反箇所を拡大したものである。
【0032】
また、違反結果リスト画面202は、設計ルール違反をリスト化したものである。図2(b)の違反結果リスト画面202に示すように、設計ルール違反が全部で7個抽出されている。これは、チェック部102のチェック結果であり、修正順序を提示していない。なお、違反結果リスト画面202は、ID203、設計ルール名称204、形状名称205を有する。ここで、ID203は、自動的に割り振られる設計ルール違反を識別する情報であり、本実施例ではシリアルナンバーを用いている。なお、CAD画像201にて拡大した設計ルール違反箇所であるフィレットR1と穴径1は、ID1とID7に対応している。
【0033】
また、設計ルール名称204は、設計ルール違反に対応する設計ルールの名称である。CAD画像201にて拡大した設計ルール違反設計ルール名称は、ID1:X0001、ID7:X0003である。なお、本図中では、X0001~X0003の3つの設計ルールを出力している。これらの詳細は、後述する。また、形状名称205は、設計ルール違反のフィーチャー名(ソリッドCADで形状を作成する際の最小単位)や特徴的な形状の名称を用いることができる。CAD画像201にて拡大した設計ルール違反の形状名称は、ID1:「フィレットR1」、ID7:「穴径1」である。本図中では、形状名称として、フィレットRと竪壁、穴径の3種類がある。
【0034】
これらの形状名称を、3つの設計ルールにそれぞれ対応付けると、以下のとおりとなる。
・設計ルールX0001:「最小フィレットRは規定値半径3.0mm以上とすること」
・設計ルールX0002:「竪壁の最小隙間は規定値5.0mm以上を設けること」
・設計ルールX0003:「穴の最小直径は10.0mm以上とすること」
なお、チェック部102のチェック実行結果を示す情報は、CAD画像201および違反結果リストの少なくとも一方であればよい。また、図2も本実施例および実施例2で共通する。
【0035】
次に、図6のフローチャートに従って、データ解析部104での修正順序の特定処理について説明する。図6は、本実施例における修正順序の決定処理を示すフローチャートである。
【0036】
ステップS600において、データ解析部104は、設計対象物のCADデータおよびチェック部102で抽出された設計違を入力データとして読み込む。また、ステップS601において、データ解析部104は、修正ログデータ103を入力データとして読み込む。ここで、修正ログデータ103について、説明する。修正ログデータ103は、図3A図4で示されるように実現できるが、まずは、修正ログデータ103の一般的な内容を説明する。そして、その後、図3A図4を用いて、修正ログデータ103の具体的な内容を説明する。
【0037】
これら、修正ログデータ103は、設計ルール違反に対する修正工程の手順を示す修正手順の一種である。そして、修正ログデータ103には、修正工程の手間を示す修正パラメータを含む。そして、修正ログデータ103は、修正ごとであり、また、修正の原因である設計ルール違反ごとにレコードが作成されることが望ましい。このため、修正ログデータ103には、以下の項目が含まれる。
・CAD名称:過去に設計ルール違反が発生した設計対象物のCADデータを識別する項目(なお、設計対象物を識別する項目を用いてもよい)
・部位名称:CAD名称に該当するCADデータの設計対象物を構成する部位を識別する項目(図3Bは本項目を省略可能)
・設計ルール名称:設計ルール違反に用いられた設計ルールを識別する項目
・形状名称:設計ルール違反が発生した形状やフィーチャーを示す項目
・修正順番:設計ルール違反への対応としての修正工程での修正の順番を示す項目
・修正期間:上述の修正工程での修正に要した期間を示す項目
・修正量:上述の修正工程での修正の分量を示す項目
なお、修正順番、修正期間、修正量が、修正パラメータの例であり、これらのうち少なくとも1つを用いてもよい。また、これらについては、例えば、複数の設計ルールでチェック実行し、その結果として複数の設計ルール違反がヒットした場合、その設計ルール違反を対象に修正に要した時間、修正時の修正量などを修正した順番を紐づけて記録することが望ましい。修正量には、修正時のCAD操作回数のほかに修正前後の体積や面積などの変化量など定量的に扱えるデータなどでもよい。
【0038】
次に、図3A図4に示す修正ログデータ103の内容を具体的に説明する。ここで、図3Aおよび図4は、設計対象物ごとにまとめられた修正ログデータ103の例を示す図であり、図3Bは、設計対象物を構成する部位ごとにまとめられた修正ログデータ103の例を示す図である。
【0039】
なお、図3B図3Aに該当する部位ごとの修正ログデータ103である。また、図4に該当する部位ごとの修正ログデータも例示可能であるが、図3Bの説明と重複するためその例示は省略する。
【0040】
最初に、図3Aおよび図4について説明し、追って図3Bについて説明する。図3AにおけるCAD名称300は「A01」というCADデータを対象に修正した履歴のデータであること示す。一方、図4のCAD名称400は「A10」というCADデータを対象に修正した履歴のデータであることが分かる。このように、図3A図4では、異なるCADデータを対象としていることが分かる。
【0041】
また、図3Aの部位名称301には、設計ルール違反が発生した部位として「カバー1」「フランジ」「筐体」が記録されている。また、図4の部位名称401にも、設計ルール違反が発生した部位として「カバー1」「フランジ」「筐体」が記録されている。なお、図3Aおよび図4で部位名称の内容が共通しているが、各修正ログデータ103間でこれらが共通でないこともある。
【0042】
また、図3Aの設計ルール名称302には、設計ルール違反に用いられた設計ルールとして、「X0001」「X0002」「X0003」が記録されている。また、図4の設計ルール名称402にも、同じく「X0001」「X0002」「X0003」が記録されている。なお、部位名称と同様に、設計ルール名称も共通であることに限定されない。
【0043】
また、図3Aの形状名称303には、設計ルール違反が発生したフィーチャー名や特徴的な形状の名称として「竪壁10」「竪壁20」「穴径10」「穴径20」「フィレットR10」「フィレットR20」が記録されている。同じく図4の形状名称403にも形状名称303と同様の内容が記録されているが、これらは共通の内容でなくともよい。
【0044】
また、図3Aの修正順番304および図4の修正順番には、CADの操作履歴やログデータなどから修正した際の修正工程の順番が記録されている。
【0045】
また、図3Aの修正期間305および図4の修正順番404には、CADの操作履歴やログデータなどから修正した際の日時に基づいて、修正工程での修正に要した期間が記録されている。なお、修正期間305、405については、CADの操作履歴やフィーチャー生成の有無、ファイルの保存日時のタイムスタンプやその他ログデータから算出してもよい。
【0046】
最後に、図3Aの修正量306および図4の修正量406については、CADの操作履歴やフィーチャー生成の有無、その他ログデータから操作回数を記録する。また、修正前後の形状を比較して、修正時の体積変化や面積変化などのCAD上の幾何的な比較した結果に基づいて、定量的な修正量としてもよい。なお、修正量306および修正量406は、絶対量であってもよいし、他の修正との相対的な関係を示す相対量としてもよい。この相対量として、分量の順位を用いてもよい。
【0047】
次に、修正ログデータ103の別の態様について説明する。図3Bは、部位ごと、つまり、部位名称301ごとに作成された修正ログデータ103を示す図である。その項目は、図3Aとほぼ同じであるが、部位名称301が省略されている。そして、以下のようの部位ごとの情報となっている。(a)がカバー1、(b)がフランジ、(c)筐体の修正ログデータでありそれぞれの修正期間305および修正量306が記録されている。そして、各修正期間305および修正量306の合計値が(d)に記録されている。以上で、修正ログデータ103の説明を終わり、図6のフローチャートの説明に戻る。
【0048】
次に、ステップS602において、データ解析部104にて、設計対象物のCADデータを検索キーとして、読み込んだ修正ログデータ103を検索する。より具体的には、データ解析部104は、設計対象物に類似の形状を有する設計対象物の修正ログデータを検索する。このために、設計対象物と修正ログデータ103の形状名称303を比較することが望ましい。また、形状以外の要件で類似を判断してもよい。このとき類似性については、例えば、類似部分形状検索技術(小野寺ら、Development of mesh generation technique reusing proven analysis models by similar sub-part search、JSME Vol.83、 No.853、 2017)を用いて、部分形状認識によって類似性を評価することができる。なお、各実施例における類似には、同じであることが含まれる。本実施例では、類似性を用いたが、他の関係性を用いて設計ルール違反に対応する修正ログデータを検索してもよい。
【0049】
次に、ステップS603において、データ解析部104は、ステップS602の検索結果から、設計ルール違反の形状名称が含まれる修正ログデータに絞り込む。なお、本ステップは省略し、ステップS602の検索結果を以降で用いてもよい。
【0050】
次に、ステップS604において、データ解析部104は、絞り込んだ修正ログデータの中から、修正工程の手間がより少ない修正ログデータを特定する。そして、データ解析部104は、特定された修正ログデータの修正順番を取得する。ここで、修正工程の手間がより少ないとは、修正期間が短く、修正量が少ないことを示す。例えば、絞り込んだ修正ログデータのうち、修正期間および修正量が最短かつ最小の修正ログデータである。但し、修正期間が最小である修正ログデータと、修正量が最小である修正ログデータが一致するとは限らない。そこで、データ解析部104は、修正期間および修正量を共通指標に変換し、これらを統合(例えば、合計)することで修正工程の手間が最小となる修正ログデータを特定することが望ましい。なお、この共通指標や修正期間、修正量そのものは、本発明の修正パラメータの例である。
【0051】
以上のように、本ステップでは、例えば絞り込まれた修正ログデータのなかから、最も修正期間、修正量が少ないものの修正順番を取得する。取得した修正順番に基づいて、違反部位ごとに修正順序を特定することになる。
【0052】
ここで、ステップS604における修正ログデータの特定について、その考え方を含むその詳細を説明する。図3Aに示す修正ログデータ103における形状名称303および修正順番304を確認すると、「フィレットR01」「フィレットR02」の順に「フィレットR」を修正し、続いて竪壁について「竪壁01」を修正している。そして、次に穴径について「穴径01」「穴径02」を修正し、最後に「フィレットR」について「フィレットR01」「フィレットR02」の順に修正している。
【0053】
また、図3Aにおいて、修正期間は305、計1.5日であり、操作回数としてカウントした修正量306は、合計21回である。
【0054】
一方、図4の修正ログデータ103における形状名称403および修正順番404を確認すると、はじめに竪壁を「竪壁01」「竪壁02」の順に修正し、続いて穴径を「穴径10」「穴径20」の順に修正している。そして、最後にフィレットRを「フィレットR10」「フィレットR20」「フィレットR30」の順で修正している。修正期間405は、計0.75日であり、同じく操作回数としてカウントした修正量406は15回となっている。
【0055】
これら2つの修正ログデータ103を比較すると、修正した形状名称303、403の内容には若干の差はあるものの、設計違反ルールのトータルの件数は7か所(レコード数)で同じ数である。しかし、図4のCAD名称「A10」の方が短い修正期間かつ、少ない修正量となっている。この2つの修正ログデータ103の違いは、修正する順番である修正順番304と404の違いに起因している。本実施例および実施例2では、このような修正順番304と404といった「修正パラメータ」違いを利用して、修正順序を決定している。
【0056】
ここで、図3Aの修正ログデータ103で示される修正工程について、図5を用いて説明する。図5は、図3AのCAD名称300の「A01」についての「穴径01」と「フィレットR01」の修正工程を示す。図5では、各修正順番500に修正工程のCADイメージを示す。図中の修正順番1では、まず「フィレットR01」を対象に修正している。そして、別の部位である竪壁を修正した後に、図中の修正順番4にて「穴径01」を修正している。最後に、図中の修正順番6にて再度「フィレットR01」を修正している。これは、修正順番4の修正によって「フィレットR01」が削除されたため、同じ箇所について2回目の「フィレットR01」の修正を施している。
【0057】
一方、図4の修正ログデータ103での修正工程では、CAD名称400の「A10」について、まず竪壁を対象に修正してから、穴径を修正し、最後にフィレットRを修正している。このため、図4では、フィレットR(フィレットR01)に対する2回の修正は不要であり、その分修正期間、修正量ともに、図3Aの場合よりも修正工程が少なく済んだという結果が示されている。また、図3Aの場合、複数の設計ルール違反を修正する作業の中で、フィレットRが削除された(無効された)ことを見落とす可能性もある。以上より、最小フィレットRの修正は、まとめて後工程側に実施したほうがよいことが過去の修正ログデータ103から分かる。このように、利用する修正ログデータによって、修正工程の手間が変わってくる。そこで、本ステップでは、この特定を利用して、修正工程の手間が少ない修正ログデータを特定でき、特定された修正ログデータの修正順序を取得できる。
【0058】
次に、ステップS609において、出力部105は、ステップS604で取得した修正順番に基づいて、チェック部102でチェックされた複数の設計ルール違反を出力する。より具体的には、出力部105は、複数の設計ルール違反を、取得された修正順序の順にソーティングして、出力する。なお、ソーティング自体は、データ解析部104で実行してもよい。
【0059】
図7は、ステップS609での出力内容の一例を示す違反結果リスト画面700の一例である。図7では、図6にて示した処理フローに従って短い修正期間、かつ修正量が少ないものから図中の修正順序701は、ソーティングされて出力される。具体的には、図4のCAD名称「A10」の修正ログデータの各項目400~405を活用して、修正順序を出力する。形状名称を竪壁、穴径、フィレットRの順で修正するという修正順序で出力されている。
【0060】
また、ステップS609においては、データ解析部104が、ソーティングされた複数の設計ルール違反について、新たな修正ログデータとして、データベース110に記憶することが望ましい。
【0061】
以上で、実施例1の説明を終わるが、次に、本実施例の変形例について、説明する。実施例1では、図3A図4の設計対象全体についての修正ログデータ103を用いている。この変形例では、図3Bに示す部位ごとの修正ログデータ103を用いる。このために、本変形例において、データ解析部104は、ステップS600で入力された設計ルール違反を、部位ごとに分割する。そして、データ解析部104は、部位ごとにステップS602、S603を実行する。
【0062】
その上で、ステップS604において、データ解析部104は、図3Bに示す修正ログデータ103を用いて、部位ごとにその修正順序を取得する。この場合、データ解析部104は、部位についての修正順序(カバー1、フランジ、筐体といった順)を特定し、その順および部位ごとの修正順序をまとめて修正順序とすることが望ましい。なお、この変形例では、実施例2にも適用できる。
【0063】
以上で、実施例1および変形例の説明を終わるが、これらでは修正手順と修正の集合により、その手間を把握し、これが少なくなるような修正順序を取得している。このため、修正工程全体における効率性を考慮でき、より無駄の少ない修正順序を特定できる。
【実施例0064】
次に、実施例2について、説明する。実施例1での設計ルール違反の数が膨大になると、CADの複数の場所に設計ルール違反が散在する。このため、修正作業に着手する上で位置が近いものは、まとめて修正できたほうが効率は良い。そこで、実施例2では、設計ルール違反の発生位置が近いものをグルーピングする。つまり、設計ルール違反の発生位置に応じた出力位置(例えば、表示位置)に修正順序を出力する。さらに、設計対象物上で散在する設計ルール違反を、その位置に応じた出力位置に、グルーピングして可視化することで、ユーザである設計者が修正する際に、設計ルール違反を効率的に修正することを支援することができる。以下、本実施例について、実施例1との相違を中心に説明する。なお、本実施例の構成は、実施例1と同様に、図1および図9に示す構成となる。次に、本実施例の処理フローについて説明する。
【0065】
図10は、修正順序の決定処理を示すフローチャートである。図10のステップS600~S604までは、実施例1と同様であるため、その説明は省略する。但し、ステップS600~S604については、実施例1の内容に限定されず、別処理で終戦順番を取得してもよい。
【0066】
以下のステップS605~S609が、本実施例に特徴である設計ルール違反が近いものをグルーピングして出力するための処理フローである。以下、ステップS605以降について説明する。
【0067】
まず、ステップS605において、データ解析部104は、グループに分けて出力するかを判定する。このために、データ解析部104は、ユーザからの指定に基づいて判定してもよいし、設計対象物ごとに分けるかを決めておき、これを用いて判定してもよい。この結果、グループに分ける場合(Y)、ステップS606に遷移する。また、グループに分けない場合(N)、ステップS609に遷移する。
【0068】
次に、ステップS606において、データ解析部104は、設計対象物のCAD上における設計違反の発生座標を取得する。このために、データ解析部104は、CADデータ1101を用いて、発生座標を取得する。
【0069】
次に、ステップS607において、データ解析部104は、各発生位置について、しきい値内にある設計ルール違反を同じグループとする。このために、データ解析部104は、CAD上での複数の基準位置を特定する。この基準位置は、任意の位置であればよく、所定距離ごとに設定してもよし、設計ルール違反の発生位置から抽出してもよい。
【0070】
そして、データ解析部104は、基準位置と各設計データ違反の位置の距離を算出し、これとしきい値とを比較する。データ解析部104は、この結果を用いて、しきい値の範囲内の設計データ違反を同じグループとする。同じグループに属するかを判定するしきい値は、一意に定めてもよいがCAD寸法に応じて可変スケールにしても良い。ここではチェック対象のCAD801上の最大寸法に対して1/10の寸法をしきい値として定め、そのしきい値以内に位置する違反部位を同じグループとして設定する。
【0071】
次に、ステップS608において、出力部105が、ステップS608に従って、設計ルール違反をグループ分けして出力する。実施例2における設計ルール違反をグループ分けして出力するCADオペレート画面の一例を説明する図である。図8は、本実施例における設計ルール違反をグループ分けして出力するCADオペレート画面800を示す図である。
【0072】
図8(a)に示すCADオペレート画面800は、チェック対象のCAD801と違反結果リスト画面900で構成される。図8(a)において、チェック対象のCAD801は、自動車用エンジンカバーのハーフカットモデルの全体図であるが、チェック実行した結果の違反部位の全7か所を図中のグループAAA~DDDの5つに分けることができる。結果的に、BBBおよびDDDは、違反部位がしきい値以内に複数件数あるため、各グループに近い設計ルール違反が登録される。このように、出力部105は、設計ルール違反それぞれの設計対象物における発生位置に応じた出力位置に、修正順序を出力する。この際、出力部105は、グループ化された修正順序を出力することが望ましい。
【0073】
次に、ステップS609において、出力部105は、ステップS608で出力された内容について、ユーザからの変更指示を受付け、これに応じた出力および記憶部5への登録を行う。図8(b)に、違反結果リスト画面900の詳細を示す。本画面上のグループ901の下向き三角を、ユーザが入力部16を介して指定することで、グループ901を変更することができる。また、この指定により、グループ901と修正順序と併せて出力することもできる。さらに、修正順序も同様に変更する可能となる。
【0074】
また、ステップS609においては、データ解析部104は、変更された修正手順を新たな修正ログデータ103としてデータベース110に記憶する。
【0075】
以上のような本実施例の可視化により、膨大な違反部位や複数の設計ルールを実行した場合に、特にその効果を発揮する。
【0076】
以上で実施例1および2の説明を終わる。実施例1によれば、チェック対象のCAD、設計ルール違反に対して、設計ルール違反の修正順序および修正順序での修正期間、修正量などが蓄積されたログデータに基づいて、修正順序を抽出できる。このため、短い修正期間、かつ修正量が少ない順番などで設計ルール違反を出力して、効率のよい修正作業を促すことができる。また、実施例2では、設計ルール違反の出力についても、設計ルール違反の位置を近いものをグルーピングして、出力することで散在する設計ルール違反をまとめて効率的に修正できる。
【0077】
また、各実施例では、修正手順として、修正ログデータを用いたが、これ以外のデータを用いてもよい。つまり、過去の履歴ではなく、何らかの手法で、修正工程を特定するデータを用いることが可能である。
各実施例では、修正パラメータとして、修正期間、修正量や共通指標を用いたが、他の指標を用いてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10