(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072352
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20230517BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
E02F9/00 L
E02F9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184854
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢津田 修
(72)【発明者】
【氏名】坂本 拓磨
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015CA00
2D015EA00
2D015EB00
(57)【要約】
【課題】整備作業効率を向上させることができる作業機械を提供する。
【解決手段】作業機械1は、第1足場5を有する車体2と、車体2に取り付けられている走行装置35とを備える。走行装置35は、履帯36を有している。第1足場5は、履帯36の上方に配置されており、かつ、作業デッキ50を有している。車体2に、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第1液体補給口20、第2液体補給口22または第3液体補給口24の少なくとも一つ)が設けられている。作業機械1の上面視において、少なくとも一つの液体補給口は、作業デッキ50より車体2の内側領域に配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械であって、
第1足場を有する車体と、
前記車体に取り付けられている走行装置と、を備え、
前記走行装置は、履帯を有しており、
前記第1足場は、前記履帯の上方に配置されており、かつ、作業デッキを有しており、
前記車体に、少なくとも一つの液体補給口が設けられており、
前記作業機械の上面視において、前記少なくとも一つの液体補給口は前記作業デッキより前記車体の内側領域に配置されている、作業機械。
【請求項2】
前記上面視において、前記少なくとも一つの液体補給口は、前記車体の車幅方向において前記作業デッキに対向する液体補給口を含む、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記上面視において、前記少なくとも一つの液体補給口は、前記車体の前後方向において前記作業デッキに対向する液体補給口を含む、請求項1または請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記少なくとも一つの液体補給口は、第1液体補給口と、第2液体補給口と、第3液体補給口とを有し、
前記上面視において、前記第3液体補給口は、前記第1液体補給口と前記第2液体補給口とに挟まれる領域に配置されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項5】
前記少なくとも一つの液体補給口は、第1液体補給口と、第2液体補給口と、第3液体補給口とを有し、
前記上面視において、前記第1液体補給口の開口中心、前記第2液体補給口の開口中心及び前記第3液体補給口の開口中心は、前記車体の車幅方向及び前後方向の双方において互いにオフセットして配置されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項6】
前記少なくとも一つの液体補給口は、前記作業機械の燃料の補給口、前記作業機械の選択触媒還元装置の還元剤の補給口、および前記作業機械のパワーライン用の潤滑油の補給口のうち少なくとも一つの補給口を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項7】
前記上面視において、前記少なくとも一つの液体補給口は、前記作業デッキから70cm以下の距離を空けた位置に配置されている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項8】
前記少なくとも一つの液体補給口は、前記作業デッキから70cm以下の高さの位置に配置されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項9】
前記作業デッキから前記少なくとも一つの液体補給口までの高さは、40cm以上である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項10】
前記車体の車幅方向において前記車体の幅中心から最も離れている前記第1足場の外側端部は、前記車体の車幅方向において前記車体の前記幅中心から最も離れている前記作業機械の外側端部より、前記車体の前記幅中心の側に位置している、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項11】
前記作業機械はブレードを備え、
前記作業機械の前記外側端部は、前記ブレードの外側端部である、請求項10に記載の作業機械。
【請求項12】
前記作業デッキは、前記車体のうち左側後方あるいは右側後方の部分に配置されている、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項13】
前記履帯及び前記作業デッキの後方に配置されている昇降装置をさらに備える、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項14】
前記車体は、キャブと、前記履帯の上方に配置されている第2足場とを有し、
前記第1足場は、前記作業デッキから前記第2足場まで延在する通路を有しており、
前記車体の車幅方向における前記作業デッキの第1幅は、前記車体の車幅方向における前記通路の第2幅より大きく、
前記キャブに出入口が設けられており、
前記第2足場は、前記出入口の近傍に配置されている、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項15】
前記通路の前記第2幅は、300mm以上である、請求項14に記載の作業機械。
【請求項16】
前記第1足場は、転落防止構造体を有している、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項17】
前記車体に被整備部材が設けられており、
前記上面視において、前記被整備部材は、前記作業デッキの内縁、前記作業デッキの前縁または前記作業デッキの角のいずれかから70cm以下の距離を空けた位置に配置されており、前記作業デッキの前記角は、前記作業デッキの前記内縁と前記作業デッキの前記前縁とによって形成されている、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の作業機械。
【請求項18】
前記被整備部材は、前記作業デッキから200cm以下の高さの位置に配置されている、請求項17に記載の作業機械。
【請求項19】
前記車体はキャブを有しており、
前記キャブには、窓が設けられており、
前記被整備部材は、前記窓を拭くワイパーゴムである、請求項17または請求項18に記載の作業機械。
【請求項20】
前記車体は、キャブと、前記キャブ内の空気を調和する空気調和ユニットとを有しており、
前記被整備部材は、前記空気調和ユニットによって前記キャブ内に取り入れられる外気に含まれる塵埃を除去するエアフィルタである、請求項17または請求項18に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第10947696号明細書(特許文献1)は、オペレータキャビンのドアに通じる歩道システムを有するブルドーザを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機械を使用するうえで、作業機械に燃料を補給する作業などの整備作業が必要になる。本開示の目的は、整備作業効率を向上させることができる作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の作業機械は、第1足場を有する車体と、車体に取り付けられている走行装置とを備える。走行装置は、履帯を有している。第1足場は、履帯の上方に配置されており、かつ、作業デッキを有している。車体に、少なくとも一つの液体補給口が設けられている。作業機械の上面視において、少なくとも一つの液体補給口は作業デッキより車体の内側領域に配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示の作業機械によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態のブルドーザの概略左側面図である。
【
図2】実施の形態のブルドーザの概略部分拡大左側面図である。
【
図3】実施の形態のブルドーザの概略上面図である。
【
図4】実施の形態のブルドーザの概略部分拡大上面図である。
【
図5】実施の形態のブルドーザの概略背面図である。
【
図6】実施の形態のブルドーザの概略部分拡大左後方斜視図である。
【
図7】実施の形態のブルドーザの概略部分拡大左側面図である。
【
図8】実施の形態のブルドーザの概略背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、明細書及び図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。
【0009】
本実施の形態においては、キャブ12内の運転席(図示せず)に着座したオペレータを基準として各部の位置関係について説明する。作業機械1の前後方向または車体2の前後方向は、運転席に着座したオペレータの前後方向をいう。作業機械1の左右方向または車体2の幅方向(車幅方向)は、運転席に着座したオペレータの左右方向をいう。作業機械1の上下方向または車体2の上下方向は、運転席に着座したオペレータの上下方向をいう。
【0010】
運転席に着座したオペレータに正対する方向が前方向であり、前方向に対向する方向が後方向である。運転席に着座したオペレータが正面に正対したときの右側、左側がそれぞれ右方向、左方向である。運転席に着座したオペレータの足元側が下側、頭上側が上側である。
【0011】
<作業機械1の構成>
図1から
図8を参照して、本開示の実施の形態における作業機械1の例として、ブルドーザの構成を説明する。本開示の作業機械1は、ブルドーザに限定されず、パイプレイヤであってもよい。
【0012】
図1及び
図2に示されるように、作業機械1は、車体2と、走行装置35と、前方作業機としての作業機4と、油圧系(図示せず)とを備える。作業機械1は、昇降装置7をさらに備えてもよい。作業機械1は、後方作業機としてのリッパ装置8をさらに備えてもよい。
【0013】
車体2は、第1足場5と、第2足場6と、車体フレーム11と、キャブ(運転室)12と、エンジン室16と、エンジン(図示せず)と、排出ガス後処理装置(図示せず)と、燃料タンク(図示せず)と、パワーライン用潤滑油のオイルパン(図示せず)と、還元剤タンク(図示せず)と、空気調和ユニット27とを有している。
【0014】
車体フレーム11は、キャブ12の下方に配置されており、キャブ12を支持している。キャブ12は、車体2の後上部に配置されている。キャブ12内に、オペレータが着座するための運転席(図示せず)と、作業機械1を操作するための操作装置(図示せず)と、計器(図示せず)とが設けられている。操作装置は、例えば、ステアリング、レバー及びペダルなどである。計器は、例えば、燃料の残量計、作動油の残量計及び還元剤の残量計などである。キャブ12にオペレータが出入りするための出入口13が、キャブ12に設けられている。出入口13には、ドアが設けられてもよい。ドアは、出入口13を開閉可能である。
【0015】
図5に示されるように、キャブ12には、窓が設けられている。車体2には、窓を拭くワイパーが設けられている。例えば後窓15にはワイパー30が設けられている。ワイパー30は、ワイパーゴム31と、アーム32とを有している。ワイパーゴム31は、アーム32に取り付けられている。アーム32は、ワイパーゴム31を動かす。ワイパーゴム31は、後窓15に接触して、後窓15を拭く。
【0016】
図1に示されるように、空気調和ユニット27は、キャブ12内の空気を調和する。空気調和ユニット27は、車体2のキャブ12に設置されている。空気調和ユニット27は、例えば、キャブ12から後方に張り出している。
図5に示されるように、空気調和ユニット27は、後窓15の上方に配置されている。空気調和ユニット27には、エアフィルタ29が設けられている。具体的には、空気調和ユニット27に、フィルタ取付部28が設けられている。エアフィルタ29は、フィルタ取付部28に挿入される。エアフィルタ29は、空気調和ユニット27によってキャブ12内に取り入れられる外気に含まれる塵埃を除去する。エアフィルタ29は、例えば、不織布シートで形成されている。あるいはエアフィルタ29は、カートリッジ状の部品でもよい。
【0017】
図1に示されるように、エンジン室16は、キャブ12の前方に配置されている。エンジン(図示せず)が、エンジン室16内に収容されている。エンジンは、例えば、ディーゼルエンジンである。エンジンは、例えば、走行装置35及び油圧系(図示せず)などを駆動するための駆動力を発生させる。油圧系は、例えば、油圧モータ(図示せず)と、油圧機構(図示せず)とを有している。エンジンは、パワーラインを介して、走行装置35を駆動する。具体的には、エンジンの駆動力がトルクコンバータ、トランスミッション、ステアリング、最終減速機、スプロケット(駆動輪)などを介して履帯36,37(
図3)に伝えられることにより、走行装置35は駆動される。エンジンは、油圧系を介して、作業機4及びリッパ装置8などを駆動する。具体的には、エンジンの駆動力により油圧機構を作動させることによって、作業機4及びリッパ装置8などが駆動される。
【0018】
排出ガス後処理装置(図示せず)は、例えば選択触媒還元装置である。選択触媒還元装置は、エンジン室16内に収容されている。選択触媒還元装置は、還元剤によってエンジンからの排気を処理する。選択触媒還元装置は、エンジンからの排気に含まれる窒素酸化物(NOx)を還元する。還元剤は、例えば、尿素水である。
【0019】
車体2に、第1液体補給口20が設けられている。第1液体補給口20には、第1液体補給口20を開閉可能な第1キャップ21が設けられている。第1液体補給口20は、例えば、作業機械1の燃料の補給口である。第1液体補給口20は、燃料タンク(図示せず)に通じている。例えば、整備作業員は、燃料を作業機械1(燃料タンク)に補給するとき、第1キャップ21を開ける。整備作業員は、第1液体補給口20にホース(図示せず)を接続する。燃料は、ホースを通して、第1液体補給口20から燃料タンクに補給される。整備作業員は、作業機械1(燃料タンク)への燃料の補給が終わると、第1キャップ21を閉じる。燃料は、燃料タンクに貯蔵される。燃料は、燃料タンクからエンジンに供給される。
【0020】
車体2に、第2液体補給口22が設けられている。第2液体補給口22には、第2液体補給口22を開閉可能な第2キャップ23が設けられている。第2液体補給口22は、例えば、作業機械1の排出ガス後処理装置である選択触媒還元装置の還元剤の補給口である。第2液体補給口22は、還元剤タンク(図示せず)に通じている。例えば、整備作業員は、還元剤を作業機械1(還元剤タンク)に補給するとき、第2キャップ23を開ける。整備作業員は、還元剤を含む容器(図示せず)から、還元剤を第2液体補給口22に注ぐ。容器は、例えば、バッグインボックス(BIB)のようなプラスチック容器である。整備作業員は、作業機械1(還元剤タンク)への還元剤の補給が終わると、第2キャップ23を閉じる。還元剤は、還元剤タンクに、貯蔵される。還元剤は、還元剤タンクから選択触媒還元装置に供給される。なお、第2液体補給口22は、作動油タンクに作動油を補給するための補給口であってもよい。
【0021】
車体2に、第3液体補給口24が設けられている。第3液体補給口24には、第3液体補給口24を開閉可能な第3キャップ25が設けられている。第3液体補給口24は、例えば、パワーライン用の潤滑油の補給口である。第3液体補給口24は、パワーライン用潤滑油のオイルパン(図示せず)に通じている。例えば、整備作業員は、潤滑油を作業機械1(パワーライン用潤滑油のオイルパン)に補給するとき、第3キャップ25を開ける。整備作業員は、潤滑油を含む容器(図示せず)から、潤滑油を第3液体補給口24に注ぐ。容器は、例えば、18リットル缶(一斗缶)のような容器である。整備作業員は、作業機械1(パワーライン用潤滑油のオイルパン)への潤滑油の補給が終わると、第3キャップ25を閉じる。潤滑油は、パワーライン用潤滑油のオイルパンに貯蔵される。潤滑油は、パワーライン用潤滑油のオイルパンから、エンジン、動力系装置及び油圧関連装置を含むパワーライン(動力伝達装置)に供給される。
【0022】
第1液体補給口20の位置及び高さの少なくとも一つは、第2液体補給口22の対応するもの及び第3液体補給口24の対応するものと異なってもよい。これにより液体の補給誤りという整備ミスの発生を大幅に低減することができる。また、補給する液体の種類に応じて第1液体補給口20、第2液体補給口22及び第3液体補給口24の位置または高さの少なくとも一つを変更することで、整備もより一層容易となる。
【0023】
走行装置35は、車体2に取り付けられている。具体的には、走行装置35は、車体フレーム11の左右両側に取り付けられている。走行装置35は、車体2を支持している。具体的には、走行装置35は、車体フレーム11を支持している。走行装置35は、車幅方向に互いに離れている一対の履帯36,37を有している。履帯36,37の各々は、スプロケット(駆動輪)と誘導輪(アイドラ)とに巻き掛けられている。パワーラインにおいてエンジンの駆動力がトルクコンバータ、トランスミッション、ステアリング、最終減速機、スプロケット(駆動輪)などを介して履帯36,37に伝達されることによって、作業機械1は走行する。
【0024】
作業機4は、車体2の前方に配置された部分を有している。作業機4は、ブレード(作業具)40と、左右一対のフレーム41と、左右一対のチルトシリンダ42と、左右一対の昇降シリンダ43とを有している。ブレード40は、車体2の前方に配置されている。ブレード40は、左右一対のフレーム41の各々に対して回転可能に支持されている。左右一対のフレーム41の各々は、車体2に対して回転可能に支持されている。ブレード40は、左右一対のチルトシリンダ42によってチルト動作またはピッチ動作可能である。具体的には、左右一対のチルトシリンダ42の一方を停止させ、他方を伸長させることによってブレード40の左端及び右端のいずれか一方が他方に対して上方へ動作し、ブレード40がチルト動作を実行する。また、左右一対のチルトシリンダ42の双方をともに伸縮させることによってブレード40が前後方向に傾動してピッチ動作を実行する。ブレード40は、左右一対の昇降シリンダ43の伸縮によって、左右一対のフレーム41の各々が車体2に支持される部分を中心にして上下方向に移動する。チルトシリンダ42と昇降シリンダ43とは、油圧シリンダであり、作動油を含む油圧系(図示せず)によって駆動される。
【0025】
リッパ装置8は、車体2の後方に配置されている後方作業機である。リッパ装置8は、岩盤などの硬質材料を貫通し破砕するための作業機である。リッパ装置8は、岩盤などを破砕する爪45を有している。リッパ装置8は、作動油を含む油圧系(図示せず)によって駆動される。
【0026】
<第1足場5>
図3に示されるように、車体2は、第1足場5を有している。第1足場5は、左右一対の履帯36,37のいずれか一方の上方に配置されている。本実施の形態においては、第1足場5は、例えば履帯36の上方に配置されている。第1足場5は、作業デッキ50を有している。作業デッキ50は、例えば、車体2のうち左側後方あるいは右側後方の部分に配置されている。本実施の形態においては、作業デッキ50は、例えば、車体2のうち左側後方の部分に配置されている。作業デッキ50は、車体2の後端部に配置されている。このため、作業デッキ50の後端部は車体2の後端部を構成する。整備作業員は、作業デッキ50上で、整備作業を行う。整備作業は、例えば、第1液体補給口20から燃料を補給する作業と、第2液体補給口22から還元剤を補給する作業と、第3液体補給口24からパワーライン用の潤滑油を補給する作業と、ワイパーゴム31を交換する作業と、エアフィルタ29を交換する作業とを含む。整備作業は、これら作業の少なくとも一つであってもよいし、これら作業の少なくとも二つであってもよい。
【0027】
図4に示されるように、作業機械1の上面視において、作業デッキ50は、内縁51と、前縁52と、内縁51と反対側の外縁53と、前縁52と反対側の後縁54とを有している。内縁51は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50の縁のうち車体2の幅中心9に近い縁である。車体2の幅中心9は、後述するように車幅方向における車体2の中心である。前縁52は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50の縁のうち作業機械1の前方向にある縁である。前縁52は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50のうち車体2の長さ中心10に近い縁であってもよい。車体2の長さ中心10は、後述するように作業機械1(車体2)の前後方向における車体2の中心である。外縁53は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50の縁のうち車体2の幅中心9から離れている縁である。後縁54は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50の縁のうち作業機械1の後方向にある縁である。後縁54は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50のうち車体2の長さ中心10から離れている縁であってもよい。作業デッキ50の角55は、作業デッキ50の内縁51と作業デッキ50の前縁52とによって形成されている。
【0028】
車幅方向における作業デッキ50の第1幅W1は、例えば、500mm以上である。作業デッキ50の第1幅W1は、600mm以上であってもよい。作業デッキ50は平面である。作業デッキ50の表面には滑り止めの加工が施されている。滑り止めの加工は、例えば、突起部の形成あるいは滑り止めシートの貼り付けである。
【0029】
第1足場5は、通路56をさらに有してもよい。通路56は、作業デッキ50から後述する第2足場6まで延在している。通路56は、例えば、作業デッキ50の前縁52から作業機械1の前方に向かって延在している。整備作業員は、通路56を通って、第2足場6またはキャブ12内の運転席から作業デッキ50まで移動する。車幅方向における作業デッキ50の第1幅W1は、車幅方向における通路56の第2幅W2より大きい。車幅方向における通路56の第2幅W2は、例えば、300mm以上である。
【0030】
第1足場5は、転落防止構造体58と外側壁57とをさらに有してもよい。本実施の形態では、転落防止構造体58は、
図6に示されるように、例えば、柵である。転落防止構造体58は、壁、ワイヤーロープまたは鎖などであってもよい。転落防止構造体58は、作業デッキ50に設けられている。具体的には、転落防止構造体58は、外側壁57を介して、作業デッキ50に設けられている。転落防止構造体58は、
図3に示されるように外縁53に沿って設けられている。転落防止構造体58は、通路56にも設けられてもよい。
【0031】
<第2足場6>
図3に示されるように、車体2は、第2足場6を有している。第2足場6は、例えば履帯36の上方に配置されている。第2足場6は、キャブ12の出入口13の近傍に配置されている。第2足場6は、第1足場5よりもキャブ12の出入口13の近くに配置されている。整備作業員は、フレーム41、履帯36、第2足場6を足掛かりとして、出入口13または通路56にアクセス可能である。
【0032】
<昇降装置7>
図3及び
図6に示されるように、昇降装置7は、整備作業員が作業デッキ50にアクセスすることを容易にする。昇降装置7は、履帯36及び作業デッキ50の後方に配置されている。昇降装置7は、作業デッキ50の例えば真後ろに配置されている。昇降装置7は、作業デッキ50の後縁54を規定する車体2の後端部に取り付けられている。整備作業員は、昇降装置7を通って、作業デッキ50の後縁54にアクセスする。昇降装置7は、例えば、はしご、昇降ステップまたは電動リフトである。本実施の形態では、昇降装置7は、
図7及び
図8に示される折り畳み状態となるように折り畳み可能である。そのため、昇降装置7が作業機械1の外部にある障害物に干渉することが回避され得る。昇降装置7は、手すり71を有してもよい。手すり71は、整備作業者が昇降装置7を移動することを容易にする。
【0033】
<液体補給口及び被整備部材の配置>
作業機械1には、少なくとも一つの液体補給口が設けられている。少なくとも一つの液体補給口は、一つの液体補給口であってもよく、あるいは、複数の液体補給口であってもよい。少なくとも一つの液体補給口は、例えば、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とを有している。作業機械1には、さらに、被整備部材として、例えば、ワイパーゴム31とエアフィルタ29とが設けられてもよい。
【0034】
図3に示されるように、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第1液体補給口20、第2液体補給口22または第3液体補給口24の少なくとも一つ)は、作業機械1の上面視において作業デッキ50よりも車体2の内側領域に配置されている。作業デッキ50よりも車体2の内側領域とは、作業機械1の上面視において作業デッキ50よりも車体2の中心2c寄りの領域である。
【0035】
具体的には、作業デッキ50よりも車体2の内側領域とは、作業機械1の上面視において、車体2の幅中心9と、車体2の長さ中心10と、作業デッキ50の前後方向における最後端に接し車幅方向に延びる仮想直線と、作業デッキ50の車幅方向における最外端に接し前後方向に延びる仮想直線とに囲まれた領域内に位置する車体2の領域である。
【0036】
上記における作業デッキ50の前後方向における最後端に接し車幅方向に延びる仮想直線は、例えば仮想直線10bと同じである。また、上記における作業デッキ50の車幅方向における最左端に接し前後方向に延びる仮想直線は、例えば仮想直線9bと同じである。
【0037】
このため、作業デッキ50よりも車体2の内側領域は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50よりも前後方向の後方の領域(作業デッキ50に対して車体2の幅中心9とは反対側)と、作業デッキ50よりも車幅方向の外側の領域(作業デッキ50に対して車体2の長さ中心10とは反対側の領域)とを含まない。
【0038】
上記における車体2の中心2cは、作業機械1の上面視において、幅中心9と長さ中心10とが交差する点である。
【0039】
上記における幅中心9とは、作業機械1の上面視において、車体2の最右端に接して前後方向に延びる仮想直線9aと、車体2の最左端に接して前後方向に延びる仮想直線9bとの中央において前後方向に延びる仮想直線のことである。このため、幅中心9と仮想直線9aとの車幅方向の距離L3と、幅中心9と仮想直線9bとの車幅方向の距離L4とは等しい。
【0040】
上記における長さ中心10とは、作業機械1の上面視において、車体2の最前端に接して車幅方向に延びる仮想直線10aと、車体2の最後端に接して車幅方向に延びる仮想直線10bとの中央において車幅方向に延びる仮想直線のことである。このため、長さ中心10と仮想直線10aとの前後方向の距離L1と、長さ中心10と仮想直線10bとの前後方向の距離L2とは等しい。
【0041】
作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、車体2の車幅方向において、車体2の幅中心9に対して作業デッキ50の側に配置されている。作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、車体2の長さ中心10に対して作業デッキ50の側に配置されている。
【0042】
作業機械1の上面視において、第1液体補給口20は、車幅方向において作業デッキ50(内縁51)に対向している。第1液体補給口20が車幅方向において作業デッキ50(内縁51)に対向しているとは、作業機械1の上面視において、車幅方向に沿って作業デッキ50の内縁51から車体2の幅中心9に至るまでの領域内に第1液体補給口20が配置されていることである。作業機械1の上面視において、第2液体補給口22は、車体2の前後方向において作業デッキ50(例えば、前縁52)に対向している。第2液体補給口22が前後方向において作業デッキ50(前縁52)に対向しているとは、作業機械1の上面視において、前後方向に沿って作業デッキ50の前縁52から車体2の長さ中心10に至るまでの領域内に第2液体補給口22が配置されていることである。このように第1液体補給口20と第2液体補給口22とが作業デッキ50に対して互いに異なる方向(車幅方向と前後方向)に配置されることにより、整備作業者による液体の補給誤りという整備ミスの発生を大幅に低減することができる。
【0043】
作業機械1の上面視において、第3液体補給口24は、第1液体補給口20と第2液体補給口22とに挟まれる領域に配置されている。
【0044】
作業機械1の上面視において、第1液体補給口20の開口中心C1、第2液体補給口22の開口中心C2及び第3液体補給口24の開口中心C3は、車体2の車幅方向及び前後方向の双方において互いにオフセットして(ずれて)配置されている。これにより整備作業者による液体の補給誤りという整備ミスの発生を大幅に低減することができ、整備作業の正確性を向上させることができる。
【0045】
作業機械1の上面視において、ワイパー30の停止状態では、ワイパーゴム31は、車幅方向において車体2の幅中心9に対して作業デッキ50側にて停止する。作業機械1の上面視において、エアフィルタ29は、車幅方向において車体2の幅中心9に対して作業デッキ50側に配置されている。作業機械1の上面視において、エアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、車幅方向において作業デッキ50(内縁51)に対向している。
【0046】
図4に示されるように、作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、作業デッキ50のまわりに配置されている。例えば、作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、作業デッキ50の内縁51、作業デッキ50の前縁52または作業デッキ50の角55のいずれかから70cm以下の距離(距離d
1、距離d
2、距離d
3)を空けた位置に配置されている。この距離(距離d
1、距離d
2、距離d
3)は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、第1領域60(
図4に示される網掛け領域)に配置されている。第1領域60は、後述する第1領域部分61と第2領域部分62と第3領域部分63との和である。
【0047】
燃料と還元剤とは同程度のメンテナンス頻度で補給する場合もある。このため、第1領域60に複数の液体補給口(第1液体補給口20、第2液体補給口22、第3液体補給口24)を配置することにより、同じタイミングで補給作業する際の整備時間を短縮することができる。さらに、第1領域60に被整備部材を配置することにより、補給作業時に併せて、少ない移動距離で被整備部材の整備を行うこともでき、整備時間を短縮できる。
【0048】
作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31とエアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、作業デッキ50のまわりに配置されている。例えば、作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31とエアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、作業デッキ50の内縁51、作業デッキ50の前縁52または作業デッキ50の角55のいずれかから70cm以下の距離(距離d
4、距離d
5)を空けた位置に配置されている。この距離(距離d
4、距離d
5)は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31とエアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、第1領域60(
図4に示される網掛け領域)に配置されている。
【0049】
作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、作業デッキ50の角55まわりに配置されてもよい。作業機械1の上面視において、第1液体補給口20と第2液体補給口22と第3液体補給口24とは、第2領域65に配置されてもよい。第2領域65は、作業デッキ50の角55から距離Dを空けた位置に配置されている弧と、当該弧と接する作業デッキ50の縁(例えば、内縁51及び前縁52)とによって形成される扇形領域から通路56を除いた領域として規定される。
【0050】
作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31とエアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、作業デッキ50の角55まわりに配置されてもよい。作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31とエアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、第2領域65に配置されてもよい。
【0051】
例えば、作業機械1の上面視において、第1液体補給口20は、例えば、車幅方向に作業デッキ50(内縁51)から70cm以下の距離d1を空けた位置に配置されている。距離d1は、車幅方向における第1液体補給口20と作業デッキ50(内縁51)との間の最短距離である。距離d1は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、第1液体補給口20の少なくとも一部は、第1領域部分61にある。第1領域部分61は、作業デッキ50の内縁51と、作業デッキ50の内縁51から車幅方向に距離Dを空けて車体2の幅中心9に向かって離れている線との間の領域として規定される。距離Dは、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。
【0052】
作業機械1の上面視において、第2液体補給口22は、例えば、車体2の前後方向に作業デッキ50(例えば、前縁52)から70cm以下の距離d2を空けた位置に配置されている。距離d2は、車体2の前後方向における第2液体補給口22と作業デッキ50(例えば、前縁52)との間の最短距離である。距離d2は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、第2液体補給口22の少なくとも一部は、第2領域部分62にある。第2領域部分62は、作業デッキ50の前縁52と、作業デッキ50の前縁52から車体2の前後方向に距離Dを空けて車体2の長さ中心10に向かって離れている線との間の領域として規定される。距離Dは、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。
【0053】
第3液体補給口24は、作業機械1の上面視において、作業デッキ50の角55から70cm以下の距離d3を空けた位置に配置されている。距離d3は、作業機械1の上面視における第3液体補給口24と作業デッキ50の角55との間の最短距離である。距離d3は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、第3液体補給口24の少なくとも一部は、第3領域部分63にある。第3領域部分63は、第1領域部分61と第2領域部分62と作業デッキ50の角55から距離Dを空けた位置に配置されている円弧とによって囲まれる扇形領域として規定される。距離Dは、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。
【0054】
作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31は、作業デッキ50の角55から70cm以下の距離d4を空けた位置に配置されている。距離d4は、作業機械1の上面視におけるワイパーゴム31と作業デッキ50の角55との間の最短距離である。距離d4は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、ワイパーゴム31は、第3領域部分63に配置されてもよい。
【0055】
作業機械1の上面視において、エアフィルタ29とフィルタ取付部28は、車幅方向に、作業デッキ50(内縁51)から70cm以下の距離d5を空けた位置に配置されている。距離d5は、車幅方向におけるエアフィルタ29と作業デッキ50(内縁51)との間の最短距離、または、車幅方向におけるフィルタ取付部28と作業デッキ50(内縁51)との間の最短距離である。距離d5は、60cm以下であってもよく、50cm以下であってもよく、40cm以下であってもよい。作業機械1の上面視において、エアフィルタ29とフィルタ取付部28とは、第1領域部分61に配置されてもよい。
【0056】
図5に示されるように、第1液体補給口20は、作業デッキ50の床面から70cm以下の高さh
1の位置に配置されている。高さh
1は、作業機械1の上下方向における、第1液体補給口20と作業デッキ50の床面との間の最小高さである。高さh
1は、60cm以下であってもよい。高さh
1は、40cm以上であってもよい。
【0057】
第2液体補給口22は、作業デッキ50の床面から70cm以下の高さh2の位置に配置されている。高さh2は、作業機械1の上下方向における、第2液体補給口22と作業デッキ50の床面との間の最小高さである。高さh2は、60cm以下であってもよい。高さh2は、40cm以上であってもよい。
【0058】
第3液体補給口24は、作業デッキ50の床面から70cm以下の高さh3の位置に配置されている。高さh3は、作業機械1の上下方向における、第3液体補給口24と作業デッキ50の床面との間の最小高さである。高さh3は、60cm以下であってもよい。高さh3は、40cm以上であってもよい。
【0059】
ワイパーゴム31は、作業デッキ50の床面から200cm以下の高さh4の位置に配置されている。高さh4は、作業機械1の上下方向における、ワイパーゴム31と作業デッキ50の床面との間の最小高さである。高さh4は、180cm以下であってもよく、150cm以下であってもよく、120cm以下であってもよく、100cm以下であってもよく、80cm以下であってもよい。高さh4は、高さh1よりも高くてもよく、高さh2よりも高くてもよく、高さh3よりも高くてもよい。
【0060】
エアフィルタ29またはフィルタ取付部28は、作業デッキ50の床面から200cm以下の高さh5の位置に配置されている。高さh5は、作業機械1の上下方向における、エアフィルタ29またはフィルタ取付部28と作業デッキ50の床面との間の最小高さである。高さh5は、180cm以下であってもよく、150cm以下であってもよく、120cm以下であってもよく、100cm以下であってもよく、80cm以下であってもよい。高さh5は、高さh1よりも高くてもよく、高さh2よりも高くてもよく、高さh3よりも高くてもよい。
【0061】
図8に示される構成においては、車幅方向において車体2の幅中心9から最も離れている第1足場5の外側端部5eは、車幅方向において車体2の幅中心9から最も離れている作業機械1の外側端部より、車体2の幅中心9の側(近く)に位置している。
【0062】
作業機械1の外側端部は、ブレード40の外側端部40eであってもよいし、走行装置35の外側端部35eであってもよい。本実施の形態においては、作業機械1の外側端部は、例えばブレード40の外側端部40eである。このため第1足場5の外側端部5eは、ブレード40の外側端部40eより車体2の幅中心9の側(近く)に位置している。作業機械1の外側端部が走行装置35の外側端部35eである場合、第1足場5の外側端部5eは、走行装置35の外側端部35eより車体2の幅中心9の側(近く)に位置する。
【0063】
本実施の形態及び変形例では、作業機械1はキャブ12を備えており、オペレータがキャブ12に搭乗する有人車両である例について説明した。作業機械1は、無人車両であってもよい。作業機械1は、オペレータが搭乗してブルドーザを操作するためのキャブ12を備えていなくてもよい。作業機械1は、搭乗したオペレータによる操縦機能を搭載していなくてもよい。作業機械1は、遠隔操縦専用の作業機械であってもよい。作業機械1の操縦は、遠隔操縦装置からの無線信号により行なわれてもよい。
【0064】
本実施の形態の効果を説明する。
【0065】
本実施の形態の作業機械1は、第1足場5を有する車体2と、車体2に取り付けられている走行装置35とを備える。走行装置35は、一対の履帯36,37を有している。第1足場5は、履帯36の上方に配置されており、かつ、作業デッキ50を有している。車体2に、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第1液体補給口20、第2液体補給口22または第3液体補給口24の少なくとも一つ)が設けられている。作業機械1の上面視において、少なくとも一つの液体補給口は、作業デッキ50より車体2の内側領域に配置されている。
【0066】
なお、作業デッキ50より車体2の内側領域に配置される少なくとも一つの液体補給口は、第1液体補給口20、第2液体補給口22及び第3液体補給口24に限定されず、他の液体補給口であってもよい。また、少なくとも一つの液体補給口が車体2の内側領域に配置されていればよく、一つの液体補給口または複数の液体補給口のいずれが車体2の内側領域に配置されていてもよい。
【0067】
整備作業者は、足元の安定する作業デッキ50上において、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第1液体補給口20、第2液体補給口22または第3液体補給口24の少なくとも一つ)の整備作業を行うことができる。例えば整備作業者は、足元の安定する作業デッキ50上において、第1液体補給口20に第1液体(例えば、作業機械1の燃料)を補給するという整備作業を行うことができる。そのため、整備作業者は、作業機械1の整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0068】
また、本実施形態の作業機械1では、作業機械1の上面視において、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第1液体補給口20、第2液体補給口22または第3液体補給口24の少なくとも一つ)は、作業デッキ50より車体2の内側領域に配置されている。このため、作業デッキ50の前方及び後方に作業デッキ50にアクセスするための経路を確保することが容易となる。たとえば
図3に示されるように作業デッキ50の前縁52から前方へ延びるように通路56を配置し、かつ作業デッキ50の真後ろに昇降装置7を配置することが容易となり、作業デッキ50の前後どちらからもアクセス経路を確保することが容易となる。また、作業デッキ50が車体2の後端に配置されることにより、作業デッキ50の後端に昇降装置7を配置することができ、昇降装置7から作業デッキ50へ直接にアクセスすることが可能となる。また、作業デッキ50へのアクセスが容易になるため、一人目の整備作業者がいずれか一つの液体補給口に液体を補給している場合でも、二人目の整備作業者が作業デッキ50にアクセスして他の液体補給口に液体を補給することも容易となる。このように複数(例えば二人)の整備作業者による作業デッキ50での同時整備も容易となる。
【0069】
本実施の形態の作業機械1では、少なくとも一つの液体補給口は、第1液体補給口20と、第2液体補給口22と、第3液体補給口24とを有している。作業機械1の上面視において、第1液体補給口20の開口中心C1、第2液体補給口22の開口中心C2及び第3液体補給口24の開口中心C3は、車体2の車幅方向及び前後方向の双方において互いにオフセットして配置されている。
【0070】
そのため、整備作業者による液体の補給誤りという整備ミスの発生を大幅に低減することができる。整備作業の正確性を向上させることができる。
【0071】
本実施の形態の作業機械1では、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第1液体補給口20)は、作業機械1の燃料の補給口を含む。
【0072】
そのため、整備作業者は、第1液体補給口20に作業機械1の燃料を補給するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0073】
本実施の形態の作業機械1では、作業機械1の上面視において、少なくとも一つの液体補給口は、車体2の車幅方向において、作業デッキ50から70cm以下の第1距離(距離d1)を空けた位置に配置されている。
【0074】
そのため、少なくとも一つの液体補給口は、作業デッキ50上の整備作業者の手の届く範囲内に配置されている。整備作業者は、少なくとも一つの液体補給口に液体を補給するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0075】
本実施の形態の作業機械1では、少なくとも一つの液体補給口は、作業デッキ50から70cm以下の高さの位置に配置されている。
【0076】
そのため、整備作業者は、液体を供給するホースを少なくとも一つの液体補給口に容易に接続することができて、液体を少なくとも一つの液体補給口に容易に注ぐことができる。あるいは、整備作業者は、液体を含む容器から、液体を少なくとも一つの液体補給口に容易に注ぐことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0077】
本実施の形態の作業機械1では、作業デッキ50から少なくとも一つの液体補給口までの高さは、40cm以上である。
【0078】
そのため、整備作業者は、液体を供給するホースを少なくとも一つの液体補給口に容易に接続することができて、液体を少なくとも一つの液体補給口に容易に注ぐことができる。あるいは、整備作業者は、液体を含む容器から、液体を少なくとも一つの液体補給口に容易に注ぐことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0079】
本実施の形態の作業機械1では、作業機械1の上面視において、少なくとも一つの液体補給口は、車体2の前後方向において、車体2の長さ中心10に対して作業デッキ50の側に配置されており、かつ、車体2の前後方向において作業デッキ50に対向する液体補給口(例えば、第2液体補給口22)を含む。
【0080】
整備作業者は、足元の安定する作業デッキ50上において、少なくとも一つの液体補給口(例えば、第2液体補給口22)に液体(例えば、選択触媒還元装置の還元剤)を補給するという整備作業を行うことができる。そのため、整備作業者は、作業機械1の整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。また、作業デッキ50に対する第2液体補給口22の配置方向は、作業デッキ50に対する第1液体補給口20の配置方向と異なっている。そのため、整備作業者が、第2液体補給口22に補給すべき液体を誤って第1液体補給口20に補給するリスクが大幅に低減する。整備作業者による整備ミスが発生する可能性が大幅に低減する。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業の正確性を向上させることができる。
【0081】
本実施の形態の作業機械1では、少なくとも一つの液体補給口は、作業機械1の選択触媒還元装置の還元剤または作動油の少なくとも一つの補給口(例えば、第2液体補給口22)を含む。
【0082】
そのため、整備作業者は、還元剤または作動油の少なくとも一つを補給するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができるとともに、整備作業の正確性を向上させることができる。
【0083】
本実施の形態の作業機械1では、少なくとも一つの液体補給口は、パワーライン用の潤滑油の補給口(例えば、第3液体補給口24)を含む。
【0084】
そのため、整備作業者は、パワーライン用の潤滑油を補給するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができるとともに、整備作業の正確性を向上させることができる。
【0085】
本実施の形態の作業機械1では、車体2の車幅方向において車体2の幅中心9から最も離れている第1足場5の外側端部5eは、車体2の車幅方向において車体2の幅中心9から最も離れている作業機械1の外側端部より、車体2の幅中心9の側に位置している。これにより作業機械1が走行しても第1足場5が障害物に干渉することが抑制される。
【0086】
そのため、第1足場5が作業機械1の外部にある障害物に干渉することが回避され得る。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0087】
本実施の形態の作業機械1では、作業デッキ50は、車体2のうち左側後方あるいは右側後方の部分に配置されている。
【0088】
そのため、整備作業者は、作業機械1の外部から作業デッキ50に容易にアクセスすることができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0089】
本実施の形態の作業機械1は、履帯36及び作業デッキ50の後方に配置されている昇降装置7をさらに備える。
【0090】
そのため、整備作業者は、昇降装置7を通って、作業デッキ50に容易にアクセスすることができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0091】
本実施の形態の作業機械1では、車体2は、キャブ12と、第2足場6とを有している。第2足場6は、履帯36の上方に配置されている。第1足場5は、作業デッキ50から第2足場6まで延在する通路56を有している。車体2の車幅方向における作業デッキ50の第1幅W1は、車体2の車幅方向における通路56の第2幅W2より大きい。キャブ12に出入口13が設けられている。第2足場6は、出入口13の近傍に配置されている。
【0092】
第2足場6は履帯36の上方に配置されているため、整備作業者は、作業機械1の外部または及びキャブ12から、第2足場6及び通路56を通って、作業デッキ50に容易にアクセスすることができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0093】
本実施の形態の作業機械1では、通路56の第2幅W2は、300mm以上である。
【0094】
そのため、整備作業者は、作業機械1の外部から、第2足場6及び通路56を通って、作業デッキ50に容易にアクセスすることができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0095】
本実施の形態の作業機械1では、第1足場5は、作業デッキ50に設けられている転落防止構造体58を有している。
【0096】
転落防止構造体58は、整備作業者が作業デッキ50から転落することを防止する。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0097】
本実施の形態の作業機械1では、第1足場5は、転落防止構造体58を有している。
【0098】
転落防止構造体58は、整備作業者が作業デッキ50及び通路56から転落することを防止する。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0099】
本実施の形態の作業機械1では、車体2に被整備部材(例えば、ワイパーゴム31またはエアフィルタ29の少なくとも一つ)が設けられている。作業機械1の上面視において、被整備部材は、作業デッキ50の内縁51、作業デッキ50の前縁52または作業デッキ50の角55のいずれかから70cm以下の距離(距離d4、d5)を空けた位置に配置されており、作業デッキ50の角55は作業デッキ50の内縁51と作業デッキ50の前縁52とによって形成されている。
【0100】
そのため、被整備部材は、作業デッキ50上の整備作業者の手の届く範囲内に配置されている。整備作業者は、被整備部材を整備するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0101】
本実施の形態の作業機械1では、被整備部材は、作業デッキ50から200cm以下の高さ(高さh4または高さh5)の位置に配置されている。
【0102】
そのため、被整備部材は、作業デッキ50上の整備作業者の手の届く範囲内に配置されている。整備作業者は、被整備部材を整備するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0103】
本実施の形態の作業機械1では、車体2はキャブ12を有している。キャブ12には、後窓15が設けられている。被整備部材は、後窓15を拭くワイパーゴム31である。
【0104】
そのため、整備作業者は、ワイパーゴム31を交換するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0105】
本実施の形態の作業機械1では、車体2は、キャブ12と、キャブ12内の空気を調和する空気調和ユニット27とを有している。被整備部材は、空気調和ユニット27によってキャブ12内に取り入れられる外気に含まれる塵埃を除去するエアフィルタ29である。
【0106】
そのため、整備作業者は、エアフィルタ29を交換するという整備作業を容易に行うことができる。本実施の形態の作業機械1によれば、整備作業効率を向上させることができる。
【0107】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
1 作業機械、2 車体、2c 中心、4 作業機、5 第1足場、5e 外側端部、6 第2足場、7 昇降装置、8 リッパ装置、9 幅中心、9a,9b,10a,10b 仮想直線、10 長さ中心、11 車体フレーム、12 キャブ、13 出入口、15 後窓、16 エンジン室、20 第1液体補給口、21 第1キャップ、22 第2液体補給口、23 第2キャップ、24 第3液体補給口、25 第3キャップ、27 空気調和ユニット、28 フィルタ取付部、29 エアフィルタ、30 ワイパー、31 ワイパーゴム、32 アーム、35 走行装置、35e 外側端部、36,37 履帯、40 ブレード、40e 外側端部、41 フレーム、42 チルトシリンダ、43 昇降シリンダ、45 爪、50 作業デッキ、51 内縁、52 前縁、53 外縁、54 後縁、55 角、56 通路、57 外側壁、58 転落防止構造体、60 第1領域、61 第1領域部分、62 第2領域部分、63 第3領域部分、65 第2領域、71 手すり、C1,C2,C3 開口中心。