IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 佐鳥電機株式会社の特許一覧

特開2023-72354予約システム、予約サーバ及びプログラム
<>
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図1
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図2
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図3
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図4
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図5
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図6
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図7
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図8
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図9
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図10
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図11
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図12
  • 特開-予約システム、予約サーバ及びプログラム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072354
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】予約システム、予約サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20230517BHJP
   G06Q 10/083 20230101ALI20230517BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184856
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】591148602
【氏名又は名称】佐鳥電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 学
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049AA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】荷主がフォワーダに対して荷物をコンテナに積載して輸送する予約を行う予約システム及びサーバを提供する。
【解決手段】荷主端末、予約サーバ及びキャリアサーバが、ネットワークを介して通信する予約システムにおいて、予約サーバは、荷主端末と荷主からの予約を受け付ける記憶部を備える。記憶部は、輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、輸送機器の発着地及び積算度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している。予約サーバは、見積要求情報を受信した場合、コンテナ管理情報を参照して、発着地条件及び積載条件の何れも成立させるコンテナ管理情報に対応するコンテナに関する情報を荷主端末に表示させ、荷主端末から送信され、且つ、実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を受信した場合、予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の積算度合値を見積要求情報によって特定される積載量に基いて更新する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の送り主である荷主が、コンテナを管理しているフォワーダに対して、前記荷物を前記コンテナに積載して輸送する予約を行うための予約システムであって、
前記荷主が操作する荷主端末と、
前記荷主からの前記予約を受け付ける予約サーバと、
輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着地、及び前記コンテナの最大積載量に対する積載度合を表す積載度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している記憶部と、
を備え、
前記予約サーバは、
前記荷主端末から、前記荷物の発着地及び前記荷物の積載量を特定可能な見積要求情報を受信した場合、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地が一致するとの発着地条件、及び、前記積載度合値が前記見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能であることを表すとの積載条件の何れの条件も成立させるコンテナ管理情報を予約候補情報として選択し、
前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させる、
ように構成され、
前記荷主端末は、前記荷主が前記見積画面にて実際に予約するコンテナを決定する操作を行った場合、前記実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を前記予約サーバに送信するように構成され、
前記予約サーバは、前記予約決定情報を受信した場合、前記予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の前記積載度合値を、前記見積要求情報によって特定される前記積載量に基いて更新する、
ように構成された、
予約システム。
【請求項2】
請求項1に記載の予約システムにおいて、
前記予約サーバは、前記予約候補情報のうち予め設定された順序で上位の所定数の予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させるように構成された、
予約システム。
【請求項3】
請求項2に記載の予約システムにおいて、
前記コンテナ管理情報は、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着日時、及び、前記輸送機器の到着が遅延する確率を表す遅延確率を更に含み、
前記予約サーバは、
前記予約候補情報のうち、
前記積載度合値が前記最大積載量に近い順、
前記輸送機器の到着日時が早い順、
前記遅延確率の小さい順、及び、
前記荷物を前記予約候補情報に対応するコンテナに積載した場合の送料の安い順、
の何れかの順序で上位の所定数の前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させるように構成された、
予約システム。
【請求項4】
請求項1に記載の予約システムにおいて、
前記コンテナ管理情報は、更に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着日時を含み、
前記見積要求情報は、更に、前記荷物の発着日時を特定可能であって、
前記予約サーバは、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地条件、前記積載条件、及び、前記輸送機器の発着日時が前記見積要求情報によって特定される発着日時から所定日数以内であるとの発着日時条件の何れの条件をも成立させるコンテナ管理情報を前記予約候補情報として選択するように構成された、
予約システム。
【請求項5】
請求項4に記載の予約システムにおいて、
前記予約サーバは、前記発着日時が同一の前記予約候補情報が複数存在する場合、前記複数の予約候補情報のうち前記積載度合値が前記コンテナの最大積載量に最も近いことを表す前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む前記見積画面を前記荷主端末に表示させるように構成された、
予約システム。
【請求項6】
請求項4に記載の予約システムにおいて、
前記予約サーバは、前記コンテナが積み込まれる輸送機器の出発日時まで所定日数以内であって、且つ、前記コンテナの積載度合値が前記コンテナの最大積載量まで所定量以上足りていないことを表す場合、前記コンテナに荷物を積載する案内を予め登録した端末に送信するように構成された、
予約システム。
【請求項7】
荷物の送り主である荷主が操作する荷主端末からの前記荷物をコンテナに積載して輸送する予約を受け付ける予約サーバであって、
輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着地、及び前記コンテナの最大積載量に対する積載度合を表す積載度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している記憶部と通信可能であり、
前記荷主端末から、前記荷物の発着地及び前記荷物の積載量を特定可能な見積要求情報を受信した場合、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地が一致するとの発着地条件、及び、前記積載度合値が前記見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能であることを表すとの積載条件の何れの条件も成立させるコンテナ管理情報を予約候補情報として選択し、
前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させ、
前記荷主が前記見積画面にて実際に予約するコンテナを決定する操作を行った場合に前記荷主端末から送信され、且つ、前記実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を受信した場合、前記予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の前記積載度合値を、前記見積要求情報によって特定される前記積載量に基いて更新する、
ように構成された、
予約サーバ。
【請求項8】
荷物の送り主である荷主が操作する荷主端末からの前記荷物をコンテナに積載して輸送する予約を受け付けるプログラムであって、
輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着地、及び前記コンテナの最大積載量に対する積載度合を表す積載度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している記憶部と通信可能な計算機に、
前記荷主端末から、前記荷物の発着地及び前記荷物の積載量を特定可能な見積要求情報を受信した場合、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地が一致するとの発着地条件、及び、前記積載度合値が前記見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能であることを表すとの積載条件の何れの条件も成立させるコンテナ管理情報を予約候補情報として選択する第1ステップと、
前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させる第2ステップと、
前記荷主が前記見積画面にて実際に予約するコンテナを決定する操作を行った場合に前記荷主端末から送信され、且つ、前記実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を受信した場合、前記予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の前記積載度合値を、前記見積要求情報によって特定される前記積載量に基いて更新する第3ステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物をコンテナに積載して輸送する予約を荷主からフォワーダに対して行うための予約システム、予約サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、荷物を積載するコンテナを輸送する輸送機器を予約する予約システムが知られている。例えば、特許文献1に記載の予約システム(以下、「従来システム」と称呼する。)は、コンテナを輸送する内航船の予約、及び、各港のターミナルにコンテナを搬出入するトレーラの予約を行うことができるようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-18311号公報
【発明の概要】
【0004】
一般に、このような輸送業界には、荷主、フォワーダ及びキャリアの三者が存在する。荷主は荷物の送り主であり、キャリアは輸送機器を運行する業者である。フォワーダは、コンテナに積載される荷物の予約を荷主から受け付け、コンテナを積み込む輸送機器の予約をキャリアに対して行う。
【0005】
従来システムによれば、フォワーダがキャリアに対して輸送機器の予約を行うことが可能となる。しかし、従来システムは、輸送機器のコンテナの積載量を管理しているものの、コンテナの荷物の積載量については管理していない。このため、荷主のフォワーダに対するコンテナの予約を行うことができない。
【0006】
本発明は上述した課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、荷主のフォワーダに対するコンテナの予約を行うことができるようにする予約システムを提供することにある。
【0007】
本発明の予約システム(以下、「本予約システム」とも呼称する。)は、
荷物の送り主である荷主が、コンテナを管理しているフォワーダに対して、前記荷物を前記コンテナに積載して輸送する予約を行うためのものであり、
前記荷主が操作する荷主端末(10)と、
前記荷主からの前記予約を受け付ける予約サーバ(20)と、
輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着地、及び前記コンテナの最大積載量に対する前記荷物の積載度合を表す積載度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している記憶部(240)と、
を備え、
前記予約サーバは、
前記荷主端末から、前記荷物の発着地及び前記荷物の積載量を特定可能な見積要求情報を受信した場合、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地が一致するとの発着地条件、及び、前記積載度合値が前記見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能であることを表すとの積載条件の何れの条件も成立させるコンテナ管理情報を予約候補情報として選択し(ステップ715、ステップ1010、ステップ1025)、
前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面(900)を前記荷主端末に表示させる(ステップ730、ステップ735、ステップ1040)、
ように構成され、
前記荷主端末は、前記荷主が前記見積画面にて実際に予約するコンテナを決定する操作を行った場合、前記実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を前記予約サーバに送信するように構成され(ステップ740)、
前記予約サーバは、前記予約決定情報を受信した場合、前記予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の前記積載度合値を、前記見積要求情報によって特定される前記積載量に基いて更新する(ステップ745、ステップ1115)、
ように構成されている。
【0008】
本予約システムにおいては、コンテナ管理情報に「コンテナの最大残積載量に対する荷物の積載度合を表す積載度合値(一例としては、残積載量及び積載率)」を含めることにより、積載度合値を管理している。この積載度合値は積載条件の成立判定に用いられ、見積要求情報を送信した荷主端末には、見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能なコンテナに関する情報が見積画面として表示されることになる。
予約サーバは、荷主端末からの予約決定情報を受信した場合(荷主からの予約を受け付けた場合)、この積載度合値を更新するので、積載度合値は、コンテナの最大積載量に対する現在の荷物の積載度合を正確に表すことができる。
よって、荷主のフォワーダに対するコンテナの予約を行うことができるようになり、更には、見積画面に「見積要求情報によって特定される積載量の荷物」を積載不可能なコンテナに関する情報が表示される可能性を低減できる。
【0009】
本予約システムの一態様において、
前記予約サーバは、前記予約候補情報のうち予め設定された順序で上位の所定数の予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させるように構成されている(ステップ725、ステップ1035)。
【0010】
本態様によれば、膨大な数の「予約候補情報に対応するコンテナに関する情報」が見積画面に表示されることを防止できる。これにより、荷主がどのコンテナを実際に予約するかの判断し易くなる。
【0011】
上記態様において、
前記コンテナ管理情報は、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着日時(404)、及び、前記輸送機器の到着が遅延する確率を表す遅延確率(410)を更に含み、
前記予約サーバは、
前記予約候補情報のうち、
前記積載度合値が前記最大積載量に近い順、
前記輸送機器の到着日時が早い順、
前記遅延確率の小さい順、及び、
前記荷物を前記予約候補情報に対応するコンテナに積載した場合の送料の安い順、
の何れかの順序で上位の所定数の前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面を前記荷主端末に表示させるように構成されている(ステップ725、ステップ1035)。
【0012】
本態様によれば、積載度合値が最大積載量に近い順で上位所定数の予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面が表示された場合には、最大積載量に到達しそうなコンテナが優先して見積画面に表示されることになる。荷主は、見積画面に表示されたコンテナの中から予約するコンテナを決定するため、フォワーダの「あるコンテナの積載量を最大積載量に到達させてから次のコンテナに積載する荷物の予約を受け付けたいとの要望」を満たすことができる。
【0013】
更に、その他の順(到着日時の早い順、遅延確率の小さい順、送料の安い順)で上位所定数の予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面が表示された場合には、荷主の関心が高いコンテナに関する情報が見積画面に表示される可能性を高めることができる。これにより、荷主は見積画面を見れば、荷主の関心の高いコンテナを把握できるので、荷主がどのコンテナを実際に予約するかの判断し易くなる。
【0014】
本予約システムの一態様において、
前記コンテナ管理情報は、更に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着日時(406)を含み、
前記見積要求情報は、更に、前記荷物の発着日時を特定可能であって、
前記予約サーバは、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地条件、前記積載条件、及び、前記輸送機器の発着日時が前記見積要求情報によって特定される発着日時から所定日数以内であるとの発着日時条件の何れの条件をも成立させるコンテナ管理情報を前記予約候補情報として選択するように構成されている(ステップ1010)。
【0015】
コンテナの発着日時が「荷主が希望している発着日時」から離れていれば、そのコンテナを予約する可能性は低い。本態様によれば、このようなコンテナに関する情報が見積画面に表示されることを防止できる。これにより、荷主がどのコンテナを実際に予約するかの判断し易くすることができる。
【0016】
上記態様において
前記予約サーバは、前記発着日時が同一の前記予約候補情報が複数存在する場合、前記複数の予約候補情報のうち前記積載度合値が前記コンテナの最大積載量に最も近いことを表す前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む前記見積画面を前記荷主端末に表示させるように構成されている(第3変形例のステップ1025)。
【0017】
発着日時が同一の複数の予約候補情報に対応するコンテナは、同一の輸送機器に積み込まれる複数のコンテナである。本態様によれば、同一の輸送機器に積み込まれる複数のコンテナのうち「積載度合値が最大積載量に最も近いコンテナ」に関する情報を含む見積画面が表示される。これにより、フォワーダの「あるコンテナの積載量を最大積載量に到達させてから次のコンテナに積載する荷物の予約を受け付けたいとの要望」を満たすことができる。
【0018】
上記態様において、
前記予約サーバは、前記コンテナが積み込まれる輸送機器の出発日時まで所定日数以内であって(ステップ1305「Yes」)、且つ、前記コンテナの積載度合値が前記コンテナの最大積載量から所定量だけ離れていることを表す場合(ステップ1310「Yes」)、前記コンテナに荷物を積載する案内を予め登録した端末に送信するように構成されている(ステップ1320)。
【0019】
本態様によれば、出発日時には一つでも多くのコンテナの積載量を最大積載量に到達させたいとのフォワーダの要望を満たすことができる。
【0020】
本発明の予約サーバ(20)は、
荷物の送り主である荷主が操作する荷主端末(10)からの前記荷物をコンテナに積載して輸送する予約を受け付けるものであって、
輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着地、及び前記コンテナの最大積載量に対する積載度合を表す積載度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している記憶部(240)とネットワークを介して通信可能であり、
前記荷主端末から、前記荷物の発着地及び前記荷物の積載量を特定可能な見積要求情報を受信した場合、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地が一致するとの発着地条件、及び、前記積載度合値が前記見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能であることを表すとの積載条件の何れの条件も成立させるコンテナ管理情報を予約候補情報として選択し(ステップ715、ステップ1010、ステップ1025)、
前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面(900)を前記荷主端末に表示させ(ステップ730、ステップ735、ステップ1040)、
前記荷主が前記見積画面にて実際に予約するコンテナを決定する操作を行った場合に前記荷主端末から送信され、且つ、前記実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を受信した場合、前記予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の前記積載度合値を、前記見積要求情報によって特定される前記積載量に基いて更新する(ステップ745、ステップ1115)、
ように構成されている。
【0021】
本発明のプログラムは、
荷物の送り主である荷主が操作する荷主端末(10)からの前記荷物をコンテナに積載して輸送する予約を受け付けるものであって、
輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、前記コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の発着地、及び前記コンテナの最大積載量に対する積載度合を表す積載度合値を含むコンテナ管理情報を記憶している記憶部(240)と通信可能な計算機(20)に、
前記荷主端末から、前記荷物の発着地及び前記荷物の積載量を特定可能な見積要求情報を受信した場合、前記コンテナ管理情報のうち、前記発着地が一致するとの発着地条件、及び、前記積載度合値が前記見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能であることを表すとの積載条件の何れの条件も成立させるコンテナ管理情報を予約候補情報として選択する第1ステップと(ステップ715、ステップ1010、ステップ1025)、
前記予約候補情報に対応するコンテナに関する情報を含む見積画面(900)を前記荷主端末に表示させる第2ステップと(ステップ730、ステップ735、ステップ1040)、
前記荷主が前記見積画面にて実際に予約するコンテナを決定する操作を行った場合に前記荷主端末から送信され、且つ、前記実際に予約するコンテナを特定可能な予約決定情報を受信した場合、前記予約決定情報によって特定されるコンテナに対応するコンテナ管理情報の前記積載度合値を、前記見積要求情報によって特定される前記積載量に基いて更新する第3ステップと(ステップ745、ステップ1115)、
を含む処理を実行させる。
【0022】
上記予約サーバ及び上記プログラムは、荷主のフォワーダに対するコンテナの予約を行うことができるようになり、更には、見積画面に「見積要求情報によって特定される積載量の荷物」を積載不可能なコンテナに関する情報が表示される可能性を低減できる。
【0023】
なお、上記説明においては、発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いた名称及び/又は符号を括弧書きで添えている。しかしながら、発明の各構成要素は、前記名称及び/又は符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施形態に係る予約システム(本予約システム)が予約を受け付ける輸送システムの説明図である。
図2図2は、本予約システムの概略システム構成図である。
図3図3は、図2に示した予約サーバのハードウェア構成図である。
図4図4は、コンテナ管理情報の説明図である。
図5図5は、送料情報の説明図である。
図6図6は、図2に示した荷主端末及びキャリアサーバのハードウェア構成図である。
図7図7は、本予約システムの作動を説明するためのシーケンス図である。
図8図8は、図2に示した荷主端末に表示される要求入力画面の説明図である。
図9図9は、図2に示した荷主端末に表示される見積画面の説明図である。
図10図10は、図2に示した予約サーバが実行する見積処理のフローチャートである。
図11図11は、図2に示した予約サーバが実行するコンテナ予約処理のフローチャートである。
図12図12は、本発明の第2変形例に係る予約システムの概略システム構成図である。
図13図13は、本発明の第2変形例に係る予約サーバが実行する積載案内送信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態に係る予約システム(以下、「本予約システム」と称呼する場合がある。)について図面を用いて説明する。
図1に示したように、荷主の荷物L(L1乃至Ln)をコンテナCに搭載し、荷物Lが搭載されたコンテナCを輸送機器(例えば、船SP及び飛行機AP等)に積み込んで輸送する輸送システムがある。本予約システムは、このような輸送システムにおいて荷主が「荷物LをコンテナCに積載する予約(以下、「コンテナ予約」と称呼する。)」を行うことができるようにするものである。
【0026】
(システム構成)
図2に示したように、本予約システムは、荷主端末10、予約サーバ20及びキャリアサーバ30を備える。荷主端末10、予約サーバ20及びキャリアサーバ30は、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0027】
荷主端末10は、荷主が操作する端末である。荷主端末10は、一例として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレット等である。荷主は、荷主端末10を操作して、上記予約サーバ20に対してコンテナ予約を行う。
【0028】
予約サーバ20は、フォワーダが管理するサーバであり、コンテナの残積載量等を管理するコンテナ管理情報(図4を参照。)を記憶している。予約サーバ20は、荷主端末10が送信する見積要求情報を受信した場合、見積要求情報に適合するコンテナに関する情報を荷主端末10に表示させる。更に、予約サーバ20は、キャリアサーバ30に対して「コンテナを積み込み、そのコンテナを輸送する輸送機器に関する予約(以下、「輸送機器予約」と称呼する。)」を行う。
【0029】
キャリアサーバ30は、キャリアが管理するサーバであり、輸送機器予約を受け付けて輸送機器の予約を完了させる。
【0030】
<予約サーバ20のハードウェア構成>
ここで、図3を参照しながら、予約サーバ20のハードウェア構成を説明する。
予約サーバ20は、CPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、ROM(Read Only Memory)23、記憶装置24、ネットワークインタフェース(I/F)25、及び入出力インタフェース(I/F)26を有する。これらは、バス27を介して互いに通信可能に接続されている。
【0031】
CPU21は、ROM23に記憶された図示しない各種プログラムをRAM22にロードし、RAM22にロードされたプログラムを実行することによって各種機能を実現する。RAM22は揮発性の記憶媒体である。このRAM22には、上述したようにCPU101が実行する各種プログラムがロードされる。加えて、RAM22には、CPU101が各種プログラムを実行する際に使用するデータが一時的に記憶される。ROM23は不揮発性且つCPU21がデータを書き込み不能な記憶媒体である。ROM23には、各種プログラム(後述する見積処理を実行するプログラム、及び後述するコンテナ予約処理を実行するプログラム等)が記憶されている。
【0032】
記憶装置24は、不揮発性且つCPU21がデータを書き込み可能な記憶媒体である。記憶装置24はコンテナ管理情報記憶部240及び送料情報記憶部242を有している。コンテナ管理情報記憶部240は、後述するコンテナ管理情報(図4を参照。)を記憶している。送料情報記憶部242は、後述する送料情報(図5を参照。)を記憶している。
【0033】
ネットワークI/F25は、予約サーバ20がネットワークNWに接続されるためのインタフェースである。入出力I/F26は、キーボード及びマウス等の入力装置と、ディスプレイ等の出力装置とに接続するためのインタフェースである。
【0034】
<コンテナ管理情報>
図4に示したように、コンテナ管理情報は、輸送機器に積み込まれる予定のコンテナ毎に、コンテナID402、発着地404、発着日時406、便名407、残積載量408、遅延確率418、及び予約済荷主ID412を含む。
【0035】
コンテナID402には、各コンテナの識別子が登録される。
発着地404には、各コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の出発地及び到着地が登録される。
発着日時406には、各コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の出発日時及び到着日時が登録される。
便名407には、各コンテナが積み込まれる予定の輸送機器の便名が登録される。
【0036】
残積載量408には、各コンテナがこれから積載可能な積載量(即ち、各コンテナの最大積載量から当該コンテナに積載される予定の荷物の積載量を減算した積載量)が登録される。残積載量408は、コンテナの最大積載量に対する荷物の積載度合を表す値であり、「積載度合値」と称呼される場合もある。残積載量408が小さいほどコンテナの荷物の積載量が最大積載量に近いことを表す。なお、本実施形態では、容積重量及び実重量のうち重い方を積載量として用いる。容積重量は、荷物の容積を所定値で減算することにより取得される。
【0037】
遅延確率410には、各コンテナの到着が到着日時から遅延する確率を表す遅延確率が登録される。遅延確率は、輸送機器が欠航になる確率である。輸送機器は、天候及び/又は輸送機器に対するコンテナの積載率(コンテナ積載率)が原因で欠航になる。
【0038】
例えば、予約サーバ20は、キャリアサーバ30から輸送機器のコンテナ積載率を取得し、コンテナ積載率が第1閾値以下であれば、遅延確率を高くし、コンテナ積載率が「第1閾値よりも大きな第2閾値」よりも大きければ、遅延確率を低くする。なお、第1閾値及び第2閾値は、出発日時までの日数が短いほど大きくなる。
【0039】
更に、予約サーバ20は、輸送機器の出発地付近の天候情報を取得し、この出発地に台風が接近している場合には遅延確率を高くする。
【0040】
予約済荷主ID412には、各コンテナに荷物を積載する予約を行った荷主の識別子が登録される。
【0041】
キャリアサーバ30は、各輸送機器の発着地及び発着日時を管理するためのスケジュール情報を記憶している。予約サーバ20の管理者は、上記スケジュール情報を参照し、コンテナを積み込む予定の輸送機器、及び、その輸送機器に積み込むコンテナの個数を入力する。この場合、予約サーバ20は、上記コンテナの個数分の新たなコンテナ管理情報を生成する。そして、予約サーバ20は、新たなコンテナ管理情報のコンテナID402に新たなコンテナIDを登録し、発着地404、発着日時406及び便名407には、それぞれ、輸送機器の発着地、発着日時及び便名を登録する。更に、予約サーバ20は、残積載量408には各コンテナの予め設定された最大積載量を登録する。
【0042】
<送料情報>
図5に示したように、送料情報は、荷主ID502、便名504及び送料506を含む。荷主ID502には荷主の識別子が登録され、便名504には輸送機器の便名が登録され、送料506には荷物1個当たりの送料が登録される。
荷主ID502に荷主の識別子が登録されていない荷主には、荷主ID502に「一般」が登録された輸送機器の便毎の送料が適用される。
【0043】
<荷主端末10及びキャリアサーバ30のハードウェア構成>
図6を参照しながら、荷主端末10及びキャリアサーバ30のハードウェア構成を説明する。
荷主端末10及びキャリアサーバ30は、一般的な計算機であり、CPU61、RAM62、ROM63、ネットワークI/F64及び入出力I/F65を有する。これらは、バス66を介して互いに通信可能に接続されている。
CPU61、RAM62、ROM63、ネットワークI/F64及び入出力I/F65は、それぞれ、CPU21、RAM22、ROM23、ネットワークI/F25及び入出力I/F26と同じであるので説明を省略する。
【0044】
(本予約システムの作動)
図7を参照しながら、本予約システムの作動を説明する。
まず、荷主が荷主端末10に対して所定の操作を行うと、荷主端末10は、図8に示した要求入力画面800を表示する(ステップ705)。
【0045】
要求入力画面800は、出発地入力領域802、出発日時入力領域804、到着地入力領域806、到着日時入力領域808、単位積載量入力領域810、個数入力領域812、及びOKボタン814を含む。
【0046】
出発地入力領域802には、輸送する荷物の出発地が入力される。出発日時入力領域804には、輸送する荷物の出発日時が入力される。到着地入力領域806には、輸送する荷物の到着地が入力される。到着日時入力領域808には、輸送する荷物の到着日時が入力される。
【0047】
単位積載量入力領域810には、輸送する荷物の1個当たりの容積重量及び実重量のうち重い方が単位積載量として入力される。個数入力領域812には、輸送する荷物の個数が入力される。
【0048】
荷主が各入力領域802乃至812の入力を完了した後にOKボタン814を操作した場合、荷主端末10は、荷主ID及び「各入力領域802乃至812に入力された情報」を含む見積要求情報を予約サーバ20に送信する(図7に示したステップ710)。この見積要求情報は、コンテナに積載する荷物の発着地、発着日時及び積載量を特定可能な情報である。
【0049】
予約サーバ20は、見積要求情報を受信すると、コンテナ管理情報を参照し、所定の候補条件を満たすレコード(以下、「予約候補情報」と称呼する場合がある。)を検索する(ステップ715)。候補条件とは、見積要求情報に基いて特定される発着地及び発着日時に関する条件を満たし、且つ、見積要求情報に基いて特定される積載量の荷物を積載可能であるとの条件である。
【0050】
次に、予約サーバ20は、送料情報を参照し、上記予約候補情報のそれぞれの送料を取得する(ステップ720)。
【0051】
次に、予約サーバ20は、上記予約候補情報を予め設定された項目(発着日時406の到着日時、残積載量408、遅延確率410及び送料の何れか)に関して予め設定された順序(以下、「表示順序」と称呼する場合もある。)で並べ、上位の所定数の予約候補情報(以下、「表示候補情報」と称呼する場合がある。)を取得する(ステップ725)。
【0052】
次に、予約サーバ20は、上記表示候補情報を含む見積応答情報を荷主端末10に送信する(ステップ730)。
【0053】
荷主端末10は、見積応答情報を受信した場合、図9に示した見積画面900を表示する(ステップ735)。
見積画面900は、候補表示領域902及びOKボタン904を含む。
候補表示領域902には、決定ボタン906、発着地908、発着日時910及び料金912が表示される。
決定ボタン906は、荷主が予約を希望する表示候補情報を選択するために使用される。
発着地908には、表示候補情報の発着地が表示される。発着日時910には表示候補情報の発着日時が表示される。料金912には表示候補情報の送料が表示される。
【0054】
荷主は、実際に予約する表示候補情報の決定ボタン906を選択した状態でOKボタン904を操作した場合(即ち、荷主が決定操作を行った場合)、荷主端末10は、予約決定情報を予約サーバ20に送信する(ステップ740)。予約決定情報は、選択された表示候補情報のコンテナID及び荷主IDを含む。
【0055】
予約サーバ20は、予約決定情報を受信すると、コンテナ管理情報を更新する(ステップ745)。
詳細には、予約サーバ20は、コンテナID402が予約決定情報に含まれるコンテナIDと一致するレコードのうち、残積載量408から「見積要求情報に基いて特定された積載量」を減算し、且つ、予約済荷主ID412に予約決定情報に含まれる荷主IDを追加登録する。
【0056】
以上により、本予約システムは、コンテナ管理情報に残積載量408を含めることによりコンテナ毎の残積載量を管理している。本予約システムは、予約決定情報を受信した場合に残積載量408を更新するので、コンテナ毎の残積載量408をリアルタイムに管理できる。更に、見積画面に「見積要求情報によって特定される積載量の荷物」を積載不可能なコンテナに関する情報が表示される可能性を低減できる。従って、見積要求情報によって特定される積載量の荷物を積載可能なコンテナの予約が可能となり、荷主のフォワーダに対するコンテナの予約を行うことができる。
【0057】
一般に、フォワーダは大量のコンテナを管理している。このため、上記候補条件を満たす予約候補情報の数が膨大になる可能性が高いので、総ての予約候補情報が荷主端末10に表示されると、荷主はどの予約候補情報を選択すればよいかの判断が困難となる可能性が高い。
【0058】
そこで、本予約システムは、予め設定された項目に関して予め設定された順序で上位所定数の予約候補情報を表示候補情報として取得し、この表示候補情報を荷主端末10に表示させる。これにより、予約候補情報の数が膨大となる場合であっても、荷主がどの予約候補情報を選択すればよいかを判断し易くなる。
【0059】
(作動の詳細)
<見積処理>
本予約システムの予約サーバ20のCPU21は、所定時間が経過する毎に図10にフローチャートにより示した見積処理を実行する。
【0060】
所定のタイミングになると、CPU21は、図10に示したステップ1000から処理を開始し、ステップ1005に進む。ステップ1005にて、CPU21は、予約サーバ20が荷主端末10から見積要求情報を受信したか否かを判定する。
【0061】
予約サーバ20が見積要求情報を受信していない場合、CPU21は、ステップ1005にて「No」と判定し、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0062】
予約サーバ20が見積要求情報を受信した場合、CPU21は、ステップ1005にて「Yes」と判定し、ステップ1010乃至ステップ1045を順に実行する。
【0063】
ステップ1010:CPU21は、コンテナ管理情報を参照し、以下の「発着地条件及び発着日時条件」を満たすレコードを取得する。
発着地条件:発着地404が見積要求情報に含まれる発着地と一致すること。
発着日時条件:発着日時406の出発日時が見積要求情報に含まれる出発日時から所定日数以内であり且つ発着日時406の到着日時が見積要求情報に含まれる到着日時から所定日数以内であること。
【0064】
ステップ1020:CPU21は、見積要求情報に含まれる単位積載量と「輸送する荷物の個数」とを乗じることにより見積積載量を取得する。
ステップ1025:CPU21は、ステップ1010にて取得したレコードから以下の積載量条件を満たすレコードを予約候補情報として取得する。
積載量条件:残積載量408が見積積載量以上であること(即ち、見積積載量の荷物を積載可能であること)。
ステップ1030:CPU21は、送料情報を参照して各予約候補情報の送料を取得する。
【0065】
ステップ1035:CPU21は、予め設定された表示順序の上位所定数の予約候補情報を表示候補情報として取得する。表示順序は、到着日時の早い順、残積載量の小さい順(即ち、最大積載量に近い順)、遅延確率410の小さい順、及び送料の安い順の何れかに予め設定されている。
【0066】
一般に、フォワーダは、自身の管理するコンテナで積載量を平均化するよりも、コンテナの積載量を最大積載量に到達させてから次のコンテナに積載する荷物の予約を受け付けることを望む。これは、空のコンテナについては輸送機器に積み込む予約をキャリアに対して行わなければよいからである。従って、「残積載量の小さい順」はフォワーダ側にメリットがある表示順序であり、「残積載量の小さい順以外の表示順序」は荷主の関心が高い項目であり、荷主側にメリットがある表示順序である。
このため、初期設定では、表示順序は「残積載量の小さい順」に設定されており、荷主が追加料金等を支払うことで表示順序を「残積載量の小さい順以外の表示順序」に設定されるようにしてもよい。
【0067】
ステップ1040:CPU21は、表示候補情報を含む見積応答情報を荷主端末10に送信する。
ステップ1045:CPU21は、見積要求情報に含まれる荷主ID及びステップ1020にて取得した見積積載量を対応付けてRAM22に記憶する。
その後、CPU21は、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0068】
<コンテナ予約処理>
CPU21は、所定時間が経過する毎に図11にフローチャートにより示したコンテナ予約処理を実行する。
【0069】
所定のタイミングになると、CPU21は、図11に示したステップ1100から処理を開始し、ステップ1105に進む。ステップ1105にて、CPU21は、予約サーバ20が荷主端末10から予約決定情報を受信したか否かを判定する。
【0070】
予約サーバ20が予約決定情報を受信していない場合、CPU21は、ステップ1105にて「No」と判定し、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0071】
予約サーバ20が予約決定情報を受信している場合、CPU21は、ステップ1105にて「Yes」と判定し、ステップ1110及びステップ1115を順に実行する。
【0072】
ステップ1110:CPU21は、RAM22に記憶された荷主ID及び見積積載量から、予約決定情報に含まれている荷主IDに対応する見積積載量を取得する。
ステップ1115:CPU21は、コンテナ管理情報のコンテナID402に「予約決定情報に含まれているコンテナID」が登録されたレコードの残積載量408から「ステップ1110にて取得した見積積載量」を減算することにより、コンテナ管理情報を更新する。
その後、CPU21は、ステップ1195に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0073】
以上から理解されるように、本予約システムは、コンテナ毎の残積載量408にリアルタイムに管理できるので、荷主からのフォワーダに対するコンテナの予約を行うことができる。
【0074】
(第1変形例)
上記実施形態では、コンテナ管理情報は残積載量408を含んでおり、残積載量408が積載度合値として用いられたが、コンテナの最大積載量に対する荷物の積載度合を表す値であればよい。一例として、積載率が積載度合値として用いられてもよい。積載率は、コンテナに積載される荷物の積載量を最大積載量で除算することにより求められる。この場合、コンテナ管理情報は、残積載量408の代わりに積載率を含んでいる。
【0075】
CPU21は、図10に示したステップ1025に進んだときに、ステップ1010にて取得したレコードの積載率に最大積載率を乗じて積載量を取得し、最大積載量から積載量を減算することにより残積載量を取得する。そして、CPU21は、残積載量に基いて積載量条件が成立したか否かを判定する。
【0076】
同様に、CPU21は、図11に示したステップ1115に進んだときに、ステップ1110にて取得した見積積載量を最大積載量で除算した見積積載率を取得し、積載率に見積積載率を加算する。
【0077】
(第2変形例)
第2変形例では、予約サーバ20は、コンテナが積み込まれる輸送機器の出発日時まで所定日数以内であって、且つ、コンテナの残積載量が所定の閾値積載量以上である(即ち、コンテナの積載量が最大積載量まで閾値積載量以上足りていない)との案内条件が成立した場合、予め登録した端末(例えば、図12に示したコローダ端末40)へコンテナに荷物を積載する積載案内を送信する。
【0078】
フォワーダは可能な限り多くの利益を得るために可能な限り多くの荷物を一つのコンテナに積載して輸送機器に輸送したいという要望がある。第2変形例によれば、積載案内をコローダが管理する予め登録した端末に送信するため、一つのコンテナに可能な限り多くの荷物を積載できる可能性を高めることができる。
【0079】
輸送業界には、「荷主から小口の荷物の予約を受け付けて、その荷物をフォワーダが管理するコンテナに積載して輸送するコローダ」が存在する。一例としては、積載案内を送信する端末として「コローダが管理している端末であるコローダ端末40」が予め登録される。
【0080】
図12に示したように、第2変形例に係る予約システムは、荷主端末10、予約サーバ20及びキャリアサーバ30の他にコローダ端末40を備える。これらは、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
【0081】
<積載案内送信処理>
第2変形例に係る予約サーバ20のCPU21は、所定時間が経過する毎に図13にフローチャートにより示した積載案内処理を実行する。
【0082】
所定のタイミングになると、CPU21は、図13に示したステップ1300から処理を開始し、ステップ1305に進む。ステップ1305にて、CPU21は、コンテナ管理情報を参照し、出発日時まで所定日数以内のコンテナ(以下、「処理対象のコンテナ」と称呼する。)が存在するか否かを判定する。
【0083】
処理対象のコンテナが存在しない場合には、CPU21は、ステップ1305にて「No」と判定し、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0084】
処理対象のコンテナが存在する場合には、CPU21は、ステップ1305にて「Yes」と判定し、ステップ1310に進む。ステップ1310にて、CPU21は、処理対象のコンテナの残積載量が所定の閾値積載量以上であるか否かを判定する。
【0085】
残積載量が閾値積載量よりも小さい場合、CPU21は、ステップ1310にて「No」と判定し、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0086】
残積載量が閾値積載量以上である場合、CPU21は、ステップ1310にて「Yes」と判定し、ステップ1315及びステップ1320を順に実行する。
【0087】
ステップ1315:CPU21は、送料情報を参照して積載案内の送信先(コローダ端末40を管理するコローダ)の荷物を処理対象のコンテナに積載して輸送した場合の送料を取得し、その送料を所定の割引率で割り引いた割引料金を取得する。
【0088】
ステップ1320:CPU21は、処理対象のコンテナの発着地、発着日時及び割引料金を提示する積載案内を予め登録されたコローダ端末40に送信する。
その後、CPU21は、ステップ1395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0089】
なお、積載案内の送信先はコローダ端末40に限定されず、荷主端末10であってもよい。
【0090】
なお、積載度合値として積載率が用いられる場合、CPU21は、ステップ1310に進んだときに積載率が閾値積載率以下であるか否かを判定する。CPU21は、積載率が閾値積載率よりも大きい場合にはこのステップ1310にて「No」と判定し、積載率が閾値積載率以下である場合にはこのステップ1310にて「Yes」と判定する。
【0091】
(第3変形例)
第3変形例に係る予約サーバ20のCPU21は、図10に示したステップ1025にて積載量条件を満たすレコードを取得した場合、発着地及び発着日時が同じであるレコード(即ち、同一の輸送機器に積み込まれるコンテナ)が複数存在するか否かを判定する。上記レコードが複数存在する場合には、CPU21は、各レコードの残積載量408を取得し、残積載量408が最小のレコードを予約候補情報として取得する。なお、「残積載量408が最小」とは、コンテナの荷物の積載量が最大積載値に最も近いことを意味する。
【0092】
これにより、上記候補条件を満たす複数のコンテナが同一の輸送機器に積み込まれる場合には、残積載量408が最小のコンテナのみが見積画面900に表示されることになる。これにより、フォワーダの「あるコンテナの積載量を最大積載量に到達させてから次のコンテナに積載する荷物の予約を受け付けたいとの要望」を満たすことができる。
【0093】
なお、積載度合値として積載率が用いられる場合、CPU21は、発着地及び発着日時が同じであるレコードの積載率を取得し、積載率が最大のレコードを予約候補情報として取得する。なお、「積載率が最大」とは、コンテナの荷物の積載量が最大積載値に最も近いことを意味する。
【0094】
(第4変形例)
第4変形例に係る予約サーバ20のCPU21は、図10に示したステップ1025にて積載量条件を満たすレコードを取得した場合、そのレコードに関する情報を予約サーバ20に接続されたディスプレイに表示する。そして、フォワーダが、「荷主端末10の見積画面900に優先して表示させるコンテナに関する情報」を手動で選択し、予約サーバ20は、フォワーダが手動で選択したコンテナに関する情報を見積画面900に表示させる。
【0095】
(第5変形例)
予約サーバ20に備わる記憶装置24がコンテナ管理情報記憶部240及び送料情報記憶部242を有さなくてもよい。この場合、予約サーバ20は、コンテナ管理情報記憶部240及び送料情報記憶部242と通信可能であればよい。
【0096】
(第6変形例)
図8に示した要求入力画面800の単位積載量入力領域810には、荷物1個当たりの容積重量及び実重量のうち重い方が入力されると説明したが、荷物1個当たりの容積重要及び実重量の何れか一方が入力されてもよい。
更に、要求入力画面800は単位積載量入力領域810を含まなくてもよい。この場合、荷主端末10は、カメラで撮影した荷物の画像である荷物画像を見積要求情報に含めて送信する。予約サーバ20は、見積要求情報に含まれる荷物画像を画像解析することにより、1個当たりの荷物の容積を取得し、この容積に基いて容積重量を取得する。そして、予約サーバ20は、この容積重量を単位積載量として用いる。
【符号の説明】
【0097】
10…荷主端末、20…予約サーバ、240…コンテナ管理情報記憶部、242…送料情報記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13