(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072357
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】光源ユニット及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230517BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230517BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20230517BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20230517BHJP
F21V 3/06 20180101ALI20230517BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20230517BHJP
F21V 7/04 20060101ALI20230517BHJP
F21V 7/05 20060101ALI20230517BHJP
F21V 7/22 20180101ALI20230517BHJP
F21S 4/28 20160101ALI20230517BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20230517BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230517BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V3/00 320
F21V3/02 400
F21V3/06 110
F21V3/10
F21V7/04 110
F21V7/05
F21V7/22
F21S4/28
F21Y103:10
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184861
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】村松 洋輔
(57)【要約】
【課題】容易に配光を変更することのできる光源ユニット及び照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、ベースユニットU1と、光源ユニットU2とを備える。光源ユニットU2は、光源22と、光カバー部80とを備える。光源22は、光Lを出射する。光カバー部80は、光源22を覆う。光カバー部80は、光Lを透過させず内部Dに反射させる不透過反射部材82と、光Lを透過させ拡散させる透過拡散部材83とで構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源を覆う光カバー部と
を備え、
前記光カバー部は、前記光を透過させず内部に反射させる不透過反射部材と、前記光を透過させ拡散させる透過拡散部材とで構成されている、光源ユニット。
【請求項2】
前記光カバー部は、第1カバー部、第2カバー部、及び第3カバー部を有し、
前記第1カバー部と前記第2カバー部とは、互いに間隔を空けつつ対向し、
前記第3カバー部は、前記第1カバー部と前記第2カバー部との間に介在し、かつ、前記光源の発光面に対向する、請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記第1カバー部、前記第2カバー部、及び前記第3カバー部の少なくとも1つは、前記不透過反射部材で構成され、残りは、前記透過拡散部材で構成されている、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記第1カバー部、前記第2カバー部、及び前記第3カバー部の少なくとも1つは、前記不透過反射部材と前記透過拡散部材の両方で構成されている、請求項2又は請求項3に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記光カバー部における前記不透過反射部材で構成された部位の内面に、凹部、凸部、又は凹凸部が形成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記光カバー部における前記透過拡散部材で構成された部位は、部位によって透過率が異なる、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記光カバー部は、前記不透過反射部材と前記透過拡散部材との2色成形品である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光源ユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光源ユニットを備える照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源ユニット及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、透光性の樹脂材料により構成されたモジュールカバーを備えた照明器具が開示されている。モジュールカバーは、LED(Light Emitting Diode)を保護すると共に、LEDからの光を拡散させることによって、照明器具をいわゆる全般拡散照明として機能させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1において、配光は、全般拡散照明のみが想定されており、間接照明等、他の配光については想定されていなかった。このように、従来一般の照明器具は、配光を変更することが想定されていなかった。
【0005】
本発明は、容易に配光を変更することのできる光源ユニット及び照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する光源ユニットは、光を出射する光源と、前記光源を覆う光カバー部とを備える。前記光カバー部は、前記光を透過させずに反射させる不透過反射部材と、前記光を透過させ拡散させる透過拡散部材とで構成されている。
【0007】
本願に開示する光源ユニットにおいて、前記光カバー部は、第1カバー部、第2カバー部、及び第3カバー部を有する。前記第1カバー部と前記第2カバー部とは、互いに間隔を空けつつ対向する。前記第3カバー部は、前記第1カバー部と前記第2カバー部との間に介在し、かつ、前記光源の発光面に対向する。
【0008】
本願に開示する光源ユニットにおいて、前記第1カバー部、前記第2カバー部、及び前記第3カバー部の少なくとも1つは、前記不透過反射部材で構成され、残りは、前記透過拡散部材で構成されている。
【0009】
本願に開示する光源ユニットにおいて、前記第1カバー部、前記第2カバー部、及び前記第3カバー部の少なくとも1つは、前記不透過反射部材と前記透過拡散部材の両方で構成されている。
【0010】
本願に開示する光源ユニットにおいて、前記光カバー部における前記不透過反射部材で構成された部位の内面に、凹部、凸部、又は凹凸部が形成されている。
【0011】
本願に開示する光源ユニットにおいて、前記光カバー部における前記透過拡散部材で構成された部位は、部位によって透過率が異なる。
【0012】
本願に開示する光源ユニットにおいて、前記光カバー部は、前記不透過反射部材と前記透過拡散部材との2色成形品である。
【0013】
本願に開示する照明器具は、前記光源ユニットを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容易に配光を変更することのできる光源ユニット及び照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係る照明器具を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る照明器具を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った照明器具の断面図である。
【
図5】
図1のV-V線に沿った照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0017】
<実施形態1>
図1及び
図2を参照して、実施形態1に係る照明器具1について説明する。
図1は、実施形態1に係る照明器具1を示す斜視図である。
図2は、実施形態1に係る照明器具1を示す分解斜視図である。
【0018】
照明器具1は、第1方向Pに長い略直方体である。ここで、第1方向Pに対して互いに垂直な2方向を、第2方向Q及び第3方向Rとする。照明器具1は、ベースユニットU1と、光源ユニットU2とを備える。ベースユニットU1と光源ユニットU2とは、第3方向Rに並んでいる。
【0019】
ベースユニットU1は、ベース部材11と、閉塞部材12と、電源部13とを含む。
【0020】
ベース部材11は、電源部13及び光源ユニットU2の放熱性を考慮し、例えば、金属製である。ベース部材11は、第1方向Pに沿って延びる。ベース部材11は、第1ベース部11aと、第2ベース部11bと、第3ベース部11cとを有する。第1ベース部11a、第2ベース部11b、及び第3ベース部11cは、それぞれ、例えば、略平板形状である。第1ベース部11aと第2ベース部11bとは、第2方向Qに沿って互いに間隔を空けつつ対向している。第1ベース部11aと第2ベース部11bとの間には、第3ベース部11cが介在している。
【0021】
ベース部材11は、光源ユニットU2を取付体(不図示)に設置するための部材である。取付体は、建造物の部屋の天井のような照明器具1を支持可能な部材である。ベース部材11は、取付体に取り付けられる。本実施形態では、ベース部材11のうちの第3ベース部11cが、取付体に取り付けられる。
【0022】
閉塞部材12は、ベース部材11の第1方向Pの端部に配置されて、端部を閉塞する。本実施形態では、閉塞部材12は、ベース部材11に着脱可能である。閉塞部材12は、一対設けられる。一対の閉塞部材12は、それぞれ、例えば、略平板形状である。一対の閉塞部材12のうちの一方は、ベース部材11のうちの第1方向Pの一側P1の端部に配置され、ベース部材11の一側の端部を閉塞する。一対の閉塞部材12のうちの他方は、ベース部材11のうちの第1方向Pの他側P2の端部に配置され、ベース部材11の他側の端部を閉塞する。なお、ベース部材11と一対の閉塞部材12とは、別部材であってもよく、一体部材であってもよい。
【0023】
電源部13は、光源ユニットU2に電力を供給する。電源部13は、ベース部材11の内部Cに配置される。なお、電源部13は、ベース部材11の外部に配置されてもよい。
【0024】
光源ユニットU2は、第1方向Pに沿って延びる。光源ユニットU2は、発光モジュール20と、カバー部材30と、保持部材50と、取付部材60と、装着部材70とを含む。なお、本実施形態では、光源ユニットU2は第1方向Pに長い略直方体形状であるが、この形状に限定されない。
【0025】
光源ユニットU2は、ベース部材11に着脱可能である。即ち、光源ユニットU2は、ベース部材11とは別体であり、ベース部材11に対して着脱可能とするための構成を有する。本実施形態では、光源ユニットU2は、取付部材60によってベース部材11に対して着脱可能に構成される。
【0026】
発光モジュール20は、光を出射する。発光モジュール20は、例えば、LED(Light Emitting Diode)モジュールである。発光モジュール20は、第1方向Pに沿って延びる。具体的には、発光モジュール20は、実装部材21と、単数又は複数の光源22とを含む。実装部材21は、例えば、基板であり、単数又は複数の光源22が実装される。本実施形態では、複数の光源22は、第1方向Pに沿って1列に並ぶ。なお、複数の光源22は、第1方向Pに沿って複数列平行に並んでもよい。
【0027】
複数の光源22は、それぞれ、発光する。複数の光源22のそれぞれは、例えば、LEDのような発光素子である。具体的には、複数の光源22のそれぞれは、例えば、SMD(Surface Mount Device)素子、又はCOB(Chip On Board)素子である。光源22は、例えば、略直方体形状であり、周囲6面のうちの1つの面から光を出射する。本実施形態では、光源22の周囲6面のうち、光を出射する面は発光面22a(後述する
図3参照)である。発光面22aは、実装部材21に対向する面の裏側の面である。
【0028】
保持部材50は、実装部材21を保持する。保持部材50は、第1方向Pに長い略長尺形状である。保持部材50は、例えば、金属製である。
【0029】
カバー部材30は、光カバー部80と、進入部90とを含む。光カバー部80は、少なくとも、第1カバー部80aと、第2カバー部80bと、第3カバー部80cとを含む。光カバー部80は、第1カバー部80aと、第2カバー部80bと、第3カバー部80cとに加え、第4カバー部40aと、第5カバー部40bとを含んでもよい。
【0030】
光カバー部80は、発光モジュール20を覆うカバー部材である。光カバー部80は、第1方向Pに沿って延びる。光カバー部80は、第1カバー部80aと、第2カバー部80bと、第3カバー部80cとを有する。第1カバー部80a、第2カバー部80b、及び第3カバー部80cは、それぞれ、例えば、略平板形状である。第1カバー部80aと第2カバー部80bとは、第2方向Qに沿って互いに間隔を空けつつ対向している。第1カバー部80aと第2カバー部80bとの間には、第3カバー部80cが介在している。光カバー部80の内部Dは空洞であり、第3カバー部80cと複数の光源22のそれぞれの発光面22a(
図3参照)とが対向する。
【0031】
第4カバー部40aと第5カバー部40bは、それぞれ、略平板形状である。第4カバー部40aは、光カバー部80の第1方向Pの一側P1の端部に配置され、一側P1の端部を閉塞する。第5カバー部40bは、光カバー部80の第1方向Pの他側P2の端部に配置され、他側P2の端部を閉塞する。第4カバー部40a及び第5カバー部40bは、それぞれ、溶着又は接着剤等によって光カバー部80に接合される。なお、第4カバー部40aと第5カバー部40bと光カバー部80とは、別部材であってもよく、一体部材であってもよい。
【0032】
進入部90は、光カバー部80に連結される。進入部90は、第1方向Pに沿って延びる。進入部90は、ベース部材11の内部Cに進入可能である。
【0033】
次に、
図3を参照して、照明器具1についてさらに説明する。
図3は、
図1のIII-III線に沿った照明器具1の断面図である。
【0034】
ベース部材11は、例えば、断面視略U字形状である。ベース部材11には、第1開口14が形成されている。第1開口14は、ベース部材11のうち、第3方向Rの他側R2の端部に位置する。第1開口14は、第1端部11dと第2端部11eとの間の領域である。第1端部11dは、第1ベース部11aのうち、第3方向Rの他側R2の端部である。第2端部11eは、第2ベース部11bのうち、第3方向Rの他側R2の端部である。
【0035】
光カバー部80は、例えば、断面視略U字形状である。光カバー部80は、複数の光源22を覆う。具体的には、光カバー部80は、複数の光源22の各発光面22a側を覆う。光カバー部80には、第2開口81が形成されている。第2開口81は、光カバー部80のうち、第3方向Rの一側R1の端部に位置する。第2開口81は、第3端部80dと第4端部80eとの間の領域である。第3端部80dは、第1カバー部80aのうち、第3方向Rの一側R1の端部である。第4端部80eは、第2カバー部80bのうち、第3方向Rの一側R1の端部である。なお、光カバー部80の形状は、断面視略U字形状に限定されず、断面視略三角形状及び断面視略半円形状等であってもよい。
【0036】
ベース部材11に光源ユニットU2が装着される際、第3端部80dが第1端部11dに接触し、第4端部80eが第2端部11eに接触する。その結果、光カバー部80がベース部材11の内部Cに進入することが規制される。
【0037】
進入部90は、第1進入体91と、第2進入体92とを含む。第1進入体91と第2進入体92は、第2方向Qに沿って互いに間隔を空けつつ対向している。第1進入体91と第2進入体92は、それぞれ、光カバー部80に連続して設けられている。具体的には、第1進入体91は第3端部80dに連続して設けられ、第2進入体92は第4端部80eに連続して設けられている。第1進入体91及び第2進入体92のそれぞれは、複数個所で略直角に曲がる屈曲形状を有する。従って、第1進入体91と第2進入体92とは、光カバー部80から離れるほど、互いに段階的に近接する。
【0038】
保持部材50は、第1保持部51と、第2保持部52と、取付面53とを含む。
【0039】
第1保持部51は、進入部90に対応して設けられ、進入部90に係合する。第1保持部51は、第1保持体51aと、第2保持体51bとを有する。第1保持体51aは、保持部材50のうちの第2方向Qの一側Q1に形成されている。第1保持体51aは、第1進入体91の先端部に沿った屈曲形状を有する。従って、第1保持体51aに第1進入体91の先端部が嵌まり込むことができる。第2保持体51bは、保持部材50のうちの第2方向Qの他側Q2に形成されている。第2保持体51bは、第2進入体92の先端部に沿った屈曲形状を有する。従って、第2保持体51bに第2進入体92の先端部が嵌まり込むことができる。
【0040】
第2保持部52は、実装部材21に対応して設けられ、実装部材21に係合する。第2保持部52は、第3保持体52aと、第4保持体52bとを有する。第3保持体52aは、保持部材50のうちの第2方向Qの一側Q1に形成されている。第3保持体52aは、第1進入体91の基端部に沿った屈曲形状を有する。従って、第3保持体52aに第1進入体91の基端部が嵌まり込むことができる。第4保持体52bは、保持部材50のうちの第2方向Qの他側Q2に形成されている。第4保持体52bは、第2進入体92の先端部に沿った屈曲形状を有する。従って、第4保持体52bに第2進入体92の基端部が嵌り込むことができる。
【0041】
第3保持体52aは、実装部材21のうち、第2方向Qの一側Q1の端部に沿った屈曲形状を有する。従って、第3保持体52aに実装部材21の一側Q1の端部が嵌まり込むことができる。第4保持体52bは、実装部材21のうち、第2方向Qの他側Q2の端部に沿った屈曲形状を有する。従って、第4保持体52bに実装部材21の他側Q2の端部が嵌まり込むことができる。
【0042】
第1保持体51a及び第2保持体51bが設けられていることにより、保持部材50は、進入部90によって第1方向Pに沿ってスライド可能に支持される。従って、保持部材50を進入部90に対して係合させつつスライドさせることで、保持部材50を進入部90に対して着脱させることができる。第3保持体52a及び第4保持体52bが設けられていることにより、保持部材50は、実装部材21を第1方向Pに沿ってスライド可能に支持する。従って、実装部材21を保持部材50に対して係合させつつスライドさせることで、実装部材21を保持部材50に対して着脱させることができる。
【0043】
取付面53は、保持部材50のうち、第2保持部52が形成される面に対する裏側の面である。取付面53には、取付部材60が取り付けられる。取付部材60は、金属製であり、弾性を有する。進入部90がベース部材11の内部Cに進入した状態で、取付部材60がベース部材11に固定される。具体的には、進入部90がベース部材11の内部Cに進入した状態で、取付部材60の弾性によって、取付部材60がベース部材11の内面に圧着する。その結果、ベース部材11に光源ユニットU2が装着される。
【0044】
第1ベース部11aの外面と第1カバー部80aの外面とは、面一である。第2ベース部11bの外面と第2カバー部80bの外面とは、面一である。その結果、照明器具1の外形が略直方体形状となり、意匠性が高くなる。
【0045】
ここで、光カバー部80についてさらに説明する。
光カバー部80は、不透過反射部材82と、透過拡散部材83とで構成されている。不透過反射部材82は、光源22が出射した光を透過させず内部Dに反射させる部材である。不透過反射部材82は、例えば、白色の樹脂である。透過拡散部材83は、光源22が出射した光を透過させて光カバー部80の外部に放出し、かつ外部に放出した光を拡散させる部材である。
【0046】
なお、光カバー部80は、光を透過させず内部Dに反射させる部材と、光を透過させ拡散させる部材とで構成されていればよい。即ち、不透過反射部材82は、白色樹脂に限定されず、金属等であってもよい。また、不透過反射部材82は、透過拡散部材の外面又は内面に不透過反射塗料を塗布することによって実現されてもよい。透過拡散部材83は、乳白色樹脂に限定されず、光拡散材料を含有した樹脂又は表面が粗面の部材等であってもよい。
【0047】
本実施形態では、第2カバー部80bが不透過反射部材82で構成され、第1カバー部80aと第3カバー部80cとが透過拡散部材83で構成されている。光源22が出射した光のうち、第2カバー部80bに向かう光Lは、第2カバー部80bの内面で反射する。一方、光源22が出射した光のうち、第1カバー部80a及び第3カバー部80cに向かう光Lは、第1カバー部80a及び第3カバー部80cを透過し、かつ拡散する。従って、照明器具1は、第2方向Qの一側Q1と、第3方向Rの他側R2とが相対的に明るく、第2方向Qの他側Q2が相対的に暗い配光の照明となる。
【0048】
例えば、第3ベース部11cが天井に取り付けられる場合、第2方向Qが横方向、第3方向Rが上下方向となる。本実施形態に係る照明器具1の配光は、横方向への配光となる。本実施形態1に係る照明器具1が室内壁面近傍の天井に取り付けられ、透過拡散部材83で構成された第1カバー部80aが室内壁面に向けられることにより、第1カバー部80aを透過した光は室内壁面に到達し、照明器具1はウォールウォッシャーライトとなる。不透過反射部材82で構成された第2カバー部80bは、室内壁面側を向いたユーザに対するグレアを低減することが可能である。
【0049】
本実施形態では、第2カバー部80bが不透過反射部材82で構成され、第1カバー部80aと第3カバー部80cとが透過拡散部材83で構成されたが、この構成に限定されない。例えば、後述する変形例1(
図6参照)のように、第3カバー部80cが不透過反射部材82で構成され、第1カバー部80aと第2カバー部80bとが透過拡散部材83で構成されてもよい。このように、光カバー部80のある部位が不透過反射部材82で構成され、ある部位が透過拡散部材83で構成されることにより、容易に配光を変更することができる。また、本実施形態1の光カバー部80と、変形例1の光カバー部80とを交換することによっても、容易に配光を変更することができる。
【0050】
光カバー部80は、例えば、不透過反射部材82と透過拡散部材83とにより構成された、2色成形による押出2色成形品である。押出2色成形により光カバー部80を製造することにより、別部材の不透過反射部材82と透過拡散部材83とを組み立てて光カバー部80を製造する場合に比べて、部品点数を少なくすることができる。また、押出2色成形により光カバー部80を製造することにより、別部材の不透過反射部材82と透過拡散部材83とを組み立てて光カバー部80を製造する場合に比べて、製造工程を少なくすることができる。結果、照明器具1の製造にかかるコストの低減が可能である。また、押出2色成形により製造された光カバー部80は、不透過反射部材82と透過拡散部材83との境目に隙間が生じにくい。よって、境目が目立たず、意匠性を損なうことがない。加えて、隙間が生じにくいことにより、光源22からの直接光が光カバー部80外部へ漏れにくくなるため、ユーザに対するグレアの発生を低減することができる。なお、光カバー部80の製造方法は、押出2色成形に限定されない。また、不透過反射部材82で構成された第2カバー部80bと、透過拡散部材83で構成された第1カバー部80a及び第3カバー部80cとは、一体部材であってもよく、別部材であってもよい。
【0051】
従来の照明器具の中には、光カバー部に相当する部材が2色成形により製造されているものがある。しかしながら、そのような従来の照明器具は、塗装仕上げ等に代替する意匠性付与の目的で2色成形を採用しているにすぎず、本実施形態に係る照明器具1のように配光を変更する目的で採用していない。
【0052】
次に、
図4及び
図5を参照して、装着部材70について説明する。
図4は、装着部材70を示す分解斜視図である。
図5は、
図1のV-V線に沿った照明器具1の断面図である。
【0053】
装着部材70は、保持部材50の第1方向Pの端部に配置される。装着部材70は、本体部71と、第1係合部72と、第2係合部73と、接触部74とを有する。本体部71には、第1係合部72と、第2係合部73と、接触部74とが連結される。本実施形態では、本体部71と、第1係合部72と、第2係合部73と、接触部74とは、一体成形される。本体部71は、略平板形状である。第1係合部72と第2係合部73とは、第2方向Qに沿って互いに間隔を空けて対向配置される。第1係合部72及び第2係合部73のそれぞれは、第1方向Pに沿って本体部71から突出する。
【0054】
第1係合部72は、第1保持体51aと第3保持体52aとで囲まれた空間F1に対応した形状を有する。第1係合部72は、空間F1に嵌入する。また、第2係合部73は、第2保持体51bと、第4保持体52bとで囲まれた空間F2に対応した形状を有する。第2係合部73は、空間F2に嵌入する。第1係合部72が空間F1に嵌入すると共に、第2係合部73が空間F2に嵌入することで、装着部材70が保持部材50に装着される。
【0055】
図5に示されるように、接触部74は、第5カバー部40bに接触する。従って、装着部材70は、保持部材50と第5カバー部40bとで第1方向Pの両側から挟まれている。その結果、装着部材70が保持部材50に装着された状態を保持することができる。
【0056】
また、装着部材70は、実装部材21に対して第1方向Pに対向する。即ち、装着部材70は、実装部材21の第1方向Pの端部に対向する。その結果、保持部材50に対して実装部材21をスライドさせながら装着する際、実装部材21を装着部材70に接触させ、実装部材21を狙った位置で停止させることができる。
【0057】
装着部材70は、例えば、樹脂製であり、弾性を有する。装着部材70は、一対設けられる。一対の装着部材70のうちの一方は、保持部材50の第1方向Pの一側P1の端部に配置され、第4カバー部40aに接触する。一対の装着部材70のうちの他方は、第1方向Pの他側P2の端部に配置され、第5カバー部40bに接触する。その結果、一対の装着部材70は、第1方向Pの両側から保持部材50と実装部材21とを保持することができる。
【0058】
以上、本実施形態について、図面(
図1~
図5)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す変形例1~6)。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
<変形例1>
図6は、照明器具1の変形例1を示す断面図である。変形例1において、第3カバー部80cが不透過反射部材82で構成され、第1カバー部80aと第2カバー部80bとが透過拡散部材83で構成されている。光源22が出射した光のうち、第3カバー部80cに向かう光Lは、第3カバー部80cの内面で反射する。一方、光源22が出射した光のうち、第1カバー部80a及び第2カバー部80bに向かう光Lは、第1カバー部80a及び第2カバー部80bを透過し、かつ拡散する。従って、照明器具1は、第2方向Qの両側が相対的に明るく、第3方向Rの他側R2が相対的に暗い配光の照明となる。
【0060】
例えば、第3ベース部11cが天井に取り付けられる場合、第2方向Qが横方向、第3方向Rが上下方向となる。不透過反射部材82で構成された第3カバー部80cが下方へ向かう光を第3カバー部80cより上方へ反射させ、天井面に光が到達するため、照明器具1は、直下照度が低いシーリングウォッシャーライトとなる。直下照度を下げることができるので、照明器具1の直下にいるユーザに対するグレアを低減することが可能である。よって、変形例2に係る照明器具1は、病院等、ユーザが天井を見上げる機会が多い環境に適する。
【0061】
<変形例2>
図7は、照明器具1の変形例2を示す断面図である。変形例2において、第1カバー部80aの第3方向Rの一側R1が透過拡散部材83で構成され、第1カバー部80aの第3方向Rの他側R2が不透過反射部材82で構成されている。第2カバー部80bの第3方向Rの一側R1が透過拡散部材83で構成され、第2カバー部80bの第3方向Rの他側R2が不透過反射部材82で構成されている。第3カバー部80cは不透過反射部材82で構成されている。
【0062】
例えば、第3ベース部11cが天井に取り付けられる場合、第2方向Qが横方向、第3方向Rが上下方向となる。上下方向の途中で不透過反射部材82と透過拡散部材83とを切り換えることで、グレアカットアングルの調節が可能となる。すなわち、第3方向Rにおける不透過反射部材82と透過拡散部材83との境界の位置によってグレアカットアングルが異なるため、光学設計の際に境界の位置を調整することで任意のグレアカットアングルに設定できる。よって、変形例2に係る照明器具1は、周囲にいるユーザに対するグレアを低減することが可能となり、オフィス及び店舗等、様々な環境に適する。
【0063】
<変形例3>
図8は、照明器具1の変形例3を示す断面図である。変形例3において、第1カバー部80aと第2カバー部80bとが透過拡散部材83で構成され、第2カバー部80bが不透過反射部材82で構成されている。また、第2カバー部80bの内面には、凹凸部84が形成されている。凹凸部84は、断面略三角形状である。凹凸部84の各凸形状の頂辺(稜線)は、第1方向Pに沿って延びる。第2カバー部80bの外面は平坦であるため、照明器具1の意匠性は損なわれない。
【0064】
変形例3に係る照明器具1は、光カバー部80における不透過反射部材82で構成された部位の内面に、凹凸部84が形成されている。凹凸部84の表面は反射面であり、反射面の形状及び傾き等によって光Lの反射方向を変更することができる。即ち、凹凸部84は、配光制御部材として機能する。変形例3では、凹凸部84の表面で反射するため、凹凸部84に向かう光Lの大部分は第1カバー部80aに向かい、第3カバー部80cに向かう光が減少する。その結果、照明器具1は、第2方向Qの一側Q1が最も明るく、第3方向Rの他側R2が2番目に明るく、第2方向Qの他側Q2が最も暗い配光の照明となる。この結果、照明器具1の直下照度が低くなり、照明器具1の直下にいるユーザに対するグレアを低減することが可能である。
【0065】
<変形例4>
図9は、照明器具1の変形例4を示す断面図である。変形例4において、不透過反射部材82で構成された第2カバー部80bの内面に、凹部85が形成されている。凹部85は、変形例3の凹凸部84と同様に配光制御部材の一例である。
【0066】
なお、不透過反射部材82で構成された部位の内面に形成される凹部、凸部、又は凹凸部の個数、位置、及び断面形状等は任意でよい。例えば、変形例3では、凹凸部84の断面形状が略正三角形状であったが、波形状又は鋸歯形状等であってもよい。また、凹部、凸部、又は凹凸部が形成される部位は、不透過反射部材82で構成された部位の内面であればよく、第2カバー部80bの内面に限定されない。例えば、第3カバー部80cが不透過反射部材82で構成されている場合、第3カバー部80cの内面に凹部、凸部又は凹凸部が形成される。
【0067】
<変形例5>
光カバー部80における透過拡散部材83で構成された部位は、部位によって透過率が異なっていてもよい。変形例5を説明するために、
図3を援用する。例えば、
図3に示される光カバー部80のうち、第1カバー部80aを構成する透過拡散部材83の透過率が相対的に高く、第3カバー部80cを構成する透過拡散部材83の透過率が相対的に低い構成とする。この構成の場合、照明器具1の直下照度が低くなり、照明器具1の直下にいるユーザに対するグレアを低減することが可能である。
【0068】
また、例えば、
図3に示される第3カバー部80cを構成する透過拡散部材83は、第2方向Qの他側Q2の透過率が最も低く、一側Q1に向かうにつれて徐々に透過率が高くなる構成であってもよい。この構成の場合、不透過反射部材82で構成される第2カバー部80bと、透過拡散部材83で構成される第3カバー部80cとの境界部分の明暗がスムーズに変化する。このように、光カバー部80における透過拡散部材83で構成された部位ごとの透過率を変更することにより、容易に配光を変更することができる。
【0069】
<変形例6>
光カバー部80の第1方向Pの一側P1の端部に配置される第4カバー部40aは、不透過反射部材82又は透過拡散部材83で構成されてもよい。また、第4カバー部40aの一部の部位が不透過反射部材82で構成され、残りの部位が透過拡散部材83で構成されてもよい。また、第4カバー部40aにおける不透過反射部材82で構成された部位の内面に、凹部、凸部、又は凹凸部が形成されていてもよい。また、第4カバー部40aにおける透過拡散部材83で構成された部位は、部位によって透過率が異なっていてもよい。
【0070】
光カバー部80の第1方向Pの他側P2の端部に配置される第5カバー部40bは、不透過反射部材82又は透過拡散部材83で構成されてもよい。また、第5カバー部40bの一部の部位が不透過反射部材82で構成され、残りの部位が透過拡散部材83で構成されてもよい。また、第5カバー部40bにおける不透過反射部材82で構成された部位の内面に、凹部、凸部、又は凹凸部が形成されていてもよい。また、第5カバー部40bにおける透過拡散部材83で構成された部位は、部位によって透過率が異なっていてもよい。
【0071】
光カバー部80の第1カバー部80a、第2カバー部80b、及び第3カバー部80cに加えて、第4カバー部40a及び第5カバー部40bも不透過反射部材82又は透過拡散部材83で構成されることにより、配光のバリエーションを増やすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、光源ユニット及び照明器具を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0073】
1 照明器具
11 ベース部材
11a 第1ベース部
11b 第2ベース部
11c 第3ベース部
11d 第1端部
11e 第2端部
12 閉塞部材
13 電源部
14 第1開口
20 発光モジュール
21 実装部材
22 光源
22a 発光面
30 カバー部材
40a 第4カバー部
40b 第5カバー部
50 保持部材
51 第1保持部
51a 第1保持体
51b 第2保持体
52 第2保持部
52a 第3保持体
52b 第4保持体
53 取付面
60 取付部材
70 装着部材
71 本体部
72 第1係合部
73 第2係合部
74 接触部
80 光カバー部
80a 第1カバー部
80b 第2カバー部
80c 第3カバー部
80d 第3端部
80e 第4端部
81 第2開口
82 不透過反射部材
83 透過拡散部材
84 凹凸部
85 凹部
90 進入部
91 第1進入体
92 第2進入体
C 内部
D 内部
F1 空間
F2 空間
L 光
P 第1方向
P1 一側
P2 他側
Q 第2方向
Q1 一側
Q2 他側
R 第3方向
R1 一側
R2 他側
U1 ベースユニット
U2 光源ユニット