(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072387
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】行動改善装置、行動改善プログラム及び行動改善方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230517BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20230517BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184921
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】井村 理恵
(72)【発明者】
【氏名】丹谷 充邦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】建物を利用する者に対して自身の行動を改善すること及び建物を利用する者に対して自身の行動を維持することの少なくとも一方を促すこと。
【解決手段】行動改善装置は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得するデータ取得部と、前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する行動推定部と、前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成するデータ生成部と、前記行動改善データを出力するデータ出力部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得するデータ取得部と、
前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する行動推定部と、
前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成するデータ生成部と、
前記行動改善データを出力するデータ出力部と、
を備える行動改善装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、前記建物を利用する者にとって基準となる行動を示す基準行動データを取得し、
前記行動推定部は、前記行動推定用データに基づいて推定した行動と、前記基準行動データにより示されている行動との差を推定し、
前記データ生成部は、前記差に基づいて前記行動改善データを生成する、
請求項1に記載の行動改善装置。
【請求項3】
前記行動推定部は、前記差が所定の基準を満たしているか否かを判定し、
前記データ生成部は、前記差が前記所定の基準を満たしていると判定された場合、前記報酬を示す前記行動改善データを生成する、
請求項2に記載の行動改善装置。
【請求項4】
前記データ取得部は、一般的に望ましい行動を示す前記基準行動データを取得する、
請求項2又は請求項3に記載の行動改善装置。
【請求項5】
前記データ取得部は、前記建物を利用する者が希望する行動を示す前記基準行動データを取得する、
請求項2又は請求項3に記載の行動改善装置。
【請求項6】
前記データ取得部は、前記建物を利用する者の特定の行動を推定する処理に使用可能なデータである前記行動推定用データを取得し、
前記データ生成部は、前記建物を利用する者の特定の行動に関する前記報酬を示す前記行動改善データを生成する、
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の行動改善装置。
【請求項7】
前記データ取得部は、所定の期間ごとに前記行動推定用データを少なくとも一回取得し、
前記行動推定部は、前記所定の期間ごとに前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定し、
前記データ生成部は、前記所定の期間ごとに前記行動改善データを生成し、
前記データ出力部は、前記所定の期間ごとに前記行動改善データを出力する、
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載の行動改善装置。
【請求項8】
建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得するデータ取得機能と、
前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する行動推定機能と、
前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成するデータ生成機能と、
前記行動改善データを出力するデータ出力機能と、
をコンピュータに実現させる行動改善プログラム。
【請求項9】
建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得し、
前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行し、
前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成し、
前記行動改善データを出力する、
行動改善方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動改善装置、行動改善プログラム及び行動改善方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食事、睡眠、健康等の生活に関する意識の向上、共働き世帯の増加に伴う家事の負担の問題等が顕在化している。このような背景を踏まえ、我々の行動を判定する技術として、例えば、特許文献1に開示されている行動判定システムが挙げられる。
【0003】
この行動判定システムは、データベースと、演算部とを備える。データベースは、居宅で消費されるエネルギー量であるエネルギー消費量の時間的な変動を示すエネルギー消費量データを記録する。演算部は、データベースからエネルギー消費量データを取得して演算処理をすることで、居宅の居住者による、睡眠、炊事及び入浴の少なくとも1つが含まれる日常生活行動の実行の有無を判定し、その判定結果を示す判定結果データを出力する。また、演算部は、エネルギー消費量データが示す時系列のエネルギー消費量について、日常生活行動の実行時における特徴を有した期間を検出すると、当該期間に日常生活行動が実行されたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
しかしながら、上述した行動判定システムは、居宅の居住者の日常生活行動が実行されたか否かを判定するまでに留まっており、居宅の居住者に対して自身の行動を改善することを促すことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、建物を利用する者に対して自身の行動を改善すること及び建物を利用する者に対して自身の行動を維持することの少なくとも一方を促すことができる行動改善装置、行動改善プログラム及び行動改善方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得するデータ取得部と、前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する行動推定部と、前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成するデータ生成部と、前記行動改善データを出力するデータ出力部と、を備える行動改善装置である。
【0008】
また、上述した行動改善装置において、前記データ取得部が、前記建物を利用する者にとって基準となる行動を示す基準行動データを取得し、前記行動推定部が、前記行動推定用データに基づいて推定した行動と、前記基準行動データにより示されている行動との差を推定し、前記データ生成部が、前記差に基づいて前記行動改善データを生成してもよい。
【0009】
また、上述した行動改善装置において、前記行動推定部が、前記差が所定の基準を満たしているか否かを判定し、前記データ生成部が、前記差が前記所定の基準を満たしていると判定された場合、前記報酬を示す前記行動改善データを生成してもよい。
【0010】
また、上述した行動改善装置において、前記データ取得部が、一般的に望ましい行動を示す前記基準行動データを取得してもよい。
【0011】
また、上述した行動改善装置において、前記データ取得部が、前記建物を利用する者が希望する行動を示す前記基準行動データを取得してもよい。
【0012】
また、上述した行動改善装置において、前記データ取得部が、前記建物を利用する者の特定の行動を推定する処理に使用可能なデータである前記行動推定用データを取得し、前記データ生成部が、前記建物を利用する者の特定の行動に関する前記報酬を示す前記行動改善データを生成してもよい。
【0013】
また、上述した行動改善装置において、前記データ取得部が、所定の期間ごとに前記行動推定用データを少なくとも一回取得し、前記行動推定部が、前記所定の期間ごとに前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定し、前記データ生成部が、前記所定の期間ごとに前記行動改善データを生成し、前記データ出力部が、前記所定の期間ごとに前記行動改善データを出力してもよい。
【0014】
本発明の一態様は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得するデータ取得機能と、前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する行動推定機能と、前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成するデータ生成機能と、前記行動改善データを出力するデータ出力機能と、をコンピュータに実現させる行動改善プログラムである。
【0015】
本発明の一態様は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得し、前記建物を利用する者の行動を前記行動推定用データに基づいて推定する処理を実行し、前記行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて前記建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成し、前記行動改善データを出力する、行動改善方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、建物を利用する者に対して自身の行動を改善すること及び建物を利用する者に対して自身の行動を維持することの少なくとも一方を促すことができる行動改善装置、行動改善プログラム及び行動改善方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る行動改善システムの一例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る行動改善装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る行動改善装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る行動改善装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
図1から
図4を参照しながら実施形態に係る行動改善装置、行動改善プログラム及び行動改善方法について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る行動改善システムの一例を示す図である。
図1は、行動改善装置10と、ルーター24と、電子機器25と、センサ26とを示している。
図1に示すように、ルーター24、電子機器25及びセンサ26は、いずれも行動改善装置10と通信可能な態様で接続されている。ルーター24、電子機器25及びセンサ26は、いずれも行動改善装置10に直接接続されていてもよいし、イントラネット、LAN(Local Area Network)を介して行動改善装置10に接続されていてもよい。
【0020】
行動改善装置10は、建物を利用する者の生活習慣等の行動を改善する目的で使用され、例えば、コンピュータ、サーバにより実現される。ここで言う建物は、例えば、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビルである。また、ここで言う建物を利用する者は、例えば、建物が戸建て住宅又は集合住宅である場合、当該建物で生活している者であり、建物がオフィスビルである場合、当該建物に入居している企業等で勤務している者である。なお、行動改善装置10は、当該建物に設置されていてもよいし、当該建物の敷地の中に設置されていてもよいし、当該建物の敷地の外に設置されていてもよい。
【0021】
ルーター24は、建物を含む所定の範囲内からコンピュータ、スマートフォン、タブレット等をインターネットに接続する機器であり、建物に少なくとも一つ設置されている。ルーター24は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等が自身を介してインターネットに接続されていたか否かを示すインターネット接続データを行動改善装置10に適宜送信する。
【0022】
電子機器25は、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)に対応可能な機器であり、建物に少なくとも一つ設置されている。電子機器25は、例えば、冷蔵庫、洗濯機、調理用機器、空調機器、オーディオ機器、テレビ、コンピュータである。電子機器25は、自身が使用されたか否かを示す電子機器使用データを行動改善装置10に適宜送信する。
【0023】
センサ26は、建物に取り付けられている照明等を制御する目的、建物の防犯の目的等で建物に取り付けられているセンサであり、建物に少なくとも一つ設置されている。センサ26は、自身が検出した結果を示すセンサデータを行動改善装置10に適宜送信する。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る行動改善装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、行動改善装置10は、プロセッサ11と、主記憶装置12と、通信インターフェース13と、補助記憶装置14と、入出力装置15と、バス16とを備える。
【0025】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、行動改善プログラムを読み出して実行し、行動改善装置10が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ11は、行動改善プログラム以外のプログラムを読み出して実行し、行動改善装置10が有する各機能を実現させる上で必要な機能を実現させてもよい。
【0026】
主記憶装置12は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ11により読み出されて実行される行動改善プログラムその他のプログラムを予め記憶している。
【0027】
通信インターフェース13は、ネットワークを介して他の機器と通信を実行するためのインターフェース回路である。また、ネットワークは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、イントラネットである。
【0028】
補助記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
【0029】
入出力装置15は、例えば、入出力ポート(Input/Output Port)である。入出力装置15は、例えば、入力装置、出力装置が接続されている。入力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、マウス、キーボードであり、行動改善装置10の操作、行動改善装置10へのデータの入力に使用される。出力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、スピーカであり、行動改善装置10がユーザに情報を提示するために使用される。
【0030】
次に、
図3を参照しながら行動改善装置のソフトウェア構成について説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る行動改善装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3に示すように、行動改善装置10は、データ取得部101と、行動推定部102と、データ生成部103と、データ出力部104とを備える。データ取得部101、行動推定部102、データ生成部103、データ出力部104及び回答登録部105は、いずれもプロセッサ11が主記憶装置12に格納されている行動改善プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0031】
データ取得部101は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得する。行動推定用データは、例えば、上述したインターネット接続データ、電子機器使用データ及びセンサデータの少なくとも一つである。
【0032】
具体的には、データ取得部101は、建物を利用する者の特定の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得する。データ取得部101は、特定の行動が就寝することである場合、コンピュータ、スマートフォン、タブレット等がインターネットに接続されていたか否かを示すインターネット接続データを行動推定用データとして取得する。或いは、データ取得部101は、特定の行動が就寝することである場合、電子機器25の一例であり、寝室に設置されているテレビが使用されたか否かを示す電子機器使用データを行動推定用データとして取得する。
【0033】
また、データ取得部101は、建物を利用する者にとって基準となる行動を示す基準行動データを取得してもよい。例えば、データ取得部101は、
図1に示した入出力装置15に接続されている入力装置を使用して入力された基準行動データを取得する。ここで言う建物を利用する者にとって基準となる行動は、例えば、一般的に望ましい行動及び当該者が希望する行動の少なくとも一方である。
【0034】
また、ここで言う一般的に望ましい行動は、例えば、こまめに洗濯等の家事をこなす行動等、社会通念上、多くの人により望ましいと考えられている行動である。或いは、ここで言う一般的に望ましい行動は、22時以降に水分補給以外の飲食を避ける行動、遅くとも22時までに就寝する行動等、医学的又は生理学的に望ましいと考えられている行動である。
【0035】
例えば、基準行動データは、
図1に示した入出力装置15に接続されている入力装置及び出力装置を使用して事前に用意されている選択肢の中から選択されることにより生成される。或いは、基準行動データは、
図1に示した入出力装置15に接続されている入力装置及び出力装置を使用して基準となる行動が任意に設定されることにより生成される。
【0036】
行動推定部102は、建物を利用する者の行動を行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する。例えば、行動推定部102は、基準行動データが取得されている場合、初めに、建物を利用する者の行動を行動推定用データに基づいて推定する。次に、行動推定部102は、行動推定用データに基づいて推定した行動と、基準行動データにより示されている行動との差を推定する。そして、行動推定部102は、当該差が所定の基準を満たしているか否かを判定する。
【0037】
データ生成部103は、行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成する。例えば、データ生成部103は、行動推定用データに基づいて推定された行動と、基準行動データにより示されている行動との差に基づいて行動改善データを生成する。具体的には、データ生成部103は、当該差が上述した所定の基準を満たしていると判定された場合、報酬を示す行動改善データを生成する。また、当該所定の基準は、建物を利用する者に報酬を与えるか否かの基準として相応の基準であることが好ましい。
【0038】
建物を利用する者への報酬は、例えば、品物の贈呈、サービスの提供、電子商取引のウェブサイト及び実店舗で支払い等に使用可能なポイントの進呈、イベントへの招待である。また、建物を利用する者への報酬は、特定の行動を推定する処理に使用可能な行動推定用データが取得され、建物を利用する者の行動が当該行動推定用データに基づいて推定されている場合、推定された行動に関する報酬であることが好ましい。
【0039】
例えば、建物を利用する者への報酬は、建物を利用する者に推奨される行動として洗濯をする行動が設定されている場合、洗剤等の贈呈、家事代行サービスの提供、洗剤等を購入する際の支払い等に使用可能なポイントの進呈又は洗剤等の新製品を公開するイベントへの招待であることが好ましい。
【0040】
或いは、建物を利用する者への報酬は、建物を利用する者に推奨される行動として22時以降に水分補給以外の飲食を避ける行動が設定されている場合、健康食品等の贈呈、食品等を購入する支払い等に使用可能なポイントの進呈又は料理教室への招待であることが好ましい。
【0041】
或いは、建物を利用する者への報酬は、建物を利用する者に推奨される行動として遅くとも22時までに就寝する行動が設定されている場合、寝具等の贈呈、寝具等を購入する支払い等に使用可能なポイントの進呈又は寝具等の新製品を公開するイベントへの招待であることが好ましい。
【0042】
或いは、建物を利用する者への報酬は、家事に関するアドバイザー、栄養士、医師等からの助言であってもよい。当該助言は、建物を利用する者が身の行動を改善すること及び建物を利用する者に対して自身の行動を維持することの少なくとも一方を促すものであることが望ましい。
【0043】
データ出力部104は、行動改善データを出力する。例えば、データ出力部104は、行動改善データにより示されている内容を表示するよう
図1に示した入出力装置15に接続されているタッチパネルディスプレイを制御する。この場合、行動改善データにより示されている内容は、クラウド上で動作するアプリケーションを介して表示されてもよいし、行動改善装置10にインストールされているアプリケーションを介して表示されてもよい。或いは、データ出力部104は、行動改善データにより示されている内容を出力するよう
図1に示した入出力装置15に接続されているスピーカを制御する。
【0044】
なお、行動改善装置10は、上述した処理を所定の期間ごとに実行してもよい。ここで言う所定の期間は、行動改善装置10を使用して自身又は他者の行動を改善することを希望する者により設定される期間又は自動的に設定される期間であり、例えば、一週間、一ヵ月である。
【0045】
この場合、データ取得部101は、所定の期間ごとに行動推定用データを少なくとも一回取得してもよい。データ取得部101は、所定の期間ごとに行動推定用データを二回以上取得する場合、定期的なタイミングで行動推定用データを取得してもよいし、任意のタイミングで行動推定用データを取得してもよい。行動推定部102は、所定の期間ごとに建物を利用する者の行動を行動推定用データに基づいて推定する。データ生成部103は、所定の期間ごとに行動改善データを生成する。データ出力部104は、所定の期間ごとに行動改善データを出力する。また、この場合、建物を利用する者への報酬は、所定の期間中において、行動推定用データに基づいて推定された行動と、基準行動データにより示されている行動との差が所定の範囲に収まっている割合に応じて変動してもよい。或いは、この場合、建物を利用する者への報酬は、行動推定用データに基づいて推定された行動に応じて所定の倍率で増加してもよい。さらに、建物を利用する者への報酬は、建物を利用する者に視認可能な態様で提示される。
【0046】
次に、
図4を参照しながら行動改善装置10が実行する処理の一例を説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る行動改善装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
ステップS1において、データ取得部101は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得する。
【0048】
ステップS2において、行動推定部102は、建物を利用する者の行動を行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する。
【0049】
ステップS3において、データ生成部103は、行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成する。
【0050】
ステップS4において、データ出力部104は、ステップS3で生成された行動改善データを出力する。
【0051】
以上、実施形態に係る行動改善装置10について説明した。行動改善装置10は、データ取得部101と、行動推定部102と、データ出力部104とを備える。データ取得部101は、建物を利用する者の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得する。行動推定部102は、建物を利用する者の行動を行動推定用データに基づいて推定する処理を実行する。データ生成部103は、行動推定用データに基づいて推定された行動に基づいて建物を利用する者への報酬を示す行動改善データを生成する。データ出力部104は、行動改善データを出力する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者に対して自身の行動を改善することを促すことができる。
【0052】
また、行動改善装置10は、行動推定用データに基づいて推定した行動と、基準行動データにより示されている行動との差を推定し、当該差に基づいて行動改善データを生成する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者が実際にとった行動と、建物を利用する者にとって基準となる行動との差に基づいて更に効果的に建物を利用する者の行動の改善を促すことができる。
【0053】
また、行動改善装置10は、行動推定用データに基づいて推定した行動と、基準行動データにより示されている行動との差が所定の基準を満たしていると判定された場合、報酬を示す行動改善データを生成する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者が報酬を与えるに値する行動をとった場合に報酬を与え、建物を利用する者が自身の行動を改善することを更に強く促すことができる。
【0054】
また、行動改善装置10は、一般的に望ましい行動を示す基準行動データを取得する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者が自身の行動を一般的に望ましい行動に近づけることを促すことができる。
【0055】
また、行動改善装置10は、建物を利用する者が希望する行動を示す基準行動データを取得する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者が自身の行動を本人が希望する行動に近づけることを促すことができる。
【0056】
また、行動改善装置10は、建物を利用する者の特定の行動を推定する処理に使用可能なデータである行動推定用データを取得し、当該者の特定の行動に関する報酬を示す行動改善データを生成する。つまり、行動改善装置10は、行動推定用データを使用して推定される行動に関連した報酬を示す行動改善データを生成する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者に行動推定用データを使用して推定される行動との関連性が強い報酬を提示し、建物を利用する者に特定の行動に関する改善を更に強く促すことができる。
【0057】
また、行動改善装置10は、所定の期間ごとに行動推定用データを少なくとも一回取得し、当該所定の期間ごとに建物を利用する者の行動を行動推定用データに基づいて推定し、行動改善データを生成する。これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者の行動を所定の期間ごとに評価して報酬を提示し、建物を利用する者に自身の行動を改善する意欲を持ち続けさせることができる。例えば、これにより、行動改善装置10は、建物を利用する者が過去の所定の期間内に十分な報酬を獲得し得なかった場合でも、今後の所定の期間内に報酬を獲得する機会を確保し得るため、建物を利用する者に自身の行動を改善する意欲を持ち続けさせることができる。また、これにより、行動改善装置10は、所定の期間が比較的短い期間である場合、建物を利用する者に自身の行動を改善する意欲を短い期間で喚起させることができる。
【0058】
なお、上述した実施形態では、プロセッサ11が行動改善プログラムを読み出して実行することにより、
図3に示したデータ取得部101、行動推定部102、データ生成部103及びデータ出力部104が実現される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0059】
図3に示した行動改善装置10が有する機能の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等の回路部(circuitry)を含むハードウェアにより実現されてもよい。或いは、
図3に示した行動改善装置10が有する機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。また、これらのハードウェアは、一つに統合されていてもよいし、複数に分かれていてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、行動改善装置、行動改善プログラム及び行動改善方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ及び設計変更の少なくとも一つを加えることができる。
【0061】
また、上述した本発明の実施形態の効果は、一例として説明した効果である。したがって、本発明の実施形態は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0062】
1…行動改善システム、10…行動改善装置、11…プロセッサ、12…主記憶装置、13…通信インターフェース、14…補助記憶装置、15…入出力装置、16…バス、101…データ取得部、102…行動推定部、103…データ生成部、104…データ出力部、24…ルーター、25…電子機器、26…センサ