(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072406
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】糸通し器および糸通し機構
(51)【国際特許分類】
D05B 87/02 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
D05B87/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184948
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000105039
【氏名又は名称】クロバー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】田中 淳之
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150CD05
3B150CE23
3B150CE27
3B150FH05
3B150FH20
3B150FJ02
3B150FJ04
3B150JA17
3B150RA09
(57)【要約】
【課題】使い勝手を改善するのに適した糸通し器を提供する。
【解決手段】糸通し器A1は、針用支持部4と、針用支持部4から離間した後退位置と、針穴91に進入することで針穴91に糸をループ状に通すことが可能な前進位置と、の間で往復移動可能な糸通し部材2と、操作部が操作されない第1状態において糸通し部材2が後退位置をとり、且つ操作部が操作される第2状態において糸通し部材2を前進位置に移動させる動作機構と、糸通し部材2によって針穴91に通された糸Tのループ部TLを押さえるための糸押え機構5と、を備える。糸押え機構5は、受圧部51と、押圧部材52と、付勢部材54とを有し、操作部が第2状態から第1状態に移行することで押圧部材52がループ部TLを受圧部51に押圧可能である。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針穴を有する針を支持するための針用支持部と、
前記針用支持部から離間した後退位置と、前記針穴に進入することで前記針穴に糸をループ状に通すことが可能な前進位置と、の間で往復移動可能な糸通し部材と、
操作部を有し、前記操作部が操作されない第1状態において前記糸通し部材が前記後退位置をとり、且つ前記操作部が操作される第2状態において前記糸通し部材が前記前進位置に移動する動作機構と、
前記糸通し部材によって前記針穴に通された糸のループ部を押さえるための糸押え機構と、を備え、
前記糸押え機構は、受圧部と、前記受圧部に近接または当接する第1位置、および前記受圧部から離間する第2位置の間で往復移動可能な押圧部材と、前記押圧部材を前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、を有し、前記操作部が前記第2状態にあるとき前記押圧部材が前記第2位置に移動し、前記操作部が前記第2状態から前記第1状態に移行することで前記押圧部材が前記ループ部を前記受圧部に押圧可能である、糸通し器。
【請求項2】
前記針用支持部は、挿入された前記針の長手方向に沿う第1方向に延び、且つ前記第1方向の一方側に針支持底面を有する針挿入穴を含み、
前記糸通し部材は、前記前進位置をとるとき前記針穴に対して前記第1方向と交差する第2方向の一方側に進入し、
前記押圧部材は、前記ループ部に当接し得る先端押圧部を有し、
前記先端押圧部は、前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する第3方向に延びる、請求項1に記載の糸通し器。
【請求項3】
前記受圧部は、前記第2方向に見て前記先端押圧部と対向する、請求項2に記載の糸通し器。
【請求項4】
前記押圧部材は、前記先端押圧部の前記第3方向における中央につながり、且つ前記第2方向の一方側に向かうにつれて前記第1方向の一方側に位置する第1傾斜部を有する、請求項3に記載の糸通し器。
【請求項5】
前記動作機構を支持しており、前記第3方向の一方側および他方側にそれぞれ配置された第1筐体および第2筐体を備え、
前記第1筐体は、前記第3方向の他方側を向く第1当接面を有し、
前記第2筐体は、前記第3方向の一方側を向き、且つ前記第1当接面に当接する第2当接面を有し、
前記第1筐体は、前記第1当接面から前記第3方向の他方側に突出する第1突出壁を含み、
前記第1突出壁は、前記受圧部を含む、請求項3または4に記載の糸通し器。
【請求項6】
前記針挿入穴は、前記第1方向の一方側に位置する第1区間と、前記第1区間に対して前記第1方向の他方側に離間して位置する第2区間と、前記第1区間および前記第2区間の間に位置する第3区間と、を有し、
前記針用支持部は、前記針を前記第2方向の一方側に押すための可動部材を含み、
前記第3区間は、前記可動部材で構成されており、
前記針用支持部は、前記第1区間において前記第2方向の他方側に開口する第1開口溝と、前記第2区間において前記第2方向の他方側に開口する第2開口溝と、前記第3区間において前記第2方向の他方側に開口する第3開口溝と、を有し、
前記第2開口溝は、前記第2方向に見て前記第1方向に延びており、
前記第3開口溝は、前記第2方向に見て、前記第1方向に延び、且つ前記第1開口溝および前記第2開口溝に通じており、
前記第1開口溝は、前記第2方向に見て、前記第1方向から緩やかに前記第3方向に湾曲する湾曲部を含む、請求項2ないし5のいずれかに記載の糸通し器。
【請求項7】
針の長手方向に沿う第1方向に延び、且つ前記第1方向の一方側に針支持底面を有する針挿入穴と、前記針挿入穴に挿入された針の針穴に進入可能な糸通し部材と、を有し、前記糸通し部材が前記針穴に進入することで前記針穴に糸をループ状に通すことが可能に構成された糸通し機構であって、
前記針挿入穴には当該針挿入穴の前記第1方向における略全長にわたって延びる開口溝が形成され、且つ前記開口溝には前記第1方向から緩やかに湾曲する湾曲部が設けられており、前記針挿入穴に挿入される前記針のガイド機構と、
受圧部と、前記受圧部に近接または当接する第1位置、および前記受圧部から離間する第2位置の間で往復移動可能な押圧部材と、を有し、前記糸通し部材が前記針穴に進入するとき前記押圧部材が前記第2位置に移動し、前記糸通し部材が前記針穴から後退することで前記押圧部材が前記針穴に通された糸のループ部を前記受圧部に押圧可能である、糸押え機構と、を含む、糸通し機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、裁縫用の縫い針などの針の針穴に糸を通すのに用いられる糸通し器、および糸通し機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の糸通し器の一例としては、たとえば特許文献1に開示されている。同文献に記載された糸通し器は、針用支持部、プッシャ(糸通し部材)および動作機構を備えている。針用支持部に針を支持させて動作機構の操作レバーを操作すると、プッシャの先端部が針穴に進入し、当該針穴に糸がループ状に通される(特許文献1の
図12を参照)。その後、操作レバーを元の位置に戻すと、プッシャが後退して針穴から離間した位置に戻る。次いで、針を針用支持部から引き上げると、針穴に糸がループ状に二重に通った状態となっている。そして、ループ状の糸の片方の糸端を針穴から引き出すことで、縫製ができるように針穴に1本の糸が通った状態となる。
【0003】
上記従来のループ状の二重の糸は、針穴から数mm程度突き出た状態である。この状態で糸端を針穴から引き出すには、指先で糸を摘んで細かい作業が必要である。また、ループ状の二重の糸が針穴から抜けてしまうと、針用支持部に針をセットするところから作業をやり直す必要があり、面倒であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、このような事情のもとで考え出されたものである。その主たる課題は、使い勝手を改善するのに適した糸通し器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本開示では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本開示の第1の側面によって提供される糸通し器は、針穴を有する針を支持するための針用支持部と、前記針用支持部から離間した後退位置と、前記針穴に進入することで前記針穴に糸をループ状に通すことが可能な前進位置と、の間で往復移動可能な糸通し部材と、操作部を有し、前記操作部が操作されない第1状態において前記糸通し部材が前記後退位置をとり、且つ前記操作部が操作される第2状態において前記糸通し部材が前記前進位置に移動する動作機構と、前記糸通し部材によって前記針穴に通された糸のループ部を押さえるための糸押え機構と、を備え、前記糸押え機構は、受圧部と、前記受圧部に近接または当接する第1位置、および前記受圧部から離間する第2位置の間で往復移動可能な押圧部材と、前記押圧部材を前記第1位置に向けて付勢する付勢部材と、を有し、前記操作部が前記第2状態にあるとき前記押圧部材が前記第2位置に移動し、前記操作部が前記第2状態から前記第1状態に移行することで前記押圧部材が前記ループ部を前記受圧部に押圧可能である。
【0008】
好ましい実施の形態においては、前記針用支持部は、挿入された前記針の長手方向に沿う第1方向に延び、且つ前記第1方向の一方側に針支持底面を有する針挿入穴を含み、前記糸通し部材は、前記前進位置をとるとき前記針穴に対して前記第1方向と交差する第2方向の一方側に進入し、前記押圧部材は、前記ループ部に当接し得る先端押圧部を有し、前記先端押圧部は、前記第1方向および前記第2方向の双方に直交する第3方向に延びる。
【0009】
好ましい実施の形態においては、前記受圧部は、前記第2方向に見て前記先端押圧部と対向する。
【0010】
好ましい実施の形態においては、前記押圧部材は、前記先端押圧部の前記第3方向における中央につながり、且つ前記第2方向の一方側に向かうにつれて前記第1方向の一方側に位置する第1傾斜部を有する。
【0011】
好ましい実施の形態においては、前記動作機構を支持しており、前記第3方向の一方側および他方側にそれぞれ配置された第1筐体および第2筐体を備え、前記第1筐体は、前記第3方向の他方側を向く第1当接面を有し、前記第2筐体は、前記第3方向の一方側を向き、且つ前記第1当接面に当接する第2当接面を有し、前記第1筐体は、前記第1当接面から前記第3方向の他方側に突出する第1突出壁を含み、前記第1突出壁は、前記受圧部を含む。
【0012】
好ましい実施の形態においては、前記針挿入穴は、前記第1方向の一方側に位置する第1区間と、前記第1区間に対して前記第1方向の他方側に離間して位置する第2区間と、前記第1区間および前記第2区間の間に位置する第3区間と、を有し、前記針用支持部は、前記針を前記第2方向の一方側に押すための可動部材を含み、前記第3区間は、前記可動部材で構成されており、前記針用支持部は、前記第1区間において前記第2方向の他方側に開口する第1開口溝と、前記第2区間において前記第2方向の他方側に開口する第2開口溝と、前記第3区間において前記第2方向の他方側に開口する第3開口溝と、を有し、前記第2開口溝は、前記第2方向に見て前記第1方向に延びており、前記第3開口溝は、前記第2方向に見て、前記第1方向に延び、且つ前記第1開口溝および前記第2開口溝に通じており、前記第1開口溝は、前記第2方向に見て、前記第1方向から緩やかに前記第3方向に湾曲する湾曲部を含む。
【0013】
本開示の第2の側面によって提供される糸通し機構は、針の長手方向に沿う第1方向に延び、且つ前記第1方向の一方側に針支持底面を有する針挿入穴と、前記針挿入穴に挿入された針の針穴に進入可能な糸通し部材と、を有し、前記糸通し部材が前記針穴に進入することで前記針穴に糸をループ状に通すことが可能に構成された糸通し機構であって、前記針挿入穴には当該針挿入穴の前記第1方向における略全長にわたって延びる開口溝が形成され、且つ前記開口溝には前記第1方向から緩やかに湾曲する湾曲部が設けられており、前記針挿入穴に挿入される前記針のガイド機構と、受圧部と、前記受圧部に近接または当接する第1位置、および前記受圧部から離間する第2位置の間で往復移動可能な押圧部材と、を有し、前記糸通し部材が前記針穴に進入するとき前記押圧部材が前記第2位置に移動し、前記糸通し部材が前記針穴から後退することで前記押圧部材が前記針穴に通された糸のループ部を前記受圧部に押圧可能である、糸押え機構と、を含む。
【0014】
本開示による糸通し器のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一実施形態に係る糸通し器を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示す糸通し器の内部構造を示す斜視図(第2筐体を省略)である。
【
図6】第1開口溝、第2開口溝、および第3開口溝を説明するための図であり、第2方向に見た概略図である。
【
図9】第1突出壁および押圧部材の周辺の位置関係を示す、第2方向に見た概略図である。
【
図10】
図3のX-X線に沿う部分拡大断面図である。
【
図11】
図1に示す糸通し器の動作状態を示す、
図2と同様の断面図である。
【
図14】
図13に示す動作状態を説明するための図であり、
図9と同様の概略図である。
【
図16】針を引き上げ、糸が通った状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、糸通し器の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1~
図4は、一実施形態に係る糸通し器を示している。図示された糸通し器A1は、ハウジング1、糸通し部材2、動作機構3、針用支持部4および糸押え機構5を備えている。
【0018】
図1は、糸通し器A1を示す斜視図である。
図2は、
図1のII-II線に沿う断面図である。
図3は、
図2の部分拡大図である。
図4は、糸通し器A1の内部構造を示す斜視図である。なお、説明の便宜上、
図1を基準として上下の方向を特定することにする。
【0019】
ハウジング1は、糸通し部材2、動作機構3、針用支持部4および糸押え機構5を支持しており、たとえば合成樹脂製の樹脂成形品である。ハウジング1は、第1筐体11および第2筐体12を含む。第1筐体11は、第3方向一方側y1に配置されており、第2筐体12は第3方向他方側y2に配置されている。これら第1筐体11および第2筐体12が組み合わされて、ハウジング1の内部空間が形成される。ハウジング1の内部空間には、糸通し部材2、動作機構3、針用支持部4および糸押え機構5が適宜配置されている。ハウジング1の上部には、凹部14、および糸Tを切断するのに用いる切断刃15が設けられている。この糸通し器A1を使用する場合、糸Tの一部分を凹部14の底部に引っ掛けるようにしてセッティングする 。詳細は後述するが、第1筐体11および第2筐体12(ハウジング1)は、針用支持部4や糸押え機構5の一部を構成する。
【0020】
針用支持部4は、針9を起立状態に支持するためのものであり、針挿入穴41および可動部材43を含む。針挿入穴41は、ハウジング1の上面部に開口するようにしてこのハウジング1に形成されており、上下方向(第1方向z)に延びている。この針挿入穴41には、針9の頭部(針穴91が形成されている側の端部)が下向きとなるようにして挿入される。この針挿入穴41に挿入させられた針9の長手方向は、上下方向(第1方向z)に沿っている。針挿入穴41は、一般的に裁縫で用いられる複数種類の針を挿入可能な内径とされている。
【0021】
針挿入穴41は、底部に形成された針支持底面411aを有する。針支持底面411aは、針9の頭部を支持するための部分であり、凹状の湾曲面として形成されている。一般に、糸通し用の針穴を備えた針の頭部は、偏平状に形成されている。針支持底面411aはそのような針の偏平な頭部が接触したときには針穴91が糸通し部材2を向くように針9の向きを正対させる曲面として形成されている。針挿入穴41の詳細については後述する。
【0022】
可動部材43は、針9を針挿入穴41の内壁面の一部分に押しつけることによって針9の位置決め固定を図るための部材である。この可動部材43は、たとえば合成樹脂製であり、針挿入穴41の一部分を構成している。可動部材43は、後述する操作レバー31の操作により水平方向(第2方向x)に往復移動可能である。可動部材43の詳細については後述する。
【0023】
糸通し部材2は、糸Tを針9の針穴91に通すためにあり、たとえば薄肉の金属板を所定形状に打ち抜いて形成されたものである。糸通し部材2の先端側(第2方向一方側x1)は、針9の針穴91に挿通する必要があることから一方向に延びた細長な形状を有している。糸通し部材2の先端部分には、糸係止部21が形成されている。糸係止部21は、凹状に窪んだ形状とされており、糸Tを押すときに当該糸Tがこの糸係止部21から容易に外れないようになっている。
【0024】
動作機構3は、糸通し部材2を往復移動させる動作を含めた連動箇所の全体的な動作を担うものであり、たとえば操作レバー31、動作板32、弾性部材321、軸体322、揺動アーム33、カム板34、ガイド体35、弾性部材36、動作体37および弾性部材38を備えて構成されている。操作レバー31は、動作機構3を動作させるための操作部として機能し、ハウジング1の第2方向一方側x1に突出している。
【0025】
動作板32は、操作レバー31に固定されており、この動作板32と操作レバー31とは、一体となって軸71を中心として回動可能である。ガイド体35は、糸通し部材2の移動ガイドを行うための部材であり、第2方向xに沿って直線状に延びる長孔351およびスライド部352を有する。糸通し部材2は、長孔351に沿って往復移動可能なようにガイド体35に取り付けられている。揺動アーム33は、糸通し部材2の往復移動を行うためのものであり、軸71を中心として揺動可能である。詳細な図示説明は省略するが、揺動アーム33の上端部は、ガイド体35のスライド部352を押すことが可能となっている。当該スライド部352が揺動アーム33に押されることにより、糸通し部材2は長孔351に沿って往復移動自在な構成となっている。弾性部材321は、操作レバー31の操作と揺動アーム33の揺動動作との間に融通性をもたせるためのものである。弾性部材321は、揺動アーム33と軸体322との間に挟まれており、たとえば圧縮コイルばねである。軸体322は、略円柱状であり、操作レバー31が操作されると、軸71を中心とする円弧軌跡で移動する。ガイド体35は、軸72を中心として揺動可能であり、このガイド体35の揺動により、糸通し部材2の移動方向が変更される。カム板34は、略扇形状であり、軸71を中心として回動可能である。詳細な図示説明は省略するが、カム板34の外周面にはガイド体35を揺動させるためのカム面が形成されている。
図11、
図12に示すように、操作レバー31が操作されると、ガイド体35については、長孔351の第2方向一方側x1が僅かに上方(第1方向他方側z2)に位置するように姿勢が変更される。
【0026】
弾性部材36は、操作レバー31を上方(第1方向他方側z2)に押し上げる弾性復元力を発揮するものである。弾性部材36は、ハウジング1の底壁部と操作レバー31の下部との間に介在しており、たとえば圧縮コイルばねである。
図2、
図3は、操作レバー31が操作されない状態(第1状態)を示している。操作レバー31が操作されない状態において、糸通し部材2は、針用支持部4から第2方向他方側x2に離間した後退位置にある。
図11、
図12は、弾性部材36の弾性復元力に抗して操作レバー31を押し下げることで、当該操作レバー31が操作された状態(第2状態)を示している。操作レバー31が操作された状態において、糸通し部材2(糸係止部21)は、針穴91に対して第2方向一方側x1に進入した前進位置をとる。このとき、糸通し部材2(糸係止部21)が針穴91に進入することで、当該針穴91に糸Tをループ状に通すことが可能である。
【0027】
使用者が操作レバー31から手を離すと、操作レバー31は弾性部材36の弾性復元力によって上方に移動し、操作レバー31が操作されない状態(第1状態)に移行する。このとき、動作機構3の各部は元の状態(
図2、
図3に示した状態)に戻り、糸通し部材2は後退位置に戻る。
【0028】
動作体37は、操作レバー31と可動部材43および糸押え機構5とを連動させるものである。動作体37は、アーム371,372を有し、軸73を中心として回動可能に配置されている。アーム372は、可動部材43の一端部の貫通孔に挿通している。また、アーム372は、弾性部材38(たとえば引張コイルばね)によって第2方向他方側x2に常時付勢されている。このため、動作体37には
図2において時計回りの回転力が生じ、アーム371は操作レバー31の上面に当接している。詳細な図示説明は省略するが、操作レバー31の上面はカム面として形成されており、
図11に示すように、操作レバー31を押し下げたときには上記カム面がアーム371に当接する。その結果、アーム371が第1方向他方側z2に上昇する。このため、アーム372は第2方向一方側x1に移動し、可動部材43も第2方向一方側x1に移動する。
【0029】
可動部材43が第2方向一方側x1に移動すると、
図12に示すように、この可動部材43によって針9が針挿入穴41の内壁面に押しつけられる。なお、可動部材43は、ハウジング1によって第2方向xの往復移動がガイドされるとともに、必要以上に大きなストロークでの往復移動が回避されるように構成されている。
【0030】
本実施形態において、針挿入穴41は、ハウジング1および可動部材43に跨って形成されている。
図3および
図6に示すように、針挿入穴41は、第1区間411、第2区間412および第3区間413を有する。
図6は、ハウジング1の凹部14から第2方向一方側x1に見た概略図である。第1区間411は、下方(第1方向一方側z1)に位置し、針支持底面411aを含む。第2区間412は、第1区間411に対して上方(第1方向他方側z2)に離間して位置する。第3区間413は、第1区間411および第2区間412の間に位置し、可動部材43で構成されている。
【0031】
本実施形態では、
図6に示すように、針用支持部4は、第1開口溝421、第2開口溝422および第3開口溝423を有する。第1開口溝421、第2開口溝422および第3開口溝423は、針穴91に糸Tを通した後に針9を引き上げる際、糸Tが引っ掛かることを防いで針9をスムーズに引き上げるために形成されている。第2開口溝422は、第2区間412において第2方向他方側x2に開口し、第2方向xに見て第1方向zに延びている。第3開口溝423は、第3区間413において第2方向他方側x2に開口し、且つ第1開口溝421および第2開口溝422の双方に通じる。第1開口溝421の下端寄りは、糸通し部材2の先端側が進入する部位である。第1開口溝421、第2開口溝422および第3開口溝423は、針挿入穴41の第1方向zにおける略全長にわたって延びている。針穴91に糸Tが通された後に針9を引き上げる際、糸Tは、互いに通じる第1開口溝421、第3開口溝423および第2開口溝422を辿ってスムーズに抜き出される。
【0032】
なお、可動部材43において、第3開口溝423を挟むようにして、一対の凸状部431が設けられている。可動部材43が第2方向一方側x1に移動すると、一対の凸状部431が針9を針挿入穴41の内壁面(より詳細には針挿入穴41の第1区間411および第2区間412における内壁面)に押し付けるようになっている。
【0033】
本実施形態では、第1開口溝421は、湾曲部421aを含む。湾曲部421aは、第1開口溝421において、第2方向xに見て第1方向zから緩やかに第3方向yに湾曲する部分である。針9を針挿入穴41に挿入する際、針9の偏平な頭部が第1開口溝421に挟まるなどにより、上述の針9の正対機能が阻害されるおそれがある。本実施形態では、第1開口溝421に上述の湾曲部421aを設けたことにより、湾曲部421aの周囲が針9の頭部の挟み込みを防止する壁として作用する。これにより、針9を正対させる機能が適切に発揮されることになる。なお、図示した例では、湾曲部421aが円弧状に形成された場合を示したが、湾曲部421aの形状はこれに限定されない。湾曲部421aとしては、たとえば第1開口溝421の一部分が第1方向zに対して緩やかな角度で屈曲する形状であってもよい。また、湾曲部421aは、第1開口溝421において、第3開口溝423に近接する位置(第1方向他方側z2)に設ける必要がある。
【0034】
図2~
図4、
図11~
図13に示した糸押え機構5は、針穴91に通された糸Tのループ部を押さえるためのものである。糸押え機構5は、受圧部51、押圧部材52、レバー53および付勢部材54を備えて構成されている。
【0035】
受圧部51は、ハウジング1(第1筐体11および第2筐体12の少なくとも一方)の適所に設けられている。本実施形態では、受圧部51は、その下方(第1方向一方側z1)に位置する押圧部材52からの押圧力を受ける部分であり、第1方向一方側z1を向く部位である。受圧部51の詳細については後述する。
【0036】
押圧部材52は、受圧部51に近接または当接する上動位置(第1位置)と、受圧部51から離間する下動位置(第2位置)との間で上下に往復移動可能とされている。
【0037】
押圧部材52は、たとえば先端押圧部521、第1傾斜部522、スライド軸部523、係止部524および突起部525を有する。
図3、
図4、
図7、
図8に示すように、先端押圧部521は、押圧部材52において第1方向他方側z2端に位置し、糸Tのループ部に当接し得る部分である。
図8、
図9から理解されるように、先端押圧部521は、第3方向yに延びている。本実施形態では、押圧部材52において第1方向他方側z2の部位が第3方向yに幅広とされており、この幅広部分の先端に先端押圧部521が設けられている。また、
図10に示すように、押圧部材52は、上記幅広部分がハウジング1(第1筐体11および第2筐体12)に形成された溝115,125に沿ってガイドされる。これにより、押圧部材52は上下に往復移動可能である。
【0038】
図7に示すように、第1傾斜部522は、先端押圧部521の第3方向yにおける中央につながる。第1傾斜部522は、第2方向一方側x1に向かうにつれて第1方向一方側z1に位置するように傾斜している。
【0039】
スライド軸部523は、押圧部材52の第1方向zにおける中間に位置し、第1方向zに延びている。係止部524は、押圧部材52の第1方向一方側z1端に配置されている。係止部524には、レバー53を係止させるための係止孔524aが、第2方向xに貫通状に形成されている。
【0040】
突起部525は、押圧部材52の第1方向他方側z2における幅広部分から第2方向他方側x2に突出している。突起部525は、その上面が第2方向他方側x2に突出するにつれて第1方向一方側z1に位置するように傾斜している。後述するように先端押圧部521と受圧部51との間に糸Tが挟まれる際、たとえば糸Tの太さが比較的太い場合には当該糸Tが自重により垂れ下がろうとする。突起部525は、上記のように糸Tが自重により垂れ下がることを抑制する機能を有する。突起部525は、上記幅広部分がハウジング1(第1筐体11および第2筐体12)に形成された溝116,126の間に配置される。
【0041】
図9、
図10に示された先端押圧部521の第3方向yにおける長さ(第1寸法L1)は、比較的大きくされている。本実施形態では、
図10に示すように、先端押圧部521(押圧部材52の幅広部分)の第1寸法L1は、突起部525の第3方向yにおける長さ(第2寸法L2)、およびその両側の溝116,126との間の隙間G1,G2の合計よりも大きくされている。
【0042】
レバー53は、第1アーム531および第2アーム532を有し、軸74を中心として回動可能に配置されている。第2アーム532は、押圧部材52の係止孔524aに挿通している。第1アーム531は、動作体37におけるアーム371の上面に当接している。
【0043】
付勢部材54は、第1アーム531と、この第1アーム531の上方(第1方向他方側z2)のハウジング1の壁面との間に介在しており、たとえば圧縮コイルばねである。第1アーム531は、付勢部材54によって第1方向一方側z1に常時付勢されている。このため、レバー53には
図2、
図3において反時計回りの回転力が生じ、第2アーム532を介して押圧部材52が上方(第1方向他方側z2)に付勢される。このとき、
図2、
図3に示すように、操作レバー31が操作されない状態(第1状態)において、押圧部材52は、上動位置(第1位置)にある。
【0044】
動作機構3の操作レバー31が押し下げ操作されると、
図11、
図12に示したように、アーム371が第1方向一方側z1に上昇する。そうすると、第1アーム531が上昇し、付勢部材54が付勢力に抗して圧縮され、レバー53は時計回りに回動する。その結果、押圧部材52は、下動位置(第2位置)に移動する。押圧部材52が下動位置(第2位置)にあるとき、このとき、付勢部材54は、付勢力に抗して圧縮されている。
【0045】
図5、
図8、
図9を参照し、受圧部51の詳細および受圧部51と押圧部材52(先端押圧部521)との関係について説明する。
【0046】
本実施形態において、受圧部51は、第2方向xに見て押圧部材52の先端押圧部521と対向している。受圧部51は、第1部511および第2部512を含む。第1部511は、第1筐体11に設けられている。第1筐体11は、第3方向他方側y2を向く第1当接面111と、この第1当接面111から第3方向他方側y2に突出する第1突出壁112とを有する。第2筐体12は、第2突出壁122を有する。第2突出壁122は、第1突出壁112に対して第2方向他方側x2に隣接して配置され、第3方向一方側y1に突出する部分である。第2突出壁122の第3方向一方側y1を向く端面は、第2当接面121とされており、第1筐体11の第1当接面111に向き合って当接する。
【0047】
図9は、第1突出壁112および押圧部材52の周辺の位置関係を示しており、第2方向他方側x2から第2方向一方側x1を見た概略図である。
図9において、第2筐体12の第2突出壁122は紙面手前に位置し、第1筐体11の第1突出壁112は紙面奥方に位置する。第1突出壁112は、先端押圧部521に近接しており、この第1突出壁112の下端と先端押圧部521との間に糸Tを挟むことが可能である。本実施形態では、第1突出壁112の下端(第1方向一方側z1端)付近が第1部511であり、当該第1部511は、受圧部51の一部を構成し、且つ第1突出壁112に含まれる。
【0048】
なお、第2突出壁122の下端(第1方向一方側z1端)は、第1突出壁112の下端(第1部511)よりも上方(第1方向他方側z2)に位置する。また、
図8に示すように、第2突出壁122は、第1突出壁112に対して第2方向他方側x2に位置し、第1突出壁112よりも押圧部材52の先端押圧部521から離れた位置にある。このため、第2突出壁122と先端押圧部521との間に糸Tが挟まれることは無く、第2突出壁122は、受圧部51に含まれない。
【0049】
本実施形態において、
図8に示すように、第2部512は、第1突出壁112に対して第2方向一方側x1に隣接し、第1方向一方側z1を向く面である。第2部512は、第1突出壁112の近傍に位置し、先端押圧部521に対向する部位である。この第2部512と先端押圧部521との間に糸Tを挟むことが可能である。第2部512は、たとえば第1筐体11および第2筐体12の双方に一部ずつ含まれる。
【0050】
次に、糸通し器A1の使用方法および作用効果について説明する。
【0051】
まず、
図2に示したように、針用支持部4に針9を支持させるとともに、凹部14の底部に糸Tを配置させた状態において、操作レバー31を弾性部材36の弾性復元力に抗して押し下げる。ここで、上述のように動作体37が回動し、当該動作体37の回動に伴って可動部材43が第2方向一方側x1に移動する。その結果、針9が針挿入穴41(第1区間411および第2区間412)の内壁面に押しつけられ、針9の中心線が糸通し部材2の正面に位置するようにしてその位置決めが図られる。
【0052】
操作レバー31をさらに押し下げると、動作機構3の各部の動作により糸通し部材2が第2方向一方側x1に前進し、
図11、
図12に示した状態となる。このとき、操作レバー31が操作された状態(第2状態)であり、糸通し部材2(糸係止部21)は、針穴91に対して第2方向一方側x1に進入した前進位置をとる。糸通し部材2(糸係止部21)が針穴91に進入することで、糸Tは、針穴91にループ状に二重に通った状態となる。このとき、受圧部51は、第1方向zに見てループ状の糸Tと重なっている。
【0053】
また、糸押え機構5については、上述のように操作レバー31の操作に連動し、
図11、
図12に示すように、操作レバー31が操作された状態(第2状態)にあるとき、糸押え機構5の各部の動作により押圧部材52が下動位置(第2位置)に移動する。糸押え機構5が操作レバー31(動作機構3)と連動することにより、糸通し部材2が糸Tを押し込んだ前進位置にあるとき、押圧部材52は、糸通し部材2の移動経路から退避した下動位置(第2位置)にある。したがって、押圧部材52が糸通し部材2の移動の妨げになることは防止される。
【0054】
次に、使用者が操作レバー31から手を離すと、操作レバー31は、弾性部材36の弾性復元力によって上方へ復帰して操作されない状態(第1状態)に移行する。糸通し部材2は、第2方向他方側x2へ移動し、針用支持部4から第2方向他方側x2に離間した元の位置(後退位置)に戻る。
【0055】
糸押え機構5については、操作レバー31が操作されない状態(第1状態)に移行すると、
図13に示すように、動作体37の回動に連動して押圧部材52を上方(第1方向他方側z2)へ押し上げる。そして、押圧部材52(先端押圧部521)は、上昇移動させられ、受圧部51の直下にあるループ状の糸Tを受圧部51に向けて押圧する。このとき、上述のように糸押え機構5の各部の協働によって、押圧部材52は付勢部材54の付勢力により上動位置(第1位置)に復帰するように付勢され、受圧部51と押圧部材52(先端押圧部521)との間に糸Tのループ部TLが挟まれた状態となる。
図14は、受圧部51と押圧部材52(先端押圧部521)との間にループ部TLが挟まれた状態を示しており、
図9と同様の概略図である。
【0056】
次いで、針用支持部4に支持された針9を上方(第1方向他方側z2)に引き上げる。このとき、針穴91に通されたループ部TLは、糸押え機構5によって受圧部51と押圧部材52との間に挟まれたままである。このため、
図15に示すように、ループ部TLにつながる片方の糸端TEは、針9を引き上げることに伴って針穴91に近づいていく。さらに針9を引き上げると、
図16に示すように、糸端TEが針穴91から抜け、針穴91には1本の糸Tが通った状態となる。その後、針9の頭部(針穴91付近)を指で摘み、針穴91に通った糸Tおよび針9の頭部を摘んだまま糸Tを軽く引き上げる。これにより、糸押え機構5(受圧部51および押圧部材52の間)に挟まれた糸Tを抜き取ることができる。
【0057】
糸通し器A1は、糸押え機構5を備えている。糸押え機構5は、受圧部51、押圧部材52および付勢部材54を有し、操作レバー31の操作に連動して、押圧部材52が、針穴91に通されたループ部TL(糸T)を受圧部51に押圧することが可能である。このような構成によれば、操作レバー31の操作を終えた後に針9を針用支持部4から引き上げることで、ループ部TLにつながる糸端TEを針穴91から抜くことができ、針穴91には1本の糸Tが通った状態とすることができる。したがって、従来のような針9を引き上げた後にループ状の糸Tの糸端TEを針穴91から引き出すといった作業は不要となるので、使い勝手が良好である。また、糸通し器A1によれば、針穴91に通されたループ部TLが糸押え機構5によって挟まれているので、当該ループ部TLが針穴91から抜けてしまうという不都合も回避することができる。
【0058】
押圧部材52は、ループ部TLに当接し得る先端押圧部521を有する。先端押圧部521は、挿入された針9の長手方向に沿う第1方向zと、糸通し部材2が前進ないし後退移動する第2方向xとの双方に直交する第3方向yに延びている。このような構成によれば、
図13、
図14を参照すると理解されるように、ループ部TLを構成する糸の二重部分を適切に挟むことができる。
【0059】
受圧部51は、糸通し部材2が前進後退移動する第2方向xに見て、先端押圧部521と対向する(
図14参照)。このことは、第3方向yに延びる先端押圧部521によって、糸Tのループ部TLをより適確に挟むことができる。
【0060】
押圧部材52は、第1傾斜部522を有する(
図7、
図8参照)。第1傾斜部522は、先端押圧部521の第3方向yにおける中央につながり、第2方向一方側x1に向かうにつれて第1方向一方側z1に傾斜している。このような構成によれば、ループ部TLのうち押圧部材52により受圧部51に押圧される部位について、第2方向xの長さを比較的短くすることができる。これにより、ループ部TLが糸押え機構5(受圧部51および押圧部材52)によって、糸Tの太さにかかわらず適度な押圧力で押圧することができ、糸通し器A1の使い勝手がより良好となる。
【0061】
第1筐体11は、第2筐体12の第2当接面121と向き合った第1当接面111から第3方向他方側y2に突出する第1突出壁112を有する。第1突出壁112は、受圧部51(第1部511)を含む。このような構成によれば、
図14を参照すると理解されるように、ループ部TLを第1筐体11および第2筐体12の合わせ面である第1当接面111および第2当接面121から離れた位置で挟むことができる。これにより、糸Tを抜き取る際に当該糸Tが第1筐体11および第2筐体12の合わせ面の隙間に挟まるといった不都合は回避される。
【0062】
本開示の糸通し器は、上記した実施形態に限定されるものではない。糸通し器の各部の具体的な構成は、特許請求の範囲に記載の内容から逸脱しない範囲内で種々、変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
A1:糸通し器、1:ハウジング、11:第1筐体、111:第1当接面、112:第1突出壁、115,116,125,126:溝、12:第2筐体、121:第2当接面、122:第2突出壁、14:凹部、15:切断刃、2:糸通し部材、21:糸係止部、3:動作機構、31:操作レバー、32:動作板、321:弾性部材、322:軸体、33:揺動アーム、34:カム板、35:ガイド体、351:長孔、352:スライド部、36:弾性部材、37:動作体、371,372:アーム、38:弾性部材、4:針用支持部、41:針挿入穴、411:第1区間、411a:針支持底面、412:第2区間、413:第3区間、421:第1開口溝、421a:湾曲部、422:第2開口溝、423:第3開口溝、43:可動部材、431:凸状部、5:糸押え機構、51:受圧部、511:第1部、512:第2部、52:押圧部材、521:先端押圧部、522:第1傾斜部、523:スライド軸部、524:係止部、524a:係止孔、525:突起部、53:レバー、531:第1アーム、532:第2アーム、54:付勢部材、71,72,73,74:軸、9:針、91:針穴、x:第2方向、x1:第2方向一方側、x2:第2方向他方側、y:第3方向、y1:第3方向一方側、y2:第3方向他方側、z:第1方向、z1:第1方向一方側、z2:第1方向他方側、L1:第1寸法、L2:第2寸法、G1,G2:隙間、T:糸、TE:糸端、TL:ループ部