(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072434
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】水中ポンプ及び水中ポンプを使用した送水工法
(51)【国際特許分類】
F16L 23/12 20060101AFI20230517BHJP
F04D 13/08 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
F16L23/12
F04D13/08 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021184991
(22)【出願日】2021-11-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 試験場所: 富山県富山市山田若土字稲山 若土ダム 開催日: 令和3年10月17日~18日
(71)【出願人】
【識別番号】391028155
【氏名又は名称】株式会社山辰組
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 和三
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 健
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 剛
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA03
3H130AB23
3H130AB60
3H130AC30
3H130BA96A
3H130BA96J
3H130CA06
3H130DG03X
3H130EA04A
3H130EA04J
3H130EB01A
3H130ED05A
3H130ED05J
(57)【要約】
【課題】
様々なメーカーの異なる吐出口筒状部に取り付けて使用することができ、汎用品のホース用フランジを取り付けることが可能な水中ポンプ及びその送水工法を提供する。
【解決手段】
本発明にかかる水中ポンプ100は、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10と、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の根元側端部に一体化して設けられ水中ポンプ本体60との取付孔を有する水中ポンプ側連結板13と、吐出口筒状部10の根元側の端部に向かって送水ホースへ挿入し締付バンドで固定して連結できる長さを確保して設けられたフランジとを有するホース連結部50を備え、ホース連結部50が吐出口61に取り付けられていることを特徴とする水中ポンプ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中ポンプ本体の吐出口筒状部と、前記水中ポンプ本体の前記吐出口筒状部の根元側端部付近に一体化して設けられ、前記水中ポンプ本体との取付孔を有する水中ポンプ側連結板と、前記吐出口筒状部の根元側の端部に向かってホース内へ挿入し締付バンドで固定して連結できる長さを確保した位置に設けられたフランジとを有するホース連結部を備え、
前記ホース連結部が前記水中ポンプ本体の吐出口に取り付けられていることを特徴とする水中ポンプ。
【請求項2】
前記吐出口筒状部が挿入される第1挿入部と、前記第1挿入部の一方に連通して設けられる第2挿入部と、前記第1挿入部の他方の端部に設けられるフランジと、を備え、
前記第1挿入部は、内径が前記吐出口筒状部の外径よりも大きい内径を有しており、前記第2挿入部は、サクションホースやサニーホースの内径に挿入可能な外径を有してかつサクションホースやサニーホースと連結する連結孔を有しており、かつ前記フランジは、内径が前記吐出口筒状部の外径より大きく形成されているフランジ部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の水中ポンプ。
【請求項3】
側面に接続孔を有する円筒形外周部材と、前記円筒形外周部材の一方の端部に締結部材を使用して緊結可能な連結孔を有するフランジと、を備えたホース連結部と、
吐出口筒状部と、前記吐出口筒状部の側面にネジ又はボルトを使用して緊結可能な接続孔を有する水中ポンプ本体と、を有し、
前記ホース連結部の前記円筒形外周部材と前記吐出口筒状部との隙間に弾性封止部材を配置した状態で、前記吐出口筒状部に前記円筒形外周部材の一部または全体を挿入し、前記円筒形外周部材と前記吐出口筒状部を固定するために連結孔同士を合わせた状態でネジ又はボルト等の固定部材で緊結固定することを特徴とする水中ポンプ。
【請求項4】
側面に接続孔を有する円筒形内周部材と、前記円筒形内周部材の一方の端部に締結部材を使用して緊結可能な連結孔を有するフランジと、前記フランジ側から前記円筒形内周部材の外周を覆う円筒形外周部材が、前記円筒形内周部材の他方の先端を超えた長さで設けられ、前記円筒形外周部材のうち前記円筒形内周部材の他方の先端を超えた部分は、前記円筒形外周部材の外側から締付けバンドを使用して締め付けることができる長さを備えたホース連結部と、
吐出口筒状部を有する水中ポンプ本体と、を有し、
前記ホース連結部の前記円筒形外周部材に前記吐出口筒状部の一部または全体を挿入し、前記吐出口筒状部の先端部と前記円筒形内周部材の先端部とを突き合せた状態で密着して覆った状態で、前記円筒形外周部材の外側から締付けバンドで前記吐出口筒状部と共に締め付けて、前記吐出口筒状部にフランジを備えたホース連結部を固定することを特徴とする水中ポンプ。
【請求項5】
円筒形内周部材と、前記円筒形内周部材の一方の先端部に設けられた締結部材で緊結可能な連結孔を有するフランジと、を有するフランジ部材と、
前記円筒形内周部材の他方の先端部を含んで挿入した状態で前記円筒形内周部材の一部または全体の外周を密着して覆い、側面に連結孔を有する円筒形外周部材と、
前記円筒形内周部材と前記円筒形外周部材のそれぞれに設けた連結孔を合わせた状態で、固定する締結部材状の固定部材と、
を備えたホース連結部と、
吐出口筒状部と、水中ポンプ本体と、
前記ホース連結部と、前記水中ポンプ本体の一部を緊結用アンカー部として緊結するための緊結部材と、
を備え、
前記ホース連結部の前記円筒形内周部材の先端と、前記吐出口筒状部の先端とを突き合わせた状態の双方の突き合わせ部を前記円筒形外周部材で密着にして覆う状態にして、前記吐出口筒状部を密着して覆う前記円筒形外周部材の外周を締付けバンドを用いて、前記吐出口筒状部と共に締め付けて固定するとともに、前記ホース連結部を前記緊結部材で前記水中ポンプ本体に固定することによって、前記吐出口筒状部にフランジを有するホース連結部を設けたことを特徴とする水中ポンプ。
【請求項6】
前記緊結部材のホース連結部側は、前記フランジに形成された連結孔に引っ掛けてあることを特徴とする請求項5に記載の水中ポンプ。
【請求項7】
前記固定部材には、引掛孔が設けてある緊結用板部材が取り付けられてなり、
前記緊結部材のホース連結部側は、前記引掛孔に引っ掛けてあることを特徴とする請求項5に記載の水中ポンプ。
【請求項8】
前記固定部材には、頭部にリング又はフックを有するものが使用され、
前記緊結部材のホース連結部側は、前記リング又はフックに引っ掛けてあることを特徴とする請求項5に記載の水中ポンプ。
【請求項9】
前記水中ポンプ本体の前記吐出口筒状部に取り付けられる水中ポンプ側連結板を取り付けるボルト又はネジに、引掛孔が設けてある緊結用板部材が取り付けられており、
前記緊結部材の水中ポンプ本体側は、前記引掛孔に引っ掛けてあることを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の水中ポンプ。
【請求項10】
前記緊結部材の水中ポンプ本体側は、ストレーナーの孔に引っ掛けてあることを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の水中ポンプ。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の水中ポンプを使用した送水工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中ポンプの吐出口筒状部にフランジが取り付けられた水中ポンプ及びこの水中ポンプを使用した送水工法に関する。
【背景技術】
【0002】
図13Aに示すように、従来の水中ポンプ160の吐出口筒状部161は、出口に向かって円錐状に細くなっているため、ホース110に挿入する取り付け作業は容易である反面、ホース110が抜けやすいという課題があった。
【0003】
また、水中ポンプの既存の吐出口筒状部161と一体化している水中ポンプ備え付けの既存の取付板162の平面形状はメーカーによって楕円形や多角形など様々であり、それぞれ固定するボルトの本数や配置も異なるため、
図13Bに示すように平面形状が円形で8個のボルト孔を均等な間隔で備えた汎用のフランジ111を備えたホース110と連結させるためには、既存の吐出口筒状部161と一体化した備え付けの既存の取付板162を含めた既存の吐出部材164を取り外して、各メーカーの製品毎の取付構造に合致した新たな取付板163と、汎用品のフランジ111の両方を両端部の片方ずつに備えた新たな吐出口168を作製して付け替えなければならなかった。しかし、各メーカーの製品毎の備え付けの既存の取付板162の構造は多様で、新たな取付板163もその多様さに合わせる煩わしさがあった。また、既存の吐出部材164の吐出口筒状部161の端部に
図13Aに示すように先端にフランジを備えないホース110を使用する場合もあるため、取り換えを頻繁に行う必要があり煩わしかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、各メーカーの製品毎に異なる多様な備え付けのフランジ構造に合わせた新たな吐出口を製作することなく、水中ポンプの備え付けの既存のフランジを取り外すこともなく吐出口筒状部根元側端部付近に予めフランジ備えることで、又は吐出口筒状部の吐出側の先端部に新たにフランジを設ける構造にすることで、ホース先端に汎用品のフランジを備えたホースと堅固に取り付けることが可能となった水中ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明にかかる水中ポンプは、
水中ポンプ本体の吐出口筒状部と、前記水中ポンプ本体の吐出口筒状部の根元側端部付近に一体化して設けられ、前記水中ポンプ本体との取付孔を有する水中ポンプ側連結板と、前記吐出口筒状部の根元側の端部に向かってホース内へ挿入し締付バンドで固定して連結できる長さを確保した位置に設けられたフランジとを有するホース連結部を備え、
前記ホース連結部が水中ポンプ本体の吐出口に取り付けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明による水中ポンプによれば、水中ポンプの吐出口筒状部に、別途ホース連結部として送水ホースに設けられた汎用の連結具のフランジと固定可能なフランジが形成されるので、送水ホースを強固に水中ポンプに固定することができる。また、ホース連結部だけを取り外すことで、サクションホースやサニーホースを直接取り付けることもできる。
【0008】
また、本発明にかかる水中ポンプにおいて、吐出口筒状部が挿入される第1挿入部と、前記第1挿入部の一方に連通して設けられる第2挿入部と、前記第1挿入部の他方の端部に設けられるフランジと、を備え、
前記第1挿入部は、内径が吐出口筒状部の外径よりも大きい内径を有しており、前記第2挿入部は、サクションホースやサニーホースの内径に挿入可能な外径を有してかつサクションホースやサニーホースと連結する連結孔を有しており、かつ前記フランジは、内径が吐出口筒状部の外径より大きく形成されているフランジ部材を備えていることを特徴とするもlのであってもよい。
【0009】
以上の構成からなるフランジ部材を使用することによって、吐出口筒状部に直接サクションホースやサニーホースを接続可能であるとともに、フランジ部材を吐出口筒状部に設けることにより、ホース連結部として送水ホースに設けられた汎用の連結具のフランジと固定可能な水中ポンプを提供することができる。
【0010】
さらに、本発明にかかる水中ポンプは、
側面に接続孔を有する円筒形外周部材と、前記円筒形外周部材の一方の端部に締結部材を使用して緊結可能な連結孔を有するフランジと、を備えたホース連結部と、
吐出口筒状部と、前記吐出口筒状部の側面にネジ又はボルトを使用して緊結可能な接続孔を有する水中ポンプ本体と、を有し、
前記ホース連結部の前記円筒形外周部材と前記吐出口筒状部との隙間に弾性封止部材を配置した状態で、前記吐出口筒状部に前記円筒形外周部材の一部または全体を挿入し、前記円筒形外周部材と前記吐出口筒状部を固定するために連結孔同士を合わせた状態でネジ又はボルト等の固定部材で緊結固定することを特徴とする。
【0011】
かかる水中ポンプによれば、汎用の連結具のフランジと固定可能なフランジが形成されたフランジ部材を取り付けることで、水中ポンプの吐出口に送水ホースに設けられる汎用の連結具のフランジと固定可能なフランジを形成することができる。
【0012】
さらに、本発明にかかる水中ポンプは、
側面に接続孔を有する円筒形内周部材と、前記円筒形内周部材の一方の端部に締結部材を使用して緊結可能な連結孔を有するフランジと、前記フランジ側から円筒形内周部材の外周を覆う円筒形外周部材が、前記円筒形内周部材の他方の先端を超えた長さで設けられ、前記円筒形外周部材のうち前記円筒形内周部材の他方の先端を超えた部分は、前記円筒形外周部材の外側から締付けバンドを使用して締め付けることができる長さを備えたホース連結部と、
吐出口筒状部を有する水中ポンプ本体と、を有し、
前記ホース連結部の前記円筒形外周部材に前記吐出口筒状部の一部または全体を挿入し、前記吐出口筒状部の先端部と前記円筒形内周部材の先端部とを突き合せた状態で密着して覆った状態で、前記円筒形外周部材の外側から締付けバンドで前記吐出口筒状部と共に締め付けて、前記吐出口筒状部にフランジを備えたホース連結部を固定することを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明にかかる水中ポンプは、円筒形内周部材と、前記円筒形内周部材の一方の先端部に設けられた締結部材で緊結可能な連結孔を有するフランジと、を有するフランジ部材と、
前記円筒形内周部材の他方の先端部を含んで挿入した状態で前記円筒形内周部材の一部または全体の外周を密着して覆い、側面に連結孔を有する円筒形外周部材と、
前記円筒形内周部材と前記円筒形外周部材のそれぞれに設けた連結孔を合わせた状態で、固定する締結部材状の固定部材と、
を備えたホース連結部と、
吐出口筒状部と、水中ポンプ本体と、
前記ホース連結部と、前記水中ポンプ本体の一部を緊結用アンカー部として緊結するための緊結部材と、
を備え、
前記ホース連結部の前記
円筒形内周部材の先端と、前記吐出口筒状部の先端とを突き合わせた状態の双方の突き合わせ部を円筒形外周部材で密着にして覆う状態にして、前記吐出口筒状部を密着して覆う前記円筒形外周部材の外周を締付けバンドを用いて、前記吐出口筒状部と共に締め付けて固定するとともに、前記ホース連結部を前記緊結部材で前記水中ポンプ本体に固定することによって、吐出口筒状部にフランジを有するホース連結部を設けたことを特徴とする。
【0014】
かかる水中ポンプによれば、既存の水中ポンプの吐出口の先端に筒状部先端を突き合わせた状態で、例えば、水中ポンプ用フランジ装着部材のホース固定用部材の頭部に形成されたリング又はフックと水中ポンプとを緊結部材で緊結することによって、水中ポンプ用フランジ装着部材を水中ポンプのホース取付部に固定することができる。これにより、水中ポンプに汎用性を有するフランジ部を設けることができるので、汎用品のフランジを備えたホースを水中ポンプに堅固に連結させて使用することができる。また、フランジを備えないホースを水中ポンプに連結する場合は、この水中ポンプ用フランジ装着部材を外すことで簡単な作業でフランジを備えないホースを水中ポンプに連結することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる水中ポンプにおいて、前記緊結部材のホース連結部側は、フランジに形成された連結孔に引っ掛けることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
かかる構成を採用することによって、フランジを利用して容易に緊結部材を引っ掛けることができる。
【0017】
さらに、本発明にかかる水中ポンプにおいて、
前記固定部材には、引掛孔が設けてある緊結用板部材が取り付けられてなり、
前記緊結部材のホース連結部側は、前記引掛孔に引っ掛けてあることを特徴とするものであってもよい。
【0018】
固定部材に緊結用板部材を設けることによって、緊結部材を容易に引っ掛けることができる。
【0019】
本発明にかかる水中ポンプにおいて、
前記固定部材には、頭部にリング又はフックを有するものが使用され、、
前記緊結部材のホース連結部側は、前記リング又はフックに引っ掛けてあることを特徴とするものであってもよい。
【0020】
頭部にリング又はフックを有するものを使用することによって、このリング又はフックを利用して容易に緊結部材を引っ掛けることができる。
【0021】
本発明にかかる水中ポンプにおいて、
前記水中ポンプ本体の前記吐出口筒状部に取り付けられる水中ポンプ側連結板を取り付けるボルト又はネジに引掛孔が設けてある緊結用板部材を取り付けられており、
前記緊結部材の水中ポンプ本体側は、前記引掛孔に引っ掛けてあることを特徴とするものであってもよい。
【0022】
水中ポンプ本体側にも緊結用板部材を設けることによって、緊結部材を容易に引っ掛けることができる。
【0023】
本発明にかかる水中ポンプにおいて、
前記緊結部材の水中ポンプ本体側は、ストレーナーの孔に引っ掛けてあることを特徴とするものであってもよい。
【0024】
ストレーナーの孔を利用することによって、別途緊結用板部材を用意することなく、緊結部材を取り付けることができる。
【0025】
さらに、本発明は、前述した水中ポンプを使用して送水する送水工法をも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかる水中ポンプ100を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかる水中ポンプ100の別実施形態を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかる水中ポンプ100と組み合わせて使用されるフランジ部材90を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態にかかる水中ポンプ100を示す斜視図である。
【
図5】
図5Aは、第2実施形態にかかる水中ポンプ100の吐出口筒状部10近傍を示す拡大斜視図であり、
図5Bは、断面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態にかかる水中ポンプ100を示す斜視図である。
【
図7】
図7Aは、第3実施形態にかかるフランジ部材20と円筒形外周部材30との関係を示す斜視図であり、
図7B及び
図7Cは、第4実施形態にかかるホース連結部50を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態にかかるホース連結部50を水中ポンプ本体60に取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、第4実施形態にかかるホース連結部50を水中ポンプ本体60に取り付ける取付構造を説明するための説明図である。
【
図11】
図11は、第4実施形態にかかるホース連結部50を水中ポンプ本体60に取り付ける取付構造の別実施形態を説明するための説明図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態にかかるホース連結部50を水中ポンプ本体60に取り付ける取付構造を説明するための説明図である。
【
図13】
図13は、従来の水中ポンプ160を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明にかかる水中ポンプ100の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる水中ポンプ100の斜視図である。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。また、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
【0028】
(第1実施形態)
第1実施形態にかかる水中ポンプ100の斜視図が
図1に示されている。第1実施形態にかかる水中ポンプ100は主として、吐出口筒状部10と、この吐出口筒状部10の根元側の端部に一体化して設けられている水中ポンプ側連結板13と、吐出口筒状部10の先端から吐出口筒状部10の根元側の端部に向かってサニーホースやサクションホース等へ挿入し外部から締付バンド41で固定して連結できる長さ16を確保して設けられるフランジ21とからなるホース連結部50と、水中ポンプ本体60と、を備えている。
【0029】
吐出口筒状部10は、サニーホースやサクションホース等の送水ホース110の内径に挿入可能な外径に作製されており、吐出口筒状部10の端部には水中ポンプ側連結板13が設けられている。また、吐出口筒状部10には、送水ホース110に取り付けられたフランジ111と重ね合わせて連結孔22、111aをボルトで締結することで互いを確実に連結し固定することができるフランジ21が設けられている。
【0030】
図1で示すように水中ポンプ側連結板13は、既存の水中ポンプ本体60の吐出口61に取り付けるための部材であり、水中ポンプ本体60に設けられている螺合孔63(
図13B参照)に適合するように取付孔13aが設けられている。よって、この取付孔13aを利用してボルトやネジで螺合孔63に取り付けることで、ホース連結部50を水中ポンプ本体60に取り付けることができる。
【0031】
フランジ21は、連結孔22が外周に沿って複数設けられており、汎用の連結具115のフランジ111と一体化したホース連結筒状部112に連結された下流部に水を送水するために送水ホース110をこの汎用の連結具115のフランジ111と重ね合わせて連結孔111a、22同士をボルトで締結することで互いを確実に連結し固定することができる。
【0032】
こうして作製された水中ポンプ100は、前述したように、ホース連結部50に設けたフランジ21と送水ホース110に設けられた汎用の連結具115のフランジ111とを固定することで、送水ホース110を強固に水中ポンプ100に固定することができる。この場合の送水ホース110はサクションホースであっても良いし、サニーホースであっても良い。また、吐出口筒状部10は、サニーホースやサクションホース等へ挿入し外部から締付バンド41で固定して連結できる長さ16を確保してフランジ21が設けられているので、サクションホースやサニーホースを直接取り付けることもできる。
【0033】
また、
図2に示すように、ホース連結部50の吐出口筒状部10に挿入可能なように、吐出口筒状部10の外径よりも大きい内径を有する円筒形外周部材121を有し、一方側端部にフランジの連結孔22とボルトで固定可能な連結孔122を有するフランジ123と、他方端部に汎用品のフランジと連結可能な連結孔122を有するフランジ124を有している中間フランジ部材120と、この中間フランジ部材120のフランジ124の連結孔122とボルト及びネジで固定可能な連結孔134を有するフランジ131と、サニーホースやサクションホース等の送水ホース110の内径に挿入可能な外径に作製されており、フランジ131に取り付けられている挿入部132を有し、この挿入部132にサニーホースやサクションホース等の送水ホース110と接続可能な接続孔133が設けられている送水ホース側フランジ部材130と、を備えた水中ポンプ100としてもよい。
【0034】
かかる構成の場合は、送水ホース側フランジ部材130に送水ホース110に形成された接続孔114sとボルト及びネジ等の締結部材等の固定部材40で固定し、中間フランジ部材120のフランジ123の連結孔122と、ホース連結具50の連結孔22とを弾性封止部材を介してボルト及びネジで固定し、中間フランジ部材120のフランジ124の連結孔122と送水ホース側フランジ部材130のフランジ134の連結孔134とをボルト及びネジで弾性封止部材を介して固定することで、水中ポンプ本体60に固定することができる。
【0035】
また、
図3に示すように、この第1実施形態にかかる水中ポンプ100に使用される送水ホース110に取り付けられるフランジ部材90としては、以下のようなものを使用するとよい。好適なフランジ部材90は、吐出口筒状部10が挿入される第1挿入部91と、その一方側端部である下流側に設けられる第2挿入部92と、第1挿入部91の他方側端部である上流側端部に設けられるフランジ93と、を備えている。
【0036】
第1挿入部91は、内径が吐出口筒状部10よりも大きい内径を有しており、吐出口筒状部10が挿入可能に形成されている。第2挿入部92の外径は、サクションホースやサニーホース等の送水ホース110の内径に挿入可能な外径で形成されている。この第2挿入部92の側面には、サクションホースやサニーホース等の送水ホース110に形成された接続孔114sと締結部材等の固定部材40で固定することができるように接続孔94が形成されている。フランジ93は、内径が吐出口筒状部10の外径より大きく形成されている。連結孔95は、前述した連結孔22と同様の位置に設けられており、フランジ21と連結することができる。
【0037】
以上の構成からなるホース連結部50とフランジ部材90を使用することによって、水中ポンプ本体60は、フランジ部材90が備えられていないサクションホースやサニーホースを吐出口筒状部10に直接に接続可能であるとともに、送水ホース110にフランジ部材90が備えられている場合であれば、フランジ部材90を吐出口筒状ホース連結部50に設けたフランジ21に堅固に取り付けることができる。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態にかかる水中ポンプ100の斜視図が
図4に示されている。第2実施形態にかかる水中ポンプ100は、主として、水中ポンプ本体60を構成する吐出口筒状部10の一部または全体を挿入して固定する円筒形外周部材30と、この円筒形外周部材30の端部に設けられたフランジ21とで構成されてなるホース連結部50と、ゴムパッキン等の弾性封止部材55a、55b(
図5Bに示す)と、ボルト・ナット等の固定部材40と、吐出口筒状部10を有する水中ポンプ本体60と、を有する。
【0039】
図4に示すように、ホース連結部50を構成する円筒形外周部材30の内径は、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の外径よりも大きく作製されており、その側面には、ボルト及びネジ等の固定部材40で緊結可能な接続孔14が設けられている。円筒形外周部材30の端部にはフランジ21が設けられており、このフランジ21には、連結孔22が外周に沿って複数設けられており、外部に水を送水するために送水ホース110に設けられた汎用の連結具115のフランジ111の連結孔111aと重ね合わせて連結孔111a、22同士をボルト・ナットで締結することで互いを確実に固定することができる。
【0040】
弾性封止部材55a、55bは、いわゆるガスケット又はパッキンのことであり、
図5Bに示すように、ホース連結部50を水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10に取り付けた際に、円筒形外周部材30と吐出口筒状部10との間、及び吐出口筒状部10の内面で固定部材40との間に挟んで配置され、水が隙間から漏れないように密閉する機能を有する。ゴムやエラストマーで作製されているものを使用するとよい。
【0041】
水中ポンプ本体60には、吐出口筒状部10の側面に締結部材で緊結可能な接続孔64を有している。
【0042】
固定部材40は、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10に設けられた接続孔64と、ホース連結部50の接続孔14とを接続するためのボルトやネジである。
【0043】
以上のように作製された水中ポンプ100は、
図5に示すように、ホース連結部50の円筒形外周部材30と水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10との隙間に弾性封止部材55aを配置した状態で、吐出口筒状部10の一部または全体を挿入し、吐出口筒状部10と円筒形外周部材30を固定するために
図4で示す接続孔14、64同士を合わせた状態で
図5のように吐出口筒状部10の内面でボルト及びねじ等の固定部材40との間に挟んで緊結固定される。これにより、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10にフランジ21を有するホース連結部50を設けることができる。
【0044】
こうして作製された水中ポンプ100は、送水ホース110に設けられた汎用の連結具115のフランジ111と固定することが可能となり、送水ホース110を強固に水中ポンプ100に固定することができる。この場合の送水ホース110は半硬質なサクションホースであっても良いし、柔軟なサニーホースであっても良い。また、ホース連結部50を取り外すことで、汎用のフランジ111を備えていないサクションホースやサニーホース等の送水ホース110を直接取り付けることもできる。
【0045】
(第3実施形態)
図6に示すように、第3実施形態にかかる水中ポンプ100は、主として、吐出口筒状部10と、円筒形内周部材35と、この円筒形内周部材35の端部にボルトやネジ等の締結部材で締結可能な連結孔22を有するフランジ21とを有するフランジ部材20と、吐出口筒状部10に取り付けられる円筒形外周部材30と、この円筒形外周部材30を吐出口筒状部10に密着して覆う状態にして外周を締め付けて固定できる締付けバンド41と、を備えているホース連結部50と、を備えている。
【0046】
フランジ部材20の構成である円筒形内周部材35は、円筒形内周部材35の先端部と水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の先端部とを突き合わせて使用される部材である。円筒形内周部材35の外径は、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の外径とほぼ同様の外径となるように作製される。円筒形内周部材35の外周には、
図7Aに示すように、サクションホースや塩ビパイプ等から成る円筒形外周部材30が取り付けられている。円筒形内周部材35には、接続孔14が設けられており、円筒形外周部材30に円筒形内周部材35を挿入した状態で円筒形内周部材35の接続孔14と円筒形外周部材30の側面に設けた接続孔15を揃えて固定部材40で固定することによって円筒形外周部材30を円筒形内周部材35に固定することができる。なお、単にゴムや弾性部材で作製された締付けバンドで固定してもよい。
【0047】
フランジ部材20を構成するフランジ21は、
図7に示すように、連結孔22が外周に沿って複数設けられており、
図6に示すように下流部に水を送水するために送水ホース110に設けられた汎用の連結具115のフランジ111に設けられた連結孔23と重ね合わせて連結孔22と連結孔23同士をボルトやナット等の固定部材40を用いて締結することで確実に固定することができる。
【0048】
以上のように作製されたフランジ部材20は、以下のように水中ポンプ本体60に取り付けられる。まず、吐出口筒状部10の先端部と円筒形内周部材35の先端部とを突き合わせる。これにより、円筒形外周部材30が吐出口筒状部10の外周側にも配置されるので、この状態で円筒形外周部材30を締付バンド41で吐出口筒状部10と共に締め付けて吐出口筒状部10に固定する。
【0049】
以上のように、フランジ部材20を吐出口筒状部10に固定することによって、汎用性を有するフランジ111が水中ポンプ本体60に装着されるので、汎用品のフランジ111を備えた送水ホース110と堅固に連結することができる。
【0050】
(第4実施形態)
図8に示すように、第4実施形態にかかる水中ポンプ100は、主として、吐出口筒状部10と、円筒形内周部材35とこの円筒形内周部材35の端部に締結部材で締結可能な連結孔22を有するフランジ21とを有するフランジ部材20と、吐出口筒状部10に取り付けられる円筒形外周部材30と、この円筒形外周部材30を吐出口筒状部10に固定する固定部材40と、を備えているホース連結部50と、このホース連結部50と水中ポンプ本体60とを緊結する緊結部材70と、を備えている。
【0051】
フランジ部材20の構成である円筒形内周部材35は、円筒形内周部材35の先端部と水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の先端部とを突き合わせて使用される部材である。円筒形内周部材35の外径は、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の外径とほぼ同様の外径となるように作製される。円筒形内周部材35の外周には、
図7Aに示すように、サクションホースや塩ビパイプ等から成る円筒形外周部材30が取り付けられている。円筒形内周部材35には、接続孔14が設けられており、円筒形外周部材30に円筒形内周部材35を挿入した状態で円筒形内周部材35の接続孔14と円筒形外周部材30の側面に設けた接続孔15を揃えて固定部材40で固定することによって円筒形外周部材30を円筒形内周部材35に固定することができる。
【0052】
フランジ部材20を構成するフランジ21は、連結孔22が外周に沿って複数設けられており、
図10に示すように、下流部に水を送水するために送水ホース110に設けられた汎用の連結具115のフランジ111に設けられた連結孔23と重ね合わせて連結孔22と連結孔23同士を固定部材40を用いて締結することで確実に固定することができる。
【0053】
固定部材40は、円筒形外周部材30を水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10に固定するためのボルトやナットである。好ましくは、緊結部材70を引っ掛けることができるように作製するとよい。例えば、
図7Bに示すように、固定部材40のボルト部に緊結部材70の引掛孔81が設けられた緊結用板部材80を設けると良い。なお、緊結用板部材80の引掛孔81は、
図9Aに示すように、リング状に作製してもよいし、
図9Bに示すようにフック状に形成してもよい。また、フック状に作製した場合には、不用意に外れることがないように、
図9Cに示すように、ハズレ防止部82を設けてもよい。また、
図7Cに示すように、固定部材40のボルトの頭の部分にリングまたはフックが形成されていて、緊結部材70を引っ掛けることができるように形成してもよい。
【0054】
図10で示すように、緊結部材70は、いわゆるターンバックルといわれる緊結具の両側にワイヤー又は鎖が設けられた部材であり、前述した固定部材40又は緊結用板部材80と水中ポンプ本体60とを緊結するためのものである。
【0055】
以上のように作製されたフランジ部材20は、以下のように水中ポンプ本体60に取り付けられる。
【0056】
まず、
図10に示すように、水中ポンプ本体60の吐出口筒状部10の取付に使用されているボルト62を利用して、緊結用板部材80を取り付ける。次に、吐出口筒状部10の先端部にゴムパッキン等の弾性封止部材55aを介して円筒形内周部材35の先端部とを突き合わせる。これにより、円筒形外周部材30が吐出口筒状部10の外周側に配置されるので、この状態で円筒形外周部材30を締付バンド41等で吐出口筒状部10に固定してもよい。
【0057】
そして、緊結部材70をフランジ部材20と水中ポンプ本体60との間に取り付ける。取り付け方法は、
図10に示す緊結用板部材80を取り付けたフランジ部材20の場合、
図10Aに示すように、フランジ部材20の緊結用板部材80の引掛孔81と、水中ポンプ備え付けの取付板162を固定するボルト62で固定された緊結用板部材80の引掛孔81とに引掛けた緊結部材70で双方を緊結する。
図7Cに示すボルトの頭の部分にリングまたはフックが形成されている固定部材40を使用している場合にも、リング又はフックと、
図6の水中ポンプ備え付けの既存の取付板162を固定するボルト62で固定された緊結用板部材80の引掛孔81とに引掛けた緊結部材70で双方を緊結する。このように、水中ポンプ本体60とフランジ部材20を緊結することで、吐出口筒状部10とフランジ部材20が強く押圧され、水が漏れる可能性を防止することができ、また、フランジ部材20が水中ポンプ本体60の使用中に外れることを防止することができる。
【0058】
以上のように、フランジ部材20を吐出口筒状部10に固定することによって、汎用性を有するフランジ111が水中ポンプ本体60に装着されるので、
図10B及び
図10Cに示すように、汎用品のフランジ111を備えた送水ホース110と堅固に連結することができる。
【0059】
なお、緊結部材70を水中ポンプ本体60に取り付けるに際し、上述した実施形態においては、緊結部材70の一方を、フランジ部材20に固定部材40で取付けられた緊結用板部材80の引掛孔81に引っ掛け、他方を水中ポンプ備え付けの既存の取付板162を固定するボルト62で固定された緊結用板部材80の引掛孔81に引掛け、緊結部材70で双方を緊結したが、
図11に示すように、他方を水中ポンプ本体60のストレーナー65の孔に引っ掛けても良い。
【0060】
また、
図12に示すように、フランジ部材20のフランジ21の連結孔22及び送水ホース110の先端に備えた汎用品のフランジの連結孔22に緊結部材70を引っ掛けても良い。
【0061】
以上のような各実施形態にかかる水中ポンプを使用して水を送水することによって、送水用ホースが外れる可能性を低減して、安定した送水を行うことができる。
【0062】
なお、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上述した実施の形態で示すように、水中ポンプと汎用フランジを有する連結具とを連結するための部材として利用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10…吐出口筒状部、13…水中ポンプ側連結板、13a…取付孔、14…接続孔、15…接続孔、16…連結できる長さ、20…フランジ部材、21…フランジ、22…連結孔、23…連結孔、30…円筒形外周部材、35…円筒形内周部材、40…固定部材、41…締付バンド、50…ホース連結部、55a、55b…弾性封止部材、60…水中ポンプ本体、61…吐出口、62…ボルト、63…螺合孔、64…接続孔、65…ストレーナー、70…緊結部材、80…緊結用板部材、81…引掛孔、82…ハズレ防止部、90…フランジ部材、91…第1挿入部、92…第2挿入部、93…フランジ、94…接続孔、95…連結孔、100…水中ポンプ、110…送水ホース、111…フランジ、111a…連結孔、112…ホース連結筒状部、114s…接続孔、115…連結具、120…中間フランジ部材、121…円筒形外周部材、122…連結孔、123…フランジ、124…フランジ、130…送水ホース側フランジ部材、131…フランジ、132…挿入部、133…接続孔、134…連結孔、161…既存の吐出口筒状部、162…取付板