(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072442
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】エアゾール型増毛着色料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/55 20060101AFI20230517BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20230517BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
A61K8/55
A61Q5/06
A61K8/02
A61K8/86
A61K8/19
A61K8/25
A61K8/73
A61K8/34
A61K8/31
A61K8/81
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185001
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】502439647
【氏名又は名称】株式会社ダリヤ
(72)【発明者】
【氏名】横山 亮太
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB131
4C083AB132
4C083AB232
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC901
4C083AC902
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD261
4C083AD262
4C083BB07
4C083CC36
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD28
4C083DD39
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE25
4C083EE26
(57)【要約】
【課題】増毛感があり、色馴染み感および再分散性が良好で、詰まりがなく、セット力および速乾性に優れたエアゾール型増毛着色料組成物を提供する。
【解決手段】次の(A)成分~(F)成分
(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム、タルクまたはセルロースから選ばれる一種以上、(B)炭、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩、(D)両性高分子樹脂化合物、(E)エタノールを含有し、前記(B)成分の含有量が0.5~5質量%であり、精製水の含有量が5質量%以下であるエアゾール原液と、(F)噴射剤として液化石油ガスを含有するエアゾール型増毛着色料組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の(A)成分~(F)成分
(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム、タルクまたはセルロースから選ばれる一種以上
(B)炭
(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩
(D)両性高分子樹脂化合物
(E)エタノール
を含有し、前記(B)成分の含有量が0.5~5質量%であり、精製水の含有量が5質量%以下
であるエアゾール原液と、(F)噴射剤として液化石油ガスを含有するエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の含有量が2~20質量%である請求項1に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項3】
前記(A)成分がオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウムである請求項1または請求項2に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項4】
前記(B)成分が、薬用炭である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項5】
前記(C)成分の含有量が0.5~10質量%である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項6】
前記(C)成分がポリオキシエチレンアルキル(12~15)エーテルリン酸である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項7】
前記(D)成分の含有量が1~6質量%である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項8】
前記(D)成分が、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【請求項9】
エアゾール原液と(F)噴射剤である液化石油ガスの質量比が、エアゾール原液/噴射剤=20/80~50/50である請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のエアゾール型増毛着色料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール型増毛着色料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、頭髪が少なくなる、または毛髪1本1本が細くなる等により頭髪が薄く見える部分に増毛効果を得るためには、天然または人造の毛髪を実際に植毛、または装着する手段などがある。しかしこのような手段を用いるには専門家による処置を必要とする上、多大の時間と費用を必要とするため、非常に簡便性に欠ける。
【0003】
近年では、加齢に伴う薄毛化および白髪化といった悩みを解消するために、頭髪の増毛感を付与し、白髪を着色することで隠蔽することを目的とした増毛着色料が広く利用されている。このような増毛着色料としては、着色した繊維を頭髪に振りかけた後にセット剤で定着させるものや、顔料を含有したエアゾールスプレーを頭髪に付着させるもの等が主に採用されている。しかしながら、これらの増毛着色料では、着色部と元の頭髪の色が馴染まずに自然な仕上がりに見えない、頭髪の色味が変化するだけであって実質的な増毛感が得られないなどの問題点があった。また、着色した繊維を頭髪に振りかけた後にセット剤で定着させるものに至っては、手間や技術を要し簡便であるとは言い難い。
【0004】
特許文献1では、より効果的に頭髪の増毛感を向上させるべく、タルク等の粉末担体と、カーボンブラック等の着色剤と、樹脂等のセット剤とを含むエアゾールタイプの増毛着色染毛料を提案している。これは、カーボンブラック等の着色剤を担持させたタルク等からなる粉末担体を、頭髪の1本単位で付着させ、樹脂等のセット剤でコーティングし、1本ずつの頭髪を太く見せることにより増毛感が得られる方式を採用したエアゾールタイプの増毛着色染毛料である。
【0005】
一方で特許文献2では、タルク等の粉末担体を使用することなく、着色剤として所定粒子径を有する竹炭粒子を用いて頭髪に増毛感を付与させる薄毛用スプレー組成物を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08-143434号公報
【特許文献2】特開2005-075745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、増毛感を効果的に付与するためにタルク等の粉末担体を多用すると、その粉末担体自体の白色または灰色の色調がカーボンブラック等の着色剤の色調を阻害し、着色部と元の頭髪の色が馴染まずに不自然な仕上がりになるという問題点があった。一方で、タルク等の粉末担体の色調による阻害を防ぐためにその含有量を減らすと、満足な増毛感は得られない。また、タルク等の粉末担体を頭髪に定着させるために樹脂等のセット剤により、頭髪にスプレーを噴射した直後は毛髪が濡れたような状態になり、完全に乾くまでに時間を要するという速乾性に欠けていた。しかし、粉末担体が頭髪に定着させるためのセット力は必要であり、セット剤の検討の余地もあった。
【0008】
一方で特許文献2の薄毛用スプレー組成物においては、竹炭粒子が沈降して塊状物となってしまう現象が発生しやすいという問題が見られた。更にこのことにより再分散性が悪くなり、竹炭粒子がスプレーノズル内に浸入した際に、目詰まりなどの噴射不良が生じやすくなるという懸念もあった。
【0009】
そこで本発明は、増毛感があり、色馴染み感および再分散性が良好で、詰まりがなく、セット力および速乾性に優れたエアゾール型増毛着色料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は鋭意検討した結果、
次の(A)成分~(F)成分
(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム、タルクまたはセルロースから選ばれる一種以上
(B)炭
(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩
(D)両性高分子樹脂化合物
(E)エタノール
を含有し、前記(B)成分の含有量が0.5~5質量%であり、精製水の含有量が5質量%以下
であるエアゾール原液と、(F)噴射剤として液化石油ガスを含有するエアゾール型増毛着色料組成物が、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成することに至った。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、増毛感があり、色馴染み感および再分散性が良好で、詰まりがなくセット力および速乾性に優れたエアゾール型増毛着色料組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明において含有量を示す単位は、特に明記しない限り全て質量%である。
【0014】
本発明において色馴染み感とは、塗布部の色が未塗布部の色と違和感なく馴染んでいることを表す。
【0015】
本発明のエアゾール型増毛着色料組成物は、(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム、タルクまたはセルロースから選ばれる一種以上、(B)炭、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩、(D)両性高分子樹脂化合物および(E)エタノールを含有し、前記(B)成分の含有量が0.5~5%であり、精製水の含有量が5%以下であるエアゾール原液と、(F)噴射剤として液化石油ガスを含有する。
【0016】
本発明は、増毛感の観点から、(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウム、タルクまたはセルロースから選ばれる一種以上を含有する。
【0017】
本発明で用いられる前記(A)成分のうち、好ましくはオクテニルコハク酸トウモロコシデンプンエステルアルミニウムがよい。
【0018】
本発明で用いられる前記(A)成分の含有量は、好ましくは2~20%、より好ましくは3~10%、さらに好ましくは5~10%がよい。前記(A)成分の含有量が2%未満の場合、増毛感を得られない恐れがある。前記(A)成分の含有量が20%を超える場合、再分散性および詰まりが悪くなる恐れがある。
【0019】
本発明は、増毛感および色馴染み感の観点から、(B)炭を含有する。
【0020】
本発明で用いられる前記(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、活性炭、薬用炭、桐炭、杉炭、竹炭、備長炭、ヒノキ木炭、カーボンブラック等が挙げられ、前記(B)成分は1種以上を含有することができる。
【0021】
本発明で用いられる前記(B)成分のうち、好ましくは日本薬局方で規定されている薬用炭がよい。
【0022】
本発明で用いられる前記(B)成分の含有量は、0.5~5%であり、好ましくは0.5~4%、より好ましくは1~3%がよい。前記(B)成分の含有量が0.5%未満の場合、増毛感を得られないかつ色馴染み感が不自然に仕上がる恐れがある。前記(B)成分の含有量が5%を超える場合、再分散性および詰まりが悪くなる恐れがある。
【0023】
本発明は、再分散性の観点から、(C)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸またはその塩を含有する。
【0024】
本発明で用いられる前記(C)成分としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム等が挙げられ、前記(C)成分は1種以上を含有することができる。
【0025】
本発明で用いられる前記(C)成分のうち、好ましくはポリオキシエチレンアルキル(12~15)エーテルリン酸またはポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウムがよく、より好ましくはポリオキシエチレンアルキル(12~15)エーテルリン酸がよい。
【0026】
本発明で用いられる前記(C)成分の含有量は、好ましくは0.5~10%、より好ましくは1~10%、さらに好ましくは1.5~6%がよい。前記(C)成分の含有量が0.5%未満の場合、再分散性および詰まりが悪くなる恐れがある。前記(C)成分の含有量が10%を超える場合、速乾性が悪くなる恐れがある。
【0027】
本発明は、セット力の観点から、(D)両性高分子樹脂化合物を含有する。
【0028】
本発明で用いられる前記(D)成分としては、特に限定されないが、例えば、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタインとアルキル鎖がC1~18から選ばれるメタクリル酸アルキルとの共重合体等が挙げられ、前記(D)成分は1種以上を含有することができる。
【0029】
本発明で用いられる前記(D)成分のうち、好ましくはN-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体がよい。
【0030】
本発明で用いられる前記(D)成分の含有量は、好ましくは1~6%、より好ましくは1.5~4%、さらに好ましくは2~4%がよい。前記(D)成分の含有量が1%未満の場合、セット力が悪くなる恐れがある。前記(D)成分の含有量が10%を超える場合、速乾性が悪くなる恐れがある。
【0031】
本発明は、速乾性の観点から、(E)エタノールを含有の含有量は、好ましくは70%以上がよい。
【0032】
本発明は、再分散性、詰まりおよび速乾性の観点から、精製水の含有量は5%以下であり、好ましくは3%以下がよく、さらに好ましくは含有しないほうがよい。精製水の含有量が5%を超える場合、速乾性が悪くなる恐れがある。
【0033】
本発明は、(F)噴射剤として液化石油ガスを含有する。
【0034】
本発明は、増毛感、色馴染み感および速乾性の観点から、前記(A)~(E)成分を含有するエアゾール原液に対する前記(F)成分の質量比は、好ましくは20/80~50/50、より好ましくは30/70~45/55、さらに好ましくは35/65~45/55がよい。前記(F)成分の質量比が20を未満の場合、増毛感を得られないかつ色馴染み感が不自然に仕上がる恐れがある。前記(F)成分の質量比が50を超える場合、再分散性、詰まりおよび速乾性が悪くなる恐れがある。
【0035】
本発明のエアゾール型増毛着色料組成物は前記(B)成分以外の顔料を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。
【0036】
前記(B)成分以外の顔料としては、例えば、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、ナイロンパウダー、酸化亜鉛、セリサイト、マイカ、等が挙げられる。
【0037】
本発明のエアゾール型増毛着色料組成物は、前記成分の他に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で通常の化粧料、医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、HC染料、前記(C)成分以外の界面活性剤、前記(D)成分以外の高分子化合物、油性成分、保湿剤、増粘剤、薬効成分、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、金属封鎖剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、防腐剤、色素、粉体、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料等から選ばれる少なくとも1種以上を含有することができる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
【実施例0038】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0039】
本明細書に示す評価試験において、エアゾール原液に含まれる成分および、その含有量、エアゾール原液と噴射剤の質量比を種々変更しながら実施した。ここで、エアゾール型増毛着色料組成物の各成分の数値は特に指定のない限り質量%であり、これを常法にて調製した。
【0040】
本明細書に示す評価試験において、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「速乾性」および「セット力」の試験においては、各実施例、各比較例から得られたエアゾール原液をアルミ缶(武内プレス工業社製、外径:45mm、肩下寸法:145mm、内面コート:TPL-419)に充填し、ガラス玉(12.5φ)を3個入れ、エアゾールバルブ、エアゾールボタンを装填し、噴射剤を充填し、係る質量比で合計100gとしたものについて、下記の方法で評価した。
【0041】
本明細書に示す評価試験において使用したエアゾールバルブ、エアゾールボタンの詳細を以下に示す。
エアゾールバルブ(株式会社三谷バルブ製):S13-N77HG7073ALL2-B”36“C10×107N(ST: φ0.4, HG: φ0.6×φ0.5)
エアゾールボタン(株式会社三谷バルブ製):D171W E05”3-E1”-A(φ0.5mm)
【0042】
「増毛感」
各実施例、各比較例に係るエアゾール型増毛着色料組成物をそれぞれ、毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製マネキン白髪10%MIX「クイーン・カットNO.775S」)に対し10cm離れた位置からそれぞれ5秒間噴射した後、十分に乾燥させ、専門のパネラー10名が目視にて毛髪の増毛感を下記の評価点基準で評価し、その平均点(小数第二位を四捨五入)を評価基準とした。
<評価点基準>
4点:増毛感が非常に満足であると評価した。
3点:増毛感がやや満足であると評価した。
2点:増毛感がやや不満であると評価した。
1点:増毛感が非常に不満であると評価した。
<評価基準>
◎:評価平均点が3.2以上。
〇:評価平均点が2.5以上3.2未満。
△:評価平均点が2以上2.5未満。
×:評価平均点が2未満。
【0043】
「色馴染み感」
各実施例、各比較例に係るエアゾール型増毛着色料組成物をそれぞれ、毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製マネキン白髪10%MIX「クイーン・カットNO.775S」)に対し10cm離れた位置からそれぞれ5秒間噴射した後、十分に乾燥させ、白髪の隠蔽具合および白髪以外の毛髪の色との馴染み具合を下記の基準で専門のパネラー10名が目視にて評価した。
<評価基準>
〇:10人中8人以上が、白髪が隠蔽され白髪以外の髪色との馴染じみも自然であると評価した。
△:10人中5~7人が、白髪が隠蔽され白髪以外の毛髪の色とも馴染んでいると評価した。
×:10人中4人以下が、白髪が隠蔽され白髪以外の毛髪の色とも馴染んでいると評価した。
【0044】
「再分散性」
各実施例、各比較例に係るエアゾール型増毛着色料組成物をそれぞれ25℃条件下で1週間静置後に振り幅30cm、2回/秒の速さで上下に振とうし、内部のガラス玉が作動するまでに要した振とう回数を専門のパネラー1名が手動にて評価した。
<評価基準>
〇:振とう回数が10回以内にガラス玉が作動した。
△:振とう回数が11回以上20回以内にガラス玉が作動した。
×:振とう回数が21回以上でガラス玉が作動した。
【0045】
「詰まりのなさ」
各実施例、各比較例に係るエアゾール型増毛着色料組成物をそれぞれ25℃に調温して噴射し、噴射の勢いと全量分(100g)が途中で詰まることなく吐出されるかを専門のパネラー1名が目視にて評価した。
<評価基準>
〇:一度も噴射の勢いが弱まことなく、詰まらずに全量吐出できた。
△:途中で噴射の勢いが弱まることがあったが、全量吐出できた。
×:途中で詰まって、全量は吐出しきれなかた。
【0046】
「セット力」
各実施例、各比較例に係るエアゾール型増毛着色料組成物をそれぞれ、毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製マネキン白髪10%MIX「クイーン・カットNO.775S」)に対し10cm離れた位置からそれぞれ5秒間噴射した後、十分に乾燥させ、毛髪のセット力を下記の基準で専門のパネラー10名が官能試験にて評価した。
<評価基準>
◎:10人中8人以上が、毛髪セット力があると評価した。
〇:10人中6~7人が、毛髪セット力があると評価した。
△:10人中4~5人が、毛髪セット力があると評価した。
×:10人中3人以下が、毛髪セット力があると評価した。
【0047】
「速乾性」
各実施例、各比較例に係るエアゾール型増毛着色料組成物をそれぞれ、毛髪試験用ドール(株式会社ビューラックス社製マネキン白髪10%MIX「クイーン・カットNO.775S」)に対し10cm離れた位置からそれぞれ5秒間噴射し、塗布部の速乾性を下記の基準で専門のパネラー10名が目視にて評価した。
<評価基準>
〇:10人中8人以上が、速乾性があると評価した。
△:10人中5~7人が、速乾性があると評価した。
×:10人中4人以下が、速乾性があると評価した。
【0048】
【0049】
表1に示す実施例1~8より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例1~8より、前記(A)成分の含有量は、好ましくは2~20%、より好ましくは3~10%、さらに好ましくは5~10%がよいことがわかる。
【0050】
【0051】
表2に示す実施例9~13より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例9~13より、前記(B)成分の含有量は0.5~5%であり、好ましくは0.5~4%、より好ましくは1~3%がよいことがわかる。
【0052】
【0053】
表3に示す実施例14~19より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例14~19より、前記(C)成分の含有量は、好ましくは0.5~10%、より好ましくは1~10%、さらに好ましくは1.5~6%がよいことがわかる。
【0054】
【0055】
表4に示す実施例20~24より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例20~24より、前記(D)成分の含有量は好ましくは1~6%、より好ましくは1.5~4%、さらに好ましくは2~4%がよいことがわかる。
【0056】
【0057】
表5に示す実施例25、26より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例26、27より、前記(E)成分を含有し、精製水の含有量は5%以下であり、精製水の含有量は、好ましくは3%以下がよいことがわかる。
【0058】
【0059】
表6に示す実施例27~31より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。また、実施例27~31より、前記(F)(F)噴射剤として液化石油ガスを含有し、前記(A)~(E)成分を含有するエアゾール原液に対する前記(F)成分の質量比は、好ましくは20/80~50/50、より好ましくは30/70~45/55、さらに好ましくは35/65~45/55がよいことがわかる。
【0060】
以下に当該組成物の処方例を挙げる。以下の実施例32および実施例33に示すエアゾール型増毛着色料組成物より、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。
【0061】
<実施例32>
(エアゾール型増毛着色料組成物)
成分 含有量(%)
<エアゾール原液>
(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプ
エステルアルミニウム 7.00
(B)薬用炭 1.75
黄酸化鉄 0.72
ベンガラ 0.90
グリセリン 5.25
(C)ポリオキシエチレンアルキル(12~15) 2.00
エーテルリン酸
(D)N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム- 2.85
α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸
アルキルエステル共重合体
(E)エタノール 79.53
合計 100.00
前記<エアゾール原液> 40.00
液化石油ガス(0.39MPa) 60.00
合計 100.00
【0062】
<実施例33>
(エアゾール型増毛着色料組成物)
成分 含有量(%)
<エアゾール原液>
(A)オクテニルコハク酸トウモロコシデンプン 7.00
エステルアルミニウム
(B)薬用炭 2.38
黄酸化鉄 0.29
ベンガラ 0.36
グリセリン 7.12
(C)ポリオキシエチレンアルキル(12~15) 2.00
エーテルリン酸
(D)N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム- 2.85
α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸
アルキルエステル共重合体
(E)エタノール 78.00
合計 100.00
前記<エアゾール原液> 40.00
液化石油ガス(0.39MPa) 60.00
合計 100.00
【0063】
実施例32、33においても、「増毛感」、「色馴染み感」、「再分散性」、「詰まりのなさ」、「セット力」および「速乾性」に関してそれぞれ良好な結果が得られた。