(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072455
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20230517BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20230517BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230517BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G08G1/09 F
G08B27/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185026
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金野 文博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄大
【テーマコード(参考)】
2F129
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129DD53
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2F129HH02
2F129HH12
5C087AA09
5C087AA10
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5C087GG82
5H181AA01
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5H181CC04
5H181CC12
5H181CC27
5H181FF22
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】車両の乗員が、自身にとって適切な目的地及び目的地への走行ルートを設定可能な災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】車両に搭載された、外部通信装置から災害発生に関する情報を受信可能な無線通信機と、車両に搭載された、情報を表示可能なディスプレイと、車両に搭載された、情報を車両の乗員へ報知可能な報知装置と、プロセッサと、を備え、プロセッサは、無線通信機から災害が発生した旨の情報を受信したときに、車両の目的地までの走行Rt1、Rt2、Rt3を提案し、目的地及び走行ルートをディスプレイに表示させ、報知装置に、目的地及び走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を乗員へ報知させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された、外部通信装置から災害発生に関する情報を受信可能な無線通信機と、
前記車両に搭載された、情報を表示可能なディスプレイと、
前記車両に搭載された、情報を前記車両の乗員へ報知可能な報知装置と、
プロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記無線通信機から災害が発生した旨の情報を受信したときに、前記車両の目的地までの走行ルートを提案し、前記目的地及び前記走行ルートを前記ディスプレイに表示させ、前記報知装置に、前記目的地及び前記走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を前記乗員へ報知させる災害時避難誘導システム。
【請求項2】
前記報知装置が前記ディスプレイである請求項1に記載の災害時避難誘導システム。
【請求項3】
前記プロセッサが、複数の前記目的地及び複数の前記走行ルートを提案可能である請求項1又は請求項2に記載の災害時避難誘導システム。
【請求項4】
前記車両とは別の他車両との間で無線通信可能な外部サーバを備え、
前記プロセッサが、
前記他車両に設けられたセンサが取得したセンサ情報、及び、前記他車両に設けられた可動装置の作動情報の少なくとも一方である車両情報を、前記無線通信機によって前記外部サーバへ無線通信により送信させ、
前記報知装置に、前記外部サーバが受信した前記車両情報に基づいて推定された、前記他車両の周辺の天気関連情報を、前記乗員へ報知させる請求項1~3の何れか1項に記載の災害時避難誘導システム。
【請求項5】
前記センサ情報が、前記車両に設けられたカメラが取得した画像情報、及び、車輪速センサの検出値に基づいて取得された前記車両の車輪のスリップ率に関する情報の少なくとも一方を含み、
前記作動情報が、前記車両に設けられたワイパー装置の作動情報、及び、前記車両に設けられたアンチロック・ブレーキシステムの作動情報の少なくとも一方を含む請求項4に記載の災害時避難誘導システム。
【請求項6】
前記プロセッサが、
前記目的地及び前記走行ルートが提案された後に前記無線通信機が前記外部通信装置から受信した災害発生に関する情報に基づいて、前記目的地及び前記走行ルートを新たに提案可能である請求項1~5の何れか1項に記載の災害時避難誘導システム。
【請求項7】
プロセッサが、
車両に搭載された無線通信機が外部通信装置から災害発生に関する情報を受信したときに、前記車両の目的地までの走行ルートを提案し、前記目的地及び前記走行ルートを前記車両に搭載されたディスプレイに表示させ、前記車両に搭載された報知装置に、前記目的地及び前記走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を前記車両の乗員へ報知させる災害時避難誘導方法。
【請求項8】
車両に搭載された無線通信機が外部通信装置から災害発生に関する情報を受信したときに、前記車両の目的地までの走行ルートを提案し、前記目的地及び前記走行ルートを前記車両に搭載されたディスプレイに表示させ、前記車両に搭載された報知装置に、前記目的地及び前記走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を前記車両の乗員へ報知させる処理をプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両が走行する地域で緊急避難が必要な状況が発生したときに、緊急避難場所までの走行ルートを設定するナビゲーションシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のナビゲーションシステムには、車両の乗員にとって適切な緊急避難場所への走行ルートを設定することに関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両の乗員が、自身にとって適切な目的地及び目的地への走行ルートを設定可能な災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の災害時避難誘導システムは、車両に搭載された、外部通信装置から災害発生に関する情報を受信可能な無線通信機と、前記車両に搭載された、情報を表示可能なディスプレイと、前記車両に搭載された、情報を前記車両の乗員へ報知可能な報知装置と、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記無線通信機から災害が発生した旨の情報を受信したときに、前記車両の目的地までの走行ルートを提案し、前記目的地及び前記走行ルートを前記ディスプレイに表示させ、前記報知装置に、前記目的地及び前記走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を前記乗員へ報知させる。
【0007】
請求項1に記載の災害時避難誘導システムのプロセッサは、無線通信機から災害が発生した旨の情報を受信したときに、車両の目的地までの走行ルートを提案し、目的地及び走行ルートをディスプレイに表示させる。さらにプロセッサは、報知装置に、提案された目的地及び走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を乗員へ報知させる。そのため乗員は、ディスプレイからの情報に基づいて提案された目的地及び走行ルートを認識し、且つ、報知装置からの情報に基づいて目的地及び走行ルートの混雑状況を認識できる。従って、乗員は、自身にとって適切な目的地及び走行ルートを設定可能である。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る災害時避難誘導システムは、請求項1の発明において、前記報知装置が前記ディスプレイである。
【0009】
請求項2に記載の発明では、乗員が、ディスプレイに表示された情報に基づいて、目的地及び走行ルート並びに目的地及び走行ルートの少なくとも一方の混雑状況を把握できる。
【0010】
請求項3に記載の発明に係る災害時避難誘導システムは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記プロセッサが、複数の前記目的地及び複数の前記走行ルートを提案可能である。
【0011】
請求項3に記載の発明では、プロセッサが、複数の目的地及び走行ルートを提案可能である。そのため乗員は、混雑状況を把握した上で、複数の目的地及び走行ルートの中から、自身にとって適切な目的地及び走行ルートを設定可能である。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る災害時避難誘導システムは、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記車両とは別の他車両との間で無線通信可能な外部サーバを備え、前記プロセッサが、前記他車両に設けられたセンサが取得したセンサ情報、及び、前記他車両に設けられた可動装置の作動情報の少なくとも一方である車両情報を、前記無線通信機によって前記外部サーバへ無線通信により送信させ、前記報知装置に、前記外部サーバが受信した前記車両情報に基づいて推定された、前記他車両の周辺の天気関連情報を、前記乗員へ報知させる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、他車両の車両情報が、無線通信機によって外部サーバへ送信される。さらに、外部サーバが受信した車両情報に基づいて推定された、他車両の周辺の天気関連情報を、報知装置が乗員へ報知する。そのため乗員は、報知装置によって報知された天気関連情報に基づいて、自身にとって適切な目的地及び走行ルートを設定可能である。
【0014】
請求項5に記載の発明に係る災害時避難誘導システムは、請求項4に記載の発明において、前記センサ情報が、前記車両に設けられたカメラが取得した画像情報、及び、車輪速センサの検出値に基づいて取得された前記車両の車輪のスリップ率に関する情報の少なくとも一方を含み、前記作動情報が、前記車両に設けられたワイパー装置の作動情報、及び、前記車両に設けられたアンチロック・ブレーキシステムの作動情報の少なくとも一方を含む。
【0015】
請求項5に記載の発明では、カメラが取得した画像情報、車輪速センサの検出値に基づいて取得された車輪のスリップ率に関する情報、ワイパー装置の作動情報、及びアンチロック・ブレーキシステムの作動情報の少なくとも一つに基づいて天気関連情報が推定される。そのため、天気関連情報の確度が高くなる。
【0016】
請求項6に記載の発明に係る災害時避難誘導システムは、請求項1~5の何れか1項の発明において、前記プロセッサが、前記目的地及び前記走行ルートが提案された後に前記無線通信機が前記外部通信装置から受信した災害発生に関する情報に基づいて、前記目的地及び前記走行ルートを新たに提案可能である。
【0017】
請求項6に記載の発明では、プロセッサが、目的地及び走行ルートが提案された後に無線通信機が外部通信装置から受信した災害発生に関する情報に基づいて、目的地及び走行ルートを新たに提案可能である。そのため、乗員は、最新の災害情報に基づいて自身にとって適切な目的地及び走行ルートを設定可能である。
【0018】
請求項7に記載の発明に係る災害時避難誘導方法は、プロセッサが、車両に搭載された無線通信機が外部通信装置から災害発生に関する情報を受信したときに、前記車両の目的地までの走行ルートを提案し、前記目的地及び前記走行ルートを前記車両に搭載されたディスプレイに表示させ、前記車両に搭載された報知装置に、前記目的地及び前記走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を前記車両の乗員へ報知させる。
【0019】
請求項8に記載の発明に係るプログラムは、車両に搭載された無線通信機が外部通信装置から災害発生に関する情報を受信したときに、前記車両の目的地までの走行ルートを提案し、前記目的地及び前記走行ルートを前記車両に搭載されたディスプレイに表示させ、前記車両に搭載された報知装置に、前記目的地及び前記走行ルートの少なくとも一方の混雑状況に関する情報を前記車両の乗員へ報知させる処理をプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係る災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムは、車両の乗員が、自身にとって適切な目的地及び目的地への走行ルートを設定可能である、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る災害時避難誘導システムを示す図である。
【
図2】
図1に示される車両のECU及び外部サーバの制御ブロック図である。
【
図3】
図2に示されるECUの機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示される外部サーバの機能ブロック図である。
【
図5】車両のディスプレイに表示された車両周辺の地図画像を示す図である。
【
図6】走行ルートが設定されたときの地図画像を示す図である。
【
図7】新たな災害が発生したときの地図画像を示す図である。
【
図8】新たな走行ルートが提案されたときの地図画像を示す図である。
【
図9】走行ルートが再度設定されたときの地図画像を示す図である。
【
図10】外部サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図11】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図12】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1に示されたように、本実施形態の災害時避難誘導システム10は、車両20、車両20とは別の車両50(以下、他車両50と称する)及び外部サーバ30を有する。
図1には1台の他車両50が表示されているが、実際には複数の他車両50が存在する。
【0024】
外部サーバ30とネットワーク(例えば、インターネット)を介してデータ通信可能な車両20は、
図1に示されるようにECU(Electronic Control Unit)21、タッチパネルを有するディスプレイ(報知装置)22、スピーカ(報知装置)23、カメラ(センサ)24、GPS(Global Positioning System)受信機25、車輪速センサ(センサ)26、ブレーキ装置(可動部材)27及びワイパー装置(可動部材)28を有する。車両20には車両IDが付されている。ディスプレイ22、スピーカ23、カメラ24、GPS受信機25、車輪速センサ26、ブレーキ装置27及びワイパー装置28は、ECU21に接続されている。なお、
図1では図示が省略されているが、他車両50も、ECU21、ディスプレイ22、スピーカ23、カメラ24、GPS受信機25、車輪速センサ26、ブレーキ装置27及びワイパー装置28を有する。さらに各他車両50には、車両IDがそれぞれ付されている。
【0025】
後述するように、ディスプレイ22は様々な画像を表示可能である。スピーカ23は、様々な音声を出力可能である。カメラ24は、車両20の周囲に位置する被写体を撮影可能である。GPS受信機25はGPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両20が走行している位置に関する情報(以下、「位置情報」と呼ぶ)を取得する。車輪速センサ26は、車両20の4つの車輪(図示省略)の車輪速を検出する。ブレーキ装置27は、ブレーキペダル(図示省略)が踏まれたときに、4つの車輪に対して制動力を付与する。さらにブレーキ装置27は、車両20に搭載されたアンチロック・ブレーキシステム(Anti-lock Breake System)(以下、ABSと称する)の一部である。ワイパー装置28は、図示が省略されたワイパースイッチがオン操作されたときに、アクチュエータの駆動力によってフロントウィンドシールド上を往復移動する。
【0026】
ECU21は、
図2に示されたように、CPU(Central Processing Unit)(プロセッサ)21A、ROM(Read Only Memory)21B、RAM(Random Access Memory)21C、ストレージ21D、無線通信I/F(Interface)(無線通信機)21E、内部通信I/F21F及び入出力I/F21Gを含んで構成されている。CPU21A、ROM21B、RAM21C、ストレージ21D、無線通信I/F21E、内部通信I/F21F及び入出力I/F21Gは、内部バス21Zを介して相互に通信可能に接続されている。ECU21は、タイマーから時刻に関する情報を取得可能である。ECU21(入出力I/F21G)には、ディスプレイ22、スピーカ23、カメラ24、GPS受信機25、車輪速センサ26、ブレーキ装置27及びワイパー装置28が接続されている。
【0027】
CPU21Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dからプログラムを読み出し、RAM21Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0028】
ROM21Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。例えば、ROM21Bには、複数のアプリケーション(プログラム)がインストールされている。例えば、ROM21Bにはナビゲーションアプリケーションがインストールされている。即ち、車両20にはナビゲーションシステムが搭載されている。RAM21Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ21Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。例えばストレージ21Dには、車両20が位置する国全体の地図データが記録されている。
【0029】
無線通信I/F21Eは、様々な機器と無線通信するためのインターフェースである。例えば無線通信I/F21Eは外部サーバ30と無線通信可能である。無線通信I/F21Eは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。
【0030】
内部通信I/F21Fは、車両20に設けられたECU21とは別のECUと外部バスを介して接続するためのインターフェースである。
【0031】
入出力I/F21Gは、様々な装置と通信するためのインターフェースである。例えば、入出力I/F21Gは、ディスプレイ22、スピーカ23、カメラ24、GPS受信機25、車輪速センサ26、ブレーキ装置27及びワイパー装置28と通信可能である。
【0032】
図3にはECU21の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU21は、機能構成として、表示制御部211、スピーカ制御部212、ナビゲーション処理部213、ルート設定部214、情報認識部215、ブレーキ制御部216、ワイパー制御部217及び送受信制御部218を有する。表示制御部211、スピーカ制御部212、ナビゲーション処理部213、ルート設定部214、情報認識部215、ブレーキ制御部216、ワイパー制御部217及び送受信制御部218は、CPU21AがROM21Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0033】
表示制御部211はディスプレイ22を制御する。後述するように、ディスプレイ22には、ナビゲーションシステムの地図画像等が表示される。
【0034】
スピーカ制御部212はスピーカ23を制御する。
【0035】
ナビゲーション処理部213は、ナビゲーション処理を実行する。例えばナビゲーション処理部213は、ナビゲーションアプリが起動された状態でディスプレイ22(タッチパネル)にタッチ操作が行われたときに、通常のルート検索処理を実行可能である。即ち、ナビゲーション処理部213は、車両20の現在位置から乗員がタッチ操作によって入力した目的地までのルート検索を実行可能である。さらにナビゲーション処理部213は、車両20が位置する場所を含む地域の交通標識及び道路の制限速度に関する情報を含む交通情報を取得する。取得された情報は、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22に表示される。
【0036】
さらにナビゲーション処理部213は、特開2009-122004号公報の演算処理部の主制御部、緊急避難判定部、緊急避難場所特定部、経路探索部、及び経路誘導部の機能を少なくとも有する。即ち、ナビゲーション処理部213の機能は周知であり、特開2009-122004号公報を参照することにより本願明細書に組み込まれる。即ち、ナビゲーション処理部213は、外部サーバ30から受信した道路交通情報に災害情報が含まれるときに、災害が発生している場所を避けつつ、車両20を避難所(緊急避難場所)へ誘導するための走行ルートを提案する。なお、本実施形態の災害には、例えば、地震、土砂崩れ、水害、津波、竜巻が含まれる。このときナビゲーション処理部213は、複数の避難所(目的地)及び各避難所への走行ルートを提案可能である。提案された避難所及び各避難所への走行ルートは、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22に表示される。
【0037】
ルート設定部214は、乗員がディスプレイ22(タッチパネル)に対してルート設定操作を実行したときに、提案された走行ルートの一つを、車両20が走行する走行ルートとして設定する。設定された走行ルートは、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22に表示される。
【0038】
情報認識部215は、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から、車両20が位置する地域の災害情報、避難所の混雑状況に関する情報、当該地域の道路の混雑状況に関する情報、及び後述する天気関連情報を受信したときに、これらの情報を認識する。以下、避難所の混雑状況に関する情報、及び、道路の混雑状況に関する情報をまとめて「混雑情報」と称する。情報認識部215が認識したこれらの情報は、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22に表示される。
【0039】
ブレーキ制御部216は、ブレーキペダルが踏まれたときにブレーキ装置27を制御する。さらにブレーキ制御部216は、4つの車輪速センサ26から送信された4つの車輪の車輪速に関する情報に基づいて、各車輪のスリップ率(=(車体速度-車輪速度)/車体速度)を演算する。さらにブレーキ制御部216は、演算したスリップ率が所定の閾値を超えたときにABSを作動させる。
【0040】
ワイパー制御部217は、上記ワイパースイッチがオン操作されたときに、上記アクチュエータを作動させる。これによりワイパー装置28が動作する。一方、ワイパー制御部217は、上記ワイパースイッチがオフ操作されたときに、上記アクチュエータを停止させる。これによりワイパー装置28が動作を停止する。
【0041】
送受信制御部218は、無線通信I/F21E及び内部通信I/F21Fを制御する。送受信制御部218は、例えば、様々な情報を無線通信I/F21Eを介して外部サーバ30へ無線送信し、且つ、外部サーバ30から無線送信された様々な情報を無線通信I/F21Eに受信させる。例えば、送受信制御部218は、車両20(他車両50)の車両情報を外部サーバ30へ無線送信する。本実施形態の車両情報には、車両20(他車両50)のカメラ24が取得した画像データ(画像情報)、GPS受信機25が取得した車両20(他車両50)の位置情報、車輪速センサ26の検出値に基づいてブレーキ制御部216が取得したスリップ率情報、ブレーキ制御部216が取得したABSの作動情報、及びワイパー制御部217が取得したワイパー装置28の作動情報が含まれる。なお、画像データ(画像情報)及びスリップ率情報が「センサ情報」であり、ABSの作動情報及びワイパー装置28の作動情報が「作動情報」である。
【0042】
図1に示された外部サーバ30は、
図2に示されるように、ハードウェア構成として、CPU(プロセッサ)30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D、無線通信I/F30E、内部通信I/F30F及び入出力I/F30Gを含んで構成されている。CPU30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D、無線通信I/F30E、内部通信I/F30F及び入出力I/F30Gは、内部バス30Zを介して相互に通信可能に接続されている。ECU30は、タイマーから時刻に関する情報を取得可能である。
【0043】
図4には外部サーバ30のハードウェアの機能構成の一例がブロック図で示されている。外部サーバ30のハードウェアは、機能構成として、推定部301及び送受信制御部302を有する。推定部301及び送受信制御部302は、CPU30AがROM30Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0044】
車両20及び他車両50のセンサ情報及び作動情報は、車両20及び他車両50の位置情報及びID情報と関連付けながら、車両20及び他車両50から外部サーバ30へ無線送信される。推定部301は、車両20及び他車両50のセンサ情報及び作動情報に基づいて、車両20及び他車両50が位置する各地域の天気関連情報を推定する。例えば、ワイパー制御部217によってワイパー装置28が所定時間以上継続して動作させられているという情報が、一台の他車両50から外部サーバ30を介して車両20へ送信されたときに、推定部301は当該他車両50が位置する地域で雨が降っていると判定する。また、ブレーキ制御部216によって所定時間内に所定回数以上ABSが作動させられているという情報が、一台の他車両50から外部サーバ30を介して車両20へ送信されたときに、推定部301は当該他車両50が位置する地域の道路の路面でスリップが多発していると判定する。また一台の他車両50のカメラ24が取得した画像データの中に雪が含まれているとき、推定部301は当該他車両50が位置する地域の道路の路面が滑りやすい状態にあると判定する。
【0045】
送受信制御部302は、無線通信I/F30E及び内部通信I/F30Fを制御する。後述するように、送受信制御部302は、例えば、様々な情報を無線通信I/F30Eを介して車両20へ無線送信し、且つ、車両20から無線送信された様々な情報を無線通信I/F30Eに受信させる。さらに送受信制御部302は、車両20が位置する地域の自治体が管理する自治体サーバ(図示省略)が無線送信した、当該地域で発生した災害情報及び混雑情報を受信する。上述のように、混雑情報には、避難所の混雑状況に関する情報、及び、道路の混雑状況に関する情報が含まれる。
【0046】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0047】
まず外部サーバ30が行う処理の流れについて、
図10のフローチャートを用いて説明する。外部サーバ30は、所定時間が経過する毎に、
図10のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0048】
まずステップS10において外部サーバ30の送受信制御部302は、無線通信I/F30Eが上記自治体サーバから、車両20が位置する地域に関する災害情報を受信したか否かを判定する。
【0049】
ステップS10においてYesと判定した外部サーバ30はステップS11へ進み、送受信制御部302が無線通信I/F30Eに、受信した災害情報を無線送信させる。
【0050】
ステップS11の処理を終えた外部サーバ30はステップS12へ進み、車両20及び他車両50の少なくとも一方から上記車両情報を受信したか否かを判定する。
【0051】
ステップS12でYesと判定した外部サーバ30はステップS13へ進み、推定部301が受信した車両情報に基づいて、車両20及び他車両50の少なくとも一方が位置する各地域の天気関連情報を推定する。
【0052】
ステップS13の処理を終えた外部サーバ30はステップS14へ進み、送受信制御部302が無線通信I/F30Eに、推定された天気関連情報を無線送信させる。
【0053】
ステップS14の処理を終えた外部サーバ30はステップS15へ進み、上記自治体サーバから、車両20が位置する地域の混雑情報を受信したか否かを判定する。
【0054】
ステップS15でYesと判定した外部サーバ30はステップS16へ進み、送受信制御部302が無線通信I/F30Eに、受信した混雑情報を無線送信させる。
【0055】
ステップS16の処理を終えたとき又はステップS10、12、15でNoと判定したとき、外部サーバ30は
図10のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0056】
次にECU21が行う処理の流れについて、
図11、
図12のフローチャートを用いて説明する。まずは
図11のフローチャートについて説明する。ECU21は、所定時間が経過する毎に、
図11のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0057】
なお、以下の説明では、車両20のナビゲーションアプリケーションが起動しているものとする。そのため、
図5~
図9に示されるように、車両20のディスプレイ22には、車両20が位置する地域の地理情報を表す地図画像22Imが表示されていている。
図5~
図9に示された地図画像22Imには、例えば、道路を表す道路画像22Im-1及び3つの避難所A、B、Cをそれぞれ表す画像22Im-2A、22Im-2B、22Im-2Cが含まれる。なお、
図5~
図9中の符号20rpで示された丸印(〇)は、車両20の位置情報に基づく車両20の現在位置である。
【0058】
まずステップS20においてECU21のルート設定部214は、設定フラグの値が「0」か否かを判定する。なお、設定フラグの初期値は「0」である。
【0059】
ステップS20でYesと判定したECU21はステップS21へ進み、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から災害情報を受信したか否かを、情報認識部215が判定する。
【0060】
ステップS21でYesと判定したECU21はステップS22へ進み、ナビゲーション処理部213が、災害が発生している場所を避けつつ、車両20を避難所へ誘導するための走行ルートを提案する。例えば
図5に示されるように、道路の一部において竜巻が発生している場合を想定する。
図5に示された円形の鎖線が竜巻画像22Im-Xである。この場合にナビゲーション処理部213は、車両20の現在位置20rp、竜巻の位置、及び避難所A、B、Cの位置を考慮しながら、竜巻が発生している場所を避けながら車両20を誘導可能な避難所及び走行ルートを提案する。この場合、ナビゲーション処理部213は3つの避難所(避難所A、B、C)及び3つの走行ルートを提案する。なお、3つの走行ルートRt1、Rt2、Rt3は
図5中に仮想線で示されている。即ち、この場合にナビゲーション処理部213は、竜巻を避けながら車両20を避難所A、B、Cへ誘導可能と判定する。この場合、
図5に示されるようにディスプレイ22に避難所選択画像22Im-3が表示される。ナビゲーション処理部213は、災害が発生状況に基づいて、地図画像22Imに含まれる所定の場所又は施設を、避難所として選択可能である。例えば、竜巻が発生したときに、トンネルを避難所として選択可能である。また、地図画像22Imにおいて所定の場所又は施設が避難所として指定されている場合は、ナビゲーション処理部213は、これらの場所又は施設避難所として選択可能である。そのため、
図5に示されるように、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22が避難所選択画像22Im-3を表示する。
【0061】
ステップS22の処理を終えたECU21はステップS23へ進み、ルート設定部214が設定フラグの値を「0」に設定する。
【0062】
ステップS23の処理を終えたECU21はステップS24へ進み、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から車両20が位置する地域に関する混雑情報を受信したか否かを、情報認識部215が判定する。
【0063】
ステップS24でYesと判定したECU21はステップS25へ進む。ここで、混雑情報に、「避難所Aが混雑している」という情報、及び、「
図5~
図9に示された道路の区間Xにおいて渋滞が発生している」という情報が含まれている場合を想定する。この場合、ステップS25において、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22が、混雑情報及び天気関連情報を表す情報表示画像22Im-4を表示する。
【0064】
ステップS25の処理を終えたECU21はステップS26へ進み、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から車両20が位置する地域に関する天気関連情報を受信したか否かを、情報認識部215が判定する。
【0065】
ステップS26でYesと判定したECU21はステップS27へ進む。ここで、天気関連情報に、「
図5~
図9に示された道路の区間Yでスリップ多発」という情報が含まれている場合を想定する。この場合、情報表示画像22Im-4に当該情報が付加される。
【0066】
ステップS27の処理を終えたECU21はステップS28へ進み、送受信制御部218によって制御された無線通信I/F21Eが、車両20の車両情報を外部サーバ30へ無線送信する。
【0067】
ステップS28の処理を終えたとき又はステップS21、29でNoと判定したとき、ECU21は
図11のフローチャートの処理を一旦終了する。なお、ステップS29の処理については後述する。
【0068】
【0069】
まずステップS30においてECU21のルート設定部214は、ナビゲーション処理部213によって避難所及び走行ルートの提案がされたか否かを判定する。
【0070】
ステップS30でYesと判定したECU21はステップS31へ進む。ステップS31においてECU21は、避難所選択画像22Im-3の表示が開始された時刻から所定時間内に、避難所選択画像22Im-3の一部であるA選択画像22Im-3A、B選択画像22Im-3B及びC選択画像22Im-3Cの何れか一つに対して、乗員がタッチ操作を行ったか否かを判定する。上述のように、避難所Aが混雑しており、且つ、区間Xで渋滞が発生している。さらに区間Yにおいてスリップが多発している。そのため車両20の乗員は、自分は避難所Bへ向かうべきであると決定する。そのため、ステップS31において、乗員が所定時間内にB選択画像22Im-3Bに対してタッチ操作を行う。従って、ECU21のルート設定部214はステップS31においてYesと判定してステップS32へ進む。
【0071】
ステップS32へ進んだECU21のルート設定部214は、避難所Bへの走行ルートを車両20の走行ルートとして設定する(決定する)。このとき
図6に実線で示されるように、避難所Bへの走行ルートRt2のみがディスプレイ22に選択された走行ルートRtdとして表示され、避難所A、Cへの走行ルートRt1、Rt3がディスプレイ22から消去される。さらにディスプレイ22から避難所選択画像22Im-3が消去される。
【0072】
ステップS32の処理を終えたECU21はステップS33へ進み、ルート設定部214が設定フラグの値を「1」に判定する。
【0073】
なお、ステップS31でNoと判定した場合、ECU21はステップS34へ進む。この場合は表示制御部211が、提案された3つの走行ルート及び避難所選択画像22Im-3をディスプレイ22から消去する。
【0074】
ステップS33、34の処理を終えたとき、ECU21は
図12のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0075】
続いて、ステップS32で設定された走行ルートRtdに沿って走行する車両20が、
図7の現在位置20rpまで到達し且つ
図7に示されるように避難所B付近で新たな竜巻(竜巻画像22Im-X)が発生した場合を想定する。
【0076】
この場合、ECU21は
図11のフローチャートのステップS20においてNoと判定してステップS29へ進む。さらにステップS29においてECU21の情報認識部215が、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から新たな災害情報を受信したか否かを判定する。
【0077】
ステップS29でYesと判定したECU21はステップS22へ進み、ナビゲーション処理部213が、竜巻が発生している場所を避けつつ、車両20を避難所へ誘導するための走行ルートを提案する。この場合、
図8に示されるように、ナビゲーション処理部213は2つの避難所(避難所A、C)及び2つの走行ルートRt4、Rt5を提案する。さらに
図8に示されるように、表示制御部211によって制御されたディスプレイ22が避難所選択画像22Im-3を表示する。
【0078】
この後にECU21が
図12のフローチャートの処理を行う場合、ECU21はステップS30でYesと判定してステップS31へ進む。
【0079】
上述のように、避難所Aが混雑しており、且つ、区間Xで渋滞が発生している。さらに避難所B付近で新たな竜巻が発生している。そのため車両20の乗員は、区間Yにおいてスリップが多発しているものの、自分は避難所Cへ向かうべきであると決定する。そのため、ステップS31において、乗員が所定時間内にC選択画像22Im-3Cに対してタッチ操作を行う。従って、ECU21はステップS31においてYesと判定してステップS32へ進む。
【0080】
ステップS32へ進んだECU21のルート設定部214は、避難所Cへの走行ルートRt5を、車両20の走行ルートRtdとして設定する(決定する)。このとき
図9に実線で示されるように、避難所Cへの走行ルートRtdのみがディスプレイ22に表示され、避難所Aへの走行ルートRt4がディスプレイ22から消去される。さらにディスプレイ22から避難所選択画像22Im-3が消去される。
【0081】
以上説明したように本実施形態では、外部サーバ30から災害が発生した旨の情報を受信したときに、車両20のECU21が災害発生場所を避けつつ車両20を避難所まで誘導する走行ルートを提案し、提案された避難所(目的地)及び走行ルートをディスプレイ22に表示させる。さらにディスプレイ22が、提案された避難所の混雑状況に関する情報、及び、走行ルートの混雑状況に関する情報(渋滞情報)を表示する。そのため乗員は、ディスプレイ22からの情報に基づいて提案された避難所及び走行ルートを認識し、且つ、ディスプレイ22からの情報に基づいて避難所及び走行ルートの混雑状況を認識できる。従って、乗員は、自身にとって適切な避難所及び走行ルートを設定可能である。
【0082】
さらに本実施形態では、ECU21が、複数の避難所(目的地)及び走行ルートを提案可能である。そのため乗員は、提案された避難所及び走行ルートの混雑状況を把握した上で、複数の避難所及び走行ルートの中から、自身にとって適切な避難所及び走行ルートを設定する(決定する)ことが可能である。
【0083】
さらに本実施形態では、車両20及び他車両50の車両情報が、車両20及び他車両50から外部サーバ30へそれぞれ送信され、外部サーバ30が車両情報に基づいて、車両20及び他車両50それぞれの周辺の天気関連情報を推定する。さらに外部サーバ30が推定した天気関連情報が、外部サーバ30から車両20(他車両50)へ送信される。そのため車両20(他車両50)の乗員は、ディスプレイ22によって報知された天気関連情報に基づいて、自身にとって適切な避難所及び走行ルートを設定可能である。
【0084】
さらに本実施形態では、ECU21から避難所及び走行ルートが提案された後に車両20が外部サーバ30から新たな災害情報を受信したときに、ECU21が新たに避難所及び走行ルートを提案する。そのため車両20の乗員は、最新の災害情報に基づいて自身にとって適切な避難所及び走行ルートを設定可能である。
【0085】
以上、実施形態に係る災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムについて説明したが、災害時避難誘導システム、災害時避難誘導方法及びプログラムは本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0086】
例えば、外部サーバ30が車両20へ、提案された避難所の混雑状況に関する情報、又は、提案された走行ルートの混雑状況に関する情報を送信してもよい。
【0087】
混雑情報を乗員へ報知する報知装置は、混雑情報を音声出力するスピーカ23であってもよい。
【0088】
車両20と無線通信可能な携帯端末(例えばスマートフォン)のディスプレイ(報知装置)又はスピーカ(報知装置)が、混雑情報を乗員へ報知してもよい。また、ナビゲーションアプリケーションがインストールされた携帯端末のディスプレイに、ナビゲーションシステムの様々な画像を表示させてもよい。例えば、携帯端末のディスプレイに、
図5~
図9に示された画像を表示させてもよい。
【0089】
上記車両情報は、センサ情報及び作動情報の一方のみを含んでもよい。また、センサ情報が、画像データ(画像情報)及びスリップ率情報の一方のみを含んでもよい。また、作動情報が、ABSの作動情報及びワイパー装置28の作動情報の一方のみを含んでもよい。さらに上記車両情報は、画像データ(画像情報)、スリップ率情報、ABSの作動情報、及びワイパー装置28の作動情報とは異なる情報であってもよい。
【0090】
車両20のECU21が、推定部301と同じ機能を有してもよい。この場合、ECU21は、外部サーバ30から受信した車両情報に基づいて天気関連情報を推定する。
【0091】
車両20のECU21が、外部サーバ30の機能を有してもよい。この場合は、外部サーバ30は不要であり、自治体サーバが無線送信した情報を車両20が直接受信する。
【0092】
車両20がGPS受信機25の代わりに、GPS以外の全地球航法衛星システム(例えばガリレオ)の衛星からの情報を受信可能な受信機を備えてもよい。
【0093】
ECU21がWebサーバから地図データを読み込んで、ディスプレイ22にこの地図データに基づく地図画像を表示させてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 災害時避難誘導システム
20 車両
21A CPU(プロセッサ)
21E 無線通信I/F(無線通信機)
22 ディスプレイ(報知装置)
23 スピーカ(報知装置)
24 カメラ(センサ)
26 車輪速センサ(センサ)
27 ブレーキ装置(可動部材)
28 ワイパー装置(可動部材)
30 外部サーバ(外部通信装置)
50 車両(他車両)