(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072456
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230517BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20230517BHJP
G16Y 10/75 20200101ALI20230517BHJP
G16Y 40/50 20200101ALI20230517BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08G1/09 F
G16Y10/75
G16Y40/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185027
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000157083
【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄大
(72)【発明者】
【氏名】金野 文博
【テーマコード(参考)】
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
5C087BB18
5C087DD02
5C087DD14
5C087EE18
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF19
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG70
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181BB15
5H181CC04
5H181EE08
5H181EE12
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181MB06
5H181MB12
5H181MC15
5H181MC19
(57)【要約】
【課題】携帯端末を所持しない車両の乗員が、車外に位置する通信端末へ通知を行える無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】車両20の外部に位置する外部通信装置30と無線通信可能である、車両に設けられた無線通信機と、車両に設けられたプロセッサ21と、を備え、プロセッサが、車両の乗員から受けた指示又は外部通信装置から無線通信機が受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末50へ通知を行うように無線通信機を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部に位置する外部通信装置と無線通信可能である、前記車両に設けられた無線通信機と、
前記車両に設けられたプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサが、
前記車両の乗員から受けた指示又は前記外部通信装置から前記無線通信機が受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように前記無線通信機を制御する無線通信システム。
【請求項2】
前記車両の車内にいる前記乗員を検出可能な検出装置を備え、
前記プロセッサが、
前記検出装置の検出結果に基づいて全ての前記乗員が前記車内から車外に出たと判定し、且つ、前記無線通信機が前記外部通信装置から前記災害情報を受信したときに、前記通信端末へ前記通知を行うように前記無線通信機を制御する請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記外部通信装置が前記無線通信機へ送信した前記災害情報が表す災害の災害ランクが所定ランク以上の場合に、前記プロセッサが、前記通信端末へ前記通知を行うように前記無線通信機を制御する請求項2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記車両に設けられた少なくとも一つのセンサを備え、
前記プロセッサが、
前記通信端末へ通知を行うときに、前記センサが取得したセンサ情報を前記通信端末へ送信するように前記無線通信機を制御する請求項1~3の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記センサが、前記車両のタイヤの空気圧を検出する空気圧センサを含む請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記センサが、前記車両の車内に位置する被写体及び車外に位置する被写体の少なくとも一方を撮影可能なカメラを含む請求項4又は請求項5に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記車両が、前記乗員が前記指示を表す情報を入力可能な操作装置を備える請求項1~6の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記操作装置が、前記車両のステアリングホイールに設けられたスイッチであり、
前記プロセッサが、
前記スイッチが操作されたときに、前記通信端末へ前記通知を行うように前記無線通信機を制御する請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
車両に設けられたプロセッサが、
前記車両の乗員から受けた指示、又は、前記車両に設けられた無線通信機が前記車両の外部に位置する外部通信装置から受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように前記無線通信機を制御する無線通信方法。
【請求項10】
車両の乗員から受けた指示、又は、前記車両に設けられた無線通信機が前記車両の外部に位置する外部通信装置から受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように前記無線通信機を制御する処理を、前記車両に設けられたプロセッサに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両が位置する地域の通信インフラが故障した場合に、複数の車載端末及び複数の携帯端末を利用して安否情報伝達システム(通信網)を構成する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の車両の乗員が携帯端末を所持しない場合、この乗員は自身の安否情報を、車外に位置する通信端末へ通知できない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、携帯端末を所持しない車両の乗員が、車外に位置する通信端末へ通知を行える無線通信システム、無線通信方法及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の無線通信システムは、車両の外部に位置する外部通信装置と無線通信可能である、前記車両に設けられた無線通信機と、前記車両に設けられたプロセッサと、を備え、前記プロセッサが、前記車両の乗員から受けた指示又は前記外部通信装置から前記無線通信機が受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように前記無線通信機を制御する。
【0007】
請求項1に記載の無線通信システムは、プロセッサが、乗員から受けた指示又は外部通信装置から無線通信機が受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように無線通信機を制御する。そのため、災害が発生したときに、乗員による指示又無線通信機が受信した災害情報に基づいて、車両の無線通信機が車外に位置する通信端末へ通知を行なう。従って、請求項1に記載の無線通信システムによれば、携帯端末を所持しない車両の乗員が、車外に位置する通信端末へ通知を行える。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項1の発明において、前記車両の車内にいる前記乗員を検出可能な検出装置を備え、前記プロセッサが、前記検出装置の検出結果に基づいて全ての前記乗員が前記車内から車外に出たと判定し、且つ、前記無線通信機が前記外部通信装置から前記災害情報を受信したときに、前記通信端末へ前記通知を行うように前記無線通信機を制御する。
【0009】
請求項2に記載の発明では、検出装置の検出結果に基づいて全ての乗員が車内から車外に出たとプロセッサが判定し、且つ、無線通信機が外部通信装置から災害情報を受信したときに、無線通信機が通信端末へ通知を行う。そのため、例えば災害発生時に冷静な判断力を失った乗員がプロセッサに対する指示を実行しなかった場合においても、全ての乗員が車外へ移動したときに、無線通信機が通信端末へ通知を行う。そのため、車両から通信端末へ通知が行われないおそれが低減される。
【0010】
請求項3に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項2に記載の発明において、前記外部通信装置が前記無線通信機へ送信した前記災害情報が表す災害の災害ランクが所定ランク以上の場合に、前記プロセッサが、前記通信端末へ前記通知を行うように前記無線通信機を制御する。
【0011】
請求項3に記載の発明では、外部通信装置が無線通信機へ送信した災害情報が表す災害の災害ランクが所定ランク以上の場合に、無線通信機が通信端末へ通知を行う。そのため、所定ランク未満の災害が発生した場合に、無線通信機は通信端末へ通知を行わない。
【0012】
請求項4に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記車両に設けられた少なくとも一つのセンサを備え、前記プロセッサが、前記通信端末へ通知を行うときに、前記センサが取得したセンサ情報を前記通信端末へ送信するように前記無線通信機を制御する。
【0013】
請求項4に記載の発明では、無線通信機が通信端末へ通知を行うときに、無線通信機が通信端末へ、車両に設けられたセンサが取得したセンサ情報を送信する。そのため、通信端末の利用者は、車両のセンサ情報を認識できる。
【0014】
請求項5に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項4に記載の発明において、前記センサが、前記車両のタイヤの空気圧を検出する空気圧センサを含む。
【0015】
請求項5に記載の発明では、センサ情報に、車両のタイヤの空気圧に関する情報が含まれる。そのため、通信端末の利用者は、車両のタイヤの状態を認識できる。
【0016】
請求項6に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記センサが、前記車両の車内に位置する被写体及び車外に位置する被写体の少なくとも一方を撮影可能なカメラを含む。
【0017】
請求項6に記載の発明では、センサ情報に、カメラが取得した車内に位置する被写体の画像情報及び車外に位置する被写体の画像情報の少なくとも一方が含まれる。そのため、通信端末の利用者は、車内の画像情報及び車外の画像情報の少なくとも一方を認識できる。
【0018】
請求項7に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項1~6の何れか1項の発明において、前記車両が、前記乗員が前記指示を表す情報を入力可能な操作装置を備える。
【0019】
請求項7に記載の発明では、乗員は、車両に設けられた操作装置を介してプロセッサに指示を与えることにより、無線通信機を利用して通信端末へ通知を行える。
【0020】
請求項8に記載の発明に係る無線通信システムは、請求項7の発明において、前記操作装置が、前記車両のステアリングホイールに設けられたスイッチであり、前記プロセッサが、前記スイッチが操作されたときに、前記通信端末へ前記通知を行うように前記無線通信機を制御する。
【0021】
請求項8に記載の発明では、乗員がステアリングホイールに設けられたスイッチを操作したときに、無線通信機から通信端末へ通知が行われる。従って、乗員は、無線通信機に通信端末へ通知を行わせるための操作を、車両の運転操作中に簡単に実行できる。
【0022】
請求項9に記載の発明に係る無線通信方法は、車両に設けられたプロセッサが、前記車両の乗員から受けた指示、又は、前記車両に設けられた無線通信機が前記車両の外部に位置する外部通信装置から受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように前記無線通信機を制御する。
【0023】
請求項10に記載の発明に係るプログラムは、車両の乗員から受けた指示、又は、前記車両に設けられた無線通信機が前記車両の外部に位置する外部通信装置から受信した災害情報に基づいて、車外に位置する通信端末へ通知を行うように前記無線通信機を制御する処理を、前記車両に設けられたプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明に係る無線通信システム、無線通信方法及びプログラムは、携帯端末を所持しない車両の乗員が、車外に位置する通信端末へ通知を行える、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態に係る無線通信システムを示す図である。
【
図2】
図1に示される車両のECU及び外部サーバの制御ブロック図である。
【
図3】
図2に示されるECUの機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示される外部サーバの機能ブロック図である。
【
図5】
図1に示される車両に設けられたディスプレイのメイン画像を示す図である。
【
図6】通知用アプリケーションが起動されたときのディスプレイを示す図である。
【
図7】メッセージ編集ボタンにタッチ操作がされたときのディスプレイを示す図である。
【
図8】メッセージ追加ボタンにタッチ操作がされたときのディスプレイを示す図である。
【
図9】確定ボタンにタッチ操作がされたときのディスプレイを示す図である。
【
図10】送信先編集ボタンにタッチ操作がされたときのディスプレイを示す図である。
【
図11】送信先追加ボタンにタッチ操作がされたときのディスプレイを示す図である。
【
図12】確定ボタンにタッチ操作がされたときのディスプレイを示す図である。
【
図14】車両が外部サーバから災害情報及び災害ランクを表す情報を受信したときのディスプレイを示す図である。
【
図15】外部サーバが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図16】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図17】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図18】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図19】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【
図20】ECUが実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る無線通信システム、無線通信方法及びプログラムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1に示されたように、本実施形態の無線通信システム10は、車両20、外部サーバ(外部通信装置)30、及び車両20の外部に位置する複数の通信端末50を有する。なお、便宜上、
図1には一つの通信端末50のみが表示されている。さらに車両20の内部には複数の乗員(図示省略)がいるものとする。
【0028】
外部サーバ30とネットワーク(例えば、インターネット)を介してデータ通信可能な車両20は、
図1に示されるようにECU(Electronic Control Unit)21、タッチパネルを有するディスプレイ(操作装置)22、スピーカ23、第1カメラ(検出装置)(センサ)24、第2カメラ(センサ)25、GPS(Global Positioning System)受信機GPS受信機26、4つの車輪27、空気圧センサ(センサ)28及びステアリグホイール29を有する。
【0029】
インストルメントパネル(図示省略)に設けられたディスプレイ22は、様々な画像を表示可能である。スピーカ23は、様々な音声を出力可能である。
【0030】
第1カメラ24は、車両20の内部に位置する被写体を撮影可能である。即ち、第1カメラ24は、車両20の内部に位置する乗員を撮影可能である。以下、第1カメラ24が取得した画像データを「車内画像データ」と称する。第2カメラ25は、車両20の外部(周囲)に位置する被写体を撮影可能である。以下、第2カメラ25が取得した画像データを「車外画像データ」と称する。GPS受信機26はGPS衛星から送信されたGPS信号を受信することにより、車両20が走行している位置に関する情報(以下、「位置情報」と呼ぶ)を取得する。第1カメラ24は、取得した車内画像データを所定時間が経過する毎にECU21へ送信する。第2カメラ25は、取得した車外画像データを所定時間が経過する毎にECU21へ送信する。GPS受信機26は、取得した位置情報を所定時間が経過する毎にECU21へ送信する。ECU21に送信された車内画像データ及び外画像データは、位置情報及び時刻情報と関連付けなれながら、ECU21の後述するストレージ21Dに順次記録される。
【0031】
4つの車輪27は、それぞれタイヤ27Aを有する。各タイヤ27Aは弾性材料製の中空且つ環状の部材であり、その内部空間には空気が充填されている。なお、左右の前輪を構成する2つの車輪27が操舵輪である。各車輪27に設けられた空気圧センサ28は、対応するタイヤ27Aの空気圧を、所定時間毎に繰り返し測定する。さらに各空気圧センサ28は無線通信機能を有する。各空気圧センサ28は、取得した空気圧に関する情報を、車輪27のID情報と一緒にECU21(無線通信I/F21E)へ、所定時間毎に繰り返し送信する。
【0032】
ステアリグホイール29は、インストルメントパネルに回転可能に支持されている。ステアリグホイール29が回転操作されると、左右の操舵倫27の操舵角が変化する。ステアリグホイール29には、ボタン式のスイッチ29aが設けられている。スイッチ29aは、
図1に示された初期位置と、操作位置(図示省略)と、の間を移動可能である。スイッチ29aに外力が付与されないとき、スイッチ29aは初期位置に位置する。
【0033】
ECU21は、
図2に示されたように、CPU(Central Processing Unit)(プロセッサ)21A、ROM(Read Only Memory)21B、RAM(Random Access Memory)21C、ストレージ21D、無線通信I/F(Interface)(無線通信機)21E、内部通信I/F21F及び入出力I/F21Gを含んで構成されている。CPU21A、ROM21B、RAM21C、ストレージ21D、無線通信I/F21E、内部通信I/F21F及び入出力I/F21Gは、内部バス21Zを介して相互に通信可能に接続されている。ECU21は、タイマーから時刻に関する情報を取得可能である。ECU21(入出力I/F21G)には、ディスプレイ22、スピーカ23、第1カメラ24、第2カメラ25、GPS受信機26、及びスイッチ29aが接続されている。
【0034】
CPU21Aは、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dからプログラムを読み出し、RAM21Cを作業領域としてプログラムを実行する。CPU21Aは、ROM21B又はストレージ21Dに記録されているプログラムに従って、各構成の制御及び各種の演算処理を行う。
【0035】
ROM21Bは、各種プログラム及び各種データを格納する。例えば、ROM21Bには、複数のアプリケーション(プログラム)がインストールされている。例えば、ROM21Bには、後述する通知用アプリケーションがインストールされている。RAM21Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージ21Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により構成され、各種プログラム及び各種データを格納する。例えばストレージ21Dには、車両20が位置する国全体の地図データが記録されている。
【0036】
無線通信I/F21Eは、様々な機器と無線通信するためのインターフェースである。例えば無線通信I/F21Eは、外部サーバ30と無線通信可能である。さらに、各空気圧センサ28が無線送信した各タイヤ27Aの空気圧に関する情報は、無線通信I/F21Eによって受信される。無線通信I/F21Eは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。無線通信I/F21Eは、Eメールを送受信可能である。
【0037】
内部通信I/F21Fは、車両20に設けられたECU21とは別のECUと外部バスを介して接続するためのインターフェースである。
【0038】
入出力I/F21Gは、様々な装置と通信するためのインターフェースである。例えば、入出力I/F21Gは、ディスプレイ22、スピーカ23、第1カメラ24、第2カメラ25、GPS受信機26、及びスイッチ29aと通信可能である。
【0039】
図3にはECU21の機能構成の一例がブロック図で示されている。ECU21は、機能構成として、表示制御部211、スピーカ制御部212、車内状態判定部213、タイヤ状態判定部214、情報認識部215及び通知処理部216を有する。表示制御部211、スピーカ制御部212、車内状態判定部213、タイヤ状態判定部214、情報認識部215及び通知処理部216は、CPU21AがROM21Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0040】
表示制御部211はディスプレイ22を制御する。ECU21には複数のアプリケーション(プログラム)がインストールされている。そのため
図5に示されるように、ディスプレイ22がオン状態にあるとき、表示制御部211はディスプレイ22に、8つのアプリケーションを表すアプリケーション画像(以下、AP画像)22AP1、22AP2、22AP3・・・22AP8を含むメイン画像(初期画像)22MDを表示させることが可能である。AP画像22AP1は通知用アプリケーションを表す画像である。
【0041】
スピーカ制御部212はスピーカ23を制御する。
【0042】
車内状態判定部213は、第1カメラ24が取得した撮影データに基づいて、車両20の内部に乗員がいるか否かを判定する。
【0043】
タイヤ状態判定部214は、各空気圧センサ28から受信した各タイヤ27Aの空気圧に関する情報に基づいて、車両20が走行可能な状態にあるか否かを判定する。例えば、2つ以上のタイヤ27Aの空気圧が所定の閾値以下であると判定した場合に、タイヤ状態判定部214は「車両20は走行不能状態にある」と判定する。以下、タイヤ27Aの空気圧に基づく車両20の走行可否に関する情報を「走行可否情報」と称する。走行可否情報は、位置情報及び時刻情報と関連付けなれながらストレージ21Dに記録される。
【0044】
情報認識部215は、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から、車両20が位置する地域の災害情報、及び、災害の大きさを表す災害ランクに関する情報を受信したときに、これらの情報を認識する。情報認識部215が認識したこれらの情報はディスプレイ22に表示される。
【0045】
通知処理部216は、通知用アプリケーションが起動された状態でディスプレイ22に対して所定のタッチ操作が行われたとき、通知用アプリケーションが有する機能を実現する。さらに通知処理部216は、スイッチ29aが操作位置へ移動させられたときに、後述する通知処理を実行する。
【0046】
図1に示された外部サーバ30は、
図2に示されるように、ハードウェア構成として、CPU(プロセッサ)30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D、無線通信I/F30E、内部通信I/F30F及び入出力I/F30Gを含んで構成されている。CPU30A、ROM30B、RAM30C、ストレージ30D、無線通信I/F30E、内部通信I/F30F及び入出力I/F30Gは、内部バス30Zを介して相互に通信可能に接続されている。ECU30は、タイマーから時刻に関する情報を取得可能である。
【0047】
図4には外部サーバ30のハードウェアの機能構成の一例がブロック図で示されている。外部サーバ30のハードウェアは、機能構成として送受信制御部301及びランク判定部302を有する。送受信制御部301及びランク判定部302は、CPU30AがROM30Bに記憶されたプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0048】
送受信制御部301は、無線通信I/F30E及び内部通信I/F30Fを制御する。無線通信I/F30Eは、車両20が位置する地域の自治体が管理する自治体サーバ(図示省略)が無線送信した、当該地域で発生した災害情報を受信する。本実施形態の災害には、例えば、地震、雨、竜巻、及び津波が含まれる。
【0049】
送受信制御部301は、無線通信I/F30Eが自治体サーバから受信した災害情報及びROM30Bに記憶されたランク判定マップ31(
図13参照)に基づいて、受信した災害情報が表す災害の災害ランクを判定する。ランク判定マップ31には、地震及び雨に関する災害ランクが規定されている。なお、ランク判定マップ31は竜巻及び津波に関する災害ランクも規定しているが、
図13では便宜上これらの説明が省略されている。災害の規模が大きくなるほど、災害ランクを表す数字が大きくなる。
【0050】
図1に示された通信端末50は、例えばスマートフォンである。通信端末50には、タッチパネルを有するディスプレイ51が設けられている。通信端末50はハードウェア構成として、CPU、ROM、RAM、ストレージ、無線通信I/F、内部通信I/F及び入出力I/F、及び内部バスを備える。通信端末50は、Eメールを送受信可能である。
【0051】
(作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0052】
まず外部サーバ30が行う処理の流れについて、
図15のフローチャートを用いて説明する。外部サーバ30は、所定時間が経過する毎に、
図15のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0053】
まずステップS10において外部サーバ30の送受信制御部301は、無線通信I/F30Eが上記自治体サーバから、車両20が位置する地域に関する災害情報を受信したか否かを判定する。
【0054】
ステップS10においてYesと判定した外部サーバ30はステップS11へ進み、ランク判定部302が、受信した災害情報及びランク判定マップ31に基づいて、受信した災害情報が表す災害の災害ランクを判定する。例えば、ステップS10において「震度4の地震が発生した」という災害情報を外部サーバ30が受信した場合、ランク判定部302は、この災害情報が表す災害の災害ランクが「4」であると判定する。
【0055】
ステップS11の処理を終えた外部サーバ30はステップS12へ進み、送受信制御部301が無線通信I/F30Eに、受信した災害情報及び災害ランクに関する情報を、車両20へ無線送信させる。
【0056】
ステップS12の処理を終えたとき又はステップS10でNoと判定したとき、外部サーバ30は
図15のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0057】
次に車両20のECU21が行う処理の流れについて、
図16~
図20のフローチャートを用いて説明する。まずは
図16のフローチャートについて説明する。ECU21は、所定時間が経過する毎に、
図16のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0058】
ステップS20においてECU21の情報認識部215は、無線通信I/F21Eが外部サーバ30から、車両20が位置する地域の災害情報及び災害ランクに関する情報を受信したか否かを判定する。
【0059】
ステップS20でYesと判定したECU21はステップS21へ進み、
図14に示されるように、表示制御部211がディスプレイ22に、災害情報及び災害ランクに関する情報を表示させる。なお、
図14に示されたメイン画像表示ボタン22Rに乗員がタッチ操作を行うと、ディスプレイ22に
図5に示されたメイン画像22MDが表示される。
【0060】
ステップS21の処理を終えたとき又はステップS20でNoと判定したとき、ECU21は
図16のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0061】
さらにECU21は、所定時間が経過する毎に、
図17のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0062】
ステップS30においてECU21の通知処理部216は、通知用アプリケーションが起動され且つディスプレイ22に
図6に示されたアプリ初期画像22MIが表示されているか否かを判定する。即ち、通知処理部216は、
図5に示されたメイン画像22MDに含まれるAP画像22AP1にタッチ操作が行われたか否かを判定する。アプリ初期画像22MIには、メッセージ送信ボタン22-1MI、メッセージ編集ボタン22-2MI、送信先編集ボタン22-3MI及びメイン画像表示ボタン22Rが含まれる。
【0063】
ステップS30でYesと判定したECU21はステップS31へ進み、車両20の乗員によってメッセージ送信ボタン22-1MIに対してタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0064】
例えば、ステップS21の処理によってディスプレイ22に表示された災害情報及び災害ランクに関する情報を見た乗員が、メッセージ送信ボタン22-1MIに対してタッチ操作を行った場合に、ECU21はステップS31でYesと判定してステップS32へ進む。ステップS32において、通知処理部216によって制御された無線通信I/F21Eが通信端末50へEメールを無線送信する。このEメールには、メッセージ、車両20の位置情報、並びに、ストレージ21Dに記録された走行可否情報、車内画像データ及び外画像データが含まれる。なお、送信される車内画像データ及び外画像データは、ステップS32の処理時刻より所定時間だけ前の時刻と処理時刻との間に取得されたデータであってもよい。例えば、処理時刻より1分前の時刻と処理時刻との間に取得された車内画像データ及び外画像データが、メッセージと一緒に送信されてもよい。車両20からEメールを受信した通信端末50のディスプレイ51には、受信したメッセージ、車両20の位置情報、走行可否情報、車内画像データが表す画像及び外画像データが表す画像が表示される。
【0065】
なお、
図7に示されるように、ECU21のストレージ21Dには、車両20が各通信端末50へ送信可能な複数のメッセージが記録されている。即ち、車両20は各通信端末50へ、
図7に示されたメッセージ編集画像22MRに含まれる第1メッセージ22MS-1、第2メッセージ22MS-2又は第3メッセージ22MS-3を送信可能である。第1メッセージ22MS-1、第2メッセージ22MS-2及び第3メッセージ22MS-3は以下の内容である。
第1メッセージ:無事です
第2メッセージ:ここに居ます
第3メッセージ:避難所へ行きます
【0066】
さらに
図10に示されるように、ECU21のストレージ21Dには、3つの通信端末50に対応する送信先情報が記録されている。即ち、第1送信先情報22DR-1、第2送信先情報22DR-2及び第3送信先情報22DR-3は、それぞれ3つの通信端末50の所持者(氏名)及びEメールアドレスに関する情報を表す。
【0067】
通知用アプリケーションが初期設定状態にあるとき、第1メッセージ22MS-1が送信対象メッセージとして選択(登録)され、且つ、第1送信先情報22DR-1が対象送信先情報として選択(登録)されている。そのため、通知用アプリケーションが初期設定状態にある状態において、ステップS32の処理が実行されると、無線通信I/F21Eが、第1送信先情報22DR-1に対応する通信端末50へ「無事です」というメッセージをEメール送信する。なお複数の送信先情報が、対象送信先情報として選択されてもよい。
【0068】
またステップS30、31においてNoと判定したとき、又は、ステップS2の処理を終えたとき、ECU21はステップS33へ進み、スイッチ29aが初期位置から操作位置へ移動させられたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0069】
ステップS33でYesと判定したECU21はステップS34へ進み、ステップS32と同じ処理を実行する。
【0070】
ステップS34の処理を終えたECU21はステップS35へ進み、
図6に示されたメイン画像表示ボタン22Rにタッチ操作が行われたか否かを判定する。
【0071】
ステップS35でYesと判定したECU21はステップS36へ進み、表示制御部211がディスプレイ22に、
図5に示されたメイン画像22MDを表示させる。
【0072】
ステップS36の処理を終えたとき、又は、ステップS35でNoと判定したとき、ECU21は
図17のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0073】
さらにECU21は、所定時間が経過する毎に、
図18のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0074】
ステップS40においてECU21の情報認識部215は、ステップS20と同じ処理を実行する。
【0075】
ステップS40でYesと判定したECU21はステップS41へ進み、情報認識部215が、受信した災害ランクが所定ランク以上か否かを判定する。この所定ランクは、例えばランク3である。但し、所定ランクは、ランク2以上の任意のランクであればよい。
【0076】
ステップS41でYesと判定したECU21はステップS42へ進み、通知処理部216が、所定時間内にステップS32、34の処理が実行されたか否かを判定する。この所定時間は、例えば5分である。
【0077】
ステップS42でYesと判定したECU21はステップS43へ進み、通知処理部216が、第1カメラ24から受信した車内画像データに基づいて、車両20の車内に乗員がいないか否かを判定する。換言すると、通知処理部216は、全ての乗員が車内から車外へ移動したか否かを判定する。
【0078】
ステップS43でYesと判定したECU21はステップS44へ進み、通知処理部216が、ステップS32と同じ処理を実行する。即ち、乗員の意思とは無関係に、車両20の無線通信I/F21Eが通信端末50へEメールを無線送信する。
【0079】
ステップS44の処理を終えたとき、ステップS40、41、43でNoと判定したとき、又はステップS42でYesと判定したとき、ECU21は
図18のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0080】
さらにECU21は、所定時間が経過する毎に、
図19のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0081】
ステップS50においてECU21の通知処理部216は、通知用アプリケーションが起動され且つディスプレイ22に
図6に示されたアプリ初期画像22MIが表示されているか否かを判定する。
【0082】
ステップS50でYesと判定したECU21はステップS51へ進み、メッセージ編集ボタン22-2MIにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0083】
ステップS51でYesと判定したECU21はステップS52へ進み、表示制御部211がディスプレイ22に、
図7に示されたメッセージ編集画像22MRを表示させる。メッセージ編集画像22MRには、第1メッセージ22MS-1、第2メッセージ22MS-2、第3メッセージ22MS-3、3つの選択ボタン22SL、3つの削除ボタン22DT、及びメッセージ追加ボタン22ADが含まれる。
【0084】
ステップS52の処理を終えたECU21はステップS53へ進み、メッセージ追加ボタン22ADにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0085】
ステップS53でYesと判定したECU21はステップS54へ進み、表示制御部211がディスプレイ22に、
図8に示されたメッセージ作成画像22MMを表示させる。メッセージ作成画像22MMには、キーボード22KY、メッセージ表示領域22DS、及び確定ボタン22MKが含まれる。
【0086】
ステップS54の処理を終えたECU21はステップS55へ進み、キーボード22KYに含まれる複数の文字画像(図示省略)の少なくとも一つにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。これらの文字画像には、例えばアルファベットが含まれる。即ち、乗員がキーボード22KYを利用して新しいメッセージを作成しているか否かを、通知処理部216が判定する。
【0087】
ステップS55でYesと判定したECU21はステップS56へ進み、表示制御部211がメッセージ表示領域22DSに、キーボード22KYを利用して入力された文字を表示させる。
【0088】
ステップS56の処理を終えたECU21はステップS57へ進み、確定ボタン22MKにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。ステップS57でNoと判定したとき、ECU21はステップS55の処理を再度行う。
【0089】
例えば、
図8に示されるように、キーボード22KYを利用して「3時間以内に帰宅します」という新しいメッセージが入力された後にステップS57においてYesと判定した場合、通知処理部216が作成された新しいメッセージをストレージ21Dに記録する。さらにECU21はステップS58へ進む。
【0090】
ステップS58において、表示制御部211がディスプレイ22に、
図9に示されたメッセージ編集画像22MRを表示させる。このメッセージ編集画像22MRには、ステップS55で作成された上記メッセージを表す第4メッセージ22MS-4、並びに、第4メッセージ22MS-4に対応する選択ボタン22SL及び削除ボタン22DTが含まれる。
【0091】
ステップS58の処理を終えたECU21はステップS59へ進み、いずれかの選択ボタン22SLにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0092】
例えば、第4メッセージ22MS-4に対応する選択ボタン22SLにタッチ操作が行われた場合、ECU21はステップS59でYesと判定してステップS60へ進む。この場合、通知処理部216が、第4メッセージを第1メッセージの代わりに送信対象メッセージとして選択(登録)する。
【0093】
ステップS60の処理を終えたECU21はステップS61へ進み、いずれかの削除ボタン22DTにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0094】
ステップS61でYesと判定したECU21はステップS62へ進み、通知処理部216が、タッチ操作された削除ボタン22DTに対応するメッセージ(第1メッセージ22MS-1、第2メッセージ22MS-2、第3メッセージ22MS-3、第4メッセージ22MS-4)をストレージ21Dから削除する。
【0095】
ステップS62の処理を終えたとき、又はステップS50、51でNoと判定したとき、ECU21は
図19のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0096】
従って、例えば第4メッセージが送信対象メッセージとして選択された後に、ステップS32又はステップS44の処理が実行されると、無線通信I/F21Eが通信端末50へ第4メッセージと一緒にEメールを無線送信する。
【0097】
さらにECU21は、所定時間が経過する毎に、
図20のフローチャートの処理を繰り返し実行する。
【0098】
ステップS70においてECU21の情報認識部215は、ステップS50と同じ処理を実行する。
【0099】
ステップS70でYesと判定したECU21はステップS71へ進み、
図6に示された送信先編集ボタン22-3MIにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0100】
ステップS71でYesと判定したECU21はステップS72へ進み、表示制御部211がディスプレイ22に、
図10に示された送信先編集画像22SDを表示させる。送信先編集画像22SDには、第1送信先情報22DR-1、第2送信先情報22DR-2、第3送信先情報22DR-3、3つの選択ボタン22SL、3つの削除ボタン22DT、及び送信先追加ボタン22ASが含まれる。第1送信先情報22DR-1、第2送信先情報22DR-2、及び第3送信先情報22DR-3にはそれぞれ、氏名及びEメールアドレスに関する情報が含まれる。
【0101】
ステップS72の処理を終えたECU21はステップS73へ進み、送信先追加ボタン22ASにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0102】
ステップS73でYesと判定したECU21はステップS74へ進み、表示制御部211がディスプレイ22に、
図11に示された送信先作成画像22SMを表示させる。送信先作成画像22SMには、キーボード22KY、送信先表示領域22DD、及び確定ボタン22MKが含まれる。
【0103】
ステップS74の処理を終えたECU21はステップS75へ進み、キーボード22KYに含まれる複数の文字画像の少なくとも一つにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。即ち、乗員がキーボード22KYを利用して新しい送信先情報を作成しているか否かを、通知処理部216が判定する。
【0104】
ステップS75でYesと判定したECU21はステップS76へ進み、表示制御部211が送信先表示領域22DDに、キーボード22KYを利用して入力された文字を表示させる。
【0105】
ステップS76の処理を終えたECU21はステップS77へ進み、確定ボタン22MKにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。ステップS77でNoと判定したとき、ECU21はステップS75の処理を再度行う。
【0106】
例えば、
図11に示されるように、キーボード22KYを利用して新しい送信先情報が入力された後にステップS77においてYesと判定した場合、通知処理部216が作成された新しい送信先情報をストレージ21Dに記録する。さらにECU21はステップS78へ進む。
【0107】
ステップS78において、表示制御部211がディスプレイ22に、
図12に示された送信先編集画像22SDを表示させる。この送信先編集画像22SDには、ステップS75で作成された上記送信先情報を表す第4送信先情報22DR-4、並びに、第4送信先情報22DR-4に対応する選択ボタン22SL及び削除ボタン22DTが含まれる。
【0108】
ステップS78の処理を終えたECU21はステップS79へ進み、いずれかの選択ボタン22SLにタッチ操作が行われたか否かを通知処理部216が判定する。
【0109】
例えば、第4送信先情報22DR-4に対応する選択ボタン22SLにタッチ操作が行われた場合、ECU21はステップS79でYesと判定してステップS80へ進む。この場合、通知処理部216が、第1送信先情報22DR-1に加えて第4送信先情報22DR-4を対象送信先情報として選択(登録)する。
【0110】
ステップS80の処理を終えたECU21はステップS81へ進み、いずれかの削除ボタン22DTにタッチ操作が行われたか否かを、通知処理部216が判定する。
【0111】
ステップS81でYesと判定したECU21はステップS82へ進み、通知処理部216が、タッチ操作された削除ボタン22DTに対応する送信先情報(第1送信先情報22DR-1、第2送信先情報22DR-2、第3送信先情報22DR-3、第4送信先情報22DR-4)をストレージ21Dから削除する。
【0112】
ステップS82の処理を終えたとき、又はステップS70、71でNoと判定したとき、ECU21は
図20のフローチャートの処理を一旦終了する。
【0113】
従って、例えば第1送信先情報22DR-1に加えて第4送信先情報22DR-4を対象送信先情報として選択された後に、ステップS32又はステップS44の処理が実行されると、通知処理部216によって制御された無線通信I/F21Eが、第1送信先情報22DR-1及び第4送信先情報22DR-4に対応する2つの通信端末50へメッセージと一緒にEメールを無線送信する。
【0114】
以上説明したように本実施形態では、乗員がディスプレイ22(メッセージ送信ボタン22-1MI)を介してECU21へ与えた指示又は外部サーバ30から無線通信I/F21Eが受信した災害情報に基づいて、ECU21が、通信端末50へ通知を行うように無線通信I/F21Eを制御する。従って、車両20の乗員が携帯端末を所持しない場合であっても、乗員は車両20の無線通信I/F21Eを利用することにより、自身の安否を表すメッセージを通信端末50へ通知できる。従って、この通信端末50を見た者は、車両20の乗員の安否情報を認識できる。
【0115】
さらに、車両20の乗員は、通知用アプリケーションを起動した後にディスプレイ22に表示されたメッセージ送信ボタン22-1MIにタッチ操作を行うだけで、無線通信I/F21Eにメッセージを送信させられる。即ち、乗員は簡単な操作により、無線通信I/F21Eにメッセージを送信させられる。
【0116】
さらに、車両20の乗員は、ステアリグホイール29に設けられたスイッチ29aを初期位置から操作位置へ移動させることにより、無線通信I/F21Eにメッセージを送信させられる。そのため乗員は、車両20の運転操作を行いながら、簡単な操作により、無線通信I/F21Eにメッセージを送信させることが可能である。さらに乗員は、通知用アプリケーションが起動されていない状態においても、スイッチ29aを操作位置へ移動させることにより、無線通信I/F21Eにメッセージを送信させられる。
【0117】
さらに、通信端末50へ通知されるメッセージと一緒に、車両20から通信端末50へ、車両20の位置情報が送信される。従って、この通信端末50を見た者は、車両20の現在位置を認識できる。
【0118】
さらに、通信端末50へ通知されるメッセージと一緒に、車両20から通信端末50へ走行可否情報が送信される。従って、この通信端末50を見た者は、車両20(タイヤ27A)が走行可能な状態にあるか否かを認識できる。
【0119】
さらに、通信端末50へ通知されるメッセージと一緒に、車両20から通信端末50へ車内画像データ及び外画像データが送信される。従って、この通信端末50を見た者は、車両20の乗員の様子を認識できる。さらにこの通信端末50を見た者は、車外の様子を認識できる。例えば、この者は、車両20の外部の天気及び車両20が位置する道路の路面状態を認識できる。
【0120】
さらに第1カメラ24の検出結果に基づいて全ての乗員が車内から車外に出たとECU21が判定し、且つ、無線通信I/F21Eが外部サーバ30からランク3以上の災害ランクの災害を表す災害情報を受信したときに、乗員の意思とは無関係に、無線通信I/F21Eが通信端末50へ通知を行う。そのため、例えば災害発生時に冷静な判断力を失った乗員がディスプレイ22及びスイッチ29aに対する操作を実行しなかった場合においても、全ての乗員が車外へ移動したときに、無線通信I/F21Eが通信端末50へ通知を行う。そのため、乗員が冷静な判断力を失った場合であっても、車両20から通信端末50へ通知が行われる可能性が高い。
【0121】
さらに無線通信I/F21Eが外部サーバ30からランク3以上の災害ランクの災害を表す災害情報を受信した場合にのみ、無線通信I/F21Eが通信端末50へ通知を行う。換言すると、無線通信I/F21Eが外部サーバ30からランク3未満の災害ランクの災害を表す災害情報を受信した場合は、無線通信I/F21Eが通信端末50へ通知を行わない。従って、通知を行う必要性が低い小さな災害が発生した場合に、乗員の意思とは無関係に、無線通信I/F21Eが通信端末50へ通知を行うことがない。
【0122】
以上、実施形態に係る無線通信システム、無線通信方法及びプログラムについて説明したが、無線通信システム、無線通信方法及びプログラムは本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
【0123】
通信端末50は、車両20と無線通信可能であれば、如何なるものであってもよい。例えば、通信端末50は、タブレット型コンピュータ又はパーソナルコンピュータであってもよい。
【0124】
車両20はEメールとは異なる通信手段を用いて通信端末50へ通知を行ってもよい。例えば、車両20は通信端末50へSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)又はSMS(ショートメッセージサービス)を用いて通知を行ってもよい。
【0125】
車両20が通信端末50に対して行う通知に含まれる情報が、上記メッセージ、車両20の位置情報、走行可否情報、車内画像データ及び外画像データの一部のみを含んでもよい。また、通知に含まれる情報が、上記メッセージ、車両20の位置情報、走行可否情報、車内画像データ及び外画像データとは異なる情報を含んでもよい。
【0126】
車両20に設けられるセンサは、第1カメラ24、第2カメラ25及び空気圧センサ28の少なくとも一つであってもよい。例えば、車両20が、第1カメラ24及び第2カメラ25の一方のみを備えてもよい。また、車両20が、第1カメラ24、第2カメラ25及び空気圧センサ28とは異なるセンサを備えてもよい。
【0127】
車両20に設けられた人感センサ(検出装置)の検出結果に基づいて、ECU21が車内に乗員がいるか否かを判定してもよい。
【0128】
図16のフローチャートのステップS21の処理が、スピーカ制御部212がスピーカ23に、災害情報及び災害ランクを音声出力させる処理であってもよい。
【0129】
さらに車両20が音声認識装置(操作装置)を具備してもよい。この場合は、無線通信I/F21Eに通知を行わせるための指示を、乗員が音声により行う。この場合、音声による指示を音声認識装置が認識し、認識した指示内容が、音声認識装置からECU21へ送信される。
【0130】
車両20のECU21が、ランク判定部302と同じ機能を有してもよい。この場合、ECU21は、外部サーバ30から受信した災害情報及びECU21のROM21B又はストレージ21Dに記録されたランク判定マップ31に基づいて、災害ランクを判定する。
【0131】
車両20が、通知用アプリケーション及びスイッチ29aの一方を備えなくてもよい。
【0132】
車両20のステアリグホイール29とは異なる部位に、スイッチ29aが設けられてもよい。例えば、インストルメントパネルにスイッチ29aが設けられてもよい。
【0133】
車両20がGPS受信機26の代わりに、GPS以外の全地球航法衛星システム(例えばガリレオ)の衛星からの情報を受信可能な受信機を備えてもよい。
【符号の説明】
【0134】
10 無線通信システム
20 車両
21A CPU(プロセッサ)
21E 無線通信I/F(無線通信機)
22 ディスプレイ(操作装置)
24 第1カメラ(検出装置)(センサ)
25 第2カメラ(センサ)
28 空気圧センサ(センサ)
29 ステアリグホイール
29a スイッチ
30 外部サーバ(外部通信装置)
50 通信端末