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特開2023-72526プリズム体、プリズム装置、反射型表示装置及び情報表示システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072526
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】プリズム体、プリズム装置、反射型表示装置及び情報表示システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/10 20060101AFI20230517BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20230517BHJP
   G09F 19/18 20060101ALI20230517BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20230517BHJP
   G03B 21/56 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
G02B5/10 A
G02B26/08 D
G09F19/18 F
G03B21/00 D
G03B21/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185142
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000195029
【氏名又は名称】星和電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂根 真矢
【テーマコード(参考)】
2H021
2H042
2H141
2K203
【Fターム(参考)】
2H021BA02
2H042DA20
2H042DA22
2H042DB07
2H042DD04
2H042DD05
2H141MA12
2H141MB23
2H141MD12
2H141MD20
2H141MF12
2H141MF16
2H141MG03
2H141MZ14
2K203GC22
2K203HA84
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して視認性に優れた映像を表示することができる情報表示システム並びにこれを実現するプリズム体、プリズム装置及び反射型表示装置を提供する。
【解決手段】光源から光が投射される被投射面上に複数箇所に亘って配されて、該光源からの光を個々に所定の一方向に向けて出射可能なプリズム体1であって、光源側に曲面を描いて凸出する入出射面10と、入出射面10側に曲面を描いて凹入する反射面11と、を備え、入出射面10の接線方向に直交する第1方向Xに沿う断面形状と、第1方向Xに直交する第2方向Yに沿う断面形状とが、ともに凸メニスカスレンズ状である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から光が投射される被投射面上に複数箇所に亘って配されて、該光源からの光を個々に所定の一方向に向けて出射可能なプリズム体であって、
前記光源側に曲面を描いて凸出する入出射面と、該入出射面側に曲面を描いて凹入する反射面と、を備え、
前記入出射面の接線方向に直交する第1方向に沿う断面形状と、該第1方向に直交する第2方向に沿う断面形状とが、ともに凸メニスカスレンズ状であることを特徴とするプリズム体。
【請求項2】
請求項1に記載のプリズム体であって、
平面視で矩形状に形成されていることを特徴とするプリズム体。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプリズム体であって、
前記反射面には、入射光を反射する反射領域と、前記入射光を反射しない非反射領域と、が画成されたことを特徴とするプリズム体。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載のプリズム体と、
前記反射面の背後において、前記プリズム体を揺動可能に支持する揺動軸部と、を備えたプリズム装置。
【請求項5】
映像源から投射された映像光をスクリーン上で反射して映像を表示する反射型表示装置であって、
前記スクリーン上には、請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載のプリズム体又は請求項4に記載のプリズム装置がマトリクス状に多数個配設されることにより像反射部が構成されるとともに、該像反射部における個々の前記プリズム体又はプリズム装置から出射される各出射光の向きが同一方向となるように前記個々のプリズム体又はプリズム装置の姿勢が調整されていることを特徴とする反射型表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の反射型表示装置であって、
前記スクリーンには、外乱光を遮蔽する外乱光遮蔽部が設けられていることを特徴とする反射型表示装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の反射型表示装置であって、
前記スクリーン面の少なくとも一側端部が前記映像光の投射側に湾曲されていることを特徴とする反射型表示装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7までのいずれか1つに記載の反射型表示装置と、
前記反射型表示装置に映像光を投射するプロジェクタと、を備えた情報表示システム。
【請求項9】
請求項8に記載の情報表示システムであって、
前記プロジェクタは、前記映像光をRGBの三原色で出射可能とされるとともに、前記スクリーンに向けて前記像反射部の一つのプリズム体又はプリズム装置が一つの色成分を反射するよう投射し、
前記反射型表示装置は、前記個々のプリズム体又はプリズム装置がそれぞれ反射する前記三原色によって構成される映像を表示することを特徴とする情報表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリズム体、プリズム装置、反射型表示装置及び情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路上の事故発生状況や天気情報等をユーザに対して文字や画像等として表示する情報表示システムとして、プロジェクタから投射された映像光をスクリーン上で反射して映像を表示する情報表示手段が公知である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-279857号公報
【特許文献2】特開2019-41862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の情報表示手段においては、反射光がスクリーン面で拡散してしまうことから、ユーザから視た文字や画像等の視認性に改善の余地があった。また、上記従来の情報表示手段においては、反射光の向きがスクリーンの形状に依拠することから、反射光の配光設計の自由度が低く、このため、文字や画像等の視認性の改善が困難であるという難点があった。
【0005】
そこで、本発明者は、特願2021-129967号の出願において、ユーザに対して視認性に優れた映像を表示することができる情報表示システム並びにこれを実現するプリズム体、プリズム装置及び反射型表示装置を提案した。
【0006】
上記の出願におけるプリズム体9は、図18に示すように、入出射面90と、この入出射面90に対向する反射面91と、を備え、入出射面90の接線方向に直交する一方向(C1方向)に沿う断面形状が凸メニスカスレンズ状に形成されたものである。プリズム体9の特徴的な形状によって、光を効率的に所定の一方向、例えば、ユーザに向けて出射させることが可能となる。具体的には、プリズム体9を反射面91(又は入出射面90)の湾曲に沿う方向に揺動させることにより、プリズム体9に対する入射光の入射角度に関わらず、プリズム体9から光をユーザに向けて出射させることができる。
【0007】
上記のプリズム体9は、光源から光が投射される被投射面上(例えば、反射型表示装置のスクリーン)に複数箇所に亘って配して用いられる。被投射面上に配された個々のプリズム体9の姿勢が調整されることにより、個々のプリズム体9に対する入射光の入射角度に関わらず、個々のプリズム体9から光をユーザに向けて出射させることができる。すなわち、被投射面上に配された個々のプリズム体9を用いて、被投射面からユーザに対して視認性に優れた光を出射させることができる。
【0008】
ところで、上記のプリズム体9は、入出射面90の接線方向に直交する一方向(C1方向)に沿う断面形状が凸メニスカスレンズ状である一方で、上記の一方向に直交する他方向(C2方向)に沿う断面形状は、矩形状である。このため、C1方向においては、図19Aに示すように、プリズム体9の出射光の強度が全域に亘って緩やかに1つのピークを有する山を描いたようになり、プリズム体9の出射光のピークが明確である一方で、C2方向においては、図19Bに示すように、プリズム体9の出射光の強度には複数のピークが形成され、プリズム体9の出射光に局所的なムラが生じるとの知見を本発明者は得た。
【0009】
そこで、本発明者は、得られた知見に基づき鋭意研究を重ねた結果、上記のプリズム体9に見られるような照度の局所的なムラを軽減すれば出射光が鮮明になり、ひいては、出射光の視認性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ユーザに対して視認性に優れた映像を表示することができる情報表示システム並びにこれを実現するプリズム体、プリズム装置及び反射型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本願記載のプリズム体は、光源から光が投射される被投射面上に複数箇所に亘って配されて、該光源からの光を個々に所定の一方向に向けて出射可能なプリズム体であって、前記光源側に曲面を描いて凸出する入出射面と、該入出射面側に曲面を描いて凹入する反射面と、を備え、前記入出射面の接線方向に直交する第1方向に沿う断面形状と、該第1方向に直交する第2方向に沿う断面形状とが、ともに凸メニスカスレンズ状であることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記プリズム体は、平面視で矩形状に形成されていてもよい。
【0013】
また、前記プリズム体において、前記反射面には、入射光を反射する反射領域と、前記入射光を反射しない非反射領域と、が画成されていてもよい。
【0014】
また、本願記載のプリズム装置は、前記プリズム体と、前記反射面の背後において、プリズム体を揺動可能に支持する揺動軸部と、を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本願記載の反射型表示装置は、映像源から投射された映像光をスクリーン上で反射して映像を表示する反射型表示装置であって、前記スクリーン上には、前記プリズム体又は前記プリズム装置がマトリクス状に多数個配設されることにより像反射部が構成されるとともに、該像反射部における個々の前記プリズム体又はプリズム装置から出射される各出射光の向きが同一方向となるように前記個々のプリズム体又はプリズム装置の姿勢が調整されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、前記反射型表示装置において、前記スクリーンには、外乱光を遮蔽する外乱光遮蔽部が設けられていてもよい。
【0017】
また、前記反射型表示装置において、前記スクリーン面の少なくとも一側端部が前記映像光の投射側に湾曲されていてもよい。
【0018】
また、本願記載の情報表示システムは、前記反射型表示装置と、前記反射型表示装置に映像光を投射するプロジェクタと、を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
また、前記情報表示システムにおいて、前記プロジェクタは、前記映像光をRGBの三原色で出射可能とされるとともに、前記スクリーンに向けて前記像反射部の一つのプリズム体又はプリズム装置が一つの色成分を反射するよう投射し、前記反射型表示装置は、前記個々のプリズム体又はプリズム装置がそれぞれ反射する前記三原色によって構成される映像を表示してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザに対して視認性に優れた映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】プリズム体の一実施形態を示す斜視図である。
図2A】プリズム体の平面図である。
図2B図2Aのプリズム体のA1-A1端面図である。
図2C図2Aのプリズム体のA2-A2端面図である。
図2D図2Aのプリズム体のB1-B1端面図である。
図2E図2Aのプリズム体のB2-B2端面図である。
図3A】第1方向におけるプリズム体の出射光の相対強度を示すグラフである。
図3B】第2方向におけるプリズム体の出射光の相対強度を示すグラフである。
図4】被投射面上に配されたプリズム体を示す概略側面図である。
図5】プリズム装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
図6】反射型表示装置の一実施形態を示す概略正面図である。
図7図6の反射型表示装置の縦断面の一部を示す概略断面図である。
図8】スクリーンの横断面を示す概略断面図である。
図9図8のスクリーンの一変形例の縦断面の一部を示す概略断面図である。
図10図8のスクリーンの他の変形例の横断面を示す概略断面図である。
図11】情報表示システムの第1実施形態を示す概略平面図である。
図12図11の情報表示システムの概略構成を示すブロック図である。
図13】反射型表示装置の像反射部におけるプリズム装置の配設パターンの一例を示す概略正面図である。
図14】太陽光が反射型表示装置によって反射された状態を示す概略側面図である。
図15図11の情報表示システムの一変形例を示す概略側面図である。
図16図11の情報表示システムの他の変形例を示す概略平面図である。
図17】情報表示システムの第2実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図18】特願2021-129967号の出願におけるプリズム体を示す斜視図である。
図19A】一方向における図18のプリズム体の出射光の相対強度を示すグラフである。
図19B】他方向における図18のプリズム体の出射光の相対強度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各実施形態の間で同一の構成要素には同一の符号を付し、それら構成要素について重複する説明は省略する。
【0023】
-プリズム体-
まず、プリズム体1について説明する。
【0024】
(プリズム体の実施形態)
図1は、プリズム体1の一実施形態を示す斜視図である。図2Aは、プリズム体1の平面図である。図2Bは、図2Aのプリズム体1のA1-A1端面図である。図2Cは、図2Aのプリズム体1のA2-A2端面図である。図2Dは、図2Aのプリズム体1のB1-B1端面図である。図2Eは、図2Aのプリズム体1のB2-B2端面図である。図3Aは、第1方向Xにおけるプリズム体1の出射光の相対強度を示すグラフである。図3Bは、第2方向Yにおけるプリズム体1の出射光の相対強度を示すグラフである。図4は、被投射面P上に配されたプリズム体1を示す概略側面図である。なお、図4において、実線の直線矢印は入射光の方向を示し、破線矢印は出射光の方向を示している。
【0025】
プリズム体1は、光源側に曲面を描いて凸出する入出射面10と、入出射面10側に曲面を描いて凹入する反射面11と、を有している(図1参照)。以下、「入射光」とは、入出射面10に入射される光のことを指し、「出射光」とは、入出射面10から出射される光のことを指す。
【0026】
プリズム体1は、光を所定の一方向に向けて出射可能となっている。すなわち、次の通りである。なお、「一方向」とは、光の各光線の方向が互いに一致することは勿論のこと、単に、光の各光線の方向が概ね同一の方向であることも含む。まず、入出射面10が光源側に曲面を描いて凸出していることにより、反射面11で反射された光が集光されて出射光の拡散が抑制されるようになっている。また、反射面11が入出射面10側に曲面を描いて凹入していることにより、入出射面10からの出射光の集束が抑制されるようになっている。さらに、プリズム体1を反射面11又は入出射面10の湾曲に沿う方向に揺動させてプリズム体1の姿勢を調整することにより、出射光の向きを変えることができる。ここで、「姿勢」とは、空間における向き、すなわち、三次元空間における回転角度のことを指す。プリズム体1の揺動方向の具体例として、入出射面10の接線方向に直交する第1方向Xに沿った揺動軸線周り、第1方向Xに直交する第2方向Yに沿った揺動軸線周り、あるいは、第1方向Xと第2方向Yとの両方に交差する方向(図示しない)に沿った揺動軸線周りが挙げられる。以上を総括すると、入出射面10及び反射面11の形状によって、出射光を一方向に向けて出射させることができ、また、プリズム体1を反射面11又は入出射面10の湾曲に沿う方向に揺動させることにより、出射光を所定の方向に向けて出射させることができるようになっている。
【0027】
上記のプリズム体1の断面形状は、次の特徴を有している。すなわち、プリズム体1において、入出射面10の接線方向に直交する第1方向Xに沿う断面形状と、第1方向Xに直交する第2方向Yに沿う断面形状とが、ともに凸メニスカスレンズ状である。
【0028】
具体的には、図2A図2Cに示すように、プリズム体1の中央部において第1方向Xに沿う断面A1-A1の断面形状SA1と、プリズム体1の一端部において第1方向Xに沿う断面A2-A2の断面形状SA2とは、ともに凸メニスカスレンズ状である。プリズム体1の他端部において第1方向Xに沿う断面形状は、断面形状SA2と同等である。
【0029】
同様に、図2A図2D図2Eに示すように、プリズム体1の中央部において第2方向Yに沿う断面B1-B1の断面形状SB1と、プリズム体1の一端部において第2方向Yに沿う断面B2-B2の断面形状SB2とは、ともに凸メニスカスレンズ状である。プリズム体1の他端部において第2方向Yに沿う断面形状は、断面形状SB2と同等である。
【0030】
上記のプリズム体1の断面形状によって、図3Aに示すように、第1方向Xにおけるプリズム体1の出射光の強度は、全域に亘って緩やかに1つのピークを有する山を描いたようになる。同様に、図3Bに示すように、第2方向Yにおけるプリズム体1の出射光の強度も、全域に亘って緩やかに1つのピークを有する山を描いたようになる。これにより、第1方向X及び第2方向Yの両方向において、プリズム体1の出射光のピークが明確になることから、プリズム体1の出射光が鮮明になり、ひいては、出射光の視認性を向上させることができる。
【0031】
上記のプリズム体1は、光源から光が投射される被投射面P上に複数箇所に亘って配して用いられる(図4参照)。被投射面P上に配された個々のプリズム体1(1a~1c)を揺動させて個々のプリズム体1(1a~1c)の姿勢を調整することにより、個々のプリズム体1(1a~1c)に対する入射光の入射角度に関わらず、プリズム体1(1a~1c)から光を所定の一方向、例えば、ユーザに向けて出射させることができる。個々のプリズム体1(1a~1c)からユーザに向けて出射された光は、効率的にユーザの目に届くことから、ユーザが視認しやすい配光を有しているといえる。ここで、「配光」とは、光度の分布のことを指す。このように、プリズム体1(1a~1c)が被投射面P上に複数箇所に亘って配され、個々のプリズム体1(1a~1c)の姿勢が調整されることにより、ユーザが視認しやすい配光で光を出射させることができ、ひいては、ユーザに対して視認性に優れた光を出射させることができる。
【0032】
また、従来であれば、このような被投射面P上に複数箇所に亘ってプリズム体を配し、これらのプリズム体を用いて光を所定の一方向に出射させようとした場合、個々のプリズム体の形状をその配設位置に応じて変える必要があることから、製造コストが高くなり、組立が煩瑣になるという問題があった。さらに、被投射面Pの設置場所や形状に応じて異なる形状のプリズム体を用いる必要があることから、配光設計の自由度が低いという問題があった。本発明では、上記のように、プリズム体1を特有の形状として揺動させるようにしたことから、プリズム体1は、被投射面P上のどこに配されても、入射光の入射角度に関わらず光を効率的に所定の一方向に向けて出射可能となっている。すなわち、同一形状のプリズム体1を被投射面P上に複数箇所に亘って配し、これらのプリズム体1を用いて光を所定の一方向に向けて出射させることができるため、プリズム体の形状の共通化が図られ、ひいては、製造コストが抑えられ、組立が容易になる。さらに、被投射面Pの設置場所や形状に応じて、出射光の向きが所定の一方向となるように個々のプリズム体1を揺動させてその姿勢を調整すればよいため、被投射面Pの設置場所や形状に関わらずユーザが視認しやすい配光で光を出射させることができ、配光設計の自由度が向上する。
【0033】
本実施形態において、プリズム体1は、平面視で矩形状に形成されている(図2A参照)。これにより、複数のプリズム体1を被投射面P上に無駄な隙間なく敷き詰めることができる。
【0034】
ところで、従来の、プロジェクタ等から投射された光をスクリーン上で反射して映像を表示する情報表示手段においては、スクリーンが光を反射面の全体領域で反射するものであることから、このようなスクリーンの出射光においては、明度が低い色、特に黒色の色が過度に明るくなってしまい、表示像のコントラストが低く、視認性が乏しくなるという問題があった。
【0035】
そこで、本実施形態において、反射面11には、入射光を反射する反射領域12と、入射光を反射しない非反射領域13と、が画成されている(図1参照)。反射領域12は、反射面11の中央部に画成されており、非反射領域13は、反射領域12の外方に画成されている。例として、ミラー材等の反射部材から形成された反射面11の領域のうち、反射面11の中央部以外の領域に光吸収材が塗布され、又は、反射防止膜が積層されることにより、反射領域12及び非反射領域13が画成されている。反射領域12の大きさは、出射光に要する明るさが確保できる程度の大きさに設定されている。入射光のうち、反射領域12に当たった光は、反射領域12で反射されて出射光として入出射面10から出射される一方、非反射領域13に当たった光は、非反射領域13で吸収される。
【0036】
このように、反射面11に反射領域12のみならず非反射領域13が画成されていることにより、反射面11の全体領域が光を反射する場合と比較して、明度が低い色、特に黒色が過度に明るくなることを防ぐことができる。これにより、出射光の視認性を向上させることができる。
【0037】
なお、入射光の非照射時に入出射面10の表面を暗く見せるために、入出射面10の表面には、透光性のフィルム等が貼設されていてもよい。
【0038】
また、プリズム体1の表面には、防汚加工がされていてもよい。
【0039】
また、被投射面Pは、平面に限定されず、例えば、湾曲されていてもよい。
【0040】
-プリズム装置-
次に、上記プリズム体1を備えたプリズム装置2について説明する。
【0041】
(プリズム装置の実施形態)
図5は、プリズム装置2の一実施形態を示す概略斜視図である。
【0042】
プリズム装置2は、入射光の光軸方向に応じて出射光の向きを調整できるようにプリズム体1を装置化したものであり、プリズム体1と、揺動軸部20と、を備えている(図5参照)。なお、図5において、駆動部8の図示は省略している。
【0043】
揺動軸部20は、反射面11の背後において、プリズム体1を第1方向Xに沿った揺動軸線周りの揺動方向Rに揺動可能に支持するものである。本実施形態において、揺動軸部20は、反射面11の凹面の奥側の外表面に形成された図示しない取付孔に回動可能に貫通されており、駆動部8によって、又は、手動で回動駆動される。このような揺動軸部20がプリズム体1に添設されていることにより、プリズム体1の姿勢を容易に調整して出射光の向きを調整することができる。
【0044】
なお、揺動軸部20は、反射面11の背後において、プリズム体1を第2方向Yに沿った揺動軸線周りに揺動可能に支持するものであってもよいし、プリズム体1を第1方向Xと第2方向Yとの両方に交差する方向(図示しない)に沿った揺動軸線周りに揺動可能に支持するものであってもよい。
【0045】
-反射型表示装置-
続いて、上記プリズム体1又はプリズム装置2を用いた反射型表示装置3について説明する。
【0046】
(反射型表示装置の実施形態)
図6は、反射型表示装置3の一実施形態を示す概略正面図である。図7は、反射型表示装置3の縦断面の一部を示す概略断面図である。図8は、スクリーン30の横断面を示す概略断面図である。図9は、スクリーン30の一変形例の縦断面の一部を示す概略断面図である。図10は、スクリーン30の他の変形例の横断面を示す概略断面図である。なお、図7図9において、実線の直線矢印は入射光の方向を示し、破線矢印は出射光の方向を示している。
【0047】
反射型表示装置3は、映像源から投射された映像光を反射して映像を表示するものであり、映像光を反射するためのスクリーン30を備えている(図6参照)。ここで、「映像光」とは、映像信号に基づいて変調された光のことを指し、「映像」とは、静止画像及び動画像を含むものとする。本実施形態において、映像源は、反射型表示装置3の正面から視て左側下方に設置されており、プリズム装置2は、揺動軸部20がスクリーン30の横方向に沿うように配設されている。
【0048】
スクリーン30上には、プリズム装置2がマトリクス状に多数個配設されることにより、映像光を反射する像反射部31が構成されている(図6参照)。ここで、「マトリクス状」とは、行方向及び列方向に碁盤目状に配されたものに限らず、スクリーン30の領域全体において任意の体系又はパターンに即して配されたものをも含むものとする。像反射部31における個々のプリズム装置2からの出射光によって、映像が構成されるようになっている。
【0049】
像反射部31における個々のプリズム装置2から出射される各出射光の向きが同一方向となるように個々のプリズム装置2の姿勢が調整されている(図7参照)。具体的には、個々のプリズム装置2の揺動軸部20がそれぞれ回動駆動されて、個々のプリズム装置2のプリズム体1が揺動方向Rに揺動されることにより、像反射部31からユーザに向けて映像光が出射されるようになっている。換言すると、像反射部31から映像光をユーザが視認しやすい配光で出射させるように、個々のプリズム装置2の姿勢が調整されている。
【0050】
また、本実施形態において、揺動軸部20がスクリーン30の横方向に沿うように配設されていることから、プリズム装置2は、スクリーン30の横方向に沿った揺動軸線周りに揺動される。このため、像反射部31から出射される映像光の配光、特に、スクリーン30の上下方向における映像光の配光が絞られている。
【0051】
このような反射型表示装置3において、映像源から投射された映像光が、多数個のプリズム装置2から構成された像反射部31によって反射されて、像反射部31からユーザが視認しやすい配光で出射される。これにより、ユーザに対して視認性に優れた映像を表示することができる。なお、多数個のプリズム装置2の代わりに多数個のプリズム体1によって像反射部31が構成された場合も、同様の効果を奏する。
【0052】
本実施形態において、スクリーン30には、風の通過を許容する複数の通気孔33が穿設されている(図6参照)。このような複数の通気孔33によって、例えば、反射型表示装置3が道路上等の屋外の開けた環境に設置された場合において、反射型表示装置3に対する風の抵抗を軽減することができる。
【0053】
また、本実施形態において、スクリーン30には、外乱光を遮蔽する外乱光遮蔽部32が設けられている(図7参照)。ここで、「外乱光」とは、映像源以外の他の光信号や光のことを指し、例えば、太陽光や照明光等を含むものとする。外乱光遮蔽部32は、像反射部31における個々のプリズム装置2の間において、スクリーン30から庇状に延出している。このような外乱光遮蔽部32が設けられていることにより、外乱光による、像反射部31から出射される映像光のコントラスト低下を抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態において、スクリーン30面の左右端部が映像光の投射側に湾曲されている(図8参照)。このようなスクリーン30の形状によって、像反射部31から出射される映像光の配光、特に、スクリーン30の左右方向における映像光の配光が絞られることから、ユーザから視た映像の視認性を向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態において、スクリーン30の表面には、防汚加工がされている。
【0056】
なお、プリズム装置2は、揺動軸部20がスクリーン30の縦方向に沿うように配設されていてもよい。この場合、プリズム装置2は、スクリーン30の縦方向に沿った揺動軸線周りに揺動されることから、像反射部31から出射される映像光の配光、特に、スクリーン30の左右方向における映像光の配光が絞られる。また、この場合、図9に示すように、スクリーン30面の上端部を映像光の投射側に湾曲させることにより、像反射部31から出射される映像光の配光、特に、スクリーン30の上下方向における映像光の配光を絞り、ユーザから視た映像の視認性を向上させることができる。
【0057】
また、像反射部31における個々のプリズム装置2から出射される各出射光の向きを同一方向に調整するための補助手段として、図10に示すように、スクリーン30が複数の楔状の突起35を有するように形成されていてもよい。
【0058】
-情報表示システムの構成-
さらに、上記反射型表示装置3を備えた情報表示システム4(A,B)について説明する。説明の便宜上、情報表示システム4(A,B)の第1実施形態及び第2実施形態で、それぞれ情報表示システム4A、情報表示システム4Bのように符号を分けているが、両者の機能は同一である。
【0059】
(情報表示システムの第1実施形態)
図11は、情報表示システム4の第1実施形態である情報表示システム4Aを示す概略平面図である。図12は、情報表示システム4Aの概略構成を示すブロック図である。図13は、反射型表示装置3の像反射部31におけるプリズム装置2の配設パターンの一例を示す概略正面図である。図14は、太陽光が反射型表示装置3によって反射された状態を示す概略側面図である。図15は、情報表示システム4Aの一変形例を示す概略側面図である。図16は、情報表示システム4Aの他の変形例を示す概略平面図である。なお、図11図14図15及び図16において、実線矢印はプロジェクタ5から投射される映像光の方向を示し、破線矢印は反射型表示装置3の像反射部31が映像光を反射して出射する光の方向を示している。また、図14において、一点鎖線は太陽光の方向を示し、二点鎖線は反射型表示装置3の像反射部31が太陽光を反射して出射する光の方向を示している。
【0060】
情報表示システム4Aは、ユーザに対する情報を映像として表示するものであり、反射型表示装置3と、反射型表示装置3に映像光を投射するプロジェクタ5と、プロジェクタ5を制御する制御部6と、を備えている(図11図12参照)。本実施形態において、情報表示システム4Aは、道路上の事故発生状況や天気情報等を、ドライバDに向けて映像として表示するものである。ここで、「道路」とは、車両が走行可能な道のことを指し、一般道路、高速道路、トンネル内等を含むものとする。
【0061】
本実施形態において、反射型表示装置3は、道路の地面から所定の高さ位置に吊設されている。また、本実施形態において、反射型表示装置3の像反射部31は、多数個のプリズム装置2によって構成されている(図13参照)。像反射部31における個々のプリズム装置2から出射される出射光の向きがドライバDの方向となるように、プロジェクタ5から投射される映像光の光軸方向に応じて、個々のプリズム装置2の姿勢が調整されている。換言すると、像反射部31から光をドライバDが視認しやすい配光で出射させるように、個々のプリズム装置2の姿勢が調整されている。
【0062】
プロジェクタ5は、制御部6から映像信号を受信する映像信号受信部50と、ランプ等の光源51と、映像信号受信部50が受信した映像信号に基づいて光源51の出力光を変調する光変調部52と、光変調部52によって変調された映像光を投射する投射光学部53と、を有している(図12参照)。投射光学部53は、例えば、投射レンズ群である。なお、光源51は、LD(Laser Diode)、LED(Light Emitting Diode)等から構成されていてもよい。
【0063】
プロジェクタ5は、道路の左側の道路脇、すなわち、道路の通行側の道路脇に設置されている。
【0064】
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)等の処理部60と、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを含む記憶部61と、各種機器とのインターフェイスであるI/F部62と、処理部60の処理状態等を示す液晶ディスプレイ等からなる表示部63と、を有している(図12参照)。処理部60、記憶部61、I/F部62及び表示部63は、図示しないバス線によって相互に接続されている。
【0065】
記憶部61には、制御プログラム64が記憶されている。処理部60の制御によって、ROMに記憶されている制御プログラム64が読み出され、RAM上にロードされることにより、制御プログラム64が実行される。なお、制御プログラム64は、これに限られず、HDD等の記録媒体から読み込まれてもよいし、LAN(Local Area Network)等のネットワークからダウンロードされてもよい。
【0066】
I/F部62には、プロジェクタ5及び映像データを供給するPC等の外部機器に通信可能に接続されており、その通信の種類は限定されず、有線、無線、間接的接続、直接的接続等を含むものとする。
【0067】
上記のような情報表示システム4Aは、次のようにユーザに対する情報を文字や映像等として表示する。まず、制御部6の処理部60が、I/F部62に入力された映像データを、映像信号としてI/F部62からプロジェクタ5に送信する。プロジェクタ5の映像信号受信部50がこの映像信号を受信する。プロジェクタ5の光変調部52がこの映像信号に基づいて光源51の出力光を変調し、投射光学部53がこの変調された映像光を反射型表示装置3に向けて投射する。反射型表示装置3がこの映像光を像反射部31で反射してドライバDの方向に出射して、ドライバDに向けて映像を表示するようになっている。
【0068】
このような情報表示システム4Aにおいて、プロジェクタ5から投射される映像光が反射型表示装置3の像反射部31によって反射されて、像反射部31からドライバDが視認しやすい配光で出射される。これにより、ドライバDに対して視認性に優れた映像を表示することができる。
【0069】
また、上記のような情報表示システム4Aにおいて、図14に示すように、プロジェクタ5から投射される映像光は、反射型表示装置3の像反射部31によって反射されて、像反射部31からドライバDに向けて出射される一方で、映像光と異なる入射角度を有する太陽光は、反射型表示装置3の像反射部31によって反射されて、像反射部31から必然的に映像光による出射光と異なる方向に出射されるようになっている。このため、太陽光、特に西側から入射する西日や日照角度の小さい光がドライバD側に反射して、ドライバDから視た映像の視認性に悪影響を及ぼす事態が回避される。
【0070】
また、上記のような情報表示システム4Aにおいて、プロジェクタ5から投射される映像光が反射型表示装置3の像反射部31によって反射されて、像反射部31からドライバDに向けて出射されることにより、映像光が効率的にドライバDの目に届くことから、高照度のプロジェクタを用いなくとも、ドライバDに対して視認性に優れた映像を表示することができる。このため、プロジェクタの筐体の大型化が回避され、情報表示システム4Aのコストが抑えられる。
【0071】
さらに、上記のような情報表示システム4Aにおいて、従来のLEDのドットマトリクス等を備えた、約1~3トンに及ぶ重量を有する道路表示板を道路上に吊設する場合と比較して、道路上に吊設する設備の軽量化が図られる。
【0072】
上記の情報表示システム4Aの構成に加えて、本実施形態において、プロジェクタ5は、映像光をRGBの三原色で出射可能とされるとともに、反射型表示装置3のスクリーン30に向けて像反射部31の一つのプリズム体1又はプリズム装置2が一つの色成分を反射するように投射するようになっている。具体的には、制御部6の処理部60が、制御プログラム64に基づいて、I/F部62に入力された映像データを、反射型表示装置3の像反射部31のプリズム体1又はプリズム装置2の配設パターンに応じた三原色の配列パターン(例えば、モザイク配列、斜めモザイク配列、三角モザイク配列等)の映像信号に変換する。また、処理部60は、反射型表示装置3の像反射部31の一つのプリズム体1又はプリズム装置2がプロジェクタ5の1画素を反射するように、映像データを映像信号に変換してもよい。続いて処理部60は、この変換された映像信号をプロジェクタ5に送信する。プロジェクタ5は、この変換された映像信号に基づいた映像光を反射型表示装置3に向けて投射するようになっている。
【0073】
そして、反射型表示装置3は、個々のプリズム体1又はプリズム装置2がそれぞれ反射する三原色によって構成される映像を表示するようになっている。例えば、図13に示すように、反射型表示装置3の像反射部31のプリズム装置2の配設パターンが三角格子状であり、三角モザイク配列パターンに変換された映像信号が反射型表示装置3に投射された場合においては、互いに近接する3つのプリズム装置2a~2cからなる像反射部群31aが三原色で1つの画素群を構成し、プリズム装置2b,2cとこれらに隣接するプリズム装置2dからなる像反射部群31bが三原色でその次の画素群を構成するようになっている。このような、個々のプリズム体1又はプリズム装置2がそれぞれ一つの色成分を反射する構成によって、これらから出射される各出射光の発色が鮮やかになることから、ドライバDから視た映像の視認性を向上させることができる。
【0074】
なお、上記の情報表示システム4Aが交通安全や災害等の情報を表示する性質を鑑みて、プロジェクタ5は、例えば、故障時にはもとより、ランプの交換期限を知らせるためにアラームを発するように構成されていてもよい。
【0075】
また、反射型表示装置3の像反射部31は、多数個のプリズム体1によって構成されていてもよい。
【0076】
また、制御部6は、プロジェクタ5と一体に構成されていてもよい。
【0077】
また、制御部6の記憶部61には、映像データが予め格納されていてもよい。
【0078】
また、上記に限られず、例えば、プロジェクタ5は、映像光をRGBYの四原色で出射可能とされるとともに、反射型表示装置3のスクリーン30に向けて像反射部31の一つのプリズム体1又はプリズム装置2が一つの色成分を反射するように投射し、反射型表示装置3が表示する映像は、個々のプリズム体1又はプリズム装置2がそれぞれ反射する四原色によって構成されてもよい。また、上記の実施形態では、個々のプリズム体1又はプリズム装置2がRGBの一つの色成分を反射するようにしているが、このような個々のプリズム体1又はプリズム装置2が一つの色成分を反射する構成に限られず、例えば、プロジェクタ5の解像度が高い場合に、個々のプリズム体1又はプリズム装置2がプロジェクタ5から投射される複数の色成分を含む光をそのまま反射する構成でもよい。
【0079】
また、情報表示システム4Aは、反射型表示装置3の周辺の照度を測定する照度センサ等のセンサ類を備え、このセンサ類の信号に応じてプロジェクタ5の映像光の明るさを調整するように構成されていてもよい。
【0080】
(情報表示システムの変形例)
上記の実施例のほか、例えば、図15に示す一変形例のように、反射型表示装置3が道路の地面から所定の高さ位置にフレーム34に固定された状態で吊設され、短焦点型のプロジェクタ5が反射型表示装置3に下方から投射するように反射型表示装置3のフレーム34の下部に設置されていてもよい。
【0081】
また、図16に示す他の変形例のように、反射型表示装置3が道路の通行側の道路脇に道路側を向いて設置され、プロジェクタ5が同じく道路の通行側の道路脇において反射型表示装置3の斜め前方に設置されていてもよい。第2変形例において、反射型表示装置3の像反射部31における個々のプリズム体1又はプリズム装置2から出射される出射光の向きがドライバDの進行方向と交差する方向となるように、プロジェクタ5から投射される映像光の角度に応じて、個々のプリズム体1又はプリズム装置2の姿勢が調整されている。
【0082】
(情報表示システムの第2実施形態)
以下、情報表示システム4の第2実施形態について、上記第1実施形態とは異なる点についてのみ説明する
図17は、情報表示システム4の第2実施形態である情報表示システム4Bの概略構成を示すブロック図である。
【0083】
情報表示システム4Bは、プロジェクタ5と、反射型表示装置3と、プロジェクタ5及び反射型表示装置3を制御する制御部6と、を備えている(図17参照)。
【0084】
反射型表示装置3の像反射部31は、多数個のプリズム装置2によって構成されている。
【0085】
制御部6のI/F部62には、反射型表示装置3の像反射部31における個々のプリズム装置2の揺動軸部20を回動駆動する駆動部8がコントローラ7を介して接続されている(図17参照)。
【0086】
制御部6の処理部60は、I/F部62に入力された信号に基づいて、I/F部62を介して、コントローラ7に駆動部8を回動駆動させるようになっている。これにより、反射型表示装置3の像反射部31における個々のプリズム装置2の姿勢を遠隔操作によって調整することができる。
【0087】
以上、道路情報表示手段に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、道路上、道路脇、トンネルの内壁や天井での道路情報の表示に限らないことは勿論、道路情報の表示だけに限らず、例えば、空港や駅での発着案内表示板や、ビルの外壁面に設置される情報表示板など、利用分野は限定されず、また、利用場所も屋内外に限定されない。
【0088】
上記の実施形態及び実施例はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態及び実施例のみにより解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0089】
1 プリズム体
10 入出射面
11 反射面
12 反射領域
13 非反射領域
2 プリズム装置
20 揺動軸部
3 反射型表示装置
31 像反射部
4(A,B) 情報表示システム
5 プロジェクタ
6 制御部
第1方向 X
第2方向 Y
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B