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特開2023-72529認証サーバ装置、認証方法及びコンテンツ受信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072529
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】認証サーバ装置、認証方法及びコンテンツ受信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/44 20130101AFI20230517BHJP
【FI】
G06F21/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185147
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507039084
【氏名又は名称】株式会社テンダ
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】堀 喜良
(72)【発明者】
【氏名】上田 優子
(72)【発明者】
【氏名】芦原 大助
(57)【要約】      (修正有)
【課題】どのような通信環境下でも通信端末が接続されるデジタルコンテンツ配信先の無線通信装置を容易に認証する認証サーバ装置及び認証方法を提供する。
【解決手段】認証サーバ装置10は、デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶する記憶部13と、デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末30から、通信端末30が接続された無線通信装置40又は無線通信装置40が提供する無線通信の識別情報を受信する受信部11と、通信端末30から受信した識別情報と記憶部13に記憶されている識別情報とを照合し、照合の結果が一致する場合に、無線通信装置40を認証し、通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末30であると判定する処理部12と、処理部12における認証の結果を通信端末に送信する送信部14と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶する記憶部と、
前記デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末から、前記通信端末が接続された無線通信装置又は前記無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を受信する受信部と、
前記通信端末から受信した前記識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記識別情報とを照合し、前記照合の結果が一致する場合に、前記無線通信装置を認証し、前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する処理部と、
前記処理部における認証の結果を前記通信端末に送信する送信部と、
を備える認証サーバ装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記識別情報として、前記一の施設の前記無線通信装置に割り当てられたグローバル固定IPアドレス、前記無線通信装置のサービスセット識別子(SSID)又は前記無線通信装置の物理アドレスのいずれかを記憶している
請求項1に記載の認証サーバ装置。
【請求項3】
前記記憶部は、前記識別情報として、前記サービスセット識別子(SSID)と、前記デジタルコンテンツを提供可能な前記施設の位置情報とを関連付けて記憶しており、
前記受信部は、前記通信端末から、前記通信端末が接続された前記無線通信の前記サービスセット識別子(SSID)と、前記通信端末の位置情報とを取得し、
前記処理部は、前記通信端末から受信した前記サービスセット識別子(SSID)と、前記記憶部に記憶された前記サービスセット識別子(SSID)とを照合するとともに、前記通信端末の位置情報と、前記記憶部に記憶された前記デジタルコンテンツを提供可能な前記施設の位置情報とを照合する
請求項2に記載の認証サーバ装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記識別情報として、前記サービスセット識別子(SSID)及び前記デジタルコンテンツを提供可能な前記施設の位置情報と、前記デジタルコンテンツを提供可能な前記施設の施設情報とを関連付けて記憶しており、
前記受信部は、前記通信端末から、前記通信端末が接続された前記無線通信装置が配置された施設の施設情報をさらに取得し、
前記処理部は、前記通信端末から取得した前記施設情報と、前記記憶部に記憶された前記デジタルコンテンツを提供可能な前記施設の前記施設情報とを照合する
請求項2又は3に記載の認証サーバ装置。
【請求項5】
照合の結果が一致した場合、前記処理部は、前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能な前記施設の前記無線通信装置により提供された前記無線通信に接続されていると判定し、
前記送信部は、前記通信端末に対して、前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能であることを示す認証トークンを送信する
請求項1から4のいずれか1項に記載の認証サーバ装置。
【請求項6】
前記認証サーバ装置は、前記デジタルコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置とネットワークを介して接続されており、
前記処理部は、前記受信部が前記コンテンツサーバ装置から前記認証トークンを受信した場合に、前記コンテンツサーバ装置に対して前記通信端末が認証済みであることを示す認証情報を前記送信部を介して送信する
請求項5に記載の認証サーバ装置。
【請求項7】
前記記憶部は、前記デジタルコンテンツを提供可能な施設ごとに、前記デジタルコンテンツの提供可能時間を記憶しており、
前記送信部は、前記コンテンツサーバ装置に対して、前記認証情報として前記デジタルコンテンツの配信有効期限を送信する
請求項6に記載の認証サーバ装置。
【請求項8】
デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶し、
前記デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末から、前記通信端末が接続された無線通信装置又は前記無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を受信し、
前記通信端末から受信した前記識別情報と、記憶されている前記識別情報とを照合し、前記照合の結果が一致する場合に、前記無線通信装置を認証し、前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定し、
前記認証の結果を前記通信端末に送信する
認証方法。
【請求項9】
通信端末に対してデジタルコンテンツを提供可能であることを認証する認証サーバ装置及びデジタルコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置と通信することと、
前記通信端末が接続された無線通信装置又は前記無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を前記認証サーバ装置に送信することと、
デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶し、前記通信端末から送信した前記識別情報と、記憶された前記識別情報とを照合し、前記照合の結果が一致する場合に、前記無線通信装置を認証し、前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する前記認証サーバ装置から、前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能な通信端末であるか否かの認証の結果を受信することと、
前記通信端末が前記デジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定された場合に、前記コンテンツサーバ装置に前記デジタルコンテンツの配信を要求することと、
をコンピュータに実行させるコンテンツ受信プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、認証サーバ装置、認証方法及びコンテンツ受信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客サービス等を目的として、店舗に来たユーザの通信端末に対してデジタルコンテンツを配信するサービスが行われている。例えば、所定の無線通信アンテナからの電波が到達する範囲内に通信端末が存在する場合に、通信端末に対して一時的にデジタルコンテンツを配信することが行われている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-157784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなデジタルコンテンツ配信サービスは、例えばサービス提供会社によって各店舗に提供され、店舗内の無線通信(例えば無線LAN(Local Area Network))を通じて、当該無線通信により店舗の無線通信アンテナに接続された通信端末にデジタルコンテンツを提供する。このとき、店舗の無線通信装置に接続された通信端末にデジタルコンテンツを提供する場合、デジタルコンテンツを提供する通信端末の認証処理が必要になる場合がある。しかしながら、店舗によって無線通信の環境が異なり、どのような通信環境下でも容易に通信端末を認証することが困難となる場合がある。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたもので、どのような通信環境下でも通信端末が接続されるデジタルコンテンツ配信先の無線通信装置を容易に認証することが可能な認証サーバ装置及び認証方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る認証サーバ装置は、デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶する記憶部と、デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末から、通信端末が接続された無線通信装置又は無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を受信する受信部と、通信端末から受信した識別情報と、記憶部に記憶されている識別情報とを照合し、照合の結果が一致する場合に、無線通信装置を認証し、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する処理部と、処理部における認証の結果を通信端末に送信する送信部と、を備えている。
【0006】
また、本開示の一態様に係る認証方法は、デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶し、デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末から、通信端末が接続された無線通信装置又は無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を受信し、通信端末から受信した識別情報と、記憶されている識別情報とを照合し、照合の結果が一致する場合に、無線通信装置を認証し、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定し、認証の結果を通信端末に送信する。
【0007】
さらに、本開示の一態様に係るコンテンツ受信プログラムは、通信端末に対してデジタルコンテンツを提供可能であることを認証する認証サーバ装置及びデジタルコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置と通信することと、通信端末が接続された無線通信装置又は無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を認証サーバ装置に送信することと、デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶し、通信端末から送信した識別情報と、記憶された識別情報とを照合し、照合の結果が一致する場合に、無線通信装置を認証し、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する認証サーバ装置から、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であるか否かの認証の結果を受信することと、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定された場合に、コンテンツサーバ装置にデジタルコンテンツの配信を要求することと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、どのような通信環境下でも通信端末が接続されるデジタルコンテンツ配信先の無線通信装置を容易に認証することが可能な認証サーバ装置、認証方法及びコンテンツ受信プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第一実施形態に係る認証サーバ装置の機能及び動作の一構成例を示すブロック図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る認証サーバ装置による認証方法を概略的に説明する概略図である。
図3】本実施形態に係る認証方法を説明するフローチャートである。
図4A】通信端末が接続された無線通信装置が認証されていない場合の通信端末の表示部における表示の一例を示す概略図である。
図4B】通信端末が接続された無線通信装置が認証された場合の通信端末の表示部における表示の一例を示す概略図である。
図5】本開示の第二実施形態に係る認証サーバ装置による認証方法を概略的に説明する概略図である。
図6】本開示の第二実施形態に係る認証サーバ装置による認証時における通信端末画面の一例を示す模式図である。
図7】本開示の各実施形態に係る認証サーバ装置の各機能部を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。
【0011】
1.第一実施形態
以下、図1から図3並びに図4A及び図4Bを参照して、第一実施形態に係る認証サーバ装置、認証方法について説明する。
【0012】
(1.1)認証サーバ装置を含むシステムの基本構成
図1及び図2を参照して、第一実施形態に係る認証サーバ装置10の基本構成及び各部の機能について説明する。図1は、認証サーバ装置10の機能及び動作の一構成例を示すブロック図である。図2は、認証サーバ装置10による認証方法を概略的に説明する概略図である。
【0013】
認証サーバ装置10は、ネットワークを介して接続された通信端末30の認証を、通信端末30が接続された無線通信の識別情報又は無線通信を提供する無線通信装置40の識別情報に基づいて行う。
本実施形態では、一例として、図1に示すように、認証サーバ装置10がデジタルコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置20及び施設に配置された無線通信装置40とネットワークを介して接続されている場合について説明する。ここで、「施設」とは、通信端末にデジタルコンテンツを提供する店舗、病院、施設、移動体(例えば飛行機、電車、バス、タクシー等)や、屋外の所定領域を言う。本実施形態では、通信端末30が無線通信装置40と無線LAN等のネットワークを介して接続されることで、無線通信装置40を介して認証サーバ装置10及びコンテンツサーバ装置20と接続される。認証サーバ装置10は、例えばコンテンツサーバ装置20が通信端末30に対してデジタルコンテンツを配信可能か否かを判定する機能を有している。コンテンツサーバ装置20は、認証サーバ装置10において認証、すなわち通信端末30に対してデジタルコンテンツを配信可能と判定された場合に、当該通信端末30に対してデジタルコンテンツを配信する。
以下、認証サーバ装置10と接続されるコンテンツサーバ装置20、無線通信装置40及び通信端末30について説明する。
【0014】
<コンテンツサーバ装置>
コンテンツサーバ装置20は、通信端末30に対して配信するデジタルコンテンツを記憶する記憶部22を有している。また、コンテンツサーバ装置20は、通信端末30からのデジタルコンテンツ配信の要求を受信する受信部21と、施設に配置された無線通信装置40を介して無線通信装置40と接続された通信端末30にデジタルコンテンツを送信する送信部23とを有している。コンテンツサーバ装置20は、通信端末30からの要求に応じて認証サーバ装置10への認証チェックを行い、認証された通信端末30に対してデジタルコンテンツを送信する。
【0015】
コンテンツサーバ装置20が記憶するデジタルコンテンツは、通信端末30に配信可能なコンテンツであればどのようなものでも構わないが、例えば雑誌、コミック、情報誌、幼児向け書籍等の電子書籍が挙げられる。また、デジタルコンテンツは、動画、静止画、音楽や、無線通信装置40が配置された施設で利用可能な割引や商品との交換が可能な電子クーポン等であってもよい。以下、デジタルコンテンツが電子書籍である場合について説明する。
【0016】
また、コンテンツサーバ装置20は、施設ごとに異なったコンテンツを配信することができる。コンテンツサーバ装置20は、施設ごとに最適なコンテンツ、例えば施設が位置する地域の地域性に根差したコンテンツや、施設の業種に適したコンテンツの配信を行うことができる。これにより、コンテンツサーバ装置20は、例えば施設近辺の観光情報、地域性の高い広告、地域にゆかりのある作家の作品の配信を行ったり、施設が美容院である場合にはヘアカタログ雑誌の配信を行ったりすることができる。
【0017】
<無線通信装置>
無線通信装置40は、通信端末30に対して無線通信を提供する装置である。無線通信装置40は、例えば無線LAN通信のアクセスポイントであり、自らを一意に識別するために割り当てられた識別番号である物理アドレスであるMAC(Media Access Control address)アドレスを有している。また、無線通信装置40には、インターネット通信のために、施設が契約するインターネットサービスプロバイダ(ISP)によってIPアドレスが割り当てられている。
【0018】
本実施形態では、無線通信装置40に割り当てられたIPアドレスがグローバル固定IPアドレスである場合について説明する。本実施形態の認証サーバ装置10では、通信端末30を認証するための識別情報として、無線通信装置40に割り当てられたグローバル固定IPアドレスが用いられる。
【0019】
<通信端末>
通信端末30は、例えばスマートフォンやタブレット型パーソナルコンピュータ等の移動通信端末であり、ユーザが施設を訪れる際に携行することが可能な通信端末である。通信端末30は、例えば、提供可能なデジタルコンテンツの一覧や、コンテンツサーバ装置20から送信されたデジタルコンテンツを表示する表示部31を備えていてもよい。また、通信端末30は、例えばコンテンツサーバ装置20から送信されたデジタルコンテンツの音声を出力する音声出力部(不図示)を備えていても良い。
【0020】
通信端末30は、ユーザが施設を訪れる際に携行され、施設に配置された無線通信装置40に接続される。通信端末30は、認証サーバ装置10とネットワークを介して接続された無線通信装置40からの電波が到達する範囲内に位置する場合に、無線通信装置40に接続される。すなわち、通信端末30は、施設の外部であっても無線通信装置40に接続される場合がある。
これにより、通信端末30が無線通信装置40を介して認証サーバ装置10に接続する際に、無線通信装置40の中に含まれるグローバル固定IPアドレスが認証サーバ装置10に送信され、認証サーバ装置10での認証作業が行われる。
【0021】
(1.2)認証サーバ装置の基本構成
以下、認証サーバ装置10について詳細に説明する。本実施形態に係る認証サーバ装置10は、例えば図2に示すように、施設内の無線通信装置40に接続された通信端末30が所定のURL情報を含む二次元バーコードを読み取ることにより、認証サーバ装置10にアクセスすることで、無線通信装置40に含まれる識別情報であるグローバル固定IPアドレスを取得し、当該グローバル固定IPアドレスが認証サーバ装置10に記憶されているグローバル固定IPアドレスと一致する場合に、通信端末30の認証を行う。コンテンツサーバ装置20は、認証サーバ装置10における認証結果に応じて、通信端末30に認証結果を表示する。
このような認証サーバ装置10は、受信部11と、処理部12と、記憶部13と、送信部14とを備えている。
以下、認証サーバ装置10の各部について詳細に説明する。
【0022】
<記憶部>
記憶部13は、デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶している。ここで、「デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設」とは、例えば、コンテンツサーバ装置20に記憶されたデジタルコンテンツを提供するコンテンツ配信業者等とコンテンツ配信契約を結んだ施設をいう。記憶部13は、デジタルコンテンツを提供可能な施設の無線通信装置40に割り当てられた識別情報として、一の施設の無線通信装置40に割り当てられたグローバル固定IPアドレスを含んでいる。
【0023】
また、記憶部13は、デジタルコンテンツを提供可能な施設ごとに、デジタルコンテンツの提供可能時間を記憶していてもよい。提供可能時間は、例えば記憶部13に記憶された識別情報で特定される施設の開場時間又は営業時間であってもよく、施設ごとに予め設定された所定の提供可能時間(例えば「2時間」)であっても良い。このような提供可能時間を記憶することにより、デジタルコンテンツの配信有効期限を設定して通信端末30へのデジタルコンテンツの提供を施設の運営(営業)時間内や通信端末30ごとに所定の時間に限ることができる。
さらに、記憶部13は、識別情報としてグローバル固定IPアドレス以外の、施設を特定するための情報(位置情報、施設名等)とを関連付けて記憶していても良い。
【0024】
<受信部>
受信部11は、デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末30から、通信端末30が接続された無線通信を提供する無線通信装置40の識別情報、すなわちグローバル固定IPアドレスを受信する。受信部11は、取得した識別情報(グローバル固定IPアドレス)を処理部12に送信する。
【0025】
<処理部>
処理部12は、通信端末30から受信した識別情報(グローバル固定IPアドレス)と、記憶部13に記憶されている識別情報(グローバル固定IPアドレス)とを照合する。処理部12は、照合の結果が一致する場合に、通信端末30が接続された無線通信装置40を認証する。照合の結果が一致した場合、処理部12は、無線通信装置40に接続された通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する。
【0026】
また、記憶部13にデジタルコンテンツを提供可能な施設ごとのデジタルコンテンツの提供可能時間として施設の開場時間(営業時間)が記憶されている場合、処理部12は、識別情報に基づく照合結果と、提供可能時間及び現在時刻とから、通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であるか否かを判定してもよい。
【0027】
さらに、記憶部13にデジタルコンテンツを提供可能な施設の開場時間(営業時間)やデジタルコンテンツの提供可能時間が記憶されている場合、処理部12は、識別情報に基づく照合結果に基づく認証結果に、施設の開場時間や提供可能時間と現在時刻とから算出される配信有効期限(例えば、現在時刻から2時間後の時間)を関連付けてもよい。
【0028】
さらに、処理部12は、後述するように受信部11がコンテンツサーバ装置20から認証トークンを受信した場合に、コンテンツサーバ装置20に対して通信端末30が認証済みであることを示す認証情報を送信部14を介して送信することができる。
【0029】
<送信部>
送信部14は、処理部12における判定(認証)の結果を通信端末30に送信する。通信端末30は、認証結果を受信するとコンテンツサーバ装置20へ接続し、デジタルコンテンツの一覧や、デジタルコンテンツの提供を受ける。
また、送信部14は、通信端末30に対して、通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能であることを示す認証トークンを送信してもよい。これにより、通信端末30がコンテンツサーバ装置20に認証トークンを送信し、コンテンツサーバ装置20が認証トークンを用いて認証サーバへの認証チェックを行うことができる。
【0030】
また、送信部14は、コンテンツサーバ装置20に対して、認証情報としてデジタルコンテンツの提供可能期限を送信してもよい。これにより、コンテンツサーバ装置20による通信端末30へのデジタルコンテンツの提供を、提供可能期限内に制限することができる。
【0031】
(1.3)認証方法
以下、本実施形態に係る認証方法を説明する。本実施形態に係る認証サーバ装置10は、予め記憶された、認証方法をコンピュータに実行させるプログラムに従って、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であるか否かの判定を行う。
【0032】
本実施形態に係る認証方法は、少なくとも以下の方法により実行される。
(a)デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶する
(b)デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末から、通信端末が接続された無線通信装置又は無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を受信する
(c)通信端末から受信した識別情報と、記憶されている識別情報とを照合し、照合の結果が一致する場合に、無線通信装置を認証し、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する
(d)認証の結果を通信端末に送信する
【0033】
以下、本実施形態に係る認証方法を、図1とともに図3を参照してより詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る認証方法を説明するフローチャートである。
【0034】
<識別情報の登録>
最初に、認証サーバ装置10に対する識別情報の登録が行われる(ステップS11~ステップS12)。
まず、認証サーバ装置10の記憶部13には、デジタルコンテンツを提供可能な施設を特定可能な識別情報であるグローバル固定IPアドレスの登録が行われ、識別情報のデータベースが生成される(ステップS11)。登録されるグローバル固定IPアドレスは、例えば、コンテンツサーバ装置20に記憶されたデジタルコンテンツを提供するコンテンツ配信業者等とコンテンツ配信契約を結んだ施設の無線通信装置40に割り当てられたグローバル固定IPアドレスである。
識別情報の登録は、例えば1日に数回行われ、新たに記憶される識別情報がある場合には、記憶部13に記憶された識別情報のデータベースが更新される(ステップS12)。
なお、これら識別情報のデータベースの更新は、後述するデジタルコンテンツの配信と並行して行われる。
【0035】
<デジタルコンテンツの配信>
まず、通信端末30が、施設内に配置され、認証サーバ装置10に記憶されたグローバル固定IPアドレスが割り当てられた無線通信装置40により提供される無線通信に接続される(ステップS21)。
続いて、デジタルコンテンツ又はその一覧を表示するためのWEBブラウザやデジタルコンテンツ閲覧機能を有するアプリケーションを起動する(ステップS22)。WEBブラウザの起動は、例えば施設内に掲示された、認証サーバ装置10へ接続するためのURL情報を含む二次元バーコードを読み取ることにより自動的に起動されても良い。また、アプリケーションの起動は、例えば通信端末30のユーザにより行われ、アプリケーション内の二次元バーコードを読み取り機能を用いて二次元バーコードが読み取られても良い。更に、通信端末30の施設内の無線通信への接続は、アプリケーション起動後に行われても良い。
【0036】
通信端末30が施設内の無線通信に接続され、WEBブラウザやアプリケーションが起動されると、通信端末30の表示部31に、デジタルコンテンツ配信サービスを利用する旨の確認画面が表示される(ステップS23)。なお、識別情報をグローバル固定IPアドレスとする場合の接続では、ステップS12の確認画面の表示は必ずしも必須とされない。
続いて、識別情報として通信端末30が接続された無線通信装置40のグローバル固定IPアドレスが含まれる認証リクエストが認証サーバ装置10に送信される(ステップS24)。このとき、必要に応じてその他の施設を特定するための情報(位置情報、施設名等)が識別情報に含まれていても良い。
【0037】
認証サーバ装置10は、認証リクエストを受け取ると、認証リクエストに含まれる識別情報(グローバル固定IPアドレス)と、記憶部13に記憶されたデータベースの識別情報(グローバル固定IPアドレス)とを照合する(ステップS25)。認証サーバ装置10は、照合の結果が一致する場合には通信端末30が接続された無線通信装置40を認証し、通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する。また、認証サーバ装置10は、照合の結果が一致しない場合には通信端末30が接続された無線通信装置40を認証せず、通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末ではないと判定する。
認証サーバ装置10は、通信端末30の認証結果を通信端末30に送信する(ステップS26)。このとき、認証サーバ装置10は、通信端末30がデジタルコンテンツを提供可能であることを示す認証トークンを認証結果に含めて送信しても良い。
【0038】
通信端末30は、認証サーバ装置10からの認証結果を取得し(ステップS27)、通信端末30が接続された無線通信装置40が認証されていない場合には、図4Aに示すように、無線通信装置40が認証されていないことを示すアラート画面を表示する(ステップS28)。
また、通信端末30は、通信端末30が接続された無線通信装置40が認証された場合には、コンテンツサーバ装置20に対してコンテンツ一覧ページのリクエストを送信する(ステップS29)。このとき、リクエストには、認証トークンや施設を特定するための情報(施設名等)が含まれる。
【0039】
コンテンツ一覧ページのリクエストを受信したコンテンツサーバ装置20は、認証サーバ装置10に対して認証チェックを行う(ステップS30)。このとき、認証サーバ装置10には、通信端末30から受信した認証トークンが送信される。
続いて、認証サーバ装置10では、コンテンツサーバ装置20から受信した認証トークンの照合を行い(ステップS31)、認証トークンに基づく認証結果をコンテンツサーバ装置0に送信する(ステップS32)。このとき、認証サーバ装置10は、認証結果にデジタルコンテンツの配信有効期限を含めてもよい。
以上により、認証サーバ装置10の認証動作は終了する。
【0040】
認証サーバ装置10からの認証結果を取得すると、コンテンツサーバ装置20は、コンテンツ一覧ページを送信する(ステップS33)。
最後に、通信端末30は、図4Bに示すように、表示部31にコンテンツ一覧ページを表示する(ステップS34)。このとき、通信端末30の表示部31には、通信端末30が接続された無線通信装置40を配置した施設が契約しているデジタルコンテンツ配信サービスの一覧が表示される。
このあと、通信端末30は、ユーザによるコンテンツ一覧ページに表示されたコンテンツの選択に応じて、コンテンツサーバ装置20に所望のコンテンツをリクエストし、コンテンツを受信して表示部31に表示する。
以上により、デジタルコンテンツの表示が終了する。
【0041】
このような方法で認証されたデジタルコンテンツを通信端末30に表示することで、例えば店舗において雑誌を置く必要がなく、また顧客の所有する通信端末30にデジタルコンテンツを表示できることから衛生面の安心感が向上する。
また、識別方法としてグローバル固定IPアドレスを用いる場合、WEBブラウザを用いてデジタルコンテンツの表示ができるため、通信端末30への専用のアプリケーションのインストールが必須ではなくなるため好ましい。
【0042】
(1.4)本実施形態の効果
本実施形態では、以下の効果を有する。
(1)本実施形態の認証サーバ装置では、通信端末が接続された無線通信装置に割り当てられたグローバル固定IPアドレスを用いて無線通信装置の認証を行い、通信端末へのデジタルコンテンツの配信可否を判定する。
このため、唯一無二の情報であるグローバル固定IPアドレスを用いて通信端末が接続されるデジタルコンテンツ配信先の無線通信装置を容易に認証することが可能となる。
【0043】
(2)本実施形態の認証サーバ装置では、デジタルコンテンツを提供可能な施設ごとに、デジタルコンテンツの提供可能時間を記憶しており、送信部は、コンテンツサーバ装置に対してデジタルコンテンツの配信有効期限を送信することができる。
このため、デジタルコンテンツの提供を、提供可能期限内に制限することができる。
【0044】
2.第二実施形態
以下、第二実施形態に係る認証サーバ装置及び認証方法について説明する。
【0045】
(2.1)認証サーバ装置の基本構成
第二実施形態に係る認証サーバ装置110は、通信端末30の認証に用いられる識別情報が、通信端末30が接続される無線通信装置40のグローバル固定IPアドレスに代えて、無線通信装置40の物理アドレス(MACアドレス)である点で認証サーバ装置10と相違する。
認証サーバ装置110の記憶部13は、識別情報として、グローバル固定IPアドレスに代えて無線通信装置40の物理アドレス(MACアドレス)を記憶している。
そして、通信端末30、無線通信装置40、コンテンツサーバ装置20は、グローバル固定IPアドレスに代えて無線通信装置40の物理アドレス(MACアドレス)を無線通信装置40の認証を行う以外は、第一実施形態と同様に動作する。
【0046】
(2.2)認証方法
認証サーバ装置110で実行される認証方法についても、グローバル固定IPアドレスに代えて無線通信装置40の物理アドレス(MACアドレス)を無線通信装置40の認証を行う以外は、第一実施形態と同様である。
【0047】
(2.3)本実施形態の効果
本実施形態では、唯一無二の情報であるMACアドレスを用いて無線通信装置を認証することから、第一実施形態と同様の効果を有する。
【0048】
3.第三実施形態
以下、第三実施形態に係る認証サーバ装置及び認証方法について説明する。
【0049】
(3.1)認証サーバ装置の基本構成
以下、認証サーバ装置210について詳細に説明する。
第三実施形態に係る認証サーバ装置210は、第三実施形態の認証サーバ装置210は、認証サーバ装置10と同様に、受信部11と、処理部12と、記憶部13と、送信部14とを備えている。第三実施形態に係る認証サーバ装置210は、通信端末30の認証に用いられる識別情報が、通信端末30が接続される無線通信装置40のグローバル固定IPアドレスに代えて、無線通信装置40が提供する無線通信のサービス識別子(SSID)である点で認証サーバ装置10と相違する。
【0050】
本実施形態に係る認証サーバ装置210は、例えば図5に示すように、通信端末30において、自端末内にインストールされたデジタルコンテンツ受信用アプリケーションが起動され、施設内の無線通信に接続された後、認証サーバ装置10にアクセスされることで、少なくとも識別情報であるサービス識別子(SSID)を取得する。認証サーバ装置210は、取得したサービス識別子(SSID)が記憶されていると一致する場合に、通信端末30の認証を行う。コンテンツサーバ装置20は、認証サーバ装置210における認証結果に応じて、通信端末30に認証結果を表示する。なお、図5に示すように、通信端末30では、識別情報を認証サーバ装置210に提供する前に、無線通信への接続確認や、位置情報の利用許可の確認がプログラムに従って行われる。
【0051】
第三実施形態に係る認証サーバ装置210は、グローバル固定IPアドレスを用いずに認証を行うことができる。近年、グローバル固定IPアドレスの枯渇が問題となっており、動的(変動)IPアドレスを用いてインターネット接続を行うインターネットサービスプロバイダ(ISP)が増加している。また、グローバル固定IPアドレスを割り振る場合、追加料金が必要となる場合も多く、多くの施設では動的(変動)IPアドレスを用いたインターネット接続を提供している場合が多い。
第三実施形態に係る認証サーバ装置210は、サービス識別子(SSID)を用いて認証を行うことから、動的(変動)IPアドレスを用いてインターネット接続を提供する施設の無線通信装置40に対しても容易に認証を行うことができ、デジタルコンテンツの配信を行うことが容易となるため好ましい。
【0052】
以下、認証サーバ装置210及び通信端末30について詳細に説明する。なお、無線通信装置40及びコンテンツサーバ装置20については第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
<記憶部>
記憶部13は、識別情報として、認証サーバ装置10と接続された無線通信装置40のサービスセット識別子(SSID:Service Set Identifier)を含んでいる。サービスセット識別子(SSID)は、IEEE 802.11に準拠する無線通信の識別子である。サービスセット識別子(SSID)は、例えば、無線通信装置40であるアクセスポイントの識別名である。
【0054】
記憶部13は、サービスセット識別子(SSID)が一の施設を特定可能な識別情報である場合、すなわち異なる施設で同一のサービスセット識別子(SSID)が用いられていない場合、サービスセット識別子(SSID)のみを識別情報として記憶していてもよい。
なお、異なる施設で同一のサービスセット識別子(SSID)が用いられていない場合であっても、記憶部13は、識別情報としてサービスセット識別子(SSID)と、その他の一の施設を特定するための情報(位置情報、施設名等)とを関連付けて記憶していても良い。
【0055】
また、無線通信装置40のサービスセット識別子(SSID)が複数の施設で同一である場合、すなわち異なる施設で同一のサービスセット識別子(SSID)が用いられている場合、記憶部13は、識別情報としてサービスセット識別子(SSID)と、デジタルコンテンツを提供可能な施設の位置情報(施設の住所又は緯度・経度等の位置情報)とを関連付けて記憶する必要がある。
【0056】
第一実施形態及び第二実施形態で用いたグローバル固定IPアドレス及びMACアドレスは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)や無線通信装置40の製造メーカによって付与されるため、無線通信装置40を管理する施設側で変更はできない。一方、本実施形態で用いるサービスセット識別子(SSID)は、無線通信装置40を管理する施設等で設定・変更することができ、異なる施設で同一のサービスセット識別子(SSID)が設定されている可能性がある。この場合、サービスセット識別子(SSID)が施設ごとに唯一無二の情報ではなくなるため、これら複数の施設のうちの一部の施設のみ(例えば関東地方の店舗のみや、大型店舗のみ等)にデジタルコンテンツ配信サービスを提供することが困難となる。
【0057】
このため、無線通信装置40の識別情報としてサービスセット識別子(SSID)を用いる場合、サービスセット識別子(SSID)とともに無線通信装置40と接続された通信端末30の位置情報も併せて用いることが好ましい。この場合、通信端末30が接続された無線通信装置40が配置された一の施設を特定することが可能となり、通信端末30がデジタルコンテンツ配信サービスを契約した施設の無線通信装置40に接続されているかを判定することができる。
【0058】
さらに、記憶部13は、識別情報として、サービスセット識別子(SSID)及びデジタルコンテンツを提供可能な施設の位置情報とともに、デジタルコンテンツを提供可能な施設の企業名や店舗名等の施設情報とを関連付けて記憶していてもよい。通信端末30が取得した自装置の位置情報は、高さ方向の位置の相違を検出できない場合が多く、例えば通信端末30があるビル内に位置することは検出できるものの、ビルの何階に位置しているかを検出できない場合がある。このため、企業名や店舗名等の施設情報も認証に用いることにより、より精度の高い認証が可能となる。
【0059】
<受信部>
受信部11は、デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末30から、サービスセット識別子(SSID)と、通信端末30の位置情報とを識別情報として受信する。また、受信部11は、デジタルコンテンツの提供を要求する通信端末30から、通信端末30が接続された無線通信装置40が配置された施設の施設情報をさらに取得してもよい。
【0060】
<処理部>
処理部12は、通信端末30から受信した識別情報(サービスセット識別子(SSID)及び通信端末30の位置情報)と、記憶部13に記憶されている識別情報(サービスセット識別子(SSID)及び施設の位置情報)とをそれぞれ照合する。処理部12は、照合の結果が一致する場合に、通信端末30が接続された無線通信装置40を認証する。このとき、記憶された施設の位置情報と通信端末30の位置情報とは完全に一致している必要はない。例えば、施設を中心として半径数十mから100m程度の領域に通信端末30が位置している場合には、施設の位置情報と通信端末30の位置情報とが一致していると判定される。
また、処理部12は、通信端末30から取得した施設情報と、記憶部13に記憶されたデジタルコンテンツを提供可能な施設の施設情報とを照合してもよい。
【0061】
<通信端末>
本実施形態で用いられる通信端末30は、無線通信装置40を介してサービスセット識別子(SSID)を認証サーバ装置210に送信する。また、認証サーバ装置10が、サービスセット識別子(SSID)と通信端末30の位置情報とを用いて無線通信装置40の認証を行う場合、通信端末30は、自装置の位置情報を認証サーバ装置210に送信する。
通信端末30の位置情報は、例えば全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)により取得した位置情報であってもよく、通信端末30が通信事業者の基地局と接続されている場合には基地局測位により取得した位置情報であってもよい。
【0062】
(3.2)認証方法
認証サーバ装置210で実行される認証方法は、グローバル固定IPアドレスに代えて少なくとも無線通信装置40のサービスセット識別子(SSID)を用いて無線通信装置40の認証を行う以外は、第一実施形態と同様である。図6に示すように認証サーバ装置210で実行される認証方法では、通信端末30において、識別情報を認証サーバ装置210に提供する前に、位置情報の利用許可の確認が行われる。また、当該認証方法では、通信端末30が施設の無線通信装置40と接続される際に、無線通信への接続確認が行われても良い。
【0063】
(3.3)本実施形態の効果
本実施形態では、以下の効果を有する。
(3)本実施形態の認証サーバ装置では、通信端末が接続された無線通信装置のサービスセット識別子(SSID)を用いて無線通信装置の認証を行い、通信端末へのデジタルコンテンツの配信可否を判定する。
このため、動的(変動)IPアドレスが割り当てられた無線通信装置に通信端末が接続されていても無線通信装置を容易に認証することが可能となる。
【0064】
(4)本実施形態の認証サーバ装置では、通信端末が接続された無線通信装置のサービスセット識別子(SSID)とともに通信端末の位置情報を用いて無線通信装置の認証を行い、通信端末へのデジタルコンテンツの配信可否を判定することもできる。
このため、サービスセット識別子(SSID)が異なる施設の無線通信装置で重複して用いられていても、無線通信装置を容易に認証することが可能となる。
【0065】
4.第四実施形態
本実施形態に係る認証サーバ装置10により認証される無線通信装置40に接続される
通信端末30で実行されるコンテンツ受信プログラムについて説明する。通信端末30は、少なくとも以下の(A)~(D)の各動作をコンピュータに実行させるプログラムに従って、デジタルコンテンツの受信を行う。以下のプログラムは、例えばハードディスクドライブ、メモリ等の記録媒体やDVDディスク又はBlu-ray(登録商標)等の光ディスクに非一時的に記録される。以下のプログラムは、インターネットを介して配布されても良い。さらに、以下のプログラムは、クラウドサーバに記録され、インターネットを介して実行されても良い。
このようなコンテンツ受信プログラムは、例えばデジタルコンテンツ受信専用アプリケーションで実行される。また、コンテンツ受信プログラムは、例えば施設の一例である店舗用のアプリケーションに当該プログラムの機能が組み込まれても良い。
また、このようなコンテンツ受信プログラムは、ソフトウェア開発キット(SDK:Software Development Kit)として提供されても良い。
【0066】
(A)通信端末に対してデジタルコンテンツを提供可能であることを認証する認証サーバ装置及びデジタルコンテンツを配信するコンテンツサーバ装置と通信すること
(B)通信端末が接続された無線通信装置又は無線通信装置が提供する無線通信の識別情報を認証サーバ装置に送信すること
(C)デジタルコンテンツを提供可能な複数の施設のうち一の施設を特定可能な識別情報を記憶し、通信端末から送信した識別情報と、記憶された識別情報とを照合し、照合の結果が一致する場合に、無線通信装置を認証し、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定する認証サーバ装置から、通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であるか否かの認証の結果を受信すること
(D)通信端末がデジタルコンテンツを提供可能な通信端末であると判定された場合に、コンテンツサーバ装置にデジタルコンテンツの配信を要求すること
【0067】
5.認証サーバ装置のハードウェア構成
図7は、認証サーバ装置10,110,210の各機能部を実現するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、認証サーバ装置10,110,210は、演算装置1000により実現される。演算装置1000は、プロセッサ1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random access memory)103及び補助記憶装置(メモリ)1004を備える情報処理装置である。演算装置1000には、例えば外部インタフェース(I/F)1005を介して例えば出力装置1011、入力装置1012及び表示装置1013が接続されている。演算装置1000には、例えば通信インタフェース(I/F)1006を介してコンピュータ1014が接続されている。また、出力装置1011、入力装置1012、表示装置1013及びコンピュータ1014は、演算装置1000と接続するためのユーザインタフェース(不図示)を備えている。ここで、演算装置1000の各部のハードウェア資源が所定のプログラムと協働することにより、認証サーバ装置10,110,210の処理部12の各機能が構築される。
【0068】
プロセッサ1001は、認証サーバ装置10,110,210を全体的に制御するプロセッサである。プロセッサ1001は、バス1007を介してROM1002に格納されたコンテンツ受信プログラムを読み出し、コンテンツ受信プログラムに従って認証サーバ装置10,110,210を制御する。
ROM1002は、識別コード判定方法を実行するプログラムを格納している。
RAM1003は、計算データ、入力装置1012を介して作業者により入力された各種データ等が一時的に格納されている。
【0069】
補助記憶装置1004は、例えば図示しないバッテリでバックアップされており、認証サーバ装置10,110,210の電源がオフされても記憶状態が保持される。補助記憶装置1004には、外部インタフェース1005を介して入力されたデータや、各処理によって生じたデータが記憶される。また、補助記憶装置1004には、入力装置1012から作業者によって入力された入力データの他、外部インタフェース1005、通信インタフェース1006を介して入力された各種データが記憶される。
【0070】
出力装置1011は、外部インタフェース1005を介してデータを演算装置1000に出力する。出力装置1011による撮影の制御は、認証サーバ装置10の演算装置1000がプログラムを実行することにより行うようにしてもよいし、他の装置からの制御により行うようにしても良い。
【0071】
入力装置1012は、キーボード、ポインティングデバイス又はマイク等の音声入力装置等であり、外部インタフェース1005を介して作業者の操作に基づく指令や入力データを演算装置1000に入力する。
表示装置1013は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)であり、外部インタフェース1005を介して演算装置1000から各種データを受信して表示する。表示装置1013は、例えば演算装置1000のメモリ上に読み込まれた各データ、プログラム等が実行された結果として得られたデータ、記憶部13に記憶されたデータベース等を表示する。
【0072】
コンピュータ1014は、通信インタフェース1006を介してネットワーク1008経由で演算装置1000と接続されている。コンピュータ1014は、図示しない表示装置および入力装置を備え、ネットワーク1008経由で入力装置を介して作業者の操作に基づく指令や入力データを演算装置1000に入力したり、演算装置1000から各種データを受信して表示装置に表示させることができる。ネットワーク1008は、有線ネットワーク又は無線ネットワークのいずれであってもよい。ネットワーク1008が無線LAN、Bluetooth(登録商標)、モバイル通信ネットワーク等の無線ネットワークである場合、認証サーバ装置10は、作業領域外等の遠隔地にいる作業者からリアルタイムで指令を受け付けたり、遠隔地にいる作業者に対してプログラム等の実行状態や取得データの表示を行うことができる。
【0073】
以上、本開示を実施の形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0074】
10,110,210 認証サーバ装置
11 受信部
12 処理部
13 記憶部
14 送信部
20 コンテンツサーバ装置
30 通信端末
31 表示部
40 無線通信装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7