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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072571
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】カッターユニット及びプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/08 20060101AFI20230517BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
B26D1/08
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185211
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】村田 智大
【テーマコード(参考)】
2C058
3C027
【Fターム(参考)】
2C058AB07
2C058AC06
2C058AC12
2C058AD01
2C058AD06
2C058AE04
2C058AE10
2C058AE14
2C058AF15
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA07
2C058LA24
2C058LA26
2C058LB09
2C058LB17
2C058LB24
2C058LB36
2C058LC02
3C027JJ01
3C027JJ12
3C027JJ18
(57)【要約】
【課題】本発明に係るカッターユニット及びプリンタによれば、可動刃が固定刃側に押圧された状態で記録紙を切断可能であり、可動刃への摺動負荷を小さくすることができる。
【解決手段】本発明に係るカッターユニット4は、進行方向Aの前方側A1に向けて前進する記録紙Pを切断するカッターユニット4であって、固定刃先110を有し、前記記録紙Pの第一面P2側に備えられた固定刃100と、前記進行方向Aと交差する切断方向Bにおいて前記固定刃先110と向かい合う可動刃先210を有し、前記進行方向Aの後方側A2に前記固定刃100と摺動する摺動面211を備えた可動刃200と、前記可動刃200を支持する可動刃ホルダ320と、前記可動刃200を前記進行方向Aの後方A2側へ付勢する付勢部材330と、を有し、前記切断方向Bに沿って往復運動可能であるラックホルダ300と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方向の前方側に向けて前進する記録紙を切断するカッターユニットであって、
固定刃先を有し、前記記録紙の第一面側に備えられた固定刃と、
前記進行方向と交差する切断方向において前記固定刃先と向かい合う可動刃先を有し、前記進行方向の後方側に前記固定刃と摺動する摺動面を備えた可動刃と、
前記可動刃を支持する可動刃ホルダと、
前記可動刃を前記進行方向の前記後方側へ付勢する付勢部材と、
を有し、前記切断方向に沿って往復運動可能であるラックホルダと、
を備えるカッターユニット。
【請求項2】
前記付勢部材は、
前記可動刃ホルダへ当接する第一端と、前記進行方向において前記可動刃の前記前方側へ当接する第二端と、を有する
請求項1に記載のカッターユニット。
【請求項3】
前記付勢部材は、加圧バネである
請求項1または請求項2に記載のカッターユニット。
【請求項4】
前記可動刃の前記可動刃先は、両端から前記可動刃先の中心部に向けて逆V字形状に形成される
請求項1から請求項3のいずれかの1項に記載のカッターユニット。
【請求項5】
前記付勢部材は、前記可動刃の中心部に備えられる
請求項1から請求項4のいずれかの1項に記載のカッターユニット。
【請求項6】
前記可動刃ホルダは、前記前方側の前端面に開口を有する複数の溝を備えている
請求項1から請求項5のいずれかの1項に記載のカッターユニット。
【請求項7】
進行方向の前方側に向けて前進する記録紙と、
前記記録紙を切断するカッターユニットと、
を備え、
前記カッターユニットは、
固定刃先を有し、前記記録紙の第一面側に備えられた固定刃と、
前記進行方向と交差する切断方向において前記固定刃先と向かい合う可動刃先を有し、前記進行方向の後方側に前記固定刃と摺動する摺動面を備えた可動刃と、
前記可動刃を挟持する可動刃ホルダと、
前記可動刃を前記進行方向の後方側へ付勢する付勢部材と、
を有し、前記切断方向に沿って往復運動可能であるラックホルダと、
を備えている
プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッターユニット及びプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、長尺状のロールシートを全幅に渡って切断する切断手段を備えたテープ印刷装置に関して種々提案されている。例えば、可動刃をロールシートの厚さ方向に往復移動させ、固定刃へ摺動することにより、ロールシートの全幅に渡って切断する切断手段を備えたテープ印刷装置が広く知られている。このテープ印刷装置は、可動刃が固定刃へ摺動する摺動面を固定刃へ付勢する押えバネなどの付勢部材を用いることで、好適にロールシートを切断できる。例えば、特許文献1に記載のテープ印刷装置は、可動刃が固定刃側に押圧された状態で、テープ厚さ方向に往復自在となるように構成された押圧バネを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-68565号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のテープ印刷装置の可動刃は、往復移動するたびに固定刃へ摺動する摺動面と反対側の面(前面)が、固定された押圧バネの一部(凸部)に対して摺動するため、可動刃に対して大きな摺動負荷がかかる。そのため、可動刃の摺動部分が摩耗し可動刃の寿命が短くなったり、切断機構の耐久性が低下したりするという問題があった。また、摺動負荷を小さくする方法として、潤滑材やスリーブ等を押圧バネと可動刃との間に設ける方法もあるが、製造工程が複雑になり、時間及びコストがかかるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、可動刃が固定刃側に押圧された状態で記録紙を切断可能であり、可動刃に対する摺動負荷を小さくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様に係るカッターユニットは、進行方向の前方側に向けて前進する記録紙を切断するカッターユニットであって、固定刃先を有し、前記記録紙の第一面側に備えられた固定刃と、前記進行方向と交差する切断方向において前記固定刃先と向かい合う可動刃先を有し、前記進行方向の後方側に前記固定刃と摺動する摺動面を備えた可動刃と、前記可動刃を支持する可動刃ホルダと、前記可動刃を前記進行方向の前記後方側へ付勢する付勢部材と、を有し、前記切断方向に沿って往復運動可能であるラックホルダと、を備える。
【0007】
本発明の第二の態様によれば、第一の態様に係るカッターユニットは、前記付勢部材が、前記可動刃ホルダへ当接する第一端と、前記進行方向において前記可動刃の前記前方側へ当接する第二端と、を有する。
【0008】
本発明の第三の態様によれば、第一の態様または第二の態様に係るカッターユニットは、前記付勢部材が、加圧バネである。
【0009】
本発明の第四の態様によれば、第一の態様から第三の態様のいずれか一つに係るカッターユニットは、前記可動刃の前記可動刃先が、両端から前記可動刃先の中心部に向けて逆V字形状に形成される。
【0010】
本発明の第五の態様によれば、第一の態様から第四の態様のいずれか一つに係るカッターユニットは、前記付勢部材が、前記可動刃の中心部に備えられる。
【0011】
本発明の第六の態様によれば、第一の態様から第五の態様のいずれか一つに係るカッターユニットは、前記可動刃ホルダは、前記前方側の前端面に開口を有する複数の溝を備えている。
【0012】
本発明の第七の態様に係るプリンタは、進行方向の前方側に向けて前進する記録紙と、前記記録紙を切断するカッターユニットと、を備え、前記カッターユニットは、固定刃先を有し、前記記録紙の第一面側に備えられた固定刃と、前記進行方向と交差する切断方向において前記固定刃先と向かい合う可動刃先を有し、前記進行方向の後方側に固定刃と摺動する摺動面を備えた可動刃と、前記可動刃を挟持する可動刃ホルダと、前記可動刃を前記進行方向の後方側へ付勢する付勢部材と、を有し、前記切断方向に沿って往復運動可能であるラックホルダと、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るカッターユニット及びプリンタによれば、可動刃が固定刃側に押圧された状態で記録紙を切断可能であり、可動刃に対する摺動負荷を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタの正面図である。
図2】同サーマルプリンタの側面図である。
図3図1のI-I断面に沿う、同サーマルプリンタの内部構成を示す側面図である。
図4】同サーマルプリンタのラックホルダが可動刃を備えた状態を示す側面図である。
図5】(a)は、同サーマルプリンタの可動刃、固定刃及びラックホルダを示しており、切断方向において離反側に離反した状態を示す側面図であり、(b)は、そのときの斜視図である。また、(c)は、ラックホルダの摺動プレートを外した時の状態を示す斜視図である。
図6】(a)は、同サーマルプリンタの可動刃、固定刃及びラックホルダを示しており、切断方向において切断側に切断した状態を示す側面図であり、(b)は、そのときの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態について、図1から図6を参照して説明する。以下の実施形態では、キャッシュレジスター、携帯端末装置等に採用され、各種ラベル、レシート、チケット等の印刷が可能なサーマルプリンタを例に挙げて説明する。また、以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。さらに、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
【0016】
図1は、サーマルプリンタ1の正面図である。図2は、サーマルプリンタ1の側面図である。図3は、図1のI-I断面側面に沿う、同サーマルプリンタ1の内部構成を示す断面図である。図中において、FRは前方を、RHは右方を、UPは上方をそれぞれ示す。図1または図2に示すように、サーマルプリンタ1は、ケーシング2と、印刷ユニット3と、カッターユニット4と、記録紙Pと、を備える。
【0017】
[サーマルプリンタ1]
サーマルプリンタ1は、図1から図3に示すように、後述するプラテンローラ30とサーマルヘッド31とで記録紙Pを挟み込んだ状態でプラテンローラ30を回転させることで、記録紙Pを搬送しながらサーマルヘッド31により記録紙Pの印刷面P1(表面)に対して印刷を行うプリンタである。サーマルプリンタ1は、設置面G上に設置されている。以下のケーシング2及び印刷ユニット3の説明において、設置面Gに対して垂直な方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向に直交する2方向を前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印RHが右方)とする。
【0018】
[記録紙P]
記録紙Pは、図3に示すように、サーマルプリンタ1の印刷に用いられる記録紙である。記録紙Pは、表面へ印刷面P1(表面)を構成し、上下方向において、印刷面P1の反対側に裏面P2を構成する。記録紙Pは、上下方向において、印刷面P1が前方へ向けた状態で、筒状の芯材R1に巻き回されることで、ロール部Rを構成している。なお、ロール部Rは、芯材R1を有しない構成であってもよい。記録紙Pは、先端部PAが前方側へ引き出され、サーマルヘッド31とプラテンローラ30との間に挿通される。ロール部Rは、筐体20内の前方と反対向きの後方側に位置しており、上カバー21が開位置にあるとき、筐体20の上端開口部20aを通じて出し入れする。
【0019】
[ケーシング2]
ケーシング2は、箱型に形成されている。具体的に、ケーシング2は、筐体20と、上カバー21と、を備えている。
【0020】
筐体20は、上方に上端開口部20aを有する箱型に形成され、設置面G上に設置されている。筐体20は、印刷ユニット3と、カッターユニット4と、記録紙Pと、が内部に収納可能な程度の大きさを有する。
【0021】
上カバー21は、筐体20の上端開口部20aを開閉する。具体的に、上カバー21は、下方に開口する箱型に形成され、平面視において、筐体20と同等の形状を呈している。上カバー21は、閉位置において、筐体20に上方から重ね合わせられ、筐体20の上端開口部20aを閉塞する。また、このとき筐体20と上カバー21との間には、ケーシング2の内外を連通させるとともに、左右方向に延びるスリット状に形成された排出口23が形成される。排出口23は、印刷ユニット3で印刷された記録紙Pが前方に向けて排出される。一方、上カバー21は、開位置において、筐体20の上方から退避して、筐体20の上端開口部20aを開放する。
【0022】
[印刷ユニット3]
図3に示すように、印刷ユニット3は、プラテンローラ30と、サーマルヘッド31と、を備えている。
【0023】
プラテンローラ30は、左右方向に延びるゴムローラである。プラテンローラ30は、筐体20内の前端部(排出口23寄りに位置する部分)に設けられている。プラテンローラ30は、左右方向に沿う軸線O1回りに回転可能であり、記録紙Pの搬送時において、不図示の駆動モーターの駆動力に応じて回転する。
【0024】
サーマルヘッド31は、上カバー21内において、排出口23寄りに位置する部分に設けられている。サーマルヘッド31は、左右方向に沿って直線状に並ぶ複数の発熱素子を備えている。サーマルヘッド31は、発熱素子が下方を向いた状態で上カバー21の前端部に固定されている。
【0025】
プラテンローラ30及びサーマルヘッド31は、記録紙Pを間に挟んで上下方向で向かい合っている。サーマルヘッド31は、上カバー21が閉位置にあるとき、プラテンローラ30に密接する。記録紙Pは、プラテンローラ30の回転に応じて、プラテンローラ30とサーマルヘッド31との間を通過する。サーマルヘッド31は、制御基板(不図示)から出力される信号に基づいて発熱素子の発熱パターンが制御される。発熱素子の熱が記録紙Pの印刷面P1に伝わることで、発熱パターンに応じた情報(文字や図形等)が印刷面P1に印刷される。
【0026】
[カッターユニット4]
図4は、サーマルプリンタ1のラックホルダ300が可動刃200を備えた状態を示す側面図である。図5の(a)は、サーマルプリンタ1の可動刃200、固定刃100及びラックホルダ300を示しており、切断方向Bにおいて離反側B1に離反した状態を示す側面図であり、(b)は、そのときの斜視図である。また、(c)は、ラックホルダ300の摺動プレート314を外した時の状態を示す斜視図である。図6の(a)は、サーマルプリンタ1の可動刃200、固定刃100及びラックホルダ300を示しており、切断方向Bにおいて切断側B2に切断した状態を示す側面図であり、(b)は、そのときの斜視図である。カッターユニット4は、図2に示すように、固定刃100と、可動刃200と、ラックホルダ300と、移動機構400と、を備える。
【0027】
以下のカッターユニット4の説明においては、記録紙Pが搬送される方向を搬送方向A(進行方向)とする。搬送方向Aにおいて、記録紙Pが搬送される向きを搬送先側(前方側)A1とし、搬送先側A1に対し反対向きを搬送元側(後方側)A2とする。また、搬送方向Aに直交し、固定刃100と可動刃200とで記録紙Pを切断する方向を切断方向Bとする。切断方向Bにおいて、可動刃200が固定刃100から離反する向きを離反側B1とし、可動刃200が固定刃100へ接近し記録紙Pへ切れ目を入れる向きを切断側B2とする。さらに、搬送方向A及び切断方向Bに直交する記録紙Pの紙幅方向を幅方向Cとする。なお、切断方向Bは、必ずしも搬送方向Aに直交していなくてもよく、固定刃100と可動刃200とで記録紙Pを切断する方向であればよい。
【0028】
本実施形態においては、搬送方向Aは前後方向と略一致している。切断方向Bは上下方向と略一致している。また、幅方向Cは左右方向と略一致している。ただし、搬送方向Aは前後方向と一致していなくてもよい。切断方向Bは上下方向と一致していなくてもよい。また、幅方向Cは左右方向と一致していなくてもよい。
【0029】
固定刃100は、図3図5及び図6に示すように、筐体20内において、プラテンローラ30と排出口23との間に配置される。また、固定刃100側の面(第一面)は、記録紙Pの裏面P2である。固定刃100は、幅方向Cに延びる板状に形成されている。固定刃100は、筐体20内に備えられる支持部(不図示)によって所定の手段で固定される。また、固定刃100は、固定刃先110を備える。
【0030】
固定刃先110は、切断方向Bにおける離反側B1に設けられた固定刃100の刃先である。固定刃先110は、固定刃先110をわずかに搬送先側A1へ移動させ、固定刃100を傾斜させて取り付けられる。
【0031】
可動刃200は、図3から図6に示すように、上カバー21内において、サーマルヘッド31と排出口23との間に配置される。また、可動刃200側の面は、記録紙Pの印刷面P1である。さらに、図6に示すように、可動刃200は、搬送方向Aにおいて、固定刃100へ摺動する際に、固定刃100よりも搬送先側A1となるように配置されている。可動刃200は、幅方向Cに延びる板状に形成されている。また、可動刃200は、ラックホルダ300に備えられる可動刃ホルダ320によって保持される。可動刃200は、移動機構400によって、可動刃ホルダ320を介して、切断方向Bにおいて往復移動する。そのため、可動刃ホルダ320によって保持され一体された可動刃200は、可動刃ホルダ320の移動とともに移動する。可動刃200は、図3から図6に示すように、可動刃先210と、可動刃摺動面211(摺動面)と、付勢部材当接面213と、挿通孔214と、を備える。
【0032】
可動刃先210は、可動刃200において、記録紙Pへ切れ目を入れる刃先ある。可動刃先210は、切断方向Bにおいて、可動刃200の切断側B2に設けられている。
【0033】
図5(c)及び図6(b)に示すように、可動刃200の可動刃先210は、幅方向Cにおいて、可動刃先210の両端から中央へ向かうに従い、切断方向Bにおける離反側B1に延びる逆V字状に形成されている。可動刃200の可動刃先210における幅方向Cの中央部には、可動刃先210に対して離反側B1に窪む凹部212が形成されている。
【0034】
凹部212の底部は、カッターユニット4による記録紙Pの切断時において、記録紙Pに接触しないように構成されている。これにより、カッターユニット4により記録紙Pを切断した際、記録紙Pのうち凹部212と向かい合う部分に切断残りが形成される(いわゆる、パーシャルカット)。なお、本実施形態では、凹部212が1つ形成されることで、切断残りが1ヵ所形成される(一点残し)構成について説明するが、この構成に限られない。例えば、凹部212を複数設けることで、切断残りを複数ヵ所形成してもよい(複数残し)。なお、凹部212は、必須の構成ではない。
【0035】
可動刃摺動面211(摺動面)は、可動刃200の搬送元側A2の面であり、固定刃100の固定刃先110へ摺動する。可動刃200は、可動刃摺動面211を固定刃先110へ摺動させる。この構成によって、可動刃200は、可動刃先210と固定刃先110との間で記録紙Pを切断する。固定刃先110を備えた固定刃100は、傾斜させてカッターユニット4に備えられる。そのため、固定刃先110が可動刃200の可動刃摺動面211へ確実にあたり、記録紙Pを正確に切断することができる。
【0036】
付勢部材当接面213は、可動刃200の搬送先側A1に備えられる面である。付勢部材当接面213は、搬送方向Aにおいて、可動刃摺動面211と反対側に備えられる。
【0037】
挿通孔214は、図5(c)に示すように、可動刃200を可動刃ホルダ320へ保持できるように備えられる穴である。挿通孔214は、可動刃200を貫通して、幅方向Cにおいて、可動刃200両端側に近い位置へ2つ備えられている。挿通孔214は、後述する可動刃ホルダ本体321の後方保持部324へ、可動刃200を搬送先側A1から搬送元側A2へ向けて、重ねるように配置した際に、保持突起部324pが挿通孔214へ挿通される。なお、この挿通孔214は、保持突起部324pよりもわずかに大きくなるように設定される。
【0038】
ラックホルダ300は、図3に示すように、筐体20の搬送先側A1で、記録紙Pの印刷面P1側に配置されている。ラックホルダ300は、印刷ユニット3によって印刷された記録紙Pを切断するために可動刃200を往復移動するための駆動機能と、可動刃200を保持する機能と、を備えている。ラックホルダ300は、ラックホルダ本体310と、可動刃ホルダ320と、付勢部材330と、を有する。
【0039】
ラックホルダ本体310は、図5または図6に示すように、可動刃ホルダ収納部311と、移動機構取り付け部312と、を備える。
【0040】
可動刃ホルダ収納部311は、両側壁313と、搬送先側A1へ備えられた摺動プレート314と、搬送元側A2へ備えられた上部プレート315と、によって、形成される。また、可動刃ホルダ収納部311は、両側壁313と、摺動プレート314と、上部プレート315と、によって、空間S1を形成する。
【0041】
両側壁313は、可動刃ホルダ収納部311の幅方向Cの両端に備えられる。両側壁313は、搬送先側A1へ複数の引っ掛け部313aを有しており、筐体20へ引っ掛けることができる。この構成により、ラックホルダ300は筐体20へ取り付けることができる。
【0042】
摺動プレート314は、可動刃ホルダ収納部311の搬送先側A1に備えられる。摺動プレート314は、可動刃ホルダ320が切断方向Bに沿って往復運動する際に、可動刃ホルダ本体321の前端面321aへ摺動される摺動面314fを搬送元側A2に備えている。また、摺動プレート314は、摺動面314fの中央部に、切断方向Bにおいて直列に形成され、摺動プレート314を貫通する案内孔314qを2つ備えている。2つの案内孔314qは、幅方向Cよりも切断方向Bに長く延びるように形成されている。2つの案内孔314qは、可動刃ホルダ320へ形成された案内突起部321pが係合される。この案内孔314qは、切断方向Bへ往復移動した際に、切断方向Bへ直線移動できるように案内する機能を有する。また、案内孔314qは、切断方向Bの長さを調整することで、案内突起部321pが移動できる範囲を調整することができる。そのため、案内孔314qは、ラックホルダ300の移動範囲を制限することができる。さらに、案内孔314qは、上記構成により、ラックホルダ300へ保持される可動刃200の往復移動可能な範囲を超えて、移動する恐れを無くすることができる。また、摺動プレート314は、切断側B2の端部を搬送元側A2に向けて湾曲され、わずかに開口し、可動刃ホルダ収納部311へ開口部311hを備えている。この開口部311hは、可動刃200が切断方向Bにおいて往復可能となるように、可動刃200の搬送方向Aの幅よりも、わずかに大きな幅となるように設定される。なお、ラックホルダ300の移動範囲は、案内孔314qに加えて、位置センサ等を可動刃ホルダ収納部311へ備え、可動刃200の移動位置を検出することで、ラックホルダ300の移動範囲を制御してもよい。
【0043】
上部プレート315は可動刃ホルダ収納部311の離反側B1に備えられる。上部プレート315は、切断側B2へ下面315bを備えている。
【0044】
移動機構取り付け部312は、図5及び図6に示すように、移動機構400が取り付け可能な板状の部材である。移動機構取り付け部312は、上部プレート315の下面315bへ備えられる。移動機構取り付け部312は、搬送方向Aと切断方向Bとによって形成される水平面に沿って延在する。
【0045】
可動刃ホルダ320は、図5(c)に示すように、可動刃200を保持しつつ、可動刃200を切断方向Bへ往復移動させるためのホルダである。可動刃ホルダ320は、可動刃ホルダ本体321と、付勢部材保持部322と、ラック部323と、を備えている。可動刃ホルダ320は、可動刃ホルダ収納部311へ形成された空間S1へ収納される。
【0046】
可動刃ホルダ本体321は、可動刃200を保持するホルダである。可動刃ホルダ本体321は、可動刃ホルダ本体321の搬送先側A1に備えられ、摺動プレート314へ摺動する前端面321aに、搬送先側A1に延びる案内突起部321pを2つ備えている。案内突起部321pは、摺動プレート314へ設けられた案内孔314qへ係合される。可動刃ホルダ本体321は、前端面321aを、摺動プレート314の摺動面314fへ摺動させる。前端面321aは、摺動プレート314に対する摺動負荷を減らすため、開口321qを有する複数の凹部321h(溝)を設けている。また、可動刃ホルダ本体321は、後方に後方保持部324を備える。
【0047】
後方保持部324は、搬送方向Aにおいて、可動刃ホルダ本体321の搬送元側A2に備えられた板状の部材である。後方保持部324は、搬送先側A1に備えられた可動刃200と重なる。後方保持部324は、可動刃200を保持する機能を有する。後方保持部324は、搬送先側A1へ備えられ、可動刃200と重なる面に、搬送先側A1に延びる保持突起部324pを2つ備えている。
【0048】
保持突起部324pは、図5(c)に示すように、幅方向Cにおいて、可動刃200が有する挿通孔214と略同じ位置となるように設定される。この保持突起部324pは、可動刃200を搬送先側A1から配置した際に、可動刃200が有する挿通孔214へ挿通される。この保持突起部324pは、挿通孔214から搬送先側A1へわずかに飛び出る。この構成によって、可動刃200は、可動刃ホルダ本体321へ保持される。また、保持突起部324pは、可動刃200が有する挿通孔214よりもわずかに小さくなる。保持突起部324pは、挿通孔214よりも小さいことで、可動刃200が切断側B2へ移動して固定刃100に当接する際に、可動刃200の位置が搬送方向Aにおいて変動した場合も、可動刃200を安定して保持することができる。
【0049】
付勢部材保持部322は、可動刃ホルダ320の搬送先側A1に備えられる。付勢部材保持部322は、可動刃ホルダ320の下端から切断側B2へ備えられ、幅方向Cに延在し、後述する付勢部材330を保持する。付勢部材保持部322は、搬送元側A2へ後面322bを備える。後面322bは、付勢部材330の第一端331が当接される。また、後面322bは、付勢部材330の第一端331が当接される位置へ、搬送元側A2に延びる付勢部材保持突起部322pを備えている。付勢部材保持突起部322pは、付勢部材330の個数に合わせて、同じ個数だけ備えられる。付勢部材保持突起部322pは、付勢部材330(加圧バネ)の有する内周径と略同サイズとなるように設定されており、付勢部材330を嵌合可能である。そのため、付勢部材保持突起部322pは、接着剤等を必要することなく、付勢部材330を容易に取り付けることができる。なお、付勢部材保持突起部322pの個数は特に限定されない。また、付勢部材保持突起部322pを設けず、後面322bへ直接付勢部材330の第一端331を固定してもよいし、接着剤等を用いて第一端331を固定してもよい。
【0050】
ラック部323は、可動刃ホルダ320の搬送元側A2へ備えられる。ラック部323は、後述する移動機構400の第二駆動ギア420へ噛合し、一方向へ回転する回転駆動力が伝達されると、切断方向Bへ往復移動する。可動刃ホルダ320は、ラック部323の移動に合わせて、可動刃200及び付勢部材330も往復移動される。
【0051】
移動機構400は、図4から図6に示すように、可動刃200を往復移動させるための駆動手段である。移動機構400は、移動機構取り付け部312の片面312cの所定位置へ取り付けられる。移動機構400は、図示しない駆動モーターと、第一駆動ギア410と、第二駆動ギア420と、を備えている。
【0052】
駆動モーターは、第一駆動ギア410へ駆動力を与える。第一駆動ギア410は、駆動モーターより駆動力が伝達され、一方向へ回転する第一回転方向J1と、第一回転方向J1と反対方向に回転する第二回転方向J2と、に回転運動する。第二駆動ギア420は、第一駆動ギア410と、ラック部323との間へ備えられる。第二駆動ギア420は、搬送元側A2において、第一駆動ギア410へ噛合しており、搬送先側A1において、ラック部323へ噛合される。第二駆動ギア420は、第一駆動ギア410から回転駆動力を伝達される。第一駆動ギア410が第一回転方向J1へ回転すると、第二駆動ギア420は、第一駆動ギア410と反対方向の第二回転方向J2に向かって回転する。第一駆動ギア410が第二回転方向J2へ回転すると、第二駆動ギア420は、第一駆動ギア410と反対方向の第一回転方向J1に向かって回転する。第二駆動ギア420は、第二回転方向J2に向かって回転すると、ラック部323へ回転駆動力を伝達し、ラック部323を切断方向Bの切断側B2へ移動させる。第二駆動ギア420は、第一回転方向J1に向かって回転すると、ラック部323へ回転駆動力を伝達し、ラック部323を切断方向Bの離反側B1へ移動させる。
【0053】
移動機構400は、上記構成によって、可動刃ホルダ320を介して、可動刃200を記録紙Pに対して往復移動させ、可動刃200と固定刃100との間の記録紙Pを挟みこむことにより、記録紙Pに切れ目をいれる。本実施形態では、移動機構400は、前述の案内孔314q及び案内突起部321pによって、移動範囲を制限される。そのため、移動機構400の第一駆動ギア410及び第二駆動ギア420の回転範囲も制限される。移動機構400は、駆動ギアを複数設けることで、切断時の動作を容易に制御でき、切断動作を安定させることができる。
【0054】
付勢部材330は、可動刃200を固定刃100へ常時付勢する。付勢部材330は、例えば、加圧バネが使用されている。付勢部材330は、本実施形態では、3つの加圧バネを有しており、幅方向Cにおいて、同一列に略同じ間隔をあけて配置されている。また、付勢部材330は、後方保持部324の保持突起部324pと重ならない位置に配置される。付勢部材330は、搬送方向Aにおいて、可動刃200を搬送元側A2へ常に付勢している。そのため、固定刃先110が可動刃200の可動刃摺動面211へ確実にあたり、記録紙Pを正確に切断することができる。付勢部材330は、搬送方向Aに沿って、第一端331と、第二端332とを有する。
【0055】
第一端331は、可動刃ホルダ本体321の搬送元側A2へ備えられた付勢部材保持部322が有する後面322bにおいて、搬送元側A2に延びる付勢部材保持突起部322pへ嵌合され、連結される。
【0056】
第二端332は、可動刃200の付勢部材当接面213へ押さえつけられるように当接されている。付勢部材330は、搬送方向Aにおいて、可動刃200の付勢部材当接面213へ常時付勢力が搬送元側A2へ働き、付勢部材330がラックホルダ300から外れることがないように備えられている。
【0057】
付勢部材330は、付勢力が付勢部材330よりも搬送元側A2へ配置された可動刃200へ加わるように備えられる。付勢部材330の位置は、付勢部材330を可動刃200の幅方向Cの中央に設けることが望ましい。この位置へ配置することによって、付勢部材330は、逆V字状に備えられた可動刃200の可動刃先210が記録紙Pを両端から切断して中央にかけて切断する際に、切断不良となるリスクを減らすことができる。なお、付勢部材330の個数は、本実施形態では、3つ使用しているが、特に限定されない。また、付勢部材330は、加圧バネでなくてもよく、可動刃200へ搬送元側A2に常時付勢力を与えることができるものであればよい。また、付勢部材330の材質、大きさ、形状、または個数等はカッターユニット4の用途や構成等に合わせて適宜選定される。
【0058】
[作用]
次に、上述したサーマルプリンタ1のカッターユニット4の作用を図5及び図6を説明する。
【0059】
図5は、サーマルプリンタ1の可動刃200、固定刃100及びラックホルダ300を示しており、切断方向Bにおいて離反側B1に離反した状態を示す図である。図6は、サーマルプリンタ1の可動刃200、固定刃100及びラックホルダ300を示しており、切断方向Bにおいて切断側B2に切断した状態を示す図である。まず、図6に示すように、図示しない駆動モーターより伝達される駆動力によって、第一駆動ギア410が第一回転方向J1へ回転する。第一駆動ギア410が第一回転方向J1へ回転すると、搬送先側A1に設けられ、第一駆動ギア410と噛合している第二駆動ギア420が第一駆動ギア410と反対方向の第二回転方向J2へ回転する。第二駆動ギア420は、可動刃ホルダ320に備えられたラック部323が噛合されている。第二駆動ギア420が第二回転方向J2へ回転すると、ラック部323へ回転駆動力が伝達され、ラック部323は切断方向Bの切断側B2へ移動する。ラック部323が移動すると、ラックホルダ300も合わせて移動する。ラックホルダ300は、可動刃ホルダ320を介して、可動刃200を保持しているため、可動刃200を切断方向Bの切断側B2に移動させる。可動刃200は、切断方向Bの切断側B2に移動すると、可動刃先210と固定刃先110との間で記録紙Pを切断することができる。付勢部材330は、可動刃200を付勢しており、ラックホルダ300の移動に合わせて切断方向Bの切断側B2に移動する。そのため、付勢部材330は、可動刃200の付勢部材当接面213へ摺動されることなく、可動刃200を常時付勢することができる。
【0060】
次に、図5に示すように、図示しない駆動モーターより伝達される駆動力によって、第一駆動ギア410が第二回転方向J2へ回転する。この場合は、第二駆動ギア420が第一駆動ギア410と反対方向の第一回転方向J1へ回転する。第二駆動ギア420は、可動刃ホルダ320に備えられたラック部323が噛合されている。第二駆動ギア420が第一回転方向J1へ回転すると、ラック部323へ回転駆動力が伝達され、ラック部323は切断方向Bの離反側B1へ移動する。ラック部323が移動すると、ラックホルダ300も合わせて移動する。ラックホルダ300は、可動刃ホルダ320を介して、可動刃200を保持している。そのため、可動刃200を切断方向Bの離反側B1に移動させることができる。付勢部材330は、可動刃200を付勢しており、ラックホルダ300の移動に合わせて切断方向Bの離反側B1に移動する。そのため、付勢部材330は、可動刃200の付勢部材当接面213へ摺動されることなく、可動刃200を常時付勢することができる。
【0061】
本実施形態では、付勢部材330がラックホルダ300に備えられているため、可動刃200に常時付勢することができる。また、可動刃200は、ラックホルダ300の移動に合わせて付勢部材330とともに切断方向Bへ往復移動する。そのため、可動刃200は、付勢部材330へ摺動せず、摺動負荷を小さくすることができる。また、可動刃200は、付勢部材330に対して摺動する部分を有しないため、摺動により、可動刃200が摩耗し、摩耗粉等を発生する恐れを減らすことができる。
【0062】
また、本実施形態では、付勢部材330は、可動刃200の幅方向Cの中央に配置される。この位置へ付勢部材330を配置することによって、付勢部材330は、逆V字状に備えられた可動刃200の可動刃先210が記録紙Pを両端から切断して中央にかけて切断する際に、切断不良となるリスクを減らすことができる。
【0063】
また、本実施形態では、可動刃ホルダ本体321の前端面321aが開口321qを有する複数の凹部321hを備えている。そのため、可動刃ホルダ本体321が、摺動プレート314へ摺動する際に、摺動する部分を減らすことができる。
【0064】
また、本実施形態では、ラックホルダ300の案内孔314qが、切断方向Bへ往復移動した際に、切断方向Bへラックホルダ300を直線移動できるように案内する機能を有する。また、案内孔314qは、切断方向Bの長さを調整することで、案内突起部321pが移動できる範囲を調整することができる。そのため、案内孔314qは、ラックホルダ300の移動範囲を制限することができる。さらに、案内孔314qは、上記構成により、ラックホルダ300へ保持される可動刃200の往復移動可能な範囲を超えて、移動する恐れを減らすことができる。
【0065】
上述のように、本実施形態に係るサーマルプリンタ1及びカッターユニット4は、可動刃200が固定刃100側に押圧された状態で記録紙Pを切断可能であり、可動刃200に対する摺動負荷を小さくすることができる。
【0066】
なお、上記の一実施形態により本発明が限定されるものではない。また、一実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、一実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態及び以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0068】
(変形例)
例えば、本発明のプリンタは、図1に示したサーマルプリンタ1に限らず、各種構成のプリンタに適用することができる。
【0069】
また、上述した実施形態では、固定刃100側の面である第一面を裏面P2とし、可動刃200側の面を印刷面P1として、固定刃100及び可動刃200が配置されているが、本発明においては、特に限定されない。例えば、固定刃100側の面である第一面を印刷面P1として、可動刃200側の面を裏面P2として、固定刃100及び可動刃200が配置されていてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、可動刃200が、搬送方向Aにおいて、固定刃100へ摺動する際に、固定刃100よりも搬送先側A1となるように配置されているが、本発明の可動刃は、例えば可動刃先210等の一部が、固定刃100よりも搬送元側A2へ来るように配置されていてもよい。
【0071】
また、例えば、可動刃200を切断方向Bへ付勢する付勢部材330は、加圧バネ以外の付勢部材(例えば、合成ゴムや板バネ等)によっても構成することができる。さらに、付勢部材330は、搬送方向Aにおいて、可動刃200を固定刃100へ付勢しなくてもよい。付勢部材330は、例えば、可動刃200よりも搬送元側A2に配置され、可動刃200を引っ張ることで、固定刃100へ常時付勢するように構成されていてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態では、所謂、可動刃200及び固定刃100を交差する方式のサーマルプリンタ1を示したが、本発明は、これに限らず可動刃200が往復移動をして記録紙Pを切断する各種構成のプリンタに適用が可能である。
【0073】
いずれの上記形態においても、本発明に係るカッターユニット及びプリンタによれば、可動刃が固定刃側に押圧された状態で記録紙を切断可能であり、可動刃に対する摺動負荷を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係るカッターユニット及びプリンタによれば、可動刃が固定刃側に押圧された状態で記録紙を切断可能であり、可動刃に対する摺動負荷を小さくすることができるので産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 サーマルプリンタ
2 ケーシング
3 印刷ユニット
30 プラテンローラ
31 サーマルヘッド
4 カッターユニット
100 固定刃
110 固定刃先
200 可動刃
210 可動刃先
211 可動刃摺動面(摺動面)
300 ラックホルダ
310 ラックホルダ本体
320 可動刃ホルダ
321 可動刃ホルダ本体
321a 前端面
321q 開口
321h 凹部(溝)
323 ラック部
330 付勢部材
331 第一端
332 第二端
400 移動機構
410 第一駆動ギア
420 第二駆動ギア
A 搬送方向(進行方向)
B 切断方向
C 幅方向
P 記録紙
P1 印刷面(表面)
P2 裏面(第一面)
O1 軸線
J1 第一回転方向
J2 第二回転方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6