(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072600
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】インターホン装置およびインターホンシステム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
H04M9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185275
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】花園 正也
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 舜
【テーマコード(参考)】
5K038
【Fターム(参考)】
5K038AA06
5K038DD08
5K038DD13
5K038DD18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】訪問先の住戸の呼び出しに際して接触式と非接触式の入力部を適切に使い分けるインターホン装置及びインターホンシステムを提供する。
【解決手段】インターホンシステム1において、インターホン装置11は、接触式の入力を受け付ける複数の接触入力部と、接触入力部に対応するように設けられ、非接触式の入力を受け付ける複数の非接触入力部と、複数の非接触入力部の少なくとも一部に対する入力に基づく制御が有効である非接触入力有効モード又は制御が無効である非接触入力無効モードを設定する設定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触式の入力を受け付ける複数の接触入力部と、
前記接触入力部に対応するように設けられ、非接触式の入力を受け付ける複数の非接触入力部と、
前記複数の非接触入力部の少なくとも一部に対する入力に基づく制御が有効である非接触入力有効モード、または前記制御が無効である非接触入力無効モードを設定する設定部と、
を備えるインターホン装置。
【請求項2】
前記非接触入力有効モードにおいて、前記接触入力部の入力に基づく制御が有効である、請求項1に記載のインターホン装置。
【請求項3】
前記非接触入力有効モードにおいて、前記接触入力部の入力に基づく制御が無効である、請求項1に記載のインターホン装置。
【請求項4】
前記設定部は、
前記非接触入力有効モードにおいて、前記非接触入力部に対する入力に基づいて、前記非接触入力無効モードに変更可能に構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項5】
前記非接触入力無効モードにおいて、前記接触入力部に対する入力に基づいて、前記非接触入力有効モードに変更可能に構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項6】
人の操作を受け付ける初期状態において、前記非接触入力無効モードで動作するように構成されている請求項1~5のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項7】
人の入力操作を受け付ける初期状態において、前記非接触入力有効モードで動作するように構成されている請求項1~5のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項8】
前記初期状態は、前記非接触入力無効モードでスリープ状態となった後、起動した状態を含む請求項6または7に記載のインターホン装置。
【請求項9】
報知部を備え、
前記報知部は、前記非接触入力有効モードまたは前記非接触入力無効モードであることを報知する請求項1~8のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項10】
前記報知部は、前記非接触入力有効モードから前記非接触入力無効モードへの変更または前記非接触入力無効モードから前記非接触入力有効モードへの変更の手順に関する情報を報知する請求項9に記載のインターホン装置。
【請求項11】
前記複数の接触入力部は、操作された場合に固定された情報が入力される第1接触入力部と、操作された場合に、条件に応じて異なる情報が入力される第2接触入力部とを含み、
前記複数の非接触入力部は、操作された場合に固定された情報が入力される第1非接触入力部と、操作された場合に、条件に応じて異なる情報が入力される第2非接触入力部とを含み、
前記第1接触入力部は前記第1非接触入力部、前記第2接触入力部は前記第2非接触入力部にそれぞれ対応づけられている、請求項1~10のいずれか1項に記載のインターホン装置。
【請求項12】
前記第2接触入力部を複数有し、
複数の前記第2接触入力部のうち少なくとも1つの第2接触入力部および対応する非接触入力部の少なくとも一方は、前記非接触入力有効モードまたは前記非接触入力無効モードの切り換えのための入力を受け付けるモード切り換え入力部として機能する、請求項11に記載のインターホン装置。
【請求項13】
前記モード切り換え入力部は、前記非接触入力有効モードでは前記非接触入力無効モードで動作し、前記非接触入力無効モードでは、前記非接触入力有効モードで動作するように構成されている請求項12に記載のインターホン装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のインターホン装置と、前記インターホン装置と通信する情報端末とを備えるインターホンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触入力部および接触入力部を有するインターホン装置およびインターホンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートロック機能を有するインターホンシステムは、マンション、アパート等の多くの集合施設に設置されている。インターホンシステムは、一般的に、共用玄関に設けられた玄関インターホンと、各住戸に設けられたインターホン親機およびドアホンとを備える(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなインターホンシステムでは、来訪者は玄関インターホンを用いて、訪問先の住戸のインターホン親機を呼び出し、通話を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、玄関インターホンにより、訪問先を呼び出す場合には、住戸番号などを入力する必要がある。このため、玄関インターホンはテンキーなどを有し、来訪者が指でテンキーを押下して、住戸番号などを入力する。
【0006】
衛生面での配慮から、非接触タイプの入力装置が知られており、玄関インターホンにおいても、非接触タイプを採用することが考えられる。一方、接触タイプを利用したいという要求もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るインターホン装置は、接触式の入力を受け付ける複数の接触入力部と、前記接触入力部に対応するように設けられ、非接触式の入力を受け付ける複数の非接触入力部と、前記複数の非接触入力部の少なくとも一部に対する入力に基づく制御が有効である非接触入力有効モード、または前記制御が無効である非接触入力無効モードを設定する設定部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本実施形態に係るインターホンシステムは、上記インターホン装置と、前記インターホン装置と通信する情報端末とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、接触式と非接触式の入力部を適切に使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態の一例であるインターホンシステムを含む全体システムの構成を模式的に示す図である。
【
図2】共用玄関に設けられる玄関インターホン11の形状を模式的に示す図である。
【
図3】玄関インターホン11の機能ブロック図である。
【
図4】1つのキーの回路構成を示すブロック図である。
【
図5】非接触キーセンサおよび報知部の構成を示すブロック図である。
【
図6】起動時における入力手段のモード設定の動作を示すフローチャートである。
【
図7】ファンクションキーを用いた接触キーの有効/無効のモード切り換えを説明する図である。
【
図8】ファンクションキーの操作による非接触キーの有効/無効のモード切り換えの動作を示すフローチャートである。
【
図9】ファンクションキーを用いた非接触キーの有効/無効のモード切り換えを説明する図である。
【
図10】、ファンクションキーにより、非接触キーおよび接触キーの両方が有効なモード、非接触キーのみ有効なモード、接触キーのみ有効なモード、の3つのモード切り換えを行う例の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本開示は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態、変形例を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。
【0012】
本開示の装置およびシステムの主体は、コンピュータを備えている。このコンピュータがプログラムを実行することによって、本開示の装置およびシステムの主体の機能が実現される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって上記機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、集積回路(IC)または大規模集積回路(LSI)を含む1つまたは複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集積されていてもよく、複数のチップに設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に備えられていてもよい。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記憶媒体に記憶される。プログラムは、記憶媒体に予め格納されていてもよく、インターネット等を含む広域通信網を介して記憶媒体に供給されてもよい。
【0013】
「全体システム」
図1は、実施形態の一例であるインターホンシステムを含む全体システムの構成を模式的に示す図である。
【0014】
マンション等の集合施設に設置されるインターホンシステム1は、インターネット等の通信回線2によって管理システム3と接続される。
【0015】
インターホンシステム1は、マンション等の集合施設に設置されるシステムであって、共用玄関に設けられる玄関システム10と、各居住者の専有部である各住戸に設けられる住戸システム20と、各種制御を行う制御装置30を含む共用設備を備える。
【0016】
玄関システム10は、集合施設の共用玄関に設けられるシステムであって、来訪者が居住者との会話等を行うインターホン装置(以下、玄関インターホンという)11、来訪者や居住者のカードキー等を検知するキー検知装置12、集合住宅の出入り口である玄関ドア13、玄関ドア13の施錠、解錠を行う電気錠14を含む。
【0017】
住戸システム20は、インターホン22を含み、インターホン22は、居室に設けられたインターホン親機22aと、居室の玄関ドアに設けられたドアホン子機22bを含んでいる。なお、居室内に設けられた各種センサや、各種機器をインターホン親機22aに接続し、これらの情報を外部とやり取りできるようにしてもよい。
【0018】
制御装置30は、コンピュータで構成され、各種のデータ処理を行う。制御装置30には、玄関システム10、住戸システム20が接続されるとともに、管理人などの使用が予定される管理室親機15が接続される。また、制御装置30には、ゲートウェイ61、ルータ62を介し通信回線2が接続されており、制御装置30は外部と通信が可能である。
【0019】
なお、玄関インターホン11、インターホン親機22a、管理室親機15などは、すべて情報処理を司る情報端末であり、これらが接続されてインターホンシステムが構築されている。
【0020】
通信回線2に接続される管理システム3は、管理サーバ3aを有しており、複数の集合住宅等の各種管理を行う。管理システム3は制御装置30を含むこともでき、またクラウド上のシステムとして形成することもできる。また、管理システム3の少なくとも一部または全部がインターホンシステム1に含まれていてもよい。
【0021】
なお、管理システム3は、通常複数の集合施設におけるインターホンシステムを含む、各種の管理業務を実行する。
【0022】
「集合施設」
インターホンシステム1が適用される集合施設としては、マンション、寮、社宅等の集合住宅が挙げられるが、共用玄関を備える施設であればよく、集合住宅に限定されない。インターホンシステム1は、例えばオフィス、工場、研究施設、医療施設、宿泊施設等の複数の施設(複数の会社、部課、部門等)が集合して構成される施設に適用可能である。
【0023】
「玄関システム」
共用玄関には、各住戸の呼び出しを行うための共用玄関装置である玄関インターホン11が設けられている。玄関インターホン11は、住戸を訪ねてきた人(来訪者という)により使用される。来訪者は、玄関インターホン11に訪問先の住戸(例えば、住戸番号)を入力して呼び出すことができる。また、共用玄関には、玄関ドア13と、玄関ドア13を施錠する電気錠14とが設けられている。電気錠14は、例えば、玄関ドア13が閉まると自動的に玄関ドア13を施錠するオートロック装置であって、制御装置30の制御下で電気錠14が施錠、解錠される。玄関ドア13は、例えば、自動ドアにより構成され、平常時は施錠された状態が基本である。なお、玄関インターホン11は、制御装置30の他、各住戸のインターホン親機22aなどと通信可能に接続される。
【0024】
玄関インターホン11は、共用玄関の玄関ドア13よりも外側に設置されおり、来訪者は、玄関インターホン11で訪問先の住戸を呼び出し、来訪を伝える。居住者は、インターホン親機22aで来訪者を確認し、インターホン親機22aを操作して電気錠14を解錠することができる。
【0025】
図1に示す例では、共用玄関にキー検知装置12が設置されている。キー検知装置12は、例えば、ICカードリーダにより構成され、予め登録されたカードキーを検知したときに、電気錠14が解錠され、玄関ドア13が開く。
【0026】
「玄関インターホン」
図2は、共用玄関に設けられる玄関インターホン11の形状を模式的に示す図である。
【0027】
玄関インターホン11は、住戸番号などを入力するためのテンキー110と、呼び出しを実行するための呼出キー111とを備える。
【0028】
テンキー110は、0~9の10個の数字キーと、アスタリスクキー、取り消しキーなどから構成されている。各キーは、定められたキーエリア101を有し、そのキーエリア101に対する操作を入力として受け付ける。また、各キーエリア101には、指が直接接触することによって、入力を行うためのタッチキー102がそれぞれ設けられている。
【0029】
玄関インターホン11を操作するユーザである来訪者は、テンキー110で住戸番号を入力し、呼出キー111を押すことで、訪問先の住戸を呼び出すことができる。また、玄関インターホン11は、カメラ112、人感センサ113、マイク・スピーカ114、モニタ115を備える。なお、モニタ115の下に設けられたファンクションキー116は、モニタ115が表示に関連する機能のキーとして使用される。なお、テンキー110、呼出キー111、ファンクションキー116などユーザにおいて操作されて情報が入力される入力手段は、接触入力部と、非接触入力部の両方を有する。
【0030】
玄関インターホン11は、カメラ112により来訪者を撮影し、その映像を呼び出しが行われたインターホン親機22aに送信する。マイク・スピーカ114は、呼び出し音、居住者が応答した場合にはその音声等が出力し、また来訪者の声を取得する。取得された音声等はインターホン親機22aに送信されるので、訪問先の居住者と会話することができる。モニタ115には、例えば、テンキー110により入力した住戸番号が表示されてもよく、カメラ11dにより撮影された映像が表示されてもよい。
【0031】
玄関インターホン11の前面には、アクリルなど光を透過できる材料で構成されたカバー50が配置される。このカバー50には、キーに対応した表示などが設けられ、また後方からの光を透過することができる。カバー50の後方には、センサ基板60が配置され、このセンサ基板60上に設けられた赤外線式のセンサにより、各キーへの指の近接を個別に検出することが可能になっている。さらに、後述するように、カバー50の各キーエリア101に対応して個別の報知部(例えば、LED照明)が設けられる。
【0032】
図3は、玄関インターホン11の機能ブロック図である。玄関インターホン11は、通信部120を有しており、この通信部120は、制御装置30に接続され、必要な情報交換が通信によってなされる。この接続は、有線でも、無線でもよい。通信部120は、処理部121に接続されている。処理部121は、プロセッサ、メモリなどで構成されるコンピュータであり、各種プログラムを実行することで、各種情報処理を行い、結果に応じた各種信号によって、接続される機器を制御する。なお、処理部121は、操作部である、テンキー110、呼出キー111、ファンクションキー116について、非接触入力操作および接触入力操作の有効(非接触入力有効モード)/無効(非接触入力無効モード)のモード設定を行う設定部として機能する。
【0033】
処理部121には、カメラ112、人感センサ113、マイク・スピーカ114、モニタ115が接続されており、人感センサ113により来訪者が近づいてきたことを検知し、来訪者の画像や音声を取得するとともに、必要な表示や音声をマイク・スピーカ114、モニタ115に供給する。
【0034】
また、処理部121には、テンキー110、呼出キー111、ファンクションキー116が入力手段として接続されている。そして、この入力手段に対するユーザ(例えば、来訪者などの操作者)の指による操作を検知する。なお、操作は必ずしも指である必要はないが、人差し指により操作されることを予定しており、以下では操作が指で行われることを前提として説明する。
【0035】
ここで、これらの入力手段は、非接触入力部を構成しており、ユーザの指などの部分が直接接触しなくても、近接することで操作できる。
【0036】
また、テンキー110、呼出キー111、ファンクションキー116に対応して、報知部122が設けられている。この報知部122は、各キーの操作に対応して、入力を受け付けたか否かを報知する。報知部122は、例えば各キーに対応して設けられたLEDで構成され、LEDが光を発することによって、個別のキー操作について報知する。報知部122は、色の相違、常灯・点灯の別など異なった態様での報知が行える。なお、マイク・スピーカ114から音声による出力や、モニタ115の表示なども報知に利用することができる。
【0037】
「入力手段の構成」
図4は、入力手段である、テンキー110、呼出キー111、ファンクションキー116を構成する、1つのキーの回路構成を示すブロック図である。1つのキーエリアに対応して設けられる1つのキーは、非接触キーセンサ130と、個別報知部140と、接触キーセンサ150と、を含む。
【0038】
図5は、非接触キーセンサ130および個別報知部140の構成を示すブロック図である。
【0039】
非接触キーセンサ130は、発光部131、受光部132、駆動部133および検出部134を含む。駆動部133、検出部134は、処理部121に接続されている。なお、駆動部133、検出部134は、必ずしも1つのキーに対応して設ける必要はなく、複数のキーに対応して1つ設け、複数のキーを順に動作させてもよい。
【0040】
駆動部133は、LEDなどで構成される発光部131の駆動信号を生成し、発光部131の発光を制御する。例えば、パルス状の光信号(例えば赤外線)が発光部131から放出される。キーの表面の近傍に指があると、放出された光が指で反射され、反射光が受光部132に入射する。受光部132は、受光量に応じた信号を発生し、これが検出部134に供給される。検出部134は、反射信号を検出し、ユーザの操作を検出する。検出部134には、駆動部133からの駆動信号も供給されており、反射信号の遅延時間からユーザの指までの距離なども検出する。なお、検出部134の機能は、処理部121において実行してもよい。
【0041】
さらに、1つの非接触キーセンサ130には、個別報知部140がそれぞれ対応して設けられている。この例では、個別報知部140は、発光部141と駆動部142を含む。特に、この発光部141は、色調を変更することができ、例えばブルー、イエロー、オレンジ、ピンクなどの異なった色の光を発することができ、キーを照明することができる。例えば、キーの表面であるカバー50がある程度光を通すプラスチック(例えば、アクリル)などで構成されることで、キーが発光部141による表示をみることができる。
【0042】
なお、各キーの文字部分が光るようにしたり、キー全体が光るようにしたりすることができる。また、駆動部142からの駆動信号によって、発光部141を点滅することもできる。このように、個別報知部140は、報知の態様を変更することが可能である。
【0043】
光学的に指の近接を検出する非接触式の非接触キーセンサ130の1つ1つに対応して、所定の発光をする個別報知部140が設けられているため、指の近接を検出して、近接したことを報知することができる。
【0044】
また、上述したように、検出部134では、指までの距離も検出することができる。そこで、距離に応じて個別報知部140の色を変えたりすることができる。
【0045】
なお、個別報知部140の発光部141は、単一波長の可視光を放出するものが好ましく、これによって非接触キーセンサ130の赤外線による検出への影響を抑制できる。また、物理的に複数のLEDから構成することで複数色による発光を得てもいいが、カラーフィルタを使用してもよい。
【0046】
なお、キーの指近接による操作の検出は、光学式だけでなく、静電容量式なども採用することができる。
【0047】
指の直接の接触を検出する接触式の接触キーセンサ150は、
図2に示すタッチキー102を含むものであり、タッチキー102に対する人の指などの物理的接触を検知するものである。接触キーセンサ150は、機械的な接点を有し指による押下による接点の接触を検出するものでよいし、指の接触を静電容量の変化として検出するものなどでもよい。
【0048】
また、接触、非接触によるキー操作の検出は同一のキーセンサで行ってもよい。すなわち、接触キーセンサ150を1つのキーセンサで兼用することもできる。例えば、赤外線式であれば距離値によって接触、非接触を判断してもよいし、静電容量式であれば静電容量(強度:寄生容量の変化量)によって接触、非接触を判断してもよい。例えば、静電容量の変化量が第1の閾値以上であることで非接触の操作を検知し、変化量が第1の変化量よりも大きい第2の閾値以上であることで接触の操作を検知することができる。
【0049】
ここで、テンキー110、呼出キー111は、予め定められた機能に対応づけられている。すなわち、テンキー110は、0~9の数字と、アスタリスク、取り消しの各キーからなっており、呼出キー111は、呼出のためのものであり、対応付けられる機能が固定されている。一方、ファンクションキー116は、その機能は固定ではなく、変更可能である。その機能は、モニタ115に表示される。そして、これらのキーには、非接触キーセンサ130および接触キーセンサ150がそれぞれ対応付けて設けられている。テンキー110、呼出キー111、ファンクションキー116は、非接触入力および接触入力の両方が可能になっている。機能が固定のキーを第1非接触入力部、第1接触入力部と呼び、機能が変更可能なキーを第2非接触入力部、第2接触入力部という。なお、テンキー110については、「*:アスタリスクキー」と数字キーの組み合わせが、他の機能を特定できるようにしてもよい。
【0050】
「非接触入力/接触入力のモード切り換え」
<起動時>
図6は、初期状態における入力手段のモード設定の動作を示すフローチャートである。初期状態は、電源オンの起動時の他、スリープ状態から復帰した起動時を含む。玄関インターホン11は、ユーザが近傍にいない場合には、スリープ状態になり、人感センサ113によりユーザを検知した場合に起動するとよい。
【0051】
人感センサ113によりユーザが検出されたかを判定し(S11)、検出した場合に、玄関インターホン11を起動する(S12)。そして、起動した際には、非接触キーセンサ130を有効とする(S13)。また、接触キーセンサ150は無効にするとよい。
【0052】
そして、現在モード(非接触有効モード)に関する表示をモニタ115に行い(S14)、処理を終了する。なお、モード表示は、例えば「非接触キーが有効です」などの表示を行うことができる。
【0053】
このようにして、起動時において、非接触入力有効モードに自動的に設定し、接触入力を無効にすることができる。なお、玄関インターホン11が非接触入力無効モードでスリープした場合においても、起動時は非接触入力有効モードに設定するとよい。
【0054】
ここで、
図6の例では、起動時に非接触入力のみが自動的に有効になるように設定したが、反対に起動時に接触入力のみが自動的に有効になるように設定してもよい。この場合、
図6のS13において、非接触キーセンサ130を有効とするのに代えて、非接触キーセンサ130を無効にして接触キーセンサ150を有効とすればよい。なお、玄関インターホン11が非接触入力有効モードでスリープした場合においても、起動時は非接触入力無効モードに設定するとよい。
【0055】
さらに、起動時に非接触入力および接触入力の両方が自動的に有効になるように設定してもよい。この場合、
図6のS13において、非接触キーセンサ130を有効とするのに代えて、非接触キーセンサ130および接触キーセンサ150を有効にすればよい。なお、玄関インターホン11が非接触入力無効モード、非接触入力有効モードでスリープした場合においても、起動時は非接触入力および接触入力の両方が有効のモードに設定するとよい。
【0056】
<非接触入力の有効/無効の切り換え>
図7は、ファンクションキー116を用いたモード切り換えを説明する図である。この例では、ファンクションキー116-1が非接触キーの有効/無効のモード切り換え入力部として機能する。
【0057】
図7の左側では、非接触入力が無効になっている。この状態において、モニタ115のファンクションキー116-1に隣接する場所には、「非接触/有効」という表示がなされている。これによって、ユーザは、ファンクションキー116-1を操作することによって、非接触入力が有効、すなわち非接触キーセンサ130が有効な非接触入力有効モードとなることを知ることができる。
【0058】
図7の右側では、非接触キーが有効になっている。この状態において、モニタ115のファンクションキー116-1に隣接する場所には、「非接触/無効」という表示がなされている。これによって、ユーザは、ファンクションキー116-1を操作することによって、非接触入力が無効な非接触入力無効モードになることを知ることができる。
【0059】
<ファンクションキーは同一モード>
ここで、非接触入力無効モードが設定されている場合、ファンクションキー116-1についても非接触入力が無効となっているとよい。この場合、ファンクションキー116-1に指を接触させることで、非接触無効入力モードから非接触入力有効モードに切り換えることができる。
【0060】
また、非接触入力有効モードが設定されている場合、ファンクションキー116-1についても非接触入力が有効となっているとよい。この場合、ファンクションキー116-1に指を近づけることで、非接触有効入力モードから非接触入力無効モードに切り換えることができる。
【0061】
<ファンクションキーは反対モード>
ここで、モード切り換え入力部として機能するファンクションキー116-1は、非接触入力の有効/無効とは反対に設定されていてもよい。
【0062】
すなわち、非接触有効モードが設定されている場合に、ファンクションキー116-1では接触キーセンサ150が有効で、非接触キーセンサ130が無効になる。そこで、ユーザがファンクションキー116に指を接触させることで非接触入力有効モードから、非接触入力無効モードへの切り換えが行える。
【0063】
また、非接触無効モードが設定されている場合に、ファンクションキー116-1では非接触キーセンサ130が有効で、接触キーセンサ150が無効になっている。そこで、ユーザがファンクションキー116-1に指を近づけることで非接触入力無効モードから、非接触入力有効モードへの切り換えが行える。
【0064】
図8は、ファンクションキー116-1の操作による非接触キーの有効/無効のモード切り換えの動作を示すフローチャートである。
【0065】
ファンクションキー116-1が操作されたかを判定し(S21)、操作された場合には、現在モードを取得する(S22)。取得されたモードが非接触入力無効モードか否かを判定する(S23)。このS23の判定でYESの場合には、現在モードが非接触キー無効モードであり、非接触キー有効モードに切り換える(S24)。S23の判定でNOの場合には、現在モードが非接触入力有効モードであり、非接触入力無効モードに切り換える(S24)。
【0066】
そして、モニタ115における表示を切り換えて(S26)、処理を終了する。
【0067】
<接触入力の有効/無効の切り換え>
図9は、ファンクションキー116-2を用いたモード切り換えの動作を説明する図である。この例では、ファンクションキー116-2が接触キーの有効/無効のモード切り換えキーとして機能する。
図7の場合と同様にして、接触キーの有効/無効が切り換えられる。
【0068】
<3モードの切り換え>
図10の例は、ファンクションキー116により、非接触入力および接触入力の両方が有効なモード、非接触入力のみ有効なモード、接触入力のみ有効なモード、の3つのモード切り換えの動作を示すフローチャートである。
【0069】
まず、モード切り換え機能を有するファンクションキー116が操作されたかを判定する(S31)。S31の判定でYESの場合、モニタ115の隣接エリアにおいて、ファンクションキー116にタッチしている間非接触入力および接触入力の両方が有効なモード、非接触入力のみ有効なモード、接触入力のみ有効なモード、の3モードの表示を順次切り換えながら表示する(S32)。そして、ファンクションキー116の操作が解除された時点で、いずれのモードが選択されたかを判定する(S33)。なお、通常のタッチで、3モードの表示を順次切り換え、長押しでモードを選択するなど、モードの選択には他の手段を採用してもよい。
【0070】
そして判定結果に従って、非接触入力および接触入力の両方が有効なモード、非接触入力のみ有効なモード、接触入力のみ有効なモード、のいずれかのモードに設定し(S34~S36)、設定されたモードをモニタ115に表示して(S37)、処理を終了する。
【符号の説明】
【0071】
1:インターホンシステム、2:通信回線、3:管理システム、3a:管理サーバ、10:玄関システム、11:玄関インターホン、11d:カメラ、12:キー検知装置、13:玄関ドア、14:電気錠、15:管理室親機、20:住戸システム、22:インターホン、22a:インターホン親機、22b:ドアホン子機、30:制御装置、50:カバー、60:センサ基板、61:ゲートウェイ、62:ルータ、101:キーエリア、102:タッチキー、110:テンキー、111:呼出キー、112:カメラ、113:人感センサ、114:スピーカ、115:モニタ、116:ファンクションキー、120:通信部、121:処理部、122:報知部、130:非接触キーセンサ、131:発光部、132:受光部、133:駆動部、134:検出部、140:個別報知部、141:発光部、142:駆動部、150:接触キーセンサ。