(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072615
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】活魚輸送装置
(51)【国際特許分類】
A01K 63/02 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
A01K63/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021197351
(22)【出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】521528920
【氏名又は名称】福永 諒
(72)【発明者】
【氏名】福永 諒
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104AA13
2B104AA16
2B104AA22
2B104CA09
2B104CB17
2B104EA05
2B104EB04
2B104EC01
2B104ED05
2B104EE03
(57)【要約】
【課題】 水生生物の長時間生命維持が可能で、かつ、小回りの利く自由度の高い活魚輸送装置というものはこれまでなかった。
【解決手段】 水と水生生物を収容できる着脱可能に構成された水槽ユニットと、吸着材を充填した吸着材カートリッジと、その吸着材カートリッジを収容する濾過槽と、多孔質の散気管を備えた曝気槽と、水温調整器を備えた水温調整槽と、それら各水槽の間を循環させる流路から成る水処理システム搭載型コンパクト活魚輸送装置を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に逆止弁および小型逆止弁を有し、水生生物と水を収容する着脱可能に構成された水槽ユニットと、前記水槽ユニットの前記逆止弁および前記小型逆止弁とそれぞれ重なるように配置された突起貫通部および凹部を有する本体ユニットと、前記本体ユニット内部に前記突起貫通部から濾過槽までの水を移送する流路(9)と、吸着材を充填した吸着材カートリッジと、前記吸着材カートリッジを収容する濾過槽と、前記濾過槽から曝気槽まで水を移送する流路(12)と、多孔質の散気管を備えた前記曝気槽と、前記曝気槽から水温調整槽まで水を移送する流路(15)と、水温調整器を備えた前記水温調整槽と、前記水温調整槽から循環ポンプまでの流路(18)と、前記循環ポンプから前記本体ユニットに備わる凹部までの流路(20)を備えることを特徴とする活魚輸送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水槽ユニット内にジェット水流を発生する機能または散水板を備えることを特徴とする活魚輸送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、活魚輸送の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、中国や韓国といったアジア新興国の経済発展に伴い、活魚需要が世界的に増えてきた。こうした需要に応えるために、これまで特許文献1のような魚介類を生きた状態で輸送する技術が開発されてきた。これ以外にも特許文献2のような活魚運搬袋などもあり、活魚輸送方法の多様化が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2020-162552号公報(段落番号0020~0024)
【特許文献2】特開第2003-134960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
活魚輸送とは、タコやカニなど魚以外のものを含めた水生生物を生きた状態で輸送する技術のことであり、特に活魚の状態で市場価値が高い水生生物に対して用いられる。しかしながら、現在において、活魚を輸送できる場所は市場や受入設備の整った施設と限られており、活魚流通の発展は停滞している。
【0005】
今後の活魚輸送の発展において重要なことは、
・水生生物の生命を長時間維持すること
・小回りの利く配送ができること
である。
【0006】
水生生物の生命を長時間維持するためには、適性水質の維持と輸送時の物理的ダメージのケアが必要となる。水中で活動する水生生物は、呼吸によって酸素を消費し、代謝によってアンモニアを排出する。閉鎖水域内で何も手を加えなければ、酸欠やアンモニア中毒によって死んでしまうため、酸素の供給やアンモニアの除去を行う水処理システムが必要となる。
【0007】
水処理システムの処理能力は、規模や水生生物の収容密度によって決定されるが、水温や三態窒素濃度(アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素)、溶存ガス濃度、色濁度、pHなどの水質項目を適性基準内に維持することができれば、長期的な水生生物の生命維持は実現する。
【0008】
水質だけでなく活魚輸送における水生生物への物理的ダメージのケアも重要である。水処理システムがいかに優れていても、収容時に水生生物が網で擦れて傷ついたり、収容中に水槽の壁に衝突したりすると、そのダメージによって斃死するリスクがある。
【0009】
これまでの活魚流通は、一匹当たりの輸送コストを下げるために水処理システムを大型化して、一度に大量の水生生物を輸送することが重要視されてきた。しかしこれでは、専用の活魚輸送車や受入設備などが必要となり、活魚流通そのものを制限する。活魚需要が高まる現在では、より自由に輸送手段や輸送先を選択できることが要求されるため、小回りの利く活魚輸送が重要と考えられる。
【0010】
上述のポイントを踏まえたうえで、これまでの活魚輸送技術を確認していきたい。
【0011】
特許文献2のような運搬袋は、低コストで小口輸送が可能であるというメリットがある。特に水生生物の小口輸送は、小売店や飲食店などの屋内にも直接輸送が可能で非常に便利である。しかしながら、上述の水処理システムを搭載していないため、十分に酸素を袋内に溶解していたとしてもアンモニアの除去ができない。これでは収容している水生生物がアンモニア中毒に侵される可能性が高く、長時間の活魚輸送には適していない。
【0012】
特許文献1のような水処理システムは、トラック等に搭載することで大量の水生生物を長時間輸送することが可能である。しかしその一方で、水槽や生け簀などの設備が整備された輸送先にしか荷下ろしできないことや水処理システムを搭載できる車両しか選択できないことなどの大きな制約が発生する。
【0013】
このように従来の方法では、小口輸送のできる運搬袋には水処理システムが搭載されておらず、水処理システムを搭載した輸送方法はトラックに限られ、輸送先にも条件を要求する自由度の低い輸送しかなかった。要するに、“水生生物の長時間生命維持が可能で、かつ、小回りの利く自由度の高い活魚輸送装置”というものはこれまでなかった。
【0014】
そこで本発明は、上記の課題を解決するために“水処理システム搭載型コンパクト活魚輸送装置”を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明実施の活魚輸送装置は、底部に逆止弁および小型逆止弁を有し、水生生物と水を収容する着脱可能に構成された水槽ユニットと、前記水槽ユニットの前記逆止弁および前記小型逆止弁とそれぞれ重なるように配置された突起貫通部および凹部を有する本体ユニットと、前記本体ユニット内部に前記突起貫通部から濾過槽までの水を移送する流路(9)と、吸着材を充填した吸着材カートリッジと、前記吸着材カートリッジを収容する濾過槽と、前記濾過槽から曝気槽まで水を移送する流路(12)と、多孔質の散気管を備えた前記曝気槽と、前記曝気槽から水温調整槽まで水を移送する流路(15)と、水温調整器を備えた前記水温調整槽と、前記水温調整槽から循環ポンプまでの流路(18)と、前記循環ポンプから前記本体ユニットに備わる凹部までの流路(20)を備えている。
【0016】
また、水槽ユニット内にジェット水流を発生する機能または収容した水生生物の前方に散水板を備える。
【発明の効果】
【0017】
上記の手段によって、長時間水生生物を生かした状態で持ち運ぶことができ、かつ、小回りが利く自由度の高い配送が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に用いる活魚輸送装置の斜視図である。
【
図2】本発明に用いる活魚輸送装置の水循環フロー図である。
【
図3】本発明に用いる水槽ユニットの正面図である。
【
図4】本発明に用いる本体ユニットの斜視図である。
【
図5】本発明に用いる本体ユニットの背面斜視図である。
【
図6】本発明に用いる濾過槽および吸着材カートリッジの上面図である。
【
図7】本発明に用いる濾過槽および吸着材カートリッジのA-A断面図である。
【
図8】本発明に用いる曝気槽の内部の上面図である。
【
図9】本発明に用いる曝気槽の内部のB-B断面図である。
【
図10】本発明に用いる水温調整槽の上面図である。
【
図11】本発明に用いる水温調整槽のC-C断面図である。
【
図12】本発明に用いる水温調整器のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、水生生物と水を収容する水槽ユニット1と、本体ユニット2を示している。
【0020】
図2は、本発明実施の水循環フローの一例を示している。本発明の活魚輸送装置は、水生生物と水を収容する水槽ユニット1と、アンモニアや懸濁物質を吸着する吸着材カートリッジ3と、吸着材カートリッジ3を収容する濾過槽4と、循環水に空気を溶解する曝気槽5と、水温調整器で加温と冷却を行う水温調整槽6を備えており、本体ユニット2に備わる突起貫通部7と濾過槽入口8までの流路9と、濾過槽出口10から曝気槽入口11までの流路12と、曝気槽出口13から水温調整槽入口14までの流路15と、水温調整槽出口16から循環ポンプ17までの流路18と、循環ポンプ17から本体ユニット2に備わる凹部33までの流路20と、流路9から排水ドレン23までの間に曝気槽排水ドレン21および水温調整槽排水ドレン22が接続された流路24を備えている。水槽ユニット1以外は、本体ユニット2に内蔵されている。
【0021】
散水板19は、水槽ユニット1内にあり外からは見ることができないが、説明を明瞭にするため
図2に位置を図示している。
【0022】
流路24内に設置してある小型逆止弁25(a)および25(b)によって、流路24には排水ドレン23のバルブが開いたときのみ水が流れる。また、図示はしていないが循環ポンプに供給する電源として外部から充電することができるバッテリーを備える。
【0023】
図3は、水槽ユニット1を示している。水槽ユニット1は、開閉フタ26とハンドル27、給水口28、散水板19、逆止弁29、ラッチ30、小型逆止弁31を備えており、全てのパーツが耐水性のある樹脂で製作されている。開閉フタ26は水槽ユニット1の左側面に、散水板19は水槽ユニット1の右側面にある。散水板19はジェット水流を発生させるためのもので、収容する水生生物の前方に、水生生物に対して垂直となるように設置するとよい。給水口28は、水生生物の収容後に給水するためのもので水槽上部にあることが好ましい。逆止弁29は、本体ユニット2の突起貫通部7が重なるように、底面にある。小型逆止弁31は、合体時に本体ユニット2の凹部33と重なるように、水槽ユニット1の底面にある。ハンドル27およびラッチ30は水槽ユニット1の上面にある。
【0024】
図4は、本体ユニット2の斜視図を示している。本体ユニット2の本体カバー34には、突起貫通部7、操作パネル35、電光表示板36、吸着材カートリッジ取出口37、排気口38、凹部33が取付けられている。突起貫通部7は、水槽ユニット1との合体時に水槽ユニット1に備わる逆止弁29と重なる場所にある。凹部33は、水槽ユニット1との合体時に水槽ユニット1に備わる小型逆止弁31と重なる場所にある。操作パネル35は、本体カバー34の上面にあり、電光表示板36は操作パネル35の右横にある。吸着材カートリッジ取出口37は、交換式の吸着材カートリッジ3を抜き差しする開口部であり、本体カバー34の上面にある。排気口38は本体カバー34の左側面にある。
【0025】
図5は、本体ユニット2の背面側斜視図を示している。本体カバー34の背面に排気口38および吸気口39があり、排水ドレン23は、本体カバー34の背面左下部にある。
【0026】
図6は、吸着材カートリッジ3を収容した状態の濾過槽4の上面図であり、
図7は、吸着材カートリッジ3を収容した状態の濾過槽4のA-A断面図である。濾過槽4は、濾過槽入口8と濾過槽出口10を有する。流路9に通水後、濾過槽下部にある濾過槽入口8から水が浸水し、水位の上昇によって濾過槽上部側面にある濾過槽出口10から越流するという構造になっている。濾過槽4に吸着材カートリッジ3を装着すると、濾過槽入口8から浸水してきた水は吸着材カートリッジ内部を通り、濾過槽出口10から越流する。なお、濾過槽入口8は濾過槽4の底部にあり、濾過槽出口10は濾過槽上部側面にある。
【0027】
吸着材カートリッジ3は、内部上部にフィルター40および吸着材41、内部底部に小型逆止弁42を備える。フィルター40によって懸濁物質を除去し、吸着材41によって、通水した水中の懸濁物質やアンモニアを吸着する。また、小型逆止弁42があることで、取出し時に中の水が滴ることなく取り出すことができる。
【0028】
図8は、曝気槽5を示しており、
図9は、曝気槽5のB-B断面図を示している。曝気槽5は、曝気槽入口11と曝気槽出口13、曝気槽排水ドレン21、内部下部にエアーストーン43、内部上部に防水通気性のフィルター44を備える。曝気槽入口11から浸水し水位の上昇によって曝気槽出口13から流路15へと水が流れる。水位が高い状態で、エアーストーン43に外気が送られると、槽内でバブリングが発生し、空気が溶解する。溶解しきれなかった空気は、防水通気性フィルター44を通り系外へ排出される。なお、曝気槽入口11は曝気槽5の右下部にあり、曝気槽出口13は曝気槽5の左上部にあり、曝気槽排水ドレン21は曝気槽5の下部側面にある。
【0029】
図10は、水温調整槽6を示しており、
図11は、水温調整槽6のC-C断面図を示している。水温調整槽6は、水位センサー45および水温センサー46、ヒートシンク47を内蔵し、水温調整槽入口14と水温調整槽出口16、水温調整槽排水ドレン22を有する。水温調整槽6には開口部があり、その開口部を塞ぐようにヒートシンク47が配置され、水温調整槽6の壁面とヒートシンク47の間にはガスケット48を挟みこむことで密着している。なお、水温調整槽入口14は水温調整槽6の左上部にあり、水温調整槽出口16は水温調整槽6の右下部にあり、水温調整槽排水ドレン22は水温調整槽6の左下部にある。水位センサーと水温センサーは、水温調整槽6に内蔵されていれば場所は問わない。
【0030】
循環水の冷却・加温にはペルチェ素子49を用いる。ペルチェ素子49は板状の半導体素子で、直流電流を流すと一方の面が吸熱し、反対の面が発熱する。電流の極性を逆転すると、吸熱面と発熱面が逆になる性質をもつ。このペルチェ素子49にヒートシンク47を固定することで、効率よく循環水を冷却もしくは加温することができる。
【0031】
図12は、水温調整槽6のD-D断面図を示している。水温調整槽6に内蔵されたヒートシンク47にはペルチェ素子49が固定されており、ペルチェ素子49から発生する反対面の熱を放熱するために放熱用ヒートシンク50が配置されている。
【0032】
本体ユニット内部に、バッテリーおよび制御部を有する。内蔵されていれば場所は問わない。
【実施例0033】
次に、上記発明品の実施例を説明する。
【0034】
水槽ユニット1を本体ユニット2から分離して、水生生物を水中で収容する。水中で水生生物を収容することで、収容時に発生する水生生物へのキズや擦れを防ぐことができる。
【0035】
水槽ユニット1は、ポリカーボネートやアクリル、ABS、塩化ビニルなど透明性の樹脂によって形成されているため、収容した水生生物を観察することができる。また、水槽ユニットの表面は空気層を挟んだ二重構造になっているため保温性が高く、外気温の影響を受けにくい。
【0036】
水生生物と水の収容後、水槽ユニット1の逆止弁29と本体ユニット2の突起貫通部7が合わさるように合体させる。合体すると逆止弁29が開き、流路9に水が流れ、濾過槽4→吸着材カートリッジ3→曝気槽5→水温調整槽6の順に水が溜まっていく。
【0037】
水槽ユニット1以外の各水槽は、硬質ウレタンフォームやポリスチレン発泡体などの断熱材で形成もしくは表面に塗布されているため保温性が高い。水の通り道に保温加工を施すことで水温維持に係るエネルギーが節約されるため、水温調整器をコンパクトにすることができる。
【0038】
流路9に通水されると水槽ユニット1内の水位が下がるため、水槽ユニット1上部にある給水口28から給水して満水にする。満水にできていないと水槽上部に空間ができてしまい、運搬時の揺れによって、収容している水と水生生物が揺動し、水生生物が水槽の壁に激突してダメージを受けてしまう可能性がある。
【0039】
濾過槽4に収容された吸着材カートリッジ3は、内部に活性炭やゼオライトといった吸着材41が充填されているため、通水時に水中のアンモニアが吸着される。この吸着剤41を用いることで、特許文献1のような微生物を固定した担体を用いる必要がなく、少ないスペースでアンモニアを除去することができる。吸着材の効力が落ちた際には、吸着材カートリッジ取出口37から使用済みの吸着材カートリッジ3を取出し、未使用の吸着材カートリッジ3を収容することで、循環水中のアンモニアを低濃度に維持することができる。
【0040】
濾過槽4および吸着材カートリッジ3は、その下流に懸濁物質を含んだ水が流れて配置されている流路や散水板が懸濁物質によって目詰まりを起こさないように、収容水槽直後に配置することが好ましい。
【0041】
曝気槽5は、循環水に外気をバブリングすることで空気が溶解し、循環水中の酸素や二酸化炭素、窒素といったガスバランスを整える役割を担う。バブリング気泡をより細やかにすることでガス溶解効率が上がるため、エアーストーン43のような細孔のある散気管を用いることが好ましい。
【0042】
ガス溶解効率をさらに上げるため、曝気槽入口11と曝気槽出口13は曝気槽の対角線上に配置することが好ましい。
【0043】
水温調整槽6は、水位センサー45と水温センサー46の2種類のセンサーとヒートシンク47を備える。
【0044】
水位センサー45は水温調整槽6の水位を測定し、その測定結果を制御部へ出力する。制御部は、その測定結果が所定の高さよりも高い場合には循環ポンプ17が稼働し、低い場合には循環ポンプ17が停止する制御を行う。この制御は、循環ポンプ17の空転防止のために備えられている。
【0045】
水温センサー46は水温調整槽6の水温を測定し、その測定結果を制御部へ出力する。制御部は、その測定結果が所定温度よりも高い場合には冷却し、低い場合には加温する制御を行う。
【0046】
水温調整槽6の水位が所定の高さに達すると、循環ポンプ17が稼働し、水が流路20を通り散水板19へ送られる。散水板19は、穴径φ0.5mm以下の複数の穴で構成されており、ある程度収束して配置することで、通水時にジェット水流を作り出すことができる。
【0047】
一部の水生生物は、泳ぐことによって新鮮な水を口から取り込み鰓を通すことで呼吸や浸透圧調整、アンモニア排出などを行うため、狭い水槽等で生命維持を行う場合にはジェット水流が効果的である。
【0048】
各種電動部の操作は、操作パネル35によって実行できる。操作パネル35の電源ボタンを押すことで、センサー類および制御部、循環ポンプ17、エアーポンプ、換気ファン、電光表示板36などに通電され、電気は内部バッテリーより供給される。
【0049】
外部電源を接続することで内部バッテリーの充電を行うことができ、接続された状態であれば、循環ポンプ17などの電動部や連続で稼働することができる。
【0050】
外部電源が接続された状態で、操作パネル35の水温維持ボタンを押すと、ペルチェ素子49に通電され自動で[0045]の水温維持制御が働く。
【0051】
水生生物および水を収容した状態で、本発明品の重量は15kg以下である。この重量は、労働基準法に定められる“継続的な運搬が可能な重量”20kg未満であるため、個人が持ち運ぶことができる。