(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072648
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】POPラベル
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20230517BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
G09F3/02 Z
G09F3/10 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022123371
(22)【出願日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2021185046
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592233347
【氏名又は名称】シーレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】杉山 彩乃
(72)【発明者】
【氏名】石原 仁志
(72)【発明者】
【氏名】中島 孝
(57)【要約】
【課題】カールを抑制することが可能なPOPラベルを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るPOPラベルは、被着体に貼着可能に構成される貼着部と、被着体から離れて突出可能に構成される突出部と、を有するPOPラベルであって、セルロース系樹脂を含有し、一方側の表面が互いに対向して配置される一対のセルロース材層と、前記一対のセルロース材層の間に配置される印刷層と、前記一対のセルロース材層のうち、一方のセルロース材層の他方側で、かつ、少なくとも前記貼着部に対応する位置に配置される粘着剤層と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に貼着可能に構成される貼着部と、被着体から離れて突出可能に構成される突出部と、を有するPOPラベルであって、
セルロース系樹脂を含有し、一方側の表面が互いに対向して配置される一対のセルロース材層と、
前記一対のセルロース材層の間に配置される印刷層と、
前記一対のセルロース材層のうち、一方のセルロース材層の他方側で、かつ、少なくとも前記貼着部に対応する位置に配置される粘着剤層と、
を備える、POPラベル。
【請求項2】
さらに、前記一対のセルロース材層のうち、少なくとも一方のセルロース材層と前記印刷層との間に、紫外線硬化型樹脂層を備える、請求項1に記載のPOPラベル。
【請求項3】
前記粘着剤層が、前記貼着部に対応する位置にのみ配置される、前記請求項1に記載のPOPラベル。
【請求項4】
前記セルロース材層の厚さが、10μm以上60μm以下である、請求項1に記載のPOPラベル。
【請求項5】
前記一対のセルロース材層の厚さが同一である、請求項1に記載のPOPラベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POPラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の容器表面には、商品名、商品説明等を表示するラベルの他に、商品の販売促進を目的として、商品の特徴やキャッチコピー、キャンペーン情報等を表示するラベルが貼り付けられることがある。
【0003】
このようなラベルは、特に、近年、環境保護のニーズの高まりを受けて、従来の材料から、環境に配慮した材料への転換が進められている。例えば、セルロース等の生分解性高分子から構成される樹脂を含むラベルが種々提案されており、特許文献1には、印刷層、生分解性フィルム層、粘着層が順次積層されてなるラベルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来、ラベルの一部を商品から突出させて貼着することにより、店頭や陳列棚で消費者の注意を惹くことが可能なPOPラベルが知られている。このようなPOPラベルも、環境に配慮した材料への転換が望まれているものの、例えば、セルロース系樹脂を用いてPOPラベルを作製すると、商品から突出した部分が時間の経過に伴いカールするという問題がある。POPラベルがカールすると、消費者の注意を惹くというPOPラベル本来の機能が損なわれる虞があり、望ましくない。
【0006】
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、カールを抑制することが可能なPOPラベルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るPOPラベルは、被着体に貼着可能に構成される貼着部と、被着体から離れて突出可能に構成される突出部と、を有するPOPラベルであって、セルロース系樹脂を含有し、一方側の表面が互いに対向して配置される一対のセルロース材層と、前記一対のセルロース材層の間に配置される印刷層と、前記一対のセルロース材層のうち、一方のセルロース材層の他方側で、かつ、少なくとも前記貼着部に対応する位置に配置される粘着剤層と、を備える。
【0008】
前記POPラベルは、前記印刷層が前記一対のセルロース材層の間に配置されることにより、POPラベルのカールを抑制することができる。
【0009】
本発明に係るPOPラベルは、さらに、前記一対のセルロース材層のうち、少なくとも一方のセルロース材層と前記印刷層との間に、紫外線硬化型樹脂層を備えていてもよい。
【0010】
前記POPラベルは、斯かる構成により、セルロース材層と印刷層との密着性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係るPOPラベルは、前記粘着剤層が、前記貼着部に対応する位置にのみ配置されていてもよい。
【0012】
前記POPラベルは、斯かる構成により、POPラベルのカールをより抑制することができる。
【0013】
本発明に係るPOPラベルにおいて、前記セルロース材層の厚さが、10μm以上60μm以下であってもよい。
【0014】
前記POPラベルは、斯かる構成により、POPラベルのカールをより抑制することができる。
【0015】
本発明に係るPOPラベルにおいて、前記一対のセルロース材層の厚さが同一であってもよい。
【0016】
前記POPラベルは、斯かる構成により、POPラベルのカールをより抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カールを抑制することが可能なPOPラベルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るPOPラベル1の構成を示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係るPOPラベル1について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るPOPラベル1の構成を示す断面模式図である。POPラベル1は、被着体に貼着可能に構成される貼着部2と、被着体から離れて突出可能に構成される突出部3と、を有する。POPラベル1は、貼着部2が被着体に貼り付けられた際に、突出部3が被着体の表面から離れて突出することにより、消費者の注意を惹くことが可能なPOPラベルとして機能する。
【0021】
POPラベル1は、
図1に示すように、一対のセルロース材層4,4と、一対のセルロース材層4,4の間に配置される印刷層5と、一対のセルロース材層4,4のうち、一方のセルロース材層4の他方側に配置される粘着剤層6と、を備える。また、POPラベル1は、各セルロース材層4と印刷層5との間にそれぞれ紫外線硬化型樹脂層7を備える。すなわち、POPラベル1は、セルロース材層4と、紫外線硬化型樹脂層7と、印刷層5と、紫外線硬化型樹脂層7と、セルロース材層4と、粘着剤層6とが、この順に積層されてなる。なお、本明細書において、POPラベル1を構成する各層が積層する方向を「積層方向」という。
【0022】
一対のセルロース材層4,4は、一方側の表面41が互いに対向して配置される。一対のセルロース材層4,4は、積層方向から見て同一の形状及び大きさを有する。各セルロース材層4の厚さは、POPラベル1のカールをより抑制する観点から、10μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。また、一対のセルロース材層4,4の厚さは、POPラベル1のカールをより抑制する観点から、同一である。なお、本明細書において同一とは、公差を考慮した同一を意味する。
【0023】
セルロース材層4は、セルロース系樹脂を含有する。セルロース系樹脂としては、セルロース、又は、セルロース誘導体がある。セルロース誘導体としては、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、その他のセルロース誘導体等が挙げられる。セルロース材層4は、セルロース系樹脂を従来公知の方法によりフィルム状に成形することにより形成することができる。
【0024】
印刷層5は、一対の紫外線硬化型樹脂層7,7の間に配置される。印刷層5は、積層方向から見てセルロース材層4と同一の形状及び大きさを有する。印刷層5の厚さは、POPラベル1のカールをより抑制する観点から、1μm以上15μm以下であることが好ましく、2μm以上10μm以下であることがより好ましい。
【0025】
印刷層5は、従来公知の印刷インキから形成される。より詳しくは、印刷層5は、一方の紫外線硬化型樹脂層7上において、全体的に隙間なく配置された印刷インキから形成される。従来公知の印刷インキとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フェノール系樹脂、UV硬化型樹脂等のバインダー樹脂に顔料等の着色剤が配合された有色インキ、メジウム等の無色透明のインキ等が挙げられる。顔料としては、特に限定されるものではなく、有機顔料又は無機顔料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン系顔料、金属錯塩顔料、カーボンブラック等が挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化バリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、シリカ、アルミニウム、マイカ、黄鉛、パール顔料、真鍮等が挙げられる。印刷インキの印刷方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱転写方式(熱転写)、インクジェット方式、グラビア印刷、UVフレキソ印刷、UV樹脂凸版印刷等が挙げられる。
【0026】
粘着剤層6は、貼着部2に対応する位置にのみ配置される。粘着剤層6の厚さは、POPラベル1のカールをより抑制する観点から、5μm以上40μm以下であることが好ましく、8μm以上30μm以下であることがより好ましい。
【0027】
粘着剤層6は、例えば、アクリル(メタクリル)系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の従来公知の粘着剤から形成される。より詳しくは、粘着剤層6は、貼着部2に対応する位置において、全体的に隙間なく配置された粘着剤から形成される。粘着剤層6の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、シート状の粘着剤の貼着、液体状の粘着剤の塗工又は印刷等が挙げられる。
【0028】
紫外線硬化型樹脂層7は、積層方向から見て、各セルロース材層4及び印刷層5と同一の形状及び大きさを有する。紫外線硬化型樹脂層7の厚さは、紫外線硬化型樹脂の重合反応を安定させ、硬化しやすくする観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。また、紫外線硬化型樹脂層7の厚さは、POPラベル1のカールを抑制する観点から、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
【0029】
紫外線硬化型樹脂層7は、紫外線硬化型接着剤、又は、紫外線硬化型粘着剤から形成される。なお、本明細書において、紫外線硬化型接着剤とは、紫外線を照射することにより固体状に変化し、これにより被着体に対して密着性を発揮するものをいう。また、紫外線硬化型粘着剤とは、紫外線を照射することにより表面にタック性を有し、被着体に押し当てることにより被着体に対して密着性を発揮するものをいう。紫外線硬化型接着剤、及び、紫外線硬化型粘着剤としては、例えば、ウレタンアクリレート樹脂やポリブタジエンジアクリレート樹脂等からなるラジカル系の樹脂や、ポリビニルエーテル化合物やエポキシ化合物等からなるカチオン系の樹脂等から形成されるものを用いることができる。紫外線硬化型樹脂層7の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、液体状の樹脂の塗工又は印刷等が挙げられる。
【0030】
POPラベル1は、このように構成されることにより、貼着部2においては、セルロース材層4と、紫外線硬化型樹脂層7と、印刷層5と、紫外線硬化型樹脂層7と、セルロース材層4と、粘着剤層6とが、この順に積層され、粘着剤層6を介して被着体の表面に貼り付けられる。突出部3においては、セルロース材層4と、紫外線硬化型樹脂層7と、印刷層5と、紫外線硬化型樹脂層7と、セルロース材層4とが、この順に積層され、被着体の表面に貼り付くことなく離れて突出する。
【0031】
POPラベル1は、例えば、突出部3が貼着部2の上方に位置するように(すなわち、突出部3が被着体の表面から離れて上方に突出するように)、貼着部2を被着体に貼り付けて使用することができる。被着体は、特に限定されず、例えば、調理済み食品が収納された容器、飲料容器、調味料容器、シャンプーや洗剤などのサニタリー容器、日用品などが収容された日用品容器、化粧品容器、医薬品容器、紙製包装箱等の各種容器が挙げられる。
【0032】
本実施形態に係るPOPラベル1は、印刷層5が一対のセルロース材層4,4の間に配置されることにより、POPラベル1のカールを抑制することができる。
【0033】
本実施形態に係るPOPラベル1は、さらに、一対のセルロース材層4,4のうち、少なくとも一方のセルロース材層4と印刷層5との間に、紫外線硬化型樹脂層7を備えることにより、セルロース材層4と印刷層5との密着性を向上させることができる。
【0034】
本実施形態に係るPOPラベル1は、粘着剤層6が、貼着部2に対応する位置にのみ配置されることにより、POPラベル1のカールをより抑制することができる。
【0035】
本実施形態に係るPOPラベル1は、セルロース材層4の厚さが、10μm以上60μm以下であることにより、POPラベル1のカールをより抑制することができる。
【0036】
本実施形態に係るPOPラベル1は、一対のセルロース材層4,4の厚さが同一であることにより、POPラベル1のカールをより抑制することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0038】
例えば、上記実施形態に係るPOPラベル1では、セルロース材層4、印刷層5、及び紫外線硬化型樹脂層7の積層方向から見た形状及び大きさが同一である場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、各層の積層方向から見た形状及び大きさは同一でなくてもよい。
【0039】
例えば、上記実施形態に係るPOPラベル1では、一対のセルロース材層4,4の厚さが、同一である場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、一対のセルロース材層4,4の厚さは、同一でなくてもよい。
【0040】
例えば、上記実施形態に係るPOPラベル1では、印刷層5の一方側の表面51及び他方側の表面52の両方に紫外線硬化型樹脂層7が積層される場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、一対のセルロース材層4,4のうち、少なくとも一方のセルロース材層4と印刷層5との間に紫外線硬化型樹脂層7を備えていてもよい。すなわち、印刷層5の一方側の表面51又は他方側の表面52のいずれか一方にのみ紫外線硬化型樹脂層7が積層されていてもよい。
【0041】
例えば、上記実施形態に係るPOPラベル1では、印刷層5が、一方の紫外線硬化型樹脂層7上に全体的に隙間なく配置された印刷インキから形成される場合(いわゆる、べた塗の場合)について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、印刷層5が、例えば、模様、パターン等を形成するように(すなわち、部分的に隙間が存在するように)配置された印刷インキから形成されていてもよい。
【0042】
また、上記実施形態に係るPOPラベル1では、粘着剤層6が、貼着部2に対応する位置にのみ配置される場合について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、粘着剤層6は、一対のセルロース材層4,4のうち、一方のセルロース材層4の他方側で、かつ、少なくとも貼着部2に対応する位置に配置されていればよい。すなわち、突出部3に対応する位置にも粘着剤層6を配置し、該粘着剤層6に対してフィルムの貼付、又は、ニスを塗布若しくは印刷等することにより、突出部3に対応する位置に配置された粘着剤層6の粘着性をなくす糊殺し処理を行ってもよい。
【0043】
また、上記実施形態に係るPOPラベル1では、粘着剤層6が、貼着部2に対応する位置において、全体的に隙間なく配置された粘着剤から形成される場合(いわゆる、べた塗の場合)について説明した。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、粘着剤層6が、例えば、模様、パターン等を形成するように(すなわち、部分的に隙間が存在するように)配置された粘着剤から形成されていてもよい。
【0044】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]被着体に貼着可能に構成される貼着部と、被着体から離れて突出可能に構成される突出部と、を有するPOPラベルであって、
セルロース系樹脂を含有し、一方側の表面が互いに対向して配置される一対のセルロース材層と、
前記一対のセルロース材層の間に配置される印刷層と、
前記一対のセルロース材層のうち、一方のセルロース材層の他方側で、かつ、少なくとも前記貼着部に対応する位置に配置される粘着剤層と、
を備える、POPラベル。
[2]さらに、前記一対のセルロース材層のうち、少なくとも一方のセルロース材層と前記印刷層との間に、紫外線硬化型樹脂層を備える、[1]に記載のPOPラベル。
[3]前記粘着剤層が、前記貼着部に対応する位置にのみ配置される、[1]又は[2]に記載のPOPラベル。
[4]前記セルロース材層の厚さが、10μm以上60μm以下である、[1]~[3]のいずれか一つに記載のPOPラベル。
[5]前記一対のセルロース材層の厚さが同一である、[1]~[4]のいずれか一つに記載のPOPラベル。
【実施例0045】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
<POPラベルの作製>
(実施例)
実施例のPOPラベルは、
図1に示すPOPラベルと同一の構造を有するように、セルロース材層、紫外線硬化型樹脂層、印刷層、紫外線硬化型樹脂層、セルロース材層、及び、粘着剤層を、この順で積層することにより作製した。具体的には、まず、セルロース材層とするセルロースフィルム(フタムラ化学社製、厚さ:35μm)の一方側の表面に、紫外線硬化型アクリル系接着剤を3μmの厚さで塗工した後、直ちに紫外線を照射して硬化させることにより紫外線硬化型樹脂層を形成した。次に、紫外線硬化型樹脂層の表面に、紫外線硬化型アクリル系樹脂を用いて、厚さが5μmとなるように所定のデザインを印刷して印刷層を形成した。続いて、印刷層の表面に紫外線硬化型アクリル系接着剤を3μmの厚さで塗工して硬化前の紫外線硬化型樹脂層を形成した後、セルロース材層とするセルロースフィルム(フタムラ化学社製、厚さ:35μm)の一方側の表面を前記硬化前の紫外線硬化型樹脂層に貼り合わせて、紫外線を照射して硬化させた。最後に、一方のセルロースフィルムの他方側の表面の一部の領域(11.5mm×43.5mm)に粘着剤層として粘着剤(ゴム系ホットメルト)を12μmの厚さで塗工した後、該粘着剤層の表面にセパレータを貼り付けて抜き加工を行い、四角形状(52.5mm×43.5mm)のPOPラベルを得た。
【0047】
(比較例)
比較例のPOPラベルは、粘着剤層、セルロース材層、紫外線硬化型樹脂層、及び、印刷層を、この順で積層することにより作製した。具体的には、実施例のPOPラベルと同様の方法により、まず、セルロース材層とするセルロースフィルム(フタムラ化学社製、厚さ:35μm)の一方側の表面に、紫外線硬化型アクリル系樹脂を3μmの厚さで塗工した後、直ちに紫外線を照射して硬化させることにより紫外線硬化型樹脂層を形成した。次に、紫外線硬化型樹脂層の表面に、紫外線硬化型アクリル系樹脂を用いて、厚さが5μmとなるように所定のデザインを印刷して印刷層を形成した。続いて、セルロースフィルムの他方側の表面の一部の領域(10mm×60mm)に粘着剤層として粘着剤(ゴム系ホットメルト)を12μmの厚さで塗工した後、該粘着剤層の表面にセパレータを貼り付けて抜き加工を行い、四角形状(50mm×60mm)のPOPラベルを得た。
【0048】
<カール抑制の評価>
実施例及び比較例のPOPラベルを、突出部が被着体(円筒状の容器)の表面から離れて上方に突出するように貼着部を被着体に貼り付けて、室内で静置した。室温は23℃~25℃であり、湿度は30%~50%であった。貼付け直後、並びに、貼り付けてから1日後及び5日後のPOPラベルの状態を目視で確認し、カールが発生した場合(すなわち、POPラベルの突出部が曲がった場合)は「×」、カールが発生しなかった場合は「〇」と評価した。結果を表1に示す。
【0049】
【0050】
実施例のPOPラベルは、被着体に貼り付けてから5日後までにカールが発生しなかった。一方、比較例のPOPラベルは、被着体に貼り付けてから1日後に、突出部の先端部に位置する2つの角部が被着体の内側方向に曲がった(すなわち、カールが発生した)。したがって、本発明の構成要件をすべて満たす実施例のPOPラベルは、比較例のPOPラベルと比較してカールを抑制することができる。