(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072649
(43)【公開日】2023-05-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230517BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125840
(22)【出願日】2022-08-05
(62)【分割の表示】P 2021184900の分割
【原出願日】2021-11-12
(71)【出願人】
【識別番号】309026624
【氏名又は名称】株式会社ユカリア
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】今西 是裕
(72)【発明者】
【氏名】小野 颯
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロボットを用いて間接的にユーザの体調を表現する情報処理装置、方法及びプログラム並びにアプリケーションプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、情報処理端末110から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得部と、ロボット120がユーザの体調に合わせた動作を行うように、ロボットに体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信部と、情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。ユーザ情報取得部は、問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、情報処理端末から、ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候及び気温の少なくとも何れか一つをユーザ環境情報として取得する。コマンド送信部は、ユーザ環境情報に応じたコマンドをロボットに送る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えた情報処理端末と、ロボットとの間で、ネットワークを介して通信を行う情報処理装置であって、
前記情報処理端末から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ロボットが前記ユーザの体調に合わせた動作を行うように、前記ロボットに前記体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信部と、
前記情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記ユーザ情報取得部は、前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記情報処理端末から、ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得し、
前記コマンド送信部は、前記ユーザ環境情報に応じたコマンドを前記ロボットに送る情報処理装置。
【請求項2】
前記ロボットに設けられたセンサによって検出したタッチ情報を、前記ロボットから取得するロボット情報取得部と、
前記タッチ情報に基づいた報知を前記情報処理端末のユーザに行うように、前記情報処理端末を制御する端末制御部と、
をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記ロボットを表す画像を前記表示部に表示させ、
前記ユーザ情報取得部は、前記情報処理端末に表示された前記ロボットの画像に対してユーザが行った操作を前記体調情報として取得し、
前記コマンド送信部は、前記操作に応じたコマンドを前記ロボットに送る請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報取得部は、前記情報処理端末から、ユーザの生年月日、性別、疾病または障害の少なくともいずれか一つをユーザ属性として取得し、
前記コマンド送信部は、前記ユーザ属性に応じたコマンドを前記ロボットに送る請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示部を備えた情報処理端末と、ロボットとをネットワークを介して制御する情報処理方法であって、
ユーザ情報取得部が、前記情報処理端末から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
コマンド送信部が、前記ロボットが前記ユーザの体調に合わせた動作を行うように、前記ロボットに前記体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信ステップと、
表示制御部が、前記情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
含み、
前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記ユーザ情報取得ステップでは、前記情報処理端末から、ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得し、
前記コマンド送信ステップにおいて、前記コマンド送信部が、前記ユーザ環境情報に応じたコマンドを前記ロボットに送る情報処理方法。
【請求項6】
表示部を備えた情報処理端末と、ロボットとをネットワークを介して制御する情報処理プログラムであって、
前記情報処理端末から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
前記ロボットが前記ユーザの体調に合わせた動作を行うように、前記ロボットに前記体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信ステップと、
前記情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記ユーザ情報取得ステップでは、前記情報処理端末から、ユーザの歩行量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得し、
前記コマンド送信ステップにおいて、前記ユーザ環境情報に応じたコマンドを前記ロボットに送る情報処理プログラム。
【請求項7】
表示部を備えた情報処理端末で実行されるアプリケーションプログラムであって、
ユーザの体調を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示ステップと、
前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得する取得ステップと、
前記問い合わせ画像に対する回答に応じた動作または、前記ユーザ環境情報に応じた動作をロボットが行うように、サーバに指示を行う指示ステップと、
を前記情報処理端末で実行させるアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムおよびアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、アバターを用いてユーザの孤独感または不安等を和らげることが可能な情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、自己表現の苦手なユーザに対して、体調の表現を促すことができなかった。
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、
表示部を備えた情報処理端末と、ロボットとの間で、ネットワークを介して通信を行う情報処理装置であって、
前記情報処理端末から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ロボットが前記ユーザの体調に合わせた動作を行うように、前記ロボットに前記体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信部と、
前記情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記ユーザ情報取得部は、前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記情報処理端末から、ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得し、
前記コマンド送信部は、前記ユーザ環境情報に応じたコマンドを前記ロボットに送る情報処理装置である。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る方法は、
表示部を備えた情報処理端末と、ロボットとをネットワークを介して制御する情報処理方法であって、
ユーザ情報取得部が、前記情報処理端末から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
コマンド送信部が、前記ロボットが前記ユーザの体調に合わせた動作を行うように、前記ロボットに前記体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信ステップと、
表示制御部が、前記情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
含み、
前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記ユーザ情報取得ステップでは、前記情報処理端末から、ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得し、
前記コマンド送信ステップにおいて、前記コマンド送信部が、前記ユーザ環境情報に応じたコマンドを前記ロボットに送る情報処理方法である。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
表示部を備えた情報処理端末と、ロボットとをネットワークを介して制御する情報処理プログラムであって、
前記情報処理端末から、ユーザの体調情報を取得するユーザ情報取得ステップと、
前記ロボットが前記ユーザの体調に合わせた動作を行うように、前記ロボットに前記体調情報に応じたコマンドを送るコマンド送信ステップと、
前記情報処理端末のユーザの状態を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記ユーザ情報取得ステップでは、前記情報処理端末から、ユーザの歩行量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得し、
前記コマンド送信ステップにおいて、前記ユーザ環境情報に応じたコマンドを前記ロボットに送る情報処理プログラムである。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るプログラムは、
表示部を備えた情報処理端末で実行されるアプリケーションプログラムであって、
ユーザの体調を問い合わせる問い合わせ画像を前記表示部に表示させる表示ステップと、
前記問い合わせ画像に対する回答が一定期間ない場合に、前記ユーザの運動量、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得する取得ステップと、
前記問い合わせ画像に対する回答に応じた動作または、前記ユーザ環境情報に応じた動作をロボットが行うように、サーバに指示を行う指示ステップと、
を前記情報処理端末で実行させるアプリケーションプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザは、ロボットを用いて間接的に自らの体調を表現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】第2実施形態に係る情報処理システムの構成および作用を示す図である。
【
図3】第2実施形態に係る情報処理システムの構成および作用を示す図である。
【
図4】第2実施形態に係るサーバの内部構成および作用を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係るアプリケーションの動作を示す図である。
【
図6】第2実施形態に係るアプリケーションの動作を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係るサーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第2実施形態に係るサーバの入力項目を示すテーブルである。
【
図10】第2実施形態に係るアプリケーションの画面例を示す図である。
【
図11】第2実施形態に係るアプリケーションの連携を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としての情報処理装置100について、
図1を用いて説明する。情報処理装置100は、表示部111を備えた情報処理端末110と、ロボット120と、ネットワーク130を介して通信を行う情報処理装置である。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置100は、ユーザ情報取得部101とコマンド送信部102とを含む。
【0014】
ユーザ情報取得部101は、情報処理端末110から、ユーザ150の体調情報151を取得する。
【0015】
コマンド送信部102は、ロボット120がユーザ150の体調に合わせた動作を行うように、ロボット120に体調情報に応じたコマンド121を送る。
【0016】
以上の構成により、ユーザは、ロボットを用いて間接的に自らの体調を表現することが可能となる。
【0017】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理システム200について、
図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理システム200の全体的な処理の概要を説明するための図である。
【0018】
情報処理システム200は、表示部211を有するスマートフォン201と、サーバ202と、ぬいぐるみ型のぬいぐるみ型ロボット203とを備える。
【0019】
ます、スマートフォン201を用いて専用のアプリケーション212を起動し、専用アプリ212のユーザアカウントと、ぬいぐるみ型ロボット203とを一対一に対応させる。
【0020】
次に、ユーザ210が、そのユーザアカウントから体調情報213を入力する。入力された体調情報は専用アプリ212によってサーバ202に送られる。サーバ202は、取得した体調情報をデータベース221に格納する。
【0021】
例えば、以下のようにユーザに対して報知することにより体調情報213の入力を促してもよい。・朝昼夜の決まった時間に体調情報入力を促すアラートを出す。・他人から連絡をもらうアプリケーションに着信通知が来ているのに一定時間アプリケーションを起動しないときに体調情報入力を促すアラートを出す。・0時~4時のような深夜の時間帯に一定時間以上スマートフォンの操作をしているときに体調情報入力を促すアラートを出す。
【0022】
ぬいぐるみ型ロボット203は、ユーザ210の体調に合わせた動作を行うように、サーバ202から定期的にコマンド222を受信し、受信したコマンドに応じたポーズや表情を実行する。これにより、ぬいぐるみ型ロボット203を見た、ユーザ210の家族が、ユーザ210の健康状態を察することができる。
【0023】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム200の全体的な処理の概要を説明するための他の図である。
【0024】
ぬいぐるみ型ロボット203は、設けられたセンサによって検出したタッチ情報231を、サーバ202に随時送信する。つまり、ユーザ210の家族などがぬいぐるみ型ロボット203をなでると、なでられたという情報がサーバ202に飛ぶ。サーバ202は、タッチ情報231をデータベース221に格納し、タッチ情報231に基づいた報知をユーザ210に行うようにスマートフォン201を制御する。
【0025】
図4は、本実施形態にかかる情報処理装置としてのサーバ202の構成を示す図である。サーバ202は、端末制御部421とユーザ情報取得部422とコマンド送信部423とロボット情報取得部424とを備えている。端末制御部(表示制御部)421は、スマートフォン201のユーザ210の状態を問い合わせる問い合わせ画像を表示部211に表示させる。また、端末制御部421はさらに、タッチ情報231に基づいた報知をユーザ210に行うようにスマートフォン201を制御する。つまり、アプリ212を通じて、ぬいぐるみ型ロボット203がいたわられたことを、ユーザに通知する。ユーザ情報取得部422は、表示部211に表示された問い合わせ画像に対してユーザが行った回答を取得する。コマンド送信部423は、ユーザ情報取得部422で取得した回答に応じたコマンドをぬいぐるみ型ロボット203に送り、ぬいぐるみ型ロボット203を動作させる。
【0026】
具体的には、
図5に示すように、スマートフォン201の画面にぬいぐるみ型ロボット203に対応するキャラクタ画像521を問い合わせ画像として表示させ、ユーザ210によるタッチ操作やドラッグ操作などで、キャラクタ画像521を動かす。
【0027】
ユーザ情報取得部422は、キャラクタ画像521に対してユーザ210が行った操作を体調情報として取得し、コマンド送信部423は、取得した操作に対応するコマンドをぬいぐるみ型ロボット203に送る。
【0028】
例えば、ユーザ210の気分や体調がよいときには、キャラクタ画像の腕をぐるぐるしてもらう。するとスマートフォン201の入力内容に連動してぬいぐるみ型ロボット203の腕が上がり、目がぱっちりと開く。これにより、ぬいぐるみ型ロボット203の近くにいる、ユーザ210の家族501は、ユーザ210の具合が良さそうだなと感じることができる。
【0029】
一方で、例えば、ユーザ210の体調が悪い時、気分が重いときには、キャラクタ画像を何度もタップしたり、長押ししたりしてもらう。するとスマートフォン201の入力内容に連動してぬいぐるみ型ロボット203の腕や耳が下がり、目が閉じる。これにより、ぬいぐるみ型ロボット203の近くにいるユーザ210の家族501は、ユーザ210の具合が悪そうだなと感じることができる。
【0030】
ロボット情報取得部424は、ぬいぐるみ型ロボット203に設けられたセンサによって検出したタッチ情報231を、ロボットから取得する。そして端末制御部421は、タッチ情報に基づいた報知601をスマートフォン201のユーザ210に行うように、スマートフォン201を制御する(
図6)。
【0031】
図7、
図8は、サーバ202の処理の流れを示すフローチャートである。
図9は、アプリケーション212で取得するデータのリストである。ここでは、アプリケーション212は、例として癌患者の体調モニタリングに特化したアプリケーションである。
【0032】
まず、アプリケーション212の初回起動時には、ステップS701において、ぬいぐるみID(
図9の項目1)を入力して、データベース221から取得した日時(
図9の項目2)とアプリケーション212のID(ユーザアカウント)と紐付けて、データベース221に格納する。これにより、アプリケーション212とぬいぐるみ型ロボット203との対応付けが行われる。次に、ユーザ属性情報(
図9の項目3~6)を取得する(ステップS702)。具体的には、ユーザの生年月日、性別、がんの種類、がんの進行具合(ステージ)などを入力する。がんの種類としては、癌腫として、胃がん、陰茎がん、各骨軟部腫瘍、肝臓がん、甲状腺がん、後腹膜腫瘍、骨転移、子宮がん、食道がん、腎がん、腎盂尿管がん、膵臓がん、精巣がん、前立腺がん、大腸がん、胆道がん、頭頸部がん、乳がん、肺がん、皮膚がん、副腎がん、膀胱がん、卵巣がんが挙げられる。肉腫としては、骨肉腫、軟骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、脂肪肉腫、血管肉腫などが挙げられる。さらに血液がんとしては、白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫などが挙げられる。がんのステージは、がんの大きさ(広がり)、リンパ節への転移の有無、他の臓器への転移、という3つの要素に応じて、ステージ0期からIV期まで5段階で評価される。ステージIVが最も進行している(悪化した)状態である。
つまり、ユーザ情報取得部422は、スマートフォン201から、ユーザの生年月日、性別、疾病または障害の少なくともいずれか一つをユーザ属性として取得し、コマンド送信部423は、ユーザ属性に応じたコマンドをぬいぐるみ型ロボット203に送る。
【0033】
ここでは、かん患者がユーザの場合を例にしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、コロナウィルスなどの感染症や、HIV (Human Immunodeficiency Virus)などの疾病を罹患した患者に特化したアプリケーション構成でもよい。あるいは、事故などで障害を有するユーザ向けのアプリケーション構成でもよい。特に、家族がユーザのそばにいることができない感染症の患者や、ろうあ者のように体調や感情が表現しにくいユーザなどについては、本願発明が非常に効果的である。
【0034】
ステップS703では、連携する他のアプリケーションの設定を行う。具体的には、
図9の項目9~19にあるように、万歩計(登録商標)のようなアプリケーション、睡眠時間を検知するアプリケーション、スマートフォンの使用状況を調べるアプリケーション、音楽再生アプリケーション、位置情報検出アプリケーション、天気や気温などを調べるアプリケーションと連携させて歩行量などの各種の情報を取得することができる。その他、心理テストを行うアプリケーションや、心理状態を把握できるゲームと連携させてもよい。
【0035】
図8は、アプリケーション212の2回目以降の起動時の処理の流れを示すフローチャートである。ステップS801において、端末制御部421は、まず、今の気分(体調)の入力画面(
図5)をスマートフォン201の画面に表示させる。この状態で入力があれば、ステップS802からステップS803に進み、コマンド送信部423は、取得した体調情報に基づいてコマンドを生成しぬいぐるみ型ロボット203に送信する。
【0036】
今の気分の入力画面に対して一定期間(例えば3日間)入力がなければ、ステップS804からステップS805に進み、端末制御部421は、心理テスト(
図10)を表示部211に表示させる。入力があれば、ステップS806からステップS803に進み、ユーザ情報取得部422は、心理テストの結果をスマートフォン201から取得し、コマンド送信部423は、心理テストの結果に応じたコマンドをロボットに送る。
【0037】
さらに、心理テストに対して一定期間入力がなければ、ステップS806からステップS807を経てステップS808に進み、ユーザ情報取得部422は、他の連携アプリケーションからユーザの体調や気分に関する情報を取得する。
【0038】
具体的には、ユーザ情報取得部422は、ユーザが直接入力する体調情報の代わりに、ユーザの運動量(例えば歩行量)、睡眠時間、端末閲覧時間帯、端末閲覧長さ、端末閲覧サイト傾向、端末による発信内容、端末により再生された音楽内容、端末位置情報、気候、気温の少なくともいずれか一つをユーザ環境情報として取得する(
図11)。
【0039】
そしてステップS803に進み、コマンド送信部423は、ユーザ環境情報に応じたコマンドをロボットに送る。
【0040】
このように処理することにより、もし専用アプリ212の入力や心理テスト結果の入力が途絶えても、あらかじめ蓄積しておいた他アプリやブラウザから取得したデータを元に、ユーザの体調、心理状態を予測し、ぬいぐるみの動きを制御することができる。
【0041】
このように、ユーザの環境情報と、ユーザが直接入力した体調情報とを大量に蓄積することにより、季節、天気、気温、薬などと、体調、感情との相関を機械学習して、環境情報から体調情報を高精度に推定できるようになる。
【0042】
以上、本実施形態によれば、ユーザは、ロボットを用いて間接的に自らの体調を表現することが可能となる。
【0043】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0044】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に供給され、内蔵されたプロセッサによって実行される場合にも適用可能である。本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるサーバも、プログラムを実行するプロセッサも本発明の技術的範囲に含まれる。特に、少なくとも、上述した実施形態に含まれる処理ステップをコンピュータに実行させるプログラムを格納した非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)は本発明の技術的範囲に含まれる。