(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007269
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20230111BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20230111BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
E04H9/02 331E
F16F15/02 L
F16F15/04 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021128599
(22)【出願日】2021-06-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】520293081
【氏名又は名称】堀江 洋一
(72)【発明者】
【氏名】堀江 洋一
【テーマコード(参考)】
2E139
3J048
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AB13
2E139AC22
2E139AC26
2E139AC33
2E139AD03
2E139BA24
2E139BC06
2E139BD34
2E139BD35
2E139CA24
2E139CB05
2E139CC02
2E139CC11
3J048AA07
3J048AC01
3J048BG04
3J048DA01
3J048EA38
(57)【要約】
【課題】 低層家屋の建物下に免震装置を構築し、大地震時に建物自体の揺れが軽減されて建物構造体へのダメージ低減が図られ、且つ住環境の安全安心性が保てる免震装置を提供する。
【解決手段】 鉄骨架台(9)四隅下側4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)を設け、基礎耐圧版(10)角四隅4か所に支承受けSUS縞鋼板(1)を水平固定し、上面には中粘度の潤滑剤ポケットが出来る様周囲には15cm程の立上り枠を設け、更に引きバネ固定端用のアンカー埋込コンクリート立上台(11)を設け、鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面水平方向に引きバネ(3)を配置し、更に架台浮き上がり、共振防止に引きバネ(6)を配置する、引きバネ(3)、引きバネ(6)の取付時には所定の張力を入れ接続固定完了すると、通常時の静止所定位置を保つ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨架台(9)四隅下側4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)を設け、基礎鉄筋コンクリート耐圧版(10)四隅4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)と中心合わせ位置に滑り潤滑摩擦支承受けとなるSUS縞鋼板(1)を水平固定し、SUS縞鋼板(1)内側に引きバネ固定端部(5)、アンカーフック(8)用のアンカーフック埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程上げて設け、想定外の滑動時の鉄骨架台(9)当り止めとし、滑り潤滑摩擦支承(2)は地震発生時に滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)の間に摩擦力が生じるが、摩擦力が小さく滑動し地震エネルギーを減衰させると共に、直ちに元の位置に自動復元が必須事項の為に、鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面水平方向に引きバネ(3)を配置し、両端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、基礎台埋込アンカーフック(5)に接続固定、また鉄骨架台(9)の垂直方向の浮き上がり防止及び、共振防止に引きバネ(6)を配置し、両端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、基礎台埋込アンカーフック(8)に接続固定、引きバネ(3)、引きバネ(6)取付固定時には所定の張力を入れ接続固定完了すると鉄骨架台(9)は所定の静止位置を保つ、滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平屋建てから3階建て程度の低層家屋を対象とした木造建築及び鉄骨構造及びRC建築物の建物下に免震装置を造り、大地震時に建物自体のゆれを軽減し建物構造体へのダメージの低減を図り、屋内家具、電化製品等の転倒落下被害を少なく抑え住環境の安全安心性が保てることを目的とする免震装置であり、滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低層から中層建築物の免震装置として
(イ)低摩擦滑り支承と積層ゴム支承を混用してなる免震構造と、オイルダンパーを併用した免震装置。
(ロ)摩擦力を有する滑り支承及び摩擦力を有する滑り支承と積層ゴム支承を混用してなる免震構造と、オイルダンパーを併用した免震装置。
上記(イ)、(ロ)の様な低層から中層建築物の免震装置が開発されている。
【先行特許文献】
【0003】
【非特許文献1】(イ)特開平9-195571 名称:免震構造、出願人:鹿島建設(株)
【非特許文献2】(ロ)特開平9-242382 名称:免震構造、出願人:鹿島建設(株)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それには平屋建てから3階建て程度の低層家屋を対象とした免震装置を考慮した場合には次のようなそぐわない点があった。
(イ)、(ロ)免震装置は滑り支承と積層ゴム支承を混用している事、360度あらゆる方向からの地震振動エネルギーの減衰にオイルダンパ―を併用している事から免震装置に高額な設備費用が生じることから、開発後、販売促進に遅滞傾向がみられる。
本発明は、これらの欠点を除くためになされたものであり、建物構造体へのダメージを低減することが可能であり、屋内家具、電化製品等の転倒落下被害を少なく抑え住環境の安全安心性が保て、且つ部品点数が少なく構築が簡略で低コストのしかもメンテナンスが容易であり、地震振動エネルギーの減衰に滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
滑り潤滑摩擦支承(2)は鉄骨架台(9)四隅下側4か所に取り付けされた短柱の下側に滑り板となる円形厚板SUS金属板が定期メンテナンス時には交換可能とする様ボルト固定される、円形厚板SUS金属板の滑り板は下側周囲を10°勾配研削加工されている。
基礎鉄筋コンクリート耐圧版(10)角四隅4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)と中心合わせ位置に滑り潤滑摩擦支承(2)受けとなるSUS縞鋼板(1)を水平固定し、上面には中粘度の潤滑剤ポケットが出来る様周囲には15cm程の立上り枠を設け、滑り潤滑摩擦支承(2)滑動時の油飛散防止及び油漏れ無きようシール塞ぎを施す。
SUS縞鋼板(1)内側に引きバネ固定端部(5)、アンカーフック(8)用のアンカーフック埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程立ち上げて設け、想定外の滑動時の鉄骨架台(9)当り止めとする。
滑り潤滑摩擦支承(2)は地震発生時に滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)の上面で滑動する為、直ちに元の位置に自動復元が必須事項であり地震動揺れを減衰する為に、鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面水平方向には引きバネ(3)を配置し、引きバネ(3)の両端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、基礎台埋込アンカーフック(5)に接続固定する。 また鉄骨架台(9)の垂直方向の浮き揚がり防止及び共振防止に引きバネ(6)を配置し両端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、基礎台埋め込みアンカーフック(8)に接続固定する。 引きバネ(3)、引きバネ(6)は所定の張力を入れて両端が接続固定されると、鉄骨架台(9)は通常時静止位置を保つ様になる。
以上の様な構成よりなる滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置である。
【発明の効果】
【0006】
(イ)建物構造体へのダメージを低減することができる。
(ロ)屋内家具類、電化製品等の転倒落下被害を少なく抑え、生命財産の保全、住環境の安全安心性を保つことができる。
(ハ)滑り潤滑摩擦支承は部品点数が少なく構築が簡略で、製作費が低コストである。
(ニ)引きバネの製作は、水平方向引きバネ(3)及び垂直方向引きバネ(6)の2種類で、それぞれ同一寸法形状製造仕様でありメンテナンスが容易であり、予備材保存もしやすい。
(ホ)地震振動エネルギーの減衰に滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮を組み合わせた作用で地震動は滑らかな減衰から地震収束時には、通常時の静止所定位置に自然に戻ることができる信頼性に優れる免震装置である。
(ヘ)本免震装置は、オイルダンパー及び制御装置及び停電対応の非常用発電機が不要であり低コストで構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】 本発明の基準図のX―X方向、X’―X’方向の断面図
【
図3】 本発明の基準図のY―Y方向、Y’―Y’方向の断面図
【
図4】 本発明の滑り潤滑摩擦支承及び支承受けSUS縞鋼板の納まり概要詳細図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について説明する。
(イ)滑り潤滑摩擦支承(2)は鉄骨架台(9)四隅下側4か所に取り付けされた短柱の下側に滑り板となる円形厚板SUS金属板が定期メンテナンス時には交換可能とする様ボルト固定される、円形厚板SUS金属板の滑り板は下側周囲を10°勾配研削加工されている。
(ロ)基礎鉄筋コンクリート耐圧版(10)角四隅4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)と中心合わせ位置に滑り潤滑摩擦支承(2)受けとなるSUS縞鋼板(1)を水平固定し、上面には中粘度の潤滑剤ポケットが出来る様周囲には15cm程の立上り枠を設け、滑り潤滑摩擦支承(2)滑動時油飛散防止及び油漏れ無きよう各コーナー部シール塞ぎを施す。
(ハ)SUS縞鋼板(1)内側に引きバネ固定端部(5)、アンカーフック(8)用のアンカーフック埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程立上げて設け、想定外の滑動時の鉄骨架台(9)当り止めとする。
(ニ)鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面水平方向には引きバネ(3)を配置し、引きバネ(3)の両端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、基礎台埋込アンカーフック(5)に所定の張力を入れてシャックルにて接続固定する。
(ホ)鉄骨架台(9)の浮き揚がり防止及び共振防止に引きバネ(6)を配置し、引きバネ(6)の両端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、基礎台埋込アンカーフック(8)に所定の張力を入れてシャックルにて接続固定する。
本発明は以上のような構造である。
本発明の使い方を説明する。
鉄骨架台上の建物は地震時に滑り潤滑摩擦支承(2)がSUS縞鋼板(1)上を摩擦力が少なく滑動する作用と、引きバネ(3)の伸縮を繰り返す作用から、地震エネルギーが吸収減衰されて、大地震時の加速度振幅を震度6強相当から震度3相当程度まで減衰させる免震効果が得られ、更に引きバネ(3)の伸縮を繰り返す作用で地震収束時には、通常時の静止所定位置に自然に戻る。滑り潤滑摩擦支承(2)及び、引きバネ(3)、引きバネ(6)の配置個所数は建物規模及び建築面積、平屋建て、2~3階建て延べ床面積からの建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を基に滑り潤滑摩擦支承(2)の耐荷重を考慮し、更に引きバネ設計により仕様数量を算出してバランスが取れた配置をする。
なお
図5、6、7に示す実施例の様に、滑り潤滑摩擦支承(2)及び、引きバネ(3)、引きバネ(6)の配置個所数は建物規模、総重量により対面同数増設が容易である。
【0009】
建物は鉄骨架台(9)上に建物土台と緊結固定されている。
滑り潤滑摩擦支承(2)は建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を支承し、地震時に全方向(360°方向)に滑動が生じることで地震動揺れを滑らかな減衰効果を得る。
引きバネ固定端部(5)、アンカーフック(8)用のアンカーフッ埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程程上げて設け、想定外の滑動時の鉄骨架台(9)の当り止めとする。
鉄骨架台(9)はX方向、Y方向相互対面水平方向に同数の引きバネ(3)を配置し、引きバネ(3)端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、他端を基礎台埋込アンカーフック(5)にシャックルにて接続固定する。
引きバネ(3)は所定の張力を入れて接続固定する、引きバネ(3)が全数接続固定されると鉄骨架台(9)は通常時静止し、所定位置を保つている。
引きバネ(3)取り付け時の所定の張力には、台風時の風圧に静止を保つ張力(設計算出さた張力)をも全数に導入する。
引きバネ(6)は地震時鉄骨架台(9)の浮き揚がり防止及び共振防止に配置し、引きバネ(6)端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、他端を基礎台埋込アンカーフック(8)にシャッルにて接続固定する。
引きバネ(6)は所定の張力を入れて接続固定する、引きバネ(6)取り付け時の所定の張力には、地震時の浮き上がり及び台風時の風圧にも静止を保つ張力(設計算出された張力)をも全数に導入する。
滑り潤滑摩擦支承(2)は地震動が発生すると、滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)突起上面を滑動する、この滑動は動摩擦と呼ばれる互いSUS金属接触面こすり合わせながらの相対運動に対して逆向きにはたらき、徐々に減速停止する免震作用効果が得られる。
滑り潤滑摩擦支承(2)下面取り付けの滑り板となる円形厚板SUS金属板は定期メンテナンス時には交換可能とする様ボルト固定される、円形厚板SUS金属板の滑り板は下側周囲を10°勾配研削加工されている、この円形厚板SUS金属板の滑り板は支承受けとなるSUS縞鋼板(1)突起上面を滑動する、摩擦面が潤滑材を介して接している場合は摩擦や摩耗は低減されることから、摺動面は潤滑剤に浸される様、SUS縞鋼板(1)上面には中粘度の潤滑剤ポケットを設け油層厚さ3cm程度常に維持管理を行う。
滑り潤滑摩擦支承(2)は建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を支承の為、滑り潤滑摩擦支承(2)の耐荷重を考慮し、バランスが取れた配置をする。
引きバネ(3)、引きバネ(6)の配置個所数は建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を基に、引きバネ設計により仕様数量を算出してX方向、Y方向共バランスが取れた配置をする。
【符号の説明】
【0010】
1 滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板
2 滑り潤滑摩擦支承
3 引きバネ(水平方向)
4 鉄骨架台固定端ガセットプレート
5 基礎台埋込アンカーフック
6 引きバネ(垂直方向)
7 鉄骨架台固定端Uフック
8 基礎台埋込アンカーフック
9 鉄骨架台
10 基礎鉄筋コンクリート耐圧版
11 引きバネ固定端部用アンカーフック埋込の鉄筋コンクリート立上台
【手続補正書】
【提出日】2022-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
鉄骨架台(9)四隅下側4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)を設け、基礎鉄筋コンクリート耐圧版(10)角四隅4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)と中心合わせ位置に滑り潤滑摩擦支承受けとなるSUS縞鋼板(1)を水平固定し、SUS縞鋼板(1)内側に水平方向引きバネ(3)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(5)と垂直方向引きバネ(6)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(8)埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程上げて設け、側面は想定外の滑動時の鉄骨架台(9)当り止めとし、滑り潤滑摩擦支承(2)は地震発生時に滑り潤滑摩擦支承受けとなるSUS縞鋼板(1)の間に摩擦力が生じるが、摩擦力が小さく滑動し地震エネルギーを減衰させると共に、直ちに元の位置に自動復元が必須事項の為に、鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面水平方向に引きバネ(3)を配置し、両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(5)にそれぞれ接続固定、また鉄骨架台(9)の垂直方向の浮き上がり防止及び、共振防止に垂直方向引きバネ(6)を配置し、両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(8)にそれぞれ固定、水平方向引きバネ(3)、垂直方向引きバネ(6)取付固定時には所定の張力を入れ接続固定完了すると鉄骨架台(9)は所定の静止位置を保つ、滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
滑り潤滑摩擦支承(2)は鉄骨架台(9)四隅下側4か所に取り付けされた短柱の下側に滑り板となる円形厚板SUS金属板が定期メンテナンス時には交換可能とする様ボルト固定される、円形厚板SUS金属板の滑り板は下側周囲を10°勾配研削加工されている。
基礎鉄筋コンクリート耐圧版(10)角四隅4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)と中心合わせ位置に滑り潤滑摩擦支承(2)受けとなるSUS縞鋼板(1)を水平固定し、上面には中粘度の潤滑剤ポケットが出来る様周囲には15cm程の立上り枠を設け、滑り潤滑摩擦支承(2)滑動時の油飛散防止及び油漏れ無きようシール塞ぎを施す。
SUS縞鋼板(1)内側に水平方向引きバネ(3)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(5)と垂直方向引きバネ(6)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(8)埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程立ち上げて設け、側面は想定外の滑動時の鉄骨架台(9)当り止めとする。
滑り潤滑摩擦支承(2)は地震発生時に滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)の上面で滑動する為、直ちに元の位置に自動復元が必須事項であり地震動揺れを減衰する為に、鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面水平方向には引きバネ(3)を配置し、両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(5)に接続固定する。
また鉄骨架台(9)の垂直方向の浮き揚がり防止及び共振防止に垂直方向引きバネ(6)を配置し両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、他端部を基礎台埋め込みアンカーフック(8)にそれぞれ接続固定する。
水平方向引きバネ(3)、垂直方向引きバネ(6)は所定の張力を入れて両端が接続固定されると、鉄骨架台(9)は通常時静止位置を保つ様になる。
以上の様な構成よりなる滑り潤滑摩擦支承と引きバネの伸縮作用を組み合わせた免震装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
以下、本発明の実施例について説明する。
(イ)滑り潤滑摩擦支承(2)は鉄骨架台(9)四隅下側4か所に取り付けされた短柱の下側に滑り板となる円形厚板SUS金属板が定期メンテナンス時には交換可能とする様ボルト固定される、円形厚板SUS金属板の滑り板は下側周囲を10°勾配研削加工されている。
(ロ)基礎鉄筋コンクリート耐圧版(10)角四隅4か所に滑り潤滑摩擦支承(2)と中心合わせ位置に滑り潤滑摩擦支承(2)受けとなるSUS縞鋼板(1)を水平固定し、上面には中粘度の潤滑剤ポケットが出来る様周囲には15cm程の立上り枠を設け、滑り潤滑摩擦支承(2)滑動時油飛散防止及び油漏れ無きよう各コーナー部シール塞ぎを施す。
(ハ)SUS縞鋼板(1)
内側に水平方向引きバネ(3)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(5)と垂直方向引きバネ(6)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(8)埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程立上げて設け、
側面は想定外の滑動時の鉄骨架台(9)当り止めとする。
(ニ)鉄骨架台(9)のX方向、Y方向相互対面
水平方向には引きバネ(3)を配
置し、水平方向引きバネ(3)の両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(5)に所定の張力を入れてシャックルにて接続固定する。
(ホ)鉄骨架台(9)の浮き揚がり防止及び共振防止に
垂直方向引きバネ(6)を配置し、垂直方向引きバネ(6)の両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(8)に所定の張力を入れてシャックルにて接続固定する。
本発明は以上のような構造である。
本発明の使い方を説明する。
鉄骨架台上の建物は地震時に滑り潤滑摩擦支承(2)がSUS縞鋼板(1)上を摩擦力が少なく滑動する作用と、
水平方向引きバネ(3)の伸縮を繰り返す作用から、地震エネルギーが吸収減衰されて、大地震時の加速度振幅を震度6強相当から震度3相当程度まで減衰させる免震効果が得られ、更に
水平方向引きバネ(3)の伸縮を繰返す作用で地震収束時には、通常時の静止所定位置に自然に戻る。
滑り潤滑摩擦支承(2)及び、
水平方向引きバネ(3)、垂直方向引きバネ(6)の配置個所数は建物規模及び建築面積、平屋建て、2~3階建て延べ床面積からの建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を基に滑り潤滑摩擦支承(2)の耐荷重を考慮し、更に引きバネ設計により仕様数量を算出してバランスが取れた配置をする。
なお
図5、6、7に示す実施例の様に、滑り潤滑摩擦支承(2)及び、
水平方向引きバネ(3)、垂直方向引きバネ(6)の配置個所数は建物規模、総重量により対面同数増設が容易である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
建物は鉄骨架台(9)上に建物土台と緊結固定されている。
滑り潤滑摩擦支承(2)は建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を支承し、地震時に全方向(360°方向)に滑動が生じることで地震動揺れを滑らかな減衰効果を得る。
水平方向引きバネ(3)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(5)と垂直方向引きバネ(6)の両端部のうち、一端部を固定する基礎台埋込アンカーフック(8)埋込の鉄筋コンクリート立上台(11)を設け、上面は滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)上面より15cm程程上げて設け、側面は想定外の滑動時の鉄骨架台(9)の当り止めとする。
鉄骨架台(9)はX方向、Y方向相互対面水平方向に同数の水平方向引きバネ(3)を配置し、両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端ガセットプレート(4)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(5)にシャックルにて接続固定する。
水平方向引きバネ(3)は所定の張力を入れて接続固定する、水平方向引きバネ(3)が全数接続固定されると鉄骨架台(9)は通常時静止し、所定位置を保っている。
水平方向引きバネ(3)取り付け時の所定の張力には、台風時の風圧に静止を保つ張力(設計算出さた張力)をも全数に導入する。
垂直方向引きバネ(6)は地震時鉄骨架台(9)の浮き揚がり防止及び共振防止に配置し、垂直方向引きバネ(6)両端部のうち、一端部を鉄骨架台固定端Uフック(7)に、他端部を基礎台埋込アンカーフック(8)にシャックルにて接続固定する。
垂直方向引きバネ(6)は所定の張力を入れて接続固定する、垂直方向引きバネ(6)取り付け時の所定の張力には、地震時の浮き上がり及び台風時の風圧にも静止を保つ張力(設計算出された張力)をも全数に導入する。
滑り潤滑摩擦支承(2)は地震動が発生すると、滑り潤滑摩擦支承受けSUS縞鋼板(1)突起上面を滑動する、この滑動は動摩擦と呼ばれる互いSUS金属接触面こすり合わせながらの相対運動に対して逆向きにはたらき、徐々に減速停止する免震作用効果が得られる。
滑り潤滑摩擦支承(2)下面取り付けの滑り板となる円形厚板SUS金属板は定期メンテナンス時には交換可能とする様ボルト固定される、円形厚板SUS金属板の滑り板は下側周囲を10°勾配研削加工されている、この円形厚板SUS金属板の滑り板は支承受けとなるSUS縞鋼板(1)突起上面を滑動する、摩擦面が潤滑材を介して接している場合は摩擦や摩耗は低減されることから、摺動面は潤滑剤に浸される様、SUS縞鋼板(1)上面には中粘度の潤滑剤ポケットを設け油層厚さ3cm程度常に維持管理を行う。
滑り潤滑摩擦支承(2)は建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を支承の為、滑り潤滑摩擦支承(2)の耐荷重を考慮し、バランスが取れた配置をする。
水平方向引きバネ(3)、垂直方向引きバネ(6)の配置個所数は建物重量と鉄骨架台(9)の重量を合算した総重量を基に、引きバネ設計により仕様数量を算出してX方向、Y方向共バランスが取れた配置をする。