(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072723
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】化粧料容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20230518BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20230518BHJP
B65D 25/02 20060101ALI20230518BHJP
【FI】
A45D33/00 625C
A45D34/04 510Z
B65D25/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185329
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】501449702
【氏名又は名称】戎屋化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】加藤 啓育
(72)【発明者】
【氏名】田中 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】橋立 真歩
(72)【発明者】
【氏名】永留 和彦
(72)【発明者】
【氏名】辻井 宣博
【テーマコード(参考)】
3E062
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB01
3E062BA20
3E062BB03
3E062BB09
3E062FB01
3E062FB02
3E062FC03
3E062FC10
(57)【要約】
【課題】容器を大型化することなく、使用者が塗布具を容易に取り出すことができる塗布具を収納することが可能な化粧料容器を提供すること。
【解決手段】化粧料を収容する容器本体1と、蓋体2とを備え、内部に塗布具3を収容するようにし、容器本体1の周壁部11の内側上部に、塗布具3を配置するための凹部12と、この凹部12と対向する側の周壁部11の内側上部に、凹部12の位置を支点として塗布具3を揺動させることによって、塗布具3を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープ13aを備えた凹部13とを形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧料を収容する容器本体と、蓋体とを備え、内部に塗布具を収容するようにした化粧料容器において、前記容器本体の周壁部の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部を形成し、該凹部の少なくとも一方に、塗布具を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープを備えるようにしたことを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】
化粧料を収容する容器本体と、該容器本体の口部に装着される蓋体本体と、該蓋体本体に装着される蓋体とを備え、内部に塗布具を収容するようにした化粧料容器において、前記蓋体本体の周壁部の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部を形成し、該凹部の少なくとも一方に、塗布具を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープを備えるようにしたことを特徴とする化粧料容器。
【請求項3】
前記凹部を横穴形状に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具を収納することが可能な化粧料容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クリーム等の化粧料を収容する化粧料容器として、化粧料と化粧用具を別々に持ち運ぶことの不便さを解消するため、化粧料容器に化粧用具を収納できるようにしたものが用いられている。
【0003】
化粧料容器に化粧用具を収納できる例として、具体的には、以下のものがある。
・容器と取り出し具に保持機構としてボス及びボス穴を設け、この保持機構を中心軸として取り出し具を回転させた際、取り出し具の軌跡下に設けた傾斜面を有するガイドに乗り上げることにより浮かし、保持機構から取り出し具を外すことができるようにした取り出し具付き容器(特許文献1参照)。
・化粧料を収容する容器本体及び化粧用具が収納された化粧用具収納部と蓋部を備える蓋体から構成した化粧料容器(特許文献2参照)。
・収容部が、取り出し具の先端部が下方に挿入される挿入口を有するとともに、取り出し具の基端部を挿入口から上方に突出させた状態で取り出し具の先端部を収容し、底蓋が、外容器に対する相対的な周方向の底蓋の回転によって収容部に収容された取り出し具の先端部を押上げるように周方向に向かって上下方向に傾く上下方向傾斜面を有する取り出し具付き容器(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-49172号公報
【特許文献2】特開2011-30676号公報
【特許文献3】特開2020-183236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記化粧料容器に化粧用具を収納できるようにしたものには、以下の問題点があった。
・特許文献1に開示された取り出し具付き容器は、容器と取り出し具の柄に、ボス及びボス穴からなる回転可能な取り出し具保持機構を設け、さらに梁部分(センターブリッジ)を設けなくてはならず、構造が複雑になる。
・特許文献2に開示された化粧料容器は、塗布具の収容部が狭く、使用者にとって塗布具を取り出すことが容易ではない。さらに、収容部のスペース分、容器本体よりも幅をとってしまい、容器が大型化してしまう。
・特許文献3に開示された取り出し具付き容器は、取り出し具を収容する収容部を備えるとともに、内容器を周方向に囲繞する外容器があるため、その分容器の径が大きくなってしまい、容器が大型化してしまう。
【0006】
本発明は、従来の化粧用具を収納できるようにした化粧料容器の有する問題点に鑑み、容器を大型化することなく、使用者が塗布具を容易に取り出すことができる塗布具を収納することが可能な化粧料容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の化粧料容器は、化粧料を収容する容器本体と、蓋体
とを備え、内部に塗布具を収容するようにした化粧料容器において、前記容器本体の周壁部の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部を形成し、該凹部の少なくとも一方に、塗布具を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープを備えるようにしたことを特徴とする。
【0008】
また、同じ目的を達成するため、本発明の化粧料容器は、化粧料を収容する容器本体と、該容器本体の口部に装着される蓋体本体と、該蓋体本体に装着される蓋体とを備え、内部に塗布具を収容するようにした化粧料容器において、前記蓋体本体の周壁部の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部を形成し、該凹部の少なくとも一方に、塗布具を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープを備えるようにしたことを特徴とする。
【0009】
この場合において、前記凹部を横穴形状に形成するようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化粧料容器によれば、容器本体又は蓋体本体の周壁部の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部を形成し、該凹部の少なくとも一方に、塗布具を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープを備えるようにすることにより、容器を大型化することなく、化粧料容器に清潔な状態で収納するようにした塗布具を、容易に、使用者の手を汚すことなく取り出すことができる。
【0011】
また、凹部を横穴形状に形成するようにすることにより、塗布具を安定した状態で収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の化粧料容器の第1実施例を示し、(a)は断面図、(b)は蓋体を開けた状態の断面図、(c)は蓋体を開けた状態の平面図、(d)は第1変形実施例の要部を示す平面図、(e)は第2変形実施例の要部を示す平面図である。
【
図2】本発明の化粧料容器の第2実施例を示し、(a)は断面図、(b)は蓋体を開けた状態の断面図、(c)は蓋体を開けた状態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の化粧料容器の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例0014】
図1に、本発明の化粧料容器の第1実施例を示す。
この化粧料容器は、化粧料を収容する容器本体1と、蓋体2とを備え、内部に塗布具3を収容するようにしたもので、容器本体1の周壁部11の内側上部に、塗布具3を配置するための凹部12と、この凹部12と対向する側の周壁部11の内側上部に、凹部12の位置を支点として塗布具3を揺動させることによって、塗布具3を上方に移動させて取り出すことができるようにするスロープ13aを備えた凹部13とを形成するようにしている。
【0015】
ここで、凹部12は、
図1(c)に示すように、上方を開放した形状とするほか、
図1(d)に示す第1変形実施例のように、上方を閉鎖した横穴形状に形成することができる。
これにより、塗布具3の装着性が良くなり、塗布具3を安定した状態で収納することができるとともに、凹部12の位置を支点として塗布具3を揺動し易くすることができる。
また、塗布具3に付いた化粧料が、蓋体2の内面側に設けた鏡4に付着することを防止することができる。
【0016】
このほか、凹部12は、
図1(e)に示す第2変形実施例のように、スロープ12aを備えるようにすることができる。
これにより、塗布具3を塗布具3の中間位置を中心に回動させることによって、塗布具3を上方に移動させて取り出すことができる。
また、凹部12のスロープ12aを
図1(e)に示す第2変形実施例の逆方向に備えるようにすることもできる。
これにより、塗布具3をスロープ12a、13aに沿ってスライドさせることによって、塗布具3を上方に移動させて取り出すことができる。
【0017】
スロープ12a、13aは、凹部12、13の一方の端部に備えるようにするほか、凹部12、13の両方の端部に備えるようにすることができる。
これにより、塗布具3を揺動、回動又はスライドさせる際の方向性をなくすことができる。
【0018】
蓋体2の内面側に設けた鏡4と塗布具3の間に、シート部材5を設けるようにしている。
シート部材5は、縁部51の一端を容器本体1内に差し込むことにより、揺動可能配設し、この縁部51と対向する側の縁部52を切り欠いて、シート部材5を持ち上げ易くしている。
これにより、塗布具3に付着した化粧料が鏡4に付着することを防止することができる。
【0019】
この化粧料容器によれば、容器本体1の周壁部11の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部12、13を形成し、凹部12、13の少なくとも一方に、塗布具3を揺動、回動又はスライドさせることによって、塗布具3を上方に移動させて(浮き上がるようにさせて)取り出す(取り出し易くする)ことができるようにするスロープ12a、13aを備えるようにすることにより、容器を大型化することなく、化粧料容器に清潔な状態で収納するようにした塗布具3を、容易に、使用者の手を汚すことなく取り出すことができるようにすることができる。
この化粧料容器によれば、蓋体本体20の周壁部21の内側上部の少なくとも2箇所に、塗布具を架け渡すようにして配置するための凹部22、23を形成し、凹部23に、塗布具3を揺動させることによって、塗布具3を上方に移動させて(浮き上がるようにさせて)取り出す(取り出し易くする)ことができるようにするスロープ23aを備えるようにすることにより、容器を大型化することなく、化粧料容器に清潔な状態で収納するようにした塗布具3を、容易に、使用者の手を汚すことなく取り出すことができるようにすることができる。
以上、本発明の化粧料容器について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、各実施例に記載した構成を適宜組み合わせる、例えば、第1実施例の化粧料容器の凹部12、13(スロープ12a、13a)の組み合わせを適宜組み合わせて複数設けるようにしたり、凹部12、13(スロープ12a、13a)の形態を、第2実施例の化粧料容器の凹部22、23に適用したりする等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。