(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072727
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】基板検査装置の基板保持機、及びその基板保持位置を設定する方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/54 20200101AFI20230518BHJP
G01R 31/50 20200101ALI20230518BHJP
【FI】
G01R31/54
G01R31/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185333
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】710008198
【氏名又は名称】西川 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】西川 秀雄
【テーマコード(参考)】
2G014
【Fターム(参考)】
2G014AA01
2G014AA13
2G014AB59
2G014AC09
2G014AC12
(57)【要約】
【課題】基板サイズの変更にも保持する位置精度が高く、運用が容易な基板保持機を提供する。
【解決手段】基板保持機は、略直交の中心軸方向に基板に当接する当接部がある固定位置の可変な第1から4の当接部材が、基板の四辺の順に対応する第1から4の支持部材に固定される。各々の支持部材は、各々の案内部材に案内されて各々の付勢部材により前進し制止部で制止される。第1、2の付勢部材は対向する第3、4の付勢部材よりも付勢力が小さく、第1から3の当接部材の各々の当接部は基板の中央部に当接し、第4の当接部材の当接部は基板の中央部を挟んで互いに離れた2つの部位に当接し、各々の当接部材は基板の保持位置に合せて付勢状態に固定されて、基板を保持する。又、基板解放機構が有って、第1から4の付勢部材の付勢力に抗して基板から当接部を後退する方向に移動させることにより基板を保持する状態を解除する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の電気特性を検査する基板検査装置の機構部品であり、前記基板を解放可能に保持する基板保持機であって、
ベース部材と、
前記ベース部材に設置され、前記基板を解放可能に保持する基板保持機構と、
前記ベース部材に設置され、前記基板保持機構が前記基板を保持する状態を解除することにより、前記基板を前記基板保持機構から解放する基板解放機構と、を備え、
前記基板保持機構は、
前記基板の四辺に対応し、当該四辺に沿って順に配置され、各々が、前記基板の対応する一辺に当接する当接部を有する、第1から第4の当接部材と、
前記第1から第4の当接部材にこの順序で対応し、各々が、前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に固定位置を調節可能に、対応する前記当接部材を自身に固定して支持する、第1から第4の支持部材と、
前記第1から第4の支持部材にこの順序で対応し、前記ベース部材に設置され、各々が、対応する前記当接部材又は対応する前記支持部材を前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に案内するとともに、前記対応する前記支持部材に当接することにより、当該対応する前記支持部材の前進方向への移動を制止する制止部を有する、第1から第4の案内部材と、
前記第1から第4の当接部材に対応して設置され、各々が、対応する前記当接部材又は対応する前記支持部材を、対応する前記案内部材に対して前記基板の対応する前記一辺に向かって付勢する、第1から第4の付勢部材と、を有し、
前記第1から第3の当接部材の各々の前記当接部は、前記基板の対応する前記一辺のうちの中央部に当接し、
前記第4の当接部材の前記当接部は、前記基板の対応する前記一辺のうちの中央部を挟んで互いに離れた2つの部位に当接し、
前記第1の付勢部材は、前記第3の付勢部材よりも、付勢力が小さく設定されており、
前記第2の付勢部材は、前記第4の付勢部材よりも、付勢力が小さく設定されており、
前記基板解放機構は、前記第1から第4の当接部材又は支持部材を、前記第1から第4の付勢部材の付勢力に抗して、前記基板から後退する方向に移動させることにより、前記基板保持機構が前記基板を保持する状態を解除する、基板保持機。
【請求項2】
基板の電気特性を検査する基板検査装置の機構部品であり、前記基板を解放可能に保持する基板保持機であって、
ベース部材と、
前記ベース部材に設置され、前記基板を解放可能に保持する基板保持機構と、
前記ベース部材に設置され、前記基板保持機構が前記基板を保持する状態を解除することにより、前記基板を前記基板保持機構から解放する基板解放機構と、を備え、
前記基板保持機構は、
前記基板の四辺に対応し、当該四辺に沿って順に配置され、各々が、前記基板の対応する一辺に当接する当接部を有する、第1から第4の当接部材と、
前記第1から第2の当接部材にこの順序で対応し、各々が、前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に固定位置を調節可能に、対応する前記当接部材を自身に固定して支持する、第1から第2の支持部材と、
前記第1から第2の支持部材にこの順序で対応し、前記ベース部材に設置され、各々が、対応する前記当接部材又は対応する前記支持部材を前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に案内するとともに、前記対応する前記支持部材に当接することにより、当該対応する前記支持部材の前進方向への移動を制止する制止部を有する、第1から第2の案内部材と、
前記第1から第2の当接部材に対応して設置され、各々が、対応する前記当接部材又は対応する前記支持部材を、対応する前記案内部材に対して前記基板の対応する前記一辺に向かって付勢する、第1から第2の付勢部材と、を有し、
前記第1から第3の当接部材の各々の前記当接部は、前記基板の対応する前記一辺のうちの中央部に当接し、
前記第4の当接部材の前記当接部は、前記基板の対応する前記一辺のうちの中央部を挟んで互いに離れた2つの部位に当接し、
前記第3及び第4の当接部材の各々は、前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に固定位置を調節可能に、前記ベース部材に固定され、
前記基板解放機構は、前記第1から第2の当接部材又は支持部材を、前記第1から第2の付勢部材の付勢力に抗して、前記基板から後退する方向に移動させることにより、前記基板保持機構が前記基板を保持する状態を解除する、基板保持機。
【請求項3】
前記第1から第4の当接部材の各々は、前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に沿って貫通長孔を有しており、当該貫通長孔を貫通する締結部材によって解除可能に締結されることにより、対応する前記支持部材又は前記ベース部材に、前記固定位置を調節可能に固定される、請求項1又は2に記載の基板保持機。
【請求項4】
前記第4の当接部材は、2個の単位当接部材に分割されており、当該2個の単位当接部材の各々は、前記基板の対応する前記一辺に対する進退方向に延在する貫通長孔を有しており、当該貫通長孔を貫通する締結部材によって解除可能に締結されることにより、対応する前記支持部材又は前記ベース部材に、前記固定位置を調節可能に固定され、
前記2個の単位当接部材が固定される前記支持部材又は前記ベース部材は、前記2個の単位当接部材に対応する前記基板の前記一辺に沿った方向に延在する別の貫通長孔を有しており、前記締結部材は当該別の貫通長孔をも貫通することにより、前記2個の単位当接部材を、対応する前記基板の前記一辺に沿った方向にも固定位置を調節可能に固定する、請求項3に記載の基板保持機。
【請求項5】
前記基板解放機構は、
前記基板を囲むように配置される環状のベルトと、
各々が、各支持部材に対応して前記ベルトに一端が連結された複数のレバーと、
前記ベルトを駆動するベルト駆動部と、を有し、
前記複数のレバーの各々は、前記ベルト駆動部により前記ベルトが駆動されるのに伴い、当該ベルトの動きを、対応する前記支持部材に伝達することにより、対応する前記支持部材を、対応する前記付勢部材の付勢力に抗して、前記基板の対応する前記一辺から後退させる、請求項1から4のいずれかに記載の基板保持機。
【請求項6】
前記第1から第4の当接部材の各々は、前記基板の対応する前記一辺に当接したときに、前記基板の主面に直交する方向に沿った当該基板の位置ずれを制限するように、
前記基板の上方及び下方の双方に突起する突起部を有する、請求項1から5のいずれかに記載の基板保持機。
【請求項7】
前記ベース部材は、
前記基板が保持されるときの前記基板に面する位置に開口し、前記基板が通過可能な開口部を有する、請求項1から6のいずれかに記載の基板保持機。
【請求項8】
請求項7に記載の基板保持機の、前記基板を保持する位置である基板保持位置を設定する方法であって、
前記基板検査装置が有する基板搬送テーブルに前記基板保持機を設置することと、
前記基板検査装置が有する基板載置台に、前記基板よりも主平面外形サイズが小さな基板サイズ用載置板を設置することと、
前記基板と外形サイズが同一であるサンプル基板を、前記基板サイズ用載置板の所定の位置に設置することと、
前記基板保持機の前記基板解放機構を作動させることにより、前記基板保持機構が前記サンプル基板を解放する解放状態に保つことと、
前記第1から第4の当接部材の各々が、対応する前記支持部材又はベース部材に固定された固定状態を解除する工程と、
前記基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、前記基板検査装置に設置され、前記基板保持機構が前記解放状態に設定され、かつ前記第1から第4の当接部材の固定状態が解除された前記基板保持機の前記基板保持位置に保持することと、
前記基板解放機構の作動を解除することにより、前記基板保持機構を、前記解放状態から前記サンプル基板を保持する保持状態に移行させることと、
前記第3及び第4の当接部材の各々を、前記サンプル基板の対応する一辺に当接する位置において、対応する前記支持部材又はベース部材に固定することと、
前記第1及び第2の当接部材の各々を、前記サンプル基板の対応する一辺に当接させつつ、対応する前記支持部材を前記対応する一辺から後退した位置に保持しつつ、前記第1及び第2の当接部材の各々を、対応する前記支持部材に固定することと、
前記第1から第4の当接部材の固定が終了した後に、前記基板解放機構を再び作動させることにより、前記基板保持機構が前記サンプル基板を解放する解放状態に保つことと、
前記基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、前記第1から第4の当接部材の固定が終了し、前記基板保持機構が前記解放状態に保たれている前記基板保持機の前記基板保持位置から、除去することと、を備える、基板保持機の基板保持位置を設定する方法。
【請求項9】
請求項7に記載の基板保持機の、前記基板を保持する位置である基板保持位置を設定する方法であって、
前記基板検査装置が有する基板搬送テーブルに前記基板保持機を設置することと、
前記基板検査装置が有する基板載置台に、前記基板よりも主平面外形サイズが小さな基板サイズ用載置板を設置することと、
前記基板と外形サイズが同一であるサンプル基板を、前記基板サイズ用載置板の所定の位置に設置することと、
前記基板保持機の前記基板解放機構を作動させることにより、前記基板保持機構が前記サンプル基板を解放する解放状態に保つことと、
前記第1から第4の当接部材の各々が、対応する前記支持部材又はベース部材に固定された固定状態を解除する工程と、
前記基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、前記基板検査装置に設置され、前記基板保持機構が前記解放状態に設定され、かつ前記第1から第4の当接部材の固定状態が解除された前記基板保持機の前記基板保持位置に保持することと、
前記第1及び第2の当接部材の各々を、前記サンプル基板の対応する一辺から間隔を保持しつつ、対応する前記支持部材に固定することと、
前記基板解放機構の作動を解除することにより、前記基板保持機構を、前記解放状態から前記サンプル基板を保持する保持状態に移行させることと、
前記第3及び第4の当接部材の各々を、前記サンプル基板の対応する一辺に当接する位置において、対応する前記支持部材又はベース部材に固定することと、
前記第1から第4の当接部材の固定が終了した後に、前記基板解放機構を再び作動させることにより、前記基板保持機構が前記サンプル基板を解放する解放状態に保つことと、
前記基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、前記第1から第4の当接部材の固定が終了し、前記基板保持機構が前記解放状態に保たれている前記基板保持機の前記基板保持位置から、除去することと、を備える、基板保持機の基板保持位置を設定する方法。
【請求項10】
前記基板載置台と前記基板サイズ用載置板と前記サンプル基板とには、位置と傾きを同じにする機械位置合せの位置手段が有る、請求項8又は9に記載の基板保持機の基板保持位置を設定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の電気特性を検査する基板検査装置の基板を保持する基板保持機及びその基板保持位置を設定する方法に関する。
【0002】
尚、この発明は、プリント配線基板に限らず、例えば、多層配線基板、ガラス基板、セラミック基板、及び半導体パッケージ基板や種々の平板状に形成された回路基板を保持する際に適用できる。この明細書では、それら種々の基板を総称して「基板」と称する。
【背景技術】
【0003】
近年、プリント配線基板の微細、高密度に対応して検査点の増加した電気検査が定在化している。多数の微細な検査端子にプローブを両面から同時に導電接触させて検査を実施するためには、基板と検査用治具を整合させる光学的位置合せ機能のある基板検査装置が必要になっている。この光学的位置合せ(ΔXYΘ)は、基板を保持する基板保持機が基板を機械的に位置合せして保持した時点から基板の位置認識と電気検査の終了まで位置ずれがなく確実に保持していることが前提条件となる。
図3を参照。
【0004】
図3(c)に示す様に、基板2の両面電気検査時に基板の両面に複数のコンタクトプローブ31の不均等な荷重が上下から掛かることから基板保持の位置に影響することがある状況にある。この基板保持に関する先行技術には次のものがある。
【0005】
特許文献1の
図4、5、7の基板保持手段52の基板載置台51では、基板の隣接する2辺に当接する固定の3つの位置決めピン53に基板の対向する2辺に押圧する可動式の2つの押圧部材54X、54Yによって基板をばねで付勢して保持している。
これで、基板を所定位置にコイルばね55、73自身の付勢力にて押圧し位置決めして高精度に基板保持を行うことができる。
しかし、検査する基板のサイズが変わると、3つの位置決め53など関連する複数の部材がある基板保持手段52の交換が必要になる。又、基板検査装置に複数の配置には、更に好ましくない。
【0006】
特許文献2の
図9の基板検査装置では、基板を搬送する回転テーブルに8個の基板保持装置2を配置して、基板処理工程に沿った搬入、位置認識、電気検査、搬出を同時に行って、検査時間の短縮をしている。
図1では、基板に当接する当接部材があるX方向に可動な可動保持部材3、4と、Y方向に可動な可動保持部材5、6に可動保持部材3、5の位置を調節する位置調節機構7、8が基板の保持位置を移動可能に調整している。対向する可動保持部材4、6は付勢機構9、10を備えて付勢し、基板を所定位置に保持している。
【0007】
これに依り、可動保持部材3、5の基板保持位置を調節する(移動する)ことにより、基板サイズだけでなく、円形、矩形等の違いや、矩形基板の縦横比などの形状の異なる基板にも可動保持部材3、4、5、6の交換を要せず、即座に対応することができる。連続する自動検査などの場合、基板のサイズ又は形状に応じて位置調節機構7、8によって予め調節しておくことにより、被検査基板を保持する際には、圧縮コイルばね46、47の付勢力のある付勢機構9、10だけの基板保持及び保持解除の動作が簡単であり、被検査基板を保持する位置精度の信頼性が高いと記載されており、回転テーブルに複数の基板保持装置2を配置している。
しかし、可動保持部材3、5、4、6の位置を調整又は付勢力から離反する駆動力F1,2,3を動作させる回転の2つと直動の1又は2つの駆動源を基板検査装置の基板の搬入機構に要している。
【0008】
特許文献3の基板固定機構1では、
図1、2の当接壁11と支持爪12 を有するチャック2と、載置爪13を有するチャック3 と、チャック3上で空気圧シリンダ6と引っ張りばね7によって進退を駆動されて基板20を押圧固定するクランプ片4と、
図1のチャック2、3の腕部2a、3aに螺合挿通されると共に、螺合部分5a、5bの螺旋が逆方向に形成されたねじロッド5とを備えている。
【0009】
これは、基板の底面を支持する支持爪12と載置爪13が有るので装置本体の基板を受け取る補助台(基板載置台)を不要にしている。又、正方形の基板サイズの変更に、2辺が内角90度の当接壁11とクランプ片4が対向して正方形をなすことから、螺旋が逆方向に形成されたねじロッド5を回転することにより、基板サイズ変更の対応を部材の交換を要せず容易にしている。
しかし、空気圧シリンダ6に駆動されるクランプ片4は、基板20の2辺を押圧固定するに、45度方向の押圧になる。又、基板を置く補助台が無いことで基板を置く位置のバラツキ許容量は小さい。そこで、基板の底面に対し支持爪12と載置爪13の支持幅を大きくすると下側の電気検査できるエリアが小さくなる制約がある。
上記の様に基板の保持とサイズ変更に各種の工夫がなされているが、各々には改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000-338164号公報
【特許文献2】特開2008-78599号公報
【特許文献3】特開2010-32405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1では基板サイズの変更に部材の交換を要し作業性が悪い、特許文献2、3は部材の交換を要せず作業性が良い。基板保持の位置精度については、特許文献2の
図1、5、6と、特許文献3の
図1では、基板の隣接2辺と当接して位置を定める部材の2辺の内角が設計上90度の直線状で、被検査基板の隣接2辺に加工誤差などが有ると基板の傾きを定める辺の当接部分が定かではなく、基板を保持する位置精度の信頼性が高い、又、上下方向からのプローブの不均等な荷重にも保持力がある、とは言えない不安定要素がある。
基板サイズの変更に、基板の位置を定める部材2辺を移動して位置を定め、基板を対向する部材で付勢して機械的な位置補正と保持をしている。しかし、検査基板毎に基板の4辺を4方向から挟み込む機械的位置合せと保持が基板の保持時の移動を最小にする。(
図3(a)を参照)上記の状況から、基板の両面検査においても、基板保持の位置精度を確保し、基板サイズの変更に作業性が良い適切な改善が望まれる。
【0012】
本発明は、上記の観点から基板を保持する位置精度の信頼性が高く、基板サイズの変更に作業性が良い。基板検査装置の基板保持機、及びその基板保持位置を設定する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の手段は、基板の電気特性を検査する基板検査装置の機構部品であり、基板を解放可能に保持する基板保持機であって、ベース部材と、ベース部材に設置され、基板を解放可能に保持する基板保持機構と、ベース部材に設置され、基板保持機構が基板を保持する状態を解除することにより、基板を基板保持機構から解放する基板解放機構と、を備え、
基板保持機構は、基板の四辺に対応し、当該四辺に沿って順に配置され、各々が、基板の対応する一辺に当接する当接部を有する、第1から第4の当接部材と、第1から第4の当接部材にこの順序で対応し、各々が、基板の対応する一辺に対する進退方向に固定位置を調節可能に、対応する当接部材を自身に固定して支持する、第1から第4の支持部材と、第1から第4の支持部材にこの順序で対応し、ベース部材に設置され、各々が、対応する当接部材又は対応する支持部材を基板の対応する一辺に対する進退方向に案内するとともに、対応する支持部材に当接することにより、当該対応する支持部材の前進方向への移動を制止する制止部を有する、第1から第4の案内部材と、第1から第4の当接部材に対応して設置され、各々が、対応する当接部材又は対応する支持部材を、対応する案内部材に対して基板の対応する一辺に向かって付勢する、第1から第4の付勢部材と、を有し、第1から第3の当接部材の各々の当接部は、基板の対応する一辺のうちの中央部に当接し、第4の当接部材の当接部は、基板の対応する一辺のうちの中央部を挟んで互いに離れた2つの部位に当接し、第1の付勢部材は、第3の付勢部材よりも、付勢力が小さく設定されており、第2の付勢部材は、第4の付勢部材よりも、付勢力が小さく設定されており、
基板解放機構は、第1から第4の当接部材又は支持部材を、第1から第4の付勢部材の付勢力に抗して、基板から後退する方向に移動させることにより、基板保持機構が基板を保持する状態を解除する、基板保持機。
【0014】
本発明の第2の手段は、基板の電気特性を検査する基板検査装置の機構部品であり、基板を解放可能に保持する基板保持機であって、ベース部材と、ベース部材に設置され、基板を解放可能に保持する基板保持機構と、ベース部材に設置され、基板保持機構が基板を保持する状態を解除することにより、基板を基板保持機構から解放する基板解放機構と、を備え、
基板保持機構は、基板の四辺に対応し、当該四辺に沿って順に配置され、各々が、基板の対応する一辺に当接する当接部を有する、第1から第4の当接部材と、第1から第2の当接部材にこの順序で対応し、各々が、基板の対応する一辺に対する進退方向に固定位置を調節可能に、対応する当接部材を自身に固定して支持する、第1から第2の支持部材と、第1から第2の支持部材にこの順序で対応し、ベース部材に設置され、各々が、対応する当接部材又は対応する支持部材を基板の対応する一辺に対する進退方向に案内するとともに、対応する支持部材に当接することにより、当該対応する支持部材の前進方向への移動を制止する制止部を有する、第1から第2の案内部材と、第1から第2の当接部材に対応して設置され、各々が、対応する当接部材又は対応する支持部材を、対応する案内部材に対して基板の対応する一辺に向かって付勢する、第1から第2の付勢部材と、を有し、第1から第3の当接部材の各々の当接部は、基板の対応する一辺のうちの中央部に当接し、第4の当接部材の当接部は、基板の対応する一辺のうちの中央部を挟んで互いに離れた2つの部位に当接し、第3及び第4の当接部材の各々は、基板の対応する一辺に対する進退方向に固定位置を調節可能に、ベース部材に固定され、
基板解放機構は、第1から第2の当接部材又は支持部材を、第1から第2の付勢部材の付勢力に抗して、基板から後退する方向に移動させることにより、基板保持機構が基板を保持する状態を解除する、基板保持機。
【0015】
本発明の第3の手段は、第1又は2の手段において、第1から第4の当接部材の各々は、基板の対応する一辺に対する進退方向に沿って貫通長孔を有しており、当該貫通長孔を貫通する締結部材によって解除可能に締結されることにより、対応する支持部材又はベース部材に、固定位置を調節可能に固定される。
【0016】
本発明の第4の手段は、第3の手段において、第4の当接部材は、2個の単位当接部材に分割されており、当該2個の単位当接部材の各々は、基板の対応する一辺に対する進退方向に延在する貫通長孔を有しており、当該貫通長孔を貫通する締結部材によって解除可能に締結されることにより、対応する支持部材又はベース部材に、固定位置を調節可能に固定され、
2個の単位当接部材が固定される支持部材又はベース部材は、2個の単位当接部材に対応する基板の一辺に沿った方向に延在する別の貫通長孔を有しており、締結部材は当該別の貫通長孔をも貫通することにより、2個の単位当接部材を、対応する基板の一辺に沿った方向にも固定位置を調節可能に固定する。
【0017】
本発明の第5の手段は、第1乃至4の何れかの手段において、基板解放機構は、基板を囲むように配置される環状のベルトと、各々が、各支持部材に対応してベルトに一端が連結された複数のレバーと、ベルトを駆動するベルト駆動部と、を有し、
複数のレバーの各々は、ベルト駆動部によりベルトが駆動されるのに伴い、当該ベルトの動きを、対応する支持部材に伝達することにより、対応する支持部材を、対応する付勢部材の付勢力に抗して、基板の対応する一辺から後退させる。
【0018】
本発明の第6の手段は、第1乃至5の何れかの手段において、第1から第4の当接部材の各々は、基板の対応する一辺に当接したときに、基板の主面に直交する方向に沿った当該基板の位置ずれを制限するように、基板の上方及び下方の双方に突起する突起部を有する。
【0019】
本発明の第7の手段は、第1乃至6の何れかの手段において、ベース部材は、基板が保持されるときの基板に面する位置に開口し、基板が通過可能な開口部を有する。
【0020】
本発明の第8の手段は、第7の手段の基板保持機の基板を保持する位置である基板保持位置を設定する方法であって、基板検査装置が有する基板搬送テーブルに基板保持機を設置することと、基板検査装置が有する基板載置台に、基板よりも主平面外形サイズが小さな基板サイズ用載置板を設置することと、基板と外形サイズが同一であるサンプル基板を、基板サイズ用載置板の所定の位置に設置することと、
基板保持機の基板解放機構を作動させることにより、基板保持機構がサンプル基板を解放する解放状態に保つことと、第1から第4の当接部材の各々が、対応する支持部材又はベース部材に固定された固定状態を解除する工程と、基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、基板検査装置に設置され、基板保持機構が解放状態に設定され、かつ第1から第4の当接部材の固定状態が解除された基板保持機の基板保持位置に保持することと、
基板解放機構の作動を解除することにより、基板保持機構を、解放状態からサンプル基板を保持する保持状態に移行させることと、第3及び第4の当接部材の各々を、サンプル基板の対応する一辺に当接する位置において、対応する支持部材又はベース部材に固定することと、第1及び第2の当接部材の各々を、サンプル基板の対応する一辺に当接させつつ、対応する支持部材を対応する一辺から後退した位置に保持しつつ、第1及び第2の当接部材の各々を、対応する支持部材に固定することと、
第1から第4の当接部材の固定が終了した後に、基板解放機構を再び作動させることにより、基板保持機構がサンプル基板を解放する解放状態に保つことと、基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、第1から第4の当接部材の固定が終了し、基板保持機構が解放状態に保たれている基板保持機の基板保持位置から、除去することと、を備える、基板保持機の基板保持位置を設定する方法。
【0021】
本発明の第9手段は、 第7の手段の基板保持機の、基板を保持する位置である基板保持位置を設定する方法であって、基板検査装置が有する基板搬送テーブルに基板保持機を設置することと、基板検査装置が有する基板載置台に、基板よりも主平面外形サイズが小さな基板サイズ用載置板を設置することと、基板と外形サイズが同一であるサンプル基板を、基板サイズ用載置板の所定の位置に設置することと、
基板保持機の基板解放機構を作動させることにより、基板保持機構がサンプル基板を解放する解放状態に保つことと、第1から第4の当接部材の各々が、対応する支持部材又はベース部材に固定された固定状態を解除する工程と、基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、基板検査装置に設置され、基板保持機構が解放状態に設定され、かつ第1から第4の当接部材の固定状態が解除された基板保持機の基板保持位置に保持することと、第1及び第2の当接部材の各々を、サンプル基板の対応する一辺から間隔を保持しつつ、対応する支持部材に固定することと、基板解放機構の作動を解除することにより、基板保持機構を、解放状態からサンプル基板を保持する保持状態に移行させることと、第3及び第4の当接部材の各々を、サンプル基板の対応する一辺に当接する位置において、対応する支持部材又はベース部材に固定することと、
第1から第4の当接部材の固定が終了した後に、基板解放機構を再び作動させることにより、基板保持機構がサンプル基板を解放する解放状態に保つことと、基板サイズ用載置板に設置されたサンプル基板を、第1から第4の当接部材の固定が終了し、基板保持機構が解放状態に保たれている基板保持機の基板保持位置から、除去することと、を備える、基板保持機の基板保持位置を設定する方法。
【0022】
本発明の第10段は、第8又は9の手段において、基板載置台と基板サイズ用載置板とサンプル基板とには、位置と傾きを同じにする機械位置合せの位置手段が有る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の手段に依れば、基板保持機は基板サイズの変更に際し、部材の交換を要せず、基板に合せて4つの当接部材の位置を調節し固定することで、4方向から挟み込む機械的位置合せと保持が出来る。複数の基板保持機を回転テーブルなどの基板搬送テーブルに複数配置して、基板の搬入保持、位置認識、電気検査、基板搬出工程を同時に行い検査時間の短縮に好ましい。
基板の保持位置は、対向する付勢部材の付勢力の差で位置決めの第3、4の支持部材が当接する制止部に間接固定された当接部材の3つの当接部で決まるので基板保持の位置精度は高い。
基板を保持する保持力は、付勢力の小さい方の付勢の第1、2の当接部材の付勢力で決まるが、適切な付勢部材の配置により必要な付勢力は確保することができる。
第1から第3の当接部材の各々の当接部は、基板の中央部に当接し、第4の当接部材の当接部は、基板の中央部を挟んで互いに離れた2つの部位に当接するので、基板の隣接2辺に位置決めの3つの当接部が当接し基板位置を定めている。
【0024】
本発明の第2の手段に依れば、基板保持機は基板サイズの変更に際し、部材の交換を要せず、基板に合せて4つの当接部材の位置を調節し固定することで、2方向から挟み込む機械的位置合せと保持が出来る。
基板の保持位置は、ベース部材に固定された隣接する位置決めの第3、4の当接部材の3つの当接部に当接して決まるので基板保持位置の精度は高い。
基板保持機は部材の点数が少なく簡素なので、コスト低減に帰与する。
【0025】
本発明の第3の手段に依れば、当接部材の各々は基板の対応する一辺に対する進退方向に沿って貫通長孔を有して固定位置を調節可能に固定されるので、当接部材などの交換を要せずに基板の外形変更が容易である。
本発明の第4の手段に依れば、第4の当接部材は、2個の単位当接部材に分割されて当接部が2つ有って、基板の隣接する2辺に3点の当接部を当接させて、基板の位置を3点支持にて基板保持位置を定めている。又、基板の一辺に沿った方向にも固定位置を調節可能に固定することが出来て基板サイズの変更に容易に対処が出来る。
【0026】
本発明の第5の手段に依れば、基板解放機構は、基板を囲むように配置される環状のベルトを駆動することで、連動して基板の4辺に対応する当接部材を支持する支持部材を付勢部材の付勢力に抗して基板の対応する一辺から略同時に後退し基板を解放させることが出来る。又、基板解放機構の解除により、4方向から同期に挟み込む機械的位置合せと基板保持を実現している。
本発明の第6の手段に依れば、第1から第4の当接部材の各々には、基板の上方及び下方の双方に突起する突起部を有するので、上下から不均等な荷重が有っても、基板の落下、位置ずれが抑止される。又、突起幅を小さくすることで、基板の電気検査エリアの縮小を避けることが出来る。
発明の第7の手段に依れば、ベース部材は、基板が保持されるとき基板が通過可能な開口部を有するので、検査エリアの制約が少ない基板の両面電気検査が出来る。
【0027】
発明の第8、9、10手段に依れば、基板のサイズ変更に際し、基板保持機の基板を保持する基板保持位置を設定するに、基板載置台、基板サイズ用載置板、サンプル基板には、各々を所定位置に設置する機械位置合せの位置手段があるので、基板保持位置にサンプル基板を容易に設置すること出来る。
基板保持機の基板保持状態おいて、移動可能な第3、4当接部材の各々をサンプル基板に当接させて固定し、基板解放状態において、移動可能な第1、2当接部材の各々をサンプル基板に当接させつつ、支持部材を後退した位置に保持しつつ固定する。
又は、基板保持状態おいて、サンプル基板と第3、4当接部材を当接させて固定し、第1、2当接部材は間隔を保持しつつ固定することで、基板保持位置を容易に設定することが出来る。
そして、サンプル基板を除去すれば、基板を検査可能な状態になる。
検査基板の外形サイズが変わっても、固定位置を調節可能な当接部材を所定位置に設置されたサンプル基板に当接又は付勢状態に調節し固定することで部材などの交換を要せずに容易に基板のサイズ変更に対処が出来る。
本発明の手段別に発明の効果を述べたが、共通した特定事項は他の手段にも同様の効果がある。又、相互に作用していることがある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の4方向から基板を挟み込む基板保持機の上面からの説明図。
【
図2】本発明の基板検査装置1の電気検査を行う装置本体の機構構成の説明図。
【
図3】(a)は、基板を基板載置台に載置した時の上面からの状態図。 (b)は、基板を基板載置台の基板サイズ用載置板に載置し保持した時の正面からの状態図。 (c)は、基板の電気検査時に上下から検査用治具と複数のプローブが当接する時の正面からの状態図。
【
図4】本発明の、基板を保持する時の、3種のばねの荷重特性と変位量の遷移状態を示す説明図と、基板を解放する駆動力を示す。
【
図5】基板保持機の
図1のX軸断面の正面からの説明図。
【
図6】本発明の、当接部材がXY移動可能な支持部材の底面を説明する
図1の上面からの透視図。
【
図7】本発明の、基板に4方向から当接する当接部の移動可能な範囲の説明図。
【
図8】(a)本発明の実施の形態が異なるY型当接部材の、基板保持機の1/4部分の上面からの説明図。 (b)本発明の実施の形態が異なるY型当接部材の、基板保持機の1/4部分の上面からの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、添付図面に基づいて、本発明の望ましい実施形態に係る基板検査装置の基板保持機、及び基板保持位置を設定する方法について、図を参照して説明を行う。
[実施の形態1]
【0030】
図1は基板検査装置1の基板保持機4の上面図で、基板保持機4はベース部材40を装置本体11の基板2を搬送する搬送テーブル12の複数の位置決めピンにベース部材設置穴401を嵌めた位置に設置して、基板2を保持又は解放する基板保持機構400を構成している。基板保持機4を交換又は複数、装置本体11の搬送テーブル12の所定位置に配置することが出来る。
図5に
図1の基板保持機4のX軸断面の正面図、
図2に装置本体11の機構構成を示している。
【0031】
基板2を基板検査装置1にて電気検査する主な工程S10は、
図2に示す搬送テーブル12に4分割の回転テーブル12Rを採用している。
S11・装置本体11の基板搬入に、基板載置台14がリフト14Zにて所定位置に上昇し、基板載置台14に設置された基板サイズ用載置板141に基板2を載置して、基板保持機4が基板2を保持する。その後、基板載置台14は下降し待機位置に戻る搬入工程。
図2のS11、基板保持機4の下側に基板サイズ用載置板141、基板載置台14とリフト14Zがある。
図3(b)では、吸着ハンド105が基板2を自動搬入している。
S12・搬送テーブル12は、基板2を保持し90度回転移動し、基板の位置であるXY位置と傾きをカメラ102がXYに相対移動し複数の基板マークの位置から位置認識する基板の位置認識工程。
【0032】
S13・搬送テーブル12が90度回転移動する間に、制御装置101は基板2と検査用治具3の位置を整合させる位置合せ補正(ΔXYΘ)を完了し、電気検査位置となると、
図3(c)に示す、検査用治具3T、3Bが上下移動して、複数のプローブ31が基板2の両面の検査端子に当接する。テスター110の電気検査が実行し完了すると、検査用治具3T、3Bが待機位置に移動して上下のプローブ31の当接を解除する検査工程。
S14・最後に、搬送テーブル12は、基板2を保持し90度回転移動し基板2を搬出する搬出工程となる。
搬送テーブル12に回転テーブル12Rを採用すれば、S11からS14を連続して繰り返すことになる。この場合、基板保持機4は少なくとも4つ配置することになる。
【0033】
S11の搬入工程において、
図3(a)に基板サイズ用載置板141上の状態を示している。太線の実線は基板2を保持する位置である基板保持位置を、1点鎖線の細線は機械保持位置のXY座標軸を示している。2点鎖線の太線は基板2が置かれた仮想位置、2点鎖線の細線は基板2を挟み込むことができる最大範囲を示している。両側矢印は基板2に当接し付勢する第1、2の当接部材901の可動範囲、片側矢印は基板2に当接し位置決めする第3、4の当接部材902の可動範囲を示す。
【0034】
図3(b)の1点鎖線の太線は基板底面のXYΘZ基板基準面145位置を示している。これは、基板載置台14の上昇時の基板サイズ用載置板141の上面である。基板サイズ用載置板141は基板載置台14の機械位置の複数の穴又は溝140に、1対の位置決め穴142に固定装備した1対の位置決めピン143を挿入して固定されている。又、上面には置かれた基板2の付勢時の回転を抑制する逃げ溝144が内側にある。4側面は当接する当接部材9と干渉しない基板2より小さい外寸になっている。
【0035】
基板保持機4の詳細を、
図1、5に基づいて説明する。ベース部材40の中央は両面検査が可能な最大サイズの基板2より大きな基板窓402が開いている。付勢部材6の圧縮コイルばねSF1、SF2の付勢力によって前進移動し基板2に当接して保持する当接部材9がプラス、マイナスXY軸の4方向にある。当接部材9は4つの支持部材5に複数の貫通長穴91によって、固定位置を移動可能に固定ノブ92にて固定されている。
支持部材5はベーブ部材40に固定された支持部材ガイドベース45の貫通穴に挿通されEリング461止めされたガイドシャフト46に案内されてXY方向に付勢部材6の付勢力SF1又はSF2を有して基板(前進)方向に移動する。
基板2に当接する4つの当接部材9が固定された支持部材5の移動を案内する複数の案内部材450を構成している。
【0036】
この付勢力を発生させる付勢部材6について、
図4に基づいて説明する。F1は4つの支持部材5の隣接する2つの第1、2の支持部材51をガイドシャフト46に外装されてXマイナス、Yプラス方向から付勢して基板2を付勢する弾性の圧縮コイルばねの付勢力である。同様に、F2は対向する隣接の2つの位置決めの第3、4の支持部材52をガイドシャフト46に外装されてXプラス、Yマイナスから付勢して基板2と、支持部材ガイドベース45の制止部452を付勢する弾性の圧縮コイルばねの付勢力である。
【0037】
PFは、基板2を保持から解放する装置本体11の基板解放駆動機17から伝達される基板解放駆動力であるPF64である。工程S11の基板の搬入とS14の搬出に動作する。それ以外は基板保持のSF1、SF2、SF3が付勢動作の状態にある。SF3はPF基板解放駆動力64と反対方向に付勢しPFが非動作時のベルト位置を初期化する弾性の引っ張りコイルばね63で、タイミングベルト72に挟着された駆動部材721Aの始点を駆動始点具740に当接して定める。この回転駆動力PFは、PF>(2(SF1+SF2)+SF3)の
図3に示す駆動力を要する。1つの圧縮コイルばねの付勢力はSF1、2の半分となる。
【0038】
各々の付勢部材6のばねの付勢力には、SF1<SF2、(SF2-SF1)=ΔSF21は制止部452に当接する基板保持位置を定める保持位置付勢力Fix.F=ΔSF21になって、基板保持機4が基板2を保持する機械的位置を定める。制止部452はベーブ部材40の位置決めピン41に組立用ホール451を嵌めて位置固定された支持部材ガイドベース45の固定位置の端部である。この制止部452と内寸を成す付勢基端部453が圧縮コイルばね基端部603の反力を発生させる付勢力SF1、SF2の付勢源である。この端部である452、453はベース部材40に製造時に固定された位置手段の要となっている。
【0039】
次に、基板2を解放する基板解放機構7について、
図1、5に基づいて説明する。基板解放機構7の構成は、当接部材9が4方向から同期して基板2を保持から解放するために、装置本体11の基板解放駆動機17の回転駆動力PFを下側からタイミング歯車71(ベルト駆動部)に同軸に連結された円盤体711(ベルト駆動部)で受取り、タイミング歯車71を介してタイミングベルト72に伝達し、ベース部材40のコーナーにある他の3つのタイミング歯車71に伝達し、元のタイミング歯車71に戻る。これで、回転駆動を直線駆動に変換している。
【0040】
タイミングベルト72を挟んで取付けられた駆動部材A721Aは、駆動終点741に当接し係止する。4つの駆動部材B721Bの駆動端部722は、駆動アーム735に固定の駆動ベアリング738を押圧し、アーム支持点736で方向を反転し、アーム端部737が支持部材5に固定の駆動ベアリング738を押圧して支持部材5は後退し基板2を解放する解放状態となる。
これらの、駆動部材A721A、駆動部材B721B、駆動端部722、駆動アーム735、アーム支持点736、アーム端部737、駆動ベアリング738が駆動の複数のレバーを構成している。
【0041】
図1、5に示す、円盤体711に基板解放駆動機17が下側から上昇して当接し、真空チャック105をONし連結後、定時間(回転角、定距離)の回転駆動と停止保持の基板解放状態OPENとする。次に、基板保持のスタート動作の真空チャック105をOFFし連結解除後、下降する。基板解放駆動機17にトルクリミットあることが好ましく、
図3に駆動力PFとトルクリミットTLの荷重点が縦軸に示されている。
【0042】
連結(解放)解除後は、
図3において、支持部材5は付勢力SF1、SF2を有して保持方向に4つの支持部材5が同期して移動MOVEする。位置決めの第3、4の支持部材52は複数の制限部452により機械的位置で固定Fixする。付勢の第1、2の支持部材51に固定された付勢の第1、2の当接部材901は基板2に当接して基板2を付勢して保持HOLDする。
図1に各部品が鎖線で示されている様に、基板解放機構7はベース部材40の裏側に機構構成されている。表側では4つの支持部材5と当接部材9が進退移動するだけになる。
図5にX軸断面の正面からの説明図を示している。
【0043】
基板2の一辺に対し進退方向に固定位置を調節可能な当接部材9について、
図1、5、6に基づいて詳細を説明する。基板2の側面に当接する当接部90が先端にある。
図1の上面図には当接部材9の中心線上に貫通長孔91が2つ間隔を開けてある。下側の支持部材5には直下の所定位置に雌ネジ921が加工されており、2つの固定ノブ92の雄ネジ部分にて進退方向に固定位置を調節可能にしている。
【0044】
Y方向マイナス側にある基板2の1辺のY位置と傾きを定める位置決めの第4の支持部材52はX方向にも固定位置を調節可能にしている。
図6に底面を示す、位置決めの第4の支持部材52にはX方向に4つの貫通長穴A923と、その周辺底面には止め具長溝924が4つ間隔を開けてある。止め具長溝924には4つの固定ノブ92の雄ネジ部分にてネジ止めする外形が略正方形の中心に雌ネジが加工された止め具922がある。4つの固定ノブ92は雄ネジ部分にてネジ止めされて、2つの位置決めの第4の当接部材902がXY方向に固定位置を調節可能にしている。2つの当接部90は略中央に間隔を開けて略X軸方向に配置されている。
【0045】
これで、基板2の1辺のY位置と傾きΘが決まる。基板2の隣接1辺のX位置は、位置決めの第3の当接部材902を固定した位置で決まる。基板2の4外辺を3つの位置決めの第3、4の当接部材902と、2つの付勢の第1、2の当接部材901の5つの当接部材9の当接部90が基板2に4方向から当接し付勢して、基板2を機械的に位置決めし保持している。この機械的保持に合えば、基板の外形は正方形で無くても良いが、基板側面を付勢して挟み込むことで撓み変形する基板は適合しないことになる。
上述は、基板2を解放可能に保持する基板保持機4をベース部材40に機構構成した基板保持機構400と基板解放機構7の説明である。基板検査機1に複数の配置に好ましい。
【0046】
検査する基板2の機種の外形が変わる場合の作業について、上述の5つの当接部90、5つの当接部材9の固定位置を変えることになる。
図7にその移動可能な範囲を示している。細実線の網目の範囲が5つの当接部90の位置になる。
図7の位置決めの第3、4の当接部材902の当接部90の形状は円弧となっている。付勢の当接部材901の当接部90は直線状の部分に幅が有る。
【0047】
これは、基板保持時に付勢の第1、2の当接部材901が先に基板2に当接した場合、基板の1辺の略中央を付勢することで、基板2が回転することを抑制して、基板2の移動を最小化する。当接部90の直線状の部分に幅が有っても通常、主当接点は1点になる。
Y方向マイナス側の位置決めの第4の支持部材52の2つの位置決めの第4の当接部材902は、平行のII型、V型、逆V型(ハ型)などの配置により、基板の外形に広く対応できる。当接部90の形状は、円弧の当接部90が基板2の1点にのみ当接することが明確で好ましい。
【0048】
基板2のサイズ変更時の作業手順(段取り)の工程S100は、従来通り、基板2と同寸のサンプル基板201があることが好ましい。検査基板の損傷を防止する。検査基板に合せて当接部材9を調節移動し固定する工程となる。
図3の(a)、(b)を参照して説明する。
【0049】
検査基板2を置く基板サイズ用載置板141は基板2の外形により複数あって、マイナスサイズの適切なものを設置セットする。この基板サイズ用載置板141にはサンプル基板201を所定の位置にする複数の基準貫通穴142があって、1対の基準ピンが下側に挿入固定されている。基板載置台14には複数の位置決め穴又は溝140があり、1対の基準ピンを入れると機械位置XYΘZ145となる。サンプル基板201にも対応する位置に1対の基準穴がある。これに1対の基準ピンツールを貫通し基板サイズ用載置板141の基準貫通穴142に挿入するとサンプル基板201を所定位置の機械位置に設置セットが出来る。サンプル基板201を所定位置に設置する機械位置合せの位置手段となっている。サンプル基板201は検査基板2に1対の基準穴を追加工するか、検査用治具3の付属品として1対の基準穴がある同じ寸法の平板を事前に作成する。
【0050】
S101・作業者が、基板保持機4の基板保持機構400を解放状態(後退方向)に操作パネルにて操作して、当接部材9を最大に広げ、基板載置台14を基板受取り位置に上昇させる。そして、基板サイズ用載置板141と、サンプル基板201を設置セットする、基板の機械位置を設定する工程。
【0051】
S102・基板を保持する前進方向に基板保持機構400を操作し、
図1、5のサンプル基板201の位置を定める隣接する1辺に2つの当接部90を略中央に間隔を開けて、他の1辺に1つの当接部90を略中央に当接させて、位置決めの第3、4の支持部材52に位置決めの第3、4の当接部材902を固定ノブ92で固定する、基板の保持位置を定める工程。
S103・基板を解放する後退方向に基板保持機構400を操作し、付勢の第1、2の当接部材901の当接部90がサンプル基板201のS102と対向する2辺の+1から2ミリの位置(後退位置)の略中央に、第1、2の支持部材52に第1、2の当接部材902を固定ノブ92で固定する、付勢位置を定める工程。
図3(a)の細2点鎖線に相当する。
この付勢位置を定める工程は、S102において、第1、2の支持部材52を+1から2ミリ後退させて、当接部90を基板2に当接して第1、2の当接部材902を固定しても良い。同じ付勢位置となる。
【0052】
S104・1対の基準ピンツールを抜いて、サンプル基板201の位置をずらした後に、再度、基板を保持する保持状態に基板保持機構400を操作セットし、サンプル基板201が保持されるか、を基板の外辺に5つの当接部90が当接していることを目視にて確認する、目視工程。
S105・次に、基板載置台14を待機位置に下降させる。そして、サンプル基板201が確実に保持されているか、接触荷重を掛けて確認する、確認工程。この接触荷重は作業者の接触感覚でも良いが、小型のフォースゲージ(荷重計)でサンプル基板201を押し引きすることが好ましい。
【0053】
S106・最後に、基板載置台14を基板受取り位置に上降させて、基板を解放する後退方向に基板保持機構400を操作セットする。サンプル基板201を取り出して、基板載置台14を待機位置に下降させる。
これで、検査基板のサイズ変更の段取り作業は終了するが、工程のS104とS105をサンプル基板201の載置位置を変えて数回繰り返すことが好ましい。
【0054】
図4に示す、支持部材5の解放位置OPENと始点位置SETの間隔は3ミリになっている。基板2が無いと、付勢の第1、2の支持部材51と付勢の第1、2の当接部材901は3ミリ進退移動する。
図4の付勢力SF1の61は実線と2点鎖線の太線になる。位置決めの第3、4の支持部材52と位置決めの第3、4の当接部材902は2ミリ進退移動する。付勢力SF2の62となる。基板2を置く位置にプラス、マイナス2ミリのバラツキを許容していることになる。この搬入位置の余裕量は解放状態を定める駆動終点具741の固定位置で変えられるが、進退量は一定で有ることが好ましい。基板保持スタートでMove移動してHOLD表記の位置(機械的位置)にFIX固定したことになる。
【0055】
図4の矢印は、4つの支持部材5が、SET位置の丸4角印から駆動力PFにより解放方向に後退移動し、OPENで係止する解放状態となる。PFを解除の基板保持がスタートし、MOVE前進移動する。SF2はFIX位置(制止部452)で付勢力Fix.Fで固定する。SF1は基板2を付勢して係止するHOLD保持状態となる、State状態の遷移のサイクルを示している。横軸のTIME、MOVE Dis.の表記は支持部材5が保持前進移動する時間と距離(変位量)となる。基板2を保持する保持力はSF1となる。付勢力Fix.Fは、基板保持位置への付勢力となる。
[実施の形態2]
【0056】
図1、7では、基板の外形を30ミリから60ミリの正方形に対応し作図されている。Y方向マイナス側の位置決めの第4の支持部材52の形状が他の3つの支持部材5と異なっている。同じ支持部材5を4つ使用し、位置決めの第4の当接部材902の形状をY型に変えた実施の形態2を説明する。
【0057】
図8(a)に基づいて説明する。位置決めの第4の当接部材902Yは、当接部90が2つY型の本体の頭側の両端にあって、略中央に基板2と当接しない凹部904がある形状となっている。2つの当接部90はX方向に位置を変えられない固定形状であるが、当接部90と凹部904には幅が有る。基板2は30ミリから60ミリに想定しているので、当接部90の幅は、約FW=(60-30)/2=15ミリ、凹部904の幅は、約BW=(30-2)=28ミリとなっている。凹部904の幅BW=28ミリなので、プラスY方向から付勢の第2の当接部材901が基板2を付勢して、少なくとも約SF1*(28/2)のトルクで基板2の傾きΘを機械的に補正する。Y方向の進退方向の固定位置は、移動可能な貫通長穴91が間隔を開けて複数ある他の当接部材9と同じである。
【0058】
これで、基板2の1辺のY位置と傾きΘが決まる。基板2の隣接1辺のX位置は、位置決めの第3の当接部材902を固定した位置で決まり、基板保持機4の基板の保持位置の設定は完了し、基板2の位置(XYΘ)のが確定する。
この形態2は、4つの当接部材9を略直交軸上の位置の変更のみに対処することで、容易に基板サイズ変更の段取り作業が完了して作業者の負担を軽減しるのに好ましい。又、当接部90の幅が15ミリあるので、30-60ミリ強の基板サイズに対応が出来る。
[実施の形態3]
【0059】
2つ又は3つの位置決めの第3、4の当接部材902を直接にベース部材40に対し固定位置をXY方向に移動可変にしている実施の形態3について
図6、
図8(b)に基づいて説明する。位置決めの第3、4の支持部材52と案内部材450がなく、付勢の当接部材901のXY2方向からのみの機械的位置合せと保持になる。上述の先行技術と同様になる。基板の搬入工程S11の基板2の載置位置に手動又はロボットに視覚補正機能がある等で載置位置にバラツキが小さければ基板保持機4の構成が簡素になる。第4の当接部材902は、平行のII型、V型、逆V型(ハ型)、Y型などの配置も同様に可能である。
【0060】
マイナスY方向の2つの位置決めの第4の当接部材902は、ベース部材40にXY方向に固定位置を調節可能にしている。基板2を4方向から挟み込む機械的補正の動作はしない。位置決め支持部材52がない状態で、その固定位置には、ベース部材40のX方向に4つの貫通長穴A923と、その周辺底面には止め具長溝924が4つ間隔を開けてある。止め具長溝924には4つの固定ノブ92の雄ネジ部分にてネジ止めする外形が略正方形の中心に雌ネジが加工された止め具922がある。4つの固定ノブ92は雄ネジ部分にてネジ止めされて、2つの位置決めの第4の当接部材902がXY方向に固定位置を移動調節可能にしている。
【0061】
プラスX方向の1つの位置決めの第3の当接部材902は、
図8(b)に示す、ベース部材40にその固定位置の雌ネジ921又は貫通穴925と止め具溝924の止め具922に固定されている。これで、基板2の保持位置を定めている。
図5に示す、位置決めの第3の支持部材52がなく、同じ高さのスペーサをベース部材40に固定設置すると、4つの当接部材9の高さが同じになる。
【0062】
実施の形態2の2ヶ所に当接部90がある第4のY型当接部材902Yを採用すれば、
図8(b)に示す、ベース部材40のY軸の略中央の所定の位置に2つの雌ネジ921がある。より簡素な構成になる。又、上述の2つの第4の当接部材902用の4つの貫通長穴A923と、その周辺底面の止め具長溝924とは、位置が干渉しなので、ベース部材40に2つの雌ネジ921、4つの貫通長穴A923とその周辺底面に止め具長溝924の加工の両方が在っても良い。基板保持機4の多様な実施の構成に容易に対処が出来る。
[実施の形態4]
【0063】
図2(c)に示す様に、基板2の両面に複数のコンタクトプローブ32の不均等な荷重のストレスを上下から掛けることから基板保持の位置精度に影響する状況にある。この上下方向Zに対する手段である。当接部材9には、垂直の当接部90と上下の端部に当接部90より突起した突起部952のある側面が凹型の側面凹型当接部材95について説明する。
例えば、基板厚さは1ミリ、突起幅は約0.2ミリ、当接部90の上下幅は、(1+0.4)=1.4ミリであれば、これで、上下荷重のアンバランスによる基板の落下、損傷を防止する。当接部90は基板2を保持した時は、上下に0.2ミリの余裕があり基板2とは干渉しない上下幅となっている。
【0064】
突起幅の約0.2ミリでは、基板の片側が傾いた場合、基板の厚さ1ミリ、幅45ミリであれば、基板の当接部90との隙間は約(1.2/45)=0.03ミリとなり、突起幅はその(=0.2/0.03)約7倍となり、基板の端部は上下の突起部952に係止されて、傾きは制限される。又、突起幅が0.2ミリであるので、検査用治具3T、3Bのプローブ31の導電接触のエリアを縮小することなく、プローブ保持部32と当接部材9との干渉を防止出来る。
[その他の実施の形態]
【0065】
基板解放駆動機17の回転駆動力PFを2倍にするに、
図1の駆動アーム735の支持点736の比を2/1としたが、その倍率と比率を変えても良い。
又、PFの回転駆動力の伝達をタイミング歯車71とタイミングベルト72を使用したが、複数の傘歯車とシャフトにて駆動力を伝達しても良い。同期に連動動作の構成が機械的位置補正に好ましい。
【0066】
当接部材9を固定するのに、回す複数の固定ノブ92を使用しているが、上下するレバーにしても良い。
別の形態の固定部材92Aで、複数個の当接部材9を同時に押圧して固定しても良い。複数の貫通長穴91も無くて良いことになる。
実施の形態1では、当接部材9の固定ノブ92を10個使用しているが、少なくとも4個以上であれば良い。当接部材9を固定するのに多様な形態があるが何れにしても、1つの当接部材9に2ヶ所の固定が確実で好ましい。
【0067】
当接部材9の先端部分を基板2との相性、Z方向の差異などで、交換可能にしても良い。実施の形態4の突起部952の適用が容易に出来る。
支持部材5の進退移動の複数の案内部材450にガイドレール機構を採用しても良い。
付勢の第1、2の支持部材51に取付ける付勢の第1、2の当接部材901には、1つの当接部90に幅が有あると説明したが、2つの当接部90があっても良いことになる。対向してある位置決め第4の当接部材902の2つの当接部90の間隔の略中央側にあれば、付勢して基板2の1辺のY位置と傾きを定めることになる。付勢の第1、2の当接部材901に1つ略中央部に当接部90あるのが基板2の1辺の傾きを機械的に補正するトルクSF1*(対向する2つの当接部90の間隔/2)が最大となって好ましい。付勢の第1、2の当接部材901と当接部90には形態と位置の制約があることになる。この制約の範囲内で2つの当接部90があっても良いことになるが、何れにしても主な付勢の当接部位は1つとなる。
【0068】
付勢部材6にコイルばねの自力を使用しているが、圧縮エヤー等を使用しても良い。しかし、多様な外乱に対しても耐力のある自力(ばね弾性)の付勢力が好ましい。
コイルばねの荷重を設定するに、コイルばね基端部603に対し荷重補正部材を付加しても良い。
図3のSF1、SF2の荷重特性を増すことが出来る。例えば、ガイドシャフト46にパイプを入れる、同等の部材を付加する等。基板保持機4の付勢力特性の調整、応急処置に好ましい。
【0069】
複数の基板サイズ用板141を準備し基板サイズに合せて交換しているが、移動可能なスペーサを少なくも4つを対角方向の4隅に基板に合せ移動固定しても良い。その交換を要さなくなる。例えば、図示はないが、汎用の基板サイズ用板には、サンプル基板201を機械位置にセットする基準ピンツール用の位置決め穴が中心に1つと、X軸方向に位置決め長穴の位置手段がある。スペーサは固定ノブ92と同様に長穴を貫通し止め具922に止めるなどの形態がある。当接部材9と干渉を避けて、基板サイズ用板141と同等になる。
【0070】
実施の形態1、2の井型、Y型の当接部材9のある位置決めの第4の支持部材52は
、ベース部材40への組立て位置が異なるだけで交換が可能である。又、井型の位置決めの第4の支持部材52には、II型又はY型の当接部材9を選択し使用できる。実施の形態3のベース部材40への固定も同様である。
上述の様に、複数の貫通長穴A91が間隔を同じにしている等で、固定位置が移動し調節可能な当接部材9は、多様な基板保持機4を構成できる。
【0071】
各々の付勢部材6のばねの付勢力を、第1と第2の付勢部材の付勢力は同じとしたが、異なっていても良い。各々の対向する第3と第4の付勢力より小さければ良いことになる。
【0072】
本発明の特定の実施形態についての上述の説明は、例示を目的として提示したものである。記載に前後はあるがそれらは、網羅的であったり、記載した形態そのままに本発明を制限したりすることを意図したものではない。数多くの変形や変更が、上述の記載内容に照らして可能であることは当業者に自明である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明の基板検査装置の基板保持機は、プリント配線基板、ICパッケージ、IC等の個辺の平板型の固体電子部品に備えられた複数の検査端子にプローブを同時に導電接触させる通電装置全般に用いることができる。
【符号の説明】
【0074】
1・基板検査装置 110・テスター 11・装置本体 12・搬送テーブル、回転テーブル 14・基板載置台 141・基板サイズ用載置板 17・基板解放駆動機 2・基板 201・サンプル基板 3・検査用治具 31・プローブ 32・プローブ保持部 4・基板保持機 40・ベース部材 400・基板保持機構 45・支持部材ガイドベース、案内部材 452・制止部 5・支持部材 51・第1、2の支持部材、付勢の支持部材 52・第3、4の支持部材、位置決めの支持部材 6・付勢部材 61・SF1、付勢圧縮コイルばね 62・SF2、位置圧縮コイルばね 63・SF3、始点設定コイルばね 64・PF、基板解放駆動力、駆動力 7・基板解放機構 71・タイミング歯車 72・タイミングベルト、ベルト 711・円盤体、ベルト駆動部 9・当接部材 90・当接部 901・第1、2の当接部材、付勢の当接部材 902・第3、4の当接部材、位置決めの当接部材 902Y・Y型当接部材 904・凹部 91・貫通長穴 92・固定ノブ、締結部材 95・側面凹型当接部材 952・突起部