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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072740
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185352
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】517448489
【氏名又は名称】合同会社H.U.グループ中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】小▲高▼ 健之
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AD06
2G052AD26
2G052BA17
2G052DA02
2G052DA12
2G052DA27
2G052JA09
(57)【要約】
【課題】液状の検体の採取精度を高めることが可能になる、容器を提供すること。
【解決手段】容器1は、第1容器10と、第2容器50と、開封部70とを備え、第1容器10は、第1上側開口部22と、第1上側開口部22よりも下方に位置する第1下側開口部23とを有する第1収容部20と、第2開口部32を有する第2収容部30であり、第2開口部32を介して余剰検体を収容する第2収容部30と、第1下側開口部23又はその近傍部分を封止する封止部40と、を備え、第2容器50は、第3開口部62を有する第3収容部60であり、開封部70によって封止部40が開封された際に、第1下側開口部23及び第3開口部62を介して第1収容部20に収容された検体を収容する第3収容部60を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の検体を収容するための容器であって、
第1容器と、
前記第1容器とは異なる第2容器と、
開封手段と、を備え、
前記第1容器は、
第1上側開口部と、前記第1上側開口部よりも下方に位置する第1下側開口部とを有する第1収容部であり、前記第1上側開口部を介して前記検体のうち基準量の検体を収容する第1収容部と、
第2開口部を有する第2収容部であり、第2開口部を介して前記検体のうち前記基準量の検体以外の検体である余剰検体を収容する第2収容部と、
前記第1下側開口部又は前記第1収容部の内部空間の一部を封止する封止手段と、を備え、
前記第2容器は、第3開口部を有する第3収容部であり、前記開封手段によって前記封止手段が開封された際に、前記第1下側開口部及び前記第3開口部を介して前記第1収容部に収容された前記検体を収容する第3収容部を備える、
容器。
【請求項2】
平面方向から見て前記第1収容部が前記第2収容部内に位置し、且つ前記第1上側開口部が前記第2収容部の下端部よりも上方に位置するように、前記第1収容部及び前記第2収容部を構成した、
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第1収容部又は前記第2収容部の少なくともいずれか一方の外径を、上方に向かうにつれて大きくした、
請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記封止手段を、前記第1収容部に設け、
前記開封手段は、
前記第1収容部に設けられた第1螺合部と、
前記第3収容部に設けられた第2螺合部であり、前記第1螺合部と螺合可能であり、且つ前記封止手段を開封可能な第2螺合部とを備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記封止手段が前記第1螺合部の上端部の近傍に位置するように、前記第1螺合部を配置した、
請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記第3開口部をカバーするための蓋部であり、前記第2螺合部と螺合可能な第3螺合部を有する蓋部を備える、
請求項4又は5に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、唾液を採取して収容するための器具の一つとして、ユーザから排出された唾液を受ける唾液受け具と、装着口部を有し、且つ唾液受け具の下部の接続口部及び装着口部を介して唾液受け具から唾液を溜め受ける容器本体とを備える器具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-211890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来の器具においては、唾液受け具が受けた唾液が唾液受け具の接続口部及び装着口部を介して容器本体に溜め受けるので(つまり、唾液受け具が受けた唾液がダイレクトに容器本体に収容されるので)、ユーザが基準量の唾液を採取できているか否かを確認しづらいことから、唾液の採取量にばらつきが生じるおそれがあった。よって、唾液の如き液状の検体の採取精度を高める観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液状の検体の採取精度を高めることが可能になる、容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の容器は、液状の検体を収容するための容器であって、第1容器と、前記第1容器とは異なる第2容器と、開封手段と、を備え、前記第1容器は、第1上側開口部と、前記第1上側開口部よりも下方に位置する第1下側開口部とを有する第1収容部であり、前記第1上側開口部を介して前記検体のうち基準量の検体を収容する第1収容部と、第2開口部を有する第2収容部であり、第2開口部を介して前記検体のうち前記基準量の検体以外の検体である余剰検体を収容する第2収容部と、前記第1下側開口部又は前記第1収容部の内部空間の一部を封止する封止手段と、を備え、前記第2容器は、第3開口部を有する第3収容部であり、前記開封手段によって前記封止手段が開封された際に、前記第1下側開口部及び前記第3開口部を介して前記第1収容部に収容された前記検体を収容する第3収容部を備える。
【0007】
請求項2に記載の容器は、請求項1に記載の容器において、平面方向から見て前記第1収容部が前記第2収容部内に位置し、且つ前記第1上側開口部が前記第2収容部の下端部よりも上方に位置するように、前記第1収容部及び前記第2収容部を構成した。
【0008】
請求項3に記載の容器は、請求項1又は2に記載の容器において、前記第1収容部又は前記第2収容部の少なくともいずれか一方の外径を、上方に向かうにつれて大きくした。
【0009】
請求項4に記載の容器は、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器において、前記封止手段を、前記第1収容部に設け、前記開封手段は、前記第1収容部に設けられた第1螺合部と、前記第3収容部に設けられた第2螺合部であり、前記第1螺合部と螺合可能であり、且つ前記封止手段を開封可能な第2螺合部とを備える。
【0010】
請求項5に記載の容器は、請求項4に記載の容器において、前記封止手段が前記第1螺合部の上端部の近傍に位置するように、前記第1螺合部を配置した。
【0011】
請求項6に記載の容器は、請求項4又は5に記載の容器において、前記第3開口部をカバーするための蓋部であり、前記第2螺合部と螺合可能な第3螺合部を有する蓋部を備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の容器によれば、第1容器が、第1上側開口部と、第1上側開口部よりも下方に位置する第1下側開口部とを有する第1収容部であり、第1上側開口部を介して基準量の検体を収容する第1収容部と、第2開口部を有する第2収容部であり、第2開口部を介して余剰検体を収容する第2収容部と、第1下側開口部又は第1収容部の内部空間の一部を封止する封止手段と、を備え、第2容器が、第3開口部を有する第3収容部であり、開封手段によって封止手段が開封された際に、第1下側開口部及び第3開口部を介して第1収容部に収容された検体を収容する第3収容部を備えるので、第1収容部において基準量の液状の検体が収容されているか否かを視覚的に確認しながら液状の検体を一時的に収容した後に、開封手段による封止手段の開封によって当該収容した液状の検体を第3収容部に収容できる。よって、従来技術(唾液受け具が受けた唾液をダイレクトに容器本体に収容する技術)に比べて、液状の検体の採取量のばらつきを抑制でき、液状の検体の採取精度を高めることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の容器によれば、平面方向から見て第1収容部が第2収容部内に位置し、且つ第1上側開口部が第2収容部の下端部よりも上方に位置するように、第1収容部及び第2収容部を構成したので、第1収容部に収容しきれなかった液状の検体を、余剰検体として第1上側開口部を介して第2収容部に確実に収容でき、第1容器の使用性を高めることができる。
【0014】
請求項3に記載の容器によれば、第1収容部又は第2収容部の少なくともいずれか一方の外径を、上方に向かうにつれて大きくしたので、第1収容部又は第2収容部の少なくともいずれか一方において液状の検体が受けやすくなるため、第1容器の使用性を高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の容器によれば、開封手段が、第1収容部に設けられた第1螺合部と、第3収容部に設けられた第2螺合部であり、第1螺合部と螺合可能であり、且つ封止手段を開封可能な第2螺合部とを備えるので、封止手段を開封する際に、第1容器に収容された液状の検体が当該第1容器の外部に漏れることを回避しながら、封止手段を容易に開封でき、開封手段の使用性を高めることができる。
【0016】
請求項5に記載の容器によれば、封止手段が第1螺合部の上端部の近傍に位置するように、第1螺合部を配置したので、第2螺合部が第1螺合部の上端部の近傍に位置するまで第1螺合部及び第2螺合部が螺合されていない限り、封止手段が開封されることを回避でき、例えば第1螺合部及び第2螺合部を介して第1容器が第2容器に取り付けられた状態において、第1容器に液状の検体を採取することが可能となる。
【0017】
請求項6に記載の容器によれば、第3開口部をカバーするための蓋部であり、第2螺合部と螺合可能な第3螺合部を有する蓋部を備えるので、第2螺合部及び第3螺合部を介して蓋部を第2容器に取り付けることができ、蓋部の使用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係る容器を示す正面図であり、(a)は後述の第1取付状態を示す図、(b)は第1容器が第2容器から取り外された状態を示す図である。
図2図1(b)の容器の斜視図であり、(a)は下方から見た図、(b)は上方から見た図である。
図3】第1容器を示す図であり、(a)は正面図、(b)はA-A矢視断面図である。
図4】容器を示す正面図であり、(a)は後述の第2取付状態を示す図、(b)は蓋部が第2容器から取り外された状態を示す図である。
図5】蓋部を示す図であり、(a)は正面図、(b)はB-B矢視断面図である。
図6】第1容器の変形例を示す図であり、(a)は正面図、(b)はC-C矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る容器の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、液状の検体を収容するための容器に関するものである。
【0021】
ここで、「容器」とは、例えば、キュベット状の容器、チップ状の容器等を含む概念であるが、実施の形態では、キュベット状の容器として説明する。
【0022】
また、「液状の検体」とは、例えば唾液、尿、喀痰等を含む概念であるが、実施の形態では、唾液として説明する。
【0023】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
(構成)
最初に、実施の形態に係る容器の構成について説明する。
【0025】
以下の説明では、図1のX方向を容器の左右方向(-X方向を容器の左方向、+X方向を容器の右方向)、図2のY方向を容器の前後方向(+Y方向を容器の前方向、-Y方向を容器の後方向)、図1のZ方向を容器の上下方向(+Z方向を容器の上方向、-Z方向を容器の下方向)と称する。
【0026】
容器1は、液状の検体(図示省略。以下、「液状検体」と称する。)を収容するためのものであり、図1図2に示すように、概略的には、第1容器10、第2容器50、開封部70、及び蓋部80を備えている。
【0027】
(構成-第1容器)
図1に戻り、第1容器10は、容器1の基本構造体の一部であり、図1から図3に示すように、第1収容部20、第2収容部30、及び封止部40を備えている。
【0028】
(構成-第1容器-第1収容部)
第1収容部20は、後述する第1上側開口部22を介して液状検体のうち基準量の液状検体を収容するものであり、図3に示すように、第1収容部本体21、第1上側開口部22、及び第1下側開口部23を備えている。
【0029】
ここで、「基準量」とは、所定の法令、省令、又は規格で定められた量を意味し、例えば医療法で定められた量等が該当する。
【0030】
(構成-第1容器-第1収容部-第1収容部本体)
図2に戻り、第1収容部本体21は、第1収容部20の基本構造体である。この第1収容部本体21は、略中空状体にて形成されており、具体的には、図2図3に示すように、X-Y平面に沿った断面形状が略円環状である略中空状体にて形成されている(あるいは、X-Y平面に沿った断面形状が多角形環状(一例として、矩形環状)である略中空状体にて形成されてもよい)。
【0031】
また、第1収容部本体21の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0032】
すなわち、第1収容部本体21の直径については、ユーザが指で第1収容部本体21を摘まむことが可能な大きさに設定しており、例えば、15mmから20mm程度に設定してもよい。
【0033】
また、第1収容部本体21の上下方向の長さについては、基準量の液状検体を収容可能な長さに設定しており、例えば、20mmから30mm程度に設定してもよい。
【0034】
(構成-第1容器-第1収容部-第1上側開口部)
図2に戻り、第1上側開口部22は、液状検体を第1収容部本体21に収容するための開口部である。この第1上側開口部22は、図2(b)に示すように、略円形状に形成されており(具体的には、第1収容部本体21の直径よりも若干小さい直径を有する略円形状に形成されており)、図3(b)に示すように、第1収容部本体21の上端部に設けられている。
【0035】
(構成-第1容器-第1収容部-第1下側開口部)
図2に戻り、第1下側開口部23は、第1収容部本体21に収容された液状検体を第2容器50に収容するための開口部である。この第1下側開口部23は、図2(a)に示すように、略円形状に形成されており(具体的には、第1上側開口部22の直径と略同一の直径を有する略円形状に形成されており)、第1収容部本体21の内部において第1上側開口部22よりも下方に位置するように設けられている。具体的には、図3に示すように、第1収容部本体21の下端部に設けられている。
【0036】
(構成-第1容器-第2収容部)
図2に戻り、第2収容部30は、後述する第2開口部32を介して液状検体のうち余剰検体を収容するものであり、図2図3に示すように、第2収容部本体31及び第2開口部32を備えている。
【0037】
ここで、「余剰検体」とは、ユーザから吐出される液状検体のうち、基準量の液状検体以外の液状検体を意味する。
【0038】
(構成-第1容器-第2収容部-第2収容部本体)
図2に戻り、第2収容部本体31は、第2収容部30の基本構造体である。この第2収容部本体31は、略中空状体にて形成されており、具体的には、図2図3に示すように、X-Y平面に沿った断面形状が略円環状である略中空状体にて形成されている(あるいは、X-Y平面に沿った断面形状が多角形環状(一例として、矩形環状)である略中空状体にて形成されてもよい)。また、図3に示すように、第2収容部本体31は、第1収容部20よりも上方側に設けられている。
【0039】
また、第2収容部本体31の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0040】
すなわち、第2収容部本体31の直径については、ユーザが指で第2収容部本体31を摘まむことが可能な大きさに設定している。
【0041】
また、第2収容部本体31の上下方向の長さについては、第1収容部本体21の上下方向の長さよりも短く(又は略同一に)設定しており、例えば、10mmから20mm程度に設定してもよい。
【0042】
(構成-第1容器-第2収容部-第2開口部)
図2に戻り、第2開口部32は、液状検体を第2収容部本体31に収容するための開口部である。この第2開口部32は、図2図3に示すように、略円形状に形成されており(具体的には、第2収容部本体31の直径よりも若干小さい直径を有する略円形状に形成されており)、第2収容部本体31の上端部に設けられている。
【0043】
(構成-第1容器-封止部)
図2に戻り、封止部40は、第1下側開口部23又は第1収容部20の内部空間の一部を封止する封止手段である。この封止部40は、略板状体又は略シート状体にて形成されており、第1下側開口部23又はその近傍部分全体を覆うように設けられている。具体的には、図2図3(b)に示すように、第1収容部本体21の内部空間のうち、基準量の液状検体が収容される部分21a(以下、「検体収容部分21a」と称する)の下端部分全体を覆うように設けられている。
【0044】
また、図2に示すように、封止部40には、開封補助部41が設けられている。
【0045】
開封補助部41は、開封部70による封止部40の開封を補助するための開封補助手段であり、封止部40の上面又は/及び下面に形成された凹状体として構成されており、封止部40の上面又は/及び下面において複数設けられている。具体的には、図2(a)に示すように、複数の開封補助部41は、封止部40の下面の中央部分において略十字状に設けられている。
【0046】
(構成-第1容器-その他の構成)
また、第1容器10の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では以下の通りに構成されている。
【0047】
すなわち、まず、第1収容部20(具体的には、第1収容部本体21)又は第2収容部30(具体的には、第2収容部本体31)の少なくともいずれか一方の外径は、上方に向かうにつれて大きく設定されている。
【0048】
具体的には、図2図3に示すように、第1収容部本体21の外径は、上下方向の全長にわたって均一に設定されている。一方、第2収容部本体31の少なくともいずれか一方の外径は、上方に向かうにつれて大きく設定されている。より具体的には、第2収容部本体31の上端部の外径は、第2収容部本体31の下端部の外径よりも大きく設定されており、例えば、30mmから40mm程度に設定されてもよい。また、第2収容部本体31の下端部の外径は、第1収容部本体21の上端部の外径と略同一に設定されている。
【0049】
このような構成により、第2収容部30において液状検体が受けやすくなるため、第1容器10の使用性を高めることができる。
【0050】
また、平面方向から見て第1収容部20が第2収容部30内に位置し、且つ第1上側開口部22が第2収容部30の下端部よりも上方に位置するように、第1収容部20及び第2収容部30が構成されている。
【0051】
具体的には、第1収容部20は、平面方向から見て第2収容部30の下端部と重複するように設けられている。また、図3(b)に示すように、第1収容部20は、当該第1収容部20の上端部が第2収容部30の下端部に設けられた挿通孔(図示省略)を介して挿通された状態で、第1上側開口部22が第2開口部32よりも下方に位置するように設けられている(あるいは、第1上側開口部22が第2開口部32よりも上方又は同一の高さ位置に位置するように設けられてもよい)。
【0052】
このような構成により、第1収容部20に収容しきれなかった液状検体を、余剰検体として第1上側開口部22を介して第2収容部30に確実に収容でき、第1容器10の使用性を高めることができる。
【0053】
また、第1容器10の形成方法については、実施の形態では、第1容器10の製造性を高める観点から、第1収容部20、第2収容部30、及び封止部40を一体に形成しており、具体的には、樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)を射出成形することにより、形成している。
【0054】
ただし、これに限らず、例えば、第1収容部20、第2収容部30、及び封止部40を別体に形成してもよく、一例として、第1収容部20、第2収容部30、及び封止部40を別体に形成した後に、第1収容部20に対して第2収容部30及び封止部40を接着剤等によって接続することにより、形成してもよい。
【0055】
このような第1容器10により、採取した液状検体を一時的に収容できる。また特に、第1収容部20が満杯であるか否かに基づいて、第1収容部20において基準量の液状検体が収容されているか否かを視覚的に確認できることから、第2容器50に余剰検体が収容されることを回避しやすくなる。
【0056】
(構成-第2容器)
図2に戻り、第2容器50は、第1容器10とは異なるもの(具体的には、別体に形成されたもの)であって、容器1の基本構造体の他の一部であり、図2に示すように、第3収容部60を備えている。
【0057】
(構成-第2容器-第3収容部)
第3収容部60は、開封部70によって封止部40が開封された際に、第1下側開口部23及び後述の第3開口部62を介して第1収容部20に収容された液状検体を収容するものであり、図2に示すように、第3収容部本体61及び第3開口部62を備えている。
【0058】
(構成-第2容器-第3収容部-第3収容部本体)
第3収容部本体61は、第3収容部60の基本構造体である。この第3収容部本体61は、長尺な略中空状体にて形成されており、具体的には、図2に示すように、X-Y平面に沿った断面形状が略円環状である略中空状体にて形成されている(あるいは、X-Y平面に沿った断面形状が多角形環状(一例として、矩形環状)である略中空状体にて形成されてもよい)。より具体的には、内径が同一である上側収容部分61aと、上側収容部分61aよりも下方に位置する下側収容部分61bであって内径が下方に向かうにしたがって小さくなる下側収容部分61bとを備えている。
【0059】
また、図1(b)に示すように、第3収容部本体61は、第1容器10が第2容器50に取り付けられた状態(以下、「第1取付状態」と称する)において、当該第3収容部本体61の長手方向が上下方向に略沿うように設けられると共に、第1容器10よりも下方側に設けられる。
【0060】
また、第3収容部本体61の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態では以下の通りに設定している。
【0061】
すなわち、第3収容部本体61の直径については、ユーザが指で第1収容部本体21を摘まむことが可能な大きさであって、第1収容部本体21の直径よりも小さい大きさに設定してもよい。例えば、上側収容部分61aの直径については、13mmから18mm程度に設定してもよく、下側収容部分61bの直径については、3mmから18mm程度に設定してもよい。
【0062】
また、第3収容部本体61の上下方向の長さについては、基準量の液状検体を収容可能な長さに設定しており、例えば、100mmから150mm程度に設定してもよい。
【0063】
(構成-第2容器-第3収容部-第3開口部)
第3開口部62は、液状検体を第3収容部本体61に収容するための開口部である。この第3開口部62は、図2(b)に示すように、略円形状に形成されており(具体的には、第3収容部本体61の直径よりも若干小さい直径を有する略円形状に形成されており)、第3収容部本体61の上端部に設けられている。
【0064】
(構成-第2容器-その他の構成)
また、第2容器50の形成方法については、実施の形態では、樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)を射出成形することにより、形成している。
【0065】
このような第2容器50により、第1容器10にて収容された基準量の液状検体を確実に収容できる。
【0066】
(構成-開封部)
開封部70は、封止部40を開封するための開封手段であり、図2に示すように、第1螺合部71及び第2螺合部72を備えている。
【0067】
(構成-開封部-第1螺合部)
第1螺合部71は、開封部70の基本構造体の一部である。この第1螺合部71は、例えば公知の螺合可能な雌ネジ状(又は雄ネジ状)にて形成されており、第1収容部20に設けられている。具体的には、図2(a)、図3(b)に示すように、第1螺合部71は、第1収容部本体21と一体に形成されており、第1収容部本体21の内側部分において複数周(例えば、6周程度)設けられている。
【0068】
また、第1螺合部71の設置方法については任意であるが、実施の形態では、封止部40が第1螺合部71の上端部の近傍(図3(b)では、第1螺合部71の上端部よりも若干下方の位置)に位置するように、第1螺合部71を設置(配置)している。具体的には、第1螺合部71を、第1収容部本体21の部分のうち、検体収容部分21aの下端から第1収容部本体21の下端に至る部分に配置している。
【0069】
このような設置方法により、第1取付状態において、第2螺合部72が第1螺合部71の上端部の近傍に位置するまで第1螺合部71及び第2螺合部72が螺合されていない限り、封止部40が開封されることを回避でき、例えば第1取付状態において、第1容器10に液状検体を採取することが可能となる。
【0070】
(構成-開封部-第2螺合部)
図2に戻り、第2螺合部72は、開封部70の基本構造体の他の一部であると共に、第1螺合部71と螺合可能であり、且つ封止部40を開封可能にするものである。この第2螺合部72は、例えば公知の螺合可能な雄ネジ状(又は雌ネジ状)にて形成されており、第3収容部60に設けられている。具体的には、図2に示すように、第2螺合部72は、第3収容部本体61と一体に形成されており、第3収容部本体61における上側収容部分61aの外側部分において、複数周(例えば、6周程度)設けられ、より具体的には、上側収容部分61aの上端から中央部に至る部分に設けられている。
【0071】
このような開封部70により、第1螺合部71又は第2螺合部72のいずれか一方を第1螺合部71又は第2螺合部72のいずれか他方に対してネジ回すことにより、第1取付状態にできると共に、封止部40を開封することができる。よって、封止部40を開封する際に、第1容器10に収容された液状検体が当該第1容器10の外部に漏れることを回避しながら、封止部40を容易に開封でき、開封部70の使用性を高めることができる。
【0072】
(構成-蓋部)
蓋部80は、第3開口部62をカバーするためのものであり、図4図5に示すように、蓋部本体81、蓋側開口部82、及び第3螺合部83を備えている。
【0073】
(構成-蓋部-蓋部本体)
図4に戻り、蓋部本体81は、蓋部80の基本構造体である。この蓋部本体81は、中空状体にて形成されており、具体的には、X-Y平面に沿った断面形状が略円環状である略中空状体にて形成されている。また、図4(a)に示すように、蓋部本体81は、蓋部80が第2容器50に取り付けられた状態(以下、「第2取付状態」と称する)において、第2容器50よりも上方側において、第3開口部62全体を覆うように設けられる。
【0074】
(構成-蓋部-蓋側開口部)
蓋側開口部82は、第2容器50(具体的には、第3収容部本体61)の上端部を蓋部本体81内に挿通するためのものである。この蓋側開口部82は、略円形状に形成されており(具体的には、蓋部本体81の直径よりも若干小さい直径を有する略円形状に形成されており)、図5に示すように、蓋部本体81の下端部に設けられている。
【0075】
(構成-蓋部-第3螺合部)
第3螺合部83は、第2螺合部72と螺合可能にするものである。この第3螺合部83は、例えば公知の螺合可能な雌ネジ状(又は雄ネジ状)にて形成されており、蓋部本体81に設けられている。具体的には、図5(b)に示すように、第3螺合部83は、蓋部本体81と一体に形成されており、蓋部本体81の内側部分において複数周(例えば、6周程度)設けられ、より具体的には、蓋部本体81の下端から中央部に至る部分に設けられている。
【0076】
(構成-蓋部-その他の構成)
また、蓋部の形成方法については、実施の形態では、樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)を射出成形することにより、形成している。
【0077】
このような開封部70により、第2螺合部72又は第3螺合部83のいずれか一方を第2螺合部72又は第3螺合部83のいずれか他方に対してネジ回すことにより、第2取付状態にできる。すなわち、第2螺合部72及び第3螺合部83を介して蓋部80を第2容器50に取り付けることができ、蓋部80の使用性を高めることができる。
【0078】
以上のような容器1により、第1収容部20において基準量の液状検体が収容されているか否かを視覚的に確認しながら液状検体を一時的に収容した後に、開封部70による封止部40の開封によって当該収容した液状検体を第3収容部60に収容できる。よって、従来技術(唾液受け具が受けた唾液をダイレクトに容器本体に収容する技術)に比べて、液状検体の採取量のばらつきを抑制でき、液状検体の採取精度を高めることが可能となる。
【0079】
(容器の使用方法)
図1に戻り、続いて、このように構成された容器1の使用方法について説明する。
【0080】
例えば、まず、図1(a)に示す第1取付状態(具体的には、封止部40によって第1下側開口部23の近傍部分が封止されている状態)において、ユーザから第1容器10(具体的には、第1収容部20)に向けて液状検体が吐出されると、当該吐出された液状検体が第1容器10に一時的に収容される。
【0081】
この場合において、上述したように、第1収容部20が基準量の液状検体を収容するものであると共に、第2収容部30が余剰検体を収容するものであるので、第1収容部20が満杯であるか否かに基づいて、第1収容部20において基準量の液状検体が収容されているか否かを視覚的に確認できることから、第2容器50に余剰検体が収容されることを回避しやすくなる。また、上述したように、平面方向から見て第1収容部20が第2収容部30内に位置し、且つ第1上側開口部22が第2収容部30の下端部よりも上方に位置するように、第1収容部20及び第2収容部30が構成されているので、第1収容部20に収容しきれなかった液状検体を、余剰検体として第1上側開口部22を介して第2収容部30に確実に収容できる。
【0082】
次に、第1収容部20に基準量の液状検体が収容された後に、ユーザによって第1容器10が第2容器50に対して回されると(つまり、第1螺合部71が第2螺合部72に対してネジ回しされると)、開封部70によって封止部40が開封されて、第1収容部20に収容された液状検体が第1下側開口部23及び第3開口部62を介して第2容器50(具体的には、第3収容部60)に収容される。
【0083】
続いて、図1(b)に示すように、ユーザによって第1容器10が第2容器50から取り外された後に、蓋部80が第2容器50に取り付けられることで(つまり、図4(a)に示す第2取付状態にすることで)、蓋部80によって第2容器50が密閉される。そして、ユーザによって容器1が検査装置(図示省略)まで搬送された後に、検査装置を用いて当該容器1に収容された液状検体に関する検体検査(例えば、ウイルス検査等)が行われる。
【0084】
このような使用方法により、上記従来技術に比べて、液状検体の採取量のばらつきを抑制でき、液状検体の採取精度を高めることが可能となる。
【0085】
(実施の形態の効果)
このように実施の形態によれば、第1容器10が、第1上側開口部22と、第1上側開口部22よりも下方に位置する第1下側開口部23とを有する第1収容部20であり、第1上側開口部22を介して基準量の液状検体を収容する第1収容部20と、第2開口部32を有する第2収容部30であり、第2開口部32を介して余剰検体を収容する第2収容部30と、第1下側開口部23又は第1収容部20の内部空間の一部を封止する封止部40と、を備え、第2容器50が、第3開口部62を有する第3収容部60であり、開封部70によって封止部40が開封された際に、第1下側開口部23及び第3開口部62を介して第1収容部20に収容された液状検体を収容する第3収容部60を備えるので、第1収容部20において基準量の液状検体が収容されているか否かを視覚的に確認しながら液状検体を一時的に収容した後に、開封部70による封止部40の開封によって当該収容した液状検体を第3収容部60に収容できる。よって、従来技術(唾液受け具が受けた唾液をダイレクトに容器本体に収容する技術)に比べて、液状検体の採取量のばらつきを抑制でき、液状検体の採取精度を高めることが可能となる。
【0086】
また、平面方向から見て第1収容部20が第2収容部30内に位置し、且つ第1上側開口部22が第2収容部30の下端部よりも上方に位置するように、第1収容部20及び第2収容部30を構成したので、第1収容部20に収容しきれなかった液状検体を、余剰検体として第1上側開口部22を介して第2収容部30に確実に収容でき、第1容器10の使用性を高めることができる。
【0087】
また、第1収容部20又は第2収容部30の少なくともいずれか一方の外径を、上方に向かうにつれて大きくしたので、第2収容部30において液状検体が受けやすくなるため、第1容器10の使用性を高めることができる。
【0088】
また、開封部70が、第1収容部20に設けられた第1螺合部71と、第3収容部60に設けられた第2螺合部72であり、第1螺合部71と螺合可能であり、且つ封止部40を開封可能な第2螺合部72とを備えるので、封止部40を開封する際に、第1容器10に収容された液状検体が当該第1容器10の外部に漏れることを回避しながら、封止部40を容易に開封でき、開封部70の使用性を高めることができる。
【0089】
また、封止部40が第1螺合部71の上端部の近傍に位置するように、第1螺合部71を配置したので、第2螺合部72が第1螺合部71の上端部の近傍に位置するまで第1螺合部71及び第2螺合部72が螺合されていない限り、封止部40が開封されることを回避でき、例えば第1螺合部71及び第2螺合部72を介して第1容器10が第2容器50に取り付けられた状態において、第1容器10に液状検体を採取することが可能となる。
【0090】
また、第3開口部62をカバーするための蓋部80であり、第2螺合部72と螺合可能な第3螺合部83を有する蓋部80を備えるので、第2螺合部72及び第3螺合部83を介して蓋部80を第2容器50に取り付けることができ、蓋部80の使用性を高めることができる。
【0091】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0092】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0093】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0094】
(容器について)
上記実施の形態では、容器1が、蓋部80を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、蓋部80を省略してもよい。
【0095】
また、上記実施の形態では、第1容器10、第2容器50、及び蓋部80が、樹脂材料にて形成されていると説明したが、これに限らず、例えば、樹脂材料以外の材料(一例として、ガラス材料又は金属材料)にて形成されてもよい。
【0096】
(第1容器について)
上記実施の形態では、平面方向から見て第1収容部20が第2収容部30内に位置し、且つ第1上側開口部22が第2収容部30の下端部よりも上方に位置するように、第1収容部20及び第2収容部30が構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、図6に示すように、平面方向から見て第1収容部20が第2収容部30外に位置するように(図6では、第1収容部20が第2収容部30よりも左側に位置するように)、第1収容部20及び第2収容部30は構成されてもよい。
【0097】
また、上記実施の形態では、第1収容部本体21の外径が、上下方向の全長にわたって均一に設定されていると共に、第2収容部30本体の外径が、上方に向かうにつれて大きく設定されていると説明したが、これに限らない。例えば、第2収容部本体31の外径は、上下方向の全長にわたって均一に設定されていると共に、第1収容部本体21の外径は、上方に向かうにつれて大きく設定されてもよい。あるいは、第1収容部本体21及び第2収容部本体31の各々の外径は、上方に向かうにつれて大きく設定されてもよい。あるいは、第1収容部本体21及び第2収容部本体31の各々の外径は、上下方向の全長にわたって均一に設定されてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態では、第1容器10が、開封補助部41を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、開封補助部41を省略してもよい。
【0099】
(開封部について)
上記実施の形態では、開封部70が、第1螺合部71及び第2螺合部72を備えていると説明したが、これに限らない。例えば、第1螺合部71及び第2螺合部72に代えて、第3収容部60に設けられた突起部であり、第1取付状態において封止部40に突き刺すことにより、封止部40を開封可能となる突起部を備えてもよい。
【0100】
この場合には、例えば、突起部は、第3収容部60に一体に形成されてもよい。あるいは、第3収容部60とは別体に形成されて、第3収容部60に対して着脱自在に設けられてもよい。また、蓋部80は、第3螺合部83に代えて、第3収容部60の上端部と着脱自在に嵌合可能な嵌合部を備えてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態では、封止部40が第1螺合部71の上端部の近傍に位置するように、第1螺合部71が配置されていると説明したが、これに限らない。例えば、上記実施の形態では、封止部40が第1螺合部71の上端部に位置するように、第1螺合部71が配置されてもよい。あるいは、封止部40が第1螺合部71の下端部に位置するように(すなわち、封止部40によって第1下側開口部23が封止されるように)、第1螺合部71が配置されてもよい。
【0102】
(封止部について)
上記実施の形態では、封止部40が、樹脂材料にて形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、封止部40が第1収容部20と別体に形成されている場合には、樹脂材料又は樹脂材料以外の材料(例えば、紙材等)で形成されて、第1収容部20に対して係合構造又は接着剤等によって接続されてもよい。
【0103】
(付記)
付記1の容器は、液状の検体を収容するための容器であって、第1容器と、前記第1容器とは異なる第2容器と、開封手段と、を備え、前記第1容器は、第1上側開口部と、前記第1上側開口部よりも下方に位置する第1下側開口部とを有する第1収容部であり、前記第1上側開口部を介して前記検体のうち基準量の検体を収容する第1収容部と、第2開口部を有する第2収容部であり、第2開口部を介して前記検体のうち前記基準量の検体以外の検体である余剰検体を収容する第2収容部と、前記第1下側開口部又は前記第1収容部の内部空間の一部を封止する封止手段と、を備え、前記第2容器は、第3開口部を有する第3収容部であり、前記開封手段によって前記封止手段が開封された際に、前記第1下側開口部及び前記第3開口部を介して前記第1収容部に収容された前記検体を収容する第3収容部を備える。
【0104】
付記2の容器は、付記1に記載の容器において、平面方向から見て前記第1収容部が前記第2収容部内に位置し、且つ前記第1上側開口部が前記第2収容部の下端部よりも上方に位置するように、前記第1収容部及び前記第2収容部を構成した。
【0105】
付記3の容器は、付記1又は2に記載の容器において、前記第1収容部又は前記第2収容部の少なくともいずれか一方の外径を、上方に向かうにつれて大きくした。
【0106】
付記4の容器は、付記1から3のいずれか一項に記載の容器において、前記封止手段を、前記第1収容部に設け、前記開封手段は、前記第1収容部に設けられた第1螺合部と、前記第3収容部に設けられた第2螺合部であり、前記第1螺合部と螺合可能であり、且つ前記封止手段を開封可能な第2螺合部とを備える。
【0107】
付記5の容器は、付記4に記載の容器において、前記封止手段が前記第1螺合部の上端部の近傍に位置するように、前記第1螺合部を配置した。
【0108】
付記6の容器は、付記4又は5に記載の容器において、前記第3開口部をカバーするための蓋部であり、前記第2螺合部と螺合可能な第3螺合部を有する蓋部を備える。
【0109】
(付記の効果)
付記1に記載の容器によれば、第1容器が、第1上側開口部と、第1上側開口部よりも下方に位置する第1下側開口部とを有する第1収容部であり、第1上側開口部を介して基準量の検体を収容する第1収容部と、第2開口部を有する第2収容部であり、第2開口部を介して余剰検体を収容する第2収容部と、第1下側開口部又は前記第1収容部の内部空間の一部を封止する封止手段と、を備え、第2容器が、第3開口部を有する第3収容部であり、開封手段によって封止手段が開封された際に、第1下側開口部及び第3開口部を介して第1収容部に収容された検体を収容する第3収容部を備えるので、第1収容部において基準量の液状の検体が収容されているか否かを視覚的に確認しながら液状の検体を一時的に収容した後に、開封手段による封止手段の開封によって当該収容した液状の検体を第3収容部に収容できる。よって、従来技術(唾液受け具が受けた唾液をダイレクトに容器本体に収容する技術)に比べて、液状の検体の採取量のばらつきを抑制でき、液状の検体の採取精度を高めることが可能となる。
【0110】
付記2に記載の容器によれば、平面方向から見て第1収容部が第2収容部内に位置し、且つ第1上側開口部が第2収容部の下端部よりも上方に位置するように、第1収容部及び第2収容部を構成したので、第1収容部に収容しきれなかった液状の検体を、余剰検体として第1上側開口部を介して第2収容部に確実に収容でき、第1容器の使用性を高めることができる。
【0111】
付記3に記載の容器によれば、第1収容部又は第2収容部の少なくともいずれか一方の外径を、上方に向かうにつれて大きくしたので、第1収容部又は第2収容部の少なくともいずれか一方において液状の検体が受けやすくなるため、第1容器の使用性を高めることができる。
【0112】
付記4に記載の容器によれば、開封手段が、第1収容部に設けられた第1螺合部と、第3収容部に設けられた第2螺合部であり、第1螺合部と螺合可能であり、且つ封止手段を開封可能な第2螺合部とを備えるので、封止手段を開封する際に、第1容器に収容された液状の検体が当該第1容器の外部に漏れることを回避しながら、封止手段を容易に開封でき、開封手段の使用性を高めることができる。
【0113】
付記5に記載の容器によれば、封止手段が第1螺合部の上端部の近傍に位置するように、第1螺合部を配置したので、第2螺合部が第1螺合部の上端部の近傍に位置するまで第1螺合部及び第2螺合部が螺合されていない限り、封止手段が開封されることを回避でき、例えば第1螺合部及び第2螺合部を介して第1容器が第2容器に取り付けられた状態において、第1容器に液状の検体を採取することが可能となる。
【0114】
付記6に記載の容器によれば、第3開口部をカバーするための蓋部であり、第2螺合部と螺合可能な第3螺合部を有する蓋部を備えるので、第2螺合部及び第3螺合部を介して蓋部を第2容器に取り付けることができ、蓋部の使用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0115】
1 容器
10 第1容器
20 第1収容部
21 第1収容部本体
21a 検体収容部分
22 第1上側開口部
23 第1下側開口部
30 第2収容部
31 第2収容部本体
32 第2開口部
40 封止部
41 開封補助部
50 第2容器
60 第3収容部
61 第3収容部本体
61a 上側収容部分
61b 下側収容部分
62 第3開口部
70 開封部
71 第1螺合部
72 第2螺合部
80 蓋部
81 蓋部本体
82 蓋側開口部
83 第3螺合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6