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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023072741
(43)【公開日】2023-05-25
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/10 20060101AFI20230518BHJP
【FI】
G01N1/10 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021185353
(22)【出願日】2021-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】517448489
【氏名又は名称】合同会社H.U.グループ中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】小▲高▼ 健之
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AA29
2G052AD06
2G052AD26
2G052BA17
2G052CA22
2G052DA02
2G052DA12
2G052DA22
2G052DA27
2G052GA29
2G052JA07
2G052JA11
(57)【要約】
【課題】検体検査の検査精度を確保することが可能になる、容器を提供すること。
【解決手段】容器1は、液状検体を収容するためのものであって、容器本体10と、液状検体の検体種判定に用いられる試薬が吸収されている吸収体60と、吸収体60を容器本体10に対して取り付けるための取付部70と、を備え、容器本体10は、当該容器本体10に収容された液状検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔40であり、当該貫通孔40を介して当該液状検体を吸収体60に向けて送出するための貫通孔40を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の検体を収容するための容器であって、
容器本体と、
前記検体の検体種判定に用いられる試薬が吸収されている吸収体と、
前記吸収体を前記容器本体に対して取り付けるための取付手段と、を備え、
前記容器本体は、当該容器本体に収容された前記検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔であり、当該貫通孔を介して当該検体を前記吸収体に向けて送出するための貫通孔を備える、
容器。
【請求項2】
前記吸収体を、前記貫通孔を覆うように設けた、
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
相互に異なる前記試薬が吸収されている複数の前記吸収体を備え、
前記容器本体は、当該容器本体に収容された前記検体を前記複数の吸収体の各々に向けて送出するための複数の前記貫通孔を備える、
請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記取付手段によって前記吸収体の略全体が覆われるように、前記取付手段を構成した、
請求項1から3のいずれか一項に記載の容器。
【請求項5】
前記取付手段を、透明なシール材で構成した、
請求項1から4のいずれか一項に記載の容器。
【請求項6】
前記容器本体は、
開口部を有する収容部と、
前記開口部をカバーする蓋部と、
前記蓋部の上面に設けられた前記貫通孔と、を備える、
請求項1から5のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、採取した検体の検体種判定(検体が採取対象の物質であるか否かを確認すること)を行うための技術の一つとして、容器の内底面に検査試薬を載置しておき、容器に検体を収容した後に、容器の開口部にカメラの鏡筒部を挿入した状態で、当該カメラで呈色反応後の検査試薬を撮影する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-229212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術においては、容器の内底面に検査試薬を載置するので、検体を容器に収容する際に試薬が検体に混入してしまうことにより、収容した検体を用いて検体種判定以外の検体検査を行う場合に、当該検体検査の検査精度を低下させてしまうおそれがあった。よって、検体検査の検査精度を確保する観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、検体検査の検査精度を確保することが可能になる、容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の容器は、液状の検体を収容するための容器であって、容器本体と、前記検体の検体種判定に用いられる試薬が吸収されている吸収体と、前記吸収体を前記容器本体に対して取り付けるための取付手段と、を備え、前記容器本体は、当該容器本体に収容された前記検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔であり、当該貫通孔を介して当該検体を前記吸収体に向けて送出するための貫通孔を備える。
【0007】
請求項2に記載の容器は、請求項1に記載の容器において、前記吸収体を、前記貫通孔を覆うように設けた。
【0008】
請求項3に記載の容器は、請求項1又は2に記載の容器において、相互に異なる前記試薬が吸収されている複数の前記吸収体を備え、前記容器本体は、当該容器本体に収容された前記検体を前記複数の吸収体の各々に向けて送出するための複数の前記貫通孔を備える。
【0009】
請求項4に記載の容器は、請求項1から3のいずれか一項に記載の容器において、前記取付手段によって前記吸収体の略全体が覆われるように、前記取付手段を構成した。
【0010】
請求項5に記載の容器は、請求項1から4のいずれか一項に記載の容器において、前記取付手段を、透明なシール材で構成した。
【0011】
請求項6に記載の容器は、請求項1から5のいずれか一項に記載の容器において、前記容器本体は、開口部を有する収容部と、前記開口部をカバーする蓋部と、前記蓋部の上面に設けられた前記貫通孔と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の容器によれば、容器本体が、当該容器本体に収容された検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔であり、当該貫通孔を介して当該検体を吸収体に向けて送出するための貫通孔を備えるので、従来技術(容器の内部に試薬を設けた技術)に比べて、容器本体の内部において液状の検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査(例えば、ウイルス検査等)の検査精度を確保することが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の容器によれば、吸収体を、貫通孔を覆うように設けたので、貫通孔から送出された液状の検体を吸収体に確実に吸収させることができ、当該吸収を効率的に行うことが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の容器によれば、相互に異なる試薬が吸収されている複数の吸収体を備え、容器本体が、当該容器本体に収容された検体を複数の吸収体の各々に向けて送出するための複数の貫通孔を備えるので、複数の吸収体に液状の検体を送出でき、ニーズに応じた検体種判定を行うことができる。
【0015】
請求項4に記載の容器によれば、取付手段によって吸収体の略全体が覆われるように、取付手段を構成したので、吸収体に吸収されている試薬が外部の物質と反応することを回避でき、吸収体の保管性を高めることができる。
【0016】
請求項5に記載の容器によれば、取付手段を、透明なシール材で構成したので、取付手段を容器本体から取り外すことなく、液状の検体と試薬との反応結果を簡易に確認でき、当該確認作業を簡易に行うことができる。
【0017】
請求項6に記載の容器によれば、容器本体は、開口部を有する収容部と、開口部をカバーする蓋部と、蓋部の上面に設けられた貫通孔と、を備えるので、貫通孔を収容部に設ける場合に比べて、液状の検体が試薬と反応することを回避しやすいことから、検査員が意図したタイミングで検体種判定を行いやすくなる。また、液状の検体と試薬との反応結果を確認する確認作業を比較的簡易にでき、容器の使用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係る容器を示す斜視図であり、(a)は蓋部、吸収体、及び取付部が収容部に取り付けられた状態を示す図、(b)は蓋部、吸収体、及び取付部が収容部から取り外された状態を示す図である。
図2】実施の形態2に係る容器を示す斜視図であり、(a)は蓋部、吸収体、及び取付部が収容部に取り付けられた状態を示す図、(b)は蓋部、吸収体、及び取付部が収容部から取り外された状態を示す図である。
図3】容器の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る容器の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念について説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、液状の検体を収容するための容器に関するものである。
【0021】
ここで、「容器」とは、例えば、キュベット状の容器、チップ状の容器等を含む概念であるが、実施の形態では、キュベット状の容器として説明する。
【0022】
また、「液状の検体」とは、例えば唾液、尿、喀痰等を含む概念であるが、実施の形態では、唾液として説明する。
【0023】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0024】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る容器について説明する。この実施の形態1は、後述の蓋部の上面に後述の貫通孔を設ける形態である。
【0025】
(構成)
最初に、実施の形態1に係る容器の構成について説明する。
【0026】
以下の説明では、図1のX方向を容器の左右方向(-X方向を容器の左方向、+X方向を容器の右方向)、図1のY方向を容器の前後方向(+Y方向を容器の前方向、-Y方向を容器の後方向)、図1のZ方向を容器の上下方向(+Z方向を容器の上方向、-Z方向を容器の下方向)と称する。
【0027】
容器1は、液状の検体(図示省略。以下、「液状検体」と称する。)を収容するためのものであり、図1に示すように、概略的には、容器本体10、吸収体60、及び取付部70を備えている。
【0028】
(構成-容器本体)
容器本体10は、容器1の基本構造体であり、図1に示すように、収容部20、蓋部30、貫通孔40、及び接続部50を備えている。
【0029】
(構成-容器本体-収容部)
収容部20は、後述する開口部22を介して液状検体を収容するものであり、図1に示すように、収容部本体21及び開口部22を備えている。
【0030】
(構成-容器本体-収容部-収容部本体)
収容部本体21は、収容部20の基本構造体である。この収容部本体21は、長尺な略中空状体にて形成されており、具体的には、図1に示すように、X-Y平面に沿った断面形状が略円環状である略中空状体にて形成されている(あるいは、X-Y平面に沿った断面形状が多角形環状(一例として、矩形環状)である略中空状体にて形成されてもよい)。より具体的には、内径が同一である上側収容部分21aと、上側収容部分21aよりも下方に位置する下側収容部分21bであって、内径が下方に向かうにしたがって小さくなる下側収容部分21bとを備えている。
【0031】
また、収容部本体21の具体的な大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0032】
すなわち、収容部本体21の直径については、ユーザが指で収容部本体21を摘まむことが可能な大きさに設定している。例えば、上側収容部分21aの直径については、15mmから20mm程度に設定してもよく、下側収容部分21bの直径については、5mmから20mm程度に設定してもよい。
【0033】
また、収容部本体21の上下方向の長さについては、所望量の液状検体を収容可能な長さに設定しており、例えば、100mmから150mm程度に設定してもよい。
【0034】
また、収容部本体21の厚さについては、所望の強度を確保可能な長さに設定しており、例えば、1mmから3mm程度に設定してもよい。
【0035】
なお、「所望量」とは、所定の法令、省令、又は規格で定められた量を意味し、例えば医療法で定められた量等が該当する。ただし、これに限らず、例えば、所定の法令等で定められた量を上回る量(又は、下回る量)であってもよい。
【0036】
(構成-容器本体-収容部-開口部)
開口部22は、液状検体を収容部本体21に収容するためのものである。この開口部22は、図1(b)に示すように、略円形状に形成されており(具体的には、収容部本体21の直径よりも若干小さい直径を有する略円形状に形成されており)、収容部本体21の上端部に設けられている。
【0037】
(構成-容器本体-収容部-その他の構成)
また、収容部20の形成方法については、実施の形態1では、樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)を射出成形することにより、形成している。
【0038】
(構成-容器本体-蓋部)
蓋部30は、開口部22をカバーするためのものであり、図1に示すように、蓋部本体31及び蓋側開口部32を備えている。
【0039】
(構成-容器本体-蓋部-蓋部本体)
蓋部本体31は、蓋部30の基本構造体である。この蓋部本体31は、中空状体にて形成されており、具体的には、X-Y平面に沿った断面形状が略円環状である略中空状体にて形成されている。また、図1に示すように、蓋部本体31は、蓋部30が収容部20に取り付けられた状態(以下、「取付状態」と称する)において、収容部20よりも上方側において、開口部22全体を覆うように設けられる。
【0040】
(構成-容器本体-蓋部-蓋側開口部)
蓋側開口部32は、収容部本体21の上端部を蓋部本体31内に挿通するためのものである。この蓋側開口部32は、略円形状に形成されており(具体的には、蓋部本体31の直径よりも若干小さい直径を有する略円形状に形成されており)、図1に示すように、蓋部本体31の下端部に設けられている。
【0041】
(構成-容器本体-蓋部-その他の構成)
また、蓋部30の形成方法については、実施の形態1では、樹脂材料(例えば、ポリプロピレン等)を射出成形することにより、形成している。
【0042】
(構成-容器本体-貫通孔)
貫通孔40は、当該貫通孔40を介して液状検体を吸収体60に向けて送出するためのものであり、容器本体10(具体的には、収容部20)に収容された液状検体の液面よりも上方に1つのみ設けられている。
【0043】
また、この貫通孔40の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0044】
すなわち、貫通孔40の形状については、略円形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略多角形状(例えば、三角形状等)、又は楕円形状にて設定してもよい。
【0045】
また、貫通孔40の直径については、所定時間内に検体種判定に必要な量の液状検体のみを吸収体60に向けて送出可能な大きさに設定しており、例えば、1mm程度に設定してもよい。ただし、これに限らず、例えば、1mmを上回る長さ(例えば、3mm程度)に設定してもよい。
【0046】
また、貫通孔40の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、貫通孔40を蓋部30の上面に設置している。
【0047】
具体的には、図1(b)に示すように、貫通孔40を蓋部30の上面の略中央部分に設置している。ただし、これに限らず、例えば、貫通孔40を蓋部30の上面の略中央部分以外の部分(例えば、蓋部30の上面の縁端部又はその近傍部分)に設置してもよい。
【0048】
このような設置方法により、貫通孔40を収容部20に設ける場合に比べて、液状検体が後述の試薬と反応することを回避しやすいことから、検査員が意図したタイミングで検体種判定を行いやすくなる。また、液状検体と後述の試薬との反応結果を確認する確認作業を比較的簡易にでき、容器1の使用性を高めることができる。
【0049】
(構成-容器本体-接続部)
接続部50は、蓋部30を収容部20に対して着脱自在に接続するためのものであり、図1(b)に示すように、第1接続部51及び第2接続部(図示省略)を備えている。
【0050】
(構成-容器本体-接続部-第1接続部)
第1接続部51は、接続部50の基本構造体の一部である。この第1接続部51は、例えば公知の螺合可能な雌ネジ状(又は雄ネジ状)にて形成されており、収容部20に設けられている。具体的には、図1(b)に示すように、第1接続部51は、収容部本体21と一体に形成されており、収容部本体21(図1(b)では、上側収容部分21a)の外側部分において複数周設けられており、より具体的には、上側収容部分21aの上端及びその近傍部分に設けられている。
【0051】
(構成-容器本体-接続部-第2接続部)
第2接続部は、接続部50の基本構造体の他の一部であって、第1接続部51と着脱自在に接続されるものである。この第2接続部は、例えば公知の螺合可能な雄ネジ状(又は雌ネジ状)にて形成されており、蓋部30に設けられている。具体的には、第2接続部は、蓋部30と一体に形成されており、蓋部30(具体的には、蓋部本体31)の内側部分において複数周設けられており、より具体的には、蓋部本体31の下端から上端又はその近傍に至る部分に設けられている。
【0052】
このような接続部50により、蓋部30を収容部20に対して着脱自在に接続することが可能となる。
【0053】
以上のような容器本体10により、液状検体を収容しながら、貫通孔40を介して液状検体を吸収体60に向けて送出でき、容器本体10の使用性を高めることができる。
【0054】
(構成-吸収体)
吸収体60は、図示しない試薬が吸収されているものであり、図1に示すように、略板状体(又は略シート状体)にて形成されており、蓋部30の上面に設けられている。
【0055】
ここで、「試薬」とは、液状検体の検体種判定に用いられる薬剤であり、実施の形態1では、唾液成分により呈色する反応系に必要な化学物質を含む薬剤(一例として、唾液中のアミラーゼによるデンプンの加水分解によるヨウ素デンプン反応によって青紫色の呈色反応が生じる液状の薬剤や、オリゴ糖の還元末端側にPNP(パラニトロフェノール)あるいはCNP(クロロニトロフェノール)などの発色基を導入した基質を含む薬剤等)として説明する。
【0056】
ただし、これに限らず、例えば、中性なpHといった生理学的性質を有する薬剤や、リゾチーム、ペルオキシダーゼ、免疫グロブリン、ラクトフェリンといった含有成分に基づいた化学反応が生じる薬剤等であってもよい。また、pHをターゲットとする場合はリトマス試験紙やブロモチモールブルー(BTB)、ブロムクレゾールパープル、フェノールフタレイン(PP)、メチルオレンジ(MO)、メチルレッド(MR)、チモールブルー(TB)といった薬剤であってもよい。また、リゾチーム、免疫グロブリン、ラクトフェリンをターゲットとする場合には、それぞれの抗体を金コロイドなどで標識した抗原抗体反応に基づく呈色反応が生じる薬剤であってもよい。ペルオキシダーゼをターゲットとした場合はその酸化反応を用いて呈色する試薬であってもよく、一例として、3,3’,5,5’-Tetramethylbenzidine(TMBZ)による青緑色の発色によって確認できる。
【0057】
また、吸収体60の具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0058】
すなわち、吸収体60の形状については、略円形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略多角形状(例えば、略矩形状、略三角形状等)、又は楕円形状に設定してもよい。
【0059】
また、吸収体60の直径については、貫通孔40の直径よりも大きく設定しており、例えば、2.0mmから5.0mm程度に設定してもよい。
【0060】
また、吸収体60の厚さについては、所望量の試薬を吸収することが可能な厚さに設定しており、例えば、0.5mmから1.0mm程度に設定してもよい。
【0061】
また、吸収体60の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、吸収体60を、貫通孔40を覆うように設置している。
【0062】
具体的には、図1(a)に示すように、蓋部30の上面において、吸収体60によって貫通孔40全体が覆われるように、吸収体60を設置している。
【0063】
このような設置方法により、貫通孔40から送出された液状検体を吸収体60に確実に吸収させることができ、当該吸収を効率的に行うことが可能となる。
【0064】
また、吸収体60の材質については、試薬を吸収できる限り任意であるが、実施の形態1では、濾紙で形成されている。ただし、これに限らず、例えば、樹脂製のメンブレン素材(一例として、テフロン(登録商標)製のメンブレン素材)で形成されてもよい。
【0065】
このような吸収体60により、液状検体の検体種判定を効率的に行うことが可能となる。
【0066】
(構成-取付部)
取付部70は、吸収体60を容器本体10に対して取り付けるための取付手段であり、図1に示すように、シート状体にて形成されており、蓋部30の上面側において、取付部70の一部が吸収体60よりも蓋部30の上面側とは反対側(図1(a)では、上方側)に位置し、取付部70の他の一部が蓋部30の上面に位置するように設けられている。
【0067】
また、取付部70の具体的な構成については任意であるが、実施の形態1では、取付部70によって吸収体60の略全体が覆われるように構成されている。
【0068】
具体的には、取付部70の形状については、略正方形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略長方形状、略三角形状、略円形状、又は略楕円形状にて設定してもよい。
【0069】
また、取付部70の左右方向及び前後方向の長さについては、吸収体60の直径よりも長く設定しており、例えば、吸収体60の直径の1.5倍から3倍程度に設定してもよい。
【0070】
また、取付部70の厚さについては、所望の耐久性を確保することが可能な厚さに設定しており、例えば、0.5mmから1.0mm程度に設定してもよい。
【0071】
また、取付部70の設置方法については、取付部70によって吸収体60の略全体が覆われるように、取付部70を設置している。より具体的には、図1(a)に示すように、平面視において、取付部70の中央部の位置と吸収体60の中央部の位置とが略一致するように設置している。ただし、これに限らず、例えば、平面視において、取付部70の中央部の位置と吸収体60の中央部の位置とが一致しないように設置してもよい。
【0072】
このような構成により、吸収体60に吸収されている試薬が外部の物質と反応することを回避でき、吸収体60の保管性を高めることができる。
【0073】
また、取付部70の材質については任意であるが、実施の形態1では、透明なシール材で構成されており、例えば、片面接着用の透明なプラスチックシール、又は片面接着用の透明なセロハンシール等で構成されてもよい。
【0074】
これにより、取付部70を容器本体10(具体的には、蓋部30)から取り外すことなく、液状検体と試薬との反応結果を簡易に確認でき、当該確認作業を簡易に行うことができる。
【0075】
このような取付部70により、吸収体60を容器本体10に対して簡易に取り付けることができ、取付部70の使用性を高めることができる。
【0076】
以上のような容器1により、従来技術(容器の内部に試薬を設けた技術)に比べて、容器本体10の内部において液状検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査(例えば、ウイルス検査等)の検査精度を確保することが可能となる。
【0077】
(容器の使用方法)
続いて、このように構成された容器1の使用方法について説明する。
【0078】
例えば、まず、蓋部30が収容部20から取り外された状態において、ユーザから収容部20に向けて液状検体が吐出されると、当該吐出された液状検体が収容部20に収容される。
【0079】
この場合において、上述したように、吸収体60及び貫通孔40が蓋部30の上面に設けられているので、液状検体が収容部20に収容される際に、試薬が液状検体に混入することを回避できる。
【0080】
次に、蓋部30(具体的には、吸収体60が蓋部30に対して取付部70によって取り付けられている蓋部30)が接続部50を介して収容部20に取り付けられることで、図1(a)に示す取付状態になる。
【0081】
次いで、液状検体の検体種判定を行うために、検査員によって、蓋部30が収容部20よりも下方に位置するように、容器1が反転されると共に、当該反転された状態が所定時間(例えば、1秒から5秒程度等)維持されると、貫通孔40を介して液状検体が吸収体60に向けて送出されることで、液状検体を試薬に反応(具体的には、呈色反応)させることが可能となる。その後、上記反転された状態から図1(a)に示す元の状態(蓋部30が収容部20よりも上方に位置する状態)に戻されることで、貫通孔40からの液状検体の送出が停止される。
【0082】
この場合において、上述したように、吸収体60が貫通孔40全体を覆うように設けられているので、貫通孔40から送出された液状検体を吸収体60に確実に吸収させることができる。
【0083】
続いて、検査員によって、液状検体と試薬との反応結果(呈色反応の有無)が確認される。
【0084】
この場合において、上述したように、取付部70が透明なシール材で構成されているので、取付部70を蓋部30から取り外すことなく、液状検体と試薬との反応結果を簡易に確認できる。
【0085】
そして、上記反応結果が所望の結果である場合には、検査員によって容器1が検査装置(図示省略)まで搬送された後に、検査装置を用いて当該容器1に収容された液状検体に関する検体検査(例えば、ウイルス検査等)が行われる。
【0086】
このような使用方法により、上記従来技術(容器の内部に試薬を設けた技術)に比べて、容器本体10の内部において液状検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査の検査精度を確保することが可能となる。
【0087】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、容器本体10が、当該容器本体10に収容された液状検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔40であり、当該貫通孔40を介して当該液状検体を吸収体60に向けて送出するための貫通孔40を備えるので、従来技術(容器の内部に試薬を設けた技術)に比べて、容器本体10の内部において液状検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査(例えば、ウイルス検査等)の検査精度を確保することが可能となる。
【0088】
また、吸収体60を、貫通孔40を覆うように設けたので、貫通孔40から送出された液状検体を吸収体60に確実に吸収させることができ、当該吸収を効率的に行うことが可能となる。
【0089】
また、取付部70によって吸収体60の略全体が覆われるように、取付部70を構成したので、吸収体60に吸収されている試薬が外部の物質と反応することを回避でき、吸収体60の保管性を高めることができる。
【0090】
また、取付部70を、透明なシール材で構成したので、取付部70を容器本体10から取り外すことなく、液状検体と試薬との反応結果を簡易に確認でき、当該確認作業を簡易に行うことができる。
【0091】
また、容器本体10は、開口部22を有する収容部20と、開口部22をカバーする蓋部30と、蓋部30の上面に設けられた貫通孔40と、を備えるので、貫通孔40を収容部20に設ける場合に比べて、液状検体が試薬と反応することを回避しやすいことから、検査員が意図したタイミングで検体種判定を行いやすくなる。また、液状検体と試薬との反応結果を確認する確認作業を比較的簡易にでき、容器1の使用性を高めることができる。
【0092】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る容器について説明する。この実施の形態2は、収容部の外面に貫通孔を設ける形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0093】
(構成)
最初に、実施の形態2に係る容器の構成について説明する。実施の形態2に係る容器100は、実施の形態1に係る容器1とほぼ同様に構成されている。ただし、容器本体10の構成の詳細については、下記に示す工夫が施されている。
【0094】
(構成-容器本体の構成の詳細)
次に、容器本体10の構成の詳細について説明する。
【0095】
実施の形態2に係る容器本体10は、図2に示すように、収容部20、蓋部30、貫通孔40、及び接続部50を備えている。
【0096】
(構成-容器本体の構成の詳細-収容部)
収容部20は、実施の形態1に係る収容部20と略同一に構成されている。
【0097】
(構成-容器本体の構成の詳細-蓋部)
蓋部30は、実施の形態1に係る蓋部30と略同一に構成されている。
【0098】
(構成-容器本体の構成の詳細-貫通孔)
貫通孔40は、収容部20において、当該収容部20に収容された液状検体(例えば、上記検体検査に必要な量の液状検体)の液面よりも上方に1つのみ設けられている。具体的には、図2(b)に示すように、収容部20における上側収容部分21aと下側収容部分21bとの境界部に設けられている(ただし、これに限らず、例えば、上側収容部分21a又は下側収容部分21bに設けられてもよい)。
【0099】
この場合において、吸収体60の設置方法については任意であるが、実施の形態2では、吸収体60を、貫通孔40を覆うように設置している。具体的には、図2(a)に示すように、収容部20の外面において、吸収体60によって貫通孔40全体が覆われるように、吸収体60を設置している。
【0100】
このような設置方法により、貫通孔40から送出された液状検体を吸収体60に確実に吸収させることができ、当該吸収作業を効率的に行うことが可能となる。
【0101】
また、取付部70(図2では、略長方形状の取付部70)の設置方法については任意であるが、実施の形態2では、収容部20の外面において、取付部70によって吸収体60の略全体が覆われるように、取付部70を設置している。具体的には、図2(a)に示すように、正面視において、取付部70の中央部の位置と吸収体60の中央部の位置とが略一致するように設置している。ただし、これに限らず、例えば、正面視において、取付部70の中央部の位置と吸収体60の中央部の位置とが一致しないように設置してもよい。
【0102】
このような設置方法により、吸収体60に吸収されている試薬が外部の物質と反応することを回避でき、吸収体60の保管性を高めることができる。
【0103】
(構成-容器本体の構成の詳細-接続部)
接続部50は、実施の形態1に係る接続部50と略同一に構成されている。
【0104】
以上のような容器本体10により、実施の形態1に係る容器本体10と同様に、液状検体を収容しながら、貫通孔40を介して液状検体を吸収体60に向けて送出でき、容器本体10の使用性を高めることができる。
【0105】
(容器の使用方法)
続いて、このように構成された容器100の使用方法について説明する。
【0106】
例えば、まず、吸収体60が収容部20に対して取付部70によって取り付けられており、且つ蓋部30が収容部20から取り外された状態において、ユーザから収容部20に向けて液状検体が吐出されると、当該吐出された液状検体が収容部20に収容される。
【0107】
この場合において、上述したように、貫通孔40が収容部20に設けられているものの、吸収体60が収容部20の外面に設けられているので、液状検体が収容部20に収容される際に、試薬が液状検体に混入することを回避できる。
【0108】
次に、蓋部30が接続部50を介して収容部20に取り付けられることで、図2(a)に示す取付状態になる。
【0109】
次いで、液状検体の検体種判定を行うために、検査員によって、容器100が上下方向に対して傾斜されると共に、当該傾斜された状態が所定時間維持されると、貫通孔40を介して液状検体が吸収体60に向けて送出されることで、液状検体を試薬に反応させることが可能となる。その後、上記傾斜された状態から図2(a)に示す元の状態に戻されることで、貫通孔40からの液状検体の送出が停止される。
【0110】
続いて、検査員によって、液状検体と試薬との反応結果(呈色反応の有無)が確認される。そして、上記反応結果が所望の結果である場合には、検査員によって容器100が検査装置まで搬送された後に、検査装置を用いて当該容器100に収容された液状検体に関する検体検査(例えば、ウイルス検査等)が行われる。
【0111】
このような使用方法により、実施の形態1に係る使用方法と同様に、容器100の内部において液状検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査の検査精度を確保することが可能となる。
【0112】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、容器本体10が、当該容器本体10に収容された液状検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔40であり、当該貫通孔40を介して当該液状検体を吸収体60に向けて送出するための貫通孔40を備えるので、実施の形態1に係る容器1と同様に、容器本体10の内部において液状検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査の検査精度を確保することが可能となる。
【0113】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0114】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0115】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0116】
(試薬について)
上記実施の形態1、2では、試薬が、青紫色の呈色反応が生じる液状の薬剤であると説明したが、これに限らず、例えば、中性なpHといった生理学的性質を有する薬剤や、リゾチーム、ペルオキシダーゼ、免疫グロブリン、ラクトフェリンといった含有成分に基づいた化学反応が生じる薬剤等であってもよい。この場合において、液状検体と試薬との反応結果が確認される際には、取付部70が取り外されることで確認されてもよい。
【0117】
(容器本体について)
上記実施の形態1、2では、容器本体10が、蓋部30及び接続部50を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、蓋部30又は/及び接続部50を省略してもよい。なお、接続部50が省略される場合には、蓋部30は、収容部20の上端部に対して嵌合可能に構成されてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態1、2では、容器本体10が、1つの貫通孔40を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、複数の貫通孔40を備えてもよい。一例として、図3に示すように、容器200において、貫通孔40が、収容部20及び蓋部30の各々に1つずつ設けられてもよい。あるいは、収容部20のみ又は蓋部30のみに、複数の貫通孔40が設けられてもよい。この場合において、各貫通孔40において、相互に異なる試薬が吸収されている吸収体60がそれぞれ設けられてもよい。これにより、複数の吸収体60に液状検体を送出でき、ニーズに応じた検体種判定を行うことができる。
【0119】
(吸収体について)
上記実施の形態1では、吸収体60が蓋部30の上面に設けられ、上記実施の形態2では、吸収体60が収容部20の外面に設けられていると説明したが、これに限らない。例えば、吸収体60が貫通孔40に埋め込まれるように設けられてもよい。なお、貫通孔40が収容部20に設けられる場合には、吸収体60の内側端面が貫通孔40の内側端部よりも外側に位置するように、吸収体60が設けられることが好ましい。
【0120】
(取付部について)
上記実施の形態1、2では、取付部70によって吸収体60の略全体が覆われるように、取付部70が構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、取付部70によって吸収体60の一部のみが覆われるように、取付部70が構成されてもよい。一例として、複数の取付部70によって吸収体60の端部のみが覆われるように、複数の取付部70が構成されてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態1、2では、取付部70が、透明なシール材で構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、非透明なシール材で構成されてもよい。この場合において、液状検体と試薬との反応結果が確認される際には、取付部70が取り外されることで確認されてもよい。
【0122】
また、上記実施の形態1、2では、取付部70が、シート状体にて形成されていると説明したが、これに限らない。例えば、一端が開放されたキャップ状体であって、容器本体10の外側から貫通孔40全体を覆うことが可能なキャップ状体にて形成されてもよい。この場合には、吸収体60が、貫通孔40を覆わないように設けられてもよい。また、取付部70が、容器本体10に対して嵌合構造又は係合構造等によって着脱自在に設けられてもよい。
【0123】
(付記)
付記1の容器は、液状の検体を収容するための容器であって、容器本体と、前記検体の検体種判定に用いられる試薬が吸収されている吸収体と、前記吸収体を前記容器本体に対して取り付けるための取付手段と、を備え、前記容器本体は、当該容器本体に収容された前記検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔であり、当該貫通孔を介して当該検体を前記吸収体に向けて送出するための貫通孔を備える。
【0124】
付記2の容器は、付記1に記載の容器において、前記吸収体を、前記貫通孔を覆うように設けた。
【0125】
付記3の容器は、付記1又は2に記載の容器において、相互に異なる前記試薬が吸収されている複数の前記吸収体を備え、前記容器本体は、当該容器本体に収容された前記検体を前記複数の吸収体の各々に向けて送出するための複数の前記貫通孔を備える。
【0126】
付記4の容器は、付記1から3のいずれか一項に記載の容器において、前記取付手段によって前記吸収体の略全体が覆われるように、前記取付手段を構成した。
【0127】
付記5の容器は、付記1から4のいずれか一項に記載の容器において、前記取付手段を、透明なシール材で構成した。
【0128】
付記6の容器は、付記1から5のいずれか一項に記載の容器において、前記容器本体は、開口部を有する収容部と、前記開口部をカバーする蓋部と、前記蓋部の上面に設けられた前記貫通孔と、を備える。
【0129】
(付記の効果)
付記1に記載の容器によれば、容器本体が、当該容器本体に収容された検体の液面よりも上方に設けられる貫通孔であり、当該貫通孔を介して当該検体を吸収体に向けて送出するための貫通孔を備えるので、従来技術(容器の内部に試薬を設けた技術)に比べて、容器本体の内部において液状の検体が試薬と反応することを回避でき、検体種判定以外の検体検査(例えば、ウイルス検査等)の検査精度を確保することが可能となる。
【0130】
付記2に記載の容器によれば、吸収体を、貫通孔を覆うように設けたので、貫通孔から送出された液状の検体を吸収体に確実に吸収させることができ、当該吸収を効率的に行うことが可能となる。
【0131】
付記3に記載の容器によれば、相互に異なる試薬が吸収されている複数の吸収体を備え、容器本体が、当該容器本体に収容された検体を複数の吸収体の各々に向けて送出するための複数の貫通孔を備えるので、複数の吸収体に液状の検体を送出でき、ニーズに応じた検体種判定を行うことができる。
【0132】
付記4に記載の容器によれば、取付手段によって吸収体の略全体が覆われるように、取付手段を構成したので、吸収体に吸収されている試薬が外部の物質と反応することを回避でき、吸収体の保管性を高めることができる。
【0133】
付記5に記載の容器によれば、取付手段を、透明なシール材で構成したので、取付手段を容器本体から取り外すことなく、液状の検体と試薬との反応結果を簡易に確認でき、当該確認作業を簡易に行うことができる。
【0134】
付記6に記載の容器によれば、容器本体は、開口部を有する収容部と、開口部をカバーする蓋部と、蓋部の上面に設けられた貫通孔と、を備えるので、貫通孔を収容部に設ける場合に比べて、液状の検体が試薬と反応することを回避しやすいことから、検査員が意図したタイミングで検体種判定を行いやすくなる。また、液状の検体と試薬との反応結果を確認する確認作業を比較的簡易にでき、容器の使用性を高めることができる。
【符号の説明】
【0135】
1 容器
10 容器本体
20 収容部
21 収容部本体
21a 上側収容部分
21b 下側収容部分
22 開口部
30 蓋部
31 蓋部本体
32 蓋側開口部
40 貫通孔
50 接続部
51 第1接続部
60 吸収体
70 取付部
100 容器
200 容器
図1
図2
図3